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プロサバンナ分析in英語論文が掲載。日本の一次資料に基づく実証的分析。卒論の参考になると思います。

長い一日。なぜかアルジェリア問題での某英字紙の日本語版の取材が入り(まあ一応専門はアフリカ紛争・・・だかららしい)、ゼミの部屋を出たのが8時近く。。。お昼が休めなかった分疲労が激しい。

1.プロサバンナに関する英語論考を発表しました
そして、今朝、私の英語の論文がFood Crisis and the Global Land Grabに掲載されたとのご一報を頂きました。是非ご一読下さい。
Dr.Sayaka FUNADA CLASSEN, "Analysis of the discourse and background of the ProSAVANA programme in Mozambique – focusing on Japan’s role" (2013 Jan.)
→http://farmlandgrab.org/post/view/21574

2.土地問題の専門組織であるNo to Land Grab Japanに興味深い論考
そして、さっきお伝えした通り興味深い論考が別サイトに投稿されていました。
開発と権利のための行動センター・青西靖夫氏の記事「モザンビークにおける国際協力事業が引き起こす土地争奪~」
→http://landgrab-japan.blogspot.jp/2013/01/blog-post_29.html
(財団法人地球・人間環境フォーラム 『グローバルネット』265号2012年12月)

非常に的を得たご指摘だと思います。
冒頭の地図の説明が興味深いですね。
「神は細部に宿る」・・・・いつも肝に銘じているのですが、同じ感じを受けました。

そして最後の補足部分の資料が凄い。
JICAから2001年に刊行された南部アフリカ援助研究会の報告書です。
http://jica-ri.jica.go.jp/IFIC_and_JBICI-Studies/jica-ri/publication/archives/jica/country/2002_01.html

座長は小田先生、副座長は小倉充夫先生なのです!そして、アフリカ研究の諸先輩方の数々。モザンビーク担当者も懐かしい面々。

青西さん引用部分の全文は以上論考をみてもらうとして、「モザンビーク 本編P40- [9 ] 」にこういうことが書いてありますよという程度に抜粋。

「2-2 農地政策
土地に限ってはいまだに国有のままである。しかし土地の保有権は認められており、農村では伝統的首長が慣習的秩序に従って土地を配分することが一般的である。…従って、農地保有権(land title)の確保・安定化が当面の課題となる。1987 年に小農民保護を目的とする新しい条項が土地法に追加され、伝統的に耕作していた土地に対する小農民の権利を自動的に認めることになって、小農民は土地保有権証書を取得する権利が与えられた。しかし、その実績は上がっていない…土地の保有権申請の登録システムがきわめて貧弱であることを認めている
 この場合の論点は3 つあるだろう。①共有地の配分という慣行への親しみ、②申請書類の事務処理能力、③非識字者や社会的弱者に対する権利侵害である。第1 の共有地の配分についてはすでに述べたが、この慣行は個人分割を前提とする土地保有権になじまない。また技術的にも、境界の確定や個人への割付が利害と関連して大変難しい。あるいは、農地、放牧地、薪炭林用地などの区分も問題となりうる… 
 最大の課題は3 番目の問題である。いくら、土地法が小農民の土地アクセスに対する伝統的権利を認定すると言っても、彼ら/彼女らが必ずしもその存在を知っているとは限らないし、知っていても申請手続きを進める術を持つとは限らない。また、土地法が伝統的権威の介入を認めているので、女性などの社会的弱者が不利に扱われる危険性もないわけではない。さらに、民間資本などによる土地購入が、従前の耕作者である小農民を追い出しているケースも散見される。そこで、少なくとも農地保有権確保のための識字教育やその仕組みの広報キャンペーンが、早急に実践されるべきである。

<=当然、事業立案前にこの報告書を読んで、委員の先生方に色々ヒアリングして事業決定に至っていると思いますが、あるいは違うのでしょうか?是非そこら辺は重要なので知りたいところです。

<=以上、青西さんのものを読んだ上で、私の英語論文読む方が分かりやすいかもしれません。ニュアンスは異なっていますが、問題の根っこは大体同じかと思われます。プロサバンナ万歳の皆さんも、是非両方をご一読の上ご感想をお寄せください!

3.私の論考の手法についての補足&目次(日本語)
ちなみに、私はこの論文を研究者として書きました。私が自分にいつも課している手法は、「実証」です。これは学生にも要求していることですし、だから自分にも要求しています。

つまり、「結論先にありきではなく、あくまでも資料に語らせる」という歴史研究の手法を取りました。批判のために根拠をひっぱってきたのではありません。

第一節では、見て分かる通り、あくまでも一次資料分析、つまりJICAや日本政府、その関係者らが出している一つずつの文書や発表、報道を詳しく、丹念に読み込み、紹介しています。文字数の関係から、多くのものは短縮していますが、原典に当たることができるように明確に示しています。

まずは、このような資料分析から浮かび上がってきた特徴を、言説分析ということで整理して、言説の推移を表にまとめています。なぜなら、関係者の言動が、現場を知ってしまったこと、あるいは批判が生じたため、大幅に変わってきたというのが、このプロサバンナ事業の大きな特徴だからです。

以上の丹念な一次資料の紹介、整理の上で、第二節で行ったことが、①市民社会、②北部地域の生態・人びと、③先行事例(ブラジル、アフリカ)との比較の視点を入れての分析です。

詳細は英語の論文をご覧ください。日本語論文は出版したらまた紹介します。章立てだけ紹介しておきますね。しかし他の論文の2倍の分量…ちゃんと載せてもらえると良いのですが。しかし、ただ削れず長いのではありません!以上の通り、事業主へのリスペクトから彼らの言葉の一つ一つをなるべく正当に示し、丁寧に議論を掬い取るために、そしてその結果として浮かび上がってきたことを根拠をもって示すために、必要不可欠な手順でした。

1. はじめに~世界、アフリカ、日本の構造変化と開発・援助1
2.プロサバンナ事業にみられる言説と課題3
(1)プロサバンナの概要と背景3
(2)プロサバンナをめぐる言説の推移と時代区分5
(3)プロサバンナをめぐる各言説の特徴と背景7
 (a)「日本の対ブラジル協力(セラード開発)の成功」言説と背景7
 (b)「日伯連携による南南/三角協力」言説と背景8
 (c)「セラードの成功をアフリカへ(プロサバンナ)」言説と背景9
 (d)「世界食料安全保障をアフリカ(熱帯サバンナ)で解消」言説と背景9
 (e)「モザンビーク農業停滞」言説と背景10
 (f)「モザンビーク北部未開墾」言説と背景10
 (g)「軌道修正 開発モデル策定重視」言説と背景12
 (h)「市場原理下小農・大農共存(儲かる農業)」言説と背景12
 (i)「国際規範」言説とその背景13
 (j)「三者win-win・投資」言説と背景13
 (k)「日本・ブラジル企業商機」言説・背景14
 (l)「土地争奪・対中国競争」言説と背景15
 (m)「JICAプロジェクト型援助回帰と投資両立路線」言説と背景16
2.内発的発展論に基づく考察17
(1)モザンビーク市民社会の声からの考察17
(2)北部地域の実態、人びとの営みからの考察19
(3)ブラジル並びにアフリカの他の先行地域からの考察23
 (a)ブラジルの事例23
 (b)アフリカでの先行事例24
4.おわりに27
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by africa_class | 2013-01-29 23:58 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題
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