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カテゴリ:【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ( 99 )

プロサバンナ学術論文一覧(14本)。研究者と利権、「誰のために研究?」を原発事故後に考える

「プロサバンナ(日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム」については、過去の投稿を→http://afriqclass.exblog.jp/i38/

プロサバンナについて、今年に入ってからすごい量の学術文献が出版されていますので、以下一挙に掲載しておきます。普通、大学のせんせー自ら、先行研究整理(Literature Review)をブログに掲載したりしないと思いますが、論文を書いている研究者(卵)や学生だけでなく、実務者の皆さんにこそ、これらの文献を読んでほしいと思い、あえて書いてみました。

■国際協力の実務の方にこそ国際的な学術論文を
日々国際協力の実務の仕事をしていると、自分の目の前のプロジェクトやプログラムばかりが目に入ってしまい、「日本人村」や「政府関係者村」ばかりの付き合いだとどうしても、仲間同士の「自己正当化・自己弁護」の論理から逃れられないこtこと思います。今回、私はプロサバンナの事例を通して学んでいるのは、これが日本の一援助事業のマター(事象)を超えた問題を包含しているという点です。

ブラジルの「国際協力」の裏にアグリビジネスの利権があり、その背後には巨大なアメリカや多国籍企業のアグリビジネスがあり、その裏にはマネーがうごめいており、そこに米国政府が国内圧力団体と共に深くかかわり、さらにそこに国際/国連機関や多様なドナーが動いている・・・という実態です。

プロサバンナが、G8 New Alliance for Food Security and Nutritionの一事業にリストアップされていることにそれは象徴されています。同アライアンスはこのブログでのその問題について、モザンビークの市民社会や農民組織の批判を紹介してきました。
"Mozambican youth and students denounce G8's New Alliance"
http://www.grain.org/bulletin_board/entries/4689-mozambican-youth-and-students-denounce-g8-s-new-alliance

土地の収奪、タネの支配の論理が埋め込まれています。「食料安全保障と栄養」という名の下に、何故「土地取り引きの容易化」と「タネ」がはいってくるのでしょうか?そして、日本は、アメリカ政府とともに、モザンビークの担当国となっており、土地問題に手をつけることになっています。。。。
http://www.usaid.gov/unga/new-alliance
https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/208211/new-alliance-progress-report-coop-framework-mozambique.pdf

日本というちっぽけな島国の、善意をベースにした「農業開発支援」が、どのようなグローバルな網の目の中で機能し、利用しているつもりが大きな利権システムに呑み込まれ、現場の小さな努力すらもそのようなものを維持することに活用され続けてしまうのか・・・そのことが積もり積もって、支援したかったはずの最底辺の人びとのなけなしの権利すら奪ってしまうのか・・・・よく、よく、一緒に学んでほしいと切に願っています。

■グローバルなシステム:原発利権とアグリビジネスの類似性
「知らなかった・・・世界はこんなところだって」という声をよく耳にするようになりました。今まで私たちは牧歌的に生きてき過ぎました。原発事故が起こり、原発利権の闇の構造がはっきり見えたにもかかわらず、これほどまでの多くの人びとの犠牲と涙をもってしても、その利権を解体することが困難な現状に、私たちは直面しています。私はプロサバンナに関わるようになって、「アグリビジネス村の闇の世界」のカラクリがあるのだと認識するようになりました。

フードレジューム論については京都大学の久野秀二先生。
http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/~hisano/documents/agpolicy2010_2.pdf
農薬援助に関わってからいつかしっかりやりたいと思っていながら、怠けていたら、問題の方が向こうから跳びこんできた・・・それもある種の「出会い」なので、頑張ります。

原発事故後だからこそ、理解できること、譲れないことなのです。
皆さんは、平気なのでしょうか?「経済成長」「GDPアップ」という掛け声のために、生命や尊厳、日々の暮らしの場が奪われることは。それも仕方ない・・・ということなのでしょうか?この二つは二項対立的に論じられますが、私は実の所、このような対置(二者択一方式)こそが大問題なのだと最近切に思います。そうやって、民衆は騙されてきました。そのことに、民衆自身が自覚的でなければなりません。そのことはまたどこかで。

■最新かつ読まれるべきプロサバンナに関する論文とレポート
一番おススメは、出たばかりの最新の出版物で以下の2本です。詳細は末尾。
●Nogueira, Isabela & Ollinaho, Ossi (2013)
•Schlesinger, Sergio (2013)

■全先行研究の見取り図:特に多いブラジルの関与について
末尾に列挙したプロサバンナに関する入手できる限りの学術論文のほとんどすべてがProSAVANAの目的(隠されたも含め)と問題について、このブログで紹介してきた主張と同様のものとなっています。Fingermannの論文だけが例外です。これについては後述します。

特に、冒頭に紹介したイザベラの論文は、実証的な手法(3か国のプロサバンナ関係者40名にインタビュー、コミュニティレベルの民族誌的調査を行った)で、特にブラジルの関与や利権について調査した結果として、同様の結論に至っているので是非ご一読下さい。
The authors identify some sound ruptures between discourse and practice, and argue that Brazilian practices, instead of distinguishing themselves from traditional actors, are rather a precise manifestation of the recent development cooperation trend associated with the mainstream response to land grabbing claims.

■プロサバンナにおけるブラジル・アグリビジネスの野心と利権
最初にブラジルのビジネス上の野心の面からアプローチしたのが、Clements&Fernandes(2012)で、この労作の次に、Ferrando(2013)のネオリベラル経済批判をベースにした論文があり、そしてNogueiraらの実証研究がありますが、よりブラジルのビジネス利権がはっきり分かるレポートは、Schlesigner(2013)のレポートです。野心とは「土地」、そして最近は「農業生産システムの支配」です。

Schlesignerは、この直前にMato Grossoの大豆とサトウキビ生産の問題をレポートしたばかりで、その前はブラジルの国際協力の問題を暴いており、本当に多作です。いずれもProSAVANAに関わる論点について触れているので是非ご一読下さい。
・“Cooperação e Investimentos Internacionais do Brasil: a internacionalização do etanol e do biodiesel”。
・“Dois casos sérios em Mato Grosso. A soja em Lucas do Rio Verde e a cana-de-açúcar em Barra do Burges”。
これに加え、Future Agricultureコンソーシアムの研究者らが、2つのアプローチでブラジルの農業開発協力を分析しています。プロサバンナについての分析も掲載されています。あまり結論めいたところは書かれていないのですが、ブラジル関係者の野心と利権の存在については「クロ」判定です。Chivava et al.(2013)とCabral&Shankland(2013)です。

■ブラジルの野心・利権を目覚めさせ、モザンビークに連れてきた日本のプロサバンナ
以上のプロサバンナにおけるブラジル利権に関する論文6本の共通する結論が、これです。日本はどうしてこんなことを仕出かしたのか・・・これがどうも理解できないようです。(そりゃそうだ・・・・)

この点については、私の最初の論文(Funada-Classen 2013ab)が役に立っているようです。ただあれは、2009年の日本の文脈(食料安定供給への強い意欲)とRAI(責任ある国際農業投資)の議論が不十分だったので、近刊の日本語バージョンにはそれをしっかり入れています。

以上から分かることは、三角協力といえ、ブラジルの野心・利権への注目が皆さん強いということです。確かに、プロサバンナ開始後、モザンビークでは急速に彼らの流入が続いていますので、当然といえば当然ですが、「日本語が読めない」・・・ことも非日本語話者のプロサバンナに関する研究を難しくしています。他方、日本関係者はポルトガル語が読めないことが多いので、それはそれで大変なことかと・・・。「言語バリアー」こそ、プロサバンナの問題の根っこにあるとともに、研究の難しさを際立たせています。

■Fingermann(2013)に怒った世界・モザンビークの研究者・市民社会
これは既に以下の論文(Funada-Classen 2013df)に書いたので、詳しくはそれをご覧ください。以上の学術論文を読んでから、Fingermann(2013)を読めばよくわかるのですが、失礼ながらすごくレベルの低い論文です。たった2000字という制約があったとはいえ、あまりに学術論文と呼べる代物ではないものが、モザンビークの見識高い研究所のBulletinから出てしまったので、凄い騒ぎになりました。モザンビークで最も信頼され、尊敬される研究者(別の研究所のトップ)曰く、「これを論文と読んだらモザンビーク学術界が穢れる。彼女のような者をモザンビーク学術界に置くことは学問への冒涜だ」・・・というメールが回ってきました。さすがに厳しい・・・・。

■Natalia Fingermannとは誰なのか?
でもこれには訳があるのです。Fingermannは誰なのか?ということです。彼女は、ブラジル人で、ブラジル最大の投資コンサルティング会社の元投資アドバイザー、プロサバンナのマスタープラン向け報告書・・・あの悪名高い(アグリビジネス中心主義)Report No.2を策定した、ブラジルのFGV(Fundacao de Getulio Vargas)で学び、FGVの奨学金をもらっているのです。
http://br.linkedin.com/pub/natalia-fingermann/25/93b/436

プロサバンナが、市民社会の批判を受け、「小農支援」に方向転換していく過程で、当初プロサバンナの一部となっていた開発ファンドを、ブラジル・世界のアグリビジネス関係者や投資家らが切り離し、日本政府もそれが好都合なので、独立・民間イニシアティブとして「ナカラ回廊ファンド Nacala Fund」が出来たわけですが、それを一元的に担うのが、まさにこのFGVなのです。当初、プロサバンナの一部だったので、既に紹介したとおり、彼らのナカラファンドに関するプレゼンには、ばっちりJICAのロゴが出てきます。去年11月の時点では、JICAも参加可能性を口にしていたので、これは当然というもの。http://www.g15.org/Renewable_Energies/J2-06-11-2012%5CPRESENTATION_DAKAR-06-11-2012.pptx

つまり、Natalia Fingermannが何故このタイミングでこのようなレベルの、しかし、プロサバンナ万歳&プロサバンナ批判をする者は「無責任」で、批判のすべては「神話myth」だという論文を出したのか・・・の背景が分かるかと思います。

■モザンビーク政府と日本のプロサバンナ・アクターらに称賛されるFingermann論文
それを待っていたのが、以上のアクターたち。開発計画省のサイトには称賛の記事が!
http://www.mpd.gov.mz/index.php?option=com_content&view=article&id=211%3Aprosavana-nao-pretende-usurpar-terra-dos-agricultores-diz-iese&catid=50%3Anoticias&Itemid=96&lang=en

ある国家の省庁が、研究所の単なるBulletin記事をトップページで紹介する意図は何でしょうか?
そして、彼女はFGV経由でこの研究所(IESE)に送られた「研究者」です。FGVが、モザンビークの研究業界に入り込もうとしている理由はなんでしょうか?何故開発計画省は、この記事がFingermann一人に書かれたことを知っているにも拘らず、「the researchers」と複数形を使い、かつIESEのプロサバンナへの見解かのような見出し「IESEは述べた」を付けているのでしょうか?

でも驚愕の事実は、日本のプロサバンナ関係のアクターたちが、「この論文が最も中立的な論文で、読まれるべきもの」と回覧中ということです。・・・・皆さんの「中立」とは、どういう意味のものなのでしょうか?
以上から分かる通り、Fingermannは明らかに「利権関係者」です。
多分、日本では原発問題と同様で、
「政府の政策(大きいもの)に批判的な者=偏った者」で、
「政府(お上)の決めたことを同意する者=中立」あるいは、
「お上が決めたことに議論(疑問)はあるべきでなく、それを打ち消す者=中立」
という理解なのでしょうね。

その結果、2011年3月11日に何が起きたのか、を思い出してほしいです。
なお、私は「中立性neutrality」という言葉には与しません。
私が重要だと考えているのは、「公平性impartiality」です。
「永世中立国のスイス」が、ナチスドイツから逃れてきたユダヤ人たちにしたことを思い出しましょう。
権力との関係において、「真ん中を取る」ということは、人権侵害を許すことを意味することについて、人類史が教えてくれることは沢山あります。むしろ重要なのは、「公平に論じる」ということであり、そのためには権力関係の中で「声なき声」の存在(世界構造、社会構造の中ではそれが大半を占めることが多い)にこそ重きを置いて考えることだと、私は思います。

勿論、手法として、権力の側の言い分も紹介するというのは当然として。だから、私の論文では常に検討の対象として、権力の側の言い分・資料を中心に据えています。勿論、私の理解(interpretation)になりますが、同じ資料を使って皆さん自身が皆さんの検討を行って、別の結論を導き出して、論争をしていいのです。そのため、いつも資料の出所、在り処はURLまで示しています。

日本では、「何故か議論があること=問題」と捉えられるのですが、「議論がないこと=問題」ということに、いい加減気づいてほしいと思います。「権力批判なき学術」は、これほど学問のインフレーションが起きている現在において不要かもしれない・・・と最近思います。何故なら、権力のabuse(濫用)にお墨付きを与え、それを強化してしまうからです。

Fingermannの論文の中身、彼女の背後にあるもの、そしてそれを喜び歓迎する人達・・・そこからまた一つ私たちは学ぶことができました。誰の何のために、何の立場に立って研究を行うのか?論文を発表するのか?そのことこそ、私がFingermannだけでなく、これらの皆さんに考えてほしかったところです。

■私のFingermann論文の検証論文がFukushima, ProSAVANA and Ruth Firstな訳
以上、もうその訳はほとんど書きました。私は、ただFingermannを批判したかったのではなく、彼女の背後にいる人達、ブラジルの学術界、そのような論文を許してしまったモザンビークの学術界、それを自分たちのちっぽけな仕事の擁護のために称賛する人たち、世界の研究者らに、今一度考えてほしかったのです。
"Fukushima, ProSAVANA and Ruth First:Examining Natália Fingermann’s 'Myths behind ProSAVANA'", in 国際関係論叢, Vol. 2 No. 2(2013), pp.85-114.
<=近日中にダウンロードが可能になりますので、しばしお待ちを。

■モザンビーク研究者らはどこにいるのか?
Ruth Firstについて書かざるを得なかった理由は、論文を読めば分かると思います。私は、モザンビークの人びとに、「あなたたちの社会、あなたたちの未来、それについて議論しなくていいのか?」を問いたかったのです。以上の先行研究を書いたすべての人が一人を除いて非モザンビーク人です。このことが、プロサバンナが、外から上から降ってきたものであったということを象徴していますが、同時に、モザンビーク学術界の現状を物語っています。

でも、今回私の拙い論文を、お願いしてもいないのに凄い速さで必死に(3日で!)ポルトガル語に下訳したり、校正を手伝ってくれたのはモザンビークの研究者や市民社会の方々でした。そして、何より、Fingermannの論文を掲載してしまったIESE(モザンビークの研究所)が、前例を破って、3号に分けて私の論文を掲載したことからも、彼らの想いは伝わってきます。が、いつの間にか、これらの論文が、モザンビークの独立新聞(オピニオン欄に丸まる)載っていたらしい・・・。まあ、「世に出たら皆のもの」、ではありますが。

■学術論文の役割について
私は学術論文を社会活動と結びつけて考えてこなかったし、両者の間には明確に壁を作って仕事をしてきた人間です。ブログを読んできた人は分かるかも?あるいは、最近なら分からないかも?ですが。私は、戦争を平和のために学ぶ者として、そのことをかなり強く自分の指針にしてきました。
でも、原発事故が起こってそのことを後悔したのです。
何のために分けてきたのか・・・ある種自分の学術的な世界での立ち位置を気にしていたからではなかったか?過去に起きたことを実証してれば安全だったからじゃないか?何故起こりうることを予防する意識がこれほどまでに薄かったのか?社会が研究者に求めていることは、「後追い」の「先行研究批判」に始終する姿勢でよかったのか?あるいは業界や政府のために「お墨付き」を与える??

私は日々進化することにしました。(退化かもしれないけど!)
最初の論文を書いて、それを英語とポルトガル語で出して、一歩を踏み出した時、新たな出会いと新たな挑戦、そして次にやるべきことが見えてきたのです。そのことの大きさに、クラクラしましたが、私の研究成果を待っている人達がいる・・・未だ見知らぬところにいる同じ志の人達と出会えるかもしれない・・・そういう可能性に、正直なところ少し失い始めていた研究への情熱が戻ってきました。

700頁を超える博論を10年かけて書いて、英語で出版した頃から、やるべきことをやり遂げた感があって、どうしても研究に情熱が湧いてこなかったのです。ある種の傲慢さですね。でもそれぐらい打ち込んだので、仕方がなかったのかも。burn-outというか・・・。後は、戦争と平和というテーマの研究蓄積が凄すぎて、一方で何かdetailの罠の袋小路に入っているような気がしてきたからです。特に、「平和構築論」という分野は、技術論的な議論が増えてきていて、人びとの生命や社会の変化のもっと根源のような部分の議論から切り離されてきている気がして違和感を持つようになりました。このことを学問的に挑戦するだけの気力も能力もない自分に嫌気がさしていたところに、原発事故が起こり、広島原爆投下の日に生まれた自分が何故「戦争と平和」に関わる決意をしたのか、なのに「核の問題」を十分生活レベルに広げて考えてこなかったことに、凄く疑問を持つようになったのです。

プロサバンナの問題にここまでコミットすることになったのも、単にモザンビーク北部という私の関わってきた地域のことだからだけでなく、以上のような「人びとの生命と暮らしの権利と権力構造・暴力」の問題をどう考えるべきか・・・検討していた最中だったから。でも、これも生まれたばかりの我が子や家族が博士論文に協力してくれて、真理の追究へのあくなき・妥協なき闘いをやり遂げられたから(ある時点までは)に変わりありません。運動目的の学術を最初からしていたのではできなかったことでした。

■私の本は自由にダウンロード可能
そして今回、同じタイミングで、私の本を世界のどこからでもタダでダウンロードできるようにしてくれたケープタウンの出版社の存在がありました。この本が知っている人、買える人だけの本なのを惜しみ、「アフリカ社会、未来のために残したい本。誰でも必要な人の手に届く」を合言葉に、以下を準備してくれました。

Funada Clasen, Sayaka (2013) The Origins of War in Mozambique: A History of Unity and Division" (The African Minds)
http://www.africanminds.co.za/?products=the-origins-of-war-in-mozambique-a-history-of-unity-and-division
アマゾンで35ドルで買えるようにもしてくれました。(元は1万6千円)
http://www.amazon.com/Origins-Mozambique-History-Unity-Division/dp/1920489975

研究成果を広く、広く社会に還元する方法としての、フリーダウンロードの重要性に、プロサバンナに関わり出した同じ時期に強く認識したのです。自分の研究業績を減らしてでも(フリーにすると出版してくれない)。
長くなりましたが、以下一覧です。

【プロサバンナ関連学術文献一覧】
•Cabral, Lidia & Shankland, Alex (2013) “Narratives of Brazil-Africa Cooperation for Agricultural Development: New Paradigms?”. http://www.future-agricultures.org/research/cbaa/7817-china-and-brazil-in-africa-new-papers#.UdRC_TupVSQ
•Chichava, Sergio, et al.(2013) “Chinese and Brazilian Cooperation with African Agriculture: The Case of Mozambique”, Working Paper 49. http://www.future-agricultures.org/research/cbaa/7817-china-and-brazil-in-africa-new-papers#.UdRC_TupVSQ
•Clements, Elizabeth Alice & Fernandes, Bernardo Mançano (2012) “Land-grabbing, agribusiness and the peasantry in Brazil and Mozambique”, paper submitted to the International Conference on Global Land Grabbing II, Oct. 17-19, 2012.
http://www.cornell-landproject.org/download/landgrab2012papers/Clements_Fernandes.pdf
•――――――― (2013) “Estrangeirização da terra, agronegócio e campesinato no Brasil e em Moçambique”, OBSERVADOR RURAL Nº 6. http://www.omrmz.org/index.php/gallery/publicacoes/114-estrangeirizacao-da-terra-agronegocio-e-campesinato-no-brasil-e-em-mocambique
•Ferrando, Tomaso (2013) “Dr Brasilia and Mr Nacala: the apparent duality behind the Brazilian state-capital nexus”, Social Science Research Network. http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2288940
•Fingermann, Natalia N. (2013), “Os mitos por trás do ProSAVANA”, IDeIAS Boletim, No.49, IESE. http://www.iese.ac.mz/lib/publication/outras/ideias/ideias_49.pdf
•Funada-Classen, Sayaka (2013a) “Analysis of the discourse and background of the ProSAVANA programme in Mozambique – focusing on Japan’s role”. http://farmlandgrab.org/post/view/21574
•――――――――― (2013b) “Análise do Discurso e dos Antecedentes do Programa ProSAVANA em Moçambique – enfoque no papel do Japão” http://farmlandgrab.org/post/view/21802
•――――――――― (2013c) "Fukushima, ProSAVANA and Ruth First:Examining Natália Fingermann’s 'Myths behind ProSAVANA'", in 国際関係論叢, Vol. 2 No. 2(2013), pp.85-114.
http://farmlandgrab.org/post/view/22335
•――――――――― (2013d) “Fukushima, ProSAVANA e Ruth First:Análise de "Mitos por trás do ProSAVANA" de Natália Fingermann”, IDeIAS Boletim, No. 51 – No.53, IESE.
http://www.iese.ac.mz/lib/publication/outras/ideias/ideias_51.pdf
http://www.iese.ac.mz/lib/publication/outras/ideias/ideias_52.pdf
http://www.iese.ac.mz/lib/publication/outras/ideias/ideias_53.pdf
or integrated version at the following site: http://farmlandgrab.org/uploads/attachment/Fukushima,%20ProSAVANA%20and%20Ruth%20First%20(pt)%20-%20final.pdf
•―――――――――/舩田クラーセンさやか(2013e)「変貌する世界における経済成長至上主義の席巻と内発的発展―モザンビーク・プロサバンナ事業にみられる開発・援助言説の検証―」大林稔・西川潤・阪本公美子(編)『アフリカの内発的発展』昭和堂 近刊.
•Jaiantilal, Dipac (2013) “Agro-Negócio em Nampula:casos e expectativas do ProSAVANA”, OBSERVADOR RURAL Nº 7.
•Nogueira, Isabela & Ollinaho, Ossi (2013) “From Rhetoric to Practice in South-South Development Cooperation: A case study of Brazilian interventions in the Nacala corridor development program”, Working Paper, Institute of Socioeconomics, University of Geneva. http://www.unige.ch/ses/socioeco/institut/postdoc/Nogueira/NOGUEIRA_OLLINAHO_WorkingPaper_NACALA_CORRIDOR.pdf
•Schlesinger, Sergio (2013) “Cooperação e investimento do Brasil na África - O caso do ProSavana em Moçambique”, FASE, 60p. http://issuu.com/ongfase/docs/caderno_prosavana_fase?e=2143384/4368368
(英語版 ”Brazilian Cooperation and Investment in Africa – The Case of ProSAVANA in Mozambique”)
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by africa_class | 2013-09-03 02:27 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

北部3州農民集会声明:問題事業にProSAVANA、G8 New Alliance(日米政府)、Anadarko(三井物産)

さきほどモザンビークのニアサ州に集結しているUNAC関係者から届いたメッセージです。

8月28日から29日までニアサ州リシンガ市で開催される「第一回北部小農統合集会」「第一回土地・種に関する北部地域会議」のため、北部3州(ニアサ、ナンプーラ、カーボデルガード州)40郡から100名近くの農民組織・共同組合関係者らが集まっています。

国の農業政策やプロサバンナや「G8ニューアライアンス」、企業が、ビジネスを利するばかりで、農民の権利(特に土地や種)を守っていない点について、鋭く批判しており、そのような事業名・企業名として以下が挙げられています。

・援助事業(ProSavana, Nova Aliança para a Segurança Alimentar e Nutricional)
・植林・アグリビジネス(Chikweti)
・鉱物資源開発 (Vale, Rio Tinto, Jindal África)
*新日鉄も同じ地域で炭鉱開発開始。
・天然ガス開発 (Anadarko, Statoil, ENI)
*昨日話題にしたAnadarko社と三井物産が組んで天然ガス開発を行っている。
http://www.jftc.or.jp/shoshaeye/pdf/201305/201305_30.pdf

UNACが提唱する「家族農業支援のための国家計画」についても具体的に話し合われるようです。

なお、この会議には、ニアサ州知事が、3州の農業省関係者と共に出席予定で、プロサバンナも議題にあがっています。「UNAC=1団体/反政府組織/地域農民を代表していない」と言い続ける日本の援助関係者の皆さんに、この会議に参加してもらえれば良いのですが・・・。

どなたか訳を手伝える方がいたら是非!

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UNACによるプレスリリース
「小規模農業と土地を守るための闘いのため、モザンビークの北部地域の農民らが集結」
Camponeses da Região Norte de Moçambique Unidos na Luta pela Defesa da Terra e da Agricultura Camponesa
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Cerca de 100 representantes e lideranças, entre homens, mulheres e jovens, de associações, cooperativas, uniões distritais / provinciais e comunidades de camponeses e camponesas de mais de 40 distritos de Cabo Delgado, Nampula e Niassa articulados na e pela União Nacional de Camponeses de Moçambique participam do I Encontro Unitário de Camponeses da Região Norte e da I Conferência Regional Norte sobre Terra e Sementes agendadas para os próximos dias 28 e 29 de Agosto de 2013 respectivamente, na cidade de Lichinga, província de Niassa.

Com o objectivo de contribuir para o aprofundamento e ampliação do processo de formação e organização política dos camponeses, fortalecimento do debate público e democrático sobre os desafios estruturais do desempenho do sector agrário, a urgente necessidade de uma reforma agrária baseada na facilitação e dinamização dos meios de produção e produtividade no País e de travar-se, com urgência, o fenómeno de usurpação de terras, os dois encontros de Lichinga, Encontro Unitário de Camponeses da Região Norte e Conferência Regional Norte sobre Terra e Sementes fazem parte de um processo mais amplo de fortalecimento do movimento camponês, mobilização, participação e construção colectiva de demandas de camponeses e camponesas de Moçambique a serem incorporadas no Plano Nacional de Apoio a Agricultura Camponesa.

O Plano Nacional de Apoio a Agricultura Camponesa é uma proposta de política agrária de camponeses e camponesas membros da UNAC e articulados pela UNAC, a ser submetido ao Governo de Moçambique. Este Plano visa responder as demandas das famílias camponesas relativas a produção de sementes nativas e resistentes às mudanças climáticas; serviços públicos de extensão agrária baseada na valorização do saber, cultura e experiência dos camponeses e camponesas; aproveitamento do potencial de irrigação; construção e reabilitação de infra - estruturas ligadas a criação de capacidade produtiva, definição e adoção de modelos eficazes de facilitação de crédito agrícola, garantindo deste modo, a soberania alimentar e alimentação adequada para os moçambicanos e moçambicanas.

Segundo a liderança da UNAC “ a luta camponesa em defesa da Terra e Agricultura Camponesa que garanta a soberania alimentar e alimentação adequada, travada pela UNAC nos últimos 25 anos, nunca foi tão actual e imprescindível quanto arriscada para milhões e milhões de moçambicanos. O efeito perverso da onda de Investimento Directo Estrangeiro (IDE) em moldes dos chamados megaprojectos, a mercantilização da terra, a grande corrida das corporações e programas (ProSavana, Nova Aliança para a Segurança Alimentar e Nutricional) de agronegócio (Chikweti), mineração (Vale, Rio Tinto, Jindal África) e hidrocarbonetos (Anadarko, Statoil, ENI) pela ocupação, expansão e concentração de terras e as tendências crescentes e perigosas que defendem a mudança do quadro legal de terra, incluindo a revisão constitucional para permitir a criação de um mercado geral de arrendamento, venda e privatização da terra, representam uma emergência nacional”.

A Conferência Regional Norte sobre Terra e Sementes é a primeira de um total de três Conferências Regionais, Norte, Centro e Sul sobre Terra e Sementes construídas e organizadas pela UNAC num processo preparatório e organizativo mais amplo de militância e mobilização de camponeses e camponesas para construção, produção e realização da II Conferência Internacional Camponesa sobre Terra, marcada para os próximos dias 15 e 16 de Outubro de 2013, na cidade de Maputo.

As Conferências Regionais Norte, Centro e Sul sobre Terra e Sementes são antecedidas por processos de Formação Política, Técnicas Agroecológicas e Conservação de Sementes Nativas além de Encontros Unitários Regionais de Camponeses e Camponesas. Depois dos encontros de Lichinga, está agendada para os dias 12 e 13 de Setembro de 2013, no Distrito de Marracuene, a Conferência Regional Sul sobre Terra e Sementes. Nos dias 18 e 19 de Setembro está marcada a Conferência Regional Centro sobre Terra e Sementes na Cidade de Tete. Nos três eventos regionais estão mobilizados e engajados camponeses e camponesas, líderes e membros do movimento (homens, mulheres e jovens), representando as 11 Províncias do País e mais 100 distritos.

A Conferência Regional Norte sobre Terras e Sementes constitui um espaço de articulação das Uniões e Núcleo Províncias de Camponeses de Niassa, Cabo Delgado e Nampula articuladas na e pela União Nacional de Camponeses (UNAC) durante a qual haverá uma interação com os Governos de todas as províncias do Pais e todos os actores envolvidos no processo de ocupação de terras em Moçambique. Prevê-se que a mesma seja aberta pelo Governador de Niassa, David Marizane, contando ainda com a presença dos Directores Provinciais de Agricultura de Niassa, Nampula e Cabo Delgado que farão apresentações sobre as “Prioridades e Desafios da Agricultura Familiar” em cada uma das Províncias, além das apresentações dos coordenadores do Programa ProSavana em Niassa e Nampula sobre este polémico e controverso programa e as responsabilidades dos governos provinciais

As Conferências Regionais Norte, Centro e Sul sobre Terra e Semente são divididas em dois momentos distintos: o primeiro dos quais exclusivamente reservado a participação de camponeses e camponesas das províncias de cada região e o segundo é aberto a diversas entidades públicas, privadas, governamentais e não-governamentais e movimentos sociais. As mesmas reflectem o conjunto de demandas, realidades, contextos e aspectos específicos das três regiões do Pais sobretudo tomando em consideração as associações, cooperativas, famílias e comunidades camponesas que enfrentam o avanço das grandes corporações sobre as suas terras e territórios de modo a construir uma abordagem cada vez mais integrada possível, para resistir e defender com eficiência os direitos e as prioridades de desenvolvimento soberano e sustentado das famílias e das comunidades camponesas.

Desde ontem, 26 de Agosto de 2013, cerca de 60 camponeses e camponesas de 13 distritos, entre homens, mulheres, lideranças e agentes de advocacia de Mecanhelas, Cuamba, Metarica, Maua, Nipepe, Marupa, Mecula, Majune, Sanga, Mandimba, Ngauma, Chimbonila e Lago participam do curso de formação em advocacia e políticas, que termina hoje dia 27 de Agosto.

UNAC
Camponeses Unidos Sempre Venceremos!
Lichinga, 27 de Agosto de 2013
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by africa_class | 2013-08-28 22:19 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【抗議】三井物産による天然ガス開発地でのモザンビーク調査・アドボカシー機関への地元警察・行政の弾圧

前回、「モザンビークでみてきたナカラ回廊社会の現実(ランドグラブ)とプロサバンナ」を書いてから、より病状が悪化して続きが書けないままに、さらに深刻な情報が現地から寄せられてきました。

■「モザンビークでみてきたナカラ回廊社会の現実とプロサバンナ」
http://afriqclass.exblog.jp/18404833/

そこでは、このように書きました。
「モザンビークが、アフリカで最も諜報活動に積極的なことをJICAはどう考えているのだろうか。「知らなかったです」で通すつもりなのだろうか。。。同じ要領で、日本の援助が現地の心ある市民社会の皆さんを危険に晒す。自分たちが封じ込めたい「口」を現地政府にやらせればやらすほど、モザンビークの市民社会に圧力と恐怖を持ち込む。すでにこんなことがずっと起こっている。そして、事態は悪化している。今回、目の前で、モザンビーク市民社会関係者が脅される様子を何度も見た。」

現政権によってなされている脅迫について、関係者が具体的に事例や懸念を公的に表明することは、それ自体が危険なことなのでなかなか証拠を示すことが難しいのですが、さる8月20日に、三井物産が進出しアメリカの企業と共に開発を進める天然ガス事業について、以下の声明が出されました。

なお、モザンビーク北部での大規模天然ガス開発については、「Anadarkoの事業」としてモザンビークでは認識されていますが、実際は、三井物産の担当者が書いている通り、以下のように権益が分割されており、三井物産はAnadarkoに次いで第二位の権益獲得会社です。

「三井物産 モザンビークLNGプロジェクト― 世界のエネルギー安定供給とモザンビークの社会経済発展への貢献に向けた挑戦」(『貿易月報』)
http://www.jftc.or.jp/shoshaeye/pdf/201305/201305_30.pdf
「現在の権益参画各社は、Anadarko 社(36.5%)、当社 [Mitsui E&P Mozambique AREA1 Limited](20%)、モザンビーク国営石油公社 ENH 社(15%)、インド国営 Bharat 社(10%)、インド財閥系 Videocon 社(10%)、タイ PTTE&P 社(8.5%)の 6 社

そして、ANADARKOの関係者が、地元紙へのインタビューで、「天然ガスの大半は日本と極東向け」と答えています。
http://www.clubofmozambique.com/solutions1/sectionnews.php?secao=mining&id=29814&tipo=one

勿論、この国の政権の腐敗や、悪化する「資源の呪い現象」や、社会への悪影響などは一言も書かれていません。

前回ブログで「諜報機関」について書きましたが、皆さんは「大げさな」と思っていたかもしれません。すでに、以下のプレスリリースにも書かれているようにその動きが明るみに出ているので、「アフリカの国だから」・・・などと国家権力について牧歌的な見方をするのはまず止めていただければと思います。そのような国で、他人の携帯番号を政府関係者に伝えることの問題は理解いただけるかと思います。

Serviços de Inteligência e Segurança do Estado (SISE)
公安のような組織です。

今のモザンビークの政権が、いかにビジネスのために住民を犠牲にしても平気なのか、それに異議を唱える人びとへの抑圧や弾圧に躊躇がないのか、その実態を調べようとする調査機関ですら抑圧し始めた事態について、それでも資源ほしさに、援助産業の生き残りのために、モザンビーク政府に何もアクションを取らないどころか、加担するような行為ばかりを繰り返すことについて、責任を感じてほしいと思います。

それにしても、モザンビークが国として貧困削減に頑張っていた70年代や80年代ではなく、よりによって国の財産を切り売りし、異議申し立てを弾圧し、選挙不正を厭わない現政権の二期目になってから、いきなりモザンビークについて知りもしないままに、大規模援助や投資に踊る日本の援助・外交・企業関係者は、一体どういう感覚をされているのでしょうか?

「腐敗政権であろうと、抑圧的であろうと、自分の利益さえ確保すればそれでいい」。。。。のこの姿勢は、日本が最も批判してきた中国と変わりないものであるということを自覚の上でなのでしょうか?(とはいえ、中国のやり方は日本の80年代の援助や投資の焼き直し・・・と国際的には思われているので、「先祖がえり」と呼んだ方が良いでしょうが、あまりに情けないです)

なお、一部には私が厳しすぎると思っている読者もいらっしゃるようですが、大好きなモザンビークのことをこのように書かざるを得ない事態に突入したこと、それが目の前で刻一刻と悪化していること、それになんと自分の国である日本が「援助や協力、Win-Win」という言葉の下に加担していること・・・・これが、原因です。ブログを遡っていただければ、私が日本の援助や企業の役割にもある程度期待を持っていたことが分かるかと思います。現在進行形の急激な世界、アフリカ、モザンビーク、中国やブラジル、日本の変化の中で、私のブログも変わらざるをえなかった・・・と理解いただければ嬉しいです。

以下、土地・環境問題に取り組むモザンビークの調査研究・アドボカシー機関「Centro Terra Viva」からのプレスリリース(2013年8月20日付)です。
http://www.ctv.org.mz/

これまでモザンビーク社会が経験してこなかったような事態が起こっていることがわかります。
日本も無関係ではありません。
日本の三井物産が、このANADARKOと組んで、この天然ガス開発を行っています。
「資源(森林資源や土地を含む)の呪い」が社会のあらゆるレベルで、現政権による抑圧につながっています。

プレスリリースタイトル:
「パルマにおけるANADARKOとEMIによる天然ガス開発プロジェクトの導入プロセスにおいて刻み込まれた違法、強制、脅迫」

概要は、北部カーボデルガード州のパルマで、土地と環境の調査アドボカシーをしていた「Centro Terra Viva」のリサーチャーが、今年8月20日に地元警察・郡長・諜報部に拘束され、尋問を受けたことへの抗議プレスリリースです。

モザンビークは調査許可書が不要な国で、現地の調査機関、NGOであれば、自分の身分を証明するNGO自身のクレデンシャルがあれば自由に調査が 出来ます。礼儀として、行政機関や伝統権威や書記長などに挨拶に行きますが、モザンビークの地元組織と一緒の場合それは必要不可欠要因ではありません(外国人は目立つので、調査に行く際はこれをおススメしますが。)

本リリースによると、コ ミュニティとの合意のもと調査を行っていたこと(合意書もとっていたこと)が示されています。

以上から、モザンビークでは今までなかった事態が、始まっていることがこのリリースでも示されています。つまり、コミュニティレベルで本当のことを明らかにしようという市民社会の試みが、政治弾圧や抑圧を受ける事態に陥っていることが示されていま す。

今回プレスリリースが出たので露呈しましたが、プロサバンナ地域やプロサバンナ関連の調査でも、同じことが起きつつあり、このような国で「環境社会配慮アセスメント」がどのように可能なのか (そもそも皆無なこと自体が問題ですが)、やる場合にどのように政府の介入を防ぎ、独立性を担保するか相当議論になってくるでしょう。

なお、新日鉄が進出しているテテ州モアティゼ郡でも同じ事態が発生しています。
現場の実態を明らかにされないよう、住民だけでなくリサーチャーも弾圧し始めた国への投資・援助について、今までの前提は通用しません。警察や行政、秘密警察を使って抑圧を行う現政権への加担を意味します。この点について、ドナーとしても黙ったまま、対応を怠ると、よりひどい事態が起こっていくことでしょう。

早急なる抗議を求めます。

========================

COMUNICADO DE IMPRENSA

ILEGALIDADE, COAÇÃO E INTIMIDAÇÃO MARCAM O PROCESSO DE IMPLANTAÇÃO DO PROJECTO DE EXPLORAÇÃO DO GÁS NATURAL PELA ANADARKO E ENI, EM PALMA

<=続きはMoreを参照。

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by africa_class | 2013-08-28 00:06 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

モザンビークでみてきたナカラ回廊社会の現実(ランドグラブ)とプロサバンナ

モザンビークでの濃く多忙で心に残る1か月が終わり、蒸し暑い日本にいる。
やっとマラリアが治ったと思ったら、今度は風邪をひいて、真夏だというのに鼻をズルズルいわせて、時差ボケ故にこんな時間にこれを書いている。

この1か月間、書きたいことどころか、緊急に書かなければならないことが山のように溜まり続ける一方だった。モザンビークで目にしたもの、耳にしたもの、心で感じたもの、そのすべてが、私の予想を上回るほどの、醜さであったことに、打ちのめされている。

日本から会議と調査のために駆け付けた5人の仲間たちも、言葉を失い続け、そして最後には黙り込んでしまった。「今までしてきた議論はなんだったのか」と。

どこから手をつけたらいいのか…分からない。
もはやモザンビーク社会の「闇」としっかり手を組んでしまった日本の援助に、どのように接したらいいのか・・・5人が5人とも途方に暮れている。まさかここまでとは・・・と。

そして、腐敗と不正に沈みいく社会の唯一の希望である、「正義のために闘う人達」へのありとあらゆる圧力と弾圧。それを止めるどころか、煽る構造。


■5人の現地調査の報告書が後一歩まで来ました!
詳細は近々公開される以下をご覧ください。
『ProSAVANA市民社会報告2013-現地調査に基づく報告と提言』
(調査記録は当面非公開となります)

■報告書の内容と提言をコンパクトにまとめたプレゼンテーションと緊急声明を9月30日参議院議員会館にて発表します。申込みは〆切りましたがどうしてもという方は個別にご連絡下さい。

詳細:http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
・2013年9月30日(月)16:00~17:30
・議員会館内 緊急報告会
日本ODAによるモザンビークの大規模農業開発事業
「プロサバンナ」に関する現地調査報告・緊急声明の発表

■私の調査概要ドラフトは既にこのブログにアップしています。写真と共に以下をご覧ください。

・現地調査報告【概要ドラフト】:
http://afriqclass.exblog.jp/18496108/
・現地調査報告添付写真:
http://afriqclass.exblog.jp/18496389/
・関連学術文献一覧:
http://afriqclass.exblog.jp/18492008/

では、9月30日にお会いできるのを楽しみにしています。
また、現地のビデオなども近々公開していく予定です。
報告書はPDFでダウンロードができるようしますので、準備が出来るまでお待ちください。
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by africa_class | 2013-08-21 04:25 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【土地問題】立ち上がるモザンビーク市民社会と研究者ら:土地私有化反対キャンペーン

モザンビークに来て2週間半が経ちますが、農村にばかりいたのと、ネットの問題がありなかなか情報をアップデートできていませんが、こちらでは市民社会や研究者たちが熱烈に迎えてくれています。肌身で、皆が社会的正義に対して立ち上がりつつあるのが感じられます。

以下、先週開始したキャンペーンについて。
ツイッターのフォロアーさんが訳してくれました。宣言文については別のフォローアさんが。ありがとうございます!これから空港に走らねばならず、ではこれにて失礼。

今日からマプート。
明日はモザンビーク・日本・ブラジル市民社会会議で、8日はモザンビーク首相や大臣、日本とブラジルの大使を迎えて、市民社会がプロサバンナについて討議します。

政府の皆さんもプロサバンナについて弁明する良い機会だと思うので、是非大使やJICA所長が出てきてモザンビーク国民に語りかけてくれると良いのですが・・・。どうなることか。

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モザンビークの市民社会が土地の私有化に反対するキャンペーンを開始
( http://www.farmlandgrab.org/post/view/22375 を翻訳)

30以上の市民社会団体が力を合わせ、土地と天然資源を守ろうと立ち上がった。これらの団体の中には農民運動のグループも含まれ、土地の私有化に反対する全国的なキャンペーンを今年展開するが、プロサバンナ計画がその反対リストの筆頭に上がっている。

このキャンペーンについては、人権リーグ、フォーラム女性、全国農民連合(União Nacional de Camponeses, UNAC)、環境の正義、社会研究センターの5つの団体が、その他の諸団体を代表して、月曜の共同記者会見で公表した。

社会運動市民大学の事務所において十分な議論と考察を行なった結果、このキャンペーンを立ち上げる決定がなされた。

フォーラム女性のグラソン・サンボ氏は次のように言う。「十分な考察ののち、我々が結論に至ったのは、土地問題は社会を構成するどんな集団にとっても重要だということです。そしてプロサバンナ計画という億万長者のアグリビジネスのために行われる計画こそは、共同アジェンダで取り上げるべき問題だという共通認識に至りました」

UNAC は農民を代表する組織として、このキャンペーンに参加している。UNACは、モザンビーク共和国大統領アルマンド・ゲブーザ、ブラジル大統領ディルマ・ルセフ、日本国首相・安倍晋三に宛てて、プロサバンナ計画の実行について懸念する内容の質問状を二ヶ月前に出したが、今のところ、三者から返答はない。

UNACによれば、このキャンペーンは、市民社会が一致団結して、正義と土地の公平な使用を求めていることを、モザンビーク政府に対して訴えるものであるという。

農民たちの主な懸念はプロサバンナ計画に向けられている。農民の土地が取り上げられ移住させられることでモザンビークに土地を持たない家族や共同体が増えること、また、ナカラ回廊地域に更なる社会問題と社会環境紛争を生み出すこと、そして、農民たちの生計手段が壊され農村地帯の共同体の貧しさがさらに悪化すること、以上の理由によって、自分たちの生活は取り返しのつかない影響をこの計画から受けるに違いないと農民たちは考えている。
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by africa_class | 2013-08-06 17:28 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

モザンビークで今起こっていることとプロサバンナの関係(第5回意見交換会議案書から)

モザンビークからおはようございます。
第5回意見交換会(7月12日)のNGO側の資料こちらのブログには載せていなかったので、転載しておきます。事態はもっと悪化してしまいました・・・。

また、NGOと外務省、そしてJICAのプロサバンナ事業に関する意見交換会も5回を迎え、かなり情報がたまってきたので、以下に整理して掲載しています。(情報の新しい順に掲載しています)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-39.html

なお、本意見交換会の枠組みは、「外務省・NGO定期協議会」の中の「小委員会:ODA政策協議会(年3回開催)」のサブグループとして位置づけられ、継続的に議論されています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/kyougikai.html

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【第5回】ProSAVANA事業に関する意見交換会(2013年7月12日 関連資料)

■ NGO側事前提出資料
*以下の「問題の所在」と「質問事項(未掲載)」を提出しています。
事前に外務省から返答が届き、それを踏まえた意見交換というプロセスです。

「第5回ProSAVANA事業に関する意見交換会に向けたNGO側からの質問書」
(2013年7月2日)
【問題の所在】
地元住民組織・市民社会からの異議申し立て、マスタープラン報告書への批判・警告
昨年10月11日、モザンビーク全国農民連盟(UNAC)他が声明を発出したことがきっかけとなり、ProSAVANA事業に関わる論議は、日本・モザンビーク・ブラジルといった関係各国内にとどまらず広く世界的なものになっています。そして、ProSAVANA事業に関わる情報もさまざまな形で表出し、集積され分析されていることは、第4回意見交換会で紹介された国際的なNGOによる共同声明(2013年4月29日付「モザンビーク北部のProSAVANA事業マスタープラン(案)は最悪の計画を露呈した~市民社会組織は大規模土地収奪に道を開く秘密計画に警告を発する」)でも明らかです。

モザンビーク23組織による3か国首脳宛「公開書簡:緊急停止要請」
さらに、モザンビークの主要農民組織・宗教組織・市民社会23団体が、事業対象地で暮らす人々を代表するモザンビークの農民組織、市民組織への適切な情報提供がなく事業内容の大幅な変更にもつながりうる合意形成の場が提示されないことから、日本の安倍首相、ブラジルのルセフ大統領、モザンビークのゲブーザ大統領宛てた「プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡」を発したことは、すでに周知の通りです。このような広範にわたる多くの数の市民団体が政府事業に異議を唱えることは、モザンビークの歴史においても始めての出来事となりました。
なお、同公開書簡は、TICAD V開会式前夜に開かれた安倍首相・林横浜市長共催の歓迎レセプションの際、TICAD Vに参加するアフリカNGO/CSO代表団の一員として来日したUNACアウグスト・マフィゴ代表から安倍首相にも手渡されました。

この事実は、TICAD Vに関わる報道等を通じ、ProSAVANA事業の緊急停止を求める声が、モザンビークの農民組織・市民団体から発せられていること、また多くの国際NGO、個人がこの声を支持していることも含め、国内外に広く知られるようになっています。

ナカラ回廊プロジェクト外延部テテでの住民・企業・警察の衝突が、元反政府ゲリラの封鎖へ
他方、本年5月29日付朝日新聞等でも報道された通り 、ProSAVANA事業対象地と隣接し、日本が援助するナカラ回廊関連プロジェクトの外延部として位置づけられるテテ州において(次頁地図参照)、同地に進出するブラジル鉱物資源開発会社Vale社と地元住民の間で土地をめぐる紛争が続いています 。会社側に改善がみられないため、地元住民による道路封鎖と警察との衝突も発生し、現地では不穏な状態が生まれています 。ついに本年6月18日、かつて現政権と16年間の武力紛争を戦った元反政府ゲリラ・現最大野党RENAMOが背後にいると見られる政府軍武器庫襲撃事件が発生し、石炭輸送が一時停止するという事態が発生するとともに、翌19日にはRENAMOの幹部がテテ州の炭坑からベイラ港までの石炭輸送を許さないと表明したと、Reutersは報じています 。

「選挙の年」:高まる現政権への不満と「選挙対策事業」と解釈されるProSAVANA事業さらに、本年11月には全国で地方都市選挙、来年は大統領・議会選挙を控え、モザンビークの政情や平和の状態は不安定化しつつあります。ProSAVANA事業は、独立来政権を担ってきたFRELIMOへの支持が他地域に比べて弱く、最も有権者数が多い地域を対象として行われ、現地社会ではゲブーザ大統領とFRELIMOが選挙を有利に進めるための事業として認識されています。JICAが費用を出し同国政府によって行われている「事業対象全19郡でのProSAVANA事業の説明会」は、「選挙運動」との理解も出てきています(説明会への参加者へのモザンビーク市民社会組織インタビューより)。つまり、ProSAVANA事業は、「大統領・政権与党事業」との政治色が強いものとして認識され、現地社会に分断をもたらしてもいます。さらに、現地では、公開書簡に署名した現地市民社会の間を分断する様々な操作や工作がなされていると聞いております。

大統領のファミリー企業、ブラジル企業の利権との関連が指摘される
先述「共同声明」では、現職大統領(アルマンド・ゲブーザ)のファミリー企業が関わるAgroMozという企業が、昨年9月、ProSAVANA対象地(ザンベジア州グルエ郡)で1万ヘクタールにもおよぶ農地を入手し、ブラジル企業らと共に輸出用大豆の大規模生産に乗り出すとされています(Hanlon & Smart, 2012 ; 「共同声明」)。なお、現政権が「反汚職法」の具現化に積極的ではない点について、他ドナーや現地新聞でも批判されています(Savana, 2013年4月26日 )。

なお、先述AgroMoz社に絡む企業が、ProSAVANA-PD(マスタープラン策定)のブラジル側唯一のコンサルであるFGVとビジネス関係にあると同時に、かつFGVはこの地域への大規模な投資を呼び込むためのNacala Fundの設置・推進者です(「共同声明」)。このFGVの二重の「パラレルな役割」は、国際的な研究チーム(Future Agriculture)にも問題視されています(Cabral & Shankland, 2013:15 )。

モザンビーク社会の不安定化に関わるProSAVANA事業
つまり、ProSAVANA事業は、急速に変わりゆくモザンビーク社会に、新たな問題を持ち込む一方、既にあった問題をより深刻化させています。これらの点は、過去の意見交換会でも、繰り返し市民社会から問題提起されてきましたが、ついにその懸念が現実のものとなりつつあります。

これ以上の問題を回避するために
モザンビークの政治的社会的状況に関する十分な情報収集や分析が行われないままに、大規模な回廊開発プロジェクト、農業開発プロジェクト、二国間投資協定 などの案件が次々に実施されており、日本企業の進出も顕著ですが、問題が発生してから対応に追われるという事態が頻繁に繰り返されています。

【質問事項】
以上の問題の所在と状況に基づき、事前準備会合での話し合いを踏まえ、第5回意見交換会について、以下の質問への具体的な事前回答を求めます。(後日掲載)

【関連資料の注】
・モザンビーク23市民社会による3か国首脳宛公開書簡「ProSAVANA事業の緊急停止要請」(2013年5月28日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
・TICAD V前後のモザンビーク市民社会抗議に関する報道一覧
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
・朝日新聞記事(2013年5月29日)「(アフリカはいま)眠れる大地、「緑の実験」 モザンビーク穀倉化計画」
・Human Rights Watch (2013) “What is a House without Food?”Mozambique’s Coal Mining Boom and Resettlements” (http://www.hrw.org/node/115535)
・Reuters (2013年5月23日) “Miners Vale, Rio Tinto accused of neglecting displaced Mozambicans” http://www.reuters.com/article/2013/05/23/us-mozambique-mining-idUSBRE94M08D20130523
・Reuters (2013年6月19日)“Mozambique's Renamo threatens to paralyse vital coal railway”
http://www.reuters.com/article/2013/06/19/mozambique-renamo-idUSL5N0EV1SD20130619; (2013年6月20日)“Mozambique: Renamo Threatens to Block Road and Rail Traffic in the Center of Mozambique” http://allafrica.com/stories/201306201160.html
・日経新聞(2013年4月4日) 「モザンビーク炭鉱の採掘権取得 新日鉄住金・ポスコなど」(現在問題になっている同じテテ州モアティゼ郡内に進出)http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0407E_U3A400C1TJ1000/
・Hanlon & Smart (2012)“Soya boom in Gurue produced few bigger farmers”(2012年9月10日) http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/
・Savana(2013年4月26日)"Governo não cumpriu com a implementação do pacote Anti-Corrupção”
・Cabral & Shankland(2013) http://www.future-agricultures.org/publications/research-and-analysis/
・ 日・モザンビーク投資協定の署名(2013年6月1日)http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page5_000168.html
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by africa_class | 2013-07-24 14:55 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

政府軍、最大野党を攻撃か?(モザンビーク):日本の資源開発、二国間投資協定の問題

気になるニュースが毎日続いています。
11月の地方都市選挙のための選挙法、そして選挙管理委員会問題から、テテ炭鉱での住民とブラジルの鉱物資源会社(Vale *日本の新日鉄住金と同じ地区に進出)との紛争と衝突・・・・が、ついに元反政府ゲリラ(現野党)の武力行使の宣言に至り、政府軍がこれに大規模に対応する可能性が出ています。

基本的に、対象地域以外は問題ない状態ですが、11月の地方都市選挙に向けてやや注意が必要な状態です。中心部やこれらの地域から外れている限り、特に問題はないので(特に、ニアサ州やカーボデルガード州は同じ北部でも問題が少ない)、ご心配なきよう。

他方、国の政治状況は流動化しつつあるという点については、この国の政府と色々な事業を行っている人達、援助機関、JICA、外務省は念頭に置いた方が良いと思います。もはや、民衆はゲブーザ政権に対して忠実ではありませんし(そもそもそうでなかったけれども)、野党がこんなことをするだけの民衆の不満が広がっていることに目を背け続けて、投資や援助事業をするのは、あまりに外交音痴です。

私の感覚からすると、すでに「資源の呪い」状態が生じているモザンビークで、資源に投資したり、二国間投資協定をゲブーザ大統領と結んでいる場合でなかったと思いますが。

■今新日鉄住金が進出し、日本援助が支援するナカラ回廊PJの先っぽテテ州で起きていること
http://afriqclass.exblog.jp/17974287

さて、がしかし、米国政府を含め、外部の介入者らには、守るべき権益があまりにあるので、政府軍の「治安維持」を標榜する軍事行動の活発化は進んでいくでしょう。そのことが、民衆の不満を抑え込む機能をもっていくことに危惧しています。

今行うべきは、もはや民衆や国民のために機能しない腐敗政権を問題にすべきことであるのに、「治安・平和」を掲げた軍事行動で、問題が解決するという前提に外部者まで立ってしまtっては、問題は深刻かするだけでしょう。もちろん、Renamoの行動も、民衆の不満を利用して暴力行為に至っている点で、大いに非難されるべきです。

でも、政府もRenamoも、実は恐れているのはお互いではないのです。
それが分からない外交官、援助、投資関係者は、ただちにモザンビークで大規模プロジェクトなどをやっているべきではないのです。

いちいち種明かししませんが。
なぜ、両者がこのタイミングで、勇ましい掛け声を繰り返しているのか・・・モザンビーク関係者ならすぐわかること。

このタイミングで、NHKクローズアップ現代が、マダガスカルの「資源の呪い」問題を取り上げる一方で、全面的に「ナカラ回廊開発万歳!」を唱えたのは、本当に呆れたことです。アジア経済研究所の尊敬すべき先輩である平野克己さんの、コメントも一体どういう現実に基づいたものだったのでしょうか。

放送は5月末。それから1か月も経っていないわけで、あの時からこうなることは予見され、私も繰り返しNHKの取材班に情報をあげていたのですが・・・。そもそも、彼らは誰のためにあの番組をあのように作ったのでしょうか。クローズアップ現代は、NHKの中でも評価が高かっただけに、本当に残念です。

■詳細→NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)
http://afriqclass.exblog.jp/17873533

あわせて、米川正子先生の以下の記事を
■アフリカは本当に「希望の大陸」なのか?
~「資源の呪い」に振り回される現地の市民~
(米川正子 立教大学特任准教授・元UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)職員)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/87002

以下、ハンロン先生からのニュースです。

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@Verdade says military
'may be preparing'

attack on Dhlakama

There are now more than 1000 heavily armed soldiers in the centre of Mozambique, who "may be preparing an offensive against the headquarters of the Renamo leader", Afonso Dhlakama, reported @Verdade last night. In particular, the military has reinforced its control of the Gorongosa airstrip, "and is ever closer to controlling the region of Santujira, where Afonso Dhlakam has been living since October."
http://www.verdade.co.mz/newsflash/37911-soldados-das-fadm-proximos-de-santujira-rio-tinto-parou-exportacao-de-carvao

COMMENT: This report is not confirmed, but @Verdade on-line and on Twitter has been accurate and early in its reporting of attacks and military incidents in the centre of the country. jh

More attacks on EN-1
but fewer convoys

There were two further attacks Monday evening on the main north-south road (EN-1) between the River Save and Muxunge, despite a heavy military presence and traffic moving along the 100 km segment of road only in military convoys, and only during daylight. The attacks occurred at 1600 and 2100; vehicles were damaged but there were no injuries. In the second attack, shooters were in three different positions along the road, reports O Pais. (http://www.opais.co.mz/index.php/politica/63-politica/25942-renamo-intensifica-ataques-a-colunas-de-viaturas-entre-muxungue-e-rio-save.html)

In effect, the military has admitted its inability to protect traffic, and has cut the number of convoys from five to two in each direction. It is also using a light plane to look for guerrillas in the bush along the road. (Noticas 27 June).

There were no reports of attacks Tuesday or Wednesday.

COMMENT: These attacks should be put in context. Germany has just arrested a man who has fired 762 shots at motorway traffic over more than five years. The police had huge difficulty finding him, and last year even offered a 100,000 Euro reward. (http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-23045280)

New army head

Graça Chongo was yesterday named head of general staff of the military (Chefe do Estado-Maior General das Forças de Defesa de Moçambique, FADM). He replaces Paulino Macaringue, whose five year term should have ended in March.

Former Renamo guerrilla Olímpio Cambona was reappointed for another five year term as deputy head of general staff.

Macaringue has probably been blamed for the military's lack of preparation for the incidents over the past months.

Rio Tinto stops shipments

Faced with falling coal prices and widespread reports that it is trying to sell its coal operations in Mozambique, Rio Tinto has stopped coal shipments, blaming the security situation. Rio Tinto has denied very widespread reports that one of its trains was derailed in Doa, Moatize, Tete following sabotage of the railway line.
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by africa_class | 2013-06-28 03:11 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

プロサバンナ事業形成の背景(国内要因)の加筆(国際開発学会企画セッション発表要旨)

プロサバンナ事業の形成の背景における国内要因の分析が甘かったので、いくつか新たな資料を踏まえて分析し、5月末から6月にかけての各種学会での発表に活用した議論を掲載しておきます。そのうちまたPPTを掲載しますが、今英語論文で手一杯なので、それまではこちらをご覧ください。

過去のPPTはこちら
■PPTofプロサバンナ事業に関する分析・報告一挙掲載
http://afriqclass.exblog.jp/17362546

なお本企画セッションは大変盛況のうちに終了しました。
大会参加者230名のところ、一般も含め220名が参加して資料が足りなくなるほどでした。翌日の継続ディスカッションの方も30名近くの皆さんに駆けつけていただき、活発な議論ができました。心から感謝します。

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企画セッション
原発事故から2年、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)年に問い直す開発と発展
「アフリカにおける経済成長と内発的発展~グローバル農業投資と農民主権」

●報告者 (座長:大林稔)
1.「311以後の東北農業~農民を根なし草にしようとする政策と抵抗する農民」(谷口吉光、秋田県立大学生物資源科学部)
2.“Legal and Ethical Implications of Land Grabbing"(アンドレアス・ニーフ、京都大学)
3.「農業投資と農民主権~種から考える」(西川芳昭、龍谷大学)
4.「農業開発援助と農民主権~モザンビークを中心に」(舩田クラーセンさやか、東京外国語大学)
●コメンテイター 熊代輝義(JICA農業農村開発部長)/ 西川潤(前国際開発学会会長)

【主催】TICAD市民社会フォーラム(TCSF)有志・大会実行委員会【共催】宇都宮大学国際学部附属多文化公共圏センター 【協力】JASID「原発震災から開発・発展を考える」研究部会

【要旨】「農業開発援助と農民主権~モザンビークを中心に」
東京外国語大学 舩田クラーセンさやか
キーワード:プロサバンナ事業、セラード開発、責任ある国際農業投資、熱帯サバンナ、土地収用

1. はじめに
「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム(プロサバンナ)」を事例に、グローバリゼーション下アフリカにおける農民主権の課題と日本との関係を浮彫りにする。

2. プロサバンナ事業に至るまでの背景
(1)外務省による「食料安定供給」と国際プレゼンス向上の試み
日本政府は、1973年のオイルショックと米国の大豆禁輸を受けた食料供給不安への対応として翌年に合意され、1979年来本格的に実施されたブラジル・セラード農業開発(PRODECER)から30年近く経った2008年、食料価格の高騰と穀物生産国輸出規制に直面し、自民党内に「食料戦略本部」を立ち上げる一方、外務省経済協力局内に担当をおき、「確実な食料確保」の対応策を検討し始めた(NHK 2010)。当初模索されたのが、「海外での土地収用・リースを含む農業開発」であった(外務省2009a)。外務省は農水省と共に、「食料安全保障のための海外投資促進に関する会議(海外農業投資促進会議)」を発足させ、2009年8月には、「国民への食料安定供給のため、国内農業生産増大を基本としつつ、国土条件の制約から必要な輸入はその安定化・多角化を図る」と述べ、「世界全体の農業生産の増大、農業投資の拡大が急務」で、「海外農業投資(生産、集荷、輸送、輸出)」促進に官民が一体となって取り組む必要があると表明する(外務省2009b)。

同会議で先駆事例とされたのがセラード開発であった。ただし当時と異なり、政府や日系入植者ではなく企業が前に出て、政府は後方支援をする手法が重視された。しかし、企業が消極的だっただけではなく、「土地争奪」「新植民地主義」との国際的な批判を避けるため、外務省は、①「良い投資」と「悪い投資」を分ける国際合意を作り、②「良い投資」増大を促進するとともにその手本を先陣切って示し、食料確保だけでなく国際的プレゼンス向上に努めようとした(NHK 2010; 麻生2009)。

以上を踏まえ、2009年7月G8ラクイラサミットに向けた麻生太郎総理寄稿文で、「規制的なアプローチは良い投資を抑制する可能性があり望ましくない」、「持続可能な未来の唯一可能な解決策は投資」と表明した(麻生2009)。さらに外務省は、同サミット首脳声明に、①国際農業投資の原則、②ベスト・プラクティスに関する共同提案の策定を入れ込んだ(NHK 2010; G8首脳宣言2009)。そして同年9月23日、国連総会時期のニューヨークで「責任ある国際農業投資の促進に関する高級実務者会議」を主催し、世銀提案の「責任ある国際農業投資(RAI)七原則」について31か国(主として穀物の大規模生産・輸出国)の承認を取り付けた。中身は麻生(2009)とほぼ同様で、規制を排除し、「受入国政府、現地の人々、投資家の3者の利益を調和し最大化を目指す」とした(外務省2009c)。

(2)「熱帯サバンナ」への注目とブラジル・セラード開発を「先駆事例」とする動き
一方、②の「良い投資の見本」として日本政府が提示したのが先述セラード開発事業であった(麻生2009)。その背景には、「先祖返り」という側面以外に、2つの潮流があった。まず、2005年に本格的に「国連改革」を目指した外務省のブラジルへの接近である。同省はインド・ドイツとも連携していたが、強力なパートナーとしてブラジルに注目し、移民100年を祝う2008年の「日本・ブラジル交流年」に向けて「戦略的パートナーシップ再活性化」を企図していた。2007年には、JICA理事長と伯外務大臣との間で「日伯パートナーシッププログラム」推進が合意され、麻生外務大臣の同国問時には同「再活性化」が確認された。2009年サミットにおける麻生総理とルーラ伯大統領の「アフリカ熱帯サバンナ農業開発」合意は、これを受けたものであった(舩田クラーセン2013)。

もう一つの潮流は、世銀を中心とするものであった。同行はサミット直前(6月)、商業的農業の必然性を説く一方、「ギニア・サバンナ」6億haの内4億haが農適地であるが10%しか耕作されず投資と開発が可能と発表する(WB 2009)。同じくJICAは、「アフリカには熱帯サバンナの5割が集中し広大な未利用農業適地が存在。世界は新たな食料生産・輸出基地を求める(JICA, 2009年6月30日)」との認識を示した。両者の手本とされたのが、「熱帯サバンナ農業開発の成功例・セラード開発」であった(*セラード開発は、ブラジル学術界・市民社会・農民運動によって強く批判されてきた。これも取り上げる)。  

この考え方は、「日伯協働によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発事業(JICA 2009年5月25日)」にも示されるが、NYでの「実務者会合」に向けてアフリカ側対象国の確定と合意が急がれた。そして、「良い投資の見本」「日本の協力」「アフリカ熱帯サバンナの農地転用」等の言葉の先にターゲットとされたのが、ブラジルと同じ葡語国モザンビークであった。同会合5日前という日程で、プロサバンナ事業は三政府により調印されるが、この急がれたプロセスの中で繰り返しされたのが、ブラジル・セラードとモザンビーク北部の「農学的な多くの共通点(JICA, 2009年6月30日)」「類似性」であった。

しかし、「熱帯サバンナ」とは、その一般的イメージ「草原サバンナ」ではなく、乾季雨季が明確に分かれた気候帯のことを指し、一定の雨量があるため農業に適しているが、多くの場合セラードと同様「森林サバンナ」地帯であった(Distributed Active Archive Center for Biogeochemical Dynamics)。また、事業対象地のモザンビーク北部地域は、土壌の酸性が強く人口が少ないセラードの特徴と異なり、最も肥沃で水資源に恵まれ、農業生産が盛んで人口が最多(全人口の4割)であった(舩田クラーセン2013)。モザンビークに在外公館・JICA事務所が設置されて10年も満たない2009年、地域社会や農業の十分な知見も経験も蓄積がないまま、合意後半年間準備調査を行っただけで、「モザンビーク北部1400万ヘクタール(日本耕地面積の3倍)を対象に、中小農民40万人に直接、360万人に間接の裨益」と喧伝される巨大事業が、食料価格高騰・G8サミット・国連総会を経て、始動したのである。

3.モザンビーク農民組織、市民社会からの異議申し立て
合意から数年が経過した2012年4月、日伯の官民連携ミッションのモザンビーク北部訪問前後から、現地社会や国際社会で同事業への疑義が表面化し始める。この頃、ブラジルのアフリカへの積極的な進出が顕著になり、鉱物開発企業を筆頭にアグリビジネス界も活発な動きを展開する。このゲートウェイとされたのがモザンビークであった(Schlesinger 2012)。前年に同地を訪問し、安価で環境規制の緩いモザンビーク北部の肥沃な土地に熱狂したブラジル綿花業界関係者だけでなく(Reuters 15 Aug. 2111)、前述ミッションのブラジル側団長ニシモリ議員の「プロサバンナ事業は土地不足の伯国の若者が近代農を大規模展開するための事業」との説明が(議会TV 27June2012)、モザンビークの農民組織や市民社会、国際NGO等に危機感を抱かせるようになる。これらの組織は、3か国の関係者に聞きとり調査を行い、JICAなどに説明を求めたが懸念を一層深め、2012年10月には、同国最大の農民組織UNACが、「不透明で、農民組織を排除するトップダウン事業」「農民の土地収用イニシアティブ」と、プロサバンナ事業を批判する声明を国内外に表明した(UNAC 11Oct.2012)。

UNACは、同国に経済自由化の波が押し寄せた1987年に、農民が自らの権利を代表・擁護し闘うため結成され、現在全国8.6万の農民と2200農民組織が加盟する。同連盟は、農民の土地占有権(DUATs)と慣習法的権利の両方を重視する1997年土地法の制定に多大な役割を果たした(Negrão 2003)。UNACはJICA報告書でも主要農民組織として紹介されるが(JICA 2000)、JICA担当者らは同連盟への理解がないばかりか、「一団体/一部に過ぎない」と繰り返してきた(NGO・外務省意見交換会)。

本年4月には、モザンビーク4団体を含む世界23団体・1国際ネットワークが、マスタープラン中間報告を入手し分析した結果、次を警告した。①真の目的は大規模土地収用に道を開くこと、②地元移動農法「撲滅」が喫緊課題と断定、③「定着農・近代農」に転じた農民にDUATs付与、④どこで誰が何を作るか指定するゾーニング案を有す(JA et al.29Apr.2013)。投資のため、地元農民の主権と営みを著しく侵害する計画と指摘されている。確かに同報告は、権利侵害の抑制効果がないRAIを重視し、企業の土地収用を確実にする抜け道を多数用意している(ProSAVANA Report 2)。前節で示した「農業投資が唯一の処方箋」「投資家は現地の人々と対等」「規制排除」が顕著に表れた計画といえる。

4. おわりに
2008年以降の日本政府の認識や動きが、どのような国際潮流や外交、援助事業に結びつき、ODAとして展開する中で、農民主権を阻害する可能性を広げていったかを明らかにした。討論では、これが日本社会・市民の「食」「農」「農的営み」に対する無関心さに基因している点についても論じたい。

【参考文献】●麻生太郎(2009)「食料安全保障の永続的な解決」、●NHK取材班(2010)『ランドラッシュ』新潮社、●外務省(2009a)「海外投資促進に関する指針」、●外務省(2009b)「官民連携モデルのイメージ」、●外務省(2009c)「責任ある国際農業投資の促進に関する高級実務者会合」、●JICA (2008)『南部アフリカ地域援助研究会報告書』、●G8首脳宣言(2009)、●舩田クラーセン「 変動する世界における経済成長至上主義の席巻と内発的発展」近刊、Negrão, José (2003) “A Propósito das Relações entre as ONGs do Norte e a Sociedade Civil Moçambicana”、●Schlesinger, Sérgio (2012) “Cooperação e investmentos internacionais do Brasil”. ●WB (2009) “Notes: Africa’s Sleeping giant: prospects for commercial Agriculture in the guinea Savannah Zone and Beyond”.(詳細配布)
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by africa_class | 2013-06-21 23:53 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

今新日鉄住金が進出し、日本援助が支援するナカラ回廊PJの先っぽテテ州で起きていること

団体のブログにも掲載しておきましたが、本当の本当に心配な状態です。こういう投資や事業に、日本が関わっていく日が来ると私自身十分な自覚がありませんでした。

「我々のための食料・資源」・・・が、今新たにアフリカで何をもたらしているのか?しっかり目に焼き付けてください。あまりにモザンビークに関わっている日本の人が少ないところから生じた、このような事態に、自分の力不足を感じています。もっと沢山の人が見張る必要があります。

プロサバンナでいそがしくてこちらのニュースはほどほどだったのですが、新日鉄住金の進出先は、この間ずっと問題になっているブラジルの鉱物資源開発会社ヴァレとリオ・ティント社のすぐ境界線にある場所でした。すでに進出先となっているRevuboe鉱区のウェブサイトに詳細が掲載されています。

■新日鉄住金が進出するRevuboe鉱区のウェブ
http://www.revuboe.com/home
The Moatize Basin in Mozambique is the leading emerging coking coal province in the world. Our Revuboè Coal project in Tete province is bordered by both Rio Tinto's Benga and Zambeze projects and Vale's Moatize project.
そこでは、コミュニティとの合意によってのみ開始と書いてあります。
http://www.revuboe.com/community
Construction of the mine camp commenced only after the blessing of local traditional and government leaders and with the endorsement of the local communities.

しかし、今起きている事態は、そのような「合意」の範囲を超えていることです。これは、以下の地図を観れば一目瞭然でしょう。

■Human Rights Watchの報告書のリリース文にある地図
http://www.hrw.org/news/2013/05/23/mozambique-mining-resettlements-disrupt-food-water

テテ州の地図・・・大部分が鉱区に分割されています・・・。
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問題のモアティゼ郡(ヴァレ、リオティント、新日鉄住金の進出地)
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黄色がすでに鉱区として承認が降りている区画。
紫が現在承認プロセス中の区画。
緑がリザーブです。

そこには人びとの暮らしや、土地への権利が上からのメガプロジェクトによってなかったことにされている様がはっきり映し出されています。

この問題については過去の記事でも繰り返し投稿してきました。
実態調査を行ったHuman Rights Watchの報告書が一番包括的なのでそちらをお読みください。タイトルが象徴的です。「食事のない家とは?:モザンビークの炭鉱ブームと住民移転」(2013年5月23日発表)

■“What is a House without Food?”Mozambique’s Coal Mining Boom and Resettlements
http://www.hrw.org/node/115535
Many of the 1,429 households resettled to make way for Vale and Rio Tinto’s international coal mining operations in Tete province, Mozambique have faced serious disruptions in their access to food, water, and work, Human Rights Watch said in a report released today

これを報じた日本のメディアは唯一、朝日新聞だけでした。
■朝日新聞の記事(2013年5月29日)
「(アフリカはいま)眠れる大地、「緑の実験」 モザンビーク穀倉化計画」
←http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY20130528067

紹介したようにNHKクローズアップ現代は、隣のマダガスカルの問題を報じているものの、番組ないではまったくこのことを取り上げないまま、ナカラ回廊の開発の重要性と日本の援助の素晴らしさを強調していました。もちろん取材チームは、テテで起きている事態を知っていました。
■NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)
http://afriqclass.exblog.jp/17873533
■同放送は全部文字お越しされているので以下でご覧いただけます
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3356.html#marugotocheck

その他の整理については、モザンビーク開発を考える市民の会のブログにも掲載済みですが、こちらにも転載しておきます。

■鉱物資源の宝庫テテで何が起きているのか?
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-37.html

日本の新日鉄住金も進出しているモザンビーク北西部のテテ州で、ブラジル鉱物資源企業と住民の衝突に端を発する政情不安が続いています。ついに、元反政府ゲリラが動き始め、7人の警察が攻撃され、鉄道封鎖される可能性が出ています。政府軍も動き始めつつあります。

なお、今回問題になっているリオティントとヴァレのすぐ境界線にある鉱区が新日鉄住金の鉱区です。したがって、現在起きている事態と無関係ではありません。

これらはすべて、住民不在の急いだ大規模投資の帰結です。
ついに、軍事衝突に備えた大量の武器輸入を政府が開始しました。
平和をも不安定化させる投資。
それを後押ししている現在の日本の援助や政策も、問い直されるべきものです。
住民の犠牲の上に呼びこまれる大規模投資と援助の問題が、再びアフリカ、そして日本で問われています。

そもそも問題は、
(1)農民から広大な土地を奪ったこと、
(2)補償をちゃんとしなかったこと、
(3)政府が住民の側ではなく企業の側に立って抑圧的な行動をとっていること、
(4)投資が住民の生活向上に役立っていないこと、
(5)政権関係のごく一部だけが豊かになっていること、
への広範な不満が人々の間であることによります。

そして、このような状態を知らぬままに、回廊プロジェクトと称してこの地域に入り込もうとする日本の援助・企業の問題(ナカラ回廊プロジェクト、プロサバンナ)からも、他人事ではありません。

このような事態を繰り返し、警告したにもかかわらず、日本はTICAD Vに際し、モザンビークの現政権と二国間投資協定を締結してしまいました。
■日・モザンビーク投資協定の署名(2013年6月1日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page5_000168.html


■日経新聞(2013年4月4日)
モザンビーク炭鉱の採掘権取得 新日鉄住金・ポスコなど
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0407E_U3A400C1TJ1000/
 新日鉄住金は4日、同社や韓国ポスコなどが共同で計画しているアフリカ南部モザンビークでの炭鉱開発について、現地政府から3日付で事業化に必要となる採掘権を取得したと発表した。今後詳細な事業計画を詰めて開発に着手し、2019年には鉄鋼原料炭で年産500万トンのフル生産体制を目指す。
■産経新聞(2013年4月4日)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130404/biz13040413450009-n1.htm
推定石炭埋蔵量は約14億トンで、製鉄に使う原料炭年約500万トンの生産量が見込まれている。このうち新日鉄住金グループは、年間輸入量の6%程度に当たる年約170万トンの原料炭を確保する見通し。

■新日鉄住金の進出先のRevuboe鉱区の情報
http://www.revuboe.com/home
The Moatize Basin in Mozambique is the leading emerging coking coal province in the world. Our Revuboè Coal project in Tete province is bordered by both Rio Tinto's Benga and Zambeze projects and Vale's Moatize project.

この住民との衝突については、以下のようにまとめられます。
①2008年に同地に進出したVale社によって、5000家族が土地収用された。
②これら住民は、立ち退き・移転のプロセスや補償内容、その結果生じた生活苦について異議申し立てを2009年末から継続。
③その抗議の一環で、Vale社への補償内容見直しを求めるが拒否。再度の対話を求めて、道路封鎖。
④しかし、警察が強制排除を行い、住民が逮捕。その釈放を求めた住民が牢屋に集結。
⑤警察がついに催涙弾やゴム弾などを使って住民に発砲、負傷者が出た。
⑥警察はそれを否定。

これに関する代表のブログ記事
■続報:ブラジルVale社炭鉱の土地収用&移転への住民抗議のその後
http://afriqclass.exblog.jp/17653555/
■モザンビークで、ブラジル鉱物資源会社Valeの炭鉱道を住民が封鎖、警察が発砲3名負傷~市民社会の声明
http://afriqclass.exblog.jp/17644029/
■「ブラジル鉱業企業と地元住民の土地紛争:「死んでもここを動かない」
http://afriqclass.exblog.jp/17432081/
■「ビルマでの援助と土地収用とプロサバンナ問題」
http://afriqclass.exblog.jp/17288876/

Human Rights Watchの報告書
■Mozambique: Mining Resettlements Disrupt Food, Water:Government and Mining Companies Should Remedy Problems, Add Protections
http://www.hrw.org/news/2013/05/23/mozambique-mining-resettlements-disrupt-food-water
関連の記事
■Miners Vale, Rio Tinto accused of neglecting displaced Mozambicans(2013年5月23日)
http://www.reuters.com/article/2013/05/23/us-mozambique-mining-idUSBRE94M08D20130523


そして、ついにこれに乗じて、1977年-92年までモザンビークに戦争をもたらしたRENAMO(反政府ゲリラ)・現最大野党が、テテに焦点を合わせ始めました。

■Mozambique's Renamo threatens to paralyse vital coal railway
http://www.reuters.com/article/2013/06/19/mozambique-renamo-idUSL5N0EV1SD20130619
■Mozambique: Renamo Threatens to Block Road and Rail Traffic in the Center of Mozambique(2013年6月20日)
http://allafrica.com/stories/201306201160.html

テテは、日本の援助事業(ナカラ回廊プロジェクト)の西端にあたる地域であると同時に、プロサバンナとも関連づけられています。現地では、次のような問題提起がされています。

■UNAC全国年次総会声明文(ProSAVANAも、鉱業メガプロジェクト、大規模植林とともに批判されています)
http://afriqclass.exblog.jp/17790286/

2013年は地方都市選挙、来年は大統領選挙です。
激しい戦争を経験したこれらの地域では、かなり社会内部で不満が高まっています。

これにレナモは便乗しているだけという側面も確かにありますが、実は社会の広い範囲で現政権に対する批判や不満は広がりを見せています。「現政権を全面的に応援」しているように見える日本政府や企業にも、厳しい目が注がれるようになりつつあります。

これに対して、「反政府だ!」と揶揄する動きが、援助関係者の間であるといいます。
しかし、それはあまりに社会のことを知らないレッテル貼りであり、それほど社会について知らないままに「役立つ援助をしている」と自負するのは、大変残念なことです。

今問題提起している人や団体の多くが、与党の長年の支持者・支持基盤であることは、現地で周知の事実です。これは、長年にわたり政権与党の基盤であった医療関係者の何十日にも及ぶストライキに示されていますし、与党とともに歩んできた最大の農民組織・全国農民連盟UNACの以上の声明にも示されています。

この点についての記事
■援助関係者の間で実しやかに囁かれるウソ:現地からの声を理解しよとせず、抑圧側に立つ人達
http://afriqclass.exblog.jp/17943791

そして、ついにこのような事態に。
■Seven soldiers killed in Mozambique weapons store assault(2013年6月18日)
http://www.reuters.com/article/2013/06/18/us-mozambique-attack-idUSBRE95H0SN20130618
■Imports of military equipment
http://allafrica.com/stories/201306201160.html?page=2

日本の私たちが共に目指したいのは、誰ともどのような未来でしょうか?
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by africa_class | 2013-06-20 23:20 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

援助関係者の間で実しやかに囁かれるウソ:現地からの声を理解しよとせず、抑圧側に立つ人達

TICAD Vも終わり、ひと段落・・・のはずではあるものの、その後国際コモンズ学会や、講演会や、国際開発学会や・・・なんやらでなかなか落ち着かない日々。先日は研究員となっている京大での大学院ゼミに出席させていただき、とっても刺激を受けました。教育にはいろいろなアプローチがあるので、勉強になります。

さて、明日はテレビの収録で東京に行きますが、気になる一言を耳にしたのでこれだけは書いておきます。
3政府宛の公開質問状を持参したモザンビーク農民組織や市民社会プラットフォーム代表の、身の危険を知っての直訴に、未だに反省することのない政府や援助関係者の酷い言葉の数々に、心底驚いています。

まず第一に、彼らがこのような抗議によって得られる個人的メリットは何一つありません。現地では、むしろ政府等による監視の目が強まり、既に様々な脅迫行為や、評判を落とすための操作が繰り広げられています。

今、モザンビークで起きていることを御存じでしょうか?
今年地方選挙、来年に大統領選挙を控える一方、鉱山地帯での住民との衝突、野党の武器を持ったままの山籠もり、医療関係者の20日に及ぶ一斉ストライキに直面して、現在基盤が揺らぎつつある現政権は、野党の強い北部での支持確立を目指したプロサバンナ事業での批判を抑え込もうと本気になりつつあります。

2005年以降「資源の呪い」の国へと邁進してきた現政権は、ついにその仕上げの段階に到達し、ごく一部の国家利権を切り売りして大儲けした人達と大多数の人びとの間で、数々の軋轢を招いています。

そんな中、モザンビーク最大の農民組織(2222組織の代表)、北部中心地であるナンプーラ州120団体の代表を始めとし、主要な農村組織や宗教組織、市民組織23団体が、なぜ「大統領プロジェクト」に対して危険を顧みず異議を唱えているのでしょうか?

■【公開書簡】モザンビーク23団体から3か国首脳への「プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡(2013年5月28日)」発表
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html

独立後のモザンビークの歴史で、このような事態は初めての出来事です。1975年から94年までの一党支配体制、複数政党制導入後でも引き続き政権を担った現フレリモ政権に対して、これほど裾野の広い社会組織が異議を申し出ているのは、他に経験がないことなのです。

そして、このような事態を招いたのは、日本政府やJICAの一部の人達の「ブラジル・セラード開発の成功!」を信じて疑わない過信と、アフリカへの野望と思いつきによる帰結なのです。本当に心が痛いです。

にもかかわらず、異議を唱えたくて唱えているのではなく、社会を守ろうと自らの身を投げて守ろうとする人びとに対して、依然として次のような言葉が援助関係者の間で実しやかに囁かれているといいます。

■神話1:「UNACは一部の農家の方々を代弁しているにすぎない」
■神話2:「UNACは、当国野党勢力との結びつきが強い団体」

事実誤認もいいところですが(このブログの読者なら既に私が繰り返し書いているので分かると思いますが)、重要な点は、自らのやり方への反省が述べられることがないままに、現地の人々の切実な命を掛けた問題提起そのものを、外部者に過ぎない援助者らが「問題」と捉える傲慢さが依然続いています。

人は誰でも、どんな入念な計画でも、どんな事業でも、過ちを冒すものです。
当事者から異議が出ることは否定されるべきではなく、むしろ事業が大規模に行われる前の問題提起は感謝されるべきもの。当事者のレッテル貼りをすることで、問題を矮小化しようというメンタリティが、日本の援助関係者の思考パターンの問題を露呈しています。

自分たちは感謝されるべき存在であり、問題は自分たちではなく、外から、あるいは一部の偏った人達からやってくる・・・・。とても「上から目線」の恥ずかしい姿勢です。「参加型開発」などといいながら、「開発に参加させてもらっているのは自分」ということへの気づきがない。

さらには、事実関係を調べもしないで、「援助業界で実しやかに囁かれている自己弁護のための神話」を繰り返し唱えて満足し、それを周りに流布する始末。。。こんなことにいちいち関わりたくないのですが、モザンビークの人びとの日常や将来の権利が奪い去られるかもしれぬ瀬戸際を作りながら、さらには人々の想いまでもがこのような形で、自己正当化のため「援助者」を名乗る人達に踏み躙られる事態に、書かずはいられません。何より、モザンビークに関わる人が少なすぎる中で、「知らないことは知らない」というべきなのに、小耳にはさんだ「噂話」や「思い込み」を調べもせずに信じ込んで言い触らすのは、あまりに悪質です。

こういう方にこそ、来日された人達の話に耳を傾け、その場で反論なり対話なり質問なりをしてくれると良いのですが、そういう努力すらされないで「自分は正しい」というのはとても残念。。。日本の援助関係者は、いつもこんな風に当事者の人達への謙虚さを持ってこなかったのでしょうか?

政府とやてれば、自分たちの言い成りになる対象とやってればいい?

さて、面倒ですが以下の点。
■神話1:「UNACは一部の農家の方々を代弁しているにすぎない」
■神話2:「UNACは、当国野党勢力との結びつきが強い団体」

■神話1:「UNACは一部の農家の方々を代弁しているにすぎない」
人類の歴史において、全員を代表する組織などもちろん存在したことはありません。あったのは、全体主義の時代です。それでも見かけ上の、恐怖に基づく支配。当然ながら、全員を代表などしていません。現在の議会制度も、政党政治も、モザンビークに限らず、この日本でも「代表性」「代弁性」について課題を有しているのは、私たちが一番理解しているべきことです。

先日公園の緑を伐採してまでの道路工事で揺れ動く東京都小平市。同市長はたった30%台の投票率の市長選挙で当選した市長。同市の有権者の2割程度にしか投票されていない。しかし、その市長が、道路工事の是非を住民投票にかけようという主張に基づいて行われた住民投票を、自分の選挙と数パーセントしか差がないほどの投票率を達成したのに、5割に満たないので民意に沿わないと開票すら拒んでいる。

「ごく一部」という言い方は、このように恣意性を持った言葉であり、権力側が使う時には注意が必要であることについては、全体主義とそれによる戦争を経験した日本の我々にとって、歴史的教訓なのではないでしょうか?

そんなレベルのことではなく、そもそも今回の公開書簡は、UNACだけのものではありません。北部地域の農民組織の主要な団体や宗教組織、地域組織の23団体が起草・署名しています。そこのことの事態の大きさを、まだ理解していないとすれば、そして「UNACが問題なのだ」と言い続けている限りは、現地の反発はますます広がるでしょう。

実際、今回これほど多くの組織がとても短い期間に署名した理由こそが、繰り返される「一部の声にすぎない」「・・・・だから問題なし」「UNACは反対しているわけではない」というかってな総括・・・等のこれまでのJICAを含むProSAVANA関係者の自己正当化に心底腹を立てた結果だったと聞いています。

その前提の上で、UNACについて語るならば、そもそもUNACは「一部の農家を代弁」ということを超えた団体です。今、法制度的に農民たちの権利をどこよりも守っている1997年土地法は、UNACの尽力で成立したものです。この土地法は、「世界で最もProgressive」という触れ込みのもので、農民の耕す権利を何より重視したものです。ただ抜け穴があり、それを現政権関係者が多用してしまったために土地紛争が起きているのです。UNACが守ろうとしているのは、一部の利益や団体の利益などではなく、全モザンビーク農民の利益であり権利であり、ProSAVANAはそれを奪う第一歩になると考えているから身体を貼っているのです。

本来ならば、援助機関や援助者は、特に「小農支援」を口にする者は、このような団体こそを尊敬し、応援すべきではないのでしょうか?

そしてこれはこのブログの読者にいうまでもないことですが、モザンビーク政府が自ら選び、今年4月に唯一「現地農民組織代表」として連れてきた団体こそが、UNACの下部団体でした。政府代表としてきてなお、いやきたからこそ、この事業の問題に気づいたといいます。

勿論、ProSAVANAへの反対を抑えるために、「賛成する団体もある」というために、現地では既に融資やなんやらを配布しています。そのバラマキを歓迎する人達もいます。日本の公共事業と同じ手法が、つまり事業への反対派切り崩し、賛成派増やしのための地域社会の分断が堂々と行われているのです。

他方、マスタープランは未だでProSAVANAは始まっていないのに批判するのはおかしい・・・などと、これまた実しやかに日本の援助関係者は述べます。しかし、メディアが訪問するというと、このような融資先などに連れて行ってJICAへの感謝を述べさせる・・・本当に恥ずかしいです。

このような分断工作や操作こそが、彼らが今回ProSAVANAの緊急停止を言わざるを得なかった理由といいます。つまり、彼らではなくProSAVANA事業者らが、自分でまいた種、もたらした混乱なのです。そのことへの自覚は、「一部にすぎない」という総括から完全に抜け落ちている・・・ここが一番問題だと思います。

自ら「賛成派」を創り出し社会を分断しながら、「反対は一部にすぎない」と総括する・・・・現地の人々からみたら本当に罪深いです。今回、現地のカソリックの司教様たちのグループが立ち上がった理由もこれですが、そのことすら理解できないのでしょうね・・・これも「誰かの入れ智恵」とかいうレッテルを張るのでしょう。

それほどまでに、現地の主要アクターらとのコミュニケーションが不可能ということの証左。
「あげる」という行為を介さない生身の本音のやり取りが出来ていないことが露呈。


■神話2:「UNACは、当国野党勢力との結びつきが強い団体」
書くのも嫌気がさしてきました。
このようなレッテル貼りの根拠、あるいはレッテル貼りをする意図はなんでしょうか?
UNACほど現政権FRELIMOの「出所」「精神的支柱」を明確に体現している組織は、もはやモザンビークに残っていないほどです。

こういうことを書くのすらばからしいのですが、なぜかというと、UNACの人達に接すれば彼らが何者かすぐわかるので、、、、でもどうも分からないようなので書いておきます。

UNACのメンバーの多くは、現政権の多くの人と同様に、植民地解放戦争を戦った人達です。代表のマフィゴさん自身がそうであり、多くのメンバーの父兄・親族の多くが、やはり解放闘争の闘士でした。つまり、フレリモ中のフレリモ=UNACなのです。

それを「野党と結びつきが強い」とは、あいた口がふさがりません。
これは、モザンビークに関わる人ならだれでも知っている事実です。

つまり、人びとの権利のために国を解放したはずのFRELIMOが人びとの権利を守るどころか売り渡しているのであれば、野党化してしまったのは現政権なのです。この逆説性に、「政府=正しい」という刷り込みがはいった日本の人びと、あるいは日本の援助関係者には、理解不可能なようで・・・。

そんなことすら知らない、分からない人にモザンビーク農村開発に関わったり、現在の事業についてこんな風に語る資格もないと思うのは私だけでしょうか?

そもそも、別に野党と結びつきが強くても別に立派な社会組織である以上、なんの問題もないと思いますが?そもそも、事実ですらないのです。

彼らが何故この問題に敏感か?
そのことは、繰り返しシンポジウムやセミナーで述べていたので、参加されたら理解したでしょう。あるいは、このような思い込みの人達には無理だったでしょうか?

彼らは、独立は「国、人間の解放だけを意味したのではなかった。土地の解放を意味した」と繰り返し述べてきました。その言葉の深い深い・・・・・・・本当に深い意図を、今私たちが汲み取ろうとしないのであれば、何のため「支援」「援助」を口にするのでしょうか?

私たちは、やはり植民地支配する側のメンタリティーから解放されていない。
支配される側の想い、何のために彼らが武器をとってまで植民地支配から逃れようとしたのか、何の解放を意図したのか、そして21世紀の今、独立から40年近く経ったのに、なぜ彼らは再び日本に来て「植民地支配からの解放の意味」を声高に述べなければならないのか・・・・・・言い訳と自己正当化を肩からおろし、脇に一旦おいて、考えてみてほしいのです。

まだ遅くありません。

皆さんのいう「支援」の根底に眠る「コロニアル思考」から、今脱さないとしたらいつ逃れるのでしょうか?彼らが身を持って問題提起しているのに、私たちは耳を塞ぎ続け、それを踏みつけ続けてよいのでしょうか?

今問われているのは、「開発モデル」の話ではありません。
このような人としての尊厳を獲得するために、その尊厳ある人がようやく手にした生きるための基本的な権利を、他者が「経済成長」「支援」「開発」を掛け声に奪ってよいのか・・・という問いです。

月並みな一言ではありますが、耳をまず傾けてください。
講演会の様子は、もうすぐYoutubeにアップします。

鋭い問いが発せられる時、
それを封じ込める側ではなく、
耳をそばだてる側にいたいと思います。

一人でも多くの援助関係者の耳に、このことが届くことを望んでいます。
なお、私だって罪深き者の一人です。
また、至らない人間でもあります。
その反省の上で日々改善を試みています。

1994年の戦後直後のモザンビークで国連関係者として持ち込んだ数々のものについて、この20年間ずっと自分に問い続け、今に至ります。その間、対話してきた何百何千というモザンビークの人達に、そのオープンな、時に厳しい、時に温かい、一言一言に心から感謝しています。

人間は学び続けることができる生き物です。
学び続けることでしか、危険を回避できない、この地球や世界に君臨する生き物です。

学びましょう。
遅くありません。

他者による挑戦、自分の真摯な解体の先に、必ず自分の生きるべき道が広がっています。
それは、今よりもずっと意味のある、豊かな双方向性のあるものでしょう。

私はモザンビークの人達にそのことを教えられ、今でも感謝し続けています。
教えるなんてとんでもなかったのです。

それに気づいた援助関係者の方々に、実はこの2週間、励まされ続けています。このブログを読み考えてくれているといいます。この場を借りて感謝いたします。

この問題については下記に入れています。詳細はそちらを
http://afriqclass.exblog.jp/i38/
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by africa_class | 2013-06-13 22:31 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ