ブログトップ

Lifestyle&平和&アフリカ&教育&Others

afriqclass.exblog.jp

カテゴリ:【学】戦争/紛争/暴力・平和論( 17 )

【とりあえず】一連のパリ襲撃とその後(Aftermath)を受けて今考えたこと:これまでの研究からの所感

やらなきゃいけないことは山ほどあり、かつ始めた2つの話を続けなければとも思うが、自分がこれまで専門(War/Conflict & Peace Studies)として研究してきたことを踏まえると、今これを書いておかないと…と思い、急遽ブログを立ち上げる。とりあえず、この間twittしたことを貼付けておく。息子がサッカーに行ってるこの隙に。

11月13日金曜日夜にパリで起きた一連の襲撃について、じっくり考える余裕がない中で、一連の情報のRTと所感を書いてきた。投稿日時は、大体のもので、パリ時間です。

一番重要なことは、このような事件が「新しい現象ではない」ということ。
日本は今迄牧歌的に過ごせてきたので、「新しいもの」に見えるかもしれないのだけれど、そして安倍政権の外交・安保政策の転換により「差し迫ったもの」のように見えるかもしれないのだけれど、冷戦期からの現在までで、ヨーロッパを含め、世界で起きてきた現象。

何よりも、911後に行われたアフガン戦争、そしてその後のイラク戦争の後の世界においては、常態化しつつある現象といえるわけです。これは、NY、ロンドン、マドリッドといった私たちに身近な街で起きていただけでなく、中東でもアジアでもアフリカでも起きていたことで、私たちがそれらの事件を忘却していたか知ろうともしていなかっただけで、2001年以降の世界の現実だったのです。

でも、それもまた冷戦期、あるいは脱植民地化のプロセスで、世界各地で起こっていたことに根っこがあります。世界各地における戦争に限らない暴力化は、勿論遡ろうと思えばどこまでも遡れるわけですが、第二次世界大戦期に発達の端緒があり、その後冷戦で「発展」し、911で「進化を遂げた」といっても過言ではなく、「テロ」と呼ばれる事件は必ずしも、「東側」「解放勢力」「反体制勢力」「過激派」によるものだけではなかったのです。冷戦期は、アメリカや西側諸国の警察・軍・その他が関与するものは大変多く、前者による「テロ」が自分の存在をアピールするためにこれを誇示する一方で、後者のそれは隠されなければならないため、世間には広く知られないままできたのです。

巷では「陰謀論」というレッテル張りをして、これらの歴史的事実から目をそらせたい人もいるようですが、アメリカの凄いところなんですが、これらの「暗殺」「政権転覆事件」「テロ」等の秘密行動の記録を、時期がきたら広く公開し、政府自ら記録編纂をして本にまとめたりしているのです。なので、「ないところに陰謀説を持ち込んでる」というのは、まったく当たらず、そういうことをいう方々は、不勉強としかいいようがありません。

実際、日本で国際関係やアメリカ外交史を専門にしているような人たちでも、ここら辺の「負の歴史」にはまったく関心を寄せず、表で語られている歴史だけを集めて、アメリカの外交政策を没批判的に持ち上げる人がいるんですが、「栄光なるU.S.A」にどこまでも忠誠なその姿は、可哀想なほど。アメリカ外交を見るのであれば、その外交の結果を見なくてはならず、その際にアメリカからのみ見たところで、本当に見た事にならんのですが。確かに、アメリカは広いですけど、世界はもっと広いんですが…と言いたい。

植民地支配の歴史を、植民者からのみ見て分析するのがおかしいように。
被植民者の側からもまた、見なければならないわけです。
つまり、相互作用の中で見なければならない。

アメリカの政治家たちですら、イラク戦争を正当なる戦争などとはもはや言わなくなったのに、なぜか日本の「国際関係」専門家の一部は、未だに「正しかった」等と言い続けているのは、なんとも衝撃的なことで、本来に本の学術界がこれらの「専門家」に挑戦しなければならないのに、日本の学会は予定調和的な場所なので、「エライ先生」たちにただの学術論争ですら挑むことが不可能な現状がある。象牙の塔ですね。

学術界がしっかりしないので、こういう人たちを為政者たちは喜んで「活用」し、あたかも「学術的にお墨付きを得た」とする余地を生んでしまっている。学術界内では論争しないのに、そうなればなったで、先生達は出て来た「政策」に対し、これまた「専門家」として新聞やテレビで文句をいったり書いたりするわけです。でも、決して大元の「大専門家」を批判したりはしない。そんなはしたないことだし、お世話になったこともあるし、何よりそんなことしたら村八分だから。

話が脇に逸れました…。
私が、各種学会の理事や委員を降りた理由はこれです。
中で頑張らなかった訳ではないですが、中から変えるのは無理だという結論です。
今後の展望については、また書きます。

さて、アメリカとその同盟国が世界で何をしてきたのか?その理由は何か?そして、その結果、世界の各地の人びとからどう見られているのか、これを理解しないで、911後の世界の危機は語れないし、悪の連鎖は断ち切れません。

が、アメリカとその同盟国の一部、そしてその背後にあるものは、そもそものところ本当に「平和な世界」「中東の平和」を目指しているのか?…そこはまた、議論の余地があるところです。これもまた陰謀論的な意味でではなく、実際の世界大の軍事産業の問題を分析から排除して、「政治」「外交」だけをみても、本当のところは分からないのです。

私たちの世界は、冷戦が終わった時に、これらあらゆる困難を乗り越えるだけの可能性を手にしていました。
しかし、それがあっという間に消えていってしまった。
湾岸戦争、アフリカで多発した紛争の数々、旧ソ連の諸国や旧ユーゴ…。
そこで再びナショナリズムや領土の問題が生じたわけですが、勿論内部要因は非常に重要である一方、もう一度思い出さなければならないのは、ダレがどのようにこれに関わったのか?
武器はどこからどのようにきたのか?

これらの紛争は、現在にも繋がるアクターたちの出現・発展・連携を生み出していきました。
そして、今があります。

勿論、今回のパリ攻撃は、手法・規模・場所という点で、今迄よりも危機感を高めるような事態であるものの、このようなことはフランスや同盟国、その他に予想されていたわけで、実際に起きてしまったとはいえ、各国、特にシリア戦争に関与しているフランスであれば、それなりの予防策とプランがあったはず。突然起こったように見えて、実際は起こりうるものとして対応されてきていたはずで、ではその前提で、なぜこのような発生の仕方、対応の仕方なのか…というところが、報道されていないだけに重要になってきます。

特に、13日金曜日の夜に連続の被害が発生して、夜中の間中はその全容を明らかにする事に追われていて、犯行声明が出たとしても、依然として全容解明に追われる中で、週末中の日曜日にシリアで報復のための軍事攻撃が行われ、月曜日に「憲法改正と大統領権限の強化」と大統領が主張するとしたら、何かがおかしいのです。

一番の問題は、911と同様、個々の被害が生じた犯罪(程度が大きいとはいえ)を、「国家」が乗り出してきて、「戦争」という形に持ち込んで対応することです。「遠い街でのテロ被害」と「原因と考えられる遠くの紛争状況」とを同一のものと捉えて、後者に介入すれば前者が解決すると考えるのは、あまりにナイーブです。両者の首謀者が同じとしても、別個の現象であり、別個に扱われる必要があります。

勿論、以上はISILや犯罪者らの擁護ではありません。
重要なことは、いつも「紛争と平和」の授業でいったことですが、目で見える「点」だけにフォーカスしてはいけないこと。
「ある事件」「あるアクター」「ある結果」だけに注目するのではなく、何故その「事件」は、そのタイミングで、そこで、そのアクターで、そのような形で発生し、その前には何が起きていたのか、そしてそれを取り巻く状況はどのようなものであったのか、その結果のリアクションが示していることは何なのか、これら一連のことでメリットを受けたのは誰なのか、デメリットを受けたのは誰なのか、

このような時間・空間軸の広がりと複合的な視点の中で、理解しようと務めないといけません。また、「誰の声が報道され、誰の声が報道されないのか」・・・そしてそれは何故かも、しっかり見極めないといけません。

世界が複雑化したのではありません。
冷戦期の世界は、ある程度いつもこうでした。
私たちが、前よりも多くの情報を手にし、多角的に考えるきっかけを手にしたという幸運の一方で、もっと身近にこれらのことを考えなければならないほど暴力行為のただ中に自ら身を投じていってしまう政権を持ってしまったという不幸によるものです。

もうサッカーから帰って来たので、文章を見直す暇もなく、、、これにて失礼します。

==============

11月13日金曜日深夜
劇場内の死者は118名だったので、合計140人の犠牲者が出ている模様。
<=報道によってばらつきがあったが、実際の死者数は120名だったが、病院で亡くなっている人もいるので増えていく可能性がある。

心からご冥福をお祈りします…。本当に悲しく、悔しい。そして、この後起こりうる様々な暴力的な反応に。それは更なる暴力を確実に生むから。911とその後の対テロ戦争が何をもたらしたのか。暴力の連鎖を断ち切らないと。

11月14日土曜日午前
私も昨夜から考えていました。同時進行するシリアでの空爆による無差別殺戮の死者、パレスチナの若者たちの処刑…我々はなぜ同じように嘆き悲しみ弔わないのか、と。命・死の重みを同じに受け止める先に、この仕組まれた分断と暴力を乗り越えるヒントがあると思います。

11月14日土曜日午前
こういう時に勇ましく言ったりやったりするんでなく、日常を紡ぎ続けるのもすごく大事。一人ひとりが平和を望み、命を想い・育み・悼む普段/不断の努力、向こう側の誰かの苦悩・嘆きと喜びに共感し輪を広げる試み、鋭い批判と深い洞察で見抜く力こそが、絶望の淵の希望だと…。

11月14日土曜日夜
パリ攻撃が、報復やフランス/西欧社会の不安定化だけを狙ったものだと捉え、反撃の為大掛かりな暴力を準備するのであれば、911後のプロセスを悪い形で上書きすることになるだろう。首謀者とその背後にいる人々・構造にとってこの「反応」を引き出す事こそが目的。更にこれを期待する産業がある。

11月15日日曜日午前
ああ…思った通り、フランスは挑発に乗り、シリアを報復攻撃…。ISILの拠点を攻撃というが、子どもだって女性たちだって住んでいる。これこそが、パリ襲撃事件の狙いであり、まんまと策略に嵌る。テロ再発を予防したいのであれば、報復は戦略として妥当でないのは明らか。

11月15日日曜日午前
結局、フランス政府が守りたいのは「市民」ではなく、「メンツ」であったことが露呈。世界の我々も、「フランス国家に連帯」ではなく、「パリの犠牲者を含めた理不尽な加害・犯罪の犠牲者に哀悼と連帯」であるべきだった。フランス国家に被害者としての正当性だけを与える事に。

11月16日月曜日夕方
ほらね、どんどんきてる→「フランスオランド大統領は「大統領権限を強化するため、憲法の一部改正を求める」と」 911後のアメリカと同じだが、展開が非常に早い。未だ3日目なのに。事件の背景要因分析・対策検討すら不十分のまま、なし崩し的。

11月16日月曜日夕方
本当に仏市民を守るのを優先するならまず原因特定が必要。急ぎの安易な復讐は新たな危険を招くだけ。これ程急ぐのは対ISILではなく、仏国民や国際世論が好意的な内にやりたい放題に着手しておきたい。その心は「(パリ攻撃は)仏政権のシリア攻撃のせい」との批判を回避。

11月16日月曜日夕方
これに騙されるフランスの議員や市民は、新たな犠牲を覚悟するしかない。最も古い民主主義国の市民としての力量が試されている。為政者がナショナリズムを煽る時、大抵よからぬ政治的意図がある。自らの問題の隠蔽か、挑戦者を抑え込みたい。戦争に向かった時と今の日本がそれ。

11月16日月曜日夕方
あるいは、見えないところで準備されていた「何か」のせいという可能性は払拭できない。冷戦期から現在まで、世界で起きる「事件」の背後には、表面上で見えるより、もっと複雑で多様なアクターが関わるより大きな意図や利害が作用していることが多い。これが例外とは言切れず。






[PR]
by africa_class | 2015-11-17 03:39 | 【学】戦争/紛争/暴力・平和論

政治利用される南スーダン紛争とアルジェリア人質事件、再考されるべきアフリカ資源国との付き合い方

メリークリスマス!
と楽しくいきたいところが、中東やアフリカで起きている殺戮や住民らの抵抗のことを考えると、なかなかそうもいきません。

1. クリスマスの世界の暴力
今朝、ローマ法王も、シリア問題、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、南スーダンで起きている事態が沈積化するように、世界の注目喚起と平和への対応を呼びかけました。
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-25514624

シリアのアレッポで政府軍が空爆を繰り返し400人の住民が犠牲になったとの情報も。
ヒューマンライツウォッチの記事。
http://www.hrw.org/news/2013/12/21/syria-dozens-government-attacks-aleppo

学校の近くが攻撃され子どもたちが犠牲になっています。
http://www.aljazeera.com/news/middleeast/2013/12/syrian-bombing-kills-children-near-school-2013122211955116895.html

クリスマスの朝だからこそ、同じような気持ちで祝えない子どもたちや家族のことを考え、少し時間を取って世界の暴力的状況について考える機会を設けてほしいと思います。

2.アフリカの紛争を政治利用する日本の為政者たち
何より、今日本のアフリカ関係者として特に考えたいのは南スーダンの状況です。

自衛隊がPKO活動のために同国に400名近く展開している(UNMISS)ことを受けて、この紛争自体が日本の国内問題と関連づけられる事態になっています。

自衛隊の停戦監視業務への参加の手法や武器輸出3原則が、「紛争地の現実にそぐわない」という主張により、拡大解釈の道を切り拓いていく可能性の問題です。

既に、銃弾の韓国軍の供与が、「こういう状態なら仕方ない」という事例づくりのために利用され始めています。これは今回日本の軍国化に警戒する韓国に対して行われたものだったために、韓国政府の以下の記事のような反論が出て、政治利用を難しくいていくでしょうが、これがもし日本の軍国化を後押ししたい他の国の軍隊への供与だったら、「日本政府と自衛隊に感謝する」という声明を出させることで、一気に日本国内の世論の誘導が行われたことでしょう。

■防衛相の同ミッション基礎概要資料
http://www.mod.go.jp/j/approach/kokusai_heiwa/s_sudan_pko/pdf/gaiyou.pdf

■南スーダン:日本が政治利用、韓国政府が批判…朝鮮日報
http://mainichi.jp/select/news/20131225k0000e030175000c.html
南スーダンで国連平和維持活動(PKO)実施中の韓国軍に対して陸上自衛隊が行った弾薬提供に関連し、韓国紙・朝鮮日報は25日、韓国政府が「日本政府がこの問題を政治利用している」として外交ルートで強い遺憾の意を伝えた、と報じた。韓国内では、日本の集団的自衛権行使容認に向けた布石ではないかと懸念する見方が出ている。・・・韓国政府関係者の話として、「国連南スーダン派遣団(UNMISS)を通じ、迂回(うかい)して実弾(弾薬)の支援を受けただけなのに、日本側が軍事的な役割を拡大する動きと結び付けようとしている」と伝えた。・・・韓国では安倍内閣の掲げる積極的平和主義への警戒感が強く、他の朝刊各紙も、韓国が積極的平和主義を「正当化」する役割をしたなどと報じた。

今、自衛隊の「撤退」「継続」が議論されています。
ここにも憲法改正につなげる政治利用の意図が見え隠れします。

冷戦が終わるまで、自衛隊の海外派遣は憲法上問題があるものとして認識されてきました。それを可能としたのが、国際平和協力法の制定でした。その際、以下の基本方針が決められ、以下の原則のもとでPKO(国連平和維持隊)への参加が可能となりました。

PKO参加5原則:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/pko/pko_sanka.html
1.紛争当事者の間で停戦合意が成立していること。
2. 当該平和維持隊が活動する地域の属する国を含む紛争当事者が当該平和維持隊の活動及び当該平和維持隊への我が国の参加に同意していること。
3. 当該平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。
4.上記の基本方針のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から参加した部隊は、撤収することが出来ること。
5. 武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること。

今回の南スーダンへの自衛隊も以上の原則に基づき派遣されたものでした。しかし、今回冒頭の1.が破たんしています。つまり、合意原則違反となっています。

しかし、憲法改正を狙う現政権は、南スーダンで生じている不幸を使って、この原則自体を反故する可能性があります。国連事務総長により6千人の増派が要請される中、「撤退は許されない」という声が大きくなることと思われます。

勿論、南スーダンの事態を放置していいという話ではまったくありません。しかし、日本政府やメディア、日本市民は、例えばこの間コンゴ民主共和国や中央アフリカで起こっている悲劇に対して、これほどまでに注目してきたでしょうか?政治的に高いレベルで話し合ってきたでしょうか?

南スーダンで生じている事態は深刻で、直ちに対応が不可欠ですが、南スーダンだけで生じているわけでも、今日いきなり始まったことではありません。なぜ、今、このように注目されているのか・・・自衛隊がそこにいるからでしょうが、「存在」だけのせいではなく、今まさに日本国内で現政権により憲法改正が狙われているからにほかなりません。

日本においては、アフリカの悲劇・紛争すらも、政治利用のネタなのです。

3. 同じことはアルジェリア人質事件でも

同様に、自衛隊機の海外派遣、特定秘密保護法においても、アルジェリア人質事件の政治利用がみられました。 海外での緊急時に自衛隊による在留邦人の陸上輸送を可能とする改正自衛隊法が成立したわけですが、これについては既にこのブログでも書いた通りです。

■アルジェリア人質事件で自衛隊法改正?「火事場ドロボー」の責任回避、「世界民衆から嫌われる日本」への道
http://afriqclass.exblog.jp/17198314/

そして、懸念した通り、政権の責任などはどこ吹く風で、どさくさに紛れた自衛隊法の改正がありました。
さらに、「米国や英国政府からこの事件に関する情報が得られなかったのは日本の機密情報の保護法が穴だらけだから・・・」などと、実しやかに主張され、「外国にいる邦人保護」などといって特定秘密保護法が成立してしまいました。

しかし、思い起こしてほしいのは、これらの政府の中で人質事件の発生を事前に察知して予防のための方策を講じていた政府など皆無であったということです。人質事件は予防されることなく発生し、起きた後も止めることは不可能でした。つまり、「邦人保護」と「機密情報の融通」は無関係だったのです。

むしろ、はっきりしたのは現地日本大使館や外務省、官邸の危機意識、情報収集能力の低さでした。これは、「諜報情報」ですらなかった。現地事情の把握、分析、理解・・・のことであり、その仕事は軍事以前に政治・社会的なものでした。

なぜなら、アルジェリアは1992年の選挙に端を発した内戦が、完全には終結したとはいえない状態のまま、リビアの内戦の影響を強く受けて反政府勢力が力を盛り返しつつあったからです。
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-14118852

もちろん、日本大使館にアラビア語話者がほとんど皆無であり、エリートが使うフランス語だけを使って情報あるいはコミュニケーションを取っていたことも大問題でした。しかし、外国メディアですら、アルジェリアの政治・軍事的リスクは明確に報道していたわけで(以上記事)、対して苦労することなくこれらの情報は入手可能でした。しかし、このようなリスクの中で、日本企業も進出し、現地大使館はあいかわらず政権関係者とばかりつきあって、それでよしとしていた。

1992年の選挙は、イスラム教系の党の勝利でした。フランスとの植民地戦争を戦った現政権(FLN)は、それを「無効」として、内戦が始まりました。つまり、アラビア語の理解がなく、フランス語あるいはフランス語話者の政権関係者を通してアルジェリア情勢を理解し続ける限り、大多数者の想いや動向に鈍感になるということなのです。

他方、アルジェリアは豊富な石油とガスによって、外資の流入を受け、利権により豊かになる政権中枢の一報での大多数者らの貧困が社会問題として浮上していました。そんな中、2011年に食料価格の高騰を受けて、治安部隊と民衆が衝突が起こりますが、これを政府は非常事態宣言が出して力でねじ伏せようとしました。「アラブの春」とリビアの政権崩壊は、この国の社会情勢をさらに不安定化させ、それに乗じた反政府勢力の侵入を容易にしたわけです。

日揮の社員が、空港からプラントまで政府軍のエスコートを受けなければならなかった事実を、もう一度考えてみましょう。そのような国に出て行って、ビジネスをするということの意味を、「自衛隊機の派遣の有無」「機密情報の共有」という狭い議論に押し留める問題を、今一度考えてほしいと思います。

本当に日本企業や邦人がターゲットになりたくないのであれば、どうすればいいのか?なぜ、世界は日本の人間にとって以前よりも危なくなっているように感じるのか・・・そのことのルートコーズ(根本原因)を考えることなしに、日本の世界との関係の仕方の問題を問い直すことなしに、いくら日本の文脈で議論しても、将来の危機を予防することにはなりません。

これは、「日本人のきき」の問題に留まらず、現地社会に暮らす圧倒的多数の武力とは関係のない、むしろそれによって犠牲になる一般市民、とりわけ女性や子どもたちの直面する危機の問題に直結しているのです。自衛隊を派遣するか否か、駐留させるか撤退させるか・・・以前に、やれることがあったはずです。

それは、「紛争を増長するような政治経済社会体制を支援しない」=Do No Harmです。


4.南スーダンの悲劇を「部族衝突」とする単純さと問題

アルジェリア危機も、南スーダンの危機も、もうずっと長い間危機状態にあるコンゴ民主共和国の危機も、豊富な天然資源との関係が深いです。

結局のところ、資源が豊かな国で、民主的な統治が実現困難となっている事態・・・と問題は直結しています。これは、単に民主主義の定着・・・といった政治学上の概念の問題ではなく、資源を外国資本に譲渡する権利を有している「現政権」による腐敗と癒着、不正・・・が、結局は不満を抱える民衆の反乱や蜂起を押さえ込むことを外資・外国政府が暗に期待し、治安維持と称する政治暴力を積み重ねていることと関わっています。

つまり、非民主的な統治という社会・政治問題を抱える資源国に対して投資を行う企業や国々自身の問題なのです。問題は、ブーメランのように跳ね返ってきているわけで、そのことを抜きにいくら「危機管理」をしようとも、不正義の放置のままでリスクが減るわけではありません。むしろ、危機は高まっていくのが、歴史が示してきたことです。

ましてや、アルジェリアもスーダンも戦争を経験してきた国でした。

南スーダンの現在の事象を「部族衝突」として、「部族が違うから殺し合うのだ」と理解を単純化することは、なぜ今回の衝突が起こっているかの真の原因から目をそらさせます。さらに、このような単純な認識が、この事態に対し、「和平に協力する」といって身を乗り出す勢力が、実の所「紛争原因を創り出している主犯」でもあることを忘れさせてしまいます。

今回の南スーダンで生じている暴力対立の原因を、アルジェリアと同じような視点で分析し直すとみえてくることは・・・・南スーダンの多民族状況と同様に非民主的な統治の問題が明確になります。

このような事態になる前に、南スーダン政府の腐敗の問題はよく知られてきたことでした。
南スーダン政府の汚職度は175カ国中173位。
http://www.transparency.org/cpi2013/results
南スーダンより悪い国々は、スーダン、アフガニスタン、北朝鮮、ソマリアだという点に深刻さが明確になるでしょうか?

私が、南北スーダンの問題と「新生国家」南スーダン政府の汚職問題に危惧するようになったのは、土地収奪(ランドグラッビング)問題に関与するようになってからのことでした。何故なら、南スーダンは、世界で最も広い面積の土地を取り引きされた国の第3位、アフリカ大陸で1位の国だったからです。その面積は、実に350万ヘクタール(日本の農地面積は456万ヘクタール)で、独立して未だ3年も経っていないのにもかかわらず・・・です。
http://www.landmatrix.org/get-the-idea/web-transnational-deals/

このことは、当然ながら、紛争後の国の民主統治上の問題を想起させます。しかし、この間、南スーダン政府の腐敗の問題、非民主的統治の問題について警鐘を鳴らす分析者の数は多くはありませんでした。特に、同政府内で進む同一エスニック集団によるドミナンスは、長い戦争から独立を果たしたばかりの南スーダンにおいて危険な行為であることは明らかでした。

2013年2月22日の以下の記事はその中でも、この問題を先取りした良い記事でした。ここでは、南スーダンで、民主主義や表現の自由が後退していること、政権を批判する人びとへの弾圧、人権侵害、暴力が指摘されており、それへの政府治安関係者の関与が言及されています。そして、南スーダンが分離独立した(北)スーダンの政府と変わらない・・・ことが指摘されています。しかし、次から次へと市民が消えているのに、人びとは恐怖のためにこのことを話さない・・とも。

■世界で最も新しい国・南スーダンで生まれる恐怖
Fear stalks South Sudan, the world's newest country
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-21548477
David De Dau, who campaigns for freedom of expression in the capital, Juba, says the optimism of just a short while ago is fading fast amid widespread government repression, continuing violence and abuses of human rights against those who criticise it.

"The whole society, the whole community is traumatised. People are living in fear.
"People are losing trust in the government they voted for."
人びとは、自らが投票した政府に対する信頼を失っている・・・と。
英国政府は、援助の停止を検討したもののこの時点ではオプションではないとしていました。

世界はこの間、何をしていたのでしょうか?
日本政府はこの間、南スーダン政府についてどのように対応してきたのでしょうか?
日本のNGOは?
研究者は?
今年、共同研究会で、南スーダンでの国際研究大会が開催されたのですが、その時このような点について議論されたのでしょうか?
残念ながら、私もまた、このような事態に疎かった・・・と認めるしかありません。

しかし何より、南スーダンに集中する石油資源目当てに、南北スーダン戦争と同国の分離独立を支援してきた米国政府の対応が、問われるべきでしょう。SPLAへの大きな影響力を持つ同国政府は何をしていたのでしょうか?

現在起きている事態について、「部族衝突」という単純化された話が繰り返されています。こうすることで得するのは、「出口のない衝突だから世界平和のために現地で軍事行動を強めなければならない」という前提のもとに潤う人達です。政権中枢への批判勢力の封じ込めの治安部隊や政府軍の暴力が放置されることで報復に次ぐ報復がおこっていった・・・ことを忘れてはならないのです。

現象として起きている「エスニックな大量殺戮」について、「」なしで論じることの問題はまさにここにあります。以下にもあるように、治安部隊によって殺戮がなされたことが指摘されていることは重要ですが、当初の日本の報道にはこのような指摘はほとんどありませんでした。

■South Sudan sees 'mass ethnic killings'
(2013年12月24日)
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-25502457
The violence follows a power struggle between President Salva Kiir, a Dinka, and his Nuer ex-deputy Riek Machar.
A reporter in the capital, Juba, quoted witnesses as saying more than 200 people, mostly ethnic Nuers, had been shot by security forces.

本来は政治問題だった問題が、こうやって放置される中、軍事問題と化していった事実を抜きにして行われる議論こそが、問題の真の解決を難しくしていきます。

ようやく以下のような報道も出てきました。
「石油収益、第三者預託を」 南スーダン政府と対立の前副大統領
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131224/mds13122412380006-n1.htm
南スーダンのマシャール前副大統領は23日、同国の石油収益は政府ではなく第三者に預けられるべきだと、ロイター通信などの電話取材に対して語った。政府と対立するマシャール氏の支持派は、油田地帯の北部ユニティ州の州都ベンティウを掌握している。 マシャール氏は、政府が拘束した自分寄りの政治家を釈放すれば、政府との交渉に応じるとの意向もあらためて表明した。(共同)

勿論、反政府勢力の武力行使も許されるものではありません。しかし、「部族衝突」という見出しをつけて、問題を矮小化することによって得られる解決の道は、中長期的にみて狭められるだけになります。

なお、ガーディアンに掲載されたAlex Vinesの記事はとても的を得たものだと思うので紹介しておきます。論旨は以上の私のものと同様です。要は、現政権が過去18か月間にどんどん権威主義化を進めてきたこと、エスニックな様相が動員されていること。エリート間の権力闘争であること。公平なる分配が可能な国家形成こそが重要なこと。
http://www.theguardian.com/commentisfree/2013/dec/26/halt-crisis-south-sudan-civil-war?CMP=twt_gu
・Kiir has become increasingly authoritarian over the past 18 months and his total ministerial reshuffle in July improved nothing.
・An elite power struggle within the tiny leadership looks to be drawing the whole country into a full civil war that is rapidly developing ethnic dimensions. There seems little that outsiders can do about this currently except contain the crisis and encourage South Sudan's political leadership to step back from the brink and re-focus on building a viable state that will benefit all their citizens.

5.アフリカの資源国政府とどう付き合うべきか
アフリカの資源国で現在起きている事態、あるいは今は武力紛争が起きていないものの、いずれ起きる可能性が高い国々が出てきていること・・・について、資源に依存して暮らす日本の私たちこそ、注目していくべきでしょう。

しかし、今年のTICAD V(アフリカ開発会議)や安倍総理のアフリカ訪問が、「資源外交」の一環に位置付けられることにあるように、日本政府は相も変わらず「現政権と仲良くすればそれでいい」外交を基本としています。これは、政治リスクが高まりつつあるモザンビークのゲブーザ政権との関係でも明白です。
詳細→
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-62.html
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-64.html

非民主的統治、そして民衆の不満や批判的市民の弾圧・・・は、次なる危機の明確なサインであることは、もはや明らかです。アラブの春以降は、もっとこのリスクは大きくなりました。腐敗政権と無批判に握手すること、資源さえ入手できればそれでいいと考える投資や援助・・・は、現地社会に悲劇をもたらす一助になるとともに、日本の国民の危険を高めるだけです。

いい加減、日本の外交がこのような現地情勢分析を、現政権を通じてではなく、圧倒的多数の民衆側からなされるよう転換するべきですし、公正なる社会の実現二向けて投資も援助も対応していくにはどうすればいいのか・・・深く検討されるべき時がきています。勿論、日本だけでできるものではありません。かといって、モザンビークの事例でみたように、日本は中国とインドと同じような民主主義にも和平にも公正なる社会の実現にも興味のないドナー&投資国として理解されていることを、猛省すべきです。

でなければ、第二のアルジェリア事件が生み出されることでしょう。

以上、南スーダンとアルジェリアの事件を踏まえ、日本の我々がどのように世界の紛争を考え、付き合っていくべきか・・・政府や報道の言葉を表面的に追うことの危険を知り、見破るヒントになれば幸いです。
[PR]
by africa_class | 2013-12-26 01:04 | 【学】戦争/紛争/暴力・平和論

「暴力を平和に変える空間」LUKASAワークショップの成果展示中@外大「アフリカ平和・紛争論」

今年もルカサワークショップの時期がやってきました。以下、今日の「暴力状態」を展示していますので、是非みにきてください。来週は「平和化状態」に向けてのワーク。どう変わるか楽しみに。重要なキーワードは、ソリューションでなく転換。口ばっかりでなく、手を動かしながら、あらゆるクリエイティビティを発揮して、「交渉」「妥協」を超えた「超越(transcend)」を目指します。

===============================
アフリカ平和・紛争論LUKASAワークショップ展示~暴力空間の平和化の試み」
日時:2013年1月28日(月)~2月6日(水)
場所:東京外国語大学 研究講義棟1階ガレリア
===============================
今年は、アフリカでの資源紛争の事例の他に、尖閣諸島をめぐる領土紛争を念頭に、ワークショップを行いました。

●6-10名1グループに分かれる(6名が本当は一番良い)
●1グループ内に対立する2アクターに分かれる
●第一週目には、資源や領土、権力をめぐり紛争状態を深める。「暴力的空間」と「対立の先鋭化状態」を創り出す
●第二週目には、紛争状態をトランセンド(transcend)の手法を使い、「妥協」を中心とした「解決(resolution)」ではなく「転換(transformation)」を試みる

■LUKASAワークショップの詳細は→
「アフリカx日本x世界:暴力を平和に変える空間」
http://spacepeace.exblog.jp/
2010年度、2011年度の国際交流基金「平和構築」の助成事業です。

■過去の授業の様子やJICAの事業で仏語圏アフリカの治安部門の官民スタッフに対して行ったワークショップの様子はこのブログで
http://afriqclass.exblog.jp/i23/

■作業中の様子
本来は「暴力空間」を創り出すのが、楽しく工作してしまった学生たち…。
a0133563_2125031.jpg
a0133563_2122237.jpg



なお、紛争シナリオはMoreへ

More
[PR]
by africa_class | 2013-01-28 17:54 | 【学】戦争/紛争/暴力・平和論

議事録:今、コンゴ東部で何故・何が起こっているのか? ~国連・周辺国・世界が創り出す悲劇

出発前の隙間時間。子どもがトム君と遊びに行ってしまったので、溜まっていた報告会の議事録関係のものを順次アップさせてしまいます。
 第一弾は、11月29日(木)に緊急で開催したコンゴ東部に関する米川正子さんの報告会→http://afriqclass.exblog.jp/16873418の記録。
 報告会に物理的に来れる人数というのはいつも限定的で、Ustreamで中継したり録画しておくのが一番だったのですが、残念ながら緊急すぎて出来なかったので、学生と米川さんのご協力を得て、以下議事録が完成。
 ただ、今空港でしっかりみてみたら、誤字脱字がすごく多いので(!最終版のはずなのですが!)、すみません・・・。最終的な議事録は、米川さんのブログで公開してもらおうと思います。→http://congonokongo.blog.shinobi.jp/
 また、書かれていることについての質問は、米川さんにお問い合わせください。

================================
【緊急公開報告会 Open Lecture】
今、コンゴ(民)東部で何故・何が起こっているのか?
~国連・周辺諸国・世界が創り出す悲劇~
What is Happening in Eastern DR Congo and Why?
-The Tragedy created by UN, ‘Neighbors’ and the World -
11月29日(木)17時40分~19時00分
東京外国語大学 研究講義棟115号室
米川正子(元UNHCR ゴマ所長/現立教大学特任教員)
==================================
 コンゴ 東部の紛争状況は外部者にとって理解できないほど複雑で、よくよく「悲劇」と呼ばれる言われる。しかし紛争の原因は権力者が利益追求するといった単純なものでが、コンゴ人によると言わせれば、つくられた悲劇、権力者が利益追求するためのそして「喜劇」である。
 コンゴはアフリカ大陸で2番目に広大な国で、西ヨーロッパに相当する。コンゴの首都キンシャサと東部ゴマと 首都の間は1000キロ以上の遠距離であるため離れてことからいて、中央政府の統治が東部には行き届かないと言われるが、単なるバッド・ガバナンスの問題ではない。言い訳。

ガバナ ンスがしっかりしていれば統治はできるはずである。
 ルワン ダ国境近くのゴマコンゴ東部に、無政府、そしての混乱状態を意図的につくることでって、権力者が天然資源を奪取するのが狙いであるしている。
 2012年11月20日、コンゴ における武装勢力M23がゴマを制圧し、コンゴ政府等は、ルワンダ政府はその撤退を要求している。メディアは和平問題よりその撤退ばかり取り上げて注目しているが、本来なら重要な和平問題に焦点をあてるべきである。
 東部の地方都市・ゴマの制 圧がは重要であった理由は、第二次コンゴ戦争が終了した2003年以降、反政府勢力に制圧されたのは初めてであり、コンゴ政府だけでなく、コンゴに展開している国連PKO軍の権力の欠乏を意味した。M23がゴマに入った際、2003年、停戦した年、世界最大規模で、かつ国連の歴史上予算が最高額である世界最大レベルのPKOはM23が入ってくるのをその動きをただモニターする見ているだけだった。PKO軍は介入すべきだったという批判がある一方、PKO軍のマンデートが文民の保護とコンゴ軍の支援で反政府勢力と戦闘することではないため、介入はできなかったという声もある。コンゴ軍や北キブ州(その州都がゴマ)の知事は、M23による制圧の前に、早くにゴマを離れいなくなり、誰もゴマを統治する行政人がは不在だいなくなったため、PKO軍はコンゴ軍の支援もできなかった。

M23は何故ゴマにいるのか?
 M23は今年の4月にできた新しい組織で、その表面的理由としては、M23が今年4月に結成した表向きの理由は、2コンゴ政府―コンゴ反政府勢力CNDP間で締結した2009年の和平合意が失敗したために、政府への和平合意の見直しを要求するためであったためと言われている。
 しか し、実際の目的は、CNDPとコンゴ政府軍の将軍ンタガンダを保護するためであった。今年3月、国際刑事裁判所(ICC)がによりンタガンダの共犯者のルバンガ被告ンタガンダに有罪判決を言い渡した後、に対する逮捕状が出ているにも関わらず、戦争犯罪人のンタガンダを政府が保護し国際社会がコンゴ政府にンタガンダをICCに引き渡すよう、一気に圧力をかけたているしているから である。
 その上、また、 ルワンダによるはコンゴ東部のを併合、あるいはコンゴ東部における新国家の誕生という狙いがM23にはあったのしたがっているからそのためではないか、とも言われている。
 紛争が 長期化し、混乱状態の中で、市民が被害になり、人道危機等が続く中、注目されがちだが、市民の被害の影で、土地・資源の収奪が行われている。

問題な のはルワンダのM23への支援。
ではM23は誰が支援しているのだろうか。
 今年6月にリークされたの国 連報告書でにおいて、ルワンダがM23を支援している事実が確認された。、
先週公表された11月には国連報告書では、ルワンダに加えてウガンダもM23を支援しているということ、さらにルワンダのカバレべ防衛大臣がM23の指揮を取っていることが公表報告された。ているが両国は、ルワン ダ・ウガンダ共に否定否認している。
 人権道侵 害がある国には援助を供与してはならないことためODAをしてはいけないため、国連報告書を受けて、主要な拠出国であるアメリカ、ドイツ、オランダとスウェーデンは対ルワンダ援助ODAの一部をの中止したの動きが2012年6月から見られる。
 その一 つの例として、しかしアメリカが停止したは額は、援助額全体の1%未満で、ODAを停止したが、確かにアメリカの援助の政治的意味は大きいものの、額は少なく(全額の内1%を占めるのみ)、影響力は少ない。アメリカのODA停止は単なる政治的パフォーマンスともとれる。しかし援助額が大きいドイツ、オランダ、スウェーデンは既に停止、一番対ルワンダの2番目の最大援助額拠出国であり、元ブレーヤ首相がカガメ大統領のアドバイサーを務めるなどが大 きいイギリスはルワンダと親密な関係を保っている。イギリスは最初援助を停止した後に再開し、現在議会にて停止すべきかどうか今なお議論中である(注:11月30日に、援助の一部の停止が決定された)。
対ルワ ンダの援助においてイギリスの存在は大きく、両政府間の親密な関係が見られる。

続きは米川さんのブログで→http://congonokongo.blog.shinobi.jp/
Q. (国連の褒め言葉の一つとして言われている)女性議員の数に惑わされるなとはどういうんな意味ですか?
A. ルワンダにおいて女性議員が数多くいるということが国連で評価を得ているが、蓋を開けてみると女性議員は与党にの支持者しかいない。どういうことかというとルワンダではにおいて野党は機能していないのと同然も同じで、与党、あるいは与党に従順に近いところでないと、選挙に出馬できで通らないということを示しているない。このことから民主主義的は存在せずではなく、独裁政権であるということが言える。現在三つある活動的な野党三党のうちについては、現在党首2名は監獄されてにおり、動画インタビューに登場し出てた1名も、国外スイスに亡命していたを図ったりしている。女性議員は民主的過程を経て選挙で当選したのではなく、まちがいなく政権の意図が働いており、その結果として女性議員の数が多い。

Q. 今のセキュリティを改善するには、どこから変えていくのが良いと思いますか?
Aトップや組織から変えていくことが重要である。、つまり政権交代。現政権がそのまま維持する限り、そうでないと、国民はの不信感と恐怖心の中で生活をすることになる。はぬぐえないから。

Q. コンゴ国が分割される可能性はあるか?
A. 南スーダンの独立は、アフリカ諸国に「国境線を再び引き直すことができるのか」というショックと希望を与えた。コンゴでもその可能性は十分あるだろう。南スーダンの例等。

Q. 国連参入以降、むしろ性的暴力が増えているのはなぜか?
A. 国連等は事件後のケアに集中しており、予防策がほとんどあまり議論話されていないためであるから。性暴力は性的欲求というより、政治的な理由背景がありで行われている。市民への恐怖心をあおることで、コミュニテイ―を弱体化し、コンゴ東部を支配しやすくコントロールしやすくするのが目的である。国連はその背景にあまり目が向いていなく、い。事故後のケアに集中しているが、問題の原因の分析にもっと力を注ぐべきだ。

Q. コンゴ政府自体が性的暴力を行っているのはなぜか。
A. そこには意図がある。コンゴ軍は、ルワンダ系の住民や人々、コンゴの人等がまざっているのだが、前者は恐らくコミュニティーを弱体化するの政治的意図があり、後者は人によっては、長期間にわたって家族に会えない寂しさから、自分の性的欲求を満たす意図がある。
Q. 国連はそれをとめられないのか?
A. 基本的に国連は政府のサポートをすることが任務であり、まだマンデートがない以上、国連は行動できない。
[PR]
by africa_class | 2012-12-08 21:37 | 【学】戦争/紛争/暴力・平和論

「領土問題」にみる本質的問題-騙されず、「誰の得か」を分析し、精神的動員に抵抗を

限りなく時間がないのですが、緊急事態なのでツイットしたこととその背景を簡単に掲載しておきます。(なお、私の本当の専門を知らない人が多いのですが<自分でも時々迷子>、私の専門は平和のための戦争研究で、古今東西世界中の戦争を嫌になるほど研究してきました。その成果はThe Origins of War in Mozambiqueに→http://theoriginsofwarinmozambique.blogspot.jp/2012/09/front-cover-of-book.html
 なので、きれいごとで書いているのではなく、何百万人殺される現代の戦争を根源まで問い続けて得た理解です。間違っているかもしれませんが、それを踏まえた今の私の考えです。日本について、この研究蓄積を使う日が来なければいいと願っていましたが、そうもいっていられない事態が生じてしまっています。

この領土騒ぎ。
『現代アフリカ平和・紛争論」の受講生なら、この問題をどう扱うべきか分かるでしょう。この事態を想定して、外大に着任してから毎年この授業をしてきました。アフリカの戦争について学ぶはずの受講生が、「日中戦争における民衆動員」についてレポートを書いているのは、「遠い戦争を身近に」ということと、「いつか」に備えてのことでした。(なお、理論的に言うと「領土争い」は「旧い戦争」の最重要形態ですが、「新しい戦争」と結びついて厄介なものになっていくでしょう)

 今、日本はあらゆる面で、戦争突入直前期(30年代、40年代)の雰囲気が漂っています。そのことに、本来一番抵抗すべきメディアがまったく頼りにならないばかりか、事態を追認させ、悪化させる状況が生まれています。言論の自由が保証されているはずの、大学もまたそうです。植民地支配に加担した御用学者は、戦後反省する、周辺化され、権力と闘うことの意味を追求してきた新しい世代の学者を生み出してきたはずでした。しかし、急速な経済成長にともなって、利権・政治に取り込まれる御用学者が信じられないほどに増えていたことに、311後の日本で気づかされたのでした。

 今、世界経済は19世紀末からの帝国主義時代に限りなく近い様相を示しています。世界に充満する価値観(弱肉強食)、経済至上主義、資源・領土争いもまた、あの時と類似しています。その結果が二度の世界大戦であったにもかかわらず、それぞれの国の権力者も本来批判すべきメディアや市民社会も、民衆も、気付いてか気づかなくてか、時代の空気に呑み込まれています。これは、非常に危ないです。
 
 この空気の中で、今一番動員の危険にさらされている民衆は、間違いなく「日本」の人びとです。一見、政府に動員されているようにみえる中国民衆ではありません。
 世界経済で負け続けている日本、国内的な課題が山積で不満が充満にしているのに、それに応えようとするどころか利用して権力の座を守りつづける(あるいは拡大しようとする)為政者とそれを支える利権構造が、民衆を精神的に動員し、エモーションを刺激して、物理的な動員に向かっていくでしょう。今、そのエモーション刺激の段階に入っています。

●これによって得をするのは誰でしょうか?
●本当に、民衆でしょうか?
●単に現政権だけではありません。
●今、民衆のエモーションを刺激して動員したいのは誰でしょうか?
●陰にいるのは誰でしょうか?
●彼らは、何から民衆の目を逸らさせたいのでしょうか?
●そのことによって、何を実現したいのでしょうか?

 長年平和のために戦争研究をしてきた私の結論は以下です。
 「紛争の種」とは、実は「誰かに何かの目的で創り出される」もの。

 「これは前からあった問題で、起こるべくして起こった」と信じる人達に問いたいのは、「では何故今なのか?」です。 どの社会にも、どの関係にも、問題はあります。しかし、その問題が真に問題化するタイミングは自然の成り行きでは決してありません。「今この瞬間」を創り出している勢力があります。時に、無自覚にやっている場合もありますが、大抵の場合核にいる人達は自覚的で、その追従者は無自覚な場合が多いです。
 そのことを意識せず、誰か(為政者)が創り出している動きに無邪気に乗っかかるのは、問題が乗り越えられないだけでなく、動員へ一直線となり、何かもっと重要なことを踏みにじる契機となるでしょう。

 そして、「領土」だけ見るのであれば、勿論衝突しかない。人間、国同士の関係において、一つしかないものを奪い合った結果は、そのどちらかが正当性を有していたとしても、歴史が証明しているところです。勿論、この場合、一方(日本サイド)だけの話をしているわけではありません。以上のいずれの問いももう一方(今回は中国サイド)にもい当てはまります。「関係」とは、相互に展開していきます。どっちが悪いかでみると、必ず視野が狭まります。両方でみるのがベストですが、まずは日本で、日本関係者にこそ動員される側におり、過去の歴史において精神的動員が容易であることが証明された私たちは、日本サイドを分析してみましょう。

 つまり、勇ましいことを言って片棒を担ぐ前に「誰が何のために領土問題を創り出してるか」を分析しなければなりあません。もっと根深い、大きい、利権が見えてくるはずです。目の前で生じている現象(地図、島周辺、デモ)や「対立者の動き」だけで判断しては危険なのです。それは、この問題を創り出して利を得ようとしている勢力を利するだけでなく、本来したかった「問題解決」には向かわず、よりもっと酷い結果(引き返せない対立構造)を生み出していくでしょう。
 意図的に一問題に視点が集中させられている現状から、一歩引き、争点をズラし、全体像をみようとすべき時はまさに今です。
 懸命な皆さんになら見えるはず。そして、そもそも私たちが北東アジアという引越し不可能なこの地域で、どのような関係を築いて生きていくべきなのかとのビジョンを、あれやこれやの不満や言い訳や諦めを語る前に、考えてみましょう。島や領土が真の問題じゃないことが見えてくるはず。なのに、「領土」という一点で、問題化した人達がいる。その人達は、真の問題解決(超越)も、より発展した関係も、そもそも求めていないのです。求めていたら、こんなにズサンで結果が明らかなやり方を取らなかったでしょう。
 これは戦前、戦争に突入していった際と同様で、かつ当時の構造と同じく、今日本で注目・注意したいのは以下の人達です。

①一番勇ましい事を言っている人たち(特に、政治家や政治政党、業界団体)
②それを報道し、煽るメディアや教育者
③それを背後で操る官僚たち

①誰が、この問題の引き金を引いたのか?なぜそのタイミングでしたのか?②誰が、その行動を支えたのか?なぜ?③誰が、この問題を下手に扱ったのか?鳩山政権が倒れるきっかけとなった「日米関係悪化」を演出したのと同じプレーヤー・構造が、①~③にみられるという点です。その後起こったことは、民主党政権の③官僚主導であり、①民主党内タカ派の主流化と三党合意です。

*なお、鳩山政権と日米関係悪化については、ウィキリークスが流した米国外交文書を精査した朝日新聞が、興味深い記事を書いています。そこには、外務省高官と自民党議員とが、米国政府と打ち合わせながらこの動きを作り出したことが書かれていました。記事は今すぐは探せないので、皆さんで探してみてください。ウイキリークスx朝日新聞は→http://webronza.asahi.com/politics/2011051800001.html

 本来、この続きに「じゃあどうするか?」=トランセンド(紛争超越)について書くべきなのですが、時間がないで、まずはそれぞれが以上の分析をしてみてください。受講生は、「一つのリンゴを二人の飢えてる少年が分ける」グループワーク・・・を想い出してください。一つしかないリンゴを凝視している限り、二人の少年の関係も、「飢えている」という真の問題も解消しないことは、おそらく書くまでもないでしょうが。

●原発事故後にすでに起こっていた現象についての分析
→http://afriqclass.exblog.jp/i26/
●授業での取り組み
→http://afriqclass.exblog.jp/i23/
[PR]
by africa_class | 2012-09-16 18:01 | 【学】戦争/紛争/暴力・平和論

JICAの仏語圏アフリカ平和構築研修報告:トランセンド&ルカサ

はやいもので、JICA東京で仏語圏アフリカから来た治安・
司法・市民社会関係者の「平和構築研修」初日(私の)から
もう3週間が経ってしまいました!
 本研修で講師を務めるのは3年目なのですが、今年は
12名中女性が4名、しかも市民社会から2名が参加し、と
てもいい雰囲気で進みました。ブルンジから2名、中央ア
フリカから1名、チャドから3名、コンゴ民から4名、ジブチ
から1名。警察が4名、法務省が2名、内務省1名、弁護士
1名、国防省1名。
 今年は、私の担当できる日程を1日半もらったので、
【1日目】
(1)モチベーションアップ:このワークショップへの期待。
自分の持ち帰りたいスキルの確認
(2)暴力、紛争、平和の定義を考える
(3)トランセンド(紛争転換・超越)を学ぶ
(4)ルカサ(架空の紛争シナリオを使った空間の平和化の
実践)
【2日目(2.5週間後)】
(1)振り返り
(2)実在する紛争の検討と選択、シナリオ化
(3)以上に基づいたルカサ
というスケジュールにしてみました。
なお、一日目の紛争シナリオはTUFS学生も取り組んだ
「山神」「海神」でした。
【1日目】
a0133563_032473.jpg
a0133563_023671.jpg

どちらのチームもかなり白熱しました。
これまでで一番いいワークになったと思います。
それにしても、粘土使いが上手い!!!
【2日目】
a0133563_0145384.jpg

a0133563_0152517.jpg

紛争ケース選び、紛争シナリオ作りをしています。
a0133563_0393156.jpg

a0133563_0162470.jpg

チームAMANI(スワヒリ語で平和)ですが、対立する集団同士
で爆弾を落としたりして、ビルが倒されています・・・。
a0133563_0174124.jpg

a0133563_0183380.jpg

チームMANDELAは紛争選びの時点で紛糾してしまい、ルカ
サに移ったのはすでに時間が経ってしまってから・・・。硬直状態
が続いています・・・。
a0133563_0401194.jpg

しかしそこはアフリカの皆さんらしく、歌を歌って、手をつないで、
危機を脱します。これには脱帽!
a0133563_016893.jpg

a0133563_0191927.jpg

それぞれの平和化プロセスを説明します。
a0133563_0195093.jpg

それぞれなりのトランセンドが示されました。
【今回からの学び】
①硬直した時に、全員でビジョンを考えたことがよかったことが
発表されました。これ、トランセンドの手法で、ルカサのワーク
ショップでは積極的に使ったことがなかったのですが、結構効果
がありました。ただし、普段「ビジョン」という言葉を使っている文
化圏の人に限るかもしれません。
②歌や手をつなぐなどのアクションはいいアイディアだったと思
います。本当は踊りも入れたい(将来の野望)と考えています。
③しかし、普段和平交渉や調停などをしている人たちだけあって、
また文化背景から、すぐ「口」でなんとかしようとしてしまいます。
また、交渉してやった気になっている。
④ルカサのいいところは、必ずしも最初から合意できていなくて
も、一緒に何かを移動させたり、創ったり、ずらしたりすることで、
関係改善の糸口をつかめる・・というところ。口で同意してから
作業をしようとするのなら、紛争シュミレーションと変わらない。
⑤大体、口約束というのは壊されるものです。約束にまどわさ
れない、しっかりとした結びつきや交流を創り出すことが重要。
⑤やっぱり政府の役人やエリートが多いので、「一般の人々」
の「具体的な日々の暮らし」に思いが行かない。目につくインフ
ラにばかり気がとらわれがちです。これは、日本の学生も同様。
ルカサはこういう限界に気づかせてくれる可能絵も秘めていま
す。
 「人々はどうしてるの?」「政府が動かないとき、トップ同士
がやりあっているとき、人々はただ待ってるだけなの?何も
できないの?」という問いに、ヒントを得た人も多かったよう。
⑥次回は、「しゃべってはいけない」ルカサを導入してもいい
ねという話になっています。

今回は、基本的にTrainer's trainingとして実施しました。
それぞれの国、それぞれの持ち場で、将来的にやっていって
もらえればな~と思っています。マニュアルも下記のプロジェ
クトの仲間たちで準備しようとしています。
http://spacepeace.exblog.jp/ 
 でも、大学でもアフリカの人たちにも伝えたいのは、トランセ
ンドを信望してほしいとか、ルカサを広めてほしい・・・ということ
ではなく、それらは単に実験的なツールにすぎず、自分なり
にどんどん脱構築していって、最終的に自分なりの考え方や
やり方を見つけてもらえればと思っています。
 つまり、一番のメッセージは、
●対立は悪いものではない。平和化の種にしてしまえばいい
●つまり、紛争は解決するのではなく、転換する!
 なぜならよく日本では、「和」を尊ぶ傾向がありますが、この
「和」は誰かの犠牲のもとに成り立っている部分があります。
あるいは、「黙っておくことを美徳」とさせることで、権力側に
都合の良い社会が出来上がってしまいます。現在の日本が
それです。対立軸はあるのに無視したままでは、将来禍根を
残すこと、あるいは別の大きな問題に発展することは皆さん
ご存知の通り。
 いったん「解決した」と思われる紛争ほど、具体的な解決に
つながらない傾向にあります。それは「妥協」の産物になるか
らです。トランセンドは妥協ではなく、紛争そのものの転換を
通して、思ってもみなかった前よりよい状態を目指します。
 したがって、紛争転換には以下のことが重要だと思います。
●対立の種ばかり眺めるのではなく、元々目指しているもの
 は何かをまずは自分の中で答えを出そうとする。
●そして、それを対立しているという相手にも問いかけて、何
 か共通点がないか探ってみる。
●道は一つじゃない、創造力を働かせば無限にあることを
 肝に銘じ、徹底的にクリエーティブになる。

Creativity has no end!
これがアフリカの皆さんへのメッセージでもありました。
●辛いことをおもしろがる。
●難しいことがおきたら、クリエイティビティ発揮のチャンスと
捉える。 そんな人生でありたいですね?
 いつもそんな風には思えないですが(私も)、でも多くの場
合これは当てはまります。要は心の持ちよう。とすれば、こ
のようなワークショップで繰り返し試してみると、意外に実生
活でも応用が可能です。私はこの手法と出会って5年なの
ですが、相当助かっています。

なお、今朝この研修の元々のコーディネイターでもある
米川正子さん(宇大)から感想が届きました。
http://congonokongo.blog.shinobi.jp/Entry/238
あわせてお読みください。
宿題:「権力者をどう変えられるか?」
今、切実にこれを考えています。皆さん一緒に考えてください。
[PR]
by africa_class | 2012-02-05 00:32 | 【学】戦争/紛争/暴力・平和論

学生とのTranscend&Lukasaワークショップ報告:暴力空間の平和化

先週と今週月曜日(1月23日&30日)に東京外大の「アフリカ平和・
紛争論」の授業の一貫として実施した「Transcend(トランセンド)&
Lusaka(ルカサ)ワークショップ」の報告です。
 2010年度の「アフリカx日本x世界:紛争を平和に変える空間」
プロジェクトの成果として同年10月に横浜BankArtで実施した
本ワークショップ。http://spacepeace.exblog.jp/
 その後、国連大学、宇都宮大学、東京外大、JICA平和構築研修、
今年はアフリカのモザンビークとザンビアで試してきました。
■去年の外大でのワークショップの様子
http://spacepeace.exblog.jp/12074032/
http://afriqclass.exblog.jp/12071213/
 本年の授業では、あまり時間がとれなかったこともあり、駆け足
でのワークショップとなりましたが、去年と異なり、学内で展示を
行う試みをやってみました。あわせて報告します。

紛争シナリオ1:「山神」「海神」間紛争の平和化 2チーム
紛争シナリオ2:「農人」「山人」間紛争の平和化 2チーム
(1)まずは各チーム内で以上の2集団分かれ、紛争が暴力化した
状態を作ります。この際、ロールプレイをします。
a0133563_028121.jpg
a0133563_0273563.jpg

a0133563_0295631.jpg

a0133563_030264.jpg

*いまいち紛争状態に持っていくほど時間がなっかったので、
牧歌的なグループワークになっていますが、これを1週間展示。
(2)次に、トランセンドの考えを使って、平和化してみます。
つまり、紛争の種に固執せずに、平和の種になるよう「転換(トラ
ンスフォーム)するため、手をどんどん動かしていきます。単なる
妥協でも、単なるwin-winでもなく、そのもっと先を目指す手法。
a0133563_0315978.jpg

(3)各チームの暴力から平和化への転換の発表を全員で。
a0133563_0325532.jpg

a0133563_0351861.jpg

(4)それぞれ記念撮影
a0133563_0355074.jpg

a0133563_0361143.jpg


さて、学生たちが送ってくれた各チームの紛争転換の説明です。
紛争シナリオ1:山神人・海神人のケース
■チーム名:こくまろ2年生
●紛争状態:「海上人」が「山上人」を排除しつつあるシチュエーションから、怒りが爆発した「山上人」と「海上人」の間で武力紛争が発生したと想定し、それに則ったジオラマを作成した。具体的には、武力紛争にまで発展したことを強調するため、「山上人」と「海上人」の領域の境界(山と平地の境目)を赤と黒の絵の具、その絵具を混ぜた紙粘土でカラーリングしたほか、紙粘土や画用紙で壊れた建物を表現して設置した。
●平和化:紛争の原因が、港・中央市場へのアクセス性の不平等にあるととらえ、「海上人」と「山上人」を結ぶインフラとしてロープウェイと鉄道(白い紐で表現)を複数整備した。このインフラにより、「海上人」と「山上人」の人的・物的交流が盛んになり、様々な資源(港・中央市場を含む)を共有する共同体として両民族が近づくことを期待したい。また、武力紛争の惨禍を後世に教訓として残すため、山寄りの空き地に祈念公園を設置した。この祈念公園は、和解前のプロセスで作成した、壊れた建物等を用いて製作しており、モニュメント的な意味合いを持たせている。その他、「山上人」の新たな農地を市場の近くに設けた。先述のインフラにより、交流は前に増して盛んになると思われるが、「山上人」が山の農地で取れた農作物を中央市場に持っていくとなると、依然として運搬コストの面で問題が残るためである。平地に「山上人」の農地を作ることは、農作物の消費者である「海上人」にとっても、運搬コストを差し引いた分、農作物の定価を抑える点で利益があり、この措置は妥協点ではなく、超越点と考えたい。(by増田くん)
■チーム名:帝大Fマリン■
●紛争状態:海神人は人口増加に伴い、山神人が耕していた田畑がある地域に侵入し住宅を造営した。山神人は田畑を放棄せざるを得なくなった。山神人の食糧事情は悪化する。国会、市場、大学などが海神人らの勢力圏にあり、国会議員の議席も九割方海神人が占めている。海神人は山神人にとって市場と海に出るための唯一の道に検問を作り、通行税も設ける。そこには武装した警備隊が駐在。海神人は山神人にとって聖なる仮面(宗教的シンボル)と彼らの居住地域の間に壁を建設した。山の麓には海神人の聖なる鶴の像を作り挑発的態度をとる。海神人は山の麓に軍隊を駐屯させ、山神人の不穏な動きを監視する体制を強化させた。
●平和化:山の麓にあった軍事施設を撤去。そこに田畑を作り、食糧増産に充てる。また同場所には山の豊富な水資源を利用し、運河を作る。この水の一部が田畑に流れ、下流の市街地にも流れるようにする。山神人と海神人らは互いにアクセスできるようになる。山の幸を市場で売ることも可能になり、海神人も山へアクセスすることも可能に。この運河を通じて山神人の山を一つ越えたところに住む谷神人たちとの交流が生まれ、市場もうまれる。道を塞いでいた検問、そして仮面と住居を隔てていた壁を撤去。相互不信を緩和する。共同の広場を造営して聖なる仮面と聖なる鶴を一つずつ広場に造営。海神人と山神人は多神教へ改宗する人々も一部出現する。より山々に近い場所に国会議事堂を新設。Positive Discriminative Electionを導入。海を埋め立て、軍事施設や住居などをそちらに移動させる。(by佐藤)

紛争シナリオ2:農人と山人の対立
■けが人なし■
●農人と山人の対立を扱いました。山人の違法伐採・農人の平野部への侵略といった問題行為が発生する中で、それをトランセンドするために以下のことを実行しました。
●平和化:①互いを隔てていた柵を撤去②平野部の畑の共同利用並びに山間部の開墾③平野部への植林
④平野部と山間部の行き来を活発化するための電車の開通⑤過去の紛争を記憶にとどめるための平和シンボル像の設置(by藤巻)
■リトルグリーンメン5■
●紛争前:野人は木材を必要として、勝手に山に入り木を伐採。山人は人口が増え、耕作地を平地の方へ拡大
●紛争状態:野人の方が豊かで強いので、橋には鍵つきの門をつくり、山人の平地への進出を食い止めるための大きな壁を建設
●平和化:まず野人が橋の門を解放し、壁を壊す。壁のあった辺りにマーケットを設置し、そこで野人は作物を、山人は木材を売る。(by廣瀬)

ちょっと紛争シナリオ2は複雑すぎたかもしれません。また机がない
ところで作業をしていたので、なかなか進まなかった部分がありました。
外大はこういうグループワークをするのに適した部屋がないので、そ
れは痛いところ・・・。結局、吹き抜けホールで他の学生がいるのも構わ
ずやるしかないようです。
a0133563_0454111.jpg

短い時間でしたが、皆とてもいい作品が出来ました。結構展示を立ち
止まって観た学生も多く、来年も是非やりましょう。
[PR]
by africa_class | 2012-02-03 00:47 | 【学】戦争/紛争/暴力・平和論

Lukasaの投票結果

受講生の皆さん、随分遅くなってごめんなさい。
あれやこれやの〆切に追いたてられ、なかなかこれを書くこと
できませんでした。授業の最後にやったlukasaのグループ毎
の結果です。左が学生評価。右が私の評価です。集計をして
くれたミッキーありがとう。Transcendらしさ、平和化への有効
性、おもしろさが、各10点で、満点は30点です。両評価を足し
て2を掛けたものを成績の一部にしました。

リプトン:20 (25.5) =45.5x2=91
レ・ミゼラブル:20 (23)=43x2=86
はちみつクレヨン:19 (21)=40x2=80
ほぼ2年生:23 (25)=48x2=96
鶏班:20(24)=44x2=88
ネコパス:21(22.5)=43.5x2=87
花粉症: 21(23)=44x2=88

ということで、「ほぼ2年生」がダントツの1位で、次が「リプトン」
でした。しかし、学生評価は私よりもかなり低いね~。また、
私と学生の評価が大きく違っているのは、皆さんが「Transce
ndらしさ」を十分理解していないからと思われます。
 トランセンドは、単なる「分離独立」的なものを支持しません。
もっと創造的で、「乗り越える」方向性をもったやり方を奨励する
ものです。その意味では、見かけはいいけれど、型にはまった
やり方を導入しているものにはあまり点をあげませんでした。
皆さんは、結構見かけやプレゼン者のプレゼン能力に左右され
たようですね。
 いずれにせよ、次回はもっと時間をもって取り組みたいところ。
短い時間だったけれど、皆さんよく頑張りました。また授業への
コメントについては、別途取り上げますね。
a0133563_17155773.jpg

[PR]
by africa_class | 2011-03-08 17:19 | 【学】戦争/紛争/暴力・平和論

仏語圏アフリカ平和構築論研修

今年も、仏語圏アフリカの警察や法関係者への平和構築研修
に参加させていただいた。参加者の出身国は、ジブチ、コンゴ
民主共和国、コートジボワール、ブルンジなど、なるほど~な
国々。
 この面々に、「暴力・紛争・平和(violence, conflict, peace)」、
「紛争の変容と超越(conflict transformation, transcend)」
を1日かけて教えるというのだから、なんともチャレンジング。
a0133563_10545830.jpg

 最初は硬かった皆さんも、最後には大盛り上がり。
a0133563_10523573.jpg

国・・・というより、政権を背負って、頑なになっている様子の
参加者も、時間が経つほどに、柔軟に。Lukasaワークショッ
プをやる段階にもなると、かなりの盛り上がりに。
a0133563_10542958.jpg

最初は、ロールプレイ(異なる民族の紛争当事者間)も真剣には
行われていなかったものの、紛争要因(不公正な開発)に火種
(マジョリティの人口増加がマイノリティの土地や生活を荒らす)
という段階になってからが凄かった。皆、自分の権利を守ろうと
やっきに。
a0133563_10555661.jpg

口ばかりに頼りがちなアフリカ政府役人にとって、手を動かすこ
との意味や楽しさを実感してもらえたのは、良かったかな?皆さ
ん、すごい技を見せてくださいました。この豚はすごい!
a0133563_10563740.jpg

やっと民族同士の和解に達したところで、マイノリティの地域に
ダイヤモンドが発見!!!立場が逆転したところから、議論は
デッドヒート。
a0133563_10573424.jpg

しかし、授業で学んだ「紛争の変容から超越へ」、つまり、紛争
を単にネガティブなものとしてだけでなく、「機会」だと捉える手法
を取り入れてもらって、最終的にはそれぞれクリエイティブな
変容を見出しました。

最後に、研修の冒頭で書いてもらったビジョンの確認。多くの人
が、ビジョンはより具体的で包括的なものになったと喜んでくだ
さり、ほっーーー。
Lukasaについては、こちらのブログをどうぞ。
http://spacepeace.exblog.jp/
[PR]
by africa_class | 2011-03-01 11:03 | 【学】戦争/紛争/暴力・平和論

リビアのアフリカ傭兵から見る「新しい戦争」論

月曜4限の「アフリカ紛争論」で取り上げたとおり、ポスト冷戦期の
「新しい戦争(New Wars)」では、国家権力の掌握者が、カネで
雇った傭兵等に守られて、国家権力を維持している点にについて
紹介したが、そのアカラサマな現実が、リビアで発生している。
 大義のない戦い・・・において、これは重要な点。「子ども兵」
の利用、「民間軍事会社」への依存、パトロン=クライアント関係
で強固な結び付きを深めるクライアントの武装化、「外国人傭兵」
への依存は、90年代以降のアフリカ紛争の多発やその悲惨さを
招いたことは、受講生なら既に熟知しているところ。
 しかし、戦時下になかった国でも、このような現象がすでに起き
ていたとは、知らなかった人も多かったはず。権力の基盤が、民主
的なものではなく、資源や地政学上の理由から、国際的に問題視
されてこなかった多くの独裁国の権力者は、多かれ少なかれ、この
ような実態にある。
 今、北アフリカ・中東ばかりが話題になっているけれど、これは、
資源国で長期の独裁体制にある赤道ギニアやその他の国にも広が
っていく可能性が高い。そして、おそらく、これらの政権は、今せっせ
と武器を、身内に渡し、外国から企業や傭兵を雇っていることと思わ
れる。
 90年代のあのような戦争はもうあり得ないと思うことなかれ。世界
はまだそこまで「前進」していない現実が、今回浮き彫りになった
だけ。

■アフリカ人傭兵のインタビュー
http://observers.france24.com/content/20110221-alleged-african-mercenary-captured-libya-Gaddafi-unrest-Benghazi-Libyan-youth-movement
[PR]
by africa_class | 2011-02-28 11:46 | 【学】戦争/紛争/暴力・平和論