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政治利用される南スーダン紛争とアルジェリア人質事件、再考されるべきアフリカ資源国との付き合い方

メリークリスマス!
と楽しくいきたいところが、中東やアフリカで起きている殺戮や住民らの抵抗のことを考えると、なかなかそうもいきません。

1. クリスマスの世界の暴力
今朝、ローマ法王も、シリア問題、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、南スーダンで起きている事態が沈積化するように、世界の注目喚起と平和への対応を呼びかけました。
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-25514624

シリアのアレッポで政府軍が空爆を繰り返し400人の住民が犠牲になったとの情報も。
ヒューマンライツウォッチの記事。
http://www.hrw.org/news/2013/12/21/syria-dozens-government-attacks-aleppo

学校の近くが攻撃され子どもたちが犠牲になっています。
http://www.aljazeera.com/news/middleeast/2013/12/syrian-bombing-kills-children-near-school-2013122211955116895.html

クリスマスの朝だからこそ、同じような気持ちで祝えない子どもたちや家族のことを考え、少し時間を取って世界の暴力的状況について考える機会を設けてほしいと思います。

2.アフリカの紛争を政治利用する日本の為政者たち
何より、今日本のアフリカ関係者として特に考えたいのは南スーダンの状況です。

自衛隊がPKO活動のために同国に400名近く展開している(UNMISS)ことを受けて、この紛争自体が日本の国内問題と関連づけられる事態になっています。

自衛隊の停戦監視業務への参加の手法や武器輸出3原則が、「紛争地の現実にそぐわない」という主張により、拡大解釈の道を切り拓いていく可能性の問題です。

既に、銃弾の韓国軍の供与が、「こういう状態なら仕方ない」という事例づくりのために利用され始めています。これは今回日本の軍国化に警戒する韓国に対して行われたものだったために、韓国政府の以下の記事のような反論が出て、政治利用を難しくいていくでしょうが、これがもし日本の軍国化を後押ししたい他の国の軍隊への供与だったら、「日本政府と自衛隊に感謝する」という声明を出させることで、一気に日本国内の世論の誘導が行われたことでしょう。

■防衛相の同ミッション基礎概要資料
http://www.mod.go.jp/j/approach/kokusai_heiwa/s_sudan_pko/pdf/gaiyou.pdf

■南スーダン:日本が政治利用、韓国政府が批判…朝鮮日報
http://mainichi.jp/select/news/20131225k0000e030175000c.html
南スーダンで国連平和維持活動(PKO)実施中の韓国軍に対して陸上自衛隊が行った弾薬提供に関連し、韓国紙・朝鮮日報は25日、韓国政府が「日本政府がこの問題を政治利用している」として外交ルートで強い遺憾の意を伝えた、と報じた。韓国内では、日本の集団的自衛権行使容認に向けた布石ではないかと懸念する見方が出ている。・・・韓国政府関係者の話として、「国連南スーダン派遣団(UNMISS)を通じ、迂回(うかい)して実弾(弾薬)の支援を受けただけなのに、日本側が軍事的な役割を拡大する動きと結び付けようとしている」と伝えた。・・・韓国では安倍内閣の掲げる積極的平和主義への警戒感が強く、他の朝刊各紙も、韓国が積極的平和主義を「正当化」する役割をしたなどと報じた。

今、自衛隊の「撤退」「継続」が議論されています。
ここにも憲法改正につなげる政治利用の意図が見え隠れします。

冷戦が終わるまで、自衛隊の海外派遣は憲法上問題があるものとして認識されてきました。それを可能としたのが、国際平和協力法の制定でした。その際、以下の基本方針が決められ、以下の原則のもとでPKO(国連平和維持隊)への参加が可能となりました。

PKO参加5原則:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/pko/pko_sanka.html
1.紛争当事者の間で停戦合意が成立していること。
2. 当該平和維持隊が活動する地域の属する国を含む紛争当事者が当該平和維持隊の活動及び当該平和維持隊への我が国の参加に同意していること。
3. 当該平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。
4.上記の基本方針のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から参加した部隊は、撤収することが出来ること。
5. 武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること。

今回の南スーダンへの自衛隊も以上の原則に基づき派遣されたものでした。しかし、今回冒頭の1.が破たんしています。つまり、合意原則違反となっています。

しかし、憲法改正を狙う現政権は、南スーダンで生じている不幸を使って、この原則自体を反故する可能性があります。国連事務総長により6千人の増派が要請される中、「撤退は許されない」という声が大きくなることと思われます。

勿論、南スーダンの事態を放置していいという話ではまったくありません。しかし、日本政府やメディア、日本市民は、例えばこの間コンゴ民主共和国や中央アフリカで起こっている悲劇に対して、これほどまでに注目してきたでしょうか?政治的に高いレベルで話し合ってきたでしょうか?

南スーダンで生じている事態は深刻で、直ちに対応が不可欠ですが、南スーダンだけで生じているわけでも、今日いきなり始まったことではありません。なぜ、今、このように注目されているのか・・・自衛隊がそこにいるからでしょうが、「存在」だけのせいではなく、今まさに日本国内で現政権により憲法改正が狙われているからにほかなりません。

日本においては、アフリカの悲劇・紛争すらも、政治利用のネタなのです。

3. 同じことはアルジェリア人質事件でも

同様に、自衛隊機の海外派遣、特定秘密保護法においても、アルジェリア人質事件の政治利用がみられました。 海外での緊急時に自衛隊による在留邦人の陸上輸送を可能とする改正自衛隊法が成立したわけですが、これについては既にこのブログでも書いた通りです。

■アルジェリア人質事件で自衛隊法改正?「火事場ドロボー」の責任回避、「世界民衆から嫌われる日本」への道
http://afriqclass.exblog.jp/17198314/

そして、懸念した通り、政権の責任などはどこ吹く風で、どさくさに紛れた自衛隊法の改正がありました。
さらに、「米国や英国政府からこの事件に関する情報が得られなかったのは日本の機密情報の保護法が穴だらけだから・・・」などと、実しやかに主張され、「外国にいる邦人保護」などといって特定秘密保護法が成立してしまいました。

しかし、思い起こしてほしいのは、これらの政府の中で人質事件の発生を事前に察知して予防のための方策を講じていた政府など皆無であったということです。人質事件は予防されることなく発生し、起きた後も止めることは不可能でした。つまり、「邦人保護」と「機密情報の融通」は無関係だったのです。

むしろ、はっきりしたのは現地日本大使館や外務省、官邸の危機意識、情報収集能力の低さでした。これは、「諜報情報」ですらなかった。現地事情の把握、分析、理解・・・のことであり、その仕事は軍事以前に政治・社会的なものでした。

なぜなら、アルジェリアは1992年の選挙に端を発した内戦が、完全には終結したとはいえない状態のまま、リビアの内戦の影響を強く受けて反政府勢力が力を盛り返しつつあったからです。
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-14118852

もちろん、日本大使館にアラビア語話者がほとんど皆無であり、エリートが使うフランス語だけを使って情報あるいはコミュニケーションを取っていたことも大問題でした。しかし、外国メディアですら、アルジェリアの政治・軍事的リスクは明確に報道していたわけで(以上記事)、対して苦労することなくこれらの情報は入手可能でした。しかし、このようなリスクの中で、日本企業も進出し、現地大使館はあいかわらず政権関係者とばかりつきあって、それでよしとしていた。

1992年の選挙は、イスラム教系の党の勝利でした。フランスとの植民地戦争を戦った現政権(FLN)は、それを「無効」として、内戦が始まりました。つまり、アラビア語の理解がなく、フランス語あるいはフランス語話者の政権関係者を通してアルジェリア情勢を理解し続ける限り、大多数者の想いや動向に鈍感になるということなのです。

他方、アルジェリアは豊富な石油とガスによって、外資の流入を受け、利権により豊かになる政権中枢の一報での大多数者らの貧困が社会問題として浮上していました。そんな中、2011年に食料価格の高騰を受けて、治安部隊と民衆が衝突が起こりますが、これを政府は非常事態宣言が出して力でねじ伏せようとしました。「アラブの春」とリビアの政権崩壊は、この国の社会情勢をさらに不安定化させ、それに乗じた反政府勢力の侵入を容易にしたわけです。

日揮の社員が、空港からプラントまで政府軍のエスコートを受けなければならなかった事実を、もう一度考えてみましょう。そのような国に出て行って、ビジネスをするということの意味を、「自衛隊機の派遣の有無」「機密情報の共有」という狭い議論に押し留める問題を、今一度考えてほしいと思います。

本当に日本企業や邦人がターゲットになりたくないのであれば、どうすればいいのか?なぜ、世界は日本の人間にとって以前よりも危なくなっているように感じるのか・・・そのことのルートコーズ(根本原因)を考えることなしに、日本の世界との関係の仕方の問題を問い直すことなしに、いくら日本の文脈で議論しても、将来の危機を予防することにはなりません。

これは、「日本人のきき」の問題に留まらず、現地社会に暮らす圧倒的多数の武力とは関係のない、むしろそれによって犠牲になる一般市民、とりわけ女性や子どもたちの直面する危機の問題に直結しているのです。自衛隊を派遣するか否か、駐留させるか撤退させるか・・・以前に、やれることがあったはずです。

それは、「紛争を増長するような政治経済社会体制を支援しない」=Do No Harmです。


4.南スーダンの悲劇を「部族衝突」とする単純さと問題

アルジェリア危機も、南スーダンの危機も、もうずっと長い間危機状態にあるコンゴ民主共和国の危機も、豊富な天然資源との関係が深いです。

結局のところ、資源が豊かな国で、民主的な統治が実現困難となっている事態・・・と問題は直結しています。これは、単に民主主義の定着・・・といった政治学上の概念の問題ではなく、資源を外国資本に譲渡する権利を有している「現政権」による腐敗と癒着、不正・・・が、結局は不満を抱える民衆の反乱や蜂起を押さえ込むことを外資・外国政府が暗に期待し、治安維持と称する政治暴力を積み重ねていることと関わっています。

つまり、非民主的な統治という社会・政治問題を抱える資源国に対して投資を行う企業や国々自身の問題なのです。問題は、ブーメランのように跳ね返ってきているわけで、そのことを抜きにいくら「危機管理」をしようとも、不正義の放置のままでリスクが減るわけではありません。むしろ、危機は高まっていくのが、歴史が示してきたことです。

ましてや、アルジェリアもスーダンも戦争を経験してきた国でした。

南スーダンの現在の事象を「部族衝突」として、「部族が違うから殺し合うのだ」と理解を単純化することは、なぜ今回の衝突が起こっているかの真の原因から目をそらさせます。さらに、このような単純な認識が、この事態に対し、「和平に協力する」といって身を乗り出す勢力が、実の所「紛争原因を創り出している主犯」でもあることを忘れさせてしまいます。

今回の南スーダンで生じている暴力対立の原因を、アルジェリアと同じような視点で分析し直すとみえてくることは・・・・南スーダンの多民族状況と同様に非民主的な統治の問題が明確になります。

このような事態になる前に、南スーダン政府の腐敗の問題はよく知られてきたことでした。
南スーダン政府の汚職度は175カ国中173位。
http://www.transparency.org/cpi2013/results
南スーダンより悪い国々は、スーダン、アフガニスタン、北朝鮮、ソマリアだという点に深刻さが明確になるでしょうか?

私が、南北スーダンの問題と「新生国家」南スーダン政府の汚職問題に危惧するようになったのは、土地収奪(ランドグラッビング)問題に関与するようになってからのことでした。何故なら、南スーダンは、世界で最も広い面積の土地を取り引きされた国の第3位、アフリカ大陸で1位の国だったからです。その面積は、実に350万ヘクタール(日本の農地面積は456万ヘクタール)で、独立して未だ3年も経っていないのにもかかわらず・・・です。
http://www.landmatrix.org/get-the-idea/web-transnational-deals/

このことは、当然ながら、紛争後の国の民主統治上の問題を想起させます。しかし、この間、南スーダン政府の腐敗の問題、非民主的統治の問題について警鐘を鳴らす分析者の数は多くはありませんでした。特に、同政府内で進む同一エスニック集団によるドミナンスは、長い戦争から独立を果たしたばかりの南スーダンにおいて危険な行為であることは明らかでした。

2013年2月22日の以下の記事はその中でも、この問題を先取りした良い記事でした。ここでは、南スーダンで、民主主義や表現の自由が後退していること、政権を批判する人びとへの弾圧、人権侵害、暴力が指摘されており、それへの政府治安関係者の関与が言及されています。そして、南スーダンが分離独立した(北)スーダンの政府と変わらない・・・ことが指摘されています。しかし、次から次へと市民が消えているのに、人びとは恐怖のためにこのことを話さない・・とも。

■世界で最も新しい国・南スーダンで生まれる恐怖
Fear stalks South Sudan, the world's newest country
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-21548477
David De Dau, who campaigns for freedom of expression in the capital, Juba, says the optimism of just a short while ago is fading fast amid widespread government repression, continuing violence and abuses of human rights against those who criticise it.

"The whole society, the whole community is traumatised. People are living in fear.
"People are losing trust in the government they voted for."
人びとは、自らが投票した政府に対する信頼を失っている・・・と。
英国政府は、援助の停止を検討したもののこの時点ではオプションではないとしていました。

世界はこの間、何をしていたのでしょうか?
日本政府はこの間、南スーダン政府についてどのように対応してきたのでしょうか?
日本のNGOは?
研究者は?
今年、共同研究会で、南スーダンでの国際研究大会が開催されたのですが、その時このような点について議論されたのでしょうか?
残念ながら、私もまた、このような事態に疎かった・・・と認めるしかありません。

しかし何より、南スーダンに集中する石油資源目当てに、南北スーダン戦争と同国の分離独立を支援してきた米国政府の対応が、問われるべきでしょう。SPLAへの大きな影響力を持つ同国政府は何をしていたのでしょうか?

現在起きている事態について、「部族衝突」という単純化された話が繰り返されています。こうすることで得するのは、「出口のない衝突だから世界平和のために現地で軍事行動を強めなければならない」という前提のもとに潤う人達です。政権中枢への批判勢力の封じ込めの治安部隊や政府軍の暴力が放置されることで報復に次ぐ報復がおこっていった・・・ことを忘れてはならないのです。

現象として起きている「エスニックな大量殺戮」について、「」なしで論じることの問題はまさにここにあります。以下にもあるように、治安部隊によって殺戮がなされたことが指摘されていることは重要ですが、当初の日本の報道にはこのような指摘はほとんどありませんでした。

■South Sudan sees 'mass ethnic killings'
(2013年12月24日)
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-25502457
The violence follows a power struggle between President Salva Kiir, a Dinka, and his Nuer ex-deputy Riek Machar.
A reporter in the capital, Juba, quoted witnesses as saying more than 200 people, mostly ethnic Nuers, had been shot by security forces.

本来は政治問題だった問題が、こうやって放置される中、軍事問題と化していった事実を抜きにして行われる議論こそが、問題の真の解決を難しくしていきます。

ようやく以下のような報道も出てきました。
「石油収益、第三者預託を」 南スーダン政府と対立の前副大統領
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131224/mds13122412380006-n1.htm
南スーダンのマシャール前副大統領は23日、同国の石油収益は政府ではなく第三者に預けられるべきだと、ロイター通信などの電話取材に対して語った。政府と対立するマシャール氏の支持派は、油田地帯の北部ユニティ州の州都ベンティウを掌握している。 マシャール氏は、政府が拘束した自分寄りの政治家を釈放すれば、政府との交渉に応じるとの意向もあらためて表明した。(共同)

勿論、反政府勢力の武力行使も許されるものではありません。しかし、「部族衝突」という見出しをつけて、問題を矮小化することによって得られる解決の道は、中長期的にみて狭められるだけになります。

なお、ガーディアンに掲載されたAlex Vinesの記事はとても的を得たものだと思うので紹介しておきます。論旨は以上の私のものと同様です。要は、現政権が過去18か月間にどんどん権威主義化を進めてきたこと、エスニックな様相が動員されていること。エリート間の権力闘争であること。公平なる分配が可能な国家形成こそが重要なこと。
http://www.theguardian.com/commentisfree/2013/dec/26/halt-crisis-south-sudan-civil-war?CMP=twt_gu
・Kiir has become increasingly authoritarian over the past 18 months and his total ministerial reshuffle in July improved nothing.
・An elite power struggle within the tiny leadership looks to be drawing the whole country into a full civil war that is rapidly developing ethnic dimensions. There seems little that outsiders can do about this currently except contain the crisis and encourage South Sudan's political leadership to step back from the brink and re-focus on building a viable state that will benefit all their citizens.

5.アフリカの資源国政府とどう付き合うべきか
アフリカの資源国で現在起きている事態、あるいは今は武力紛争が起きていないものの、いずれ起きる可能性が高い国々が出てきていること・・・について、資源に依存して暮らす日本の私たちこそ、注目していくべきでしょう。

しかし、今年のTICAD V(アフリカ開発会議)や安倍総理のアフリカ訪問が、「資源外交」の一環に位置付けられることにあるように、日本政府は相も変わらず「現政権と仲良くすればそれでいい」外交を基本としています。これは、政治リスクが高まりつつあるモザンビークのゲブーザ政権との関係でも明白です。
詳細→
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-62.html
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-64.html

非民主的統治、そして民衆の不満や批判的市民の弾圧・・・は、次なる危機の明確なサインであることは、もはや明らかです。アラブの春以降は、もっとこのリスクは大きくなりました。腐敗政権と無批判に握手すること、資源さえ入手できればそれでいいと考える投資や援助・・・は、現地社会に悲劇をもたらす一助になるとともに、日本の国民の危険を高めるだけです。

いい加減、日本の外交がこのような現地情勢分析を、現政権を通じてではなく、圧倒的多数の民衆側からなされるよう転換するべきですし、公正なる社会の実現二向けて投資も援助も対応していくにはどうすればいいのか・・・深く検討されるべき時がきています。勿論、日本だけでできるものではありません。かといって、モザンビークの事例でみたように、日本は中国とインドと同じような民主主義にも和平にも公正なる社会の実現にも興味のないドナー&投資国として理解されていることを、猛省すべきです。

でなければ、第二のアルジェリア事件が生み出されることでしょう。

以上、南スーダンとアルジェリアの事件を踏まえ、日本の我々がどのように世界の紛争を考え、付き合っていくべきか・・・政府や報道の言葉を表面的に追うことの危険を知り、見破るヒントになれば幸いです。
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# by africa_class | 2013-12-26 01:04 | 【学】戦争/紛争/暴力・平和論

来年の大統領選候補発表と批判的市民社会の政治弾圧

急ぎ、情報提供。

0. グルエの選挙結果はMDM勝利との主張と報道

Mozambique News & Clippingsの最新号によると、
1票差でFRELIMO候補となっていたグルエ市長選ですが、選挙監視委員会で再開票があり、理由なくMDM(Antonio)票40票がFRELIMO候補者(Jussub)の票とされたようです。この市ではパラレルカウントが全部の投票所で実現しており、パラレル開票でもMDMの勝利となっています。各地で不正が行われたとの報告や報道があがっており、MDMも結果について異議申し立てしていますが、現状で圧倒的多数を占める選挙管理委員会の与党側・寄り構成により、結果が覆ることはなさそうです。(レナモはこの選挙管理委員会の構成が与党に有利すぎるといって選挙をボイコットしていました)

MDM: Jussub 6626 António6679(MDM独自)
PVT: Jussub 6626 António 6678(パラレル開票)
CDE: Jussub 6695 António 6669(郡レベルの選管)
CNE: Jussub 6735 António 6629(国家レベルの選管)

1.大統領候補
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-64.html
与党FRELIMO党の大統領候補は、現在のゲブーザ政権を継承する3名の大臣・首相経験者の名前がリストアップされており、内2名が内務省大臣や防衛大臣経験者。モザンビークにおける民主主義・言論の自由の危機は悪化する可能性が高いです。

背景の詳細は、12月6日の以下の報告を。
「緊急勉強会「安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること~和平合意破棄後の援助、投資」
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-62.html

ずっと大統領候補が決まらなかったのに急にきめられたのは何故か?
政権批判が強まったこと、地方都市選挙で思いの外MDMに手こずったこと、ネルソン・マンデラ夫人のグラッサ・マシェル待望論が強まる前に(彼女が南アにいるうちに)、候補を確定してしまいたいこと・・・等理由はあるものと思われますが、現政権の路線を堅持するために、今あらゆる手が打たれています。

2.言論の自由と政治弾圧
モザンビークからの情報で、ゲブーザ大統領を批判していたカステロ・ブランコIESE研究所所長、独立系新聞のCanal de MozambiqueとMediaFaxに対し、政府からのあからさまな弾圧が始まっています。その他、モザンビーク国立大学エドゥアルド・モンドラーネ大学のアフリカ研究センターのTeresa教授への脅迫も広く知られる事態となっています。

以下、詳細記事。
Canal de Mocambiqueに、人権リーグのALice Mabotaの声明あり。
https://www.facebook.com/CanalMoz/posts/572614702807631

続報
CanalaMoz
Canal de Moçambique ouvido hoje na Procuradoria-Geral da República
numero 1107 | Maputo, Sexta-Feira 13 de Dezembro de 2013
記事を要約すると、検察が、Castelo Brancoが、「大統領が国をカオスに導いている」「状況をコントロールしていない」と公に書いたこと、これら2紙が記事を掲載したことを「犯罪」として検挙しようとしているとのことです。これについて現地の批判は高まっており、以上人権リーグは、検察が大統領府の政治アジェンダのために動いていて、本来市民のために仕事をすべきなのにするどころか、政権と与党のために政治弾圧をしていると述べていると書かれています。

3.まとめ
要は、来年の大統領選を前に、政権に批判的な意見をする知識人、市民社会、それを掲載するメディアを委縮させ、声が挙げられないようにしようという意図が明らかです。

モザンビークは残念ながら「開発独裁化」を強めています。
そしてそれを支えているのが、日本・中国・インド・・・という状態。
詳細は、12月6日の報告をご覧ください。


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MOZAMBIQUE 237
News reports & clippings

12 December 2013

tinyurl.com/mozamb
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Criminal action against
Carlos Nuno Castel-Branco

The Maputo city Attorney General's office has opened criminal proceedings against Carlos Nuno Castel-Branco, the highly respected academic and founder and research director of IESE (Instituto de Estudos Sociais e Economicos, Institute of Social and Economic Studies). He is accused of insulting the head of state, President Armando Guebuza, in an open letter published on his Facebook page and subsequently widely republished..

According to Mediafax yesterday, its editor, Fernando Mbanze, and the editor of the weekly Canal de Mocambique, Fernando Veloso, have been told to appear at the Maputo city attorney general's office on Friday morning to answer questions. Both published the open letter.
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# by africa_class | 2013-12-13 10:41 | 【情報提供】モザンビーク

【共有】ODA政策協議会(13年12月9日)NGO「ProSAVANA事業」報告資料

昨日(2013年12月9日)NGO・外務省定期協議会ODA政策協議会での報告事項「ProSAVANA事業」についてのやり取りと資料を貼り付けます。

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NGO・外務省定期協議会 ODA政策協議会
報告「ProSAVANA事業」やりとり
2013年12月9日(於:外務省)
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*議事録ではなく簡易記録ですので、議事録は後日外務省HPをご覧ください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/

■外務省:
・事業の目的、問題意識について共有が出来、双方ともに同じ方向性(小農支援)ということで確認できている。日本のNGOから、影響を受け得る地域の人びととの対話をじっくりと実施してほしいということで、それを三角協力のために当該国政府だけでなく、ブラジル政府にも働きかけた。また、この対話の仕方とペースについて、NGOから問題提起があったため、一部見直している。その結果、現地での対話は進んでいる。日本では、12月18日にはもう一回意見交換会を開催するが、テーマについても進展がある。

■JVC渡辺直子:
(1)この1年に6回の意見交換会を開催してきた。
(2)12月の経緯は、現地農民組織(UNAC)からのプロサバンナ事業への抗議声明があったため。
(3)12月14日の協議会の発表と提言は次のようなものであった。
対話の問題
事業の方向性の問題(ブラジルのセラード開発の成功を参考にする等)
内容について検討
(4)対話の重要性は理解してもらえたが、残念ながら対話のあり方は悪化していった。「対話」の強要がなされ、現地からみて対話のあり方が改善されていない。
(5)これを受けて、本年5月に23団体が署名する形で「公開書簡」が出された。ブラジル、モザンビークの大統領、日本の総理に手渡されている。
(6)これらの事態を受けて、8月には協議会に参加してきたNGOの5名が現地調査に行った。
(7)そこで分かったことは、現地では土地収奪がすでに生じているということ。人びとの権利がすでに守られていない中、現状のような「対話」のあり方が続き、事業の中身が見直さないのであれば、問題は続くのではないかと考えた。
(8)これを受けて日本のNGOとして要請文を出している。
(9)同じ時期に、(プロサバンナ)事業地であるナンプーラ市民社会から抗議声明が出されている。声明では、事業の内容についてコメントが出るとともに、対話のあり方が悪化していることについて抗議声明が出ている。
(10)こういった中で、1年間を振り返りたい。
(11)確かに前進もあった。貴島課長の言及通り、「小農のための支援である」という点で合意したという点は評価される。
また、意見交換会で明らかになったように、前段階において「対話がなかった」という点についての共通理解があった。だから対話をすべきという点についても合意された。
そして、(意見交換会で)軌道修正が必要であろうという発言も評価。
これら3点については前進だった。
(12)一方で、課題が残る。
例えば、去年12月から意見交換会が始まっているが、今年の9月に現地にコンセプト・ノートが出されている。しかし、このノートでは、最初の事業の方向性と変化がなく、投資を呼び込み農業を近代化していくというものになっており、改善されているようにみえない。したがって、現地では不安が感じられている。
(13)各種声明や要請文への回答頂いていない。これについては意見交換会で外務省から「待っているところ」という返事があった。
(14)また対話の進め方については、先程もナンプーラ、マプートの市民社会と協議を行っているという話だった。しかし、現地に一昨日までいったが、現地の市民社会等は対話のあり方に不安を覚えている。したがって、状況は改善されていると認識されていない。

補足
(1)現地では政情不安な状態。和平合意が破棄され、大半の援助国が声明を出しているにもかかわらず、日本はドナーとして唯一声明などを出していない国になっている。
(2)このような厳しい政治状況の中で、現地状況を十分把握し、現地の市民社会がいまだに不安をかかえている対話及び事業のあり方等を検討していく必要があり、引き続き意見交換会を行っていく意義は高いと考えている。これまで外務省、JICAの皆様にはお忙しい中お時間をいただき感謝している。引き続きお願い申し上げたい。

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NGO・外務省定期協議会 ODA政策協議会
報告「ProSAVANA事業」資料
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Ⅰ.2012年12月14日協議会をふり返る
Ⅱ.その後1年間に起こったこと
Ⅲ.結論
と提案

【配布参考資料一覧】
①ProSAVANA事業に関する日本内外の評価(研究・報道・市民社会)(12月8日現在)
②2012年12月14日協議会配布パワーポイント資料
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/pdfs/seikyo_12_0203.pdf
③年表:ProSAVANAにおける農民・市民社会組織との「合意形成」の課題(11月8日現在)
④モザンビーク23組織「3カ国首脳宛 ProSAVANA緊急停止要請公開書簡」(5月28日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
⑤ナンプーラ州市民社会プラットフォーム「プレスリリース(ProSAVANA抗議声明)」(9月30日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-45.html
⑥日本36組織「プロサバンナ事業の中断と抜本的見直しを求める緊急声明」(9月30日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-44.html
⑦第6回意見交換会配布資料(11月25日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-61.html

I. 2012年12月14日協議会をふり返る
2012年12月14日の協議会で議題「ProSAVANA事業」に関し、以下の問題提起を行うとともに、議論し、提言を行った。 【配布参考資料②:当日配布パワーポイント資料 】

12月14日の問題提起のポイント(パワーポイント・議事録まとめ):
議事録→http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/pdfs/seikyo_12_2g.pdf
1.現地最大の農民組織(モザンビーク全国農民連合/UNAC)からの2012年10月11日付け「ProSAVANA批判声明」を受けた問題提起
(1)主権者である現地の農民の主権を無視して計画・立案・実施
(2)ブラジルやその他のアグリビジネスによる土地収奪の危険を高める事業
(3)説明責任と透明性が欠如(情報開示も不十分)
(4)輸出向け大規模生産でなく、小規模農業による国内向け食料供給を優先すべき
<=UNACに留まらずかなり多くの組織も同様の懸念と疑問

2. 現地事情を把握しないままに「ブラジルの成功の移植」を喧伝、傷を深める

3. アフリカ、特にモザンビークは最大の土地収奪のターゲット国
(1)三角協力のブラジル・アグリビジネスのモザンビーク進出を支援
(2)日伯官民合同ミッション(2012年4月)後のブラジル関係者の理解
ProSAVANA事業=「広大な土地確保」「入植者をバックアップ」
(Luiz Nishiimori議員・ブラジル側団長)

4. 外務省の回答文章「話を聞いている」「対話している」との主張の根拠の問題性
(1)外務省側のいう「参加」「対話」の根拠(2.(1), 2(2))は全て、根拠とならず。
①「大・中・小規模農家20世帯に調査」←400万人の住民(大半小農)
②「UNACは11月のMTGに参加し、発言」←抗議声明出た後。抗議と質問のための参加・発言を内容に触れず。
③「本年8月JICA環境社会配慮担当者がUNACを訪問し直接説明」←「参加/対話ではない」上に、UNACが要請。この直後の10月に抗議声明が発出。
(2)11月22日の首都でのマスター・プランに関する会議にはORAM以外招待されず。(招待状は2日前)(UNAC「裏切られた想い」)

5. 外務省回答にも見られる、現地農民組織・市民社会対応の問題性
(1)UNACが抗議声明を出すまで現地農民(組織)・市民社会との合意形成はまったく念頭におかれず、試みられず。
(2)問題化した後も、正当化・反論根拠を集めるための「対話」のアリバイ化に注力。合意形成を目指す姿勢ではなく、「数として参加していた」ことに焦点。
(3)「(UNACの声明に対し)モザンビーク政府にアクションを起こしてもらう」として、異論を唱える農民組織や市民社会への弾圧を招きかねない発言を行う。

6. 以上の計画・内容・進め方の問題が、現地社会に不信感・疑念・憤り
結果的に、現地市民社会は日本の援助・JICAを「不透明で疑問だらけの住民主権や民主化に後ろ向きな存在」として認識。

提言(2012年12月14日のパワーポイントから転載)
イ)今まで(現地で問題化してなお)モザンビークと北部地域の主権者である農民・農民組織・市民社会を重視せず、軽視してきたことを、まずは認めるべき。
ロ)これまで現地での調査ややり取りを欠いた状態で、「ブラジル成功の移植」と宣伝し続けてきた傲慢さを認めるべき。
ハ)以上を猛省し、反論から逃げず、農民組織や市民社会との対話を積極的に行うことを約束してほしい。
ニ)事後的な情報伝達、ただ「聴きました」というだけの意見聴取でなく、決定に関わる議論であるべき。
ホ)市民社会の関与をプロジェクトの中で制度化する。
ヘ)農民らが一番恐れるブラジル農家・企業による土地奪取を、プロサバンナで認めないことを約束してほしい。

Ⅱ.その後1年間に起こったこと(2012年12月~2013年12月)
ProSAVANA事業に関する意見交歓会(NGO=外務省・JICA)
1. 次の日程で6回の意見交換会が行われた

第1回2013年1月25日、第2回2013年3月15日
第3回2013年4月19日、第4回2013年5月9日
第5回2013年7月12日、第6回2013年11月25日

2. 意見交換会の狙い
現地農民組織・市民社会組織の要請に基づき、日本の市民社会として、外務省・JICAから情報の把握・確認、議論を行い、共通理解を深め、ProSAVANA事業の改善を図る。

3. 意見交換会の形式
各回約1時間半ずつ、NGO側から質問書を事前に提出し、外務省・JICAがそれに答える形で行った。(成果と課題はⅢ.へ)

意見交換会以外の出来事
1. 出来事と現地農民組織・市民社会からみた理解

以下のとおり、この1年間の変化(出来事)と現地社会の受け止めを表にまとめた。*なお、本事業の調印以来の変化については【配布参考資料③】を参照。

年表
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*2013年9月~現在までの、ProSAVANA事業関係者による「対話の強要」については、「第6回ProSAVANA事業意見交換会」時の配布資料【配布参考資料⑦】を参照されたい。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-61.html

2.「ProSAVANA事業意見交換会」参加日本NGO関係者の現地訪問
(1)現地の実態と農民や市民社会の生の声を知るために、意見交換会参加4団体の5名が現地を訪問(2013年7月24日~8月18日)。対象3州の全てと19郡のうち8郡を訪問し現地調査を行った。

【調査期間】
2013年7月24日~8月18日(8月10日~12日は3班に分かれて調査)
【調査対象地】
本調査では、プロサバンナ事業で策定中のマスタープランで分類されるZone I~VIまでのすべての「ゾーン」を対象として現地訪問調査が行われた。
ニアサ(Niassa)州リシンガ(Lichinga)市、マジュネ(Majune)郡、クアンバ(Cuamba)市/ ナンプーラ(Nampula)市、ナンプーラ州モゴヴォラ(Mocovola)郡、メクブリ(Mecuburi)郡、リバウエ(Ribaue)郡/ザンベジア(Zambezia)州グルエGurue郡

【調査手法】
【1】3か国市民社会会議、北部での市民社会会議での参与型観察・現地新聞・プロサバンナや土地問題に関する文献等の資料収集
【2】プロサバンナ対象地域の農村訪問調査(政府関係者、農民組織、農村住民へのインタビュー、農地の訪問)<*3班に分割>
【3】首都並びにプロサバンナ対象地域の都市部での各種アクターへのインタビュー(政府関係者、市民社会関係者、JICA関係者、農民組織関係者、地元ジャーナリスト・研究者)
【4】ProSAVANA Development Initiative Fundの対象案件のモニタリング(JICA関係者による案内、個別訪問)

(2)首都とナンプーラ市では、ProSAVANA事業に関する市民社会の会合に参加し、市民社会内部の議論に耳を傾けるとともに、意見交換を行った。
(3)農村での調査の一方、会議、行政関係者や援助関係者との面談等約150名以上の人と話した結果、ProSAVANA事業は現在においても問題が多いことが明らかになり、9月30日の帰国報告会にて、「緊急声明 ProSAVANA事業の中断と抜本的見直しの要請」を発表した 。現在、36団体が署名【配布参考資料⑥】。
*詳細は、現地調査報告書(近日中に刊行)。

3. その後発生する現地の厳しい状況
*状況の悪化については、本年12月6日緊急勉強会報告 。
(1)2009年以降顕著となっていた二期目のゲブーザ政権の腐敗と民主主義の後退、そして強権化は、幅広い民衆の不満を生じさせた。これに対し、国家の武装装置(軍隊・警察)等を用いた政権の反論者や非協力者らへの暴力や威嚇が頻発。
(2)以下のとおり、本年10月21日、政府軍は野党RENAMO(元武装ゲリラ)の拠点を攻撃し、野党議員等を殺害、党首は逃げたままで、21年継続した和平合意がRENAMOによって破棄されている。国の中部と北部(ナンプーラ州・ProSAVANA事業対象地)にて武力衝突発生。
(3)同時に、都市部で繰り返し誘拐が発生。一部に警察の関与が認められ、3人が逮捕(内1名は脱走中)。特に、ポルトガル人や国際NGO関係者の誘拐は、現政権に批判的なポルトガル系モザンビーク人や市民社会への「脅し」として受け止められている。
(4)国連、米国政府、ブラジル政府、ヨーロッパ連合、19の援助諸国は両者に対し、政治問題を平和理に解決するよう声明を発表。(日本・中国・インド政府は声明発表せず)
(5)11月20日の地方都市選挙では、各地で第三野党への警察の発砲や逮捕による介入が頻発。広範な選挙不正も。
(6)政府や政策に異論を唱えると、暴力に巻き込まれるとの理解が市民社会に広がる。

Ⅲ.結論と提案
1.モザンビーク農民組織・市民社会組織との関係
(1)2012年10月11日のUNACによる抗議声明は内容においても妥当なものだった。
(*リーク報告書で明らかになったとおり、農民らの懸念通りアグリビジネス中心の土地収奪を伴う大規模農業開発が企図され続けていた。)

(2)しかし、抗議・異論・反対について、日本援助関係者らは、
①矮小化(「誤解」「情報伝達不足」)、
②軽視(「賛成者もいる」「反対は一部だけ」「1団体の意見に過ぎない」面談回避)
したばかりではなく、去年12月の協議会後も真摯に対応しようとしなかった。

(3)むしろ、その後の対応は、現地農民組織や市民社会関係者らから、次のように認識されるなど、現地社会に深い不信感を招いた。
①「情報操作」(過去の喧伝文句<土地・セラード/PRODECER・投資>のいつの間にかの削除の一方で市民社会の異論を「誤解」とすること)
②「嘘」(団体名削除・プレゼン差替え)
③「分断工作」(前述「賛成者もいる」との既成事実化、政府に近い者・団体の一本釣り、異論者の対話からの排除)

(4)さらには「モザンビーク政府にアクションを起こしてもらう」と強調し、現在強権化と暴力を伴った政権掌握を進める現ゲブーザ政権と、農民組織や市民社会とを正面衝突させる扉を、ドナー自らが開く結果となった。(対話の強要を自ら指揮する等)

*以上の4点は、「緊急停止公開書簡」「PPOSC-N抗議声明」【参考配布資料④⑤】
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-45.html

(5)抗議後、新たに約束された「土地は奪われない」「小農支援」「住民の食料生産を優先」も、農民を安心させるどころか、以下の事実によってますます懸念を深めさせる結果となっている。
①急に発表されたマスター・プランのコンセプト・ノートの中身、
②先述リーク報告書(ProSAVANA-PD, Report 2)の内容、
③現在ProSAVANA事業のコンサルタント組織としてマスター・プランを準備するブラジルのFGVによって立ち上げられたナカラ・ファンド(200億円)の計画、
④ProSAVANAが事業として含まれるG8New Alliance For Food Security and Nutrition(日本と米国政府担当)

(6)突然コンセプト・ノートが発表され、問題が多いことからこれについて意見する必要に現地社会は迫られている。しかし、そのことを指摘するために会議を持つと、「対話している=ProSAVANA事業は上手くいっている=ProSAVANA事業に賛成」と使われてしまうジレンマに現地の市民社会や農民組織は直面している。(聞き取り調査)

(7)結局は、「アリバイ作りの一貫としての会議への参加」が狙われていると現地では考えられており、不快感が広がっている。実際に、コンセプト・ノートを作成するにあたって作られた現地調査報告も農民集会の議事録も公開されず、同ペーパーの位置づけも明確ではなく、そもそもどこから何故このノートが出てきたのかも含め不信感は消えていない。

2. 日本での対話について(特に6回の「意見交換会」について)
(1)論点は当初、①農民主権、②土地問題、③食料安全保障(食料主権)の3点で開始した。しかし、意見交換が進むにつれ、最初の「農民主権」(すなわち農民との主権者としての合意形成)が最も重要であり、また問題の本質であることが明らかになり、その後は「土地問題」や「食料主権」問題にも触れながらも、終始一貫して「農民主権/農民参加」のあり方を議論してきた。

(2)これまでの意見交換で明らかになり、また外務省とNGOの双方で確認されたことは以下の5点である。
①ProSAVANAの目的は「小農支援」であること(第1回目で確認)、
②農民組織・市民社会の参加や合意形成のための対話が不十分なだけでなく、不適切な手法が含まれてきた一方、内容がコロコロ変わったり、不明瞭でかつ隠されている点や問題も多々あるため、農民達が強い不安の中に置かれている上に(第2回)、事態は深刻である(第3回)
③従って、計画の中身の軌道修正が必要か否か検討すべきであり、また農民に対する信頼回復が必要(第4回)、
④策定中のマスター・プランに関して、改めての現地調査と現地農民組織や市民社会との合意形成、そのための時間が必要で、それを待つべき(第5回)、
⑤モザンビーク市民社会の「公開書簡」に対する回答は、三政府で協議の上回答するが、回答を急ぐべきと理解(第6回)

(3)一方、これまでの意見交換会で意見の違いが明確になったもの、あるいは合意にいたっていない点は右の通り
①モザンビーク北部の小農や農村社会が直面する課題と現状についての理解
②モザンビーク北部の小農の支援のあり方についての考え方、
②抜本的な見直しをするための手続きとしての事業を中断するか否か、
③主権者であり主たるステークホルダーである農民の参加と対話のあり方、など。

(4)「意見交換会」の手続き上の課題と現状
①提示を御願いした資料や事前質問のうち、一部(時に大半)が当日まで準備されないこともあり、また当日の資料も不十分で、残念ながら必ずしも効率的な対話にならない場合もあった。
②関連資料について、2013年1月から過去4回の意見交換会で依頼をし続けたが、7月になって初めてその一部が「何の資料だったか」分からない形で数点提供を頂いただけで、JICA主催セミナーの一覧や式次第すら現在でも非開示のままである。
③現在、コンセプト・ノート作成の土台となるProSAVAN-PD事業(マスター・プラン策定支援)の報告書を分析のため要請している。(*12月18日の意見交換会でコンセプト・ノートの分析を披露することになっているが、これでは分析できず)

3. 結論と提案
(1)意見交換会は、現地の農民・市民社会組織の懸念や要望を、その背景を含めて日本の援助関係者に伝え、理解を深めてもらう点で重要な役割を果たしてきた。論点の明確化にも役立った。

(2)特に、「小農を支援する」との合意は中でも大きなものであった。

(3)しかし、この合意は、現実には同事業関係国・者全員に徹底されているわけではなく、また日本援助関係者が関与しているマスター・プラン(コンセプト・ノート)の前提や全体の枠組み、そしてその他の関連事業(ナカラ・ファンドやG8New Allianceを含め)は、「小農の支援」と言い難いもので、むしろネガティブな影響をおよぼしかねないという現地農民・市民社会組織の懸念は解消されていない。

(4)また、ここまで見てきたように、意見交換会でようやく共通認識となった「対話の重要性」が「対話の強要」に繋がる傾向が強まってきたことは、現地事情を考えると大変憂慮すべき問題である。

(5)以上から、ProSAVANA事業の進め方、中身についての齟齬は大きく、これを引き続き埋め、改善する努力が不可欠である。また現場(モザンビーク国内)が政治的に厳しい状況になりつつある中、現地の人びとに対して行われている事業や対話の強制は止め、事業の抜本的な見直しを現地の人びとと共に考えることが緊要である。そのためにも今後も意見交換会を継続する意義は高いと考える。

以上
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# by africa_class | 2013-12-10 17:12 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【ご報告】緊急勉強会:安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること~和平合意破棄後の援助、投資

少しご無沙汰しております。
風邪がひどく寝込んでいますが、溜まっている情報を布団の中から・・・。
また改めて書きますが、一点当日話したかったものの時間がなく話せなくて、後悔している点を。

同じ日にマンデラ元大統領の訃報を聞いて、アフリカの歴史が転換期にあることを肌身で感じました。
マンデラ大統領夫人のグラサ・マシェルさんは、初代モザンビーク大統領夫人でもあり、私の発表パワーポイントの最後に出てくるサモラ・マシェル大統領が今見直されていることについての話は、非常にアクチュアルです。

以下の勉強会では、モザンビークの話をしました。土井さんの話から、エチオピアの問題も明らかになりました。そして、現在の南ア。

自由と民主化、人びとの権利…それを目指して闘ってきたアフリカの人びとの闘いは、グローバルな経済利権や政治権力によって今、危機的な状況にあると思います。

何故、グラッサはマシェル元大統領の次にマンデラ元大統領と結婚したのか?
両者共に、黒人として初の大統領。そして解放闘争の闘士でした。
別の国の2名の大統領と結婚した初の女性であり、初代教育大臣。
グラサさんはモザンビークでFRELIMOを良くしようと努力されてきました。この間、繰り返しゲブーザ政権を批判されています。そのことを念頭におきつつ、是非視聴・ご覧ください。

(転送歓迎)
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モザンビーク開発市民の会も共催した【緊急勉強会】「安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること~和平合意破棄後の援助、投資」の報 告で す。

当 日は、国会議員3名(代理1名)、新聞・通信5社6名、テレビ2社、外務省・JICA・JOGMEG・JETRO8名、商社3社5名、コンサルタン ト2名、 NGO10名、大使館1名、一般企業1名、学生13名、大学関係者2名、その他…部屋のキャパシティを超える50名近くの方に来ていただきまし た。急な呼 びかけにもかかわらず、ありがとうございます。

パワーポイントなどは下記ブログにアップしています。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-62.html
また、IWJさんのお蔭で未だ無料で視聴が可能です。是非ご覧ください。
http://www.ustream.tv/recorded/41420190

モザンビークの「資源の呪い=アンゴラ化」「エチオピア化」現象が明確になりつつあります。

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アフリカ・モザンビーク情勢の緊急勉強会
安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること
和平合意破棄後の援助、投資のこれからを考える
2013年12月6日(金)13時~15時 
参議院議員会館 1階 102号室

1. モザンビークでの石炭開発及びエチオピアでの援助によるHRWの人権影響調査の実例報告
土井香苗:国際NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」日本代表、弁護士
2. モザンビークにおける政治暴力の現在と投資・援助
舩田クラーセンさやか:東京外国語大学教員、モザンビーク開発を考える市民の会代表

問題提起の全文はこちら→
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-59.html
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当日動画:
http://www.ustream.tv/recorded/41420190
無料視聴終了後は、IWJ会員はアーカイブから視聴可能です。
この間、すべてのモザンビーク関連の報告会を中継してくださっているIWJさんの会員になれば、過去のアーカイブもご覧いただけるので、これ を機 会に是非どうぞ。アフリカのことをこんなに丁寧に報じてくれる貴重なチャンネルであり、日本の草の根民主主義の定着に不可欠なチャンネルです。会 員になって応援しましょう!
http://iwj.co.jp/join/

・2013年2月25日 北海道でのモザンビーク全国農民連合のプロサバンナについての発表
・2013年2月27日 院内勉強会 モザンビーク全国農民連合代表と環境団体JA!のプロサバンナについての発表
・2013年9月30日 緊急報告会 日本ODAによるモザンビークの大規模農業開発事業「プロサバンナ」に関する現地調査報告・緊急声明の 発表
・2013年12月6日 緊急勉強会 安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること

【第一報告】
趣旨説明(森下麻衣子オックスファム・ジャパン)

【第二報告】
「モザンビークでの石炭開発及びエチオピアでの援助による人権影響調査の実例報告」
(土井香苗 ヒューマンライツウォッチ日本代表、弁護士)
*配布参考資料:
①「モザンビーク:鉱山開発に伴う立ち退き 食糧と水が不足」
http://www.hrw.org/node/121079
②「エチオピア 海外からの援助が弾圧を助長」
http://www.hrw.org/ja/news/2010/10/19

【第三報告】
「モザンビークにおける政治暴力の現在と投資」
(舩田クラーセンさやか 東京外国語大学教員)

*配布参考資料:
①舩田クラーセンさやか「ODA見返り論からの脱却を」『外交』2012年3月12号
②----------「アフリカの今と日本の私たちー天然資源と食、そして援助」『神奈川大学評論』2013年近刊
③高橋清貴「モザンビーク・プロサバンナ事業とは何か?」『Trial & Error』No.300 2013年3-4月
④渡辺直子「農民に向き合えない農業支援とは」『Trial & Error』No.301 2013年5-6月
⑤朝日新聞「眠れる大地【緑の実験】モザンビーク穀倉化計画」2013年5月6日
*回覧資料:
①アフリカNOW(アフリカ日本協議会機関誌)「現地調査からプロサバンナ事業を問い直す」99号2013年10月31日
②舩田クラーセンさやか『モザンビーク解放闘争史』御茶の水書房
③ーーーーーーー「モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題」 『国際政治』2013 年
④------(編)『アフリカ学入門』明石書店
⑤Sayaka Funada Classen, Origins of the War in Mozambique, Ochanomizu Shobo.
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# by africa_class | 2013-12-10 16:06 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

外大東北復興支援隊が石巻の中学校の校長先生をお招きしDVD上映会 12月9日

外大東北復興支援隊からのお知らせです。
是非一人でも多くの人に、「被災地の今と子どもたちの声」に耳を傾けてほしいです。校長先生の肉声、なかなかない機会なので是非。

(転載大歓迎)
=====================
DVD "Living Through March 11, 2011" 上映会のお知らせ

*日時 : 2013年12月9日(月) 16:00~17:30(5限)
*場所 : 東京外国語大学研究講議棟1階 114教室
*内容 : DVD上映、宮城県石巻市立蛇田中学校元校長 森俊英先生のお話
*主催 : 外大東北復興支援隊

2011年3月11日の東日本大震災の被災地である、宮城県石巻市で当時の学校の先生方や地元の市民団体の方々が中心となって制作された、「地震が起こったその時人々はどう動いたのか」被災された方々のお話をおさめた貴重なドキュメンタリー映画を上映いたします。

また、今回特別に石巻市から講師の方がお越しくださいます。
震災当時、石巻市蛇田中学校の校長先生をなさっていた森俊英先生です。
ご自身も被災され、その後の復興に大変力を注いでこられた方です。

震災のこと、忘れていませんか?
今一度、被災地の方々の生の声を聞いて当時を振り返り、震災について考えてみませんか?

講師の森先生方から、実際に震災当時と現在に至るまで石巻市の教室現場で行われて来た取り組みを伺うことができる大変貴重な機会です。
途中入退場も可能ですので、少しでも関心がある方は、ぜひ足をお運びください。お待ちしております。

お問い合わせ先 : 外大東北復興支援隊 tufs.tohoku<@>gmail.com

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# by africa_class | 2013-12-02 13:17 | 【311】東日本大震災

緊急勉強会:モザンビークで今起こっていること~私たちの投資と援助(12月6日)

あっという間にもう今週!
現地事情は毎日変わっているので追うのが大変ですが、「私たちとモザンビーク」あるいは「私たちとアフリカ、世界」との関係を考えるとても重要なことなので頑張ります。30席しか一般向けに用意していないようなので、急ぎお申込みを。なお、同時中継もあります。

(転載歓迎)
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アフリカ・モザンビーク情勢の緊急勉強会
安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること
和平合意破棄後の援助、投資のこれからを考える

2013年12月6日(金)13時~15時 
参議院議員会館 1階 102号室
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/moz20131206.html
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1977年から16 年間にわたったモザンビークの戦争は、百万人の死者を出し、史上最悪の戦争の一つとして歴史に記され、1992年に終結しました。しかし、本年10月21日、モザンビーク政府軍が、最大野党RENAMOの拠点を急襲し、国会議員1名が死亡、党首は山中に逃れたままとなり、翌22日にRENAMOは92年の和平合意破棄を宣言しました。中部・北部の十か所以上で軍事衝突が起こり、死傷者がでています。

すでに、国連、EU連合、米国など20カ国の援助国政府、カトリック教会は、声明や談話を発表し、両者に対し武力を使わず政治的緊張を対話で解決するよう求めています。主要援助国で声明・談話を出していないのは日本政府だけです。影響は経済にも及び始め、リオ・ティント社等は、外国人スタッフの家族を国外に避難させています。

こうしたモザンビーク情勢急転の中、11月4日、安倍首相は来年1月9日~15日にモザンビー ク・ 南アフリカ・コートジボワールを訪問すると発表しました。

今年6月のTICAD V(第5回 アフリカ開発会議)の際、日本は同国と二国間投資協定を結び、日本企業が炭田開発、世界最大規模の天然ガス開発に着手する一方、北部ナカラ回廊ではODA「プロサバンナ」事業による大規模農業開発やインフラ整備が進められています。

しかし、現地では資源開発や大規模援助事業が住民合意のないまま進められることに批判が高まっており、さらに政治軍事衝突の最中に首相訪問が発表されたことに疑問の声が上がっています。平和を求める市民、数千から数万人が参加する平和マーチが5主要都市で行われ、独裁化する現政権には与党内からも退陣を
求める声が高まっています。11月20日に全国都市選挙が実施され、来年10月には大統領選挙の予定です。
 もはや日本から「遠い国」とは呼べないモザンビーク。

今何が起き、今後どうなっていくのかを共に考えます。どうぞご参加下さい。

◆報告
1. モザンビークでの石炭開発及びエチオピアでの援助によるHRWの人権影響調査の実例報告
土井香苗:国際NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」日本代表、弁護士
2. モザンビークにおける政治暴力の現在と投資・援助
舩田クラーセンさやか:東京外国語大学教員、モザンビーク開発を考える市民の会代表

◆日時:2013年12月6日(金)13時~15時 
  ※ 12時45分より議員会館 ロ ビーで入館票を配布
◆会場:参議院議員会館 1F 102号室

◆報告者プロフィール
土井香苗:
国際NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」日本代表。弁護士。
1998年東京大学法学部卒業。学生時、アフリカ・エリトリアで法制定ボランティア。2000年弁護士登録。国際法修士。2008年9月から現職。世界 中の人権侵害を止め、日本を人権大国にするため活動。著書に『"ようこそ"と言える日本へー弁護士として外国人とともに歩む』(岩波書店)、『巻き込む力』(小学館)

舩田クラーセンさやか:
東京外国語大学大学院教員、モザンビーク開発を考える市民の会代表。
1994年PKO国連モザン ビーク活動(ONUMOZ)後、アフリカの平和構築・政治経済・開発援助に関する研究・教育・市民活動に従事。国際関係学博士。主著に『モザンビーク解放闘争史』(御茶の水書房)、"Origins of the War in Mozambique"(African Minds)、「モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題」
『国際政治』。編著に『アフリカ学入門』(明石書店)。

◆共催:
(特活)アフリカ日本協議会、(特活)オックスファ ム・ジャパン
(特活)日本国際ボランティアセンター、Attac Japan、No! to land Grab
(特活)ピースビルダーズ、モザンビーク開発を考える市民の会

◆連絡先・申し込み:
(特活)アフリカ日本協議会 担当・斉藤
 メール:info<@>ajf.gr.jp  電話:03-3834-6902 FAX:03-3834-6903

 ※ 以下を12月4日(水)正午までに知らせてください
  1)名前 2)当日の緊急連絡先 3) 所 属 4)質問(あれば)

会場の関係で一般の皆さんは先着30名となっております。
ご希望の方は早めにお申し込み下さい。
また、当日はIWJで同時中継が行われます。あわせてご覧ください。
http://iwj.co.jp/
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# by africa_class | 2013-12-02 10:09 | 【記録】講演・研究会・原稿

特定秘密保護法案が衆議院を通過した翌日。日本の子どもたちへの懺悔と決意。

2011年3月11日に東日本大震災が起こって、そしてそのあと原発事故があって、そして事故が及ぼしうる被害を隠そうとした政府があって、それから原発は相も変わらず安全だという神話が出てきて、その度に、日本の子どもたちの皆さんに謝ってきたね。

そして、2013年11月27日。
「特定秘密保護法」という法案が衆議院を通過した翌日、
またしても、日本の子どもたちの皆さんに、謝ることになってしまいました。

まずは、この強行採決の様子を見て下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=p4fDVWqPbH8&feature=youtu.be
特定秘密保護法案の衆院・国家安全特別委員会で怒号の中強行採決の瞬間

こんな日が来ることを、
多くの人は予想していなかったといいいます。
でも、私は予想していた。

歴史を学んできたから。
だんだんこの国が、その権力中枢にいる人達が、権力を失う危険性を察知して、「うるさい市民」を黙らせることによって少しでも権力を堅持し続けようとするのを、間近でみてきたから。

自分自身が、そのような圧力に繰り返しあってきたから。このブログの読者であれば、そのことはよく分かるかと思います。この間、ブログに書けないことも沢山起こりました。これからも起こっていくでしょう。でも、人類の歴史においてよりよい社会や世界のために闘ってきた多くの人々、数々の試練を生きているアフリカの女たちが、そんなことで諦めてはいけないことを教えてくれるのです。これを読んでいただければ。
http://afriqclass.exblog.jp/18695532/

だから、繰り返し繰り返しその危険を述べてきたつもりだったし、大学の授業でもあえて「日中戦争における民衆の動員プロセス」を取り上げてきた。

この2年半はその可能性が増していく一方で、たくさんのことをしてきたつもりだった。
でも、全然力が足りなかった。
まったく、全然足りなかった。

世界で勝ち取られていく人びとの平和と民主主義の一歩、一歩。
あたかも日本が以前より「危ない状況」にあるかのように煽り、真逆に走って突き進む日本を、私たちは今確実なものとして、未来の世代に手渡そうとしている。

ナチスを経験したドイツが、別の道を歩み続けているのを知っているから故に、ますます私たちは一体何をやってきたのだ、何をやっているんだ・・・と自問自答する日々です。

ナチスドイツがやったこと、それと同じことをしようとしていることを看破した池田香代子さんの記事を読んで下さい。
http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51966844.html
「(ドイツの)ワイマール憲法がいつの間にかナチス憲法に変わった」というのは、麻生副総理の世迷い言だ。当時もっとも民主主義的だったこの憲法は、全権委任法の強引な成立で空文化されたのだ。改憲を回避し、からめ手から憲法を骨抜きにする。これが、「ナチスの手口」であり、安倍政権はここから「学んだ」と思えてならない。」

皆さんが大きくなったときに、「なんであの時もっと大人達はやってくれなかったの?」そういう時がくるでしょう。あるいは、もうその時の皆さんは、「国家に飼い慣らされる」状態で、気づきもしないかもしれません。このブログだってあるかどうかわからないけれど、その時のためにも、あるいは次の選挙の時のためにも、11月27日の前後に何が起きたのか、この映像を見て下さい。

http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1683
「アリバイ作りなのか」 秘密保護法・福島公聴会
ourplanet 投稿日時: 月, 11/25/2013 - 19:30
福島の皆さんが、全国の皆さん、そして未来の子どもたちのために、どれだけ身体と言葉を振り絞って、この法案を止めようとしてくれたのか。その言葉の一つ一つを、想いの深さを、その根っこにある深く刻まれた傷に、耳を傾けて下さい。そして、それが東京にいる私たちの「電気」・・・のために生じたことであったことを、そして全国有権者の関心の薄さのためであったことを、心に刻み込みましょう。

福島の桜の聖母短期大学教授二瓶由美子先生の言葉に心の底から同意します。(30分頃から)
「わたしたちも原発事故の加害者です。声を上げてこなかったから」
「学生を守る立場から、子どもたちを守る立場から、この法案に同意できない」
先生は、福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト立ち上げ時からご協力頂いてきました。大人としての責任を決して、「他人事」にせず、福島に暮らしながら自らを「加害者の一人」として呼び、皆のため献身を続ける先生に、今回も沢山を学ばせて頂いています。

昨日、外務省との「ProSAVANA事業の意見交換会」に出席した学生が、「先生、大人ってどうしてこんなに汚いのですか?」、と。切実な面持ちで。「この社会は、そんな汚い大人ばっかりなのですか?」と。本当にそう思って当然だよね。(このことについては別記事で)。返す言葉がないね。私たちの税金が、どんな人達のどんなことのために、どんな風に使われ、それがさらにどんな風に誤魔化されるために費やされるか。

でも、こんな濁流のような中で、小さな小さな小石であっても、そこにふんばり、頑張り続ける大人達がいることもまた、皆に伝えておこうと思う。人類の歴史が教えてくれるのは、こういう人達のがんばりが「最後の砦」であったこと、そして次の時代の学びに不可欠な「アンカー(碇)」であったことだから。

これを報道し続けてくれる小さな小さな市民のためのメディアが、Our Planet TVさんや、IWJさんやhttp://www.iwj.co.jp、田中龍作さんやhttp://tanakaryusaku.jp/、その他の皆さんの努力があったことを、知ってほしいと思います。

何より、市民たちが身体をはってこれを止めようとしてきたことを、大手メディアや政治家や政党らが動きが鈍い中、どれだけ沢山の市民たちが連日連夜活動してきたか、を。
http://fukurou.txt-nifty.com/himitsu/cat23621881/index.html

今、世界の国際機関や市民が私たちの将来を危惧して声明を送ってくれています。また紹介します。世界の目からみたら、日本が今突き進む道は、戦後「世界の中で名誉ある地位を得たい」との世界に賞賛されてきた憲法の精神を、かなぐり捨てる行為であり、驚き・嘆かれていることを、これこそが日本の安全保障を弱めていくことを、知ってください。
■国連人権理事会・特別報告者の批判
http://mainichi.jp/select/news/20131123k0000m030094000c.html
フランク・ラ・ルー特別報告者(グアテマラ、表現の自由担当)は22日、日本の特定秘密保護法案について「内部告発者やジャーナリストを脅かすもの」との懸念を表明、日本政府に透明性の確保を要請した。国連人権高等弁務官事務所(本部スイス・ジュネーブ)が報道声明で発表した。「内部告発者や、秘密を報じるジャーナリストを脅かす内容を含んでいる」と法案を批判。
■ヒューマン・ライツ・ウォッチ
http://www.hrw.org/ja/news/2013/11/25

友人との喧嘩を暴力が解決することを当たり前にする社会・・・を私たちは決してあなたたちに手渡してはならないと、心から思います。

====
ごめんね、
日本の子どもたち。
あなたたちの未来のため、
開かれた、風通しのよい、
間違った時には間違ったと認め、
批判を改善に役立てられ、
もっとずっと素晴らしい、
そんな国ではなく、
問題も、過ちも、何一つ口にできない、
暗黒の国家を、
手渡す一歩手前に、
私たち大人たちが、
平気でいて。

あなたたちのためにも、
諦めない。
諦めてはいけない。

一人の日本の大人の約束として。

ふなだくらーせんさやか
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# by africa_class | 2013-11-27 18:02 | 【311】未来のために

外語祭でゼミ生たちがアフリカ&東北・福島のお母さんの手紙などを紹介中。是非(日曜日まで)

ゼミ生たちの外語祭の展示・販売は今日から。

東京外国語大学文化祭
外語祭「世界は思いのほか、近い」
http://www.gaigosai.com/

1.アフリカ・ゼミによる学内提示&アフリカ物産販売&イベント
2.東北復興支援隊&福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクトFnnnPの展示&販売
3.野外でのファムカフェのルワンダコーヒー販売


と、盛りだくさんメニュー!
野外では、アフリカコースの学生たちのアフリカ料理・ドリンク販売もあります。

ぜひ、週末は東京外大にお越し下さい。
以下、彼らの宣伝です。

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1.アフリカ・ゼミによる学内提示&アフリカ物産販売&イベント
22日(金)~24日(日)までの3日間326にて教室展示を行います。
========================
今年は「すぐそこ!アフリカ」をテーマに、
日本ではあまりなじみのないアフリカの国々や文化のことをもっと知っていただこうと、写真いっぱいの旅行記やアフリカクイズ、民族衣装の展示や物販など様々な展示を用意したので皆様ぜひ遊びに来てください。

特別企画
23日(土)15:00~はモハメド・アブディン氏の講演会、
24日(日)11:00~と14:00~はenjoy africa folk(http://enjoyafricafolk.osonae.com/eafindex.htm)
によるジャンベ演奏会&レクチャー会を予定しております。

モハメド・アブディン氏は著書『わが盲想』が大人気のスーダン人作家です。講演会は同書に即した内容となっており、彼から見た日本のお話は、とても興味深い内容になっていると思います。

またジャンベ演奏会は前売り券250円・当日券300円を頂いてしまうのですが、プロの演奏を楽しみ、ジャンベレッスンを受けることも出来るので、絶対に後悔はさせません。

詳しくは
https://www.facebook.com/pages/Tufs%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%BC%E3%83%9F/331332757004219

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2.東北復興支援隊&福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクトFnnnPの展示&販売
http://tegamifukushima.blog.fc2.com/
=========================
お手紙の展示紹介が、東京外国語大学文化祭「外語祭」にて行われます。今年7月に同大学にて行われたものの再展示です。外大東北復興支援隊様のご協力のもと開催されます。
以下、詳細です。

*お手紙の展示紹介@外語祭*
日時:11月23、24日(土、日) 11:00~17:00
場所:東京外国語大学 府中キャンパス
   研究講義棟 307教室
   団体企画「外大東北復興支援隊」内
アクセス:
・西武多摩川線「多摩駅」から徒歩約5分
・京王線「飛田給駅」からバス約10分
(詳細は「GAIGOSAI WEB」へ→http://www.gaigosai.com/access.shtml)
※入場無料。
※スタッフが常駐します。お気軽にお声かけください。
※前回の活動報告はこちら→http://tegamifukushima.blog.fc2.com/blog-entry-32.html

大勢の方々にご来場いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

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3.野外でのファムカフェのルワンダコーヒー販売

https://ja-jp.facebook.com/Femmecafe
http://ameblo.jp/femme-cafe/
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タイトルにもある通り、外語祭で私たちファムカフェが出店する「AFRICAFE」のメニューと価格が確定いたしましたのでお知らせいたします!

・ホットコーヒー              …¥200
・カフェモカ 
・スパイスラテ
・ハニージンジャーラテ           …¥250
・大人のカフェオレ(ホットコーヒーカクテル) …¥300
・ルワンダコーヒー(豆・粉)         …¥250

ルワンダコーヒーの味を活かしたカフェモカ、ジンジャーがほんのり香る優しい甘みのハニージンジャーラテはどちらも今年初のメニューです。また、ティーマサラを加えたスパイスラテや、ルワンダコーヒーを漬け込んだ自家製のリキュールを使用した大人のカフェオレは昨年に引き続き今年もご提供いたします。

ドリンクはすべてホットですので、急に寒くなりだした今の時期にまさにぴったりです。
「AFRICAFE」で心も体も温まること間違いなし!
ぜひぜひみなさま11月22日(金)~11月24日(日)は「AFRICAFE」@第91回外語祭にお越しください^^

================

がんばれ~学生たち!
そして、是非ご来場を。
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# by africa_class | 2013-11-22 10:19 | 【大学】アフリカゼミ(3・4年)

東日本大震災の被災地を訪ねて考える、「勝手な風化」に抗い、「共に食す」ために東北に通う意義。

フィリピン台風の被災者の皆さんにお悔やみ申し上げます。本当に、災害は止まるところがなく、胸が痛みます。子どもたちのことがとくに心配です。今どの団体を応援するかリサーチ中です。

少しご無沙汰しております。実は3月に再発していたPTSDが9月末に増悪化してしまい、厳しい毎日が続いています。我慢強いのが子どもの頃からの唯一の取り柄だった私も、自分の精神力でコントロールできる範囲を超えてしまっているようで、全体的にいつも調子が悪い上に望まない瞬間に症状が頻発するようになってしまい、頭の痛い毎日です。

さて、この間あの学会もこの学会も出張取り止め続きなのですが、なんとか東北の被災地に行ってきました。これは、他大学主催の国際交流基金の平和構築事業の一貫だったのですが、私のPTSDには比べ物にならない負担を抱えてらっしゃる皆さんの声を、今どうしても聞くべきだ・・・と思ったからだったのでした。また、一緒に行く予定だったアフリカの皆さんが、虐殺サバイバーであったり、何度もの災害と戦争を経験した皆さんであったこともありました。お医者さんまで一緒だったので、とにかく行ってみる。ダメだったら帰る・・・ということで皆と出発。

結論から言うと、行って本当に良かったです。
というより、行かなくてはなりませんでした。
身体がよくなったわけではないですが、今行くべきでした。

東日本大地震による震災・津波から2年半。
私は市民活動の方で原発事故の問題(特に乳幼児・妊産婦ご家族)に関わっていることもあり、時間・気力の関係もあり、なかなか震災・津波被災のことまで十分に取り組むことができませんでした。
http://fukushimaneeds.blog50.fc2.com/
福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクトFnnnP

あ、6月に放送された、NHK・Eテレ「ハートネットTV Our Voices “原発被災者からの手紙”」が再放送されることとなりました。是非ご覧ください。お母さんたちの心の底からの叫びに耳を傾けて下さい。手紙の全文は、次のサイトで。http://tegamifukushima.blog.fc2.com/
・本放送:11月27日(水)、28日(木) 20:00~
・再放送:12月4日(水)、5日(木) 13:05~

でも、兵庫県出身で、阪神淡路大震災の時ずっと半年間区役所で寝泊まりしてボランティアした身としては、気になっていたものの、顧問を務める「外大東北復興支援隊」のサポートをしているぐらいで、何もやっていないに等しい。今でもそうなのですが、とにかく2年半以上が経過して、マスコミにも報道されなくなってきて、皆さんどのように暮らしてらっしゃるのだろう、どのような気持ちでいらっしゃるのだろう、私たちは何をすべきなんだろう・・・そういうことを外から来た皆さん、自らも色々な苦しみを経験してきた皆さんと共に耳を傾けたい、と思ったのです。

「風化」・・・は、阪神淡路の時よりもずっと早いスピードで起きているような気がします。自分の中で勝手な「風化」をしてしまわないために、1年以上ぶりとなりましたが東北に向かいました。

ルワンダ出身NGO代表、マリ出身大学・建築家、モザンビーク大学関係者、アメリカ人医者夫婦・アメリカ人大学・建築家・日本のアートキュレーター・元国連緊急人道援助事務家・文化人類学者・・・・と私という不思議な10名のバスで陸前高田から石巻まで降りる。

今現在の陸前高田の街の風景。
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ここに沢山の命、暮らし、歴史・・・がありました。
それらが詰まった家や建物、賑わい、コミュニティ、それらすべてが流されてしまいました。残っていたものも、すべてが取り払われた今、私たちが「かつて」を感じるには、想像するしか方法がありません。自然だけがこの地を再構築している最中には。

私たちは目を瞑り、弔いながら、失われたものに想いを馳せました。

そして、遮るもものが何もなくなり勢いを増した風に吹かれながら、失われたものの大きさ、重さ、そしてその一つ一つのかけがえのなさに言葉をなくしていました。

何分そこにいたのかわかりません。最後は、私とルワンダのマリ・ルイーズが互いの手を握り合いながら、ただ祈っていた。彼女は、ルワンダの虐殺の時のこと、亡くなった多くの多くの人達、その光景を思い出していたといいます。そして、祈っていた。弔おうと。

彼女のぎゅっと握られた手に、その震えに、私は彼女の小さな身体に覆いかぶさっているあまりにもの多くの命と人と事柄の重みに、ただただ圧倒されながら、ただそばにいて手を握るということしかできない自分に、目の前の原野となってしまったこの場で命を失ってしまった一人一人のことを想像しながら、いつまでもそこに立っていました。

キリスト教徒である彼女と宗教を信仰しない私では、ここは大きなギャップです。悼む方法がない。でも、物心ついてからずっとしてきたように、会ったこともない名も知らぬ一人一人の確かにあった輝きに、お礼を述べるとともに、覚えていようとただ誓っていた。もっと何か方法があったのではないか・・・それは今でも毎日のようにふり返って感じずにはいられないもの。

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東北の沿岸部で私たちが圧倒的なスケールをもって感じたことは、このような大きな大きな喪失と、自然の恐ろしさ・強さ・大きさでした。
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その一方で、「あの日」のままあえて残されているいくつかのもの。
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私たちが、あまりに想像力がなく、あの惨事を勝手に風化させてしまうから、「思い出したくないから取りさってほしい」という地元の人達もいるというのに、残されるものもあるのです。でも、アフリカから来た皆さんの一言え我に帰りました。

「僕は2年前に原爆ドームと博物館に行って、あれほど人生において衝撃を受け、考えたことはなかった。人間のちっぽけさや愚かさ、そして恐ろしさ。原爆ドームを残すことは辛かったと思うけれど、人類のためによく残してくれた」

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暗すぎて写らなかったのですが、最後まで避難を呼びかけた若い女性職員がいた防災センターの骨組は、残されることが決まったそうです。バスの運転手さんも被災地の出身。夜遅くまで、一つでも被災したことの意味を感じられる場所を見せようと、本当に頑張ってくださいました。「何度も連れていくのは辛くないですか?」との質問に、「見てもらいたいのです。知ってもらいたいのです。忘れてほしくないのです」とおっしゃった運転手さん。暗くてその表情は分からなかったのですが、それが使命だと思ってらっしゃる様子が肌で感じられました。翌日に予定になかった石巻の別の被災地にお連れ頂いたのも、彼の提案でした。

「被災地観光」…そのように揶揄する向きもあるでしょう。あるいは、暮らしている人にとって、ちょっと来ては騒ぐだけ騒いでいなくなってしまう「観光者」は迷惑でしょうし、心の傷を深めることになるでしょう。本当に難しいところだと思います。(これについての私の考えは後の方に)

南三陸から南下する際にいくつかのコミュニティに立ち寄ったのですが、高台にあるその建物の下まで見渡す限り何もない状態。建物が根こそぎ流されたことが分かります。津波は、12メートルだったり、16メートルだったり、酷いところは22メートルだったり・・・で、人間や人間の建造物がどうやっても立ち向かえない規模のものだったこそが、その跡地に立つと身に染みてわかります。あんなに海は遠いのに、でも小高い丘まで行くことを躊躇ったら・・・あるいは、すぐに逃げようと思っても小高い丘などどこにもない現実。

小さな子どもを連れていたら、お年寄りを連れていたら・・・。
残された人たちのお話を聞けば聞くほど、そのことの辛さと無念さが心に迫ります。誰のせいでもない。大規模災害だったのだから、あるいは時間が経ったのだから・・・そんな言葉は何の気休めにもならないことが、よく分かります。

陸前高田の「みんなの家」
http://rikuzentakataminnanoie.jimdo.com/
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建築家の伊東豊雄さんらの取り組み。
http://www.wochikochi.jp/topstory/2012/10/minnanoie.php

でも、重要なのは「建築」「建築家」ではなかった。
大災害によって暴力的に、あるいは縦割り行政によって、あるいは人間関係によって壊れてしまった「コミュニティ」を、あちこちの残った色々な太さと色彩の毛糸を手繰り寄せるように、新しい毛糸も足して、編み続けた皆さんの想いと努力があって、「みんなの家」は「『みんな』の『家』」となったのです。

避難所や仮設の生活で「待ち」の状態にいるのは本当に辛いことだった・・・と皆さんおっしゃいます。阪神淡路の時よりもずっと酷い災害ではありましたが、どうしてあのプレハブの仮設住宅が、たいした改良もされないままに、またしても使われているのだろう・・・疑問に思うことは膨大です。そして、どこの被災地でも同じように、「あの人は私より被害はまし」「あの人は私より好い目にあっている」・・・・という互いへのやっかみが再びコミュニティを紡いでいくことを難しくしています。行政の仕切る仮設入居、防潮堤建設や高台引越し等の一つ一つの行政が、人びとの間を分断していきます。

自ら動いていくしかない場面が多いのに、行政の待ったがかかったり、行政から邪魔がはいったりと、ちぐはぐであることが、色々な人から繰り返し指摘がありました。その際たるものが・・・これ。

十数メールを超える、場所によっては22メートルの波が押し寄せた海のそばの土地に、盛り土を積んで12メートルカサを上げて、この上にマンションを建てるというのです・・・。岩手県内では、とにかくこういう工事が、あっちに一つ、こっちに一つ・・・・。凄まじい費用の建設費です。いつ終わるかもわからない。この工事の様子を眺めながら、被災した人たちが言います。「こんな膨大なお金と労力を使う余裕があるんだったら、コミュ二ティがこれ以上分断しないためにいくらでもやれることがあるのに・・・」。
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他方、高台を削って集団に移転する先を確保しようというコミュニティもあります。しかし、「もう遅いよ。若い人たちはもう都会の便利さを知ってしまった。このまま帰ってきて一緒に住んでくれたりはしない。学校にも慣れた頃だろうし。残るのは老人ばかりだ」という声も。
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でも、泣いてばかりいても仕方ない、行政を待っていても仕方ない・・・と女性たちは立ち上がり、自分たちの居場所を外部の専門家らと作り、こんなかわいい台所用のアクリルたわしをせっせと作って下さっています。1つ200円。私が買ったタワシの作家さん。お召しになっているセーターもブローチもすべて手作り。しっかりお化粧もされており、すごく刺激を受けました。外部からこうやって来てくれるのがとても嬉しい、と。
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モザンビークからのお土産。テーマは「家」。「みんなの家」にぴったりです。アフリカでの家族の大切さ。そして、「家族」という際の限りない広がり。「皆が家族」の意味を、改めて共に考えました。
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そして石巻の近くのお寺さんでお話を聞きました。
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海の目の前のこのお寺ですから、このような様子に。
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多くの方がお亡くなりになり、今この集落に残っているのは4名だけだといいます。他の方々は皆山の仮設住宅にいらしゃるといいます。でも、お寺がコミュニティがコミュニティとしてつながっていられる機会を提供しているそうです。お盆、お彼岸の行事の際は、皆さんが戻ってこられる。そして、地域に残る歌のお稽古を通して、定期的に集い、外からお客さんが来られると、皆さん楽しみにしてお料理を持ち寄られるそう。この前、イギリス人のご婦人が滞在した時は、まさにそれで、普段お化粧をされないお母さんたちが、ばっちりお化粧をしてこられたそうです。

すべてが流され破壊された時に、唯一残ったのがこれだったとおっしゃいます。両手がもぎ取られてなお、無事だった仏像に、お寺さんも、地域の人たちも、共に集う意味を深く感じてらっしゃるそうです。
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人は集うことによって力をもらいます。
集うための「場」をつくることは、それだけでもすごく重要なことなのです。そんな「場」を自主的に守っているのが女性たち。その女性たちが別れ際にこういってくれました。

「だから、今度来るときは必ず時間をとって、ご飯を一緒に食べてね」・・・住職のパートナーのマキコさんの一言。みんなの家のミキコさんの一言。「今度来るときは、泊まってってね。皆で鍋を囲んで、ビールを飲みましょう」。石巻のカズコさんは、急なお願いだったのに皆のためにお赤飯を炊いて待ていて下さいました。

共に食す。
アフリカ農村では、家族が家族である所以。
コミュニティがコミュティであることの原点はこれです。

寄り合い、共に食べて飲む。
共に悼み、共に泣き、共に笑う。
マリルイーズさんもそのことの大切さを、福島市内の月一の仮設住宅周りで実践してらっしゃるといっていました。ルワンダの御茶やコーヒーを飲んで、ケーキを共に食べ、ただ話す。

肩肘張らなくても、「お隣さん」だと思って、「遠い親戚」だと思って会いに行き続ければ良いのだと私は思います。何より、「被災者」「非被災者」であることは紛れのない事実ですが、「お互い様の人生の中の同じ人間」として。もちろん、岩手でお話しを聞いた際に、「無神経な都会の若者の無神経な言葉」に傷ついたり、がっかりしたり、怒ったりということがあるそうです。でも、それを伝えられるようになってきた。伝えたら本当にすっと分かるようになった・・・ともおっしゃっています。勿論、このようなことは徹底して気を付けなければなりませんが、若い人には若い人なりのチャレンジがあることは、皆良く理解してくださっています。

阪神淡路の時、何千人ものボランティアのコーディネートをしていたのですが、夕方のMTGの際にきまって、「せっかくボランティアに来たのに、被災者にありがとうと言ってもらえなくて残念」という都会の若者が一人はいました。その一言が連発されるようになった時に、私は、神戸市中央区の皆さんと被災した子どもの祭りを主催することにしたのです。勿論、それはバラバラの避難所、仮設に行ってしまい、寄り合いや地域の行事や趣味のサークルができなくなった皆さんが、顔をあわせ力をあわせて活動するための機会を創造するためでした。中止になった「神戸祭」を、震災以来笑わなくなってしまった、大人のふりをするようになってしまった子どものためのものとして開催するためです。でも、隠れた目的の一つには、「ボランティアが被災者の皆さんにありがとうという機会」を設けるためでもありました。

地元に伝わる踊り、音楽、料理。
そんなものを被災者の方々とボランティアが一緒になって子どもたちのために準備する。

「一方的にやってあげる」「一方的にやってもらう」関係ほど心苦しいものはありません。
「お互いさま」こそ、基本なのだと私は思うのです。

しかし、日本は「遠慮」が美徳ともされており、ここを見破るのはなかなか難しいことではあります。負担を強いているのではないかな・・・そういう不安も、復興支援隊にはあったようです。私はそういう気配りはとっても重要だと思います。でも、その一方で、「負担なら行くのを止めよう」というのは、違うのだと思います。

バスの運転手さんも、皆さんも、勿論色々複雑な想いを抱かれていますが、「私たちを忘れないで」とおっしゃいます。その「私たち」には、あの震災で失われた命も含まれていますし、今残って苦闘している皆さんのことも含まれていますし、この災害を出会いへの感謝に転換しようと努力されている方々も含まれます。

また、特に中央・東京にいる我々にとって、われわれが使っている電力のために何が起こったのか、何が起こり続けているか知らないわけにいかないとともに、東北の地震や津波の被災者の皆さんが置かれている状況もまた無関係ではありません。被災者の皆さんが、2年半が経過しても、このような暮らしを余儀なくされているのは、決して災害の規模だけでは説明がつかないからです。

中央部が、勝手に風化させ、終わったことにしてしまっているから。

だからこそ、私たちは通い続けなければならない。そして、そこに暮らす人たちと集い、共に食し、共に触れ合わなければならないし、彼らの話に耳を傾けなければならない。そして耳を傾けたことを発信し続けなければならないし、少しでも状況がよくなるように働きかけをしなければならない・・・そう考えています。

深く長く付き合う交流の輪を、一つでも、二つでも。
大切に。

PTSDになったからこそ、気づいたことでもあるのかもしれません。

東京に帰ってきてやったルカサ・ワークショップ。
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日本に暮らす3人のアフリカ出身者の考える東日本大震災と原発事故、そして現在の日本についてのトークショー(2013年11月4日放送 東京Ch 4)も是非ご視聴下さい。
http:www.iwj.co.jp 会員のみアーカイブ視聴可能
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# by africa_class | 2013-11-14 16:38 | 【311】東日本大震災

モザンビーク戦争にNo!と平和を求める署名呼びかけ+研究所所長によるファシスト化批判と大統領退陣要求

毎日メールボックスを開ける度に、モザンビークのニュースを読む度に胸が鋭く痛みます。昨日から全国で(中部以外)スムーズな選挙キャンペーンが開始する一方、とんでもない事態が頻発しています。

でも、それへの民衆と知識人らの抵抗、平和と民主主義のための運動は、モザンビークの歴史を日々塗り替えている状態です。心から彼らの無事と安全を祈り、社会的正義が実現するよう願っています。

今日は、モザンビークの人達から回ってきたいくつかの情報を。

まず、「戦争にNo!平和を求める」署名活動にご協力ください。
https://secure.avaaz.org/po/petition/Diga_nao_a_Guerra/?wHKAYfb
右下のPreencha o seu emailにメルアドを入れてAssineをクリック。次画面で名前(フルネーム英語)と国を選択(Japao)してAssineを再度クリックすれば終わり。モザンビークの人びとの平和のために現大統領が尽力することを要求しています。現在モザンビークを中心に、世界の3千人近くが署名。日本からこんなにモザンビークに心を寄せ、平和を求めている人がいると示すためにも是非!!

次に、モザンビーク政府にすら引用されるほど一目おかれた研究所であるIESE(モザンビーク社会経済研究所)の所長であるCastel-Brancoがフェースブック上で大統領に宛てて公開書簡を出しています。現在の政治的混乱、武力衝突、政府の作為の無作為によって頻発する誘拐に対する非難声明です。

エコノミストでかつ冷静沈着なカストロ・ブランコとも思えないほどの強い批判です。

問題の本質を突いているかなり重要なテキストです。
11月4日にFB上で公開され、現在この原稿はMedia FAXという独立系FAX新聞に転載され、かなり広く読まれています。(Maputo, Terça-feira, 05.11.13 *Nº5420)
また、どんどんネット上で転載されており、世界を駆け巡っています。

現在の軍事政治的危機をすごいスピードで招いている現状が、ファシズム直前期と同様だと。そして、ヒトラーやムッソリーニやフランコやピノチェトといった軍事独裁者らなぞらえています。そして、モブツのように投資家らの利益のためにこれをしている、と書かれています。

最後に、現大統領に「さようなら。ゆっくり休んで下さい」と締めくくってます・・・・。

今日首都近郊でポルトガル人、Save the Childrenのスタッフのパートナー(アメリカ人)、その他がまたしても誘拐されています。多くは、先日の平和マーチの報復だと考えられています。批判を行う人への次から次へと「ツナミのような誘拐」への現政権の関与が現地では明白な事実として語られています。カステロ・ブランコの叫びのようなこのテキストに、それは象徴されています。

モザンビークの豊かさは人材の多様性です。
FRELIMOにそれは顕著であり、それが底力でした。
しかし、それすら現政権の強権化でドブに捨てられようとしています。
もはや、FRELIMOメンバーだというのは、カステロ・ブランコがいうように、恥ずべきことになってしまいました。自分たちの仲間の批判すらも耳にするのが嫌で弾圧し続けた結果、もはやFRELIMO党員ですら離れていこうといています。それを引き留めるため、「国が危険だ。だから強いリーダーが必要だろう」という空気を創り出そうとしています(これもCBのオブザベーションと同様)。

日本の総理大臣がモザンビークに来年1月に行くと昨日発表されました。
資源ほしさに。日本の企業役員を沢山引き連れて・・・。
現地で起こっていること、何も知らないのでしょうか?

この大統領・政権と手をしっかり結ぶことが、モザンビーク社会にどのような負のインパクトをもたらすのか?世界の中でどのように受け止められるのか?中国を出し抜こうとして、結局自分たちが批判している中国以下になる。なりふり構わぬ、独裁政権万歳、経済利権至上主義。

短期的に資源が手に入ればそれでいいのでしょうか?
それが世界に示したい日本の対外的な姿?
こうなることを何度も警告してきました。
社会正義を無視し、民主主義を無視し、平和を無視し、それでもとにかく利権を貪ることに専念してきた日本政府と企業。

でも、それは日本国内の姿でもあるのです。
「援助は社会の鏡」・・・残念ながら去年11月に述べたことは、その通りであったことを実証してしまいました。

日本の皆さん、企業や政府やJICAの。本当の本当に、それでいいのでしょうか?
すべてはカネとパワーのため。
自分たちの。
人びとを犠牲にする権力者とつるんで。
人びとを犠牲にする。

でも、歴史が証明していることは、民衆はやられっぱなしではないということ。立ち上がりつつある民衆と知識人たちにエールを。

=====
Por Carlos Nuno Castel-Branco
Carta ao PR

Senhor Presidente, você está fora de controlo. Depois de ter gasto um mandato inteiro a inventar insultos para quem quer que seja que tenha ideias sobre os problemas nacionais, em vez de criar oportunidades para beneficiar da experiência e conhecimentos dessas pessoas, agora você acusou os media de serem culpados da crise política... nacional e mandou atacar as sedes políticas da RENAMO.

A crise político-militar que se está a instalar a grande velocidade faz lembrar as antecâmaras do fascismo. Em situações semelhantes, Hitler e Mussolini, Salazar e Franco, Pinochet e outros ditadores militares latino-americanos, Mobutu e outros ditadores africanos, foram instalados no poder, defendidos pelo grande capital enquanto serviam os interesses desse grande capital, e no fim caíram.

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# by africa_class | 2013-11-06 23:52 | 【情報提供】モザンビーク

モザンビーク平和を求める大規模マーチ、大統領辞任を求めるグラサ(初代大統領とマンデラ夫人)

モザンビークのあちこちで衝突が続いています。
同時に、平和を求め、政府批判をする人びとに対し、脅迫と誘拐、殺害などが起こり始めています。
これに対して、市民は10月31日、大規模なマーチを首都マプートで開催しました。
昨日、ナンプーラ市でもマーチが行われた模様です。

首都マプートで市民が呼びかけた平和マーチの様子。
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皆白いTシャツを着て参加となっていたそうです。
プラカードには、「No to Violence」や「平和がほしい」というものの他、誘拐を非難したり、政府を批判するものも沢山写っています。特に、内務省批判のものなどもありました。

==
ポルトガル国営放送の記事(10月31日付)
「モザンビークで何千もの人々が集まり、平和を求め、誘拐に反対するマーチを行う」
Marchas pela paz e contra os raptos reúnem milhares de pessoas em Moçambique
http://www.rtp.pt/noticias/index.php?article=692219&tm=7&layout=121&visual=49
何千という人びとが、政府とアルマンド・ゲブーザ大統領に反対し、マプートとベイラをマーチした。このマーチは、暴力を拒否するモザンビーク社会によって横断的に実施された。「暴力反対」「人種差別反対」「汚職反対」「誘拐反対」と書き込まれた白か赤のTシャツを着た人びとが、エドゥアルド・モンドラーネ(初代FRELIMO書記長)の像の前に集まり、通りを行進し、独立広場に向かって行った。

「汚職まみれの警察に反対、政府に反対、人種差別に反対」と参加者らは声を上げた。
「戦争が始まっているだけでなく、どんどん人びとが誘拐され、人びとはパニック状態に陥っている。リビアより酷い状態だ。我々はどうしてこのような、我々を戦争に導くような国家のリーダーたちに我慢しなければならないのか?そんなことごめんだ。我々は平和を求める」と、このプロテストを主催した団体の一人は述べた。
===

このタイミングで、モザンビークの解放闘争を闘い、モザンビーク独立の「母」であり、初代教育大臣、初代大統領Samora Machel夫人、現ネルソンマンデラ元南アフリカ大統領夫人でもあり、国連との仕事も多いGraca Machelさんが、声明を発表し、平和を求め、政府の対応を批判すると同時に、ゲブーザ大統領の辞任を要求しました。(*最後の辞任要求はモザンビーク市民社会からの情報ですが、記事がみつかっていないので保留でお願いします。<11月4日>)

===
先述RTP/LUSAの記事にもあるのですが、誘拐は現在「Tsunami」として表現されており、息子が誘拐されて殺されたお母さんは以下のように述べています。(なお、これらの誘拐事件と誘拐事件の放置には、警察の関与が疑われています)

「サモラ(初代大統領)の時代にはこんなことは起こらなかった。シサノ(第二代大統領)の時だって起こらなかった。今、ゲブーザ(現大統領)の時だけに起こっている。彼(ゲブーザ大統領)は、モザンビークを発展させているという。違う。彼はモザンビークを破壊しているのだ」と述べ、「私はあの子(殺害された)の母です。でも今は泣かない。全てのモザンビークの母親たちに、政府とこの国に反対するストライキを行うことをアピールします」と呼びかけた。
===

もうこの政権がFRELIMO内部の人びとにすら公に支持されていないことがはっきりしました。
マーチには沢山の同党のメンバーも参加したと聞いています。

ゲブーザ政権はひたすら、今回の問題をRENAMOのせいにしていますが、多くの国民は政府の武力行使のせいだと考えています。(もちろんRENAMOの現在の襲撃を支持する人はいませんが。)日本の援助や投資は、現政権関係者の話しか聞かないので、このようなことが分からないかもしれない(あるいは知らないふりができる)と考えているようですが。

すでに政府軍に攻撃されたRENAMO党首デュラカマの拠点は、「軍事基地」ではなかったことが分かったということでした。政府軍が、最大野党党首が暮していたところを軍事攻撃する理由は何もなかったはずです。

そこのことは和平交渉の担当者に指名された首都にあるコミュニティカレッジの学長do Rosarioも次のように述べています。「勿論、武装した政党はモザンビークにあるべきでないが・・・・サントゥジラ(RENAMO党首の拠点)の占領は、「暴力のエスカレーション」であり、RRENAMOのリーダーが暮していただけで軍事基地というわけでもなかったのに、現在は政府軍が占領している。そして、『モザンビークは宣戦布告されない戦争状態にある」と述べた。」(MOZAMBIQUE 233 - News reports & clippings – 4 November 2013
tinyurl.com/mozamb)

勿論、政府側は、「RENAMOが挑発したから」「RENAMOが市民を殺害しているから」・・・と述べていますが、実際は事の発端は政治的な問題であり、あったとして警察が出てくるべき問題であったのが、突然の政府軍による軍事攻撃による1992年の和平合意の一方的破棄(宣言されない)でした。これを受けての現在のRENAMOの残党の攻撃であることは(市民への攻撃はまったく勿論許されず、非難されるべきです)、モザンビーク国民も世界メディアも御見通し。でないと、マーチで何故政府がワザワザ批判されているのか不明かと。でも、日本では「政府見解」だけで物語られ続けるのでしょうね・・・。

後20日で選挙です。今日から選挙キャンペーンが始まります。
一体どうなるのでしょうか。。。

他にも載せたい情報が沢山届いているのですが、取り急ぎこれを。
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# by africa_class | 2013-11-02 08:19 | 【情報提供】モザンビーク

RENAMO襲撃への市民社会、EU・ブラジル政府の懸念と防衛大臣による「テロリスト」声明。日本政府は?

独立系新聞の木曜日24日の記事を一挙訳しておきました。

この背景や他の報道(国内外)は以下に分析を掲載中
→http://afriqclass.exblog.jp/18838938/
この間のモザンビーク政府と農民との土地を巡る対立、日本の援助(特にプロサバンナ)・投資問題は
→http://afriqclass.exblog.jp/i38/

依然懸念されるべき状態です。特に、政府大臣が、軍事襲撃をしながら、今度は野党党首や野党を「テロリズム」と呼び、攻撃の継続を宣言し、部隊をソファラ州に移動させていることは大変問題です。現時点において、この攻撃の説明は、総司令官である大統領によってなされておらず、市民社会組織だけでなく、マプートの外交筋らも声明を発表し始めています。

プロサバンナ事業の「パートナー」であるブラジル政府すら「憂慮」を出しています。日本政府はこのままなにも言わないまま、ゲブーザ政権のこのような国家権力を使った戦闘行為に暗黙の了解を与えてしてしまうのでしょうか?資源がほしいから?

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Canal Moz
numero 1071 | Maputo, Quinta-Feira 24 de Outubro de 2013

■国防大臣(Filipe Nyussi)がアフォンソ・デュラカマ(RENAMO党首)の追跡は継続すると述べた。Filipe Nyussi diz que perseguição a Afonso Dhlakama vai continuar■
「これらの国防大臣の発言は、この国を内戦に引きずり込みかねない政治軍事的な緊張に対して、平和的解決のいかなる可能性をも捨て去る宣言である。

国防大臣は、メディアに対し、この侵略(征服)は、国内の「テロリズムの中枢」を非活性化させるために不可欠だった」と述べた。(中略)この攻撃を正当化するため、レナモ関係者らが国軍に対し待ち伏せ攻撃をしかけていたための反撃で、国の安定化のためのものだったと、国防大臣は述べた。

■国軍兵士を乗せた12の戦車が国の中部ソファラ州に向かってマプートを火曜日に出発した。
Pelo menos doze camiões, transportando soldados das Forças Armadas de Defesa de Moçambique (FADM),deixaram esta terça-feira a cidade de Maputo com destino à região central do País.

■国の戦争のシナリオに対し、市民社会諸組織がゲブーザ大統領に説明を求める
”Cenário de guerra no País Organizações da Sociedade Civil exigem explicações a Guebuza”

先週月曜日、政府軍がレナも指導者アフォンソ・デュラカマの家を襲撃し、奪取したことを受けて、モザンビークは差し迫った戦争のシナリオを生きている。状況は、社会の多様なセグメントの反応を引き出しており、これは山のようなものになるだろう。

今週の水曜日、市民社会組織が集まり、記者会見を開催し、アルマンド・ゲブーザ大統領に対し、この国で生じている事態についての説明を要求した。「何故国軍が介入したのか、その文脈(背景状況)を明確にする必要がある」と、Centro de Integridade PúblicaディレクターのAdriano Nuvungaは述べた。

また、Liga dos Direitos Humanosの代表であるAlice Mabotaも、「誰のための内部秩序であるのか。軍のためのものでないはず」と述べるとともに、「モザンビーク国家は市民の生活に損害を与える政策を行ってはならない」とし、「Conselho de Estadoに対し、戦争宣言を受け入れないこと」を要望した。

女性フォーラムのAna Sambo(Graca Samoの間違い)は、市民社会は、レナモ拠点の攻撃は公的な秩序と安定への軍事介入であるとし、この攻撃を指示した国軍総司令官としてゲブーザ大統領に対し、「共和国憲法に基づき公衆の平和と秩序を再建するための、すべての取り得る措置を行うよう」要求した。

市民社会は、同様に、前大統領であるジョアキン・シサノ(Joaquim Chissano)の仲介を要求し、すべての国の組織と宗教組織は、政府とRENAMOの間でコンセンサスが達せられるよう努力されるべきと述べた。

■EUは、軍事的緊張に憂慮を表明し、「対話とインクルージョン(包摂)」を要請した
União Europeia preocupada com tensão militar apela ao “diálogo e inclusão”

現在の内戦可能性状況への否認のメッセージが各方面から続いている。ヨーロッパ連合(EU)は、この事態を近くで見守り、ソファラで起きている事態に対し「憂慮」を表明し、「両者による平和的対話とインクルージョン」を要請した。この声明は、ヨーロッパ連合高等弁務官事務所スポークスパーソン Michael Mannによってなされた。EC(ヨーロッパコミッション)の外交安全保障大臣であるCatherine Ashtonは、「EUはモザンビークで起きている事態を近くで見守り、現地で何が起きているのかについて理解に努める」「RENAMOと国軍の間で生じた最近の衝突の報に憂慮している。(中略)市民らの安全保障上の不安に対しても同様である」と述べていると、Mannは認めた。

同スポークスパーソンは、「EUとして、平和と和解を定着させるための政治的プロセスだけが国の持続可能な発展を促進することができると改めて理解している」と述べ、すべての関係者の「平和的な対話とインクルージョン」こそが、「民主化のプロセスを強化し、政治的な違いを解決する唯一の方法である」とアピールした。

■ブラジル政府は、国(モザンビーク)の戦争の方向性に憂慮を表明
Governo brasileiro preocupado com espectro de guerra no País
ブラジル政府は、ソファラで起きている事態に憂慮を表明するとともに、本紙に公式に送られたメモにおいて、「両者の間での違いに対して解決を探ること、民主主義、安定や権利に関わる機関の強化によって行われる対話と交渉の道筋を確保すべき」と述べた。

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# by africa_class | 2013-10-26 14:03 | 【情報提供】モザンビーク

ポルトガル国営ニュースLUSAも プロサバンナ報道「目を開いて。土地を失うぞ」とブラジル「土地なし」忠告

そしてポルトガル国営ニュース(LUSA http://www.lusa.pt/)もプロサバンナに関し、市民社会や農民組織の声を報道していたことを、今更知りました・・・。2013年5月28日の公開書簡発表直後の5月31日に記事化され、その後繰り返し報道がありました。3つの記事を出来る範囲で紹介します。

LUSAの記事はポルトガル語の検索エンジンであるSAPOに転載される仕組みです。ポルトガルに留まらず世界のポルトガル語者に広く読まれていることになります。

■「目を開いて、でないと君たちは土地を失うだろう」
ブラジル人の「土地なし」がモザンビークでのプロサバンナ事業に関して忠告

"Abram o olho, vocês vão perder as terras", avisa "sem-terra" brasileiro sobre o ProSAVANA em Moçambique” (2013年10月21日)
http://noticias.sapo.ao/lusa/artigo/16802939.html

ブラジルの「土地なし(労働者)」運動の中心的人物であるAugusto Juncal(アウグスト・ジュンカル)は、プロサバンナに反対するモザンビーク小農によるキャンペーンを「重みを強化する」ためにマプートに滞在した。そして、「目を開いて。でないと君たちは土地を失うだろう」との忠告を残した。

プロサバンナは、モザンビーク・ブラジル・日本の政府による農業開発プログラムでり、モザンビーク中北部で実施の初期段階にあるが、モザンビークの最大の小農階級組織である全国農民連合(UNAC)によって反対されている。同事業は、モザンビークの中北部の19郡の何百万というヘクタールの地域を対象とした事業であり、輸出のための特定作物の生産に民間セクターが参加することによってアグリビジネスを活性化することを目的としている。

UNACは、熱帯セラードの農業開発のブラジルモデルがモザンビークのこの事業でも繰り返され、何万という農民らの土地の収用を招き、貧困を悪化させ、社会的緊張を生み出すーーブラジルで「土地なし」現象が起きたように、と述べた。

マプートで今週開催された「第二回土地に関する国際小農会議」に招待されたAugusuto Juncal、「土地なし農村労働者運動(Movimento dos Trabalhadores Rurais Sem Terra、MST)」のスポークスパーソンは、プロサバンナがモザンビーク中北部の小農らに害を及ぼすであろうことは間違いないと述べた。

「プロサバンナ事業の規模を考慮に入れると、これから来るであろう問題に対する(現在のモザンビーク農民らの)懸念は十分でないと思う。小農らは、依然何が近づいているのか気づいていない。なぜなら気づいていたとしたら、政府と交渉するなどとはあり得ないからだ」と、ブラジルの土地なし農民のために闘う活動家はLusaに語った。「私は言っているんだ。目を開いてでないと君たちは土地を失うだろう。冗談じゃないよ、と。それは土地収奪や収用のプロセスなのだ。ブラジルでは、セラードの多くの人々の土地が奪われ、国の最も大切な森林が失われた」と、 Augusto Juncalは強調した。

アンゴラ環境・農村開発アクション(ADRA)というNGOのディレクター Guilherme Santosも、プロサバンナは、企業農業の利益を優先させることで小農らの損害を生み出し、この国を深刻な社会的緊張を生み出すだろうと述べた。「もし小農らの利益を守るために何もしないとしたら、小農の権利は踏みにじられ、社会は激変するだろう」と指摘した。

アンゴラ小農の権利を擁護する活動家は、プロサバンナが小農らの損失をもたらすことを防ぐには未だ遅くはないと述べた。「未だ対話の機会はある。この対話はしかし、全員にとって受け入れられるものでなくてはならない。関わる全員にとっての経済・社会・文化的な面を考慮に入れたものでなくてはならない。モザンビーク市民社会は、プロサバンナに関する意志決定プロセスに対し、影響を及ぼせるような力をつけなくてはならない」とGuilherme Santosは強調した。

この会議中、UNACは再び、このイニシアティブ(プロサバンナ)に対して否認(repúdio)を表明し、政府に対し、プログラムに関する声明にみられる「矛盾」や、小農との議論の際にみられる脅迫を非難した。「プロサバンナは、数々の矛盾によって刻印されてきた。何故なら中央政府は住民移転はないと言い張る一方、現場の職員らはプログラムのための土地が必要だと述べているからだ」と、UNACのアドボカシー・協力オフィサー Vicente Adrianoは述べた。

■「6ヵ国の農民らがマプートに集結し土地の搾取に反対するストラテジーを検討」 “Camponeses de 6 países procuram em Maputo estratégias contra expropriação de terra “
(LUSA 2013年10月16日 )
http://noticias.sapo.pt/internacional/artigo/camponeses-de-6-paises-procuram-em-maputo-estrategias-contra-expropriacao-de-terra_16797772.html

200を超える6ヵ国の小農アソシエーションの代表らがマプートに集い、「第二回土地に関する国際小農会議」を開催し、民間セクターによる「小農の土地の収奪を止めるため」の戦略が検討された。

同会議の主要な懸念は土地の収用に関するものであり、UNAC(モザンビーク全国農民連合)は、プロサバンナというモザンビーク、ブラジル、日本政府による農業開発プログラムに反対するための国際的なパートナーシップの強化を求めた。

同事業は、モザンビーク中北部の3州の19郡で実施される世手英であるが、モザンビークの小農階級の擁護機関であるUNACは、同事業への批判を率いてきた。何故なら、同事業が、輸出のための作物栽培に焦点を置くことで、土地の収奪やコミュニティの生活に悪影響を及ぼす結果となる可能性があるからだ。

「プロサバンナを止めよう。なぜなら3か国政府は小農に尽くそうとしておらず、農業の商業化を促進し、人びとの土地を収用しようとしているからだ」とUNACは述べた。

UNACのVicente Adrianoによると、(国家の)農業開発戦略は、大きな投資家らによる商業農業を優先するばかりで、小農らの生産手法や生産性に関するアクセスを容易にするものになっていないという。

「土地を守り、家族農業を守るための闘いは、食料主権や適切な食料を保証することにつながる。UNACは25年間活動してきたが、現在ほど、モザンビークの何百人もの人々がリスクに直面する時代はなかった」と、UNACのアドボカシー・協力オフィサーは述べた。

■「モザンビーク諸組織はモザンビーク、ブラジルそして日本に対し、プロサバンナ事業を止めるようアピール」"Organizações moçambicanas apelam a Moçambique Brasil e Japão para travarem projeto ProSavana"(LUSA, 2013年5月31日)
http://noticias.sapo.mz/lusa/artigo/16209612.html
モザンビーク市民社会諸組織は、モザンビークのアルマンド・ゲブーザ大統領、ブラジルのジルマ・ルセフ大統領、日本の安倍晋三総理宛の公開書簡を発出し、三角協力事業プロサバンナを止めるようアピールした。(中略)同公開書簡では、諸組織はプロサバンナを次のように批判した。「環境インパクト評価調査もなく、公衆との議論もなく、既にクイック・インパクト・プロジェクトが進められている」

ADECRU(農村コミュニティ開発のためのアカデミックアクション)に導かれた組織らは、「プロサバンナプログラムは、小農男女の家族や民衆に憲法で認められている権利である国民の知る権利に不適合であり、民主的で透明で幅広く深い公衆とのディベートが完全に欠如している」と述べた。

これらの組織は、「情報操作、コミュニティへの脅迫」や「ブラジル、日本、そして国内企業による土地収奪プロセス」によって、「この国に土地なしコミュニティを生み出す」可能性を指摘した。そして、結論として、これらの国の責任者らへの停止を要請した公開書簡は、「すべての事業や行為の即時停止」を求め、その上での「モザンビーク社会のすべてのセクターのすべての人々との幅広い公的な対話」を求めた。そして、プロサバンナのすべての資金と手法が、「持続可能な家族農業の支援のための国家計画の定義と実施の実現のために使われるべき」と主張した。
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# by africa_class | 2013-10-26 11:52 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

モザンビークで1992年の和平合意が白紙に?政府軍が野党拠点を襲撃。市民社会側から見たら違う様相に。

政府軍の襲撃の一報が入って以来、このことについて記事を書こうと思って1週間経過…体調がかなり悪くなかなか原稿化できず、すみません。1992年の和平合意が、実効的意味を持つようになったのは1994年以降のことだったので、丁度20年。このような事態の分析こそ、私の本来の仕事なのですが、逆にだからこそ気合を入れないと書くのがなかなか難しい。

が、そんなことも言ってられない事態に突入しつつあるので急ぎ、モザンビーク国内外の報道を訳し、考えをまとめておきます。さすが、国内の独立系新聞は市民社会の声も伝えており、政府報道や国際報道とはかなり違う様相がみえてきます。私の感覚もこれに近いものがあり、「何故ゲブーザ大統領は今、軍隊を動かしてまで、このような襲撃をやったのか?」という点こそが重要だと思います。

なお「全国が戦争に戻る」ということはまずありませんのでご心配なく。

このブログの読者なら、お気づきのように、私はここ数年、特に過去1年間、このような事態が起こることを哀しみとともに予見し、そのために既に大方の論点はあちこちに書いてきました。プロサバンナの問題も、鉱物資源の問題も、それらと土地の問題も、市民社会の抑圧や脅迫の問題も・・・・残念ながらすべて繋がっています。前述の通り、「何故今?」を問うことで、これらの繋がりははっきり目の前に立ち現れてくるでしょう。

今の政権、その周囲にいる利権者らは、市民や社会を犠牲にしても利権・権力を手中に収め続けることへの強い意志(greed)が顕著であり、かつ豊富な天然資源に目がくらみ権益がほしい外国ドナーや投資家・企業らが(日本を含む)それを支える構造により、もはや周り構わず状態になっています。ゲブーザ大統領が憲法改正で3選を果たそうとしていたのをFRELIMO内部の抗争により阻まれてからは、特に来年の大統領選挙までに、「売れるものは何でも売る」「権力の座を離れるまでに邪魔を排除しておく(返り咲く予定)」「これまでのことを暴露されたり批判されないような体制を構築しておく」・・・ことが目的化しています。

他方、第二期目から顕著になったこのようななりふり構わず国民の財産すべてを切り売りし、反対の者を弾圧する、異論に聞く耳を持たない姿勢は、民衆の多いなる反発を招き、与党内でも顰蹙をかっている状態です。多くの市民社会も、実際はFRELIMOに近い団体や個人が多いにもかかわらず、異議を唱えたり、問題提起をせざるを得ないところまで状況はきています。来月に地方都市選挙が迫り、政権への反発の根強さから、FRELIMO党内にもかなりの不安がささやかれるようになっています。プロサバンナの問題で揺れるナンプーラ州では、今月州知事が訪問したあるプロサバンナ対象郡で農民が一人も集会に現れなかった・・・ほどの事態になっています。

かといってRENAMOが勝つと考えている人は誰もおらず、FRELIMOにせよRENAMOにせよ、本当に恐れている相手はMDMです。来年の議会・大統領選挙でもかなりの議席獲得が予想されており、前回選挙妨害にあったMDMが、今回どのような妨害にあうのかあわないのか、それでもどれぐらい伸ばしてくるかが巷の関心時でした。FRELIMO・ゲブーザ派に「お灸をすえたい」と考えるFRELIMO党員たちも多く、秘密選挙が徹底されれば、これらの党員らがFRELIMOに投票しない可能性も口にされていました。

実の所、2008年にはすでにMDMへの対抗からFRELIMOの「公式野党」として手を組んでいたRENAMOですが、もはやその手法ではどうしようとないというRENAMOの判断があり、そしてその手法により2009年選挙を圧勝で終えたFRELIMOにとってもはや「公的野党」も不要になったためにRENAMOに配慮しない政治運営(特に選挙管理委員会)でポーズとしての交渉すらしない判断が下されていました。

ここら辺のことは以下を。
■舩田クラーセンさやか(2013)「モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題」『国際政治:紛争後の国家建設』(日本国際政治学会編)、174号、54-68頁。
http://afriqclass.exblog.jp/18711959/
*大学図書館・国会図書館等に入っています。

ということで、FRELIMO・ゲブーザ政権にとっても最大の敵は、「素直な民意(つまり権力者らへの反発)」なのであり、そこに呼応できる可能性が一番高いのは、独立来ずっと権力を握っているFRELIMOでなければ、元武装勢力で野党として機能しなかったRENAMOでもなく、まったく新しい民衆の政党(未来のものを含む)なのです。が、MDMは都市の若者に人気の高い政党で、田舎ではほとんど知られていません。なのでマダマダMDMが政権を取るなどということは考えづらい。それでも、あまりに政権が人気がない上に反発をくらっているので、選挙が近づくにつれ不安が募る。

自分たちの人気のなさと民衆の反発を、強権で押し通したいのが現政権の本音。民衆の反発に乗じてValeの石炭輸送ルートを襲撃したRENAMOをこのまま野放しにしておくのはそれはそれで政治的にリスクが高い。RENAMOが農村部でそういう手法に出続ければ(不満を抱えた民衆の側について行動を起こし続ければ)、それなりに人気を回復する可能性もある。あるいは、MDMやその他の政党が、政権批判でいつの間にか支持を伸ばしている状況もある。

より政権側にとって深刻なのは、今まで自分たちがコントロールしてきたはずの政府より農民組織や市民社会も公然と政権批判をするまでになった点です。2005年に、ゲブーザ大統領自ら介入して分断しつぶし、選挙に利用してきたはずのモザンビーク市民社会組織間の連携や連帯が、どうやら復活しつつある。

ということで、政権は、これらの動きを封じ込めるために、国家の暴力を行使(RENAMOに対し)することで、他の野党や市民社会やメディアへの抑止効果を生み出そうとするだろう・・・と予測してきたのですが、残念ながらこれは当たってしまいました。あちこちにそのような兆候があったのですが、これが起こるだろうと確信していたのは、解放闘争中、そして独立後の戦時中のFRELIMOの常にとってきた戦略戦術がこれだったからです。

*詳細は拙書『モザンビーク解放闘争史』かThe Origins of War in Mozambiqueに。
http://www.africanminds.co.za
正当性を主張するため「敵」を創り出す→「敵と戦い、排除する」→「反対・異議を唱える者をすべて敵と呼ぶ」→「排除できる」→「翼賛しか残らない」→「批判者は敵と呼んで未然に排除」

このコースをFRELIMOは1968年から実行し続け独立(1975年)。1977年の戦争によって、具体的に反対者は「武装盗賊」と呼ばれ排除の正当化が容易でした。和平後の1994年~2002年までは比較的自由な言論・政治空間が形成されてきました。それが、この国の天然資源に目を付けた外国直接投資が流入する速度が増すにつれ、資源争奪戦のためのドナーのガバナンス・民主化軽視が顕著になり、これに乗じてゲブーザ政権の利権ビジネス・強権化はだれも止められないほどに逆行。

日本の大型援助も天然資源に目を付けた投資も、まさにモザンビークが「資源の呪い化」を顕著にし、民主化の後退が各種指標でも明らかになり批判を浴びていたまさにその最中の2009年に開始し、加速化したのです。そして、この1、2年悪化する一方のガバナンスと、社会全体のゲブーザ政権への反感の中で、日本はあえて世界のどのドナーよりも強烈に明確に、この政権を支える宣言をし続けています。(長年この国援助や投資をしている国と違って、ゲブーザ政権二期目に突然大々的に現れた日本は「利己的な資源狙いだろう」と理解されています。)

もはや現地社会で「問題ドナー/投資国」として筆頭にあげられるのは日本である・・・・という現実に、日本の外務省やJICAは自覚的でしょうか?利権争いで中国をはじめとして他国に勝つために行われる数々の威勢のいい援助計画(プロサバンナその中に一つ)・・・一体誰のどのような利益を支えようとしているのでしょうか?

つまり、全体的な構造としては、「資源外交を有利に進めるための大規模開発援助」が、民衆を犠牲にした開発や利権構造を支え、そのことが 強権化を招き、政治問題の解決に国軍を動かすといった行為すら許してしまい、20年以上の和平に水を差している・・・ということです。

この「絵」の中で、プロサバンナ事業は、そして大統領はじめ農業大臣など現政権の要になる人、その「子分たち」に対 し、繰り返し日本政府(JICAサイド)から市民社会や農民組織の排除をさせたり、農村での推進のための宣伝の奨励を 行っている(選挙直前に与党関係者が全部の農村がまわれる予算をつけてしまった)という点で、まったく無関係ではないものとして、現地社 会ではみられています。

排除の論理で使われてきた「批判者らは政権の反対勢力でもあり、なんとか抑え込め」という指示が、JICA関係者らによってモザンビーク 政府関係者らに対して行われてきたことは、モザンビークの市民社会と政府との関係を歪め、民主主義と平和に逆行するものであったことが、 今回はっきりしました。

以下、Verdadeの記事に出てくる今回の政府軍の襲撃と、和平の後退の危機に対し、立ち上がった人達はまさに、与党に近いところにいた人達・団体、しかしプロサバンナにも抗議してきた人達です。independentな有識者として非常に高く尊敬され、決してRENAMO寄りではない点に注目が必要です。

現地社会にここまで手を突っ込んだドナーは、モザンビークの歴史においてなく、日本は、目先の「失点」を自分たちの論理で反転工作するこ とに邁進した結果として、日本の「仮想敵」である中国をはるかに超えて評判を落とし傷を深めただけでなく、現政権の暴力化に手を貸したド ナーとして認識されるであろうことは重要なポイントです。

何度もこのブログで書いているように、一握りの利権者や構造ではなく、民衆の側の権利を守ろうと異議を唱え続ける人びとに対する政府の抑圧は強まる一方です。今立ち上がって闘っている人達の勇気を讃え、この人達をこそ支えなければなりません。

以下の記事にあるように、「今必要なのは国際監視団ではない。モザンビークの市民社会はその役割を果たせることを過去20年において証明してきた」という言葉こそを、ドナーとしての日本やJICA、日本の市民社会がしっかり胸に受け止めるべきでしょう。

何より女たちが最前線に出て、国の平和と情報開示、平和な対話の空間のために闘っていることに、彼女たちの安全な活動を支えるとともに見守るための支援が必要であること、そして彼女たち・彼らの異議申し立てを邪魔したり、弾圧したり、弾圧や分断を計画したり、まったくもってすべきでないことを、強く強く指摘しておきたいと思います。

「国際協力」という名の暴力への加担を、もうやめましょう。
本当の協力は、真の対話から生み出され、民衆の側にたち、批判的な意見を寄せる人たちの声にこそ耳を傾け、そこからスタートするしかないのだと思います。

この政権は暴力や抑圧や小手先の操作で生き延びるかもしれません。
しかし、人類の歴史が示しているように、それは長くは続かないでしょう。人は騙されたようにみえて、黙らされたようにみえて、その実そうでないのです。モザンビークの人びとの150年の歴史が、それを示しています。

私たちの援助や投資がもたらしているこの事態に、しっかり目を見開いて、自分で調べ、自分で考え、議論し、何をすべきか共に考えましょう。

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1.モザンビークからみて何が起きているのか?
●政府系新聞の報道
●独立系新聞の報道(Verdade、Canal Moz等)
2.国際報道からみて何が起きているのか?


2.モザンビークからみて何が起きているのか?
「ゴロンゴザ山脈での政府軍の行為は違法である」(2013年10月24日)
Acção das Forças de Defesa e Segurança em Gorongosa é ilegal
http://www.verdade.co.mz/destaques/democracia/41135-accao-das-forcas-de-defesa-e-seguranca-em-gorongosa-e-ilegal
モザンビーク政府軍と迅速介入部隊(Força de Intervenção Rápida)はSathunjiraのRENAMOの拠点に攻撃を仕掛け、アフォンソ・デュラカマは「逃亡」したが、これは違法行為であると、市民社会は集まり、現在の軍事政治的緊張を拒絶した

政府は、このような行為が公的秩序維持のために必要だったと正当化しているが、モザンビーク国軍や迅速介入部隊がモザンビーク共和国警察の代わりを担うのは道理に反するとした。また、国内のあの地域で政府軍が動員されるまでに至るどのような状況が生じていたのかという事実関係について疑問が呈された。「我々は戦時下あるいは緊急事態下にあるとは知らなかった」と、女性フォーラムの事務総長Graça Samoと人権リーグ代表のAlice Mabota、公衆統合センター(Centro de Integridade Pública)ディレクターのAdriano Nuvungaをはじめとする20市民社会組織は述べた。

アフォンソ・デュラカマが1年にわたって暮らしていたサトゥンジーラのRENAMO拠点の掌握について、政府は挑発に対する反撃であると述べ、RENAMOはその党首の暗殺だと述べており、市民社会としてだれに原因があるかの判断は不可能であると述べた。しかし、市民社会は、どの程度までの「挑発」されたら、政府軍がRENAMOへの攻撃という結果につながるのかの状況が明らかにさせる必要があると述べた。

「もし政府がRENAMOの武装勢力によって軍人らが攻撃されたからそれに反撃したというのであれば、それが本当かどうか証明する術を市民社会は持たない。しかし、軍人らが一体あそこで、何をしていたのか、何を目的としてあそこにいたのかについて、政府は説明する責任がある」と、LDH(人権リーグ)のAlice Mabotaは述べた。「彼らは、何故わざわざあそこに行ったのか、そこに留まっているのか、この戦闘の原因が何なのか問われる必要がある。彼らは、単に半ダースの人びとの利権を守るためにいたのであって、このような行為がもたらすその後の結果について配慮していない」と続けた。

このようなシナリオに直面した市民社会は、モザンビーク大統領に対し、共和国憲法に基づき、平和と公的秩序と安定の維持のための行為が、平和的手段によるものであるべきで、武装対立の可能性は避けられなければならないとアピールした。しかし、状況が悪化した場合は、「Conselho do Estado (国家評議会)メンバーらは、いずれ行われるかもしれない戦争の宣言に対しては、反対の意を表すべき」と述べ、国家首脳はこれらの声に耳を傾けなければならないとした。

国軍の行為を正当化するために、共和国大統領アルマンド・ゲブーザは、ソファラ州において、「正統防衛」であり、一国内に二つの軍隊があってはならず、レナモの武装勢力に対する明確なほのめかしであった、と「開かれた大統領」集会で述べた。

しかし、最後の点について、Alice Mabotaは、「国家首脳は、モザンビーク国軍の総司令官でもある。このような暴力や武器を使わずにRENAMOを非武装化できたはずだ」と強調した。彼女は、政府が現場で実際に何が起きているのかについての情報を開示しようとしていないことについて、注意をする必要があると述べた。「我々は現場におらず、噂しか耳にしない。一体何が現場で起きているのか分からない。そのため情報操作に気を付けなければならない」と述べた。

CIPのAdriano Nuvungaは、多くの人々は、サトゥンジーラへの抗議とアフォンソ・デュラカマの逃亡は随分前から計画されていたことであり、政府はそれを実行に移すタイミングを待っていただけだと考えていると述べた。「RENAMOとの対話(ダイアローグ)や交渉の行き詰まりといったものは、まったく明確ではない」。

同氏は、RENAMOの政府との間の対話のボイコットといった態度により、国際監視団が必要とは考えないという。彼にとって、「国際社会は確かに武装対立に終止符を打ったが、和平調印から21年間我々はこれを必要としなかった。モザンビーク市民社会こそが、この役割を担うことができると証明してきた。」女性フォーラムのGraça Samoは、現在の緊張が望ましい変化とは反対の方向をもたらす可能性に言及した。「投票に行くのを怖がる人達がいるのに、選挙をすべきだろうか」と問いを投げかけた。

現在のところ、政府とRENAMOの間の交渉は選挙パッケージをめぐるものであるという。CNE(選挙管理委員会)とSTAE(選挙技術管理事務局)に関するものであり、各政党がこれにどのように平等に参加できるかについてのものである。しかし、政府はそんな意志はないという。なぜなら共和国憲法はこれらの機関は議会の議席の比率によってきまると決めており、これを変えられるのは議会のみだからという。

これらの作戦で軍隊を利用したのは、憲法において違法である。何故なら、大統領はこの件について一度も国家評議会(Conselho de Estado)に相談し、その意見に耳を傾けなかったからである。

モザンビーク国軍の元将校 Paulino Macaringueが、6月に、このような状況下において軍は動く必要はないと確認していたところであった。同氏は、あそこで起こったことは犯罪行為であって、モザンビーク共和国警察の管轄範囲であり、国軍のものではないと説明していた。そして、このようなことへの介入があるとしたら、それはモザンビークっ国軍総司令官である共和国大統領にのみ許されている排他的な命令によるものである、と確認していた。

2.国際報道からみて何が起きているのか?
■Reuters ”Mozambique's Renamo chief risks isolation after ending peace pact”(2013年10月22日)
http://www.reuters.com/article/2013/10/22/us-mozambique-renamo-idUSBRE99L0X320131022
●政府軍の襲撃からRENAMO党首は逃れた。
●月曜日、RENAMOはこの襲撃により平和協定を破棄すると述べた。
●近くで警察署へのRENAMOの攻撃が確認されたが、戦争にReNAMOが戻るだけの体力を有すると考える識者はいない。現在のRENAMOの兵力は戦時のゲリラ部隊の残骸に過ぎない。
●デュラカマは、FRELIMOが独立以来政治や経済を独占しているとして、選挙へのボイコットと妨害を呼びかけていた。
●デュラカマは1年前から、この基地に立てこもるようになり、その理由を自らの身の安全が保証されないことを述べた。
●これについてモザンビーク専門家のOpen University上級講師のジョセフ・ハンロンは、「デュラカマは自ら
行き止まりに身を置き、そこから出る術を有さず」。
●米国(重要なドナー)や植民地支配者であったポルトガルは、この更新された暴力について憂慮を表した。ワシントンは、RENAMOとFRELIMOに対し、両者の隔たりを対話で解決するように求めた。
●RENAMOのスポークスパーソンのFernando Mazangaは、「和平は終わった」と述べ、1992年の和平合意を破棄した。
●しかし、彼はRENAMOが反乱を開始するのか、議会の51議席を放棄するのかについては明らかにしなかった。(FRELIMOは250議席を〆る)
●FRELIMOのスポークスパーソンEdmundo Galiza Matos Jr は、RENAMOに議会に留まるよう求めた。
●「モザンビーク国民は平和を求めている」と述べ、党としてRENAMOと選挙プロセスのリフォームを話し合う準備があると述べた。
●「戦争はせっかくこの国が実現した発展のすべてを破壊することになる」「この国には貧困が残っており、まだまだ実現すべきことも多い。政治家らは合意に至るべき」、と多くの一般市民の声を代弁して51才の政府役人は述べた。
●RENAMOによる中部での4月、6月の襲撃は既に警戒すべきレベルになっていた。彼らは11人の兵士と警察官、6人の市民を殺害し、石炭の輸出を一時停止させた。
●しかし、アルマンド・ゲブーザ大統領は、ソファラ州(*RENAMOの強い地域)に部隊を派遣し、デュラカマとその兵士らを封じ込めようとした。
●「RENAMOは、大規模な攻撃を仕掛けるだけの兵力を持たない」とIHSのRobert Besselingはいうが、少なくとも鉄道や道路をhit&runするだけの能力は持っている。
●先のハンロンは軍事的に大きな脅威はないと述べた。「RENAMOは若い兵士をリクルートしていないし、歳を取ったゲリラばかりだから」「南アよりまだモザンビークの方が安全」で、企業らはパニックに至っていないと。
●ブラジル企業Valeはいつもどおり操業を行っているという。
●以上の結果、より小さな政党であるMDM(元RENAMO分派でありベイラ市とキリマネ市の行政を担っている)に有利な状況が生まれていると述べた。議会でMDMは8議席有するが、11月の地方選挙では、FRELIMOとRENAMOの票を奪い議席を大きく伸ばすであろう、とハンロンは述べた。

<=この後、”U.S. says concerned with Mozambique violence, urges dialogue”
http://www.reuters.com/article/2013/10/22/mozambique-renamo-usa-idUSL1N0IC1L320131022

■BBC"Mozambique 20-year peace deal 'ends after base raided'(2013年10月22日)
http://www.africareview.com/News/Mozambique-s-peace-deal-is-over/-/979180/2042472/-/112q1s7/-/index.html
●モザンビークの野党RENAMOは、政府軍が同党のリーダーであるアフォンソ・デュラカマの拠点を攻撃した後、1992年の和平合意を終焉させると発表した。此の襲撃で、デュラカマは逃げた。
●先の戦争では100万人が亡くなった。
●モザンビーク経済は戦争終結後ブームである。
●RENAMOのスポークスマンFernando Mazangaによると、政府軍兵士らは重火器で攻撃をしたという。「平和は終わった。…その責任はFRELIMO政府にある。なぜなら、彼らはRENAMOの批判に耳を傾けようとしなかったから」。同氏によると、「この襲撃は、デュラカマ党首を暗殺するために行われたが、同党首は逃げることに成功した」と述べた。そして、ゲブーザ大統領を批判し、「総司令官の無責任な姿勢こそが、ローマでの和平合意を終わらせた」と述べた。
●和平合意を白紙に戻すという声明は、戦争に戻る可能性を示唆するが、これは過去においては繰り返し否定されてきた。
●防衛大臣Cristovao Chumeは、政府軍が拠点を攻撃した理由は、RENAMO兵士による国軍基地への襲撃に対する反撃だと述べた。 死傷者は不明である。
●FRELIMO政府は、戦争に国を戻そうとしているとRENAMOを繰り返し批判してきた。4月にRENAMOのメンバーは中部の警察署を攻撃し5人を殺害している。300人ほどのRENAMO関係者らが武器をもったままでいる。
●デュラカマは自分のためボディーガードとしてこれらの人達を必要としているといい、ゴロンゴザ山脈の基地に彼らをおいていた。デュラカマは、去年山脈に戻っていた。
●モザンビークは地方都市選挙と来年大統領選挙を行う。
●FRELIMOは1975年の独立以来モザンビークを統治する。

■BBC "Zimbabwe warns Mozambique's Renamo not to resume war"(2013年10月23日)
http://www.africareview.com//News/Zimbabwe-warns-Mozambique-Renamo-not-to-resume-war/-/979180/2044186/-/n9q1sd/-/index.html?relative=true
●RENAMOは、モザンビーク中部のゴロンゴザ山脈にあるデュラカマ(RENAMO党首)の拠点を政府軍が掌握した後、同党の1000人の武装勢力と51名の国会議員は、月曜日(10月21日)和平合意を破棄した。
●南部アフリカはこれに賛同せず。必要とあれば南部アフリカ共同体として軍を派遣することも検討。
●RENAMOは、Maringue(以上基地の35キロ)の警察署を襲撃した模様。
●米国政府は両者(政府とRENAMO)に対し、「この瀬戸際から戻るよう」要請。国務省スポークスパーソンのMarie Harfは、「我々は両者に、この緊張した状況をde-escalate(エスカレートさせない)ために目に見える決定的なステップを取るように励ましている」。
●仲介者によると、RENAMOは戦争に戻りたいと考えているわけではないという。

■何故か産経新聞だけが報道しています。
「野党、和平協定破棄を表明 モザンビーク」

2013.10.22
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131022/mds13102219490003-n1.htm
「モザンビークからの報道によると、内戦時の反政府勢力で現野党のモザンビー ク民族抵抗運動(RENAMO)は21日、内戦を終結させた1992 年の包 括和平協定を破棄すると一方的に表明した。政情が不安定化する恐れもある。協定破棄は、RENAMOのドラカマ党首がいた同国中部の拠点を21日、政 府軍が武力で強襲したためとしている。ドラカマ氏は脱出し、無事とい う。 政府軍報道官は、この拠点を掌握したことを認めた。(略)92年に内 戦が終わり、豊富な天然資源を抱えるモザンビークは近年、経済開発が 進んで いる。(共同)」
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# by africa_class | 2013-10-23 22:18 | 【情報提供】モザンビーク

【UNAC国際農民会議&プロサバンナ報道】フランス国際放送もついに #プロサバンナ 報道

10月15日―16日までマプートで開催されていた第二回土地問題国際農民会議(主催UNAC)の記事が沢山配信されています。以下、
1.RFI(フランス国際ラジオ放送)
2.Jornal Noticias(モザンビーク国営新聞)
3.Canal Moz(モザンビーク独立系新聞)
4.SAPO(ポルトガル語情報媒体)
5. Verdade(モザンビークの最も独立した新聞)
の記事を列挙しています。4.5.は訳す暇がなかったので各自で・・・。
(しかし、ついにVerdadeが動き始めてしまったのですね・・・これはモザンビークの文脈では大きなことです。世界的にはドイツやフランス国際ラジオ放送が報道したことの方が大きいでしょうが。)

フランスの国際ラジオ放送RFI(Radio France Internationale)もついに、プロサバンナについて報道し始めました。もはや止まらない感がありますが、翻訳がおいつかない・・・。時間が限られているので出来る範囲で流しておきます。

■なお、ドイツの国際ラジオ放送DWのプロサバンナ関連番組(実に12本…)については、要約をしたものがここに→http://afriqclass.exblog.jp/18779412

ちなみに、多分政府は「小農支援」「対話してる」といっているじゃないか・・・市民社会は嘘ばっかり・・・という関係者の声も聞こえてきそうですが、それはこの間のプロセスをご存知ではないから。

はじめてこのブログを読まれる方にとって重要な背景説明としては、今現在まで、プロサバンナ事業の関係者(特に立案、推進のJICA)は、2009年9月から3年以上前提とされ、目的とされてきた以下の点を、批判を受けて変更させた点について、何の説明も行ってきていません。

●事業の大前提:PRODECER/ブラジルセラードの成功をモザンビークに/大規模に土地が余っている/世界の食料庫になるべき/投資が不可欠
●当初の目的:余っている土地に投資を入れて農業生産性を上げて大農と小農を共存させて回廊開発を押し進めよう/日本の企業にもメリットを

あれほど世界と日本、モザンビークで行ってきた宣伝をいつの間にか引っ込めて、2013年2月末にJICA理事長が現地に向かい、「小農支援」と強調していますが、何の説明も謝罪もなかったため、「批判を浴びてのポーズ」にすぎないと考えられていました。そこに、2013年3月に完成したマスタープランにおいて最も重要なレポートが4月にリークされ、「小農支援」どころか、「小農から土地を容易に奪って外国投資家らに提供しやすくする事業」という性格が明確になったため、現地農民組織や市民社会は態度を硬化している状態なのです。

なので、「小農支援が目的といっているだろう」と政府関係者やJICAがいくら強調したところで信用されず、むしろまた「騙されるだけ。実際は気づいた時には手遅れになる」と農民らは考え反対しているものと思われます。本当に小農のために事業を転換したのであれば、元に戻って何故見直したのか、そもそもの前提が誤りだったことを認めるなど、腹を割って伝える努力をしないと到底信用されないところまで事態は至っているのだと思います。でも、実際は、「腹を割る」どころか、すでにプロサバンナ対象地では、日本とブラジルが共同で奨励したブラジルのアグリビジネスの流入は続いている状態で、大々的に動かしてしまった歯車は止められない状態に・・・・。本当にこういうことを予見しないままに「大きいことは良いことだ」だけで現地事情を知らぬままに進められた結果であり、罪深いです。

また、より深刻なのは、当初プロサバンナの中に位置づけられていた「ナカラ・ファンド(ProSAVANA-PDレポートでQIPとして記載)」なるものが切り離される形で、ProSAVANA=PDのブラジル側コンサルタントFGVによって開始されるなど、批判を免れるため、「プロサバンナから投資案件や土地関連事業を切り離す」という小手先の「仕切り直し」が続いています。しかし、それもこれもプロサバンナ事業がまいた種なのです。それは2009年の調印から現在までのJICAやプロサバンナの関連資料をみればはっきり分かることであり、日本が率先して宣伝してきた分モザンビークでも世界でも知られています。そのことへの責任について説明なきままの、切り離したらよしとする姿勢に、農民らや市民社会は不信感を募らせ怒っているのだと思います。

さらに「対話を進めている」といって、UNACや市民社会組織を「反対派勢力」と呼んで排除してきたことについては既に彼らから声明が出されている通りです。表敬訪問にわざと出席しない(外務省)、UNACが声明で異議をはっきり書いているのに「反対ではない」という総括をする(JICA)、モザンビークを訪問した議員との面会を意図的に阻む(大使館)、JICAの招聘で来日した農民組織の出身団体名(UNAC)をパワーポイントからわざと削除し、問題点の指摘スライドを削除(JICA)、政府主催の「対話」には無理にでも来させようとするのに(農業省)農民・市民社会主催の対話集会には来ない(大使館JICA)、UNACの対話への排除を問題視して会議をボイコットしているのに、「主導権争い」と説明したり「一方的に約束に現れなかった」と説明(JICA)、反対する農民や市民社会組織を「ごく一部」に見せるため「賛成派」を動員した集会を各地で開催する(JICA&農業省)…正直なところ気分が悪くなってきました。これらは全て現地関係者へのインタビューやメールインタビューで明らかになったことですが、報告書では年表を使って説明しています。

表面的で小手先のこのような行動が、いかに当事者である農民や主権者である人びとを傷つけているのか・・・反省もないままに、「言い訳や賛成派づくり」ばかりが努力されている現実に、モザンビークの人びとは心から嫌悪感を感じているのだという点に、今気づかないとしたらいつ気づかれるのでしょうか。これが私たちの税金で支える「国際協力」の姿だということが、何より哀しいです。

今まで「未だ間に合う」「遅くない」と書いてきました。今回もそう書きたかったのですが、これらの記事を訳しながらいつになく絶望しています。I still have a dream, but....
がんばろう。

~~~~~~~~~
■RFIの記事「モザンビークのUNACによる第2回国際農民会議がマプートで終了」
MOÇAMBIQUE ÁFRICA LUSÓFONA - Artigo publicado em 15 de Outubro de 2013 - Atualizado em 15 de Outubro de 2013
"UNAC reúne em Maputo segunda conferência internacional"
"Termina na quarta-feira dia 16 de Outubro a segunda Conferência Internacional Camponesa organizada em Maputo pela UNAC moçambicana."
by Leonardo Silva
http://www.portugues.rfi.fr/africa/20131015-unac-reune-em-maputo-segunda-conferencia-internacional

10月16日、モザンビークのUNACによって主催された「第二回農民国際会議」が終了した。
本国際農民会議は、モザンビークやゲストの国における農業の現状を評価する目的で10月16日水曜日まで開催された。特に、注目されたのが、土地の所有をめぐる問題、農村部における農民の社会経済状況に関する点であった。本会議は、プロサバンナとして知られる事業に対する、UNAC(全国農民連合)による批判や懸念をモザンビーク政府がなだめようとするまさにその瞬間に開催された。同事業は、モザンビーク、ブラジルと日本によって設計されたものであり、その目的は農業生産性を最適化し、同国の食料計画を自給させるために、モザンビークの中北部の3州19郡で実施されようとしている。プロサバンナの政府側コーディネイターのカリスト・ビアスは、火曜日にマプート開催された記者会見にて、「プロサバンナは土地使用権(DUAT)を尊重し確認するための「原則の一つ」をガイドすることにあると述べた。そして、「土地に関する農民主権は尊重されるだろう」と結論づけた。

UNACの代表アウグスト・マフィゴは、第二回国際農民会議に政府側よりもっと高いランクの代表が出てこなかったことを嘆き、RFIに対し、モザンビークの農民らの懸念は、国の発展のために農業をよくすることであると述べた。

<<UNAC代表への音声インタビュー>>
この会議では特に土地の問題について話し合った。我々の土地が奪われている現状について、世界から駆け付けた仲間たちと共にディスカッションした。これらの農民の声に政府が耳を傾けるべきであった。同じ現象が、我が国だけでなく他国でも起きている。モザンビークには、他国に誇れる土地法があるが、しかし土地をめぐる政府の決定には農民が関与していない。その結果、各地で土地の紛争が発生している。

農村部における社会経済状況は悪化している。(植民地支配から)解放され、土地が手に入ったというのに、改善がない。農業においては、外部からプロジェクトは現れては、土地を奪っていく。これらは農民・国民にとって脅威として考えられている。

■モザンビーク政府による記者会見記事「プロサバンナはインクルージョンのため」
Jornal Noticias | 16 Outubro 2013
http://www.jornalnoticias.co.mz/index.php/main/4693-prosavana-e-pela-inclusao
しかし、既にこの記事自体が消されています。なぜかは皆が考えてみてください。
以下、その前に保存された記事。
"ProSavana é pela inclusão”
http://farmlandgrab.org/post/view/22683-unac-reune-em-maputo-segunda-conferencia-internacional

政府(モザンビーク)は、モザンビーク・ブラジル・日本が関与する熱帯サバンナの農業開発のための三角協力プログラム(ProSavana)に市民社会を包摂していると主張した。市民社会組織のいくつか、特にUNAC
(モザンビーク全国農民連合)は、プロサバンナが、事業対象地域の小農の土地を守るべきとアドボカシー活動をしてきた。

農業省のプロサバンナのコーディネイター、カリスト・ビアスは、これが政府の懸念でもあると確認した。そして、モザンビークの生産者が自らの生産性を向上させることで、貧困削減を実現することを支援する目的を達成するためには、政府の「エグゼクティブ」としても、同事業における市民社会の包摂が重視されていると述べた。

「実際、プロサバンナの文脈において、市民社会とのパートナーシップを育むことはいつも我々の心配事であり、既にUNACの本部に二度も訪問して我々のプロサバンナに関する意図を説明している。我々は常に市民社会からの批判にオープンである。なぜなら、市民社会は、我々が気付かないことを示してくれるからである。我々は、UNACとだけでなく、他の市民社会とも同様に共に活動できるよう努力し続ける」とカリスト・ビアスは述べた。

(以下省略  *原文ご確認ください。)

■CanalMozの記事
2013年10月16日 No.1065配信 2-3頁
「第二回会議開幕、農民らはプロサバンナを再び非難」

"Na abertura da II conferência Camponeses voltam a denunciar o Prosavana"
(マプート)-昨日、マプートで第二回土地とタネに関する国際農民会議の開会が宣言された。開幕日の支配的なトーンは、農民たちのため土地を守ることについてのものであった。

農民たちは、現在物議を醸している「PROパッケージ」つまり、プロサバンナ(Prosavana)、ProSUL、ProIRRIなどを非難した。これらは、土地収奪の試みであり、農民らを(土地から)追い出すものであり、農村住民らの貧困を撲滅するものになると限らないからである。

開会式で、UNAC(全国農民連合)のアウグスト・マフィゴは、モザンビーク政府からのより高いレベルの出席者の不在について遺憾の意を表明した。マフィゴは、我々の国の開発の土台が農業であるにもかかわらず、農業に関する明確な政策がないことについて強調した。

「この闘いにおいて民衆は疲れることを知らない。団結する農民は常に勝利する。闘争をグローバル化し、希望をグローバル化する」と連呼された。

月曜日に開始した一連の会議は今日終了する。統一のモットーは「農民とその土地を守るための闘いにおいて農民らは団結する」である。同会議には、モザンビークのすべての州からの農民が参加し、農業省の役人ら、 市民社会のメンバー、アンゴラ・南ア・ジンバブエ・ブラジル・スウェーデン・スイスの農民やパートナー団体らが参加した。

■CanalMoz 「マプートで開催中の第二回国際農民会議で農民たちはプロサバンナによる差し迫った土地収奪を非難」
numero 1066 | Maputo, Quinta-Feira 17 de Outubro de 2013
Na II Conferência Internacional Camponesa, em Maputo Camponeses denunciam iminente usurpação de terra pelo ProSavana

(マプート)UNACは、第二回土地問題に関する国際農民会議において、プロサバンナ事業に関連し、非難を表明した。UNACによると、プロサバンナは「地元民衆を開発から疎外するプロセスによって土地収奪と農民の追放に至る試み」であつと述べた。この批判自体は新しいものではない。政府は2009年の調印以来1200人の声を聞いたと主張するが、農民らは、協議(consulta)のプロセスに包摂されておらず、農民らのニーズにマッチしたものではないと述べた。

ディベートでは、「プロサバンナと契約農業のリスク」というタイトルのパネルが実施され、これにはUNAC、政府、市民社会の代表らが参加し、農民に対する不安定な契約の問題が取り上げられた。農民らは、政府に対し、モザンビークに置いて推進されてきた各種の農業プログラムの社会的・人的影響について問い正した。沢山あるプログラムの中でも、例えば、「ジェトロファ栽培」や「緑の革命」が、「結局望まれた効果を生み出さなかった」とやり玉に挙がった。

プロサバンナのケースについては、もう一つの懸念も表明された。それは政府によってつくられたマスタープランに関するものであった。農民や市民社会らは、このドキュメントが、コミュニティが有する土地の使用権に関する懸念を包含するものであるべきとの点である。政府は、この点についてコミュニティレベルで協議がなされており、2014年3月にマスタープランの発表は延期されていると述べた。UNACの代表であるアウグスト・マフィゴは、農民を優先的に位置づける農業開発政策の不在の問題が、農民らが直面する主要な疑問に直結していると強調した。その上で、プロサバンナはブラジル・日本・モザンビーク政府が関与する土地の搾取事業であり、UNACとして、ブラジルで起こったネガティブな結果がモザンビークでも繰り返される差し迫ったリスクについて警鐘を鳴らした。

ブラジルで起きたリスクと苦しみが何であったかという点については、社会の激変が次のように説明された。政治的な動乱、平和への脅威、土地にはりついて暮らしてきた地元農民家族らの飢えやみじめな生活、家族農業生産システムの破壊、等である。また、土地の移転により、悪化している農村住民らの貧困が、もう一つ農民らが懸念として強調した点であった。

ナカラ回廊はこのプログラム(プロサバンナ)が展開される重要な経済地区であるが、400万ヘクタールの土地が耕作可能とされている。討論において政府代表は、これらの土地を外国投資家に提供するつもりはなく、プロサバンナは小農生産者のための事業であると述べた。

(他にも記事がありますがまた今度)
■6ヵ国の農民らがマプートに集結し土地の搾取に反対するストラテジーを検討
SAPO | 16 de Outubro de 2013 Camponeses de 6 países procuram em Maputo estratégias contra expropriação de terra
http://farmlandgrab.org/post/view/22685-camponeses-de-6-paises-procuram-em-maputo-estrategias-contra-expropriacao-de-terra

■”Camponeses vs investidores em Moçambique"「モザンビークにおける農民対投資家」
Verdade | 16 Outubro 2013
Escrito por Alfredo Manjate
http://farmlandgrab.org/post/view/22686-camponeses-vs-investidores-em-mocambique
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# by africa_class | 2013-10-18 15:17 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【紹介】今日からモザンビークで第二回土地に関する国際農民会議開催

今日の現地からの報道で、この会議を大統領と大臣(「高いランクの人」)がキャンセルしたようです。これについてかなりの反発が広がっているとのことです。それにしても。。。ですね。詳細はまた追って。でも会議は非常に活発に行われ、かなりよい議論が行われたそうで、動画が楽しみです!

この会議に関するフランス国際放送の報道、モザンビーク政府メディアの報道、独立系メディアの報道を訳して掲載しています。是非ドウゾ。(2013年10月18日)
→http://afriqclass.exblog.jp/18809250/

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既に「モザンビーク開発を考える市民の会」のブログでも掲載されていますが、ここにも一部転載しておきます。

日本国内には、「何故モザンビーク農民組織の代表としてUNAC(全国農民連合)ばかりを重視するのか?」という疑問の声があるそうです。あるいは、日本の援助関係者の中には、「プロサバンナの議論からUNACを外しても問題ない」と思っている節がありますが、モザンビーク社会の文脈では「とんでもない!」なのです。なので、日本関係者の「疑問」それ自体に、驚きを禁じ得ませんが、説明しないと伝わらないと思うので、ここに会議の詳細を転載するとともに、今度改めて丁寧に説明する機会を設けます。

なお、この間感じるのは、こういう「モザンビーク社会の文脈における当たり前」を一から十まで私一人が日本語で説明しなければならないことの問題性です。これがタンザニアだったりザンビアだったら、日本の研究者も沢山いますし、JICAにも蓄積がある。公用語が英語でほとんどのものが読める。しかし、モザンビークは残念ながら、日本での研究・援助の蓄積がまったくない上に、公用語がポルトガル語である。なので、現地社会への理解があまりにないわけですが、それなのに大規模事業をいくつも動かそうとする。しかも、問題が露呈しても、関係が薄い以上、社会の批判もあまり痛くないので、あくまでも自分たちのやり方を押し付け続ける・・・ここが問題の根源なのだと思います。

よい機会だと思うので、是非プログラムや招待状、プレスリリースを眺めていただければ~と思います。
この招待状やプレスリリース、プログラムを眺めると、UNACをただ「一部の反対勢力」として矮小化したり、排除したり、周辺化したり、圧力を掛けつづけることの無意味さを実感することでしょう。モザンビークの農業政策の今後について考える上で、彼らの分厚い主権者としての意見、政策形成への関与がいかに大切か分かるでしょう。そのような声や努力に耳を傾けることなく、政府とだけ話していればいい、あるいは「賛成する農民や組織とだけ個別に対談すればいい」・・・とならないことは、はっきりしていると思うのですが。

「メンツさえ保てれば良い」そして「賛成してくれるところとだけ進めればいい」という現在の日本の援助関係者の姿勢が、いかに現地の人々に見破られているのか、そして本当に支援したかった小農の将来に逆行することか(中長期的にみて)、これを機に真摯に考え直してみてほしいです。

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8月からモザンビーク北部、南部、中部の全11州110郡の農民代表を招いて開催されてきた「土地とタネに関する農民大会」が終わったことを受け、今日10月15日~16日まで、首都マプートにて「UNAC全国集会ー第二回土地に関する国際農民会議」が開催されます。

同会議には、ゲブーザ大統領、パシェコ大臣、農業大臣の他、全国から集まった農民、市民社会組織、その他の社会運動組織、宗教団体、各国ドナー、国連組織代表ら200名が出席するほか、アフリカ中の土地やタネの問題に取り組む農民組織代表ら、ブラジルからの小農団体代表も参加するそうです。

プロサバンナやG8 New Allince についても議論されます。(2日目)
全体日程のプログラム
→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-48.html

この会議の開催を受けて、「公開招待状」と「プレスリリース」が公表されています。「プログラム」を末尾に張り付けます。

【招待文面】UNACは1987年4月に結成され、1994年に登録された組織であり、小農民らを代表し、その社会的・継時的・文化的権利を擁護し、農民自身の組織化を促すことで政策形成過程への参加を保障し、食料主権を念頭においた発展ストラテジーを実現することを目的とする。その際、ジェンダーと若者の平等を前提とする。

かつてこの25年間において、今ほど農民の闘い、UNACの役割がモザンビークにおいて求められたことはなく、食料主権を保障する農民らの農業とその基盤になる土地を守る闘いは様々な課題に直面している。メガプロジェクト、投資などを優先する政策が、農民らの

この背景を踏まえ、UNACは第二回土地に関する国際農民会議を開催する。その目的は以下の二点である。
(1)農民男女のキャパシティを強化し形成するために、天然資源や土地はどのようにコントロールされるべきか、そしてその権利はどのように守られるべきか。
(2)モザンビークの真の農業改革はどのように行われるべきかに関する開かれた討論の深化と拡大への貢献。

なお第一回土地に関する国際農民会議は2012年11月27日ー28日までマプトで開催され、モザンビークにおける土地の問題についての疑問が明確にされた。

【UNACプレスリリース】
「モザンビークの農民らは、小農による農業と土地を守るための闘いにおいて共にある」
Camponeses de Moçambique Unidos na Luta pela Defesa da Terra e da Agricultura Camponesa

(仮抄訳)
1.農業政策の改革を求める(家族農業に焦点をあてたものにするべき)
2.家族農業支援国家計画の不可欠
3.25年間のUNACの闘い(土地と小規模農民による農業を守る)において、今ほど闘いがアクチュアルに不可欠とされたことはなく、何百万 のモザンビーク人が危機に追いやられていること、そしてこれは外国直接投資の波、メガプロジェクトによって起こされている。特に、土地の私有 化と争奪が、アグリビジネス(ProSAVANAとG8 New Alliance)、植林(Chikweti)、鉱物資源開発(Vale, Rio Tinto, Jindal)、天然ガス開発(Anadarko, Satonil, ENI)によって起こっている。土地の占領・エクスパンション・集積である。
4.政治やネイティブなタネの保全に関する農民研修をテーマとして、11州120郡で開催され、農民男女・若者たちの参加があったUNACの 北部・中部・南部の農民集会の成果が明日からの農民大会・国際会議で紹介される。
5.大 統領が開会を宣言し、農業大臣が参加する。政府関係者らとともにモザンビークの土地問題について議論を行う。
6.本会議は、官民セクター、NGOや社会運動に開かれており、この国の3つの地域の現実を踏まえた要請について検討を行う。これは、アソシ エーション、組合、家族、コミュニティが日々直面する大企業による土地やテリトリーの進出に関するものである。我々は、農民のコミュニティや 家族を存続させ、主権に根差した発展への権利を効果的に守り、抵抗するために、統合された形でアプローチを形成する必要に迫られている。
7.本会議は、女性デ―、国連家族農業国際年であることを踏まえたものとなる。

原文→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-48.html
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# by africa_class | 2013-10-15 15:37 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【一挙掲載】プロサバンナ動画(12本)&ドイツ国営放送(12本)&ドイツ市民社会声明

「モザンビーク開発を考える市民の会」のブログにも掲載されていますが(http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/)、世界中で発表されたプロサバンナやモザンビークにおけるランドグラブ(土地収奪)に関するビデオや報道、ドイツ市民社会声明などを一挙転載しておきます。

プロサバンナは、もはや「国際問題」と化していて、どこで何が報道されて、どんなイベントがあって、どんな風に議論されているか、私でも追い切れなくなっています。(特にドイツのラジオ局が12本も番組をつくっていたとは。大学経由でインタビューの申込みがあって、8月にされた時、私は北部都市にいて、スカイプで対応したのですが、その後そのことをすっかり忘れていました…。我ながらひどい英語ですね…。)

9月30日の報告会でも述べましたが(動画は以下)、そもそも国際市民社会や現地社会がブラジル市民社会とともに2012年春から問題視して動いていたところに、日本の市民社会が気付いたのは2012年秋…。日本のNGOらがODA改善の一環として動き出したのが、2012年11月ですので、「後追い」の部分があるのは否めないものの、現在プロサバンナの議論は世界的なものになり私たちでも追いつかない速度に。先日までローマで開催されていたFAO(国連食糧農業機構)の国際会議でも大変話題になっていたそうです。

元々は日本政府・JICAのイニシアティブで始めた援助。日本の市民として「遠いアフリカでの出来事」と知らないふりはできません。是非、以下の各資料や政府・JICA側の資料にあたって、自分の目で見て・耳で聴き・頭で考え、議論し、自分で出来るアクションは何か考えてみてください。

答えは一つではありませんが、やはり当事者であるモザンビーク農民や市民社会の声に耳を傾けてほしいです。勇気を振り絞って声をあげている人達の声は、普通は私たちのところまで届くことはありません。現在の技術革新によってこれが生で見れるのは素晴らしいと思います。

特に、2013年8月8日に開催された「プロサバンナの停止と再考を求める三カ国民衆会議」での政府代表と農民・市民社会とのやり取りを是非ご覧ください。言葉が分からなくても、現地の人びとの想いが伝わってくると思います。この会議に日本大使館とJICAが招待されていたのに代理出席すらなかったのは本当に残念でした。国会期間中であったにもかかわらず農業大臣は3時間以上この会議に出ています。

■政府代表の返答に対するモザンビーク農民組織、市民社会、女性組織代表らの反論(10分位~)
http://www.youtube.com/watch?v=8kXyY62TQ_0
http://www.youtube.com/watch?v=2cwAsCA5bAo
この映像をみれば、モザンビーク農民組織や市民社会組織の主権者としてプロサバンナとその「対話プロセス」をどのような問題意識でみているかはっきり分かります。彼らの言葉は、彼らの現実を踏まえたもので、すごくパワフルです。私たちが、「外部者」として出来ること・すべきでないこと・・・を考えさせられた10時間(!)でした。勿論、政府代表の返答にも注目。

ポルトガル語なのが苦しい所なのですが、9月30日報告会の冒頭で少しだけ私が通訳して紹介しています。
http://www.youtube.com/watch?v=kSNzU32enGg

■UNACとORAMが制作したプロサバンナとPRODECERに関するビデオ
これも農民組織らが小農の視点で、日本の両援助事業を問い直している動画であるという意味で画期的です。同意しなくて良いので、日本の援助関係者、ブラジル研究者らは、これを観てほしいと思います。
http://farmlandgrab.org/post/view/22661
(これもポルトガル語ですが映像だけでも物語っている部分あり)

■DWのラジオ番組農民・市民社会の声を丁寧に拾い上げているのでおススメ。
勿論、政府側の主張もジャーナリストらしく掲載しています。
翻訳エンジンにかければ英語にはなると思います。
http://www.dw.de/prosavana-desenvolvimento-da-agricultura-local-ou-monoculturas-para-a-exporta%C3%A7%C3%A3o/a-17128512

*ちなみに何故ドイツ国営放送や市民社会がモザンビークのことをこんなに熱心に報道したり、声明を出すのか・・・私の「当たり前」もしかして皆さんの「当たり前」ではないかもしれないので補足。冷戦期、東ドイツにはモザンビークから大量の「研修生」の受入れがあり、冷戦終焉とドイツ統合に伴ってモザンビークに多くが帰国したのですが、留まったモザンビーク人も多く、統一後のドイツでモザンビーク支援をする市民社会組織・宗教組織は非常に多いのです。最後の声明を出しているKKMはNGOだけでなく、会員はドイツ在住モザンビーク人。そして、ドイツに暮らすポルトガル人も非常に多く、ポルトガル語放送はかなり聴かれています。

============
【プロサバンナ・土地収奪関連動画一挙紹介】
1.モザンビークにおけるランドグラブが生じるプロセスを明確に描いたビデオ。途中の住民の「このままだと戦争になる」…の一言が重いです。(2013年10月、英語)
(1)Seeds of Discontent (director Geoff Arbourne/Transnational Institute/FIAN International)
http://farmlandgrab.org/post/view/22644-seeds-of-discontent#sthash.bXJ0mbtf.dpuf
・プロサバンナの対象地となっているニアサ州北西部で起きている植林会社によるランドグラブが地域の農民にどのような影響を及ぼしたのかを描いている、胸に響く映像。
・当初プロサバンナの対象地ではなかったのが、人口密度が低く森林が広がっているため、最終段階でブラジル側の要求によって組み込まれた。
・この会社(Chikweti)は現在大豆生産にシフトしつつあります。

(2)テテ州の鉱物資源開発によって土地を奪われた人たちの映像(2012年国連に提出、英語)
(Peter Steudtner・Justica Ambiental & Friends of the Earth Mozambique)
http://panphotos.org/PAN/blog/2013/04/stop-look-listen-3-short-films-on-forced-resettlement-in-northern-mozambique/

2.プロサバンナ・その「先祖」のPRODECER(日伯セラード農業開発協力)を小農の立場から再検討したビデオ(モザンビーク農民組織(UNAC)と農村開発NGO(ORAM)が現地を訪問して製作、2013年ポルトガル語)
"ProSavana e face oculta do Prodecer"「プロサバンナと顔を隠したPRODECER」
http://farmlandgrab.org/post/view/22661

3.プロサバンナに関するUNAC&ORAM主催「3か国民衆会議~プロサバンナの停止と再考を求めて」2013年8月8日@マプートで開催。対象地の農民代表・市民社会代表を含む200名近くの参加者が、モザンビーク首相代理・農業大臣・農業省関係者らと対話(映像:UNAC、ポルトガル語)
・開発計画省局長(首相代理)によるプレゼン
・ブラジルFASEによるプロサバンナに関する調査報告プレゼン
・会場からの質問・コメント
・政府代表による返答
・北部市民社会による声明発表
・クロージング(政府代表挨拶)
9時~19時まで続いた白熱した議論のやり取りをそのまま。
http://www.youtube.com/channel/UCoZCgmP4w-1Ttbw65YqRtGQ?feature=watch

4.日本のNGOが主催したプロサバンナに関する報告会などの動画
http://www.youtube.com/channel/UCoZCgmP4w-1Ttbw65YqRtGQ?feature=watch
(1)2013年2月27日モザンビークよりUNAC代表・JA!を招いて開催した院内集会
(2)2013年2月28日以上ゲストによる東京大学での講演会
(3)2013年5月29日横浜でのUNAC代表・ナンプーラ州市民社会プラットフォーム事務局長・GRAIN・FASEによるTICAD V直前講演会
(4)2013年9月30日モザンビーク現地調査に行った日本NGOによる緊急報告会・声明の発表@参議院議員会館

【プロサバンナに関する国際報道:ドイツ国営放送(Deutsche Well)12本】
なお要訳は記事テキストからではなく、音声からの大まかな内容のため、各自で原文をあたってください。まず、ドイツ内での報道・イベント・声明などを掲載しておきます。なおドイツ国営ラジオは多言語放送を世界に向けて行っており(記事もHPに掲載)、ポルトガル語放送は、ブラジル人・ポルトガル人記者らが配信。

■一連のプロサバンナ報道サイト"ProSavana – desenvolvimento da agricultura local ou monoculturas para a exportação?"「プロサバンナ:地域農業開発あるいは輸出のためのモノカルチャー栽培?」
http://www.dw.de/prosavana-desenvolvimento-da-agricultura-local-ou-monoculturas-para-a-exporta%C3%A7%C3%A3o/a-17128512

(1)"Iniciativa ProSavana traz empresários agrícolas estrangeiros a Moçambique"(2012年5月12日)「プロサバンナのイニシアティブがモザンビークに外国人農業企業家を連れてくる」http://www.dw.de/iniciativa-prosavana-traz-empres%C3%A1rios-agr%C3%ADcolas-estrangeiros-a-mo%C3%A7ambique/a-15928800
*日本とブラジルの企業関係者らがモザンビークを訪問していることの記事。
*ブラジル農業企業家が何を植えるか検討中と。ブラジルのノウハウを持ってきたい。
*そこに暮らす農民のことが優先されるのかの不安の声を報道。
*コミュニケーションが重要とモザンビーク研究者。

(2)"Camponeses moçambicanos desconfiam do projeto ProSavana"(12.11.2012)「モザンビークの農民たちはプロサバンナへ不信」
http://www.dw.de/camponeses-mo%C3%A7ambicanos-desconfiam-do-projeto-prosavana/a-16372527
*ブラジル企業が来ている
*モザンビーク農民組織の不信感表明。
*土地が奪われることへの不安。家族農業を営む人たちの食料はどうなるのかの不安。タネの問題。
*ブラジル関係者の反論。北部はセラードと類似していて、同じような機械が使えるはず、と。

(3)"Sociedade civil moçambicana critica programa agrícola ProSavana" (06.05.2013)「モザンビークの市民社会が農業プログラム・プロサバンナを批判」
http://www.dw.de/sociedade-civil-mo%C3%A7ambicana-critica-programa-agr%C3%ADcola-prosavana/a-16794525
*プロサバンナは1000万ヘクタール・3州を対象とする。
*現在マスタープランを策定中であるが、これは地域に暮らす400万人の生活に大きな影響を及ぼす。
*しかしマスタープラン関連文書がリークされ、市民社会に不安が広がり、声明が出されている。特に、ランドグラビングへの危惧が大きい。
*声明を出したモザンビークの市民社会へのインタビュー:
ーForum Mulherの代表は、この規模である以上、農民が自らの土地や生産への自律性を奪うことになる。…投資家はもたらすというよりもって出ることになり、そこに暮らす農民らは搾取されることになるだろう。結局、ある種の植民地化になる。
ーLIVANINGOの代表は、結局、これは企業への天国への招待計画。ブラジルと異なりモザンビークの土地は安い。集約的な農業を投資家らが持ち込んで、結局モザンビーク人は「僕(しもべ)」、農業労働者にされるだけ。

(4)"Sociedade civil de Moçambique rejeita ProSavana”(06.06.2013)「モザンビーク市民社会はプロサバンナを拒絶」http://www.dw.de/sociedade-civil-de-mo%C3%A7ambique-rejeita-prosavana/a-16865070
*プロサバンナはメガプロジェクト。19郡対象。政府はこれはナカラ回廊開発を行うことで住民の貧困を撲滅するというアイディア。
*モザンビーク市民社会がプロサバンナを拒絶する公開書簡を発表。
*ナンプーラ州市民社会プラットフォームの事務局長:家族農業や環境破壊を起こそうとしていると批判。環境社会インパクト調査すらされていない。
*Justica Ambiental:小さいプロジェクトが決まったら環境社会調査をするというが、なぜこのような断片的な対応をするのか?理解できない。
*UNACの代表:いったいどのモデルの話をしているのか知りたい。ブラジルを見本にしているが、ブラジルではいまだに土地へのアクセスがない農民らがいる。止めて、きちんと座ってちゃんと説明してほしい。
*LIVANINGOの代表:アグリビジネスがきてほしいだけ。政府は農民のことなんて考えていないのは、みな知っている。土地は余っていない。輸出用の安い食料を作りたいだけ。人びとが食べてるのか、食べてないのか心配などしていない。

(5)"Campanha contra privatização da terra lançada em Moçambique”(02.08.2013)「モザンビークで土地の私有化に対抗するキャンペーン」
http://www.dw.de/campanha-contra-privatiza%C3%A7%C3%A3o-da-terra-lan%C3%A7ada-em-mo%C3%A7ambique/a-16994086
*ADECRUは、ProSAVANAはPRODECERに基本を有すると説明。環境社会インパクト調査が不可欠な規模と影響を持つプログラムであるにもかかわらず、カテゴリーはAでなく、秘密主義に徹した、開かれていないプログラムである。
*Fingermannは批判を「神話」と呼ぶ。プロサバンナで行われたランドグラブはない。プロサバンナは徐々にモザンビークの現実に直面して、もはやPRODECERのコピーではなくなりつつある。

(6)Projeto ProSavana em Moçambique visa garantir segurança alimentar do Japão, diz especialista(30.09.2013)「モザンビークのプロサバンナ事業は日本の食料安全保障を射程に入れる」
http://www.dw.de/projeto-prosavana-em-mo%C3%A7ambique-visa-garantir-seguran%C3%A7a-alimentar-do-jap%C3%A3o-diz-especialista/a-17128177
*日本の研究者はプロサバンナが日本の食料安全保障を狙ったものだった。
*日本とブラジルの農業開発協力は初めてではなく、PRODECERがブラジルで70年代にはじまった。
*この理由は世界的な穀物価格高騰によるもの。特に大豆。
*PRODECERのコンセプトは米国の大豆輸出。日本は輸入に頼る。
*JICAブラジルは以上の主張を確認。
*PRODECERは当初多くの問題に直面したが、社会・環境麺におけるネガティブ影響は認識されず、現在では日本政府に成功物語として宣伝されている。
*そのため、アフリカと世界への貢献策としてPRODECERを見本にしたプロサバンナが計画された。

(7)Projeto brasileiro que inspirou o ProSavana teve impactos ambientais graves(30.08.2013)「ブラジルのプロジェクトはプロサバンナをインスパイアーしたが、深刻な環境影響をもたらした」
http://www.dw.de/projeto-brasileiro-que-inspirou-o-prosavana-teve-impactos-ambientais-graves/a-17054390
*セラード農業開発、PRODECERは環境問題を引き押した、と地元研究者らは主張した。
*ゴイアス大学の教授は、大規模モノカルチャー生産によって大きな影響が環境(土壌)に起こされた。外国への輸出のための農業生産は、地域住民の食料安全保障に貢献しなかった。さらに、セラードは現在多様性によって知られるようになり、国の第二の森を形成しているが、大規模に破壊された。
*ブラジルアグリビジネス国際関係事務局:ブラジル:もともと何もなかったところ。そこに農業が営まれている。20%は保全されている。化学肥料の使用は法によって守られている。問題ない。
*ウベルランディア大学教授:保全地域があろうとも、多様性の問題は解消されていない。
*水の大量使用によって水資源の枯渇が起きている。飛行機を使った農薬投与が多くの被ばくと水の汚染を起こしている。
*ブラジル農業省:それを証明する根拠はない。しかし、70-80年代は環境問題への危機感が薄かった。多様性への配慮などはなかった。今日はあのようなことはできないだろう。
*プロサバンナのためには、このような負の遺産から学ぶしかないと、農業省は主張。

(8)Antepassado brasileiro do ProSavana prejudicou pequenos agricultores, dizem estudiosos(28.09.2013)「プロサバンナのブラジルの先祖は小農たちに害をもたらしたと、研究者らは述べた」
http://www.dw.de/antepassado-brasileiro-do-prosavana-prejudicou-pequenos-agricultores-dizem-estudiosos/a-17067517
*セラードで展開したPRODECERとは、機械化された農業。巨大なラティフンディオ・モノカルチャー。小農が入る余地はなかった。同地域で、小農がこのようなラティフンディオと競争することはど不可能だった。これは日本による農業開発協力だった。そこに暮らす小農らは、お金のために土地を手放した。
*ウベルランディア大学教授:PRODECERは、地域の人々と協議などしなかった。来て、土地を占有して、そこに暮らす人びとは土地をあきらめた。お金がよかったからだ。
*アグリビジネス国際局:左翼の指摘には根拠がある。このプログラムは確かに小農支援のものではなかった。世界への穀物の供給が目的だったからだ。そうである以上、小農支援になりようがない。競争力がないからだ。目的は、大規模な土地を集積することであって、小農を支援することなどではなかった。
*彼は、プロサバンナは、PRODECERによってインスパイアーされている以上、このような失敗から学ぶべきと結んだ。
*モザンビークのプロサバンナ対象地の圧倒的多数が小農である。
*ゴイアス大学教授:そこに暮らす人たちは土地を放棄して町にいった。しかし、そこで何をして生きていけばよいかわからなかった。結局、これらの人たちは農村に戻った。しかし、農業労働者にならざるを得なかった。

(9)"Camponeses moçambicanos sentem-se excluídos do ProSavana"(2013年9月9日)「モザンビーク農民はプロサバンナから排除されていると感じている」
http://www.dw.de/camponeses-mo%C3%A7ambicanos-sentem-se-exclu%C3%ADdos-do-prosavana/a-17075860
*環境社会インパクト調査が行われていないままにマスタープランが作られていっていることへの危機感が広がっている。また、土地取引におけるクライテリアが一体何になるのかならないかがはっきりせず、農民の不安をかきたてている。これを市民社会らは、「秘密主義が増している」と述べている。
*UNAC代表:プロサバンナは、モザンビーク農民の意見に耳を傾けてこなかった。だからこそ、混乱が起きている。それは起こってはならないものである。
*UNAC事務局長:排除の論理がプロサバンナを支配している。コンセプトにおいてもモデルにおいても矛盾に満ちている。
*カーボデルガード州農民:止めるしかない。農民たちの声に耳を傾け、コンセンサスができるまで。
*結局政府は輸出用の一次産品生産の話をしているが、農民たちは食料生産を気にしているのである。
*土地はある。みなにある。農民らの組織化を奨励し、生産性をあげるのがプロサバンナ。
*プロサバンナフォーカルポイント:農民おためのプログラム。

(10)"Não existem terras livres para o ProSavana" critica Calisto Ribeiro(12.10.2013)
「カリスト・リベイロは、プロサバンナのために自由になる土地など存在しないと批判」
http://www.dw.de/n%C3%A3o-existem-terras-livres-para-o-prosavana-critica-calisto-ribeiro/a-17144711

(11)"O fenómeno de Angola está a emergir em Moçambique" alerta economista moçambicano João Mosca 02.10.2013「モザンビークでアンゴラ現象が起きていると、モザンビーク人エコノミストが警告」http://www.dw.de/o-fen%C3%B3meno-de-angola-est%C3%A1-a-emergir-em-mo%C3%A7ambique-alerta-economista-mo%C3%A7ambicano-jo%C3%A3o-mosca/a-17124861

【ドイツ市民社会声明】
以上のドイツ内での報道、そしてドイツで開催されたプロサバンナに関する国際会議(9月27日まで開催)を受けての声明だそうです。以下英文を張り付けておきます。
"Message of Solidarity with the Mozambican Civil Society in Support of Small Scale Farmers confronting the program ProSAVANA"「プロサバンナ計画に直面する小農を支援するモザンビーク市民社会への連帯メッセージ」

(続きは、Moreをクリック)

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# by africa_class | 2013-10-13 11:36 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【緊急声明】プロサバンナ/JICAに関するナンプーラ州市民社会プラットフォームの声明(かなりショック)

既に「モザンビーク開発を考える市民の会」のブログでも紹介されていますが、転載しておきます。正直なところ、日本の援助史上でも、前代未聞な深刻な事態だと思うのですが・・・。こんなに繰り返し、対象地や全国の市民組織や農民組織に抗議された援助案件も珍しいと思うのですが、あるいは「よくあること」なのでしょうか?

多分、日本ではモザンビークが知られておらず、誤解されているかもしれません。つまり、モザンビークの農民や市民社会にとって「抗議声明」は普通のことで、「表現の自由」が確保されている・・・と。とんでもない!独立から一貫して同じ政権・文化社会風習的に、モザンビークでこのような抗議声明が出されること、多くの市民社会組織がしかも名を連ねることは、例外中の例外です。一応、私の専門はモザンビークの政治変動なのですが、「まったく例がない」です。このような声明を出すプロセスでも、出した後も、悲鳴のような声がモザンビークから届いています。それでも、彼らは声明を出す勇気を持ち、出し続けなければならないほどの状況に追い込まれているのです。

そのことをどうか、JICAや外務省の皆さん、コンサルタントの皆さん、胸に刻み込んで下さい。軽々しく出しているとか、「また出た」という類のものでは、少なくともモザンビークの政治状況、歴史的背景においては、妥当な理解ではありません。

彼らの指摘はいずれも、胸が痛くなるものです。これほど明確なモザンビークの農民組織や市民社会の反対や抗議を無視して、このまま突破していくつもりなんでしょうか・・・。そうでないと思いたいです。ここに書かれている通り、一旦停止し、抜本的に見直す、特に家族農業支援のための国家計画を中心に据えた計画とする・・・など、是非実現してほしいです。

それは、小農支援を部分的に取り入れればいいというものではないこと・・・についても十分な理解があると良いのですが。彼らがこの声明や公開書簡に書いていることは、「小農支援をしてほしい」という以前に、「モザンビーク国家の農業政策の中に、99%を超える家族農業を営む農民たちの農業を重視すること(予算を含め)、その計画を農民自らが皆と共に作るプロセスこそを共に推進すること」を求めているのです。

援助とは、一過性のあてにならない気まぐれな外からふってくるものであって、国家政策に何がどう書き込まれるか・・・こそが長い長いこの先の農民の発展、モザンビーク農村の発展において、最も重要なことなのです。

繰り返しの来日でもわかったと思いますが、彼らは、「何もできない農民にもの・技術をあげればそれでいいパターナリスティックな援助のフレーム」そのものを、転換せよとも迫っています。なので、これらの声明の主張を、「小農技術支援をすればいい。それならやっている」と翻訳することは、主権者に対して大変失礼なことであり、傷を深めるだけです。そのことをどうにか理解してほしいと切に願っています。

なお、JICAについて書かれていることは、私たちがモザンビーク北部で繰り返し疑問を投げられたことでもありました。私たちの税金が、このような工作や分断、抑圧を促進することに使われている現実は、本当に哀しみを通り越しています。前にも書きましたが、民主化と平和に逆行する行動を支える援助は、明らかにJICAのあるべき姿とかけ離れていると思うのですが、このまま知らぬ顔で、とにかく既成事実ほしさに続けていくのでしょうか・・・。そんな活動のために、ODA予算はあると思えないのですが。。。

このような事態にあるにもかかわらず、まことしやかに日本の関係者内で囁かれる「現地市民社会や農民組織内・間の闘争」といった趣旨の理解や主張は、以上の点、あるいは以下の声明の中身を読めば妥当性を欠いていることは明らかです。

その「闘争」自体を、ProSAVANA推進者(JICAを含む)が仕掛け、煽ったことについて非難・抗議の声明である・・・ことについて、このような声明が出されても依然理解せず、反省しないとしたら、本当の本当に深刻な事態だと思います。

それにしても、このような繰り返され悪化し続ける「プロサバンナに関する構造」・・・自らの責任を引き受けることなく、依然「現地の市民社会の問題」に問題を押し続ける構造・・・・こそが、彼らの怒りと哀しみを増長していることに、もはや気づくこともできないほど、日本の援助はおかしくなってしまったのでしょうか。。。

現地の人達は鋭いまなざしで為政者ら、援助者らの一挙一動を観察しています。そして、彼らが至った結論が、以下のものである以上、これまでの行動についてやはり見直していく必要があると思うのです。彼らの声明を受け取った時に感じたことは、それでした。

まったく急ぐ理由はありません。
彼らの切実な声に耳を傾け、真摯に対応し、一旦止めて、再度やり直してほしいと切に願っています。
まずは、周りの声はどうであれ、関係者の皆さんは、一人一人、「彼らの書いた言葉」にこそじっくり耳を傾け、じっくり一人ずつ考えてみてください。

国際協力の担い手として、「誰の側に立ち、誰の声に耳を傾け、誰のために努力を注ぎたかったのか」・・・みえてくるはずです。組織が大きく、政策というのは変られない・・・絶望感があると思いますが、私はそれでも、一人一人の自覚と変化が、物事を動かす原点だと思います。

それでも、私は、キング牧師ではないですが、I have a dream....なのです。

===
プロサバンナ事業に関し、JICAから「対話のパートナー」と言われてきたナンプーラ州市民社会プラットフォーム(PPOSC)から声明が届きました。日本語訳とポルトガル語原文を以下掲載します。

日本の市民として非常に残念な結果がたくさん指摘されています。JICAをはじめとする関係者が、真摯に受け止め、これらの要請に応えてくれることを望みます。

■モザンビーク23団体による3か国政府首脳への公開書簡「プロサバンナ事業の緊急停止の要請」(2013年5月28日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
■日本の5団体による緊急声明「プロサバンナ事業の緊急中断と迅速かつ抜本的見直しを」(2013年9月30日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-44.html

<=同声明を発表した緊急報告会(9月30日)は以下のサイトでご覧いただけます。
http://www.youtube.com/watch?v=kSNzU32enGg

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ナンプーラ州市民社会プラットフォーム
公式声明【日本語訳】

ナンプーラ州市民社会プラットフォーム(PPOSC-N)は、市民社会組織(CSO)のイニシアティブ調整メカニズムとして各セクターやテーマ別のネットワークを統合する形で、2009年に設立された。その目的は、官民両セクターのパートナーとのコミュニケーションを容易にし、本州における開発のイニシアティブを達成することである。

ナカラ回廊地域での農業開発を目指したProSAVANA事業の実施は、PPOSC-Nの「天然資源・農業ネットワーク」および「ガバナンス・ネットワーク」に反響を巻き起こしてきた。PPOSC-Nは、最近の同事業にみられる実施ダイナミズム、そして州の農業セクター(行政)関係者による各種の声明といった一連の動きを踏まえ、以下の立場を明確に表明する。なお、これらの声明とは、国営放送TVM(2013年9月17日20時30分放送、2013年9月18日の早朝に再放送)のProSAVANA事業の実施戦略に関するインタビュー/討論(番組)において、農業省ナンプーラ州局長並びにProSAVANAフォーカル・ポイントによってなされた、本州の市民社会の関与についてのものであり、同討論にはUGCナンプーラ支部のコーディネーターも参加した。

a)我々は、ProSAVANA事業に(合意し)調印した国家と政府の長に宛てた「ProSAVANA事業の停止と再考を要請する公開書簡(Carta Aberta Para Deter e Reflectir o ProSAVANA)」がPPOSC-Nのアジェンダの根幹部分を成していることについて再度確認した。同書簡は、ProSAVANA事業の停止と再考、そして家族セクター農業支援へのアプローチの変更を訴えるものであり、我々は依然としてモザンビーク政府からの書簡への回答を待っている状態にある。

b)PPOSC-N、とりわけ公開書簡に署名した市民社会諸組織は、少なくとも現在まで証明されてきた限りにおいて、ProSAVANA事業が農民男女の利益を擁護する方向で、家族農業を促進するプログラムであるとは認めない。むしろ、農民らの生活を悪化させるものであると、この間みてきた。

c)PPOSC-Nは、「全国農民連合(União Nacional dos Camponeses:UNAC)」にモザンビークの農民男女を代表し代弁する正当性があることを認める。なぜなら、UNACは、農民たちの利益を守るための全国でもっとも広範な組織であり、全州に支部が存在するからである。ナンプーラ州には、各郡に農民男女によるアソシエーションのフォーラムやユニオンがあるが、UNACに加盟していてもいなくても、農民の利益を代表するという意味においてそれぞれの組織は正当性を擁している。UNACは、モザンビークにおける農業の発展に関する政策、(国家)戦略、行動に関する討論において、不可欠な組織である。

d)公開書簡に署名したナンプーラの市民社会諸組織は、農民の利益と権利を守るための闘いにおいて、UNACと各郡のフォーラムやユニオンと共にある。この観点から、これら諸組織は、個別的あるいはグローバルな利権のためになされる工作の試みを告発し、そのような工作が農民たちに対して行われることがないよう、助言し、監督し、番人となる正義を有す。

e)PPOSC-Nが、州レベルの農業セクターの代表(政府)との対話を開いた理由は、家族セクター農業の強化に向けた政府のポジションをよりよく理解するためであった。しかし、現在まで、ProSAVANA関係者あるいはナンプーラ州農業局(DPA) とPPOSC-N の間において、ProSAVANA事業を議論するための「技術審議会(Conselho Técnico)」なるものは一つたりとも設置されていない。したがって、DPA / ProSAVANAとPPOSC-Nの間では、何の調印された取り決めも存在しない。既に開催された会議の議事録が、両者によってサインされただけである。これまでPPOSC-Nは、農村と家族農業の発展のための監視に関わる側面を議論し、(関係者らとの)関係の在り方のルールを構築するために、これらの会議に参加してきた。そして、将来において議論すべきポイントについて合意しようとしたが、それは未だ起こっていない。

f)PPOSC-Nは、ProSAVANA推進者らによって進められてきた、モザンビーク市民社会に対する分断、分裂化、弱体化の試みに表される各種の工作活動と脅迫について、遺憾の意を表明する。8月28日および29日にリシンガ市(ニアサ州)で開催されたUNACの北部地域会議(Conferência Regional Norte)には、ProSAVANA推進者らも招待されたが、彼らは同会議への参加以外の目的を推進しようとした。つまり彼らは、いくつかの市民社会組織との会議を(UNAC北部地域会議と)30日にパラレルに開き、そこでProSAVANA事業を議論するためのニアサ州フォーカル・ポイントにこのグループがなることを合意するとの議事録にサインするよう、出席者らに求めた。しかしながら、先に行われた会議(UNAC北部地域会議)において、UNACのメンバーである農民男女は、何度もProSAVANA事業のアプローチに合意しないとの意思を表明し、公開書簡が求めるプロサバンナ事業の緊急停止と再考を求めたのである。

g)前述ポイントと同様の観点において、PPOSC-Nは、JICA(日本の国際協力)が、時に技術者として、時に外交官として、時に相談役として果たす不明瞭で不透明な役割の一方で、我々が目にしてきたように、ProSAVANAナショナル・チームとの関係においてリーダー的な役割を果たしていることを遺憾に思う。そして議論の重要な局面において、個別の動きとして装われ、指導力が発揮されるシニア相談役による役割についても遺憾の意を表明する。

h)PPOSC-N は現在でも、農村開発や家族農業に対する新しいアプローチに関する国のリーダーシップに焦点を当てた議論の最善の方策は対話であると信じている。しかしながら、このテーマ(ProSAVANA)に関し、農民組織や市民社会組織の分断や工作の試みが継続する限り、農民男女の憲法に基づく諸権利を意味のあるものにしていくためには、別の種類の方策を検討しなければならない状況に我々を導くであろう。

i)PPOSC-Nは、モザンビーク農業、農村生活のすべての過程において、女性が果たす重要な役割を認識する。そのため、農業政策や農村を対象としたプログラムにおいて、女性は特別に考慮されなければならない。


ナンプーラ市にて 2013年9月30日
ナンプーラ州市民社会プラットフォーム 声明文

*原文は「More」をご覧ください。

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# by africa_class | 2013-10-08 01:28 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

10月15日16時~外大で公開講座「日本・アフリカ・世界の今~NGOで働き目指す社会・世界とは?」

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以下、是非お越しください。一般の方も参加可能です。
なお今週末は日比谷公園でグローバルフェスタが開催されます。
多くのアフリカ関連NGOが出店するので、是非ご参加を。

(転載・転送歓迎)
============================
【公開講座:日本・アフリカ・世界の今】
現場で人びとと共に汗をかくこと、アドボカシーをすること
~NGOで働き目指す社会・世界とは?

■10月15日(火)5限 16時~17時半 
■東京外国語大学 研究講義棟113教室
(予約不要・他大学歓迎)   

============================
本講座では、日本国際ボランティアセンター(JVC)南アフリカ事業担当・渡辺直子氏&スーダン事業担当・今井高樹氏をお迎えし、「国際協力、ア フリカ、そして私たち」について考えます。

当日は、現場での活動の様子を見せていただく他、日本のODA(政府開発援助)の問題なども指摘していただきつつ、日本の私たちの出来ること(出 来ないこと)などについて、ざっくばらんに話していただきます。アフリカ、国際協力分野におけるボランティアやインターン、NGO等に関心がある 人も是非参加下さい。

なお、お二人ともに、政府機関や民間企業で社会人を経験した後にNGOのスタッフとして働いてらっしゃいます。将来の就職等についても相談する良い機会だと思います。

JVCについて:
http://www.ngo-jvc.net/

主催・問いあわせ先:
アフリカ政治経済ゼミ
africa.seminar<@>gmail.com
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# by africa_class | 2013-10-04 16:39 | 【紹介】アフリカ・イベント

【声明onプロサバンナ】日本の5団体「緊急停止&抜本見直し」&9月30日報告会報告

新学期が始まりました。新しい1年生に出会うのはいつも本当に楽しみ。基礎ゼミでのやり取りは、なるべくこのブログにもアップしていきますね。日本全国の大学1年生で悩んでいる人多いみたいなので。答えは与えられたりはしませんが、考える糸口になるかもしれないので。

さて、9月30日(月)の報告会には、本当に沢山の座りきれない程の皆さんがお越しになりました。来られたNGOの方より、「こんな充実した内容の報告会ははじめてだった」とおっしゃっていただきましたが、逆にいうと、それだけモザンビークの現場の状況が酷く、日本の援助の問題が根深い・・・ということでもあったのかもしれません。それはそれで哀しいことです。

同報告会は以下のサイトでご覧いただけます。
http://www.youtube.com/watch?v=kSNzU32enGg

現地調査の結果であり、報告会の肝となった「緊急声明文」の紹介をしたうえで、報告会の報道や、情報の訂正や、感想などを書きたいと思います。
(1)声明文の背景と本文紹介(賛同団体10月15日まで募集)
(2)報告会のフォローアップ
(3) コメンテイター松本悟さんのコメント全文+補足情報


なお、日本のODAの改善に長年取り組んでこられた法政大学&メコンウォッチの松本悟さんのコメントが、プロサバンナの問題を、援助の面から非常にクリアーに解説されたので、ご本人の了解を得て、かつ追加の資料を加えて最後に説明しますね。

(1)声明文について
読んでお分かりになるかと思いますが、5団体の声明文は、かなり強いものとなっています。現地調査前には声明文の話は出ていなかったので、モザンビークに行って市民社会・農民組織・農民の声に耳を傾け、政府との対話の様子を実際に目の当たりにし、JICA関係者らと共にプロサバンナの現場に行き、個別に農民組織や市民社会組織と共にプロサバンナ対象地の農村を回った結果として出されたわけです。

これら5団体は、長年にわたりアフリカ支援や援助カイゼンに取り組んできた団体やメンバーによって構成されており、声明なるものもめったに出さない団体ですし、このような公的な形で援助事業に対し「中断と抜本的見直し」を要請するのは、前代未聞である…ことは指摘しておくべきでしょう。

特に、これら5団体は、去年12月のODA政策協議会を含め、7月まで6回にわたる「対話」のため時間と労力を割き、外務省・JICA担当部局と行ってきて、そこで言われてきたことと実際のあまりにもの乖離に、愕然としたというのが正直なところだったということでした。ここら辺のことは、このブログの過去の記録をご覧ください。

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日本・ブラジル・モザンビーク政府の大規模農業開発事業「ProSAVANA-JBM」に関する緊急声明 ~事業の早急なる中断と迅速かつ抜本的な見直しの要請~
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2013年9月30日

 私たち日本の市民社会組織は日本の外務省および国際開発協力機構(JICA)に対し、日本の政府開発援助(ODA)によるモザンビークにおける大規模農業開発事業「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発プロジェクト(ProSAVANA-JBM)」(以下、プロサバンナ事業)を早急に中断し、迅速かつ抜本的に見直すことを要請する。この要請は、モザンビークの多数の農民・市民社会組織によって表明されてきた懸念の強さ、および私たち自身による本年7月から8月にかけてのモザンビーク現地調査によって明らかになった問題点に基づくものである。

【背景】
 プロサバンナ事業は、事業立案から形成・実施に至るすべてのプロセスにおいて、当事者であるモザンビーク北部の8割以上を占める農民、とりわけ農民の中でも圧倒的多数(99.99%)を占め、耕作地の95%を耕す小規模農民(以下、小農)を主権者として尊重し、彼らの参加を保証する姿勢を欠いてきた。モザンビーク最大の農民組織である全国農民連盟(UNAC。2,200の農民組織の連盟)やモザンビークの市民社会組織により繰り返し出されてきた抗議声明では、プロサバンナ事業による大規模農業開発や投資の構想・計画が地元農民らの生活と生計基盤に及ぼすネガティブな影響に対して、強い懸念が表明されている。
 特に、本年6月の第5回アフリカ開発会議(TICAD V)開催直前の5月28日に発表された日本・ブラジル・モザンビーク政府首脳に対する「ProSAVANA事業の緊急停止要請公開書簡」(以下、「公開書簡」)は、モザンビークの農民・市民社会・宗教組織23団体が起草し署名するなど、モザンビーク社会においては前例のない重みをもつ、援助事業への異議申し立てになった。なお、「公開書簡」は、来日した農民組織の代表者により安倍晋三総理にも手渡されている。
 この事実を受けて日本の市民社会組織は、外務省との間で継続的にNGO・外務省意見交換会(以下、意見交換会)を行ってきた。そこでは、事業を進めるモザンビーク政府および日本とブラジルの援助関係者とモザンビークの農民および市民社会との間で更なる対話の重要性が確認され、対話による合意形成が約束された。しかしながら、プロサバンナ事業の主要コンポーネントであるマスタープラン作成とクイック・インパクト・プロジェクト(Quick Impact Project : QIP。成果が早く見られる事業)、プロサバンナ開発イニシアティブ基金(ProSAVANA Development Initiative Fund : PDIF)の融資を受けたパイロットプロジェクトは、合意がないままに進められている。さらに、その過程における透明性やアカウンタビリティは向上せず、現地の農民と市民社会に対して十分な情報公開と対話がなされていないために、農民と市民社会組織はさらに不安を募らせている。特に、「公開書簡」への正式な回答がなされないまま、一部の農民や市民社会組織との形式的な対話による合意形成ばかりに力が注がれたため、モザンビークおよび日本、ブラジル各国政府に対する不信と懸念がさらに強まる結果となっている。
 また、プロサバンナ事業の対象地では、すでに国内外の投資やビジネスによる土地争奪が大規模に起きており、土地の希少化と紛争が急速に進んでいる。これによって立場の弱い現地農民の土地が奪われ、飢えや貧困が進んでいる地域があり、このような事態に対し声をあげる農民への抑圧も各地で起きている。 
 プロサバンナ事業をこのまま継続すれば、モザンビーク農民の生計基盤の破壊から貧困化が進み、同時にモザンビーク社会の安定に悪影響をもたらす。ひいては日本のODAに対する信頼と信用をいちじるしく落とすことにもなるだろう。  私たち日本の市民社会組織有志は、ここに改めてプロサバンナ事業を一時中断し、以下の諸点を踏まえて抜本的な見直しを行うことを提案する。

【要請項目】
1.  日本政府に対して、モザンビーク市民社会が提出した「公開書簡」に対し、すみやかに書面にて返答することを求める。その際、モザンビーク市民社会が求めるプロサバンナ事業の一時中断について、明確かつ具体的な回答を必ず含めること。
2. 2009年のプロサバンナ事業調印時より大きく悪化したモザンビークのガバナンスや政治状況(民主化の停滞や異議申し立て者への抑圧やハラスメント)、環境破壊、土地争奪による土地紛争の激化と小農の被害状況を踏まえて、全事業対象地における社会・政治・経済状況の把握を優先し、ていねいで独立した現地調査を直ちに行い、現地農民・市民社会との議論を踏まえて、プロサバンナ事業のフレームワークを抜本的に見直すべきである。
3.  日本の市民社会組織と外務省・JICAの間で行われてきた意見交換会において、現地の農民および市民社会との対話の抜本的な見直しが合意されている。しかし、対話のあり方は改善されず、プロサバンナ事業マスタープラン作成チームによる進め方が、プロサバンナ事業対象地であるナンプーラ州とニアサ州を代表する市民社会プラットフォーム、並びにモザンビーク全体で活動する農民組織や市民社会組織にさらなる不信感を生じさせる事態となっている。この事態を把握すること、とりわけ、現地の小農を代表する組織であり、本事業に関する議論に最も深く関わってきたUNACとUNACの加盟組織がプロサバンナ事業に関する各種の対話スキームから排除された経緯と理由を直ちに明らかにすることを求める。
4. 「公開書簡」の緊急停止要求を受けて実施された第4回と第5回の意見交換会の場では、外務省およびJICA側の出席者らから「プロサバンナ事業はまだ始まっていない」という発言が繰り返され、「時間をかけて対話していく」ことが約束された。その一方で、JICA本部および在モザンビーク日本大使館が知らないままにPDIFの第二次募集の説明会が6月下旬に、公募が7月15日まで行われていた。この件についての経緯と第二次募集を行った理由について説明を求める。
5. 現地農民および市民社会組織との対話においては、「自由かつ事前の合意」(Free Prior and Informed Consent)の原則に従って、プロサバンナ事業について十分な情報公開と説明責任を果たし、さらに、事業の影響の大きさと深刻さに鑑み、当事者である農民と市民社会の「意味ある参加」を確実にするために、プロサバンナ事業の中断を含めて話し合うこと。
6. 現在、UNACを中心に農民や市民社会の側から提案がなされている「家族農業支援のための国家計画」の実現への協力についての見解を明らかにすることを求める。
7. 土地の登記(DUATの取得)については、そのメリット・デメリットを含めた理解が末端の農民まで浸透しておらず、その是非についてモザンビーク国内で議論が始まったばかりである。モザンビークの土地法においては、DUATを取得しなくても、これまでの慣習に基づく住民の土地利用の権利が認められている。したがってプロサバンナ事業においてDUATの取得を前提とすることは、現在そして未来の農民などの権利を狭めることになる。まずは、主権者である農民の権利が奪われないようにするための支援を行うべきである。
以上

呼びかけ団体(50音順)
アフリカ日本協議会
オックスファム・ジャパン
日本国際ボランティアセンター
モザンビーク開発を考える市民の会
Attacジャパン

署名団体(賛同募集中):
*10月15日まで、賛同希望団体は、アフリカ日本協議会(AJF)までご連絡下さい。
info<@>ajf.gr.jp (担当:斉藤)

(2)報告会のフォローアップ
9月30日の報告会については以下に詳細。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-44.html

時事通信社とIWJからこの報告会と声明については記事が配信されています。
■同時中継(2013年9月30日)*現在はアーカイブへ
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/104474

日本語(2013年10月1日)
■「日本の支援見直し要求=モザンビーク農業開発-NGO」
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013100100648&g=soc
■「プロサバンナ」
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013100100660&g=soc
英語(2013年10月3日)
”NGOs call for review of Mozambique farm project”
http://the-japan-news.com/news/article/0000692632

なお報告会は、もうすぐYoutubeにアップされるそうですが、IWJの会員であれば上記アーカイブでご覧いただけるそうです。その他、報告会でお見せしたビデオやお見せするといったビデオもYoutubeに近日中にアップ予定です。

【報告会時の説明の訂正】
①「8月6日~1週間の調査」との紹介
=>5名全員が一緒に調査を行った期間の間違いです。
=>実際は、7月24日~8月18日の期間の現地調査です。
(発表した渡辺さん自身が12日間の調査でした)

②調査協力団体、インタビューや面談参加団体・個人数
これについては、報告書に問題のない範囲で(弾圧などを避けるため)、公開していきます。
なお、例えば、説明があった「女性団体」は、Forum Mulherのことで、戦後直後の1993年に設立。全国の女性アソシエーションや女性やジェンダー分野のCSOsや宗教団体などが加盟中。正式加盟は83団体であるものの、ネットワーク団体を含み、例えば、ニアサ州(プロサバンナ地域)の女性フォーラムの加盟団体だけで79組織あります。
http://www.forumulher.org.mz/

例えば、本調査では、この団体の代表・事務局長・スタッフの3名、ニアサ州の団体代表とスタッフ2名への聞き取り、会議での発言確認などを行っています。

また、農村部での調査では、農民組織の州レベル・郡レベル・行政ポストレベル・ロカリティレベル・コミュニティレベルの農民組織代表を対象に意見を聞いており、それぞれ州や郡やコミュニティによって何農民組織代表の話を聞いたのかについては、例えば以下の例が挙げられます。事前に、各地域の農民や農民組織から意見等を聞いておいてもらい、その上でインタビューに向かいました。

例)ザンベジア州グルエ郡
●郡レベルでの個別インタビュー:
200を超える農民組織(フェデレーション)の選挙で選ばれた代表
●行政ポストレベルでの個別インタビュー:
50近くの農民組織の選挙で選ばれた代表
●ロカリティレベルでの集団インタビュー:
33農民組織(1429農民)の代表12名(男性6名女性6名)
●個別農民へのインタビュー:
1農家(夫妻)

③小・中・大規模農家
ProSAVANA-PDでは、「暫定」として、
小は0-10ha(未満)、中は10-50ha(未満)、大は50ha以上と定義。

ただ現地にいるJICAコンサルの方の感覚でも、現地の感覚でも、
・小規模農家:0-5ha(未満)
・中規模農家:5-30ha(未満)
・大規模農家:30ha-
という分類が妥当だと言われています。

その意味で、PDIF(プロサバンナ開発イニシアティブファンド)の融資先や関連先の「農家」「企業」は、中規模農家というより、「中から大規模農業経営者」とした方が良いとおもわれます。ここら辺のことは、報告書に詳しく書き込まれています。

(3)松本さんのコメントと補足説明
松本悟さん(法政大学/メコンウォッチ)コメント:
1999年から環境社会メンでの悪影響がないように政府の政策作りに身を投じながら一緒に作ってきた。日本のODA、JICAが人びとの生活を脅かすことがあってはならない。かつてのように抗議で変えるのではなく、政策をつくり、しっかりとした政策での議論により悪いODA事業がなくなることを夢見てきた。こういう事業が出てきてしまうことに辛い思いを抱かざるを得ない。
 その経験に基づき、JICAの環境社会配慮ガイドラインの面から3点コメントしたい。

①情報公開について:
JICAには情報公開の政策ができている。環境社会配慮ガイドラインに基づく情報公開がされている。英語の情報によると、プロサバンナのマスタープラン策定プロジェクトについては、「特定プロジェクトを提案しない」と書かれている。「具体的にプロジェクトを特定しないので、どのような影響が出るか分からない。だから、カテゴリー分類はBにしている。Aは色々な影響があるだろう。Bはマイナーな影響しかないだろうという分類。何故かというと、どんなプロジェクトにするか提案する予定がないから」と書かれている 。

ところが、森下さん(OXFAM Japan)が先程指摘したように(報告で)、JICAの案件概要表が公開されており、それによると「QIPを提案する」と書いてある。つまり、ガイドラインに基づき情報公開されている文章には、「プロジェクトを具体的に提案する予定はないので、だからカテゴリーはBである」と書かれ、一方で英語でも日本語でも書かれている案件概要表には「QIPを提案する」とあり、森下さんの話では実施もするとのことだった。情報公開に基づいて書かれている二つの情報なのに全く異なる情報が書かれている。

先程、午前中の会議で、(JICAが)「そのようなことがあるのであればホームページの方を訂正します」と答えたと聞いて唖然としている。訂正する側のHPというのは、今年の9月4日現在のもの。9月4日は1か月も経っていない。確かに2年前の情報公開が改訂されていないのであれば多少分からないでもないが、丁寧に9月4日現在の情報とHPにアップしている。一か月前のものではない。それを今変えるというと、どういうことが起きるか?

【補足情報】
「Quick Impact Project案の一部のパイロット事業(KR見返り資金を活用した触媒基金による契約栽培推進事業)としての実施」(JICAナレッジサイト案件概要表<2013年9月4日>掲載より)
http://gwweb.jica.go.jp/km/ProjectView.nsf/VIEWParentSearch/CBD5ADD7676429714925794C0079D830?OpenDocument&pv=VW02040104

外務省の「開発協力適正会議 」の委員をしている。高橋さんも同様である。日本のODA のPDCAサイクルを回している。Plan Do Check Actサイクルのこと。ちゃんと計画立てましょう。実行したら、ちゃんとチェックを行い、チェックを活かして次にちゃんと変えていこうというもの。今何をしようとしているかというと、チェック段階でおかしくなったら、(元あった)「プランまで変えます」ということをいっている。とんでもないこと。もしうまくいかなかったら、「計画段階の書き方が間違っているから計画段階の書き換えを変えます」…となると、全てのPDCAサイクルは美しいサイクルとなる。誤りがあったことをチェックして認めるからPDCAサイクルが必要であり、日本政府は自公政権になっても行政事業レビューをしている。したがって、そういう仕組みがある以上、自分たちの立てた計画は透明性が必要であるにもかかわらず、JICAと長く仕事をしてきたが極めて残念と言わざるを得ない。

【補足情報】
ODA適正会議についての外務省ホームページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/kaikaku/tekisei_k/index.html
PDCAについて次に説明されている。
※PDCAサイクル:事業の形成,実施,評価,改善の4段階を繰り返すことで,事業の継続的な改善を図る手法。
また、NTTファシリティーズ 『社会環境活動報告書2005』の図が分かりやすい。らせん階段上に事業が改善されていくための手法
http://www.ntt-f.co.jp/csr/sreport/envre2005/management/02.html


②カテゴリー分類:
アセスメントの専門用語。何百もある事業を全部ものすごく丁寧に調査するのは、コストパフォーマンスが悪い。これはしっかりやりましょう、というカテゴリー分けを事前になされるのは一定の合理性がある。だからこそ、カテゴリーが重要といえる。大きな問題が起きそうなものはAでしっかりやりましょう。ないものはCでさらりとやりましょう。税金を効率的に使うことができる。したがって、カテゴリーが重要。この事業はカテゴリーB。

【補足情報】
ProSAVANAに関するカテゴリーのスクリーニング結果概要は、以下に掲載。 http://www.jica.go.jp/english/our_work/social_environmental/id/africa/mozambique_b04.html

Bとは何か、住民との対話も「必要に応じて」、情報の公開も「場合によっては」という書き方。JICAや外務省が、恣意的にあるいはJICA・外務省の判断によって、必要性を決めることができる。しかし、カテゴリーAだとやらなければいけない。どういうやり方でやるかはガイドラインにしっかり書かれており、だからアカウンタビリティもあり、透明性があり、私たちもチェックができる。

例えば、QIPについて、JICAの資料の中では、「環境社会配慮項目を議論する(洗い出す)」ことも含まれている。普通はその段階で、立ち退きがある、生計が変わる、農業のやり方が変わるということが予見されれば、住民の生活への影響が多いので、当然カテゴリーはAになる可能性がある。しかし、現在JICAに聞く範囲では、カテゴリーBのままである。

マスタープランは日本の国土面積よりも大きいところで作られるため、ざっくりしたプランを作るということで、最初の段階でプロジェクトを特定できないという可能性は否定できない。しかし、JICAのガイドラインによると、以下のように書かれている 。

「7. マスタープランは、協力事業の初期段階ではプロジェクトが明確でない場合が多いが、その場合でもプロジェクトを想定してカテゴリ分類を行う。その際に、派生的・二次的な影響や累積的影響を考慮に入れる。また、複数の代替案を検討する場合は、それら代替案のなかで最も重大な環境社会影響の可能性を持つ代替案のカテゴリ分類に拠るものとする。調査の進捗に伴いプロジェクトが明確になった以降は、必要に応じてカテゴリ分類を見直すものとする」。

【補足情報】
国際協力機構「環境社会配慮ガイドライン」2010年4月, 4頁。2-2カテゴリー分類より。http://www.jica.go.jp/environment/guideline/pdf/guideline01.pdf 

つまり、徐々にプロジェクトがみえてきたら、明らかにJICAのホームページの中で、調査プロジェクトの一環としてやられている以上、ガイドラインにのっとって、カテゴリー分類を見直し、場合によってAにし、適切に住民との協議、情報公開をすべき。外向きのカテゴリーをAにかえ、ガイドラインが定めている適切な手続きが不可欠。そうでなければ、ガイドライン改訂の議論を2年間やった意味がない。

③ゾーニング:
この事業では、ゾーニングという考え方が使われている。ゾーニングは大きな影響を及ぼす。私の専門は、世界銀行の調査研究であるが、世界銀行はゾーニングの問題で被害を受けてきた住民から何度も異議申し立てを受けてきた。世界銀行の政策違反であると指摘されてきた 。JICAや日本の外務省は、真摯にゾーニングがもっている社会環境面の影響を考えた上で、自らのガイドラインをもう一度チェックし、カテゴリーを見直し、住民との対話を政策に基づいて見直すべき。

【補足情報】
ゾーニングに対する異議申立の一例に“Democratic Republic of Congo: Transitional Support for Economic Recovery Credit Operation (TSERO) and Emergency Economic and Social Reunification Support Project (EESRSP)”がある。
世銀のインスペクションパネルは、森林のゾーニングは土地利用計画なのでカテゴリAに分類すべきだったと政策の不遵守を指摘している。
http://documents.worldbank.org/curated/en/2006/02/6605253/democratic-republic-congo-transitional-support-economic-recovery-credit-tsero-emergency-economic-social-reunification-support-project-eesrsp-inspection-panel-investigation-report-recommendation

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ブログ読者ならわかると思いますが、ここからみえてくるプロサバンナに関する根本的な問題・・・・は明らか。
らせん階段状に、Plan、Doから、Checkで見直しがされ、Actでカイゼンされ、上に上っていく・・・・という手法ではなく、Planがそもそも「PRODECERのP-D-C-Aから出発していないために」問題が埋め込まれたまま出発し、Doでそれが露呈・拡大され、ようやくCheckまで来て、現地社会からも日本社会からも声があがっているのに、それに真摯にACT(改善)に向かって対応するというよりは、Planの「書きぶり」や「公開手法」の問題に矮小化してしてしまう・・・・という現在の手法が露呈。

しかも、援助の透明性や「適正化」がこんなにいわれてもう10年以上が経って、そのための仕組みも作ったのに、どこ吹く風で、「情報自体を書き換える」といえてしまうことが、組織の体質が変わっていないことを示している・・・と感じてしまうのは私だけでしょうか。

がんばれ、JICA。
でも、がんばる方向性が間違っていないか、本当に考えてほしいところです。
もう自浄が無理なのならば、第三者に抜本的なCheck & Actを提案してもらうべき時がきていると思います。
その意味で、モザンビーク23団体から出されている公開書簡(ブラジル30団体近く、日本11団体も署名)、日本5団体の緊急声明「緊急停止と抜本的見直し」は、有効な提案だと思います。
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# by africa_class | 2013-10-04 16:10 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【近刊紹介』『国際政治~特集:紛争後の国家建設』&Fukushima, ProSAVANA…が、研究の転換点につき

長いノマッド(遊牧民)生活も一旦終了。毎月出国している状況はさすがに辛い。一か所に数か月まとめていられるのは本当にありがたい・・・と思う今日この頃。依然、アフリカに持って行ったスーツケースとヨーロッパに持って行ったスーツケースが並べられたままではあるものの・・・。

さて、忘れる前に自分の記録用にやっている最新出版物の記録を貼り付けておきます。デジタルの時代に、紙で出版されるものの有難さの一方で、いつどこで何を書いたのかだんだん記憶が定かでなくなってくるので。

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■舩田クラーセンさやか(2013)「モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題」『国際政治:紛争後の国家建設』(日本国際政治学会編)、174号、54-68頁。

■Funada-Classen, Sayaka (2013), "Fukushima, ProSAVANA and Ruth First: Examining Natalia Fingermann's 'Myths behind the ProSAVANA", 国際関係論叢 第2巻・第2号、85-114頁。

*後2つ近刊ですが、取り急ぎ。
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(と書き始めて単に新刊紹介のつもりが、読み返すと、研究者としての次の旅路の話になってしまいました。なのでタイトルも変更。いいのか、こんなこと書いて・・・と思うものの、もはや。)

しかし、本業の紛争後の平和構築・・・にじっくりと手がつけられなくなって2年半。震災・原発事故、そしてプロサバンナの・・・・ですが、実はそれでよかったと今思い始めてます。当初は、知っている人は知っている通り、2011年から現在にかけて、「モザンビークとルワンダの平和構築の比較」と「アフリカ暴力、平和とジェンダー」を切り口に、英語で本を書くつもりでした。後者は共同研究を準備していたところでした。集ってくれた仲間の皆さん、すみません・・・。そして個人の研究テーマとしては、「アフリカと1958年」という本を書こうと思っていました。

それらは依然としてとてつもなく、答えもなく、重要なテーマであるものの、「今の私」である必然性のないテーマだと感じるようになりました。これは、重要ではないということではなく、頭脳が一個で手が二本で身体が1つで、24時間しかどんなに頑張ってもない人間という生き物である時の順序としてという意味です。

10年後とか、20年後でもいいかも。あるいは来年別のことを書いてるかも。やっぱりあのテーマをやる!と。その時は笑って下さい。でも今年退職した師匠と7月にすごく長い時間話して、彼が大学卒業論文で取り上げたテーマに40年後また取り組みたくなった・・といって文献を読んでいる話を目を輝かせてしてくださった瞬間に、私もそれでいいと踏ん切りがつきました。先生、ありがとうございます。いつまでも尊敬する大きな大きな先生、小倉充夫先生です。

そんな風に思う日がこんなに早く来るとは思ってもいませんでした。いや、良く考えたら「早くない」ですね。いつも自分がいつの間にかこんな歳になったのに驚いてしまう。22歳からこのテーマで、モザンビーク、パレスチナ、ユーゴスラビアに行って、そしてこのテーマで私なりに20年近く研究してきたのだから。人生あっという間というのはその通りで・・・。

いずれにせよ、前から思って、心がけてはいたのですが、上手くいかなかった。「国際関係」や「国際政治経済」を人びとの「暮らし」のレベルとの関係で再検討し直す・・・・・これを真正面からやる時がきたと感じています。逆に、世界はそれだけ、目に見えて密接に結びついて変動する時代に入ったといえるでしょうか。もはや、どんなアフリカの村の出来事も、世界中に張り巡らされつつあるシステムから逃れることができない・・・・他方、そのようなシステムに抗う普通の人びとの動態が、「小さな小石」の意味が大きくなる瞬間がある。

巨象の足の裏にたった一つ刺さった棘だとしても、それはそれで意味があることがある。(象を例えたのは息子的にまずかったかも・・ごめん)

その綱引きのようなPower & Contestationについて、「一人一人の暮らし(特に生命)」と「グローバルなシステムと国家権力」の相互性と相克・・・をディスコース(言説)分析と構造分析を踏まえてやりつつ、一人一人の「声」を浮き彫りにできないものか・・・そんなアクロバティックなことを考え始めているのです。

まあ、もう国際関係学では理論的にはやられているし、現代史研究では、以上は当然過ぎるぐらいと当然のことなのですが、もっとそれを「土地」とか「農」とか「食」とかの切り口で、アフリカと私たちの生活を舞台に何かできないものか・・・それこそが、私の「平和構築論」になっていく予感があるのです。そこには、気候変動やエネルギー問題も含まれています。

さらに、「援助という名のコロニアリズム」という斜めの切り口も挟み込みながら・・・・。こんな風に、ブログに次の研究アイディアの構想を書くのはバカだと思うのだけれど、バカであることはどうせ周知の事実なんで、お許しを。ちなみに、関西人にとって「アホ」は許容範囲。「バカ」は超えているので、私が「バカ」という時には、相当気合のはいた「アホ」だと思ってくださってOKです。

脱線しました。いつもだけど。
これは、私が「研究界の住民」ではなく、あるいは市民社会の一員だからというだけでなく、あるいはそれぞれのアイデンティティを「生活者としての自分」を加える形で、でもそれぞれバラバラに生きてきたところを、2011年3月11日後融合させようと試行錯誤してきた結果でもあるといます。つまり、「ひと」になったのですね。

「知」は身体から切り離されるべきでなく、「社会」からも切り離されず、「過去と未来」からも切り離されない。「この場」だけからも切り離されず、「世界」から切り離されない。制約を受けながらも、有る時大きく羽ばたくこともあり、でもその羽ばたきが人びとを破壊に導くことがある。そんな超越と制約の間の限りなく主体性があるようにみえてない世界の中で、人が人として、愚かで可能性のある生き物として、どう生きるのか・・・そんなことをツラツラ考えているのです。

自分の衝動として、未熟なままで「次」に行かねばならない自分に腹が立ちます。全然、まったく、20代のころにこの錚々たるメンバーから学び始めた時からちっとも進化がなかった自分に。あの時よりもスキルがアップしたとしても(20年ですから・・・)、まったくダメじゃないか。そんな風に思う今日この頃。

でも、私はきっといつか師匠のように「やり残した気持ちがある」もののところに戻ってくると思います。なので、やり残したままにさせて下さい。

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とはいえ、手元に届いた『国際政治』を読み始めて、激しく後悔しているのは事実として。。。ちょっと、この錚々たるメンバーの中に私の原稿があってよいはずかない。

この日本政治学会の投稿募集にあわせて書いたのだけれど・・・
http://jair.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/committee/no174recruit.pdf

正直なところきりこみが全く足りなかった・・。もっとやりたい分析があったのだけれど、不十分だった。でも、実の所今農民たちと共に活動をし、調査をしながら、思っても見なかった視点で政治をみることが出来ている自分を発見している。「民主化の課題」を「主権の問題」だと前から頭で分かっていたけれど、こんなにハートにずしりと来る形で理解できたのは、活動のお蔭。とはいえ、この論文は2年前の学会報告をベースとしているので、最後以外はそれが活かせていない。まったく!!!!

(津田時代と同様、「今後の課題BOX」にぶち込ませていただき・・・)

でも、私の以外はすごくすごく面白いので、是非どうぞ。
学会ジャーナルとはいえ夕斐閣から購入できます。
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641299641

武内さんのLiterature Reviewもいつもながら冴えわたってる。
新しい同僚の篠田さんの論文も素晴らしく面白い。
前の同僚の酒井さんの論文の深みに、自分のろんぶんがかぎりなく薄っぺらい・・・ごめんなさい。次(相当先になりますが)頑張ります。

==目次==================
「序論 紛争後の国家建設」(武内進一)
「国際社会の歴史的展開の視点から見た平和構築と国家建設」(篠田英朗)
「紛争後の国家建設の死角と国際社会の課題」(西川由紀子)
「国家建設と非国家主体─ケニアのコミュニティ宣言が示唆する国家像」(古澤嘉朗)
「モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題─2009年選挙を中心に」(舩田クラーセンさやか)
「紛争と選挙,アイデンティティの相互連関─戦後イラクの国家建設過程」(酒井啓子)
「二元化するイラクの石油産業─クルディスタン地域の石油と国外アクターの役割」(吉岡明子)
「ボスニア・ヘルツェゴビナにおける所有関係と国家建設」(片柳真理)
「ローカル・オーナーシップと国際社会による関与の正当性─マケドニアにおける国家建設を事例として」(中内政貴)
「同盟と国家建設─NATOとアフガニスタン」(岩間陽子)
「反乱軍の組織と内戦後の和平期間」(大林一広)//独立論文1本
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# by africa_class | 2013-10-01 22:51 | 【記録】原稿・論文

表現の自由を憂い、エチオピア女性ジャーナリストから学ぶ「人の生は短い。だから私は真実を語る」

日本の「報道の自由度」が今年ついに22位から53位に急落したとの報道がありました。知ってましたか?今日は、その話を手掛かりに、今年「報道の自由賞」を受賞したエチオピアの女性ジャーナリスト・Reeyot Alemu、「本当のことを書き続け」て逮捕された26歳の女性について語りながら、日本における「国民の知る権利」と「表現の自由」の憂うべく現状を共に考えます。

「遠いアフリカ」のことではありません。
そのようにみえて、「日本の私たち」のことです。

彼女はArthur Schopenhauerをこう引用しました。
"life is short.(人の生は短いが)
But truth works far.(真実は遠くまで届く)
Lives long.(そして長く生き続ける)
Let us speak the truth."(だから私たちは真実を語ろう)
(The World as Will and Representation, Volume I)

■英語ですが授賞式の様子(彼女不在のまま)
http://www.youtube.com/watch?v=O1z7d6z-S_w

元NHKの大貫 康雄氏によると、日本のランク急落の背景は次の通り。
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http://no-border.asia/archives/8287
5月3日は「世界報道の自由の日(world press freedom day)」とユネスコ総会で定め、加盟国に報道の自由を促進し、言論の自由の保障を義務付けているが、現状は理想にほど遠い状況だ。毎年、この日に合わせて『ユネスコ・国連教育科学文化機関』が「報道の自由賞」の授賞式を行い、また国際NGO『RFS(国境なき記者団)』が世界179カ国の「報道の自由度」一覧を発表している。

日本は黄色に色分けされたが、1年前の22位から31位下げ53位に急落。(閉鎖的な)記者クラブ制度が依然改革されていないなど、名指しで警告されている。

民主主義(の質、水準)が以前に比べて悪化している国としてイタリア、ハンガリー、ギリシャ、アルゼンチンと共に日本が名指しで警告対象になった。

RFSはまた、昨年の22位から53位に降下した日本について(政府・公的機関の)透明性の欠如、福島第一原子力発電所事故と放射能災害に関する情報公開を尊重する態度はほとんどゼロに等しいと手厳しい批判をしている。さらに問題点として、最後に原子力産業報道で“検閲”(誰によるのかは言及せず)が行われていること、(閉鎖的な)記者クラブ制度が依然として改革されていないことなどを挙げ、以前は良い評価を受けていた国の急降下は警告すべき現象だとしている。

アジア・太平洋地域では、ニュージーランドが最も報道の自由が保障されている国のひとつとして8位、オーストラリアが26 位、パプア・ニューギニアが41 位、台湾が47 位、韓国50 位。
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これって深刻な事態では?日本のメディアはどう報道したのだろう?と思って検索にかけてみたのですが、No Boarderの大貫氏のこれしか出てこない・・・。それ自体が示しているものもある。。。批判は耳が痛いとは思いますが、今一度「何のためにメディアがあるのか?」を考えてほしいです。勿論、一番問題は日本政府・公的機関ではありますが、マスコミもまた、耳を傾けるべき指摘は沢山あると思います。

私はアフリカニストなのでアフリカのランクも確認してみると・・・。日本より上位は7か国!
ナミビア(19位)、カーボベルデ(25位)、ガーナ(30位)、ボツワナ(40位)、ニジェール(43位)、ブルキナファソ(46位)、南ア(52位)よりも下位でした。ニジェールやブルキナファソより低いとは・・・いや失礼。そりゃそうかもしれません。
http://en.rsf.org/press-freedom-index-2013,1054.html

でも、残念ながら私、この結果に驚かないかも・・・。
今とても気になっていること。
それは、日本社会が全体として「ものを言いにくい状態」が生まれつつあるという点です。特に、国家権力や権力が行う政策に絡むこと、原発事故直後とは異なり、問題を指摘する人達が声をあげづらい空気が醸し出されつつあるように思います。

多分、多くの日本の人達は、「自然の減少」、つまりいわゆる「風化」や日本得意の「忘却力」によるものと思っているでしょうが、勿論それがある一方で、そうなるように色々なアクションがとられていること・・・には、なかなか気づかないですよね。

今、日本で何が起きているのか?
例えば、異論を述べる人達、道端で声をあげる人達への意図的な逮捕や拘束、裁判や、職場での嫌がらせ等です。モザンビークだけではないのです。既に、「がれき焼却」をめぐっては、私立大学の先生が逮捕される事態までになっています。勿論、この先生は、社会の大きな声によって、釈放され大学にも復帰されていますが、このようなことは先生やその周辺の人達を怖がらせて黙らせるために行なわれた、国家権力や警察による介入だったことは明らかです。

異論に耳を貸せない人達が国家権力を握った時、日本でかつて何が起こったのか?
目で見えなくとも、「全体の空気でなんとなく異論がいいにくい状態」が、なにをもたらしたのか?
声を上げ続けた人達を「非国民」と呼んで、見捨てた社会が行き着いた先はなんだったのか?

何故戦争から70年近く経って、「いつか来た道」を遡っているような不安を感じなくてはならないのでしょうか?あるいは、70年「も」経って、お得意の「忘却力」で全て勝手に忘れたのでしょうか?

私は70年前には生まれていませんでした(多分!)。
でも「あの時代」を過ごした人達が、原発事故後これでもかというほど集会を企画したり、歩いたり、抗議活動にかけつけたりするときに、必ずおっしゃっているのが、「戦後60年以上が経て、こんなに悪い時代は今までなかった。今日本は危ない状態になりつつあります」ということ。あの穏やかでにこやかな瀬戸内寂聴さんの、その強い言葉にドキッとしませんか?
私はします。

そして、戦争の研究をしてきた者として、実際そうだと思わざるを得ないようなことが、まさにこの皆が暮らす日本で日々起きていると感じています。それは、単発に起きているというより、大きな流れにようになってきているように思われるのです。そして、若い人達をはじめ、社会はそれにまったく自覚的ではない。そのような隙間に、色々な法案や試みが進められています。一つずつ、一つずつ、「国民の知る権利」「表現の自由」「報道の自由」「結社の自由」そういったものが、公式・非公式に奪われていっています。

国家や政策の透明性やアカウンタビリティを高めるための市民らの努力が、「特定政治勢力の動き」や「個人的なクレーマ-」と同じレベルに矮小化され、周辺化され、そして忘却されるように仕向けられた結果、得をするのは一体誰でしょうか?

決して社会ではありません。大多数者はそのようなことにより、知る権利を奪われ、国や政策を良くするための積極的な機会を失い、自らの権利を奪われていく一方、ある特定個人や特定の利益集団、国家権力の周辺に群がっている既得権益者だけは生き延び、太っていくでしょう。しかし、最大の犠牲者になり得る大多数者こそが、このような自分の権利を狭めていくシステムを支え続ける傾向にある・・・のが、日本の特徴です。

なぜなら、「お上/大きなもの/権威のあるもの/主流に逆らうべきではない」と子どもの頃より教わってきたから。「既に決まりきったこと」「そうであることと思いこまされていること」を疑問に思い、自分で調べて、考え直し、新しい提案をするというプロセスよりも、「出題者の立場に立ってテストを予想し、回答を想定する」ことに幼少期から繰り返し進められてきた結果、自分の属する組織やシステムを刷新していくことが非常に難しい。その基礎がない。

日本の教育は、批判的精神を育み、調べ、自分の頭で考え、柔軟にオプションを想定し、結論を導くという作業を放棄していると前から思っていましたが、子どもが途中でドイツの学校に行くことになって比べることができるようになった今、特にそう思います。教育の最終工程にいる私たちの責任は限りなく重いと思います。そこに焦点をあわせて、受験というツールによって、教育が組み立てられる日本ですから。

「問いを持つ」・・・・学びにおいてこれほど重要なことはないにもかかわらず、日本では「疑問を持つ」ことよりも「今はとにかく持たない」ことを奨励されがちです。受験でも、日々の生活でも、仕事でも、就職でも。そうやって一人一人が疑問を持たないように生き続けた結果が、今の日本のこの状態です。

「疑問を持ってもどうしようもない」「どうせ変えられない」「面倒なだけ」「辛くなるだけ」「他人と違うことばかりやってられない」「大人にならなきゃ」・・・色々理由はあるでしょう。「今までの当たり前」「どうせ変わらないもの」にチャレンジすることは、勇気がいることでしょう。損をするように思えることも沢山あるでしょう。

でも、皆が皆それから背を向けて、「ちっぽけな自分」の「ちっぽけな利益」ばかりを後生大事に守っているつもりになり、「とりあえず自分の周りはどうでもいい」という態度を続けるのであれば、社会はもっとひどいところになるでしょう。いや、なっていたでしょう。先人たちの誰かが、損をしても、自分の得にまったくならなくとも、一生懸命他者や社会のため(本人たちがそれに気づかず、感謝せず、時にバカだと思っていたとしても)、に行動し続けてくれたから、今狭くともスペースが私たちに残されている。でも、それも「誰かがやってくれる」と胡坐をかき続けた結果、もはや風前のともしびです。

若い人として何ができるのか・・・?
まずは、やはり批判的精神を育み、問い続けること。そして知ることだと思います。知ろうとすること。「一番前」に行く勇気がなくったって大丈夫です。「前でがんばっている人達」を応援することだって、大きな力になります。

とにかく、「問い」を持つことは是非し続けてほしいと本当に思います。そして、小さな輪でもいいから、誰かとその「問い」を共有し、話してみること。そういう積み重ねが、「このままでいいんだろうか」「本当にそうなのか」「何かできないのか」・・・というサイクルになっていって、皆の最初の「問いを持つ」というささやかな試みが、何かの行動につながっていくことになると思います。

さて、またしても前置きが長くなりました。
以前ツイッターで紹介しましたが、今日は、この「世界報道自由の日」の2013年度の受賞者であるエチオピアの女性ジャーナリスト、レーヨット・アレム(Reeyot Alemu)のことを紹介したかったのです。ドイツでは時間がなくてツイッとで終わってしまったのですが、日本でほとんど知られていない女性なので、これを機に是非しってほしいと思います。

■ユネスコ「2013年度世界の報道自由賞」の紹介。
”Ethiopian journalist Reeyot Alemu wins 2013 UNESCO-Guillermo Cano World Press Freedom Prize"
http://www.unesco.org/new/en/media-services/single-view/news/ethiopian_journalist_reeyot_alemu_wins_2013_unesco_guillermo_cano_world_press_freedom_prize/#.UkcG6tKpVRm
Ethiopian journalist Reeyot Alemu wins 2013 UNESCO-Guillermo Cano World Press Freedom Prize

■2012年度「ジャーナリズムにおける勇気賞」受賞の紹介。
http://iwmf.org/honoring-courage/2012-courage-in-journalism-awards/awardees/reeyot-alemu.aspx

先の大貫さんの記事によると、「アレムさんは高校で英語を教えながら週刊紙を出版し、貧困の問題、その原因、政府の腐敗、不正、女性差別などの政治問題、社会問題に鋭い筆を奮い、政府に“テロリスト”として逮捕、投獄された。政府から反政府的言論をやめるよう圧力を受けるが拒否。刑務所は衛生状態が極端に悪く、アレムさんは体調を崩し入院。手術を施されるが翌日、回復しないうちに刑務所に戻されているという」。

酷いです。
本当に。でも、だからこそ知らねばなりません。学ばねばなりません。
彼女が何をしたのか?
そこまでの仕打ちを受けるだけのどんなことをしたのか?

「本当のことを書いた」のです。

多分、のんびり生きてきた日本の学生の皆さんには「へっ?」・・・かもしれません。
しかし、人間の歴史において、ものを書き始めてからというもの、過去においても、現在においても、
権力側にいる人達が一番怖いのは、「嘘を書く人」ではありません。
「本当のことを書く人ほど怖い」のです。

少々訂正。
勿論、民主的な手法によって人びとに力を負託されている人達にとっては、「本当のこと」は痛くもかゆくも、ましてや怖いことではありません。一方、既得権益にしがみつくことでカネや力やメンツが保ってきた人達ほど、「本当のことを書き言う人」は目障りであり、消し去りたい相手なのです。

なぜなら、彼らは知っているから。
自分の「力」に正当性がない、ということを。
自分のやり方が支持されていない、ということを。
だから「嘘で塗り固めたお城」を維持し続けなければならない。
だからこそ、「本当のこと」が、いちいち胸に刺さるのです。
だから「本当のことを語る人、書く人」を黙らせたい。

”Reeyot Alemu: Ethiopia's Jailed Truth Teller”
http://www.thedailybeast.com/witw/articles/2013/04/18/reeyot-alemu-ethiopia-s-jailed-truth-teller.html
■アルジャジーラの英語番組が一番分かりやすい
「ジャーナリズムxテロリズム」
http://www.youtube.com/watch?v=9hEkd3ZTKco
いかに、「テロリズム」という言葉が、権力に本当のことを隠すために利用されているか。


でも、彼らは恐れながら、薄々知っている。
真実はどんなに曲げても、曲げても、歪められ切れないことを。
だから、より一層怖いのです。
これらの不安が、彼らを「本当のことを言う奴を黙らせたい」衝動に導きます。

裸の王様は恥ずかしい。
だから、「裸だ」という人が目障りなのです。
裸なことを認めれば、もっと良い関係が待っているというのに・・・。
裸に気づき、服を着る努力よりも、「裸だ」という人を黙らせることにこそ血道をあげる・・・。

しかし、アレムさんがいったように、
「本当のこと」・・・というのは、どんなに上手く捻じ曲げても、必ず残っていきます。
今消えたように見えても、別の形で必ず残って、必ず表に出てきます。
だから、「本当のことを書く人」を遠ざけて、彼らの権力の「時間」を延ばすことが重要なのです。
でも、いつか彼らは退場を余儀なくされるでしょう。
どんなに権力者らが、それを求め工作しても、真実は人々の目の前に、いつか現れるからです。

そのことを歴史家として驚きをもって見つめてきました。
こんな資料残っているはずないだろう…というところに残っている。
こんな話、聞かせてはもらえないだろう…という話が語り継がれている。
そして、埋もれたこれらの声や資料を、丹念に丹念に掘り起こす人達がいる。
すべては、「過去の過ちを繰り返さないように、よりよい社会と世界のために」と、いつも、どこかで、思って、汗をかいてくれる誰かのお蔭で。

アレムさんは未だ20代だというのに、「本当のこと」を掘り起し、書き続け、このような状態でも意志を曲げず、世界にメッセージを送り続けています。
“I believe that I must contribute something to bring a better future,” Alemu said in an earlier interview with the IWMF. “Since there are a lot of injustices and oppressions in Ethiopia, I must reveal and oppose them in my articles.” Alemu said one of her “principles” is “to stand for the truth, whether it is risky or not.”
http://iwmf.org/honoring-courage/2012-courage-in-journalism-awards/awardees/reeyot-alemu.aspx

権力者は、そのことが怖いのです。
彼女を、どんなカネや力やニンジンでもっても、Corruptできないことが。
彼女を、どんなやり方でも諦めさせられないことが。

彼女は何故諦めないのでしょうか?
想像でしかないのですが、
それは、彼女が誰かにいわれてやっていることではないからだと思います。

ユネスコは彼女をこう讃えました。
“exceptional courage, resistance and commitment to freedom of expression.”
でも、彼女はこう讃えられるためにやっていないと思います。
彼女は彼女の生き方としてやっていることに、誰かが褒章をあげることは真の意味で出来ない。
と同時に、それを他者が奪うことも出来ないのです。

日本政府に「開発の優等生」として讃えられるエチオピアですが、同国に現存する「貧困と格差」に対し声を上げ続けた一人の若い女性が、「テロリスト」と呼ばれて今日も監獄に入れられたままであることを、私たちは目を瞑らず、しっかり知り、そこから学びましょう。
http://allafrica.com/stories/201309051138.html

■受賞にあわせて作られた番組
http://www.youtube.com/watch?v=Ce4fkD7drmA

彼女の監獄からのメッセージ
"Journalists are the voices of the voiceless. That's why I wrote many articles reveals the truth of the oppressed ones. I always stand firmly for my profession."

日本の皆さんに知ってほしい。
そして、今一度考えてほしい。
私たち一人一人の生き方。
共に創造しようとするよりよき未来。
いつもモザンビークの仲間たちがいうように。

More just, democratic and better society & world.
私たちは出来ると思うのです。
立ち止まり、自らの過ちに気づき、笑い、手を取り合って前に進もうとするのであれば。

今日もがんばりましょう。
人生は短い。
だけど、真実は遠くまで。
だから、今日も真実を語りましょう。
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# by africa_class | 2013-09-29 03:01 | 【考】民主主義、社会運動と民衆

卒業祝い:「ちっぽけな自分を笑い、自分を超えたもののために生きる道を閉ざさない」、という生き方

2012年度の卒業生を送り出している時期に色々あり、しっかりと送り出す言葉を書くことができないでいた。もう9月が終わろうとしているこの瞬間、なぜか出張中のオランダのホテルで一言だけでも書いておきたいと思う。

まずは、皆さんこんなに遅くなってごめんなさい。
言い訳にはなりますが、忘れていたわけではなく、ずっとずっとあの時追コンでかけた言葉以上の何かをどのようにまとめて書けばいいのだろう・・・と考えていたら、あれもこれも言いたいのに、一つだけ絞っていうとしたらなんなのだろう・・・と迷っていたら、こんなに時間が経過してしまいました。ごめんね。

ゼミ生との毎年の出会い、そして毎年の送り出し、その繰り返しをしてもうすぐ10年が経過しようとしています。気が付いたら、100人以上のゼミ生との出会いとなりました。そして、そのパートナーたちや赤ちゃんたちや、増えていくファミリーとの沢山の新しい出会いがあります。

2004年には不可能だった、卒業生が後輩の面倒をみる・・・は見事に勝手に主体的に行われるようになり、卒業生の皆さんに心から感謝しています。この場をかりて、「ありがとう」を言わせてください。

皆さんとのどの出会いも、とてもかけがえがなく、時に反省しなければならないことも多々あり、率直にそれをお詫びしたいし、同時に皆があたえてくれた沢山の幸せと笑いを、それがくれた勇気と成長を、どう説明すれば伝わるものか・・・これを書く決意をした今夜にも未だ分からないのです。

でもやっぱり、皆がくれた力に感謝したいと思います。
皆の純粋なまっすぐな、でも不安げな眼差しをみながら教壇に立つと、ああ頑張らなければ、ただ教師としてだけでなく、人として、大人として、社会の一員として、日本の現状の責任者として、世界の一部として、がんばらなければ・・・と思ってがんばれてこれました。

時に(多くの場合?)、それが空回りになったり、やり過ぎになったり、時にやはり独立精神が必要だと不十分に対応したり・・・とおそらく皆の目からみたら色々だったと思いますが、それでも、一人一人のことを一生懸命大切に想い(私なりのやり方ではありますが)、これからも思っていくことを、何よりもまずは知ってほしいと思います。

それは単に私のゼミ生だったからというわけではなく、皆は「不十分だった」「先生は納得してないだろう」などと思っているかもいれないですが、一人一人が、素晴らしい人としての成長を、それぞれのやり方でみせてくれたこと、その成長に少しでも関わらせてくれたこと、そのことへの感謝が根本にあるからです。皆は、なかなかそのことが分からないみたいだけれど、自分が親になったり、先生と呼ばれる立場になれば分かるかもしれません。迷惑をかけたと思っている人も多いけれど、本当に全然そんなことないのです。大人の当然の役割ですから。

皆が良く誤解するようなので、前もっていっておくと、
今だから(卒論を書き終え、提出し、発表し、卒業し、社会人になった)分かると思いますが、私が皆さんに「求めていたもの」は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「何もなかった」のです。

皆は、ずっと私が皆に何かを求めていると信じて頑張っていたようですが。そして、それが日本での子どもの成長の際の「当たり前」なので、自然とそう信じていたかもしれませんが。今となってはこのこと、分かると思います。

私がもし何か求めていたとしたら、それは「皆が人として自分の力と想いで何かを求め、それを自分の責任において求めること」・・・でした。それは求めていたので、以上の記述は正確ではないかもしれません。

確かに、「スキルの向上」は提案してきました。
(勉強もそうですが、生き延びるという意味での)
また、「なぜ学ぶのか」を考え、話し合い、探究する場も提供してきました。

しかし、何をどうゴールとして設定して頑張るか・・・・は皆が探るしかなかった・・・だから、皆卒論が終わるまですごく苦しかった・・・と思います。

私は皆さんの求める「皆の問いへの答え」は持ち合わせているとは1パーセントも思っていないし、そして、それを想定して語ることもできないし、すべきでない・・・と思ってやってきました。勿論、事実誤認とか理解不足、あるいは調べ不足という点は多々あったので、それらの点については大いに情報を提供し指摘してきたつもりです。また、努力せずに結論を導き出すという「行為」については、厳しかったと思います。

でも、皆が自らのテーマを探しだし、自らの問いを立て、自らの手法で、自らの答えを導き出す・・・これのサポートはしても、邪魔はしてはならないというのが私なりの先生としてのルールでした。なので、クラスルームの場で「教え過ぎない」ということを、すごく気をつけてきたつもりですが、うまくいかなかったこともあったでしょう。

勿論、「私の問い」への「私の答え」は、あります。
が、前にも書いたように、授業ではその話はほとんどしてきませんでした。時間の無駄だし、30人いるゼミ生一人一人の多様性に寄り添って話を聞きたいのに、「先生」の話をしては、「真似しなきゃ」と言うことになっても困る・・・と思っていたからです。

むしろ、私の問題意識や考え、それへの行動は、社会「貢献」活動の中で知ってもらえばいいと考えてきました。それを知りたければ、このブログを読んだり、その他企画のイベントに参加すればよいし、知る必要がなければ知らなくていいし、関わりたければ関われば良いし、関わりたくなければ関わらなくてよいし、すべては皆次第であり皆は自由。なので、授業の中ではしてきませんでした。そのような狙いがないとしても、押し付けがましくなるので。

でも、授業の中でもっと話してほしい、教えてほいい・・・という希望が1年が終わると良く出されてきました。実は、白状すると、外大以外の大学では、講演会であったりするので、そういう話をよく学生の前でさせてもらってきました。でも、自分の大学では・・・難しいですね。例外はりくえすとに応え、1年に1度だけ、専門の授業で、何故自分がこのような研究や活動をするに至ったのかの話はしますが、大抵は最後の方で泣いてしまうのでちょっと恥ずかしい。

2012年度卒業生の前でも話しましたね。かなり長い時間。結局、泣いてしまった。あの瞬間何を想像してたかというと、私が私であることができる理由、私が私として生きる手がかりを与えてくれた、モザンビーク北部の農民のママたちの優しさと強さ、哀しみ、辛さ、喜びと温かさ・・・そんなものすべてを想像してしまうと、もう涙がいつも止まらないのです。

1994年・・・戦争直後に反政府ゲリラ勢力を含む元戦場を任地として働いていた時に出会った、あのお母さんたち。布きれ一枚、穴だらけの、骨と皮の、哀しそうな怯えた目の、あのお母さんたちが、どのように日々を生き抜き、その後の戦後を生きて、今に至るのか・・・20年ほとんど毎年のように農村にお邪魔しながら、自分の自らの努力で生活を立て直した姿を目の当たりにしてのことでした。

首都から最も遠いモザンビーク北部の中でもニアサ州は最も援助が届かない州であり、さらに州都から遠くアクセスの悪い元ゲリラ地域の南東部は、文字通り、「人びとが自力で生活再建を行った地域」でした。自分の食べるものもろくに生み出せない、家も自分で建てることのできない無力な私にとって、その姿から学んだことの大きさは説明しようがありません。

「ただ今日を生き抜く」・・・ことの偉大さに、そのことを家族が実現するために与えられているお母さんたちへの責任の大きさに、私は尊敬とともに、すごいものを見せていただいた感謝を感じてきたのです。もし、このお母さんたちとの出会いがなければ、あらゆる意味で今の私はなかったでしょう。

皆さん、「ただ今日を生き抜く」ことの素晴らしさを、心に大切に持ちましょう。何もかもが嫌になる時こそ、このことを思い出してください。

ただ注意が必要です。
「私が今日を生き抜くこと」には、パーソナルなニュアンスがあるかもしれません。
でも、戦後モザンビークで考えたことは、「今日を一人一人が生き抜くこと」の集合体があって初めて家族があり、社会があるということでした。

皆が「今日」を諦めず、「自分」を諦めないことは、すなわち「生命」と「ひと」と「社会」と「世界」を諦めないことなのです。

若い時分にこのことに気づくのはとっても難しいことだと思います。一人暮らしで一人で生きているつもりになっているだろうし、自分ぐらいいなくてもと思っているかもしれません。

すこし厳しいことを書くならば、「自分ぐらい」と思っている人ほど、実は心の奥底で「自分」を強く大事にしすぎていることが多いのだということに、早く気づいてくれるといいなと思います。

逆説的ですが、根っこの部分に後生大事にもっているか隠している「自分」がかわいく、傷つけたくない人・・・が多いのです。

あるいは逆のケースもあります。「自分だけは生き延びればいい」と考えているタイプです。
実は、今このような考えが、世界に蔓延っていると感じています。表面的には、「自分なんて」とリアクション的にいっているけれども、自分(とその感情や気分や利益)がとっても大事で、本音では「自分だけ」を重視している。

経済至上主義が蔓延るポスト冷戦期の社会においては、これはますます強くなって、日本だけでなく、世界中を席巻しています。そして、社会で働き始めた皆さんであれば、それをひしひしと感じていることでしょう。

新入社員の皆さんですから、それは仕方ないことかもしれません。それぞれがまずは社会の中で生きてみる、もがいてみる、その中で考えるしかない・・・実はそう思っています。

でも同時に、もしクラスルームを超えた場所で、もはや学生ではない皆さんに何か送る言葉を贈るとすれば、それは有難迷惑かもしれないとは思うものの、冒頭の一言に尽きるのです。

「ちっぽけな自分を超えたもののために生きる道を閉ざさない」

先述のとおり、「ちっぽけにすぎない自分」にフォーカスしすぎる精神構造、時間の使い方、努力の方向性は、自分にとっても破滅的ですし、皆がそのような状態になると、家族や、組織、社会、世界にとって破壊的です。残念ながら、今日本社会のあらゆる単位において、「自分にフォーカスし過ぎる人たち」が増殖しているように思えます。

長年において日本では、習慣として、家、地域、組織、社会の私物化が当たり前の社会でした。「自分のちっぽけさ」をカバーするために、「家、地域、組織の中の地位」が重視され、それらの私物化が横行して来ました。右肩あがりの時代はよかったでしょう。

しかし、もはや時代は変わりました。日本のわれわれは、あらゆる意味で、その「成功体験」に長年あぐらをかきすぎました。日本の社会のあらゆる単位において、それを私物化している人たちやグループは、仕事と自分を切り分けることができない故に、批判を受け付けられず、家族でも、組織でも、風通しがよく改善が可能なものから遠のいていっています。

日本が「変われない」理由にこれがあります。
そのために、私物化するほどの権力を伝統的にもってこなかった女性や若者は、正面からこの「私物化集団」と闘うというよりも、「離脱」を好んできました。その方法は積極的なものもあれば、消極的、わかりづらいものもあります。その結果として、彼ら彼女らが本来もっていた「変革のエネルギー」は、使われることなく、浪費され、あるいはしぼまされてきました。

新入社員の皆さんは、心当たりがあるでしょう。皆さんに変えられることなんで、何もない・・・と感じていませんか?あるいは、時代の先行きの不透明さから、将来への不安から(持ってて当然です。ほんとうに若い人にとって大きな課題が沢山与えられているのですから)、「自分だけは守らねば」と感じているかもしれません。つまり、私物化グループに皆もいち早く参加しなければならない・・・と感じているかもしれません。

でも将来の不安の出所の根っこの部分は、特に冷戦後、より自由になった社会において、「家」も「地域」も「組織」も変われなかった結果として起きているのです。既に出来上がった「強弱」関係を守ろうとする力の強い側が、ゆらく変動の時期にかたくなに「自分たちは正しく、そのため今まで通りでなくてはいけない」と求めた結果でした。そのために使われたエネルギーと、それへの抵抗は、結局は変革を求める人びとの離脱と、それぞれの単位の腐敗と硬直化、そして崩壊につながっていきました。

多くの「家」をみてください。
「地域社会」をみてください。
多くの政府組織をみてください。
多くの会社をみてください。
そして、この日本の現状を。

今の日本の状態を見回して下さい。上から下まで。すべての単位において、崩壊や綻びでガタガタしています。それは、オリンピックのような「夢」が足りないからとか、景気が悪いから・・・という一言では片付けられません。もはや、今の時代に相応しい変革は、とっくの昔に起きていなければならなかった変革が、どのレベルでも停滞し、場合によって、古いものがただ朽ち果てるのを待つしかない、あるいは破滅的にすべてを使い倒すのを手をこまねいて見ているしかない・・・という状態にあります。

こういう状況のなかでは、一人一人が自己防衛に走り、カネに頼るしか道がないように見えてきます。
他方、そんなカネすら手にできない若い世代は、より自己防衛に走らざるを得ません。とにかく、「上に従う」「大きなものにまかれる」「敗者になってはいけない」「勝者でありつうけなければ」。

「そのためなるべく他の人より早く、上手く、効果的に準備しなければ、損をしないようにしなければ」・・・という焦りが、大学生の皆さんにこれほど漲っている時代は過去にあったのでしょうか?そんな「勝者の道に乗れない」と感じ、自暴自棄になっている人もいるでしょう。

私が皆にいえることは、あまり多くありません。私自身が、そのような社会をみなに与えてしまった張本人の大人の一人だからです。今の大学生の倍近く行きている以上、責任から逃れられません。

それでも、あえていわせてもらえるのであれば、それは、そんな時代でも、「ちっぽけな自分の為に生きる人生のままでいいのか?」ということなのです。今、フレッシュマン・ウーマンの皆さんも、いつかフレッシュではなくなります。その時にこの言葉を思い出してくれればと思います。

「既得権益を守る上の世代」と「不安の中でそれに従わざるを得ない下の世代」で、今の日本社会の風通しの悪さは成り立っています。その連合の中にいれば、台風の目の中にいる静けさを錯覚として与えてしまいますが、その外はむちゃくちゃな被害が生じ続けています。台風のように破滅的パワーをもって。自分たちは良いように思われるのですが、周りが破壊しつくされた後、自分たちだけも本当に無傷で残ることができるのか・・・それは誰にも分かりません。

そもそも、そういう生き方をしているという自覚もないかもしれません。それはそれで仕方ないでしょうし、あるいは私の認識・理解が間違っているかもしれません。

いずれにせよ、「台風の目の外の被害」、そして台風の外に穏やかな世界があるという事実・・・これを忘れないようにしましょう。渦中にいると感じれば感じるほど、「その外はどうなのか」に努力して意識と視線を飛ばすようにしてください。

難しい時には、「自分のちっぽけさ」を笑ってみましょう。
自分の愚かさを、卑下する形ではなく、大いに笑ってみましょう。
大丈夫。誰もみてないから!

そのちっぽけな自分を、次に、もっと大きなもののためにどうにか生かせないか、考えてみてください。日々の生活に追われてそれこそ無理でしょう。「日々生き抜く」といったのに、矛盾していないか・・・そう思うかもしれません。

私がいいたいのは、逆説的ではありますが、「ちっぽけな自分」の愚かさを笑い、そんな愚かな自分だからこそ他の者・ものの役に立てればいいと感じた時に、きっと皆に開ける道はあるはずだ・・・ということなのです。それが、「日々を生き抜くこと」の意味を、限りなく広げてくれるのではないか・・・と思うのです。

「今日はよい一日だった」・・・というために、他人の評価は不要です。あるいは、「ちっぽけな自分にとってどんな良いことが起きたか」を判断基準にする必要もないと思います。むしろ、「ちっぽけな自分を笑い、それを超えたもののために何かしようと生きた」のであれば、結果が伴わないとしても、とても良い一日を過ごしたということなのだと思うのです。

ひとは一人では生きていきません。
誰かに必要とされ、誰かのためにがばんばりたい生き物です。
かといって、誰かが望まないがんばりを、勝手にしてしまう生き物でもあります。
だから、「誰かのために」という時にこそ、その「誰か」の心の声に耳を傾け、立場は違えどともに生きる道を真剣に探っていかなければなりません。

それに気を付けつつ、今日も、明日も、一日を、大いに自分を笑いながら、もっと大きなもののため、気持ちよく健やかに生きる可能性について探究すること・・・、をどこか頭の片隅においていただければと思います。何か、自分が間違っている道に入って行こうとしていると感じた時に、このことを思い出していただければ。

実は、自分が考えている以上に自分も、世界ももっと可能性に満ちている、ということも。

そして、私もそすやって生きていく努力を下手なりにやっていこうと思っています。
いまさらですが、

卒業おめでとう。
皆さんの道のりに沢山の笑いと幸がありますように。
困ったときはいつでもどうぞ。
ドアはいつも開いています。

舩田
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# by africa_class | 2013-09-24 07:34 | 【大学】アフリカゼミ(3・4年)

日本の援助(プロサバンナ)と抑圧、言論の自由について考える

現地調査報告概要(ドラフト)にも少し書いたのですが、モザンビークの市民社会や農民組織からは、悲鳴のような声が日々届きます。同国で日本もブラジルと共に援助するプロサバンナ事業に異議を唱えた人達が、プロサバンナ事業関係者らにより、繰り返しの圧力を受けています。

詳細は9月30日の緊急報告会にお越し頂ければ
http://afriqclass.exblog.jp/18634252

その圧力の与え方は直接的なものから間接的なものまで、とってもアカラサマなものから微妙なものまで、多種多様です。モザンビークや日本らしい手法のものも沢山あり、両国を知る者として考えさせられる点が多々あります。

哀しいことに、現地調査「報告記録」には、そのような声が積み上がってしまっています・・・。彼らがこれ以上危険に晒されることを考え、どのように公表するのかについては躊躇がありますが、彼らは「大丈夫。今こそこの不正を世界に知らせて」というので、差しさわりのない程度に列挙しておきます。

というのも、きっと日本の援助関係者はこういうことが現地で起こっていることについて、一部の人を除いて知らないと思われるからです。カウンターパートの政府関係者とだけ話している、あるいは市民社会と表面的にしか付き合いがないと耳にすることもないでしょうから。

それこそが、せっかく去年10月にUNAC(全国農民連盟)が異議を唱えてくれた時に、「ごく一部」「反政府勢力」「農民を代表しない」「こんな立派なポルトガル語をモザンビーク人や農民は書けないから国際NGOの陰謀だ」などといわずに、真摯に耳を傾け、どうしたら良いのか話し合えばよかったのですが・・・。

まだ遅くない、と思います。日本の援助関係者が今表面的な小手先ではなく本当の意味で変われるのであれば、そして抜本的な見直しができるのであれば・・・。ヒトも組織も間違いは冒すものです。私もまた。でも、「批判や教訓を変革の糧にする」ということを肝に銘じれば、変われるはず。まずは、何が起きているのか知って下さい。

「現地社会の異議あるいは疑問がある中で、とにかくプロサバンナを推進する、既成事実化を図る」ということが、いかなる抑圧と分断を現地で引き起こしているかについて、これを機会に是非自覚してほしいと思います。

私には沢山の疑問があります。
日本の国際協力を通してやりたかったのはこういうことだったのでしょうか?農民の支援というのはこういう手法によるものなのでしょうか?異論に丁寧に耳を傾ける努力よりも、なんとか「既成事実」を積み上げるための戦略や活動にばかり努力を注ぎ続けるべきなのでしょうか?

JICAは、いつから「弱い立場の人びと」の側ではなく、抑圧の側に立つ組織になったのでしょうか?国家間の援助の限界がこういう形で出るのであれば、そして援助からtake offする国が急増している以上、今後10年・20年の存在意義は何となるのでしょうか?

JICAは、いつから、現場での人びと共にある地道な信頼醸成活動の積み重ねに最も努力する機関から、大がかりな宣伝本位の事業の体面を保つための「戦略や戦術」にばかりカネを出し奔走する機関になってしまったのでしょうか?

両方やってるよ・・・という声が聞こえてきそうですが、後者が続く限り、現地の人びとにとって前者の評価はとても難しいでしょう。その意味が分からない現場で頑張っているコンサルタントの方多いと耳にしますが、プロサバンナ事業が一方で抑圧を生み出している中で、ある一部分は頑張っているから評価してほしい・・・と思っても、社会的になかなか難しいことなのだと思います。

そもそも、私に疑問なのは、そこまでしてやりたい国際協力とは何だろう・・・という点なのです?
内発的な人びとの努力に寄り添わない援助への批判は90年代に散々行われてきました。今更私がそれをここでふり返る必要もないと思います。

でも、もはや問題は「農民の自発性や内発的発展に資するかどうか」という点をはるかに超えてしまいました。プロサバンナ事業は、それを「何が何でも問題がなかったように取り繕い、推進する」というあらゆる種類の努力によって、その行き過ぎた繰り返しの「圧力」や「活動」によって、モザンビークのもっとも善良で素晴らしい層の人達ーーカネのためではなく自らを犠牲にしてでも底辺の人達の権利と社会の正義と民主主義のために闘う人達ーーを、傷つけ、反発させてしまいました。

プロサバンナ事業は、モザンビーク社会の真の発展に貢献したければ真っ先に仲間として行動すべき人達を、「敵」や「道具」として扱おうとしてしまったのです。そして彼らはそれに気づき、深く傷つき、反発し、不信を抱き、幻滅しています。どうしてこんなことになったのでしょうか?JICAは組織として自覚の上でやっているのでしょうか?あるいは?

これまで私もメールや電話、来日した仲間たちの話でしか「抑圧の実態」を知ることができませんでした。しかし、私だけでなく、今回、一緒に現地調査に行った日本の仲間たちも、自分の目の前でそういう事態を目にしてし、とても危機感をもっています。一援助事業が、現地で人権(言論の自由)侵害を引き起こす事態に、私たちはどうしたらよいのでしょうか?

抑圧を受けた人達を守るため、差しさわりの内範囲で列挙します。時間もないので一部のみですが。

(私や調査団が目撃したもの)
・「私のやることに反対する者には最大限痛い目にあわせてやる」
・「誰がこいつら(外国市民社会)を連れてきたのだ。お前か!」
・「上司が暗殺しろといったらそれに従うお国柄(といって市民社会代表に銃口を象った指で焦点をあてる)」
・「政府のすることに反対というな」「賛成といえ」
・「異論を国外で披露するな」
・「やはりこの公開書簡は外国の陰謀者らによって書かれたんだな。善良なるモザンビークがこんなことを書くわけがないし、農民が書けるわけがない」
*このいくつかはJICA関係者が同席の場で発せられました。内部で共有はあったでしょうか?

(現地での聞き取り、現地からの情報)
・「(プロサバンナ対象地での土地紛争の話をしたら)そんな話をしたら、君たちはどうなるか分かっているのか?」
・「農民組織は排除する。何故なら奴らはプロサバンナに反対するからだ。対話の必要はない」
・組織の上司への圧力と、その上司による圧力(人事担当からの圧力も含む)
・組織に資金提供するドナーを経由した圧力
・密室での会談の要求
・一人だけとのインフォーマルな会談の要求
・市民社会との対話にもかかわらず「個人」をターゲットとしたコミュニケーションのやり取り(個人の携帯への直接的な連絡、一人だけの連絡や名指しの連絡)
・繰り返しのミーティングへの呼び出し
・以上が無理な場合のフォーマルなレターによるミーティングへの呼び出し

ちょっと時間がなくなてきたので、列挙は以上に留めます。
傷害事件とかそういうものじゃないよね・・・という意見の人に尋ねたいのは、日本の援助がそこまでに加担する前になんとかすべきではないのでしょうか?、です。今は選挙前なので、この程度に収まっているのですが、それでもドンドン加速しています。

そこまでして得たい「農民・市民社会の同意」というものを根拠にして進める農業開発援助というのは、何なのでしょうか、という点です。ぜひ、自分の立場や利益、思い入れを脇において、考えてみてください。

国内的にも国際的にも注目が高まっている中、日本政府やJICAの良識と、「ガイドライン」に基づく行動が強く求められています。結局のところ、「組織」というのは「人の集合体」にすぎません。「どうせ変わらない」ではなく、一人一人が変えようとするならば、きっと変えることができるはずです。これ以上の加害に加担せず、過ちを学びに転換すべく、がんばってください。

Transcend(転換)は可能です。詳細は→
http://afriqclass.exblog.jp/i23/

10月に、このTranscendを基本理念としたLukasaをアフリカ・アメリカの専門家や有識者を招いて、日本の仲間たちと開催します。お楽しみに。
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# by africa_class | 2013-09-21 18:02 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【ご案内】国際開発学会の「原発震災から再考する開発・発展のあり方」部会の報告会

国際開発学会の「原発震災から再考する開発・発展のあり方」部会から案内がありました。とても重要なテーマであるとともに、国際開発や国際協力を問い直すにはとても良い機会だと思います。ぜひどうぞ。

===========================
【テーマ】原発震災より開発・発展のあり方を再考する。

【内容】原発震災であらためて露わにされた、内国的・国際的に展開される不公正な開発政治に、われわれはどう向き合えば良いのでしょうか? 中野洋一氏(原発産業)と松島泰勝氏(琉球開発)のお話を伺いながら考察します。

【プログラム】
① 「原発産業のカネとヒト」
(中野洋一 氏、九州国際大学)
原発産業は日本の巨大ビジネスの一つである。9つの電力会社の年間売上高は約15兆円であり、原発産業には年間約2兆5000億円近い資金が動いている。その原発産業のカネとヒトに焦点をあて、特に「原発マネー」の流れを中心としながら分析する。

② 「新たな植民地主義としての琉球の振興開発体制」
(松島泰勝 氏、龍谷大学)
本報告では、1879年の琉球併合から今日まで続く、琉球に対する構造的差別を明らかにした上で、「復帰」以降の振興開発体制が新たな植民地主義でしかないことを明らかにする。特に米軍基地とリンクした開発政治の分析に焦点を当てる。

【発表者プロフィール】
☆ 中野洋一 氏  国際経済学、特に南北問題、途上国の貧困問題が専門。九州国際大学国際関係学部教授、博士(商学)。現在、副学長。著書は『軍拡と貧困のグローバル資本主義』法律文化社2010年、『原発依存と地球温暖化論の策略―経済学よりの批判的考察』法律文化社など、多数。

☆ 松島泰勝 氏  石垣島、南大東島、与那国島、沖縄島にて育つ。在グァム日本国総領事館、在パラオ大使館勤務を経て、現在、龍谷大学経済学部教授。NPO法人ゆいまーる琉球の自治代表。「琉球民族独立総合研究学会」共同設立者。主要著書に『琉球独立への道―植民地主義に抗う琉球ナショナリズム』法律文化社。

【日時】9月29日(日)13時半~17時
【場所】甲南大学 西宮キャンパス(阪急 西宮北口駅 至近、メールで詳細をご案内
します。)

http://www.konan-u.ac.jp/faculty/cube/access/index.html

【問い合わせ先】 k_masaki425<@>nifty.com

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# by africa_class | 2013-09-21 16:58 | 【考】21世紀の国際協力

【緊急報告会!】9月30日16時~「プロサバンナに関する現地調査報告&緊急声明文発表」@参議院議員会館

お待たせしました。緊急報告会(9月30日(月)16時~17時半)の詳細が決定しました。
締切は28日(土)正午です。座席に限りがあるので急ぎお申込み下さい。

なお、以下関連の過去記事です。
●現地調査写真
http://afriqclass.exblog.jp/18496389/
●現地調査報告概要ドラフト
http://afriqclass.exblog.jp/18496108/
●過去の投稿については以下の引き出しに。
http://afriqclass.exblog.jp/i38/


【転送・転載歓迎】
*********************************************
2013年9月30日(月)16:00~17:30
議員会館内 緊急報告会

日本ODAによるモザンビークの大規模農業開発事業
「プロサバンナ」に関する現地調査報告・緊急声明の発表

http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20130930.html
*********************************************
ザンビーク北部3州 の1400万ヘクタール(日本の耕地面積の3倍)
におよぶ「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるアフリカ熱
帯サバンナ農業開発計画(略称:プロサバンナ/ProSAVANA)」は
2009年 に合意されました。

しかし、2012年10月、 モザンビーク最大の農民組織(2200組織
加盟)である全国農民連盟(UNAC)がプロサバンナ事業への抗議
声明を世界に向けて発表して以来、多くの現地農民組織・市民団
体および国際的なNGOが、同事業への懸念を表明してきました。
これらの懸念の根幹は、同事業が現地事情や農民・市民社会の
意見をまったく反映しておらず、アグリビジネスによる大規模な土
地収奪(land-grabbing)に道を開くものだという点にありました。

これを受け、日本のNGOや研究者らは、2012年12月 のNGO・
外務省ODA政策協議会を皮切りに、2013年1月より「ProSAVA
NA事業に関するNGO-外務省・JICA意見交換会」を5回 実施し
てきました。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/kyougikai.html
(*議事要旨は下の「プロサバンナ…」のところをクリック下さい)

2013年2月には、UNACの代表、環境NGOの代表が来日し、議
員会館での学習会、記者会見でプロサバンナ事業への懸念を表
明するとともに、現地住民との対話を日本政府に訴えました。

6月に横浜で開催されたTICAD V(アフリカ開発会議)時には、前
述農民連盟に加え、対象地域(ナンプラー州)の市民社会プラット
フォームの代表が来日し、モザンビークの主要農民・市民・宗教団
体23組織による3か国首脳宛て公開書簡「プロサバンナ事業の緊
急停止」が発表されました。同「公開書簡」は、農民組織代表により
安倍晋三総理に手渡されています。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
(*プロサバンナに関する資料、声明などは以上ブログを参照)

以上の事態を受け、日本のNGOや研究者による調査団が8月に
現地を訪問し、農民や政府・援助事業関係者らに聞きとりを行うと
ともに、プロサバンナ事業に関する「(モザンビーク・ブラジル・日本)
3か国市民会議」に参加しました。

同会議にはモザンビークの農業大臣や首相代理も参加し、活発な
やり取りがなされました。また、事業対象3州でプロサバンナ関連
事業の現状、アグリビジネスの進出状況、土地収奪、現地小農の
生産努力に関する調査を実施しました。

現地調査からは、プロサバンナ事業の透明性や説明責任の問題が
大きいこと、マスタープランに関する政府と市民社会の対話が始ま
ったばかりであるのにプラン策定が最終段階にあり、かつ関連事業
が進められ地域社会に混乱を招いていること、アグリビジネスによる
土地収奪が地元農民の生存や生活を脅かしているケースが出てい
ることなどが分かりました。

本報告会では映像も交え、調査結果を報告し、声明を発表します。
ふるってご参加ください。

■日時:2013年9月30日 (月)16:00~17:30 
(質疑応答 17:00~17:30)
■場所:参議院議員会館B107  (入館証70枚まで発行)

【司 会】
津山直子(アフリカ日本協議会理事/動く→動かす代表)

【報 告者】
・ 秋本 陽子(ATTACジャパン)
・ 高橋清貴(日本国際ボランティアセンター)
・ 舩田クラーセンさやか
(東京外国語大学/モザンビーク開発を考える市民の会)
・ 森下麻衣子(オックスファム・ジャパン)
・ 渡辺直子(日本国際ボランティアセンター)

【コ メンテーター】
・ 松本悟(法政大学准教授/メコン・ウオッチ顧問)
・ 若林秀樹(アムネスティ・インターナショナル日本事務局長)

共催:(特活)アフリカ日本協議会、(特活)日本国際ボランティアセンター、
(特活)オックスファム・ジャパン
協力:モザンビーク開発を考える市民の会

■問合せ先 /申し込み先
参加希望の方は、以下を明記の上、9月28日 (土)正午までに
メールもしくはFAXにてお申し込みください。
(FAX:03-3834-6903 /EMAIL: info<@>ajf.gr.jp)
*@マークの<>を削除して送信下さい。
(1) お名前 (2) 当日連絡可能な連絡先 (3)ご所属
※ 当日は、参議院議員会館入口にて入館票をお渡しします。

(特活)アフリカ日本協議会 
電話03-3834-6902/ FAX 03-3834-6903/
Email info<@>ajf.gr.jp  担当:斉藤、津山
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20130930.html

以上
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# by africa_class | 2013-09-18 15:58 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

現地調査写真:アグリビジネス土地収用、森林大規模伐採、地元農民との生産競合、農民間交流成果

●現地調査報告概要ドラフトの文章は先ほどの投稿をご覧ください。
http://afriqclass.exblog.jp/18496108/
写真は、同ドラフトにつけていたものと、追加分です。
●また、「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム(プロサバンナ)」に関する世界的な言論空間での状況については以下の通り
http://afriqclass.exblog.jp/18492008/
●過去の投稿については以下の引き出しに。
http://afriqclass.exblog.jp/i38/

ドラフト概要では、地元農民とアグリビジネスの生産物の競合について書くことができなかったのですが、本報告にはこれを書きます。以下、その点についての写真を追加しています。いずれも、プロサバンナ対象の19郡での調査です。なお、現地が緊迫している状況なので、調査地名・企業名を伏せています。

なお、ヘクタールの単位がなかなかイメージしずらいのですが、以下のザンベジアに進出している会社が収用した3000haとは「山手線の内側の面積の半分ぐらい」だそうです(要チェックですが)。
*なおここ数年でモザンビークが外国投資によって手放した土地面積は2万ヘクタールではなく、色々な数字があるのですが「少なくとも2百万ヘクタール」で誤記しました。失礼!。フランス面積の比喩はBBCの記事からなのですが、アフリカ全体のland dealの規模でした。ごめんなさい~!

以下の通り、モザンビークがここ数年で手放した土地面積をLand Matrix最新データに基づくと、日本の全耕地面積(425万ヘクタール)に限りなく近づいています。マラウイの耕地面積(360ha)を超え、ポルトガルやオランダの耕地面積(109haと104ha)の3倍以上ですね。

・世銀の報告書(2009年:xxxii):2.7百万ヘクタール(2004年~2009年)
・GRAINの報告書(2012年:主要な取り引きの合計):1,583,149ha(2006年~11年)
http://www.grain.org/article/entries/4479-grain-releases-data-set-with-over-400-global-land-grabs
・Land Matrixの2013年度の現時点で土地使用権が確保さた69件の取引の面積合計:3,880,460ha(手計算なので、後で計算し直します。どなたかチェックされたら教えて下さい)
http://landmatrix.org/get-the-detail/by-target-country/mozambique/

Land Matrixの最新のものが、実際にDUAT(使用権)まで得ている数字なので「最低ライン」はこれで良いと思いますが、そのLand Matrixの統計にも「詳細不明」な取り引きが沢山出てきます。また、表に出てこないものもあるので、実際はこれより大きな面積が収用されていると思われます。

なお、この企業は、農地をあきらめた農民に1ヘクタールあたり500meticais (20ドル以下1800円ぐらい?)しか提供しませんでした。新しい農地も準備せず。モザンビーク小農の平均耕作地は1.4ヘクタールですので、いかにこの「補償」が少ないか分かるかと思います。企業の進出にあたっての住民との協議の際には、「十分な補償をする。補償しても農地は準備する」といっていたそうです。

なお、この500mtですが、メイズ1袋が80~100mtなので、5~6.2袋分。一家の1年間の消費分にもなりません。そして、一番下の写真に売っているお母さん、ラッカセイを売っただけ(ごく一部)ですぐに手にできたお金です。

なお、会議でも言われていたことですが、「政府の農業政策や計画、キャンペーンでうまくいったものが一つでもあれば教えてくれ」と詰め寄られ、政府代表はまったく答えられなかったことが印象に残りました。が、実は、これは農村でも繰り返し農民から述べられた点でもあります。農民たちは「政府の新しい事業に疲れて」、なので確実にローカルで売ることができる食料生産に回帰しているということでした。

また重要なのは、「土地を選ぶ目」だと繰り返し耳にしました。そうやって肥沃な土地を選んで作付してきたところにこそ、企業が入り込んでいるor入り込もうとしちれうという現状こそが、「土地を巡る争い」の根幹にあると思います。土地・水に関する多様な情報が、プロサバンナについても蓄積されていますが、これらは地元農民にではなく、投資側に提供されるものであって、地元農民は長年の経験から土地を見つけ出しているというのに、そこに上から「投資」が降ってくる・・・・という構図が出来上がりつつあります。


【写真1-1】2013年8月8日 プロサバンナに関する3か国市民社会会議の様子
パシェコ農業大臣の挨拶の後、ProSAVANAに関して説明する首相代理(国家計画局長)
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*この後、農民や市民社会から沢山の質問と疑問が提示され、結局会議は午前9時から午後8時近くまで続いた。日本とブラジルの在外公館、JICAやABCにも、プロサバンナについて発表する時間と席が設けられたが、代理も含め誰も出席せず。その「対話」姿勢について、モザンビーク社会を落胆させました。

公的な理由は「招待が遅れたから」。でも首相代理や農業大臣ですら出席していた上に、10時間に亘る会議。どれかのタイミングで代理が聴きに来ることは可能だったはず。1年前の地元研究所の学会には、3名ほどの大使館スタッフやJICA関係者が交代で聴きに来ていた。それぐらい「興味がない」ということなのでしょうか。あるいは他の理由が?でもその結果はかなり心象を悪くしてしまったのは、本当に残念。批判に喜んで耳を傾ける政府・JICAに脱皮を期待したいです。あるいはモ国政府が阻んだのでしょうか?聞いたら「違う」といっていましたが。

【写真2-1】ザンベジア州G郡 大豆プランテーション(一部メイズも生産) 
アグリビジネス企業により3000haが開墾。収穫後の様子。
(住民との間で土地問題有。地平線まで続くプランテーション。大規模に森林を伐採)
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実際にど真ん中に立ってみての感想は「大クレーターか惑星に来たみたい」・・・。ビデオも録ったので、いずれ動画でご覧下さい。といっても、これ1000ヘクタール分に「すぎ」ません。

【写真2-2】プランテーションの入口の風景。伐採を免れた森が左に見える。
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【写真2-3】写真2-2で数メートルだけ残された森の中の様子(背後にコミュニティ)
*コミュニティのすぐそばなので薪に切られた様子が確認。そのため、実際に「開墾」のために大規模伐採された森よりも木はまばら。
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【写真2-4】同じコミュニティの穀物庫&製粉所
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【写真2-5】200袋のメイズが積み上がっている。企業はすべて自家生産分を売却済みだが、コミュニティと同じものを生産しているため競合が生まれている。買い取り手を待ったままのメイズ。
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【写真3-1】ニアサ州B郡 ブラジル人による大豆プランテーション500ha
(地元住民との間で約束不履行や労働問題・森林伐採あり 奥の山の麓に元の森林の様子)
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【写真3-2】ニアサ州B郡【写真2】のすぐそばの地元農民の畑(収穫後)1.5ha 
(事例)機械も肥料も農薬も使わず。種は自家採取。子どもはなく夫婦だけで手作業。
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【写真3-3】上記の農民夫婦の今季の収穫の一部(写真はゴマ、ラッカセイ。この他、メイズ、キャッサバ、サツマイモ、野菜を栽培 *十分以上の余剰をローカル市場へ)
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【写真4-1】UPCN(ニアサ州農民連盟*UNAC下部組織)のデモストレーション畑
2006年からブラジルのMST(土地なし農民運動)の有機農業の営農者との農民交流で学んだ手法を地元農民同士で普及。写真はニアサ州農民連盟副代表。自身が農民で普及員。
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【写真4-2】UPCN=MST身近なものを活かしたたい肥作りのデモストレーション
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JICAが思い付く前に、すでにブラジルとモザンビークの農民運動同士で相互扶助は始まっていたのです。そして、これは皆が強調していたことですが、政府のエクステンションを期待しても仕方ない、と。彼らは農民のそばにいないし、農民のメンタリティやニーズも分からないし、何より自分で耕した経験のある人というわけではない。農民同士の方が確実に学べる。だからこそ、農民が普及員として機能することが何より大切・・・という言葉は非常に重要だと思いました。
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# by africa_class | 2013-09-03 19:48 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【現地調査報告概要ドラフト】プロサバンナ・同対象地域に関する調査報告&要請内容

以下の現地調査報告概要ドラフト(私の)について「参考資料」ということで、NGOから外務省・JICAの関係各位に送付されましたので、皆さんにも公開いたします。あくまでも私の「ドラフト」ということなので、その点予めよろしくお願いいたします。(引用の際は、後日発表の正式なものをお待ちください)

なお9月末に現地調査報告会を東京で開催する予定です。その際に、詳しい報告書を発表しますので、よろしくお願いいたします。

*末尾に調査結果からの現時点の「要請」内容を列挙しています。
*概要についていた注は末尾に一挙記載しています。
*写真は次のサイトに。

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ProSAVANA並びに対象地域に関するモザンビーク現地調査【報告概要・ドラフト】
*2013年9月2日付


本報告は、日本でプロサバンナに関するNGO・外務省(JICA)との意見交換会(2013年1月~現在まで5回)に出席してきた研究者・NGO関係者ら6名によって行われた、モザンビークでの現地調査(2013年7月~8月)の報告概要ドラフトである。包括的な現地調査報告については、2013年9月末の「現地調査報告会」にて発表予定である。

現地調査の結果、深刻な事態が多く明らかになったため、関係機関に役立ててもらうとともに、調査成果を社会に還元するため、報告概要ドラフトを作成し、これを広く公開する。

1.目的:
(1)全般的なモザンビーク社会の現状の把握
(2) プロサバンナ対象地域(ナカラ回廊沿い)において、農業投資(アグリビジネスの進出)が地域社会や環境にどのような影響を及ぼしているかに関する基礎調査
(3)プロサバンナに関する調査
(ア)地元社会の理解の把握(知っているか、いつ誰によってどのような形で知ったのか、何と理解しているかに関して)
(イ)プロサバンナ関連事業に関する進捗の把握
(ウ)プロサバンナに関する議論の把握
(4)プロサバンナ対象地における地元小農の生産努力と収穫に関する調査

2.期間・対象地域
期間:2013年7月24日~8月18日
対象地域:ニアサ州A郡、B郡、C郡/ ナンプーラ州D郡(PDIF視察先)、E郡、F郡/ザンベジア州G郡

3.手法
【1】3か国市民社会会議、北部での市民社会会議での参与型観察・現地新聞・プロサバンナや土地問題に関する文献等の資料収
【2】プロサバンナ対象地域の農村訪問調査(政府関係者、農民組織、農村住民へのインタビュー、農地の訪問)<*3班に分割>
【3】首都並びにプロサバンナ対象地域の都市部での各種アクターへのインタビュー(政府関係者、市民社会関係者、JICA関係者、農民組織関係者、地元ジャーナリスト・研究者)
【4】ProSAVANA Development Initiative Fundの対象案件のモニタリング(JICA関係者による案内、個別訪問)

4.現地調査結果(総論)*文献調査結果も含む。
現政権(特に第二期ゲブーザ政権 )下で推し進められてきたビジネス・投資を中心とする各種政策・事業(投資、鉱物資源開発、農業)が、社会内での顕著な経済格差や不公正を生み出し、社会のあらゆるレベルにおいて不満の高まりは顕著となっている 。流入する投資の一方で、モザンビークは、2013年度のUNDPの人間開発指数では、2011年より順位を落とし、コンゴ(民)並びにニジェールに次ぎ世界最悪となった 。特に、各種メガ投資/開発事業が、地域資源に頼って生きる農村住民の生活を犠牲する事例が後を絶たず、住民側の抵抗も激化しつつあり、地域によっては外国企業との間で暴力衝突も発生し始めている 。現政権関係者の外国投資や利権と結びついた蓄財・汚職や不正、それを批判する(可能性のある)者への弾圧・脅迫は、さらなる不満を招き、元紛争当事者の元反政府ゲリラ勢力で最大野党のRENAMOの武装化を利する状況となっている 。同国では現在、本年11月の地方都市選挙、来年の大統領・議会選挙を控え、急速に政治情勢が流動化しつつある(以上【1】、【2】、【3】)。なお、2010年に同国は、Freedom Houseによって「選挙民主政国(electoral democracy)リスト116か国」から除外され 、Polity Score Projectも権威主義体制に近い「アノクラシー(anocracy)」に分類を変更した 。

プロサバンナの対象地域であるモザンビーク北部地域では、外国企業による植林ビジネス(ニアサ州・ナンプーラ州)、そしてプロサバンナ合意後の2009年以降(特に同事業が本格化した2011年以降)、大豆生産を狙った(国際企業に留まらない)アグリビジネスの進出(全3州)――具体的には土地を求める動き(land rush)――が加速化し、各地で住民との軋轢が生じている(以上【1】、【2】、【3】) 。

これまでの進出企業の傾向として、住民との協議を軽視したり、協議での約束を履行しない傾向が強く、実質的な意味での土地収奪(land-grabbing)が散見され、コミュニティによっては住民が生産活動のみならず生存が厳しい状態に追い込まれる事態も生じている(ナンプーラ州・ザンベジア州)。これに対し、住民・農民の権利を擁護すべき地元政府は、「世界一農民志向の法律」と高く評価される土地法があるにも拘わらず、投資・企業側に立った対応を行っており、住民は泣き寝入りするしかない状態にある(以上【1】、【2】、【3】)。

全体的に、言論空間の自由度は減少しており(前頁参照)、「政府が連れてきたビジネスや政策・事業(援助を含む)」への不満や異議を表明することは日々難しくなり、身の安全を危惧せざるを得ない現実にあることも明らかになった(以上【3】【4】)。その結果、農民や住民自身が自分の権利を守るための意識向上や自衛手段の確立について、地元農民組織・市民社会組織・宗教組織の対応も後手に回っており、場合によっては政治的・社会的・資金的障害に直面している(以上【2】【3】)。

一方、一部ドナーによって、「農民の権利を守るため」と称し「DUAT土地使用権の登記」がプロサバンナ対象地に対し集中的に行われているが、これが「『現在使われていない土地』への投資誘致」を奨励する政府やドナー、組織によって強力に進められていることもあり、その真の狙いについて危惧する懐疑的な農民や農民・市民組織が多い(以上【1】、【2】、【3】)。ドナーや政府、あるいは一部のNGOの間でも、DUATについて短期的な議論がなされる傾向にあるが、企業へのリースは50年単位で可能となるため、「現在使われていない土地」への将来的な土地圧力は決して低くはない。特に、人口増加率が高いモザンビークでは、今後数十年を見据えた土地政策が不可欠であるが、この観点を含めた国民的論議も始まったばかりである(以上【1】【3】)。

現地調査で面談したモザンビーク政府関係者(主として農業省)やJICA関係者のいずれもが、北部農村地域で生じる土地争奪や紛争について十分な理解や認識を有していなかった。その一方で、同地域では、外国投資・企業や政府関係者による土地獲得競争は激しさを増すばかりで、土地は投機の対象となりつつあり、投資と住民・コミュニティとの争いだけでなく、その希少化が住民間やコミュニティ間の争いを熾烈化しつつある。なお、これらの土地獲得合戦は肥沃(森などを含む)で水源に近く比較的道路に近い土地に集中して行われており、「適地」ほどビジネスと地元農民の衝突が生じている(以上【1】、【2】、【3】)。

政府が奨励する政策や事業(企業投資を含む)への異議申し立ての難しさ、異議や疑問を呈した際の政府からの強烈な圧力の問題については、地元市民社会や研究者から繰り返し指摘があった。明確な異議でなくとも、現地調査を行っただけで弾圧を受ける事態も生じている 。そのような困難の中で、本年5月28日にモザンビーク23団体によって「プロサバンナ緊急停止を求める3か国首脳宛公開書簡 」が発表された意味の大きさについて、深刻に受け止めるべきとの主張がこれらの団体関係者から繰り返しなされた(以上【1】【3】。

当該「公開書簡」について、TICAD V時のJICAサイドイベント(2013年6月2日)において「農民は文盲だから誰か(外国人)が書いた」との「陰謀説」がモザンビーク政府関係者からなされたことについて 、起草に関わった北部の農民や市民社会組織関係者から強い抗議がなされる一方(8月7日)、23団体が団結し継続して3か国政府に返答を求めることが意志表明され、8日の会議の冒頭に農業大臣の出席の下、同書簡全文が読み上げられた(8月8日、以上【1】)。

なお、市民社会(UNAC並びにORAM)主催のプロサバンナに関する3か国民衆と政府との対話会議(”Triangular Conference of People-Mozambique, Brazil and Japan: for detain and a deep reflection on ProSAVANA”)には、招待された日本・ブラジルの大使館・JICA/ABCのいずれからも代理も含めた出席はなく(日本大使館・JICAからは招待が遅れたためとの理由が寄せられたが代理出席もなかった)、この点について主催団体等から強い落胆と不満が表明された。

同会議は、モザンビーク国首相代理の国家計画局長と農業大臣の政府関係者7名、北部3州の農民・市民社会代表20名(主要ターゲット郡を含む)、首都近辺の農民・市民社会関係者、モザンビーク研究者、他ドナー、日本・ブラジル市民社会関係者10名、国内外のジャーナリストあわせて200名近くの出席者を得て、朝9時から午後7時半までの長時間にわたって開催され、モザンビーク政府代表と市民社会・農民の間で活発な議論が行われた。ただし、政府側の表面的な説明の不十分さと(1時間を超える発表であったにもかかわらず)と「プロサバンナは始まっていない。未だコンセプト段階」の説明に、市民社会側から多くの強い疑義が申し立てられた。数時間にわたり出され続けた農民や市民社会の質問や問題提起に対し、モザンビーク政府側(局長レベルが2名)は応答しようとしたが、具体的な内容を把握していないことが明らかになり、返答に窮する場面も見受けられた。

以上諸会議や北部地域での調査、報道内容を踏まえると、全体として、モザンビーク社会においては、プロサバンナ関する議論は始まったばかりで、とても2009年の合意から4年、マスタープラン策定の最終段階(当初2013年10月にリリース予定)にあるとは言い難い状況であることが明らかになった(以上【1】【2】)。プロサバンナ対象地での調査からも、「プロサバンナを聞いたことがある人」が、農村部でほとんどいない現実、聞いたことがある人は都市や郡都の政府関係者にすぎないこと、聞いたことがあってもその中身について矛盾する内容を含む理解しかないことが判明した(以上【2】【3】)。

モザンビーク社会としても、北部地域としても、プロサバンナに関する情報への接触、具体的な中身の議論は始まったばかりであるにも拘わらず、①マスタープラン策定が最終段階にある点、②同プランの中身や策定プロセスが問題視され議論されている最中に、パイロットプロジェクト (ProSAVANA Development Initiative Fund:PDIF)やクイックインパクトプロジェクト(Quick Impact Project:QIP)という北部農村に大きな影響を及ぼす事業が進んでいる現実に、農村住民や市民社会、政府関係者の一部にも強い疑問があることが明らかになった。

また、モザンビークの国家としてのガバナンスや政治情勢の悪化問題、北部地域に流入し続けるアグリビジネスやその他の投資事業が、現地社会や住民生活や環境に及ぼす多大な影響について、プロサバンナ関係者や地元政府が把握しておらず、理解もしていないままに、マスタープラン策定やPilot Project (PDIF)が進められている点が、大きな問題として認識された。

特に、「公開書簡」で一旦停止を要請し返答を待機している段階での6月末以降に、以上PDIF(ファンド)の二次募集が進められたことについて、現地市民社会の間から強い反感とさらなる不信感が生み出されている。同様に、「仕切り直し」が約束されていたマスタープランの策定への「市民社会の参加」についても、JICA側からの連絡の在り方に対し市民社会側が反発するなど不信感が根強いことが明らかになった。他方、TICAD V前の約束と異なり、モザンビーク最大の農民組織(全国2200組織の連合組織)であり、プロサバンナ対象地のすべてに支部を置き、当初からプロサバンナに関する議論に深く関与してきたUNAC(União Nacional de Camponeses全国農民連盟)等の重要な地元組織に対し、JICAやプロサバンナ事業関係者からのフォローアップがないことについて(8月8日会議への出席がなかったことも含め)、同組織の「排除や他の市民社会組織からの分断を試みているのではないか」との不信感が蓄積しつつある。

最後に、モザンビーク北部地域の小農の活発で多様な生産努力とその成果を知る機会を持ち、一貫して日本政府やJICAによってなされてきた「モザンビーク小農=粗放で低生産性の農業=貧困」という固定化された認識の問題と、それに基づく事業デザインの限界が明確になった。事業関係者が、これら小農の権利と尊厳、生産努力を、謙虚に踏まえることが何よりも不可欠であるとの認識を強く持った。

5.現地調査結果に基づく要請
以上の現地調査・文献調査から、プロサバンナ事業と同対象地域、モザンビーク社会は、現在深刻な課題に直面していることが明らかになった。
プロサバンナ事業は、目的や対象、内容、アプローチ、手法、期間において、抜本的な見直しが不可欠である。
•特に、あらゆる面において現地小農の主権を中心においた事業への抜本的改革が不可欠である。

以上を踏まえ、
•環境社会配慮ガイドラインのカテゴリーを最上位のAに引き上げ、マスタープラン策定前に対象地の社会環境アセスメントを現地事情に詳しい独立の委員(市民社会関係者)と共に丁寧に実施すること、現地農民組織や市民社会との真摯な対話のための全面的な仕切り直しと透明性・アカウンタビリティの抜本的向上、民主的な運営(批判的な組織ほど積極的に対話の相手とすることを含む)を要請する。
•直ちに、本事業に関わり意見を表明する現地市民・農民団体や個人への脅迫や嫌がらせ、弾圧の防止と人権の保護の手法の検討を要請する。


【4.の注一覧】
・Mail & Guardian (Jan.6, 2012) “Mozambique’s ‘Mr Guebusiness’”. http://mg.co.za/article/2012-01-06-mozambiques-mr-guebusiness/
・投資ブームの一方で貧困が解消されず、人権侵害や社会的排除が社会の不安定化を招く可能性について国連人権委員会ラポターが警告。
Press Release "Magdalena Sepúlveda Mission to Mozambique 8 - 16 April 2013 Preliminary observations and recommendations" (
http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=13229&LangID=E
O País (Apr.17, 2013)”Grande parte da população continua a viver na pobreza”.
http://opais.sapo.mz/index.php/sociedade/45-sociedade/24983-grande-parte-da-populacao-continua-a-viver-na-pobreza.html http://hdr.undp.org/en/media/HDR_2013_EN_complete.pdf
・Voice of America (Aug.27, 2013) “Mozambique Villagers Exposed to Open-Pit Coal Mine”.
http://www.voanews.com/content/mozambique-villagers-exposed-to-open-pit-coal-mine/1737927.html; Human Rights Watch (May 23, 2013) “Mozambique: Mining Resettlements Disrupt Food, Water: Government and Mining Companies Should Remedy Problems, Add Protections”.
http://www.hrw.org/news/2013/05/23/mozambique-mining-resettlements-disrupt-food-water
・Reuters (2013年6月19日)“Mozambique's Renamo threatens to paralyse vital coal railway”.
http://www.reuters.com/article/2013/06/19/mozambique-renamo-idUSL5N0EV1SD20130619; (2013年6月20日)“Mozambique: Renamo Threatens to Block Road and Rail Traffic in the Center of Mozambique”. http://allafrica.com/stories/201306201160.html
・ 同団体は、2009年、同国の「政治権利」状況について、1992年の和平後初めて数値を悪化させた(1【最高値】~7【最低値】までの7段階中4と認定)。http://www.freedomhouse.org/
http://www.systemicpeace.org/polity/polity4.htm
・参考文献が多いため多数を掲載するOpen University(UK)サイトを参照。http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/land-and-biofuels http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/mozambique-reports-and-documents
・土地・環境問題に取り組むモザンビークの調査研究・アドボカシー機関Centro Terra Vivaによる地元警察と政府による調査妨害と人権侵害に関するプレスリリース。”Ilegalidade, coação e intimidação marcam o processo de implementação do projecto de exploração do gás natural pela ANADARKO e ENI, em PALMA(パルマにおけるANADARKOとEMIによる天然ガス開発プロジェクトの導入プロセスにおいて刻み込まれた違法、強制、脅迫)”(Aug. 20, 2013) http://www.ctv.org.mz/
・公開書簡原文は次のサイトhttp://farmlandgrab.org/post/view/22136 日本語訳は次のサイトに掲載http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
・ JICAサイドイベント「アフリカの成長に向けた回廊開発の歩み」(2013年6月2日)http://www.ticad.net/africa/jicaevents/img/pressrelease/EN_Corridor%20Development%20in%20Africa.pdf 大臣発言関連報道 “Japan Today “At TICAD, clumsy diplomacy mars controversial Japanese aid project in Mozambique” (June 3, 2013) 
http://www.japantoday.com/category/politics/view/at-ticad-clumsy-diplomacy-mars-controversial-japanese-aid-project-in-mozambique
(ドラフト)
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# by africa_class | 2013-09-03 18:43 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

プロサバンナ学術論文一覧(14本)。研究者と利権、「誰のために研究?」を原発事故後に考える

「プロサバンナ(日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム」については、過去の投稿を→http://afriqclass.exblog.jp/i38/

プロサバンナについて、今年に入ってからすごい量の学術文献が出版されていますので、以下一挙に掲載しておきます。普通、大学のせんせー自ら、先行研究整理(Literature Review)をブログに掲載したりしないと思いますが、論文を書いている研究者(卵)や学生だけでなく、実務者の皆さんにこそ、これらの文献を読んでほしいと思い、あえて書いてみました。

■国際協力の実務の方にこそ国際的な学術論文を
日々国際協力の実務の仕事をしていると、自分の目の前のプロジェクトやプログラムばかりが目に入ってしまい、「日本人村」や「政府関係者村」ばかりの付き合いだとどうしても、仲間同士の「自己正当化・自己弁護」の論理から逃れられないこtこと思います。今回、私はプロサバンナの事例を通して学んでいるのは、これが日本の一援助事業のマター(事象)を超えた問題を包含しているという点です。

ブラジルの「国際協力」の裏にアグリビジネスの利権があり、その背後には巨大なアメリカや多国籍企業のアグリビジネスがあり、その裏にはマネーがうごめいており、そこに米国政府が国内圧力団体と共に深くかかわり、さらにそこに国際/国連機関や多様なドナーが動いている・・・という実態です。

プロサバンナが、G8 New Alliance for Food Security and Nutritionの一事業にリストアップされていることにそれは象徴されています。同アライアンスはこのブログでのその問題について、モザンビークの市民社会や農民組織の批判を紹介してきました。
"Mozambican youth and students denounce G8's New Alliance"
http://www.grain.org/bulletin_board/entries/4689-mozambican-youth-and-students-denounce-g8-s-new-alliance

土地の収奪、タネの支配の論理が埋め込まれています。「食料安全保障と栄養」という名の下に、何故「土地取り引きの容易化」と「タネ」がはいってくるのでしょうか?そして、日本は、アメリカ政府とともに、モザンビークの担当国となっており、土地問題に手をつけることになっています。。。。
http://www.usaid.gov/unga/new-alliance
https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/208211/new-alliance-progress-report-coop-framework-mozambique.pdf

日本というちっぽけな島国の、善意をベースにした「農業開発支援」が、どのようなグローバルな網の目の中で機能し、利用しているつもりが大きな利権システムに呑み込まれ、現場の小さな努力すらもそのようなものを維持することに活用され続けてしまうのか・・・そのことが積もり積もって、支援したかったはずの最底辺の人びとのなけなしの権利すら奪ってしまうのか・・・・よく、よく、一緒に学んでほしいと切に願っています。

■グローバルなシステム:原発利権とアグリビジネスの類似性
「知らなかった・・・世界はこんなところだって」という声をよく耳にするようになりました。今まで私たちは牧歌的に生きてき過ぎました。原発事故が起こり、原発利権の闇の構造がはっきり見えたにもかかわらず、これほどまでの多くの人びとの犠牲と涙をもってしても、その利権を解体することが困難な現状に、私たちは直面しています。私はプロサバンナに関わるようになって、「アグリビジネス村の闇の世界」のカラクリがあるのだと認識するようになりました。

フードレジューム論については京都大学の久野秀二先生。
http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/~hisano/documents/agpolicy2010_2.pdf
農薬援助に関わってからいつかしっかりやりたいと思っていながら、怠けていたら、問題の方が向こうから跳びこんできた・・・それもある種の「出会い」なので、頑張ります。

原発事故後だからこそ、理解できること、譲れないことなのです。
皆さんは、平気なのでしょうか?「経済成長」「GDPアップ」という掛け声のために、生命や尊厳、日々の暮らしの場が奪われることは。それも仕方ない・・・ということなのでしょうか?この二つは二項対立的に論じられますが、私は実の所、このような対置(二者択一方式)こそが大問題なのだと最近切に思います。そうやって、民衆は騙されてきました。そのことに、民衆自身が自覚的でなければなりません。そのことはまたどこかで。

■最新かつ読まれるべきプロサバンナに関する論文とレポート
一番おススメは、出たばかりの最新の出版物で以下の2本です。詳細は末尾。
●Nogueira, Isabela & Ollinaho, Ossi (2013)
•Schlesinger, Sergio (2013)

■全先行研究の見取り図:特に多いブラジルの関与について
末尾に列挙したプロサバンナに関する入手できる限りの学術論文のほとんどすべてがProSAVANAの目的(隠されたも含め)と問題について、このブログで紹介してきた主張と同様のものとなっています。Fingermannの論文だけが例外です。これについては後述します。

特に、冒頭に紹介したイザベラの論文は、実証的な手法(3か国のプロサバンナ関係者40名にインタビュー、コミュニティレベルの民族誌的調査を行った)で、特にブラジルの関与や利権について調査した結果として、同様の結論に至っているので是非ご一読下さい。
The authors identify some sound ruptures between discourse and practice, and argue that Brazilian practices, instead of distinguishing themselves from traditional actors, are rather a precise manifestation of the recent development cooperation trend associated with the mainstream response to land grabbing claims.

■プロサバンナにおけるブラジル・アグリビジネスの野心と利権
最初にブラジルのビジネス上の野心の面からアプローチしたのが、Clements&Fernandes(2012)で、この労作の次に、Ferrando(2013)のネオリベラル経済批判をベースにした論文があり、そしてNogueiraらの実証研究がありますが、よりブラジルのビジネス利権がはっきり分かるレポートは、Schlesigner(2013)のレポートです。野心とは「土地」、そして最近は「農業生産システムの支配」です。

Schlesignerは、この直前にMato Grossoの大豆とサトウキビ生産の問題をレポートしたばかりで、その前はブラジルの国際協力の問題を暴いており、本当に多作です。いずれもProSAVANAに関わる論点について触れているので是非ご一読下さい。
・“Cooperação e Investimentos Internacionais do Brasil: a internacionalização do etanol e do biodiesel”。
・“Dois casos sérios em Mato Grosso. A soja em Lucas do Rio Verde e a cana-de-açúcar em Barra do Burges”。
これに加え、Future Agricultureコンソーシアムの研究者らが、2つのアプローチでブラジルの農業開発協力を分析しています。プロサバンナについての分析も掲載されています。あまり結論めいたところは書かれていないのですが、ブラジル関係者の野心と利権の存在については「クロ」判定です。Chivava et al.(2013)とCabral&Shankland(2013)です。

■ブラジルの野心・利権を目覚めさせ、モザンビークに連れてきた日本のプロサバンナ
以上のプロサバンナにおけるブラジル利権に関する論文6本の共通する結論が、これです。日本はどうしてこんなことを仕出かしたのか・・・これがどうも理解できないようです。(そりゃそうだ・・・・)

この点については、私の最初の論文(Funada-Classen 2013ab)が役に立っているようです。ただあれは、2009年の日本の文脈(食料安定供給への強い意欲)とRAI(責任ある国際農業投資)の議論が不十分だったので、近刊の日本語バージョンにはそれをしっかり入れています。

以上から分かることは、三角協力といえ、ブラジルの野心・利権への注目が皆さん強いということです。確かに、プロサバンナ開始後、モザンビークでは急速に彼らの流入が続いていますので、当然といえば当然ですが、「日本語が読めない」・・・ことも非日本語話者のプロサバンナに関する研究を難しくしています。他方、日本関係者はポルトガル語が読めないことが多いので、それはそれで大変なことかと・・・。「言語バリアー」こそ、プロサバンナの問題の根っこにあるとともに、研究の難しさを際立たせています。

■Fingermann(2013)に怒った世界・モザンビークの研究者・市民社会
これは既に以下の論文(Funada-Classen 2013df)に書いたので、詳しくはそれをご覧ください。以上の学術論文を読んでから、Fingermann(2013)を読めばよくわかるのですが、失礼ながらすごくレベルの低い論文です。たった2000字という制約があったとはいえ、あまりに学術論文と呼べる代物ではないものが、モザンビークの見識高い研究所のBulletinから出てしまったので、凄い騒ぎになりました。モザンビークで最も信頼され、尊敬される研究者(別の研究所のトップ)曰く、「これを論文と読んだらモザンビーク学術界が穢れる。彼女のような者をモザンビーク学術界に置くことは学問への冒涜だ」・・・というメールが回ってきました。さすがに厳しい・・・・。

■Natalia Fingermannとは誰なのか?
でもこれには訳があるのです。Fingermannは誰なのか?ということです。彼女は、ブラジル人で、ブラジル最大の投資コンサルティング会社の元投資アドバイザー、プロサバンナのマスタープラン向け報告書・・・あの悪名高い(アグリビジネス中心主義)Report No.2を策定した、ブラジルのFGV(Fundacao de Getulio Vargas)で学び、FGVの奨学金をもらっているのです。
http://br.linkedin.com/pub/natalia-fingermann/25/93b/436

プロサバンナが、市民社会の批判を受け、「小農支援」に方向転換していく過程で、当初プロサバンナの一部となっていた開発ファンドを、ブラジル・世界のアグリビジネス関係者や投資家らが切り離し、日本政府もそれが好都合なので、独立・民間イニシアティブとして「ナカラ回廊ファンド Nacala Fund」が出来たわけですが、それを一元的に担うのが、まさにこのFGVなのです。当初、プロサバンナの一部だったので、既に紹介したとおり、彼らのナカラファンドに関するプレゼンには、ばっちりJICAのロゴが出てきます。去年11月の時点では、JICAも参加可能性を口にしていたので、これは当然というもの。http://www.g15.org/Renewable_Energies/J2-06-11-2012%5CPRESENTATION_DAKAR-06-11-2012.pptx

つまり、Natalia Fingermannが何故このタイミングでこのようなレベルの、しかし、プロサバンナ万歳&プロサバンナ批判をする者は「無責任」で、批判のすべては「神話myth」だという論文を出したのか・・・の背景が分かるかと思います。

■モザンビーク政府と日本のプロサバンナ・アクターらに称賛されるFingermann論文
それを待っていたのが、以上のアクターたち。開発計画省のサイトには称賛の記事が!
http://www.mpd.gov.mz/index.php?option=com_content&view=article&id=211%3Aprosavana-nao-pretende-usurpar-terra-dos-agricultores-diz-iese&catid=50%3Anoticias&Itemid=96&lang=en

ある国家の省庁が、研究所の単なるBulletin記事をトップページで紹介する意図は何でしょうか?
そして、彼女はFGV経由でこの研究所(IESE)に送られた「研究者」です。FGVが、モザンビークの研究業界に入り込もうとしている理由はなんでしょうか?何故開発計画省は、この記事がFingermann一人に書かれたことを知っているにも拘らず、「the researchers」と複数形を使い、かつIESEのプロサバンナへの見解かのような見出し「IESEは述べた」を付けているのでしょうか?

でも驚愕の事実は、日本のプロサバンナ関係のアクターたちが、「この論文が最も中立的な論文で、読まれるべきもの」と回覧中ということです。・・・・皆さんの「中立」とは、どういう意味のものなのでしょうか?
以上から分かる通り、Fingermannは明らかに「利権関係者」です。
多分、日本では原発問題と同様で、
「政府の政策(大きいもの)に批判的な者=偏った者」で、
「政府(お上)の決めたことを同意する者=中立」あるいは、
「お上が決めたことに議論(疑問)はあるべきでなく、それを打ち消す者=中立」
という理解なのでしょうね。

その結果、2011年3月11日に何が起きたのか、を思い出してほしいです。
なお、私は「中立性neutrality」という言葉には与しません。
私が重要だと考えているのは、「公平性impartiality」です。
「永世中立国のスイス」が、ナチスドイツから逃れてきたユダヤ人たちにしたことを思い出しましょう。
権力との関係において、「真ん中を取る」ということは、人権侵害を許すことを意味することについて、人類史が教えてくれることは沢山あります。むしろ重要なのは、「公平に論じる」ということであり、そのためには権力関係の中で「声なき声」の存在(世界構造、社会構造の中ではそれが大半を占めることが多い)にこそ重きを置いて考えることだと、私は思います。

勿論、手法として、権力の側の言い分も紹介するというのは当然として。だから、私の論文では常に検討の対象として、権力の側の言い分・資料を中心に据えています。勿論、私の理解(interpretation)になりますが、同じ資料を使って皆さん自身が皆さんの検討を行って、別の結論を導き出して、論争をしていいのです。そのため、いつも資料の出所、在り処はURLまで示しています。

日本では、「何故か議論があること=問題」と捉えられるのですが、「議論がないこと=問題」ということに、いい加減気づいてほしいと思います。「権力批判なき学術」は、これほど学問のインフレーションが起きている現在において不要かもしれない・・・と最近思います。何故なら、権力のabuse(濫用)にお墨付きを与え、それを強化してしまうからです。

Fingermannの論文の中身、彼女の背後にあるもの、そしてそれを喜び歓迎する人達・・・そこからまた一つ私たちは学ぶことができました。誰の何のために、何の立場に立って研究を行うのか?論文を発表するのか?そのことこそ、私がFingermannだけでなく、これらの皆さんに考えてほしかったところです。

■私のFingermann論文の検証論文がFukushima, ProSAVANA and Ruth Firstな訳
以上、もうその訳はほとんど書きました。私は、ただFingermannを批判したかったのではなく、彼女の背後にいる人達、ブラジルの学術界、そのような論文を許してしまったモザンビークの学術界、それを自分たちのちっぽけな仕事の擁護のために称賛する人たち、世界の研究者らに、今一度考えてほしかったのです。
"Fukushima, ProSAVANA and Ruth First:Examining Natália Fingermann’s 'Myths behind ProSAVANA'", in 国際関係論叢, Vol. 2 No. 2(2013), pp.85-114.
<=近日中にダウンロードが可能になりますので、しばしお待ちを。

■モザンビーク研究者らはどこにいるのか?
Ruth Firstについて書かざるを得なかった理由は、論文を読めば分かると思います。私は、モザンビークの人びとに、「あなたたちの社会、あなたたちの未来、それについて議論しなくていいのか?」を問いたかったのです。以上の先行研究を書いたすべての人が一人を除いて非モザンビーク人です。このことが、プロサバンナが、外から上から降ってきたものであったということを象徴していますが、同時に、モザンビーク学術界の現状を物語っています。

でも、今回私の拙い論文を、お願いしてもいないのに凄い速さで必死に(3日で!)ポルトガル語に下訳したり、校正を手伝ってくれたのはモザンビークの研究者や市民社会の方々でした。そして、何より、Fingermannの論文を掲載してしまったIESE(モザンビークの研究所)が、前例を破って、3号に分けて私の論文を掲載したことからも、彼らの想いは伝わってきます。が、いつの間にか、これらの論文が、モザンビークの独立新聞(オピニオン欄に丸まる)載っていたらしい・・・。まあ、「世に出たら皆のもの」、ではありますが。

■学術論文の役割について
私は学術論文を社会活動と結びつけて考えてこなかったし、両者の間には明確に壁を作って仕事をしてきた人間です。ブログを読んできた人は分かるかも?あるいは、最近なら分からないかも?ですが。私は、戦争を平和のために学ぶ者として、そのことをかなり強く自分の指針にしてきました。
でも、原発事故が起こってそのことを後悔したのです。
何のために分けてきたのか・・・ある種自分の学術的な世界での立ち位置を気にしていたからではなかったか?過去に起きたことを実証してれば安全だったからじゃないか?何故起こりうることを予防する意識がこれほどまでに薄かったのか?社会が研究者に求めていることは、「後追い」の「先行研究批判」に始終する姿勢でよかったのか?あるいは業界や政府のために「お墨付き」を与える??

私は日々進化することにしました。(退化かもしれないけど!)
最初の論文を書いて、それを英語とポルトガル語で出して、一歩を踏み出した時、新たな出会いと新たな挑戦、そして次にやるべきことが見えてきたのです。そのことの大きさに、クラクラしましたが、私の研究成果を待っている人達がいる・・・未だ見知らぬところにいる同じ志の人達と出会えるかもしれない・・・そういう可能性に、正直なところ少し失い始めていた研究への情熱が戻ってきました。

700頁を超える博論を10年かけて書いて、英語で出版した頃から、やるべきことをやり遂げた感があって、どうしても研究に情熱が湧いてこなかったのです。ある種の傲慢さですね。でもそれぐらい打ち込んだので、仕方がなかったのかも。burn-outというか・・・。後は、戦争と平和というテーマの研究蓄積が凄すぎて、一方で何かdetailの罠の袋小路に入っているような気がしてきたからです。特に、「平和構築論」という分野は、技術論的な議論が増えてきていて、人びとの生命や社会の変化のもっと根源のような部分の議論から切り離されてきている気がして違和感を持つようになりました。このことを学問的に挑戦するだけの気力も能力もない自分に嫌気がさしていたところに、原発事故が起こり、広島原爆投下の日に生まれた自分が何故「戦争と平和」に関わる決意をしたのか、なのに「核の問題」を十分生活レベルに広げて考えてこなかったことに、凄く疑問を持つようになったのです。

プロサバンナの問題にここまでコミットすることになったのも、単にモザンビーク北部という私の関わってきた地域のことだからだけでなく、以上のような「人びとの生命と暮らしの権利と権力構造・暴力」の問題をどう考えるべきか・・・検討していた最中だったから。でも、これも生まれたばかりの我が子や家族が博士論文に協力してくれて、真理の追究へのあくなき・妥協なき闘いをやり遂げられたから(ある時点までは)に変わりありません。運動目的の学術を最初からしていたのではできなかったことでした。

■私の本は自由にダウンロード可能
そして今回、同じタイミングで、私の本を世界のどこからでもタダでダウンロードできるようにしてくれたケープタウンの出版社の存在がありました。この本が知っている人、買える人だけの本なのを惜しみ、「アフリカ社会、未来のために残したい本。誰でも必要な人の手に届く」を合言葉に、以下を準備してくれました。

Funada Clasen, Sayaka (2013) The Origins of War in Mozambique: A History of Unity and Division" (The African Minds)
http://www.africanminds.co.za/?products=the-origins-of-war-in-mozambique-a-history-of-unity-and-division
アマゾンで35ドルで買えるようにもしてくれました。(元は1万6千円)
http://www.amazon.com/Origins-Mozambique-History-Unity-Division/dp/1920489975

研究成果を広く、広く社会に還元する方法としての、フリーダウンロードの重要性に、プロサバンナに関わり出した同じ時期に強く認識したのです。自分の研究業績を減らしてでも(フリーにすると出版してくれない)。
長くなりましたが、以下一覧です。

【プロサバンナ関連学術文献一覧】
•Cabral, Lidia & Shankland, Alex (2013) “Narratives of Brazil-Africa Cooperation for Agricultural Development: New Paradigms?”. http://www.future-agricultures.org/research/cbaa/7817-china-and-brazil-in-africa-new-papers#.UdRC_TupVSQ
•Chichava, Sergio, et al.(2013) “Chinese and Brazilian Cooperation with African Agriculture: The Case of Mozambique”, Working Paper 49. http://www.future-agricultures.org/research/cbaa/7817-china-and-brazil-in-africa-new-papers#.UdRC_TupVSQ
•Clements, Elizabeth Alice & Fernandes, Bernardo Mançano (2012) “Land-grabbing, agribusiness and the peasantry in Brazil and Mozambique”, paper submitted to the International Conference on Global Land Grabbing II, Oct. 17-19, 2012.
http://www.cornell-landproject.org/download/landgrab2012papers/Clements_Fernandes.pdf
•――――――― (2013) “Estrangeirização da terra, agronegócio e campesinato no Brasil e em Moçambique”, OBSERVADOR RURAL Nº 6. http://www.omrmz.org/index.php/gallery/publicacoes/114-estrangeirizacao-da-terra-agronegocio-e-campesinato-no-brasil-e-em-mocambique
•Ferrando, Tomaso (2013) “Dr Brasilia and Mr Nacala: the apparent duality behind the Brazilian state-capital nexus”, Social Science Research Network. http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2288940
•Fingermann, Natalia N. (2013), “Os mitos por trás do ProSAVANA”, IDeIAS Boletim, No.49, IESE. http://www.iese.ac.mz/lib/publication/outras/ideias/ideias_49.pdf
•Funada-Classen, Sayaka (2013a) “Analysis of the discourse and background of the ProSAVANA programme in Mozambique – focusing on Japan’s role”. http://farmlandgrab.org/post/view/21574
•――――――――― (2013b) “Análise do Discurso e dos Antecedentes do Programa ProSAVANA em Moçambique – enfoque no papel do Japão” http://farmlandgrab.org/post/view/21802
•――――――――― (2013c) "Fukushima, ProSAVANA and Ruth First:Examining Natália Fingermann’s 'Myths behind ProSAVANA'", in 国際関係論叢, Vol. 2 No. 2(2013), pp.85-114.
http://farmlandgrab.org/post/view/22335
•――――――――― (2013d) “Fukushima, ProSAVANA e Ruth First:Análise de "Mitos por trás do ProSAVANA" de Natália Fingermann”, IDeIAS Boletim, No. 51 – No.53, IESE.
http://www.iese.ac.mz/lib/publication/outras/ideias/ideias_51.pdf
http://www.iese.ac.mz/lib/publication/outras/ideias/ideias_52.pdf
http://www.iese.ac.mz/lib/publication/outras/ideias/ideias_53.pdf
or integrated version at the following site: http://farmlandgrab.org/uploads/attachment/Fukushima,%20ProSAVANA%20and%20Ruth%20First%20(pt)%20-%20final.pdf
•―――――――――/舩田クラーセンさやか(2013e)「変貌する世界における経済成長至上主義の席巻と内発的発展―モザンビーク・プロサバンナ事業にみられる開発・援助言説の検証―」大林稔・西川潤・阪本公美子(編)『アフリカの内発的発展』昭和堂 近刊.
•Jaiantilal, Dipac (2013) “Agro-Negócio em Nampula:casos e expectativas do ProSAVANA”, OBSERVADOR RURAL Nº 7.
•Nogueira, Isabela & Ollinaho, Ossi (2013) “From Rhetoric to Practice in South-South Development Cooperation: A case study of Brazilian interventions in the Nacala corridor development program”, Working Paper, Institute of Socioeconomics, University of Geneva. http://www.unige.ch/ses/socioeco/institut/postdoc/Nogueira/NOGUEIRA_OLLINAHO_WorkingPaper_NACALA_CORRIDOR.pdf
•Schlesinger, Sergio (2013) “Cooperação e investimento do Brasil na África - O caso do ProSavana em Moçambique”, FASE, 60p. http://issuu.com/ongfase/docs/caderno_prosavana_fase?e=2143384/4368368
(英語版 ”Brazilian Cooperation and Investment in Africa – The Case of ProSAVANA in Mozambique”)
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# by africa_class | 2013-09-03 02:27 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

北部3州農民集会声明:問題事業にProSAVANA、G8 New Alliance(日米政府)、Anadarko(三井物産)

さきほどモザンビークのニアサ州に集結しているUNAC関係者から届いたメッセージです。

8月28日から29日までニアサ州リシンガ市で開催される「第一回北部小農統合集会」「第一回土地・種に関する北部地域会議」のため、北部3州(ニアサ、ナンプーラ、カーボデルガード州)40郡から100名近くの農民組織・共同組合関係者らが集まっています。

国の農業政策やプロサバンナや「G8ニューアライアンス」、企業が、ビジネスを利するばかりで、農民の権利(特に土地や種)を守っていない点について、鋭く批判しており、そのような事業名・企業名として以下が挙げられています。

・援助事業(ProSavana, Nova Aliança para a Segurança Alimentar e Nutricional)
・植林・アグリビジネス(Chikweti)
・鉱物資源開発 (Vale, Rio Tinto, Jindal África)
*新日鉄も同じ地域で炭鉱開発開始。
・天然ガス開発 (Anadarko, Statoil, ENI)
*昨日話題にしたAnadarko社と三井物産が組んで天然ガス開発を行っている。
http://www.jftc.or.jp/shoshaeye/pdf/201305/201305_30.pdf

UNACが提唱する「家族農業支援のための国家計画」についても具体的に話し合われるようです。

なお、この会議には、ニアサ州知事が、3州の農業省関係者と共に出席予定で、プロサバンナも議題にあがっています。「UNAC=1団体/反政府組織/地域農民を代表していない」と言い続ける日本の援助関係者の皆さんに、この会議に参加してもらえれば良いのですが・・・。

どなたか訳を手伝える方がいたら是非!

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UNACによるプレスリリース
「小規模農業と土地を守るための闘いのため、モザンビークの北部地域の農民らが集結」
Camponeses da Região Norte de Moçambique Unidos na Luta pela Defesa da Terra e da Agricultura Camponesa
====================
Cerca de 100 representantes e lideranças, entre homens, mulheres e jovens, de associações, cooperativas, uniões distritais / provinciais e comunidades de camponeses e camponesas de mais de 40 distritos de Cabo Delgado, Nampula e Niassa articulados na e pela União Nacional de Camponeses de Moçambique participam do I Encontro Unitário de Camponeses da Região Norte e da I Conferência Regional Norte sobre Terra e Sementes agendadas para os próximos dias 28 e 29 de Agosto de 2013 respectivamente, na cidade de Lichinga, província de Niassa.

Com o objectivo de contribuir para o aprofundamento e ampliação do processo de formação e organização política dos camponeses, fortalecimento do debate público e democrático sobre os desafios estruturais do desempenho do sector agrário, a urgente necessidade de uma reforma agrária baseada na facilitação e dinamização dos meios de produção e produtividade no País e de travar-se, com urgência, o fenómeno de usurpação de terras, os dois encontros de Lichinga, Encontro Unitário de Camponeses da Região Norte e Conferência Regional Norte sobre Terra e Sementes fazem parte de um processo mais amplo de fortalecimento do movimento camponês, mobilização, participação e construção colectiva de demandas de camponeses e camponesas de Moçambique a serem incorporadas no Plano Nacional de Apoio a Agricultura Camponesa.

O Plano Nacional de Apoio a Agricultura Camponesa é uma proposta de política agrária de camponeses e camponesas membros da UNAC e articulados pela UNAC, a ser submetido ao Governo de Moçambique. Este Plano visa responder as demandas das famílias camponesas relativas a produção de sementes nativas e resistentes às mudanças climáticas; serviços públicos de extensão agrária baseada na valorização do saber, cultura e experiência dos camponeses e camponesas; aproveitamento do potencial de irrigação; construção e reabilitação de infra - estruturas ligadas a criação de capacidade produtiva, definição e adoção de modelos eficazes de facilitação de crédito agrícola, garantindo deste modo, a soberania alimentar e alimentação adequada para os moçambicanos e moçambicanas.

Segundo a liderança da UNAC “ a luta camponesa em defesa da Terra e Agricultura Camponesa que garanta a soberania alimentar e alimentação adequada, travada pela UNAC nos últimos 25 anos, nunca foi tão actual e imprescindível quanto arriscada para milhões e milhões de moçambicanos. O efeito perverso da onda de Investimento Directo Estrangeiro (IDE) em moldes dos chamados megaprojectos, a mercantilização da terra, a grande corrida das corporações e programas (ProSavana, Nova Aliança para a Segurança Alimentar e Nutricional) de agronegócio (Chikweti), mineração (Vale, Rio Tinto, Jindal África) e hidrocarbonetos (Anadarko, Statoil, ENI) pela ocupação, expansão e concentração de terras e as tendências crescentes e perigosas que defendem a mudança do quadro legal de terra, incluindo a revisão constitucional para permitir a criação de um mercado geral de arrendamento, venda e privatização da terra, representam uma emergência nacional”.

A Conferência Regional Norte sobre Terra e Sementes é a primeira de um total de três Conferências Regionais, Norte, Centro e Sul sobre Terra e Sementes construídas e organizadas pela UNAC num processo preparatório e organizativo mais amplo de militância e mobilização de camponeses e camponesas para construção, produção e realização da II Conferência Internacional Camponesa sobre Terra, marcada para os próximos dias 15 e 16 de Outubro de 2013, na cidade de Maputo.

As Conferências Regionais Norte, Centro e Sul sobre Terra e Sementes são antecedidas por processos de Formação Política, Técnicas Agroecológicas e Conservação de Sementes Nativas além de Encontros Unitários Regionais de Camponeses e Camponesas. Depois dos encontros de Lichinga, está agendada para os dias 12 e 13 de Setembro de 2013, no Distrito de Marracuene, a Conferência Regional Sul sobre Terra e Sementes. Nos dias 18 e 19 de Setembro está marcada a Conferência Regional Centro sobre Terra e Sementes na Cidade de Tete. Nos três eventos regionais estão mobilizados e engajados camponeses e camponesas, líderes e membros do movimento (homens, mulheres e jovens), representando as 11 Províncias do País e mais 100 distritos.

A Conferência Regional Norte sobre Terras e Sementes constitui um espaço de articulação das Uniões e Núcleo Províncias de Camponeses de Niassa, Cabo Delgado e Nampula articuladas na e pela União Nacional de Camponeses (UNAC) durante a qual haverá uma interação com os Governos de todas as províncias do Pais e todos os actores envolvidos no processo de ocupação de terras em Moçambique. Prevê-se que a mesma seja aberta pelo Governador de Niassa, David Marizane, contando ainda com a presença dos Directores Provinciais de Agricultura de Niassa, Nampula e Cabo Delgado que farão apresentações sobre as “Prioridades e Desafios da Agricultura Familiar” em cada uma das Províncias, além das apresentações dos coordenadores do Programa ProSavana em Niassa e Nampula sobre este polémico e controverso programa e as responsabilidades dos governos provinciais

As Conferências Regionais Norte, Centro e Sul sobre Terra e Semente são divididas em dois momentos distintos: o primeiro dos quais exclusivamente reservado a participação de camponeses e camponesas das províncias de cada região e o segundo é aberto a diversas entidades públicas, privadas, governamentais e não-governamentais e movimentos sociais. As mesmas reflectem o conjunto de demandas, realidades, contextos e aspectos específicos das três regiões do Pais sobretudo tomando em consideração as associações, cooperativas, famílias e comunidades camponesas que enfrentam o avanço das grandes corporações sobre as suas terras e territórios de modo a construir uma abordagem cada vez mais integrada possível, para resistir e defender com eficiência os direitos e as prioridades de desenvolvimento soberano e sustentado das famílias e das comunidades camponesas.

Desde ontem, 26 de Agosto de 2013, cerca de 60 camponeses e camponesas de 13 distritos, entre homens, mulheres, lideranças e agentes de advocacia de Mecanhelas, Cuamba, Metarica, Maua, Nipepe, Marupa, Mecula, Majune, Sanga, Mandimba, Ngauma, Chimbonila e Lago participam do curso de formação em advocacia e políticas, que termina hoje dia 27 de Agosto.

UNAC
Camponeses Unidos Sempre Venceremos!
Lichinga, 27 de Agosto de 2013
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# by africa_class | 2013-08-28 22:19 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題