ブログトップ

Lifestyle&平和&アフリカ&教育&Others

afriqclass.exblog.jp

2012年 07月 15日 ( 1 )

大問題!!!何とかしよう!→「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」(その1)

やっと論文がいくつか終わり、本当はもっと別のことを書きたかった
のに、昨日始まった「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取
会」があまりに酷いので、時間を取られてしまった。ツイッターで書い
た点を、ここにまとめておきます。
 なお、私の本当の専門は「平和のための戦争・政治研究」です。
専門地域はアフリカですが、具体的に膨大な時間をかけてやってき
たのは、戦争や暴力に至る多様なアクター(一個人から国家、国際
機関まで)の分析を歴史・政治的観点から行うことです。
 その点からいって、今の日本の国家権力の在り方、業界関係者と
の癒着、メディアの状況…いずれをとっても、非常に「まずい」状態で
す。私は原発に反対ですが、それ以上に、このようなごく一部の利害
関係者による国家権力の「乗っ取り状態」に、強い危機感を覚えていま
す。その象徴的(分かりやすい)出来事が、昨日開始されているこの
「エネルギー・環境意見聴取会」です。
 メディア・リテラシーの観点からも、批判的精神で物事を検討すると
いうためにも、是非ご一読を。

 その前に、3・11が起こり、原発事故が発生してからずっと考えて
きた気持ちを・・・。

 「あの時止められなかったのか?」
 世界のいずれの戦争や暴力でも、子どものいじめ問題でも、このこ
とが「後になって初めて」切実に問われます。
 私たちは、「過去から学べる人という生き物」として、「後で」ではなく、
「過去」から学び、「今止める」しかありません。
 「止める」べきは、原発一基二基でなく、この「権力の濫用」です。

「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」
(1)目的

「政府は、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、エネルギー・環境戦略の見直しを6月29日に、政府の「エネルギー・環境会議」(議長:古川国家戦略担当大臣)は、2030年のエネルギー・環境に関する3つの選択肢(原発依存度を基準に、①ゼロシナリオ、②15シナリオ、③20~25シナリオ)を取りまとめました。この選択肢について国民の皆様より御意見を直接いただく「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」を全国11都市で開催いたします」
http://kokumingiron.jp/

エネルギー・環境会議はどういっているでしょうか?
・政府は、東日本大震災・原発事故を受けて、エネルギー・環境政策を白紙から見直すことを決めました。
・中長期的には原発依存度を可能な限り減らすという方針は既に示されています。
http://www.sentakushi.go.jp/about/

■重要なポイントは、
*原発事故を受けて原発依存を白紙から見直そうということ。
*2030年以降をどうしたいか、という18年後に向けた話であること。
 (今日明日の話でない)

(2)そもそも議論のたたき台になった3つの数字
以上エネ・環境会議が「つくった」とされるものです。
①原発ゼロ 
②原発15%
③原発20-25%
http://www.sentakushi.go.jp/database/

しかし、実際は委員の中に強い反対意見があったにもかか
わらず、次のような問題がある三選択肢となりました。
■以上選択肢の問題点
*そもそも、政策目的が「原発依存を減らす」なのに、
 (昨日冒頭挨拶した枝野経産大臣もそういっている)
  新しい原発をつくる③が含まれている

15%は、核燃料サイクルとセットとなっている上に原
  発が増やせる
ため、依存減らすではない。
*故に本当に「原発依存を減らす」ために、どうしていくか、
 の議論であれば、0%~数パーセントの間の選択肢が示
 されるべきなのに、0、15、20と並べられ、実は増やすこと
 が可能な15%が「真ん中」にみえる。

■そもそも、原発割合の数値を選ばせること自体問題!
*そもそも、「原発依存を減らす」ことが目的であれば、18年後の
 原発の数値割合に焦点をあてて議論すること自体ナンセンス。
*議論すべきは、どのような方向性で実現するか?という代替
 案やタイミング、そのためのプロセスのはず。

■以上の結論:重大な問題
*原発事故を受けて設置された本会議の目的に沿っていない
 フレームと焦点。目的に反する選択肢が3つの内2つを占める
 形で提示され、そこから選ぶことを「国民の選択」とされている。


(3)意見聴取会:「国民的議論を経て政策決定」という目的
同会議の設置時に入れ込まれた「国民的議論を経た決定」。
福島原発事故からまだ日が浅く、事故の衝撃や事故への反省、
特に「原子力ムラ」の存在の可視化、国民感情の悪化などが
背景にありました。
 その結果、重視されたのが「国民的議論」という文言。その手
法として今回採り入れられたのがこの意見聴取会です。その他
のツールについては、また後日取り上げますが、この目的に合致
した手法のなのか、について以下考えていきます。

(4)意見聴取会の手法:「国民的議論」のための形式か?
・全国11か所(埼玉、仙台、名古屋、札幌、大阪、富山、広島、那覇、
福島、高松、福岡)で開催。
・参加希望者は申込み(多数の場合抽選。ただし、抽選方法不明)
:意見表明希望者は、以上3シナリオの選択をし、それぞれ意見を
 100文字程度書く。
・意見表明者は各シナリオから3名ずつ、「機械で抽選」。
・所属を意見表明者に関しては確認する。(公開基準は示されず)
https://www.kokumingiron.jp/entry/?eid=4&t=1

■大きな問題点
*そもそも告知期間が短く、開催時間すら決まっておらず、会場
 のキャパは200人までの所ばかりで、参加登録も参加自体も
 非常に困難。(昨日・今日の意見表明者がこのことを問題視)
*先述の通り、3シナリオの内、0%以外の選択は、原発を続ける、
 増やすことが可能なシナリオであるにもかかわらず、各シナリオ
 を選択した参加者から3名ずつスピーカーを「抽選」。
*つまり、各会場で9名にだけ許された意見表明が、「原発
 を続けるシナリオ(15%、20-25%)」に6名が自動的に割り振ら
 れ、過半数以上の意見となるよう設定されている


■その結果
簡単にいうと、「原発拡大派と継続派」はかなりの確率で
 意見表明できる。

何度、どこでやっても、66%が原発維持派、33%だけが
 ゼロを意見表明するカラクリ

*世論調査では、脱原発を求める声が7割を超えているとの報道
 があったが、真逆の意見表明割合の扱いになっている。

(5)メディアの報道の問題:「意見二分」「抽選で選ばれた」

このような意見表明以前に設定された舞台の上で繰り広げられる
「幅広い国民の意見聴取会」の問題について、カラクリを踏まえた
上で報道した新聞は皆無でした。
 そして以上のカラクリを見破らなかっただけでなく、会場で
述べられた意見の数(ゼロ3名対原発維持・推進5名*例外1名)
を以下の通り、「意見二分」と報道し、カラクリを仕組んだ思惑や人
たちを積極的に応援
してしまった・・・。

日本経済新聞:原発「ゼロ」「維持」意見二分 エネルギー政策で
http://s.nikkei.com/Oof1SM
毎日新聞:エネルギー政策:原発存続か反対か初の聴取会で意見二分エネルギー政策http://mainichi.jp/select/news/20 …

私がこのカラクリに気づいたのは内部情報を持っていたからではな
く、司会者が9名の選び方(各選択肢から3名ずつを抽選)を冒頭
に述べたから。あまりに驚いて、そんなあからさまな工作をこの後
に及んで政府がしてくると思ってもみず・・・甘かったですね。
しかし、何よりもっと驚いたのは、メディアがそれに気づいていな
いこと。(あるいは気づいてないふりをしていること)

以上の記事と見出しは問題外として、他紙は?
朝日新聞:2030年の原発依存率どうする意見聴取会
http://t.asahi.com/77q9  、
「選択肢ごとに3人ずつ選び、約10分間ずつ話す方法にした」

とカラクリを文字として書いている点で他紙より良いのですが、そ
の選び方の問題や、だから意見が偏ることの問題については全く
指摘せず。

期待を込めて東京新聞・・・・しかし。
東京新聞:原発比率 議論深まらず さいたまで初の聴取会
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012071502000103.html
「抽選で選ばれた九人が、政府が提示した二〇三〇年時点の原発比率(1)0%(2)15%(3)20~25%の三案に関して意見を述べた。「国民的議論を深める」ことが目的とされるが、政府側との意見交換もなく、各自が言い分を主張しただけで終わり、議論は深まらないまま終わった」

そうですが、「議論を深める」目的でやったのではなく、政府が政策決定するため、「国民の意見を聴取し、政策に反映する」ために開催しており、そもそも「国民の意見をこのように、主催者の思惑で事前に意見が原発推進・維持が過半数以上に偏るよう決められた9名に代表させていいのか?}の問題を指摘した新聞社はゼロでした。

(6)メディアは何故このカラクリに気づかないのか?

よくあることなんですが、これは思い込みや取材の枠組みと関係あり。
取材に行く前から、「国民の意見」の「意見」、「何人がどの選択?」に
焦点を当てるつもりで会場に入っている。なので、9人9様の発言のメ
モ取りで必死。
 つまり、舞台の上の役者さんや、そのセリフに気を取られ、「舞
台設定」そのものの問題に気がまわらない

 デスクもイベントとして処理しているため、書かれたことにしかフォー
カスがいかない。あるいは、さいたま支局・・・が取材したとしたら、背景
が分からない。あるいはもっと酷いことに、確信犯かもしれない。

(7)ではこの「15%さん」、「20-25%さん」は誰なのか?

【さいたま会場:匿名さんが国民の代表・・・の恐怖】
●昨日のさいたま市の9名の一覧(東京新聞)で、0%の男性と20%
 の男性が不明、15%の男性は匿名であった。(不明は取材が間に
 合わなかったもの)
●つまり、「匿名」でも、「国民の代表」のような顔をして、言ったことに
 責任を負わず、ただ言うという形の意見表明が可能。(「国民」や、
 会場に詰めかけた他の参加者を代表してるのに、「誰か」は伝え
 なくていい。(ネットより怖い事態・・・)

【仙台会場:業界関係者が国民の代表・・・の恐怖】
今日の仙台市での聴取会では、昨日の洗練されたメディア・世
論操作を、ある意味もっと超えた事態が発生しました。

(a)20-25%の男性の一人は、なんと「東北電力社員」
最後の感想を述べる機会に、「個人として言いたいことがあったの
で、何度も何度もホームページから申し込んで、抽選で当たった(だ
からヤラセでないといいたかったよう)」と釈明し。しかし・・・・・・
 一回目の意見表明の冒頭:「東北電力の会長(会社?)の考え方
を紹介したい・・・・・」として、延々と会社が準備した原稿を棒読みし
始めました。そして、「お客様にご協力お願いしたい・・・25%が合
理的」と締めくった。
 この方、「個人」ではないですよね?会長や会社の考え、他
の国民を「お客様」と呼んでいる以上、「業界の人」、しかもこの「国
民的議論」を経て、その結果いかんで止めさせられる原発産業の
人ーつまり「利害関係者」であって、「一般国民」ではないですよね

 彼の「自分で何度も申し込んだ」と棒読み、あの自信のなさそうな
様子・・・・からの推測ですが、多くの東北電力社員が同じように意
見聴取会に申込みを繰り返した可能性が示唆されます。彼はたま
たまあたってしまったのだろう。読み上げてるから、言葉が凄い。
でも、人としてオカシイのを知ってるし、会場の雰囲気が凍り付いて
いくのを感じて辛い。
 東北電力管内に福島県があり、あんな事故があり、仙台にも沢山
の方が避難中なのに、「東北の復興のために原発絶対不可欠」と
連呼。「復興」できない状態に、原子力発電という人間が制御でき
ないものが起こしてしまったことを知っていて、そのため故郷を追
われた膨大な数の人がいて、これを仙台で彼の言葉として、会社
の言葉として言える神経・・・でもそれがさらに示唆しているのは、
それほど東北電力も追い詰められているということ。
 原発動かせない、収支悪い、電力自由化されそう・・・・彼が本当に言いたかったろうことは、「会社が潰れな
い、会社儲けのため、自分の職のため、原発が必要なんです!」
 案の定、この人の話の後に会場から大ブーイングが。細野大臣
がとりなすものの、5分は騒然と。そうなることすら予想できなかっ
た、東北電力・・・そこまで鈍感なんですか。電力会社、さすが。

(b)次の20-25%の男性「東北エネルギー懇談会専務理事」
 誇らしげに所属を述べているけれど、なんかおかしい・・・と思って調べたら、東北エネルギー懇談会
http://t-enecon.com/outline/index. … 
 元は「東北原子力懇談会」として発足。去年の原発事故を受け
て「原子力」を「エネルギー」に言い換えた。
 既に削除されているものの、ネット上に残っていた組織情報。
■「東北原子力懇談会」の目的:
 「放射線利用や原子力発電など、 懇談会の活動. 新聞・ラジオの広告. 親しみやすいイラストを用い身近な話題を盛り込んだ新聞広告やラジオCMなどを通し…」
 
 つまり、原発推進・宣伝のために業界が会費で運営する組織。東北電力・原子力メーカー・大学教授・婦人団体などと協力。つまり、まさに今回の「意見聴取会」のようなものをやって世論操作するための組織。ソフトパワーで、原発をよく見せることを組織の目標としていた。つまり、皆に嫌われる原子力を良いものと宣伝する仕事があるから食べていける団体。
 この団体も、東北電力と同様、「原発依存度を減らす」という前提そのものと、利害衝突する組織。業界として発言することがいくらでも可能なのに、このような人物が「国民」として出られる仕組み。
 しかし、この専務がネットから登録したとも思えず、部下らが組織を挙げて申し込んだ?
 20-25%を選ぶ一般人自体が少ない中、ヤラセがなくとも、20以上に3枠割り振られた舞台設定により、彼が選ばれるのは容易であろう。

(7)主催者があえて耳をふさいだ会場の人びとの本当の意見とは?

もうお分かりのように、「舞台設定」で、意見を表明できる人の層、表明され主流に思える意見が、前もって決定できる仕組み。
 しかも、「抽選」という一見公平な手法を使っていると堂々といえる。実際、新聞各社は繰り返し「抽選」と述べ、ヤラセのような面々(登場人物)が多くとも、国民の大半は0だと思われていたのに、「あれ?」と思いつつ、「二分」「政府は難しい判断を迫られそうだ」などと、総括しています
 ネット上の書き込みでも、「二分?」「ヤラセだろう」という意見ばかりで、ことのカラクリに気づいていない様子。それぐらい、上手く主催者らはやったのです。

■重要なポイント

*しかし、この「抽選」は勿論公正、あるいは国民全体、あるい
 は最低限会場に集まった参加者、申し込んだ参加希望者の選
 択肢の割合を示したものではない。
*会場の人びとの拍手を聞けば分かります。さいたま170
 名、0%の時だけ大きな拍手、
その他は前の方の数名
 だけが異様に大きな音で拍手するのみ。20%を支持した学生
 が、「僕らだけ拍手がなくて偏ってる」と文句をいったほど。
仙台の100名は、 0%の人以外、拍手はゼロ。業界の
 人の後には野次が飛び、それをサポートする拍手が

 (細野大臣が介入しなければならなかったほど)
*日本の会議での意思決定手法には、「コンセンサス」「投票」
 「挙手」「拍手」等がありますが、「拍手」は立派な意志確認の手
 法です。「しゃんしゃん総会」がそれ。総会で合意の場合は、拍
 手で次の議題に進みます。つまり、拍手は立派な意志表
 明の手法なのです

*両会場の拍手を聞けば、会場に足を運んだ人の大半の意志
 が0%にあったことは明らか。

■重要な作業:
*以上を実証する簡単な方法があります。会場に来た人の意
 見が知りたいのなら、
 ①各会場の参加申し込みの用紙の選択肢部分の割合
  を示せばいいのです。

 ②そして、申込者の選択したオプションの人数割合に沿
 って、入場者、意見表明者の割合を算出すべき
です。
*全然難しいことではありません。「統計」と呼ぶほどのデータ
 ですらなく、申込み用紙と計算機ででも対応可能。

■大変な問題:
*さいたまには枝野大臣、仙台には細野大臣が駆けつけ、「多
 様な国民的議論や意見を聴くため」最初から最後までいまし
 た。大臣とは会議の冒頭に挨拶するのみで、後は立ち去る
 のが「普通」です。それが最後までいた。それぐらい、この聴
 取会は重視されているのです(というポーズの宣伝)。
*その大臣らが「聴いた意見」は、主催者の設定により「原発
 継続・推進」の声が大半(9人中6名)でした。どこの会場に行
 こうとも、同じことが繰り返されます。
*しかし、会場に詰めかけた100名~170名の声は、先述の
 通り、圧倒的多数が0%でした。そのことは、ワザワザ申し込
 んだのに、会場に足を運んだのに、大臣が同じ空間にいたの
 に、表明できなかったのです。
*つまり、わざわざお金をかけて、国民の税金で「国民の
 声を聴く」ために開催した会場で、0%を求める参加者の声
 には耳をふさぎ、彼らを代弁できる者を9名中たった3名に限
 ったのです

*会議後、「話を聞いてください!」と会場から発言した女性が
 無視されたように。

(8)「国民的議論」となってるか?「国民」を代表できてるか?
そこで計算してみました。
この意見聴取会は、「政策決定」のための「国民的議論」のため重要な「意見聴取会」と枝野大臣は述べた。
【実態】
●しかし、全国11か所x9名=99名の8分スピーチを聴くだけ。
●有権者101,236,029人分の99人=天文学的に低い割合0.000001%。
●これが、「国民の声」となる。

■重大な問題:
*つまり、0.000001%の人たちに、こんな重要な政策
 の意見表明をやらせている

*しかも、どこの会場でも、9名中3名(33%)しか0%を
 選んだ人は意見表明ができない

*選挙用語でいうと、大半の民意は「死票」となる。
どこの会場でも、9名中6名(66%)が、原発維持や
 新設の意見を表明できるようになっている


「国民的議論」と呼べるための不可欠な人数・手法は?
【人数】
・そもそも、全国で開催される会場のキャパをみてください。どうせ9名しかしゃべれないのに、100名~200名のキャパのところばかり。私の授業よりも小さい規模のところ。
・「国民的関心」が高いのに何故?多くの友人・知人が申し込んで抽選から外れているということは、会場のキャパがあれば参加したかった人が山ほどいたということ。
申し込んだのに断られた人数は何人で、それにあわせて会場を変更しようとしなかったのか
・ここに、もう一つのカラクリがあります。「断る論理」を埋め込んだからです。来てほしくない人は、会場キャパをと「抽選」を理由に、排除できます。全員参加可能とすれば、それが出来ないのです。

【なぜ国民が国民の意見を聴く場に?】
・そもそも、何故「意見聴取会」なのに、会場に来た人をただ座らせているのか?せっかく意見を聴くよい機会。しかも、500人来たら確かにマイクを回すのは難しいが、100名や200名弱なら、私の授業で毎回やっている。1時間半でも、相当の人が話せる。何故自由に挙手をしてもらって話をしてもらわないのか
・そもそも、意見聴取会の参加者は、「意見を聴いてもらうため」に申し込んだ人たち。なぜ、他の主催者に勝手に設定された枠での意見表明者の意見を延々と聴く必要があるのか?政府が、国民の意見を聴くためのものではないのか?
なぜ国民が国民の意見を聴く場にすり替わっているのか

【意見聴取会の真の目的:世論操作のために開催】
・ここにもカラクリあり。今回の「意見聴取会」の真の狙いは、「ガス抜き」「国民の声を聴いたことにする」「原発擁護のための国民の声の既成事実化」という分かりやすい狙いだけでなく、「意見聴取会を通じた世論操作」があります。そのため、意見表明者の6割以上が「原発維持・推進」をいえば、会場やメディアが「なんとなくそうなのかな・・・・」と思い始め、現状の原発ゼロ希望者多しの状況を逆転できる可能性があるのです。
・つまり、この聴取会の真の目的は、「世論操作」です。となれば、15%以上を支持する意見表明者の面々が、政府に対しではなく、「国民に対してお願い、理解を呼びかけた」理由がわかる。

【何故男女比は無視されているのか?】
・国民の意見を聴くのであれば、何故以上のシナリオ別の抽選ではなく、男女比を考慮した抽選をしないのか?国民の半分は女性。
・さいたまも、仙台も9名中2名だけが女性。全員が0%を希望。つまり、女性を半分とすると、0%が半分近くなるということで0%の意見割合が確保されてしまうことへの回避の可能性?

(9)結論
以上から言えることは、本「エネルギー・環境の選択肢意見聴取会」は、開催前の時点において、事前に仕組まれた①選択肢、②意見表明者の選出プロセスから、いずれの会場で開催しようとも、表明される意見の66%が、「原発維持・増設」を支持するように誘導されている
 一見、「自由な申込み」「多様な意見」「抽選」という、公平性・透明性が担保されているようにみえて、その実、意見聴取会開催前の時点で、意見の方向性は決着がついており(結論が決まった舞台は設定され)、あとは役者がそれぞれの役割を果たすだけ・・・になっている。

●今回の原発再稼働・増税に関する政策決定プロセス、与党の分裂にみられるように、間接民主主義(議会選挙を通じた代表制)の限界は明らかであるが、また一票の格差が違憲状態であり、そもそも選挙の有効性が法的に疑問視されているが、それでも全国101,236,029人の有権者は、全員が意志を表明することが出来る仕組みとなっている。今回は、101,236,029人中99名だけが「国民」として意見を表明でき、それが政策決定の参考資料となる
99名という人数は、世論調査よりもずっと精度が低い手法。さらには、99名中66名が、「原発維持・推進」という固定枠のため、やる意味がない事態となっている。
●そして、このような場合排除されなければならない、「利害関係者」が、自由に意見をいえる枠を与えられている。「原発依存を減らす」という目的で開催する以上、「原発で食べてる業界の人」が「国民」として登場し、数少ない【99名)の意見表明できる国民の一人としてするのは問題である。
●「業界」には、「業界」として政府に働きかけるツールはいくらでも存在している。労働者も、労組を通じて、与野党と関係を深く持っている。「国民」の意見表明枠を、意図的に奪って自らの利益のために意見を言う機会を与えるのは、一般の国民にとっても、多くの聴取会参加者にとっても、福島原発事故の被害者にとっても、倫理的・公正さにおいても、許しがたいものである。
●しかも、匿名性が担保されている。「国民的議論」「幅広い国民」が、実は業界関係者であったり、匿名なら無責任に何でもいえてしまう。全国たった99名しか意見表明できないのであれば、当然じぶんの発言を自分のものとして責任を持つべきで、氏名・所属は不可欠である。それを表明しなくていいと事務局がいうのは、匿名でしか話したくない所属(業界)の人を守ることに。
●しかし、このカラクリに気づいた新聞は、初日の時点でなかった。初日には、報道が集中し、一番ニュースバリューが高い。他の国民の目にも止まりやすい。その初日に、以上の点に気づき、問題を喚起したメディアがなかったことで、「国民を二分」という数字だけが独り歩きし、人びとやメディアの認識に定着し、世論の誘導に結びついていく可能性が高い。その後、カラクリが示されても、最初のインパクトにより減じられる。(続く)

その2 http://afriqclass.exblog.jp/15770715/
その3 http://afriqclass.exblog.jp/15773002/
[PR]
by africa_class | 2012-07-15 19:27 | 【311】原発事故と問題