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プロサバンナ・セミナー開催、but for what?(「期待」のためモザ・伯国から30名&70万円強の会場費)

昨日は関西からトンボ帰りで東京へ。
JICA主催のプロサバンナ「国際セミナー」に参加するため。
モザンビーク・ブラジルから30名近くが来日して行われたセミナー。しかし、この来日もセミナーも、最初から最後まで不透明なまま・・・の大騒動でした。はあ~。

病み上がりであまり校正が入れられないのですが、重要なポイントなので流しておきます。なお、このたった3時間(当初予定2時間半)のセミナーで使われた会場の使用料はなんと73.5万円!!!
http://www.bellesalle.co.jp/bs_hanzomon/price/
(自分の目でみてみましょう。一般の人の給料の数か月分…。先月3人をモザンビークから1週間お招きし80万円強でしたが…。庶民の感覚ではいけないのでしょうか。)

311後の日本にこんな余裕があるんでしょうか?ウーン、意味が分かりません。いってくれれば、大学の施設でもなんでも協力したのですが…。都内は山ほど大学がある。でも、私たちがこのセミナーを公的に教えてもらったのはセミナーから10日を切った段階だからまず無理ですが・・・。

しかもそのようなお金を払う意味があったのか?セミナーの目的は次のようなものと書かれています。

セミナーの目的:「JICAは、ブラジル国際協力庁、モザンビーク農業省と共催で、日本・ブラジル・モザンビークの三角協力によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発事業(ProSAVANA-JBM)の事業の紹介及び、ブラジル・モザンビーク両国からご参加頂く政府関係機関、現地農民組織等より、当事業への期待についてお話しをいただくセミナーを開催します。」

つまり、「事業紹介」と「事業への期待についてのお話」のために、会場費に70万円…なんですね。一緒に参加した開発コンサルの友人が、「何これ?何のためやってるの?現場ではお金を切り詰めさせられているのに?しかも中身がない。宣伝と期待を話すためにわざわざこんな大規模な会議必要なの?」。

しかも、「議論」なるものもオープンではなく、質問票をProSAVANAの推進者である本郷さんが取捨選択して、モ・ブ関係者に話させただけ・・・。つまり、インプットは何もない、プロパガンダのためのセミナーだったんですね。これ、国民へのアカウンタビリティに資する点はまるでなかったイベントでしたねえ。なのに、この70万円からのお勘定も納税者持ち。この不景気の、311後の日本で、ProSAVANAは何かと景気が良い話ばかり。

そして、内容は、2週間前にモザンビークで行われたステークホルダー会議なるもので発表されたマスター・プランの詳細ですらなかったのです。勿論、目的が、「事業紹介」と「期待」だからというのもありますが、2009年に合意され4年近くが経過して、未だに「期待」の話のために、こんな大量の税金使うのでしょうか?庶民の常識をかなり逸脱した事業だということは前から思っていましたが、ますますそうですね。

でも、このセミナーと合同ミッション、それ以前から問題多発だったんです。今だから明かす舞台裏。

1. 不透明でアカウンタビリティを欠いた今回のミッション
 まず、日本のNGOがこの「ハイレベルProSAVANAミッション」なるものの来日を知ったのが3月14日。残念ながら、プロサバンナ事業の定期協議会を行ってきたJICAからでも外務省でもないモザンビーク筋から。その間、毎日のように外務省ともJICAともやり取りがあるのに、こんな議論の時間を割いている援助事業について意見交換をする市民社会側に、一切報せなし。計画と予算措置なしにこのようなお金のかかるミッションを行うわけがなく、ずっと前から計画があったはずも、2回の意見交換会でも何一つ言及してこなかったのです。
 まあ、「忙しかったのね」と優しいフォローを入れてあげたくなるところですが、この先が酷い。

 正式にODA定期協議会の枠組みから、ミッションの詳細(スケジュールと参加者)と来日するという「農民組織」の名称と面会希望、公開での討論会を依頼。しかし、何日経ってもなしのつぶて。
 何人かのNGO関係者が直接JICAに電話を繰り返し、ようやく3月22日になって、「ミッションは来る。4月2日にイベントをする。詳細は未定。農民組織名は不明。会えるかどうか不明」・・・という情報ともえいない情報が届きました。日本のNGOも大変忙しい中、ProSAVANAのフォローアップをしているというのに、これでは何の予定も立てようがありません。
 
3週間前にモザンビークに赴いたばかりの参議院ODA特別委員会の議員さんのところには、情報があるだろうということで、複数のNGOから問合せ。しかし…。何と、彼らの誰一人も、このハイレベルミッションご存知なかった!モザンビークからの来日者は、彼らがモザンビーク訪問時に会いたいと希望していた面々(農業大臣・州知事など)。国会の日程が変更になり、残念ながら帰国が早まり会えなかったことについては既にお伝えした通り。
 わざわざ先方から日本のお金で来日するというのに、何故真っ先にお知らせして面会をアレンジしないのでしょうか?国会議員の中で、ProSAVANAに関心を有しているのは、この先生方であることは間違いなく、外務省もJICAも繰り返し、ProSAVANAについて話すために議員事務所を訪れている。しかし、あえてこのハイレベルミッションについてはまったく知らせず。さすがに皆さんご立腹。
 
 3月26日、議員事務所からJICAに来日者や予定をお願いするものの、その日の夜に出てきた情報は4月2日のセミナーのものだけ。 しかも、彼らの日本への出発は29日だというのに、農民組織名も代表者名も知らせてもらえず・・・。ようやく出てきた団体名は、「農民組織」のものではなく、商工会議所のもの・・・。

 以上から明らかになったことは、JICAや外務省が、この「ハイレベルミッション」の詳細、特にスケジュールと来日する農民組織名称を、国民の代表である国会議員にも、この件で「対話」を積み重ねてきたNGOにも、知らせる気が毛頭なかったという事実。

 この時点で、すごく不透明で、アカウンタビリティに欠けている状態。
 ODAを支えているのも、来日の予算を支えているのは、国民と納税者。しかし、これらの代表者らには伝えず、ハイレベルミッションの詳細を早くから知らせてもらい、打ち合わせてもらっていたのは、「メディア」「企業関係者」でした。

 このことに、立案から現在までのProSAVANA事業の典型が見受けられます。税金で支えられた、透明性やアカウンタビリティ、情報公開が不可欠な事業であるという意識がまるで感じられません。

 援助案件にもかかわらず、「官民連携」の掛け声の下、無視され軽視され続ける納税者や市民社会、さらには国会議員の姿が象徴されているといえるでしょう。
 
2. 何故彼らはギリギリまで情報を隠したのか?
では、彼らは何故情報をギリギリまで隠したかったのか?
それは、①NGO側に都合の悪い状況を生み出されたくない、②都合の悪い情報があった。
①についてはまた今度。
②について、考えてみましょう。

 JICAや外務省が今回重視したのは、2月末のモザンビーク最大の農民組織UNACと環境団体JAによる、プロサバンナ事業への異議申し立ての打消しだったと思われます。勿論、そのためにはモザンビーク政府の代表やブラジル関係者の来日が重要ですが、より重要なのは誰か?
 
 ズバリ、「農民組織代表」です。

 彼らが、ProSAVANA事業に異議申し立てを行ったUNAC(モザンビーク全国農民連盟)をどう扱ってきたか既に紹介した通りです。2200組織の連盟で、小農の権利を守るための連合組織であり、モザンビーク最古・最大の組織であるというのに、「反対派」のレッテルを貼り、その会長になかなか会おうとせず、表敬訪問も事務官に対応させる一方、日本から派遣された議員団との面談をスッポカさせようと画策したのはご存知の通り。

(詳細→http://afriqclass.exblog.jp/17470123 「自己崩壊する日本の外交と開発援助~ #プロサバンナ を事例に(議事録・スッポカシ・農民分断問題」)
 
 JICAも外務省も、繰り返し「賛成している農民組織も沢山ある」「UNACは単なる1団体に過ぎない」と連呼し、その「賛成派農民組織代表」を来日させることが今回の狙いだったことは明白。当初、「事業対象地の、ニアサ、ナンプーラ、ザンベジア州から農民組織代表を招へい」といっていたのに・・・・。

 来日したのは1農民組織に過ぎませんでした。
 農民組織の選定はプロサバンナの対象とする各州にお任せ・・・・すると?
 
 そして、彼らは当初気づいてなかったのですが、一番避けたかった事態が生じました。
 それは・・・・なんと、ニアサ州によって「農民組織代表」として選ばれたのは、UNACのニアサ州組織代表Pessego氏だったのです!!!


3. 正当性が証明されてしまったUNACと慌てるJICA、分断の危険
 いつの時点でJICAがこの事態に気づいたのかは不明です。
 しかし、来日した「農民組織代表」は、UPCN (União Provincial de Camponeses do Niassa)つまり、UNACの加盟組織なのです。パワーポイントで使われた写真も、先日来日したUNACマフィゴ代表のものと同じだったほど。

 では、ポルトガル語のお勉強。

 União Nacional de Camponeses (UNAC 全国農民連盟)
 の各州の組織が、União Provincial de Camponeses de ----州です。
 つまり、れっきとしたUNACの組織の名称。

 そして!!!!!
 プロサバンナ批判声明を出した組織の一つなのです。以下の声明にばっちり冒頭に組織名が出てきます。
→http://farmlandgrab.org/post/view/21204

 なのに、彼の団体名は、何度聞いてもNGOは教えてもらえず、彼らが出発した先週金曜日にようやく知らされた団体名は・・・・。これにも驚き。

 UNACの一支部であることはまったく言及されないまま、「ニアサ生産者団体」、でも「組合かも?」という曖昧な日本語でJICA倉科課長からNGOに連絡が来た・・・ほどの丁寧さでした。

 しかし、今だから言いますが、私たちは勿論知っていたのです。しかし、招聘者であり主催者であるJICAから情報を得るのが筋ですし、どう理解しているのか、どう説明するのかを見ることもまた、Watch Dogとして重要な使命。議員との面談の件といい、こういう工作、本当に不要です。JICAの皆さんの説明責任の放棄や不透明さを強めるだけ。

 この程度の事実を隠さなければならないような援助事業、本当にいい加減見直しては如何でしょうか。ちなみに、このようなことはすべてモザンビーク社会にも丸見え。現地の市民社会にとって、日本の援助は、このプロサバンナ事業のせいで、既に中国とそん色のないほど不透明なものとして理解されていること、依然ご存知ないのでしょうね・・・。

 彼らが来日者を隠したかった理由はもうお分かりかと。私たちの事前接触を避け、彼が公の場で「ProSAVANA反対」を述べないために行われた数々の工作・・・について、私たちは心を痛めています。大臣から州知事まで20名近くの派遣団の中で、「反対」「異議」を唱えられるわけもなく、セミナーにいらっしゃったPessego氏は非常に硬い苦しそうな表情をされていました。

 そして、彼のパワーポイントは彼が作ったものではなく、JICAモザンビーク事務所が作成。その証拠に、彼は自分の原稿なしに話が出来ず、わざわざ席に取りに戻ったほど。そして、UNACの活動目標であるLuta pela participacao activaという「権利確保のための積極的な参加への闘い」(この方も明言していた)の訳は薄まっていました。

 さらには、休憩時間中にPessego氏と日本のNGOが話をしているそばには、JICAのプロバンナ・コーディネイターのブラジル人女性スタッフ(ジュスメイレ・モウラオン)氏がぴたーーーと付き添って、彼の発言を監視していました。さらには、彼のセミナー後の通訳は、我らが「ProSAVANAの生みの親でCerradoの生き字引の本郷さん(byJICA2009年6月)」が、手振り身振りで白熱して行っておりました。実はそのあとのNGO懇談会で、JICAブラジル人スタッフ(モウラオン氏)が行った通訳は問題だらけだったことが発覚しています。以下、英語ですみませんが・・・。

Pessego氏の話したこと:
“The invitation came from the government [of Mozambique]. I think ... because our Union disturbed our government. We, as a Union, have repeatedly been asking the provincial directorate of MINAG questions such as “for whom is ProSAVANA?” and requesting more clarification from them. We also participated in meetings on ProSAVANA and asked many questions related to the [impacts of the programme on] small farmers. Due to such intervention and doubts, as small farmers, I think, the local direcção [the MINAG’s provincial office] wanted to invite us.” (speech by the UPCN’s representative originally in Portuguese, translated by the author from the informal minutes, April 2, 2013).

JICAブラジル人スタッフ(Mourao, ProSAVANAコーディネイター)の訳:
“About our cooperation and relationship with the government, we were invited because the Union wanted to know what ProSAVANA is, and had asked questions to the government. The Provincial directorate invited the Union from the beginning and explained the design of the project [ProSAVANA]. The Union also held some meetings with the government. That is why I came here. I came to participate and to tell you, that is, the audience of Japan, our expectations as small farmers [of the programme]” (extracted from the informal minutes without any corrections, April 2, 2013).

全体がこんな調子だったのですが、その場にいらっしゃったポルトガル語も英語もとても堪能な本郷氏は何も修正せずだったのです。残念。

さらには、Pessego氏と日本のNGOとの面談は、何故かブラジルABCや農業省担当者が同行する形でしか実現しませんでした。さらに凄いのは、最後まで、Pessego氏がUNACの下部組織の代表であることは、隠されたままセミナーは終了!

 セミナーでは、結局、Pessego氏は、「プロサバンナ賛成」も「反対」も唱えませんでした。彼のギリギリの努力でした。課題として用意していた話もされませんでした。あの状況でそれを出来るモザンビーク人は多くはないでしょう。そして、彼はこの度どれほどの圧力を受け続けているのかと考えると、本当に申し訳ないです。
 
 ニアサ州知事が「州の農民組織代表を選べ」と言われて当然のごとく選んだのがUNACニアサ支部なのです。それほどまでに、UNACは「一団体」「ごく一部の偏った団体」などというものではないのです。UNACの10月11日のProSAVANA声明以降、JICA内部では、UNACが野党のものであるとか、反政府のものであるとか、国際NGOに牛耳られている団体であるとかの「噂話」がまことしやかに囁かれ、メディアや議員にも囁かれていますが、実際そうではなかったことを、この合同ミッション自身が証明してしまいました。

 だからこそ、Pessego氏の取り込みを全力でJICAもモザンビーク農業省もやってくるでしょう。 なぜ、モザンビークの「農民の組織化を支援する」というProSAVANA事業が、このように農民組織内部を分断するような状況を進んで生み出しているのでしょうか?

 まさに、日本の地方公共事業、ダム建設や原発建設と同じことを、遠いモザンビークで繰り返しているのです。最初からそうこのブログでも問題提起してきましたが、ますますその様相がはっきりし、実の所私としては胸の中に哀しい痛みを覚えています。それでなくとも沢山の課題を抱えるモザンビークの小農たちに、われわれの問題を輸出している状態だからです。

4. セミナーはなんだったのか?
そしてこのセミナーの詳細(といっても大した詳細ではないですが)を掲載したサイトが既に消去されているということでした。こういうことになるだろうと思って、保存しておいたものを抜粋し貼り付けます。

===
国際セミナー「ProSAVANA:アフリカ熱帯サバンナの持続可能な開発を目指して」

*なお、当日配られたのもウェブにあったのと同じ内容。発言した方々の所属団体も名前も分からないまま(口頭アナウンスはあったものの)、終わってしまいました。
*内容のお粗末さについては冒頭で述べた通り。面白い発見も多々あったのですが、それは後日。

1.日 時 :2013年4月2日(火)14時30分~17時00分
(その後、懇親会を予定しております。)
2.会 場 :ベルサール半蔵門 HALL A

プログラム内容
1. 開会挨拶:JICA田中明彦理事長
2. 共催者挨拶:ブラジル国際協力庁 フェルナンド・マローニ・デ・アブレウ長官
3. 基調講演:モザンビーク農業省ジョゼ・パシェッコ大臣
演題「アフリカ熱帯農業開発への取組みとProSAVANAへの期待」
ゲストコメンテーター:FAOポルトガル語圏共同体
エルデル・ムテイア代表(元モザンビーク農業大臣)
第1部
4. 講演:モザンビーク農業省/JICA/ブラジル国際協力庁共同発表
ProSAVANA事業紹介「地域住民の生活向上を目指して」
「ProSAVANAの目標・現状・課題と開発計画概要」
休憩(15分)
第2部
5. 講演:ProSAVANA事業への期待「Social Inclusionと環境保全の両立と責任ある農業投資」
講演者:モザンビーク農民組織代表者、モザンビーク北部ナカラ回廊地域州知事、モザンビークアグリビジネス企業代表者、伊藤忠商事株式会社代表者
第3部
6. 質疑応答
7. 閉会の挨拶
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by africa_class | 2013-04-03 20:06 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題
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