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カテゴリ:【考】土地争奪・プロサバンナ問題( 93 )

政府軍、最大野党を攻撃か?(モザンビーク):日本の資源開発、二国間投資協定の問題

気になるニュースが毎日続いています。
11月の地方都市選挙のための選挙法、そして選挙管理委員会問題から、テテ炭鉱での住民とブラジルの鉱物資源会社(Vale *日本の新日鉄住金と同じ地区に進出)との紛争と衝突・・・・が、ついに元反政府ゲリラ(現野党)の武力行使の宣言に至り、政府軍がこれに大規模に対応する可能性が出ています。

基本的に、対象地域以外は問題ない状態ですが、11月の地方都市選挙に向けてやや注意が必要な状態です。中心部やこれらの地域から外れている限り、特に問題はないので(特に、ニアサ州やカーボデルガード州は同じ北部でも問題が少ない)、ご心配なきよう。

他方、国の政治状況は流動化しつつあるという点については、この国の政府と色々な事業を行っている人達、援助機関、JICA、外務省は念頭に置いた方が良いと思います。もはや、民衆はゲブーザ政権に対して忠実ではありませんし(そもそもそうでなかったけれども)、野党がこんなことをするだけの民衆の不満が広がっていることに目を背け続けて、投資や援助事業をするのは、あまりに外交音痴です。

私の感覚からすると、すでに「資源の呪い」状態が生じているモザンビークで、資源に投資したり、二国間投資協定をゲブーザ大統領と結んでいる場合でなかったと思いますが。

■今新日鉄住金が進出し、日本援助が支援するナカラ回廊PJの先っぽテテ州で起きていること
http://afriqclass.exblog.jp/17974287

さて、がしかし、米国政府を含め、外部の介入者らには、守るべき権益があまりにあるので、政府軍の「治安維持」を標榜する軍事行動の活発化は進んでいくでしょう。そのことが、民衆の不満を抑え込む機能をもっていくことに危惧しています。

今行うべきは、もはや民衆や国民のために機能しない腐敗政権を問題にすべきことであるのに、「治安・平和」を掲げた軍事行動で、問題が解決するという前提に外部者まで立ってしまtっては、問題は深刻かするだけでしょう。もちろん、Renamoの行動も、民衆の不満を利用して暴力行為に至っている点で、大いに非難されるべきです。

でも、政府もRenamoも、実は恐れているのはお互いではないのです。
それが分からない外交官、援助、投資関係者は、ただちにモザンビークで大規模プロジェクトなどをやっているべきではないのです。

いちいち種明かししませんが。
なぜ、両者がこのタイミングで、勇ましい掛け声を繰り返しているのか・・・モザンビーク関係者ならすぐわかること。

このタイミングで、NHKクローズアップ現代が、マダガスカルの「資源の呪い」問題を取り上げる一方で、全面的に「ナカラ回廊開発万歳!」を唱えたのは、本当に呆れたことです。アジア経済研究所の尊敬すべき先輩である平野克己さんの、コメントも一体どういう現実に基づいたものだったのでしょうか。

放送は5月末。それから1か月も経っていないわけで、あの時からこうなることは予見され、私も繰り返しNHKの取材班に情報をあげていたのですが・・・。そもそも、彼らは誰のためにあの番組をあのように作ったのでしょうか。クローズアップ現代は、NHKの中でも評価が高かっただけに、本当に残念です。

■詳細→NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)
http://afriqclass.exblog.jp/17873533

あわせて、米川正子先生の以下の記事を
■アフリカは本当に「希望の大陸」なのか?
~「資源の呪い」に振り回される現地の市民~
(米川正子 立教大学特任准教授・元UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)職員)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/87002

以下、ハンロン先生からのニュースです。

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@Verdade says military
'may be preparing'

attack on Dhlakama

There are now more than 1000 heavily armed soldiers in the centre of Mozambique, who "may be preparing an offensive against the headquarters of the Renamo leader", Afonso Dhlakama, reported @Verdade last night. In particular, the military has reinforced its control of the Gorongosa airstrip, "and is ever closer to controlling the region of Santujira, where Afonso Dhlakam has been living since October."
http://www.verdade.co.mz/newsflash/37911-soldados-das-fadm-proximos-de-santujira-rio-tinto-parou-exportacao-de-carvao

COMMENT: This report is not confirmed, but @Verdade on-line and on Twitter has been accurate and early in its reporting of attacks and military incidents in the centre of the country. jh

More attacks on EN-1
but fewer convoys

There were two further attacks Monday evening on the main north-south road (EN-1) between the River Save and Muxunge, despite a heavy military presence and traffic moving along the 100 km segment of road only in military convoys, and only during daylight. The attacks occurred at 1600 and 2100; vehicles were damaged but there were no injuries. In the second attack, shooters were in three different positions along the road, reports O Pais. (http://www.opais.co.mz/index.php/politica/63-politica/25942-renamo-intensifica-ataques-a-colunas-de-viaturas-entre-muxungue-e-rio-save.html)

In effect, the military has admitted its inability to protect traffic, and has cut the number of convoys from five to two in each direction. It is also using a light plane to look for guerrillas in the bush along the road. (Noticas 27 June).

There were no reports of attacks Tuesday or Wednesday.

COMMENT: These attacks should be put in context. Germany has just arrested a man who has fired 762 shots at motorway traffic over more than five years. The police had huge difficulty finding him, and last year even offered a 100,000 Euro reward. (http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-23045280)

New army head

Graça Chongo was yesterday named head of general staff of the military (Chefe do Estado-Maior General das Forças de Defesa de Moçambique, FADM). He replaces Paulino Macaringue, whose five year term should have ended in March.

Former Renamo guerrilla Olímpio Cambona was reappointed for another five year term as deputy head of general staff.

Macaringue has probably been blamed for the military's lack of preparation for the incidents over the past months.

Rio Tinto stops shipments

Faced with falling coal prices and widespread reports that it is trying to sell its coal operations in Mozambique, Rio Tinto has stopped coal shipments, blaming the security situation. Rio Tinto has denied very widespread reports that one of its trains was derailed in Doa, Moatize, Tete following sabotage of the railway line.
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by africa_class | 2013-06-28 03:11 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

プロサバンナ事業形成の背景(国内要因)の加筆(国際開発学会企画セッション発表要旨)

プロサバンナ事業の形成の背景における国内要因の分析が甘かったので、いくつか新たな資料を踏まえて分析し、5月末から6月にかけての各種学会での発表に活用した議論を掲載しておきます。そのうちまたPPTを掲載しますが、今英語論文で手一杯なので、それまではこちらをご覧ください。

過去のPPTはこちら
■PPTofプロサバンナ事業に関する分析・報告一挙掲載
http://afriqclass.exblog.jp/17362546

なお本企画セッションは大変盛況のうちに終了しました。
大会参加者230名のところ、一般も含め220名が参加して資料が足りなくなるほどでした。翌日の継続ディスカッションの方も30名近くの皆さんに駆けつけていただき、活発な議論ができました。心から感謝します。

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企画セッション
原発事故から2年、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)年に問い直す開発と発展
「アフリカにおける経済成長と内発的発展~グローバル農業投資と農民主権」

●報告者 (座長:大林稔)
1.「311以後の東北農業~農民を根なし草にしようとする政策と抵抗する農民」(谷口吉光、秋田県立大学生物資源科学部)
2.“Legal and Ethical Implications of Land Grabbing"(アンドレアス・ニーフ、京都大学)
3.「農業投資と農民主権~種から考える」(西川芳昭、龍谷大学)
4.「農業開発援助と農民主権~モザンビークを中心に」(舩田クラーセンさやか、東京外国語大学)
●コメンテイター 熊代輝義(JICA農業農村開発部長)/ 西川潤(前国際開発学会会長)

【主催】TICAD市民社会フォーラム(TCSF)有志・大会実行委員会【共催】宇都宮大学国際学部附属多文化公共圏センター 【協力】JASID「原発震災から開発・発展を考える」研究部会

【要旨】「農業開発援助と農民主権~モザンビークを中心に」
東京外国語大学 舩田クラーセンさやか
キーワード:プロサバンナ事業、セラード開発、責任ある国際農業投資、熱帯サバンナ、土地収用

1. はじめに
「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム(プロサバンナ)」を事例に、グローバリゼーション下アフリカにおける農民主権の課題と日本との関係を浮彫りにする。

2. プロサバンナ事業に至るまでの背景
(1)外務省による「食料安定供給」と国際プレゼンス向上の試み
日本政府は、1973年のオイルショックと米国の大豆禁輸を受けた食料供給不安への対応として翌年に合意され、1979年来本格的に実施されたブラジル・セラード農業開発(PRODECER)から30年近く経った2008年、食料価格の高騰と穀物生産国輸出規制に直面し、自民党内に「食料戦略本部」を立ち上げる一方、外務省経済協力局内に担当をおき、「確実な食料確保」の対応策を検討し始めた(NHK 2010)。当初模索されたのが、「海外での土地収用・リースを含む農業開発」であった(外務省2009a)。外務省は農水省と共に、「食料安全保障のための海外投資促進に関する会議(海外農業投資促進会議)」を発足させ、2009年8月には、「国民への食料安定供給のため、国内農業生産増大を基本としつつ、国土条件の制約から必要な輸入はその安定化・多角化を図る」と述べ、「世界全体の農業生産の増大、農業投資の拡大が急務」で、「海外農業投資(生産、集荷、輸送、輸出)」促進に官民が一体となって取り組む必要があると表明する(外務省2009b)。

同会議で先駆事例とされたのがセラード開発であった。ただし当時と異なり、政府や日系入植者ではなく企業が前に出て、政府は後方支援をする手法が重視された。しかし、企業が消極的だっただけではなく、「土地争奪」「新植民地主義」との国際的な批判を避けるため、外務省は、①「良い投資」と「悪い投資」を分ける国際合意を作り、②「良い投資」増大を促進するとともにその手本を先陣切って示し、食料確保だけでなく国際的プレゼンス向上に努めようとした(NHK 2010; 麻生2009)。

以上を踏まえ、2009年7月G8ラクイラサミットに向けた麻生太郎総理寄稿文で、「規制的なアプローチは良い投資を抑制する可能性があり望ましくない」、「持続可能な未来の唯一可能な解決策は投資」と表明した(麻生2009)。さらに外務省は、同サミット首脳声明に、①国際農業投資の原則、②ベスト・プラクティスに関する共同提案の策定を入れ込んだ(NHK 2010; G8首脳宣言2009)。そして同年9月23日、国連総会時期のニューヨークで「責任ある国際農業投資の促進に関する高級実務者会議」を主催し、世銀提案の「責任ある国際農業投資(RAI)七原則」について31か国(主として穀物の大規模生産・輸出国)の承認を取り付けた。中身は麻生(2009)とほぼ同様で、規制を排除し、「受入国政府、現地の人々、投資家の3者の利益を調和し最大化を目指す」とした(外務省2009c)。

(2)「熱帯サバンナ」への注目とブラジル・セラード開発を「先駆事例」とする動き
一方、②の「良い投資の見本」として日本政府が提示したのが先述セラード開発事業であった(麻生2009)。その背景には、「先祖返り」という側面以外に、2つの潮流があった。まず、2005年に本格的に「国連改革」を目指した外務省のブラジルへの接近である。同省はインド・ドイツとも連携していたが、強力なパートナーとしてブラジルに注目し、移民100年を祝う2008年の「日本・ブラジル交流年」に向けて「戦略的パートナーシップ再活性化」を企図していた。2007年には、JICA理事長と伯外務大臣との間で「日伯パートナーシッププログラム」推進が合意され、麻生外務大臣の同国問時には同「再活性化」が確認された。2009年サミットにおける麻生総理とルーラ伯大統領の「アフリカ熱帯サバンナ農業開発」合意は、これを受けたものであった(舩田クラーセン2013)。

もう一つの潮流は、世銀を中心とするものであった。同行はサミット直前(6月)、商業的農業の必然性を説く一方、「ギニア・サバンナ」6億haの内4億haが農適地であるが10%しか耕作されず投資と開発が可能と発表する(WB 2009)。同じくJICAは、「アフリカには熱帯サバンナの5割が集中し広大な未利用農業適地が存在。世界は新たな食料生産・輸出基地を求める(JICA, 2009年6月30日)」との認識を示した。両者の手本とされたのが、「熱帯サバンナ農業開発の成功例・セラード開発」であった(*セラード開発は、ブラジル学術界・市民社会・農民運動によって強く批判されてきた。これも取り上げる)。  

この考え方は、「日伯協働によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発事業(JICA 2009年5月25日)」にも示されるが、NYでの「実務者会合」に向けてアフリカ側対象国の確定と合意が急がれた。そして、「良い投資の見本」「日本の協力」「アフリカ熱帯サバンナの農地転用」等の言葉の先にターゲットとされたのが、ブラジルと同じ葡語国モザンビークであった。同会合5日前という日程で、プロサバンナ事業は三政府により調印されるが、この急がれたプロセスの中で繰り返しされたのが、ブラジル・セラードとモザンビーク北部の「農学的な多くの共通点(JICA, 2009年6月30日)」「類似性」であった。

しかし、「熱帯サバンナ」とは、その一般的イメージ「草原サバンナ」ではなく、乾季雨季が明確に分かれた気候帯のことを指し、一定の雨量があるため農業に適しているが、多くの場合セラードと同様「森林サバンナ」地帯であった(Distributed Active Archive Center for Biogeochemical Dynamics)。また、事業対象地のモザンビーク北部地域は、土壌の酸性が強く人口が少ないセラードの特徴と異なり、最も肥沃で水資源に恵まれ、農業生産が盛んで人口が最多(全人口の4割)であった(舩田クラーセン2013)。モザンビークに在外公館・JICA事務所が設置されて10年も満たない2009年、地域社会や農業の十分な知見も経験も蓄積がないまま、合意後半年間準備調査を行っただけで、「モザンビーク北部1400万ヘクタール(日本耕地面積の3倍)を対象に、中小農民40万人に直接、360万人に間接の裨益」と喧伝される巨大事業が、食料価格高騰・G8サミット・国連総会を経て、始動したのである。

3.モザンビーク農民組織、市民社会からの異議申し立て
合意から数年が経過した2012年4月、日伯の官民連携ミッションのモザンビーク北部訪問前後から、現地社会や国際社会で同事業への疑義が表面化し始める。この頃、ブラジルのアフリカへの積極的な進出が顕著になり、鉱物開発企業を筆頭にアグリビジネス界も活発な動きを展開する。このゲートウェイとされたのがモザンビークであった(Schlesinger 2012)。前年に同地を訪問し、安価で環境規制の緩いモザンビーク北部の肥沃な土地に熱狂したブラジル綿花業界関係者だけでなく(Reuters 15 Aug. 2111)、前述ミッションのブラジル側団長ニシモリ議員の「プロサバンナ事業は土地不足の伯国の若者が近代農を大規模展開するための事業」との説明が(議会TV 27June2012)、モザンビークの農民組織や市民社会、国際NGO等に危機感を抱かせるようになる。これらの組織は、3か国の関係者に聞きとり調査を行い、JICAなどに説明を求めたが懸念を一層深め、2012年10月には、同国最大の農民組織UNACが、「不透明で、農民組織を排除するトップダウン事業」「農民の土地収用イニシアティブ」と、プロサバンナ事業を批判する声明を国内外に表明した(UNAC 11Oct.2012)。

UNACは、同国に経済自由化の波が押し寄せた1987年に、農民が自らの権利を代表・擁護し闘うため結成され、現在全国8.6万の農民と2200農民組織が加盟する。同連盟は、農民の土地占有権(DUATs)と慣習法的権利の両方を重視する1997年土地法の制定に多大な役割を果たした(Negrão 2003)。UNACはJICA報告書でも主要農民組織として紹介されるが(JICA 2000)、JICA担当者らは同連盟への理解がないばかりか、「一団体/一部に過ぎない」と繰り返してきた(NGO・外務省意見交換会)。

本年4月には、モザンビーク4団体を含む世界23団体・1国際ネットワークが、マスタープラン中間報告を入手し分析した結果、次を警告した。①真の目的は大規模土地収用に道を開くこと、②地元移動農法「撲滅」が喫緊課題と断定、③「定着農・近代農」に転じた農民にDUATs付与、④どこで誰が何を作るか指定するゾーニング案を有す(JA et al.29Apr.2013)。投資のため、地元農民の主権と営みを著しく侵害する計画と指摘されている。確かに同報告は、権利侵害の抑制効果がないRAIを重視し、企業の土地収用を確実にする抜け道を多数用意している(ProSAVANA Report 2)。前節で示した「農業投資が唯一の処方箋」「投資家は現地の人々と対等」「規制排除」が顕著に表れた計画といえる。

4. おわりに
2008年以降の日本政府の認識や動きが、どのような国際潮流や外交、援助事業に結びつき、ODAとして展開する中で、農民主権を阻害する可能性を広げていったかを明らかにした。討論では、これが日本社会・市民の「食」「農」「農的営み」に対する無関心さに基因している点についても論じたい。

【参考文献】●麻生太郎(2009)「食料安全保障の永続的な解決」、●NHK取材班(2010)『ランドラッシュ』新潮社、●外務省(2009a)「海外投資促進に関する指針」、●外務省(2009b)「官民連携モデルのイメージ」、●外務省(2009c)「責任ある国際農業投資の促進に関する高級実務者会合」、●JICA (2008)『南部アフリカ地域援助研究会報告書』、●G8首脳宣言(2009)、●舩田クラーセン「 変動する世界における経済成長至上主義の席巻と内発的発展」近刊、Negrão, José (2003) “A Propósito das Relações entre as ONGs do Norte e a Sociedade Civil Moçambicana”、●Schlesinger, Sérgio (2012) “Cooperação e investmentos internacionais do Brasil”. ●WB (2009) “Notes: Africa’s Sleeping giant: prospects for commercial Agriculture in the guinea Savannah Zone and Beyond”.(詳細配布)
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by africa_class | 2013-06-21 23:53 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

今新日鉄住金が進出し、日本援助が支援するナカラ回廊PJの先っぽテテ州で起きていること

団体のブログにも掲載しておきましたが、本当の本当に心配な状態です。こういう投資や事業に、日本が関わっていく日が来ると私自身十分な自覚がありませんでした。

「我々のための食料・資源」・・・が、今新たにアフリカで何をもたらしているのか?しっかり目に焼き付けてください。あまりにモザンビークに関わっている日本の人が少ないところから生じた、このような事態に、自分の力不足を感じています。もっと沢山の人が見張る必要があります。

プロサバンナでいそがしくてこちらのニュースはほどほどだったのですが、新日鉄住金の進出先は、この間ずっと問題になっているブラジルの鉱物資源開発会社ヴァレとリオ・ティント社のすぐ境界線にある場所でした。すでに進出先となっているRevuboe鉱区のウェブサイトに詳細が掲載されています。

■新日鉄住金が進出するRevuboe鉱区のウェブ
http://www.revuboe.com/home
The Moatize Basin in Mozambique is the leading emerging coking coal province in the world. Our Revuboè Coal project in Tete province is bordered by both Rio Tinto's Benga and Zambeze projects and Vale's Moatize project.
そこでは、コミュニティとの合意によってのみ開始と書いてあります。
http://www.revuboe.com/community
Construction of the mine camp commenced only after the blessing of local traditional and government leaders and with the endorsement of the local communities.

しかし、今起きている事態は、そのような「合意」の範囲を超えていることです。これは、以下の地図を観れば一目瞭然でしょう。

■Human Rights Watchの報告書のリリース文にある地図
http://www.hrw.org/news/2013/05/23/mozambique-mining-resettlements-disrupt-food-water

テテ州の地図・・・大部分が鉱区に分割されています・・・。
a0133563_22484533.jpg

問題のモアティゼ郡(ヴァレ、リオティント、新日鉄住金の進出地)
a0133563_22543653.jpg


黄色がすでに鉱区として承認が降りている区画。
紫が現在承認プロセス中の区画。
緑がリザーブです。

そこには人びとの暮らしや、土地への権利が上からのメガプロジェクトによってなかったことにされている様がはっきり映し出されています。

この問題については過去の記事でも繰り返し投稿してきました。
実態調査を行ったHuman Rights Watchの報告書が一番包括的なのでそちらをお読みください。タイトルが象徴的です。「食事のない家とは?:モザンビークの炭鉱ブームと住民移転」(2013年5月23日発表)

■“What is a House without Food?”Mozambique’s Coal Mining Boom and Resettlements
http://www.hrw.org/node/115535
Many of the 1,429 households resettled to make way for Vale and Rio Tinto’s international coal mining operations in Tete province, Mozambique have faced serious disruptions in their access to food, water, and work, Human Rights Watch said in a report released today

これを報じた日本のメディアは唯一、朝日新聞だけでした。
■朝日新聞の記事(2013年5月29日)
「(アフリカはいま)眠れる大地、「緑の実験」 モザンビーク穀倉化計画」
←http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY20130528067

紹介したようにNHKクローズアップ現代は、隣のマダガスカルの問題を報じているものの、番組ないではまったくこのことを取り上げないまま、ナカラ回廊の開発の重要性と日本の援助の素晴らしさを強調していました。もちろん取材チームは、テテで起きている事態を知っていました。
■NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)
http://afriqclass.exblog.jp/17873533
■同放送は全部文字お越しされているので以下でご覧いただけます
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3356.html#marugotocheck

その他の整理については、モザンビーク開発を考える市民の会のブログにも掲載済みですが、こちらにも転載しておきます。

■鉱物資源の宝庫テテで何が起きているのか?
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-37.html

日本の新日鉄住金も進出しているモザンビーク北西部のテテ州で、ブラジル鉱物資源企業と住民の衝突に端を発する政情不安が続いています。ついに、元反政府ゲリラが動き始め、7人の警察が攻撃され、鉄道封鎖される可能性が出ています。政府軍も動き始めつつあります。

なお、今回問題になっているリオティントとヴァレのすぐ境界線にある鉱区が新日鉄住金の鉱区です。したがって、現在起きている事態と無関係ではありません。

これらはすべて、住民不在の急いだ大規模投資の帰結です。
ついに、軍事衝突に備えた大量の武器輸入を政府が開始しました。
平和をも不安定化させる投資。
それを後押ししている現在の日本の援助や政策も、問い直されるべきものです。
住民の犠牲の上に呼びこまれる大規模投資と援助の問題が、再びアフリカ、そして日本で問われています。

そもそも問題は、
(1)農民から広大な土地を奪ったこと、
(2)補償をちゃんとしなかったこと、
(3)政府が住民の側ではなく企業の側に立って抑圧的な行動をとっていること、
(4)投資が住民の生活向上に役立っていないこと、
(5)政権関係のごく一部だけが豊かになっていること、
への広範な不満が人々の間であることによります。

そして、このような状態を知らぬままに、回廊プロジェクトと称してこの地域に入り込もうとする日本の援助・企業の問題(ナカラ回廊プロジェクト、プロサバンナ)からも、他人事ではありません。

このような事態を繰り返し、警告したにもかかわらず、日本はTICAD Vに際し、モザンビークの現政権と二国間投資協定を締結してしまいました。
■日・モザンビーク投資協定の署名(2013年6月1日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page5_000168.html


■日経新聞(2013年4月4日)
モザンビーク炭鉱の採掘権取得 新日鉄住金・ポスコなど
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0407E_U3A400C1TJ1000/
 新日鉄住金は4日、同社や韓国ポスコなどが共同で計画しているアフリカ南部モザンビークでの炭鉱開発について、現地政府から3日付で事業化に必要となる採掘権を取得したと発表した。今後詳細な事業計画を詰めて開発に着手し、2019年には鉄鋼原料炭で年産500万トンのフル生産体制を目指す。
■産経新聞(2013年4月4日)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130404/biz13040413450009-n1.htm
推定石炭埋蔵量は約14億トンで、製鉄に使う原料炭年約500万トンの生産量が見込まれている。このうち新日鉄住金グループは、年間輸入量の6%程度に当たる年約170万トンの原料炭を確保する見通し。

■新日鉄住金の進出先のRevuboe鉱区の情報
http://www.revuboe.com/home
The Moatize Basin in Mozambique is the leading emerging coking coal province in the world. Our Revuboè Coal project in Tete province is bordered by both Rio Tinto's Benga and Zambeze projects and Vale's Moatize project.

この住民との衝突については、以下のようにまとめられます。
①2008年に同地に進出したVale社によって、5000家族が土地収用された。
②これら住民は、立ち退き・移転のプロセスや補償内容、その結果生じた生活苦について異議申し立てを2009年末から継続。
③その抗議の一環で、Vale社への補償内容見直しを求めるが拒否。再度の対話を求めて、道路封鎖。
④しかし、警察が強制排除を行い、住民が逮捕。その釈放を求めた住民が牢屋に集結。
⑤警察がついに催涙弾やゴム弾などを使って住民に発砲、負傷者が出た。
⑥警察はそれを否定。

これに関する代表のブログ記事
■続報:ブラジルVale社炭鉱の土地収用&移転への住民抗議のその後
http://afriqclass.exblog.jp/17653555/
■モザンビークで、ブラジル鉱物資源会社Valeの炭鉱道を住民が封鎖、警察が発砲3名負傷~市民社会の声明
http://afriqclass.exblog.jp/17644029/
■「ブラジル鉱業企業と地元住民の土地紛争:「死んでもここを動かない」
http://afriqclass.exblog.jp/17432081/
■「ビルマでの援助と土地収用とプロサバンナ問題」
http://afriqclass.exblog.jp/17288876/

Human Rights Watchの報告書
■Mozambique: Mining Resettlements Disrupt Food, Water:Government and Mining Companies Should Remedy Problems, Add Protections
http://www.hrw.org/news/2013/05/23/mozambique-mining-resettlements-disrupt-food-water
関連の記事
■Miners Vale, Rio Tinto accused of neglecting displaced Mozambicans(2013年5月23日)
http://www.reuters.com/article/2013/05/23/us-mozambique-mining-idUSBRE94M08D20130523


そして、ついにこれに乗じて、1977年-92年までモザンビークに戦争をもたらしたRENAMO(反政府ゲリラ)・現最大野党が、テテに焦点を合わせ始めました。

■Mozambique's Renamo threatens to paralyse vital coal railway
http://www.reuters.com/article/2013/06/19/mozambique-renamo-idUSL5N0EV1SD20130619
■Mozambique: Renamo Threatens to Block Road and Rail Traffic in the Center of Mozambique(2013年6月20日)
http://allafrica.com/stories/201306201160.html

テテは、日本の援助事業(ナカラ回廊プロジェクト)の西端にあたる地域であると同時に、プロサバンナとも関連づけられています。現地では、次のような問題提起がされています。

■UNAC全国年次総会声明文(ProSAVANAも、鉱業メガプロジェクト、大規模植林とともに批判されています)
http://afriqclass.exblog.jp/17790286/

2013年は地方都市選挙、来年は大統領選挙です。
激しい戦争を経験したこれらの地域では、かなり社会内部で不満が高まっています。

これにレナモは便乗しているだけという側面も確かにありますが、実は社会の広い範囲で現政権に対する批判や不満は広がりを見せています。「現政権を全面的に応援」しているように見える日本政府や企業にも、厳しい目が注がれるようになりつつあります。

これに対して、「反政府だ!」と揶揄する動きが、援助関係者の間であるといいます。
しかし、それはあまりに社会のことを知らないレッテル貼りであり、それほど社会について知らないままに「役立つ援助をしている」と自負するのは、大変残念なことです。

今問題提起している人や団体の多くが、与党の長年の支持者・支持基盤であることは、現地で周知の事実です。これは、長年にわたり政権与党の基盤であった医療関係者の何十日にも及ぶストライキに示されていますし、与党とともに歩んできた最大の農民組織・全国農民連盟UNACの以上の声明にも示されています。

この点についての記事
■援助関係者の間で実しやかに囁かれるウソ:現地からの声を理解しよとせず、抑圧側に立つ人達
http://afriqclass.exblog.jp/17943791

そして、ついにこのような事態に。
■Seven soldiers killed in Mozambique weapons store assault(2013年6月18日)
http://www.reuters.com/article/2013/06/18/us-mozambique-attack-idUSBRE95H0SN20130618
■Imports of military equipment
http://allafrica.com/stories/201306201160.html?page=2

日本の私たちが共に目指したいのは、誰ともどのような未来でしょうか?
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by africa_class | 2013-06-20 23:20 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

援助関係者の間で実しやかに囁かれるウソ:現地からの声を理解しよとせず、抑圧側に立つ人達

TICAD Vも終わり、ひと段落・・・のはずではあるものの、その後国際コモンズ学会や、講演会や、国際開発学会や・・・なんやらでなかなか落ち着かない日々。先日は研究員となっている京大での大学院ゼミに出席させていただき、とっても刺激を受けました。教育にはいろいろなアプローチがあるので、勉強になります。

さて、明日はテレビの収録で東京に行きますが、気になる一言を耳にしたのでこれだけは書いておきます。
3政府宛の公開質問状を持参したモザンビーク農民組織や市民社会プラットフォーム代表の、身の危険を知っての直訴に、未だに反省することのない政府や援助関係者の酷い言葉の数々に、心底驚いています。

まず第一に、彼らがこのような抗議によって得られる個人的メリットは何一つありません。現地では、むしろ政府等による監視の目が強まり、既に様々な脅迫行為や、評判を落とすための操作が繰り広げられています。

今、モザンビークで起きていることを御存じでしょうか?
今年地方選挙、来年に大統領選挙を控える一方、鉱山地帯での住民との衝突、野党の武器を持ったままの山籠もり、医療関係者の20日に及ぶ一斉ストライキに直面して、現在基盤が揺らぎつつある現政権は、野党の強い北部での支持確立を目指したプロサバンナ事業での批判を抑え込もうと本気になりつつあります。

2005年以降「資源の呪い」の国へと邁進してきた現政権は、ついにその仕上げの段階に到達し、ごく一部の国家利権を切り売りして大儲けした人達と大多数の人びとの間で、数々の軋轢を招いています。

そんな中、モザンビーク最大の農民組織(2222組織の代表)、北部中心地であるナンプーラ州120団体の代表を始めとし、主要な農村組織や宗教組織、市民組織23団体が、なぜ「大統領プロジェクト」に対して危険を顧みず異議を唱えているのでしょうか?

■【公開書簡】モザンビーク23団体から3か国首脳への「プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡(2013年5月28日)」発表
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html

独立後のモザンビークの歴史で、このような事態は初めての出来事です。1975年から94年までの一党支配体制、複数政党制導入後でも引き続き政権を担った現フレリモ政権に対して、これほど裾野の広い社会組織が異議を申し出ているのは、他に経験がないことなのです。

そして、このような事態を招いたのは、日本政府やJICAの一部の人達の「ブラジル・セラード開発の成功!」を信じて疑わない過信と、アフリカへの野望と思いつきによる帰結なのです。本当に心が痛いです。

にもかかわらず、異議を唱えたくて唱えているのではなく、社会を守ろうと自らの身を投げて守ろうとする人びとに対して、依然として次のような言葉が援助関係者の間で実しやかに囁かれているといいます。

■神話1:「UNACは一部の農家の方々を代弁しているにすぎない」
■神話2:「UNACは、当国野党勢力との結びつきが強い団体」

事実誤認もいいところですが(このブログの読者なら既に私が繰り返し書いているので分かると思いますが)、重要な点は、自らのやり方への反省が述べられることがないままに、現地の人々の切実な命を掛けた問題提起そのものを、外部者に過ぎない援助者らが「問題」と捉える傲慢さが依然続いています。

人は誰でも、どんな入念な計画でも、どんな事業でも、過ちを冒すものです。
当事者から異議が出ることは否定されるべきではなく、むしろ事業が大規模に行われる前の問題提起は感謝されるべきもの。当事者のレッテル貼りをすることで、問題を矮小化しようというメンタリティが、日本の援助関係者の思考パターンの問題を露呈しています。

自分たちは感謝されるべき存在であり、問題は自分たちではなく、外から、あるいは一部の偏った人達からやってくる・・・・。とても「上から目線」の恥ずかしい姿勢です。「参加型開発」などといいながら、「開発に参加させてもらっているのは自分」ということへの気づきがない。

さらには、事実関係を調べもしないで、「援助業界で実しやかに囁かれている自己弁護のための神話」を繰り返し唱えて満足し、それを周りに流布する始末。。。こんなことにいちいち関わりたくないのですが、モザンビークの人びとの日常や将来の権利が奪い去られるかもしれぬ瀬戸際を作りながら、さらには人々の想いまでもがこのような形で、自己正当化のため「援助者」を名乗る人達に踏み躙られる事態に、書かずはいられません。何より、モザンビークに関わる人が少なすぎる中で、「知らないことは知らない」というべきなのに、小耳にはさんだ「噂話」や「思い込み」を調べもせずに信じ込んで言い触らすのは、あまりに悪質です。

こういう方にこそ、来日された人達の話に耳を傾け、その場で反論なり対話なり質問なりをしてくれると良いのですが、そういう努力すらされないで「自分は正しい」というのはとても残念。。。日本の援助関係者は、いつもこんな風に当事者の人達への謙虚さを持ってこなかったのでしょうか?

政府とやてれば、自分たちの言い成りになる対象とやってればいい?

さて、面倒ですが以下の点。
■神話1:「UNACは一部の農家の方々を代弁しているにすぎない」
■神話2:「UNACは、当国野党勢力との結びつきが強い団体」

■神話1:「UNACは一部の農家の方々を代弁しているにすぎない」
人類の歴史において、全員を代表する組織などもちろん存在したことはありません。あったのは、全体主義の時代です。それでも見かけ上の、恐怖に基づく支配。当然ながら、全員を代表などしていません。現在の議会制度も、政党政治も、モザンビークに限らず、この日本でも「代表性」「代弁性」について課題を有しているのは、私たちが一番理解しているべきことです。

先日公園の緑を伐採してまでの道路工事で揺れ動く東京都小平市。同市長はたった30%台の投票率の市長選挙で当選した市長。同市の有権者の2割程度にしか投票されていない。しかし、その市長が、道路工事の是非を住民投票にかけようという主張に基づいて行われた住民投票を、自分の選挙と数パーセントしか差がないほどの投票率を達成したのに、5割に満たないので民意に沿わないと開票すら拒んでいる。

「ごく一部」という言い方は、このように恣意性を持った言葉であり、権力側が使う時には注意が必要であることについては、全体主義とそれによる戦争を経験した日本の我々にとって、歴史的教訓なのではないでしょうか?

そんなレベルのことではなく、そもそも今回の公開書簡は、UNACだけのものではありません。北部地域の農民組織の主要な団体や宗教組織、地域組織の23団体が起草・署名しています。そこのことの事態の大きさを、まだ理解していないとすれば、そして「UNACが問題なのだ」と言い続けている限りは、現地の反発はますます広がるでしょう。

実際、今回これほど多くの組織がとても短い期間に署名した理由こそが、繰り返される「一部の声にすぎない」「・・・・だから問題なし」「UNACは反対しているわけではない」というかってな総括・・・等のこれまでのJICAを含むProSAVANA関係者の自己正当化に心底腹を立てた結果だったと聞いています。

その前提の上で、UNACについて語るならば、そもそもUNACは「一部の農家を代弁」ということを超えた団体です。今、法制度的に農民たちの権利をどこよりも守っている1997年土地法は、UNACの尽力で成立したものです。この土地法は、「世界で最もProgressive」という触れ込みのもので、農民の耕す権利を何より重視したものです。ただ抜け穴があり、それを現政権関係者が多用してしまったために土地紛争が起きているのです。UNACが守ろうとしているのは、一部の利益や団体の利益などではなく、全モザンビーク農民の利益であり権利であり、ProSAVANAはそれを奪う第一歩になると考えているから身体を貼っているのです。

本来ならば、援助機関や援助者は、特に「小農支援」を口にする者は、このような団体こそを尊敬し、応援すべきではないのでしょうか?

そしてこれはこのブログの読者にいうまでもないことですが、モザンビーク政府が自ら選び、今年4月に唯一「現地農民組織代表」として連れてきた団体こそが、UNACの下部団体でした。政府代表としてきてなお、いやきたからこそ、この事業の問題に気づいたといいます。

勿論、ProSAVANAへの反対を抑えるために、「賛成する団体もある」というために、現地では既に融資やなんやらを配布しています。そのバラマキを歓迎する人達もいます。日本の公共事業と同じ手法が、つまり事業への反対派切り崩し、賛成派増やしのための地域社会の分断が堂々と行われているのです。

他方、マスタープランは未だでProSAVANAは始まっていないのに批判するのはおかしい・・・などと、これまた実しやかに日本の援助関係者は述べます。しかし、メディアが訪問するというと、このような融資先などに連れて行ってJICAへの感謝を述べさせる・・・本当に恥ずかしいです。

このような分断工作や操作こそが、彼らが今回ProSAVANAの緊急停止を言わざるを得なかった理由といいます。つまり、彼らではなくProSAVANA事業者らが、自分でまいた種、もたらした混乱なのです。そのことへの自覚は、「一部にすぎない」という総括から完全に抜け落ちている・・・ここが一番問題だと思います。

自ら「賛成派」を創り出し社会を分断しながら、「反対は一部にすぎない」と総括する・・・・現地の人々からみたら本当に罪深いです。今回、現地のカソリックの司教様たちのグループが立ち上がった理由もこれですが、そのことすら理解できないのでしょうね・・・これも「誰かの入れ智恵」とかいうレッテルを張るのでしょう。

それほどまでに、現地の主要アクターらとのコミュニケーションが不可能ということの証左。
「あげる」という行為を介さない生身の本音のやり取りが出来ていないことが露呈。


■神話2:「UNACは、当国野党勢力との結びつきが強い団体」
書くのも嫌気がさしてきました。
このようなレッテル貼りの根拠、あるいはレッテル貼りをする意図はなんでしょうか?
UNACほど現政権FRELIMOの「出所」「精神的支柱」を明確に体現している組織は、もはやモザンビークに残っていないほどです。

こういうことを書くのすらばからしいのですが、なぜかというと、UNACの人達に接すれば彼らが何者かすぐわかるので、、、、でもどうも分からないようなので書いておきます。

UNACのメンバーの多くは、現政権の多くの人と同様に、植民地解放戦争を戦った人達です。代表のマフィゴさん自身がそうであり、多くのメンバーの父兄・親族の多くが、やはり解放闘争の闘士でした。つまり、フレリモ中のフレリモ=UNACなのです。

それを「野党と結びつきが強い」とは、あいた口がふさがりません。
これは、モザンビークに関わる人ならだれでも知っている事実です。

つまり、人びとの権利のために国を解放したはずのFRELIMOが人びとの権利を守るどころか売り渡しているのであれば、野党化してしまったのは現政権なのです。この逆説性に、「政府=正しい」という刷り込みがはいった日本の人びと、あるいは日本の援助関係者には、理解不可能なようで・・・。

そんなことすら知らない、分からない人にモザンビーク農村開発に関わったり、現在の事業についてこんな風に語る資格もないと思うのは私だけでしょうか?

そもそも、別に野党と結びつきが強くても別に立派な社会組織である以上、なんの問題もないと思いますが?そもそも、事実ですらないのです。

彼らが何故この問題に敏感か?
そのことは、繰り返しシンポジウムやセミナーで述べていたので、参加されたら理解したでしょう。あるいは、このような思い込みの人達には無理だったでしょうか?

彼らは、独立は「国、人間の解放だけを意味したのではなかった。土地の解放を意味した」と繰り返し述べてきました。その言葉の深い深い・・・・・・・本当に深い意図を、今私たちが汲み取ろうとしないのであれば、何のため「支援」「援助」を口にするのでしょうか?

私たちは、やはり植民地支配する側のメンタリティーから解放されていない。
支配される側の想い、何のために彼らが武器をとってまで植民地支配から逃れようとしたのか、何の解放を意図したのか、そして21世紀の今、独立から40年近く経ったのに、なぜ彼らは再び日本に来て「植民地支配からの解放の意味」を声高に述べなければならないのか・・・・・・言い訳と自己正当化を肩からおろし、脇に一旦おいて、考えてみてほしいのです。

まだ遅くありません。

皆さんのいう「支援」の根底に眠る「コロニアル思考」から、今脱さないとしたらいつ逃れるのでしょうか?彼らが身を持って問題提起しているのに、私たちは耳を塞ぎ続け、それを踏みつけ続けてよいのでしょうか?

今問われているのは、「開発モデル」の話ではありません。
このような人としての尊厳を獲得するために、その尊厳ある人がようやく手にした生きるための基本的な権利を、他者が「経済成長」「支援」「開発」を掛け声に奪ってよいのか・・・という問いです。

月並みな一言ではありますが、耳をまず傾けてください。
講演会の様子は、もうすぐYoutubeにアップします。

鋭い問いが発せられる時、
それを封じ込める側ではなく、
耳をそばだてる側にいたいと思います。

一人でも多くの援助関係者の耳に、このことが届くことを望んでいます。
なお、私だって罪深き者の一人です。
また、至らない人間でもあります。
その反省の上で日々改善を試みています。

1994年の戦後直後のモザンビークで国連関係者として持ち込んだ数々のものについて、この20年間ずっと自分に問い続け、今に至ります。その間、対話してきた何百何千というモザンビークの人達に、そのオープンな、時に厳しい、時に温かい、一言一言に心から感謝しています。

人間は学び続けることができる生き物です。
学び続けることでしか、危険を回避できない、この地球や世界に君臨する生き物です。

学びましょう。
遅くありません。

他者による挑戦、自分の真摯な解体の先に、必ず自分の生きるべき道が広がっています。
それは、今よりもずっと意味のある、豊かな双方向性のあるものでしょう。

私はモザンビークの人達にそのことを教えられ、今でも感謝し続けています。
教えるなんてとんでもなかったのです。

それに気づいた援助関係者の方々に、実はこの2週間、励まされ続けています。このブログを読み考えてくれているといいます。この場を借りて感謝いたします。

この問題については下記に入れています。詳細はそちらを
http://afriqclass.exblog.jp/i38/
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by africa_class | 2013-06-13 22:31 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

農民に向き合えない農業支援とは(#ProSAVANAに関するJVC 渡辺直子さんの記事)

この間ずっと関わっているJVCの渡辺さんも同じような感想を書かれているので、ご本人の許可をいただき転載します。校正まえのものなので、現物はTRIAL & ERROR(JVCの月刊誌)をご覧ください。

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農民に向き合えない農業支援とは
南アフリカ事業担当 渡辺 直子
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■モザンビークから招へい
去る二月二十四日〜三月一日、日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるモザンビーク北部地域における大規模農業開発事業「プロサバンナ」に関連して、日本の市民社会の招聘で、UNAC(モザンビーク全国農民組織)の二名と同国の環境団体JA(Justica Ambiental) の一名が来日した。外務省やJICAとの面会や一般向けセミナーを通じて、彼らが語ったことをお伝えする。
現在、モザンビークでは人口の七割が農村部に暮らして自給的農業を営み、国内総生産の三割を生み出している。プロサバンナ事業の対象地域においても、家族的経営農業のもと主食のメイズや豆、葉物野菜や根菜類など様々な作物が収穫されている。「サバンナ地域」というイメージに反して雨も降ることから森林も豊富で、人びとは森林からも木の実や果実、動物などの多くの食料を得ている。
プロサバンナ事業は、こうした地域において千四百万ヘクタールという莫大な土地を開発し、輸出用大豆の栽培を目的とするものだ。当然のように小農の土地は収用され、森林も伐採されるだろう。事業を推進する側の外務省・JICAも、すでに対象地域の住民移転の可能性を認めている。そして現地の農民たちはこの事業に関する適切な情報にアクセスもできず推進プロセスに参加もできないことから、大きな不安を抱えている。

■「話を聞いてくれ、そして 参加させてくれ」
このような状況に対して、来日した三名が一貫して訴えていたのは、「事業実施に際して、まず自分たちの声を聞いてほしい」というごくシンプルで当たり前のことであった。こんな簡単なことを伝えるために、はるばる日本までやってこなければいけなかったのである。
外務省・JICA側は「地域の農民にはすでに情報提供しており、彼らは誤解している。プ
ロサバンナ事業はあくまで小農支援を目的としており、NGO側と考えていることは同じだ」と主張する。それではなぜ前述のような不安や互いの間の理解に齟齬が生じるのだろうか。
本件に関する「NGO外務省定期協議会」の議論の中で、外務省のとある担当官が「彼ら小農は〝貧しい〞。だから私たちは彼らを〝リッチ〞にしてあげたい」から支援するのだと発言しておられた。この発言のもとにある価値観の主語はあくまで「私たち」で、その視野にモザンビークの人たちが入っているとは考えづらい。こうした発言の根底には、「低投入な農業は低生産であるから自給的農業は貧しい」→「よって商品作物を栽培・販売させて収入を増やすのがいい」→「それこそがモザンビーク政府が進める『食料安全保障』にもつながる」という考え方がある。
しかし、農業とは本来「商品」ではなく「食料」をつくる営みであり、余剰を売るのが基本である。また、そもそも、「低投入=低生産」という考え方が必ずしも適切ではないことは、すでに世界中の有機農家やJVCのような活動によって実証されてきている。

■農の価値に向き合えるか
外務省のこうした考えに対して、UNAC代表アウグストさんは「私はここで何十年にも渡り土を耕してきた。この土地に何が合うのか、自分たちが何を栽培し、何を食べたいのかは我々が一番よく知っている。だからまず我々に何が必要かを聞いてほしい」と断言した。先の外務省の発言からは、モザンビークの小農自身および彼らの長年にわたる経験・知見に対する敬意が微塵も感じられない。これでは言葉が届かないのも当然だろう。
「いや、我々も農民組織とは対話している。しかしどの農民組織の声を聞くかはモザンビーク政府が決めることであって我々の責任ではない」という立場を取る外務省・JICA。対してUNACアドボカシー担当ヴィセンテさんは「あなたたちは本当にそう思っているのか?これは誰に責任や権限があるとかそういう問題ではない。人としてのモラル、人間性そして連帯の問題なのだ」と訴えた。
プロサバンナ事業が真に彼らのためのものであるというならば、現地の農民たちを取り巻く状況に真摯に目を向け、声に耳を傾け、ひいては彼らの農業における工夫や日々の営み、家族や仲間のために食料を生産する喜びや誇りをも視座に入れて事業を検討するべきではないだろうか。現地の農民たちに敬意を示し、あくまでも彼らを「主語」として支援の方法を考え、実施する。「農民主権」の視点においては、我々支援する側の人間性をも問われているのである。
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by africa_class | 2013-06-04 19:01 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

TICAD終了、モザンビークからの仲間たちとの1週間をふり返って&皆さんにお願いしたいこと

後数時間でモザンビークの皆さんが空港を出発されます。
この間皆さんと一緒にいて感じたこと、伝えきれなかったこと、これからについて書いておきます。

日本に来る前に北部地域で農村から農村、国中で様々なレベルでプロサバンナについての共同ポジション作りに尽力したUNACやその他のNGO、そ してCSOプラットフォームの皆さんは、かなりお疲れのまま来日し、来日後は朝から晩まで国会議員、メディアインタビュー、戦略会議、対外シンポ やセミナー・・・・と目まぐるしい日々でした。

さらには、3各国政府首脳への公開書簡の最終化が同時並行し、時差もあったため、ほとんど寝ないで 1週間が進みました。

■「プロサバンナ事業の緊急停止を求める」3か国大統領・首相への公開書簡
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
(日本の団体の賛同を募集中です。私にご連絡を。)

■取材記事一覧(日本語5記事・1番組/英語4記事)
日本語:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
英語:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html


前回も感じたことですが、私は彼らのコミットメントと諦めない姿勢、我慢強さと意志の強さ、一方で忙しさの中に周りをいたわる優しさや気配りに、学 ぶことの多い毎日でした。
自分の至らなさを多々感じる日々でもありました。
でも、そんな日本の私たちを包み込むような彼らに励まされることの多かった日々でした。

モザンビークの仲間たちの全員が、小規模農業のお蔭で学校に通い、ここまでやって来た人達です。
アントニオさん(ナンプーラ市民社会プラットフォーム代表&カソリック大学講師)は、私が長年通う村のご出身で、そこから大学の先生を生み出すの は並みの事ではないことは良く分かります。

彼は、ピーナツ畑を自分で耕して学校に通うお金を生み出し、その後は両親が畑で身を粉にして働いて大学まで行くことができたとおっしゃっていまし た。
ビセンテさん(UNACアドボカシーオフィサー)も同様です。
UNAC代表のマフィゴさんはいうまでもなく。

そのことを彼らがどれほど誇りにしているのか、だからこその強さなのだということを、私は十分伝えきれていないかったかもしれません。

「貧しい、飢えている、足りない」という言葉の持つ相矛盾する性格を、もっと気を付けて使わないといけないなと感じています。

アフリカの市民社会、NGOといっても、エリート志向の人も実際多いです。
でも、地域と人びとに根差した活動を、これほどまでに当たり前に基本とする皆さんと出会い、心の底から感激しています。彼らに出会う機会がなかった方々には、是非次の機会をと思っています。

彼らの闘いは「尊厳」と「命」をめぐるものです。
そして、モザンビークという国の「民主的な統治」をめぐるものです。
何より、モザンビークだけでなく、日本も含む世界の「正義」をめぐるものです。
私たち自身も、単なる「援助事業の少しばかりの修正」といった論理に陥らないようにしたいと思います。

皆さんにお願いです。
彼らはこの間ずっとモザンビーク内で脅迫と分断工作を受けています。
それでも勇気を振り絞って、来日されました。
私たちを信頼してのことでした。

公開書簡を出したことで、よりそれが強まって、彼らがこちらに来ている間ずっと、現地の仲間たちが嫌がらせを受けています。

私たちの税金で行われる「思いつき打ち上げ花火事業」が、あまりにトップレベルを巻き込んだものであるために、あまりにトップダウンでなされてき たために、そして「l巨額のカネが絡む」ために、自分のカネのためではなく、農民と社会と将来の世代のために頑張るモザンビークの良識ある心優し い、異議を唱える農民や市民組織のみなさんに命の危険と、社会分断を及ぼしています。

事業は未だ始まったばかりとか誤解などとJICAは反論しているようですが、既にプロサバンナ事業開始後、投機目的の土地収用がプロサバンナ対象 地で急速に企業によって行われているのは事実です。その中には、大統領のファミリー組織も含まれています。また、社会内部で分断が進んでいってい ます。私たちの税金、国際協力は、このようなもののために使われるべきだったのでしょうか?

彼らが帰国前にお願いしたのは、
①現地で声をあげる人達の安全を一緒に守る方法を一緒に考え、行動に移すこと、
②この問題に引き続き関心を持ち、情報を共有し、共に闘い続けること、
③一人でも多くの人にこの問題を伝えること、
④国民の8割を超える小規模農民の農業生産こそを国の中心政策とするための「家族農業支援国家計画」作りにモザンビーク政府が取り組むよう、 JICAや日本政府、日本の市民社会、ブラジルや世界の世論が盛り上げるよう協力すること
⑤外務省・JICAとの対話ルートをオープンにし続け、補強すること、
でした。

ボールは、納税者であり、有権者である日本の我々のところにあります。
日本の市民の皆さん、JICAや外務省、コンサルタントの皆さん、皆さん一人一人の責任です。

今なら未だ間に合います。
そこに暮らす圧倒的多数の8割を超える小規模農民の皆さんの権利を守り、彼らの自らの発展のため、私たち自身が変わりませんか?

JICA、外務省、コンサル、援助関係者の責任ある行動が求められています。

しかし、JICAは今回も相変わらず「Misunderstanding」という言い訳をしています。
命がけ公開書簡に対して、「誤解」はないと思いますが?

去年10月にUNACがプロサバンナ批判声明を出してからJICAがやってきたことはなんだったのでしょうか?講演会でも、NGOの意見交換会への質問状でも、メディアのいずれの報道に対しても、
「誤解だmisunderstanding」
という言い訳をし続けてきたのですが、さすがに何度も彼らと直接会って話をするようになって、そんなことを言う立場にも現状にもない・・・と思ったのですが・・・。

今回メディアが問い合わせた際のJICAコメントのすべてがこれでした。

(自分の目でご確認を)
日本語(6記事・1番組)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
英語(4記事)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html

つまり、あまりに何も変わらず、止むえず他にもやるべきことを沢山抱えた農民や市民社会の皆さんを、日本に来て訴えざるを得ない状況を生み出しながら、問題の核心を、自分の立ち上げた事業や手法に対してではなく、モザンビークの農民組織の問題にすり替え続けているのです。

そこには、真摯な反省も改善への努力も見当たりません。当事者である、命をかけた人達への思い遣りもありません。おそらく、モザンビーク農民組織や市民社会には聞こえないだろうと思っての発言なのでしょうが、このグローバル化の時代、彼らの耳にしっかり届いています。そして、彼らのJICAへの信頼感をずたずたにしています。そして、心を傷つけています。

そもそも、「協議がない、参加できていない」という批判には、
「ステークホルダー会議に出席していた」という反論。

「説明がない」という批判には、
「事務所にいって説明した」という反論。

なのに、いざ農民組織が公に非難声明を出したら、
「コミュニケーション上の誤解」?????

これらすべてを「やられる側」はしっかり目を見開いて眺めているという感覚がまったくないのでしょう。「やられる側」の厳しい目線というのを、どうしても日本の主流の人達は敏感に感じられない。ここまではっきり意思表明をしてもなお、「誤解」「反対とはいっていない」・・・という始末。

やはり、グローバル化時代のコミュニケーションの課題は、言語能力ではなく、人としての他者との関わり、社会との関わる能力につきる・・・と外国語大学の一教員としても再確認した次第です。いつもいってきたけど。

もちろん、日本的な、「処世術、組織防衛のための当たり障りのない公式見解」というつもりなのでしょうが、そんなの今日生きるか死ぬか、明日食べるものがあるのか?という日常を暮している人達に通じるわけもないのです。グローバルな仕事をしているはずの人達が、相も変わらず日本の処世術が通じると思っている(?)ところが、もう絶望的です。彼らを税金で支える意味はなんなのでしょうか・・・。

いい加減に、「人のせい」にするのをやめてほしい。
反省の地平からしか、新たな一歩を踏み出せない。
「緊急停止」という私も驚いた一言を彼らが命をかけて勇気を振り絞って書いた意味を、心の真ん中で受け止めてほしい。

皆さんにとっては一時的な「仕事上の担当」。これさえ上手くやり過ごせば、次はなんとかなる。そんな風に思っているのかもしれないですが、この姿勢そのものが、そこに暮らしている人達の運命をどこまでも左右するカギを握っておきながら、人として無責任な姿勢だと思います。

「国際協力」などという名称を使うべきではない行為だと思います。
そんな人達に私たちの税金を託して「国際協力」をお願いした覚えはありません。
どうしてもやりたいのであれば、自分のお金や自分が社会に呼びかけてやってください。自動的に、当たり前のように、私たちのお金を使わないでください。
(と考えるの私だけでしょうか?)

さて、いささか説教じみましたが、一般の皆さんは、是非以下にご協力を。

森下さんの記事を是非広めてください! 
Huff Post International (6月2日森下麻衣子)
TICAD V:モザンビークの人々から安倍首相に手渡された驚くべき公開書簡
http://www.huffingtonpost.jp/maiko-morishita/ticad-v_b_3373974.html
*開設以来最高の閲覧数になっています!

そしてコメントする場合は、是非参照すべきニュースソースを示して下さい。
「ふーーーん」で終わらないため、他のソースを是非紹介を。
以下、ソースがある場所を提案しておきます。

①日本では語られないセラード農業開発の問題について
(ブラジル・エコノミストによる分析、5月29日のPreTICAD国際シンポで発表されたパワーポイント)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-34.html
②日本・ブラジル・モザンビーク首脳宛「プロサバンナ事業の緊急停止を求める」公開書簡
(モザンビーク主要な農民諸組織、対象地北部のコミュニティ組織、宗教組織、市民社会組織23団体による)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
③来日中のモザンビーク農民組織や市民社会のインタビューの記事・番組一覧
日本語(6記事・1番組)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
英語(4記事)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html
④プロサバンナ・マスタープランに関する
日本の専門家分析:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-24.html
現地・世界の市民社会組織による緊急共同声明:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-21.html
⑤プロサバンナ関連資料・分析・声明一覧(アーカイブズ)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-18.html
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by africa_class | 2013-06-04 15:08 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【メディア一覧】日本語のみ

既に紹介したものもありますが、記録のために一挙掲載。
後2本ほど記事化されているものがあるそうですが、今は待機。

1. 新聞記事
■ 朝日新聞(アフリカはいま)眠れる大地、「緑の実験」 モザンビーク穀倉化計画 (2013年5月29日)
←http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201305280673.html

「貧しい農民、強制移転懸念」
「(前略)プロサバンナでは、農地として最低でも10ヘクタール以上の耕作面積が必要とされるが、モザンビークでは5ヘクタール以下の畑を持つ小農がほとんど。同国最大の農民組織UNACは、計画が進めば農民が強制的に移転させられるなどの恐れがあると指摘。さらに「農民が計画に全く関与できていない」と批判している。(略)対象地ナミーナの農家。「暮らしは決して楽じゃない。(略)政府は雇用も増えて生活も良くなるというが、違う土地に移転させられてまでは望んでいない。この年では農業以外できない。故郷を奪われるのだけはごめんだ」
「収入激減の例も」
疑心暗鬼になるのは悪い前例があるからだ。北西部テテ州のカテメ。豊富な石炭が周辺に埋蔵されていると分かり、2010年、700世帯以上の農家が40キロ離れた土地に移転を強いられた。最初は拒んでいたが移転を受け入れた農家によると、「農産物も増え収入もよくなる」と説明されたが、「実際に住むと説明とはまったく違っていた。農業に必要な水を引く川も近くにない。畑まで4時間も歩かなくてはならない」(略)収入が激減する農家が続出。去年1月には、500人以上が資源会社が使用する鉄道や道路を封鎖するなどして、逮捕者が出る騒ぎとなった。政府と住民の緊張関係は未だにくすぶる。(後略)」

 ■時事通信
「小規模農家は不安=日本の支援に注文-モザンビーク」
(2013年6月2日)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013060200097
「日本がブラジルと手を組み農業開発を進めているアフリカ南部モザンビークから農民団体の代表が来日し、第5回アフリカ開発会議(TICAD5)開催中の横浜市で2日、「小さな農家の不安は強い」と日本の支援に注文を付けた。大規模農業開発で土地が取り上げられるのを恐れている。(中略)自らも家族で畑を耕す小規模農家というモザンビーク全国農民連盟(UNAC)のマフィゴ代表は「アグリビジネス(農業の事業化)も資源開発も一緒だ。農民が大々的に土地を取り上げられることを過去の経験から知っている」と述べ、小規模農家の意見を聞くよう訴えた。」

2. テレビ番組
■ BS朝日「いま、世界は」(2013年6月2日)
トップ・ストーリーズ 「TICAD~アフリカ開発会議」
http://www.bs-asahi.co.jp/imasekaiwa/
「6月1日から横浜で開催されるTICAD(アフリカ開発会議)安倍総理大臣もマラソン会談を繰り広げるなどアフリカ支援に力を入れている。急激な経済成長を続けるアフリカは、中国やインドなどの新興国企業も続々と進出、世界市場の新たな”可能性”として注目を集めている。中国に比べ進出が遅れているアフリカ地域で、日本はどう巻き返していくのか?さらに、モザンビーク支援に見るアフリカの知られざる光と影とは?」

コメンテータ
五十嵐浩司 (前朝日新聞編集委員)
伊藤洋一 (エコノミスト)
金慶珠 (東海大学国際学科准教授)

<=後半しか見ていないのですが、
・29日PreTICAD 国際シンポジウム「いまアフリカ農村で何が起きているのか?」の様子
・モザンビーク全国農民連盟UNACのVicenteさんのインタビュー
・2日のTICAD公式サイドイベントで紹介された映像(プロサバンナ事業対象地である現地の農民たちが、「住民移転反対」「プロサバンナ以外のわれわれのやり方を守る」などのバナーを掲げてマーチをしている姿)も写っています。

<=金さんのコメントが素晴らしかったです。
「過去の韓国での独裁の経験で市民社会は苦労した。モザンビークの農民組織がうらやましい。そのようなグローバルな闘いができて」と、伊藤さんの「なぜモザンビーク農民がわざわざ日本まで来てこういうことを訴えているのか?」という問題提起をした際におっしゃってました。

最後は、コメンテイターのみなさん、「インターネットでつながる時代。地球上のどんな国でも開発独裁を応援する時代じゃないよね」という結論でした。すごく的確なまとめ。


■NHK:ク ローズアップ現代「アフリカの成長をとりこめ “チーム ジャ パン”の新戦略」
2013年5月30日19:30~19:56(再放送:6月1日 12:10~)
http://www.nhk.or.jp/gendai/

<=JICAと日本企業の「プロジェクトX」的番組。「中国に対抗するため、モザンビーク北部は日本のため何ができるか」/「中国に勝つために日本がモザンビークを使い、オールジャパンで頑張るべきこと!」的番組。

現地で生じている大豆生産のための土地を巡る紛争や農民組織らの抗議については全く報じずだったことが、本当に残念です。
【分析】「NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)」
->http://afriqclass.exblog.jp/17873533/


3. Onlineジャーナル
■TICAD V:モザンビークの人々から安倍首相に手渡された驚くべき公開書簡
(2013年6月2日)森下麻衣子
http://www.huffingtonpost.jp/maiko-morishita/ticad-v_b_3373974.html
「TICAD V(第5回アフリカ開発会議)に特段興味がなくとも、大豆食品を食べる全ての人に知ってほしい話がある。第5回を迎えるアフリカ開発会議の開幕前夜の3月31日、安倍首相主催のレセプションにおいて、モザンビークから来日した一人の男性が同国の十数万の人々より託された公開書簡を首相に手渡すという任務を全うした。その内容は、日本に対して大きな問いを突きつけるものだった。

「援助から投資へ」――6月1日から3日にかけて横浜で開催されるTICAD Vの打ち出しは、明確だ。「最後のフロンティア」と目されたアフリカの豊かな天然資源を獲得するため、オールジャパンで日本企業による対アフリカ投資を後押しし、中国や韓国に対する出遅れを挽回する。海外投資を呼び込むことでアフリカ経済を成長へと導く。これこそ理想的な「ウィン・ウィン」だと。

果たして本当にそうなのか。

公開書簡に話を戻そう。モザンビークの農民組織やNGO団体により起草された「公開書簡」を安倍首相に渡すという重任を託され来日したのは3人。(後略)」
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by africa_class | 2013-06-03 23:41 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

Media coverage:English Article on ProSAVANA and people's protest

FYI

English articles on the ProSavana programme and people's protest.
=>http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html

1. The Japan Times(KYODO MAY 31, 2013)
"Mozambique farmers seek halt to aid project"->http://www.japantimes.co.jp/news/2013/05/31/national/mozambique-farmers-seek-halt-to-aid-project/#.UagW7tKpVSQ

"Farmers in Mozambique are calling on the governments of Japan, Brazil and Mozambique to halt a project aimed at supporting agricultural development there, saying it will result in land grabs.
Members of the National Peasants Union, known as UNAC, which represents peasants across Mozambique, and representatives of international nongovernmental organizations issued an open letter Wednesday that the ProSavana program is designed to facilitate foreign investment and will jeopardize the local production system based on family-run agriculture.”

Originaly published at the following site:
->http://english.kyodonews.jp/news/2013/05/227493.html

Previous article also postedon the Japan Times, but only depend on the information provided by JICA. The name of the biggest farmers association in Mozambique who came to Japan to share their protest with the Japanese public was not mentioned, nor interviewed even by e-mail....It's clear that the problem wasn't rooted in "misunderstanding". Please read the above or following article.

"TICAD to redefine Japan aid to Africa:Decades-long economic slump means Tokyo has to change tack" BY JUN HONGO
->http://www.japantimes.co.jp/news/2013/05/09/national/ticad-to-redefine-japan-aid-to-africa/#.UahSotKpVSQ

"In February, farmers from Mozambique visited Japan and held news conferences to express concern over Tokyo’s assistance to the region. Some claimed that they feared losing their source of income once their land is used for massive production projects to generate global exports.
“There is some misunderstanding that needs to be resolved,” Sakaguchi said, explaining that projects like ProSavana will proceed with the utmost care for local farmers."

2. Kyodo News (June 3)
"Concern mounts over agriculture development plan in Mozambique"
->http://english.kyodonews.jp/news/2013/06/228382.html

YOKOHAMA, June 3 Kyodo - While Japan advocated investment and private sector-led growth in Africa at a just-ended conference on the region's development, concern mounted among civil society groups that an agriculture project in Mozambique, which Tokyo is pushing through as one of its key projects in Africa, may end up depriving local farmers of their land.

"Small farmers are really concerned about the project," Augusto Mafigo, president of Mozambique's National Peasants' Union known as UNAC, said in an interview with Kyodo News.

The program dubbed "ProSavana," which is promoted by the Japanese, Brazilian and Mozambican governments, eyes developing a vast area of intact savanna in northern Mozambique, encompassing more than 10 million hectares of land in three provinces.
(..)

3. Japan Today (June 3)
"At TICAD, clumsy diplomacy mars controversial Japanese aid project in Mozambique"
By Dreux Richard
->http://www.japantoday.com/category/politics/view/at-ticad-clumsy-diplomacy-mars-controversial-japanese-aid-project-in-mozambique

"At TICAD, clumsy diplomacy mars controversial Japanese aid project in Mozambique"
http://www.japantoday.com/category/politics/view/at-ticad-clumsy-diplomacy-mars-controversial-japanese-aid-project-in-mozambique

"(...)ProSavana faces opposition from a coalition of Mozambican farmers’ unions and civil society groups who sent their own delegation to TICAD this weekend. They claim that Japan’s aid apparatus, which is financing and implementing much of the project, has failed to solicit adequate community input, and that the project’s details weren’t presented to its supposed beneficiaries until this March, when the coalition requested a meeting with JICA. For coalition member Antonio Muagerene, who has been reading about his home region’s forthcoming fate in newspapers for years, the notion of Japanese aid agencies treating his nation’s farmland like a jigsaw puzzle is unnerving. “These are our lives you’re talking about,” he said on Sunday."

Muagerene, a civil society organizer in one of the Mozambican provinces targeted by ProSavana, takes personally the suggestion that Mozambique’s small farms are ineffective by design. At age seven, he purchased his first school supplies with money earned from a modest peanut patch his parents had given him to cultivate. His parents later paid for his college education with their farm’s modest revenues. He points out that some of the rhetoric underlying the ProSavana sales pitch is schizophrenic: aid donors seem fond of mentioning that Mozambique’s farms aren’t productive enough to feed the nation, but the ProSavana plan would encourage the cultivation of commodity export crops, very few of which would be sold by Mozambican companies or consumed within the country.
(...)

On Sunday, I spoke with a member of Malawi’s delegation to TICAD, who asked that his name be withheld because he had not been authorized to comment on ProSavana. “Given what we’ve learned in Malawi, to even consider the implementation of this plan in its current, corporatized form is profoundly naive. It has nothing to do with food security in Mozambique and everything to do with the end of cheap land in Brazil; agriculture companies need a new source of cheap land to exploit.” he said.

Muagerene says the farmers’ coalition isn’t trying to prevent the implementation of ProSavana or discourage investment, but to create an adequate space for community input and the discussion of potential consequences. (...)"
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by africa_class | 2013-06-03 23:39 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

モザンビーク:世界最悪(2番目)の人間開発指数(しかも悪化)の報じられない現実(含権威主義化)

今日本は俄か「モザンビーク・ブーム」。猫も杓子もモザンビーク状態。もちろん、過去20年にわたりこの国に寄り添ってきた私としては本来は嬉しいことです。しかし、彼らがみているモザンビークは「資源の大国」「土地の余っている国」「眠れる国」「政府が頑張っている国」・・・・等々。

宣伝に踊る文字は、「貧困だけど経済成長率が年率7%の資源大国」「知られざる可能性」。

その最中で人びとが直面している課題・・・に触れる人はほとんどいない。知らないのかな?知らないで、巨額の投資とか税金を使った援助とかするもんだろうか・・・。

あるいは、調べもせず知ろうともしないで、思い込みで処方箋が描かれている。
つまり、「貧困」という言葉は踊るが、「支援や投資がないから貧困のまま」という論理。

どこの誰が、何に基づいてそんな分析したのでしょうか?
少なくとも、モザンビークについて研究してきた人でそんな分析をしている人・・・私は知らない。
むしろ、モザンビーク人研究者、あるいはモザンビークについて長年研究してきた人々の大体の理解は、モザンビークが不平等・格差を広げていっており、政治状況も悪い方向へいっているということ。或る意味で、「資源の呪い」に向かっていっていると考える人の方が多い。

ここ数年、この国で悪化するガバナンスや民主化の停滞の問題、人びとの不満、繰り返されるストライキに、小規模ながら暴力衝突、切れ目なく流入する投資の一方での、悪化する人間開発指数。しかも、それは世界最悪のニジェール、コンゴ民主共和国の次、つまり世界で下から2番目!!!

という現実については、日本政府も、JICAも、日本のメディアも報じない。
NHKクローズアップ現代の見せた絵を思い出していただければ。
「援助が足りない」「投資が足りない」・・・・だけで、それは中国と対抗して日本がやってあげればいい。

まさか、貧困と不平等を現在の投資自身が創り出しているとは、1%でも示さなくてよいようで・・・。
先月同国を訪れた国連の「極度の貧困と人権ラポター」のMagdalena Sepúvedaが、「モザンビークで貧困が悪化している」と発表したことについて、知る由もなく、とにかくモザンビークは経済成長しているから貧困改善している・・・と?

「モザンビークで悪化する貧困」(2013年4月17日マプート)
http://www.clubofmozambique.com/pt/sectionnews.php?secao=economia&id=25048&tipo=one

これは、おそらくモザンビークという国との付き合いがあまりに日浅くて表面的なことしか知らないからということもあるだろうし、「よい話」にばかりフォーカスして宣伝したがる日本政府やJICAの傾向が出ているということもあるのでしょう。

いや、貧困を「国全体の経済成長やGDP」でしかみようとしていないことからくるんでしょうか?私の立場からすると、人間開発指数も十分一面的ですが、それでもこれほど悪い結果となっています。

いや、そもそも以上の記事のように公用語がポルトガル語であるために、なかなか実際のところを知ることができないという問題もあるんでしょう。

また、モザンビークと深く付き合う日本の関係者があまりに少なすぎることもあるでしょう。日本に二人しかいないモザンビーク研究者の古い方である私の怠慢のせいでもある。一般的なことを書いてこなかったから。なので、反省すべきは私・・・自身でもある。

なので、連日寝て無すぎるのですが一応これだけはお伝えしておきたいと思います。是非、広めてください。土地紛争の問題は書いてきたので省略。

■知られざるFACT No.1 世界で三番目に悪い人間開発指数
2013年の人間開発報告書(国連開発計画UNDP)によると、モザンビークの人間開発指数は世界最下位から2番目の185番!
http://hdr.undp.org/en/media/HDR_2013_EN_complete.pdf

【最悪】ニジェール、、コンゴ民主共和国
【2番目に最悪】モザンビーク

■知られざるFACT No.2 過去5年間の投資額は急増
この間、モザンビークには、世界でももっとも急速に投資額を増やしてきた。過去5年は特に凄まじい状態。ということで、明らかに投資が足りないせいではなく、「富の分配」が不平等状態にあるから。

ごく一部にしか恩恵が届いておらず、大多数の生活が改善していない。

■知られざるFACT No.3 実は人間開発指数のランクは2011年版より悪化
メガ投資プロジェクトの流入の一方で、モザンビークは人間開発指数を悪化させています。2011年より2013年版では世界ランクを1つ下げています。(2011年版では185番だった)。
http://hdr.undp.org/en/media/HDR_2011_EN_Tables.pdf

■知られざるFACT No. 4 2010年、アラブの春に先駆けて首都で若者による大規模暴動発生
10名が死傷。

■知られざるFACT No. 5 2010年に「民主政国リスト」から外され、「選挙権威主義国」に
カタチばかりの民主主義と名指しで批判される国に・・・。

■知られざるFACT No. 6 不安定化する「安定」
今年より最大野党で元紛争当事者である元反政府武装勢力RENAMOが、元々の拠点の中部の元軍事基地に籠って、先月警察とビジネスマンを襲撃、死傷者が発生。

さすがに眠いので、後は日本国際政治学会に出した論文の冒頭を共有しておきます。次の学会ジャーナルで掲載される予定です。

=========================
『国際政治』(日本国際政治学会出版物)

モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題
―2009年選挙を中心にー

(前略)本稿は、和平合意から21年、初の複数政党制選挙から19年を迎え、これまで紛争後の国家建設において国際的に高い評価を受けてきたモザンビークを事例として取り上げ、2009年選挙以来後退した民主化の現状とその背景を明らかにし、同国の平和構築の課題を検討するものである。本稿では、第一節で民主化・安定・開発に関する評価を示した上で、2009年以降の変化を紹介する。第二節で2009年選挙にみられる与党圧勝の実態を示すとともに、第三節ではその背景を市民社会並びに野党の取り込みとの関係で明らかにする。最後に、以上を踏まえ、これを世界的な現象の中で考察し問題提起を行う。
(略)
(2)民主化に関する評価の変化と2009年選挙
民主化と安定、開発のすべてで、国際的に肯定的な評価を得てきた戦後のモザンビークであるが、ここ数年、民主化の評価に後退傾向がみられる。フリーダムハウスは、2009年に同国の「政治的権利」を4に下げるとともに、2010年には「選挙民主政リスト」から除外した。同リストには、紛争経験のあるリベリアなど116か国が含まれているだけに、この転落は目立ったものとなっている。また、先述のポリティ・スコアもモザンビークの評価を1つ下げ、同国は「開放アノクラシー」に分類されるに至った。さらに、政権与党FRELIMO(Frente de Libertação Nacional de Moçambique:モザンビーク解放戦線)の一党支配の進行について警鐘を鳴らす論文が発表され(Manning 2010)、世界的に注目を集めた。一体、モザンビークで何が起こっているのだろうか。
(後略)

全文は近日発刊の『国際政治』をご覧ください。
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by africa_class | 2013-06-02 00:42 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

モザンビーク農民・地域・市民・宗教23団体が3国首脳宛「プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡」

すでに共同通信から流れていますが、5月28日付で、プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡が出されています。詳細は後で書きますが、モザンビークの主要農民組織のほとんどすべて、北部地域の宗教や地域、市民社会組織の多く、23団体が署名しています。国際署名もブラジル・日本を含め42団体が賛同署名中。

このこと知っててNHKクローズアップ現代のあの番組です。当事者が来日中、しかも彼らの訴えの映像もあったのに、まあそういう番組でしかないといえばそれまでですが!以下、どうぞ。
■NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)
http://afriqclass.exblog.jp/17873533/

■共同通信 記事(2013年5月29日、横浜)
「モザンビーク人農民らは農業事業の停止を呼びかける」
http://english.kyodonews.jp/news/2013/05/227493.html
"Mozambican farmers call for halting agriculture project"
YOKOHAMA, May 29, Kyodo
■The Japan Times (2013年5月31日、再配信)
以上の記事が全文読めます。
http://www.japantimes.co.jp/news/2013/05/31/national/mozambique-farmers-seek-halt-to-aid-project/#.UagW7tKpVSQ

=======

モザンビーク共和国大統領 アルマンド・ゲブーザ閣下
ブラジル共和国大統領 ジルマ・ルセフ閣下
日本国総理大臣 安倍晋三閣下


プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡

アルマンド・ゲブーザ大統領
ジルマ・ルセフ大統領
安倍晋三総理大臣

モザンビーク共和国政府は、ブラジル連邦共和国政府並びに日本国政府との協力の下、2011年4月にプロサバンナ事業を開始しました。当該事業は、三か国の政府による三角協力で、モザンビーク北部のナカラ回廊の熱帯サバンナにおける農業開発を促進するためのものであるといいます。
プロサバンナ事業の導入並びに実施の計画は、貧困との闘いを優先する必然性、そして我々の国の経済的・社会的・文化的発展の促進に向けた国民的及び人間的要求に根差したものとされています。
これは、モザンビーク政府が、IDE(外国直接投資)を誘引する政策を正当化する際、あるいは鉱物資源開発・天然ガス・モノカルチャー植林・一次産品生産のためのアグリビジネスの大きな投資事業を導入する際に、選択してきた主要な言説です。
我々農民男女、ナカラ回廊沿いのコミュニティに暮らす家族、モザンビークの宗教組織並びに市民社会組織は、貧困との闘い並びに主権や持続可能な発展促進の重要性と緊急性を認識し、プロサバンナ事業に関する我々の懸念と提案を表明するべき決定的な時機にあると確信しています。
プロサバンナ事業は、モザンビークの法律の基本的要件並びに原則の一つであるべき「環境インパクトアセスメント調査」を議論し承認することなく、そして実施することもないまま、すでに「クイック・インパクト・プロジェクト」の一部(*融資)を通じて実施されています。「同アセスメント調査」では、本来、このような規模の事業の導入は、カテゴリーAと分類されるべきものです。
プロサバンナ事業の広がりと大きさは、憲法で我々に保障された情報・協議・参加へのアクセス権の行使という点において、法律を遵守しておらず、民主的で透明で幅広く深い公衆(農民男女、家族、民衆)との討論を欠いており、さらには我々の生活に直接影響を及ぼす社会・経済・環境上の諸権利に関わる事柄についてのインフォームドコンセントの不在に特徴づけられています。
我々は、2012年9月以来、モザンビーク社会の多様なセクターとともに、広範な討論と集会を実施して参りました。我々がアクセスできた複数の関連文書によると、プロサバンナ事業は、モザンビーク、ブラジル、日本政府による巨大事業で、ニアサ州・ナンプーラ州・ザンベジア州内19郡の1450万ヘクタールを対象とし、ナカラ回廊沿いの熱帯サバンナにおいて農業開発を行うためのものといいます。
この事業が対象とする郡のコミュニティレベルでのいくつもの討論、あるいはモザンビーク政府、ブラジルと日本の外交上の代表者ら、両国政府の国際協力機関(ブラジル協力庁ABC、国際協力機構JICA)との議論の後、我々は、限られた情報やアクセスできた文書の中ですら、深刻な情報の食い違いや内在的な矛盾があることに気づかされました。同様に、事業の設計上の欠陥が根拠をもって確認されるとともに、「協議、住民参加プロセス」と呼ばれるものが不正に満ちていること、現在地域にあるコミュニティが土地強奪(ランド・グラビング)や強制的な移転の脅威に晒されている実態も明らかになりました。
モザンビーク大統領閣下、ブラジル大統領閣下、日本国総理大臣閣下、国際協力は、より公正で連帯に基づく世界の形成を目的とし、人びとの利益や願望を下支えするものでなくてはなりません。しかしながら、プロサバンナ事業はこれらの原則に反しており、かつその実行者らは、この国の農業開発に直結する問いをオープンな形で議論しようという意欲をまったく、あるいはほとんど示してはおりません。
アルマンド・ゲブーザ大統領閣下、何百万人ものモザンビーク人男女とともに、閣下がその青年期の大部分を、植民地支配から人びととその土地を解放するために闘ってきたことを想い起こしたいと思います。その困難な時代から農民たちは土地にしっかり根差してモザンビーク国民のための食料を生産してきました。そして戦争の破片にまみれた国を、誰もがこの解放された大地の子であることを感じることができるように公正で連帯に基づいて独立した社会へとするために尽力してきました。
ゲブーザ大統領閣下、モザンビーク人の8割は家族農業を生業としており、食料生産の9割以上を担っています。プロサバンナ事業は、多国籍企業が入ってくる上で最良の条件を整えるための道具となっています。そしてそれは、不可避的に家族農家の自治を困難にし、小農の生産システムを壊し、土地なし家族を生み出し、食料安全保障を揺るがし、我々が国として独立したことの最大の成果を失ってしまうことにつながります。
ジルマ・ルセフ大統領閣下、モザンビークとブラジルの民衆の連帯は独立闘争の困難な時期に始まっており、それはモザンビークが経験した16年の戦争の間とその後の再建期にわたっています。他ならぬジルマ大統領閣下自身が、ブラジルの軍事独裁による抑圧の犠牲者であり、自由の価値を御存知です。現在もブラジルで作られる3分の2の食料は、ブラジル政府がプロサバンナ事業によってモザンビークに輸出しようとしている企業によってではなく、小農男女によってつくられています。
ジルマ・ルセフ大統領閣下、モザンビーク小農が支持し生産のインセンティブとする「モザンビーク食料取得計画(Programa de Aquisição de Alimentos de Moçambique)」を、ブラジル政府がないがしろにすることを正当化できるでしょうか。受け入れがたい結論ですが、プロサバンナ事業によって促進される全ての融資、物資、人的資源は、全てアグリビジネスの発展のために注がれるのではありませんか。国民同士の連帯を促進しなければならないブラジル、モザンビーク、日本の国際協力が、不透明な商業的取引き促進の道具となり、モザンビーク国民の食料生産を担っているコミュニティの土地を奪うことを正当化できるのでしょうか。
安倍晋三総理大臣閣下、日本はJICAを通じて、我々の国の農業やその他のセクターの開発に貢献してきました。しかし、我々は、現在の日本政府のモザンビークに対する農業分野の協力は承認いたしません。日本は、ナカラ港から農産物を流すことを可能とするためナカラ回廊の巨大インフラ設備に投資していますが、プロサバンナ事業に対する財政的・人的な支援についても同様に、日本は小農による農業にこそ集中的にコミットすべきであると我々は考えます。なぜなら、唯一小農農業こそが、モザンビークの人びとのため必要な量の適切な食料を生産することができ、それによって持続可能な開発が促進されると理解するからです。
モザンビーク、ブラジル、日本の国民の立派な代表者の皆さん、我々はグローバルに天然資源を収奪し、支配しようとする多国籍企業や巨大金融組織の拡張と増幅する要求によって特徴づけられた時代に生きています。それらは、我々を商品に替え、ビジネスチャンスと見なしています。
閣下殿。以上に基づき、我々モザンビークの農民男女、ナカラ回廊沿いの農村コミュニティに暮らす家族、宗教組織、市民社会組織は、次の点について緊急に非難し、拒絶いたします。
情報の操作(manipulation)、プロサバンナ事業に反対し、農業部門の持続可能な発展のための代替案を提案するコミュニティや市民社会組織に対する脅迫
ブラジルや日本や国内の企業だけでなく、他国の企業を含む、ローカル・コミュニティの土地強奪への差し迫ったプロセス
プロサバンナ事業の基礎を、家族経営農業による生産システムを破壊し、農民男女を巨大多国籍企業や国際金融機関による排他的にコントロールされた生産プロセスに統合することを企図する、輸出のためのモノカルチャー生産(とうもろこし、大豆、キャッサバ、綿花、サトウキビ等)に基づいた生産や生産性の増大に置くこと
モザンビークのために、深刻な内部矛盾を生み出したブラジル農業開発のモデルを輸入すること
以上に提示された非難に対し、我々モザンビークの農民男女、ナカラ回廊沿いコミュニティの家族、宗教組織、市民社会組織は、それぞれの国民によって付与された正当なる代表者としてのモザンビーク大統領閣下、ブラジル大統領閣下、日本総理大臣閣下の資格において、小農家族に無責任でネガティブな影響をもたらしうるプロサバンナ事業の介入に対し、緊急手段を採るよう、火急の介入をお願いし、これを求めます。無責任でネガティブな影響とは、具体的には次のようなものです。
土地の収奪や住民移転の結果として、モザンビークにおいて「土地なしコミュニティや家族」が生じること
ナカラ回廊沿いにおける社会の激変や社会環境をめぐる紛争の頻発
加えて、農村コミュニティの家族の悲惨さの拡大や深化、あるいは生存や自給のための代替案の減少
小農家族生産システムの破壊と、その結果生じる食料問題
農薬、化学肥料などの過剰あるいはコントロールされない利用による農業エコシステム、土壌、水資源の汚染
アグリビジネスによるメガプロジェクトのための広大な森林の伐採と、その結果としてのエコロジーバランスの崩壊
我々、本公開書簡に署名する農民男女、ナカラ回廊コミュニティの家族、国の宗教組織や市民社会組織は、プロサバンナ事業が設計され、我々の国のコミュニティや大地に導入されつつある手法に対し、憤りと拒絶の意を公的に表明します。
我々は、生産システムに基礎をおいた農業の発展を守るのであって、生産物を守るのではありません。家族農業による生産は、経済的な側面を超え、地理的な空間、社会的・人類学的次元を含むものであり、これらは人類の歴史において持続可能であることが明らかにされてきたものであります。
本公開書簡に署名した社会運動諸組織は、政府や国家の長としての責務において、モザンビーク、ブラジル、日本の国民の代表として、アルマンド・ゲブーザ大統領閣下、ジルマ・ルセフ大統領閣下、安倍晋三総理大臣閣下に対し、次のことを要求します。
プロサバンナ事業のためナカラ回廊熱帯サバンナで実施されている全てのプロジェクトやアクションを即時停止するため、必要な全ての処置を命ずること
モザンビーク政府は、モザンビークの全てのセクターの人びと、とりわけ農民男女、農村住民、回廊沿いコミュニティ、宗教組織、市民社会組織が、彼らの現実のニーズ、願望、優先順位、主権発展のためのアジェンダを決めることを目的とし、これらの幅広い層の人びととの公的な対話の積み重ねのための民主的でインクルーシブなメカニズムを確立することを命ずること
プロサバンナ事業のために割り当てられた人的資源や資金の全てを、持続可能な「家族農業支援国家計画」の制定と実施に再配すること。同計画は、1600万人以上もの農業を生活の糧とするモザンビーク人の食料主権を支援し保証するため、25年間にわたり、全モザンビーク共和国の農民家族らから擁護されてきました
 モザンビーク政府は、適切な食事の促進や飢えの改善の持続可能な唯一の解決法として食料主権、環境保全型農業、アグロエコロジーを優先させること
モザンビーク政府は、小農農業への支援を中心に据えた農業セクターのための政策を採択すること。具体的には、農村金融、農業エクステンションサービス、灌漑システム、在来種や気候変動に強い種の評価、農道、農作物の市場化のための支援とインセンティブのための政策へのアクセスです
以上の声明に基づき、モザンビークの農民男女、ナカラ回廊コミュニティの家族、宗教組織、市民社会組織は、三か国間の協力が、民衆の真の利益と願望に基づいたものとなること、そしてこの協力がより公正で連帯に基づく社会の創造を促すことに役立つものになることを求めます。我々は、全てのモザンビーク人男女が、子どもたちが大地を身近に感じることができ、共に集い、その主権が国民の下に発現し存在する国家の建設に従事するといった、より良く実行可能なモザンビークを夢見ます。

マプート 2013年5月28日


署名団体(モザンビーク)
1.Acção Académica para o Desenvolvimento das Comunidades Rurais (ADECRU)
2.Associação de Apoio e Assistência Jurídica as Comunidades (AAAJC) -Tete
3.Associação Nacional de Extensão Rural (AENA)
4.Associação de Cooperação para o Desenvolvimento (ACOORD)
5.AKILIZETHO-Nampula
6.Caritas Diocesana de Lichinga-Niassa
7.Conselho Cristão de Moçambique (CCM)- Niassa
8.ESTAMOS – Organização Comunitária
9.FACILIDADE-Nampula
10.Justiça Ambiental/Friends of The Earth Mozambique
11.Fórum Mulher
12.Fórum das Organizações Não Governamentais do Niassa (FONAGNI)
13.Fórum Terra-Nampula
14.Fórum das Organizações Não Governamentais de Gaza (FONG)
15.Kulima
16.Liga Moçambicana de Direitos Humanos-LDH
17.Livaningo
18.Organização para Desenvolvimento Sustentável (OLIPA-ODES)
19.Organização Rural de Ajuda Mútua (ORAM)-Delegação de Nampula
20.Organização Rural de Ajuda Mútua (ORAM)- Delegação de Lichinga-Niassa
21.Plataforma Provincial da Sociedade Civil de Nampula
22.Rede de Organizações para o Ambiente e Desenvolvimento Sustentável (ROADS) Niassa
23.União Nacional de Camponeses-UNA
[PR]
by africa_class | 2013-05-31 11:20 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題