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カテゴリ:【311】原発事故と問題( 87 )

中山智香子『経済ジェノサイド:フリードマンと世界経済の半世紀』(平凡社新書)を読みながら

太陽が陰ると屋根上のOMソーラーパネルが作動せず寒くなる我が家。
間伐材から出来た木質ペレットを燃料とする我が家のストーブはあくまでも補助で、主体は太陽の力で温められた空気・・・のはずが、昨日曇ったお蔭で室温10度。しかもドイツに行っていたのでペレットを注文し忘れ、ストーブはつけられない。太陽にすがるのみの生活も、やっと13度まで来たところで、陰ってきた。天気に一喜一憂しながらの暮らしも、なんだか、しかし、楽しい。(書いているうちに14度になった)

本題。

 同僚の中山智香子先生と出会えたことは、学生の皆さんに出会えたことと同じぐらい、外大に着任して10年近くなる今ふり返っても一番の財産。チャーミングで超有能、経済理論…などという聞くからに難しそうなものを、生活に根差した言葉で語れ、政治社会の問題にアクティブに思考を巡らせ、知的世界の中で次から次へと面白いイベントを仕掛けてきた方。あんなに語るべきことを沢山もっているのに、イベントではいつも「縁の下の力持ち」に徹する献身。学問において超厳しい方であるものの(きっと外大一)、実は学生想いのアツい本当に心の温かい先生。学術界でも手堅い仕事をする研究者として重宝され、いつも原稿を抱えてぐったりしているのに、個として、一人の人間としての感性を磨くことを忘れず多芸な智香子先生。常にクリティカルで、そのことを会議で語る勇気を持ち、毅然としたその姿は時にまばゆいばかり。大学で起きる様々な驚きの数々の問題をなんとかやり過ごすことが出来たのは、智香子先生の姿をみてのこと。
 研究・教育・社会発信・芸術・事務・・・そのすべてに秀でた智香子先生に学ぶところ多し。(なんだかラブレターのようになってしまったけれど、まあいっか。本当のことだから。)
 そんな智香子先生の凄さを私が改めて知ったのは、2011年3月11日以降のことだった。私は例のごとく、またNGOを立ち上げて(福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクトhttp://fukushimaneeds.blog50.fc2.com/)、立ち上がった福島の女性たちの後に続けという女性たちの運動のお手伝いを開始して、わけもわからず忙しい日々を送っていた。そんなある日、経産省前での女たちの抗議座り込みに現れてくれたのであった。しかも、デモグッズ持参で!失礼ながら、その時まで彼女がデモに参加していたとは知らなかった。しかも常連さんであったことも!そして、デモ友の女性やO先生も連れてきてくれていた。その時まで、私は本当の意味で智香子先生のことを理解していなかったのだ・・・と気づいた。経済理論という「ムツカシイ」ことをする研究者であるから・・・とこの私ですら勝手な思い込みを持っていたようだった。智香子先生ごめん!彼女が一市民として、徹底して抗う側の一人として立ち振る舞ってきたことを思えば、当たり前中の当たり前だった。不覚にも・・・。
 その後も、色々な機会に私たちの抗議活動に参加してくれ、互いに励まし合ってきた。どんなに疲れても、金曜日夜、互いに名前を知らない人たちと一緒にあの場に立つことが、いかに今の私たちに必要なことなのか・・・そんな話をしてきた。

 私たちの市民性が試されている今。と同時に、私たちは研究者である。専門性において、今何かしないのであれば何の意味があるんだろう…。焦りとともにつらつら考えてはいるものの、そして色々なことをこのブログでも書き散らしているものの、ちゃんとしたまとまりをもった形で社会に提示することができないもどかしさを感じていたところに、智香子先生から昨日本を頂いた。彼女が、ちゃんと宿題をこんな形で貫徹したことに、心からの称賛を送りたいと思う。智香子先生だから書けた本。智香子先生だから書かなければならなかった本。そのためにギリギリのところで生活していたことを、「あとがき」で知った。私も頑張らねば。
 
 中山智香子著『経済ジェノサイド:フリードマンと世界経済の半世紀』(平凡社新書840円)
 (来週発売!)

 まだ読んでいる途中なので、ズルくはありますが、最初と最後を紹介しておきます。この本の意図を一人でも多くの人に伝えて、経済の話だからと倦厭せず、自分で手にもって読んでみてほしいからです。
 この本は帯にあるように、リーマンショック後に英国エリザベス女王がLSE(ロンドンスクールオブエコノミックス)を訪問した際に、「なぜ誰もこの事態を予測できなかったのですか?」、つまり「経済学は何をやっているのですか?」に通じる問いを投げかけたことを紹介している。
 そして、彼女はまさに、この問いを、311後の日本において切実に自問し、これに答えようとして書いたのが本書である。経済学者のはしくれとしてデモに行くだけでは十分ではないから(287-8頁)。
 皆さんは、「経済学」とは何かご存知?本書でも取り上げられているものの(284頁)、日本語では、「経世救民」に由来する。つまり、「世を治め、民の苦しみを救う」ということであったはずであった。しかし、今の経済学、特に新自由主義が蔓延する世界の経済学は、「民を救おうとしているか」?それどころか、民を苦しめる構造を「市場」というものを前面に出すことで強固に創り上げていっているのではないか?・・・それを思想史の変遷とともに、分かりやすい言葉でコンパクトに紹介したのがこの本である。
 
「しかし、統治を実践するのは議会だけではない。実は経済もまた統治的実践の一部門を成している(283頁)」
「しかし日本であれ世界であれ、問題はそれ(経済が統治者目線で行われる)が形骸化し、あるいはフリードマン主義の経済学の場合にように、意図的にうやむやにされているところにある。ほんとうは統治者目線だが国家の統治者ではないので隠れており、市場の陰からこっそり指示を出している。権力の存在を否定する自由主義者は、字はそれだけ一層権力が好きであったりする。しかもその統治は社会の上層部だけに目を向け、不都合な部分から目を逸らすのである(284頁)」

 これは今アフリカの土地奪取問題に取り組む私も実感として抱いている点で、この経済思想的背景が理解できることは非常に有難い。 一見、政治的にやられていること、あるいは「普通」「時流」にのってやられていると思われることも、実は以上のような「市場の陰からこっそり指示を出す経済の動き」が根底にあり、構造がある。このような構造は社会全体の雰囲気までをも創り出す。原発の問題における「原発がないと産業が衰退する」というプロパガンダが、何故か日本で空気のように当たり前に受け止められてきて、311後もそうであるように。
 さて、中身はもっと内容を読んでからにしたい。でもこの本を勧めたいのは、学生や経済に興味をある人は当然として、311後の日本で立ち上がり始めた市民にこそ読んでいただきたいと思う。この間の市民の運動や活動、そうとは呼べない呟きを目に耳にしてきた。そして、長年内外社会の権力構造について考えてきた私には驚くようなことが一杯あった。一人一人の気づきや言葉の中に、本質が鋭くつかみとられているから。自称「普通のママ」と呼んでいる人のそのような言葉と理解の深みに、私は多くのことを学ばせていただいてきた。このような方々にこそ、今私たちが直面している問題の構造、思想的、世界的で歴史的な背景を学ぶために、この本を手に取ってもらいたいと思う。
 また、グローバル世界がどのように形成されてきたか知らないままに、「国際協力」「開発援助」の掛け声をしている人たち、実務者の皆さんにこそ、この本を手にとってもらいたいと思う。もちろん、すべてが悪という話ではなく、皆のやっていることがどのような土台のうえに築かれているのかを学ぶことは、考える上で役立つと思う。国際か国内か…などの違いはない時代ではあるものの、国際潮流に左右されやすい分野であるからこそ、このような変遷を自覚的に学ぶべきだと、私は思う。

 最後に、智香子先生から皆さんへのメッセージが「あとがき」にあるので、少しだけ紹介したい。
「大規模エネルギー技術で経済を回そうとしていた時代の経済学は、何をめざし、何を考えていたのか。デモ友の彼ら彼女らのための知識を、彼ら彼女らに届く言葉で書くことは喫緊の課題であり、また経済関係者に一考を促し、およばずながらずっと福島に心寄せる誓いを立てることでもあった」
「またこの小さな一冊で何ほどのことがなしえるわけでもないだろう。それでも本書はわがデモ友に、金曜日ごとに名も知らぬまま首相官邸前でご一緒した何万人もの人びとに、ほかの街で声を挙げている人びとに、心を込めて捧げるものである。絶対に諦めないでまいりましょう!ささやかなエールを送ります(288頁)」

 エール受け取りました。

中山智香子先生のホームページ
http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/nakayamac/
ブログもよいです。
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by africa_class | 2013-01-10 12:20 | 【311】原発事故と問題

2012年10月30日夜に考えたこと~ジュネーブ、福島、東京外大。福島の子どもたちと国際協力を目指す若者たち

アフリカ諸国の紛争や暴力、不正や弾圧についてゼミで議論して帰宅後、ジュネーブでの国連人権委員会前日に、アピールを行うために駆けつけた福島の人たち(福島集団疎開裁判の皆さんhttp://fukusima-sokai.blogspot.jp/)の声を聞き、他方福島の警戒区域内の動物たちを救うために頑張る「ふくしま希望の牧場http://fukushima-farmsanctuary.blogzine.jp/」の代表の吉沢さんが被疑者となっていると知り、今夜考えたこと。(例のごとく、ツイッターの貼り付けですみません・・・)

●ここ2週間の警察の動きをみると、民衆のこれ以上のエンパワメントを恐れて、政治が空転している間に、逮捕や家宅捜査を繰返すことで民衆の力を萎えさせようとしてます→http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1459 明らかに権力の焦りの裏返しなんで、踏ん張りどころ。問題は警察の後ろに誰がいるか。

<=と書いた途端に、希望の牧場・吉沢さんの警察による人権侵害の情報が飛び込んできました。詳細は、http://fukushima-farmsanctuary.blogzine.jp/に詳しいのですが、ツイットしたこと。
●「希望の牧場」は、原発警戒区域20キロ圏内に取り残され餓死寸前、殺処分される動物の命を救うため、吉沢さん含む市民が続けている牧場。*区割も事故を起こした国が勝手に。不処罰&命を守らない国が何の罪で?
●弁護士さんの言う通り、警察が今回問題にする「希望の牧場」代表の警戒区域立入り。しかし区域設置目的は「人の身体又は生命に対する危険防止すなわち住民の保護」。なのに不当な取調べを繰返し、警察こそが人権侵害を。明らかに法・権力の濫用。

<=吉沢さんより
●いよいよ、国がオフサイトセンターが、希望の牧場の牛を生かす活動を、牛を助け合いながら守り続ける農家約10軒と約800頭の被ばく牛を、いかに邪魔ものとしてとらえているか 原発事故の証拠隠滅=全頭抹殺 その企みが今回明らかになった。
●このたびの問題は、私にとって、希望の牧場にとって、大変なことではある だけれども今後も、原発爆発事故で双葉郡を追い出された避難民100000人、また21000人の浪江町民の無念の気持ちを背負って、牛を生かし続けることで、その気持ちを少しでも晴らしたい。
●警戒区域とは何か 災対法とは何か オフサイトセンターとは何か 原発とは何か 牛を生きた証人として、牛たちと運命をともにしながら、原発事故を忘れないためにも、問いかけていかなければならない こんな小さな、些末なことで全体を見ることを忘れてはならない。

<=そしてジュネーブで国連人権委員会前日のイベント開始。独立系メディアIWJ(http://iwj.co.jp/)
の中継開始(http://www.ustream.tv/channel/iwj-geneva#utm_campaign=t.co&utm_source=12400071&utm_medium=social …)
●今この瞬間ジュネーブで話されていること、「希望の牧場」への警察の妨害…なんという国。依然放射能漏れのままの原発を収束したと宣言し、子どもたちに緩い基準を与え避難を困難にする一方、残された動物の命を守るために身体をはって頑張る市民を犯罪者に。

<=そこから現在の若者たちの言論空間について考えてみました。ただし、こういう話は、基本的に私は授業ではしません。押し付けになってしまうから。教室では「権力者」である教師の私が、こういう話を檀上からするのは最悪なんで、フラット(疑似であっても、読んでも読まなくてもOK)なブログやツイッターでのみ書きます。

●今日ゼミで、ナイジェリアの民族紛争や汚職を目の当たりにした3年生たちが「国連のような(不十分であるが)新しい中立の機関に監視させる」という案を出していたけど、日本の人権侵害を国連に訴えようとジュネーブまで行かねばならない福島の人たちの痛みと苦しみと絶望を、我々は本当に理解してる?
●ゼミ生だけでなく、「遠いアフリカ」の紛争や民主化や人権侵害に関心を寄せる多くの日本の若者が、今目の前で起こっている我々の国の、子どもたちの権利侵害、自分たちにも関わる民主化・表現の自由・人権の弾圧問題を、気にかけながらもスルーしておきたい気持ちが…心底哀しい。
● 他人の社会が「変わらなきゃ」というのは簡単だ。自分が成長して「変わらなきゃ」というのも。でも自分の社会が「変わる」ため自分も「変わる」…という点の感度とやる気の低さは大人も同様。が何故?国際協力がしたいと言いながら、日本で起きてる問題から目を逸らすのは偽善だ。
●伝えたいこと。それは「Everything is political.すべては政治である」こと。「何もしない」「関心がない」から「政治じゃない」のではない。「何もしないこと」そのものが「立派な政治」なのだ、と。黙認は承認。あなたの責任。そういう社会と世界に、今私たちは生きてる。

<=書きながら、ジュネーブでは、沢山の声が
●福島のお母さんのビデオメッセージ「わたしたちに勇気をください」*子どもの声「日本政府が何もしてくれない中、世界中から支援して下さった皆さんどうもありがとう
●井戸川町長:私たちは難民なんでしょうか?人権がないんでしょうか?事故を起こしたのは東京電力なのに、私たちが追い込まれております。
●「法の支配」が日本に及んでいないということ。三権分立がない。人権侵害が起きている。言論の自由もない。メディアのバックにお金がある。

<=問われているのは、私たち、一人ひとり。語り合うことから始めよう。呟い(ツイートし)てみてもいい。フェイスブックに疑問を書いてもいい。読んでるけど、同意するけど、周りの反応が怖くて、リツイートすら出来ないことを、リツイートするところから変えてもいい。街に出るところからも始められる。あなたの近くにある抗議活動に顔を出してもいい。署名に協力してもいい。減電してもいい。なんでもいいから、一歩を踏み出した時に、何が見えてくるだろうか?
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by africa_class | 2012-10-31 00:25 | 【311】原発事故と問題

今だからレヴィ=ストロース『悲しき熱帯』(1955)を読む:「世界は人間なしに始まったし…」

私は意図的に研究テーマと活動領域を分けてきた。
 不器用すぎて、その両方を同じ脳みそで思考し、深めることが出来なかったから。でも問題意識の根底は同じで、別の価値観があったわけではなかった。ただ、学術的に書く・・・ということについて、私は途方もなく原則に忠実に生きてこようとした。右脳左脳わけて思考し、生きる・・・そんな具合だった。
 私が、活動をしていなかったら、きっともう少し気楽に色々なテーマについて取り組み、書けたのかもしれない。でも、活動をしている以上、「活動的に学術論文を書く」という皆の想定を、徹底的に裏切りたいと思ってきた。天邪鬼だからというのもあるが、自分の思考を徹底的に鍛えるためでもあった。
 学術論文を書くという行為は、私にとって禅寺でやる座禅に似ている。一日中やるわけではないし、毎日できるわけではにものの、そこに行ってそこのルールに従ってその空間・時間を過ごす。そんな風に、農村に向かい、資料庫に潜り、自分の想定が間違ているすべての可能性を検討しながら、書き進める。
 なのに、私は1997年来自分に課してきたこのルールを破ろうとしている。現実の変化のスピードの激烈な速さ、その地球大の影響、思想からリアルポリティックスとドロドロとした利権までの結びつきの強固さ・・・そんな21世紀初頭の世界において、そして311後の権力と人びとの闘いの相克、明らかになった生命の破壊の容易さを身近で目の当たりにしながら、このことを、真正面から考えなければならない。脳内を分けてる場合じゃない、そんな風にようやく自分を説得できるようになった。
 でも、哲学者でもなく、思想家でもない私に、どのような表現でこれを示すことができるのか?小説でもなく、ブログでもなく、学術論文として・・・まだ全く見えないまま。とりあえずは資料を読むところから始めよう。結局、卒論と同じなのだ。

 これまで、人は何故戦争をするのか、を考えてきた。今、人は何故自分が最も優れた生き物だと信じ込み、「経済成長」の名の下に、自然や社会や生きとし生きる者たちを踏みにじってなお、まだ飽き足らずそれを極大化しようとするのか…。鋭い痛みと絶望を抱えながら、日本とアフリカの今を考えたい、と思う。今世界大で「当たり前」になっている「経済至上主義」が、命をどのように破壊しているのか、それを事例だけでなく、思想の問題として取り上げられないものか、ともがいている。また、抽象的な世界という言葉に陥らせず、あるいは日本だけ、アフリカだけを観るのではなく、その両者を包含しつつ、今パーソナル、ローカル、ナショナル、リージョナルを巻き込みながらグローバルに展開しているこの「何か」を見破れないものだろうか・・・と、アフリカで考え続けてきた。答えはないけど、ヒントになる資料を紹介したい。資料のまとめをブログでするのも何だけれど、これが学術と活動を結びつけるパーソナル実験のその1。

1955年に発表されたレヴィ=ストロースによる『悲しき熱帯』(1955年初版 中公クラシックス 川田順造訳)より。*解説はまた余裕のある時。関連する部分だけ書き出しておきます。

・「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」
・「人間は、それ自体が一つの機械、恐らく他のものよりはるかに完成された機械として立ち現れ、原初の秩序の風解を促し、強力に組織されている物質を、絶えず増大していつかは決定的なものになるであろう無活力へと追い遣っているのである」(Ⅱp.425)
・人間は、呼吸し、食物を獲得するようになってから、火の発見を経て原子力や熱核反応機関を発明するまで、人間を再生産する場合を除いて、喜々として無数の構造を分解し、もはや統合の可能性の失せた状態にまで還元してしまう以外、何もしなかった」(Ⅱp.426)
・「個人が集団の中で独りではなく、各々の社会が他の社会の中で独りでないのと同様に、人類は宇宙の中で独りではない。人類諸文化の虹が、われわれの熱狂によって穿たれた空白の中にすっかり呑み込まれてしまう時、われわれがこの世にいる限り、そして世界が存在する限り、われわれを接近不可能なものへと結び合わせているこのか細い掛け橋は、われわれの奴隷化へ向かうのとは逆の道を示しながら、われわれの傍らに留まり続けるであろう」
・「その道を、踏破出来なくとも熟視することによって、人間は人間にふさわしいことを彼が知っている唯一の恩恵を受けることが出来る。歩みを止めること。そして人間を駆り立てているあの衝動、必要という壁の上に口を開けている亀裂を一つ一つ人間に塞がせ、自らの手で牢獄を閉ざすことによって人間の事業を成就させようとしえる、あの衝動を抑えること」(Ⅱp.428)

解説は要らないと思います。
平易でいて難解。
でも、噛みしめて何度も読めば分かる。
この本の最後の一節。

「あるいはまた、ふと心が通い合って、折々一匹の猫とのあいだにも交わすことがある、忍耐と、静穏と、互いの赦しの重い瞬きのうちに」
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by africa_class | 2012-09-14 02:53 | 【311】原発事故と問題

震災・原発事故から18か月。先月福島で行われた意見聴取会での声から

(国際協力の投稿の続きは週末に。今それについて論文書き始めました)
9月11日も終わってしまった。毎月11日をどう過ごすか考え、答えなきままに18か月を迎えてしまった。あの日、逃げるしか何もできなかった自分への怒りと、守るらなければならないものを守ろうとする本能を思い返し、あの日の東京の抜けるような青い空に、不条理と無力感に苛まれる。 まだ見つかっていない多くの皆さんとそのご家族、友人たちに、なんと声をかけられるのか考えても考えても答えがないまま、1年が経った石巻の穏やかな海に問いを投げつけたまま、また半年が経ってしまった。
 当事者ではない私が何を書こうとも無意味だ、と思う。私の当事者性に基づいてこの1年と半年をふり返るのであれば、電力を使う側・原子力政策に異議を唱えなかった有権者として、立ち上げずにいられなかった「関西疎開プロジェクト」や「福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクトFnnnP」や、現在の脱原発関連アクティビティが思い出されるのであるが、もっとプライベートな面でいうならば、それが自分たちの決断であったとしても、まだ小学生の一人だけの息子と17か月も離ればなれになって暮らすことになるだなんて、考えてもおらず、彼が私を必要としているときにそばにいることができなかったという想いばかりが募っていく。

 想いを語り合うことは重要だ。一人称で語り合うことにこそ、2011年3月11日を経た日本の私たちがこの苦難を乗り越えていく重要なカギだと思う。なぜなら、心の奥底の叫びから出た言霊は、嘘や虚構を越える力を持ち、他の人達の心を揺り動かし、何かを変えようとする力となって羽ばたいていく可能性を秘めているから。
 だから私は下手でもいいから自分のことを語る。そして、人が自分の想いを語るのを聴きたいと願う。そして人がそうやって想いを表現した時、その声に耳を傾けてほしいと願う。

 本当は生の声の数々をここに書きたい。でも、それは別の機会に。今日は、このブログでも繰り返し紹介した「国民の意見を聴く」という目的で開催された意見聴取会。当初は予定になかった福島での、より沢山の人びとの、自由な意見を表明する場が実現したが、何故政府(内閣府国家戦略室)はそれを最初から設定しなかったのかと憤る。そもそも、エネルギー問題、原発問題を議論することになったのは、去年の原発事故とその後の被害によるものではなかったのか、と。昨日、まさに原発事故発生のその日に、国民が選んでいない内閣が、国会を無視して、原子力規制委員会の人事を承認してしまった。規制委員会を作らねばならなくなったのは、そもそもは、原発事故が従来の推進者が規制側を牛耳っていて「安全神話」に基づき、危険予防に務めなかったから発生した、という結論に基づいていたはずだった。それが、16万人もの人が故郷に帰れず、留まってなお不安に生活する福島の人たちがいるにもかかわらず、何故か「事故は収束」し、「元の生活」など望むこともできない状態に人びとを追いやったまま、彼ら・彼女らを犠牲にする形で行われてしまった。
 これらのことについて、やはり当事者の皆さんの声を一人でも多くの人に届けなければ、と思い8月2日の東京新聞朝刊に掲載された声の数々を転記したい。

◆福島 怒りの聴取会 「収束」「再稼働」政府不信一色
(東京新聞 朝刊 2012年8月2日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2012080202000203.html
「東京電力福島第一原発事故で計り知れない打撃を受けた福島県で一日、将来の原発比率をどうするか、県民の意見を政府が聴く会が開かれた。将来0%どころか「すべての原発の即廃炉」を求める声が相次いだ。政府は事故収束宣言や原発再稼働など県民の心を逆なでしてきたため、政府への不信感や怒りの声に染まった。(中略)
 聴取会は四時間に及び、原発比率の議論より、政府の姿勢を疑問視する声が目立った。特に、昨年末の「事故収束」宣言や、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働、さらには原子力規制委員会の人事といった一連の政府の対応がやり玉に挙がった。
 福島県の各地では、数多くの人が避難生活を余儀なくされ、放射能の影響も広く残っている。そんな中で政府が「サイト(原発)内に限っては」と前置きをしようと、収束宣言は切り捨てと映ったようだ。「政府ではだれも事故の責任を取っていない」「何の根拠があって収束宣言したのか」など次から次へと批判の声が出た。
 再稼働問題はほぼ全員が問題視した。「あれだけの事故があったのに、もう再稼働させてしまった。失礼だ」「山も森も放射性物質。そんな中で再稼働に踏み切った政府に憤りを感じる」などの意見が出た。
 規制委人事でも「また原子力ムラで固めるつもりなのか」と疑問が出されると、会場から「ふざけるな」の声が一斉に上がった。」

◆ネットに掲載されたのはここまで。2面にはもっと具体的な声が出てくる。それを転記。原発事故から1年半経っても、普通の生活が続けられないほどの迷惑をかけている皆さんに、ここまで言わせないといけない政府の在り方に、そんな構造を支えてきた自分に、憤りが止まらない。何故、加害者の政府に、被害者の福島の人達が訴え続けなければならないのか。繰り返される犯罪的対応。世界中で起きてきたことが、ここでも繰り返されている。しかも現在進行形で。

記事冒頭「ある人は拳を振り上げ、ある人は涙に声をつまらせて脱原発を訴えた。福島第一原発事故の被災地、福島市で1日に開かれた意見聴取会では、福島の人達の怒り、嘆きが渦巻いた。『福島県民は国民ではないのですか』。福島市の女性はこう発言し、政府が事故原因不明なまま事故の収束を宣言した上に、『国民の生活を守るため』と大飯原発を再稼働させたことを憤った。女性は続けた。『私たちは何度も何度も国に捨てられている』(後略)。

●シナリオを討論すること自体が矛盾している。原発は制御できないことを学んだ。(田村市男性)
●0%シナリオを選んだが、思いは一日も早く原発をなくしてほしい。これだけの放射性物質をまきちらし、原発も輸出する。それでどうて国際貢献なのか。(伊達市女性)
●意見を聴く会というが、単なる福島のガス抜きではないか。まず反省すべきは、事故を起こしたあなたたち(政府)だ。事故収束もしていないのに、なぜ再稼働なのか。(福島市男性会社員40代)
●この会をアリバイにしないでほしい。事故は収束していない。首相は「国民生活を守る」と大飯原発を再稼働させたが、私たちは国民ではないのか。(福島市女性50代)
●電力会社の人が「事故で死んだ人はいない」と発言したと聞き、出席する気になった。あんなに元気だったのにっていう人が亡くなり、自ら命を絶った人もいる。(富岡町から避難中男性30代)
●東電のおそまつな対応、政府も東電のいいなりで事故になった。ふるさとを失った苦しみがあなたたちに分かるのか。この会をにわか実績、アリバイづくりにするな。(浪江町から避難中男性農業)
●線量計で測定してから子どもたちを外で遊ばせるようになった。子どもたちには「間違ったら素直に反省し改めなさい」と教えている。大人の潔さを子どもたちに教えるべき。(福島市小学校教諭男性50代)
●首相は大飯原発の再稼働を決める際に、ッ国民の生活を守るといったが、関西電力は原発を動かした途端に火力を止めた。原子力ムラの考えることは理解できない。(福島市男性会社員)
●事故が起きたのにもう再稼働だ。本当に収束したのか。首相は再稼働を決める際に「自分が責任を取る」といったが、今回の事故の責任は誰が取ったというのか。(須川市女性50代)
●即時廃炉を求める。福島は健康に生きる権利を奪われた。最も懸念するのは子どもたちへの影響だ。原発は人権の問題だ。そもそも福島事故の責任はだれが取ったのか。(郡山市市議女性50代)
●安全対策が不十分なまま再稼働を許すとは、脳みそがメルトダウンしているのか。日本はどうしてごめんなさい、って言えなくなったの?(相馬市団体職員男性30代)
●ゼロシナリオを選んだが、この会場で示されているものとは違う。求めるのは、今すぐ原発ゼロを選択することである。原発と命は共存できない。安全神話と決別すべきだ。(福島市労組職員男性50代)
●もっと地元に行って多くの人の意見を聴いてほしい。私も平日のこんな時間来るのは難しかった。多くのことを訴えたい女性はたくさんいる。そうした声を聴いていない。(伊達市生協職員女性40代)
●使用済み核燃料の最終処分問題が解決しない限り、原発はだめ。この問題を解決してから、原発比率の話を考えるべきだ。今回の事故が転換するきっかけとなることを期待。(浪江町から福島市へ避難中の男性)
●長崎で被爆した。原発では労働者が被ばく覚悟で働く。8月に決めるなんて拙速なことはやめ、まずは5%とか中間目標を定め、確実になくしてほしい。(福島市無職男性70代)
●すべて廃炉にすべきだ。ドイツは福島事故後、脱原発を決めた。当事者の日本がなぜできないのか。首相はドジョウに戻って泥をかぶり、すべての原発を廃炉にしてください。(富岡町から福島市へ避難している男性)
●細野大臣は、原発をなくせとの声が圧倒的なのを覚悟の上江で来たのだろう。でも再稼働のアリバイ作りに利用されないかと不安がある。(会津若松市男性)
●電力を完全自由化し消費者が原発由来か、火力由来化、再生エネ由来かを選び比率が決まっていくのがいい。(福島市団体職員男性30代)

以上、新聞に掲載されているのはすべて転記できたと(腕が痛い)。何故かネット上ではこういう意見が読まれることが少なく、外部の人達の勝手な思い込みが流れること多々。まずは当事者の声に耳を傾けよう。

そして、「福島県民は国民ではないのですか?」「捨てられた」と言わしめている背景に、私たちの無関心が、沖縄の基地問題と同様あることを、今一度思い出そう。それが18か月を超えた今日(昨日)に改めて我々が出来ることの最低の一歩。
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by africa_class | 2012-09-12 02:19 | 【311】原発事故と問題

3日(金)はオリンピックに負けず(!)、抗議のため官邸前・経産省別館前の後、環境省前へ

南アフリカに今朝到着。さすがに眠いです…。今日は移動日なので友人宅でモザンビーク本の原稿を書いています。が、とにかく寒く乾燥。冬の最中の南アフリカ。36度の東京から急に真逆の気候に戸惑っています。(アフリカが暑いというのは一面的!)

日本にいなくて本当に残念なのですが、ツイッターで沢山つぶやいているように、原発規制委員会の委員長やその他委員の人事問題が今佳境を迎えています。本当に、懲りない政府です。いえ、逆に国民の反発が強まっているからこそ、今オリンピック期間中にどさくさに紛れて、このような重要な案件を通してしまおうということなんでしょうね。ちなみに、オリンピックの利用はナチスドイツ時代のベルリン・オリンピック、冷戦期のモスクワ・オリンピックを思い出せば一目瞭然!

市民が権力に騙されない・・・その心意気を見せるのはオリンピックの今です。来週は、広島・長崎原爆の日。国家権力関係者は無理なようですが、一人一人の市民は、世界に対して何をどう学んできたのか、示していきましょう。ということで、以下問題の背景と、市民がとれるアクションをまとめました。詳細は各URLをご覧ください。

1.原発規制委員会人事問題とは?
■詳細は下記ブログに詳しく書いてあります。
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/qa-ef6d.html
<=そもそも、去年の東電福島第一原発事故は、原発業界関係者と癒着する政官財といった推進者らが、規制側を牛耳っていたため、安全管理が不十分で起きた事故でした。その反省に立って、設置されたのが政府から独立した規制委員会だったはず。それが、またしても原発推進のための委員ばかりが揃えられ、国会で十分な審議もないままに強行採決されようとしています。自公民が同意しているので、各党が党議拘束をかければ、この人事は決定。5年間、誰も止められない「独立」委員会がやりたい放題となります。

■脱原発弁護団全国連絡会の緊急声明
http://www.foejapan.org/energy/news/120802.html
<=しかも、これら5名の委員全員が原発推進派であるだけでなく、全国140名の弁護士らによると、3名は原発業界の人間で委員になるのは違法行為と指摘されています。「この人事案は、「法の趣旨に反する」のみならず、「法そのものに反する」。すなわち違法。更田豊志氏・中村佳代子氏は、原子力規制委員会設置法第7条7項の、原子力事業者が委員に就任することを禁じた規定に違反」

特に、委員長候補の田中俊一氏の問題は多くの人が指摘している通りですが、次の点が追加で問題とされています。
①原子力委員会の秘密会合に参加。
②3月まで高度情報科学技術研究機構の会長を務め、現在顧問に就任。同機構の昨年度の収入は7億1,221万円。そのうち、日本原子力研究開発機構からの事業収入が5億2,089万円であったことが判明。

■福島の人たちの声
東京新聞:福島怒りの聴取会 政府不信一色(8月2日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012080202000104.html
田中氏は、避難の賠償が低く見積もられるように、繰り返し「安全」を宣言し続け、かつ避難希望者の避難を阻むような言動(除染すれば大丈夫)を繰り返していたことが明らかになっています。原発事故の「反省」を口にしたと報道されていますが、事故後のこの対応をみれば、原子力政策のリーダー(元原子力委員会委員長代理・原発学会長)だった立場から、本来できないようなことを繰り返し口にしていることが分かります。

2.市民は何ができるか?
明日8月3日(金)の夜、首都圏にいる人なら是非直接抗議へご参加を!それ以外の人、あるいはそれもやるけどもっとやるという方は、(2)署名、(3)国会議員へのアクションにご協力を!
(1)経産省別館前&環境省前アクション
8月3日(金) いずれも同じ主催者です。
●18時半~20時:原子力規制委員会人事・大飯原発再調査問題
於:経産省別館前(霞が関駅C2)
前投稿で紹介しhttp://afriqclass.exblog.jp/15849191/、私も参加している抗議です。場所的に環境省前の真ん前なので、終わったらすぐ移動が出来ます。もちろん、官邸前抗議に行ってからの参加でも良いかと思います。こちらの方がこじんまりとしていてスペースもあるので、まったり抗議したい方にはお勧め。(初参加の方はhttp://afriqclass.exblog.jp/15849191/をご覧ください)

*官邸前をご希望の方は下記サイトを。
■反原発首都連合(8月3日抗議詳細)
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=780

●20時15分~21時:原子力規制委員会人事撤回を求める抗議集会・ヒューマンチェーン
於:環境省前(第5合同庁舎) 霞が関駅B2かC1出口すぐ
主催者から:原子力規制委員会の人事案撤回を求めて、原子力ムラ支配を強める今の人事案を決めた細野環境大臣が仕事をする環境省前で、抗議集会を急遽行うことになりました。同時に環境省が入る中央合同庁舎5号館の一角を含む人間の鎖を実施します。
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2012/08/post-9834.html

主催:再稼働反対全国アクション、国際環境NGO FoE Japan、福島老朽原発を考える会、原発を考える品川の女たち、プルトニウムなんていらないよ!東京、経産省前テントひろば

(2)署名はしましたか?現在2万筆、まだまだ必要!
緊急署名実施中。第一次は2万筆集め提出済み。第二次を8月6日午前9時まで集めています。
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-7803.html
オンライン署名は次のサイトで。2分もあれば出来ます。
https://fs222.formasp.jp/k282/form2/

(3)地元選出あるいはその他の国会議員に働きかけましたか?

国会議員たちも超党派で動いています。45名が署名。でも、まだまだもっと必要です。来週採決取りかねない情勢になっています。衆参両院で採決するようなので、選挙区の議員に働きかけを。勿論、国民として選挙区以外に働きかけてもいいと思います。末尾に、現在の署名議員を一覧にしておきます。それ以外の方へ。
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-2a48.html

福島みずほ(参議院・社民)照屋寛徳(衆議院・社民)川田龍平(参議院・みんな)太田和美(衆議院・生活)橋本べん(衆議院・民主)中川治(衆議院・民主)又市征治(衆議院・社民)はたともこ(参議院・生活)三宅雪子(衆議院・生活)田中康夫(衆議院・無所属)重野安正(衆議院・社民)服部良一(衆議院・社民)斎藤やすのり(衆議院・きづな)阿部知子(衆議院・社民)初鹿明博(衆議院・民主)谷岡郁子(参議院・みどりの風)大河原雅子(参議院・民主)田城 郁(参議院・民主)牧 義夫(衆議院・生活/きづな)井上哲士(参議院・共産)笠井亮(衆議院・共産)大谷啓(衆議院・生活)村上史好(衆議院・国民)徳永エリ(参議院・民主)山崎誠(衆議院・民主)京野きみこ(衆議院・国民の生活が第一)相原しの(衆議院・国民の生活が第一)佐藤ゆうこ(衆議院・無所属)玉城デニー (衆議院・生活)姫井由美子 (参議院・生活)平山誠(参議院・新党大地・新民主)玉置公良(衆議院・民主)吉泉秀男(衆議院・社民)菊池長右エ門(衆議院・生活/きづな)岡本英子(衆議院・生活/きづな)平 智之(衆議院・無所属)黒田 雄(参議院・生活)有田芳生(参議院・民主)杉本かすみ(衆議院・民主)小野次郎(衆議院・みんな)田村智子(参議院・共産)辻恵(衆議院・民主)渡辺浩一郎(衆議院・生活/きづな)

(国会議員の検索はここから→http://seiji.yahoo.co.jp/giin/)
(国会議員への呼びかけおよび声明案は下記のとおりです。取りまとめは福島みずほ事務所が引き受けてくださいました。PDFは下記からダウンロードできます)
https://dl.dropbox.com/u/23151586/120731_jinji_giin_seimei_yobikake.pdf
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by africa_class | 2012-08-02 23:32 | 【311】原発事故と問題

今週末の脱原発デモ・抗議活動へのお誘いと詳細(私は金に経産省別館前に)

暑い毎日ですね。我が家は今日もクーラーなしです。(というか、クーラー自体がない)。少しばかりご無沙汰しています。

皆さんに応援いただいた「福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクトFnnnP」の活動もますます活発化しています。(土曜日は拠点長会議を実施。新潟・栃木・茨城・群馬・首都圏の5拠点とこれまでと今後に向けた話し合いを行います。まだまだ福島内外のご家族の状況は厳しいです。引き続き皆さまに関心を持っていただければと思います。
http://fukushimaneeds.blog50.fc2.com/

さて、本題です。
今週末も、日本全国で沢山のデモや活動があります!金曜日だけで実に45か所(先週の29か所より増殖)!
http://demojhks.seesaa.net/article/283222299.html
毎週金曜日に首相官邸前の「首都圏反原発連合」の抗議活動は来週8月3日(金)&29日(日)に実施されますが、いくつかのNGOが明日(金)下記の抗議を続行します(同連合が今週金はお休みするのは日曜日の大規模抗議に備えたいということで、急きょ仲間たちが別アクションを準備しました)。

*なお、NHKが本日クローズアップ現代で→26日【総合】19:30~19:56「デモは社会を変えるか~民主主義を問う市民たち~」を放映するそうです。事前に是非どうぞ。
http://www.nhk.or.jp/gendai/index.html …

ぜひ、お越しください!
いずれも私も一市民として関わっているものです。

なお、私は、明日(金)夜は、経産省別館前に行きます。18時すぎからいっていますが、来られる方は、お越しになれる時間に顔を出してくださればと思います!

経産省「別館前」はこじんまりとしており、お子さん連れも大丈夫です(先週来てくれた子どもたちも来てくれます!)。小さい集まりだけに、皆さんが来てくださると嬉しい&パワーアップ。何万分の1より、顔がみえて楽しいです。是非~。

【転載OK】
0.その前に!(初めての方へ)

●皆さん、おひとりで来られることが多いので、初めてでも一人でも大丈夫!気軽にお越しください~!
●メガフォン、鳴り物(カスタネットや小さなタイコ、ホイッスルなど音が出るもの)、プラカード(No Nukes!や再稼働反対などが書かれていたり、皆さんの想いを表すもの)、暗闇でも光るもの(ペンライトなど)があれば、なお効果的です!なければ、ないで大丈夫です!
●暑い毎日ですが、水分補給など忘れずに!(トイレなど近くにないので事前に駅やコンビニなどで)
●カラフルなお召し物で、気分をもりあげましょう!

<=浴衣で行ければベスト!と思っていたのですが、どうやら私の浴衣はドイツでした・・。

1. 明日27日(金)のデモ・抗議活動
■経産省別館前 18時半~19時45分 大飯原発断層問題

(保安院やエネルギー庁がはいっている建物前でのアピールです)
(千代田線・日比谷線霞ヶ関駅C2出口すぐ、丸の内線霞ヶ関駅B3a出口200m)
http://www.meti.go.jp/intro/index_access.html
**別館入口です!お間違えなく!

主催:◆主催:福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、国際環境NGO FoE Japan、原
発を考える品川の女たち、プルトニウムなんていらないよ!東京
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2012/07/post-5d79.html

*補足→大飯原発断層再調査を保安院は関電に促しましたが、次のような問題が明らかになりました。
◆断層の再調査はまたも同原発建設の三菱重工関連会社。 第三者による実施が筋です。◆調査・評価に年末まで待たず、 原発を停止し早急に調査・評価が不可欠です。
http://www.greenaction-japan.org/modules/wordpress/index.php?p=607 …

■官邸前抗議 18時~20時 原子力規制委員会人事問題
「原子力規制委員会」人事に異議あり!
 「原子力ムラ」から選ぶな!
  7・27 官邸前アクション
主催:再稼働反対!全国アクション、国際環境NGO FoE Japan
http://2011shinsai.info/node/2544

1.29日(日)15時半~ 脱原発 国会包囲デモ
『7.29脱原発 国会大包囲』
主催: 首都圏反原発連合 -Metropolitan Coalition Against Nukes-
http://coalitionagainstnukes.jp/
協力: さようなら原発1000万人アクション/原発をなくす全国連絡会/
ザ・アトミックカフェ/脱原発世界会議/WISE Amsterdam
開催日: 2012年7月29日(日) (※悪天候の場合は中止)
☆集会:15:30~16:30日比谷公園中幸門(日比谷公会堂裏)
☆デモ出発:16:00ごろ  上記場所より出発
☆コース:日比谷公園中幸門 出発→内幸町→新幸橋交差点右折
→新橋駅日比谷口前右折→西新橋一丁目右折
→日比谷公園西幸門 終点(約1.6km)
☆デモ終点:17:00~18:00ごろ(参加人数や出発時間により終点到着時間は変わります)
☆国会包囲:19:00~ 国会議事堂正門前にて、超党派国会議員も列席する
集会を予定しています。
集会場の近くではキャンドルの配布を実施します。
☆終了予定:20:00
※デモ終点から流れ解散して国会議事堂を目指します。
※ご参加はどの時間帯からでも、また部分的な参加も可能です。

●19:00からの集会に参加議員等(予定)
民主党 首藤信彦衆議院議員または川内博史衆議院議員
自由民主党 河野太郎衆議院議員
国民の生活が第一 森ゆう子参議院議員
みんなの党 山内康一衆議院議員
日本共産党 志位和夫衆議院議員
緑の風 谷岡郁子参議院議員
社会民主党 阿部知子衆議院議員
新党日本 田中康夫衆議院議員
亀井静香衆議院議員
上原公子(「脱原発をめざす」首長会議事務局長、元国立市長)
海外 緑の党 オーストラリア スコット・ラドラム議員他
(他調整中)

3.来週の金曜官邸前抗議は通常通り!
大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議


<-いつも報道されているアレです。

主催:首都圏反原発連合
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=780

お子さん連れには、ファミリースペースありです!
詳細は以上URLで。
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by africa_class | 2012-07-26 12:43 | 【311】原発事故と問題

メディアの報道問題→大問題!何とかしよう!→「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」(その6)

この話題の投稿、少しお休みできました。
というのも、メディアがやっと気づいてカラクリも含め大々的に報道してくれたからです。

過去のこの件の投稿は(1)~(5)まで。メインページに行けば遡りやすいです。
http://afriqclass.exblog.jp/
その(1)は以下。
http://afriqclass.exblog.jp/15768526/

1.この問題の報道 ようやくあるべき報道内容に
各種報道で一番よかったのは、
●この間の東京新聞朝刊(きちんと継続報道もされています)
●7月16日時点の「報道ステーション」
http://www.youtube.com/watch?v=C6rHB6DbwOA
「意見聴取会またも紛糾 都心では大規模反原発集会」
●7月18日時点の朝日新聞 朝刊14版
「聴取会『やらせ』批判 政府火消し、『発言禁止』」

<=いずれも、このブログで指摘してきたことのほぼ全てをカバーしています。少し休めました。

2.この間の大手メディアの報道姿勢の問題
「報道ステーション」は、官邸前抗議の様子をテレビ局として最初に大々的に放映してから、視聴率が非常によく二けた台だそうです。タブーを破ってからは、かなり報道姿勢が変わってきたようです。
 そもそもこの抗議活動は去年10月22日に始まりました。
 http://coalitionagainstnukes.jp/?page_id=28
 
 4月の大飯原発再稼働が迫る中、毎週金曜日に官邸前抗議活動を続けてきたわけですが、それを報道したのは、市民メディア(IWJやOur Planet TV)、東京新聞、赤旗新聞ぐらいのものでした。数万人規模になっても、官邸に集っているテレビも新聞も、官邸の中から出てこず、官邸の中での首相や周辺の言葉だけを垂れ流し続けました。
 参加者も視聴者も、メディアに報道するよう呼びかけを行い続けました。それは、原発を止めるためという以上に、このような「国家権力と馴れあう大手メディア」の実態に市民が気づき、そのような言論構造(民意操作へのメディアの加担)こそが人びとの生活に危険なものを放置してきた理由だと認識を深めた結果でした。そして、それを「変えられない」とただ嘆き従うのではなく、「オカシイ」と伝えるアクションを起こし始めた結果でもありました。
 市民メディアがヘリを飛ばして空から撮影をすると決めた瞬間、慌ててヘリを飛ばしたこれらの大手メディア。つまり、メディアは、現在や過去の深い分析を行いつつ、先を見据え、今起きていることの半歩、一歩、十歩先を歩くという本来の仕事を放棄し、市民メディアこそがその役割を果たしつつあることが、露呈した形となりました。この間の大手メディアの「意図的な無関心」と「最近の変化を捉えられない」実態。
 記者クラブや官邸の中に閉じ籠ったメディア、注目人物の言動を垂れ流し続ける(著名国会議員の番付記者、「石原番」や「橋下番」などを置いて)ことでよしとする姿こそ、「人びとを知ろうとせず、かい離するメディア」を象徴しているといえます。だから、現在何故テレビや新聞を視聴・購読する人が激減しているのです。単に経済危機とか若者の活字離れなどではありません。
 これは、メディアが「誰のため?」というビジョンを見失ってしまったからです。「自分たちの職のためのメディア」となり下がった結果でもあります。

でも、人とは過ちから学べる生き物です。
歴史が示すように、今日の過ちから学んだ人・組織・社会は、次の時代に成果を生み出します。すべて成功する、すべて上手くいく、すべて失敗しない人も組織も社会も世界もありません。今、日本のメディアは大きな転換点を迎えています。遅きに失しているとはいえ、まだ変われます。事実、1か月前と現在では、既にメディアの論調が大きく変わってきているのがわかります。
 と同時に、いつもの「簡単なストーリー=悪者づくり」のパターンに向かっているのも感じられます。一過性の「悪者たたき」で視聴者や読者を満足させ、憂さ晴らしをさせて、次の悪者探しに行って、もう忘れ去る…そのパターンが繰り返されようとしています。
 結局のところ、市民がこのようなメディアの在り方も含め、監視し、提案し、一緒に変わっていかなければならないのでしょう。

3.「意見聴取会」その後の報道の問題点の補足
今朝の東京新聞で、「原発聴取会業者任せ」という記事がありました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012072002000102.html
しかし、開催回数や定員縮小を、業者が発注元(経産省資源エネルギー庁でした)の意向を無視して勝手に決めるわけがないのです。となると、この報道のベースになっている情報を流したのは誰か?おそらくエネルギー庁が、「我々ではなく下請けが勝手にやった」といっているのでしょう。下請けさんが、それに逆らうわけありませんから。それを、この報道すると、受注した博報堂が悪いんだ・・・という話にすり替えられてしまいます。
 役所には、企業ではないので「お客さん」がいません(ただし、経産省エネ庁であれば隠れたお客様は沢山います。原発ムラの人たちです)。何を決めてやっても、「役人」という匿名性に守られ、個人の名前や顔は表に出ません。だから、倫理上大問題のことも、民意と離れていても、勝手なことができる。 そして、今彼らは博報堂や意見聴取会に参加した電力会社社員のせいにしてしまえばよいと思ってる。そのことこそが、大問題です。
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by africa_class | 2012-07-20 11:36 | 【311】原発事故と問題

大問題!!!何とかしよう!→「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」(その5)

暑いですね。今日は外気37度、日向では38度でした。
でも、家でも大学でもクーラーなしで頑張ってます~。

さて、今日もこの問題・・・。
でも、ようやく社会問題化しました。ご協力深謝!
中部電力のあの社員さんのお蔭で、ニューズバリューが一気にアップ。
7月16日(昨日)の報道ステーションで、詳しく取り上げられたようです。
(我が家はテレビもないのですが、さっき人のブログに貼り付けてあった番組観ました。便利な世の中になりました)

3つのシナリオのおかしさも、発言者比率のおかしさも、きちんと報じてました。久々に満足いくニュース番組でした(といってもTVないので「久々」は該当しないかな?)。

そして、政府が動きました。
が結局、電力会社とこの社員のせいにすべてしようとしています。

■朝日:経産省、電力会社の関与調査へ原発聴取会での社員発言
http://t.asahi.com/78i0

しかし、あたかも「第三者」のように、経産省が出てきてこれを問題にすること自体おかしいです。舞台裏で、原発を推進するシナリオを準備しておきながら(15%でも新設可能)、そして15%と20-%を選ぶごく少数の人たちに過半数の発言枠をあげながら、実際にやって問題になれば「彼らが悪い」と指を指す。

一言でいうと、「茶番」。
そもそも、経産省も内閣府もこれを前提で準備してる。業界の人が当選して発言しやすいように舞台設定をしておいて騒ぎになったら、この社員をスケープゴート化。自分とカラクリは守ろうとしてる

以下の日経の記事で、発言者を0%シナリオを中心に増やすとしていますが、そもそもどうして政府側が発言者を「事前に決める」のでしょうか。そこが問題。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC17012_X10C12A7EE8000/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

この「意見聴取会」問題が設定される、もっとずっと前の段階、そしてそれが準備される構造の部分にこそ、私たちは目を向けなければなりません。

政府が、
「利害関係者を入れるべきではない」
「組織動員ではないか調べる」
というのであれば、では、そもそもの専門家委員会やその事務局の運営自体を問題にすべき。

そこに、問題の根っこがある。

自分たちが利害関係を持つ業界に事務局スタッフを出向させ、情報を提供し、彼らの持っていきたい方向にいくように舞台裏で画策してきたことは、どうなんでしょう。

福島原発事故前、原発稼働比率は全電力の26%でした。
20-25%という数字は、小学生でもわかる、原発依存を止める方向ではありません。15%も新規の2基つくらないと不可能な数字です。これらの数字を入れ込んだのは、以上業界関係者がウヨウヨする専門家会議や事務局や官僚なのです。

ああやって表に出てきたものが叩かれて、急いで火消にまわっているのは、その先にもっとまずいものがあるからです

聴取会に出てきたあの社員さんたちだけを叩くことで、見えなくなってしまうものがあることを、もっと巨大なメカニズムがあることを、私たちは踊らされず、しっかり批判的に見続け、声をあげていきましょう

なお、大学教員が原発業界から寄付をもらいながら、「第三者・専門家委員会」に平気で出席して、業界の利益になるように動いていることも、それを「問題なし」と大学側がし続けていることもまた、同じ大学教員のはしくれとして、許し難いことだと思っています。

今、原発をめぐって繰り広げられている日本社会上層部のひとたちの動きをみていると、
●透明性
●公平性
●利他性/公共性
という、当たり前のことが、誰にもないことに愕然とします。

いじめのことが今大きな問題になっていますが、あのようないじめが放置されるメカニズムは、これと同じものです。教師も、学校も、教育委員会も、大人たちは、誰も以上のことの模範を示すことができない。できないだけでなく、

●不透明性、隠ぺい
●不公平・偏重
●私利私欲/自分さえ、今さえよければいいという論理

という真逆の規範が浮彫になり、同じ大人として恥ずかしさでいっぱいです。このように他者と暮らし、一緒に社会を創造する際に、あるいはリーダーシップを取る際に不可欠な基本を、大人たちが平気で、あからさまに踏みにじり続ける現状に、一体この国は何なのか・・・と開いた口がふさがらないのです。

若者の皆さん、私たちも頑張りますが、皆さんとしては、真似るのではなく、どうぞ反面教師にしてください。そんなことを書かねばならないことが歯がゆいですが、実際そうです。がんばりましょう。


■明日(7月19日)市民団体主催で「ほんとうの」意見聴取会が開催されます

なお、全国で市民たちが同種の市民主体の意見聴取会を開催準備を進めています。
詳細→http://publiccomment.wordpress.com/2012/07/13/meeting/
ぜひ、ご参加を。

「未来のエネルギーはどれ?『選択肢』」に関する政府との意見交換会~」にきてください。
将来の原発比率などエネルギー選択について政府がパブリックコメントなどで国民の意見を聴いています。政府の選択肢や、そのプロセスなどに関し、NGOや参加者が意見表明、政府と意見交換します。政府の「国民的議論」の問題点も明らかになるでしょう。(資料代500円、申し込み不要。どなたでも参加できます。ぜひ、お気軽にいらしてください。

「未来のエネルギーはどれ?『選択肢』」に関する政府との意見交換会~」
http://e-shift.org/?p=2148
とき 7/19(木) 午後3時~5時
(午後2時半より衆議院第一議員会館にて通行証配布)
ところ 衆議院第一議員会館 B1 大会議室(定員300人)

プログラム(司会・丸子安子/みんなで決めよう!「原発」都民投票&国民投票)
1 政府から「エネルギー選択肢」について説明と事前質問への回答
 説明者:国家戦略室 土居健太郎 企画官
 随行者:国家戦略室 工藤俊祐事務官、吉野企画官(その他2名程度)
2 NGOと参加者からの意見表明と意見交換
「国民的議論のあり方」
 高田久代(国際環境NGO グリーンピース・ジャパン)
「省エネなどについて」
 平田仁子(気候ネットワーク)
「自然エネルギーなどについて」
 船津寛和さん(ISEP 環境エネルギー政策研究所)
「使用済み核燃料再処理などについて」
 西尾獏さん(原子力資料情報室)
まとめ
 吉田明子(国際環境NGO FoE JAPAN)

適宜、参加者からの質問・発言を募ります。
参加費無料・資料代別途500円
主催:eシフト原発ゼロ・パブコメの会
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by africa_class | 2012-07-17 22:49 | 【311】原発事故と問題

大問題!!!何とかしよう!→「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」(その4)

エネルギー環境意見聴取会の問題が留まるところを知りません。
これは結局、主催者である政府関係者・原発業界の利己的な思惑と人々の間の「願い」「希望」の乖離が、凄まじいまでに根深く、かつ民意をどう政策に反映させるかという民主主義の基本を権力・利権者らが踏みにじることを良しとしていることに起因しています。

「国民の意見を聴く会」が、「国民を操作するための装置」として設定され、運営されていることの大罪に、我々が物申していかないのだとしたら、「いつか来た道」を繰り返すことになります。こんなことを許さない…私たちは賢くクリティカルに分析し、オカシイと声をあげ、安易な操作に対峙していきましょう。

*なお、広告代理店問題を「その2」で書いて、皆さんにも注意喚起しましたが、「彼らに意志がある」とみるよりも、「彼らのお客に意志がある」という点に注目してほしいと思います。つまり、「金を払う者の意志にあわせてマックスの努力をしている」ということです。
 もちろん、企業倫理について大問題だと思いますが、それを使っている側がいることを忘れずに。民主主義の体制下で国家権力が税金を使って民衆操作のためにこれらの企業を使ていることの問題こそに注目しましょう。(そもそも最大手は電通ですし)
 そして、広告代理店以上に問題なのは、日本では、メディアです。特に、テレビ、一見「中立公正」と見せかけているNHKの問題が非常に大きいです。これをお忘れずに。何より、メディア情報を批判的にみる、読み解く力を市民が持つこともまた重要です。政府、メディア、広告代理店のプロパガンダなんかに左右されないだけの、「市民力」を!

で、今日は名古屋会議の分析です。
今日は、「地域独占企業としての電力会社の企業文化と変われなさ」をテーマに書きます。
*もう一人、原発関係の研究所の研究員が話していたと思いますが、メディアで出てきません。知ってる人がいたら教えてください。

色々明らかになってきて追加すべき点を書きますが、詳細は下記の分析をご一読ください。
■全体の分析 (特に何故原発維持・推進派が発言者の大半を占めるかのカラクリ)
その1 http://afriqclass.exblog.jp/15768526/
■とるべきアクション 
その2 http://afriqclass.exblog.jp/15770715/
■人数からの分析とどのような人数割合があるべきか 
http://afriqclass.exblog.jp/15773002/

1.会場に来た人数は何故応募者352人なのに86人だけ?
朝日新聞によると、応募は352人、意見表明希望は161人、参加者86人だったそうです。
http://www.asahi.com/national/intro/NGY201207160009.html?ref=twitter

TKP名古屋ビジネスセンター 大会議室8
http://tkpnagoya.net/price.shtml#room_l
キャパは150人の部屋に何故86人???
そもそも、352人が申し込んでいるのに、何故「大会議室」程度?
意見表明も161人も希望したのに?

考えられるのは、
①その3でも書いたように、そもそも人数を絞りたい&来てほしくない人を排除したい
(部屋のキャパの半分程度しか参加できないようにした)
申込みをし、意見表明希望を出し、参加の抽選に当たったがそもそも参加する気がなかった

①は大問題として、②について考えておくべきでしょう。
以下の意見表明希望者の選択したシナリオの数字にヒントがあります。
・0%支持は106人
・15%は18人
・20~25%は37人

(この意見表明者の所属(業界・会社名)は事務局にあるので、メディアの皆さん是非氏名を抜いた情報を取り寄せてください。そうしないと実際のところはわからないのですが、あくまでも推測で。また0%を支持する人があえて意見を表明するために他のオプションを選んでいる可能性も排除できませんが。主催者が何人をめどに人数を絞ったのか、会場の参加者を決める抽選もシナリオごとに割り振られているのかどうかの確認も必要です。)

20-25%シナリオの人数の多さは、仙台と比べても目立ちます。
考えられる可能性は、
①この割合そのものが人気投票として政府の参考資料になるため、20-25%が国民の意見だと考えられるように組織を挙げてこれに丸をして意見表明申込みをした。
②業界の意見を国民の意見として表明するため、意見表明者に選ばれる確率を上げるため、組織や業界を挙げて意見表明者に手を挙げた。

=>しかし、抽選で意見表明者に選ばれなかったので、そもそも聴取会自体に興味があったわけでもなく、ダミーで手を挙げていたので、当日参加しなかった

それでも、0%シナリオが161人中106人と圧倒している点は要注目です。
今日の東京新聞の分析では、当選確率が問題にされています。
・0%の35人に1人が当選
・15%の6人に1人が当選

*私はこの希望人数を勘案した場合の意見表明人数配分は0%6名、15%1名、20-%2名と「その2」に書いていますが、そもそも「意見聴取会」なので会場をフルオープンにすべきというのが基本的な考えです。86人なら、一人2分話しても170分、超過が出ても200分程度。

2.名古屋の「20-25%さん」は誰だったのか?
既に報道されていますが、中部電力の課長さんで、「原発事故で誰も死んでない」・・・発言の詳細は以下の記事をまず。

朝日:エネ意見聴取会、名古屋でも中部電社員発言 会場でヤジ
http://www.asahi.com/national/intro/NGY201207160009.html?ref=twitter
日経:名古屋でも中部電課長が発言 エネ政策の意見聴取
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF16008_W2A710C1NN1000/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter
毎日:エネ政策聴取会:中部電課長も発言 原発推進、会場騒然
http://mainichi.jp/select/news/20120717k0000m020065000c.html
東京:また電力社員が発言 名古屋聴取会
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012071702000092.html

【記事の問題】
紙媒体ではもう少し情報があるかもしれませんが、電子版だけで判断すると、
*なぜ電力会社社員が抽選なのに選ばれるのかのカラクリ論じず。
(毎日は、「無作為抽選」博報堂が強調」と書いているのみで、「」を付けているものの「公平」と逆に宣伝してあげているような扱いになっている)
*利害関係者の電力会社社員が出てくることの問題も触れず、会場が騒然としたことだけが書かれ、新聞社・記者のこの問題への意見が見えない。
*逆に会場が騒然としたのが問題に見える。会場の人が大人しい場合は、問題ではないということになりかねない。

3.電力会社の人たちは何故出てくるのか?こんなことを言うのか?
ズバリ、驕りと危機感を持っているからです。
これまで地域での電力事業を独占し、何の不自由もなく儲けてきた全国の電力企業にとって、

【原発は】
①美味しい事業です。施設コストが高いほど経費に換算され、それにあわせて利益率が決められ、企業としては儲かります。
【脱原発は】
②以上の「儲かるネタ」を一気に不良債権化させます。廃炉にお金もかかります。処理方法が決まっておらず、積上がって危険な使用済み核燃料の処理という問題にも直面せざるを得ません。
③地域独占の大企業だからこそ扱える原発がないと、電力の安定供給をスローガンにできず、電力自由化が一気に進みます。実際、現在発電事業の自由化の議論の最終局面にあり、彼らの収益で重要な役割を果たしてきた家庭・小口電力の自由化が決定しそうな勢いです。
【再生エネルギーが憎いのは】
④以上の③を回避するためにも、「再生エネルギーは高く、原発は安い・安定的」と主張する必要があります。

■結論
要は、すべて「自分のため!」、つまり「自由化」「再生エネルギー」を阻止し、会社の「独占」「利益」を確保し、「不良債権化する原発」を「使い続けることで自分たちの儲けにつなげる」ため必死なのです。

■ここから抜け落ちている視点&「企業文化」の根強さ
東北、中部電力だけでないでしょう。東電の対応をみても、彼らの意識に根本的に抜け落ちている点、それは・・・

①お客様意識の欠如
②危険なものを取り扱っている責任の欠如
③税金投入して国民の負担で救済した電力業界の一員であるという意識の欠落


地域独占企業として「親方日の丸」でやってきたせいでしょう。「お客様」は嫌でも彼らの電力を買わされ続けてきて、文句がいえなかった。そして、各地域で巨大な安定収入を得られる企業として、経済界のトップの役割を任されてきた。つまり、企業文化として、「俺らはエライんだ」という意識が凄くあるのだと思います。

つまり、
④「俺様意識」が凄い。

昨日の中部電力の課長の発言は、「個人のもの」とされていますが、この業界の人びとにみられる顕著な共通点が多々見受けられました。
a.事故で誰も死んでない
b.放射能は安全
c.一番の被害は警戒区域の指定で帰還できないこと
d.高い電気料金に国民は耐えられるわけがない
e.中東の原油に依存するも、中東は情勢不安定
f. 原発は安い
g. 再生エネルギー憎し

しかし、彼らが本当に「お客様第一」であれば、こんなことは言えなかったはずです。
a.b.c.は本当に責任感も危機感もない恐ろしい発言で、既に報道されているので指摘するまでもないですが、私が問題だと思ったのは、d.e.f.g.なのです。

d.について、日本が世界平均の2倍もの価格の電気料金を払ってきたのは誰のせいでしょうか?
それは、地域独占に胡坐をかいて、価格を下げる努力をしてこなかった電力会社の責任です。電気料金には次のものが含まれてきました。

・彼らの福利厚生費
・原子力推進の世論操作のための費用
・議員や政党への寄付
・先ほど指摘した原発のような高額の施設を持っていれば儲けが膨らむ仕組み
・価格交渉なしに高止まりさせた原油やガスなどの燃料
原発を持たない沖縄電力ですら、毎年30億円の原発維持費を負担させられてきたのです。これらはすべて利用者(小口の家庭・中小企業)の電気料金に加算されてきたのです。

e.についても同様です。
「危機管理」がいわれて何十年。湾岸戦争から20年。いまどき中東だけから原油を買う国などほとんどありません。「電力の安定供給のため」と称して地域独占を許されてきた「危機管理」をすべき主体である電力会社の社員が、「中東危機」を連呼しながら、対策を打たないことの方が大問題なのです。

が、彼だけでなく、業界全体が、そのことにどうやら気づいていないようなので、罪が深いのです。

なお、そもそも電力に使用される原油割合は少なく、現在多くの燃料は天然ガスに切り替わっており、供給源は多様ですが、何故か電力会社の関係者はそれをいわず、「中東の石油」の話をします。気づいていないのではなく、「世論操作」のため、分かりやすい例として事実に基づかないプロパガンダを繰り返している可能性が高いです。

だとすれば、罪はより深いです。

f. は、e.とも関係してきますが、「安くない」ということが環境・エネルギー会議の結論でもありました。福島原発事故後をみても、国民の税金を1兆円以上も投入し、事故原子炉の廃炉もままならない状態で、依然「原発が安い」と連呼する電力会社の意識・・・恐ろしいです。やはり、税金を投入するのではなく、会社として破綻整理をしてしまった方が良かったのです。税金などで支えるから責任が出てこない

電力会社にとって原発は安く、納税者・消費者にとって原発は高くつく」ことを、知ってて無視。これは、納税者や消費者がこの点について十分怒っていないからです。

g. e.をいうのであればこそ、資源に乏しい日本において、しかし自然エネルギーの宝庫である日本で、再生エネルギーを率先して取り組むべきは、独占を許された電力会社のはず。その努力を怠って来て、本来開発・研究に日々真摯に取り組んでいなければならない再生エネルギーを、「悪いもの」として率先して宣伝することにこそ力を注ぐのは、本末転倒

以上から、地域独占を許されてきた電力会社は、3・11後の事故があって多くの人に犠牲を出しても、国民の税金によって支えられても、これほどまでに「変われない」だとしたら、むしろ自分の利益のために社会全体の弊害を生み出し続けているとすれば、スクラップ&ビルドの基本に乗っ取り、潰れてもらうしかないのだと思います。

電力の自由化を推進して、消費者が選ぶ権利を獲得しましょう。
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by africa_class | 2012-07-17 10:02 | 【311】原発事故と問題

大問題!!!何とかしよう!→「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」(その3)

続報です。東京新聞のおかげで昨日の仙台での参加人数割合が分かりました。さらに、今日の名古屋での参加人数割合が分かりました。聴いてくれた方ありがとうございます。末尾にその計算も追加。

なお、この問題については、下記その1とその2もあわせてお読みください。
その1 http://afriqclass.exblog.jp/15768526/
その2 http://afriqclass.exblog.jp/15770715/

東京新聞7月16日朝刊
「聴取会には百七十五人の参加応募、抽選で百三十人。意見表明希望が九十三人で0%案が六十六人、15%案が十四人、20~25%案が十三人。15%と20~25%案は東北電力関係者二人のほか、東京都会社員二人、神奈川県会社員一人といびつな発言構成」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/nation …

(その1)で会場に来た人と選択した数値を見せれば分かることも出てくると書きました。以上の数値からはっきりしたことがいくつかあります。以下、その点を取りだして論じます。

<<なお、いずれのメディアもまだ、各会場での0%、15%、20-25%の選択者が抽選で決められようとも、それぞれに各3名予め割り振られ、意見表明の圧倒的多数が、原発維持15%と推進20-25%の6名という圧倒的多数者になるように設定されているカラクリに気づいていません。これについて皆さんも是非認識を広め、アクションを>>

(8)「国民的議論」となってるか?「国民」を代表できてるか?
■「国民的議論」と呼べるための不可欠な人数・手法は?

・そもそも、全国で開催される会場のキャパをみてください。どうせ9名しかしゃべれないのに、100名~200名のキャパのところばかり。私の授業よりも小さい規模のところ。
・申し込んだのに断られた人数は何人で、それにあわせて会場を変更しようとしなかったのか?

【仙台の申込み人数と抽選から見えてきたこと】
<=なんと申込みは175人で130人しぼるために抽選をしています。たった45人の超過なら、
①椅子などの設定を変更する
②部屋を変更する
③会場を変更する
という手法がありますが、会場となった「TKPガーデンシティ仙台ホールAは、会場キャパは150名。ホールBとくっつければ、容易に300名になることが、施設のホームページから分かります。
http://gc-sendai.net/place_01.shtml
空きがなかったという言い訳があるとして、では何故そもそも最初からそんな狭い会場で、わざわざ大臣を読んで、「国民的な意見」を聴くための会が税金で開催されるのか?

■「意見聴取会」もう一つの重大なカラクリ
●「断る論理」を埋め込んだからです。来てほしくない人は、会場キャパをと「抽選」を理由に、排除できます。全員参加可能とすれば、それが出来ないのです。

(7)主催者があえて耳をふさいだ会場の人びとの本当の意見とは?
意見表明者の人数設定のカラクリは説明しました。それを乗り越える方法を以下考えてみます。
重要な作業:
*以上を実証する簡単な方法があります。会場に来た人の意
 見が知りたいのなら、
 ①各会場の参加申し込みの用紙の選択肢部分の割合
  を示せばいいのです。
 ②そして、申込者の選択したオプションの人数割合に沿
 って、入場者、意見表明者の割合を算出すべきです。

<=東京新聞報道で、「意見表明希望が九十三人で0%案が六十六人、15%案が十四人、20~25%案が十三人」ということが分かりました。

■参加者の民意と本来あるべき意見表明者の割合
もちろん、各種業界の参加申し込みが多数あったであろうことについては、その1で書きました。また、意見表明できるよう、0%の人があえて15%などを選んでいる事例もありました(さいたま)。それを念頭におきつつ、計算してみました。
①意見表明希望者93名中66名=70.9%が0%を選択
②意見表明希望者93名中14名=15%が15%を選択。
③意見表明希望者93名中13名=13%が20-25%を選択。

●つまり、9名だけが意見表明できる場であれば、7名が0%シナリオを選んだ人、1.5名が15%を選んだ人、1.3名が20-25%シナリオ選んだ人が発言すべきなのです。
●1.5人というわけにいかないので、0%7名、15%1名、20-25%1名になります。
●実際は、その数を無視して、3名、3名、3名に割り振られている。
●つまり、参加者の意見を無視した、大変な操作・作為であるということが明らかになりました。

■名古屋での本日(7月16日)の応募総数における選択割合
「応募総数352名、そのうち0%シナリオが106名、15%シナリオが18名、20-25%シナリオが37名」
<=これも業界票が多そうですが、一応計算。

①意見表明希望者161名?中106名0%シナリオ=65%
②意見表明希望者161名?中18名15%シナリオ=11%
③意見表明希望者161名?中37名20-25%シナリオ=22%

●人数で割り振るなら、6名、1名、2名で割り振られるべき。
なお、業界の人数を調べるため、全希望者は所属を事務局に伝えているので、報道関係者は、内何人が原発業界関係者かの割合を分析して示すよう求めるべき。

●そして、今すぐ、この意見聴取会を止めるか、やり方を変更するよう呼びかけましょう。
とるべきアクションは前日のブログに掲載しておきました。
その2 http://afriqclass.exblog.jp/15770715/

■学生の皆さん、その他の皆さん、リテラシー力をアップするため、下記の本を是非どうぞ。ゼミ生の夏休み中の宿題ですね。毎年これを読んでいます。
『「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ』 (文春新書) 谷岡 一郎 (著)

去年、原発事故から2か月後に書いたブログでも紹介
http://afriqclass.exblog.jp/12599632/
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by africa_class | 2012-07-16 12:12 | 【311】原発事故と問題