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現地調査写真:アグリビジネス土地収用、森林大規模伐採、地元農民との生産競合、農民間交流成果

●現地調査報告概要ドラフトの文章は先ほどの投稿をご覧ください。
http://afriqclass.exblog.jp/18496108/
写真は、同ドラフトにつけていたものと、追加分です。
●また、「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム(プロサバンナ)」に関する世界的な言論空間での状況については以下の通り
http://afriqclass.exblog.jp/18492008/
●過去の投稿については以下の引き出しに。
http://afriqclass.exblog.jp/i38/

ドラフト概要では、地元農民とアグリビジネスの生産物の競合について書くことができなかったのですが、本報告にはこれを書きます。以下、その点についての写真を追加しています。いずれも、プロサバンナ対象の19郡での調査です。なお、現地が緊迫している状況なので、調査地名・企業名を伏せています。

なお、ヘクタールの単位がなかなかイメージしずらいのですが、以下のザンベジアに進出している会社が収用した3000haとは「山手線の内側の面積の半分ぐらい」だそうです(要チェックですが)。
*なおここ数年でモザンビークが外国投資によって手放した土地面積は2万ヘクタールではなく、色々な数字があるのですが「少なくとも2百万ヘクタール」で誤記しました。失礼!。フランス面積の比喩はBBCの記事からなのですが、アフリカ全体のland dealの規模でした。ごめんなさい~!

以下の通り、モザンビークがここ数年で手放した土地面積をLand Matrix最新データに基づくと、日本の全耕地面積(425万ヘクタール)に限りなく近づいています。マラウイの耕地面積(360ha)を超え、ポルトガルやオランダの耕地面積(109haと104ha)の3倍以上ですね。

・世銀の報告書(2009年:xxxii):2.7百万ヘクタール(2004年~2009年)
・GRAINの報告書(2012年:主要な取り引きの合計):1,583,149ha(2006年~11年)
http://www.grain.org/article/entries/4479-grain-releases-data-set-with-over-400-global-land-grabs
・Land Matrixの2013年度の現時点で土地使用権が確保さた69件の取引の面積合計:3,880,460ha(手計算なので、後で計算し直します。どなたかチェックされたら教えて下さい)
http://landmatrix.org/get-the-detail/by-target-country/mozambique/

Land Matrixの最新のものが、実際にDUAT(使用権)まで得ている数字なので「最低ライン」はこれで良いと思いますが、そのLand Matrixの統計にも「詳細不明」な取り引きが沢山出てきます。また、表に出てこないものもあるので、実際はこれより大きな面積が収用されていると思われます。

なお、この企業は、農地をあきらめた農民に1ヘクタールあたり500meticais (20ドル以下1800円ぐらい?)しか提供しませんでした。新しい農地も準備せず。モザンビーク小農の平均耕作地は1.4ヘクタールですので、いかにこの「補償」が少ないか分かるかと思います。企業の進出にあたっての住民との協議の際には、「十分な補償をする。補償しても農地は準備する」といっていたそうです。

なお、この500mtですが、メイズ1袋が80~100mtなので、5~6.2袋分。一家の1年間の消費分にもなりません。そして、一番下の写真に売っているお母さん、ラッカセイを売っただけ(ごく一部)ですぐに手にできたお金です。

なお、会議でも言われていたことですが、「政府の農業政策や計画、キャンペーンでうまくいったものが一つでもあれば教えてくれ」と詰め寄られ、政府代表はまったく答えられなかったことが印象に残りました。が、実は、これは農村でも繰り返し農民から述べられた点でもあります。農民たちは「政府の新しい事業に疲れて」、なので確実にローカルで売ることができる食料生産に回帰しているということでした。

また重要なのは、「土地を選ぶ目」だと繰り返し耳にしました。そうやって肥沃な土地を選んで作付してきたところにこそ、企業が入り込んでいるor入り込もうとしちれうという現状こそが、「土地を巡る争い」の根幹にあると思います。土地・水に関する多様な情報が、プロサバンナについても蓄積されていますが、これらは地元農民にではなく、投資側に提供されるものであって、地元農民は長年の経験から土地を見つけ出しているというのに、そこに上から「投資」が降ってくる・・・・という構図が出来上がりつつあります。


【写真1-1】2013年8月8日 プロサバンナに関する3か国市民社会会議の様子
パシェコ農業大臣の挨拶の後、ProSAVANAに関して説明する首相代理(国家計画局長)
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*この後、農民や市民社会から沢山の質問と疑問が提示され、結局会議は午前9時から午後8時近くまで続いた。日本とブラジルの在外公館、JICAやABCにも、プロサバンナについて発表する時間と席が設けられたが、代理も含め誰も出席せず。その「対話」姿勢について、モザンビーク社会を落胆させました。

公的な理由は「招待が遅れたから」。でも首相代理や農業大臣ですら出席していた上に、10時間に亘る会議。どれかのタイミングで代理が聴きに来ることは可能だったはず。1年前の地元研究所の学会には、3名ほどの大使館スタッフやJICA関係者が交代で聴きに来ていた。それぐらい「興味がない」ということなのでしょうか。あるいは他の理由が?でもその結果はかなり心象を悪くしてしまったのは、本当に残念。批判に喜んで耳を傾ける政府・JICAに脱皮を期待したいです。あるいはモ国政府が阻んだのでしょうか?聞いたら「違う」といっていましたが。

【写真2-1】ザンベジア州G郡 大豆プランテーション(一部メイズも生産) 
アグリビジネス企業により3000haが開墾。収穫後の様子。
(住民との間で土地問題有。地平線まで続くプランテーション。大規模に森林を伐採)
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実際にど真ん中に立ってみての感想は「大クレーターか惑星に来たみたい」・・・。ビデオも録ったので、いずれ動画でご覧下さい。といっても、これ1000ヘクタール分に「すぎ」ません。

【写真2-2】プランテーションの入口の風景。伐採を免れた森が左に見える。
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【写真2-3】写真2-2で数メートルだけ残された森の中の様子(背後にコミュニティ)
*コミュニティのすぐそばなので薪に切られた様子が確認。そのため、実際に「開墾」のために大規模伐採された森よりも木はまばら。
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【写真2-4】同じコミュニティの穀物庫&製粉所
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【写真2-5】200袋のメイズが積み上がっている。企業はすべて自家生産分を売却済みだが、コミュニティと同じものを生産しているため競合が生まれている。買い取り手を待ったままのメイズ。
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【写真3-1】ニアサ州B郡 ブラジル人による大豆プランテーション500ha
(地元住民との間で約束不履行や労働問題・森林伐採あり 奥の山の麓に元の森林の様子)
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【写真3-2】ニアサ州B郡【写真2】のすぐそばの地元農民の畑(収穫後)1.5ha 
(事例)機械も肥料も農薬も使わず。種は自家採取。子どもはなく夫婦だけで手作業。
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【写真3-3】上記の農民夫婦の今季の収穫の一部(写真はゴマ、ラッカセイ。この他、メイズ、キャッサバ、サツマイモ、野菜を栽培 *十分以上の余剰をローカル市場へ)
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【写真4-1】UPCN(ニアサ州農民連盟*UNAC下部組織)のデモストレーション畑
2006年からブラジルのMST(土地なし農民運動)の有機農業の営農者との農民交流で学んだ手法を地元農民同士で普及。写真はニアサ州農民連盟副代表。自身が農民で普及員。
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【写真4-2】UPCN=MST身近なものを活かしたたい肥作りのデモストレーション
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JICAが思い付く前に、すでにブラジルとモザンビークの農民運動同士で相互扶助は始まっていたのです。そして、これは皆が強調していたことですが、政府のエクステンションを期待しても仕方ない、と。彼らは農民のそばにいないし、農民のメンタリティやニーズも分からないし、何より自分で耕した経験のある人というわけではない。農民同士の方が確実に学べる。だからこそ、農民が普及員として機能することが何より大切・・・という言葉は非常に重要だと思いました。
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by africa_class | 2013-09-03 19:48 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題
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