ブログトップ

Lifestyle&平和&アフリカ&教育&Others

afriqclass.exblog.jp

【中東学会主催】ガザの事態をめぐる緊急研究集会(8月8日3時ー)

ガザの事態をめぐる緊急研究集会開催のご案内

 パレスチナのガザ地区全域に対するイスラエルの攻撃開始(7月8日)、地上戦突入(7月17日)以降、ガザでは深刻な状況が続いています。いま何が起きているのを知り、事態の性格・背景を考察し、分析・批判のためのことばを鍛えていくために、日本中東学会では下記の要領で緊急研究集会を開催することになりました。
 報告者・発言者はいずれも研究者であると同時に、さまざまな交流・支援の現場、あるいはパレスチナとイスラエル、日本の市民を架橋する市民の対話の場で、長年活動してきた経験を持っています。現在の事態をどう捉え、われわれは何をすべきなのか、専門家の知見に学びながら、市民として共に議論し、考えていく機会にしたいと考えます。
 暑い盛りの開催となりますが、みなさまの積極的なご参加をお待ちしております。

緊急研究集会「ガザの事態をめぐって」

日時:8月8日(金)午後3時~6時半
会場:東京大学東洋文化研究所3階大会議室(東京大学本郷キャンパス)
(参加費無料、事前申し込み不用)

※東洋文化研究所へは下記をご参照ください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_12_02_j.html
最寄駅:東京メトロ丸ノ内線/都営大江戸線(4番出口)
本郷三丁目駅東大・懐徳門から入って、緑の小道を抜けた右手、正面玄関に唐獅子像のある建物

司会・総合コメント:臼杵陽(日本女子大学)
報告1:岡真理(京都大学)
「ガザ ジェノサイド/スペィシオサイド/ポリティサイド」
報告2:田中好子(パレスチナ子どものキャンペーン事務局長)
「ガザの現状と支援のあり方」
発言:(予定)
 小林和香子(国際協力機構;元JVCエルサレム代表)
 田浪亜央江(成蹊大学アジア太平洋センター/(ミーダーン)パレスチナ・対話のための広場)
  〔その他、交渉中〕
総合コメント、全体討論

主催:日本中東学会
共催:科学研究費基盤研究(A)「アラブ革命と中東政治の構造変動に関する基礎研究」
緊急集会についてのお問い合わせは、東京大学東洋文化研究所 長沢栄治研究室まで
nagasawa[at]ioc.u-tokyo.ac.jp( [at]を@に置き換えてください。)
[PR]
# by africa_class | 2014-08-05 01:43 | 【考】人間の安全保障

2013年度優秀論文の紹介ー「ルワンダにおける健康保険の拡大」

長い間ご無沙汰しておりました。今見たら実に3か月ほど空いていたのですね。卒業生らに「ブログ更新して下さい」とお願いされ、ぼちぼち。。。

あれからあまりに症状が悪化してしまい、そして大学をお休みするにあたっての段取りやなんやらで、落ち着かない日々が続いてきました。今も起き上がれたり、起き上がれなかったりなのですが(これも布団の中からですが)、あまりに社会から断絶したままだとそれはそれで症状の改善にもならないので、ぼちぼちブログに駄文などを書き連ねつつ、気晴らしをし、療養に専念したいと思っています。

そして是非とも掲載しなければならないまま、ずっと放置せざるをえなかった情報のいくつかを今日アップできそうならしてみます。これをがまんするのも、また心身ともに悪い影響を及ぼすので。

まずは、2013年度のゼミ指導教員が推薦する優秀卒業論文の紹介です。3月にはやっておきたかったのですが、PCに向かうことすらままならなかったので・・・。

■この制度についての説明:
http://www.tufs.ac.jp/education/yushuronbun/yushuronbun_menu.html

■2011年度から毎年推薦し、以下の論文が掲載されています。
(このブログでも紹介した通り)
2011年度
http://www.tufs.ac.jp/education/yushuronbun/yushuronbun23.html
2012年度
http://www.tufs.ac.jp/education/yushuronbun/yushuronbun24.html
2013年度
http://www.tufs.ac.jp/education/yushuronbun/yushuronbun25.html

このゼミでは、学生・教員・院生・ゲスト等の評価を総合して足したものの順番で推薦者が決まります。本当に推薦されるべき優秀論文は毎年4つは出てくるのですが(12名前後の執筆者から)、去年から推薦できるのは「1名まで」になったので、残念です。年々レベルが上がっていることに驚きます。

後輩たちは一対一で上の学年の卒論執筆の添削、書評、評価の担当をするので、卒論の最終工程のイメージが湧き、そのことは凄く勉強になるのだと思います。特に、全員が当たり前のように英語や原語の論文を漁って、それらを活用するということは「前提」になっているのは良いと思います。互いの突っ込みも、自分にはねかえってくるので、モチベーションとしてもとても良い。Peer Educationを目指してきましたが、そういう場を設け継続させていくことに専念すれば、若い人達は勝手に展開するものなのですね。

■2013年度の優秀論文の概要と推薦理由を皆さんに紹介します。
瀬戸さんは、3年時に1年間ルワンダで現地企業(佐藤さんの)でインターンとして働きました。その後、モザンビーク開発を考える会の事務局でもインターンをしてくださり、就活もあり、卒論もあったので本当に忙しい毎日を、きちんと全部両(3)立させて、活躍してくれました。

卒業論文は超大作で、中身も手堅く、濃く、評価に参加した全員が一致して、ぶっちぎりの最優秀論文として選ばれています。文献調査では英語を含む70を超える文献を網羅しており、かつ現地調査も実施しています。

後輩たちから「驚異wonder?」としてみられる瀬戸さんも、入ゼミ当時は普通の2年生修了者でした。その後の色々な「悔しさ」が、彼女の原動力となり、バネとなり、大躍進になったことを、何度でも強調しておきたいです。

人間の発展には、時に「才能」が必要な部分もありますが、多くの場合「自分の不十分さへの真摯な、しかし前向きな理解」と「努力」が根っこに必要であるということを、若い皆さんには伝えたいです。今出来なくても、「出来ないからダメだ」とか「出来ない私がダメだ」とかそのようなマインドではなく、「何故出来ないのか」「どうやれば改善できるのか」を周りへの相談とともに明らかにして、前向きに取り組んでいく・・・そんなことが必ず未来に繋がるということを、瀬戸さんを通じて改めて学びました。

なおみちゃん、おめでとう。そして、ありがとう。
今頃の紹介になってしまい、申し訳ない。

そして、それ以外の卒業生の皆さんにも、最後まで放り投げず頑張った一人一人に、表彰状を送りたい気持ちです。百本ノックを見事に打ち返し続けましたね。やりきった部分も、やり残した部分もあると思いますが、いつも言いますが、「やり残したこと」については人生の様々な場面で問い続けていってくれればと思います。(私も未だにそんな感じです。)

今年卒論の指導が出来ない皆さんには大変申し訳なく・・・でも、先生方や先輩たちが熱烈しっかりサポートするということなので、どうぞよろしくお願いいたします。


============
2013年度優秀卒業論文

学生氏名:瀬戸菜穂実
学生の所属コース:地域国際コース(フランス語専攻)
卒業論文(研究題目):「ルワンダにおける健康保険の拡大―政府の貧困削減政策に注目して」

推薦理由:
本論文は、経済成長の一方で依然として深刻な貧困に悩むアフリカで、大多数を占める貧困者の医療サービスをどのように保障していくのかという現代的課題に基づき研究され、執筆されたものである。

事例として、健康保険加入率が低調なアフリカにおいて驚異的な加入率を誇るルワンダを取り上げ、依然貧困者が多い同国でなぜこれが可能だったのかについて歴史的・政治的背景を含め明らかにすることで、他のアフリカ諸国の課題を明らかにするだけでなく、虐殺後のルワンダの固有性を浮き彫りにしている。

その意味で、本論文はただ単に、「保険加入者を拡大するにはどうすればいいのか」といった一面的で制度設計的な視点を超え、地域研究の手法に基づき、ルワンダ国家と社会の今について健康保険を事例として描き出すことに成功しているといえる。

日本ではアフリカの健康保険に関する研究、とりわけ事例研究はほとんどなく、またルワンダの研究においても健康保険を通じての考察は皆無であった。その意味で、本論文の貢献は先駆的な取り組みとなっている。なお、執筆者は、本論文の執筆に当たって、一次資料として英語文献20本(内ルワンダ政府の資料は17本)、二次文献として日本語文献11本、英語文献55本、フランス語文献1本を参考にし、丹念な先行研究の検討と整理を行った。これに留まらず、資料上の制約を乗り越え、より実証的な論文とするため、現地調査を実施し、その成果を採り入れた論文となっている。

その結果、健康保険の加入率の拡大が虐殺後のルワンダの貧困削減政策並びに強権化と連動して生じていること、その財政的持続性に疑問があること、また助成が受けられない貧困層の中でも最貧困層以外の層は保険システムから離脱せざる得ない実態を明らかにした。このような深みで健康保険の分析を行った先行研究は皆無であり、本論文は学部卒業論文をはるかに超えるレベルの論文となっている。なお、本論文は、指導教員だけでなく、11名の卒業論文に関する相互審査を経て最優秀論文として選ばれたものである。

最後に、執筆者は、2011年から1年間にわたり、ルワンダの企業においてインターンとして同国各地で保険衛生分野の事業に従事した経験を有する。その際に育んだ問題意識を、学術的問題関心に昇華させ、多様な資料や手法を用いてこの問題に取り組み続けたその姿勢は評価に値する。

=================-

ただ当然この論文にも課題は多々あり、やはりルワンダの固有性の部分における深い政治的な分析や、そもそもこの分野に特化した援助の背景にあり得る狙い、、、とりわけルワンダでこの分野の援助を前のめりに行ったアメリカ政府の真の狙いなどの分析は、今後も課題として残っていくでしょう。しかし、すべてを一つの論文(しかも学部論文)に期待しないことも重要で、これが基礎研究となって他の人が研究調査を積み上げていけばいいわけで、2013年度から要約しかHP掲載されなくなったのは誠に残念なことです。
            
[PR]
# by africa_class | 2014-05-26 19:31 | 【大学】アフリカゼミ(3・4年)

【2月20日19時~@IWJ CH8 「終わらない原発震災の被害―北関東の被災者・福島県からの避難者調査から」

体調が悪く皆さまにはご心配をおかけしています。
一個ずつ病床からノロノロ片付けているところです。
今は基礎ゼミ論文26本の採点地獄中ですが、例年のようにサクサクいかずとても困っています。が、なんとか・・・後10本まできました。学生にとっても3度目の提出<したがって私にとっても3度目の採点と添削・コメント>なので大変だったと思いますが、1年生とは思えないよい論文になりつつあります。

さて、下記の通り、2月8日に明治学院大学で開催しました報告会とパネルディスカッションの様子が、明日20日の19時からIWJで配信されることになりましたので、ご連絡します。

震災そして原発事故から3年が経過 しようとしています。勝手な風化に心を痛めています。福島にいらっしゃるご家族、帰られたご家族、避難されているご家族、それぞれ本当に 辛い状況であることは変わりなく、長期化により事態は悪化しています。まずは、何が起きているのか共に学びましょう。

その上で、このことを「他人事」とせず、「自分事」として、長きにわたる取り組みをやっていきましょう。団体としては、FnnnP(福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト)としての活動は今年度いっぱいとなりますが、当然ながらメンバーそれぞれの地域や自身の活動は今後も継続していきます。現在、インターンが、活動のふり返りと今後の引き継ぎ先、ご挨拶などを満載したニューズレターを作成中ですが、完成したら皆さまとも共有しますので、詳しくはそちらをご覧ください。

この問題は長く長くつきあっていくことなので、一歩ずつやていきましょう。ドイツでは、今でも毎年ウクライナから保養の受入を毎年やっています。

さきほど、広島の友人が、福島やその周辺・関東からの避難や保養を希望する家族受入れのシェアハウスをつくっていると聞きました。とても勇気づけられました。他県でお子さん二人を抱えて避難中のお母さんからも、不登校だった息子さんが少しずつ学校に行くようになったとのメッセ―ジを頂き励まされました。誰にとっても大変な毎日だと思いますが、子どもたちのために独りで抱え込まず、支え合いましょう。

辛いことの多い日々ではありますが、支え合って前を向いて歩いていければ・・・と私自身改めて思いました。いつも、皆さんに勇気づけられます。感謝。

では、明日は是非IWJを!

===============================
「終わ らない3.11原発震 災の被害 ―北関東の被災者・福島県からの避難者調査から考える―」
アンケート報告会とパネル ディスカッション 画像記録配信のご案内
===============================

[配信日時] 2014年2月20日(木) 19:00~
[配信URL] http://www.ustream.tv/channel/iwj8

【日 時】 2014年2月8日(土)13:00~16:30
【場 所】 明治学院大学白金キャンパス 本館1201教室

【主 催・共催】
宇都宮 大学国際学部附属多文化公共圏センター 福島乳幼児・妊産婦支援プロジェクト
群馬大 学社会情報学部附属社会情報学研究センター
茨城大 学人文学部市民共創教育研究センター
明治学 院大学国際平和研究所(PRIME)


【プロ グラム】 
第1部 北関東 地域の被災者・福島からの避難者調査報告 13:00~14:50
司会: 齋藤百合子(明治学院大学)

①茨城 県内被災地域 「茨城 県震災直後の食行動と甲状腺検査意向調査」(原口弥生 茨城大学)
②群馬 県内被災地域 「放射能に関する意識・行動調査」(西村淑子 群馬大学)  
③栃木 県内被災地域 「乳幼児保護者アンケート」(清水奈名子 宇都宮大学)  
④福島 県からの避難者アンケート
(高橋若 菜 阪本公美子 匂坂宏枝ほか 宇都宮大学  原口 弥生 西村淑子)

第2部 パ ネル・ディスカッション 15:10~16:20
「終わ らない被害と被災者の権利を考える」

司会: 重田康博(宇都宮大学)

<パネ リストのご紹介>
● 伊藤和子(いとう かずこ)
弁護 士。国際人権NGOヒュー マンライツ・ナウ事務局長。日弁連両性の平等に関する委員会委員。国際人権問題委員会委員。UN Women アジ ア太平洋地域アドバイザー。国際人権法学会。ジェンダー法学会理事。

● 手塚 真子(てづか まこ)
栃木県 那須塩原市在住。栃木県北部の放射能汚染問題への対応を進めるため、「那須塩原放射能から子どもを守る会」を立ち上げ、現在も代 表として活動中。 

● 大山 香(おおやま かおり)
福島県 富岡町出身、栃木県宇都宮市在住。福島市からの自主避難者として、「とちぎ暮らし応援会」の訪問支援員、「栃木避難者母の会」代 表として活動中。

● 村上岳志(むらかみ たけし)
福島県 福島市出身、新潟県新潟市在住。新潟市域の避難者自治会、新潟市避難者支援協議会、広域災害避難者支援機構FLIPのそれ ぞれ代表を務め、避難者、支援者の両面で幅広く活動中。
 他
[PR]
# by africa_class | 2014-02-19 17:45 | 【311】子ども・福島乳幼児妊産

拙稿「ネルソン・マンデラの時代」(『現代思想』2月13日発売)で書いたこと

しばらくぶりです。ドクターストップがかかり、カメのようにノロい状態です。なんとか1年生から5年生までの卒業や進級に絡むことも目前、ゼミ合宿も終え、今季を無事に乗り切る(というのか?!)一歩手前まできたら、さすがに糸が切れたようで。

来週発売の『現代思想ーネルソン・マンデラ特集』(2月13日発売)2014年3月号の紹介をしておきます。(各種ネット書店では予約販売中のようです)

沢山の南アフリカ研究者や関係者が書く中、私なんぞが出る幕ではないのと、あまりにもの体調と忙しさだったのでお断りしようと思っていたのですが、依頼してくれたのが授業を熱心に取ってくれていた卒業生というこもあって、思い切って頑張りました。

時まさしく都知事選の真っただ中。この間の市民社会やメディアの在り方、権力の側の動きをみるにつけ、アフリカの解放闘争と戦争の研究を通じて学んできたことの一端を紹介したいと切に思うようになりました。詳しいことは勿論、来週発売の『現代思想』をお買いもとめいただく一方、少しだけ書いたことを紹介しておきます。(なお校閲前の原稿なので日本語がおかしいです・・・)

また右側バナーでも紹介している『ネルソン・マンデラー私自身との対話』を是非あわせてご一読ください。私の本の英訳をしてくれた長田雅子さんの日本語訳です。分厚いですがすらすら読めるマジックだ~。

================
『現代思想ーネルソン・マンデラ特集』(2014年3月号)
「ネルソン・マンデラの時代とモザンビークと南アフリカの解放闘争」
舩田クラーセンさやか
===============
ネルソン・「マディバ」・マンデラ元大統領は、モザンビーク人にとって、隣の国の元大統領を超えた意味を持っていた。そのため、マンデラの訃報は、モザンビーク社会にも深い悲しみをもって迎えられた。新聞各紙は一面でこのニュースを取り上げ、葬儀の模様も各紙のソーシャル・ネットワーク(SNS)ツール上で、リアルタイムで取り上げられるなど、関心の高さを窺わせた。しかし、モザンビークの人びとが、彼をここまで尊敬する背景には、南アフリカとモザンビークの同時代的な歴史が関わっていた。

本稿では、ネルソン・マンデラの自伝『ネルソン・マンデラ――私自身との対話』(2012年、原著は2010年)、そして拙書『モザンビーク解放闘争』(2007年)などに基づきながら、彼が活躍した第二次世界大戦後から現在までの、同時代の南アフリカとモザンビークの関係性をふり返る。そのことによって、彼が生きた時代、彼の役割を全アフリカ、あるいは全世界的な意義の中に浮かび上がらせることができればと考える。

本稿では、まず同時代を生きモザンビークと南アフリカの解放運動指導者であり初代大統領と結婚したグラッサ・マシェル(Graça Machel)の紹介を行い導入とする。次に、南アフリカの反アパルトヘイト運動のモザンビーク解放闘争への影響を示す。そして、二つの闘争が運命共同体となって展開していく様子を明らかにする。その結果、アパルトヘイト政権の軍事介入を含む攻撃を受け、他大な犠牲を出すことになった独立前後のモンビークの状況を示す。その上で、アパルヘイト体制や冷戦構造の崩壊から、1994年に両国の人びとが共に新しい時代を歩み始めたことを紹介する。これを受けて、このような歴史的展開において、重要な役割を果たした南アフリカの指導者マンデラとモザンビークの指導者マシェルーーつまりグラサの夫たちーーの共通点と相違点を検討することで、同時代の二国間の闘争の実態を浮き彫りにする。最後に、西側諸国の一員として冷戦期を過ごした日本の関与について批判的に検討を加えるとともに、マンデラの訃報を受けて、一人の人間としての生き方について考えることを共有する。

はじめに
1. モザンビークと南アの二人の大統領と結婚したグラッサ
2. 南アフリカの反アパルトヘイト運動のモザンビーク解放闘争への影響
3. 運命共同体となったモザンビークの解放闘争と南アの反アパルトヘイト運動
4. アパルトヘイトの犠牲になるモザンビーク
5.1994年:南アフリカでの初の黒人政権樹立とモザンビークの初の複数政党制選挙
6. マンデラ元大統領とマシェル元大統領の相違点と共通点
おわりに

a0133563_1250204.jpg


6. マンデラ元大統領とマシェル元大統領の相違点と共通点(抜粋)
グラサにとって、マンデラと再婚した理由はパーソナルなものだろう。しかし、両国の歴史をふり返った時に、見出されるマンデラとマシェルの共通点と相違点は、両国の闘争の共通点と相違点を浮き彫りにする。
(・・・)
1968年に暗殺された初代書記長エドゥアルド・モンドラーネ(Eduardo Mondlane)亡き後のFRELIMOを束ね、闘争を勝利に導いたマシェルは共産主義者であった。一方のマンデラは共産主義者ではないと否定してきたが、その思想的共通性と違いはどのように理解されるべきであろうか。

両者共に、高い理想を持った自分に厳しく稀有なリーダーシップの持ち主だった。アフリカの伝統、抵抗のヒーローらを賞賛しながら現代の闘いを進める手法も類似していた。また、闘争の手段としての暴力を許容する戦術家であった。自己犠牲を厭わず、利権を嫌い、率先して自らの模範を示した。

他方、大きな違いといえば、キリスト教徒(カソリック)であったものの、後に弾圧するところまで至るマシェルとキリスト教を手放さずその中に解放の論理と為政者への攻撃の論理を見出していくマンデラの違いは大きかった。闘争への理解のない者を容赦なく再教育キャンプ送りにしたマシェルの革命は路線と、「元の敵」を受けいれる寛容を説いたマンデラの姿勢は、とりわけ大きな違いだったといえる。

しかし、ここで思い出したいのは、マシェルとマンデラが直面した闘い、あるいはANCとFRELIMOの闘いは、その暴力の密度において大きく異なっていたことである。もちろん、どちらの闘争が苦しいものであったのかをここで論じるものではない。しかし、1964年から10年間に及ぶ国土の半分近くを巻き込んだ植民地解放戦争、16年間に及ぶ全土に拡大し国民の3分の1が故郷を追われ100万人を失った独立後の紛争において、その指導者であり軍事司令官としてマシェルが直面した課題は、抜き差しならぬものであった。1962年から90年までの27年間を牢獄での暮らしを余儀なくされたマンデラであったが、日々生きるか死ぬかの只中の国民と共に何をどう判断するのかについて、マシェルが抱えた困難を、今なら彼がどうふり返るのかを知ることはできない。マシェルにとって、「誰が敵なのか」を見破ることの意味は、個人的なものを超えていた。軍事部門を立ち上げ、初代司令官となったマンデラではあったが、すぐに監獄に収監されたことが彼の認識にどのように影響を及ぼしたのか、及ぼさなかったのかもまた、知ることはでいない。

それでも、日本ではあまり知られていないことであるが、マンデラが最後まで武闘闘争を放棄しなかったことは、その寛容さ故に付きまとう「非暴力主義者」とのレッテル貼りからも、十分認識しなければならない。「暴力が手段として使われるか否かは、支配者が暴力を放棄するかどうかによる」との前提は、ANC内でマンデラが、FRELIMO内でマシェルやモンドラーネが主張したことであった(マンデラ, 2013; 舩田クラーセン, 2007)。他方、マシェルが、「真の敵」であるアパルトヘイト政権と妥協して不可侵条約を結び、非公式ではあったものの「真の巨大な敵」である米国に自ら出向いたことに示される、その柔軟性を記憶に留める必要もある。つまり、両者は、「人びとの解放」というより高い目標のためなら、自らの主義主張やメンツを捨て、最適な手法を選ぶだけのプラグマティズムと柔軟性を持った戦術家であったという点である。

また、「人びとの解放」に込めた想いが、単に「アフリカ人/黒人が指導者になればいい」という考えに基づかないものであった点も重要な共通点であろう。これは、ANCとFRELIMOの共通点でもあるが、「人種主義の打倒」は植民地支配やアパルトヘイト体制が崩壊すれば終わるのではなく、マシェルにとっては「人による人の搾取とその構造の一掃(舩田, 1997)」、マンデラにとって「人種や信条に関係なく、すべての南アフリカ人が平等、平和、調和のうちに暮らす民主的な南アフリカ(マンデラ, 2012)」といった社会変革を伴わなければ意味がなかった。

そのためには、両者は、国民の意識の向上や覚醒がなければ、本当の意味での社会変革は不可能であることを熟知し、闘争の長期化に覚悟があった。これは、両者が共に中国共産党あるいは毛沢東の「耐久戦」の概念や、アルジェリア戦争における政治教育の重要性に感銘を受けていることにも示されている(舩田クラーセン, 2007; マンデラ, 2012)。

アフリカの多くの独立の父が利権と腐敗に手を染めていく中、これらの二人が死を含めた自己犠牲を厭わず、人びとの中に入り、人びとに奉仕する稀有なリーダーであろうとしたことは、その結果発生した多くの過ちの一方で記録に残されるべき点である。興味深いことに、グラッサに限らず、両者が愛した女性らは自律した同志ともいる女性たちだった。(・・・)マンデラもマシェルも、「女性の解放」をスローガンとして闘争の中心に置いただけでなく、私生活でもそれを実践していた点に、「アフリカの解放」の理解の深さと覚悟が見て取れる。(・・・)

おわりに
このように相違点もあるが共通点も多い2つの国の元指導者と、彼らが生きた時代をふり返ることで、日本でほとんど知られることのない南部アフリカの現代史を示そうとした。日本は西側諸国の一員として、解放を求める南アフリカやモザンビークの人びとの側ではなく、それを抑圧する南アフリカのアパルトヘイト政権やNATO加盟国のポルトガル政府を支え続けたことを忘れてはならない。特に、南アフリカとの関係においては、国連決議で経済制裁が合意されている最中の1987年から、日本の同国との貿易総額は世界一となった。そのことは、モザンビークの紛争を長引かせることにもつながった。ANCは1960年に非合法化されており、日本ではテロ組織として認識すらされていたのである。

去年末、マンデラ元大統領の訃報に触れて功績を讃え、豊富な天然資源目当てにモザンビークを訪問するという日本の為政者や企業関係者、そして日本市民は、このような歴史的背景を忘れてはならない。 

最後に、筆者が忘れられない光景を紹介する。モザンビークのマプート空港でのこと。マンデラが滑走路に降り立つのに気付いた。空港ビルまでたった30メートルの距離なのに、一歩一歩がとても重く、歩き通すのに10分もかかった。しかし、彼は送迎車や車いすに乗ろうとせず、むしろ出迎えたグラサを支えるかのように腕を組んで背筋をしっかりと歩いていた。当時園児だった息子は、マンデラが誰かも知らないままに、その姿に魅せられ、「あの人はすごい人でしょ?」を連発し、彼のことを簡単に説明すると感激のあまり大きく手を振った。それに対して、マンデラは立ち止まり、息子に向かってあの闘争の握りこぶしを突き上げてくれたのである。横ではグラッサが優しく微笑み、息子に手を振ってくれた。

たとえそれが幼児でも、人を一人の人格として敬うあの姿勢に、自分の胸に手を当て、自分はそうしてきただろうかと問うた日を昨日のように思い浮かべる。年配者としての優しさを分け与えるのは容易である。しかし、彼は幼児ですら自らと同等のものとして受け止め、その魂に語りかけるという人であった。そして、何歳になろうとも傲慢さを捨て、自分を鍛えるということにおいて、休むことを知らない人であった。

モザンビーク人のSNSの多くが「安らかに休んで下さい」と括られていた。マディバに休んでもらうには、私達自身が彼の教えてくれた多くのことを学び続け、伝えていくしかないだろう。

(詳細は『現代思想』を)

*ちなみに、私は武装闘争の支持者ではありません。ここで一番重要なポイントは「暴力的な構造」があるという現実の直視であり、その「暴力的な構造」を支える民衆である私たちがいるということです。それを変革するには、「暴力的な構造を支える私たち」がまずはその構造を自覚し、意識的に変える覚悟を持ち、実際に行動によって変えていく必要こそがあったというのが個人としては一番言いたい事です。

*他方、あの時代のモザンビークや南アフリカにおいて、彼らがとった手法や手段を、私は「いい悪い」という立場にないとも思っています。その構造を押し付けてきたのは我々自身であるから。なので、私の研究もこのような原稿も、まずは構造がどうであり、運動や指導者はどう変遷していったのかを掴み、それを皆さんに提示し、共に考えることだと思っています。
[PR]
# by africa_class | 2014-02-07 13:16 | 【記録】原稿・論文

日本人がアフリカ研究することの意味。空気読めるけど読まず、自由に書き続ける今日的意義

とにもかくにも、この3週間は卒論と採点、学年度末の授業のことと、メディアに追いかけまくられる日々と、報告書や論文の完成で、体調が悪いことを差し引いても、ちょっと「ない」状態が続きました。多分一息つけるまで後数歩・・・となりましたが、締切を伸ばしただけの原稿が後4本・・・。むりだ・・・が、もう延期無理ですよね?!出版目前のマンデラ元大統領追悼本のみ先にやります。やっぱり教え子がいつの間にか編集者になって連絡くれると、断れないもんで。
 子どもの頃、「売れっ子作家になって締切に追われる姿」を夢想しましたが、「なんかちゃう」上に、カネにまったくならん。投入する努力に対して、割の合わない言論生活。これで食べていくことは無理ですね~。

でも、そんなもんなのでしょう。
むしろ、「書きたい事を書ける喜び」
そして、「それを読んでくれる人がどこかにいてくれる喜び」
に感謝しています。

そういうことはカネにならない。
だから自由なんだ、と今更ながらしみじみ有難く感じています。

この間ありとあらゆる圧力や嫌がらせもありましたが、カネや名声、業界のために生きてきたわけでなく、生きていくわけでもない以上、結局のところ気にせず書き続けることができました。

学生にいつもいっていますが、「空気は読めた方がいいけれど、あえて読まないことも重要」なのです。私は、前からそれを実践してきましたが、ますますそう思います。若者にはやや高度なので、日本の大人の皆さん、ぜひ積極的に「空気をよめるが、よまん」を実践してください。そうすれば、社会や組織が風通しがよくなり、続く若者が深呼吸できるスペースが広がります。自分のために「よまん」のではないのです。

私、どうしても誤解されがちな損な性格なんでしょうが、「自分のためにやっていること」ほとんどありません。勿論、「他人の為にやってやってる」という傲慢さは問題です。まわりまわって「自分のため」になるもんですが。だから犠牲とも思っていませんが。「自分のために生きる」んであれば、もっとのんびり楽しく生きてるし、そもそも権力や権力構造と闘ったりしませんし。専門家然、先生然として生きた方が、金銭的にも名声とか肩書きとか、得るものが多いわけです。

好き好んでではないですが、他に立ち上がる人がいなければ、やはり不正義を前に知らぬふりをして生きることは、一度きりの人生において、私がしたい生き方ではありません。「器用に世渡り上手」に生きれないわけではないですが、そうやって現状や現在の構造を支え続けて人生を終わるのは、私のしたい生き方ではないのです。他人から「バカやなあーーアイツ」でいいんです。なので、葬式では、アメリカ南部の黒人霊歌を楽しく歌ってて送ってください。そして、皆の生き方や社会の在り方の問題、夢やビジョンを語り合って、見知らぬ人や旧知の人と出会い、連帯を紡ぎ出す場にしてくれればいいのです。

と、何故かゼミ生の結婚式続きだったので、そんなことを卒業生に伝えました。会の仕切はユーリちゃん、会計はトモミちゃん、ロジがエミちゃんと決まっています。まあ、長生きするんで皆も元気で長生きね。

結局、一番息苦しい人達のために、率先して上の人が頑張らないと、権力:パワーというものはいつも虎視眈々と自由を狭め、仕舞に奪おうと狙っているものです。それが、国家であれ、社会であれ、組織であれ、大学であれ。うるさい奴は抹消・・・の方が楽なんです。だったら、皆でうるさくなろう!?

「独立して或る」ということが、いかにも難しい昨今の日本や世界で、言論の自由を守るために、それが出来るはずの大学にいる皆さんは、もっとそのことに自覚的であってほしいと思います。社会は、ただ大学で授業したり入試するために皆さんを支えているのではなく、学会という狭いサークルで発表したりその組織運営に専念することだけでもなく、皆さんの暮らすもっと広い社会への不断で普段の不動の寄与にこそ期待をしているのだ、と。

でも、日本の大学も、合議制や教授会権限をはく奪する動きが加速化しており、また全体として「空気読む」場となってしまい、もはや言論の自由の砦ではなくなりつつあるのは事実だと思います。でも、いえだからこそ、頑張りどころなんだと思います。

そもそも、アフリカの大学も研究所も、すごい圧力の中言論の自由を守ろうと命がけの先生たちがいる。モザンビークもそう。私達、そのことを忘れているかもしれない。

その意味で、インターネットの時代は本当に有難い。
こうやって、書いた瞬間にネットに掲載され、見ず知らずの人達に読んでもらえる。急ぎ書いている駄文なので、いつもしかし・・・ごめんなさいーーー状態なのですが。そこはご愛嬌。

プロサバンナの報告書に感激してくれたマスコミの方や同業者から、出版を強く勧めていただいたのですが、私のモットーは「情報と知識と分析は社会に属する」ですので、日本の出版物がネット上になかなか掲載されない現実に歯がゆさを感じており、やはり誰でも自由にアクセスできて、自由にいつでもダウンロードして読めることに重点を置きたいと思うのです。

●だから私の博論の英語版はケーブタウンの出版社が22ドルでソフトカバーに、そしてただでダウンロード可能にしてくれました!でも、これも日本の出版社の協力あってこそ。
http://www.africanminds.co.za/?dd-product=the-origins-of-war-in-mozambique-a-history-of-unity-and-division

●そして、今回のProSAVAN市民社会報告
================
立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点に掲載中
2014/01/15 
「ProSAVANA市民社会報告2013ー現地調査に基づく提言【暫定版】」
http://www.arsvi.com/i/ProSAVANA_findings_cso_tentative.pdf
================

他方、紙の本や冊子になっている意味はすごくあると思うし、紙の新聞大好きです。なので、基礎のテキストや資料はネットからダウンロードでき、教科書的なものや手元においておきたいもの、あるいはプレミアムをつけたものを紙で提供できればと思っています。

今本の構想いろいろあるのですが、4年前から着手している『モザンビークを知る●章』すら終わらせていないので、順番に・・・・。体調が万全であればなんとかなった多くのことを、諦めるか、延期するしかなく、忸怩たる思いです。その最中に、色々入ってくるので、リスケに次ぐリスケ。編集者さん、、、、執筆者の皆さん。。。。すみません。

さて、日本人の私が何故日本にいてアフリカ研究や教育や調査や発表を行うのか・・・私は丁度20年前にモザンビークでの国連活動から帰国して考えたのはそういう問いでした。今でもこれに疑問がないわけではありません。特に、アフリカ人の若者の教育を10年携わって来て思うのは、「日本の者としての私のポジションの自覚をどこに持ち・置くのか」なしに、あまりに甘い・・・と。

これを学会や同僚や色々な人に投げかけてきたんですが、皆どこか「他人事」でした。無理もありません。日本とアフリカの関係があまりに希薄で、アフリカ社会への影響が目に見えない以上、「何をそんなに気負って」という理解が当たり前だったんです。が、その時もそれからも、本当は日本の影響は決して小さくありませんでした。2000年にモザンビークの援助で許与して大量在庫になった農薬の問題に関わってから、それを如実に感じてきました。

そして、今、安倍首相の訪問で、いよいよ、日本のアフリカ研究者や関係者は、自らの立ち位置を問い直す機会が訪れていると思います。

私は、自分の研究者としての技能を、それが未だ未熟なものであるという自覚のうえで、しかし、モザンビークの農民と民衆の現在と未来のために役立てる覚悟で日々を送るようになりました。博士論文を書いていたとき、それを日本語や英語の本にしているときも同様でしたが、途中、日本社会にアフリカを広める活動、あるいは業界に頼まれた論文をコナスことに必死になってしまい、初心を少しばかり忘れていたように思います。

私は、これらの仕事を、日本の非モザンビーク・アフリカ人として、やろうと奮闘しています。その点において、私の中で、不十分ではあるものの心に残った仕事は、原発事故と水俣のことを踏まえて、ブラジルのセラード開発とモザンビークのプロサバンナについて書いた以下のものとなりました。

モザンビークの研究所から原稿依頼を受けた時、私は初めて、自分が何故研究者となろうとしたのか・・・の意義を理解しました。実務の世界に飛び込んでいた私が、世界構造や国家と現場の人びとの声や暮らしの相克を他者が分かるように示すことこそが使命と思って学術世界にきたものの、それが出来ている実感がなかっただけに、20年を経て、ようやく「その時」が来たのだな、と思ったわけです。

それは私の議論が正しいということではなく、モザンビークや世界、日本について自らが調べ、書いてきたことを、モザンビーク社会で参照し、議論してもらうこと・・・(それが正しくても間違っていても)に貢献できるところまで来たことについてです。それは、しんどいことでもあります。自分の一言一句が、当事者にどう受け止められているのか・・・研究者同士以上に厳しく問われるからです。でも、そのようなクリティカル・レヴューに基づくクリティカル・ディスカッションこそが、互いの思考を鍛えますし、オープンに物事を徹底的に議論してよくするきっかけを作りますし、何より、それこそが「学問の意義」なのです。

当たり障りのない二番煎じのことを言ったり、書いたりすることが学問なら、それは不要です。火中の栗を拾わないのであれば、社会に研究者が貢献できる幅は狭いです。勿論、リアクティブになれということではなく。わたしも20年深い谷底に潜って、それから今言論をやっているわけで、あと少ししたらまた潜ることになると思います。自己検証が必要ですし。

そして、私に論文を書くように勧めてくれ、掲載してくれた研究所の所長は、今、独裁化一歩手前のモザンビークの国家権力との闘いを繰り広げています。脅迫も日々続いています。そして、もう一つの研究所の方では、論文を掲載するかどうかに当たって、止めるように政府から強い圧力があったと聞いています。

それでも、これらの研究所も研究員たちも、そしてその周囲の市民らも、身体をはって私の論文を訳し、校正し、記載してくれました。「学問とは、ポレミカルイシューに材料を提供するものだ」と。同時代にこの「生きづらい時代」を生きる、しかし前よりも今よりも少しでもよい社会を・・・との想いで頑張るモザンビークの、世界の、日本の研究者、市民社会、農民の皆に、日々学ぶばかりです。

この間、かつでは農薬問題、それからTICADパス問題、そして今回のプロサバンナ事業・・・へのアドボカシー活動で、失うものも多かったのでしょうが、ただ研究者然として遠巻きに見ていたとしたら得られない数々の仲間、そして深い批判的な理解を、自問自答の毎日を得ることができたことに、心より感謝しています。

何よりも、私は「愛」と「信頼」の社会的意味を、再び学んだのだと思います。いつの間にか、独りよがりで生きていたかもしれない・・・・勝ち馬に乗って・・・・自分に急ブレーキをかけ、社会や国家や強い者に虐げられる側に徹底して寄り添う苦悩と喜びに、ヒトが「人=つまり支えあって生きる」意味、ウブンドゥの精神を、ただの軽いノリのタスケアイではなく、もっと深く、辛く、広がりのある連帯を、知るようになりました。

これが愛であり、哀しみであり、希望であり、絶望であるのだと、生物と人類の長い歴史とこれからの、根っこの部分なのだと、そう思うようになりました。

これからもよろしく。

●古いものは英国のOpen Univ.のサイトにまとめてくれています。
http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/
1番目の論文"Analysis of the Discurse and the Background of ProSAVANA"
http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/sites/www.open.ac.uk.technology.mozambique/files/files/ProSavana%20Analysis%20based%20on%20Japanese%20source%20%28FUNADA2013%29.pdf
2番目の論文”Fukushima, ProSAVNA, Ruth First"
http://farmlandgrab.org/uploads/attachment/Fukushima%20ProSAVANA%20Ruth%20First%20%28IR%20Final22July2013%29.pdf
これは、モザンビークのIESE研究所の依頼で書いた論文の英語版で、ポルトガル語は以下のサイトに3本に分けて掲載中。
http://www.iese.ac.mz/?__target__=publications_ideias

●最新のものはモザンビークの研究所(Observatorio de Meio Rural)に英語とポルトガル語で掲載中。
http://omrmz.org/
"Post-Fukushima Anatomy of Studies on ProSAVANA"
mrmz.org/index.php/95-publicacoes/observador-rural/168-observador-rural-nr-12-post-fukushima-anatomy-of-studies-on-prosavana-focusing-on-natalia-fingermann-s-myths-behind-prosavana

あとは、プロサバンナに関するポータルはこちらに一括あります。
http://farmlandgrab.org/cat/show/827

==
以下が、モザンビークの研究所のエディターが書いたこの論文の紹介です。
これまた長い論文ですが、渾身の力作です。
(が、途中古いファイルと入れ替わっていて今調整中ですが)
ぜひ、ご一読下さい。

東電福島第一原発事故と水俣病の話をどのように参考にしたのか・・・2000年の農薬問題と、自分が留学していたブラジル・セラード地域のこと、そして20年間通い続けたモザンビーク北部でのプロサバンナや土地収奪をどう見ているのか・・・色々思考してみました。

"Post-Fukushima Anatomy of Studies on ProSAVANA"
By Sayaka Funada-Classen

Documento de Trabalho
Observador Rural
Numero 12 Dezembro 2013

Women rice farmers association, Mozambique. (Photo courtesy of IFDC)
This text is part of a debate about ProSAVANA and deals mainly with the article “The myths behind the ProSavana” (“Os mitos por trás do ProSavana”) written by Natalia Fingermann, published by the Instituto de Estudos Sociais e Económicos (IESE), series IDeIAS, Nº 49, on 29 May 2013. The reader can access this article from IESE's webpage.

The text we now publish in the Observador Nº 12 do OMR is more than just a debate between the two authors. Based on a detailed analysis of the ProSavana documents and on field research, Sayaka Funada-Classen deals with several areas, such as:

The evolution of the philosophy and speeches about the ProSavana.
The positions of the three involved parties (the governments of Mozambique, Brazil and Japan).
The possible incoherence and incompatibilities for implementing fundamental aspects of underlying the ProSavana.
The aspects to take care and alerts for precaution that should be considered when implementing the project.


Sayaka Funada-Classen also analyses the possible relations of the ProSavana and other mega-projects being implemented in the area of the Nacala corridor.
Due to the importance of the theme, the OMR publishes this text as a contribution to the important debate about the ProSavana. Although the project is at the final stages of preparation, the author calls for the principle of "precaution approach" that enables to foresee future damages, considering also similar case-studies (comparative method).

Click here to download - Post-Fukushima Anatomy of Studies on ProSAVANA: Focusing on Natalia Fingermann’s "Myths behind ProSAVANA" (PDF)

(Em portugues)

Dr. Sayaka Funada-Classen is currently an Associate Professor at Tokyo University of Foreign Studies (TUFS) and has been working and doing research in Northern Mozambique since 1994. She has been chairperson of Needs Response Project for Fukushima’s Pregnant Women and Infant Children (FnnnP), since April 2011.

Her previous works on ProSAVANA: “Analysis of the discourse and background of the ProSAVANA programme in Mozambique – focusing on Japan’s role – and “Análise do Discurso e dos Antecedentes do Programa ProSAVANA em Moçambique – enfoque no papel do Japão – are available at http://farmlandgrab.org/post/view/21574 in English, and http://farmlandgrab.org/post/view/21802 in Portuguese. - See more at: http://farmlandgrab.org/post/view/23049-post-fukushima-anatomy-of-studies-on-prosavana-focusing-on-natalia-fingermanns-myths-behind-prosavana#sthash.WwkixBXh.dpuf
[PR]
# by africa_class | 2014-01-24 15:15 | 【記録】原稿・論文

国際平和研究学会2014年8月inトルコの発表申込み期限延長(2月15日迄)

私の専門は一応、アフリカの平和と紛争、平和構築・・・だったのですが、学位は国際関係学博士(アフリカ地域)、ここのところ領域が凄まじく広がってしまい、皆さん不思議に思ってらっしゃることでしょう。

が、私の中では、アフリカの農民、農業、農村開発の問題、あるいは援助や開発や投資の問題、民主主義の問題、アフリカ・日本間交流、市民社会のキャパビル、原発事故や大規模災害の問題、環境問題と我々の暮らしや食の問題、植民地支配の歴史、ジェンダーの問題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すべて繋がっているのです。

でも、問題は、ひとの身体も時間も有限であるということ。
どんなに頑張っても頭が一個で、身体も一個で、時間は皆と同じ24時間しかない。

しかも、去年3月末からずっとPTSDで戻りしたせいで、ちっとも前にすすまん。なので、今まで同時進行でいくつもやってきたことを諦め、優先順位をつけてやっているのですが、一番脇においやったのが「平和構築研究」でした。この前もブログに書いた気がしますが、今の平和構築研究って、あまりに沢山やられたせいかと思うのだけれど、世界的に壁にぶち当たっていると思うんです。いや、私の不勉強かな。

私としては、平和・紛争研究が時間をかけてでも深めないといけないのは、「その後」ではなく「予防」だと思っていて、そこのことと以上の「生活者の日々の暮らし」と「国家権力、グローバルなレジューム」の相克は、深く深く切り込む必要がある点だと思っているのです。プロサバンナ事業の問題は、私には、或る意味でど真ん中のイシューでもあるのです。

が、平和学会から本(ジャーナル)の編集を頼まれ、会員の皆さんから理事に選出していただき、企画委員になったのですが、すみません。なかなか貢献が出来るほどの体力が戻っておらず、細々とやらせてください・・・。哀しいですが、前ほど器用にできない日々です。なので、是非期待しないでください。本の編集まではがんばりますが。

そして、何故か国際平和研究学会の大会のコンベンナー(Conveners/企画者)にもなっており、今年夏のトルコの大会の或る委員会の担当をしています。なんでこんなことになったのか・・・・一昨年の大会で発表した後、前企画担当者に、「後はよろしく」といわれて「NO」といわなかったら、いつの間にか担当になっていた・・・というあまりにアバウトやろ、それ・・・な状態です。多分、男性ばかりの企画担当者にアジア人女性を入れたかったのではないかと勘繰っている私。

どうでもよい前置きでしたが、とにかく募集期限を延長しました。この体力なんで実際に私も参加するかは不明ですが、企画までは参加します。是非どしどし応募してください。(既に数百人規模の応募なんで通るかわかりませんが・・・)がんばれ!

http://ipra2014.org/

==============================
25th IPRA GENERAL CONFERENCE CALL FOR PAPERS
DEADLINE FOR PROPOSALS: FEBRUARY 15th 2014

25th IPRA GENERAL CONFERENCE on the OCCASION of 50th ANNIVERSARY of IPRA
Uniting for Peace: Building Sustainable Peace Through Universal Values

ISTANBUL, TURKEY - August 10-14 2014

During the Cold War, ideological confrontations and inter-state conflicts were seen as most dangerous threats against peace and security, and with the end of the Cold War, it was expected that all these threats would disappear. Unfortunately, however, the end of the Cold War witnessed the emergence of new conflict patterns and the world faced new global challenges, new security threats. Since the end of the Cold War, the world has been going through a series of interrelated intra-state conflicts rather than inter-state conflicts. New generation threats for peace and security and conflicts appeared immediately as intra-state conflicts with ethnic conflict in the Balkans, political turmoil in Caucasus, Central Asia, Middle East and recently with the emergence of protests and search for better democracy and peace as in Northern Africa countries.

According to the 1994 UNDP human development report, the seven dimensions of human security are economic security, food security, health security, environmental security, personal security, community security and political security. However, with the emergence of new security threats and new generation conflict patterns across the globe, human rights, human security, humanitarian intervention, democracy, prosperity and peace building initiative have become new values and policies both for states and international organizations. All these are post-Cold War concepts that are inter- related and overlapping, and when they are undermined, sustainable peace cannot be established.

As we observed from the beginning of history that conflict potential and conflicts are inevitable and will be available forever, only the conflict patterns can change. If so, we need to learn to which extent intra-state conflicts can be managed properly and to which extent conflict escalation across national frontiers, and also their escalation into violence, can be prevented. However, there are mistakes as well as success stories as regards to how states and International/regional organizations manage and / or prevent inter-state and intra-state issues / conflicts.

It is in the context of further contributing to the scholarly debates involving post Cold War political ideology, geopolitics, international and regional cooperation in efforts to resolve or prevent the growing intra-state and cross-border conflicts that IPRA has decided to be the focus of the 25th IPRA General Conference to be organized on the Occasion of the 50th Anniversary of IPRA and hosted by the Sakarya University in Istanbul, TURKEY, between August 10-14 2014. On the 50 th Anniversary of IPRA, the venue of 25th IPRA General Conference is significant and timely since Turkey is in the middle of three continents and also currently surrounded by conflict zones in Syria, Iraq, Lebanon, Israel-Palestine etc . Also, Istanbul is a link between Europe and Asia.

We welcome paper, poster and panel proposals from all peace researchers related to the following IPRA Commissions. Interested participants have the option of suggesting new panels or sessions.

IPRA COMMISSIONS
1. Art and Peace Commission

2. Conflict Resolution and Peace Building Commission

3. Development and Peace Commission

4. Eastern Europe Commission

5. Ecology and Peace Commission (EPC)

6. Forced Migration Commission

7. Gender and Peace Commission

8. Global Political Economy Commission

9. Indigenous Peoples' Rights Commission

10. Internal Conflicts Commission

11. International Human Rights Commission

12. Nonviolence Commission

13. Peace Culture and Communications Commission

14. Peace Education Commission

15. Peace History Commission

16. Peace Journalism Commission

17. Peace Movements Commission

18. Peace Negotiations and Mediation Commission

19. Peace Theories Commission

20. Reconciliation and Transitional Justice Commission

21. Religion and Peace Commission

22. Security and Disarmament Commission

23. Sport and Peace Commission

24. Youth and Peace Commission

25. Peace Tourism Commission
[PR]
# by africa_class | 2014-01-21 08:59 | 【考】人間の安全保障

アフリカ留学・インターン説明会(1月29日12時~)byゼミ4年生企画

毎年恒例のゼミ4年生主催の企画です。
今年度は、マラウイ(留学)、ルワンダ(留学・NGOインターン)、マダガスカル(留学)(企業インターン)、モザンビーク(留学・NGOインターン)、ザンビア(NGOインターン)に6名が旅立ち、皆無事元気で帰ってきました。しかも、とても大きく、たくましく、ユーモラスなって!!

コミュニケーション能力が高くなったこと、機動力が高くなったこと・・・それもアフリカのお蔭。私の持論は、日本の若者は、生きる力がマダマダ弱く、「アフリカを救ってやろう」という以前に自分を救ってあげて・・というもので、いきなり接するアフリカとの接し方が、「援助者として」というのは、とっても問題があると思ってきました。

なので、ODAのお金で日本の若者を育てるのは、正直いってアフリカの皆さんと日本の納税者に失礼と思っており、自分で授業・レッスン料を払ってでも、若いうちにアフリカに行くべし・・・あくまでも「学徒」あるいは「インターン」として。。。その上で協力隊でいくもよし、と考えて、日本の若者のアフリカへの武者修行を10年ほどお手伝いしています。

「ただの裸の何も持たない、あげられない、しかし先進国からのシロイ若者」として、アフリカ社会の懐に抱かれ、時に苦労し、時に哀しみ、時に後悔し、しかし沢山の笑いと沢山の愛と沢山の優しさと沢山の学びを経験してきてください・・・と願っています。

その先に、初めて自分の限界を知り、自分の可能性を知り、自分をしるから故に、相手を知ることができ、本当の関係作りがあるのだと思います。

もちろん、色々な事情で始めていく時にもう「援助者」となってしまった・・ということもあると思います。かくいう私のように!!!!でも、それを捨て去るのにとても苦労するし、以上のようなことを是非念頭において、自問自答しならが成長しましょう。

以下、さくらから。
なお、外大生向けの企画です。
が、なかなかこういう機会ないと思うので、学外者も一応受け付けますが、オブザーバー参加としてください。

なお、私が編集した『アフリカ学入門』に、色々な解説やといわせ先んど掲載中です。
http://www.akashi.co.jp/book/b67746.html
ぜひどうぞ。

=================================
この度、アフリカゼミ4回生主催の【アフリカ留学・インターン説明会】を開催致します。


日時: 1月29日(水) 12:00~12:40
場所: 106教室
講演者:
・南 (モザンビーク・留学)
・井上(マダガスカル・企業インターン)
・加藤 (ルワンダ・留学&NGOインターン)

※アフリカコースの1・2年生を中心とした外大生向けに行います。

※教室は3限の時間も確保してありますので、講演後の質疑応答および相談の時間と致します。
※入退室は自由です。
================================
[PR]
# by africa_class | 2014-01-21 07:00 | 【募集】インターン・ボラ

現場の人びとのニースにマッチしたJICAの援助inアフリカについて仲間に聞いてみました。

じゃあ、「日本の対アフリカ支援で褒めるべきものはないのか?」という声が聞こえてきます。
そして、メディアから「現場の人びとのニーズにマッチした援助はJICAはできないのか?」という質問も。

朝日新聞へのインタビューでも、「それなりに評価されてきた」と述べて、それが掲載されたので、じゃあ「それなりにはどの援助?」ということ・・・でもちゃんと確認(自分の目で)しているわけではなく、列挙するのに躊躇があったので、信頼する元TICAD市民社会フォーラム(TCSF)の仲間たちに同じ質問を投げてみました。

TCSFは、「アフリカの開発はアフリカ民衆が主役」「アフリカ市民社会が政策形成の真ん中に」をビジョンとして、開発コンサルタント、JICA、JBIC、NGO、研究者らと共に2004年に結成した特定非営利活動法人でした。100名を超える会員、有給スタッフ延10名、延30名を超える研究員やインターンに支えられ、多岐にわたる活動を繰り広げ、2008年のTICAD IVにつなげて2009年に活動を閉じました。私は、TCSFの副代表としてがんばっていたわけですが、活動は他団体に引き継ぎちょっと休んでいました。

あの時与野党の国会議員、外務省、JICA、JBICにも、いかにこのことが重要かすごく密度濃くやり取りして、それなりの共感と理解を得ていたのですが、活動を閉鎖してからのフォローアップがあまりに足りなかったのだ、と今反省を込めてふり返っています。勿論、時代状況が変わってきたこともありますが。

なので、今回情報を寄せてくださった人の中にJICAの方のものや、開発コンサル(元)や、研究者のもの、NGOの方のものがあります。すぐに返事くれたので嬉しいかったです。NGOのものは沢山あるので、あえてJICAのものということで聞いたところ・・・。

あ、その前に。これらの情報について、必ず皆さん「JICAの評価は高くないですが」「JICAでは宣伝されていませんが」とおっしゃいます。つまり、「現地の人々のニーズにあった援助」として長年現場に通う専門家の皆さんが評価する援助が、JICAの組織としての評価が低いということ????????????のようで、ここは深めていく必要がありそうです。

といっても、自分で現場いって調査していないので、あくまでも参考ということで、今後検証していければ。

●「アフリカ障害者メインストリーミング(自立生活) コース」もすごく良い事業です。
障害者団体の次世代リーダー向け研修を2002年からほぼ毎年実施しています。
2010年度にはケニア・マラウイ・南アでフォローアップ研修を行いました。
このフォローアップ研修から、当初マラウイでの自立生活センター設立支援事業 をJICAとヒューマンケア協会のパートナー事業として計画され、後 に南アでの プログラムに計画が変更され事業が開始されています。

●「ザンビア大学獣医学部」
1980年代半ばに、日本の無償資金協力による獣医学部の施設建設と、北海道大学獣医学部を中心とする日本の大学からの10年以上にわたる技術支援を受けました。当時は、ザンビアには獣医学部はなかったので、獣医師の多くが外国人でした。同獣医学部設立により、ザンビア人獣医学部教官の育成と学部学生への教育を同時に進め、それらは日本人専門家と欧州等の専門家が行いました。また、それらザンビア人教官の学位取得のため、日本等に留学させました。

現在では、ザンビア大学獣医学部の教官は全員がザンビア人となり、ザンビア農業省や牧場等で働く獣医師は、同獣医学部出身者で占められています。近年は、鳥インフルエンザといった人獣共通感染症対策なども重要になっていますので、獣医師の育成のみならず、これら感染症対策での獣医学部の貢献も評価されています。南部アフリカで獣医学部を有しないナミビア等からの留学生も見られ、他国からも評価されています。

●日本のアフリカ援助の評価、とくにJICAによるプロジェクト援助の評価となるとなかなか難しいですが、私見では、次のものは現地のニーズにも合い、良い効果をもたらしたものといい得るのではないか、と思います。

ケニアのジョモ・ケニヤッタ農工大学の建設と運営 - 農工分野での技術者不足が課題であったケニアで、無償資金協力による支援から始まり、設立から15年後に5番目の総合大学に格上げされ、人材育成の地道な努力が実を結んだ。

●エチオピアは優良種子プロジェクトです。
農業改良普及員と農家のグループが一緒になって、圧倒的に量的に不足している品質 のよい種子を自分たちで生産し、地域内で流通させたり、または播種量を減らす試み を行うことによって必要な種子を調達しています。農家自身が判断し、選択を広げていく試みにJICAの技術協力が貢献している好事例だとおもいます。
http://www2.jica.go.jp/ja/evaluation/pdf/2012_0800822_2_s.pdf

ザンビア
http://www.pavidia.org.zm/documents/ESAfricaSeminar.pdf

●JICAニジェール緑の推進協力プロジェクトは、現地の人たちには比較的良い評価を受けていたと思います。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo/01_hakusho/ODA2001/html/topics/tp00006.htm

また、JOCAのマラウイ農民自立支援プロジェクトも現地の評価は高いです。
http://www.joca.or.jp/activites/oversea/malawi/



僕も少し手伝っている、「アフリカ障害者メインストリーミング(自立生活) コース」もすごく良い事業です。
障害者団体の次世代リーダー向け研修を2002年からほぼ毎年実施しています。
2010年度にはケニア・マラウイ・南アでフォローアップ研修を行いました。
このフォローアップ研修から、当初マラウイでの自立生活センター設立支援事業 をJICAとヒューマンケア協会のパートナー事業として計画され、後 に南アでの プログラムに計画が変更され事業が開始されています。
[PR]
# by africa_class | 2014-01-18 13:52 | 【考】21世紀の国際協力

【自壊する日本の外交力】モザンビーク和平後最悪の危機:死者50人(公式)、100人以上(非公式)

阪神淡路大震災から19年。
アルジェリア人質事件から1年。
色々な事を考えた一日だった。体調悪く、再び布団の中で・・・。

あまりセンセーショナルに書きたくないのですが、このこと(モザンビークで起きていること)について、日本のメディアにはまったくでないので・・・。

2000年のモザンビークを襲った大洪水の時のような気持ち。
でもあの時は報道自体が皆無だった。
でも、今回は、モザンビークについて、モザンビークから山のような記事と映像が日本から送られてきた。でも、「問題の核心」がすっぽり抜け落ちていた。

首都マプートの煌びやかなホテルの様子、フラッシュ、立派な政治家・企業家たちの姿。すべては滞りなく、未来を予感させ、美しい。。。その500キロ先のイニャンバネで何が起きようとも。1000キロ先の中部地域で、4000人が難民となって家を追われようと。

モザンビークには問題なんてないのだ。
あるのは、資源と広大な「余った」土地と、気の良いアミーゴ(友達)だけ。
みんな、日本の投資と援助を待っている。
まだまだ貧しいし、教育も必要。そういえば、保健衛生や農業もね。
中国のは搾取で、日本のはそうでないよう気を付けるから大歓迎!
インフラと鉱山開発だけど、
なんせ「人材教育」もついてくるし。
大学間協定も結んだ。
・・・・そんなストーリーが新聞紙面を沸かず。

中身についても色々書きたいけれど、今日のところは「首都の最高級ホテル・ポラナの中と外の現実の違い」にのみ焦点を。

安倍総理が行っている間にも、刻一刻と状況は悪化していましたが、共同声明で「治安強化」等が強調される始末。。。これでは、モザンビーク国内で起きている暴力と抑圧、民主化の後退にお墨付きを与えたようなもの・・・ああ、誰が助言しているのでしょうか。モザンビークにおいてさらに「日本」の名前に傷を残してしまいました。

招かれておいて、大統領が自我持参するのに「いやちがう」とは当然いえず、「はいそうですね」ということになり、声明にまでこれが書かれると、日本が今の状況を「認めた」ということになります。つまり、「紛争の当事者にそのままどうぞやってください。支持してますから」とお墨付きを与えたわけです。

=======================
共同声明
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page3_000615.html
ゲブーザ大統領は,モザンビ-クにおける現在の政治情勢,特に2013年11月に実施された地方自治体選挙が平和裡かつ公正な方法で行われたと説明した。また同大統領は,モザンビークが地方で治安上の試練
に直面しており,同国政府が対話を通じ秩序回復に努ていることを伝達した。
安倍総理大臣は,粘り強い対話を通じて国家の安定に向けて取り組むモザンビークの努力を支持する旨表明した。
======================

そし、ここにお得意の「対話」という言葉が出てきます。

勿論レナモも批判されるべきですが、そもそもこのような事態に陥ったのは、政治問題、あるいは警察の出る程度の治安問題に、国軍を使って野党党首の拠点を軍事攻撃して野党議員を殺し、党首の「首を取ろうとした」こと(防衛大臣ははっきりそう述べています)。なので、今でも党首は逃亡中。

で、どうやって「対話」????当然ながら、未だにレナモ党首と「対話」は実現していません。そもそも「首取り」に軍隊で来られて、ノコノコ出て来れないのは彼がどんなに問題のある人物でも、それぐらいは理解できるかと。なのに、一方的に会談の日時と場所を指定しておいて、たくさんのメディアを呼んで、「忍耐強く待つ姿を報道させる」・・・ことで、「はい。対話終わり。来なかった方が悪い。せっかく折れて対話の席についたのに。ご招待したのに」・・・という茶番が繰り返されています。

4月からずっと「国際監視団の同席」を求めてきたレナモ側の要求を政府は一切聞かず。この判断をしているのが、現農業大臣(プロサバンナ事業の担当大臣として一躍日本関係者に有名に)で次期大統領候補(自他共に)のパシェコ大臣(レナモ交渉担当大臣)です。そして、何を隠そう、元内務大臣。

そして、国際社会が批判するこの間のゲブーザ政権の軍事対応や「対話問題」に、わざわざ日本のトップが共同声明で「支持」を出してしまった・・・。こういうの「外交力」と呼ばない。国民と諸外国にクレームを受けている為政者と握手をするのはとっても簡単。なんの知恵も工夫も要りません。だって、「交渉」ですらない。

島国だからでしょうか。あまりにわかってなさすぎる。
「初めての訪問」である以上、タイミングが重要だったのに、わざわざモザンビークが独立してもうすぐ40年も経って、あるいは和平合意後順調に進んで22年・・・の、最悪のこの瞬間に!?????!!!
いや、「初めての訪問」ぐらい、関係が薄いから、本当に社会のことが分からないのでしょう。外交の事・・・はさておくとして。

そもそも今回の危機は、ゲブーザ政権が、選挙直前に、自ら戦闘状態を創り出して、「強いリーダー」を「演出」しようとした浅はかな考えによるものでした。

しかし、事態は泥沼化。特に、中部地域では、疑心暗鬼な権力側の不当逮捕や若者の軍への強制徴用、そしてついに先日レナモ政治家の暗殺などがあり、住民のFRELIMO政府への反発は強いものになってきちます。

ほっておいても滅びかけていたレナモを、逆にこれで息を吹き返させることになるかもしれません。幸い、第三政党のMDMが中部中心部を政治的に抑えているのですが、MDMもかなり選挙妨害を受けていたので、共に彼らが手を組むとどうしようもなくまずいことになる可能性が出てきています。

その前に、大統領選挙が10月にあり、おそらく、次の狙いは「非常事態宣言」でしょう。
そうすれば、唯の政府の悪口だけでも取り締まれますから。国家反逆罪とかで。実際、すでにゲブーザの退陣要求を出した研究所所長が検察に取り調べられているところ。その退陣要求を掲載した新聞2紙も同じ目に。しかも元々フェースブックに書いたもの。そんなんで「逮捕できるの?」・・・本来できません。もちろん、人権侵害です。しかし、強権下の国家権力とはそういうものなんです。つまり、このこと一つでも、モザンビークの人権(表現の自由)はきわどいところにきています。肩書きのある著名人ですらこの状態。ましてや一般市民に対して行われる日々の抑圧など・・・。

このように現政権が、どうしようもなくバッド・ガバナンスをやっている最中に、他の外交団がこの政権との距離をおいて、なんとか平和に戻そうと尽力している最中に、モザンビークに初めて日本の首相がノコノコ握手しに出かけて行っている・・・日本外交のセンスがどうしても理解できません。「アミザージ(友好)協定」と呼んでいるらしいですが、本当にアミザージを結ぶべき「真のモザンビーク人」らとではなく、それらの人達を抑圧する政権と、それが今暴力化している最中に「友情を交わす」・・・ということの全モザンビーク的、世界的、歴史的意味を、今一度考えてほしいと思います。

あるいは、これから日本は、そういう権力者とドンドン組むんだよ、資源と市場のために(中国みたいに!)という表明だったの?!恐れ入りました。。。でも違うよね、きっと。

ちなみに、「人材育成」5年間で300人って年間60名。ポルトガル語のクラスの2つ分ぐらい。そして、これ一年間とかディプロマがもらえるぐらいのものではなく、数週間のものですよね?これまでJICAの人材育成事業(研修)に3年関わってきましたが(フランス語圏アフリカの治安・司法部門の人達の平和構築研修)、そしてかなり良い研修ができた自負がありますが、それでも毎年60名を「研修」して、その国の何かが変わる・・・というわけでは当然ありません。

本気で資源の呪いを回避し、汚職を避け、資源開発を地域社会や住民に還元するのであれば、「急いで掘るな」の一言です。国家が公正なる分配を確実にし、モニタリングの主体・仕組みを整えるプロセスを醸成していくしかないのです。

しかし、仕事でモザンビーク事情を把握している人たちは一体何をしているんでしょう。ポルトガル語読めないからこうなるのかな・・。読めても、本当に起きていることころをみようとしない、自分の都合の良いように解釈するため・・・なのか。あるいは、どうでもいいから・現地社会で起きていることなんて?

結局、ゲブーザ政権が「治安」を「維持」してくれればそれでいい・・・・のでしょうね。「臭いものに蓋」・・・そうやって「平和と安定」を語ろうとする。

だからアルジェリア事件のようなことが起こるということを、1年経っても理解がないようです。「危機管理セミナー」を企業と政府はやっているそうですが、なぜこのようなことが起こるかのルートコーズ(根本原因)・土台から理解できていない以上、近い将来の悲劇は避けられないと思います。このような外交が、めぐりめぐってますます日本人を危険に晒すのですが。

「アフリカが危ない」のではなく、「アフリカを危ないところにする外部勢力の一つ」に、日本も声高らかに参入した宣言===が、今回の訪問の一つの結果でもあったと思います。


■地元O Pais紙「モザンビークで政治軍事緊張の288日間で50人が死亡」
”Mais de 50 pessoas mortas em 288 dias de tensão político-militar no país”
Sexta, 17 Janeiro 2014 00:00
http://opais.sapo.mz/index.php/politica/63-politica/28524-mais-de-50-pessoas-mortas-em-288-dias-de-tensao-politico-militar-no-pais.html
「2013年4月4日の最初の軍事攻撃の開始以来、市民・政府軍・レナモ軍の間に50名以上の死者が出ている。ただし、この数字は公式に確認されたものであり、死者数は100人前後と考えられる。1992年の終戦以来、最悪の危機である。これは、10月の半ば、政府軍がアフォンソ・ドゥラカマ(野党党首)が拠点としちたサントゥンジーラを占領してから悪化した。以来、レナモのゲリラ兵が国の中部での攻撃を強化しており、北部と南部に拡大しようとしている。」

そして、この最中に(いやこの最中だから9、わざわざ首都で「ゲブーザ大統領を讃える市民のマーチ」の開催をFRELIMO党の書記が発表。なんか本当に、どこぞやの国に似てきました・・・・。21世紀というのに、真逆をいこうとするモザンビークの為政者たち。当然、snsや独立系新聞で、この情報は「笑いのネタ」となっています。。。。でも、権力者というのは、こういうのを大真面目でやるんですよね。特に、「太鼓持ち」のみなさん。競って権力者に好かれようとする。こうやって、民衆と権力中枢部との乖離がどんどん生まれるから、政治運営はどんどん暴力的・対立的になる。

■O Pais紙 FRELIMO党は土曜日にゲブ-ザ大統領を讃えるため2万人を期待
Frelimo espera cerca de 20 mil pessoas na homenagem a Armando Guebuza no sábado
http://opais.sapo.mz/index.php/politica/63-politica/28526-frelimo-espera-cerca-de-20-mil-pessoas-na-homenagem-a-armando-guebuza-no-sabado.html

ということで、どうだったのか?
政府系は2万人を強調しますが、独立系新聞の建物屋上からの映像をみてみましょう。
http://www.verdade.co.mz/destaques/democracia/43357
10月31日の平和マーチと比べて少ないですね。
この記事のタイトルは、「マーチはゲブーザ大統領の人気のなさを確認してしまった(Marcha de exaltação confirma impopularidade do Presidente Guebuza」

当然、FRELIMO党という40年にわたって権力の座につく政権与党によるマーチ。下部組織も農村から都市の地区まで根をはっており、その動員力は都市部でも農村部でも凄いものがありました。一声かければ集会なんて人集めは容易。逆に集会に行かないとしたら、酷い目に合うことも。その組織的動員力で、しかも基盤の南部でも、この程度の人数???というのは、確かに驚きです。

で、集められた人達の声が面白い。
「ゲブーザ大統領が今年で任期が終わりなのでお別れの会だと聞いてやってきた」という人の声多数。実際、党の書記長はそのように宣伝。しかし、「大統領がいない!どして?わざわざ来たのに!」FRELIMO党員のマーチ参加者の中の声を新聞は紹介しているのですが、「パパ・ゲブーザに、レナモとの紛争を止めろと言いに来た」「平和なしに発展なしといいに来た」が、「大統領がいない!」と。。。

太鼓持ちが大統領の支持をみせるために企画し、次期大統領候補の2名(上述パシェコ大臣など)がその忠誠と後継者ぶりを示すために現れた集会である以上、大統領自ら現れる必要ないのです。が、あまりに盛り上がらず、逆に不人気ぶりを露呈した・・というのがこの新聞の報道。

なお、北部の中心地(ナカラ回廊)のナンプーラ市では、地方都市選挙において、歴史において初めて第三政党MDMが選挙に勝利しています。つまり、FRELIMO市政は反対されたということ。日本の外交関係者らは、何故かまことしやかに、「何度も投票が行われ、投票率がすごく低い状態(20パーセント台)で行われたため野党に有利に働いた」というのですが、これは民意を否定するもの。なんか、与党が勝てば「民意が示された」と主張し、野党が勝てば「といっても一部の意思」あるいは投票率を問題にする・・・・日本と同じですね。

そもそも、ナンプーラ市でMDMが勝利したことの背景。
●歴史的にFRELIMOが弱い地域
●初回の投票用紙が与党に有利に作成されるなど政府や選管への不信感
●都市では、動員力が大きい(行政・学校・病院などの機関の職員は全員与党の党員カードを取得させられている)FRELIMOこそが有利のはず。日本の選挙でも、「組織票」がいつも低投票率の際に決定的に重要。しかし、公的に動員ができるFRELIMO候補者が落選。
●つまり、3回投票を重ねるうちに、組織的動員を回避することは容易になり、本当に政治を変えたい人だけ(真の投票者)が投票に行った。FRELIMO党員カードを持っている人ですら、FRELIMO市政を望んでいたわけではなかった。

ということですね。
日本の選挙分析でもされないような、「低投票率は野党に有利」ということを、日本の外交関係者らが平気で口にすることが、今のモザンビーク情勢の把握のおかしさ、日本・モザンビーク関係が本来望ましい方向にいかない決定的な理由でもあります。

つまり、物事の理解をすべて自分たちの「現政権とのコネクション堅持=資源・援助」という論理でしかみられない。。。。。。狭い関係者らの思い込み、思い付きの理解ばかりが、流布され、検証もされないまま、まことしやかにぐるぐる回る・・・・かつて、UNACを野党だ、一団体だと言い張ったように。

そしてこれも言われていないことですが、深刻なことに、ナカラ回廊沿いにあるプロサバンナの対象地でもあるナンプーラ州のムルプーラ郡(調査団でも調査に行ったモゴヴォラス郡のすぐ横)で機動隊による一般市民3人の殺害がありました。そして人権リーグが国に対し、調査を求めています。すべて同じ銃弾での殺害だったそうです。レナモだといって殺されたようですが、詳細は不明で、少なくとも狩りの一般市民も含まれているようです。

■Vítimas de fuzilamento em Murrupula exumadas
http://www.verdade.co.mz/nacional/43301-vitimas-de-fuzilamento-em-murrupula-exumadas

どこで衝突が起きているかは、以下の地図で確認が可能です。
http://www.verdade.co.mz/

なお、誤解をされてもいけないので。
私は、援助のすべて、人材育成のすべて、農業支援のすべて、投資のすべて、に反対なわけではありません。当然ながら。そのいずれもを、モザンビークで20年にわたって実践してきました。もちろん、とってもとってもミクロな規模で。トライアル&エラーのなかではありますが。

問題は、何故やるのか。

もうこれに尽きると思います。Win-WInって聞こえはいいけれど、本当はとても難しいこと。中国の互恵関係と日本のwin-winは同じノリなんだけど、要は我々も設けないのであれば、あなたたちと関係結びません・・・ということなんです。

民間である以上しかたない・・・そりゃそうだけれど、実は本来は「儲け」は後に来るはずなんです。win-winにも順番(優先)があるはず。そこが見えなくされているから大問題。またこrもいつか書きます。ここが、実はすごく偏っていることを見破られているから、モザンビーク市民社会は怒ってのです。

ということで、何故何のためにやるのか・・・という問いが考え抜かれ、共有され、合意されなければならないおですが、御多分に漏れず日本のあらゆる政策や行為において「何故何のため?」という一番根っこの部分は、最後に回される傾向にあります。だから、上手くいかないすべての責任もまた曖昧にされる。あるいは、問題があっても止められないまま続いてしまう、のでした。

だから、目的が明確になるのが大前提。
その上で、誰とやるのか。
とすると、何をどうやるのか。
だから、いつやるのか。
ひと様の社会で何かをやる以上、当たり前ですが・・・。
[PR]
# by africa_class | 2014-01-17 23:05 | 【情報提供】モザンビーク

【紹介】『ProSAVANA市民社会報告2013ー現地調査に基づく提言』【暫定版】が昨日発刊

補足です。下記の報告書ですが、なんと二つあわせて7千回のダウンロードとなっているそうです。この業界的には、すごいベストセラー状態(!)。ぜひ、ご一読ください。

===========
1枚に2頁を掲載した縮小バージョン
http://www.arsvi.com/i/ProSAVANA_findings_cso_tentative_s.pdf
フルバージョン
http://www.arsvi.com/i/ProSAVANA_findings_cso_tentative.pdf
===========

昨日、9月から延々と日本のNGO・研究者で取り組んできた報告書が完成し、既に発表されています。10月末の発刊予定でしたが、一次資料・二次文献の議論の採り入れ、先行研究との比較、フォローアップ調査(マプート・ナンプーラ、12月4日ー6日)も含めた結果、かなり時間がかかりました。

とても実証的で中身のある報告書になったと思います。
ぜひご一読下さい。

要約が送られてきたので以下に貼り付けてあります。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-73.html
是非併せてお読みください。

================
2014/01/15 
ProSAVANA市民社会報告2013ー現地調査に基づく提言【暫定版】
http://www.arsvi.com/i/ProSAVANA_findings_cso_tentative.pdf
================

目次
本報告の狙いと構成1
プロサバンナ事業とは?1

第1章 現地調査の目的・手法・背景3
1-1. 現地調査の目的3
1-2.現地調査の手法3
1-3. 調査対象(地・組織・人)のデータ4
 1-3-1. 対象地4
 1-3-2. 調査対象組織・人9
1-4. 現地調査に至るまでの背景12
 1-4-1. プロサバンナ事業の背景と概要・特徴12
 1-4-2. モザンビークにおける土地問題の悪化と市民社会の懸念13
 1-4-3. 現地農民・市民社会組織による抗議の声14
 1-4-4. 日本やモザンビークの市民社会と日本政府・JICAとの対話14
 1-4-5. モザンビーク・日本政府の説明15
 1-4-6. ProSAVANA-PDレポートのリークと23組織の「緊急停止」要求15
 1-4-7. 「公開書簡」後のモザンビーク市民社会関係者への圧力20
1-5. まとめ20

第2章 モザンビーク北部の土地争奪の現状とプロサバンナ事業21
2-1. 土地争奪・収奪(Land rush/ land grabbing)の現状21
 2-1-1. 土地収奪の現状21
 2-1-2. 現地調査で明らかになった現状とその背景分析25
 2-1-3. 事業対象地に見られるアグリビジネスによる大豆生産と小農の生産27
 2-1-4. プロサバンナ事業を踏まえた考察28
  (a) マスタープラン策定事業にみられるアグリビジネスへの土地提供の狙い28
  (b) プロサバンナ対象地拡大にみられたブラジルの狙い30
  (c) プロサバンナ事業のQIPsにみられる大土地獲得の志向31
 2-1-5. プロサバンナ事業が土地を巡るものになった背景~日本政府の役割32
  (a) プロサバンナ事業に関する3か国合意文書(2009年9月17日)32
  (b)プロサバンナ事業の締結前夜の状況33
  (c)プロサバンナ事業に関するJICAのサイト37
 2-1-6. モザンビークにおける大農とは誰か?41
  (a)統計:モザンビークにおける農家の規模41
  (b)モザンビークの「大規模な農地」取得者とは?42
  (c)プロサバンナ事業の「大農」は誰なのか?43
 2-1-7. プロサバンナ事業による地域住民の土地収用と移転可能性43
  (a)マスタープラン策定レポートにみられる住民の権利擁護の意識の欠如43
  (b)モザンビーク政府に丸投げされた責任と日本援助におけるガバナンス問題45
2-2. 土地登記の実施状況と課題45
 2-2-1. 土地登記の現状46
  (a) DUATとは?―現在の土地登記範囲を超える土地の権利46
  (b)「将来的な」土地利用の可能性と阻害要因としての「デマケーション」46
 2-2-2. 現地調査で明らかになった分析と背景50
 2-2-3. プロサバンナ事業を踏まえた分析51
2-3. 本章のまとめとプロサバンナ事業への示唆53

第3章 プロサバンナ関連事業(PDIF・QIPs、その他事業)の実態55
3-1. PDIF(第一期)の実施実態 (契約栽培を中心に)56
 3-1-1. PDIFとは何か56
 3-1-2. 調査結果・分析・検討58
  (a) 調査結果のまとめ58
  (b) 契約栽培における小規模農家への高いリスクの軽視59
  (c) 大規模な農地を囲い込む企業を「小農支援」のため融資するPDIF60
  (d) 創り出される主従の関係~PDIF融資先社長夫人と契約農民の会話から61
  (e) 比較研究で示される契約栽培の問題とプロサバンナ事業の課題62
3-2. PDIF(第一期、第二期)の実施実態(アカウンタビリティーを中心に)62
 3-2-1. GAPIとIKURU:アカウンタビリティー問題62
 3-2-2. 第二次募集をめぐる不透明性の問題63
 3-2-3. 協同組合のケース:知らないままのレポート記載と「QIP=PDIF」の実態64
3-3. クイック・インパクト・プロジェクトの実態65
 3-3-1. クイック・インパクト・プロジェクト(QIPs)とは何か65
 3-3-2. 調査結果・分析・検討66
  (a) 公共セクタープロジェクト 「中規模・大規模投資のための土地バンク計画」67
  (b) 民間セクタープロジェクト68
3-4. 本章のまとめとプロサバンナ事業への示唆69

第4章 モザンビーク農業をめぐる議論と小規模農民の営みと展望72
4-1. 農業政策の推移と繰り返される国家主導型政策の失敗72
 4-1-1. 農業政策の推移~上からの政策、農民らの主体的な抵抗・離脱・組織化73
  (a)植民地末期の小農重視の農業政策(1950年代後半-1974年)73
  (b) 政府主導型共同村・協同組合生産方式の失敗と新たな試み(1977-87年)73
  (c) 和平後の主体的な生産努力(1992年-)、主体的な組織化の兆し74
  (d) PROAGRI(1999-2004年)の失敗~対立する利害と小農軽視75
  (e) バイオ燃料作物栽培奨励の失敗:ジェトロファ&サトウキビ77
  (f) 投資偏重の国家政策PEDSA-PNISAへの農民らの懐疑79
  (g)ローカル・レベルの開発基金FDD政策と上意下達体制の農村部での構築80
 4-1-2. 小農の主体的な組織化と土地の私有化促進への抵抗83
  (a) 小農の主体的な組織化83
  (b) 権利擁護のための下からの農民組織化と1997年土地法策定84
  (c)2001年の土地私有化への揺り戻しと農民の抵抗87
4-2. グローバル・レジュームによる農業政策への介入の課題と抵抗88
 4-2-1. G8ニューアライアンスによる土地とタネの独占並びに内外の批判88
 4-2-2. G8ニューアライアンスに狙われるタネ91
  (a)種子をめぐる国際的議論と政策・国際条約92
  (b)「食料安全保障」言説の問題と「食料主権」の重要性95
  (c) 日本の援助にみられる「食料安全保障」概念の問題~PRODECERの事例97
  (d)日本がすべきでないこと、すべきこと99
4-3. 小農世界と自律的発展、そして政策的選択100
 4-3-1. 小農の自律的な発展を実現する政策とは100
  (a) 土地法と小農の権利100
  (b)UNACにおける意思決定プロセス102
 4-3-2. モザンビーク農業・食における小農世界103
 4-3-3. モザンビークにおける食の多様性と「食の主権」104
  (a)プロサバンナで語られる「食料安全保障」104
  (b)統計に表されない北部農村の食と農の世界106
  (c) 豆類・穀類・イモ類の豊かさ107
  (d) 高い栄養価を誇る在来作物(穀物・豆類)109
  (e)豊かな自然が提供するタンパク源と家族養鶏の重要性113
  (f)「飢え」を緩和する野生の果物・キノコ116
  (g)換金作物にもなる穀物、果物、野菜、その他119
  (h)市場化されない「葉物」の重要な役割119
  (i)「食料安全保障」概念の限界と「食料主権」120
4-4. モザンビーク北部小農の農的営み121
 4-4-1. 暮らしの中の農と食、リスク分散の重要性121
  (a) アフリカにおける暮らしの中の農、リスク分散の重要性121
  (b) 農民の主体的取り組みに関する先行研究122
  (c) 各作物の多様な品種と食との関係(キャッサバ、サツマイモ、モロコシ、トウモロコシ)123
 4-4-2. 地域で営まれる農の創意工夫125
  (a) 畑での多様な作物・種の活用125
  (b) モザンビーク北部小農にとっての「よい土地」の重要性126
  (c)どのように農民は「よい土地」を見つけているのか126
  (d) 民族土壌学的知見からの妥当性127
 4-4-3. アグリビジネスに狙われる農民の「よい土地」とプロサバンナ事業の問題129
4-5. 調査で明らかになった小農の農的営みと将来展望130
 4-5-1. 小農自らの内発的発展の試み130
  (a)モザンビーク北部小農の多様な生産努力130
  (b)政府のエクステンション<農民同士の学びの重要性133
 4-5-2. 小農自らが語る将来展望と「支援」のあるべき姿135
  (a)されるべきではない支援135
  (b)家族農業支援のための国家計画を政策として実現するための支援137
  (c)どのような中身の支援が求められているのか?138
  (d)農民のアソシアチズムを応援する139
  (e)農民による内発的な共同生産の試みを応援する142
4-6.本章のまとめとプロサバンナ事業への示唆~これまでの農業に「挑む」プロサバンナの課 題143
 4-6-1. これまでの農的営みの否定143
 4-6-2. 小農に及ぼすリスクに関する配慮や記述の欠落と農民らの不安143
 4-6-3 プロサバンナに欠落する女性/ジェンダーの視点144
 4-6-4. 権力関係の分析の不在と小農の権利はく奪145
 4-6-5. 農民の主権を中核に据えた政策形成の支援145

第5章 モザンビークの農民・市民社会の参加とコンサルテーションの実態149
5-1.何のためにコンサルテーションを行うのか?149
 5-1-1. 当事者の自決権と意思決定プロセスへの参与の権利149
  (a)JICA環境社会配慮ガイドライン~適切な合意形成・意味のある参加149
  (b)国際人権規約~人びとの自決権・天然の資源への固有の権利150
  (c)受益国への適応151
  (d)自由権規約19条~現地ステークホルダーの情報アクセスへの権利152
 5-1-2. FPIC (自由意思に基づく、事前の、十分に情報を与えられた上での合意)153
  (a)FPICからみたプロサバンナ事業153
  (b)進むFPICの国際規範化とプロサバンナ事業への示唆155
 5-1-3. JICA環境社会配慮ガイドラインに基づく点検156
5-2.プロサバンナ事業における当事者の参加とコンサルテーションに関する認識157
 5-2-1. 全国組織並びに「三カ国民衆会議」出席者らの声(首都)157
  (a)三カ国民衆会議(2013年8月8日)での声157
  (b)モザンビーク政府・プロサバンナ事業のアクターからの圧力159
 5-2-2. 北部での聞き取り結果(各州全体のレベル)160
  (a) ニアサ州全体で活動する農民組織・市民社会組織(リシンガ市)160
  (b)ナンプーラ州全体で活動する農業・農村開発市民社会ネットワーク162
  (c)カソリック教会の危機感と土地委員会の結成163
  (d) ザンベジア州グルエ郡都全体の農民組織代表164
5-3. 現地調査で明らかになった現状の背景と分析165
 5-3-1. 農民・市民社会・宗教組織の参加・コンサルテーションの実態166
  (a) 第1回ステークホルダー会議にみられる「形式的な参加」172
  (b)現地農民・市民組織に危機感をもたれた官民投資合同ミッション173
  (c)マスタープラン策定とコンサルテーション173
  (d) UNACによるプロサバンナ事業に関する調査と抗議声明175
  (e) プロサバンナ開発基金 (PDIF)と連携先「農民組織」の実態176
 5-3-2. 全国最大農民組織UNACのコンサルテーションからの排除とそのプロセス178
  (a) 2012年10月抗議声明への日本政府・JICAの反応180
  (b)UNAC下部組織UPCN(ニアサ州農民連合)のJICAセミナー招へい180
  (c) UPCN帰国後のモザンビーク社会の受け止めと「公開書簡」182
  (d)プロサバンナ事業の「対話プロセス」から排除されるUNAC183
 5-3-3. PPOSC-Nによる協議のボイコットとコンセプト・ノートの問題187
  (a) PPOSC-Nによるボイコット187
  (b) いつの間にか作成されていたコンセプト・ノートと断行される「討論会」188
  (c) コンセプト・ノートの問題と悪化するモザンビークの人権・政治状況189
 (d) 再び悪用される「対話」と「対話の強要」190
5-4. 農村部でのコンサルテーションの実態191
 5-4-1. 農村部での聞き取り調査結果192
  (a)農村部(マジュネ郡)192
  (b)農村部(リバブエ郡、メグブリ郡、ナンプーラ郡)195
  (c)農村部(グルエ郡リオマ地区)196
 5-4-2. 現地調査結果のプロサバンナ事業への示唆198
  (a)大多数の農民に届かないプロサバンナ事業のコンサルテーション198
  (b)一貫性のない矛盾する説明、開示されない報告書や資料199
  (c)モザンビーク北部農村におけるプロサバンナ事業の政治性199
  (d)「賛成する農民・団体もいる」との説明への現地市民社会の反論201
5-5. 本章のまとめ201
 5-5-1. 返答なきままの「公開書簡」と信頼醸成の失敗201
 5-5-2. 切り離されるナカラ・ファンドとG8ニューアライアンスとその実態と利益相反201
 5-5-3. JICA環境社会配慮ガイドラインにもとづく点検・評価206
 5-5-4. 日本での対話の蓄積207
 5-5-5. 「JICAの意志決定」と当事者との合意208

結論と提言(緊急声明)210
「プロサバンナに関する緊急声明」(2013年9月30日)213
参考文献一覧217

報告書に使われている写真(調査に同行した写真家の提供)
peter steudtner - panphotos
a0133563_11114100.jpg

a0133563_1113981.jpg

[PR]
# by africa_class | 2014-01-16 03:27 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

卒論発表会2013年度(1月21日14時30分~)@外大

今年も素晴らしい卒業論文が揃いました。
年末は特に私も家族も卒論にうなされましたが、11名の力作です。
大半が多数の英語や原語の文献、そしていくつかは現地調査に基づくものです。
「問い→仮説→実証→結論」の手順を踏まえた、チャレンジ論文。
それぞれらしい、「魂」のある論文ばかりとなりました。

発表会を来週火曜日に行います。
ぜひ、起こし下さい。

==========================
アフリカ政治経済ゼミナール 卒業論文発表会2013
==========================

■2014年1月21日(火曜日)14時30分~17時30分
(*途中出入り自由です。延長が予想されます)
■東京外国語大学(府中キャンパス)研究講義棟1階100教室
■学内:参加自由、学外者:事前にご連絡下さい。
africa.semiar<@>gmail.com
■Peer education/reviewを採り入れているので、聴衆にも評価に加わって頂きます。

【農業】
○「構造調整後の小農支援政策の小農に対する影響―マラウイの事例から―」
○「日本の女性農業者の地位向上の歴史と残された課題」
○「サブ・サハラアフリカの農民組織形成の背景とその役割
―モザンビークの農民運動ネットワークの事例から―」

【経済】
○「ナイジェリア映画産業の課題―ノリウッドの事例から―」
○「南アフリカにおける中国製品流入の影響―繊維・衣料産業の事例から―」

【政策】
○「ジェノサイド後のルワンダにおける経済政策の有効性―コーヒー産業の事例から―」
○「ルワンダにおける健康保険の拡大ー政府の貧困削減政策に注目して」

【紛争】
○「コートディヴォワール共和国で2002年に内戦が起こった原因―市民社会を中心に考える―」

【教育】
○「カメルーンにおける二言語公用語政策の役割ーバイリンガル教育を切り口に」
○「レソトにおける高学歴失業ー外部依存の雇用と教育のミスマッチ」
○「アフリカにおける中等教育の課題―ガーナ共和国を事例に―」
[PR]
# by africa_class | 2014-01-16 02:57 | 【大学】アフリカゼミ(3・4年)

【緊急】安倍・ゲブーザ共同声明への批判声明プロサバンナ主要地ナンプラ州2百市民社会組織

安倍総理の訪問、モザンビーク大統領との共同声明に、かなり強い批判が、プロサバンナ事業の主要対象地(19対象郡の内10が集まる)ナンプーラ州市民社会プラットフォーム(PPOCS-N)から今日付けプレスリリースでされています。

現地ではこの訪問の最中も戦闘が続き、戦闘は中部から南部へ拡大し、イニャンバネ州の一部地域では住民がパニックに陥っており、野党政治家が一昨日に暗殺されています。

【日本語訳が届いたのでそれを貼り付けます】
■ポルトガル語原文は→
http://farmlandgrab.org/post/view/23026
■英語文は
http://farmlandgrab.org/post/view/23022-nampula-civil-society-rejects-japan-mozambique-accord-demands-response-to-open-letter-on-prosavana

同プラットフォームはナンプーラ州の200を超える市民社会組織、農民組織、コミュニティ組織、宗教組織の連合体で、これまでプロサバンナ事業関係者らが、「事業パートナー」にしたいと願い、何度も対話を要請してきたネットワークです。

今回、UNAC(全国農民組織)ナンプーラ支部もこのプレスリリース起草に関わっているようです。

現在、ナンプーラ州の農村部では、同プラットフォームの反対により、「対話」は行われておらず、これは「公開書簡」への返答がなく、この間の情報操作や分断工作が酷く(9月30日プレスリリース参照)、かつ9月に出されたコンセプトノートが酷いものだったから・・・とのことでした。しかし、これについて、外務省・JICAは、「対話は進んでいる」の一点ばりでした(第6回、第7回意見交換会)。

その事の意味を無視したまま行われた今回の共同声明への不信感が募っているようです。
いずれにせよ、以下原文(ポルトガル語)です。

かなり強烈です。真剣に怒っているようです。
ナンプーラは最も政府からの圧力が強い場所で、かつこのプラットフォームには沢山の政府系の組織が入っています。それでも、ここまで・・・書いています。
身の危険を顧みず書かれた声明であることが分かります。

●日本政府の「寛大な支援」は、我々の意見では、コロニアリズムの継続である・・・とあります。
●最後に、再度の「公開書簡」への返答と、家族農業セクターの真の強化、キャパシティビルディングのためのプログラム、効果的な支援を、要求しています。

安倍総理・ゲブーザ大統領の声明や二国間協定
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page3_000615.html

========================
ナンプーラ州市民社会組織プラットフォーム
日本国安倍晋三首相のモザンビーク訪問に関するプレス・リリース

ナンプーラ市民社会プラットフォームは、2009年に課題ごとの、また分野横断的な市民社会組織(CSO)の共同の取り組みのための調整機関として、さらには州の発展につながる取り組みに向けた公共セクター並びに民間セクターとの交流を推進するために設立された。

わが国は、この1月11-12日(土・日)に日本国安倍晋三首相の訪問を受け、メディアの注目を浴びた。そしてメディアが最も注目したのは、インフラストラクチャーおよび農業開発プロジェクトに向けた6億7200万USドルの借款供与の表明であった。その見返りとして、日本国首相はモザンビーク政府へ日本の民間セクターによる投資をサポートすることを求めた。2人の首脳は、ナカラ回廊におけるProSAVANA農業開発プログラムを称賛した。しかし、ProSAVANA事業に対するこの見方は、このようなプログラムの結果として、土地の権利の保障・食料主権・栄養の安全保障・地域コミュニティの文化的統合が脅かされ、環境そして将来世代に影響が及ぶことを指摘し強く警戒の声を挙げてきた、UNACに結集するナカラ回廊の農民組織、各地の市民社会組織および研究者たちの見方と衝突する、と我々は考える。

現在の商品作物のモノカルチャー(単一)栽培を基本とする新自由主義的な農業のあり方が引き起こす被害を念頭に置き、次の点を指摘する。

2013年6月、モザンビーク、ブラジル、日本の国家首脳に対し、ProSAVANA事業の停止と再考を求める公開書簡を送ったが依然返答はない。

ナンプーラ州において市民社会プラットフォームは、農業省州事務所により提供されたProSAVANA事業のコンセプト・ノート分析の結果として、このコンセプト・ノートを拒否した。また、このような特定の方向性で書かれたコンセプト・ノートではなく、農民組織との参加型の手法による協議に基づき、市民社会および専門家や研究者も交え、コンセプト・ノートのドラフトが作成し直されるべきであると勧告してきた。

この分野において経験を積み知識と見識に基づいてこのプログラム(ProSAVANA事業)に対して提言および批判を行ってきた著名なモザンビーク人研究者たちに対し、何の注意も配慮も向けられてこなかった。

我々は、日本の「寛大な支援」は、今なお続く植民地主義の表れであり、6億7200万USドルを提供し活用させることによって、モザンビークにおける国際資本の利益を擁護することをもくろみ、他方では負の影響へ注目を促す全ての試みを見えないものにしようとしていると考える。

したがって、我々は、今回の来訪にあたって結ばれた両国首脳と政府による協定も宣言も認めることはできない。改めて、「公開書簡」への回答を要求するとともに、家族農業セクターを真の意味において能力向上させ、強化し、効果的に支援するプログラムの策定と実施を求めるものである。

ナンプーラ市 2014年1月13日   
ナンプーラ州市民社会組織プラットフォーム
(翻訳、アフリカ日本協議会 斉藤龍一郎)
[PR]
# by africa_class | 2014-01-13 23:24 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

〚紹介〛現地NGOから安倍総理訪問についての非難声明。英語版。

以下、届きました。
急ぎ共有しいます。長いため未だ完全に読めていません・・・。

Position of ADECRU on the Visit of Prime Minister of Japan in Mozambique


The Japanese Prime-Minister is officially visiting Mozambique in the next days from 11th to 13th of January 2014. According to the presidency of Republic of Mozambique through the press release circulated on 24 December 2013, the visit will focuses on the assessment of the political and diplomatic relations between the two countries, besides identifying new ways towards a consolidation. By the same way, as it mentioned in the press release, some judicial instruments and cooperation agreements in the education, energy and agriculture area will be celebrated.


The academic action for the development of Rural Communities – ADECRU denounces and strongly rejects the dangerous and imperial agenda of visit of the Japanese prime-Minister, Shinzo Abe, and the Japanese foreign policy for Mozambique and Africa, masked in diplomatic maxim “enforce and consolidations of political and friendly relations between the two people, supposedly, brothers” and translated into programs like ProSavana and New Alliance for Food Security and Nutrition in Africa”. In that which is the first expansionist visit of high level from a governor of that Asiatic country to Mozambique, Shinzo Abe will also visit Ethiopia and Ivory Coast, two African countries curiously covered by the so-called “New Alliance in Africa”.


On the contrary, the final version released by Mozambican authorities, the visit of the Niponic Prime Minister in our country, together with 50 enterprises, must be seen in a large context of operationalization of the last and violent phase of effective structural adjustment of 21th century. Through the historic reasons behind the deafest suffered in the second world war and, nowadays, the hegemonic dispute in the Asia between Japan and Chine, this country is been obligated to change its policy and foreign agenda that during decades contributed for the development of agriculture and other sectors of Mozambique, turning over to serve imperial interests of the United State and other potencies.


Nowadays, the niponic authorities turn to be “bodily agents and global imperialism advancer agents” in the context f current process of penetration, occupation and domination of African continent which consist precisely in corporative capture and colonial subjugation of the continent and African people with the new effective front of attack against their sovereign, cultural diversity and biodiversity, transforming African in an open mercantile platform for the entry and free circulation of seed genetically modified and of great transnational corporations of extractive industry and agribusiness, owner of global food industry.


The dangerousness of Japanese policy and presence in Mozambique and in Africa, in the last 10 years, is expressed and translated in its humiliating subjugation and colonial alliances with G8 countries and agencies namely: World Bank, United nations for Agriculture and Food (FAO) World Food Program, Japanese International Cooperation Agency (JICA), United Sated Agency for International Development (USAID), Found for transnational cooptation for Agribusiness such as: Cargil, Itochu, Syngenta, Monsato, Yara, African Cashew Iniciative, Competetive African Cotton Iniciative, Corvuns International, AGCO, Nippon Biodiesel Fluel co.Idt, Vodafone, SAMBMiller and many others.


Japan is an officially member of a group of 8 countries colonially regarded as the most developed countries in the world known as G8, where also integrate the united State, Germany, France, Italy, Netherland and Russia. the G8 in convince with the government of Mozambique, giants transnational cooperation and multilateral financial institutions above mentioned are implementing an agricultural program so-called “New alliance for Food Security and Nutrition in Africa”.

The new Alliance stems from an agreement signed by some countries and financial institutions and multilateral organizations international in 2009 at the G8 summit of L’Aquila, Italy, after having been presented for the first time by the Government of the united State of America, under the leadership of President Barack Obama with this initiative, the G8 argues that want to cooperate with African government to release 50 million Africans in poverty, 3.1 million of which in Mozambique between 2012 and 2011. Six African countries, of the 20 planned have already joined the New Alliance: Burkina Faso, Ivory Coast, Ethiopia, Ghana, Mozambique and Tanzania.


In Mozambique the operationalization of the New Alliance for Food is under the leadership of the World Bank, World Food program, Japanese International Cooperation Agency (JICA) United State Agency for International Development (USAID) and major transnational corporation of Agribusiness such as: Cargill, Itochu, Syngenta, Monsato, Yara, African Cashew Initiative, Competitive African Cotton Initiative, Corvuns International, AGCO, Nippon Biodiesel Fuel co.ldt, Vodafone, SAMBMiller, etc. The strategy of the entry of the “New Alliance in Africa” is based on capture of the program of comprehensive Development of Agriculture in Africa (CAADP), with the aim to give some legitimacy to the action of G8. In Mozambique this intervention is supported by the argument to align the financial and technical support of countries member of the G8 for agriculture in Mozambique with priorities of Investment Plan of the CAADP of the country, referred as National Plan of investment for Agrarian Sector (PENISA)


In an colonial triangular partnership contested by respective people, the Japan is also under leadership of implementing other giant agribusiness program so-called ProSavana Program, launched, officially, in April 2011 which stems from a triangular partnership of the government of Mozambique, Brazil and Japan with the objective of, purportedly, promoting the development of agriculture in the tropical Savannah of Nacala corridor, in the north of the country.


The ProSavana program is in the process f running through the component

“Quick Impact Projects” without any public discussion, presentation and approbation of the environmental assessment impact, one of principal and indispensable demands of Mozambican legislation for the implementation of such kind of project, normally, given the category A”, as denounced in open chatter, by Mozambican civil society in May in Toquio (TICAD V).


Through the 5th Annual General Assembly, held in December last, on the advance of agribusiness and the impact of expansion of monocultures of trees in the Niassa, Manica, Nampula, Sofala and Zambeze provinces, ADECRU concluded that the current policies and agrarian programs and of development of Mozambique like ProSavana and New Alliance for Food Security and Nutrition are responsible for expropriation land grabbing, human rights violation, the violence and criminalization of members, communities leaderships and movements and social organizations that denounce and reject. By the same way, ADECRU give responsibility to the government and Japanese State for the increased pression on land, imminent risks of resettlement of people and destruction of their livelihood, to access water, cultural patrimony and other socio environmental conflict particular caused in the Corridor Development of Nacala.


“The right to land is not associated with valorisation of different ways of living and producing” in the communities acknowledging the contribution of people and rural communities which have given the conservation of ecosystems and biodiversity; the recognition of natural resources as good and collective patrimony for currents and on coming generations . We argue and reaffirm that the right to land, water, healthy, education, housing, and safe food are sprightly linked, and the government and the state are the principal guarantor.


We warm for the dangerousness of imperialist programs like ProSAvana and New Alliance that will destroy the peasant systems of cultivation and the pluriactive character of famer families. The Nacala Found and New Alliance for Food Security and Nutrition from G8 while instruments operators of ProSavana, represent a destruction of peasant agriculture. The silence of the government of Mozambique, Brazil and Japan on the answers of legitimate and sovereign demand from the rural communities of Nacala corridor, from peasants, social movements and civil society organization of Mozambique, Brazil, Japan is alienation and capture of the people sovereign.


The Academic Action For the Development of Rural Communities – ADECRU, denounces and rejects the implementation of ProSavana and the so-called New Alliance due the following reasons:
· The policy outlined to “save” Mozambique and whole Africa represent an imperialist imposition, drawn up in the major centres of decision-making and neo-liberal and neo-colonialist alliances.


· The bases, founded and the strategies of the pact doubly harmful ProSavana and new Alliance send us back to the colonial past slavery in which Mozambique and Africa have remained for over 500 years of domination and oppression, therefore paving great huddles for realizations of human rights, social and environmental.


· The ProSavana and New Alliance represent the most abusive and aggression ways of exploration and return in Mozambique of mercantilist cooperation, hidden assumptions in philanthropic to liberate Africa from famine and misery, ignoring the failures of several initiatives of genus implemented in the past by the same multilateral agencies and imperialist potencies.

· The poSavana and New Alliance fosters and eases the reform of the legal framework on the land, bringing in the renting of land and subsequently its privatization under the pretext of improving the transparency and efficiency in administration and policy of land, legitimizing the land grabbing, seculars patrimony and means of sustaining of the communities and people.

· The ProSavana and new Alliance speeds up the issue of rights of use and utilization of land (DUATs) through the elimination of communities consultations to promote the investment of Agribusiness.


· The ProSavana and New Alliance force the change of national policies on fertilize rand seeds to enable entry of Genetically Modified Organism (GMOs) and certification of the same by multinational such as Mansato;


· The Japan and the G8 through it cooperation and agencies, want ensure the control of the principal geostrategic and agroecological regions of Mozambique, in possession of more than 70% of the potential of natural wealth and subsoil of the country, located in the Corridor of Development of Beira, Nacala and valley of Zambezi’


· The priority of ProSavana and New Alliance is to attend the private companies, national international major producers of commodities and banks with a focus in the corridor of development to make them regions of flow of capital and export of primary products of global markets, deepening this way the serious problems related to land grab, involuntary displacement and resettlement of millions of people, environmental degradation and socio-environmental conflicts.

· The Prosavana and New Alliance will fatally contribute to great impoverishment of the population and rural communities; by require the extensive and intensive use of land, water, energy and mechanization alienated.


· The ProSavana and New Alliance are constitutive parts of the decisive step of improvement and continuous strengthening of the strategy for the implementation of the structural adjustment policies on the Africa continent. its conception and matrix are directly linked to the development model adopted by Mozambican Government, which prioritizes the attraction of Foreign Direct Investment (FDI) and large projects at the expense of internal investment and interest of large majorities of farmers and rural communities, that is why the Academic Action For The Development of Rural Communities (DECRU) Argue:


· That the African people are capable of being authors and protagonist of policy for its self-using development and that respond to the priorities, dreams, aspirations and theirs requirements.

· Which African countries increase the budget of the State for the agricultural sector by more than 10% in compliance with Maputo Declaration of 2003.


· That the Mozambican Government prioritizes the food sovereign, sustainable agriculture and agroecology as the solutions sustainable for the reductions of hunger promoting proper nutrition.

· That the Mozambique government adopts policies for agricultural sector focused on support to agriculture peasant, whose priorities are based on access to rural credit, public services of agrarian extension, micro-systems of irrigation and valorisations of native seeds and resistant to climate changes, rural infrastructures connected to the creation of productive capacity and policies of supporting and encouragement to rural marketing.


· The suspension of current process of reform of the legal framework on land. Seed and fertilizer headed by the World Bank and JICA; The urgent detention of ProSavana e New Alliance in Africa.
· That the land is not privatized regardless of the circumstances and pressures that are to be exercised on the Mozambique government, since the land represent the major conquest and the main patrimony of the Mozambican people.



ADECRU demand that the President Armando Emilio Guebuza and the Japanese Prime-Minister, Shinzo Abe, announce publically, in Maputo, the detention of ProSavana and the New Alliance as answer to the legitimate and sovereign demands of people of Mozambique, Brazil and Japan. that the prime minister of Japan assume, publically, all responsibilities for the harmful consequences of currents Japanese programs which promote the land grabbing, destruction of patrimonies and the livelihood of the communities in the Corridor of Nacala. We also demand that to two head of States to set up a broad mechanism of democratic dialogue and both member of the government should be criminally responsible for promoting actions of manipulations and intimidation to activist, leaders of civil society organizations and social movement that are against ProSavana and New Alliance.


Acknowledging the weakness and connivance of African and the institutions of Mozambique Government to cope with this onslaught of the government of Japan and G8 against the sovereign of the people, the Academic Action for the Development of Rural Communities (ADECRU) convokes all the movements of peasants, environmental and social, rural communities, people of the good and people of the whole Africa for a broad mobilization, organization and constructions of national popular movement and continental to fight in defence of their rights and interest relating to c and control of land, water, goods and cultural patrimonies and common historic. Also, calls for a resistance vigorous and firm all the affected against the “ProSavana and New Alliance for Food Security and Nutrition in Africa” and against all the social and environmental injustices.

ADECRU assume from this moment the commitment to use all national and international indispensable legal means to break dawn the implementation of ProSavana and New Alliance in Mozambique. We reaffirm our unconditional engagement for the imperious priority of harding the fight in defence of land and natural resources while patrimonies of people, for the genuine agrarian reform and for guarantee and protection of communities, population and peoples’ rights.


Maputo, 09th de January de 2014

ADECRU
[PR]
# by africa_class | 2014-01-11 00:44 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【和訳】ガーディアン紙の #プロサバンナ事業 に関する記事。ニトリ社の大土地収用も報道。

ガーディアン紙が元旦にプロサバンナに関するかなり大きな記事を掲載しています。
日本企業のニトリ社の土地収用についても書かれています。

いずれにせよ、以下記事を全文AJFの斉藤さんが訳されていますので、ご活用下さい。

http://www.theguardian.com/global-development/2014/jan/01/mozambique-small-farmers-fear-brazilian-style-agriculture

=========================
Mozambique's small farmers fear Brazilian-style agriculture
Programme to increase crop output by bringing in large-scale agribusinesses is displacing traditional farming populations

モザンビークの小規模農民たち、ブラジル・スタイルの農業に不安
大規模アグリビジネス導入による生産拡大プログラムが在来農業に従事する農民
を住み慣れた土地から追い立てている
========================
Amos Zacarias Nampula, Mozambique, for IPS, part of the Guardian
development network
theguardian.com, Wednesday 1 January 2014 13.00 GMT

モザンビークの高齢小規模農民であるRodolfo Razãoは、2010年に10ヘクタールの土地の公的な使用認可証を獲得したにもかかわらず、7ヘクタールしか使えないでいる。残りの土地は、この国の 北東部で約10,000ヘクタールを使って大豆、トウモロコシ、豆類を生産する南アの企業に占拠された。

彼は、住んでいるナンプーラ州モナポ地区の関係当局に訴えて回ったがどこでも訴えは聞き入られなかった。78歳の彼は、これ以上時間をかけること はできない。

50歳の寡婦であるBrígida Mohamadは、7人の子どものうち一人の土地がとある企業によって侵食されていることに懸念を抱いている。「息子は、どこにも作物を育てる土地がない んです。私たちの畑は売り物ではないのに」、と彼女は、生涯を過ごしてきたモナポの村、NacololoでIPSの記者に訴えた。

これらは、ブラジル(ABC)と日本(JICA)の国際協力機関の後押しを受けている日伯モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発協力プ ログラム(ProSAVANA)に関して小規模農民たちのなかに広がる不安の理由を明らかにすることにつながるケースである。

ブラジルで開発された熱帯農業技術に触発されたProSAVANAは、ブラジルの熱帯サバンナであるセラードと同様の農業に関する潜在力を持つモ ザンビーク中部・北部に広がる1,450万ヘクタールのナカラ回廊での農業生産を拡大することを目指している。

この回廊の450万人の居住者のうち80%は農村部に住んでおり、農業近代化によって人口の多くを失ったブラジルや他の国々の農村部よりもずっと 人口密度を高くしている。

しかし、この回廊のいくつかの地域、人びとが自給農業に頼って散在しそれぞれに平均1.5ヘクタールの農地を耕している地域では、2kmを通って も一軒の家も見ないこともありうる。

キャッサバがこの地域の食事の基本となっている。小規模農民は、また自家消費用にトウモロコシ、カボチャ、ヒマワリ、サツマイモを、商品作物とし て綿花、タバコおよびカシューナッツを作っている。

この回廊をインド洋に面したナカラ港から輸出する農産物の穀倉地帯に転換するという構想が在来農業に従事する農民を追い立てることになる巨大な農 場での大規模な高収量生産を目指す企業を惹きつけ、土地をめぐる紛争が頻発することになると予想される。

Mohamadは、これらの巨大投資者たちがやってきたことは恐ろしいことだ、と言う。彼女は、ProSAVANAによって直接もたらされる変化 だけでなく、このプログラムの影響で加速すると見られる様々な変化に反対している。

ProSAVANAのコーディネーターであるCalisto Biasは、IPSに対して、農民たちが土地を失うことはないと語った。彼によれば、このプログラムの主要な目的は回廊に暮らす農民たちを支援し生産技術 を向上させることだ。

しかし、モザンビークの環境団体・リバニンゴ(Livaningo)の自然資源担当であるSheila Rafiによれば、投資者たちが、新たに地域の人々に企業のために作物を生産するという雇用主−被雇用者の関係を持ち込み、また単一作物栽培によってそれ までの「自給に必要なもの全てを少しずつ作る」というやり方が壊されてしまうことから、地域コミュニティの生活のあり方に混乱が生じると言う。

ProSAVANAのミッションの一つとして、投資とバリューチェーンを活用して就労を増やすことがうたわれている。また、農業省が開設したウェ ブサイトによれば、生産性と生産量を急速に高めるという観点から農業を近代化し多様化することもミッションの一つだ。

しかし、最大の不安、最も脅威となるのは、土地強奪だ。多くの人々が、DUATと呼ばれる土地常用を根拠とした「土地使用権」を獲得することで土 地を守ろうとしている。しかしこの認可証は実際には保証にならない、と地域の農民がIPSに語った。

モザンビークの法律では、全ての土地は国家に属しており、販売したり抵当に入れたりすることはできない。農民たちは、政府に対し最長50年の DUATを申請することができるだけだ。

先月、Nacololoの約250人の農民が地域のチーフの家の周りに集まり、南ア企業Suniが約600ヘクタールの土地を強奪したと語られて いることについての説明を求めた。

ナンプーラ市から230kmのマレマ地区も混乱の最中にある。日本のニトリ・ホールディング・カンパニーといった巨大アグリビジネスがこの地域に 入っている。ニトリは、20,000ヘクタールの土地で綿花栽培をする権利を与えられており、対象地に住む人々はほかのところへ移住することに なっている。

そのほかに、ブラジル、モザンビーク、ポルトガルのジョイント・ベンチャーであるAgromoz (Agribusiness de Moçambique SA)が、10,000ヘクタールの土地に大豆を栽培している。

政府からの情報がないことが、何が起きているのかに関する混乱をさらに大きなものにしている。「我々は、ProSAVANAというプログラムあ ることを、メディアや市民社会組織から聞いているだけだ。政府はまだ我々に何の説明もしていない」とRazãoは言った。

ナンプーラ州小規模農民集団(the Nampula Provincial Nucleus of Small-scale Farmers)代表のCosta Estevãoは、「我々は開発に反対しているのではなく、小規模農民に裨益する政策を求めているのだ。また、ProSAVANAに関する説明を求めてい る」と語った。

2011年に結ばれた、日本の輸入市場とブラジルのノウハウそしてモザンビークの土地を結びつける三者協定はすでに喧々諤々の論議を引き起こして いる。3カ国の市民社会団体が、ProSAVANAを拒否し、あるいは変革を求めて抗議の声をあげている。

ブラジルのCSO・Faseの国際協力担当ダイレクターで、8月にマプトで開かれた「ProSAVANAに関する三カ国民衆会議(the People's Triangular Conference onProSavana)」の主要な参加者であったFátima Melloは、ブラジルは「紛争の最中のモデルを輸出」したいのです、と語った。

食料安全保障にとって重要な家族農業を守ろうとする活動家たちによれば、アグリビジネス、輸出向け単一作物栽培そして巨大企業を優先するこの開発 モデルの行きつくところは、数百万の土地なし農民、農村からの人口流出、苛烈な土地紛争、森林伐採、そしてそれまでになかった殺虫剤と除草剤の使 用だ。

この開発モデルの根幹に、1978年にブラジル中部で開始され今もProSAVANAに示唆を与えているセラード開発のための日伯協力(he Japan-Brazil Co-operationProgramme for Development of the Cerrado)がある。

ナカラ回廊の農民たちに伝えられることになる技術はブラジルからきている。

2011年に始まり2016年まで行われるProSAVANAの第一段階プロジェクトとして、ブラジル政府の農業研究機関Embrapaは、モザ ンビーク農業研究所(Mozambique's Institute for Agricultural Research (IIAM))で農業指導員と研究所スタッフのトレーニングを行っている。

また、ナカラ回廊の農村地区と十分な可能性のある作物を評価するマスタープランおよび指導とモデル提示といった、このプログラムの他の分野におい ても、ブラジル人の参加は必須だ。

「プロサバンナ事業の広がりと大きさは、憲法で我々に保障された情報・協議・参加へのアクセス権の行使という点において、法律を遵守しておらず、 民主的で透明で幅広く深い公衆(農民男女、家族、民衆)との討論を欠いている」と、モザンビークの23の市民社会組織および運動体そして43の国 際的な団体が署名した公開書簡は言う。

マプトで5月23日に署名され、ブラジル、日本そしてモザンビークの指導者たちに宛てらたこの公開書簡は、法の定める環境への影響評価を求めた。

署名者たちは、プログラムの緊急停止、影響を受ける全ての社会セクターとの公的な対話、家族農業とアグロエコロジーの優先そして食料主権に基づく 政策を求めた。

彼らはまた、プロサバンナ事業のために割り当てられた人的資源や資金の全てを、持続可能な「家族農業支援国家計画」の制定と実施に再配分すべきと 言った。

(和訳、アフリカ日本協議会 斉藤龍一郎)
[PR]
# by africa_class | 2014-01-10 19:28 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

モザンビークで戦闘広がり避難民4千人以上、現地NGOの安倍総理訪問批判声明

モザンビークでは依然戦闘が続いています。
特に新年になってから戦闘が激しくなり、中部から南部に広がってきました。
http://www.verdade.co.mz/
地図をご覧ください。
http://www.verdade.co.mz/tema-de-fundo/35-themadefundo/43065-guerra-alastra-se-para-o-sul-de-mocambique
最新情報はこちら。
http://opais.sapo.mz/index.php/politica/63-politica/28385-homens-armados-da-renamo-controlam-troco-entre-gorongosa-e-vunduzi.html

中部地方のゴロンゴザ郡では、既に4千人の避難民が発生しています。
人びとは嘆いています。(1月9日付)
地元記事「ゴロンゴザの避難民4千人がテント等を受け取る」
”Cerca de 4 mil refugiados recebem mantimentos e tendas em Gorongosa ”
「十分すぎるぐらいに恥ずかしい事態だ。我々は政府に対し、この紛争が終結するよう要請する。犠牲になるのは我々民衆である。二人のリーダーたちがリラックスしている間に!」
http://opais.sapo.mz/index.php/sociedade/45-sociedade/28402-cerca-de-4-mil-refugiados-recebem-mantimentos-e-tendas-em-gorongosa.html
“É uma situação bastante embaraçosa. Pedimos ao governo que encontre soluções para pôr fim a este conflito. Quem sofre somos nós, o povo. Os dois líderes, estão relaxados!”, reclamou.

この最中に、和平について何も声明を出して来なかった3か国の一つ(中国・インド)の日本の首相が、モザンビークに現れます。。。。本当に誰もアドバイスしてあげていないのでしょうか・・・。

モザンビーク社会にどう思われるのか?
と書いている間に、モザンビークのNGOから安倍総理の訪問を批判する声明が届きました。


かなり批判的な内容となっています。
ポルトガル語のままですみません。
訪問を「危険な帝国主義的なもの」と冒頭に表現し、プロサバンナ事業や栄養と 食料のためのG8ニューアライアンスの批判が出てきます。

訳す暇がないので、グーグル翻訳なので英語にすれば読めると思います。
(しかし、、、、長いですね。。。。それぐらい怒ってるんでしょう。)
誰か和訳を・・・。

http://adecru.wordpress.com/2014/01/09/posicao-da-adecru-sobre-a-visita-do-primeiro-ministro-japones-a-mocambique/#more-196

========================
Posição da ADECRU sobre a Visita do Primeiro-Ministro Japonês à Moçambique
9 Jan
========================

O Primeiro-Ministro Japonês, Shinzo Abe, efectua, nos próximos dias 11 à 13 de Janeiro de 2013, uma visita de Estado à Moçambique. Com esta visita, argumenta a Presidência da República em comunicado de imprensa distribuído no dia 24 de Dezembro de 2013, pretende-se avaliar o estágio das relações políticas e diplomáticas entre os dois países além de identificar novas formas para sua consolidação. No âmbito desta visita também serão assinados instrumentos jurídicos e acordos de cooperação nas áreas de educação, energia e agricultura, refere ainda o comunicado.

A Acção Académica para o Desenvolvimento das Comunidades Rurais – ADECRU denuncia e repudia amplamente a agenda perigosa e imperial da visita do Primeiro-Ministro Japonês, Shinzo Abe, e da política externa japonesa para Moçambique e África, mascarada na máxima diplomática de “reforço e consolidação das relações políticas e de amizade entre os dois povos, supostamente, irmãos” e traduzida em programas como: o ProSavana e “Nova Aliança para a Segurança Alimentar e Nutricional em África”. Naquela que é a primeira visita expansionista de alto nível de um governante daquele País asiático à Moçambique, Shinzo Abe escalará também a Etiópia e Costa do Marfim, dois países africanos curiosamente abrangidos pela chamada “Nova Aliança em África”.

Contrariamente a versão oficial divulgada pelas autoridades moçambicanas, a visita do Primeiro-Ministro nipónico ao nosso País, que se faz acompanhar por uma delegação de mais de 50 empresários, deve ser vista dentro de um contexto mais amplo da operacionalização da última e violenta fase de ajustamento estrutural efectiva do século XXI. Por razões históricas decorrentes da derrota sofrida na segunda Guerra Mundial e, actualmente, da luta hegemónica na Ásia entre Japão e China, este País tem sido obrigado a mudar a sua política e agenda externa que durante décadas contribuiu para o desenvolvimento da agricultura e outros sectores de Moçambique, passando a servir os interesses imperiais dos Estados Unidos da América e de outras potências.

Nos últimos tempos, as autoridades nipónicas converteram-se em “agentes físicos e de avanço do imperialismo global’ no âmbito do actual processo de penetração, ocupação e dominação do continente africano que consiste na captura corporativa e subjugação colonial do continente e dos povos africanos com a nova e efectiva frente de ataque contra a sua soberania, diversidade cultural e biodiversidade, transformando a África numa plataforma mercantil aberta para entrada e trânsito livre de sementes geneticamente modificadas e das grandes corporações transnacionais da indústria extractiva e do agronegócio, proprietárias da cadeia da indústria alimentar global.

A perigosidade da política e presença externa Japonesa em Moçambique e em África, nos últimos 10 anos, expressa-se e traduz-se nas suas humilhantes subordinações e alianças coloniais com os países do G8 e respectivas agências com destaque para: o Banco Mundial, a Organização das Nações Unidas para Agricultura e Alimentação (FAO), Programa Mundial de Alimentação, Agência Japonesa de Cooperação Internacional (JICA), Agência Norte-americana para o Desenvolvimento Internacional (USAID), Fundos de Pensão Europeus e grandes corporações transnacionais do agronegócio tais como: Cargill, Itochu, Syngenta, Monsato, Yara, African Cashew Initiative, Competitive African Cotton Initiative, Corvuns International, AGCO, Nippon Biodiesel Fuel co.ldt, Vodafone, SAMBMiller, entre outras.

O Japão faz parte do grupo dos oito Países com economias colonialmente consideradas mais desenvolvidas do mundo, conhecido por G8, que também integra Estados Unidos Da América, Alemanha, Reino Unido, França, Itália, Canadá e Rússia. O G8 em conivência com o Governo de Moçambique, gigantes corporações transnacionais e instituições financeiras multilaterais supracitadas estão a desenvolver um programa de agricultura designado “Nova Aliança para a Segurança Alimentar e Nutricional em África”.

A Nova Aliança resulta de um acordo assinado por cerca de 40 estados e instituições financeiras e organizações multilaterais internacionais em 2009 na cimeira do G8 de L’Aquila, Itália, depois de ter sido apresentada pela primeira vez pelo Governo dos Estados Unidos da América, sob a liderança do Presidente Barack Obama. Com esta iniciativa, o G8 argumenta que pretende cooperar com os Governos africanos para libertar 50 milhões de africanos da pobreza, 3.1 milhões dos quais em Moçambique entre 2012 e 2022. Seis países africanos, dos 20 previstos, já aderiram a Nova Aliança: Burquina Faso, Costa do Marfim, Etiópia, Ghana, Moçambique e Tanzânia.

Em Moçambique a operacionalização da Nova Aliança é liderada pelo Banco Mundial, Programa Mundial de Alimentação, Agência Japonesa de Cooperação Internacional (JICA), Agência Norte-americana para o Desenvolvimento Internacional (USAID) e grandes corporações transnacionais do agronegócio tais como: Cargill, Itochu, Syngenta, Monsato, Yara, African Cashew Initiative, Competitive African Cotton Initiative, Corvuns International, AGCO, Nippon Biodiesel Fuel co.ldt, Vodafone, SAMBMiller, etc. A estratégia de entrada da “Nova Aliança em África” assenta-se na captura do Programa de Desenvolvimento Abrangente da Agricultura de África (CAADP), com o objectivo de dar alguma legitimidade a acção do G8. Em Moçambique, essa intervenção é sustentada pelo argumento de alinhar o apoio financeiro e técnico agrícola dos países membros do G8 com as prioridades do Plano de Investimento do CAADP do País, referido como Plano Nacional de Investimento do Sector Agrário (PNISA).

Numa parceria triangular colonial publicamente contestada pelos respectivos povos, o Japão também lidera a implementação de outro gigantesco programa de agronegócio denominado Programa ProSavana, lançado, oficialmente, em Abril de 2011 e que resulta de uma parceria trilateral dos Governos de Moçambique, Brasil e Japão com o objectivo de, supostamente, promover o desenvolvimento da agricultura nas savanas tropicais do Corredor de Nacala, no Norte do nosso País.

“O Programa ProSavana já está a ser implementado através da componente “Quick Impact Projects” sem nunca ter sido realizado, discutido publicamente e aprovado o Estudo de Avaliação de Impacto Ambiental, uma das principais e imprescindíveis exigências da legislação moçambicana para a implementação de projectos desta dimensão, normalmente classificados como de Categoria A”, conforme denunciado, em Carta Aberta, pela sociedade civil moçambicana em Maio de 2013 durante a realização da Conferência Internacional de Desenvolvimento em Tóquio (TICAD V).

No âmbito dos debates da V Assembleia-Geral Anual, havida em Dezembro último, sobre o avanço do agronegócio e os impactos da expansão das monoculturas de árvores nas províncias de Niassa, Manica, Nampula, Sofala e Zambézia, a ADECRU concluiu que as actuais políticas e programas agrárias e de desenvolvimento de Moçambique como: o ProSavana e Nova Aliança para Segurança Alimentar e Nutricional são responsáveis pela expropriação e usurpação de terras, violação de direitos humanos, a violência e criminalização de militantes e lideranças comunitárias e de movimentos e organizações sociais que as denunciam e rejeitam. Igualmente, a ADECRU responsabiliza o Governo e Estado Japoneses pela crescente pressão sobre a terra, riscos iminentes de reassentamento forçados das populações e destruição de seus meios de vida, ao acesso à água, patrimónios culturais e todos os conflitos sócio ambientais causados particularmente no Corredor de Desenvolvimento de Nacala.

“O direito a terra está indissociado da valorização das diferentes formas de viver e produzir” nas comunidades, reconhecendo a contribuição das populações e comunidades rurais que têm dado a conservação dos ecossistemas e biodiversidade; do reconhecimento dos recursos naturais como bens e patrimónios colectivos para as gerações actuais e vindouras. Defendemos e reafirmamos que os direitos à terra, água, à saúde, educação, habitação e alimentação adequadas estão directamente ligados, sendo o nosso Estado e Governo seus principais garantes.

Alertamos para a perigosidade de programas imperialistas como o Prosavana e Nova Aliança que irão destruir os sistemas de produção camponeses e o carácter pluriactivo das famílias camponesas. O Fundo Nacala e a Nova Aliança para Segurança Alimentar e Nutricional do G8 enquanto instrumentos operacionalizadores do Prosavana, representam a destruição da agricultura camponesa. O silêncio dos Governos de Moçambique, Brasil e Japão na resposta as demandas legítimas e soberanas das comunidades do Corredor de Nacala, dos camponeses e camponesas, movimentos sociais e organizações da sociedade civil de Moçambique, Brasil e Japão, para a detenção do Programa ProSavana, espelha o grau de conveniência, arrogância e alienação e captura da soberania dos povos.
(続きは本文サイトを)
[PR]
# by africa_class | 2014-01-10 07:57 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

安倍総理が訪問する「アフリカの光と影ーモザンビークを中心に」

今日から安倍晋三総理が中東アフリカ諸国を訪問。
アフリカはモザンビーク、エチオピア、コートジボワール。
資源、中国けん制、国連安保理の理事国入りのための票目当てと・・・。

安倍首相、中東アフリカ歴訪へ 資源確保狙う
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140109/plc14010907520003-n1.htm?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

安倍首相がアフリカへ 国連安保理入りへ票固め
http://www.huffingtonpost.jp/2014/01/08/shinzo-abe-non-permanent-security-council-japan_n_4563105.html?ncid=edlinkusaolp00000003

いずれにせよ、「何かと引き換え」であることは間違いない。
故に、「手土産」を持参される。

人材育成施設:エチオピアに1号…首相歴訪合意へ
http://mainichi.jp/select/news/20140109k0000m010087000c.html
次は、モザンビーク向けの何かが発表されるだろう。
現地新聞の報道では、「インフラ、農業、教育」の分野の協力の文書締結といわれている。

しかし、かつて『外交』に書いたけど、日本の「見返り外交」がアフリカにおいて成功したことはなかった。その理由は単純明快。アフリカ諸国にとって、「日本とだけ仲良くする」理由は何もないから。

「『ODA見返り論』からの脱却を」『外交』「国際援助の新戦略:アフリカ」2012年3月12号
http://afriqclass.exblog.jp/14976062/

あるアフリカ大使がそっと囁いた。
「どうして日本の政府関係者って、『中国か日本かみたいな選択がそもそもあると思いこんでるんだろうね』」と。
その心は、「両方と付き合うにきまってるじゃないか」。
そして、「中国と日本が競争しあってくれるのは大いに結構。選択肢が増えるし、条件もよくなる。でもだからといって、我々の外交や政策において『どちらか一方のみを選択』なんてことは、そもそもあり得ない」、と。

かなりの本音。
でも、これでもまだ建前。
本当のところ、アフリカにおいて、日本が中国と同じレベルで競争することがいかに不可能か、両国の現状、世界情勢を勘案し、アフリカと長年付き合って来れば容易に分かること。(だから中国がいいといっているわけではない)。が、これはこれで一大テーマなのでこの点についてはまた今度。

今アフリカで起きていること、モザンビークで起きていることは、世界と連動している。この日本社会の変化とも。そのことに思いを巡らせて書いたのが、先月(2013年12月)に出たばかりの「神奈川大学評論」最新号の原稿。一部だけ紹介しておくので、是非最新号の「アフリカ特集」を手に取っていただきたい。豪華執筆者らによる沢山の面白い原稿が集まっています。

====================================
『神奈川大学評論』第76号「特集 アフリカの光と影」
2013年12月発行
http://www.kanagawa-u.ac.jp/publication/criticalessay/
===================================
「アフリカの開発と経済~モザンビークから」
アフリカの今と日本の私たち:天然資源と食、そして援助


舩田クラーセンさやか
(東京外国語大学大学院 准教授)

1. はじめに

「光が強いほど影が濃くなる」
自然の当然の摂理であるものの、「言い得て妙」と最近感じることが多い。

今、世界で最も脚光を浴びる地域である一方、依然多くの問題を抱えるアフリカ。なかでも、モザンビークは空前の投資ブームを迎え、来年1月には安倍晋三首相が日本の総理大臣として初めてモザンビークを訪問する。

今、アフリカで何が起きているのだろうか。本稿では、「アフリカの今」を、「光と影」の両方を踏まえ、日本との関係を軸に検討する。事例として取り上げるのは、今日本で最も注目を集めるアフリカの国・モザンビークである。

2.「成長しないアフリカ」から「世界の成長株のアフリカ」へ
(1)急速に経済成長するアフリカ

アフリカ(本稿ではサハラ以南アフリカ)が「成長しない大陸」と呼ばれて久しい。実際、統計(一人当たりGDP)をみてみると、アフリカ経済が成長しない間に、他の「途上国」地域(ラテンアメリカ、中東北アフリカ、東南アジア)が「追い抜」いて行く様子が顕著である。現在でも、講演会で聴衆に聞くと「アフリカ=貧しい」以外のイメージが出てこないことも多い。

しかし、2002年来、アフリカの実質GDP成長率は、世界水準を超え続けている(IMF, 2009)。この傾向は、2008年9月のリーマンショック以降も続いており、毎年10%近くのGDPを記録し続ける国も多い。GDPがマイナス基調か1%以下が続く「成長しなくなった日本」からは、驚くべきことであろう。アフリカといっても、サハラ以南だけでも49か国ありこれらを一括りで論じるべきではないが、傾向としていえることは、高い成長率を示す国の多くが天然資源の豊っかな国である。

(略)

(2)アフリカを必要とする日本

このように急激に重要度を増すアフリカを狙い、日本企業は「多様で豊富な資源の輸入元としてのアフリカ」と並び「最後の巨大市場としてのアフリカ」にも目を向け始めている。しかし、統計をみて明らかなように、輸出入のいずれにおいても「日本の出遅れ感」は否めない。JETROの各種の統計が示すように、2003年以降に急増するアフリカの輸入の多くがEU諸国からのものとなっており、伸びが顕著な取引は中国やアフリカ諸国同士のものとなっている(JETRO, 2010)。

特に、中国の対アフリカ輸入総額の伸びは留まるところを知らず、この傾向は外交・経済において中国をライバル視する日本の官民にとって「脅威」と捉えられている。

実際、2013年6月に横浜で開催されたTICAD V(第5回アフリカ開発会議)の表のキャッチフレーズは「躍動のアフリカと手を携えて」であったが、真の狙いとして「中国に対抗したアフリカ首脳の取り込み」があったことが報道等でも確認することができる。なかでも最も注目されたのが、モザンビークであった。

(略)

3.日本の官民の脚光を集めるモザンビーク~エネルギー・食料危機
(1)資源開発と二国間投資協定

 これを象徴する出来事がTICAD V初日の6月1日、日本・モザンビークとの間で提携された二国間投資協定(「投資の相互の自由化,促進及び保護に関する日本国政府とモザンビーク共和国政府との間の協定」」であった。

外務省がその意義を強調するように、これは「(サハラ以南アフリカ諸国)との間で初めて署名された投資協定」であり、モザンビークで「世界最大規模の天然ガス田が発見されるとともにアフリカ最大といわれる石炭資源が存在」し、同国が「我が国民間企業による開発が進んでいる資源国」だから締結したという(外務省サイト)。

実際、新日鉄住金は、ブラジル企業のヴァレ(Vale)社や多国籍企業リオ・ティント(Rio Tinto)社が操業する同国中北部テテ州で石炭の採掘権を獲得している。一方、三井物産は米国アナダルコ(Anadarko)社と組み、同国北端インド洋沖に発見された世界最大級の天然ガス田の権益を獲得している(日経新聞2012年5月16日)。

(略)

日本が、モザンビークの天然ガスに大きく注目する理由は、東日本大震災の影響も大きい。元々、日本の海外へのエネルギー源依存度は、96%(原発を除くと84%)であった。2011年の原発事故の発生は、日本にエネルギー源の多角化を求めさせ、アフリカへの関心を高めさせることとなった。

(2)日本向け農作物の生産地としての注目

 日本の官民にとってのモザンビークの魅力は「天然資源」に留まらない。石油や資源価格の高騰だけでなく、2008年に穀物価格が急上昇したことは、食料自給率(カロリーベース)が4割にすぎない日本にとって深刻な危機をもたらした。特に、100%近い量を輸入に頼るトウモロコシと大豆、そして8割を超える小麦の安定的供給は、「国民生活の安定に不可欠」として、外務省や自民党内に「対策室(本部)」が立ち上げられるほどであった(NHK, 2010)。この危機の中で、政府関係者が注目したのがブラジル、そしてモザンビークであった。

(略)

食料価格の高騰を受け、世界的にアフリカへの農業投資が注目される2009年9月、日本・ブラジル・モザンビークの三か国は、「世界の食料安定供給のため使われていない広大な未耕地を有効活用するため」、プロサバンナ事業を行うことを合意する(調印文書)。

これをJICA World(2010年)は、「ブラジルと協力してモザンビークで大豆生産を援助」と発表し、事業の主眼が大豆などの輸出作物にあることが強調されていた。紙幅の関係で詳細を紹介できないが、本事業の形成過程を検討した結果、同事業の狙いが、①国際的プレゼンス向上、②日本への大豆、③モザンビークやブラジルとの連携の強化が目的だったことを明らかにしている(舩田クラーセン, 2013)。

4. モザンビークにおける貧困と格差、狙われる土地、そして政治暴力
(1)広がる格差と社会不満

 世界でも日本でも、眩いばかりのスポットライトを集めるモザンビークである。しかし、光の下に生み出されている影は、濃く、そして光をも陰らせるようになりつつある。

TICAD Vの二か月前の2013年4月、モザンビークを国連人権委員会の「絶対的貧困報告者」のセプルヴェダが訪問した。彼女は調査を終え帰国する際の記者会見で、「2011年だけで34億米ドル(261新事業と97既存事業)の投資があり、同国は世界で最も早く成長する10か国の一か国となっている」が、貧困者の数は増えてさえおり、「モザンビークの幅広い層の人びとが、過去20年間得てきた利益が公平に分配されるべきと感じていること」を強調した(Sepúlveda, 2013)。

今年の国連開発計画(UNDP)『人間開発報告書2013』も驚くべき結果を発表している。つまり、世界(187か国)で最も人間開発上問題のある国の第二位(185位)としてモザンビークがリストアップされているのである。

2008/9年のモザンビークの貧困率は54.7%であり、2002/3年の54.1%から増えるなど貧困削減は停滞し、貧困人口も990万人から1千170万人に増加している(MDGレポート2010)。貧富の格差を示す数値として開発されたGINI係数は、民衆の不満から社会の不安につながりやすいとされる0.4を超えている(統計によっては0.45)。

さらに注目すべきは、2008年以降にみられる民主化の明確な後退である。2010年、FreedomHouseなどは同国を「選挙民主政」のリストから外し、「アノクラシー国」として掲載している。さらに、ゲブーザ大統領の二期目(2009年)以降、政権全体のガバナンスは悪化の一途を辿り、不透明な投資案件が次から次へと明らかになっているほか、住民の生活を犠牲にした資源開発、それを批判する住民や市民社会への弾圧などが社会不満を高めている。

なお、ゲブーザ大統領とその家族の国家資源を活用した蓄財ぶりは、「Mr Guebusiness」と揶揄されるほど国際的にも知られるほどとなっている(Mail&Guardian, 2012年1月6日)。

この結果、首都マプートでは、2010年9月に住民らの暴動が発生し、3日間にわたって首都機能が停止した。10人が死傷したこの暴動の原因は、直接的には食料価格高騰への貧困層の不満とされているが、根底には現政権やその周辺への強い不満があった。

その直後に起きた北アフリカ地域での「アラブの春」は日本でも有名であるが、その前にサハラ以南アフリカ各国で、広がりゆく貧富の格差や不正に対する民衆の不満が爆発的に広がっていったのである。ただし、モザンビークの場合、民衆の不満は都市部だけのものではなかった。

(2)農民の手から次々に収奪される土地

独立直後の1977年から16年間の武力紛争で百万人もの死者を出したモザンビークでは、人びとは1992年来の和平と安定を大切に生きてきた。全土が焦土と化した国を建てなおしてきたのはこのような人びとの弛まぬ努力であった。しかし、ゲブーザ政権の二期目以降の急速な海外投資の流入は、ごく一部の権力中枢の懐を多いに潤したが、大多数者を置き去りにしただけでなく、彼らの命と暮らしすらも犠牲にし始める結果となっている。

(略)

ランドグラッビングについては・・・・なかでも、モザンビークは世界5位に位置づけられ、216万ヘクタールが取引されている。なお、日本の全農地面積は456万ヘクタールで、モザンビークではその二分の一近くの土地が数年で投資家の手に渡ったことになる。世界銀行はこの現象について「ガバナンスの脆弱な国で起きている」と総括している(World Bank, 2010)。

 これらの多くの土地は、①鉱物資源開発、②バイオ燃料作物、③植林プランテーション、④大規模輸出用作物栽培のために、タダ同然の金額で外国企業に譲渡されている。このプロセスについて、モザンビークを事例として検討する。

新日鉄住金が進出する「アフリカ最大の石炭埋蔵量」を誇るテテ州、特に進出先のモアティーゼ郡には、多くの外資が進出し、地域の大半が鉱区に呑みこまれている様子が分かる(Human Rights Watch, 2013)。ヴァレ社では、2000家族の移転がなされ、これに抗議する住民らの運動は、今年6月には同社の石炭輸送路封鎖に至り、同社は操業一時停止に追い込まれた(Reuters, 2013年5月23日)。これに対し、警察が暴力的な介入を行う等予断を許さない状態が続いている。

三井物産が進出するインド洋沖の近くのカーボデルガード州パルマ市でも、住民との間で衝突が起きているが、その調査を実施しようとした研究者が警察に拘留されるなどの事態も生じている(Terra Vivaサイト)。

(略)

(3)小農らによるプロサバンナ事業への反発と強権化への抵抗
 このような流れの中で、「日本の耕地面積の3倍もの熱帯サバンナが広がるモザンビーク」への、援助と投資を組み合わせたプロサバンナ事業が華々しく打ち上げられたが、これに対し現地小農らの強い反発が表明された。

モザンビーク最大の農民組織(2,200組織の連合)であり、小農の権利を擁護するために1987年に結成されたUNACは、2012年10月11日にプロサバンナ事業に対し抗議声明を発表する(UNACサイト)。その後、この抗議にはモザンビーク社会を代表する女性・宗教・農民・開発NGOなど23団体が合流し、ついにTICAD V直前の2013年5月28日。「プロサバンナ事業の緊急停止」を求める公開書簡が、日本・ブラジル・モザンビークの首脳(首相・大統領)に宛てて発表される(Farmlandgrabサイト)。

これは、独立から38年間もの間同一政党が権力を握るモザンビークにおいて歴史的に例のない事態であり、先述の通り強権化しつつあるゲブーザ政権に対する社会の最初の明確な抗議として記されることとなった。

(略)

プロサバンナ事業は、日本では援助事業として捉えられがちであるが、モザンビーク社会では、現政権の二期目を象徴する「国民不在」「投資偏重」の「国民の権利を犠牲にしてでも私利を追求する国政」の象徴的事例として広く理解されてきた。

実際、ゲブーザ大統領のファミリー企業はブラジル企業と組み、同事業対象地(ザンベジア州グルエ郡)にて3000ヘクタールもの土地を取得し大豆生産に乗り出している。この土地を耕していた200を超える農民が得たものは、1ヘクタール当たり1600円程度の「補償金」であった(筆者の現地調査)。

このように、「農民不在の大規模農業開発事業」は、援助の問題を超え、モザンビーク政府の非民主的な政策形成、投資偏重の開発戦略の証左として現地社会では受け止められているのである。

現在、JICA等の日本政府関係者らは、「プロサバンナ事業=小農支援であり、土地収奪を行わない」と強調するが、農民らに抗議されるまで同事業と連携して立ち上げられることになっていたナカラ・ファンドは、同じ対象地(ナカラ回廊)で「30万ヘクタールの土地確保」を打ち上げ世界から投資を集めようとしている。

同事業の立案形成から現在まで主導権を握り続ける日本政府にとって、当初の想定を超える事態が次々に生じている。しかし、現地市民社会が求めるように、事業の中断も抜本的な見直しもできない理由として、日本政府関係者は非公式の声として次のように語っている。

「事業を中断したり見直すということは、他の投資案件でも中国の進出を許すことになる」。

これは、本年10月21日にモザンビーク国軍が最大野党党首の拠点を軍事攻撃し、22日に同党が和平合意を破棄するという政治・軍事的危機に対し、20を超える援助国の中で唯一日本、そして投資国の中でも中国が、ゲブーザ政権に対し声明を発表していないことに象徴されている。

一方で、モザンーク市民社会は国内各都市で大規模な平和マーチを実施し、政権への批判を強めている。

5.おわりに
以上、モザンビークの事例を通じて、「アフリカの光と影」の現在、そして日本との関係――とりわけ私たちの暮らしに不可欠な「食」「エネルギー」との関係――を明らかにしようと試みた。

「光」が全体を照らさず、ごく一部だけ輝かせ、闇を深めている様子は、アフリカだけのものではない。

ここ日本でも急速に貧富の格差が拡大し、「子どもの貧困」がOECDに加盟する先進国35カ国中9番目に高いとの結果が発表されている(UNICEF, 2012)。しかし、日本の一人当たりGDPはこれらの中で4番目に高いのである。つまり、豊かさは子どもに還元されていないことになる。

日本が今アフリカに対して行う援助や投資のアプローチの根本に、自国内での不平等の格差を「経済成長さえすれば」という論理で放置してきた昨今の現実が横たわっている。

モザンビークをはじめとする、アフリカの民衆の苦悩に日本も関わっている現実を知る一方で、彼女ら・彼らの苦闘から日本が学ぶべき時代が到来している。今鋭く問われているのは、3・11後の私たちがここ日本でどのような暮らしを紡いでいきたいのか、共にどのような世界を構築していきたいのかなのである。
[PR]
# by africa_class | 2014-01-09 09:09 | 【記録】原稿・論文

手作りのクリスマスプレゼントinドイツ

日本で限りなく悪かった体調も、日本を離れ、家族のもとでは大いに改善。やれやれ・・・です。

クリスマスというと日本では商業主義の発露。
でも、我が家ではなるべく手作りを大切にしたい・・・と話し合ってきました。
が、肝心の父親がこれを守れない・・・。
毎年買いすぎるプレゼントにいつも喧嘩。
が、さすが我が子はこれをしっかり守って、今年はほとんどすべてのプレゼンとが手作り!

去年末は義父が突然亡くなり、クリスマスを祝うという気分でなかったこともあり、今年のクリスマスは息子が1か月前から準備していました。

義父への悼辞
http://afriqclass.exblog.jp/16727188/

ドイツで「クリスマスとウサギ」というと、食卓にシチューとなって現れるもの。
我が家では、「6年前のクリスマスにやってきたウサコへのプレゼントの話」。
今年は、息子は室内用の新しい小屋をウサギに作ってあげてプレゼント。
色々な工夫のある小屋となりました。
(が、私の寝ている部屋においてあるのは・・・ですが)

沢山のものを作ってくれたのですが、ハーブ用の室内花壇のアイディアはとっても素敵。
a0133563_183478.jpg

現物はよりシンプルでしたが。

手作りキャンドルに手作りキャンドル台。
a0133563_110456.jpg

右が父親用。白くペンキで塗ってあり、左が私用。自然な感じにするためにわざわざ木のチップを貼り付けている。キャンドルも父親のものは分厚いやつで、私のは細いキャンドル。

猫にも沢山の手作りの品々が。

私からは工作用の材料を。
彼が大好きな江戸時代のデザインが沢山掲載されている本とともに版画の板を。

プレゼントを開けたその夜のうちに、いきなり版画を開始。1時間後の様子。
a0133563_1141786.jpg


翌朝一緒に墨を付けてみました。
a0133563_1172674.jpg


しかし、クリスマスを楽しむ直前の1時間前まで家は爆発後のような状態・・・。
狭い家に4名なので仕方ないとはいえ・・・依然大変な状態です。。。
a0133563_1195072.jpg


この最中に、11名の卒論執筆者の論文を読む日々ですが、今年は進みが遅いので年末年始が恐ろしい状態・・・。家族いわく、「毎年のことじゃないか」と。すみません・・・。今、卒論提出が止まり、かつ子どもたちが凧揚げにいったのでこんなどうでもいいブログを書いていますが。
[PR]
# by africa_class | 2013-12-28 01:28 | 【徒然】ドイツでの暮らし

政治利用される南スーダン紛争とアルジェリア人質事件、再考されるべきアフリカ資源国との付き合い方

メリークリスマス!
と楽しくいきたいところが、中東やアフリカで起きている殺戮や住民らの抵抗のことを考えると、なかなかそうもいきません。

1. クリスマスの世界の暴力
今朝、ローマ法王も、シリア問題、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、南スーダンで起きている事態が沈積化するように、世界の注目喚起と平和への対応を呼びかけました。
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-25514624

シリアのアレッポで政府軍が空爆を繰り返し400人の住民が犠牲になったとの情報も。
ヒューマンライツウォッチの記事。
http://www.hrw.org/news/2013/12/21/syria-dozens-government-attacks-aleppo

学校の近くが攻撃され子どもたちが犠牲になっています。
http://www.aljazeera.com/news/middleeast/2013/12/syrian-bombing-kills-children-near-school-2013122211955116895.html

クリスマスの朝だからこそ、同じような気持ちで祝えない子どもたちや家族のことを考え、少し時間を取って世界の暴力的状況について考える機会を設けてほしいと思います。

2.アフリカの紛争を政治利用する日本の為政者たち
何より、今日本のアフリカ関係者として特に考えたいのは南スーダンの状況です。

自衛隊がPKO活動のために同国に400名近く展開している(UNMISS)ことを受けて、この紛争自体が日本の国内問題と関連づけられる事態になっています。

自衛隊の停戦監視業務への参加の手法や武器輸出3原則が、「紛争地の現実にそぐわない」という主張により、拡大解釈の道を切り拓いていく可能性の問題です。

既に、銃弾の韓国軍の供与が、「こういう状態なら仕方ない」という事例づくりのために利用され始めています。これは今回日本の軍国化に警戒する韓国に対して行われたものだったために、韓国政府の以下の記事のような反論が出て、政治利用を難しくいていくでしょうが、これがもし日本の軍国化を後押ししたい他の国の軍隊への供与だったら、「日本政府と自衛隊に感謝する」という声明を出させることで、一気に日本国内の世論の誘導が行われたことでしょう。

■防衛相の同ミッション基礎概要資料
http://www.mod.go.jp/j/approach/kokusai_heiwa/s_sudan_pko/pdf/gaiyou.pdf

■南スーダン:日本が政治利用、韓国政府が批判…朝鮮日報
http://mainichi.jp/select/news/20131225k0000e030175000c.html
南スーダンで国連平和維持活動(PKO)実施中の韓国軍に対して陸上自衛隊が行った弾薬提供に関連し、韓国紙・朝鮮日報は25日、韓国政府が「日本政府がこの問題を政治利用している」として外交ルートで強い遺憾の意を伝えた、と報じた。韓国内では、日本の集団的自衛権行使容認に向けた布石ではないかと懸念する見方が出ている。・・・韓国政府関係者の話として、「国連南スーダン派遣団(UNMISS)を通じ、迂回(うかい)して実弾(弾薬)の支援を受けただけなのに、日本側が軍事的な役割を拡大する動きと結び付けようとしている」と伝えた。・・・韓国では安倍内閣の掲げる積極的平和主義への警戒感が強く、他の朝刊各紙も、韓国が積極的平和主義を「正当化」する役割をしたなどと報じた。

今、自衛隊の「撤退」「継続」が議論されています。
ここにも憲法改正につなげる政治利用の意図が見え隠れします。

冷戦が終わるまで、自衛隊の海外派遣は憲法上問題があるものとして認識されてきました。それを可能としたのが、国際平和協力法の制定でした。その際、以下の基本方針が決められ、以下の原則のもとでPKO(国連平和維持隊)への参加が可能となりました。

PKO参加5原則:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/pko/pko_sanka.html
1.紛争当事者の間で停戦合意が成立していること。
2. 当該平和維持隊が活動する地域の属する国を含む紛争当事者が当該平和維持隊の活動及び当該平和維持隊への我が国の参加に同意していること。
3. 当該平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。
4.上記の基本方針のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から参加した部隊は、撤収することが出来ること。
5. 武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること。

今回の南スーダンへの自衛隊も以上の原則に基づき派遣されたものでした。しかし、今回冒頭の1.が破たんしています。つまり、合意原則違反となっています。

しかし、憲法改正を狙う現政権は、南スーダンで生じている不幸を使って、この原則自体を反故する可能性があります。国連事務総長により6千人の増派が要請される中、「撤退は許されない」という声が大きくなることと思われます。

勿論、南スーダンの事態を放置していいという話ではまったくありません。しかし、日本政府やメディア、日本市民は、例えばこの間コンゴ民主共和国や中央アフリカで起こっている悲劇に対して、これほどまでに注目してきたでしょうか?政治的に高いレベルで話し合ってきたでしょうか?

南スーダンで生じている事態は深刻で、直ちに対応が不可欠ですが、南スーダンだけで生じているわけでも、今日いきなり始まったことではありません。なぜ、今、このように注目されているのか・・・自衛隊がそこにいるからでしょうが、「存在」だけのせいではなく、今まさに日本国内で現政権により憲法改正が狙われているからにほかなりません。

日本においては、アフリカの悲劇・紛争すらも、政治利用のネタなのです。

3. 同じことはアルジェリア人質事件でも

同様に、自衛隊機の海外派遣、特定秘密保護法においても、アルジェリア人質事件の政治利用がみられました。 海外での緊急時に自衛隊による在留邦人の陸上輸送を可能とする改正自衛隊法が成立したわけですが、これについては既にこのブログでも書いた通りです。

■アルジェリア人質事件で自衛隊法改正?「火事場ドロボー」の責任回避、「世界民衆から嫌われる日本」への道
http://afriqclass.exblog.jp/17198314/

そして、懸念した通り、政権の責任などはどこ吹く風で、どさくさに紛れた自衛隊法の改正がありました。
さらに、「米国や英国政府からこの事件に関する情報が得られなかったのは日本の機密情報の保護法が穴だらけだから・・・」などと、実しやかに主張され、「外国にいる邦人保護」などといって特定秘密保護法が成立してしまいました。

しかし、思い起こしてほしいのは、これらの政府の中で人質事件の発生を事前に察知して予防のための方策を講じていた政府など皆無であったということです。人質事件は予防されることなく発生し、起きた後も止めることは不可能でした。つまり、「邦人保護」と「機密情報の融通」は無関係だったのです。

むしろ、はっきりしたのは現地日本大使館や外務省、官邸の危機意識、情報収集能力の低さでした。これは、「諜報情報」ですらなかった。現地事情の把握、分析、理解・・・のことであり、その仕事は軍事以前に政治・社会的なものでした。

なぜなら、アルジェリアは1992年の選挙に端を発した内戦が、完全には終結したとはいえない状態のまま、リビアの内戦の影響を強く受けて反政府勢力が力を盛り返しつつあったからです。
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-14118852

もちろん、日本大使館にアラビア語話者がほとんど皆無であり、エリートが使うフランス語だけを使って情報あるいはコミュニケーションを取っていたことも大問題でした。しかし、外国メディアですら、アルジェリアの政治・軍事的リスクは明確に報道していたわけで(以上記事)、対して苦労することなくこれらの情報は入手可能でした。しかし、このようなリスクの中で、日本企業も進出し、現地大使館はあいかわらず政権関係者とばかりつきあって、それでよしとしていた。

1992年の選挙は、イスラム教系の党の勝利でした。フランスとの植民地戦争を戦った現政権(FLN)は、それを「無効」として、内戦が始まりました。つまり、アラビア語の理解がなく、フランス語あるいはフランス語話者の政権関係者を通してアルジェリア情勢を理解し続ける限り、大多数者の想いや動向に鈍感になるということなのです。

他方、アルジェリアは豊富な石油とガスによって、外資の流入を受け、利権により豊かになる政権中枢の一報での大多数者らの貧困が社会問題として浮上していました。そんな中、2011年に食料価格の高騰を受けて、治安部隊と民衆が衝突が起こりますが、これを政府は非常事態宣言が出して力でねじ伏せようとしました。「アラブの春」とリビアの政権崩壊は、この国の社会情勢をさらに不安定化させ、それに乗じた反政府勢力の侵入を容易にしたわけです。

日揮の社員が、空港からプラントまで政府軍のエスコートを受けなければならなかった事実を、もう一度考えてみましょう。そのような国に出て行って、ビジネスをするということの意味を、「自衛隊機の派遣の有無」「機密情報の共有」という狭い議論に押し留める問題を、今一度考えてほしいと思います。

本当に日本企業や邦人がターゲットになりたくないのであれば、どうすればいいのか?なぜ、世界は日本の人間にとって以前よりも危なくなっているように感じるのか・・・そのことのルートコーズ(根本原因)を考えることなしに、日本の世界との関係の仕方の問題を問い直すことなしに、いくら日本の文脈で議論しても、将来の危機を予防することにはなりません。

これは、「日本人のきき」の問題に留まらず、現地社会に暮らす圧倒的多数の武力とは関係のない、むしろそれによって犠牲になる一般市民、とりわけ女性や子どもたちの直面する危機の問題に直結しているのです。自衛隊を派遣するか否か、駐留させるか撤退させるか・・・以前に、やれることがあったはずです。

それは、「紛争を増長するような政治経済社会体制を支援しない」=Do No Harmです。


4.南スーダンの悲劇を「部族衝突」とする単純さと問題

アルジェリア危機も、南スーダンの危機も、もうずっと長い間危機状態にあるコンゴ民主共和国の危機も、豊富な天然資源との関係が深いです。

結局のところ、資源が豊かな国で、民主的な統治が実現困難となっている事態・・・と問題は直結しています。これは、単に民主主義の定着・・・といった政治学上の概念の問題ではなく、資源を外国資本に譲渡する権利を有している「現政権」による腐敗と癒着、不正・・・が、結局は不満を抱える民衆の反乱や蜂起を押さえ込むことを外資・外国政府が暗に期待し、治安維持と称する政治暴力を積み重ねていることと関わっています。

つまり、非民主的な統治という社会・政治問題を抱える資源国に対して投資を行う企業や国々自身の問題なのです。問題は、ブーメランのように跳ね返ってきているわけで、そのことを抜きにいくら「危機管理」をしようとも、不正義の放置のままでリスクが減るわけではありません。むしろ、危機は高まっていくのが、歴史が示してきたことです。

ましてや、アルジェリアもスーダンも戦争を経験してきた国でした。

南スーダンの現在の事象を「部族衝突」として、「部族が違うから殺し合うのだ」と理解を単純化することは、なぜ今回の衝突が起こっているかの真の原因から目をそらさせます。さらに、このような単純な認識が、この事態に対し、「和平に協力する」といって身を乗り出す勢力が、実の所「紛争原因を創り出している主犯」でもあることを忘れさせてしまいます。

今回の南スーダンで生じている暴力対立の原因を、アルジェリアと同じような視点で分析し直すとみえてくることは・・・・南スーダンの多民族状況と同様に非民主的な統治の問題が明確になります。

このような事態になる前に、南スーダン政府の腐敗の問題はよく知られてきたことでした。
南スーダン政府の汚職度は175カ国中173位。
http://www.transparency.org/cpi2013/results
南スーダンより悪い国々は、スーダン、アフガニスタン、北朝鮮、ソマリアだという点に深刻さが明確になるでしょうか?

私が、南北スーダンの問題と「新生国家」南スーダン政府の汚職問題に危惧するようになったのは、土地収奪(ランドグラッビング)問題に関与するようになってからのことでした。何故なら、南スーダンは、世界で最も広い面積の土地を取り引きされた国の第3位、アフリカ大陸で1位の国だったからです。その面積は、実に350万ヘクタール(日本の農地面積は456万ヘクタール)で、独立して未だ3年も経っていないのにもかかわらず・・・です。
http://www.landmatrix.org/get-the-idea/web-transnational-deals/

このことは、当然ながら、紛争後の国の民主統治上の問題を想起させます。しかし、この間、南スーダン政府の腐敗の問題、非民主的統治の問題について警鐘を鳴らす分析者の数は多くはありませんでした。特に、同政府内で進む同一エスニック集団によるドミナンスは、長い戦争から独立を果たしたばかりの南スーダンにおいて危険な行為であることは明らかでした。

2013年2月22日の以下の記事はその中でも、この問題を先取りした良い記事でした。ここでは、南スーダンで、民主主義や表現の自由が後退していること、政権を批判する人びとへの弾圧、人権侵害、暴力が指摘されており、それへの政府治安関係者の関与が言及されています。そして、南スーダンが分離独立した(北)スーダンの政府と変わらない・・・ことが指摘されています。しかし、次から次へと市民が消えているのに、人びとは恐怖のためにこのことを話さない・・とも。

■世界で最も新しい国・南スーダンで生まれる恐怖
Fear stalks South Sudan, the world's newest country
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-21548477
David De Dau, who campaigns for freedom of expression in the capital, Juba, says the optimism of just a short while ago is fading fast amid widespread government repression, continuing violence and abuses of human rights against those who criticise it.

"The whole society, the whole community is traumatised. People are living in fear.
"People are losing trust in the government they voted for."
人びとは、自らが投票した政府に対する信頼を失っている・・・と。
英国政府は、援助の停止を検討したもののこの時点ではオプションではないとしていました。

世界はこの間、何をしていたのでしょうか?
日本政府はこの間、南スーダン政府についてどのように対応してきたのでしょうか?
日本のNGOは?
研究者は?
今年、共同研究会で、南スーダンでの国際研究大会が開催されたのですが、その時このような点について議論されたのでしょうか?
残念ながら、私もまた、このような事態に疎かった・・・と認めるしかありません。

しかし何より、南スーダンに集中する石油資源目当てに、南北スーダン戦争と同国の分離独立を支援してきた米国政府の対応が、問われるべきでしょう。SPLAへの大きな影響力を持つ同国政府は何をしていたのでしょうか?

現在起きている事態について、「部族衝突」という単純化された話が繰り返されています。こうすることで得するのは、「出口のない衝突だから世界平和のために現地で軍事行動を強めなければならない」という前提のもとに潤う人達です。政権中枢への批判勢力の封じ込めの治安部隊や政府軍の暴力が放置されることで報復に次ぐ報復がおこっていった・・・ことを忘れてはならないのです。

現象として起きている「エスニックな大量殺戮」について、「」なしで論じることの問題はまさにここにあります。以下にもあるように、治安部隊によって殺戮がなされたことが指摘されていることは重要ですが、当初の日本の報道にはこのような指摘はほとんどありませんでした。

■South Sudan sees 'mass ethnic killings'
(2013年12月24日)
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-25502457
The violence follows a power struggle between President Salva Kiir, a Dinka, and his Nuer ex-deputy Riek Machar.
A reporter in the capital, Juba, quoted witnesses as saying more than 200 people, mostly ethnic Nuers, had been shot by security forces.

本来は政治問題だった問題が、こうやって放置される中、軍事問題と化していった事実を抜きにして行われる議論こそが、問題の真の解決を難しくしていきます。

ようやく以下のような報道も出てきました。
「石油収益、第三者預託を」 南スーダン政府と対立の前副大統領
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131224/mds13122412380006-n1.htm
南スーダンのマシャール前副大統領は23日、同国の石油収益は政府ではなく第三者に預けられるべきだと、ロイター通信などの電話取材に対して語った。政府と対立するマシャール氏の支持派は、油田地帯の北部ユニティ州の州都ベンティウを掌握している。 マシャール氏は、政府が拘束した自分寄りの政治家を釈放すれば、政府との交渉に応じるとの意向もあらためて表明した。(共同)

勿論、反政府勢力の武力行使も許されるものではありません。しかし、「部族衝突」という見出しをつけて、問題を矮小化することによって得られる解決の道は、中長期的にみて狭められるだけになります。

なお、ガーディアンに掲載されたAlex Vinesの記事はとても的を得たものだと思うので紹介しておきます。論旨は以上の私のものと同様です。要は、現政権が過去18か月間にどんどん権威主義化を進めてきたこと、エスニックな様相が動員されていること。エリート間の権力闘争であること。公平なる分配が可能な国家形成こそが重要なこと。
http://www.theguardian.com/commentisfree/2013/dec/26/halt-crisis-south-sudan-civil-war?CMP=twt_gu
・Kiir has become increasingly authoritarian over the past 18 months and his total ministerial reshuffle in July improved nothing.
・An elite power struggle within the tiny leadership looks to be drawing the whole country into a full civil war that is rapidly developing ethnic dimensions. There seems little that outsiders can do about this currently except contain the crisis and encourage South Sudan's political leadership to step back from the brink and re-focus on building a viable state that will benefit all their citizens.

5.アフリカの資源国政府とどう付き合うべきか
アフリカの資源国で現在起きている事態、あるいは今は武力紛争が起きていないものの、いずれ起きる可能性が高い国々が出てきていること・・・について、資源に依存して暮らす日本の私たちこそ、注目していくべきでしょう。

しかし、今年のTICAD V(アフリカ開発会議)や安倍総理のアフリカ訪問が、「資源外交」の一環に位置付けられることにあるように、日本政府は相も変わらず「現政権と仲良くすればそれでいい」外交を基本としています。これは、政治リスクが高まりつつあるモザンビークのゲブーザ政権との関係でも明白です。
詳細→
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-62.html
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-64.html

非民主的統治、そして民衆の不満や批判的市民の弾圧・・・は、次なる危機の明確なサインであることは、もはや明らかです。アラブの春以降は、もっとこのリスクは大きくなりました。腐敗政権と無批判に握手すること、資源さえ入手できればそれでいいと考える投資や援助・・・は、現地社会に悲劇をもたらす一助になるとともに、日本の国民の危険を高めるだけです。

いい加減、日本の外交がこのような現地情勢分析を、現政権を通じてではなく、圧倒的多数の民衆側からなされるよう転換するべきですし、公正なる社会の実現二向けて投資も援助も対応していくにはどうすればいいのか・・・深く検討されるべき時がきています。勿論、日本だけでできるものではありません。かといって、モザンビークの事例でみたように、日本は中国とインドと同じような民主主義にも和平にも公正なる社会の実現にも興味のないドナー&投資国として理解されていることを、猛省すべきです。

でなければ、第二のアルジェリア事件が生み出されることでしょう。

以上、南スーダンとアルジェリアの事件を踏まえ、日本の我々がどのように世界の紛争を考え、付き合っていくべきか・・・政府や報道の言葉を表面的に追うことの危険を知り、見破るヒントになれば幸いです。
[PR]
# by africa_class | 2013-12-26 01:04 | 【学】戦争/紛争/暴力・平和論

来年の大統領選候補発表と批判的市民社会の政治弾圧

急ぎ、情報提供。

0. グルエの選挙結果はMDM勝利との主張と報道

Mozambique News & Clippingsの最新号によると、
1票差でFRELIMO候補となっていたグルエ市長選ですが、選挙監視委員会で再開票があり、理由なくMDM(Antonio)票40票がFRELIMO候補者(Jussub)の票とされたようです。この市ではパラレルカウントが全部の投票所で実現しており、パラレル開票でもMDMの勝利となっています。各地で不正が行われたとの報告や報道があがっており、MDMも結果について異議申し立てしていますが、現状で圧倒的多数を占める選挙管理委員会の与党側・寄り構成により、結果が覆ることはなさそうです。(レナモはこの選挙管理委員会の構成が与党に有利すぎるといって選挙をボイコットしていました)

MDM: Jussub 6626 António6679(MDM独自)
PVT: Jussub 6626 António 6678(パラレル開票)
CDE: Jussub 6695 António 6669(郡レベルの選管)
CNE: Jussub 6735 António 6629(国家レベルの選管)

1.大統領候補
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-64.html
与党FRELIMO党の大統領候補は、現在のゲブーザ政権を継承する3名の大臣・首相経験者の名前がリストアップされており、内2名が内務省大臣や防衛大臣経験者。モザンビークにおける民主主義・言論の自由の危機は悪化する可能性が高いです。

背景の詳細は、12月6日の以下の報告を。
「緊急勉強会「安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること~和平合意破棄後の援助、投資」
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-62.html

ずっと大統領候補が決まらなかったのに急にきめられたのは何故か?
政権批判が強まったこと、地方都市選挙で思いの外MDMに手こずったこと、ネルソン・マンデラ夫人のグラッサ・マシェル待望論が強まる前に(彼女が南アにいるうちに)、候補を確定してしまいたいこと・・・等理由はあるものと思われますが、現政権の路線を堅持するために、今あらゆる手が打たれています。

2.言論の自由と政治弾圧
モザンビークからの情報で、ゲブーザ大統領を批判していたカステロ・ブランコIESE研究所所長、独立系新聞のCanal de MozambiqueとMediaFaxに対し、政府からのあからさまな弾圧が始まっています。その他、モザンビーク国立大学エドゥアルド・モンドラーネ大学のアフリカ研究センターのTeresa教授への脅迫も広く知られる事態となっています。

以下、詳細記事。
Canal de Mocambiqueに、人権リーグのALice Mabotaの声明あり。
https://www.facebook.com/CanalMoz/posts/572614702807631

続報
CanalaMoz
Canal de Moçambique ouvido hoje na Procuradoria-Geral da República
numero 1107 | Maputo, Sexta-Feira 13 de Dezembro de 2013
記事を要約すると、検察が、Castelo Brancoが、「大統領が国をカオスに導いている」「状況をコントロールしていない」と公に書いたこと、これら2紙が記事を掲載したことを「犯罪」として検挙しようとしているとのことです。これについて現地の批判は高まっており、以上人権リーグは、検察が大統領府の政治アジェンダのために動いていて、本来市民のために仕事をすべきなのにするどころか、政権と与党のために政治弾圧をしていると述べていると書かれています。

3.まとめ
要は、来年の大統領選を前に、政権に批判的な意見をする知識人、市民社会、それを掲載するメディアを委縮させ、声が挙げられないようにしようという意図が明らかです。

モザンビークは残念ながら「開発独裁化」を強めています。
そしてそれを支えているのが、日本・中国・インド・・・という状態。
詳細は、12月6日の報告をご覧ください。


===========================
MOZAMBIQUE 237
News reports & clippings

12 December 2013

tinyurl.com/mozamb
==========================

Criminal action against
Carlos Nuno Castel-Branco

The Maputo city Attorney General's office has opened criminal proceedings against Carlos Nuno Castel-Branco, the highly respected academic and founder and research director of IESE (Instituto de Estudos Sociais e Economicos, Institute of Social and Economic Studies). He is accused of insulting the head of state, President Armando Guebuza, in an open letter published on his Facebook page and subsequently widely republished..

According to Mediafax yesterday, its editor, Fernando Mbanze, and the editor of the weekly Canal de Mocambique, Fernando Veloso, have been told to appear at the Maputo city attorney general's office on Friday morning to answer questions. Both published the open letter.
[PR]
# by africa_class | 2013-12-13 10:41 | 【情報提供】モザンビーク

【共有】ODA政策協議会(13年12月9日)NGO「ProSAVANA事業」報告資料

昨日(2013年12月9日)NGO・外務省定期協議会ODA政策協議会での報告事項「ProSAVANA事業」についてのやり取りと資料を貼り付けます。

====================================
NGO・外務省定期協議会 ODA政策協議会
報告「ProSAVANA事業」やりとり
2013年12月9日(於:外務省)
====================================
*議事録ではなく簡易記録ですので、議事録は後日外務省HPをご覧ください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/

■外務省:
・事業の目的、問題意識について共有が出来、双方ともに同じ方向性(小農支援)ということで確認できている。日本のNGOから、影響を受け得る地域の人びととの対話をじっくりと実施してほしいということで、それを三角協力のために当該国政府だけでなく、ブラジル政府にも働きかけた。また、この対話の仕方とペースについて、NGOから問題提起があったため、一部見直している。その結果、現地での対話は進んでいる。日本では、12月18日にはもう一回意見交換会を開催するが、テーマについても進展がある。

■JVC渡辺直子:
(1)この1年に6回の意見交換会を開催してきた。
(2)12月の経緯は、現地農民組織(UNAC)からのプロサバンナ事業への抗議声明があったため。
(3)12月14日の協議会の発表と提言は次のようなものであった。
対話の問題
事業の方向性の問題(ブラジルのセラード開発の成功を参考にする等)
内容について検討
(4)対話の重要性は理解してもらえたが、残念ながら対話のあり方は悪化していった。「対話」の強要がなされ、現地からみて対話のあり方が改善されていない。
(5)これを受けて、本年5月に23団体が署名する形で「公開書簡」が出された。ブラジル、モザンビークの大統領、日本の総理に手渡されている。
(6)これらの事態を受けて、8月には協議会に参加してきたNGOの5名が現地調査に行った。
(7)そこで分かったことは、現地では土地収奪がすでに生じているということ。人びとの権利がすでに守られていない中、現状のような「対話」のあり方が続き、事業の中身が見直さないのであれば、問題は続くのではないかと考えた。
(8)これを受けて日本のNGOとして要請文を出している。
(9)同じ時期に、(プロサバンナ)事業地であるナンプーラ市民社会から抗議声明が出されている。声明では、事業の内容についてコメントが出るとともに、対話のあり方が悪化していることについて抗議声明が出ている。
(10)こういった中で、1年間を振り返りたい。
(11)確かに前進もあった。貴島課長の言及通り、「小農のための支援である」という点で合意したという点は評価される。
また、意見交換会で明らかになったように、前段階において「対話がなかった」という点についての共通理解があった。だから対話をすべきという点についても合意された。
そして、(意見交換会で)軌道修正が必要であろうという発言も評価。
これら3点については前進だった。
(12)一方で、課題が残る。
例えば、去年12月から意見交換会が始まっているが、今年の9月に現地にコンセプト・ノートが出されている。しかし、このノートでは、最初の事業の方向性と変化がなく、投資を呼び込み農業を近代化していくというものになっており、改善されているようにみえない。したがって、現地では不安が感じられている。
(13)各種声明や要請文への回答頂いていない。これについては意見交換会で外務省から「待っているところ」という返事があった。
(14)また対話の進め方については、先程もナンプーラ、マプートの市民社会と協議を行っているという話だった。しかし、現地に一昨日までいったが、現地の市民社会等は対話のあり方に不安を覚えている。したがって、状況は改善されていると認識されていない。

補足
(1)現地では政情不安な状態。和平合意が破棄され、大半の援助国が声明を出しているにもかかわらず、日本はドナーとして唯一声明などを出していない国になっている。
(2)このような厳しい政治状況の中で、現地状況を十分把握し、現地の市民社会がいまだに不安をかかえている対話及び事業のあり方等を検討していく必要があり、引き続き意見交換会を行っていく意義は高いと考えている。これまで外務省、JICAの皆様にはお忙しい中お時間をいただき感謝している。引き続きお願い申し上げたい。

=====================================

NGO・外務省定期協議会 ODA政策協議会
報告「ProSAVANA事業」資料
=====================================
Ⅰ.2012年12月14日協議会をふり返る
Ⅱ.その後1年間に起こったこと
Ⅲ.結論
と提案

【配布参考資料一覧】
①ProSAVANA事業に関する日本内外の評価(研究・報道・市民社会)(12月8日現在)
②2012年12月14日協議会配布パワーポイント資料
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/pdfs/seikyo_12_0203.pdf
③年表:ProSAVANAにおける農民・市民社会組織との「合意形成」の課題(11月8日現在)
④モザンビーク23組織「3カ国首脳宛 ProSAVANA緊急停止要請公開書簡」(5月28日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
⑤ナンプーラ州市民社会プラットフォーム「プレスリリース(ProSAVANA抗議声明)」(9月30日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-45.html
⑥日本36組織「プロサバンナ事業の中断と抜本的見直しを求める緊急声明」(9月30日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-44.html
⑦第6回意見交換会配布資料(11月25日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-61.html

I. 2012年12月14日協議会をふり返る
2012年12月14日の協議会で議題「ProSAVANA事業」に関し、以下の問題提起を行うとともに、議論し、提言を行った。 【配布参考資料②:当日配布パワーポイント資料 】

12月14日の問題提起のポイント(パワーポイント・議事録まとめ):
議事録→http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/pdfs/seikyo_12_2g.pdf
1.現地最大の農民組織(モザンビーク全国農民連合/UNAC)からの2012年10月11日付け「ProSAVANA批判声明」を受けた問題提起
(1)主権者である現地の農民の主権を無視して計画・立案・実施
(2)ブラジルやその他のアグリビジネスによる土地収奪の危険を高める事業
(3)説明責任と透明性が欠如(情報開示も不十分)
(4)輸出向け大規模生産でなく、小規模農業による国内向け食料供給を優先すべき
<=UNACに留まらずかなり多くの組織も同様の懸念と疑問

2. 現地事情を把握しないままに「ブラジルの成功の移植」を喧伝、傷を深める

3. アフリカ、特にモザンビークは最大の土地収奪のターゲット国
(1)三角協力のブラジル・アグリビジネスのモザンビーク進出を支援
(2)日伯官民合同ミッション(2012年4月)後のブラジル関係者の理解
ProSAVANA事業=「広大な土地確保」「入植者をバックアップ」
(Luiz Nishiimori議員・ブラジル側団長)

4. 外務省の回答文章「話を聞いている」「対話している」との主張の根拠の問題性
(1)外務省側のいう「参加」「対話」の根拠(2.(1), 2(2))は全て、根拠とならず。
①「大・中・小規模農家20世帯に調査」←400万人の住民(大半小農)
②「UNACは11月のMTGに参加し、発言」←抗議声明出た後。抗議と質問のための参加・発言を内容に触れず。
③「本年8月JICA環境社会配慮担当者がUNACを訪問し直接説明」←「参加/対話ではない」上に、UNACが要請。この直後の10月に抗議声明が発出。
(2)11月22日の首都でのマスター・プランに関する会議にはORAM以外招待されず。(招待状は2日前)(UNAC「裏切られた想い」)

5. 外務省回答にも見られる、現地農民組織・市民社会対応の問題性
(1)UNACが抗議声明を出すまで現地農民(組織)・市民社会との合意形成はまったく念頭におかれず、試みられず。
(2)問題化した後も、正当化・反論根拠を集めるための「対話」のアリバイ化に注力。合意形成を目指す姿勢ではなく、「数として参加していた」ことに焦点。
(3)「(UNACの声明に対し)モザンビーク政府にアクションを起こしてもらう」として、異論を唱える農民組織や市民社会への弾圧を招きかねない発言を行う。

6. 以上の計画・内容・進め方の問題が、現地社会に不信感・疑念・憤り
結果的に、現地市民社会は日本の援助・JICAを「不透明で疑問だらけの住民主権や民主化に後ろ向きな存在」として認識。

提言(2012年12月14日のパワーポイントから転載)
イ)今まで(現地で問題化してなお)モザンビークと北部地域の主権者である農民・農民組織・市民社会を重視せず、軽視してきたことを、まずは認めるべき。
ロ)これまで現地での調査ややり取りを欠いた状態で、「ブラジル成功の移植」と宣伝し続けてきた傲慢さを認めるべき。
ハ)以上を猛省し、反論から逃げず、農民組織や市民社会との対話を積極的に行うことを約束してほしい。
ニ)事後的な情報伝達、ただ「聴きました」というだけの意見聴取でなく、決定に関わる議論であるべき。
ホ)市民社会の関与をプロジェクトの中で制度化する。
ヘ)農民らが一番恐れるブラジル農家・企業による土地奪取を、プロサバンナで認めないことを約束してほしい。

Ⅱ.その後1年間に起こったこと(2012年12月~2013年12月)
ProSAVANA事業に関する意見交歓会(NGO=外務省・JICA)
1. 次の日程で6回の意見交換会が行われた

第1回2013年1月25日、第2回2013年3月15日
第3回2013年4月19日、第4回2013年5月9日
第5回2013年7月12日、第6回2013年11月25日

2. 意見交換会の狙い
現地農民組織・市民社会組織の要請に基づき、日本の市民社会として、外務省・JICAから情報の把握・確認、議論を行い、共通理解を深め、ProSAVANA事業の改善を図る。

3. 意見交換会の形式
各回約1時間半ずつ、NGO側から質問書を事前に提出し、外務省・JICAがそれに答える形で行った。(成果と課題はⅢ.へ)

意見交換会以外の出来事
1. 出来事と現地農民組織・市民社会からみた理解

以下のとおり、この1年間の変化(出来事)と現地社会の受け止めを表にまとめた。*なお、本事業の調印以来の変化については【配布参考資料③】を参照。

年表
a0133563_17104058.jpg


*2013年9月~現在までの、ProSAVANA事業関係者による「対話の強要」については、「第6回ProSAVANA事業意見交換会」時の配布資料【配布参考資料⑦】を参照されたい。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-61.html

2.「ProSAVANA事業意見交換会」参加日本NGO関係者の現地訪問
(1)現地の実態と農民や市民社会の生の声を知るために、意見交換会参加4団体の5名が現地を訪問(2013年7月24日~8月18日)。対象3州の全てと19郡のうち8郡を訪問し現地調査を行った。

【調査期間】
2013年7月24日~8月18日(8月10日~12日は3班に分かれて調査)
【調査対象地】
本調査では、プロサバンナ事業で策定中のマスタープランで分類されるZone I~VIまでのすべての「ゾーン」を対象として現地訪問調査が行われた。
ニアサ(Niassa)州リシンガ(Lichinga)市、マジュネ(Majune)郡、クアンバ(Cuamba)市/ ナンプーラ(Nampula)市、ナンプーラ州モゴヴォラ(Mocovola)郡、メクブリ(Mecuburi)郡、リバウエ(Ribaue)郡/ザンベジア(Zambezia)州グルエGurue郡

【調査手法】
【1】3か国市民社会会議、北部での市民社会会議での参与型観察・現地新聞・プロサバンナや土地問題に関する文献等の資料収集
【2】プロサバンナ対象地域の農村訪問調査(政府関係者、農民組織、農村住民へのインタビュー、農地の訪問)<*3班に分割>
【3】首都並びにプロサバンナ対象地域の都市部での各種アクターへのインタビュー(政府関係者、市民社会関係者、JICA関係者、農民組織関係者、地元ジャーナリスト・研究者)
【4】ProSAVANA Development Initiative Fundの対象案件のモニタリング(JICA関係者による案内、個別訪問)

(2)首都とナンプーラ市では、ProSAVANA事業に関する市民社会の会合に参加し、市民社会内部の議論に耳を傾けるとともに、意見交換を行った。
(3)農村での調査の一方、会議、行政関係者や援助関係者との面談等約150名以上の人と話した結果、ProSAVANA事業は現在においても問題が多いことが明らかになり、9月30日の帰国報告会にて、「緊急声明 ProSAVANA事業の中断と抜本的見直しの要請」を発表した 。現在、36団体が署名【配布参考資料⑥】。
*詳細は、現地調査報告書(近日中に刊行)。

3. その後発生する現地の厳しい状況
*状況の悪化については、本年12月6日緊急勉強会報告 。
(1)2009年以降顕著となっていた二期目のゲブーザ政権の腐敗と民主主義の後退、そして強権化は、幅広い民衆の不満を生じさせた。これに対し、国家の武装装置(軍隊・警察)等を用いた政権の反論者や非協力者らへの暴力や威嚇が頻発。
(2)以下のとおり、本年10月21日、政府軍は野党RENAMO(元武装ゲリラ)の拠点を攻撃し、野党議員等を殺害、党首は逃げたままで、21年継続した和平合意がRENAMOによって破棄されている。国の中部と北部(ナンプーラ州・ProSAVANA事業対象地)にて武力衝突発生。
(3)同時に、都市部で繰り返し誘拐が発生。一部に警察の関与が認められ、3人が逮捕(内1名は脱走中)。特に、ポルトガル人や国際NGO関係者の誘拐は、現政権に批判的なポルトガル系モザンビーク人や市民社会への「脅し」として受け止められている。
(4)国連、米国政府、ブラジル政府、ヨーロッパ連合、19の援助諸国は両者に対し、政治問題を平和理に解決するよう声明を発表。(日本・中国・インド政府は声明発表せず)
(5)11月20日の地方都市選挙では、各地で第三野党への警察の発砲や逮捕による介入が頻発。広範な選挙不正も。
(6)政府や政策に異論を唱えると、暴力に巻き込まれるとの理解が市民社会に広がる。

Ⅲ.結論と提案
1.モザンビーク農民組織・市民社会組織との関係
(1)2012年10月11日のUNACによる抗議声明は内容においても妥当なものだった。
(*リーク報告書で明らかになったとおり、農民らの懸念通りアグリビジネス中心の土地収奪を伴う大規模農業開発が企図され続けていた。)

(2)しかし、抗議・異論・反対について、日本援助関係者らは、
①矮小化(「誤解」「情報伝達不足」)、
②軽視(「賛成者もいる」「反対は一部だけ」「1団体の意見に過ぎない」面談回避)
したばかりではなく、去年12月の協議会後も真摯に対応しようとしなかった。

(3)むしろ、その後の対応は、現地農民組織や市民社会関係者らから、次のように認識されるなど、現地社会に深い不信感を招いた。
①「情報操作」(過去の喧伝文句<土地・セラード/PRODECER・投資>のいつの間にかの削除の一方で市民社会の異論を「誤解」とすること)
②「嘘」(団体名削除・プレゼン差替え)
③「分断工作」(前述「賛成者もいる」との既成事実化、政府に近い者・団体の一本釣り、異論者の対話からの排除)

(4)さらには「モザンビーク政府にアクションを起こしてもらう」と強調し、現在強権化と暴力を伴った政権掌握を進める現ゲブーザ政権と、農民組織や市民社会とを正面衝突させる扉を、ドナー自らが開く結果となった。(対話の強要を自ら指揮する等)

*以上の4点は、「緊急停止公開書簡」「PPOSC-N抗議声明」【参考配布資料④⑤】
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-45.html

(5)抗議後、新たに約束された「土地は奪われない」「小農支援」「住民の食料生産を優先」も、農民を安心させるどころか、以下の事実によってますます懸念を深めさせる結果となっている。
①急に発表されたマスター・プランのコンセプト・ノートの中身、
②先述リーク報告書(ProSAVANA-PD, Report 2)の内容、
③現在ProSAVANA事業のコンサルタント組織としてマスター・プランを準備するブラジルのFGVによって立ち上げられたナカラ・ファンド(200億円)の計画、
④ProSAVANAが事業として含まれるG8New Alliance For Food Security and Nutrition(日本と米国政府担当)

(6)突然コンセプト・ノートが発表され、問題が多いことからこれについて意見する必要に現地社会は迫られている。しかし、そのことを指摘するために会議を持つと、「対話している=ProSAVANA事業は上手くいっている=ProSAVANA事業に賛成」と使われてしまうジレンマに現地の市民社会や農民組織は直面している。(聞き取り調査)

(7)結局は、「アリバイ作りの一貫としての会議への参加」が狙われていると現地では考えられており、不快感が広がっている。実際に、コンセプト・ノートを作成するにあたって作られた現地調査報告も農民集会の議事録も公開されず、同ペーパーの位置づけも明確ではなく、そもそもどこから何故このノートが出てきたのかも含め不信感は消えていない。

2. 日本での対話について(特に6回の「意見交換会」について)
(1)論点は当初、①農民主権、②土地問題、③食料安全保障(食料主権)の3点で開始した。しかし、意見交換が進むにつれ、最初の「農民主権」(すなわち農民との主権者としての合意形成)が最も重要であり、また問題の本質であることが明らかになり、その後は「土地問題」や「食料主権」問題にも触れながらも、終始一貫して「農民主権/農民参加」のあり方を議論してきた。

(2)これまでの意見交換で明らかになり、また外務省とNGOの双方で確認されたことは以下の5点である。
①ProSAVANAの目的は「小農支援」であること(第1回目で確認)、
②農民組織・市民社会の参加や合意形成のための対話が不十分なだけでなく、不適切な手法が含まれてきた一方、内容がコロコロ変わったり、不明瞭でかつ隠されている点や問題も多々あるため、農民達が強い不安の中に置かれている上に(第2回)、事態は深刻である(第3回)
③従って、計画の中身の軌道修正が必要か否か検討すべきであり、また農民に対する信頼回復が必要(第4回)、
④策定中のマスター・プランに関して、改めての現地調査と現地農民組織や市民社会との合意形成、そのための時間が必要で、それを待つべき(第5回)、
⑤モザンビーク市民社会の「公開書簡」に対する回答は、三政府で協議の上回答するが、回答を急ぐべきと理解(第6回)

(3)一方、これまでの意見交換会で意見の違いが明確になったもの、あるいは合意にいたっていない点は右の通り
①モザンビーク北部の小農や農村社会が直面する課題と現状についての理解
②モザンビーク北部の小農の支援のあり方についての考え方、
②抜本的な見直しをするための手続きとしての事業を中断するか否か、
③主権者であり主たるステークホルダーである農民の参加と対話のあり方、など。

(4)「意見交換会」の手続き上の課題と現状
①提示を御願いした資料や事前質問のうち、一部(時に大半)が当日まで準備されないこともあり、また当日の資料も不十分で、残念ながら必ずしも効率的な対話にならない場合もあった。
②関連資料について、2013年1月から過去4回の意見交換会で依頼をし続けたが、7月になって初めてその一部が「何の資料だったか」分からない形で数点提供を頂いただけで、JICA主催セミナーの一覧や式次第すら現在でも非開示のままである。
③現在、コンセプト・ノート作成の土台となるProSAVAN-PD事業(マスター・プラン策定支援)の報告書を分析のため要請している。(*12月18日の意見交換会でコンセプト・ノートの分析を披露することになっているが、これでは分析できず)

3. 結論と提案
(1)意見交換会は、現地の農民・市民社会組織の懸念や要望を、その背景を含めて日本の援助関係者に伝え、理解を深めてもらう点で重要な役割を果たしてきた。論点の明確化にも役立った。

(2)特に、「小農を支援する」との合意は中でも大きなものであった。

(3)しかし、この合意は、現実には同事業関係国・者全員に徹底されているわけではなく、また日本援助関係者が関与しているマスター・プラン(コンセプト・ノート)の前提や全体の枠組み、そしてその他の関連事業(ナカラ・ファンドやG8New Allianceを含め)は、「小農の支援」と言い難いもので、むしろネガティブな影響をおよぼしかねないという現地農民・市民社会組織の懸念は解消されていない。

(4)また、ここまで見てきたように、意見交換会でようやく共通認識となった「対話の重要性」が「対話の強要」に繋がる傾向が強まってきたことは、現地事情を考えると大変憂慮すべき問題である。

(5)以上から、ProSAVANA事業の進め方、中身についての齟齬は大きく、これを引き続き埋め、改善する努力が不可欠である。また現場(モザンビーク国内)が政治的に厳しい状況になりつつある中、現地の人びとに対して行われている事業や対話の強制は止め、事業の抜本的な見直しを現地の人びとと共に考えることが緊要である。そのためにも今後も意見交換会を継続する意義は高いと考える。

以上
[PR]
# by africa_class | 2013-12-10 17:12 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【ご報告】緊急勉強会:安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること~和平合意破棄後の援助、投資

少しご無沙汰しております。
風邪がひどく寝込んでいますが、溜まっている情報を布団の中から・・・。
また改めて書きますが、一点当日話したかったものの時間がなく話せなくて、後悔している点を。

同じ日にマンデラ元大統領の訃報を聞いて、アフリカの歴史が転換期にあることを肌身で感じました。
マンデラ大統領夫人のグラサ・マシェルさんは、初代モザンビーク大統領夫人でもあり、私の発表パワーポイントの最後に出てくるサモラ・マシェル大統領が今見直されていることについての話は、非常にアクチュアルです。

以下の勉強会では、モザンビークの話をしました。土井さんの話から、エチオピアの問題も明らかになりました。そして、現在の南ア。

自由と民主化、人びとの権利…それを目指して闘ってきたアフリカの人びとの闘いは、グローバルな経済利権や政治権力によって今、危機的な状況にあると思います。

何故、グラッサはマシェル元大統領の次にマンデラ元大統領と結婚したのか?
両者共に、黒人として初の大統領。そして解放闘争の闘士でした。
別の国の2名の大統領と結婚した初の女性であり、初代教育大臣。
グラサさんはモザンビークでFRELIMOを良くしようと努力されてきました。この間、繰り返しゲブーザ政権を批判されています。そのことを念頭におきつつ、是非視聴・ご覧ください。

(転送歓迎)
=================
モザンビーク開発市民の会も共催した【緊急勉強会】「安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること~和平合意破棄後の援助、投資」の報 告で す。

当 日は、国会議員3名(代理1名)、新聞・通信5社6名、テレビ2社、外務省・JICA・JOGMEG・JETRO8名、商社3社5名、コンサルタン ト2名、 NGO10名、大使館1名、一般企業1名、学生13名、大学関係者2名、その他…部屋のキャパシティを超える50名近くの方に来ていただきまし た。急な呼 びかけにもかかわらず、ありがとうございます。

パワーポイントなどは下記ブログにアップしています。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-62.html
また、IWJさんのお蔭で未だ無料で視聴が可能です。是非ご覧ください。
http://www.ustream.tv/recorded/41420190

モザンビークの「資源の呪い=アンゴラ化」「エチオピア化」現象が明確になりつつあります。

=================================
アフリカ・モザンビーク情勢の緊急勉強会
安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること
和平合意破棄後の援助、投資のこれからを考える
2013年12月6日(金)13時~15時 
参議院議員会館 1階 102号室

1. モザンビークでの石炭開発及びエチオピアでの援助によるHRWの人権影響調査の実例報告
土井香苗:国際NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」日本代表、弁護士
2. モザンビークにおける政治暴力の現在と投資・援助
舩田クラーセンさやか:東京外国語大学教員、モザンビーク開発を考える市民の会代表

問題提起の全文はこちら→
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-59.html
===================================

当日動画:
http://www.ustream.tv/recorded/41420190
無料視聴終了後は、IWJ会員はアーカイブから視聴可能です。
この間、すべてのモザンビーク関連の報告会を中継してくださっているIWJさんの会員になれば、過去のアーカイブもご覧いただけるので、これ を機 会に是非どうぞ。アフリカのことをこんなに丁寧に報じてくれる貴重なチャンネルであり、日本の草の根民主主義の定着に不可欠なチャンネルです。会 員になって応援しましょう!
http://iwj.co.jp/join/

・2013年2月25日 北海道でのモザンビーク全国農民連合のプロサバンナについての発表
・2013年2月27日 院内勉強会 モザンビーク全国農民連合代表と環境団体JA!のプロサバンナについての発表
・2013年9月30日 緊急報告会 日本ODAによるモザンビークの大規模農業開発事業「プロサバンナ」に関する現地調査報告・緊急声明の 発表
・2013年12月6日 緊急勉強会 安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること

【第一報告】
趣旨説明(森下麻衣子オックスファム・ジャパン)

【第二報告】
「モザンビークでの石炭開発及びエチオピアでの援助による人権影響調査の実例報告」
(土井香苗 ヒューマンライツウォッチ日本代表、弁護士)
*配布参考資料:
①「モザンビーク:鉱山開発に伴う立ち退き 食糧と水が不足」
http://www.hrw.org/node/121079
②「エチオピア 海外からの援助が弾圧を助長」
http://www.hrw.org/ja/news/2010/10/19

【第三報告】
「モザンビークにおける政治暴力の現在と投資」
(舩田クラーセンさやか 東京外国語大学教員)

*配布参考資料:
①舩田クラーセンさやか「ODA見返り論からの脱却を」『外交』2012年3月12号
②----------「アフリカの今と日本の私たちー天然資源と食、そして援助」『神奈川大学評論』2013年近刊
③高橋清貴「モザンビーク・プロサバンナ事業とは何か?」『Trial & Error』No.300 2013年3-4月
④渡辺直子「農民に向き合えない農業支援とは」『Trial & Error』No.301 2013年5-6月
⑤朝日新聞「眠れる大地【緑の実験】モザンビーク穀倉化計画」2013年5月6日
*回覧資料:
①アフリカNOW(アフリカ日本協議会機関誌)「現地調査からプロサバンナ事業を問い直す」99号2013年10月31日
②舩田クラーセンさやか『モザンビーク解放闘争史』御茶の水書房
③ーーーーーーー「モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題」 『国際政治』2013 年
④------(編)『アフリカ学入門』明石書店
⑤Sayaka Funada Classen, Origins of the War in Mozambique, Ochanomizu Shobo.
[PR]
# by africa_class | 2013-12-10 16:06 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

外大東北復興支援隊が石巻の中学校の校長先生をお招きしDVD上映会 12月9日

外大東北復興支援隊からのお知らせです。
是非一人でも多くの人に、「被災地の今と子どもたちの声」に耳を傾けてほしいです。校長先生の肉声、なかなかない機会なので是非。

(転載大歓迎)
=====================
DVD "Living Through March 11, 2011" 上映会のお知らせ

*日時 : 2013年12月9日(月) 16:00~17:30(5限)
*場所 : 東京外国語大学研究講議棟1階 114教室
*内容 : DVD上映、宮城県石巻市立蛇田中学校元校長 森俊英先生のお話
*主催 : 外大東北復興支援隊

2011年3月11日の東日本大震災の被災地である、宮城県石巻市で当時の学校の先生方や地元の市民団体の方々が中心となって制作された、「地震が起こったその時人々はどう動いたのか」被災された方々のお話をおさめた貴重なドキュメンタリー映画を上映いたします。

また、今回特別に石巻市から講師の方がお越しくださいます。
震災当時、石巻市蛇田中学校の校長先生をなさっていた森俊英先生です。
ご自身も被災され、その後の復興に大変力を注いでこられた方です。

震災のこと、忘れていませんか?
今一度、被災地の方々の生の声を聞いて当時を振り返り、震災について考えてみませんか?

講師の森先生方から、実際に震災当時と現在に至るまで石巻市の教室現場で行われて来た取り組みを伺うことができる大変貴重な機会です。
途中入退場も可能ですので、少しでも関心がある方は、ぜひ足をお運びください。お待ちしております。

お問い合わせ先 : 外大東北復興支援隊 tufs.tohoku<@>gmail.com

a0133563_13151913.jpg

[PR]
# by africa_class | 2013-12-02 13:17 | 【311】東日本大震災

緊急勉強会:モザンビークで今起こっていること~私たちの投資と援助(12月6日)

あっという間にもう今週!
現地事情は毎日変わっているので追うのが大変ですが、「私たちとモザンビーク」あるいは「私たちとアフリカ、世界」との関係を考えるとても重要なことなので頑張ります。30席しか一般向けに用意していないようなので、急ぎお申込みを。なお、同時中継もあります。

(転載歓迎)
===========================

アフリカ・モザンビーク情勢の緊急勉強会
安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること
和平合意破棄後の援助、投資のこれからを考える

2013年12月6日(金)13時~15時 
参議院議員会館 1階 102号室
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/moz20131206.html
===========================

1977年から16 年間にわたったモザンビークの戦争は、百万人の死者を出し、史上最悪の戦争の一つとして歴史に記され、1992年に終結しました。しかし、本年10月21日、モザンビーク政府軍が、最大野党RENAMOの拠点を急襲し、国会議員1名が死亡、党首は山中に逃れたままとなり、翌22日にRENAMOは92年の和平合意破棄を宣言しました。中部・北部の十か所以上で軍事衝突が起こり、死傷者がでています。

すでに、国連、EU連合、米国など20カ国の援助国政府、カトリック教会は、声明や談話を発表し、両者に対し武力を使わず政治的緊張を対話で解決するよう求めています。主要援助国で声明・談話を出していないのは日本政府だけです。影響は経済にも及び始め、リオ・ティント社等は、外国人スタッフの家族を国外に避難させています。

こうしたモザンビーク情勢急転の中、11月4日、安倍首相は来年1月9日~15日にモザンビー ク・ 南アフリカ・コートジボワールを訪問すると発表しました。

今年6月のTICAD V(第5回 アフリカ開発会議)の際、日本は同国と二国間投資協定を結び、日本企業が炭田開発、世界最大規模の天然ガス開発に着手する一方、北部ナカラ回廊ではODA「プロサバンナ」事業による大規模農業開発やインフラ整備が進められています。

しかし、現地では資源開発や大規模援助事業が住民合意のないまま進められることに批判が高まっており、さらに政治軍事衝突の最中に首相訪問が発表されたことに疑問の声が上がっています。平和を求める市民、数千から数万人が参加する平和マーチが5主要都市で行われ、独裁化する現政権には与党内からも退陣を
求める声が高まっています。11月20日に全国都市選挙が実施され、来年10月には大統領選挙の予定です。
 もはや日本から「遠い国」とは呼べないモザンビーク。

今何が起き、今後どうなっていくのかを共に考えます。どうぞご参加下さい。

◆報告
1. モザンビークでの石炭開発及びエチオピアでの援助によるHRWの人権影響調査の実例報告
土井香苗:国際NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」日本代表、弁護士
2. モザンビークにおける政治暴力の現在と投資・援助
舩田クラーセンさやか:東京外国語大学教員、モザンビーク開発を考える市民の会代表

◆日時:2013年12月6日(金)13時~15時 
  ※ 12時45分より議員会館 ロ ビーで入館票を配布
◆会場:参議院議員会館 1F 102号室

◆報告者プロフィール
土井香苗:
国際NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」日本代表。弁護士。
1998年東京大学法学部卒業。学生時、アフリカ・エリトリアで法制定ボランティア。2000年弁護士登録。国際法修士。2008年9月から現職。世界 中の人権侵害を止め、日本を人権大国にするため活動。著書に『"ようこそ"と言える日本へー弁護士として外国人とともに歩む』(岩波書店)、『巻き込む力』(小学館)

舩田クラーセンさやか:
東京外国語大学大学院教員、モザンビーク開発を考える市民の会代表。
1994年PKO国連モザン ビーク活動(ONUMOZ)後、アフリカの平和構築・政治経済・開発援助に関する研究・教育・市民活動に従事。国際関係学博士。主著に『モザンビーク解放闘争史』(御茶の水書房)、"Origins of the War in Mozambique"(African Minds)、「モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題」
『国際政治』。編著に『アフリカ学入門』(明石書店)。

◆共催:
(特活)アフリカ日本協議会、(特活)オックスファ ム・ジャパン
(特活)日本国際ボランティアセンター、Attac Japan、No! to land Grab
(特活)ピースビルダーズ、モザンビーク開発を考える市民の会

◆連絡先・申し込み:
(特活)アフリカ日本協議会 担当・斉藤
 メール:info<@>ajf.gr.jp  電話:03-3834-6902 FAX:03-3834-6903

 ※ 以下を12月4日(水)正午までに知らせてください
  1)名前 2)当日の緊急連絡先 3) 所 属 4)質問(あれば)

会場の関係で一般の皆さんは先着30名となっております。
ご希望の方は早めにお申し込み下さい。
また、当日はIWJで同時中継が行われます。あわせてご覧ください。
http://iwj.co.jp/
[PR]
# by africa_class | 2013-12-02 10:09 | 【記録】講演・研究会・原稿

特定秘密保護法案が衆議院を通過した翌日。日本の子どもたちへの懺悔と決意。

2011年3月11日に東日本大震災が起こって、そしてそのあと原発事故があって、そして事故が及ぼしうる被害を隠そうとした政府があって、それから原発は相も変わらず安全だという神話が出てきて、その度に、日本の子どもたちの皆さんに謝ってきたね。

そして、2013年11月27日。
「特定秘密保護法」という法案が衆議院を通過した翌日、
またしても、日本の子どもたちの皆さんに、謝ることになってしまいました。

まずは、この強行採決の様子を見て下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=p4fDVWqPbH8&feature=youtu.be
特定秘密保護法案の衆院・国家安全特別委員会で怒号の中強行採決の瞬間

こんな日が来ることを、
多くの人は予想していなかったといいいます。
でも、私は予想していた。

歴史を学んできたから。
だんだんこの国が、その権力中枢にいる人達が、権力を失う危険性を察知して、「うるさい市民」を黙らせることによって少しでも権力を堅持し続けようとするのを、間近でみてきたから。

自分自身が、そのような圧力に繰り返しあってきたから。このブログの読者であれば、そのことはよく分かるかと思います。この間、ブログに書けないことも沢山起こりました。これからも起こっていくでしょう。でも、人類の歴史においてよりよい社会や世界のために闘ってきた多くの人々、数々の試練を生きているアフリカの女たちが、そんなことで諦めてはいけないことを教えてくれるのです。これを読んでいただければ。
http://afriqclass.exblog.jp/18695532/

だから、繰り返し繰り返しその危険を述べてきたつもりだったし、大学の授業でもあえて「日中戦争における民衆の動員プロセス」を取り上げてきた。

この2年半はその可能性が増していく一方で、たくさんのことをしてきたつもりだった。
でも、全然力が足りなかった。
まったく、全然足りなかった。

世界で勝ち取られていく人びとの平和と民主主義の一歩、一歩。
あたかも日本が以前より「危ない状況」にあるかのように煽り、真逆に走って突き進む日本を、私たちは今確実なものとして、未来の世代に手渡そうとしている。

ナチスを経験したドイツが、別の道を歩み続けているのを知っているから故に、ますます私たちは一体何をやってきたのだ、何をやっているんだ・・・と自問自答する日々です。

ナチスドイツがやったこと、それと同じことをしようとしていることを看破した池田香代子さんの記事を読んで下さい。
http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51966844.html
「(ドイツの)ワイマール憲法がいつの間にかナチス憲法に変わった」というのは、麻生副総理の世迷い言だ。当時もっとも民主主義的だったこの憲法は、全権委任法の強引な成立で空文化されたのだ。改憲を回避し、からめ手から憲法を骨抜きにする。これが、「ナチスの手口」であり、安倍政権はここから「学んだ」と思えてならない。」

皆さんが大きくなったときに、「なんであの時もっと大人達はやってくれなかったの?」そういう時がくるでしょう。あるいは、もうその時の皆さんは、「国家に飼い慣らされる」状態で、気づきもしないかもしれません。このブログだってあるかどうかわからないけれど、その時のためにも、あるいは次の選挙の時のためにも、11月27日の前後に何が起きたのか、この映像を見て下さい。

http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1683
「アリバイ作りなのか」 秘密保護法・福島公聴会
ourplanet 投稿日時: 月, 11/25/2013 - 19:30
福島の皆さんが、全国の皆さん、そして未来の子どもたちのために、どれだけ身体と言葉を振り絞って、この法案を止めようとしてくれたのか。その言葉の一つ一つを、想いの深さを、その根っこにある深く刻まれた傷に、耳を傾けて下さい。そして、それが東京にいる私たちの「電気」・・・のために生じたことであったことを、そして全国有権者の関心の薄さのためであったことを、心に刻み込みましょう。

福島の桜の聖母短期大学教授二瓶由美子先生の言葉に心の底から同意します。(30分頃から)
「わたしたちも原発事故の加害者です。声を上げてこなかったから」
「学生を守る立場から、子どもたちを守る立場から、この法案に同意できない」
先生は、福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト立ち上げ時からご協力頂いてきました。大人としての責任を決して、「他人事」にせず、福島に暮らしながら自らを「加害者の一人」として呼び、皆のため献身を続ける先生に、今回も沢山を学ばせて頂いています。

昨日、外務省との「ProSAVANA事業の意見交換会」に出席した学生が、「先生、大人ってどうしてこんなに汚いのですか?」、と。切実な面持ちで。「この社会は、そんな汚い大人ばっかりなのですか?」と。本当にそう思って当然だよね。(このことについては別記事で)。返す言葉がないね。私たちの税金が、どんな人達のどんなことのために、どんな風に使われ、それがさらにどんな風に誤魔化されるために費やされるか。

でも、こんな濁流のような中で、小さな小さな小石であっても、そこにふんばり、頑張り続ける大人達がいることもまた、皆に伝えておこうと思う。人類の歴史が教えてくれるのは、こういう人達のがんばりが「最後の砦」であったこと、そして次の時代の学びに不可欠な「アンカー(碇)」であったことだから。

これを報道し続けてくれる小さな小さな市民のためのメディアが、Our Planet TVさんや、IWJさんやhttp://www.iwj.co.jp、田中龍作さんやhttp://tanakaryusaku.jp/、その他の皆さんの努力があったことを、知ってほしいと思います。

何より、市民たちが身体をはってこれを止めようとしてきたことを、大手メディアや政治家や政党らが動きが鈍い中、どれだけ沢山の市民たちが連日連夜活動してきたか、を。
http://fukurou.txt-nifty.com/himitsu/cat23621881/index.html

今、世界の国際機関や市民が私たちの将来を危惧して声明を送ってくれています。また紹介します。世界の目からみたら、日本が今突き進む道は、戦後「世界の中で名誉ある地位を得たい」との世界に賞賛されてきた憲法の精神を、かなぐり捨てる行為であり、驚き・嘆かれていることを、これこそが日本の安全保障を弱めていくことを、知ってください。
■国連人権理事会・特別報告者の批判
http://mainichi.jp/select/news/20131123k0000m030094000c.html
フランク・ラ・ルー特別報告者(グアテマラ、表現の自由担当)は22日、日本の特定秘密保護法案について「内部告発者やジャーナリストを脅かすもの」との懸念を表明、日本政府に透明性の確保を要請した。国連人権高等弁務官事務所(本部スイス・ジュネーブ)が報道声明で発表した。「内部告発者や、秘密を報じるジャーナリストを脅かす内容を含んでいる」と法案を批判。
■ヒューマン・ライツ・ウォッチ
http://www.hrw.org/ja/news/2013/11/25

友人との喧嘩を暴力が解決することを当たり前にする社会・・・を私たちは決してあなたたちに手渡してはならないと、心から思います。

====
ごめんね、
日本の子どもたち。
あなたたちの未来のため、
開かれた、風通しのよい、
間違った時には間違ったと認め、
批判を改善に役立てられ、
もっとずっと素晴らしい、
そんな国ではなく、
問題も、過ちも、何一つ口にできない、
暗黒の国家を、
手渡す一歩手前に、
私たち大人たちが、
平気でいて。

あなたたちのためにも、
諦めない。
諦めてはいけない。

一人の日本の大人の約束として。

ふなだくらーせんさやか
[PR]
# by africa_class | 2013-11-27 18:02 | 【311】未来のために

外語祭でゼミ生たちがアフリカ&東北・福島のお母さんの手紙などを紹介中。是非(日曜日まで)

ゼミ生たちの外語祭の展示・販売は今日から。

東京外国語大学文化祭
外語祭「世界は思いのほか、近い」
http://www.gaigosai.com/

1.アフリカ・ゼミによる学内提示&アフリカ物産販売&イベント
2.東北復興支援隊&福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクトFnnnPの展示&販売
3.野外でのファムカフェのルワンダコーヒー販売


と、盛りだくさんメニュー!
野外では、アフリカコースの学生たちのアフリカ料理・ドリンク販売もあります。

ぜひ、週末は東京外大にお越し下さい。
以下、彼らの宣伝です。

========================
1.アフリカ・ゼミによる学内提示&アフリカ物産販売&イベント
22日(金)~24日(日)までの3日間326にて教室展示を行います。
========================
今年は「すぐそこ!アフリカ」をテーマに、
日本ではあまりなじみのないアフリカの国々や文化のことをもっと知っていただこうと、写真いっぱいの旅行記やアフリカクイズ、民族衣装の展示や物販など様々な展示を用意したので皆様ぜひ遊びに来てください。

特別企画
23日(土)15:00~はモハメド・アブディン氏の講演会、
24日(日)11:00~と14:00~はenjoy africa folk(http://enjoyafricafolk.osonae.com/eafindex.htm)
によるジャンベ演奏会&レクチャー会を予定しております。

モハメド・アブディン氏は著書『わが盲想』が大人気のスーダン人作家です。講演会は同書に即した内容となっており、彼から見た日本のお話は、とても興味深い内容になっていると思います。

またジャンベ演奏会は前売り券250円・当日券300円を頂いてしまうのですが、プロの演奏を楽しみ、ジャンベレッスンを受けることも出来るので、絶対に後悔はさせません。

詳しくは
https://www.facebook.com/pages/Tufs%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%BC%E3%83%9F/331332757004219

=========================
2.東北復興支援隊&福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクトFnnnPの展示&販売
http://tegamifukushima.blog.fc2.com/
=========================
お手紙の展示紹介が、東京外国語大学文化祭「外語祭」にて行われます。今年7月に同大学にて行われたものの再展示です。外大東北復興支援隊様のご協力のもと開催されます。
以下、詳細です。

*お手紙の展示紹介@外語祭*
日時:11月23、24日(土、日) 11:00~17:00
場所:東京外国語大学 府中キャンパス
   研究講義棟 307教室
   団体企画「外大東北復興支援隊」内
アクセス:
・西武多摩川線「多摩駅」から徒歩約5分
・京王線「飛田給駅」からバス約10分
(詳細は「GAIGOSAI WEB」へ→http://www.gaigosai.com/access.shtml)
※入場無料。
※スタッフが常駐します。お気軽にお声かけください。
※前回の活動報告はこちら→http://tegamifukushima.blog.fc2.com/blog-entry-32.html

大勢の方々にご来場いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

=================
3.野外でのファムカフェのルワンダコーヒー販売

https://ja-jp.facebook.com/Femmecafe
http://ameblo.jp/femme-cafe/
=================
タイトルにもある通り、外語祭で私たちファムカフェが出店する「AFRICAFE」のメニューと価格が確定いたしましたのでお知らせいたします!

・ホットコーヒー              …¥200
・カフェモカ 
・スパイスラテ
・ハニージンジャーラテ           …¥250
・大人のカフェオレ(ホットコーヒーカクテル) …¥300
・ルワンダコーヒー(豆・粉)         …¥250

ルワンダコーヒーの味を活かしたカフェモカ、ジンジャーがほんのり香る優しい甘みのハニージンジャーラテはどちらも今年初のメニューです。また、ティーマサラを加えたスパイスラテや、ルワンダコーヒーを漬け込んだ自家製のリキュールを使用した大人のカフェオレは昨年に引き続き今年もご提供いたします。

ドリンクはすべてホットですので、急に寒くなりだした今の時期にまさにぴったりです。
「AFRICAFE」で心も体も温まること間違いなし!
ぜひぜひみなさま11月22日(金)~11月24日(日)は「AFRICAFE」@第91回外語祭にお越しください^^

================

がんばれ~学生たち!
そして、是非ご来場を。
[PR]
# by africa_class | 2013-11-22 10:19 | 【大学】アフリカゼミ(3・4年)

東日本大震災の被災地を訪ねて考える、「勝手な風化」に抗い、「共に食す」ために東北に通う意義。

フィリピン台風の被災者の皆さんにお悔やみ申し上げます。本当に、災害は止まるところがなく、胸が痛みます。子どもたちのことがとくに心配です。今どの団体を応援するかリサーチ中です。

少しご無沙汰しております。実は3月に再発していたPTSDが9月末に増悪化してしまい、厳しい毎日が続いています。我慢強いのが子どもの頃からの唯一の取り柄だった私も、自分の精神力でコントロールできる範囲を超えてしまっているようで、全体的にいつも調子が悪い上に望まない瞬間に症状が頻発するようになってしまい、頭の痛い毎日です。

さて、この間あの学会もこの学会も出張取り止め続きなのですが、なんとか東北の被災地に行ってきました。これは、他大学主催の国際交流基金の平和構築事業の一貫だったのですが、私のPTSDには比べ物にならない負担を抱えてらっしゃる皆さんの声を、今どうしても聞くべきだ・・・と思ったからだったのでした。また、一緒に行く予定だったアフリカの皆さんが、虐殺サバイバーであったり、何度もの災害と戦争を経験した皆さんであったこともありました。お医者さんまで一緒だったので、とにかく行ってみる。ダメだったら帰る・・・ということで皆と出発。

結論から言うと、行って本当に良かったです。
というより、行かなくてはなりませんでした。
身体がよくなったわけではないですが、今行くべきでした。

東日本大地震による震災・津波から2年半。
私は市民活動の方で原発事故の問題(特に乳幼児・妊産婦ご家族)に関わっていることもあり、時間・気力の関係もあり、なかなか震災・津波被災のことまで十分に取り組むことができませんでした。
http://fukushimaneeds.blog50.fc2.com/
福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクトFnnnP

あ、6月に放送された、NHK・Eテレ「ハートネットTV Our Voices “原発被災者からの手紙”」が再放送されることとなりました。是非ご覧ください。お母さんたちの心の底からの叫びに耳を傾けて下さい。手紙の全文は、次のサイトで。http://tegamifukushima.blog.fc2.com/
・本放送:11月27日(水)、28日(木) 20:00~
・再放送:12月4日(水)、5日(木) 13:05~

でも、兵庫県出身で、阪神淡路大震災の時ずっと半年間区役所で寝泊まりしてボランティアした身としては、気になっていたものの、顧問を務める「外大東北復興支援隊」のサポートをしているぐらいで、何もやっていないに等しい。今でもそうなのですが、とにかく2年半以上が経過して、マスコミにも報道されなくなってきて、皆さんどのように暮らしてらっしゃるのだろう、どのような気持ちでいらっしゃるのだろう、私たちは何をすべきなんだろう・・・そういうことを外から来た皆さん、自らも色々な苦しみを経験してきた皆さんと共に耳を傾けたい、と思ったのです。

「風化」・・・は、阪神淡路の時よりもずっと早いスピードで起きているような気がします。自分の中で勝手な「風化」をしてしまわないために、1年以上ぶりとなりましたが東北に向かいました。

ルワンダ出身NGO代表、マリ出身大学・建築家、モザンビーク大学関係者、アメリカ人医者夫婦・アメリカ人大学・建築家・日本のアートキュレーター・元国連緊急人道援助事務家・文化人類学者・・・・と私という不思議な10名のバスで陸前高田から石巻まで降りる。

今現在の陸前高田の街の風景。
a0133563_14545562.jpg

ここに沢山の命、暮らし、歴史・・・がありました。
それらが詰まった家や建物、賑わい、コミュニティ、それらすべてが流されてしまいました。残っていたものも、すべてが取り払われた今、私たちが「かつて」を感じるには、想像するしか方法がありません。自然だけがこの地を再構築している最中には。

私たちは目を瞑り、弔いながら、失われたものに想いを馳せました。

そして、遮るもものが何もなくなり勢いを増した風に吹かれながら、失われたものの大きさ、重さ、そしてその一つ一つのかけがえのなさに言葉をなくしていました。

何分そこにいたのかわかりません。最後は、私とルワンダのマリ・ルイーズが互いの手を握り合いながら、ただ祈っていた。彼女は、ルワンダの虐殺の時のこと、亡くなった多くの多くの人達、その光景を思い出していたといいます。そして、祈っていた。弔おうと。

彼女のぎゅっと握られた手に、その震えに、私は彼女の小さな身体に覆いかぶさっているあまりにもの多くの命と人と事柄の重みに、ただただ圧倒されながら、ただそばにいて手を握るということしかできない自分に、目の前の原野となってしまったこの場で命を失ってしまった一人一人のことを想像しながら、いつまでもそこに立っていました。

キリスト教徒である彼女と宗教を信仰しない私では、ここは大きなギャップです。悼む方法がない。でも、物心ついてからずっとしてきたように、会ったこともない名も知らぬ一人一人の確かにあった輝きに、お礼を述べるとともに、覚えていようとただ誓っていた。もっと何か方法があったのではないか・・・それは今でも毎日のようにふり返って感じずにはいられないもの。

a0133563_15115634.jpg


東北の沿岸部で私たちが圧倒的なスケールをもって感じたことは、このような大きな大きな喪失と、自然の恐ろしさ・強さ・大きさでした。
a0133563_15153196.jpg


その一方で、「あの日」のままあえて残されているいくつかのもの。
a0133563_15165497.jpg


私たちが、あまりに想像力がなく、あの惨事を勝手に風化させてしまうから、「思い出したくないから取りさってほしい」という地元の人達もいるというのに、残されるものもあるのです。でも、アフリカから来た皆さんの一言え我に帰りました。

「僕は2年前に原爆ドームと博物館に行って、あれほど人生において衝撃を受け、考えたことはなかった。人間のちっぽけさや愚かさ、そして恐ろしさ。原爆ドームを残すことは辛かったと思うけれど、人類のためによく残してくれた」

a0133563_15203380.jpg

暗すぎて写らなかったのですが、最後まで避難を呼びかけた若い女性職員がいた防災センターの骨組は、残されることが決まったそうです。バスの運転手さんも被災地の出身。夜遅くまで、一つでも被災したことの意味を感じられる場所を見せようと、本当に頑張ってくださいました。「何度も連れていくのは辛くないですか?」との質問に、「見てもらいたいのです。知ってもらいたいのです。忘れてほしくないのです」とおっしゃった運転手さん。暗くてその表情は分からなかったのですが、それが使命だと思ってらっしゃる様子が肌で感じられました。翌日に予定になかった石巻の別の被災地にお連れ頂いたのも、彼の提案でした。

「被災地観光」…そのように揶揄する向きもあるでしょう。あるいは、暮らしている人にとって、ちょっと来ては騒ぐだけ騒いでいなくなってしまう「観光者」は迷惑でしょうし、心の傷を深めることになるでしょう。本当に難しいところだと思います。(これについての私の考えは後の方に)

南三陸から南下する際にいくつかのコミュニティに立ち寄ったのですが、高台にあるその建物の下まで見渡す限り何もない状態。建物が根こそぎ流されたことが分かります。津波は、12メートルだったり、16メートルだったり、酷いところは22メートルだったり・・・で、人間や人間の建造物がどうやっても立ち向かえない規模のものだったこそが、その跡地に立つと身に染みてわかります。あんなに海は遠いのに、でも小高い丘まで行くことを躊躇ったら・・・あるいは、すぐに逃げようと思っても小高い丘などどこにもない現実。

小さな子どもを連れていたら、お年寄りを連れていたら・・・。
残された人たちのお話を聞けば聞くほど、そのことの辛さと無念さが心に迫ります。誰のせいでもない。大規模災害だったのだから、あるいは時間が経ったのだから・・・そんな言葉は何の気休めにもならないことが、よく分かります。

陸前高田の「みんなの家」
http://rikuzentakataminnanoie.jimdo.com/
a0133563_1529461.jpg


建築家の伊東豊雄さんらの取り組み。
http://www.wochikochi.jp/topstory/2012/10/minnanoie.php

でも、重要なのは「建築」「建築家」ではなかった。
大災害によって暴力的に、あるいは縦割り行政によって、あるいは人間関係によって壊れてしまった「コミュニティ」を、あちこちの残った色々な太さと色彩の毛糸を手繰り寄せるように、新しい毛糸も足して、編み続けた皆さんの想いと努力があって、「みんなの家」は「『みんな』の『家』」となったのです。

避難所や仮設の生活で「待ち」の状態にいるのは本当に辛いことだった・・・と皆さんおっしゃいます。阪神淡路の時よりもずっと酷い災害ではありましたが、どうしてあのプレハブの仮設住宅が、たいした改良もされないままに、またしても使われているのだろう・・・疑問に思うことは膨大です。そして、どこの被災地でも同じように、「あの人は私より被害はまし」「あの人は私より好い目にあっている」・・・・という互いへのやっかみが再びコミュニティを紡いでいくことを難しくしています。行政の仕切る仮設入居、防潮堤建設や高台引越し等の一つ一つの行政が、人びとの間を分断していきます。

自ら動いていくしかない場面が多いのに、行政の待ったがかかったり、行政から邪魔がはいったりと、ちぐはぐであることが、色々な人から繰り返し指摘がありました。その際たるものが・・・これ。

十数メールを超える、場所によっては22メートルの波が押し寄せた海のそばの土地に、盛り土を積んで12メートルカサを上げて、この上にマンションを建てるというのです・・・。岩手県内では、とにかくこういう工事が、あっちに一つ、こっちに一つ・・・・。凄まじい費用の建設費です。いつ終わるかもわからない。この工事の様子を眺めながら、被災した人たちが言います。「こんな膨大なお金と労力を使う余裕があるんだったら、コミュ二ティがこれ以上分断しないためにいくらでもやれることがあるのに・・・」。
a0133563_15494495.jpg


他方、高台を削って集団に移転する先を確保しようというコミュニティもあります。しかし、「もう遅いよ。若い人たちはもう都会の便利さを知ってしまった。このまま帰ってきて一緒に住んでくれたりはしない。学校にも慣れた頃だろうし。残るのは老人ばかりだ」という声も。
a0133563_1554224.jpg


でも、泣いてばかりいても仕方ない、行政を待っていても仕方ない・・・と女性たちは立ち上がり、自分たちの居場所を外部の専門家らと作り、こんなかわいい台所用のアクリルたわしをせっせと作って下さっています。1つ200円。私が買ったタワシの作家さん。お召しになっているセーターもブローチもすべて手作り。しっかりお化粧もされており、すごく刺激を受けました。外部からこうやって来てくれるのがとても嬉しい、と。
a0133563_15431510.jpg


モザンビークからのお土産。テーマは「家」。「みんなの家」にぴったりです。アフリカでの家族の大切さ。そして、「家族」という際の限りない広がり。「皆が家族」の意味を、改めて共に考えました。
a0133563_15573548.jpg


そして石巻の近くのお寺さんでお話を聞きました。
a0133563_15592168.jpg


海の目の前のこのお寺ですから、このような様子に。
a0133563_1603533.jpg

多くの方がお亡くなりになり、今この集落に残っているのは4名だけだといいます。他の方々は皆山の仮設住宅にいらしゃるといいます。でも、お寺がコミュニティがコミュニティとしてつながっていられる機会を提供しているそうです。お盆、お彼岸の行事の際は、皆さんが戻ってこられる。そして、地域に残る歌のお稽古を通して、定期的に集い、外からお客さんが来られると、皆さん楽しみにしてお料理を持ち寄られるそう。この前、イギリス人のご婦人が滞在した時は、まさにそれで、普段お化粧をされないお母さんたちが、ばっちりお化粧をしてこられたそうです。

すべてが流され破壊された時に、唯一残ったのがこれだったとおっしゃいます。両手がもぎ取られてなお、無事だった仏像に、お寺さんも、地域の人たちも、共に集う意味を深く感じてらっしゃるそうです。
a0133563_16493136.jpg


人は集うことによって力をもらいます。
集うための「場」をつくることは、それだけでもすごく重要なことなのです。そんな「場」を自主的に守っているのが女性たち。その女性たちが別れ際にこういってくれました。

「だから、今度来るときは必ず時間をとって、ご飯を一緒に食べてね」・・・住職のパートナーのマキコさんの一言。みんなの家のミキコさんの一言。「今度来るときは、泊まってってね。皆で鍋を囲んで、ビールを飲みましょう」。石巻のカズコさんは、急なお願いだったのに皆のためにお赤飯を炊いて待ていて下さいました。

共に食す。
アフリカ農村では、家族が家族である所以。
コミュニティがコミュティであることの原点はこれです。

寄り合い、共に食べて飲む。
共に悼み、共に泣き、共に笑う。
マリルイーズさんもそのことの大切さを、福島市内の月一の仮設住宅周りで実践してらっしゃるといっていました。ルワンダの御茶やコーヒーを飲んで、ケーキを共に食べ、ただ話す。

肩肘張らなくても、「お隣さん」だと思って、「遠い親戚」だと思って会いに行き続ければ良いのだと私は思います。何より、「被災者」「非被災者」であることは紛れのない事実ですが、「お互い様の人生の中の同じ人間」として。もちろん、岩手でお話しを聞いた際に、「無神経な都会の若者の無神経な言葉」に傷ついたり、がっかりしたり、怒ったりということがあるそうです。でも、それを伝えられるようになってきた。伝えたら本当にすっと分かるようになった・・・ともおっしゃっています。勿論、このようなことは徹底して気を付けなければなりませんが、若い人には若い人なりのチャレンジがあることは、皆良く理解してくださっています。

阪神淡路の時、何千人ものボランティアのコーディネートをしていたのですが、夕方のMTGの際にきまって、「せっかくボランティアに来たのに、被災者にありがとうと言ってもらえなくて残念」という都会の若者が一人はいました。その一言が連発されるようになった時に、私は、神戸市中央区の皆さんと被災した子どもの祭りを主催することにしたのです。勿論、それはバラバラの避難所、仮設に行ってしまい、寄り合いや地域の行事や趣味のサークルができなくなった皆さんが、顔をあわせ力をあわせて活動するための機会を創造するためでした。中止になった「神戸祭」を、震災以来笑わなくなってしまった、大人のふりをするようになってしまった子どものためのものとして開催するためです。でも、隠れた目的の一つには、「ボランティアが被災者の皆さんにありがとうという機会」を設けるためでもありました。

地元に伝わる踊り、音楽、料理。
そんなものを被災者の方々とボランティアが一緒になって子どもたちのために準備する。

「一方的にやってあげる」「一方的にやってもらう」関係ほど心苦しいものはありません。
「お互いさま」こそ、基本なのだと私は思うのです。

しかし、日本は「遠慮」が美徳ともされており、ここを見破るのはなかなか難しいことではあります。負担を強いているのではないかな・・・そういう不安も、復興支援隊にはあったようです。私はそういう気配りはとっても重要だと思います。でも、その一方で、「負担なら行くのを止めよう」というのは、違うのだと思います。

バスの運転手さんも、皆さんも、勿論色々複雑な想いを抱かれていますが、「私たちを忘れないで」とおっしゃいます。その「私たち」には、あの震災で失われた命も含まれていますし、今残って苦闘している皆さんのことも含まれていますし、この災害を出会いへの感謝に転換しようと努力されている方々も含まれます。

また、特に中央・東京にいる我々にとって、われわれが使っている電力のために何が起こったのか、何が起こり続けているか知らないわけにいかないとともに、東北の地震や津波の被災者の皆さんが置かれている状況もまた無関係ではありません。被災者の皆さんが、2年半が経過しても、このような暮らしを余儀なくされているのは、決して災害の規模だけでは説明がつかないからです。

中央部が、勝手に風化させ、終わったことにしてしまっているから。

だからこそ、私たちは通い続けなければならない。そして、そこに暮らす人たちと集い、共に食し、共に触れ合わなければならないし、彼らの話に耳を傾けなければならない。そして耳を傾けたことを発信し続けなければならないし、少しでも状況がよくなるように働きかけをしなければならない・・・そう考えています。

深く長く付き合う交流の輪を、一つでも、二つでも。
大切に。

PTSDになったからこそ、気づいたことでもあるのかもしれません。

東京に帰ってきてやったルカサ・ワークショップ。
a0133563_16343151.jpg


日本に暮らす3人のアフリカ出身者の考える東日本大震災と原発事故、そして現在の日本についてのトークショー(2013年11月4日放送 東京Ch 4)も是非ご視聴下さい。
http:www.iwj.co.jp 会員のみアーカイブ視聴可能
[PR]
# by africa_class | 2013-11-14 16:38 | 【311】東日本大震災

モザンビーク戦争にNo!と平和を求める署名呼びかけ+研究所所長によるファシスト化批判と大統領退陣要求

毎日メールボックスを開ける度に、モザンビークのニュースを読む度に胸が鋭く痛みます。昨日から全国で(中部以外)スムーズな選挙キャンペーンが開始する一方、とんでもない事態が頻発しています。

でも、それへの民衆と知識人らの抵抗、平和と民主主義のための運動は、モザンビークの歴史を日々塗り替えている状態です。心から彼らの無事と安全を祈り、社会的正義が実現するよう願っています。

今日は、モザンビークの人達から回ってきたいくつかの情報を。

まず、「戦争にNo!平和を求める」署名活動にご協力ください。
https://secure.avaaz.org/po/petition/Diga_nao_a_Guerra/?wHKAYfb
右下のPreencha o seu emailにメルアドを入れてAssineをクリック。次画面で名前(フルネーム英語)と国を選択(Japao)してAssineを再度クリックすれば終わり。モザンビークの人びとの平和のために現大統領が尽力することを要求しています。現在モザンビークを中心に、世界の3千人近くが署名。日本からこんなにモザンビークに心を寄せ、平和を求めている人がいると示すためにも是非!!

次に、モザンビーク政府にすら引用されるほど一目おかれた研究所であるIESE(モザンビーク社会経済研究所)の所長であるCastel-Brancoがフェースブック上で大統領に宛てて公開書簡を出しています。現在の政治的混乱、武力衝突、政府の作為の無作為によって頻発する誘拐に対する非難声明です。

エコノミストでかつ冷静沈着なカストロ・ブランコとも思えないほどの強い批判です。

問題の本質を突いているかなり重要なテキストです。
11月4日にFB上で公開され、現在この原稿はMedia FAXという独立系FAX新聞に転載され、かなり広く読まれています。(Maputo, Terça-feira, 05.11.13 *Nº5420)
また、どんどんネット上で転載されており、世界を駆け巡っています。

現在の軍事政治的危機をすごいスピードで招いている現状が、ファシズム直前期と同様だと。そして、ヒトラーやムッソリーニやフランコやピノチェトといった軍事独裁者らなぞらえています。そして、モブツのように投資家らの利益のためにこれをしている、と書かれています。

最後に、現大統領に「さようなら。ゆっくり休んで下さい」と締めくくってます・・・・。

今日首都近郊でポルトガル人、Save the Childrenのスタッフのパートナー(アメリカ人)、その他がまたしても誘拐されています。多くは、先日の平和マーチの報復だと考えられています。批判を行う人への次から次へと「ツナミのような誘拐」への現政権の関与が現地では明白な事実として語られています。カステロ・ブランコの叫びのようなこのテキストに、それは象徴されています。

モザンビークの豊かさは人材の多様性です。
FRELIMOにそれは顕著であり、それが底力でした。
しかし、それすら現政権の強権化でドブに捨てられようとしています。
もはや、FRELIMOメンバーだというのは、カステロ・ブランコがいうように、恥ずべきことになってしまいました。自分たちの仲間の批判すらも耳にするのが嫌で弾圧し続けた結果、もはやFRELIMO党員ですら離れていこうといています。それを引き留めるため、「国が危険だ。だから強いリーダーが必要だろう」という空気を創り出そうとしています(これもCBのオブザベーションと同様)。

日本の総理大臣がモザンビークに来年1月に行くと昨日発表されました。
資源ほしさに。日本の企業役員を沢山引き連れて・・・。
現地で起こっていること、何も知らないのでしょうか?

この大統領・政権と手をしっかり結ぶことが、モザンビーク社会にどのような負のインパクトをもたらすのか?世界の中でどのように受け止められるのか?中国を出し抜こうとして、結局自分たちが批判している中国以下になる。なりふり構わぬ、独裁政権万歳、経済利権至上主義。

短期的に資源が手に入ればそれでいいのでしょうか?
それが世界に示したい日本の対外的な姿?
こうなることを何度も警告してきました。
社会正義を無視し、民主主義を無視し、平和を無視し、それでもとにかく利権を貪ることに専念してきた日本政府と企業。

でも、それは日本国内の姿でもあるのです。
「援助は社会の鏡」・・・残念ながら去年11月に述べたことは、その通りであったことを実証してしまいました。

日本の皆さん、企業や政府やJICAの。本当の本当に、それでいいのでしょうか?
すべてはカネとパワーのため。
自分たちの。
人びとを犠牲にする権力者とつるんで。
人びとを犠牲にする。

でも、歴史が証明していることは、民衆はやられっぱなしではないということ。立ち上がりつつある民衆と知識人たちにエールを。

=====
Por Carlos Nuno Castel-Branco
Carta ao PR

Senhor Presidente, você está fora de controlo. Depois de ter gasto um mandato inteiro a inventar insultos para quem quer que seja que tenha ideias sobre os problemas nacionais, em vez de criar oportunidades para beneficiar da experiência e conhecimentos dessas pessoas, agora você acusou os media de serem culpados da crise política... nacional e mandou atacar as sedes políticas da RENAMO.

A crise político-militar que se está a instalar a grande velocidade faz lembrar as antecâmaras do fascismo. Em situações semelhantes, Hitler e Mussolini, Salazar e Franco, Pinochet e outros ditadores militares latino-americanos, Mobutu e outros ditadores africanos, foram instalados no poder, defendidos pelo grande capital enquanto serviam os interesses desse grande capital, e no fim caíram.

More
[PR]
# by africa_class | 2013-11-06 23:52 | 【情報提供】モザンビーク

モザンビーク平和を求める大規模マーチ、大統領辞任を求めるグラサ(初代大統領とマンデラ夫人)

モザンビークのあちこちで衝突が続いています。
同時に、平和を求め、政府批判をする人びとに対し、脅迫と誘拐、殺害などが起こり始めています。
これに対して、市民は10月31日、大規模なマーチを首都マプートで開催しました。
昨日、ナンプーラ市でもマーチが行われた模様です。

首都マプートで市民が呼びかけた平和マーチの様子。
a0133563_884221.jpg

皆白いTシャツを着て参加となっていたそうです。
プラカードには、「No to Violence」や「平和がほしい」というものの他、誘拐を非難したり、政府を批判するものも沢山写っています。特に、内務省批判のものなどもありました。

==
ポルトガル国営放送の記事(10月31日付)
「モザンビークで何千もの人々が集まり、平和を求め、誘拐に反対するマーチを行う」
Marchas pela paz e contra os raptos reúnem milhares de pessoas em Moçambique
http://www.rtp.pt/noticias/index.php?article=692219&tm=7&layout=121&visual=49
何千という人びとが、政府とアルマンド・ゲブーザ大統領に反対し、マプートとベイラをマーチした。このマーチは、暴力を拒否するモザンビーク社会によって横断的に実施された。「暴力反対」「人種差別反対」「汚職反対」「誘拐反対」と書き込まれた白か赤のTシャツを着た人びとが、エドゥアルド・モンドラーネ(初代FRELIMO書記長)の像の前に集まり、通りを行進し、独立広場に向かって行った。

「汚職まみれの警察に反対、政府に反対、人種差別に反対」と参加者らは声を上げた。
「戦争が始まっているだけでなく、どんどん人びとが誘拐され、人びとはパニック状態に陥っている。リビアより酷い状態だ。我々はどうしてこのような、我々を戦争に導くような国家のリーダーたちに我慢しなければならないのか?そんなことごめんだ。我々は平和を求める」と、このプロテストを主催した団体の一人は述べた。
===

このタイミングで、モザンビークの解放闘争を闘い、モザンビーク独立の「母」であり、初代教育大臣、初代大統領Samora Machel夫人、現ネルソンマンデラ元南アフリカ大統領夫人でもあり、国連との仕事も多いGraca Machelさんが、声明を発表し、平和を求め、政府の対応を批判すると同時に、ゲブーザ大統領の辞任を要求しました。(*最後の辞任要求はモザンビーク市民社会からの情報ですが、記事がみつかっていないので保留でお願いします。<11月4日>)

===
先述RTP/LUSAの記事にもあるのですが、誘拐は現在「Tsunami」として表現されており、息子が誘拐されて殺されたお母さんは以下のように述べています。(なお、これらの誘拐事件と誘拐事件の放置には、警察の関与が疑われています)

「サモラ(初代大統領)の時代にはこんなことは起こらなかった。シサノ(第二代大統領)の時だって起こらなかった。今、ゲブーザ(現大統領)の時だけに起こっている。彼(ゲブーザ大統領)は、モザンビークを発展させているという。違う。彼はモザンビークを破壊しているのだ」と述べ、「私はあの子(殺害された)の母です。でも今は泣かない。全てのモザンビークの母親たちに、政府とこの国に反対するストライキを行うことをアピールします」と呼びかけた。
===

もうこの政権がFRELIMO内部の人びとにすら公に支持されていないことがはっきりしました。
マーチには沢山の同党のメンバーも参加したと聞いています。

ゲブーザ政権はひたすら、今回の問題をRENAMOのせいにしていますが、多くの国民は政府の武力行使のせいだと考えています。(もちろんRENAMOの現在の襲撃を支持する人はいませんが。)日本の援助や投資は、現政権関係者の話しか聞かないので、このようなことが分からないかもしれない(あるいは知らないふりができる)と考えているようですが。

すでに政府軍に攻撃されたRENAMO党首デュラカマの拠点は、「軍事基地」ではなかったことが分かったということでした。政府軍が、最大野党党首が暮していたところを軍事攻撃する理由は何もなかったはずです。

そこのことは和平交渉の担当者に指名された首都にあるコミュニティカレッジの学長do Rosarioも次のように述べています。「勿論、武装した政党はモザンビークにあるべきでないが・・・・サントゥジラ(RENAMO党首の拠点)の占領は、「暴力のエスカレーション」であり、RRENAMOのリーダーが暮していただけで軍事基地というわけでもなかったのに、現在は政府軍が占領している。そして、『モザンビークは宣戦布告されない戦争状態にある」と述べた。」(MOZAMBIQUE 233 - News reports & clippings – 4 November 2013
tinyurl.com/mozamb)

勿論、政府側は、「RENAMOが挑発したから」「RENAMOが市民を殺害しているから」・・・と述べていますが、実際は事の発端は政治的な問題であり、あったとして警察が出てくるべき問題であったのが、突然の政府軍による軍事攻撃による1992年の和平合意の一方的破棄(宣言されない)でした。これを受けての現在のRENAMOの残党の攻撃であることは(市民への攻撃はまったく勿論許されず、非難されるべきです)、モザンビーク国民も世界メディアも御見通し。でないと、マーチで何故政府がワザワザ批判されているのか不明かと。でも、日本では「政府見解」だけで物語られ続けるのでしょうね・・・。

後20日で選挙です。今日から選挙キャンペーンが始まります。
一体どうなるのでしょうか。。。

他にも載せたい情報が沢山届いているのですが、取り急ぎこれを。
[PR]
# by africa_class | 2013-11-02 08:19 | 【情報提供】モザンビーク

RENAMO襲撃への市民社会、EU・ブラジル政府の懸念と防衛大臣による「テロリスト」声明。日本政府は?

独立系新聞の木曜日24日の記事を一挙訳しておきました。

この背景や他の報道(国内外)は以下に分析を掲載中
→http://afriqclass.exblog.jp/18838938/
この間のモザンビーク政府と農民との土地を巡る対立、日本の援助(特にプロサバンナ)・投資問題は
→http://afriqclass.exblog.jp/i38/

依然懸念されるべき状態です。特に、政府大臣が、軍事襲撃をしながら、今度は野党党首や野党を「テロリズム」と呼び、攻撃の継続を宣言し、部隊をソファラ州に移動させていることは大変問題です。現時点において、この攻撃の説明は、総司令官である大統領によってなされておらず、市民社会組織だけでなく、マプートの外交筋らも声明を発表し始めています。

プロサバンナ事業の「パートナー」であるブラジル政府すら「憂慮」を出しています。日本政府はこのままなにも言わないまま、ゲブーザ政権のこのような国家権力を使った戦闘行為に暗黙の了解を与えてしてしまうのでしょうか?資源がほしいから?

============
Canal Moz
numero 1071 | Maputo, Quinta-Feira 24 de Outubro de 2013

■国防大臣(Filipe Nyussi)がアフォンソ・デュラカマ(RENAMO党首)の追跡は継続すると述べた。Filipe Nyussi diz que perseguição a Afonso Dhlakama vai continuar■
「これらの国防大臣の発言は、この国を内戦に引きずり込みかねない政治軍事的な緊張に対して、平和的解決のいかなる可能性をも捨て去る宣言である。

国防大臣は、メディアに対し、この侵略(征服)は、国内の「テロリズムの中枢」を非活性化させるために不可欠だった」と述べた。(中略)この攻撃を正当化するため、レナモ関係者らが国軍に対し待ち伏せ攻撃をしかけていたための反撃で、国の安定化のためのものだったと、国防大臣は述べた。

■国軍兵士を乗せた12の戦車が国の中部ソファラ州に向かってマプートを火曜日に出発した。
Pelo menos doze camiões, transportando soldados das Forças Armadas de Defesa de Moçambique (FADM),deixaram esta terça-feira a cidade de Maputo com destino à região central do País.

■国の戦争のシナリオに対し、市民社会諸組織がゲブーザ大統領に説明を求める
”Cenário de guerra no País Organizações da Sociedade Civil exigem explicações a Guebuza”

先週月曜日、政府軍がレナも指導者アフォンソ・デュラカマの家を襲撃し、奪取したことを受けて、モザンビークは差し迫った戦争のシナリオを生きている。状況は、社会の多様なセグメントの反応を引き出しており、これは山のようなものになるだろう。

今週の水曜日、市民社会組織が集まり、記者会見を開催し、アルマンド・ゲブーザ大統領に対し、この国で生じている事態についての説明を要求した。「何故国軍が介入したのか、その文脈(背景状況)を明確にする必要がある」と、Centro de Integridade PúblicaディレクターのAdriano Nuvungaは述べた。

また、Liga dos Direitos Humanosの代表であるAlice Mabotaも、「誰のための内部秩序であるのか。軍のためのものでないはず」と述べるとともに、「モザンビーク国家は市民の生活に損害を与える政策を行ってはならない」とし、「Conselho de Estadoに対し、戦争宣言を受け入れないこと」を要望した。

女性フォーラムのAna Sambo(Graca Samoの間違い)は、市民社会は、レナモ拠点の攻撃は公的な秩序と安定への軍事介入であるとし、この攻撃を指示した国軍総司令官としてゲブーザ大統領に対し、「共和国憲法に基づき公衆の平和と秩序を再建するための、すべての取り得る措置を行うよう」要求した。

市民社会は、同様に、前大統領であるジョアキン・シサノ(Joaquim Chissano)の仲介を要求し、すべての国の組織と宗教組織は、政府とRENAMOの間でコンセンサスが達せられるよう努力されるべきと述べた。

■EUは、軍事的緊張に憂慮を表明し、「対話とインクルージョン(包摂)」を要請した
União Europeia preocupada com tensão militar apela ao “diálogo e inclusão”

現在の内戦可能性状況への否認のメッセージが各方面から続いている。ヨーロッパ連合(EU)は、この事態を近くで見守り、ソファラで起きている事態に対し「憂慮」を表明し、「両者による平和的対話とインクルージョン」を要請した。この声明は、ヨーロッパ連合高等弁務官事務所スポークスパーソン Michael Mannによってなされた。EC(ヨーロッパコミッション)の外交安全保障大臣であるCatherine Ashtonは、「EUはモザンビークで起きている事態を近くで見守り、現地で何が起きているのかについて理解に努める」「RENAMOと国軍の間で生じた最近の衝突の報に憂慮している。(中略)市民らの安全保障上の不安に対しても同様である」と述べていると、Mannは認めた。

同スポークスパーソンは、「EUとして、平和と和解を定着させるための政治的プロセスだけが国の持続可能な発展を促進することができると改めて理解している」と述べ、すべての関係者の「平和的な対話とインクルージョン」こそが、「民主化のプロセスを強化し、政治的な違いを解決する唯一の方法である」とアピールした。

■ブラジル政府は、国(モザンビーク)の戦争の方向性に憂慮を表明
Governo brasileiro preocupado com espectro de guerra no País
ブラジル政府は、ソファラで起きている事態に憂慮を表明するとともに、本紙に公式に送られたメモにおいて、「両者の間での違いに対して解決を探ること、民主主義、安定や権利に関わる機関の強化によって行われる対話と交渉の道筋を確保すべき」と述べた。

r
[PR]
# by africa_class | 2013-10-26 14:03 | 【情報提供】モザンビーク

ポルトガル国営ニュースLUSAも プロサバンナ報道「目を開いて。土地を失うぞ」とブラジル「土地なし」忠告

そしてポルトガル国営ニュース(LUSA http://www.lusa.pt/)もプロサバンナに関し、市民社会や農民組織の声を報道していたことを、今更知りました・・・。2013年5月28日の公開書簡発表直後の5月31日に記事化され、その後繰り返し報道がありました。3つの記事を出来る範囲で紹介します。

LUSAの記事はポルトガル語の検索エンジンであるSAPOに転載される仕組みです。ポルトガルに留まらず世界のポルトガル語者に広く読まれていることになります。

■「目を開いて、でないと君たちは土地を失うだろう」
ブラジル人の「土地なし」がモザンビークでのプロサバンナ事業に関して忠告

"Abram o olho, vocês vão perder as terras", avisa "sem-terra" brasileiro sobre o ProSAVANA em Moçambique” (2013年10月21日)
http://noticias.sapo.ao/lusa/artigo/16802939.html

ブラジルの「土地なし(労働者)」運動の中心的人物であるAugusto Juncal(アウグスト・ジュンカル)は、プロサバンナに反対するモザンビーク小農によるキャンペーンを「重みを強化する」ためにマプートに滞在した。そして、「目を開いて。でないと君たちは土地を失うだろう」との忠告を残した。

プロサバンナは、モザンビーク・ブラジル・日本の政府による農業開発プログラムでり、モザンビーク中北部で実施の初期段階にあるが、モザンビークの最大の小農階級組織である全国農民連合(UNAC)によって反対されている。同事業は、モザンビークの中北部の19郡の何百万というヘクタールの地域を対象とした事業であり、輸出のための特定作物の生産に民間セクターが参加することによってアグリビジネスを活性化することを目的としている。

UNACは、熱帯セラードの農業開発のブラジルモデルがモザンビークのこの事業でも繰り返され、何万という農民らの土地の収用を招き、貧困を悪化させ、社会的緊張を生み出すーーブラジルで「土地なし」現象が起きたように、と述べた。

マプートで今週開催された「第二回土地に関する国際小農会議」に招待されたAugusuto Juncal、「土地なし農村労働者運動(Movimento dos Trabalhadores Rurais Sem Terra、MST)」のスポークスパーソンは、プロサバンナがモザンビーク中北部の小農らに害を及ぼすであろうことは間違いないと述べた。

「プロサバンナ事業の規模を考慮に入れると、これから来るであろう問題に対する(現在のモザンビーク農民らの)懸念は十分でないと思う。小農らは、依然何が近づいているのか気づいていない。なぜなら気づいていたとしたら、政府と交渉するなどとはあり得ないからだ」と、ブラジルの土地なし農民のために闘う活動家はLusaに語った。「私は言っているんだ。目を開いてでないと君たちは土地を失うだろう。冗談じゃないよ、と。それは土地収奪や収用のプロセスなのだ。ブラジルでは、セラードの多くの人々の土地が奪われ、国の最も大切な森林が失われた」と、 Augusto Juncalは強調した。

アンゴラ環境・農村開発アクション(ADRA)というNGOのディレクター Guilherme Santosも、プロサバンナは、企業農業の利益を優先させることで小農らの損害を生み出し、この国を深刻な社会的緊張を生み出すだろうと述べた。「もし小農らの利益を守るために何もしないとしたら、小農の権利は踏みにじられ、社会は激変するだろう」と指摘した。

アンゴラ小農の権利を擁護する活動家は、プロサバンナが小農らの損失をもたらすことを防ぐには未だ遅くはないと述べた。「未だ対話の機会はある。この対話はしかし、全員にとって受け入れられるものでなくてはならない。関わる全員にとっての経済・社会・文化的な面を考慮に入れたものでなくてはならない。モザンビーク市民社会は、プロサバンナに関する意志決定プロセスに対し、影響を及ぼせるような力をつけなくてはならない」とGuilherme Santosは強調した。

この会議中、UNACは再び、このイニシアティブ(プロサバンナ)に対して否認(repúdio)を表明し、政府に対し、プログラムに関する声明にみられる「矛盾」や、小農との議論の際にみられる脅迫を非難した。「プロサバンナは、数々の矛盾によって刻印されてきた。何故なら中央政府は住民移転はないと言い張る一方、現場の職員らはプログラムのための土地が必要だと述べているからだ」と、UNACのアドボカシー・協力オフィサー Vicente Adrianoは述べた。

■「6ヵ国の農民らがマプートに集結し土地の搾取に反対するストラテジーを検討」 “Camponeses de 6 países procuram em Maputo estratégias contra expropriação de terra “
(LUSA 2013年10月16日 )
http://noticias.sapo.pt/internacional/artigo/camponeses-de-6-paises-procuram-em-maputo-estrategias-contra-expropriacao-de-terra_16797772.html

200を超える6ヵ国の小農アソシエーションの代表らがマプートに集い、「第二回土地に関する国際小農会議」を開催し、民間セクターによる「小農の土地の収奪を止めるため」の戦略が検討された。

同会議の主要な懸念は土地の収用に関するものであり、UNAC(モザンビーク全国農民連合)は、プロサバンナというモザンビーク、ブラジル、日本政府による農業開発プログラムに反対するための国際的なパートナーシップの強化を求めた。

同事業は、モザンビーク中北部の3州の19郡で実施される世手英であるが、モザンビークの小農階級の擁護機関であるUNACは、同事業への批判を率いてきた。何故なら、同事業が、輸出のための作物栽培に焦点を置くことで、土地の収奪やコミュニティの生活に悪影響を及ぼす結果となる可能性があるからだ。

「プロサバンナを止めよう。なぜなら3か国政府は小農に尽くそうとしておらず、農業の商業化を促進し、人びとの土地を収用しようとしているからだ」とUNACは述べた。

UNACのVicente Adrianoによると、(国家の)農業開発戦略は、大きな投資家らによる商業農業を優先するばかりで、小農らの生産手法や生産性に関するアクセスを容易にするものになっていないという。

「土地を守り、家族農業を守るための闘いは、食料主権や適切な食料を保証することにつながる。UNACは25年間活動してきたが、現在ほど、モザンビークの何百人もの人々がリスクに直面する時代はなかった」と、UNACのアドボカシー・協力オフィサーは述べた。

■「モザンビーク諸組織はモザンビーク、ブラジルそして日本に対し、プロサバンナ事業を止めるようアピール」"Organizações moçambicanas apelam a Moçambique Brasil e Japão para travarem projeto ProSavana"(LUSA, 2013年5月31日)
http://noticias.sapo.mz/lusa/artigo/16209612.html
モザンビーク市民社会諸組織は、モザンビークのアルマンド・ゲブーザ大統領、ブラジルのジルマ・ルセフ大統領、日本の安倍晋三総理宛の公開書簡を発出し、三角協力事業プロサバンナを止めるようアピールした。(中略)同公開書簡では、諸組織はプロサバンナを次のように批判した。「環境インパクト評価調査もなく、公衆との議論もなく、既にクイック・インパクト・プロジェクトが進められている」

ADECRU(農村コミュニティ開発のためのアカデミックアクション)に導かれた組織らは、「プロサバンナプログラムは、小農男女の家族や民衆に憲法で認められている権利である国民の知る権利に不適合であり、民主的で透明で幅広く深い公衆とのディベートが完全に欠如している」と述べた。

これらの組織は、「情報操作、コミュニティへの脅迫」や「ブラジル、日本、そして国内企業による土地収奪プロセス」によって、「この国に土地なしコミュニティを生み出す」可能性を指摘した。そして、結論として、これらの国の責任者らへの停止を要請した公開書簡は、「すべての事業や行為の即時停止」を求め、その上での「モザンビーク社会のすべてのセクターのすべての人々との幅広い公的な対話」を求めた。そして、プロサバンナのすべての資金と手法が、「持続可能な家族農業の支援のための国家計画の定義と実施の実現のために使われるべき」と主張した。
[PR]
# by africa_class | 2013-10-26 11:52 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ