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【保存】 ProSAVANAの資料・情報・論文・サイト一覧、学会報告一覧

既に、「モザンビーク開発を考える市民の会」のサイトに公開されていますが、こちらにも転載しておきます。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-18.html

また、五月雨に掲載した学会報告の一覧もこちらに。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-19.html

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モザンビーク北部で行われているプロサバンナ事業(「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム」)については、国内外で、大論争を巻き起こしていますが、同事業に関する情報一覧集です。内容は抜粋なので、必ず元のデータにあたって全文を検討いただければと思います。

■JICA資料
1.事業概要
http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/activities/index.html

2.『モザンビーク国 日伯モザンビー三角協力による熱帯サバンナ農業開発協力プログラム準備調査最終報告書』http://libopac.jica.go.jp/search/detail.do?rowIndex=1&method=detail&bibId=0000252732

*その他の一次史料は、下記英語論文の巻末資料集に当たって下さい。

■NGOによるプロサバンナについての抗議声明
1. UNAC(全国農民連盟)モザンビーク最大の農民組織による声明1987年に設立された小農を代表し、その権利を守るための農民組織(http://www.unac.org.mz/)。86,000名以上の個人会員、2,200の協会および共同組合、83つの郡レベルの連盟、州レベルでは7つの連盟と4つの支部を擁す。2012年10月11日に、上記プロサバンナ事業に対する声明を発表。 
【原文】http://www.unac.org.mz/index.php/7-blog/39-pronunciamento-da-unac-sobre-o-programa-prosavana
【日本語】http://farmlandgrab.org/post/view/21204
「我々農民は、透明性が低く、プロセスのすべてにおいて市民社会組織、特に農民組織を排除することに特徴づけられるモザンビークでのプロサバンナの立案と実施の手法を非難する。プロサバンナに関する包括的な分析に基づき、我々農民は以下の結論に至った。
•プロサバンナは、ナカラ回廊の農民自身のニーズ、展望、基本的な懸念を考慮しないトップ・ダウン式の政策の結果である。
•我々は、モノカルチャー(大豆、サトウキビ、綿など)の大規模農業プロジェクトのためにコミュニティの移転や農民の土地を収用しようとするイニシアチブを強く非難する。
•我々は、アグリビジネスを目的とし、モザンビーク人農民を被雇用者や農業労働者に変えるブラジル人農家の入植を非難する。
•我々は特にプロサバンナがナカラ回廊地域の広大な土地を必要としていることを懸念している。地域の実態として、そのような広大な使用可能な土地はなく、土地は地元農民が移動耕作を実践して現在使われているのである。」

2. モザンビーク環境団体 Justica Ambiental(JA)およびFriends of the Earth (FoE Mozambique)による声明モザンビーク人自身による主体的な環境保護団体として、同国内の様々な環境問題に取り組み、世界的に高く評価されてきた。特に、「ダム問題」「違法伐採問題」では、身の危険を顧みず重要な役割を果たす。違法伐採問題については、日本のテレビ番組にも協力。JICAの招聘で2007年に来日し、TICAD IVに向けた提言を行う。同団体によるプロサバンナ事業に関する声明。
【原文・ポルトガル語】http://farmlandgrab.org/post/view/21566
【日本語版】http://landgrab-japan.blogspot.jp/2013/01/justica-ambientalfoe.html
「(略)6500万人のブラジル人が食料危機に直面し、数百万人の人々が生存手段を保証す食料生産のために土地へのアクセスを求めるブラジルにおいて失敗した農業開発モデルを、ブラジルはプロサバナを通じてモザンビークに輸出しようとしている。この経験は、農民の生活森林、そして同国の生態系に及ぼしたインパクトと比較するとき、ブラジルのモデルにおける利益が無意味であることを示している。
 プロサバナ計画は、「緑」という洗練された言葉によって巧みに装飾され、モザンビーク人および国際社会に「持続可能な農業開発」計画として提示されたが、同時にもたらされるであろう社会的かつ環境的インパクトの可能性は完全に除外された。しかしながら、この規模の開発計画は、共同体の再移転が必要となることが予測されるが、当事者である共同体がその事態について僅かにあるいは何も知らないことが懸念される。本件は、農民や現地の共同体を包摂することなく極めて高い次元で立案・決定されたものである。 (略)」

3. モザンビーク&国際NGO共同声明、23団体+1ネットワーク署名、97団体賛同
Joint Statement (29 April 2013)
Leaked ProSAVANA Master Plan confirms worst fears
Civil society groups warn secretive plan paves the way for a massive land grab
「モザンビーク北部のProSAVANA事業マスタープランは、想定されうる最悪のシナリオを露呈した~市民社会組織は大規模土地収奪に道を 拓秘密計画に警告を発する」

【原文・全文】http://www.grain.org/e/4703
       http://farmlandgrab.org/post/view/21996
【和文全訳】http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-21.html

「市民社会組織は、リークされた最新バージョンのプロサバンナ事業のマスタープラン案(2013年3月版)をついに見ることができた。それにより、日本・ブラジル・モザンビーク政府が、モザンビーク北部で大規模な土地収奪を可能とする道を拓こうと秘密裡に企てていることが判明した。モザンビークのいくつかの団体とその国際パートナーは、考察とともにこのマスタープランを公にする。(略)プロサバンナは、開発援助事業として提示されてきたが、入手したマスタープラン案を見ると、モザンビークの農業を企業が乗っ取るビジネス計画であることが明らかである。(略)1.伝統的移動輪作農法や土地管理の実践を潰し、農民を、商業作物、化学肥料・農薬の投入、私的土地占有権に基づく集約農業に追いやる。マスタープラン案では、伝統的農業の有効性について何も分析していないにもかかわらず、「移動農法から定着農業(settled farming)への移行が緊急に必要」で、「マスタープランの鍵となる戦略」としている。さらに、「移動農法の実践の撲滅」アクションまでも求めている。(略)これらの集約農業を促進する方策の真の目的は、土地を私有化し、外部からの投資が土地を得やすくすることにある。農民を(DUATsにより)定められた土地の境界線内に追い込むことで、投資企業が取得可能な土地を明確にし、州政府が企業向けの土地銀行(land bank)を設立することを可能にするという。また、マスタープラン案は、投資企業が土地を取得するにあたって、コミュニティとの交渉無しで済ませることを認めている。」


■これまでの報道資料
1.朝日新聞:2013年2月2日朝刊「私の視点」「モザンビーク開発 住民軽視の進め方、見直せ」
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201302010544.html
【原文・全文】http://afriqclass.exblog.jp/17253760/
「昨年10月、モザンビーク最大の農民組織・全国農民連盟(UNAC)がこの事業に抗議の声をあげた。声明では、「ブラジル企業による土地収用の可能性」「全プロセスにおける農民の主権無視」の2点を強く懸念している。JICA側は「情報伝達不足による誤解」としているが、そもそも情報伝達の問題だろうか。外務省にも確認したが、ブラジル企業による土地収用の可能性は現時点では否定されていない。
 プロサバンナが「お手本」とするセラード開発は、日本の融資とJICAの技術協力によって行われた。JICAによると、「不毛の無人の地」を高い生産性を誇る世界最大規模の農地に変え、ブラジル農業の躍進に寄与したという。しかし、軍政下のブラジルで行われたこの開発は、地元の先住民からは異なった評価がなされてきた。森林が破壊され、先住民らは抵抗空しく土地を奪われ、生活手段を失った。一方で、豊かな南部から中規模以上のヨーロッパや日系農家が入植。先住民らは安価な農場労働力としての転出を余儀なくされた。そこで先住民はNGOを結成しJICAに面談を申し入れたが、門前払いにされたという。モザンビークの農民は、同じ事が繰り返されることを恐れているのである。(略)」

2.ブラジル大手雑誌de Fato誌2012年11月29日記事「ブラジルのアグリビジネスがアフリカを侵略」
【原文・ポ語】http://www.brasildefato.com.br/node/11330
【日本語訳】http://landgrab-japan.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html

3. ブラジル議会TV番組 2012年6月27日 日系ブラジル議員
「プロサバンナはブラジルの土地が高くて入手できない失業営農者のための土地取得と開拓が目的」 
【原文・ポ語】http://farmlandgrab.org/post/view/21652 
【全訳・日本語】http://afriqclass.exblog.jp/17331007/
「この合意はなによりもブラジルのセラードの経験をアフリカのサバンナに移植するために形成されたのです(略)この地域では(ブラジルの総合資源開発企業)ヴァーレ・ド・リオ・ドーセ(Vale do Rio Doce)なども石炭や鉄鋼といった鉱物資源の採掘を行っています。そこに今度は我々のブラジル人農業労働者を連れていくわけです。ブラジルにおいて農業を行いたくとも土地が不足している若い人たちです。(略)特にブラジル南部の土地の不足した地域で4ヘクタール、5ヘクタールといった規模で農業を営みながらも、近代的で大規模な農業を行いたいと思っている若い営農家にとっては多くの機会を提供することになるでしょう。」

3. モザンビーク情報誌MOZAMBIQUE News reports & clippings 209/210 December 2012
【英語】http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/pics/d137382.pdf
http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/pics/d137380.pdf
【日本語解説】 http://afriqclass.exblog.jp/17017188/

4. 国際NGO・GRAINによるラジオインタビュー“Interview with GRAIN on the ProSavana project”, 14 December 2012
【英語】http://www.grain.org/article/entries/4633-interview-with-grain-on-the-prosavana-project
【日本語全訳】http://afriqclass.exblog.jp/17062266/
「(略)我々が2012年春、5-6月頃、このプロジェクトを調査し始めた時に、私はブラジル側でこのプロジェクトを推進し、とりわけ資金調達や民間セクターの参入に関わる半公的機関であるGVアグロの担当者と話しました。
 彼らが率直に語ったところでは、土地は豊富にあり、このプロジェクトの事業地は誰も農業をしていない土地でやるし、モザンビークにはたくさんの土地があるのだから、このような農業地域の規模では全く社会的な負のインパクトなどないだろうということでした。モザンビーク政府でさえ、この国には3500万ヘクタールの開発可能な土地があると言っているのです。世界銀行などの開発金融機関はこの国は使われていない農業用の土地があり余るほどあると言っています(略)。」

5. 東京新聞 2013年3月3日朝刊「プロサバンナの見直しを」目黒でUNAC講演
「UNACによると、ナカラ回廊では、小規模な農民が、トウモロコシやキャッサバなどを生産している。開発によって土地の争奪や森林伐採が始まると、国民の生活やコミュニティが崩壊し、生存権や食料主権が脅かされると指摘している」

6. しんぶん赤旗 2013年2月28日「現地の人に役立つアフリカ支援を訴え」来日のモザンビーク農民組織
「日本政府は地元農民の声を聞いてください」(略)全国農民連盟UNAC代表のアウグスト・マフィゴさんは、「この事業はトップダウン式に決められた。(略)人口の半分以上が貧困にあえぐもとで小農の土地を取り上げ、輸出のための大規模農業を進めることを強く非難する」と述べました。26日に行われた外務省内での表敬訪問では、同省は、「住民移転はある」「補償がある」と土地の収用を否定しませんでした。

7. 2013年4月10日 Do Canal de Moçambique
"Moçambicanos denunciam a saga do agronegócio em usurpar suas terras"
「モザンビーク人らは、土地を奪うアグリビジネスのサガを非難」
Por Aunício da Silva
【ポルトガル語】http://www.mst.org.br/Camponeses-mocambicanos-denunciam-a-saga-do-agronegocio-em-usurpar-suas-terras

8.2013年4月3日 Instituto Humanistas Unisinos インタビュー
"ProSavana: interesses múltiplos e contraditórios. Entrevista especial com Fátima Mello" 「プロサバンナ:複数の矛盾する利益 ファティマ・メロとの特別インタビュー」http://www.ih【ポルトガル語】u.unisinos.br/entrevistas/518948-prosavana-interesses-multiplos-e-contraditorios-entrevista-especial-com-fatima-mello


■NGOによる分析
1. 開発と権利のための行動センター・青西靖夫氏の記事「モザンビークにおける国際協力事業が引き起こす土地争奪~」
【日本語】http://landgrab-japan.blogspot.jp/2013/01/blog-post_29.html
(財団法人地球・人間環境フォーラム 『グローバルネット』265号2012年12月)
「(略)■プロジェクトのさまざまな問題点 ①透明性の欠如
 このプロジェクトの不透明性は単に農民に情報が発信されないことに起因するだけではなく、プロジェクトの立案・実施プロセスに不透明な部分が内在されていることによると考えられる。 (略)準備調査報告書[2]によると、「『準備調査』は、国道13 号線沿いに、ナンプーラ州並びにニアサ州およびザンベジア州の一部を調査対象地域とした」とされている。しかしながら、この調査に参加したブラジルの農業研究機関であるEMBRAPAは、「商業規模の農業生産投資をも可能にすべく」、調査の最終段階で調査対象地域外のナカラ回廊の北西部の640万ヘクタールの土地をプロジェクト対象地に組み込んだのである。現在のモザンビーク全体の耕作面積よりも大きく、日本の農地面積より広大な土地を、誰がどのように利用しているのかも把握もしないままに、「機械化農業に適している」と記載された外交文書に国際協力機構(JICA)は調印したのである!
 このように、このプロジェクトにはブラジル政府の意向が大きな意味を持っており、日本政府やJICAの意図を超えて動く可能性を秘めていることを理解しておく必要がある。それだからこそ、モザンビーク農民だけではなく、私たち日本国民も、納税者としてこのプロジェクトに対する監視を怠ってはならないのである。(略)」

2. FASE 21/03/2013
"A Equipe da FASE Visita Moçambique
http://fase.org.br/v2/pagina.php?id=3835
①"O que quer o Brasil com o ProSAVANA?"
Por Fátima Mello, do Núcleo de Justiça Ambiental e direitos da FASE
(2013年3月21日)
【原文・ポルトガル語】http://www.fase.org.br/v2/pagina.php?id=3837
【日本語全訳】:http://afriqclass.exblog.jp/17534960/
「(略)小農コミュニティは、まさにプロサバンナ事業による投資が来るとされる地域に、集中的に存在している。ブラジル国際協力庁(ABC)は、現在この事業への批判はコミュニケーションの失敗によるものだと強調するが、モザンビークの市民団体や社会運動との対話から明らかになったのは、問題はもっと根深いところにあるということである。ブラジルは、モザンビークのサバンナに、我々自身が経験してきた歴史的紛争を輸出しようとしている。この紛争とは、輸出のためのアグリビジネスによる大規模なモノカルチャーのモデルと、小農民や家族経営農民による食料生産システムの間に起こったものである。マプートで発表されたプロサバンナ事業に関する最新の情報では、このプログラムの責任者らは、ナカラ回廊に「高価値作物」栽培に向けた民間投資を奨励するため、地域を「農業クラスター」に分けた地図を示している。(略)つまり、大規模アグリビジネスと家族経営/小規模農民といった二つのシステム間の共存とハーモニーが可能という古い仮説に基づいているのである。しかし、ブラジルではこれ(大規模アグリビジネスと小農が共存するという前提)こそが、深刻な紛争の源泉となっている。(略)」

②"Visita à Moçambique: país de lideranças fabulosas"
Por Vilmon Alves Ferreira, Educador Popular Técnico da FASE Mato Grosso
(2013年4月12日)


■「プロサバンナ事業に関するNGO・外務省意見交換会」資料
1. 第一回(2013年1月25日)NGOによる議案説明書(AJF食料安全保障研究会 吉田昌夫)
→http://afriqclass.exblog.jp/17211715/

■ 講演会記録
1. 「農業大国ブラジルの光と影:遺伝子組み換え大豆を例に」(2012年11月8日、明治学院大学)http://afriqclass.exblog.jp/16942534/
●当日パワーポイント→http://www.slideshare.net/tomonada/ss-15085242
●当日紹介ブラジル公共放送TV Brasil番組(ポルトガル語25分)→https://www.youtube.com/watch?v=1WG-VT_Je40
●以上番組の短縮バージョン&印鑰さんの日本語字幕→https://vimeo.com/53087502
「社会的影響:元々小農がたくさんいた。軍事政権下で小農の権利を守る法律などなかった。政府に逆らえなかった。飛行機で農薬を巻き、コンバインで刈り取る。広大な農地があっても職を生み出さなかった。そこで雇われるのはごく僅か。(略)セラード観のあまりに大きな違い:日本では大成功とされるセラード=「不毛の大地を大穀倉地へ/奇跡」とされる。日本でセラードについて語られるすべてのもので、「不毛の大地」という枕詞がついてくる。ブラジルではセラードは、「世界でもっとも生物多様性な豊かなサバンナ」と呼ばれている。(略)ブラジル農業モデルの輸出が成功といえるのか?:大いに疑問視した方がよい。50年後このモデルが成立しているのはあり得ない。セラードの土地は脆弱で、水がなくなっているかもしれない。今これを再考しなければならない時代に入っている。ところが今年、日本政府は大成功であるというセミナーをリオデジャネイロで開催し、さらにこれをアフリカに輸出しようとしている。アフリカには広大なサバンナ地域がある。ブラジルの「ノウハウ」が輸出できるという。本家のブラジルが止めようといっている最中に、アフリカに「日本」が輸出しようとしている。」

2. 「モザンビークでのJICA熱帯サバンナ農業開発プログラム市民社会との勉強会」(2012年11月16日)明治学院大学国際平和研究所(PRIME) 「平和学を考える」AJF・JVC・HFW・明治学院大学国際平和研究所(PRIME)共催連続公開セミナー「食べものの危機を考える」2012年度 第5回
講師:JICAアフリカ部アフリカ第三課 坂口幸太 
コメント:舩田クラーセンさやか(東京外国語大学大学院教員)
http://afriqclass.exblog.jp/16942666/
http://afriqclass.exblog.jp/16942699/

3. 「プロサバンナ事業とその問題」2013年2月23日(松山市ODA勉強会、えひめグローバルネットワーク主催)講師:舩田クラーセンさやか(東京外国語大学准教授)
http://afriqclass.exblog.jp/17362546/
*資料したパワーポイントを全部公開しています。

■学術論文
1."Land Grabbing,Agribusiness and the Peasantry in Brazil and Mozambique"
By: Elizabeth Alice Clements and Bernardo Mancano Fernandes
http://www.cornell-landproject.org/download/landgrab2012papers/Clements_Fernandes.pdf
2012年秋に開催されたコーネル大学での土地争奪国際会議での研究報告ペーパー。ブラジルのセラード開発で生じた各種の問題(小農や住民の視点から)が、モザンビーク北部で展開するプロサバンナ事業によって再現される可能性について警鐘を鳴らしている。

2. "Analysis of the discourse and background of the ProSAVANA programme in Mozambique – focusing on Japan’s role" (2013 Jan.)
Dr.Sayaka FUNADA CLASSEN
【英語版】http://farmlandgrab.org/post/view/21574
【ポルトガル語版】http://farmlandgrab.org/post/view/21802
日本の一次資料に基づき、プロサバンナ事業にかかわるディスコース(言説)の変遷を明らかにするとともに、「市民社会」「農民主権」「先行事例との比較(ブラジル、アフリカ)」の3点から内発的発展を視座としつつ、問題点を浮き彫りにした。JICA等の一次資料の一覧もついていますので、ご活用を。

3. China and Brazil in African Agriculture (CBAA) Project work stream
ESRC (UK Economic and Social Research Council)の研究プロジェクトの成果
http://www.future-agricultures.org/
①"Chinese and Brazilian Cooperation with African Agriculture: The Case of Mozambique"
by Sergio Chichava, Jimena Duran, Lidia Cabral, Alex Shankland, Lila Buckley, Tang Lixia and Zhang Yue (March 2013)
http://www.future-agricultures.org/publications/research-and-analysis/cat_view/237-nnnresearch-and-analysis/184-working-papers#.UXujP6KpVSQ

②"Narratives of Brazil-Africa Cooperation for Agricultural Development: New Paradigms?"
by Lídia Cabral and Alex Shankland
http://www.future-agricultures.org/publications/research-and-analysis/cat_view/237-nnnresearch-and-analysis/184-working-papers#.UXujP6KpVSQ
pp.15-16で、プロサバンナについて取り上げている。インタビューの結果として、ブラジルの目的が不透明であること、ブラジル・アグリビジネスの関与が強く示唆されている。また、ブラジル国内の農業政策(アグリビジネスをはじめとする大規模農業の推進か、土地なし農民を含む小農支援の重視か)の矛盾や問題が、解決していないままの「国際協力」であることが指摘されている。


■関連サイト
1. 土地争奪に関する国際ウェブサイト
【英語・各種言語】http://farmlandgrab.org
【日本語】http://landgrab-japan.blogspot.jp/
No!to Land Grab, japan

2. 舩田クラーセンさやか個人ブログの「土地収奪・プロサバンナ問題」ページ
http://afriqclass.exblog.jp/i38

3. モザンビーク関連資料立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点
http://www.arsvi.com/i/2mzm2012.htm

4. 土地問題に危惧する国際NGO・研究者が設定したデータベースThe Land Matrix
http://landportal.info/landmatrix

5.Stop Africa Land Grab (キャンペーン)
http://www.stopafricalandgrab.com/

6. Friends of the Earth (FoE)(国際環境NGO)
http://www.foejapan.org/aid/land/index.html (日本語)
http://www.foe.co.uk/news/land_grab_protest_36293.html (英語)

7. 印鑰 智哉(いんやく ともや)さんのブログ
http://blog.rederio.jp/archives/tag/prosavana
http://blog.rederio.jp/archives/tag/prodecer
http://blog.rederio.jp/archives/tag/cerrado
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by africa_class | 2013-04-29 17:17 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

国際コモンズ学会(@富士吉田6月3日~)"Law and Land Grabbing - Mozambique"

これが最後の・・・はずです。
平和学会の報告申し込まなくてよかったです・・・。

それにしても、この分野、ドイツの研究者の注目が凄いです。
ドイツでの研究も、結局この分野での成果発表を求められた結果です。
去年9月にこのテーマで論文を書き始めた時には想像だにしていなかった・・・ことです。
このブログでも何度も研究したい学生さんを呼びかけましたが、誰もいないので自分でやるしかない・・・状態が、良かったのか悪かったのか。しかし、世界的には、こんなにニーズがあったのですね。

でも、2月の福島の報告・討論会で、水俣の先生が、「専門家がいない・・・と嘆かず、自分で専門家になるのだ。出来るから」とおしゃっていたことに背中を押されています。がんばりましょう。

話の内容は国際土地問題学会と同じですが、議論する仲間と場が違うので、かなり議論は深くなると思うので、内容はコモンズ(共有資源)のことに引き付けて検討しなければなりません・・・・が、準備が。。。

なお、この学会世界中から研究者や実務家が結集します。ブラジルの研究者からも既に連絡もらっており、是非フィールドトリップなどもあるのでご参加ください。

しかし、未だに発表の日時が分かりませんが・・・。多分、4日か5日になります。
http://iasc2013.org/en/program.html

==============================
14th global conference of the International Association for the Study of the Commons
http://iasc2013.org/jp/
国際コモンズ学会第14回世界大会(富士吉田)

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 コモンズとは、もともとイギリスの共有地のこと。ただ今日では、広くさまざまな「共有資源」をさすようになっています。国際コモンズ学会は、共有資源の適切な利用・管理のありかたを理論的・実践的に探る学会です。
 共有する資源を適切に管理する方法には、これまで二つの異なる考えがありました。国家権力による解決と市場原理による解決です。誰にとっても大切な資源だから、公的機関が中央集権的に管理すべきという考えと、逆に民営化し、市場で適切な価格をつけることにより、無駄な利用をやめるようにすべきという考えです。
しかしながら、公的な管理と私的な管理はいずれも万能ではありませんでした。資源をめぐる利害の対決や不公平は、自然の荒廃と、人々の間の経済的格差、先行き不確実な社会を生んでしまいました。
 国際コモンズ学会では、国家でも市場でもない第三の解決方法があると考えています。それが、地域の人々による共的な管理です。ある特定の資源に関わる当事者が、自ら自主的にルールを定め、資源を利用してゆく方法です。国際コモンズ学会の初代会長であるエリノア・オストロム教授は、地域の人々が自主的に資源を利用・保全してきた世界中の事例にもとづく研究により、この第三の解決方法の可能性を示し、2009年にノーベル経済学賞を受賞しました。受賞論文では世界のさまざまな事例とともに、日本の北富士地域の入会制度のことが大きく取り上げられています。
 資源を大切に長く利用しようとした先祖から伝わる精神。ともすれば忘れがちなこの精神について、ノーベル賞の端緒となったここ北富士の土地で開かれる大会を通じて、より多くの人々とわかちあいたいと私たちは考えます。

■参加するパネル
"Law and Land Grabbing: Law for Commerce or Commoners?"
(Large-scale land acquisitions, resource grabbing, legal and regulatory frameworks)

●ORGANIZER and Co-CHAIR
Dr. NEEF Andreas (Kyoto University)
Dr. ALDEN WILLY Liz (Consultant, Kenya)

●Presentation
Dr. BRÜNTRUP Michael (German Development Institute:DIE)
Dr. FUNADA CLASSEN Sayaka (Tokyo University of Foreign Studies)

This panel will report from a pre-IASC-conference meeting on “Legal and Development Implications of International Land Acquisitions” to be held from 30-31 May 2013 in Kyoto. The meeting will be jointly organized by the Graduate School of Global Environmental Studies, Kyoto University, and the Law and Development Institute, University of Manchester. We will look at resource grabbing by investors in alliance with national governments and its impact on commoners and the commons from a law and development perspective. It will be argued that whilst large-scale acquisitions for industrial agriculture and extractive purposes impact upon smallholder farming and food supplies, they will over time most dramatically impact upon the lands and resources which poor rural communities around the world hold and use on a communal basis, but usually without the benefit of protective law. The medium and longer-term impacts upon the future of commons and commoner rights will be carefully considered. Another focus of the panel will be upon the reawakening of the stressed relationship between community-derived customary land law and national land legislation as a mirror of long-unresolved contradictions in modes of social transformation and growth. Another will examine the way in which the international donor community becomes entangled in processes of expropriation and resettlement as midway actor in contested growth strategies. Questions around the role of international law and guidelines will be scrutinized. More broadly, the aim of the panel is to locate the current grab as integral to expanding capitalist transformation and unlikely to recede. Focus therefore will be upon practical measures of mitigation. To examine these matters the panel will deliberately bring to bear trends in selected African and Asian countries to demonstrate the commonality of the plight of the commons and commoner rights, and the need for equally global approaches to meet the challenges.
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by africa_class | 2013-04-27 22:19 | 【記録】講演・研究会・原稿

土地問題国際学会@京大(5月30日)"Land Acquisition by Foreign Agribusiness in Mozambique-ProSAVANA"

自分でも理解しておくために・・・掲載しておきます。
が、大丈夫なんでしょうか・・・私。
頼まれたからとはいえ・・・あと一個あります。

国際学会(2013年5月30日ー31日)@京都大学
"Legal and Development Implications of International Land Acquisitions"
http://www.lawanddevelopment2013.org/
京大Graduate School of Global Environmental Studies
http://www.ges.kyoto-u.ac.jp/cyp/index.php?ml_lang=en
マンチェスター大学Law and Development Instituteとの共催です。
http://www.lawanddevelopment.net/

■プログラム
http://www.lawanddevelopment2013.org/index.php/program
アフリカにおける土地争奪問題の専門家が基調講演するほか、世界中の土地争奪問題が議論されます。

■基調講演
"The Law and Land Grabbing - Friend or Foe?"
by Liz Alden Wily, Independent Land Tenure Specialist, Nairobi, Kenya

■全体セッションⅡでプロサバンナを取り上げます。
“Competing Frameworks and Perspectives on Land Property and Land Markets”

1. "Indigenous People in Latin America and the Right to Non-Renewable Natural Resources: The Bolivian Case"
by Lorena Ossio Bustillos, Max-Planck-Institute for Social Law and Social Policy, Germany

2. "Land Acquisition by Foreign Agribusiness in Northern Mozambique through Triangular Cooperation with Japan and Brazil: An Analysis of Shifting Discourses"
by Sayaka Funada-Classen, Tokyo University of Foreign Studies, Japan

3. "Large-Scale Land Acquisition in Sub-Saharan Africa: Evaluating the Policy-Practice Divide"
by Laura German, University of Georgia, USA

■自分の要旨だけ掲載しておきます。
"Land Acquisition by Foreign Agribusiness in Northern Mozambique through Triangular Cooperation with Japan and Brazil: An Analysis of Shifting Discourses"
by Sayaka FUNADA CLASSEN

This presentation will examine the much debated characteristics and background of the “Triangular Cooperation for Agricultural Development of the Tropical Savannah in Mozambique”, the so-called “ProSAVANA” program, signed jointly by the governments of Japan, Brazil, and Mozambique in 2009. This programme has been criticized by local farmers’ and civil society organizations due to its possibility of land-grabbing by foreign investment and for the top-down process of project planning and implementation. This presentation seeks: (1) to analyse the discourse and the arguments observed in public documents and discussions of Japanese planners and promoters of the programme; (2) to examine – based on the voices of the local civil society – the social and cultural characteristics of Northern Mozambique and preceding cases of land grabbing observed in Brazil and other African countries; (3) to highlight the characteristics and the challenges concerning the present predominant discourse of development and assistance.
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by africa_class | 2013-04-27 21:15 | 【記録】講演・研究会・原稿

アフリカ学会@東大(5/26)「グローバル下アフリカにおける農業投資とODA~セラード開発とプロサバンナ」

続けて、日本アフリカ学会での発表要旨を掲載しておきます。
日本アフリカ学会は、2013年5月25日ー26日まで、東京大学駒場キャンパスで開催。
詳細→http://www.jaas50.com/
参加費はかかりますが(学生3000円)、沢山の発表があって本当に面白いです。

私の発表は、26日(日)午後です。
プログラム→http://www.jaas50.com/zantei.pdf

本報告は、近刊の本の一章に基づきますが、最近のブラジル・セラード開発に関する学術論文も追加で参考にします。なお、同章の中身については、英語・ポルトガル語版がダウンロード可能です。
"Analysis of the discourse and background of the ProSAVANA programme in Mozambique – focusing on Japan’s role" (2013 Jan.)
by Dr.Sayaka FUNADA CLASSEN
【英語版】http://farmlandgrab.org/post/view/21574
【ポルトガル語版】http://farmlandgrab.org/post/view/21802

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グローバル下アフリカにおける農業投資と政府開発援助の一考察
~セラード開発とプロサバンナ事業の比較から

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舩田クラーセンさやか(東京外国語大学 准教授)

Analysis of Agricultural Investment and ODA in Africa under Globalization
-focusing on the Cerrado development and ProSAVANA-
Sayaka, FUNADA-CLASSEN (Tokyo University of Foreign Studies)

「長い16世紀」に開始したグローバリゼーションは、冷戦終結から二十数年を経た現在、世界中の人びとの日々の生活レベルにその影響を及している。その影響の濃淡やあり方は、国や地域、集団や人びとによって大きく異なるとはいえ、「影響が及んでいる」という点についてはおおよそ同意が得られるであろう。
植民地支配や資本主義経済の流入後も、その「周縁性」によりある程度は自律的な生活を営むことが可能であったモザンビーク北部農村地域であるが、近年の加速化する外国からの投資(鉱山・農業開発)によってこの地域も大きな影響を受け、地域住民、とりわけ小農らは、様々な課題に直面している。なかでも、外国企業等による土地の争奪(land grabbing)が急速に進行し、各地で地元農民から土地が奪われる事態が発生している。

同様の事態は、世界中とりわけアフリカで急速に進んでおり、各地で農村住民の異議申し立てが観察されている。中でもモザンビークは、世界第二位の土地取引件数と面積が報告されており(LandMatrix2012)、土壌が良く水もある北部がターゲットとなっている。

そんな中、日本政府とブラジル政府は、「熱帯アフリカ農業開発の促進」を掲げ、モザンビーク北部で大規模な農業開発を行う「プロサバンナ事業」を、モザンビーク政府とともに開始した。これに対し、2012年10月11日、モザンビーク最大の農民組織・UNAC(全国農民連盟)は、プロサバンナ事業への抗議声明を発表した。

以上を踏まえ、本報告では、モザンビーク小農の異議申し立ての根底にある現在の「農業投資」がアフリカで引き起こしつつあるいくつかの課題について、同事業がモデルとするブラジルで行われた大規模農業投資事業(セラード開発)との比較によって考察する。本報告は、次の手順で行われる。

1.世界的な農業投資の加速化とアフリカにおける土地収奪問題の概要
2.モザンビークにおけるプロサバンナ事業への農民組織の異議申し立ての概要
3.ブラジル・セラード開発による先住民への影響の考察
4.以上に基づくモザンビーク北部小農へのインプリケーション

本報告がベースにするのは、1.については統計資料や国際機関の報告書、2.農民組織の声明や筆者によるインタビュー結果、3.セラード開発に関するブラジルの先行研究(特に、先住民や小規模あるいは土地なし農民への影響に関するもの)である。

結論は次のようなものである。
現在、「アフリカの食料問題の解決策」と称して大規模な農業投資や農業開発援助が必要と叫ばれている。G8サミットの”New Alliance for Food Security and Nutrition”等がその例である。そこで念頭におかれているのは、ブラジル・セラード開発に象徴される大規模開拓と機械化を前提とする農業投資である。

日本ではその「成功」ばかりが事業推進者らによって主張されてきたが、ブラジルの学術的な先行研究の知見に基づき、同事業が小規模あるいは土地なし農民にもたらした「負の遺産」を十分議論し、その教訓に基づいて現在のアフリカへの「適応」について再考されるべきと考える。
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by africa_class | 2013-04-27 20:52 | 【記録】講演・研究会・原稿

国際開発学会(6月8日@宇大)「原発事故から2年、TICAD Vの年に問直す開発と発展~投資/援助と農民主権」

何故こういうことになったのか未だに不明なのですが、5月24日~3週間の間に、何故か4つの学会で研究報告をしなければならず(誘われたのを受けていったらそういうことに)、、、。一個ずつ紹介する余裕がある時に紹介していきます。ネタは全部似たもので・・・すみません。

まずは、国際開発学会第14回春季大会の企画セッション。
コーディネイターは、龍谷大学に移られた西川芳昭教授です。
http://kokutvkaigi.mine.utsunomiya-u.ac.jp/jasid14/schedule.html

本企画セッションは公開企画で、一般の方も無料で参加が可能です。
ただ2時間枠で4人発表なので議論の時間が十分取れないため、「続編」を翌日同じ会場にて、10時~正午まで「続編」を開催します(詳細は末尾)。ふるってご参加ください。

311後の日本で考える「開発」と「発展」・・・・是非ご一緒に。

********************
■原発事故から2年、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)年に問い直す開発と発展
「アフリカにおける経済成長と内発的発展~グローバル農業投資と農民主権」


【主催】TICAD市民社会フォーラム(TCSF)有志・大会実行委員会
【共催】宇都宮大学国際学部附属多文化公共圏センター 
【協力】JASID「原発震災から開発・発展を考える」研究部会

●報告者 (座長:大林稔)
1.「311以後の東北農業~農民を根なし草にしようとする政策と抵抗する農民」(谷口吉光、秋田県立大学地域連携研究推進センター)
2.“Legal and Ethical Implications of Land Grabbing"(アンドレアス・ニーフ、京都大学)
3.「農業投資と農民主権~種から考える」(西川芳昭、龍谷大学)
4.「農業開発援助と農民主権~モザンビークを中心に」(舩田クラーセンさやか、東京外国語大学)
■コメンテイター 
・熊代輝義(JICA農業農村開発部長)
・西川潤(前国際開発学会会長)

■企画セッションの趣旨と意義
未曾有の被害と苦悩をもたらした東日本大地震、そして原発事故発生から2年が経過した。日本に暮らす我々の間でも、従来の経済成長を目指す「開発」への疑問が深まりつつある中、本国際開発学会においても「原発震災から再考する開発・発展のあり方」部会が設置されるなど、「開発と発展」の見直しが行われつつある。

さらに、本学会の学会誌『国際開発研究』最新号(Vol.21 No.1/2 2012年11月)では、「開発/発展をめぐる社会学の位相」が特集され、佐藤寛・現学会長によっても「開発と発展」をめぐる議論に立ち戻る重要性が喚起される一方、小倉充夫による巻頭論文では援助研究に留まらない世界的政治経済構造と主体のせめぎ合いから「開発と発展」を考えるべきとの提言がなされている 。また、学会企画として出版された『開発を問い直す』においては、西川潤・前学会長が「開発=成長パラダイムの問い直し」を提起するとともに 、現佐藤会長が、近代化経験を「内発的発展」の視点から振り返ることが日本のみならず途上国にとって重要であることを示唆してきた 。

本年は、1993年から5年に一度開催されてきたアフリカ開発会議(TICAD)の第5回目が横浜市で開催される年にあたる。また、開発援助の風景を大きく変えたミレニアム開発目標MDGsのターゲット年が2015年に迫り、ポストMDGsの議論も平行して行われており、同目標の主要対象地域がアフリカとなっていることからも、TICAD VでもポストMDGsの議論が取り上げられる見込みである。

2000年代より、日本の開発援助は、アジア・南米地域から急速にアフリカ地域へとシフトしているが、アフリカは経済成長が目覚ましい一方、経済格差が広がり貧困者の割合は成長に見合った変化には至っていない現状にある。今、アフリカで何が起こっているのか、それは世界的政治経済構造とどのように関係するのか、地域に暮らす人びとは何を願いどのように生きているのか、構造と主体のせめぎあいの結果社会はどう変化しているのか、このような構造と当事者の変化を受け、開発援助はどのように関わるべきか。

以上の問いは、『国際開発研究』での議論を受けて提起されているだけでなく、冒頭にあげた東日本大震災に伴う原発事故後を生きる日本の我々にとって、アフリカを主要テーマにしつつも「開発と発展」を問い直す上で重要な問いだと考える。

そこで、TICAD Vの翌週に企画される本大会では、原発事故後の日本における開発への問い直しの地平に立ち、経済成長が目覚ましいアフリカの開発と発展を、参加者と共に根底から考える機会としたい。

時間が限られていることもあり、本企画において中心的に取り上げるのは、2007-2008年の食料価格高騰以来アフリカ地域に集中的になされているグローバルな農業投資の問題である。サハラ以南アフリカの圧倒的多数の住民が小規模な農業に従事する中で、このような投資の影響は、地域社会にあらゆる変化を及ぼしつつある。この変化について、世界的政治経済構造を踏まえた上で、内発的発展、とりわけそこに暮らし生きる農民主権の視点から、土地、種、食料について焦点を当て、問題提起・考察する。

なお、冒頭に日本で内発的発展の視点から農民の声を聞いてきた研究者の発表を置くことで、議論を「遠い他者としてのアフリカ」あるいは「我々日本の援助」の問題にとどめず、同時代の世界に生き、形は違うとしても世界的政治経済構造の変化と主体のせめぎあいの中で生きる我々自身の問題として、「開発と発展」の議論をひらいていく試みとしたい。


■「【続編】原発事故か ら2年、第5回ア フリカ開発会議(TICAD V)年に問い直す開発と発展」

*学会時間枠では議論の時間が限られているため、翌朝同じ会場にて「開発」と「発展」について議論を深める機会を設けたいと思います。詳細は 次の通りです。前日したい議論が出来なかった皆さん、別のセッションで参加できなかった皆さんも、是非ご参加ください。

○日時:6月2日(日)午前10時~正午
○場所:宇都宮大学 大学会館(前日と同会場)
○モデレーター:大林稔+西川芳昭
○前日報告・コメンテイター:西川潤、谷口 吉光、舩田クラーセンさやか
○参加自由・申込み不要。直接会場にお越しください。

【主催】TICAD市 民社会フォーラム(TCSF)有志・大会実行委員会
【共催】宇都宮大学 国際学部附属多文化公共圏センター
【協力】JASID「原 発震災から開発・発展を考える」研究部会

(注)
 小倉充夫「開発社会学の軌跡と地平」(7-9頁)「(前略)開発研究という分野は今日の途上国の、しかも「開発する」という問題に限定される傾向が深まっていったと思われる。挙句の果てに、開発に関する議論の多くが開発援助がらみになっていったのではなかろうか。このことには積極的な面もあろうが、他方で、近代以前の資本主義発展の文脈と関係なく、時に表層的に考察されることが多くなったという印象が強い。(略)いうまでもなく今日の途上国の開発も世界的な社会経済の構造や展開と不可分な関係にある。ところが、Developmentに対応する日本語には開発と発展という二語があるため、かえて開発と発展を切り離して考える傾向が生じたのではないだろうか。」
西川潤「イントロダクション 開発の問い直しはなぜ必要か?」西川潤・下村恭民・高橋基樹・野田真里編著『開発を問い直す―転換する世界と日本の国際協力』(日本評論社、2002年、1-27頁)
佐藤寛「日本の開発経験と内発的発展論」西川潤・下村恭民・高橋基樹・野田真里編著『開発を問い直す―転換する世界と日本の国際協力』(日本評論社、2002年、253-268頁)

事前に、これも是非ご覧いただければ。
■援助・開発関係者が読むべき論考:「開発社会学の軌跡と地平」(小倉充夫)「開発/発展」をめぐって
http://afriqclass.exblog.jp/17202555/
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by africa_class | 2013-04-27 02:10 | 【記録】講演・研究会・原稿

ブラジル市民社会代表的組織FASEによる #プロサバンナ事業 批判記事~「ブラジルにもたらした災厄の再現」

このブログでも何度か紹介したブラジルの代表的な市民社会組織のFASEの皆さんが、2013年3月にモザンビークを訪問し、プロサバンナ事業に関する調査を行った結果を、いくつか紹介されています。

JICAが繰り返し、「成功!」と宣伝するブラジル・セラード開発を、ブラジル市民社会がどのように考えているか、そしてその「成功したセラード開発」の「レプリカ(日本政府が賛同するモザンビーク農業大臣談話)」である「プロサバンナ事業」についてブラジル市民社会は調査の結果どのように考えるに至ったのか、知るよい機会だと思います。

なお、モザンビークでは最近「ブラジル=新たな帝国主義」という声も聞かれ、このブログでも紹介している鉱物資源開発会社のVale社の地域社会に対する態度はまさにそのような点がみられますが、このようにモザンビークの人びとの権利のために共に闘う市民社会もあり、その確固たる連帯の姿勢にモザンビークの市民社会も心打たれていると聞いています。

象徴的には、Fatimaさんの1.の記事に書かれています。
結局、ブラジルでもモザンビークでも、小農らは、民衆の食料安全保障や主権、土地の権利を保証するためには、アグリビジネスのモデルによる権利の侵害や社会・環境的な不正義との闘いを強化しなければならないのである。モザンビークにおけるブラジルの存在が小農の権利を強める一方、世界の正義と格差を縮小することを目的としてブラジルがグローバルなアクターとして成長する能力を示すかどうかが問われている。

「ブラジル=悪」というわけでは勿論ないので(言うまでもないですが)、その点は念頭に置いていただければ。現在の日本の状況をみれば、「子どもの権利」を侵害している沢山の大人たちがいます。何もしない大人も含めて。これは世界的に非常に厳しい目で見られています。

私の中では、福島やその周辺の子どもたちの権利侵害を強要・許容する日本政府・政治家・企業・社会と、アフリカの小農の権利を侵害する政策を援助で応援する日本の援助関係者の闇と罪は、同根だと思っています。

なぜそうなるのか?
日本の子どもたちも、モザンビークの小農も、
その声はあまりに小さく、
自分の権利を侵害するものは巨大で何が起こっているか容易に掴めす、
そして、あまりに日本の権力の中心から遠いから、
利権を前に、容易に踏みじれるからです。

気づいた人、組織の中にいるあなたも、がんばりましょう。
あなたが開発援助について学び、その分野で働こうと思ったのには「理由」があったはず。

追悼:農村の貧しい人の側に立ち闘い続けた開発経済学者にして活動家José Negrão教授から学ぶ
http://afriqclass.exblog.jp/17641224

日本の子どもたちを守ることも、
モザンビークの小農の権利が奪われないよう一緒に闘うことも、
正義のためだけでなく、実は自分の権利を守ることなのです。

そしてそのさらに先に、子どもよりも小農よりもさらに声が出せない「生きとし生けるすべてのもの」、かげがえのない環境や、生命の未来がかかっているのだ・・・ということを、今一度思い出してほしいなあ、と思います。
がんばりましょう。

1.のみ訳したものを掲載しておきます。
と書いたら、すでに掲載していました・・・こちらをご覧ください。
全訳:http://afriqclass.exblog.jp/17534960/
他の記事はぼちぼち・・・・がんばります。

また、ブラジルの他の機関のウェブも紹介しておきます。

■「FASEの チームがモザンビークを訪問」
"A Equipe da FASE Visita Moçambique” 21/03/2013 
http://fase.org.br/v2/pagina.php?id=3835

1. "O que quer o Brasil com o ProSAVANA?"
Por Fátima Mello, do Núcleo de Justiça Ambiental e direitos da FASE
(2013年3月21日)
【ポルトガル語】http://www.fase.org.br/v2/pagina.php?id=3837
【日本語全訳】全訳:http://afriqclass.exblog.jp/17534960/

2. "Visita à Moçambique: país de lideranças fabulosas"
Por Vilmon Alves Ferreira, Educador Popular Técnico da FASE Mato Grosso
(2013年4月12日)

あとは、以下の記事を書いたFatima Melloさんのインタビュー記事が以下に掲載されています。
3. 「プロサバンナ:複数の矛盾する利益 ファティマ・メロとの特別インタビュー」
Instituto Humanistas Unisinos インタビュー2013年4月3日 
"ProSavana: interesses múltiplos e contraditórios. Entrevista especial com Fátima Mello"
http://www.ihu.unisinos.br/entrevistas/518948-prosavana-interesses-multiplos-e-contraditorios-entrevista-especial-com-fatima-mello

さらに、この記事がブラジルの「土地なし農民運動(Movimento dos Trabalhadores Rurais sem Terra」のサイトに掲載されていることも象徴的ですね。

4.「モザンビーク人らは、土地を奪うアグリビジネスのサガを非難」
2013年4月10日 Do Canal de Moçambique
"Moçambicanos denunciam a saga do agronegócio em usurpar suas terras"
Por Aunício da Silva
【ポルトガル語】http://www.mst.org.br/Camponeses-mocambicanos-denunciam-a-saga-do-agronegocio-em-usurpar-suas-terras
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by africa_class | 2013-04-26 20:25 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

続報:ブラジルVale社炭鉱の土地収用&移転への住民抗議のその後

やっと訳す時間が出来ました。
ブラジル鉱物資源会社Vale社に対するモザンビーク・テテ州モアティゼ郡の農民らの抗議に関する続報です。詳細は、先に以下の投稿と情報をご覧の上、お読みください。

しかし、国際報道も国営放送内容も、まったくあてにならないことがこれで良く分かりますね。この問題は、資源ブームで湧くモザンビークに急速な進出を目指す日本企業関係者やそれを奨励する経産省や外務省、JETROやJICA関係者にもよく注目してほしいと思います。

Vale社は例外・・・ではありません。この声明に述べられているように、モザンビーク政府・政治エリート・警察が三つ巴になって、民衆の権利や利益を顧みず、外国企業の利益を守ろうとしている姿を、モザンビークの住民らがどのような思いで眺め、闘って、苦しんでいるのか・・・よく見て下さい。そのようなことを、メディアも、政府も伝えません。ある日気づいたら、「アラブの春」「アルジェリア事件」・・・となるのです。


■モザンビークで、ブラジル鉱物資源会社Valeの炭鉱道を住民が封鎖、警察が発砲3名負傷~市民社会の声明(4月18日)
http://afriqclass.exblog.jp/17644029/

4月19日の声明は訳す余裕がないのですが、大体今回の22日声明に反映されているので、気になる方は、[More」に掲載した原文を読んでみてください。

4月19日声明
■Famílias Atingidas Forçam Diálogo com a Vale e Prometem Endurecer a Luta
「Vale社に土地収用された家族らが対話を求め、闘争は強まるだろうと主張」

4月22日声明
■農村コミュニティ開発のためのアカデミックアクションADECRU声明
ACÇÃO ACADÉMICA PARA O DESENVOLVIMENTO DAS COMUNIDADES RURAIS
「土地収用が行われた家族らは、Vale社に対し、闘いはより強まると最後通牒」

2013年4月22日、マプート

ADECRUは、カテメ地域と9月25日地区の第六ユニットの土地収用され、移転させられた1365家族とVale社代表の間で行われた「交渉プロセス」について緊急非難する。

ADECRUは、同様に、4月19日15時半~16時半までの間、モアティゼ郡行政府の建物の中で行われた最初のミーティング以来、これら1365家族の代表者らに加えられた操作工作、脅迫、抑圧の試みに対し、非難する。

これらの家族の代表によると、このミーティング中、Vale社と政府の代表がほとんどレトリックを話し、この企業の操業停止中に生じた損益について、これらの家族を叱責し、責任を押し付けた。

4月19日、プレスリリースで、ADECRUは、この交渉のためのミーティングが、意識の操作や脅迫に道を拓くことになると注意を喚起した。そして、これは実際のものとなった。Vale社は、再度、被雇用者を代表に立ててきた。つまり、誰も意思決定権を持たないばかりか、モアティズ郡のVale社諜報安全サービス長によって命令を受けている被雇用者をである。モザンビーク政府の側は、RPM(モザンビーク警察)の郡司令官が、これら家族に明らかな脅迫を行った。

「警察は、Vale社のために仕事をし、民衆やモザンビーク国家のために仕事をしているようにみえなかった。我々が抗議し、それを表明したら、牢屋に入れられ、拷問され、殺される。そうであれば、表現や抗議の自由のような法律はなかったほうが良かった。我々の権利を主張などしないために。これらの権利はある人には機能し、他の者には機能しない」と、このミーティングに参加した家族委員会のメンバーは非難した。

「我々は、2009年から止まったままの状態にある。我々の損失と苦悩の一方で、Vale社が操業開始し、生産し、輸出し、石炭を売って、驚くほど高い利益を得ている中で。我々は、家族を食べさせ、支えなければならない。我々の問題提起は生活における基本的なものである。しかし、彼らは、抗議のインパクトと損害について話しをしたく、我々の抱えている懸念については話そうとしなかった。」と、強調した。

ADECRUは、1時間しかなかったこのミーティングの最後に、家族の代表らが、4月26日(金曜日)までに、Vale社が、公衆の参加と協議のプロセスの中で行なわれた同意と約束を履行するため、この正当なるすべての問いに対し、返答するように最後通牒を行なったことを確認した。家族らは、この闘いが強いものになるであろうことを述べた。

ADECRUは、このプロセスにみられる深刻な過ちや悪徳には、Vale社がモザンビーク政府に対しどのレベルにおいても持っている影響力、介入力、そして権力が反映されていると考える。そして、公衆の利益、国家主権が、巨大な多国籍企業と共存するごく少数の政治的エリートの私的な利益に従属していることが明らかになったと考えている。

もうすぐ飛行機が出るので、訳す暇がないので原文貼り付けておきます。どなたか訳せる人がいたらメール下さい。

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by africa_class | 2013-04-21 00:21 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

モザンビークで、ブラジル鉱物資源会社Valeの炭鉱道を住民が封鎖、警察が発砲3名負傷~市民社会の声明

未だポルトガル語ニュースしか流れていないようなので、急ぎ紹介しておきます。国営新聞の報道はかなり弱いですが、市民社会の情報はかなり厳しい状況なことが示されています。国際ニュースも事態を正確に捉えていないので、全訳(ほぼ)し、解説を載せました。続報が現地から入ってきましたが、空港から訳して載せます。

なお同じテテ州に新日鉄住金が4月4日、炭鉱の採掘権を取得し、2016年から操業開始。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130404/biz13040413450009-n1.htm

日本はブラジルと連携して、テテ州の炭鉱とナカラ回廊を結ぶ「ナカラ回廊プロジェクト」、同回廊沿いの農業開発を行う「プロサバンナ事業」で、ブラジルの官民と連携していますが、本当にこれでいいのでしょうか?こういう現地の状況や、現地住民の生活の破壊問題、ブラジルのアフリカ進出の野心、その背後にいるグローバル資本について自覚があるのでしょうか?

そもそも、2000年からしか在外公館を置かずJICA事務所がなく、モザンビークと関わる邦人が少なく、情報や知見の知見もないモザンビークで、こんな大規模開発を担うだけの、そしてブラジルの野望に振り回されないだけの外交能力や実務能力、情報収集能力など、あるのでしょうか?たった2人だけのモザンビーク研究者として、20年近く同国に関わる者としてとても疑問に感じます。

BBCがニュースにしてました。
■Mozambique protesters at Brazil-owned Vale coal mine
「ブラジルのVale炭鉱にモザンビーク人抗議者たち」

→http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-22191680
モザンビークの炭鉱の入り口を何百という抗議者らが、住民移転に際した補償を不服として封鎖している。一人2千ドル(20万円弱)の補償では足りないと、特にレンガ作りに関わる者が述べている。

<=が、これ国営新聞と同じような報道ですが、現地の市民組織の声明の深みがないですね・・・。要は「補償が足りない」ということが、金銭的な問題にすり替えられ、住民が降ってわいた一時金に対し「強欲」かのように思える書きぶりです。

■今回の抗議は次のものとして理解されるべきでしょう。
①2008年に同地に進出したVale社によって、5000家族が土地収用された。
②これら住民は、立ち退き・移転のプロセスや補償内容、その結果生じた生活苦について異議申し立てを2009年末から継続。
③その抗議の一環で、Vale社への補償内容見直しを求めるが拒否。再度の対話を求めて、道路封鎖。
④しかし、警察が強制排除を行い、住民が逮捕。その釈放を求めた住民が牢屋に集結。
⑤警察がついに催涙弾やゴム弾などを使って住民に発砲、負傷者が出た。
⑥警察はそれを否定。

<何が起きているのかの過去の投稿>
■「ブラジル鉱業企業と地元住民の土地紛争:「死んでもここを動かない」
http://afriqclass.exblog.jp/17432081/
■「ビルマでの援助と土地収用とプロサバンナ問題」
http://afriqclass.exblog.jp/17288876/

こういう状況の中で、日本が援助するプロサバンナ事業は、ブラジル政府と民間と共に、行われようとしているのです・・・ね。なお、日本の「ナカラ回廊プロジェクト」は、ナカラ回廊の先っぽを、このValeの炭鉱においており、「Vale鉄道」との連結を目指しています。「三角協力」・・・の恐ろしさを自覚あるのでしょうか。

<この件と日本との関わりについての過去の投稿>
■「三角/南南協力の罠3~モザンビーク住民に暴動されるブラジル企業進出と日本援助(ナカラ回廊PJ)の関わり」
http://afriqclass.exblog.jp/17274648/
■「三角/南南協力三角/南南協力の罠2~世界の議論(没政治性問題について)
http://afriqclass.exblog.jp/17274194/
■「三角/南南協力の罠1~BRICSが自らを「南」に位置づけ行動の自由を確保するメリットの指摘から学ぶ」
http://afriqclass.exblog.jp/17265850/

また、農民にとって土地が重要でない、「移転させればいい」「どこでも同じ」「アフリカ農民は土地に執着ない」「土地は沢山ある」・・・という、現在プロサバンナにみられる話は、1997年の土地法制定時にも該当しなかったし、今現在はもっとその状態にありません。そのことを、未だ理解されていないようで・・・。(勿論、地域差はありますが、モザンビーク北部では小農にとって土地は凄く重要です。ましては、肥沃な土地をわざわざ選んで住んでいる農耕民にとっては)

■国営新聞
Manifestantes paralisam minas de carvão de Moatize
http://www.jornalnoticias.co.mz/pls/notimz2/getxml/pt/contentx/1642179
Vale社の鉱山コンセッション内の500人近くの若い陶工(レンガ作り)らが、火曜日(4月16日)の夜中に、幹線道路や鉄道に、丸太や石を使ってバリケードを築き、鉱山への車や鉄道のアクセスを妨害している。(2013年4月18日)
UM grupo de cerca de 500 pessoas, na sua maioria jovens oleiros abrangidos pela concessão mineira da Vale, em Moatize, província de Tete, colocou durante a noite da passada terça-feira, troncos e pedregulhos fazendo barricadas nas entradas de saída de viaturas e na linha-férrea usada para o escoamento do carvão mineral.Maputo, Quinta-Feira, 18 de Abril de 2013:: Notícias


■現地人権活動家の報告に基づいた市民社会声明
*この場合の「家族」は住民のことです。
以下読むと分かるように、警察は「集会、マーチなかった」「治安維持だ」と自己正当化しているとともに、発砲の命令が郡長なのか司令官なのか、責任のなすりつけあいがされています。現場に人権活動家がいて初めて、このような情報は分かりますし、他方それを世界に発信してくれるNGOがいて初めて私たちは情報を知ることができます。ただ、彼らも英語にする余裕がなく、サイトを持っているわけでもなく、私の方に誰か英語にしてくれ、掲載する人がいればいいのですが・・・。

ACÇÃO ACADÉMICA PARA O DESENVOLVIMENTO DAS COMUNIDADES RURAIS
「モザンビークのVale社の炭鉱で、警察と家族(住民)らが暴力的衝突」
Violência e Confrontos entre Polícia e Famílias na Mina da Vale em Moçambique

「ADECRU」は、4月16日から続く、無防備な市民や家族らへの暴力や弾圧や逮捕を緊急非難する。これらの人々は、2009年末から、Vale社が現れて以来、同社によって行われた非人間的な住民移転に対し、抗議し、クレームを表明していたものである。彼らは、同様に、モザンビーク共和国警察PRMによる、Refo Agostinho Estanislau(レフォ・アゴスティーニョ・エスタニラウ」という名の市民の専横的な拘留に抗議する。彼は、「暴力を扇動した」との罪を着せられた。

「ADECRU」は、彼の即時釈放を求める。PRMと国家情報安全サービス(SISE)に、これらの市民や家族の逮捕を直ちに止めるよう要求する。これらの人びとは、法に基づき、彼らの基本的自由と権利の尊守のために闘っているからである。これは、憲法で保障された直接参加型の人民民主主義の原則に基づいた行為に過ぎない。

また、Carbomocという名の第9地区のPRMにみられた、これらの家族と警察の部隊との間で生じた緊張と衝突に警告を発する。これらの家族は、Vale社を利するために続けられた不正義を可能とするモザンビーク政府の行動と警察に対し、多くの犠牲を払っている。

「昨夜17時頃、警察は銃を使って、我々に発砲した。3人が少なくとも負傷した。警察は、その間、われわれの仲間たちを捕え、今も拘留されたままである」、と陶工で2日に渡って抗議行動に参加したTaibo Ismael(タイモ・イスマエル)は述べた。

ADECRUは、本日2013年4月18日、Vale社によって移転させられた家族らとPRMとの衝突を確認した。これらの家族は、集まり、警察によって昨日拘束されたレフォ・アゴスティーニョ・エスタニスラウの解放を求めて、牢屋までマーチしていた。

ADECRUがコンタクトしたこれらの家族によると、昨夜17時頃、PRMは、催涙弾やゴム弾を使って、16日から、「モアティズ炭鉱プロジェクト」へのアクセス道路を封鎖していた500人を超える人びとに発砲したという。
同プロジェクトは、Valeモザンビークによって特許が持たれ、操業されているが、操業停止に追い込まれた。(略)

モアティズ郡長Elsa Maria Fortes Xavier da Barcaは、ADECRUの問合せに対し、PRMの行動は彼女の命令によるものではないと、PRMの郡司令官が言ったことを否定した。「情報がなく、司令官に何が起こったのか確認しているところである。現時点で軍司令官だけがこの件で話ができる」と述べた。

一方、軍司令官Jaime Samuel Mapumeは、これらの家族への発砲は、次のことによるという。「公共の秩序、安全、安定に危険を及ぼした全ての者に発砲した。この市民を逮捕したのは、暴力を開始したからだ」。と同時に、同司令官は、警察の行動により、負傷者が出ていることを否定した。「誰も負傷していない。現在静かな環境にある。」

無差別の発砲とPRMによってつくられた緊張と衝突が誰の命令によるものなのかの問いに対し、同司令官は次のように述べた。「集会し、マーチした、(Vale社によって)移転された家族なんて一家族もいなかった。何が起こったかというと、拘留されている男性の15人程度の仲間たちが、彼を解放しようと牢屋に侵入しようとしたのである。警察はここ数日の状況が再発しないよう保証するようこれらのグループに求めたい。

現在、ADECRUのMoatizeに拠点を置く人権活動家によると、現在Vale炭鉱は再度機能し始めたという。また、牢屋の前に、大勢の家族らが押し掛け、Refo氏の解放まで動かないと約束している。

最後の情報によると、SISEは、第九地区を武装してパトロールしており、いつでも暴力的弾圧と衝突が可能な状態にある。ADECRUは、現場に同行し、このような雰囲気が市民との衝突と死者を出すことになりかねないと警告を発した。ADECRUは、これら1365を超える家族、Refo Agostinho Estanisaluとの連帯を表明し、即時釈放を要求する。

2013年4月18日
ADECRU, Maputo

以下原文。続きはmoreをクリック。
  A Acção Académica para o Desenvolvimento das Comunidades Rurais – ADECRU denuncia com urgência o uso excessivo da força, intimidação e perseguição às famílias e cidadãos indefesos, que desde o passado dia 16 de Abril de 2013 protestam e reivindicam seus direitos, depois de terem sido atingidos e reassentados desumanamente pela Vale em finais de 2009. Denuncia igualmente a detenção arbitrária do cidadão Refo Agostinho Estanislau, pela Polícia da República de Moçambique (PRM), afecta ao Comando Distrital da PRM de Moatize, acusado alegadamente de “incitação a violência”.
 

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by africa_class | 2013-04-19 02:17 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

Why&How Negrão先生はモザンビーク土地法(1997年)成立に尽力したのか?~農民にとっての土地、学者

Negrao先生についてはこちらを先に
→http://afriqclass.exblog.jp/17641224/


ジョゼ・ネグラオン先生が、どういう想いで土地問題に関わったのか、以下のインタビューを。訳す暇がなく、すみません。アフリカ中の農民の土地の権利が危うくなっている現在において、一読の価値があると思います。一応抜粋を貼り付けておきます。

そして、先生と一緒にこの土地法制定に尽力したのは、お馴染みのUNAC(モザンビーク全国農民組織)です。

「ゾーニング」という、プロサバンナで今問題になっている概念が、当時どう議論されていたかに触れる良い機会でもあります。

なお、先日紹介したモザンビーク市民社会組織が何故、「第二の構造調整」とG8 New Alliance for Food and Nutrition for Africaと称したのか良く分かります。

■Interview with Prof José Negrão, Hero of Mozambique's Poor
Dr. José Negrão speaks with Oxfam America about the 1997 Land Law that has created opportunities for thousands of farming families in central Mozambique.
「ネグラオン博士がモザンビーク中部の何千という農家に機会を与えた1997年の土地法について語る」
http://www.mokoro.co.uk/files/13/file/lria/interview_with_professor_jose_negrao.pdf

土地法に関わったのは?
  It was around 1990, more or less, when the civil war peace agreement was being discussed. At that time the first thing we saw was the Dominglatura [the urban elite] mainly in Maputo, started realizing that the war was more or less over.

 So they started to grab land in order to do business. For example, [they did business] speculation with white Zimbabweans, with white South Africans, and God knows whoever else would come.

 So at the time of the peace agreement [it was in1992], we started foreseeing problems of scarcity of land in the countryside, not because all of the other land was being used, but because land with infrastructure was being allocated to new people, not in the field, but to ministers, foreign ministers, these kinds of people.

 Everyone [government officials and businessmen] became very afraid because of the resettlement of about five million Mozambicans who had been refugees in neighboring countries, and also internally displaced people. They were returning to their land.

 At this time, the World Bank came up with a proposition, which was when structural adjustment programs were very strong in Africa.

 The World Bank came up with the same proposition they did with every other program in the 90s, by titling every single family. The meaning of it was that they did not recognize communal rights, just individual rights, titling families and not communities. That was the bank's proposal. They assumed that this type of titling was something feasible.

 I should tell you that, at that time, just ten percent of the land in Africa was titled. Titling is really very complex, because it is a process. Just for you to have an idea, and for the readers in the US to have an idea, in my country, we have not been able- until today- to issue an identity card for every single citizen. Can you imagine the titling of land for each

 It would mean three million titles, it would be an unending process. It would be impossible, but that was the proposal of the World Bank.

 The government came with a proposal called "zoning." This means [the government would issue] a specific area for the private sector, another area for small holder, another area for state reserves like nature reserves, another area for towns, etc.
 
 I was working at the University, and wrote a paper saying this plan was not feasible and that it was a mistake. The proposal of the government was one hundred years old. It was the same proposal of the Portuguese settlers, from the end of the 19th century when they created native reserves.

 The proposal was to keep the dualistic idea that small holders would keep being small holders and that they would not become entrepreneurs, and they looked to small holders just like employees of the private investors.
 
 Why not think of the transformation of the small holder, individually or collectively? It can be done. So that was the main point, and I tried to criticize that position, of zoning by property, and not zoning by the potential of the land to be used for agriculture or cattle breeding. I believed that there was a possibility for collective titling, and not just for individual titling.
 
 The main point was that even if we agreed, technically it was totally impossible to do it. The World Bank tried to do it [private titling] in Ghana, and in ten years they spent something like 50 million dollars, and they have been able to title just 10 percent of the families.

 The point is, what is the alternative? And that's the moment when I came up with an alternative. 

 Why does the State only recognize the rights of land occupancy, the rights of the people, only when they have a written title or a piece of paper? Why doesn't the State also recognize the oral testimony of these people?

 Several civil society organizations read the paper. When they read it, I started receiving calls, and when it came to the press, several people called me, and said "we are nterested in developing these ideas." And that was the moment when it started.

 A lot of organizations followed suit, and we went to the Parliament and won. It was a lot of lobbying. More than 50,000 people in this country were conducting a land campaign.

One day I woke up, and I said "I'm afraid!"
I'm not supposed to have 50,000 people behind me. It's incredible! Even today there is always someone that recognizes me, and says, "Wow, this is the person that was involved in this thing. I was not expecting it.

The movement was much bigger than any initiative on my side, the movement was theirs.
The message was to orient to the demand. It was not supply driven, but demand driven. They said "this is what we want!"
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by africa_class | 2013-04-18 15:23 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

追悼:農村の貧しい人の側に立ち闘い続けた開発経済学者にして活動家José Negrão教授から学ぶ

数日前に書いてそのままになっていました。
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一つ大きな学術論文が終わりそうで少し安堵。といっても、締切が過ぎた/直前の原稿があと4つあるのですが・・・気が重く1つはもう諦めようとしています。後は断れないものばかり・・・。ああ。。。

なお、私、大学の皆さまのお蔭で4月1日からサバティカル(半年特別研修)に入らせていただきましたが、去年度末から病気療養中でして、せっかく夢にまで見た「実り多きサバティカル」が、なかなか困難に直面しています。皆さんから見ると、大変活発にやっているように見えるそうなのですが、実は病気がない時の半分ぐらいの力しか出せていない状態なのです。

それでも色々な事が出来る、あるいは出来ているように見えるのは、仲間と共にやっているから。そして、何より、支えてくれる家族、友人、近所、学生や元学生といった、社会関係資本のお蔭なのです。この場を借りて、皆さまに改めて感謝です。

いつもの調子でフルに仕事や活動をしたい私としては、歯がゆい思いが募っているのですが、「出来る時に出来ること」「頼めることは他人に頼もう」「出来ない時は出来なくていい」をモットーに、日々を過ごそうと試みています。

なので、沢山仕事が出来る時と出来ない時があって、書ける時には書いておこうという状態になるので、沢山投稿することもあれば、まったく出来ないこともあり、ご容赦下さい。

昨日、思い付きのようにツイットしたジョセ・ネグラオン(José Negrão)先生のこと、気になってここに貼り付けておこうと思います。

2005年に先生が亡くなってもう8年になるのですね。自分の中では、まだ信じられない。おそらく、それは先生が研究者でもあり、沢山のよい論文を残してくれたからだと思います。書いたものは、その時の時代感覚とともに、なのに先生ならではのいつまでも輝きを失わないシャープな切り口とともに、残っているから。

==
道半ばで亡くなったJosé Negrão先生の論稿に出会う。モザンビーク農民の権利のため立ち上がった先生の研究と市民活動の往復運動に改めて感動。凄い先生だった。
http://www.sarpn.org/documents/d0000650/P662-Relacoes.pdf

援助、開発経済学を志す人には、是非一読してほしい。
「誰の何のために何をどうやる」のか?
人の社会、生活を大きく変える「開発」なのに、そこの目線が弱いように思う。


■「開発ーモザンビーク:ジョゼ・ネグラオン、(貧困者に)関心を持った経済学者」
DEVELOPMENT-MOZAMBIQUE: Jose Negrao, An Economist Who Cared(2007年7月1日 IPS)
http://www.ipsnews.net/2007/07/development-mozambique-jose-negrao-an-economist-who-cared/
 「活動家で経済学者の故ジョゼ・ネグラオンは、南部アフリカトラストの変革主体賞を去年受賞した。彼の「子ども」であるモザンビークの「Group of 20」反貧困市民社会組織は、2007年の同賞にノミネートされている。

 ネグラオンの名前を出すと、彼の仲間や友人たちは、彼を「無欲で、モザンビークの貧困と闘うために人生の大半を捧げた人」という。(略)

 エドアルドモンドラーネ大学の開発経済学の教授であり、彼は、貧困者と社会変革のヒーローだった。彼は悲しむべきことに2005年に49歳で亡くなったが、多くの遺産を残していった。

 「彼は常に貧しい人の側に立った。多くの学者らとは反対に。彼は、貧しい人びとの声が、国家政策に反映されるように保証した」 「彼の重要な資質の一つは、 多様な意見の人びとを一つにまとめることであった。そんな人はめったにいない。」と、OXFAMのGraig Castro述べた。

 彼は、モザンビーク人の70%が暮らす農村における貧困削減への情熱で知られた。彼は、ジンバブエ、ザンビア、マラウイとの国境沿いのザンベジア州の農村に90年代滞在し、「農村の貧困者の経済行動」という博士論文をまとめた。

 「彼の論点は、貧しい人は貧しいままである。なぜなら、彼らは機会を持たないから。彼らが、経済・政治権力への機会にアクセスできれば、彼らは自ら状況を改善させることができるだろう、というものだった」と、ネグラオンがつくったモザンビーク首都にあるシンクタンク、Cruzeiro do Sul Jose Negrao Institute for Development ResearchのPomash Manhicaneの事務局長は述べた。

 彼は学生たちとともに、モザンビーク中を歩き、貧しい人たちと話し、貧困についての調査を行った。彼は、モザンビークにおける土地改革キャンペーンを主導したことで記憶されるであろう。彼は、15000人のボランティアを組織し、土地の私有化に反対するキャンペーンを実現した。

 彼は、貧しい人びと、特に女性らが、土地法の成文化に声を反映させられるように保証した。2002年には、デズモンド・ツツ司教リーダーシップ賞を受賞した。 本年1月、モザンビークの全国農民連合(UNAC: National Union of Peasants)は、ネグラオンの死を悼んだ。
==以上、記事引用終わり==

Negrão先生を知ったのはUEM(エドアルド・モンドラーネ)大学のアフリカ研究センター(CEA)で、ここは私も客員研究員を務めていたのだけれど、João Paulo Borges Coelhoとの共著原稿「モザンビーク解放闘争史」を見つけた時。

完成していた原稿。しかし発禁処分。タイプで打たれた原稿のコピーをかび臭いあのCEAの資料室で出会ったときの感動は、いい表すことはできない。私が人びとから聞いていた北部モザンビークの現実と、非常に似た現実がそこに描かれていた。

しかし、それは独立を導いたFRELIMOには、歓迎すべきものではなかった。運動というのは常に矛盾を抱えるものだ。FRELIMOが悪かったわけではない。むしろ、世界の解放運動の中でも、稀有なリーダーたちに導かれ、多くの成果を残したと思う。しかし、そこで出てきた課題や矛盾、それがどういう問題につながっていったのか・・・という歴史の教訓を学ぶには、「何が起きたのか?」の多様な姿を描くことは非常に重要である。しかし、長年の一党支配、存命の関係者が権力に就く中、そして自由化後の様々な揺れ動きの中で、「民衆の歴史」の一端は公開されることなく、研究所の片隅に封じ込められ、書いた本人たちも忘れるほど放置されていた。

彼らの描いた歴史は、地域社会の話を羅列したものではない。国際政治力学や地政学がいかに、人びとの上に覆いかぶさっていたのかを描いていた。私の『モザンビーク解放闘争史』は、ニアサ州を舞台にその作業を継続したものだった。

先生の博士論文は、以上の記事にある通り、「人びと中心の開発経済学」の名論文として、広く尊敬と感動を読んだ論文だった。

ジョセ・ネグラオン。「大きな黒い者」という名字のモザンビーク国籍白人。
アパルトヘイト下の南アに暗殺されたRuth Firstのいたエドアルド・モンドラーネ大学アフリカ研究センターCEAの研究員として、誰より農村調査を大切にした開発経済学者。国立唯一の大学にありながら、現場主義と人びとの側に立つことを徹底したCEAで、数年間客員研究員となれたことを誇りに思う。

Ruth Firstについて、彼女が遺したCEAについて、いつか書かないといけないと思う。モザンビーク市民社会、言論空間において、彼らがどれほど重要な役割を果たしてきたか?研究のための研究ではなく、人びとの声を政策に反映させるための、徹底した姿勢の。「人びとのための学問」を目指した、あのCEA。もとは、1940年代のポルトガルに集った殖民地出身者らが志向したもの。あの、アミルカル・カブラルらの。

ネグラオン先生の話。
5年後。次に先生を知ったのは、私が副代表を務めたTICAD市民社会フォーラムの市民活動であった。
その時先生は、貧困削減のための市民連合G-20を率いていた。

多くの日本のアフリカ研究者がそうかもしれないけれど、私たちはアフリカの事をアフリカの人びとに教えてもらった一学徒に過ぎない。私は、逆の方向でアフリカに出会ってしまった。国連の錦を背負って。

1994年、私は23歳だった。何も知らない。
なのに、平和や民主主義について、知っているつもりだった。
戦争をしていた人達よりも?
すぐに気づいたのに、大きな歯車の中で、私は立ち止まることができなかった。
自分の責任感が、それを止めたのだ。
「よい仕事をすること」
つまり、与えられた枠の中での「仕事」を貫徹すること。
しかし、それは、人びとの願いに耳を傾けた上での「仕事」だったのか?
本当に、人びとは何も知らなかったのか?できなかったのか?
NYで、マプートで決められるべきことだったのか?
NYやマプートに人びとは、この地の人びとのことを知っているのか?

私は自分の生真面目さと、与えられた仕事を上手くやろうとしてしまう気質の行きつく先は、この人達のことを踏みにじることになってもドンドン進んでいくことに加担すること・・・と気づいたのだった。

でも、「国際協力」の夢は捨てられなかった。
帰ってすぐに経験したのが、阪神淡路大震災だった。

モザンビークで持った疑問が、半年間活動しているうちに噴出した。
あれは、「国際協力」だけのことではなかった、と。

洪水のように押し寄せる「一方的な善意」。
構造の問題に取り組む間も、余裕も、考えも、もたないまま、目先の「支援」に走る私たちボランティア。
災害すらも「ビジネスチャンス」「利権の好機」として群がる利権者たち。
「計画」を試行するチャンスと、官僚が動く。
避難者同士のいがみ合い。
他方で、献身的な試みの数々。
子どもたちのけなげな頑張り。

自分の国・社会だから、見えてきたこれらのこと。
それは、モザンビークでも、国連でも、思い当たったことだった。

災害や戦争や貧困や飢餓の問題を、「緊急事態」としてのみ扱ってはいけない。
結局それは、中長期的にいって、そこに暮らす人びとの願っていた未来とは別の方向に誘導していくことになるから。

では、彼らはどうしたかったのか?
彼らはどう生きてきて、どこに行こうとしているのか?

神戸でも、モザンビークでも、どこでも、実のところ、そこから話や計画を立ち上げるわけではないことに、思い当たった。外部者の、「あなたのために」というセリフの底に隠された欺瞞。いや、隠されていることすら、介入者本人が気付かない、「あなたのため」というセリフは信念になり。

ジョゼ・ネグラオン先生の49年間。
それは、ビジョンに向かい、自分のすべてを、人びとのために使った人生だった。

今、先生が作ったあの土地法が、危機に瀕している。
先生の不在を嘆いてばかりいてはいけない。

先生は、私たちに道を示した。
道を続くかどうかは、私たちにかかっている。
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by africa_class | 2013-04-18 14:37 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ