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避難所での木質バイオマスを使った支援

で、ここで紹介するのが木質バイオマス関係者の取り組み。
盛岡に拠点を置く、岩手・木質バイオマス研究会さんの、被災地支援。
http://wbi.main.jp/
「災害救援焚き火ボイラーかまど」の設置と、移動薪ボイラー車による
湯の提供です。(詳細は末尾をご参照ください。)
私も参加している「NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク(BIN)」
も応援していくということでした。
 実は、阪神淡路大震災が起る3週間前まで、私は国連の仕事でアフ
リカにいました。その時、現地のライフスタイル(調理は薪、トイレは土に
穴を掘って、水は井戸や川)の合理性に驚いたものでした。そして、半年
間、災害ボランティアのコーディイネイターとして神戸に留まり、避難所
などを周っているうちに、「トイレ」と「調理の火力や暖房」の問題の不条
理に頭を抱えざるを得ませんでした。
 「命の水」を、ただトイレを流すために使わねばならない現実。そうしな
ければ、非常に非常に不衛生になり(これは身をもって言いたいと思い
ます)、トイレに女性や子供が行かなくなり病気になってしまう現実。です
ので、当時、最初に考えたのは、校庭に穴を掘ってはダメなんだろうか・
・・、という疑問。そしえ、ドラム缶でお湯を沸かしては駄目なんだろうか。
火鉢は駄目なんだろうか・・・、と。
 一杯になれば埋めればいいトイレ。日曜大工をしたことがある人がいれ
ば、すぐに廃材でちょっとしたトイレ小屋ぐらいつくれるし、使用後におがく
ずを入れれば、匂いも発生せず。パーマカルチャーのトイレでは、普段か
らそうしている・・・。そう、パーマカルチャー的生活が、実はこのような状
態のときは、とっても合理的なのです。
http://www.pccj.net/(日本パーマカルチャー協会のサイト)
 その原型があるアフリカの田舎での暮らしを、毎夏16年近くやってきま
した。10歳の子どもも1歳から現在まで9年間、夏休みにはそんな暮らし
をしています。なので、今回も、もしライフライン止められたら、庭に穴掘
ろうね、と話してました。喜んではいなかったですが、反対もされなかった
!と思われます。隣には井戸もあるし、我が家には雨水タンクもあり。たき
火に使える竹も大量に・・・警察がこない限りは燃やせるはず。(前に来た
ので・・・)そして、現在関西につくった避難者受け入れ施設にいますが、
ここは勿論「汲み取り式」。「水」は、本当に飲むだけ、顔を洗うだけにしか
要りません。
 ちなみに、きっと避難所でごみが発生していて、それをどうするかという
問題も発生しているかと思いますが、これもまた生ごみコンポスト形式で、
校庭に穴を掘って、土を混ぜて、上にビニールシートをかぶせればいいの
ですが・・・・。 我が家では、大体のものは生ごみコンポストへ。見事土に
返って行きます。
 話が大分それましたが、ということで、以下今回の木質バイオマス研究
会の提案。冒頭に紹介したウェブで写真も見ることができます。本当に、
簡単ですぐにできそうな設備です。
 災害時にライフラインが止まった「後」について、あまり考えられて来なか
ったように思います。木質バイオマスの試みも含め、何か提案していける
といいかもしれません。だって、周りにたくさんの木があるというのに、灯
油がないから寒さに凍える・・・というのは、本当に哀しいです。すぐさま、
薪ストーブぐらい入れられないのか。あるいは、普段から蒔ストーブを一つ
は設置しておくなどできないのか・・・そんなことを考えています。

1.【災害救援焚き火ボイラーかまど】の設置
①津波被災地の避難所や被災集落等のコミュニティにおいて、化石燃料、電力を必要としない(燃料は津波による流失施設等の廃木材)炊事兼湯沸しの施設を整備する。
②かまどは主に「湯沸し(水の滅菌)」や「暖かい汁物などの焚き出し」に。
③沸した湯(400L)は、当面、身体の清拭や洗髪、鍋や食器などの消毒などに。
④軌道に乗れば、湯沸し能力を強化して、ブルーシートなどによる簡易共同風呂やシャワーに湯を供給(バスポンプなどにより)。
⑤【ボイラーかまど】の周囲は、避難者等が暖をとりながらコミュニケーションの場となり、癒しにつながる。
⑥廃材薪の収集、薪を切る作業、割る作業、薪をくべる作業、水や湯の搬送、配布などは、被災者の方々が行なうことにより「避難所などの皆の役に立っている」という「生きがい対策(精神衛生の維持)」「ストレス解消」、「運動不足に伴う健康障害(=便秘やエコノミークラス症候群、糖尿病、高血圧症等の悪化につながる)予防」になる。
⑦今後、仮設住宅などが整備されるまでの2~3ヶ月間を想定したつなぎ対策。
⑧3/26、甚大な津波被害を受けた大槌町赤浜地区の避難所2カ所に「災害救援焚き火ボイラーかまど」を設置。まだドラム缶の油が完全に抜けていないので今夜の「ペットボトル湯たんぽ」として配給すると言って喜んでいただきました。

2.【移動薪ボイラー車】による湯の提供
①遠野市をベースとして、大槌町を中心に、自衛隊などの風呂が設置されない比較的小規模の避難所や孤立集落等に既成品や現地資材による仮設水槽(2,000~4,000L)を設置、数日おきにそこにボイラー車が伺い、現地の薪で沸かした湯を配送(水道がない場合は、現地で水槽等に張っておいた水を循環式風呂釜の原理で沸かす)する。
②避難所等の方々に出来るだけ多くのお湯を使っていただけるよう、移動薪ボイラー車の巡回(2台で巡回)を行う。
③浴室用の大型テントを設営。
④3/28現在、ボイラー車を突貫工事で組み上げ中(30日に完成見込み)。
by africa_class | 2011-03-29 23:26 | 【311】自然エネルギー
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