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ニシモリ議員が「伯国失業若者の土地のためにプロサバンナはある」とTV番組で発言(必見)

週末が始まろうという金曜日の夜、プロサバンナ事業の英語の公式資料を探していて迷子になり、プロサバンナ関連の英語資料が一気にみれるサイトを発見!と思ったら私の論文もここだった…。お恥ずかしや~。

■プロサバンナ関連の英語等の資料があるサイト
http://farmlandgrab.org/cat/show/13
■日本語が欲しい人、私のブログでの引き出しはここ
http://afriqclass.exblog.jp/i38

そして、ざっと見てて・・・・な~んだ。
モザンビーク政府情報局AIMが去年末に報道し、あちこちに流れた「パシェコ農業大臣はプロサバンナでモザンビーク農民の土地を奪わないと宣言」という記事に写ってるのは・・・・我らが「JICAの本郷さん」ではないですか!つまり、JICAさんと本郷さんが「そのように話す機会を創出」したのですね~。なるほど。外務省との定期協議会後現地に飛ばれて、やられてたのコレだったのですね~。
■http://farmlandgrab.org/post/view/21464
なんというのか・・・まあ、それが仕事なんでしょうが。お疲れ様です。

この記事「農業大臣、農民から土地奪わず」の記事にあわせて考察を書いたのですが、JICAとの面談による話となれば微妙に無駄な考察だったかも。まあご笑覧下さい。
http://afriqclass.exblog.jp/17075929/

でも、考察に書いたように、モザンビーク大臣が、
モザンビークの農業生産の9割を小農が生産している
プロサバンナはセラードの「レプリカ」である
と述べているのはJICAや外務省の主張とまるで違うので重要なポイントかと。

なぜなら、外務省とJICAは、これまでこう繰り返しているからです。
モザンビーク北部で農民は飢えて貧困で伝統的で粗放農業しか知らず生産性が低く土地を余らせてる(*その内②と同様にこの言説も否定し始めるのでしょうが・・・現実とあまりに違うので)、
②セラードとモザンビーク北部とは違い、移植するわけでない(*2010年以前は繰り返し「セラードとモザンビーク北部は同じ」と宣伝されていたのですが、ようやく違いの大きさに気づき修正中。でもその変更を未だ認めない。資料には書かれており、証拠が残っているのにねえ…ため息。)

ちょっと驚いて目が覚めてしまった私の、さらに目を覚ましたのはこのブラジルのテレビ番組でした。何気なく観て、あまりにJICAや外務省の言っていることと真逆の(いや、あえて言わないようにしてる?)ため、本当に目が覚めてしまった。

特に、これまでの定期協議会等でのやり取りを目撃した人は、腰を抜かすんじゃないかな・・・。私が以下の英語論文で書いたとおり、プロサバンナに関わるブラジル側の意図は「土地」でした。論文の結論が間違っていないことを自分の目で確認できて、いささか安堵。
■"Analysis of the discourse and background of the ProSAVANA programme in Mozambique – focusing on Japan’s role"
→http://farmlandgrab.org/post/view/21574

では、ご視聴あれ~。と書いて、実はポルトガルなので、日本語に訳してもらいました。すごく早くて完璧な訳。感謝!でも、テキストにするとかなりさらに凄い内容です。

ポイントは、調印から3年も経過しての2012年6月時点の放送、かつモザンビーク北部を訪問(ブラジルアグリビジネス関係者20名と共に)した後の番組なのに、
(1)プロサバンナはモザンビーク北部の小農支援のため等とは一言も言ってない。(外務省・JICAの主張と異なる)
(2)セラードで行った大規模な近代農業、プランテーション経営をモデルに、 アグリビジネス中心の「サバンナの開拓」と明言。(外務省・JICAは沈黙するポイント)
(3)ブラジルでは土地が不足し広い土地での営農ができず失業しているという若者が広大な農地で近代農業をするための就農対策と明言(これも外務省・JICAは「land grabbing(土地収奪)」ではないと主張)


これ・・・あまりに、現在のJICAや外務省の説明と異なることばかりなんですが・・・。
といっても、そもそも2009年からのJICAや報道資料を丹念に追えば、以上のニシモリ議員のプロサバンナ事業の目的の整理は、「異様」ではなく「妥当」に聞こえます。

つまり、当初大体こういう路線(セラードとよく似たモザンビーク北部にブラジル式大規模開拓&機械を入れた近代農業にブラジル大農<アグリビジネス>が参与)でJICAや日本政府の資料は書かれています。これらの資料に基づいて私の論文も書かれているのです(推測ではなく、歴史資料研究から)。しかし、land grabbingへの高まる批判に対応するため、急速に日本サイドの言説や主張は変わっていきました。しかし、ブラジルサイドは抑えることができなかった・・・のでしょうね。

でも、きっとこう書いたら、近々JICAの誰かがブラジルに飛んで、「ブラジルはプロサバンナで小農の土地は奪わない!」という番組や報道が作られることになるんでしょう。

しかし、そもそもこういうこと全てに(単に口裏合わせだけでなく、ブラジル若者の営農者の失業対策も含め)、日本の税金が使われるのってどうなんでしょう。311後の日本においてそんな余裕はないはずでは?東北で寒さに凍える仮設住宅の皆さんのことを思って、金曜日は情けなくなって眠れなくなりました。ほんとうに。こういう感覚って、私だけなんでしょうか。

では素晴らしい全訳ご一読ください。
一か所も修正要らずの正確な訳。
ボランティアでやってくれたのにプロフェッショナル。
こうありたいですね。
(あ、ポルトガル語の学生は番組を観ながらこの訳で確かめるとヒアリングの練習に?)

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■TV番組:プロサバンナ推進日系ブラジル人議員のモザンビーク北部訪問報告
http://farmlandgrab.org/post/view/21652

TV CAMARA Palavraberta 2012年6月27日放送
聞き手:Amneres Santiago
ゲスト:ルイス・ニシモリ(Luiz Nishimori)下院議員・社会民主党 (Partido da Social Democracia Brasileira: PSDB-PR, Paraná)パラナ州選出

聞き手:みなさん、こんにちは。みなさんはアフリカにおける農業開発の促進するためのプロジェクト、ブラジル・日本・モザンビークによる共同事業プロサバンナをご存知でしょうか。これは下院の農業委員会に支持され、2010年に調印されたものです。本日はこの話題についてお話しいただくため、社会民主党パラナ州選出のルイス・ニシモリ下院議員をお招きしました。ニシモリ議員は下院における多様な国際的な議題に精通しています。(ニシモリ氏に向かって)ようこそおいでくださいました。このお仕事について、このプロジェクトがどのように具体化されてきたのか、簡単にご説明いただけますか。

ニシモリ議員:数年前になりますが2010年にブラジル・日本・モザンビーク3カ国によって社会経済な課題、特にモザンビークにおけるアグリビジネスの発展のために国際的な合意がなされました。なぜモザンビークなのか。まずなによりモザンビークの公用語はポルトガル語です。つまりブラジル人にとっての(言語的な)障壁はありません。そして我々ブラジル人は卓越したノウ・ハウを持っています。ブラジルのセラード開発の経験と技術をアフリカのサバンナに移植することができるのです。

聞き手:セラードとサバンナの植生には類似点がありますか?カアチンガ(Caatinga) もこの地域に入りますか?

ニシモリ議員:まさにそのとおりです。セラードの土壌はアフリカのサバンナと似ています。気候も含めて似ています。あちらでは6か月間の雨季があり、同じく6ヶ月間の乾季があり、ここのセラードと同様です。ブラジリアでもそれ(雨季と乾季のサイクル)がありますね。これは大豆、綿花、トウモロコシといった穀物のプランテーション栽培を容易にします。ですから、この合意はなによりもブラジルのセラードの経験をアフリカのサバンナに移植するために形成されたのです。私はこの4月に20人ブラジル人農場経営者、アグリビジネス企業家からなる視察団を率いて、プロジェクトがどのように進行しているのか、そしてアフリカのサバンナの状態を確認するために、(モザンビークに)行ってきました。そして実際にこのプロジェクトが世界の食料を生産する大きな潜在的可能性があることを、世界の食料増産の可能性を確信いたしました。アフリカ大陸も食料が不足しています。

聞き手:なるほど。目下のところ、このプロジェクトはモザンビークで展開しています。モザンビークの中西部から北部かけて回廊(開発)がありますが、この回廊(開発)に関して、あなた方が進めているのは、農業生産、世界の食料生産のためのある種の試験場のようなものを提供するということなのでしょうか?特に日本はこのストーリーにどうかかわっているのでしょうか?さらにブラジルはこの経験から何を得るのでしょうか?

ニシモリ議員:なぜ日本政府なのかという点ですが、日本政府はブラジルのセラード開発に最も多くの投資を行った国です。その日本がアフリカのサバンナの開拓に今一度、援助を行うというものです。日本政府の関心という点では、もちろん日本企業も参入するでしょう。 

聞き手:それは技術面においてということですか?

ニシモリ議員:そのとおりです。そこから食料を購入することもあるでしょうし、また、そこから直接購入をしなくとも、日本は食料輸入国です。彼らは食料の購入を必要とします。世界的に食料の増産がなされれば、その価格は下落し、それは日本にとって利益になります。そこで日本政府は穀物生産の拠点となるナカラ回廊の650kmの道路の舗装工事とナカラ港湾のリハビリを請け負っています。ブラジル政府はナカラ港湾の近隣にナカラ国際空港を建設することで支援しています。この地域では(ブラジルの総合資源開発企業)ヴァーレ・ド・リオ・ドーセ(Vale do Rio Doce)なども石炭や鉄鋼といった鉱物資源の採掘を行っています。そこに今度は我々のブラジル人農業労働者を連れていくわけです。ブラジルにおいて農業を行いたくとも土地が不足している若い人たちです

聞き手:つまり若いブラジル人農業労働者たちのために、そこへ行って働くという機会を提供するということですか?

ニシモリ議員:そうです。熱意がある若い人々が技術的で、大規模な、そして近代的な農業を行うことを切望しています。おそらくそれはモザンビークを変革することができる、アフリカのサバンナを開拓できるわけです。これは前向きな挑戦です。(ブラジルでは)多くの農業専門家が育成されていますが、無職の状態にあります。そういった人々が挑戦できるでしょう。特にブラジル南部の土地の不足した地域で4ヘクタール、5ヘクタールといった規模で農業を営みながらも、近代的で大規模な農業を行いたいと思っている若い営農家にとっては多くの機会を提供することになるでしょう

聞き手:ニシモリ議員はこれまでにもこうした国際的な議題について積極的に取り組んでいらっしゃいました。ニシモリ議員が(ブラジルの国会にあたる)国民会議に入られてから現在に至るまでの活動を少しお話いただけますか。

ニシモリ議員:この公的な(政治)人生を歩み始めて以来、私は我々の経済環境を日本や中国といったアジアの国々との関係において認識し、大きな成果を出してきました。その経験は10年以上におよび、今年、我々は日本に経済使節団を送って39周年になります。なぜ39周年なのか。来年は40周年となります。多くの人々の記憶にあるでしょう、連邦議会の重鎮であった今は亡きアントニオ・ウエノ議員、彼がこの経済使節団を始めました。そしてアントニオ議員の生前、我々は協力して経済使節団を結成し、そしてブラジル人起業家を日本市場に引き合わせてきました。私は常にブラジル人の良きパートナーは日本人であると言い続けてきました。そしてブラジル人は日本人にとっても良きパートナーであると。なぜならば、我々の側、ブラジルには豊富な天然資源、一次産品がある。そして日本は高度な技術があることは言うまでもなく、日本には海外に投資を行う意志のある中小企業が多く存在します。そこで私は(日本の)中小企業・産業のある都市部で座談会を開き、それらの産業がこの成長著しい国ブラジルに投資する 機会を提供しているわけです。特に開発・技術の分野への投資という点でブラジルは多くの利点を提供できるでしょう。私はこの経済使節団が非常に有意義な事例であると自負しております。

聞き手:本日はご出演いただきましてありがとうございました。
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最後まで読んだみなさんは、不思議ーな気持ちでいらっしゃることでしょう。
これと真逆のことを述べた12月のNGO外務省定期協議会の議事録は、まだ公開されていません。理由は、議事録だというのに、私の発言箇所に、外務省が何故か赤字で全部否定・修正を入れていたからです。勿論、私の問題ではないので、私は対応しておらず(公的な会議の公的な議事録の他者の発言に勝手に赤を入れるとは、レベルが低すぎる・・・ので。)、より上のレベルでやり取りがされていますが、一体全体この国のガバナンスと民主主義はどうなっているんでしょうか・・・暗い気持ちになります。

何度も書きますが、批判に感謝してカイゼンに役立ててこそ、発展や前進があるのではないかなあ?批判を封じ込めたり、なかったことにしたり、抑圧や弾圧をすることは、組織や社会を腐らせるとともに、退行を進めるだけです。そのことによって、腐った社会に苦しむのは、結局のところ私たち一人一人なのです。・・・が、エリートたちは、社会に生きてないので、痛くもかゆくもないのかもしれませんね。それはそれで可哀想。

すでに世界から見放されつつある日本ですが、世界の最前線で頑張る機関こそ、他者の批判をバネにしてカイゼンできる機関であってほしいものです。組織としては無理でも、中にいる問題意識のある皆さん、特に若者の皆さん、苦しいことも沢山あると思いますが、共にがんばりましょう!

批判的思考と対立の意義について以下にまとめました。

■批判的思考と対立:自分と組織を改善・刷新していく方法~TranscendやLearning Organizationより
http://afriqclass.exblog.jp/17323964

なお、このような南南・三角協力にみられる問題については、あわせてご一読を。
■三角協力/南南協力の罠1
http://afriqclass.exblog.jp/17265850
■三角/南南協力の罠2~世界の議論(没政治性問題について)
http://afriqclass.exblog.jp/17274194/
■三角/南南協力の罠3モザンビーク住民に暴動されるブラジル企業進出と日本援助(ナカラ回廊PJ)の関わり
http://afriqclass.exblog.jp/17274648
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by africa_class | 2013-02-17 22:51 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ
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