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モザンビーク農民・地域・市民・宗教23団体が3国首脳宛「プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡」

すでに共同通信から流れていますが、5月28日付で、プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡が出されています。詳細は後で書きますが、モザンビークの主要農民組織のほとんどすべて、北部地域の宗教や地域、市民社会組織の多く、23団体が署名しています。国際署名もブラジル・日本を含め42団体が賛同署名中。

このこと知っててNHKクローズアップ現代のあの番組です。当事者が来日中、しかも彼らの訴えの映像もあったのに、まあそういう番組でしかないといえばそれまでですが!以下、どうぞ。
■NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)
http://afriqclass.exblog.jp/17873533/

■共同通信 記事(2013年5月29日、横浜)
「モザンビーク人農民らは農業事業の停止を呼びかける」
http://english.kyodonews.jp/news/2013/05/227493.html
"Mozambican farmers call for halting agriculture project"
YOKOHAMA, May 29, Kyodo
■The Japan Times (2013年5月31日、再配信)
以上の記事が全文読めます。
http://www.japantimes.co.jp/news/2013/05/31/national/mozambique-farmers-seek-halt-to-aid-project/#.UagW7tKpVSQ

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モザンビーク共和国大統領 アルマンド・ゲブーザ閣下
ブラジル共和国大統領 ジルマ・ルセフ閣下
日本国総理大臣 安倍晋三閣下


プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡

アルマンド・ゲブーザ大統領
ジルマ・ルセフ大統領
安倍晋三総理大臣

モザンビーク共和国政府は、ブラジル連邦共和国政府並びに日本国政府との協力の下、2011年4月にプロサバンナ事業を開始しました。当該事業は、三か国の政府による三角協力で、モザンビーク北部のナカラ回廊の熱帯サバンナにおける農業開発を促進するためのものであるといいます。
プロサバンナ事業の導入並びに実施の計画は、貧困との闘いを優先する必然性、そして我々の国の経済的・社会的・文化的発展の促進に向けた国民的及び人間的要求に根差したものとされています。
これは、モザンビーク政府が、IDE(外国直接投資)を誘引する政策を正当化する際、あるいは鉱物資源開発・天然ガス・モノカルチャー植林・一次産品生産のためのアグリビジネスの大きな投資事業を導入する際に、選択してきた主要な言説です。
我々農民男女、ナカラ回廊沿いのコミュニティに暮らす家族、モザンビークの宗教組織並びに市民社会組織は、貧困との闘い並びに主権や持続可能な発展促進の重要性と緊急性を認識し、プロサバンナ事業に関する我々の懸念と提案を表明するべき決定的な時機にあると確信しています。
プロサバンナ事業は、モザンビークの法律の基本的要件並びに原則の一つであるべき「環境インパクトアセスメント調査」を議論し承認することなく、そして実施することもないまま、すでに「クイック・インパクト・プロジェクト」の一部(*融資)を通じて実施されています。「同アセスメント調査」では、本来、このような規模の事業の導入は、カテゴリーAと分類されるべきものです。
プロサバンナ事業の広がりと大きさは、憲法で我々に保障された情報・協議・参加へのアクセス権の行使という点において、法律を遵守しておらず、民主的で透明で幅広く深い公衆(農民男女、家族、民衆)との討論を欠いており、さらには我々の生活に直接影響を及ぼす社会・経済・環境上の諸権利に関わる事柄についてのインフォームドコンセントの不在に特徴づけられています。
我々は、2012年9月以来、モザンビーク社会の多様なセクターとともに、広範な討論と集会を実施して参りました。我々がアクセスできた複数の関連文書によると、プロサバンナ事業は、モザンビーク、ブラジル、日本政府による巨大事業で、ニアサ州・ナンプーラ州・ザンベジア州内19郡の1450万ヘクタールを対象とし、ナカラ回廊沿いの熱帯サバンナにおいて農業開発を行うためのものといいます。
この事業が対象とする郡のコミュニティレベルでのいくつもの討論、あるいはモザンビーク政府、ブラジルと日本の外交上の代表者ら、両国政府の国際協力機関(ブラジル協力庁ABC、国際協力機構JICA)との議論の後、我々は、限られた情報やアクセスできた文書の中ですら、深刻な情報の食い違いや内在的な矛盾があることに気づかされました。同様に、事業の設計上の欠陥が根拠をもって確認されるとともに、「協議、住民参加プロセス」と呼ばれるものが不正に満ちていること、現在地域にあるコミュニティが土地強奪(ランド・グラビング)や強制的な移転の脅威に晒されている実態も明らかになりました。
モザンビーク大統領閣下、ブラジル大統領閣下、日本国総理大臣閣下、国際協力は、より公正で連帯に基づく世界の形成を目的とし、人びとの利益や願望を下支えするものでなくてはなりません。しかしながら、プロサバンナ事業はこれらの原則に反しており、かつその実行者らは、この国の農業開発に直結する問いをオープンな形で議論しようという意欲をまったく、あるいはほとんど示してはおりません。
アルマンド・ゲブーザ大統領閣下、何百万人ものモザンビーク人男女とともに、閣下がその青年期の大部分を、植民地支配から人びととその土地を解放するために闘ってきたことを想い起こしたいと思います。その困難な時代から農民たちは土地にしっかり根差してモザンビーク国民のための食料を生産してきました。そして戦争の破片にまみれた国を、誰もがこの解放された大地の子であることを感じることができるように公正で連帯に基づいて独立した社会へとするために尽力してきました。
ゲブーザ大統領閣下、モザンビーク人の8割は家族農業を生業としており、食料生産の9割以上を担っています。プロサバンナ事業は、多国籍企業が入ってくる上で最良の条件を整えるための道具となっています。そしてそれは、不可避的に家族農家の自治を困難にし、小農の生産システムを壊し、土地なし家族を生み出し、食料安全保障を揺るがし、我々が国として独立したことの最大の成果を失ってしまうことにつながります。
ジルマ・ルセフ大統領閣下、モザンビークとブラジルの民衆の連帯は独立闘争の困難な時期に始まっており、それはモザンビークが経験した16年の戦争の間とその後の再建期にわたっています。他ならぬジルマ大統領閣下自身が、ブラジルの軍事独裁による抑圧の犠牲者であり、自由の価値を御存知です。現在もブラジルで作られる3分の2の食料は、ブラジル政府がプロサバンナ事業によってモザンビークに輸出しようとしている企業によってではなく、小農男女によってつくられています。
ジルマ・ルセフ大統領閣下、モザンビーク小農が支持し生産のインセンティブとする「モザンビーク食料取得計画(Programa de Aquisição de Alimentos de Moçambique)」を、ブラジル政府がないがしろにすることを正当化できるでしょうか。受け入れがたい結論ですが、プロサバンナ事業によって促進される全ての融資、物資、人的資源は、全てアグリビジネスの発展のために注がれるのではありませんか。国民同士の連帯を促進しなければならないブラジル、モザンビーク、日本の国際協力が、不透明な商業的取引き促進の道具となり、モザンビーク国民の食料生産を担っているコミュニティの土地を奪うことを正当化できるのでしょうか。
安倍晋三総理大臣閣下、日本はJICAを通じて、我々の国の農業やその他のセクターの開発に貢献してきました。しかし、我々は、現在の日本政府のモザンビークに対する農業分野の協力は承認いたしません。日本は、ナカラ港から農産物を流すことを可能とするためナカラ回廊の巨大インフラ設備に投資していますが、プロサバンナ事業に対する財政的・人的な支援についても同様に、日本は小農による農業にこそ集中的にコミットすべきであると我々は考えます。なぜなら、唯一小農農業こそが、モザンビークの人びとのため必要な量の適切な食料を生産することができ、それによって持続可能な開発が促進されると理解するからです。
モザンビーク、ブラジル、日本の国民の立派な代表者の皆さん、我々はグローバルに天然資源を収奪し、支配しようとする多国籍企業や巨大金融組織の拡張と増幅する要求によって特徴づけられた時代に生きています。それらは、我々を商品に替え、ビジネスチャンスと見なしています。
閣下殿。以上に基づき、我々モザンビークの農民男女、ナカラ回廊沿いの農村コミュニティに暮らす家族、宗教組織、市民社会組織は、次の点について緊急に非難し、拒絶いたします。
情報の操作(manipulation)、プロサバンナ事業に反対し、農業部門の持続可能な発展のための代替案を提案するコミュニティや市民社会組織に対する脅迫
ブラジルや日本や国内の企業だけでなく、他国の企業を含む、ローカル・コミュニティの土地強奪への差し迫ったプロセス
プロサバンナ事業の基礎を、家族経営農業による生産システムを破壊し、農民男女を巨大多国籍企業や国際金融機関による排他的にコントロールされた生産プロセスに統合することを企図する、輸出のためのモノカルチャー生産(とうもろこし、大豆、キャッサバ、綿花、サトウキビ等)に基づいた生産や生産性の増大に置くこと
モザンビークのために、深刻な内部矛盾を生み出したブラジル農業開発のモデルを輸入すること
以上に提示された非難に対し、我々モザンビークの農民男女、ナカラ回廊沿いコミュニティの家族、宗教組織、市民社会組織は、それぞれの国民によって付与された正当なる代表者としてのモザンビーク大統領閣下、ブラジル大統領閣下、日本総理大臣閣下の資格において、小農家族に無責任でネガティブな影響をもたらしうるプロサバンナ事業の介入に対し、緊急手段を採るよう、火急の介入をお願いし、これを求めます。無責任でネガティブな影響とは、具体的には次のようなものです。
土地の収奪や住民移転の結果として、モザンビークにおいて「土地なしコミュニティや家族」が生じること
ナカラ回廊沿いにおける社会の激変や社会環境をめぐる紛争の頻発
加えて、農村コミュニティの家族の悲惨さの拡大や深化、あるいは生存や自給のための代替案の減少
小農家族生産システムの破壊と、その結果生じる食料問題
農薬、化学肥料などの過剰あるいはコントロールされない利用による農業エコシステム、土壌、水資源の汚染
アグリビジネスによるメガプロジェクトのための広大な森林の伐採と、その結果としてのエコロジーバランスの崩壊
我々、本公開書簡に署名する農民男女、ナカラ回廊コミュニティの家族、国の宗教組織や市民社会組織は、プロサバンナ事業が設計され、我々の国のコミュニティや大地に導入されつつある手法に対し、憤りと拒絶の意を公的に表明します。
我々は、生産システムに基礎をおいた農業の発展を守るのであって、生産物を守るのではありません。家族農業による生産は、経済的な側面を超え、地理的な空間、社会的・人類学的次元を含むものであり、これらは人類の歴史において持続可能であることが明らかにされてきたものであります。
本公開書簡に署名した社会運動諸組織は、政府や国家の長としての責務において、モザンビーク、ブラジル、日本の国民の代表として、アルマンド・ゲブーザ大統領閣下、ジルマ・ルセフ大統領閣下、安倍晋三総理大臣閣下に対し、次のことを要求します。
プロサバンナ事業のためナカラ回廊熱帯サバンナで実施されている全てのプロジェクトやアクションを即時停止するため、必要な全ての処置を命ずること
モザンビーク政府は、モザンビークの全てのセクターの人びと、とりわけ農民男女、農村住民、回廊沿いコミュニティ、宗教組織、市民社会組織が、彼らの現実のニーズ、願望、優先順位、主権発展のためのアジェンダを決めることを目的とし、これらの幅広い層の人びととの公的な対話の積み重ねのための民主的でインクルーシブなメカニズムを確立することを命ずること
プロサバンナ事業のために割り当てられた人的資源や資金の全てを、持続可能な「家族農業支援国家計画」の制定と実施に再配すること。同計画は、1600万人以上もの農業を生活の糧とするモザンビーク人の食料主権を支援し保証するため、25年間にわたり、全モザンビーク共和国の農民家族らから擁護されてきました
 モザンビーク政府は、適切な食事の促進や飢えの改善の持続可能な唯一の解決法として食料主権、環境保全型農業、アグロエコロジーを優先させること
モザンビーク政府は、小農農業への支援を中心に据えた農業セクターのための政策を採択すること。具体的には、農村金融、農業エクステンションサービス、灌漑システム、在来種や気候変動に強い種の評価、農道、農作物の市場化のための支援とインセンティブのための政策へのアクセスです
以上の声明に基づき、モザンビークの農民男女、ナカラ回廊コミュニティの家族、宗教組織、市民社会組織は、三か国間の協力が、民衆の真の利益と願望に基づいたものとなること、そしてこの協力がより公正で連帯に基づく社会の創造を促すことに役立つものになることを求めます。我々は、全てのモザンビーク人男女が、子どもたちが大地を身近に感じることができ、共に集い、その主権が国民の下に発現し存在する国家の建設に従事するといった、より良く実行可能なモザンビークを夢見ます。

マプート 2013年5月28日


署名団体(モザンビーク)
1.Acção Académica para o Desenvolvimento das Comunidades Rurais (ADECRU)
2.Associação de Apoio e Assistência Jurídica as Comunidades (AAAJC) -Tete
3.Associação Nacional de Extensão Rural (AENA)
4.Associação de Cooperação para o Desenvolvimento (ACOORD)
5.AKILIZETHO-Nampula
6.Caritas Diocesana de Lichinga-Niassa
7.Conselho Cristão de Moçambique (CCM)- Niassa
8.ESTAMOS – Organização Comunitária
9.FACILIDADE-Nampula
10.Justiça Ambiental/Friends of The Earth Mozambique
11.Fórum Mulher
12.Fórum das Organizações Não Governamentais do Niassa (FONAGNI)
13.Fórum Terra-Nampula
14.Fórum das Organizações Não Governamentais de Gaza (FONG)
15.Kulima
16.Liga Moçambicana de Direitos Humanos-LDH
17.Livaningo
18.Organização para Desenvolvimento Sustentável (OLIPA-ODES)
19.Organização Rural de Ajuda Mútua (ORAM)-Delegação de Nampula
20.Organização Rural de Ajuda Mútua (ORAM)- Delegação de Lichinga-Niassa
21.Plataforma Provincial da Sociedade Civil de Nampula
22.Rede de Organizações para o Ambiente e Desenvolvimento Sustentável (ROADS) Niassa
23.União Nacional de Camponeses-UNA
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by africa_class | 2013-05-31 11:20 | 土地争奪・プロサバンナ問題

NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)

今NHKのクローズアップ現代の番組みていますが凄いですね。あまりに「政府広報」になっていて(分かりやすすぎる!)、驚き。明日も国際学会なので、あまり時間がないのですがあまりに酷かったので、データを示しておきますね。

と書いているうちに、番組FBで批判の投稿が次々に。なるほどな意見ばかり。この問題を語る際に、「専門家であること」は、実は邪魔なことなんだなあと至極納得。普通にちゃんと暮らしている人の感覚、今更ながら重要だと思う。だからマフィゴさんたちの訴えが分かる。「雇用されてなくても、お金がなくても、道具がなくても、土地さえあれば明日飢えることはない」・・・そのことの凄さ。東京でそんなこと言えないですよね?私たちの方が貧しいのではないのか…コンビニに並ぶ大豆食品のために、モザンビークの農民から土地を奪いたい?体制が流布したい『良い話の裏」を嗅ぎ取るセンスこそ、311後の日本の市民のリテラシーに不可欠なこと。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=262262733915250&set=a.190528451088679.49621.189455884529269&type=1

やはり、命を掛けて声を上げている人達の生の声に接することをおススメしたいと思います。
6月2日TICAD公式サイドイベント「食料をめぐる世界の動きとアフリカ~プロサバンナからみえるもの」
http://afriqclass.exblog.jp/17840090/

だって、①自分の利益になることに一生懸命な人達と、②脅迫を受けてまで抗議する人達を比べた時に、両方耳を傾けるのは大前提としても、②に何か重大で深刻な現実が隠されているというのは一目瞭然なわけですから。ぜひ、どうぞ。

そして、問題のこの番組・・・・。
プロサバンナがどう以前に、全体のトーンがそもそも凄かった。

NHK:ク ローズアップ現代「アフリカの成長をとりこめ “チーム ジャ パン”の新戦略」日時:平成25年5月30日19:30~19:56 (再放送:6月1日 12:10~)番 組: 「クローズアップ現代」http://www.nhk.or.jp/gendai/

「中国に対抗するため、モザンビーク北部は日本のため何ができるか」・・・の話ばかり。
「男たちのプロジェクトX:中国に勝つために日本がモザンビークを使い、オールジャパンで頑張るべきこと!」

といった趣向。うーん、学生で騙される子いそうな趣向ですね。

それにしてもプロサバンナ事業を推進したい日本の本音が、あまりに露骨に出ており、かつそれが私が論文で分析していたとおり(中国へのライバル心)なので、思わず膝を打ちました。(現実には、モザンビークの人びとのためには良くないことで・・外れてくれていたほうが良かったのですが。)

特に問題なのは、
「大規模大豆農場への投資」「大豆で儲けた農民」だけを映像として出している!へ???
まさにこの地域(ナカラ回廊沿い)で大豆生産をめぐって起こっている住民とアグリビジネス、住民同士の対立と問題を、全部無視している状態・・・。


彼らがこれを知らなかったわけではありません。勿論、関連記事はあげているのですが、番組が伝えたい「一面的な成功」の色で染めるには、邪魔(「不都合な事実」)だったようですね。

知らなかったわけではなく、映像がなかったわけでもなく、あえて恣意的に報じなかった。そのことがもたらす、現地農民たちへの悪影響を考えると、本当に罪深いです。

そもそも、この取材班、2月に来日したUNAC(全国農民組織)にインタビュー取材をし、さらに現地で行なわれた農民組織のプロサバンナ事業に関する抗議集会の取材もしているのに?報道とは、「政府の公式見解」と「異論を唱える人」の両方を、いずれかが少しでも見せるのが「基本のキ」。例え、批判報道であっても、公式見解を紹介するように。まさか、政府広報だけをするとは?!今この瞬間、我々の援助事業のせいで現地で大問題になっていることを、知っていて、全く問題がないように報じるとは。まあ、原発事故報道をみてると勿論、この前提が如何に日本の文脈では軽視されているのかははっきりしていますが。またしても、その証左が一つ増えてしまいました。

問題があるのはマダガスカルの資源開発のみで、モザンビークの方は「万歳」という結論が、既にオカシイ。そもそも、資源開発の問題を対比させるのであれば、「モザンビークでも生じていることであるが」ぐらいは入れてもよかったと思います。(なお、マダガスカルもまたあのクーデーターは、韓国に農地の大半をリースするという情報によって起こされたものであることを考えると、どちらか一方の事例だけを深く掘れば良い番組になったはずでしたね。マダガスカル部分はしかし、それはそれでちゃんとした番組だtったと思います)

さて、モザンビークの報道の仕方の問題。
番組の冒頭で、モザンビークのナカラ回廊プロジェクトは、内陸部の鉱物資源開発も含めて示されていたのですから。ましてや、マダガスカルと同様の問題がモザンビークの鉱物資源開発地でも生じている(住民の抗議、住民のデモ、道路封鎖、警察の弾圧による負傷者)のに、モザンビークは「バラ色一色」。。。

取材班は勿論このことを知っていました。BBC等の報道もフォローしている。なのに?謎ですね。いや、最初からこうだった・・・とおっしゃらず。クローズアップ現代は時によい番組も作っているのです。

なので、是非制作者たちにもよ~く考えてほしいところ。
さて、番組で語られなかったことの数々をデータをもって紹介しましょう。

(1)ナカラ回廊沿いに暮らす農民や農民組織が、メガ投資によって現在直面している土地強奪による土地紛争や生活の不安・質の低下の問題。

<=鉱物資源会社、アグリビジネス、大規模植林企業による土地強奪による農民との衝突・対立、農民の生計手段が成り立たなくなった、、、etc。これらは、昨日のUNACや現地市民社会代表のプレゼンで指摘されていたことですが、ちゃんと現地取材に基づく報道をしている日本メディアもあります。昨日の朝日新聞!

①昨日(30日付)の朝日新聞の記事
・(アフリカはいま)眠れる大地、「緑の実験」 モザンビーク穀倉化計画
←http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201305280673.html
*ちゃんと農民らの抗議についてもカバーされています。
*記事の見出しが…ではありますが(「眠れる大地」と付けるとそこに暮らす人びとや森が・・・)、記事の中身は非常にバランスがとれた良い記事だと思います。

「貧しい農民、強制移転懸念」
(前略)プロサバンナでは、農地として最低でも10ヘクタール以上の耕作面積が必要とされるが、モザンビークでは5ヘクタール以下の畑を持つ小農がほとんど。同国最大の農民組織UNACは、計画が進めば農民が強制的に移転させられるなどの恐れがあると指摘。さらに「農民が計画に全く関与できていない」と批判している。(略)対象地ナミーナの農家。「暮らしは決して楽じゃない。(略)政府は雇用も増えて生活も良くなるというが、違う土地に移転させられてまでは望んでいない。この年では農業以外できない。故郷を奪われるのだけはごめんだ」

「収入激減の例も」
疑心暗鬼になるのは悪い前例があるからだ。北西部テテ州のカテメ。豊富な石炭が周辺に埋蔵されていると分かり、2010年、700世帯以上の農家が40キロ離れた土地に移転を強いられた。最初は拒んでいたが移転を受け入れた農家によると、「農産物も増え収入もよくなる」と説明されたが、「実際に住むと説明とはまったく違っていた。農業に必要な水を引く川も近くにない。畑まで4時間も歩かなくてはならない」(略)収入が激減する農家が続出。去年1月には、500人以上が資源会社が使用する鉄道や道路を封鎖するなどして、逮捕者が出る騒ぎとなった。政府と住民の緊張関係は未だにくすぶる。(後略)

②ブラジル鉱山資源会社Valeと住民の衝突について
・モザンビークで、ブラジル鉱物資源会社Valeの炭鉱道を住民が封鎖、警察が発砲3名負傷
http://afriqclass.exblog.jp/17644029/
*各種報道についても載せていますが、日本語のものがないのでこれを。
・なお同じテテ州に新日鉄住金が4月4日、炭鉱の採掘権を取得し、2016年から操業開始。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130404/biz13040413450009-n1.htm

<=日本企業も既に関与し始めているのです。

(2)大豆ブームで起こっていること
なぜか大豆の大規模農場が無批判に、「よきもの」として紹介・・・されています。しかし、昨日のデブリンさんのプレゼンでも、セルジオさんのプレゼンでもはっきり示されたことなんですが、これは大変問題のある見方です。

ProSAVANA対象地Gurueの北方の森林地帯は、大豆生産のブーム地となっており、次から次へと投資が入り込んでいます。これらのすべてが、ProSAVANAの合意2009年後のものであり、ProSAVANAが大規模投資を呼びかけるプロジェクトとして打ち上げられたために、このような事態になっているわけです。その背後には、事業の中に組み込まれていたNacala Fundというものの存在が関わっています。

その中に、Devlinさんのプレゼンでも紹介されていたHoyoHoyoの事例があります。

①IPS: Mozambican farmers fear foreign land grabs
「モザンビークの農民らは外国による土地強奪に怯える」

(22 February 2013)
http://farmlandgrab.org/post/view/21682

ホヨホヨ HoyoHoyo
ザンベジアに2万ヘクタール、テテ州に8千ヘクタール、
リオマ農場(ザンベジア州・グルエ)に1万ヘクタールの土地
・戦後にリオマ農園を使っていた人びと(使用権が土地法で付与)との間で土地紛争。
・企業は補償と新しい定住地を準備することを約束。
・2012年にホヨホヨが使おうとした3500ヘクタールの内1945ヘクタールに836農民が。
・Delfina Sidonio(3人の子どもの母親)によると、「私は、私の両親から相続した土地から土地から追放された。補償としての680ドルと新しく耕せる土地と 交換に。1年前に追放されてから、約束された額の4分1しか払われず、新しい耕作地についての情報も来ていない。」
・Ruaceのエルネスト・エリアスは、「我々の生活はすべて土地にある。土地は我々に食べ物とサプライを与える・・・我々のライフスタイル を」と小農協会フォーラムのメンバーは述べた。

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去年撮った写真。
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分かりづらいですが・・・とにかく広大!ウクライナでも広大な農地を取得したチェコの富豪とポルトガル貴族の会社・・・。

②モザンビーク大統領も土地取得=ビジネス(利権)
そしてモザンビーク大統領関連企業+ポルトガルで最も裕福なAmorinグループ+ブラジルの大豆生産者によるAGROMOZ。去年9月、同じ地域にかなり広大な土地を収用したと報じられていますが、「誰も詳細は分からない」という限りなく不透明な状態です。援助事業に国家の長として同意し、進める立場にある大統領が、このようなプロサバンナ事業を見越して展開している・・・のは、明らかに汚職と関わると思うのですが?

③この地域が大豆生産のターゲットになっている理由ー現地NGOと他ドナーの息の長い援助
肥沃な土地、水資源、現地NGOと北欧政府が汲んだ息の長い支援によって、大豆生産がtake offし始めたからです。8年のトライアル&エラーがあり、これは小規模農民を対象にした支援の成功例でした。このおばさんも、その援助の結果の可能性あり。(あたかもJICAが始めたかのような印象をあちこちでばら撒いているのは大問題)。しかし、HoyoHoyoの例が典型ですが、このように小農が生産地を拡大しようとし始めた矢先に、プロサバンナ事業の調印後、この土地を狙ったランドグラブと進出が相次いで、これらの大豆生産者と土地を巡る争いが起きているのです。

なので、わざわざ「大規模大豆生産のためのアグリビジネス」を呼ぶ必要などまったくないのに、大前提として「大規模農業と小農の共存」が設定され、それに飛びつく投資が入りつつあるのが、ProSAVANA事業の問題なのです。

④この地域が何故ターゲット?ー森林破壊
水、土壌の他に、これがあります。森林!
ブラジルと同じです。大豆生産の拡大の果てに森林破壊あり。なのになぜかエコロジカルな側面ばかりが強調される(by本郷さん)。そもそも生物多様性保全や地球温暖化防止の時代に、わざわざ多様な生き物が棲む森林を伐採して、一面農地にして「窒素を固定するからエコフレンドリー」的な発言をするセンスが全く理解できません。人はそれほどまでに、生き物に対して失礼で愚かなのですね。

森林地帯・・・当初住民との紛争が想定されていなかった。そして、プロサバンナ事業のマスタープランでも、その点が「Helpful」として書かれています。つまり、森林伐採はこの事業の大前提です。始まる前から、あてこんで大規模な大豆生産が開始されているわけで。

アフリカ学会(2013年5月28日)で紹介した分析スライド
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ゾーニングの概念から。
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広大な森林があることは「役立つ」そう。アグリビジネス進出に。本音が出た。
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そして極め付けはこれ!!!
土地の使用手法の分布を示した地図ですが、フォーカスが「森林」「移動農耕の地域」の分布。観て分かる通り、あらたに加えられた地域(ナカラ回廊沿いですらない)と大豆問題が発生している奥地は森林で覆われ、ナカラ回廊沿いはことごとく農地として使われ、「移動農耕shifting farming」がなされているところ。つまり小農が移動しながら使っている地域。つまり、土地は余っておらず、移動農耕がある限り大規模な土地の収用は不可能。

そこで・・・考えられたのが、何故かいきなり「喫緊の課題として『移動農耕撲滅アクション』」がマスタープランReport 2に出てきます。そして、移動農耕撲滅に同意し、決まった範囲の土地で近代農業を行った農民は、「リーダー」としてDUAT(土地使用権)を与えられ、支援が受けられる・・・とあります。(詳しくは以下の専門家分析で)。

そしてこれもリーク資料。DUATの取得状況です。
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明らかに大半の農民が持っていない。その状態で、慣習法とDUATで守られているはずの農民が、土地を守れない状況が生まれていることが一目瞭然。

ちなみにこの地域の人口密度も出ているのでご覧いただければ、現在いかに彼らが危い状態にいるかだけでなく、人口増加率を考えると将来どのような事態に直面するのか懸念が生まれます。なのに50年リースでどんどん土地を貸している現状!
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しかし、これらの日本の税金によって集められ、税金によって執筆が行われたレポートであるのに、これがリークされ深刻な問題が指摘されると、いきなり「知らない、みてない、関係ない・・・ただのペーパー」と言い逃れしようとする日本の外務省。。。
●じゃあなぜそれに基づいてステークホルダー会議の資料が作られ、発表されるのか?
●じゃあなぜ第4回意見交換会でそれに基づいて日本の市民社会と外務省JICAが議論したのか?
もはや、この発言によりモザンビーク、ブラジル、国際NGOはあまりに唖然としてしまって、「存在するけど存在しないペーパー」。日本のNGOは「私たちの税金で作られた。。。。<<だたの紙?>>」とrunning gagになっている状態。恥ずかしい、、、のは私だけ?

しかも、コンサルの名前も観ての通りばっちり出ている。モザンビーク政府の名前も。つまり、我々の税金で作られたレポート。その存在を認めないのは…理解が不可能。まあ、公的にということなんでしょうが、あそこまで否定すると国際的信用を明らかに失う。だって目の前にそれはあり、彼らが出席した3月のステークホルダーとうり二つの内容でかつJICAもそれを認めているのですから(第3回会議)。こうやって、またしても、日本外交は「当事者を前に、非礼外交」を繰り広げてしまったのでした。

さてこの力作のレポートNo1はおそらく日本コンサルの作ったもの。No2はブラジルのコンサルが作ったもの。が、三画協力なんで連帯責任。連名だし。そもそも、以上のようにNo1で示されたモザンビーク北部の社会環境の状況は、明らかに一つの現実を示しています。

つまり、
●小農支援が本当の目的ならば、モザンビーク北部に余っている土地はない。(移動農耕、人口過密、近い将来のさらなる過密)
●小農の権利を守るための土地法はDUATの取得がほとんどない中で、使用実績と慣習法だけが根拠となるが、移動農耕が禁じられる(撲滅アクション)中で、かつ政府を率いる大統領自身が投資目的で広大な土地収用を行う現実で、守られない。
●残っているのは森林地帯だけである。それを本当に援助で奨励するのか?


(4)「善い話」の裏の根深い構造~マスタープラン案の分析から
プロサバンナ事業が、実態としてはこのような話ではないことについて、以下のリークされたマスタープラン中間報告(Report 1とReport2)を読んで行われた分析結果をご覧いただければ。

①【国際共同声明】プロサバンナ事業プランは最悪シナリオ露呈~市民社会は大規模土地収奪への秘密計画を警告
http://afriqclass.exblog.jp/17723137/

②第四回ProSAVANA事業に関するNGO・外務省意見交換会
ProSAVANA マスタープラン暫定案(Report No.2, March 2013)専門家による分析と問題提起「総合的問題  当事者不在で正当性に欠けるマスタープラン
~小農に犠牲を強いる構造とQIP(Quick Impact Project)の問題」
http://afriqclass.exblog.jp/17776607/

<=そこにアグリビジネスの野望が色濃く反映されています。詳細はリーク報告書を。
(*Report1と 2はGRAINのサイトでダウンロード可能な状態です。)
http://www.grain.org/e/4703

(3)でも紹介した森林がターゲットであることについては、このスライドでも一目瞭然。青西さんの分析から。
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by africa_class | 2013-05-31 02:52 | 土地争奪・プロサバンナ問題

国際赤十字委員会TICADサイドイベント「人道危機への挑戦 ~紛争と災害に翻弄されるアフリカ」出ます

以下、パネリストとして出ます。よければお申込み下さい。

TICAD V公式サイドイベント
人道危機への挑戦
~紛争と災害に翻弄されるアフリカの取り組みを助ける~

http://www.jrc.or.jp/ICRC/japan/event/515.html

6月1日(土) -3日(月)、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)が開催されます。同会議の公式サイドイベントとして、ICRCはパネリストを招き、「人道危機への挑戦~紛争と災害に翻弄されるアフリカの取り組みを助ける~」をテーマに、以下の通りシンポジウムを実施します。現在アフリカが直面している紛争及び災害による人道危機に焦点を当てつつ、「平和と安定」に寄与した事例や、アフリカにおける平和の定着が持続可能な開発に付与すること、また、アフリカ諸国が自らのイニシアティブにより紛争や災害に対応していこうとする取り組みを紹介します。国際社会及び人道支援機関は、アフリカの自立をどう支援できるのか。有識者やメディア関係者とともに考えます。みなさまのご来場をお待ちしております。

TICAD V 公式サイドイベント:
「人道危機への挑戦~紛争と災害に翻弄されるアフリカの取り組みを助ける~」

日時: 6月2日(日) 15:00-16:30
会場: パシフィコ横浜・アネックスホール B会場(F201)
言語: 英語/日本語(同時通訳あり)

登壇者:
・オラビシ・ダレ アフリカ連合委員会(AUC)人道問題担当課長
・舩田クラーセンさやか 東京外国語大学准教授
・オリヴィエ・ヴォド ICRC副総裁 兼 昭憲皇太后基金合同管理委員会委員長
・ヴィンセント・ニコ ICRC駐日代表
ファシリテーター: 脇阪紀行 朝日新聞論説委員


お申込方法: 
参加申込書にご記入の上5月30日(木)まで、以下宛先までご送付ください。
icrc.symposium@gmail.com 
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by africa_class | 2013-05-25 23:39 | 【記録】講演・研究会・原稿

【TICADサイドイベント】6月2日12時半「食料をめぐる世界の動きとアフリカ~プロサバンナからみえるもの」

モザンビーク最大の農民組織(2222組織を束ねる)とプロサバンナ対象地ナンプーラの州市民社会(120組織加盟)のプラットフォーム代表、国際NGO(カナダ)、ブラジルNGOが来日し、プロサバンナ事業の問題を語ります!

■5月29日(水)18時~20時半のPreTICAD 国際シンポジウム
「今、アフリカ農村で何が?~プロサバンナを考える」
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-22.html
①国際シンポジウム 
5月29日(水)18時~22時半@産業貿易センターB102会議室
②市民社会ラウンドテーブル
5月29日(水)13時半~16時@産業貿易センターB102会議室
※16時~17時 記者会見(40分程度)

■TICAD V公式サイドイベント 6月2日(日)12:30~14:00
食料をめぐる世界の動きとアフリカの食料安全保障
〜日本・ブラジル・モザンビークの三角協力/大規模農業開発プロジェクトプロサバンナ事業から見えるもの〜


2008年の食料価格高騰以来、アフリカをはじめ途上国における外国企業・政府による農地取得の動きが加速しています。その多くは、バイオ燃料生産や輸出用農作物を目的としたものであり、地域の人々の食料安全保障への影響について議論を呼んでいます。特にモザンビークでは世界的に見ても数多くの土地取引が報告されています。

当イベントでは、世界の食料エネルギー問題に関して研究され、数多くの著書をお持ちの柴田明夫氏(資源・食糧問題研究所)をお招きし、食料をめぐる世界の動向についてお話いただくとともに、日本ブラジル援助によりモザンビークにおいて現在進行中の大規模農業開発プロサバンナ事業計画に対する問題提起などについて、現地農民団体ならびに市民社会代表より、報告を受けます。

プロサバンナ事業を事例に世界の食料をめぐる問題、農業支援ならびに投資のあり方を考えます。

◎日時:2013年6月2日(日) 12:30-14:00
◎場所:パシフィコ横浜アネックスホール B会場
アクセス:横浜高速鉄道みなとみらい線「みなとみらい」駅より徒歩3分、
      JR/横浜市営地下鉄「桜木町」駅より徒歩12分
      http://www.pacifico.co.jp/visitor/accessmap.html
◎プログラム: (※英日同時通訳あり)

第1部 【基調講演】 柴田明夫氏 (資源・食糧問題研究所) 
「食料をめぐる世界の動きについて」 

第2部 【プロサバンナ事業に関する報告と問題提起】
「モザンビーク農民の声と現地市民社会からの報告」
アウグスト・マフィゴ(モザンビーク全国農民連盟UNAC代表)
ヴィセンテ・アドリアーノ(UNACアドボカシー・国際連携担当)
アントニオ・ムアジェレネ(モザンビーク・ナンプーラ市民社会プラットフォーム代表)

第3部 【質疑応答】

主催:(特活)オックスファム・ジャパン、(特活)ハンガー・フリー・ワールド
(特活)アフリカ日本協議会、(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)

お申し込み:件名「6月2日TICAD Vサイドイベント申込み」とし、お名前/ご所属/ご連絡先をメールにて grow(@)oxfam.jp までお送りください。

お問い合わせ:(特活)オックスファム・ジャパン 
03-3834-1556 (担当:森下)

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by africa_class | 2013-05-25 01:36 | 土地争奪・プロサバンナ問題

G8土地取引の透明性向上イニシアティブへの国際市民社会非難声明(ProSAVANAもターゲットとのこと)



ドイツからG8による「土地のトランス パーレンシーイニシアティブ」に関する声明をが届きました。
FIAN is an international human rights organization that has been advocating the realization of the right to food for 25 years. FIAN consists of national sections and individual members in over 50 countries around the world. www.fian.org

http://www.fian.org/en/news/article/detail/fian-calls-upon-g8-to-implement-tenure-guidelines/

G8主導の「土地取引に関するトランスパレンシー増大化」イニシアティブへの市民社会の抗議だそ うです。ターゲットには、「G8 New Alliance for Food Security and Nutrition in Africa」とプロサバンナがh含まれているということです。

日本の市民社会からの共同声明への賛同も募集しているそうです。
どなたかこれの軽い訳や紹介などを、 活 動や仕事等の関連でされる方がいらしたらお教え下さい!

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International Statement
G8 should implement the CFS Tenure Guidelines rather than launch a new initiative aimed at increased transparency in land transactions
(15 May 2013)


The G8 is currently discussing an “initiative to increase transparency of land transactions and tenure”, which is to be launched at the G8 summit in June 2013.

We strongly reject and condemn the G8’s proposed transparency initiative for the following
reasons:
• Transparency – and the G8 initiative – will not stop land and resource grabbing
• The G8 has no democratic legitimacy to make decisions about land, food and nutrition
• The G8 initiative on transparency bypasses and undermines the CFS

We therefore call upon the members of the G8 to:
- Abandon all plans to establish the proposed initiative
- Comply with their commitments arising from endorsing the CFS Tenure Guidelines, inter alia

by supporting the financial Facility proposed by FAO
- Promote true accountability by regulating investors and companies based in G8 countries to disclose their involvement in land and resource grabs, and hold them legally accountable for abuses of tenure and human rights.
- Stop the implementation of the cooperation frameworks of the G8 New Alliance for Food
Security and Nutrition in Africa, as well as the negotiation of new frameworks that
undermine sustainable small-scale food production and local food systems.

The G8 is currently discussing an “initiative to increase transparency of land transactions and tenure”, which could be launched at the G8 summit in June 2013. Arguing that global pressure on land for food and fuel is growing quickly and will increase significantly over the next decade, the G8 initiative aims to promote transparency with regard to land acquisitions by national and international investors in order to support and increase what the G8 calls, in one of the drafts, “productive investments in land”. This transparency is to be achieved through the voluntary disclosure of information about land deals by the investors themselves, by civil society and by the governments of G8 and those of selected developing countries.

The transparency initiative is strongly promoted by the governments of the UK and Germany and could be launched at the G8 summit in the UK in June 2013. The promoters state that informal consultations have been carried out with several governments, international institutions, the private sector, and some international NGOs. The G8 intends to launch the initiative as a global initiative in its June 2013 meeting, although implementation will at first begin only in some pilot countries.

This initiative comes at a time when we are witnessing an unprecedented wave of land and resource grabbing for industrial agriculture, extractive industry, transportation and energy infrastructure, tourism, REDD and other carbon offset projects. While there has been increasing and overwhelming evidence in recent years on the impacts of these land deals on local communities, environments and related human rights violations, and despite the fact that several governments and international institutions have expressed concerns and the urgency to regulate land grabbing, land and resource grabs continue unabated. Every day, local communities all over the world lose access to their lands and water sources, are evicted from their homes and territories, are pulled into regional-global ‘value chains’ as precarious plantation workers or into ecologically harmful monocultures as contract growers under inequitable terms, and face food, livelihood and physical insecurity.
The lands taken by investors are often the most fertile and productive, and sustain communities and entire populations who cultivate food and other products, provide dignified employment and make significant contributions to local and national economies.

The liberalization of agricultural markets has not decreased hunger or poverty; on the contrary, the numbers of hungry people continues to increase worldwide and it is small-scale food producers (especially women) who feed over 70 % of the world’s population.

However, instead of taking concrete and effective measures to arrest these trends, the G8
governments continue to discuss initiatives that are utterly inadequate, distract from the real problems on the ground and waste time and resources when what is needed are immediate actions to effectively stop and roll-back land grabbing and secure local communities’ rights to resources.

We strongly reject and condemn the G8’s proposed transparency initiative for the
following reasons:
• Transparency – and the G8 initiative – will not stop land and resource grabbing
Making transparency the main agenda with regard to land grabbing will not stop it. Making
transparency the primary condition for approving land acquisitions risks endangering the
survival of the world’s rural populations and the remaining local food production systems. There are several cases of land grabbing, where transparency simply led to more “transparent” land grabs.

One case that should warn us is Cambodia: it is one of the countries most affected by land grabs and related human rights violations. More than 2 million hectares of land have been transferred for agro-industrial production. At the same time, the Cambodian government itself has a public website regarding these land transfers(*1), thus making the land grabs much more transparent than many other countries, but without lessening the devastating impacts on local people.
(*1 See http://www.elc.maff.gov.kh/en/profile.html.)

Transparency can even contribute to facilitate land grabbing, especially when ignoring the huge asymmetries of power that exist between investors, governments and local communities, many of who are poor rural people.

Communities affected by land grabbing can only claim their rights – including the right to refuse land deals – when they are sufficiently informed about the deals well before the signing of investment contracts and when their claims to land are legally recognized and respected. Even after contracts are signed, communities must be ensured the right to review and re-negotiate contracts, since all negative impacts are not likely to be evident during the period of initial negotiations. The CFS Guidelines on the Governance of Tenure of Land, Fisheries and Forests clearly establish the need for consultation and participation of all those who could be affected by decisions, prior to decisions being taken and of active, free, effective, meaningful and informed participation of individuals and groups in decision-making processes that affect their tenure rights (par. 3B6). Free, Prior and Informed Consent (FPIC) must include the rights of community members to withhold consent if the investment is not in their interests.

But while transparency is important, it is not an end in itself, but only a pre-condition for
accountability and used in support of the larger objective of full democratization of decisionmaking.

Only if embedded firmly within a mandatory human rights and social justice framework
can transparency serve as an anchor for securing tenurial claims and rights, and ensuring
positive development outcomes for affected communities. Transparency cannot by itself
determine the relevance or appropriateness of land deals, or assess the multiple environmental, social, cultural and economic impacts of these deals at local and national levels. Evidence to date shows that large-scale land deals are fundamentally harmful to local peoples, environments and economies. No amount of transparency is going to transform these deals into something good.

The G8 model of transparency will further enable and facilitate land grabbing by helping
investors to guard against compensation claims and land related litigation, protect their
reputations and build up a global land/real-estate market.

• The G8 has no democratic legitimacy to make decisions about land, food and nutrition
By launching the proposed initiative on transparency, the G8 seeks to establish itself as a
platform with the power to make decisions, or at least significantly influence global initiatives on land, food and nutrition. However, the G8 does not have a democratic mandate to make such decisions. The most legitimate and democratic body tasked with governance of these issues is the Committee on World Food Security (CFS), of which all G8 states are members. Further, the transparency initiative is promoted by governments of some of the most important home states of land grabbers, as the G8 themselves has acknowledged.

The proposed initiative has the same problems of legitimacy and content as the Principles for responsible agricultural investment that respects rights, livelihoods and resources (PRAI), which were clumsily presented as an appropriate response to land grabbing by the World Bank, IFAD, UNCTAD and FAO, and supported by many G8 countries. Due to well-founded objections by most governments and civil society, the PRAI were not adopted by the CFS in 2010. The new G8 initiative is attempting, yet again, to enforce the principle that money and markets decide what is best for the world – a principle that has repeatedly failed to solve any problems in the past and instead has created multiple and recurring crises.

• The G8 initiative on transparency bypasses and undermines the CFS
The CFS is the most legitimate and democratic multilateral governing body on food security and nutrition. The G8’s proposed initiative undermines the CFS by not complying with its decisions, particularly the Guidelines on the Governance of Tenure of Land, Fisheries and Forest. TheseTenure Guidelines were unanimously endorsed by the CFS in May 2012, after an inclusive consultation and drafting process that lasted more than three years.

The Guidelines are the first international instrument on the governance of natural resources anchored in human rights, and set out clear principles and recommendations about how to improve the governance of tenure with the overarching goal of the realization of the right to food, focusing specifically on vulnerable and marginalized peoples. Social movements, civil society organizations (CSOs) and academics actively engaged in the consultation and negotiation processes that led to the endorsement of the Tenure Guidelines in May 2012 and have welcomed their endorsement,while acknowledging that they fall short in some aspects that are key to the livelihoods of smallscale food producers who produce most of the food consumed in the world. Social movements and CSOs have committed to work with states and international agencies such as the FAO, to use the Tenure Guidelines in order to improve security of tenure of land, fisheries and forests for small-scale food producers. By endorsing the Tenure Guidelines, states have committed themselves to their implementation in accordance with their existing obligations under international human rights law.

To date, however, states have failed to live up to their commitments to implement the Tenure Guidelines in their full spirit. Like the G8 New Alliance for Food Security and Nutrition in Africa, the proposed initiative pays only lip service to the Tenure Guidelines, while actually misinterpreting them in a way that serves the interests of investors by facilitating land and resource grabs. Instead of supporting coherent and joint efforts to implement the Tenure Guidelines according to the objectives set out in them, the G8 is planning to establish new structures. By beginning a discussion on a transparency initiative, the G8 is re-opening a discussion that has already been completed in the process that led to the formulation of the Tenure Guidelines, rather than complying with CFS decisions and implementing the Tenure Guidelines in line with their objectives.

For these reasons, we strongly reject and condemn the proposed initiative on transparency and will oppose this and all other attempts to re-establish money and market driven governance of natural resources, food and nutrition.

We therefore call upon the members of the G8 to:
- Abandon all plans to establish the proposed initiative
- Comply with their commitments arising from endorsing the CFS Tenure Guidelines, by

o Implementing the Tenure Guidelines in line with their obligations under international
human rights law Supporting the establishment of a financial facility at the FAO, in order to ensure coherence in the implementation of the Tenure Guidelines. This facility should
function like a trust fund and be designed in accordance with the principles of the
Tenure Guidelines, and ensure participation, non-discrimination, transparency and
accountability, and avoid conflicts of interest.

o Respecting the need for open-ended national discussions in multi-actor platforms, as
stipulated in the Tenure Guidelines, with participation of the most affected people,
about how to improve governance of tenure, using the Tenure Guidelines as
reference, instead of imposing governance initiatives that lack any form of
democratic legitimacy and are driven by market interests and money.

o Supporting the monitoring mechanism that will be put in place by the CFS to monitor
the implementation of the Tenure Guidelines and governance of tenure, instead of
creating new structures.

- Promote true accountability by regulating investors and companies based in G8 countries to disclose their involvement in land and resource grabs, and hold them legally accountable for abuses of tenure and human rights. This should include, inter alia, the introduction of: a complaint mechanism to investigate human rights abuses by investors; monitoring mechanisms in their embassies to track activities of investors; and; mandatory reporting of private and state investors on activities that may affect human rights abroad. Further, to request reports of the host states of investments on the records of investors abiding by local/national legislation and norms and respecting human rights in host (i.e. recipient) countries; to make domestic law in G8 countries applicable to extra-territorial human rights abuses and recognize victims from other countries standing in national courts; and to sanction and prosecute culprits, for example by excluding them from state procurement and limiting their range of business.

- Stop the implementation of the cooperation frameworks of the G8 New Alliance for Food
Security and Nutrition in Africa, as well as the negotiation of new frameworks that
undermine sustainable small-scale food production and local food systems.
In closing we note that grassroots movements of peasants, fisherfolk, pastoralists, indigenous peoples and workers in alliance with human rights, development and research organizations have intensified their resistance to land and resource grabbing in all forms. These struggles for all humanity and the planet are growing on all continents.

15 May 2013
International Indian Treaty Council – IITC
La Via Campesina
Plateforme Sous-Régionale des Organisations Paysannes d'Afrique Centrale – PROPAC
Réseau des Organisations Paysannes et de Producteurs Agricoles de l’Afrique de l’Ouest – ROPPA
World Alliance of Mobile Indigenous Peoples – WAMIP
World Forum of Fish Harvesters and Fish Workers – WFF
World Forum of Fisher Peoples – WFFP
Associazione Italiana per l’Agricoltura Biologica – AIAB
Anywaa Survival Organisation – ASO
Arab Group for the Protection of Nature
Biofuelswatch
Centre for Sustainable Development and Environment – CENESTA
Centro Internazionale Crocevia
Coordinamento di Iniziative Popolari di Solidarietà Internazionale – CIPSI
Ecologistas en Acción
Family Farm Defenders
FIAN International
Focsiv Volontari nel Mondo
Focus on the Global South
Fondazione Italiana per la Ricerca in Agricoltura Biologica e Biodinamica – FIRAB
Food First, Institute for Food and Development Policy
Food Sovereignty Network South Asia
Friends of the Earth International
EcoNexus
GRAIN
Grassroots International
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by africa_class | 2013-05-18 02:25 | 土地争奪・プロサバンナ問題

【講演会】ブラジル・セラード開発と環境・主権問題:大規模農業開発と小農・労働者(28日17時半~上智大)

以下、ふるってご参加下さい。

==============================
講演会 / Lecture
ブラジルのセラード開発と環境・主権問題
―大規模農業開発と小農民・農業労働者の暮らし―
http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/event
=============================
Dr. Sergio Schlesinger
セルジオ・シュレシンガー氏
(ブラジルNGO・FASE アドバイザー)

ブラジル中央部の広大なサバンナ地域であるセラード(Cerrado)は、1970 年末より大豆を中心とする大規模農業開発が行なわれてきた場所です。大豆の主要輸入国である日本は「日伯セラード農業開発計画(PRODECER)」を通じて、この開発に協力してきました。そしてセラード開発は「不毛の大地を穀倉地に変えた奇跡」として農業開発の成功事例と評価されてきました。

しかし、ブラジル市民社会や学術界では、環境破壊、土地や資源の分配、食料主権、労働といった観点から、批判的な声も少なくありません。

本講演では、ブラジルのNGO FASE(Federação de Órgãos para Assistência Social eEducacional ブラジル6 ヵ所に拠点を持つ教育や社会活動支援のための連合組織)で長期に渡りセラード開発のもたらす環境問題に関して調査を続けてこられたエコノミスト・環境活動家のセルジオ・シュレシンガーさんに、小農民・農業労働者をはじめとする地域住民の暮らしへの社会的影響というこれまでとは別の視点に基づくお話を伺います。皆様万障お繰り合わせの上ご来場ください。

○日 時: 2013 年5 月28 日(火)
○午後5 時00 分~6 時30 分
○場 所: 上智大学中央図書館8 階821 会議室
○使用言語: 英語(日本語逐次通訳あり)
○参加費無料/予約不要
○イベロアメリカ研究所/グローバル・コンサーン研究所
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by africa_class | 2013-05-16 21:28 | 土地争奪・プロサバンナ問題

UNAC全国年次総会声明文(ProSAVANAも、鉱業メガプロジェクト、大規模植林とともに批判されています)

きほど届いたUNACの全国総会声明文(ポルトガル語)ですが、ProSAVANAのことが沢山批判されていたので、急ぎ仮訳しました。ご一読下さい。ニアサ州の農民代表を招いても、この状態・・・本当に。

特に・・・・
「過去2か月、UNACは、モザンビーク政府、日本の外務省、JICAとして知られる日本の国際協力機構の代表者 ら、ブラジルの国際協力庁(ABC)、駐モザンビーク日本大使、駐モザンビーク ブラジル大使との面談や対話を拡大し、ProSAVANA事業に関する討論を行ってきた。

草の根レベル から、郡や州レベルの集会までの多様な討論の結果、次の点で多くの矛盾があることが明らかになった。それは、入手可能な情報の不十分さ、 (事業の)設計の欠陥を示す兆候や証拠、公衆との協議と参加のあるべきプロセスにおける不正(irregularities)、農民の土地の強奪やコミュニティの強制的 な除去への差し迫った深刻な脅威である。」

は、本当に恥ずかしいです・・・。

(全文)
==================
イニャンバネ・ギウア宣言
モザンビーク全国農民連盟UNAC 年次総会2013年
2013年5月7日~9日
(仮 訳)


25年以上も農民男女の社会的・経済的・文化的な権利のために闘い、食料主権のため 闘ってきたモザンビーク農民運動であり、8万7千人を超えるメンバーを代表する全国農民連盟 (União Nacional de Camponeses:UNAC)は、モザンビークのすべての州の男性・女 性・若者、農民のリーダーらから選ばれた80名以上の派遣団や招待者の立ち会いの下、2013年5月7日から9日の間、イニャンバネ州ギウナの人道促進セン ターに集い、2013年度の年次総会を開催した。

我々は、この国並びに農民運動の基本的問題を話し合ったほか、重要な戦略的ツールである「2012年度活動・会計年次報告」と「2013年度活動年間計画並びに予算」を分析し、これ を承認した。また同様に、我々は、農民運動における焦眉の課題であり活動である、モザンビークにおける土地紛争、そして自然災害、開発並 びにメガプロジェクトのコミュニティへのインパクトという現状に直面するための戦略について、深く広い検討を行うことをアジェンダに掲げ た。

イニャンバネでの集会の間、最近モザンビーク政府によって発表された農業部門投資国家計画(Plano Nacional de Investimento do Sector Agrário: PNISA)とProSAVANA事業についての討論を継続し深めた。

UNACが入手した最新の情報によると、ProSAVANA事業は1450万ヘクタールの面積、ニアサ、ナンプーラ、ザ ンベジア州の19郡を対象にした事業である。これに関する検討 と討論により、我々UNACのメンバーである農民男女は、ProSAVANA事業に関する注意を強化し、それに対応するた めの戦略を決め、全国の農民男女のほとんど全面的な排除と不在の下で承認されようとしている農業政策への代替案を提案する。

過去2か月、UNACは、モザンビーク政府、日本の外務省、JICAとして知られる日本の国際協力機構の代表者 ら、ブラジルの国際協力庁(ABC)、駐モザンビーク日本大使、駐モザンビーク ブラジル大使との面談や対話を拡大し、ProSAVANA事業に関する討論を行ってきた。草の根レベル から、郡や州レベルの集会までの多様な討論の結果、次の点で多くの矛盾があることが明らかになった。それは、入手可能な情報の不十分さ、 (事業の)設計の欠陥を示す兆候や証拠、公衆との協議と参加のあるべきプロセスにおける不正(irregularities)、農民の土地の強奪やコミュニティの強制的 な除去への差し迫った深刻な脅威である。

PNISAに関して述べるならば、我々は、この文書が、その構想の段階から、公衆の参加する プロセスや空間、そして農民運動の中で、広く議論がなされてきたものであることを表明したい。PNISAは、モザンビーク政府のためのものであり、PEDSA(農業部門開発戦略計画Plano Estratégico para o Desenvolvimento do Sector Agrário)の運用のための重要なツールである。しか し、我々UNACの農民闘士らにとっては、PNISAは不十分であり、PEDSAの4つの柱のための戦略すべてを満足させるもので はない。我々は、イニャンバネでの年次総会で議論された「家族経営農業支援国家計画Plano Nacional de Apoio a Agricultura do Sector Familiar」の採択こそを擁護する。

また、ニアサ州やその他の州で生じているモノカルチャー植林の急速な拡大、テテ州の再定住地で生じている農民の権利の侵害、数々の土地紛 争は、我々に大きな懸念を与えている。例えば、ProSAVANA事業について述べると、同事業対象地の農民男 女らは、ナカラ回廊沿いの将来について多くの不正と不安を問題視し、非難している。

我々、モザンビークの農民男女は、憲法が保証する権利の実現のための闘いに関与するとともに、家族経営農への不可分なコミットしていくこ とを再確認した。我々は、我々の国の開発の基盤として農業を位置づける憲法の規定に完全に基づき、また方向づけられ、闘いにおいて確固た る姿勢で臨み続ける。

メガプロジェクトへの政府の変更なき行動は、農民らの生活の基盤を犠牲にし、多国籍企業といった大きな権力者らを過度に裨益することにな ろう。メガプロジェクトが貧困を削減すると誤解している人や機関があるようだが、UNACは、これらの収益は国民所得の公正な分配をも たらさないことを理解している。例えば、家族農業(日々の食料生産)などの他セクターの活性化という観点からは、これらのメガプロジェク トは農民の貧困化を深める可能性があるため、効果は正反対であろう。

我々、農民男女は、テテ州で起きたように、我々の土地から追放され、他の地域に移転させられ、再定住させられることを恐れている。我々 は、我々の土地やコミュニティの過度の占領に対して、我々自身を動員し、抵抗しなければならないと考える。民衆の強制的な除去と移転は、 自然や土地と共に我々が培ってきた関係や生活のサイクルに対する停止、破壊、暴力を意味する。


2013年のUNAC年次総会は、農民男女が、土地紛争、土地の強奪現象、鉱業の大規模投資プロジェク トの導入によって行われる強制的な移転などの増加といった、巨大な課題に直面している最中に実施された。我々は、鉱業のメガプロジェク ト、モノカルチャー植林、家族経営農業への支援政策の不在によって生じる土地の強奪といった、目の前にある、我々を貧困に追いやるだろう 課題に気づいている。


我々は、これらのプロジェクトを大いなる懐疑の目で眺める。それは、多くの理由と疑問によるが、なんといっても、企業との間で土地を巡る 紛争や係争の状態に農民が置かれ、苦しめられるという、現実の事例が既に証拠としてあるからである。これらすべての問題により、耕作や生 産、そして生産向上のための農地は減らされるであろう。そして、農民らのやる気を減退させ、士気喪失を起こさせ、彼ら自身の農業実践を強 制的に放棄させるプロセスによって自らを疎外させ、最終的に単なる安い労働力に転じられるだろう。


イニャンバネでの年次総会において、我々全国の農民男女は、メガプロジェクトが農民に有害なものとならないよう闘うため、自らの組織化能 力を強化する。我々は、モザンビークの法律によって保証される民主的で公平な協議の実施によってこれを実現しようとし続ける。


もし公衆への協議やその参加プロセスが、これまでと同様に操作され続け、効果をもたないままであるのであれば、農民男女は土地とコミュニ ティを守るための闘いを強化し続けるだろう。農民男女にとって、土地とそこに育まれる共有財産(コモンズ)は、我々並びに国民の財産であ る。まだ、我々の現在及び将来の息子や娘や、すべてのモザンビーク人男女のための遺産である。

民衆の闘いにおいて 疲れはあり得ない!我々の犠牲と共に、我々の目的は達成され、我々が意図した成果は達成されるであろう。我々は、ナショナルな解放闘争の 最も難しいモーメント以来、今日まで取り組んできたように、アグロエコロジカルで環境保全型の家族農業並びに小農農業を発展させる闘いを 固く守り続ける。手に鍬を持ち、大地に足をしっかりとつけ、より良く実行可能なモザンビークを夢見る。そこでは、農民の息子たちや娘たち が、我々の闘争によって解放された土地を身近に感じるであろう。


統一された農民は常に勝利する
イニャンバネ、2013年5月9日
UNAC(全国農民連盟)

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by africa_class | 2013-05-15 04:29 | 土地争奪・プロサバンナ問題

プロサバンナ・マスタープラン暫定案に関する日本の専門家による分析結果

以下は、10日の外務省・NGOとの意見交換会で発表された、以下の6名のアフリカ、農村・農業開発、食料・土地問題、国際協力の専門家らによる分析です。なお、ここには一覧で載せていませんが、他数名の開発コンサルタントの方々のご協力も得ています。

マスタープラン暫定案がリークされたからできる分析でした。
(*Report 2はGRAINのサイトでダウンロード可能な状態です。)
http://www.grain.org/e/4703
(*共同声明も以上のサイトから)

是非ご一読ください。

============
第四回ProSAVANA事業に関するNGO・外務省意見交換会
ProSAVANA マスタープラン暫定案(Report No.2, March 2013)
専門家による分析と問題提起 
      


作成:2013年5月8日

総合的問題  当事者不在で正当性に欠けるマスタープラン
~小農に犠牲を強いる構造とQIP(Quick Impact Project)の問題


マスタープランとは、本来、対象地に住む住民のかかえている課題は何であるのか、住民の大部分を占める小規模農民は何を望んでいるのか、を適確に調査した上で、それを、農業政策全体を包む上位課題の中に位置づけ、問題を解決することを目的とすべきものである。従って小農民がどのような生計の状態におかれ、どのような自然と社会環境のうちにあり、生産、消費、安全保障の活動を行なっているかを調査、分析し、その上に立って解決策を策定すべきものである。

しかし今回示されたProSAVANAの暫定マスタープランは、このような目的意識とあるべき策定の方法をまったく考慮せずに恣意的な目的を設定し、現地状況をかえりみずに書かれたプランであり、正当性に欠けるといわざるを得ない。

これまで、外務省/JICAは、内外にProSAVANAはナカラ回廊の小農支援を中心としたプログラムだと説明してきた(これまでの「ProSAVANA事業に関するNGO・外務省意見交換会」、JICA理事長報告2013年2月22日http://www.jica.go.jp/press/2012/20130222_01.html)。しかしマスタープランの暫定案を見る限り、小農の発展は二の次であり、アグリビジネスの進出を促進することに目的があり、そのために小農に犠牲を強いる構造を構築しようとしていることが明確になった。

この結論は、アフリカ農業・農村開発や援助、土地問題、モザンビークに、専門家として長年にわたり関わってきた日本の我々によるマスタープラン暫定案の分析により導かれたものであるが、結果的にこれは、本年4月29日に発表された現地・国際市民社会組織23団による共同声明”Leaked ProSAVANA Master Plan confirms worst fears: Civil society groups warn secretive plan paves the way for a massive land grab(http://www.grain.org/e/4703)”と類似するものとなった。

マスタープラン暫定案の問題は明らかである。同暫定案で示された数々のプランは、モザンビーク北部地域の住民の暮らしや農業のあり方に大きな影響を及ぼす(特に現地農民の権利を侵害する可能性が高い)ことは明らかであるが、当事者である住民や農民組織、現地の市民社会に開示されず、開示に基づく具体的な中身関する協議はまったくなされてこなかった。これまで3政府が主張してきた「住民・市民社会との協議」(ステークホルダー会合、農村での「正確な情報共有(同上JICA理事長報告)」)は、形ばかりのアリバイ的なものであったといわざるを得ない。

以上の状況にもかかわらず、マスタープラン暫定案の公開とそれに基づく協議や議論を待たずして、融資やQuick Impact Projectが先行することは、現地社会に多大な混乱と紛争を生み出すとともに、問題の多いマスタープランの「免罪符」として活用される可能性があり、大いに問題である。

以上の総合的問題認識に至った、マスタープラン暫定案の問題点を、以下に具体的に列挙する。

なお、『JICA 環境社会配慮ガイドライン』に相当抵触する部分があると考えられるため、今後の議論を深めるための質問を末尾に列挙した。


1.その強力な道具立てになっているのは、ゾーニングという手法を利用して、小農の活動範囲を制限し、アグリビジネスと企業的農業の利益を優先させて、小農をこれに従属させるという計画手法で、通常の農業開発計画の作成において通念となっているゾーニングの考えを逸脱した、細部にわたるまでの強制を伴う計画執行を予定している。

2.ゾーニングは、気候、土壌性質、地形、住民の社会的特徴、地理的分布など、既存の状態を詳しく調べ、そのデータに基づいて、これを改良、発展させているための手法である。しかしProSAVANAで執行しようとしているゾーニングは、これらの既存の状態、特にそこに住む農民の大多数を占める小規模農民の状態を詳しく調べることなく、特に小農にとって必要な休閑地、薪炭採取地、牧草地など、Report 1で農用地の範囲について疑問を呈しているにもかかわらず、(例、Report 1, 2-14)むしろこれを無視して、まったく異なる考えに基づき、単純な点数配分などを使い、独断的(arbitrary)なゾーニングの特徴づけと発展方式の指定を行っている。

3.開発主体を個人農業(主に小農)、農民組織(未成立の共同組合かAssociation)およびアグリビジネスの3種類に限り、ゾーンごとにどの主体に開発を任せるとの指定をしている。全study area を6種類のゾーンに分け、そこで栽培されるべき作物と指定(目標として決定)し、どの主体がその推進の役目を担うのかを、事細かに説明している。 ゾーニングはクラスター化(同種の集合)とセットで考えられており、小農の作物選択の意志は完全に無視され、食料主権と食料安全保障の意欲に悪影響を与える構図になっている。
 ゾーンによっては、アグロインダストリーの1社のみ(Majune District, 2-17)が指定されている。
 フードシステム論で言うクラスターとは、異なった業種の集積によって単なるスケールメリットを超えた複合の利益を得ることを目的としている。ところがマスタープラン暫定案のクラスターはこうした理解とは異なり、モノカルチャー型の集積を意図している。モノカルチャー型の農業、経済はとりわけ熱帯アフリカにおいて脆弱性を増大させるという大きな問題を持っている。

4.またゾーンの中に、Special Economic Zoneを設定して、Incentiveや租税優遇措置など、アグリビジネスの進出を促す計画があり、アグリビジネス中心のゾーニングであることを明白に示している(2-23)。またゾーン計画を固定化させる作用を持つQuick Impact Projectを先行させ、実施に入っているが、それは細部が決定され、実施団体、場所、コスト計算などが明記されている(4-6~11)。

5.過去の数々の事業の失敗により広く認識されている通り、農業・農村開発において、Quick Impactは利益よりも悪影響をもたらすことが多い。短期的な効果として労働生産性の向上や生産量の増加が想定されているが、熱帯アフリカの生態系や土壌条件に照らすと、そのことはかえって中長期的な持続性を損なう、略奪的な結果をもたらす恐れが大きい。その点に関する検討はまったく見当たらない。

6.マスタープランの内容として、32のプロジェクトが明記されているが、その中には住民との紛争  が予想されるものが多く入っている上(例:土地登記DUAT事業)、他に先行させるものとしてパイオニアプロジェクトという位置づけがなされているが、最も重要な住民との話し合いの必要が明記されておらず、実行には長期間を必要とするものが多い。莫大な費用がかかるものも含まれている(3-4)。

7.Pilot Project Under ProSAVANA Development Initiative Fund (PDIF)について。すでに始まっているこのパイロットプロジェクトの現状がいくつか説明されているが、問題に直面しているところが多い。(3-13) とくにDUAT(土地占有権)の登記に関するものが多い。しかしこの土地登記を何よりも先行させるべき項目としている(3-15)。モザンビークの農民は現行の1997年土地法で慣習法上の土地アクセス権を保証されているので、登記を急ぐことはその土地アクセス権を狭めることになる。アフリカの他の国の事例に照らしてみても(タンザニアの例)、農民は土地登記にインセンティブを持っておらず(土地登記コストの生活水準から見ての高さ等)紛争を軽減させるどころか、紛争を激化させる原因となることが多い(タンザニアのモロゴロ州の例:Izumi,Ph.D.論文、Roskilde University,1998)。この点についての検討も、まったく見当たらない。

8.このプロジェクトが実行されると、必ず農民の土地収用が起ってくるが、その弊害を回避させる仕  組みはきわめて弱く、回避に役立たない可能性が高い。QIPのうち6つは最初から強制的住居移転が想定されている(4-60)。このためProSAVANA Guideline on RAIなるものの策定を始めているが、その中の1つにSupport Organization for the Investment and Value Chain Development がある。しかしこの項にもこれを守らせる強制力を与えていない。他にProSAVANA Implementing Body の設置が勧告されているが、これについても違反者への処罰の権限はあたえられず、可能な方法として、独自のモニターを行なえるとし、その場合も資料を提出させることができるとしか規定しない方針であるというアリバイ的な提案にとどまっている。従って投資主体の活動をモニタリングする仕組みが全く組み込まれていない。

9.同マスタープラン暫定案(2-28)では、「地元農民と企業の間で深刻な土地紛争が起きている」と書かれ、大規模植林や鉱山開発の問題が指摘されている(2-28)。つまり、すでに土地争奪が生じている現実であることが認められている。

10.PRAI(責任ある農業投資原則)とFAOのボランタリー・ガイドラインについての記述がおざなりである。特に、FAOボランタリー・ガイドラインは、説明されないまま、「これを参考にすれば」良いと言う程度の扱いになっており、なぜガイドラインではなく、PRAIのみをベースとした「ProSAVANA Guideline on RAI」とするのか疑問である。PRAIは専門家 や世界の農民組織、市民社会から多くの批判がある 。またPRAIは、国際農業投資で最も影響を受ける途上国各国の農民組織や食料・土地問題に詳しい専門家や国際NGOなどの参加がないまま策定され、人権法への言及がない上、投資活動の妥当性を判断する責任主体が明確でない。そもそも「投資受け入れ国政府、投資家」と「現地の人々」を並列しており、「現地の人々」の権利を優先した原則ではない。

このPRAIの問題性を踏まえて、世界のマルチステークホルダーが集まって策定したFAO ボランタリー・ガイドラインではなく、ProSAVANAのガイドラインを「on RAI」とすることは、ProSAVANAの目的がアグリビジネス本位のものと受け止められる。なお、いずれも「自主原則」となっており、現地農民や環境を守るための規制を排除しており、権利を守るためには不十分である。

11.同様に、(5-1)Existing rights to land: Independent avenues for resolving disputes and grievancesがあるが、どのような独立した苦情メカニズムが処理される予定なのか明らかでない。カンボジアでの調査の結果、地域によって苦情メカニズムが設立されず、また同国の政治状況により現地住民は苦情を申し立てることを恐れているため申し立てができないという現実があった。このような教訓を、どのようにモザンビークで踏まえるべきか明らかでない。なお、PRAI策定プロセスで外務省がまとめた資料 では、「積極的な農業投資受け入れ国」として、「モザンビーク、 スーダン、ラオス、ミャンマー、キューバ―、ウクライナ」が挙げられている。いずれの国も民主化が停滞し問題を抱えており、本意見交換会質問状へのJICA回答でも「ランドグラビングはガバナンスに問題がある国で起きている」との指摘がなされている。つまり、「積極的に農業投資を受け入れようとする国ほどガバナンスや民主化において問題があり、現地住民や農民の権利を侵害するランドグラビングが起きやすい」ことを踏まえ、本来マスタープラン暫定案は、「現地小農の権利擁護」を目的の第一に置くべきであるが、それが見当たらない。

12.モザンビーク北部地域の歴史や紛争後の政情分析がマスタープランに一切記載されていない。そもそも、ザンベジア州、ナンプーラ州、ニアサ州の対象地域は、ニアサ州の北方を除き、1977年~92年の戦争で反政府勢力(現在の最大野党RENAMO)が支配地を点在させ、最も被害を受けた地域である。戦争に加わった者も被害を受けた者も農民である。このような地域で、政権与党と組んだ農業投資を奨励するリスクや問題についての検討がなされていない。

13.小農による土地利用の現状が適切に評価されていない。外から見ると、「低利用」にみえる共同草地や放牧地、休閑地はそれがないと生存が成り立たないという意味で小農たちにとってきわめて重要である。基本的に低利用・未利用の土地はないという認識を前提にすべきである。国民の多数を占める小農を農業発展の担い手として認識していないことが最大の問題である。

14.契約農業が途上国でうまくいっている例はあまり多くない。契約農業が小農民の発展に結びつくためには、一般的に言って弱い立場に置かれる販売者側の組織化(たとえば組合に対する強い権限の付与と政府による交渉のサポート)と販売ルートの複線化が必要であるにもかかわらず、とにかく、加工業者やアグリビジネスと契約させれば小農部門が発展するというロジックになっている。

15.結局のところ、この計画は農民の食料主権・食料への権利を無視しており、彼らの望む発展の形(栽培作物の多様性の維持、食料自給とその上での現金取得の可能性の増大)とはまったく異なる発展を、強制的に押し付けるものである。逆に企業による投資には多くのインセンティブを与え、土地取得を容易にし、農民にクラスター化やバリューチェーンの特定企業導入などの恣意的な押し付けをもたらし、農民主権を剥奪するものであるといわざるを得ない。

16.環境については、Report1(3-1-7)にある通り、ProSAVANA対象地の多くが森林で覆われている。特に、新たに追加されたMajune郡は明らかに森林地帯となっている。Report2では、まさに同郡の特徴(VIゾーン農耕地13%、森林77%に分類)として「広大な森林large forest areaがあることが利点helpful(森林への配慮が必要だが土地へのアクセスは良好)(2-9)」となっており、明確に森林伐採をしたうえでの農地転地が予定されている(2-28) 。

17.Environmental Zoningが取り入れられ、「環境の脆弱性」の指標として薪の需給バランスが示されている(2-2)。薪は、人間により木が伐られ加工され運ばれ使われて初めて「薪」となる点について、つまり人為的なものであり環境指標と呼ぶべきものではないことが考慮に入れられていない。「需給バランスが適切だから環境が豊か」、「需給バランスが崩れているから環境が脆弱」のいずれの前提も、適切ではない。そもそも、自家採取されることが多い薪の需給を正確に測ることも不可能である。何より、森林や生物多様性の保護という国際潮流に反した「環境ゾーニング」である。

『JICA環境社会配慮ガイドライン』に関わる質問一覧
については、Moreをクリック下さい。

以上

分析者一覧
・吉田昌夫(AJF食料安全保障研究会、元AJF代表、元中部大学教授)
・舩田クラーセンさやか(東京外国語大学准教授、AJF会員、元TICAD市民社会フォーラム副代表)
・西川芳昭(コミュニティ・コミュニケーションサポートセンター テクニカルアドバイザー/龍谷大学経済学部教授、元TICAD 市民社会フォーラム会員)
・池上甲一(近畿大学農学部教授)
・米川正子(立教大学特任准教授、評価士)
・近藤康男(No! to Land Grab, Japan)

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by africa_class | 2013-05-12 18:49 | 土地争奪・プロサバンナ問題

PreTICAD国際シンポ&市民社会ラウンドテーブルwithモザンビーク/ブラジル/国際NGO~#プロサバンナを考える

こちらは、6月1日~3日まで、横浜で開催される第5回アフリカ開発会議(TICAD V)に向けたPreTICAD V国際シンポジウム&市民社会ラウンドテーブルです。

主催団体5団体、協力団体1団体、賛同団体18団体と、日本の24の団体が支える企画です!

来日にあたっての招へい資金は、モザンビーク農民組織UNAC(全国農民連盟)の招へい費用だけ集まっていませんので、ご協力、ぜひよろしくお願いいたします。(38万円、5月20日まで!*14日現在23万円が集まっていますが、後15万円足りません!)
→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-20.html
*今回は、愛媛で農民交流を行います。

==================================
Pre TICAD 国際シンポジウム&市民社会ラウンドテーブル
with モザンビーク/ブラジル/国際NGO
~今アフリカ農村で何が起きているのか?    
日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発(プロサバンナ)を考える

①国際シンポジウム 
5月29日(水)18時~22時半@産業貿易センターB102会議室
②市民社会ラウンドテーブル
5月29日(水)13時半~16時@産業貿易センターB102会議室
※16時~17時 記者会見(40分程度)
==================================


本年6月1日~3日、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)が横浜で開催されます。同会議の目玉として準備されてきたのがプロサバンナ(ProSAVANA)事業です(*注1)。

同事業は、2009年に合意された、「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発」の略称で、ブラジルのセラード開発を参照事例として、モザンビーク北部3州の1000万ヘクタール(日本の耕作面積の三倍)を超える地域を対象とした大規模な農業開発計画です。

既に、大々的な宣伝がなされていますが、昨年10月来、現地の農民組織や市民社会組織は、本事業に強い懸念を表明しています。その理由は、当事者である地域農民の主権の軽視、事業全体における目的と手続きにおける不透明さ、アグリビジネスによる土地収用や遺伝子組み換えの導入への危惧などとされています。

さらに、最近明らかになったマスタープラン中間報告の中身の検討から、プロサバンナ事業が、現地に暮らす農民の権利を狭め、アグリビジネスによる容易に土地収用に道を拓くものであったことが、現地並びに国際市民社会の声明により明確になりました。

モザンビーク・国際市民社会声明
【原文・英語】 http://www.grain.org/e/4703
【和訳】mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-21.html

2007-8年の食料価格高騰以来、世界中で土地をめぐる紛争が激化しています。特に、アフリカはターゲットとなり、中でもモザンビークでは世界統計で最多の土地取引がなされています。世界的にも先駆的な土地法(1997年)が農民の手によって制定されたモザンビークでもこのような現状にあります。

このような事態を受け、TICAD Vを前に、2月に来日したモザンビークの農民組織UNACの代表らが、再度来日し、問題を訴える他、この問題に長年かかわってきた国際NGO・GRAINの調査責任者が来日します。

今アフリカで何が起きているのか、小農はどのように暮らし何を求めているのか、プロサバンナ事業はこの点においてどのような問題を抱えているのか、日本の我々はこれらの問題にどのように関わるべきなのかについて、皆さんと一緒に考えたく、TICAD V直前の5月29日(水)に、開催地横浜にて、次の二つのイベントを開催する運びとなりました。

ふるってご参加ください。

*注1:同事業の関連資料はこちらのサイトに掲載
→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-18.html

①国際シンポジウム
***************************
 5月29日(水)18時~20時半
TICAD V直前 国際シンポジウム  
      with モザンビーク/ブラジル/国際NGO  
~今アフリカ農村で何が起きているのか?    
    日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による   
  熱帯サバンナ農業開発(プロサバンナ)を考える~
***************************

【当日式次第】
<報告>
(1)「世界における【責任ある農業投資】と土地争奪問題
 ~アフリカ・熱帯サバンナ地域を中心に」 
 Devlin Kuyek (国際NGO・GRAIN、カナダ)
(2)「日本援助とブラジルの熱帯サバンナ地域(セラード)
 ~地元小農・土地なし農民からの再考)」
 Sergio Schlesinger(ブラジルNGO・FASE、ブラジル)
(3)モザンビーク農民組織からみたプロサバンナ事業の問題」
 Augusto Mafigo(代表) + Vicente Adriano  
 (UNAC全国農民組織、モザンビーク)
<コメント>
・日本政府関係者(調整中)
・国際機関関係者(調整中)
・日本市民社会(津山直子/動く→動かす(GCAP JAPAN)代表)

※当日は同時通訳(日英)が入ります。

============イベント概要========
【日時】2013年5月29日(水)18時~20時半
【会場】産業貿易センターB102会議室
http://www.sanbo-center.co.jp/rr/index.html  
住所:横浜市中区山下町2番地 Tel : 045-671-7111
<アクセス>みなとみらい線日本大通り駅(3番出口)徒歩3分
http://www.sanbo-center.co.jp/ci/access.html
【定員】100名
【参加費】500円(資料代)
【主催】(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)、(特活)アフリカ日本協議会(AJF)、
(特活)オックスファム・ジャパン、(特活)WE21ジャパン
【賛同団体】認定NPO法人 FoE Japan、アジア・アフリカと共に歩む会(TAAA)、
 アフリカ地域開発市民の会(CanDo)、NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)
ATTAC Japan、全日本農民組合連合会(一般財団法人)北海道農民連盟、アフリカ理解プロジェクト、 「環境・持続社会」研究センターJACSES、(株)オルタ・トレード・ジャパン(ATJ)、(特活)APLA(Alternative People's Linkage in Asia) No! to Land Grab, Japan、アジア農民交流センタ-(Asian Farmers' Exchange Center/AFEC)、一般財団法人地球・人間環境フォーラム、(特 活)国 際協力NGOセンター(JANIC) 、(特活)サパ=西アフリカの人達を支援する会(SUPA)、(特活)ハンガー・フリー・ワールド(HFW)、(一般財団法人)CSOネットワーク  (5月14日現在18団体、賛同団体募集中)
【協力】モザンビーク開発を考える市民の会、東京外国語大学舩田クラーセン研究室

【お申込み】
http://ngo-jvc.info/ZigHEd
※できるかぎり上記URLよりお申込ください。
※メールでお申込の際は、件名に「5月29日プロサバンナ国際シンポ参加申込」とご記載ください。
Email:prosavana529@hotmail.co.jp 

【お問い合わせ】
JVC南アフリカ事業担当 渡辺
Email:prosavana529@hotmail.co.jp 
Tel: 03-3834-2388
===========================

②市民社会ラウンドテーブル
****************************
5月29日(水)13:30~16:00
(16時より記者会見)
「プロサバンナ事業についての3か国・国際市民社会会議」
****************************


急激なグローバル化による農民への影響は、アフリカに留まりません。日本でも、アジアでも、南米でも同様です。また、日 本のODAを通じた農業投資や土地問題は、世界各地で発生してきました。これらの問題について、モザンビーク、ブラジル、 日本の3か国、そして国際市民社会は何をすべきか、を話し合います。

「農業投資」、「土地争奪」、「農民主権」、「食料 主権」などをキーワードに、議論し、今後のローカル
あるいは グローバルな行動に繋げます。

=======イベント概要==========
【日時】2013年5月29日(水)13時半~16時(*16時から記者会見)
【会場】産業貿易センターB102号室
 http://www.sanbo-center.co.jp/rr/index.html  
住所:横浜市中区山下町2番地 Tel : 045-671-7111
<アクセス>みなとみらい線日本大通り駅(3番出口)徒歩3分
http://www.sanbo-center.co.jp/ci/access.html
【収容人数】50名
【主催】(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)、(特活)アフリカ日本協議会(AJF)、
(特活)オックスファム・ジャパン、(特活)WE21ジャパンJVC、AJF、OXFAM、WE21ジャパン
【協力】モザンビーク開発を考える市民の会


【お申込み】
http://ngo-jvc.info/14MNEAc
※できるかぎり上記URLよりお申込ください。
※メールでお申込の際は、件名に「5月29日プロサバンナ市民社会ラウンドテーブル参加申込」とご記載ください。(締切、5月24日(金)正午)
Email:prosavana529@hotmail.co.jp 
※NGO関係者のみ受け付けます。一般の方はシンポジウムにご参加ください。
※シンポジウムに参加されない方で資料をご希望の場合は 500円をご負担下さい。

【お問い合わせ】
JVC南アフリカ事業担当 渡辺
Email:prosavana529@hotmail.co.jp
Tel: 03-3834-2388
URL:http://www.ngo-jvc.net 
Tel: 03-3834-2388※記者会見に参加するメディアで傍聴希望する場合はその 旨お申込み下さい。
======================
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by africa_class | 2013-05-03 13:36 | 土地争奪・プロサバンナ問題

【国際共同声明】プロサバンナ事業プランは最悪シナリオ露呈~市民社会は大規模土地収奪への秘密計画を警告

すでに紹介されていますが、こちらのブログでも紹介しておきます。
以下に全訳をつけておきましたので、ご一読ください。

5月23日付で賛同団体が以下のように増えています。
■世界45団体+国際ネットワーク(74か国拠点)=計119団体となっています。

読めば読むほど、日本の一市民として、モザンビーク北部に20年近くかかわり、農村の皆さんに家族ともどもお世話になった者として、憤りと、哀しみと、情けなさ・・・・で一杯になります。

戦争の最中に送り続けた農薬が、在庫となってモザンビークの各地に散らばり、環境・人体汚染を引き起こしていたことを知った時と、同じような気持ちです。

○その詳細は、こちらのPPTで少し紹介しました。
→http://afriqclass.exblog.jp/17362546/
○2KRネット「食糧増産援助を問うネットワーク」
→http://www.paw.hi-ho.ne.jp/kr2-net/index.html
あれから10年・・・日本の援助は逆行していないでしょうか。哀しいです。

それと闘う現地・世界の市民社会の連帯・・・・がんばれ!

原文やマスタープラン案(中間報告)は、以下のサイトで紹介されています。
また世界から賛同署名を5月15日まで集めているそうです。
詳細は、「モザンビーク開発を考える市民の会」のページまで。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-21.html

=================================
Joint Statement (29 April 2013)
Leaked ProSAVANA Master Plan confirms worst fears
Civil society groups warn secretive plan paves the way for a massive land grab
共同声明:モザンビーク北部のProSAVANA事業マスタープラン(案)は最悪の計画を露呈した
~市民社会組織は大規模土地収奪に道を開く秘密計画に警告を発する~
http://www.grain.org/e/4703
http://farmlandgrab.org/post/view/21996

Justiça Ambiental, JA!/ FoE Mozambique (Mozambique)
Forum Mulher (Mozambique)
Livaningo (Mozambique),
GRAIN
Friends of the Earth International (FoEI), et al.
(モザンビーク4団体、アフリカ11団体、中南米4団体、東南アジア1団体、ヨーロッパ2団体、国際NGO1団体、国際NGOネットワーク<74団体加盟>、計23団体・1ネットワーク)
===================================

共同声明

モザンビーク北部のProSAVANA事業マスタープラン(案)は最悪の計画を露呈した
~市民社会組織は大規模土地収奪に道を開く秘密計画に警告を発する~

2013年4月29日

市民社会組織は、リークされた最新バージョンのプロサバンナ事業のマスタープラン案(2013年3月版)をついに見ることができた。それにより、日本・ブラジル・モザンビーク政府が、モザンビーク北部で大規模な土地収奪を可能とする道を拓こうと秘密裡に企てていることが判明した。モザンビークのいくつかの団体とその国際パートナーは、考察とともにこのマスタープランを公にする。

プロサバンナは、モザンビーク北部の農業開発を支援する日本・ブラジル・モザンビークの三角協力事業である。市民社会にリークされたマスタープラン案によると、同事業はナンプーラ州、ニアサ州、ザンベジ州の3州19郡の1000万ヘクタール以上の面積をカバーするという。この地域には400万人以上が住み、農業を営んでおり、事業関係者にナカラ回廊地域と呼ばれてきた。

プロサバンナ事業立案から現在までのすべてのプロセスが、透明性、公な協議、参加を全く欠くものとして特徴づけられる。アグリビジネス企業が、ナカラ回廊でのビジネス機会を調査するために政府代表団に含まれている一方で、影響を受ける地域に住む400万の人々は、この事業やプランの狙いに関する情報を得ていない。三つの政府は、このマスタープラン案およびこれ以前のバージョンのプランを公にすることを拒否してきた。

このマスタープラン案は、多国籍アグリビジネス企業と関係の深い外国コンサルタントのチームによって作成されているが、この中にはプロサバンナ事業対象地域で既に土地を獲得している者も含まれる 。対象地域の住民との意味ある協議はなく、同プランは住民のニーズ、歴史、知識、将来への希望を考慮していない。また、地元の農業や食料システムを尊重しないものである。

プロサバンナは、開発援助事業として提示されてきたが、入手したマスタープラン案を見ると、モザンビークの農業を企業が乗っ取るビジネス計画であることが明らかである。

マスタープランは小規模農家にとって何を意味するか?
プロサバンナ計画の推進者は、同事業について小農を支援するプログラムだと言い続けてきた。しかし、マスタープラン案では、アグリビジネスを小農がどう支援するかしか考えられていないことが分かった。それは、主として次の二つの方法で実現されようとしている。

1.伝統的移動輪作農法や土地管理の実践を潰し、農民を、商業作物、化学肥料・農薬の投入、私的土地占有権に基づく集約農業に追いやる。
マスタープラン案では、伝統的農業の有効性について何も分析していないにもかかわらず、「移動農法から定着農業(settled farming)への移行が緊急に必要」で、「マスタープランの鍵となる戦略」としている。さらに、「移動農法の実践の撲滅」アクションまでも求めている。

農民が伝統的な農業を捨てるのに抵抗することを念頭におき、いくつかの策が提案されている。集約農業の効果をみせるため「リーダー的農家」を育成し、「速効性の効果が見える化学肥料への補助金システム」を導入したり、もっとも注目すべき点としては、このような転換を行う農家に土地占有権(DUATs)を与えると書かれていることである。

これらの集約農業を促進する方策の真の目的は、土地を私有化し、外部からの投資が土地を得やすくすることにある。農民を(DUATsにより)定められた土地の境界線内に追い込むことで、投資企業が取得可能な土地を明確にし、州政府が企業向けの土地銀行(land bank)を設立することを可能にするという。また、マスタープラン案は、投資企業が土地を取得するにあたって、コミュニティとの交渉無しで済ませることを認めている。マスタープラン案にある「小・中農家土地登録」の項目では、その目的が「大規模農業、民間企業、中農による農業促進のための区画を明確にする」ことにあるとはっきり述べられている。さらに、「小農と新たな投資企業の間の協力・統合の環境をつくる」ための手段とまで書かれている。

2.農民を企業的農業と加工業者との契約農業に追いやる
マスタープラン案では、ナカラ回廊をゾーンに区分けし、それぞれのゾーン内で栽培する作物、栽培手法、栽培者(小農、中農、企業)を定めている。ゾーン区分に基づき、商品作物栽培プロジェクトがいくつか示され、ある区分には大規模企業農業のみが定められており、残りは、大農・中農の混合や、小農による契約栽培方式などである。

同プランで提案されている委託契約農業は、この地域の小農らの生活を改善しないだろう。むしろ、彼らが作付する種子から生産物の販売までのすべてを、一つの企業に依存させることになるだろう。同プランで提案された委託契約農業プロジェクトの一つでは、投資企業は年率30%の収益を得る一方で、小農は5.5ヘクタールの内5ヘクタールを契約下でのキャッサバ栽培に使うことが強制される。

企業天国
マスタープラン案は、企業が投資によって20~30%という非常に高い年間収益を獲得できるビジネスチャンスをいくつか想定している。投資企業は、日本およびブラジルの両政府と投資家が出資するという「ナカラ・ファンド(Nacala Fund、20億ドル)」を利用できる。リークされたマスタープランでは、同ファンドの詳細は記載されていないが、他の筋からの情報によると、同ファンドは投資家保護の天国であるルクセンブルクで登録され、「アフリカ・オポチュニティ・ファンド1:ナカラ(Africa Opportunity Fund 1: Nacala)」として登録されるという 。

マスタープラン案で示されるいくつかのプロジェクトの中には、投資家に広大な土地を提供するものも含まれている。例えば、ニアサ州マジュネ郡で計画されている「統合的穀物クラスター」は、縦断的に統合した1つの会社によって運営される。この会社は、6万ヘクタールに及ぶゾーン内で、9つの5,000ヘクタールの農場を経営し、主に輸出用に、トウモロコシ、大豆、ヒマワリを輪作栽培する。マスタープラン案によれば、「事業の収益性は高く、内部収益率は20.3%と見積もられ、9年で資本回収(償却)できる」という。同プランでは、こうしたプロジェクトを回廊の各地で展開し、増やしていくことを求めている。

企業は、マスタープラン案で提案されている数箇所の経済特区(SEZs)からも利益を得る。企業はこうした特区で納税および関税が免除され、さらにオフショア金融協定によって利益を得ることができる。これらの特区は、プロサバンナ事業が加工および貿易施設として計画する地域内に置かれる。しかし、これらの措置は、輸出型農企業の発展によって本来政府にもたらされるはずの収益を大幅に減じることになろう。

プロサバンナ事業の計画策定は2009年に開始されたため、海外投資家および現地の提携業者らは、事業予定地に既に膨大な面積の土地を取得しており、土地を巡って地元コミュニティとの間でたびたび争いが生じている。マスタープラン案の狙いは、この地域にさらに多くの投資を呼び込むことにあり、それは言うまでもなく土地紛争をさらに深刻化させることになる。

こうした争いの激化についてマスタープラン案が提案している主たる解決策は、「プロサバンナRAI(責任ある農業投資)ガイドライン(ProSAVANA Guidelines on RAI )」である。このガイドラインの中核は世界銀行が作成したRAIの7原則(Responsible Agricultural Investment)に基づくチェックリストであり、農民組織および市民社会組織から幅広く批判されているものである。「プロサバンナRAIガイドライン」は、ナカラ回廊へのアグリビジネス投資促進のために2013年8月までに発表される「民間投資のためのデータブック(Data Book for Private Investors)」の付属書とされる。

これらは、弱いガイドラインであり、その履行は任意である。マスタープラン案は、土地収奪からコミュニティを本当に守れるような新しい法律または規制を求めていない。同プランには、「ナカラ回廊への農業投資に関心を持つ民間企業は、企業内の行動規範や任意の自主規制に加え、これらの原則の遵守がリクエストされるだろう」と記されているだけである。

このマスタープランの結果として何が起こるか
現行のマスタープラン案を進めることによって、小農による農業は破壊されるであろう。それは、農民の種子体系、地元の知識、現地の食文化、および伝統的な土地管理の一掃を意味する。同プランは、農民を現在の土地から追い出すか、一定のわずかな土地に押し込めることになるだろう。その土地では、農民らは企業向けの契約栽培をさせられ、借金して種子、肥料および農薬の代金を支払うよう義務づけられるだろう。土地占有権を取得する小農においても、大企業や大規模農家のために即座に土地を失うという危険にさらされることになるであろう。

マスタープラン案の7クラスターのうち1つだけが、小農向けのもので、家族経営の食料生産を目指したものになっている。さらには、かつて失敗した緑の革命と同じ開発モデルが提案されているだけである。このマスタープラン案では、ナカラ回廊の小農のニーズやキャパシティが全く考慮されておらず、その活力も取り入れられてはいない。

本マスタープラン案の最大の受益者は企業である。土地および生産を支配し、生産された食料の取引を管理する。生産された食料は道路、鉄道およびナカラ港から輸出されるが、それらのインフラは、モザンビークと日本から提供された公的資金により、他の海外企業によって整備される。海外の種子、農薬および肥料会社は、企業型農業のアフリカへの大規模な拡大によって大儲けするであろう。

モザンビーク人にも、この事業によって利益を得る人もいる。例えば、ポルトガルで最も富裕な家族は、モザンビーク大統領の友人および家族が管理する国内企業ならびにブラジル最大の法人農企業1社と提携して、既にモザンビーク北部で土地を取得し、大豆を栽培するための合弁事業を立ち上げている。しかし、これらの利益とは、一般のモザンビーク人を犠牲にした上で成り立つものである。

マスタープラン案を見た我々は、プロサバンナ事業を中止させ、食料主権のために闘っているモザンビークの小農および人びとを支援するという決意を新たにする。


署名団体:
Justiça Ambiental, JA!/ FoE Mozambique (Mozambique)
Forum Mulher (Mozambique)
Livaningo (Mozambique)
LPM - Landless Peoples Mouvement (Member of Via Campesina - South Africa)
Agrarian Reform for Food Sovereignty Campaign (Member os Via Campesina - South Africa)
AFRA - Association for Rural Advancement (South Africa)
GRAIN
Friends of the Earth International (FoEI) (*The world's largest grassroots environmental federation with 74 national member groups and more than two million individual members.)
National Association of Professional Environmentalists (NAPE) / Friends of the Earth (FoE) Uganda
FoE Swaziland
Amigos da Terra Brasil / FoE Brazil
Movimiento Madre Tierra, Honduras
NOAH Friends of the Earth Denmark
GroundWork (South Africa)
Amigos de la Tierra España / Friends of the Earth Spain
Environmental Rights Action / FoE Nigeria
Sahabat Alam Malaysia/ FoE Malaysia
SOBREVIVENCIA, Friends of the Earth Paraguay
CESTA, FoE El Salvador
Earth Harmony Innovators (South Africa)
Ukuvuna (South Africa)
FoE Africa
Kasisi Agricultural Training Centre (Zambia)

( 2013年4月29日現在)
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by africa_class | 2013-05-03 00:51 | 土地争奪・プロサバンナ問題