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「お母さんたちに責任はない!」、立ち向かうべきは権力・・・と声を大して言いたい。

震災・津波・原発事故発生からはや2カ月が過ぎました。私たち(福島
乳幼児妊産婦支援プロジェクト、同ニーズ対応プロジェクト)の元には、
色々なお母さんの声が届きます。一つ一つの声に、じっと耳を傾け、お
母さんたちの不安や悲しみ、苦しみ、疲れ、絶望に対して、何ができる
のか、問い続ける日々です。
 そして切実に感じるのは、お母さんたちが、避難していても、していな
くても、本当に「疲れ果てている」という点です。何故疲れ果てているのか
というと、自分がやっていることは「正しいのか」「正しくないのか」そんな
ことを日々自問自答を繰り返しているからです。
 そんなお母さんたちに追い打ちをかけるように、夫・舅姑・実家の家族・
親戚・幼馴染・ママ友・見知らぬ人たちが、心のない一言をいったりしま
す。お母さんの、「ただ子どもたちを守りたい!」、それだけのための、
自分を犠牲にしての努力や献身を、人は横から勝手な判断を下して
勝手なことをいいます。
 おかしなことに、少子化ニッポンの未来を担う子供たちのすべての責
任を負っているのは、その親たちだけという状況が生まれています。
そこがオカシイのです。原発をそこに持ってきたのも、こんなずさんな
管理をしたのも、事故があってから一番影響の大きな小さな子どもたち
を優先にする対応をしないのも、東電・政府・「専門家」・医学界・メディ
アです。だから、お母さんが決めなければならない状態が生まれ、それ
は「自主判断」として、何のサポートも得られない状態に放置されたまま
になります。
 現在の危機は、「平時」での対応を超えています。しかも、人類が経験
したことのない事態が2カ月も継続しています。今分かることは、3つの
原子炉が地震発生直後にすでにメルトダウンしていた(すでにあの時、
スリーマイルをこえ、チェルノブイリ級だった)ということです。随分遅い
はっぴょうですが、百歩譲ってそれを認めたのであれば、なぜ子どもた
ちを優先的に何とかしようとしないのでしょうか?そこが問題の核心なの
です。
 国や専門家、医学界が子どもへの危険を認めないから、学校もそのま
まです。小さいお子さんをお持ちのご家族が避難できるよう仕事が休み
になるわけではありません。むしろ、いくつかの場所では、これ以上の避
難者には対応しないようにとの通達がなされています。事態は改善する
どころか悪化しているのに!です。
 今日も、避難中のお母さんたちに、心ない一言がどこからか浴びせ
られ、避難していないお母さんたちにも、また心ない一言が口にされる
という状況です。一部に繰り返し報道された「差別」のせいで、福島を出
たくても出られないとおっしゃるお母さんたちもいます。
 私たちは、お母さんたちの悩みに寄り添い、当事者としての決断をサ
ポートするということを大切にしています。もちろん、決断は変わることも
あるでしょう。それも含めてサポートしたいと願っています。お母さんたち
と日々関われば関わるほど、「当事者の決断を重視する」姿勢が重要
だと痛感しています。
 お母さんたち、どうぞ避難していても、していなくても、ご自分を責めな
いでください。問題は、東電や政府や行政、専門家や医学界やメディア
にあるのであって、お母さんたちにあるわけではありません。なぜなら、
現在原発で起こっていること、物事を決定する機関で起こっていることの
の決定権はお母さんたちにもお父さんたちにないからです。ふりまわされ
て、情報はきちんと開示されず、先が見通せない中、自分たちですべてを
やるしかないという状態の中で、子の健康と将来のため、試行錯誤を重
ねている皆さん。皆さんは、本当によくやってらっしゃいます。もうヘトヘト
だと思います。そんな皆さんと共に悩み、できるサポートをしたいと思いま
す。
 そういえば、3・11前は、「子育ては社会で」というスローガンでもって、
「子供手当」を何が何でも実現するといっていたのではなかった・・・ので
しょうか。この政府は????!!!ならば、なぜ子どもの健康や安全
を第一に考えないまま2カ月も経つのか、意味が分かりません。
 それにしても、問題は政府だけではありません。以上の「心ない一言」を
発する側にも大いに問題があります。
  私は、政治、現代史について研究してきたわけですが、こういう危機に、
大きなもの(権力)に対する非難に力が行かず、小さきものに非難が向か
うために、社会が積極的に悪い方向に突き進んでいった・・・という事例を
たくさんみてきました。特に、戦前の日本がそうです。
  小さきもの同士の連帯を大切に、立ち向かっていく方向を見誤らないよ
う、つまり、あくまでもたたかうべきは大きなものだということを決して忘れ
ないことが重要だとつくづく思います。何より、福島原発からの電気を大量
に消費してきた東京の人間として、やはり大いに責任があります。そして、
何といっても、「子は宝」。社会の宝です。お母さんたち、よくぞ産んで、育
て、守って来られましたね。みなで応援するのは、当たり前です。
 今日の抗議行動に参加されたお母さん、お父さん、お疲れさまでした。
皆さまの声が届くよう、私たちもまた大いに声をあげていかねばなりませ
ん。この問題は「福島の問題」でも「お母さんの問題」でもなく、「我われ
皆の問題」なのですから。
by africa_class | 2011-05-24 00:22 | 【311】子ども・福島乳幼児妊産
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