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Lifestyle&平和&アフリカ&教育&Others

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多言語習得のススメ:私が5言語を使えるようになった手法(しかしマクア語は脱落・・・)

寒いですね。。ここ4日間太陽が出てくれないので、OMソーラー
システムで暖めるのを基本とする我が家は、冷たくなっています。
木質ペレットストーブは、間接暖房なので冷えきった家を暖める
のにはそれなりに時間がかかり、ようやくいい感じに。でも、一度
温まると、暖かさがかなり長持ちするのもストーブのいいところ。
 ゼミ合宿@藤野は、無事終了。卒業生&パートナーズの9名の
お蔭で、とっても豊かな合宿となりました。私が大学生の時代は、
大学に籠ったりせず、どんどん社会に出て、ありとあらゆる年齢
層のありとあらゆる国籍の皆さんと交流したものでした。外大が
多摩にある・・・こともあり、なかなかバイト先ぐらいしか年上の人
と出会う機会がないようですが、どんな出会いのチャンスも貪欲
に、色々な人に出会い、その人たちから学んでいきましょう。
 さて、金曜日にフランス語圏アフリカの研修を担当しているうち
に、受講生の「このテーマでの」フランス語がかなり理解できる
ようになった話をしました。学生から随分驚かれ、かつ私が特別
なんだと言われ、外大なのにどうしてだろう・・・と思って、よく振り
返ってみたら、私、すみません、これまで、自分がどうやってこれ
らの言語を学習してきたか伝えてこなかったことに気づきました。
 なお、ここでいう5言語ですが、どれも完璧にできるわけでは
ありません!ある意味、どれも中途半端!!!あくまでも「使え
る」という意味であって、それぞれの言語は、限りなく怪しい「使
える」です。正直言って、私は所謂「言語学習」が大っ嫌いでし
た。今でも嫌いです。(言ってしまった・・・一応これで食べてい
ますが)この5言語の内、日本語が「得意」になったのは最近
ですし、日本語の次にできる英語については、高校までしか勉
強したことがなく、英語圏に3週間以上いたことはありません。
 ましてや留学先は、ブラジルでした。
 東京外国語大学に赴任して8年目というのに、しかし、自分が
どうやってこれらの言語に加え、生活言語としてのドイツ語を使
えるようになったプロセスを、人にしっかり伝えることができる程
度に、言語化してきませんでした。もちろん、断片的には伝えて
きたし、実践してもらってきたものの、整理はできてなかったか
もしれません。ごめん・・・。というのも、私のやり方は、まったく
何の根拠もないやり方で、外大のような言語学の総本山でエ
ラそうにとてもとても・・・いえないからです。また、「語学好
き」な皆さんにあまり役に立つように思えないからです。
 私の専門は、国際関係学であって、アフリカ地域研究であっ
て、紛争・平和学なんです。。。言い訳にすぎませんが。
 ということで、全員に役立ちそうなやり方をここで根拠に基づ
いて(つまり理論や実践に基づいて)書くことはできません!
が、私がどうやったかについては説明ができるので、それを説
明します。

■言語はあくまでもツールであって目的ではない■
まず基本は、私の場合は、語学は目的ではなく、手法(ツー
ル)に過ぎなかった。現在もそうである・・・につきます。
「世界一周するために、3つの言語は使えるようになりたい」
=>世界でよく使われている言語(英語、スペイン語、ポルト
ガル語)ができれば、ほとんどすべての大陸は行けそう・・・と
いう単純な動機。3つできるようになるためには、英語はさっ
さと片付けなければならない・・・という気持ちでいつもいた。
*ですので、「●●語をマスターしたい」という目的で始めると
挫折しがちです。「==のために●●語ができるようになる必
要がある」という方が、人間自然とがんばれますし、肩の力
がいい感じで抜けるので次の基本姿勢に役立ちます。
■基本姿勢■
・恥ずかしがらない。間違えるのを恐れない。
・通じればいいという気持ちで最初は挑む。
・とにかく使いまくる。(使った分だけうまくなると信じる)
・言語をあくまでもツールとして気軽に考える。
・子どもでもしゃべれる!ことを覚えておく。
■手法■
(1)最初の外国語の「引き出し」を早めにつくってしまう。
同時にいくつかの言語を勉強する方法もありますが、私の
経験によると、最初に一つの外国語をしっかり学んでしいま
えば、後の外国語はかなり楽・・・といえます。
 なお、この「引き出し」ですが、「英語を聞いたら英語で理
解し、英語で返す」ためのもので、日本語を介すのはNG
です。(3)と(4)はそのために役立つトレーニングです。
 ただし、レベルがあがって通訳・翻訳をしなければならな
くなってくると、あえてこの「引き出し」を別の言語の「引き出
し」に繋げなくてはなりませんが、それについてはまた今度。
(2)NHKラジオ講座程度の文法の理解は必要
大人が学ぶメリットはここにあります。赤ちゃんが推測して
いかなければならない構造を、テキストで目を使って学べ
るのは大きな利点です。NHKラジオ講座程度は知った上
で取り組まないと余計回り道です。でも、最初から難しい
文法を詰め込むよりも、ある程度やったら、次に移った方
が早いと思います。
(3)High inputをまずは重視
赤ちゃんが言語を取得するのと同じです。その言語での大
量のinputがないのに、いきなりできるようになる・・・という
ことはあり得ません。話すにも、書くにも、単語が必要です。
なので、High inputを自分に課す必要はどうしてもありま
す。大体の人は無精者で、読むのが嫌いなので、とにかく
その言語を耳にする時間を増やします。その際、細切れの
音源よりも、前後に関連づけられた長い文章を繰り返し聴く
方がよいと思います。
*ちなみに、一番楽しくやれたのは、好きな映画(字幕付)
を3回観る方法です。1回目は字幕部分をテープなどで
覆ったり、観ないようにする。2回目は字幕を積極的に見
て1回目の理解不足を補う。3回目は字幕を見ずに音
を確認しながら観る。すると、単語うやフレーズだけでなく
音やシチュエーションも覚えてしまえます。
(4)High outputを試みる
これは留学に行けば早いのですが、そうでなければ、やは
り、(3)の口真似。独り言!文通、日記つけ。今の時代に
は、やはりツイッターやフェースブックの活用ですね。
 なお、これは「その言語の引き出し作り」のためには不可
欠な作業です。
(5)自分の興味のあることをその言語を使ってやる
卒論でも、趣味でも、なんでもいいので、その言語を学習
することを目的とするのではなく、その言語をとにかく使う
のを当たり前として使う・・・のが近道です。
*卒論執筆前に英語の論文を読むのに1日かかってい
たゼミ生たちが、一人残らずすごいスピードで英語論文を
いくつも読めるようになるのは、英語を学ぼうとしているか
らではなく、自分に必要不可欠な情報を血眼で探して、
使わなければならないためです。
(6)文法のおさらいをする
やはり、NHK講座だけだと難しいことは言ったり、書けなく
なるのです。使えるようになったら、ワンランク上を目指し
ましょう。
(7)一つの言語が出来れば、二つ目に。二つ目ができれ
ば、三つ目に。二つ目以降はどんどん楽になります。

な~んだ。
というがっかり音が聴こえてきそうですが、要は「使えばい
い」ということなのです。留学に行くお金がある場合は、行っ
てしまえば早いですが、行かなくても使えるようにぐらいは
なる・・・という方法でした。
 なお、標準語話者よりも、私のように方言が強い地域(関
西)の出身者の方が、言語の音への敏感さという意味では
有利な気がします。なぜなら、外国語を学ばなくても、我々
はバイリンガル(関西弁・標準語)になるからです。文法
的にはあまり大げさな意味でのバイリンガルではないです
が、語彙や音を入れ替えする訓練をしている点で、すでに
ベースは出来ているといえます。
 さて、以上のやり方で英語、スペイン語、ポルトガル語は
できるようになったのですが、ドイツ語だけは(6)をする間
がなく、家族で会話をする、ドイツで生活する上ではほとん
ど困らないものの、知的な会話はできないままです・・・。
そして、ちゃんと勉強しなかったので書かれていると、それ
が何なのか気づくのに時間がかかります。やはり、学校
での言語学習は無駄ではない、とつくづく思いますので、
そこは誤解なきよう!
 またどの言語を学ぶかですが、英語はMustなんで、第
二外国語を選んでしまったら、第三言語は、すでにできる
言語に近いものを選ぶと簡単です。私の場合は、ポルトガ
ル語とスペイン語という姉妹言語を選びました。ドイツ語は
英語に近いので、面倒な言語ですが無茶苦茶チャレンジ
というわけではありません。
 が、マクア語は・・・・ダメでした。まずスワヒリ語という
バントゥー諸語の基本言語であり、文法的に簡単なもの
を学んでから取り組まなかったのが痛かったです。です
ので、教訓としては、似た言語ならより易しいものから
マスターすべし・・・といえるでしょう。
 以上は、外大みたいに外国語学習が当たり前の大学に
通ってない人にもやれる手法の説明です。外大生は、す
でにせっかく授業があって、ネイティブの先生がいるので、
機会はどんどん活用してくださいね。でないと授業料がも
ったいない!(私がいうことじゃないけど)
 なお、ポルトガル語の授業でダニエルさんのプレゼン
+私が質問(どちらもポルトガル語)をして、皆がポルト
ガル語で答えを書いているのは、(3)と(4)のためです。
また、後期の授業で、各自のテーマでプレゼンをしてい
るのは、(5)のためです。翻訳は、(2)と(6)、そして実
のところ、皆さんの母語教育のためでした!なぜなら、
私もそうでしたが、18歳から外国語ばっかりやらされる
ので、日本語がかなり疎かになるからです。母語がき
ちんとできないで、何言語できても意味がないから日本
語も頑張ろう。これについては、大量に読む・・・しかない
と思います。(自戒も込めて)
 がんばりましょう。私は、2012年度はフランス語習得
を試みてみようかと思います。とはいえ、マラソンも確か
今年の抱負だったような・・・。そうでした!マラソンに出
たいと思ったのは、フランスでワイン飲み放題のメドック・
マラソン(ボルドー)を知ったからでした。すでに忘れて
いたとは、恐ろしい・・・。忘却力は言語習得にかなり
マイナスですね。年齢との闘いではあります。
http://toptour.jp/sit/medocmarathon/index.html
 以上、メドックマラソンの紹介サイト。ますます行きた
い。日本の地域おこしにも使えるアイディアが満載だと
思うので、是非皆さん一緒に行きましょう。
 今年の抱負、なんだか両方やる気が出てきました。単
純な自分が哀しいですが、これが原動力。皆さんも是非
「楽しみ」を取り入れて、がんばりましょう。
by africa_class | 2012-01-23 23:58 | 【大学】中級ポルトガル語
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