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パバロッティを聴きながら、「教科書通りに教えない」授業の愛と勇気を考える。

ドイツの息子から電話があり、授業で色々な曲を歌うので原曲が
聴きたいから自分のお金でiPod買っていいかな?という質問が。
実は、日本にいた時、彼の音楽の成績は芳しいものではなく、歌
もいまいち・・・なんで(失礼!)、音楽あんまり好きじゃないのかな
、と思っていただけに朗報です。
 シュタイナー学校では、先生たちはみな音楽を奏でながら授業を
進めます。世界の民謡から現代のポップまでとにかく何でもあり!
ピアノはいまいち関心なしだったのが、リコーダーは面白いらしく、
クリスマスは毎日二人で吹きまくりでした。

 私が初めて音楽のためにお小遣いを放出したのは一体いつだっ
たのか・・・考えて想い出したのは、オペラのCDを聴くためにCD
プレーヤーを買った高校1年生の頃のことでした。
 それまではアナログのレコードプレーヤーでガマンしていたもの
の、高校の音楽の先生がオペラとスピーカーにハマってた方で、
先生のお勧めする「世界最高のオペラ」をこれまた自称「世界最
高のスピーカー(自作!)」で聴かせてくれていたのでした。
 小学校の時からピアノと声楽をやっていたものの、オペラは苦
手だった私がオペラに開眼したのは間違いなくこの先生のお蔭。
 時代は、パバロッティ、ドミンゴ、カレーラスの「三大テノール」
黄金期。まさか・・・知りません?時代が違うかも・・・。念のため↓
http://www.youtube.com/watch?v=gjKDtdUxKOM
 ひねた子どもであった私は、一番地味なホセ・カレーラスに
ハマった。中でも、彼のカルメンは秀逸。声の質が、ドン・ホセ
役と看板曲"La fleur que tu m'avais jetée"にぴったり。
野球も、セリーグの阪神や巨人ではなく、パリーグの阪急ブレ
ーブスの大ファンだったのですが、そういえばよく考えれば、
プラシド・ドミンゴは巨人、ルチアーノ・パバロッティは阪神、カ
レーラスは阪急・・・ですね(密かに当たってる気が)!
 今日たまたまラジオでパバロッティを久しぶりで聴いて、若い
時はあまり良いと思っていなかったパバロッティに凄く感激して
しまいました。歳を取ったお蔭で、斜に構える必要もなく、素直
に楽しめるようになったからでしょうね。今まで損してたかも・・
という気がしますが、「若さ」は仕方ないですね。彼のノビノビ
とした歌い方。声に羽がついてどこまでも延びていくようで、気
持ちいいですね。ただし、彼が日本で有名になってからのCD
やコンサートはいまいちです。残念ながら。(そして、実の所、
私は若い頃のマリア・カラスが一番好き。)
 大幅に話は逸れていますが、この連想がどこに結びつくかと
いうと、今日の午後考えさせられた「先生論」・・・に。多分。
 小学校から大学院まで、私の学生暦は長い!です。軽く20
年はいってるのでは・・・。あまり沢山は覚えていない学校の先
生たちの中で唯一今でも思い出すのが、①小学校の時の体罰
先生、②中学校の時の英語の先生、③高校のときの音楽の先
生です。
 いずれの先生も、教科書そっちのけで(?!)、自分が本当
に面白いと思うもの、子どもたちに伝えたいことを一生懸命伝
えようとしてくれたことに、今日パバロッティを聴きながら想い
出したのでした。(①の先生についてはもっと複雑なんで、そ
の話はまたいつの日か・・)
 その時は、「変わった先生だな」ぐらいしか思わなかったもの
の、今自分が「先生」と呼ばれるようになって、そのことが決し
て「趣味を生徒に押し付けている」というレベルのものでなか
ったことが分かります。それは「愛」であり、「勇気」であり、つ
まり「ビジョン&ミッション」に基づくものであった、と。一方的
な・・・という形容詞を付けるべきかもしれないけれど。
 今日、ある先生とご飯を食べている際に、「教科書(彼
自身ではなくその道の権威が書いた本)通りにやらないとま
ずいですから」という一言を聞いて、ひっかかった理由が腑に
落ちた瞬間でした。(パバロッティを聴きながら。③の先生が
いつも聴かせてくれてたので。彼のお気に入りはドミンゴでし
たが)
 でも、私は思うのです。「教科書通り」に講義するのであれ
ば誰にでもできる。あるいは、授業すらしなくていい。だって、
教科書を各人が読めばいいのですから。あるいは、知識を
教えることなら誰でもできる。文字を板書し、学生に写させれ
ばいいから。でも、難しいのは、何故この授業をするのか、
この授業の最後に学生たちに何を掴んでいてほしいのか、
その時はわからなくても、何年か後に何かの拍子に蘇る何
か・・・を、授業という場(空間)と時間を通じて、どうやって一
緒に創り出すのか・・・ということ。
 私もまた答えのないままに、試行錯誤を繰り返す毎日。
田舎の公立校で、教科書通りに教えないことはそれなりに
プレッシャーだったと思いますが、本来大学はもっともっと
自由な授業スタイルがあって然るべき。パバロッティを聴
いて、もっと、もっと冒険がしたくなった午後でした。(これ
以上はやめて~という声が聴こえた気もしますが・・・)
 本当は書きたかった、②の先生(中学校の英語の先生)
については次の投稿の際に~。
 あっ、高校の音楽の先生で一言。「世界最高」を目指せ
といつも言ってくれていました。「日本最高」とか「学校一番
とか小さい!」、と。兵庫の山奥の公立高校の音楽の先生
のセリフとは思えないですよね?でも、その言葉、いつも胸
に抱いて生きてきました。もちろん、「独りよがりの世界一」
なんですが!
 だからみんなにも。もちろん、世界一目指してるよね?!
by africa_class | 2012-05-09 23:48 | 【徒然】深大寺日記
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