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【抗議】三井物産による天然ガス開発地でのモザンビーク調査・アドボカシー機関への地元警察・行政の弾圧

前回、「モザンビークでみてきたナカラ回廊社会の現実(ランドグラブ)とプロサバンナ」を書いてから、より病状が悪化して続きが書けないままに、さらに深刻な情報が現地から寄せられてきました。

■「モザンビークでみてきたナカラ回廊社会の現実とプロサバンナ」
http://afriqclass.exblog.jp/18404833/

そこでは、このように書きました。
「モザンビークが、アフリカで最も諜報活動に積極的なことをJICAはどう考えているのだろうか。「知らなかったです」で通すつもりなのだろうか。。。同じ要領で、日本の援助が現地の心ある市民社会の皆さんを危険に晒す。自分たちが封じ込めたい「口」を現地政府にやらせればやらすほど、モザンビークの市民社会に圧力と恐怖を持ち込む。すでにこんなことがずっと起こっている。そして、事態は悪化している。今回、目の前で、モザンビーク市民社会関係者が脅される様子を何度も見た。」

現政権によってなされている脅迫について、関係者が具体的に事例や懸念を公的に表明することは、それ自体が危険なことなのでなかなか証拠を示すことが難しいのですが、さる8月20日に、三井物産が進出しアメリカの企業と共に開発を進める天然ガス事業について、以下の声明が出されました。

なお、モザンビーク北部での大規模天然ガス開発については、「Anadarkoの事業」としてモザンビークでは認識されていますが、実際は、三井物産の担当者が書いている通り、以下のように権益が分割されており、三井物産はAnadarkoに次いで第二位の権益獲得会社です。

「三井物産 モザンビークLNGプロジェクト― 世界のエネルギー安定供給とモザンビークの社会経済発展への貢献に向けた挑戦」(『貿易月報』)
http://www.jftc.or.jp/shoshaeye/pdf/201305/201305_30.pdf
「現在の権益参画各社は、Anadarko 社(36.5%)、当社 [Mitsui E&P Mozambique AREA1 Limited](20%)、モザンビーク国営石油公社 ENH 社(15%)、インド国営 Bharat 社(10%)、インド財閥系 Videocon 社(10%)、タイ PTTE&P 社(8.5%)の 6 社

そして、ANADARKOの関係者が、地元紙へのインタビューで、「天然ガスの大半は日本と極東向け」と答えています。
http://www.clubofmozambique.com/solutions1/sectionnews.php?secao=mining&id=29814&tipo=one

勿論、この国の政権の腐敗や、悪化する「資源の呪い現象」や、社会への悪影響などは一言も書かれていません。

前回ブログで「諜報機関」について書きましたが、皆さんは「大げさな」と思っていたかもしれません。すでに、以下のプレスリリースにも書かれているようにその動きが明るみに出ているので、「アフリカの国だから」・・・などと国家権力について牧歌的な見方をするのはまず止めていただければと思います。そのような国で、他人の携帯番号を政府関係者に伝えることの問題は理解いただけるかと思います。

Serviços de Inteligência e Segurança do Estado (SISE)
公安のような組織です。

今のモザンビークの政権が、いかにビジネスのために住民を犠牲にしても平気なのか、それに異議を唱える人びとへの抑圧や弾圧に躊躇がないのか、その実態を調べようとする調査機関ですら抑圧し始めた事態について、それでも資源ほしさに、援助産業の生き残りのために、モザンビーク政府に何もアクションを取らないどころか、加担するような行為ばかりを繰り返すことについて、責任を感じてほしいと思います。

それにしても、モザンビークが国として貧困削減に頑張っていた70年代や80年代ではなく、よりによって国の財産を切り売りし、異議申し立てを弾圧し、選挙不正を厭わない現政権の二期目になってから、いきなりモザンビークについて知りもしないままに、大規模援助や投資に踊る日本の援助・外交・企業関係者は、一体どういう感覚をされているのでしょうか?

「腐敗政権であろうと、抑圧的であろうと、自分の利益さえ確保すればそれでいい」。。。。のこの姿勢は、日本が最も批判してきた中国と変わりないものであるということを自覚の上でなのでしょうか?(とはいえ、中国のやり方は日本の80年代の援助や投資の焼き直し・・・と国際的には思われているので、「先祖がえり」と呼んだ方が良いでしょうが、あまりに情けないです)

なお、一部には私が厳しすぎると思っている読者もいらっしゃるようですが、大好きなモザンビークのことをこのように書かざるを得ない事態に突入したこと、それが目の前で刻一刻と悪化していること、それになんと自分の国である日本が「援助や協力、Win-Win」という言葉の下に加担していること・・・・これが、原因です。ブログを遡っていただければ、私が日本の援助や企業の役割にもある程度期待を持っていたことが分かるかと思います。現在進行形の急激な世界、アフリカ、モザンビーク、中国やブラジル、日本の変化の中で、私のブログも変わらざるをえなかった・・・と理解いただければ嬉しいです。

以下、土地・環境問題に取り組むモザンビークの調査研究・アドボカシー機関「Centro Terra Viva」からのプレスリリース(2013年8月20日付)です。
http://www.ctv.org.mz/

これまでモザンビーク社会が経験してこなかったような事態が起こっていることがわかります。
日本も無関係ではありません。
日本の三井物産が、このANADARKOと組んで、この天然ガス開発を行っています。
「資源(森林資源や土地を含む)の呪い」が社会のあらゆるレベルで、現政権による抑圧につながっています。

プレスリリースタイトル:
「パルマにおけるANADARKOとEMIによる天然ガス開発プロジェクトの導入プロセスにおいて刻み込まれた違法、強制、脅迫」

概要は、北部カーボデルガード州のパルマで、土地と環境の調査アドボカシーをしていた「Centro Terra Viva」のリサーチャーが、今年8月20日に地元警察・郡長・諜報部に拘束され、尋問を受けたことへの抗議プレスリリースです。

モザンビークは調査許可書が不要な国で、現地の調査機関、NGOであれば、自分の身分を証明するNGO自身のクレデンシャルがあれば自由に調査が 出来ます。礼儀として、行政機関や伝統権威や書記長などに挨拶に行きますが、モザンビークの地元組織と一緒の場合それは必要不可欠要因ではありません(外国人は目立つので、調査に行く際はこれをおススメしますが。)

本リリースによると、コ ミュニティとの合意のもと調査を行っていたこと(合意書もとっていたこと)が示されています。

以上から、モザンビークでは今までなかった事態が、始まっていることがこのリリースでも示されています。つまり、コミュニティレベルで本当のことを明らかにしようという市民社会の試みが、政治弾圧や抑圧を受ける事態に陥っていることが示されていま す。

今回プレスリリースが出たので露呈しましたが、プロサバンナ地域やプロサバンナ関連の調査でも、同じことが起きつつあり、このような国で「環境社会配慮アセスメント」がどのように可能なのか (そもそも皆無なこと自体が問題ですが)、やる場合にどのように政府の介入を防ぎ、独立性を担保するか相当議論になってくるでしょう。

なお、新日鉄が進出しているテテ州モアティゼ郡でも同じ事態が発生しています。
現場の実態を明らかにされないよう、住民だけでなくリサーチャーも弾圧し始めた国への投資・援助について、今までの前提は通用しません。警察や行政、秘密警察を使って抑圧を行う現政権への加担を意味します。この点について、ドナーとしても黙ったまま、対応を怠ると、よりひどい事態が起こっていくことでしょう。

早急なる抗議を求めます。

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COMUNICADO DE IMPRENSA

ILEGALIDADE, COAÇÃO E INTIMIDAÇÃO MARCAM O PROCESSO DE IMPLANTAÇÃO DO PROJECTO DE EXPLORAÇÃO DO GÁS NATURAL PELA ANADARKO E ENI, EM PALMA

<=続きはMoreを参照。

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# by africa_class | 2013-08-28 00:06 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

モザンビークでみてきたナカラ回廊社会の現実(ランドグラブ)とプロサバンナ

モザンビークでの濃く多忙で心に残る1か月が終わり、蒸し暑い日本にいる。
やっとマラリアが治ったと思ったら、今度は風邪をひいて、真夏だというのに鼻をズルズルいわせて、時差ボケ故にこんな時間にこれを書いている。

この1か月間、書きたいことどころか、緊急に書かなければならないことが山のように溜まり続ける一方だった。モザンビークで目にしたもの、耳にしたもの、心で感じたもの、そのすべてが、私の予想を上回るほどの、醜さであったことに、打ちのめされている。

日本から会議と調査のために駆け付けた5人の仲間たちも、言葉を失い続け、そして最後には黙り込んでしまった。「今までしてきた議論はなんだったのか」と。

どこから手をつけたらいいのか…分からない。
もはやモザンビーク社会の「闇」としっかり手を組んでしまった日本の援助に、どのように接したらいいのか・・・5人が5人とも途方に暮れている。まさかここまでとは・・・と。

そして、腐敗と不正に沈みいく社会の唯一の希望である、「正義のために闘う人達」へのありとあらゆる圧力と弾圧。それを止めるどころか、煽る構造。


■5人の現地調査の報告書が後一歩まで来ました!
詳細は近々公開される以下をご覧ください。
『ProSAVANA市民社会報告2013-現地調査に基づく報告と提言』
(調査記録は当面非公開となります)

■報告書の内容と提言をコンパクトにまとめたプレゼンテーションと緊急声明を9月30日参議院議員会館にて発表します。申込みは〆切りましたがどうしてもという方は個別にご連絡下さい。

詳細:http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
・2013年9月30日(月)16:00~17:30
・議員会館内 緊急報告会
日本ODAによるモザンビークの大規模農業開発事業
「プロサバンナ」に関する現地調査報告・緊急声明の発表

■私の調査概要ドラフトは既にこのブログにアップしています。写真と共に以下をご覧ください。

・現地調査報告【概要ドラフト】:
http://afriqclass.exblog.jp/18496108/
・現地調査報告添付写真:
http://afriqclass.exblog.jp/18496389/
・関連学術文献一覧:
http://afriqclass.exblog.jp/18492008/

では、9月30日にお会いできるのを楽しみにしています。
また、現地のビデオなども近々公開していく予定です。
報告書はPDFでダウンロードができるようしますので、準備が出来るまでお待ちください。
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# by africa_class | 2013-08-21 04:25 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【土地問題】立ち上がるモザンビーク市民社会と研究者ら:土地私有化反対キャンペーン

モザンビークに来て2週間半が経ちますが、農村にばかりいたのと、ネットの問題がありなかなか情報をアップデートできていませんが、こちらでは市民社会や研究者たちが熱烈に迎えてくれています。肌身で、皆が社会的正義に対して立ち上がりつつあるのが感じられます。

以下、先週開始したキャンペーンについて。
ツイッターのフォロアーさんが訳してくれました。宣言文については別のフォローアさんが。ありがとうございます!これから空港に走らねばならず、ではこれにて失礼。

今日からマプート。
明日はモザンビーク・日本・ブラジル市民社会会議で、8日はモザンビーク首相や大臣、日本とブラジルの大使を迎えて、市民社会がプロサバンナについて討議します。

政府の皆さんもプロサバンナについて弁明する良い機会だと思うので、是非大使やJICA所長が出てきてモザンビーク国民に語りかけてくれると良いのですが・・・。どうなることか。

============
モザンビークの市民社会が土地の私有化に反対するキャンペーンを開始
( http://www.farmlandgrab.org/post/view/22375 を翻訳)

30以上の市民社会団体が力を合わせ、土地と天然資源を守ろうと立ち上がった。これらの団体の中には農民運動のグループも含まれ、土地の私有化に反対する全国的なキャンペーンを今年展開するが、プロサバンナ計画がその反対リストの筆頭に上がっている。

このキャンペーンについては、人権リーグ、フォーラム女性、全国農民連合(União Nacional de Camponeses, UNAC)、環境の正義、社会研究センターの5つの団体が、その他の諸団体を代表して、月曜の共同記者会見で公表した。

社会運動市民大学の事務所において十分な議論と考察を行なった結果、このキャンペーンを立ち上げる決定がなされた。

フォーラム女性のグラソン・サンボ氏は次のように言う。「十分な考察ののち、我々が結論に至ったのは、土地問題は社会を構成するどんな集団にとっても重要だということです。そしてプロサバンナ計画という億万長者のアグリビジネスのために行われる計画こそは、共同アジェンダで取り上げるべき問題だという共通認識に至りました」

UNAC は農民を代表する組織として、このキャンペーンに参加している。UNACは、モザンビーク共和国大統領アルマンド・ゲブーザ、ブラジル大統領ディルマ・ルセフ、日本国首相・安倍晋三に宛てて、プロサバンナ計画の実行について懸念する内容の質問状を二ヶ月前に出したが、今のところ、三者から返答はない。

UNACによれば、このキャンペーンは、市民社会が一致団結して、正義と土地の公平な使用を求めていることを、モザンビーク政府に対して訴えるものであるという。

農民たちの主な懸念はプロサバンナ計画に向けられている。農民の土地が取り上げられ移住させられることでモザンビークに土地を持たない家族や共同体が増えること、また、ナカラ回廊地域に更なる社会問題と社会環境紛争を生み出すこと、そして、農民たちの生計手段が壊され農村地帯の共同体の貧しさがさらに悪化すること、以上の理由によって、自分たちの生活は取り返しのつかない影響をこの計画から受けるに違いないと農民たちは考えている。
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# by africa_class | 2013-08-06 17:28 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

モザンビークで今起こっていることとプロサバンナの関係(第5回意見交換会議案書から)

モザンビークからおはようございます。
第5回意見交換会(7月12日)のNGO側の資料こちらのブログには載せていなかったので、転載しておきます。事態はもっと悪化してしまいました・・・。

また、NGOと外務省、そしてJICAのプロサバンナ事業に関する意見交換会も5回を迎え、かなり情報がたまってきたので、以下に整理して掲載しています。(情報の新しい順に掲載しています)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-39.html

なお、本意見交換会の枠組みは、「外務省・NGO定期協議会」の中の「小委員会:ODA政策協議会(年3回開催)」のサブグループとして位置づけられ、継続的に議論されています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/kyougikai.html

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【第5回】ProSAVANA事業に関する意見交換会(2013年7月12日 関連資料)

■ NGO側事前提出資料
*以下の「問題の所在」と「質問事項(未掲載)」を提出しています。
事前に外務省から返答が届き、それを踏まえた意見交換というプロセスです。

「第5回ProSAVANA事業に関する意見交換会に向けたNGO側からの質問書」
(2013年7月2日)
【問題の所在】
地元住民組織・市民社会からの異議申し立て、マスタープラン報告書への批判・警告
昨年10月11日、モザンビーク全国農民連盟(UNAC)他が声明を発出したことがきっかけとなり、ProSAVANA事業に関わる論議は、日本・モザンビーク・ブラジルといった関係各国内にとどまらず広く世界的なものになっています。そして、ProSAVANA事業に関わる情報もさまざまな形で表出し、集積され分析されていることは、第4回意見交換会で紹介された国際的なNGOによる共同声明(2013年4月29日付「モザンビーク北部のProSAVANA事業マスタープラン(案)は最悪の計画を露呈した~市民社会組織は大規模土地収奪に道を開く秘密計画に警告を発する」)でも明らかです。

モザンビーク23組織による3か国首脳宛「公開書簡:緊急停止要請」
さらに、モザンビークの主要農民組織・宗教組織・市民社会23団体が、事業対象地で暮らす人々を代表するモザンビークの農民組織、市民組織への適切な情報提供がなく事業内容の大幅な変更にもつながりうる合意形成の場が提示されないことから、日本の安倍首相、ブラジルのルセフ大統領、モザンビークのゲブーザ大統領宛てた「プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡」を発したことは、すでに周知の通りです。このような広範にわたる多くの数の市民団体が政府事業に異議を唱えることは、モザンビークの歴史においても始めての出来事となりました。
なお、同公開書簡は、TICAD V開会式前夜に開かれた安倍首相・林横浜市長共催の歓迎レセプションの際、TICAD Vに参加するアフリカNGO/CSO代表団の一員として来日したUNACアウグスト・マフィゴ代表から安倍首相にも手渡されました。

この事実は、TICAD Vに関わる報道等を通じ、ProSAVANA事業の緊急停止を求める声が、モザンビークの農民組織・市民団体から発せられていること、また多くの国際NGO、個人がこの声を支持していることも含め、国内外に広く知られるようになっています。

ナカラ回廊プロジェクト外延部テテでの住民・企業・警察の衝突が、元反政府ゲリラの封鎖へ
他方、本年5月29日付朝日新聞等でも報道された通り 、ProSAVANA事業対象地と隣接し、日本が援助するナカラ回廊関連プロジェクトの外延部として位置づけられるテテ州において(次頁地図参照)、同地に進出するブラジル鉱物資源開発会社Vale社と地元住民の間で土地をめぐる紛争が続いています 。会社側に改善がみられないため、地元住民による道路封鎖と警察との衝突も発生し、現地では不穏な状態が生まれています 。ついに本年6月18日、かつて現政権と16年間の武力紛争を戦った元反政府ゲリラ・現最大野党RENAMOが背後にいると見られる政府軍武器庫襲撃事件が発生し、石炭輸送が一時停止するという事態が発生するとともに、翌19日にはRENAMOの幹部がテテ州の炭坑からベイラ港までの石炭輸送を許さないと表明したと、Reutersは報じています 。

「選挙の年」:高まる現政権への不満と「選挙対策事業」と解釈されるProSAVANA事業さらに、本年11月には全国で地方都市選挙、来年は大統領・議会選挙を控え、モザンビークの政情や平和の状態は不安定化しつつあります。ProSAVANA事業は、独立来政権を担ってきたFRELIMOへの支持が他地域に比べて弱く、最も有権者数が多い地域を対象として行われ、現地社会ではゲブーザ大統領とFRELIMOが選挙を有利に進めるための事業として認識されています。JICAが費用を出し同国政府によって行われている「事業対象全19郡でのProSAVANA事業の説明会」は、「選挙運動」との理解も出てきています(説明会への参加者へのモザンビーク市民社会組織インタビューより)。つまり、ProSAVANA事業は、「大統領・政権与党事業」との政治色が強いものとして認識され、現地社会に分断をもたらしてもいます。さらに、現地では、公開書簡に署名した現地市民社会の間を分断する様々な操作や工作がなされていると聞いております。

大統領のファミリー企業、ブラジル企業の利権との関連が指摘される
先述「共同声明」では、現職大統領(アルマンド・ゲブーザ)のファミリー企業が関わるAgroMozという企業が、昨年9月、ProSAVANA対象地(ザンベジア州グルエ郡)で1万ヘクタールにもおよぶ農地を入手し、ブラジル企業らと共に輸出用大豆の大規模生産に乗り出すとされています(Hanlon & Smart, 2012 ; 「共同声明」)。なお、現政権が「反汚職法」の具現化に積極的ではない点について、他ドナーや現地新聞でも批判されています(Savana, 2013年4月26日 )。

なお、先述AgroMoz社に絡む企業が、ProSAVANA-PD(マスタープラン策定)のブラジル側唯一のコンサルであるFGVとビジネス関係にあると同時に、かつFGVはこの地域への大規模な投資を呼び込むためのNacala Fundの設置・推進者です(「共同声明」)。このFGVの二重の「パラレルな役割」は、国際的な研究チーム(Future Agriculture)にも問題視されています(Cabral & Shankland, 2013:15 )。

モザンビーク社会の不安定化に関わるProSAVANA事業
つまり、ProSAVANA事業は、急速に変わりゆくモザンビーク社会に、新たな問題を持ち込む一方、既にあった問題をより深刻化させています。これらの点は、過去の意見交換会でも、繰り返し市民社会から問題提起されてきましたが、ついにその懸念が現実のものとなりつつあります。

これ以上の問題を回避するために
モザンビークの政治的社会的状況に関する十分な情報収集や分析が行われないままに、大規模な回廊開発プロジェクト、農業開発プロジェクト、二国間投資協定 などの案件が次々に実施されており、日本企業の進出も顕著ですが、問題が発生してから対応に追われるという事態が頻繁に繰り返されています。

【質問事項】
以上の問題の所在と状況に基づき、事前準備会合での話し合いを踏まえ、第5回意見交換会について、以下の質問への具体的な事前回答を求めます。(後日掲載)

【関連資料の注】
・モザンビーク23市民社会による3か国首脳宛公開書簡「ProSAVANA事業の緊急停止要請」(2013年5月28日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
・TICAD V前後のモザンビーク市民社会抗議に関する報道一覧
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
・朝日新聞記事(2013年5月29日)「(アフリカはいま)眠れる大地、「緑の実験」 モザンビーク穀倉化計画」
・Human Rights Watch (2013) “What is a House without Food?”Mozambique’s Coal Mining Boom and Resettlements” (http://www.hrw.org/node/115535)
・Reuters (2013年5月23日) “Miners Vale, Rio Tinto accused of neglecting displaced Mozambicans” http://www.reuters.com/article/2013/05/23/us-mozambique-mining-idUSBRE94M08D20130523
・Reuters (2013年6月19日)“Mozambique's Renamo threatens to paralyse vital coal railway”
http://www.reuters.com/article/2013/06/19/mozambique-renamo-idUSL5N0EV1SD20130619; (2013年6月20日)“Mozambique: Renamo Threatens to Block Road and Rail Traffic in the Center of Mozambique” http://allafrica.com/stories/201306201160.html
・日経新聞(2013年4月4日) 「モザンビーク炭鉱の採掘権取得 新日鉄住金・ポスコなど」(現在問題になっている同じテテ州モアティゼ郡内に進出)http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0407E_U3A400C1TJ1000/
・Hanlon & Smart (2012)“Soya boom in Gurue produced few bigger farmers”(2012年9月10日) http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/
・Savana(2013年4月26日)"Governo não cumpriu com a implementação do pacote Anti-Corrupção”
・Cabral & Shankland(2013) http://www.future-agricultures.org/publications/research-and-analysis/
・ 日・モザンビーク投資協定の署名(2013年6月1日)http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page5_000168.html
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# by africa_class | 2013-07-24 14:55 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

政府軍、最大野党を攻撃か?(モザンビーク):日本の資源開発、二国間投資協定の問題

気になるニュースが毎日続いています。
11月の地方都市選挙のための選挙法、そして選挙管理委員会問題から、テテ炭鉱での住民とブラジルの鉱物資源会社(Vale *日本の新日鉄住金と同じ地区に進出)との紛争と衝突・・・・が、ついに元反政府ゲリラ(現野党)の武力行使の宣言に至り、政府軍がこれに大規模に対応する可能性が出ています。

基本的に、対象地域以外は問題ない状態ですが、11月の地方都市選挙に向けてやや注意が必要な状態です。中心部やこれらの地域から外れている限り、特に問題はないので(特に、ニアサ州やカーボデルガード州は同じ北部でも問題が少ない)、ご心配なきよう。

他方、国の政治状況は流動化しつつあるという点については、この国の政府と色々な事業を行っている人達、援助機関、JICA、外務省は念頭に置いた方が良いと思います。もはや、民衆はゲブーザ政権に対して忠実ではありませんし(そもそもそうでなかったけれども)、野党がこんなことをするだけの民衆の不満が広がっていることに目を背け続けて、投資や援助事業をするのは、あまりに外交音痴です。

私の感覚からすると、すでに「資源の呪い」状態が生じているモザンビークで、資源に投資したり、二国間投資協定をゲブーザ大統領と結んでいる場合でなかったと思いますが。

■今新日鉄住金が進出し、日本援助が支援するナカラ回廊PJの先っぽテテ州で起きていること
http://afriqclass.exblog.jp/17974287

さて、がしかし、米国政府を含め、外部の介入者らには、守るべき権益があまりにあるので、政府軍の「治安維持」を標榜する軍事行動の活発化は進んでいくでしょう。そのことが、民衆の不満を抑え込む機能をもっていくことに危惧しています。

今行うべきは、もはや民衆や国民のために機能しない腐敗政権を問題にすべきことであるのに、「治安・平和」を掲げた軍事行動で、問題が解決するという前提に外部者まで立ってしまtっては、問題は深刻かするだけでしょう。もちろん、Renamoの行動も、民衆の不満を利用して暴力行為に至っている点で、大いに非難されるべきです。

でも、政府もRenamoも、実は恐れているのはお互いではないのです。
それが分からない外交官、援助、投資関係者は、ただちにモザンビークで大規模プロジェクトなどをやっているべきではないのです。

いちいち種明かししませんが。
なぜ、両者がこのタイミングで、勇ましい掛け声を繰り返しているのか・・・モザンビーク関係者ならすぐわかること。

このタイミングで、NHKクローズアップ現代が、マダガスカルの「資源の呪い」問題を取り上げる一方で、全面的に「ナカラ回廊開発万歳!」を唱えたのは、本当に呆れたことです。アジア経済研究所の尊敬すべき先輩である平野克己さんの、コメントも一体どういう現実に基づいたものだったのでしょうか。

放送は5月末。それから1か月も経っていないわけで、あの時からこうなることは予見され、私も繰り返しNHKの取材班に情報をあげていたのですが・・・。そもそも、彼らは誰のためにあの番組をあのように作ったのでしょうか。クローズアップ現代は、NHKの中でも評価が高かっただけに、本当に残念です。

■詳細→NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)
http://afriqclass.exblog.jp/17873533

あわせて、米川正子先生の以下の記事を
■アフリカは本当に「希望の大陸」なのか?
~「資源の呪い」に振り回される現地の市民~
(米川正子 立教大学特任准教授・元UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)職員)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/87002

以下、ハンロン先生からのニュースです。

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@Verdade says military
'may be preparing'

attack on Dhlakama

There are now more than 1000 heavily armed soldiers in the centre of Mozambique, who "may be preparing an offensive against the headquarters of the Renamo leader", Afonso Dhlakama, reported @Verdade last night. In particular, the military has reinforced its control of the Gorongosa airstrip, "and is ever closer to controlling the region of Santujira, where Afonso Dhlakam has been living since October."
http://www.verdade.co.mz/newsflash/37911-soldados-das-fadm-proximos-de-santujira-rio-tinto-parou-exportacao-de-carvao

COMMENT: This report is not confirmed, but @Verdade on-line and on Twitter has been accurate and early in its reporting of attacks and military incidents in the centre of the country. jh

More attacks on EN-1
but fewer convoys

There were two further attacks Monday evening on the main north-south road (EN-1) between the River Save and Muxunge, despite a heavy military presence and traffic moving along the 100 km segment of road only in military convoys, and only during daylight. The attacks occurred at 1600 and 2100; vehicles were damaged but there were no injuries. In the second attack, shooters were in three different positions along the road, reports O Pais. (http://www.opais.co.mz/index.php/politica/63-politica/25942-renamo-intensifica-ataques-a-colunas-de-viaturas-entre-muxungue-e-rio-save.html)

In effect, the military has admitted its inability to protect traffic, and has cut the number of convoys from five to two in each direction. It is also using a light plane to look for guerrillas in the bush along the road. (Noticas 27 June).

There were no reports of attacks Tuesday or Wednesday.

COMMENT: These attacks should be put in context. Germany has just arrested a man who has fired 762 shots at motorway traffic over more than five years. The police had huge difficulty finding him, and last year even offered a 100,000 Euro reward. (http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-23045280)

New army head

Graça Chongo was yesterday named head of general staff of the military (Chefe do Estado-Maior General das Forças de Defesa de Moçambique, FADM). He replaces Paulino Macaringue, whose five year term should have ended in March.

Former Renamo guerrilla Olímpio Cambona was reappointed for another five year term as deputy head of general staff.

Macaringue has probably been blamed for the military's lack of preparation for the incidents over the past months.

Rio Tinto stops shipments

Faced with falling coal prices and widespread reports that it is trying to sell its coal operations in Mozambique, Rio Tinto has stopped coal shipments, blaming the security situation. Rio Tinto has denied very widespread reports that one of its trains was derailed in Doa, Moatize, Tete following sabotage of the railway line.
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# by africa_class | 2013-06-28 03:11 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

NHK・Eテレ「原発被災者からの手紙」(24日25日20時~)(勝手な風化と当事者性の限定を乗り越えて)

今日これから急きょ、多分、ブリュッセルに行かねばならず、急ぎ皆さんへのメールをブログにもアップしておきます。

原発事故後に宇都宮大学の皆さん(阪本公美子さん、重田先生ら)と立ち上げた「福島乳幼児妊産婦ニーズ支援プロジェクト」「同ニーズ対応プロジェ クトFnnnP」の活動も2年と2か月を迎えることになりました。

この間、復興庁の水野参事官(私たちも3月4月に要望書を出しに行っています) のツイッター問題で俄かに注目を集めることになりましたが、個人の問題にされてしまっており、福島とその周辺で不安の中暮らしてらっしゃる皆さ ん、そこから避難中の皆さんの苦悩に誠意をもって対応する状況にはなっていません。

こちらの東京新聞の記事をご覧ください。
■「原発事故子ども・被災者支援法」何も進まぬ1年 政府に怒り 方針出して
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013062202000120.html
東京電力福島第一原発事故の被災者を救うはずの「子ども・被災者支援法」が無力のまま、二十一日で成立してちょうど一年を迎えた。超党派の議員提出で、衆院、参院とも全会一致で可決したのに、政府は具体化のための基本方針さえ作らない。今月には復興庁担当者のツイッターでの暴言も明らかになった。同日、東京・永田町の参院議員会館に集まった被災者や支援者は、怒りと落胆の声を上げた。 
 「成立した日は、革命が起きたかと思うほどうれしかった。これで私たちの生活が少しでも楽になる、苦しみがなくなると期待したが、変わらなかった」。福島県郡山市から札幌市へ自主避難している宍戸慈(ちか)さんは振り返った。災害救助法の住宅支援があるだけで、生活は苦しい。その支援さえ、来年三月には打ち切られるかもしれない。(後略)


政府や復興庁、官僚や原発ムラの問題もあるでしょう。
メディアの無関心や取り上げ方の問題もあるでしょう。
しかし、やはり市民の一人一人が「我が事」としての意識を持とうとしていないことが、この背景にあると思います。

そのため、時間が経つにつれて苦悩や亀裂が深まっている状態なのに、勝手な「風化」が進行しています。お母さんたち、お父さんたち、とりわけお子さんたちの苦しみの声を、どうにか届けたい。そして、「我が事」として一緒に考えてもらいたい・・・。

そう考えて、FnnnPでは、今年4月に「お手紙プロジェクト」を開始しました。
http://tegamifukushima.blog.fc2.com/
(頂いたお手紙の内公開の許可を頂いたお手紙は以上ブログにアップしています)

そして、本日20時~20時29分まで、NHKのEテレでこのお手紙をもとにした番組が放映されます。FnnnPの新潟拠点の高橋若菜先生、FnnnPのサポーターである栃木・茨城・首都圏拠点の学生の皆さん、私、SAFLANの河崎さんなども参 加しています。二夜連続です。ぜひご覧ください。

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NHKハートネットTV
第一夜 6月24日20時~20時29分
第二夜 6月25日(同上)

Our Voices「原発被災者からの手紙」
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2013-06/24.html
もう2年がたつ。それとも、まだ2年かな・・・。目に見えない放射能が降ってきたあの時か ら、生活が一変してしまった-」福島原発事故から2年。世の中の関心が薄れゆく一方で、被災者たちの置かれた厳しい状況は続いてい ます。特に、小さな子どもや乳幼児を抱えた世帯では、避難を選択する人、不安を抱えながらも現地に残らざるを得ない人、一度避難をしたも のの福島に戻った人。それぞれの人が、難しい選択を強いられてきました。こうした原発で被災された方々からの手紙を支援団体「福島乳幼児 妊産婦ニーズ対応プロジェクト」が募集しました。手紙につづられていたのは、これまで吐き出すことのできなかったつらい思いや、みずからの判断 に自信が持てず、今も揺れ続けるお母さんたちの胸の内です。1日目は、母親たちの知られざる苦悩に向き合います。

石田 衣良さん(作家)
杉山 文野さん(性同一性障害当事者)
冨永 愛さん(モデル・女優)
「福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト」のみなさん ほか

番組参加者のインタビュー
http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/300/
(石田さん、杉山さんの感想がよいと思います。私の問題提起、「当事者性」について応えてくれました)

FnnnPお手紙プロジェクトサイト
http://tegamifukushima.blog.fc2.com/

FnnnPサイト(概要・活動紹介など)
http://fukushimaneeds.blog50.fc2.com/

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ここまでくることが出来たのも、事務局スタッフ、ボランティアの皆さん、各拠点長の皆さん、拠点に集う学生やスタッフ、市民の皆さん、協力団 体の皆さん、賛同者や寄付者のみなさん、同僚や家族のお蔭です。この場を借りてお礼申し上げます。

なお、FnnnPの活動は2012年度までを予定していましたが、多くの方の応援を受けて2013年度いっぱい活動を継続しています。そのため、50万円ほどの資金が不足しております。是非ごご理解とご協力を頂けると幸いです。

■コンビニや他行などのATMからのお振込みの場合
ゆうちょ銀行 店番号019店 府中紅葉丘 当座預金 0663428福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト
■ゆうちょ銀行の口座からのお振り込みの場合
10050-78784561
フクシマニュウヨウジニンサンプニーズタイオウ
*以上の口座へのお振込みの際は、別途お振込みのご連絡いただけると幸いです。
福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト

■郵 便振替口座(郵便局にて所定用紙を使っての入金)
00100-2-663428
福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト

なお、各拠点の2013年度活動予定・連絡先は、FnnnP通信第4号に掲載しています。学 生インターンが作成した力作です。是非ご覧ください。
http://fukushimaneeds.blog50.fc2.com/blog-category-32.html


以上、いつもお願いばかりで申し訳ございません!
情報拡散だけでも大変助かりますので、是非ご協力ください。

福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト
代表 舩田クラーセンさやか
(東京外国語大学)

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# by africa_class | 2013-06-24 17:47 | 【311】子ども・福島乳幼児妊産

プロサバンナ事業形成の背景(国内要因)の加筆(国際開発学会企画セッション発表要旨)

プロサバンナ事業の形成の背景における国内要因の分析が甘かったので、いくつか新たな資料を踏まえて分析し、5月末から6月にかけての各種学会での発表に活用した議論を掲載しておきます。そのうちまたPPTを掲載しますが、今英語論文で手一杯なので、それまではこちらをご覧ください。

過去のPPTはこちら
■PPTofプロサバンナ事業に関する分析・報告一挙掲載
http://afriqclass.exblog.jp/17362546

なお本企画セッションは大変盛況のうちに終了しました。
大会参加者230名のところ、一般も含め220名が参加して資料が足りなくなるほどでした。翌日の継続ディスカッションの方も30名近くの皆さんに駆けつけていただき、活発な議論ができました。心から感謝します。

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企画セッション
原発事故から2年、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)年に問い直す開発と発展
「アフリカにおける経済成長と内発的発展~グローバル農業投資と農民主権」

●報告者 (座長:大林稔)
1.「311以後の東北農業~農民を根なし草にしようとする政策と抵抗する農民」(谷口吉光、秋田県立大学生物資源科学部)
2.“Legal and Ethical Implications of Land Grabbing"(アンドレアス・ニーフ、京都大学)
3.「農業投資と農民主権~種から考える」(西川芳昭、龍谷大学)
4.「農業開発援助と農民主権~モザンビークを中心に」(舩田クラーセンさやか、東京外国語大学)
●コメンテイター 熊代輝義(JICA農業農村開発部長)/ 西川潤(前国際開発学会会長)

【主催】TICAD市民社会フォーラム(TCSF)有志・大会実行委員会【共催】宇都宮大学国際学部附属多文化公共圏センター 【協力】JASID「原発震災から開発・発展を考える」研究部会

【要旨】「農業開発援助と農民主権~モザンビークを中心に」
東京外国語大学 舩田クラーセンさやか
キーワード:プロサバンナ事業、セラード開発、責任ある国際農業投資、熱帯サバンナ、土地収用

1. はじめに
「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム(プロサバンナ)」を事例に、グローバリゼーション下アフリカにおける農民主権の課題と日本との関係を浮彫りにする。

2. プロサバンナ事業に至るまでの背景
(1)外務省による「食料安定供給」と国際プレゼンス向上の試み
日本政府は、1973年のオイルショックと米国の大豆禁輸を受けた食料供給不安への対応として翌年に合意され、1979年来本格的に実施されたブラジル・セラード農業開発(PRODECER)から30年近く経った2008年、食料価格の高騰と穀物生産国輸出規制に直面し、自民党内に「食料戦略本部」を立ち上げる一方、外務省経済協力局内に担当をおき、「確実な食料確保」の対応策を検討し始めた(NHK 2010)。当初模索されたのが、「海外での土地収用・リースを含む農業開発」であった(外務省2009a)。外務省は農水省と共に、「食料安全保障のための海外投資促進に関する会議(海外農業投資促進会議)」を発足させ、2009年8月には、「国民への食料安定供給のため、国内農業生産増大を基本としつつ、国土条件の制約から必要な輸入はその安定化・多角化を図る」と述べ、「世界全体の農業生産の増大、農業投資の拡大が急務」で、「海外農業投資(生産、集荷、輸送、輸出)」促進に官民が一体となって取り組む必要があると表明する(外務省2009b)。

同会議で先駆事例とされたのがセラード開発であった。ただし当時と異なり、政府や日系入植者ではなく企業が前に出て、政府は後方支援をする手法が重視された。しかし、企業が消極的だっただけではなく、「土地争奪」「新植民地主義」との国際的な批判を避けるため、外務省は、①「良い投資」と「悪い投資」を分ける国際合意を作り、②「良い投資」増大を促進するとともにその手本を先陣切って示し、食料確保だけでなく国際的プレゼンス向上に努めようとした(NHK 2010; 麻生2009)。

以上を踏まえ、2009年7月G8ラクイラサミットに向けた麻生太郎総理寄稿文で、「規制的なアプローチは良い投資を抑制する可能性があり望ましくない」、「持続可能な未来の唯一可能な解決策は投資」と表明した(麻生2009)。さらに外務省は、同サミット首脳声明に、①国際農業投資の原則、②ベスト・プラクティスに関する共同提案の策定を入れ込んだ(NHK 2010; G8首脳宣言2009)。そして同年9月23日、国連総会時期のニューヨークで「責任ある国際農業投資の促進に関する高級実務者会議」を主催し、世銀提案の「責任ある国際農業投資(RAI)七原則」について31か国(主として穀物の大規模生産・輸出国)の承認を取り付けた。中身は麻生(2009)とほぼ同様で、規制を排除し、「受入国政府、現地の人々、投資家の3者の利益を調和し最大化を目指す」とした(外務省2009c)。

(2)「熱帯サバンナ」への注目とブラジル・セラード開発を「先駆事例」とする動き
一方、②の「良い投資の見本」として日本政府が提示したのが先述セラード開発事業であった(麻生2009)。その背景には、「先祖返り」という側面以外に、2つの潮流があった。まず、2005年に本格的に「国連改革」を目指した外務省のブラジルへの接近である。同省はインド・ドイツとも連携していたが、強力なパートナーとしてブラジルに注目し、移民100年を祝う2008年の「日本・ブラジル交流年」に向けて「戦略的パートナーシップ再活性化」を企図していた。2007年には、JICA理事長と伯外務大臣との間で「日伯パートナーシッププログラム」推進が合意され、麻生外務大臣の同国問時には同「再活性化」が確認された。2009年サミットにおける麻生総理とルーラ伯大統領の「アフリカ熱帯サバンナ農業開発」合意は、これを受けたものであった(舩田クラーセン2013)。

もう一つの潮流は、世銀を中心とするものであった。同行はサミット直前(6月)、商業的農業の必然性を説く一方、「ギニア・サバンナ」6億haの内4億haが農適地であるが10%しか耕作されず投資と開発が可能と発表する(WB 2009)。同じくJICAは、「アフリカには熱帯サバンナの5割が集中し広大な未利用農業適地が存在。世界は新たな食料生産・輸出基地を求める(JICA, 2009年6月30日)」との認識を示した。両者の手本とされたのが、「熱帯サバンナ農業開発の成功例・セラード開発」であった(*セラード開発は、ブラジル学術界・市民社会・農民運動によって強く批判されてきた。これも取り上げる)。  

この考え方は、「日伯協働によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発事業(JICA 2009年5月25日)」にも示されるが、NYでの「実務者会合」に向けてアフリカ側対象国の確定と合意が急がれた。そして、「良い投資の見本」「日本の協力」「アフリカ熱帯サバンナの農地転用」等の言葉の先にターゲットとされたのが、ブラジルと同じ葡語国モザンビークであった。同会合5日前という日程で、プロサバンナ事業は三政府により調印されるが、この急がれたプロセスの中で繰り返しされたのが、ブラジル・セラードとモザンビーク北部の「農学的な多くの共通点(JICA, 2009年6月30日)」「類似性」であった。

しかし、「熱帯サバンナ」とは、その一般的イメージ「草原サバンナ」ではなく、乾季雨季が明確に分かれた気候帯のことを指し、一定の雨量があるため農業に適しているが、多くの場合セラードと同様「森林サバンナ」地帯であった(Distributed Active Archive Center for Biogeochemical Dynamics)。また、事業対象地のモザンビーク北部地域は、土壌の酸性が強く人口が少ないセラードの特徴と異なり、最も肥沃で水資源に恵まれ、農業生産が盛んで人口が最多(全人口の4割)であった(舩田クラーセン2013)。モザンビークに在外公館・JICA事務所が設置されて10年も満たない2009年、地域社会や農業の十分な知見も経験も蓄積がないまま、合意後半年間準備調査を行っただけで、「モザンビーク北部1400万ヘクタール(日本耕地面積の3倍)を対象に、中小農民40万人に直接、360万人に間接の裨益」と喧伝される巨大事業が、食料価格高騰・G8サミット・国連総会を経て、始動したのである。

3.モザンビーク農民組織、市民社会からの異議申し立て
合意から数年が経過した2012年4月、日伯の官民連携ミッションのモザンビーク北部訪問前後から、現地社会や国際社会で同事業への疑義が表面化し始める。この頃、ブラジルのアフリカへの積極的な進出が顕著になり、鉱物開発企業を筆頭にアグリビジネス界も活発な動きを展開する。このゲートウェイとされたのがモザンビークであった(Schlesinger 2012)。前年に同地を訪問し、安価で環境規制の緩いモザンビーク北部の肥沃な土地に熱狂したブラジル綿花業界関係者だけでなく(Reuters 15 Aug. 2111)、前述ミッションのブラジル側団長ニシモリ議員の「プロサバンナ事業は土地不足の伯国の若者が近代農を大規模展開するための事業」との説明が(議会TV 27June2012)、モザンビークの農民組織や市民社会、国際NGO等に危機感を抱かせるようになる。これらの組織は、3か国の関係者に聞きとり調査を行い、JICAなどに説明を求めたが懸念を一層深め、2012年10月には、同国最大の農民組織UNACが、「不透明で、農民組織を排除するトップダウン事業」「農民の土地収用イニシアティブ」と、プロサバンナ事業を批判する声明を国内外に表明した(UNAC 11Oct.2012)。

UNACは、同国に経済自由化の波が押し寄せた1987年に、農民が自らの権利を代表・擁護し闘うため結成され、現在全国8.6万の農民と2200農民組織が加盟する。同連盟は、農民の土地占有権(DUATs)と慣習法的権利の両方を重視する1997年土地法の制定に多大な役割を果たした(Negrão 2003)。UNACはJICA報告書でも主要農民組織として紹介されるが(JICA 2000)、JICA担当者らは同連盟への理解がないばかりか、「一団体/一部に過ぎない」と繰り返してきた(NGO・外務省意見交換会)。

本年4月には、モザンビーク4団体を含む世界23団体・1国際ネットワークが、マスタープラン中間報告を入手し分析した結果、次を警告した。①真の目的は大規模土地収用に道を開くこと、②地元移動農法「撲滅」が喫緊課題と断定、③「定着農・近代農」に転じた農民にDUATs付与、④どこで誰が何を作るか指定するゾーニング案を有す(JA et al.29Apr.2013)。投資のため、地元農民の主権と営みを著しく侵害する計画と指摘されている。確かに同報告は、権利侵害の抑制効果がないRAIを重視し、企業の土地収用を確実にする抜け道を多数用意している(ProSAVANA Report 2)。前節で示した「農業投資が唯一の処方箋」「投資家は現地の人々と対等」「規制排除」が顕著に表れた計画といえる。

4. おわりに
2008年以降の日本政府の認識や動きが、どのような国際潮流や外交、援助事業に結びつき、ODAとして展開する中で、農民主権を阻害する可能性を広げていったかを明らかにした。討論では、これが日本社会・市民の「食」「農」「農的営み」に対する無関心さに基因している点についても論じたい。

【参考文献】●麻生太郎(2009)「食料安全保障の永続的な解決」、●NHK取材班(2010)『ランドラッシュ』新潮社、●外務省(2009a)「海外投資促進に関する指針」、●外務省(2009b)「官民連携モデルのイメージ」、●外務省(2009c)「責任ある国際農業投資の促進に関する高級実務者会合」、●JICA (2008)『南部アフリカ地域援助研究会報告書』、●G8首脳宣言(2009)、●舩田クラーセン「 変動する世界における経済成長至上主義の席巻と内発的発展」近刊、Negrão, José (2003) “A Propósito das Relações entre as ONGs do Norte e a Sociedade Civil Moçambicana”、●Schlesinger, Sérgio (2012) “Cooperação e investmentos internacionais do Brasil”. ●WB (2009) “Notes: Africa’s Sleeping giant: prospects for commercial Agriculture in the guinea Savannah Zone and Beyond”.(詳細配布)
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# by africa_class | 2013-06-21 23:53 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

今新日鉄住金が進出し、日本援助が支援するナカラ回廊PJの先っぽテテ州で起きていること

団体のブログにも掲載しておきましたが、本当の本当に心配な状態です。こういう投資や事業に、日本が関わっていく日が来ると私自身十分な自覚がありませんでした。

「我々のための食料・資源」・・・が、今新たにアフリカで何をもたらしているのか?しっかり目に焼き付けてください。あまりにモザンビークに関わっている日本の人が少ないところから生じた、このような事態に、自分の力不足を感じています。もっと沢山の人が見張る必要があります。

プロサバンナでいそがしくてこちらのニュースはほどほどだったのですが、新日鉄住金の進出先は、この間ずっと問題になっているブラジルの鉱物資源開発会社ヴァレとリオ・ティント社のすぐ境界線にある場所でした。すでに進出先となっているRevuboe鉱区のウェブサイトに詳細が掲載されています。

■新日鉄住金が進出するRevuboe鉱区のウェブ
http://www.revuboe.com/home
The Moatize Basin in Mozambique is the leading emerging coking coal province in the world. Our Revuboè Coal project in Tete province is bordered by both Rio Tinto's Benga and Zambeze projects and Vale's Moatize project.
そこでは、コミュニティとの合意によってのみ開始と書いてあります。
http://www.revuboe.com/community
Construction of the mine camp commenced only after the blessing of local traditional and government leaders and with the endorsement of the local communities.

しかし、今起きている事態は、そのような「合意」の範囲を超えていることです。これは、以下の地図を観れば一目瞭然でしょう。

■Human Rights Watchの報告書のリリース文にある地図
http://www.hrw.org/news/2013/05/23/mozambique-mining-resettlements-disrupt-food-water

テテ州の地図・・・大部分が鉱区に分割されています・・・。
a0133563_22484533.jpg

問題のモアティゼ郡(ヴァレ、リオティント、新日鉄住金の進出地)
a0133563_22543653.jpg


黄色がすでに鉱区として承認が降りている区画。
紫が現在承認プロセス中の区画。
緑がリザーブです。

そこには人びとの暮らしや、土地への権利が上からのメガプロジェクトによってなかったことにされている様がはっきり映し出されています。

この問題については過去の記事でも繰り返し投稿してきました。
実態調査を行ったHuman Rights Watchの報告書が一番包括的なのでそちらをお読みください。タイトルが象徴的です。「食事のない家とは?:モザンビークの炭鉱ブームと住民移転」(2013年5月23日発表)

■“What is a House without Food?”Mozambique’s Coal Mining Boom and Resettlements
http://www.hrw.org/node/115535
Many of the 1,429 households resettled to make way for Vale and Rio Tinto’s international coal mining operations in Tete province, Mozambique have faced serious disruptions in their access to food, water, and work, Human Rights Watch said in a report released today

これを報じた日本のメディアは唯一、朝日新聞だけでした。
■朝日新聞の記事(2013年5月29日)
「(アフリカはいま)眠れる大地、「緑の実験」 モザンビーク穀倉化計画」
←http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY20130528067

紹介したようにNHKクローズアップ現代は、隣のマダガスカルの問題を報じているものの、番組ないではまったくこのことを取り上げないまま、ナカラ回廊の開発の重要性と日本の援助の素晴らしさを強調していました。もちろん取材チームは、テテで起きている事態を知っていました。
■NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)
http://afriqclass.exblog.jp/17873533
■同放送は全部文字お越しされているので以下でご覧いただけます
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3356.html#marugotocheck

その他の整理については、モザンビーク開発を考える市民の会のブログにも掲載済みですが、こちらにも転載しておきます。

■鉱物資源の宝庫テテで何が起きているのか?
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-37.html

日本の新日鉄住金も進出しているモザンビーク北西部のテテ州で、ブラジル鉱物資源企業と住民の衝突に端を発する政情不安が続いています。ついに、元反政府ゲリラが動き始め、7人の警察が攻撃され、鉄道封鎖される可能性が出ています。政府軍も動き始めつつあります。

なお、今回問題になっているリオティントとヴァレのすぐ境界線にある鉱区が新日鉄住金の鉱区です。したがって、現在起きている事態と無関係ではありません。

これらはすべて、住民不在の急いだ大規模投資の帰結です。
ついに、軍事衝突に備えた大量の武器輸入を政府が開始しました。
平和をも不安定化させる投資。
それを後押ししている現在の日本の援助や政策も、問い直されるべきものです。
住民の犠牲の上に呼びこまれる大規模投資と援助の問題が、再びアフリカ、そして日本で問われています。

そもそも問題は、
(1)農民から広大な土地を奪ったこと、
(2)補償をちゃんとしなかったこと、
(3)政府が住民の側ではなく企業の側に立って抑圧的な行動をとっていること、
(4)投資が住民の生活向上に役立っていないこと、
(5)政権関係のごく一部だけが豊かになっていること、
への広範な不満が人々の間であることによります。

そして、このような状態を知らぬままに、回廊プロジェクトと称してこの地域に入り込もうとする日本の援助・企業の問題(ナカラ回廊プロジェクト、プロサバンナ)からも、他人事ではありません。

このような事態を繰り返し、警告したにもかかわらず、日本はTICAD Vに際し、モザンビークの現政権と二国間投資協定を締結してしまいました。
■日・モザンビーク投資協定の署名(2013年6月1日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page5_000168.html


■日経新聞(2013年4月4日)
モザンビーク炭鉱の採掘権取得 新日鉄住金・ポスコなど
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0407E_U3A400C1TJ1000/
 新日鉄住金は4日、同社や韓国ポスコなどが共同で計画しているアフリカ南部モザンビークでの炭鉱開発について、現地政府から3日付で事業化に必要となる採掘権を取得したと発表した。今後詳細な事業計画を詰めて開発に着手し、2019年には鉄鋼原料炭で年産500万トンのフル生産体制を目指す。
■産経新聞(2013年4月4日)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130404/biz13040413450009-n1.htm
推定石炭埋蔵量は約14億トンで、製鉄に使う原料炭年約500万トンの生産量が見込まれている。このうち新日鉄住金グループは、年間輸入量の6%程度に当たる年約170万トンの原料炭を確保する見通し。

■新日鉄住金の進出先のRevuboe鉱区の情報
http://www.revuboe.com/home
The Moatize Basin in Mozambique is the leading emerging coking coal province in the world. Our Revuboè Coal project in Tete province is bordered by both Rio Tinto's Benga and Zambeze projects and Vale's Moatize project.

この住民との衝突については、以下のようにまとめられます。
①2008年に同地に進出したVale社によって、5000家族が土地収用された。
②これら住民は、立ち退き・移転のプロセスや補償内容、その結果生じた生活苦について異議申し立てを2009年末から継続。
③その抗議の一環で、Vale社への補償内容見直しを求めるが拒否。再度の対話を求めて、道路封鎖。
④しかし、警察が強制排除を行い、住民が逮捕。その釈放を求めた住民が牢屋に集結。
⑤警察がついに催涙弾やゴム弾などを使って住民に発砲、負傷者が出た。
⑥警察はそれを否定。

これに関する代表のブログ記事
■続報:ブラジルVale社炭鉱の土地収用&移転への住民抗議のその後
http://afriqclass.exblog.jp/17653555/
■モザンビークで、ブラジル鉱物資源会社Valeの炭鉱道を住民が封鎖、警察が発砲3名負傷~市民社会の声明
http://afriqclass.exblog.jp/17644029/
■「ブラジル鉱業企業と地元住民の土地紛争:「死んでもここを動かない」
http://afriqclass.exblog.jp/17432081/
■「ビルマでの援助と土地収用とプロサバンナ問題」
http://afriqclass.exblog.jp/17288876/

Human Rights Watchの報告書
■Mozambique: Mining Resettlements Disrupt Food, Water:Government and Mining Companies Should Remedy Problems, Add Protections
http://www.hrw.org/news/2013/05/23/mozambique-mining-resettlements-disrupt-food-water
関連の記事
■Miners Vale, Rio Tinto accused of neglecting displaced Mozambicans(2013年5月23日)
http://www.reuters.com/article/2013/05/23/us-mozambique-mining-idUSBRE94M08D20130523


そして、ついにこれに乗じて、1977年-92年までモザンビークに戦争をもたらしたRENAMO(反政府ゲリラ)・現最大野党が、テテに焦点を合わせ始めました。

■Mozambique's Renamo threatens to paralyse vital coal railway
http://www.reuters.com/article/2013/06/19/mozambique-renamo-idUSL5N0EV1SD20130619
■Mozambique: Renamo Threatens to Block Road and Rail Traffic in the Center of Mozambique(2013年6月20日)
http://allafrica.com/stories/201306201160.html

テテは、日本の援助事業(ナカラ回廊プロジェクト)の西端にあたる地域であると同時に、プロサバンナとも関連づけられています。現地では、次のような問題提起がされています。

■UNAC全国年次総会声明文(ProSAVANAも、鉱業メガプロジェクト、大規模植林とともに批判されています)
http://afriqclass.exblog.jp/17790286/

2013年は地方都市選挙、来年は大統領選挙です。
激しい戦争を経験したこれらの地域では、かなり社会内部で不満が高まっています。

これにレナモは便乗しているだけという側面も確かにありますが、実は社会の広い範囲で現政権に対する批判や不満は広がりを見せています。「現政権を全面的に応援」しているように見える日本政府や企業にも、厳しい目が注がれるようになりつつあります。

これに対して、「反政府だ!」と揶揄する動きが、援助関係者の間であるといいます。
しかし、それはあまりに社会のことを知らないレッテル貼りであり、それほど社会について知らないままに「役立つ援助をしている」と自負するのは、大変残念なことです。

今問題提起している人や団体の多くが、与党の長年の支持者・支持基盤であることは、現地で周知の事実です。これは、長年にわたり政権与党の基盤であった医療関係者の何十日にも及ぶストライキに示されていますし、与党とともに歩んできた最大の農民組織・全国農民連盟UNACの以上の声明にも示されています。

この点についての記事
■援助関係者の間で実しやかに囁かれるウソ:現地からの声を理解しよとせず、抑圧側に立つ人達
http://afriqclass.exblog.jp/17943791

そして、ついにこのような事態に。
■Seven soldiers killed in Mozambique weapons store assault(2013年6月18日)
http://www.reuters.com/article/2013/06/18/us-mozambique-attack-idUSBRE95H0SN20130618
■Imports of military equipment
http://allafrica.com/stories/201306201160.html?page=2

日本の私たちが共に目指したいのは、誰ともどのような未来でしょうか?
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# by africa_class | 2013-06-20 23:20 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

援助関係者の間で実しやかに囁かれるウソ:現地からの声を理解しよとせず、抑圧側に立つ人達

TICAD Vも終わり、ひと段落・・・のはずではあるものの、その後国際コモンズ学会や、講演会や、国際開発学会や・・・なんやらでなかなか落ち着かない日々。先日は研究員となっている京大での大学院ゼミに出席させていただき、とっても刺激を受けました。教育にはいろいろなアプローチがあるので、勉強になります。

さて、明日はテレビの収録で東京に行きますが、気になる一言を耳にしたのでこれだけは書いておきます。
3政府宛の公開質問状を持参したモザンビーク農民組織や市民社会プラットフォーム代表の、身の危険を知っての直訴に、未だに反省することのない政府や援助関係者の酷い言葉の数々に、心底驚いています。

まず第一に、彼らがこのような抗議によって得られる個人的メリットは何一つありません。現地では、むしろ政府等による監視の目が強まり、既に様々な脅迫行為や、評判を落とすための操作が繰り広げられています。

今、モザンビークで起きていることを御存じでしょうか?
今年地方選挙、来年に大統領選挙を控える一方、鉱山地帯での住民との衝突、野党の武器を持ったままの山籠もり、医療関係者の20日に及ぶ一斉ストライキに直面して、現在基盤が揺らぎつつある現政権は、野党の強い北部での支持確立を目指したプロサバンナ事業での批判を抑え込もうと本気になりつつあります。

2005年以降「資源の呪い」の国へと邁進してきた現政権は、ついにその仕上げの段階に到達し、ごく一部の国家利権を切り売りして大儲けした人達と大多数の人びとの間で、数々の軋轢を招いています。

そんな中、モザンビーク最大の農民組織(2222組織の代表)、北部中心地であるナンプーラ州120団体の代表を始めとし、主要な農村組織や宗教組織、市民組織23団体が、なぜ「大統領プロジェクト」に対して危険を顧みず異議を唱えているのでしょうか?

■【公開書簡】モザンビーク23団体から3か国首脳への「プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡(2013年5月28日)」発表
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html

独立後のモザンビークの歴史で、このような事態は初めての出来事です。1975年から94年までの一党支配体制、複数政党制導入後でも引き続き政権を担った現フレリモ政権に対して、これほど裾野の広い社会組織が異議を申し出ているのは、他に経験がないことなのです。

そして、このような事態を招いたのは、日本政府やJICAの一部の人達の「ブラジル・セラード開発の成功!」を信じて疑わない過信と、アフリカへの野望と思いつきによる帰結なのです。本当に心が痛いです。

にもかかわらず、異議を唱えたくて唱えているのではなく、社会を守ろうと自らの身を投げて守ろうとする人びとに対して、依然として次のような言葉が援助関係者の間で実しやかに囁かれているといいます。

■神話1:「UNACは一部の農家の方々を代弁しているにすぎない」
■神話2:「UNACは、当国野党勢力との結びつきが強い団体」

事実誤認もいいところですが(このブログの読者なら既に私が繰り返し書いているので分かると思いますが)、重要な点は、自らのやり方への反省が述べられることがないままに、現地の人々の切実な命を掛けた問題提起そのものを、外部者に過ぎない援助者らが「問題」と捉える傲慢さが依然続いています。

人は誰でも、どんな入念な計画でも、どんな事業でも、過ちを冒すものです。
当事者から異議が出ることは否定されるべきではなく、むしろ事業が大規模に行われる前の問題提起は感謝されるべきもの。当事者のレッテル貼りをすることで、問題を矮小化しようというメンタリティが、日本の援助関係者の思考パターンの問題を露呈しています。

自分たちは感謝されるべき存在であり、問題は自分たちではなく、外から、あるいは一部の偏った人達からやってくる・・・・。とても「上から目線」の恥ずかしい姿勢です。「参加型開発」などといいながら、「開発に参加させてもらっているのは自分」ということへの気づきがない。

さらには、事実関係を調べもしないで、「援助業界で実しやかに囁かれている自己弁護のための神話」を繰り返し唱えて満足し、それを周りに流布する始末。。。こんなことにいちいち関わりたくないのですが、モザンビークの人びとの日常や将来の権利が奪い去られるかもしれぬ瀬戸際を作りながら、さらには人々の想いまでもがこのような形で、自己正当化のため「援助者」を名乗る人達に踏み躙られる事態に、書かずはいられません。何より、モザンビークに関わる人が少なすぎる中で、「知らないことは知らない」というべきなのに、小耳にはさんだ「噂話」や「思い込み」を調べもせずに信じ込んで言い触らすのは、あまりに悪質です。

こういう方にこそ、来日された人達の話に耳を傾け、その場で反論なり対話なり質問なりをしてくれると良いのですが、そういう努力すらされないで「自分は正しい」というのはとても残念。。。日本の援助関係者は、いつもこんな風に当事者の人達への謙虚さを持ってこなかったのでしょうか?

政府とやてれば、自分たちの言い成りになる対象とやってればいい?

さて、面倒ですが以下の点。
■神話1:「UNACは一部の農家の方々を代弁しているにすぎない」
■神話2:「UNACは、当国野党勢力との結びつきが強い団体」

■神話1:「UNACは一部の農家の方々を代弁しているにすぎない」
人類の歴史において、全員を代表する組織などもちろん存在したことはありません。あったのは、全体主義の時代です。それでも見かけ上の、恐怖に基づく支配。当然ながら、全員を代表などしていません。現在の議会制度も、政党政治も、モザンビークに限らず、この日本でも「代表性」「代弁性」について課題を有しているのは、私たちが一番理解しているべきことです。

先日公園の緑を伐採してまでの道路工事で揺れ動く東京都小平市。同市長はたった30%台の投票率の市長選挙で当選した市長。同市の有権者の2割程度にしか投票されていない。しかし、その市長が、道路工事の是非を住民投票にかけようという主張に基づいて行われた住民投票を、自分の選挙と数パーセントしか差がないほどの投票率を達成したのに、5割に満たないので民意に沿わないと開票すら拒んでいる。

「ごく一部」という言い方は、このように恣意性を持った言葉であり、権力側が使う時には注意が必要であることについては、全体主義とそれによる戦争を経験した日本の我々にとって、歴史的教訓なのではないでしょうか?

そんなレベルのことではなく、そもそも今回の公開書簡は、UNACだけのものではありません。北部地域の農民組織の主要な団体や宗教組織、地域組織の23団体が起草・署名しています。そこのことの事態の大きさを、まだ理解していないとすれば、そして「UNACが問題なのだ」と言い続けている限りは、現地の反発はますます広がるでしょう。

実際、今回これほど多くの組織がとても短い期間に署名した理由こそが、繰り返される「一部の声にすぎない」「・・・・だから問題なし」「UNACは反対しているわけではない」というかってな総括・・・等のこれまでのJICAを含むProSAVANA関係者の自己正当化に心底腹を立てた結果だったと聞いています。

その前提の上で、UNACについて語るならば、そもそもUNACは「一部の農家を代弁」ということを超えた団体です。今、法制度的に農民たちの権利をどこよりも守っている1997年土地法は、UNACの尽力で成立したものです。この土地法は、「世界で最もProgressive」という触れ込みのもので、農民の耕す権利を何より重視したものです。ただ抜け穴があり、それを現政権関係者が多用してしまったために土地紛争が起きているのです。UNACが守ろうとしているのは、一部の利益や団体の利益などではなく、全モザンビーク農民の利益であり権利であり、ProSAVANAはそれを奪う第一歩になると考えているから身体を貼っているのです。

本来ならば、援助機関や援助者は、特に「小農支援」を口にする者は、このような団体こそを尊敬し、応援すべきではないのでしょうか?

そしてこれはこのブログの読者にいうまでもないことですが、モザンビーク政府が自ら選び、今年4月に唯一「現地農民組織代表」として連れてきた団体こそが、UNACの下部団体でした。政府代表としてきてなお、いやきたからこそ、この事業の問題に気づいたといいます。

勿論、ProSAVANAへの反対を抑えるために、「賛成する団体もある」というために、現地では既に融資やなんやらを配布しています。そのバラマキを歓迎する人達もいます。日本の公共事業と同じ手法が、つまり事業への反対派切り崩し、賛成派増やしのための地域社会の分断が堂々と行われているのです。

他方、マスタープランは未だでProSAVANAは始まっていないのに批判するのはおかしい・・・などと、これまた実しやかに日本の援助関係者は述べます。しかし、メディアが訪問するというと、このような融資先などに連れて行ってJICAへの感謝を述べさせる・・・本当に恥ずかしいです。

このような分断工作や操作こそが、彼らが今回ProSAVANAの緊急停止を言わざるを得なかった理由といいます。つまり、彼らではなくProSAVANA事業者らが、自分でまいた種、もたらした混乱なのです。そのことへの自覚は、「一部にすぎない」という総括から完全に抜け落ちている・・・ここが一番問題だと思います。

自ら「賛成派」を創り出し社会を分断しながら、「反対は一部にすぎない」と総括する・・・・現地の人々からみたら本当に罪深いです。今回、現地のカソリックの司教様たちのグループが立ち上がった理由もこれですが、そのことすら理解できないのでしょうね・・・これも「誰かの入れ智恵」とかいうレッテルを張るのでしょう。

それほどまでに、現地の主要アクターらとのコミュニケーションが不可能ということの証左。
「あげる」という行為を介さない生身の本音のやり取りが出来ていないことが露呈。


■神話2:「UNACは、当国野党勢力との結びつきが強い団体」
書くのも嫌気がさしてきました。
このようなレッテル貼りの根拠、あるいはレッテル貼りをする意図はなんでしょうか?
UNACほど現政権FRELIMOの「出所」「精神的支柱」を明確に体現している組織は、もはやモザンビークに残っていないほどです。

こういうことを書くのすらばからしいのですが、なぜかというと、UNACの人達に接すれば彼らが何者かすぐわかるので、、、、でもどうも分からないようなので書いておきます。

UNACのメンバーの多くは、現政権の多くの人と同様に、植民地解放戦争を戦った人達です。代表のマフィゴさん自身がそうであり、多くのメンバーの父兄・親族の多くが、やはり解放闘争の闘士でした。つまり、フレリモ中のフレリモ=UNACなのです。

それを「野党と結びつきが強い」とは、あいた口がふさがりません。
これは、モザンビークに関わる人ならだれでも知っている事実です。

つまり、人びとの権利のために国を解放したはずのFRELIMOが人びとの権利を守るどころか売り渡しているのであれば、野党化してしまったのは現政権なのです。この逆説性に、「政府=正しい」という刷り込みがはいった日本の人びと、あるいは日本の援助関係者には、理解不可能なようで・・・。

そんなことすら知らない、分からない人にモザンビーク農村開発に関わったり、現在の事業についてこんな風に語る資格もないと思うのは私だけでしょうか?

そもそも、別に野党と結びつきが強くても別に立派な社会組織である以上、なんの問題もないと思いますが?そもそも、事実ですらないのです。

彼らが何故この問題に敏感か?
そのことは、繰り返しシンポジウムやセミナーで述べていたので、参加されたら理解したでしょう。あるいは、このような思い込みの人達には無理だったでしょうか?

彼らは、独立は「国、人間の解放だけを意味したのではなかった。土地の解放を意味した」と繰り返し述べてきました。その言葉の深い深い・・・・・・・本当に深い意図を、今私たちが汲み取ろうとしないのであれば、何のため「支援」「援助」を口にするのでしょうか?

私たちは、やはり植民地支配する側のメンタリティーから解放されていない。
支配される側の想い、何のために彼らが武器をとってまで植民地支配から逃れようとしたのか、何の解放を意図したのか、そして21世紀の今、独立から40年近く経ったのに、なぜ彼らは再び日本に来て「植民地支配からの解放の意味」を声高に述べなければならないのか・・・・・・言い訳と自己正当化を肩からおろし、脇に一旦おいて、考えてみてほしいのです。

まだ遅くありません。

皆さんのいう「支援」の根底に眠る「コロニアル思考」から、今脱さないとしたらいつ逃れるのでしょうか?彼らが身を持って問題提起しているのに、私たちは耳を塞ぎ続け、それを踏みつけ続けてよいのでしょうか?

今問われているのは、「開発モデル」の話ではありません。
このような人としての尊厳を獲得するために、その尊厳ある人がようやく手にした生きるための基本的な権利を、他者が「経済成長」「支援」「開発」を掛け声に奪ってよいのか・・・という問いです。

月並みな一言ではありますが、耳をまず傾けてください。
講演会の様子は、もうすぐYoutubeにアップします。

鋭い問いが発せられる時、
それを封じ込める側ではなく、
耳をそばだてる側にいたいと思います。

一人でも多くの援助関係者の耳に、このことが届くことを望んでいます。
なお、私だって罪深き者の一人です。
また、至らない人間でもあります。
その反省の上で日々改善を試みています。

1994年の戦後直後のモザンビークで国連関係者として持ち込んだ数々のものについて、この20年間ずっと自分に問い続け、今に至ります。その間、対話してきた何百何千というモザンビークの人達に、そのオープンな、時に厳しい、時に温かい、一言一言に心から感謝しています。

人間は学び続けることができる生き物です。
学び続けることでしか、危険を回避できない、この地球や世界に君臨する生き物です。

学びましょう。
遅くありません。

他者による挑戦、自分の真摯な解体の先に、必ず自分の生きるべき道が広がっています。
それは、今よりもずっと意味のある、豊かな双方向性のあるものでしょう。

私はモザンビークの人達にそのことを教えられ、今でも感謝し続けています。
教えるなんてとんでもなかったのです。

それに気づいた援助関係者の方々に、実はこの2週間、励まされ続けています。このブログを読み考えてくれているといいます。この場を借りて感謝いたします。

この問題については下記に入れています。詳細はそちらを
http://afriqclass.exblog.jp/i38/
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# by africa_class | 2013-06-13 22:31 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

農民に向き合えない農業支援とは(#ProSAVANAに関するJVC 渡辺直子さんの記事)

この間ずっと関わっているJVCの渡辺さんも同じような感想を書かれているので、ご本人の許可をいただき転載します。校正まえのものなので、現物はTRIAL & ERROR(JVCの月刊誌)をご覧ください。

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農民に向き合えない農業支援とは
南アフリカ事業担当 渡辺 直子
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■モザンビークから招へい
去る二月二十四日〜三月一日、日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるモザンビーク北部地域における大規模農業開発事業「プロサバンナ」に関連して、日本の市民社会の招聘で、UNAC(モザンビーク全国農民組織)の二名と同国の環境団体JA(Justica Ambiental) の一名が来日した。外務省やJICAとの面会や一般向けセミナーを通じて、彼らが語ったことをお伝えする。
現在、モザンビークでは人口の七割が農村部に暮らして自給的農業を営み、国内総生産の三割を生み出している。プロサバンナ事業の対象地域においても、家族的経営農業のもと主食のメイズや豆、葉物野菜や根菜類など様々な作物が収穫されている。「サバンナ地域」というイメージに反して雨も降ることから森林も豊富で、人びとは森林からも木の実や果実、動物などの多くの食料を得ている。
プロサバンナ事業は、こうした地域において千四百万ヘクタールという莫大な土地を開発し、輸出用大豆の栽培を目的とするものだ。当然のように小農の土地は収用され、森林も伐採されるだろう。事業を推進する側の外務省・JICAも、すでに対象地域の住民移転の可能性を認めている。そして現地の農民たちはこの事業に関する適切な情報にアクセスもできず推進プロセスに参加もできないことから、大きな不安を抱えている。

■「話を聞いてくれ、そして 参加させてくれ」
このような状況に対して、来日した三名が一貫して訴えていたのは、「事業実施に際して、まず自分たちの声を聞いてほしい」というごくシンプルで当たり前のことであった。こんな簡単なことを伝えるために、はるばる日本までやってこなければいけなかったのである。
外務省・JICA側は「地域の農民にはすでに情報提供しており、彼らは誤解している。プ
ロサバンナ事業はあくまで小農支援を目的としており、NGO側と考えていることは同じだ」と主張する。それではなぜ前述のような不安や互いの間の理解に齟齬が生じるのだろうか。
本件に関する「NGO外務省定期協議会」の議論の中で、外務省のとある担当官が「彼ら小農は〝貧しい〞。だから私たちは彼らを〝リッチ〞にしてあげたい」から支援するのだと発言しておられた。この発言のもとにある価値観の主語はあくまで「私たち」で、その視野にモザンビークの人たちが入っているとは考えづらい。こうした発言の根底には、「低投入な農業は低生産であるから自給的農業は貧しい」→「よって商品作物を栽培・販売させて収入を増やすのがいい」→「それこそがモザンビーク政府が進める『食料安全保障』にもつながる」という考え方がある。
しかし、農業とは本来「商品」ではなく「食料」をつくる営みであり、余剰を売るのが基本である。また、そもそも、「低投入=低生産」という考え方が必ずしも適切ではないことは、すでに世界中の有機農家やJVCのような活動によって実証されてきている。

■農の価値に向き合えるか
外務省のこうした考えに対して、UNAC代表アウグストさんは「私はここで何十年にも渡り土を耕してきた。この土地に何が合うのか、自分たちが何を栽培し、何を食べたいのかは我々が一番よく知っている。だからまず我々に何が必要かを聞いてほしい」と断言した。先の外務省の発言からは、モザンビークの小農自身および彼らの長年にわたる経験・知見に対する敬意が微塵も感じられない。これでは言葉が届かないのも当然だろう。
「いや、我々も農民組織とは対話している。しかしどの農民組織の声を聞くかはモザンビーク政府が決めることであって我々の責任ではない」という立場を取る外務省・JICA。対してUNACアドボカシー担当ヴィセンテさんは「あなたたちは本当にそう思っているのか?これは誰に責任や権限があるとかそういう問題ではない。人としてのモラル、人間性そして連帯の問題なのだ」と訴えた。
プロサバンナ事業が真に彼らのためのものであるというならば、現地の農民たちを取り巻く状況に真摯に目を向け、声に耳を傾け、ひいては彼らの農業における工夫や日々の営み、家族や仲間のために食料を生産する喜びや誇りをも視座に入れて事業を検討するべきではないだろうか。現地の農民たちに敬意を示し、あくまでも彼らを「主語」として支援の方法を考え、実施する。「農民主権」の視点においては、我々支援する側の人間性をも問われているのである。
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# by africa_class | 2013-06-04 19:01 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

TICAD終了、モザンビークからの仲間たちとの1週間をふり返って&皆さんにお願いしたいこと

後数時間でモザンビークの皆さんが空港を出発されます。
この間皆さんと一緒にいて感じたこと、伝えきれなかったこと、これからについて書いておきます。

日本に来る前に北部地域で農村から農村、国中で様々なレベルでプロサバンナについての共同ポジション作りに尽力したUNACやその他のNGO、そ してCSOプラットフォームの皆さんは、かなりお疲れのまま来日し、来日後は朝から晩まで国会議員、メディアインタビュー、戦略会議、対外シンポ やセミナー・・・・と目まぐるしい日々でした。

さらには、3各国政府首脳への公開書簡の最終化が同時並行し、時差もあったため、ほとんど寝ないで 1週間が進みました。

■「プロサバンナ事業の緊急停止を求める」3か国大統領・首相への公開書簡
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
(日本の団体の賛同を募集中です。私にご連絡を。)

■取材記事一覧(日本語5記事・1番組/英語4記事)
日本語:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
英語:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html


前回も感じたことですが、私は彼らのコミットメントと諦めない姿勢、我慢強さと意志の強さ、一方で忙しさの中に周りをいたわる優しさや気配りに、学 ぶことの多い毎日でした。
自分の至らなさを多々感じる日々でもありました。
でも、そんな日本の私たちを包み込むような彼らに励まされることの多かった日々でした。

モザンビークの仲間たちの全員が、小規模農業のお蔭で学校に通い、ここまでやって来た人達です。
アントニオさん(ナンプーラ市民社会プラットフォーム代表&カソリック大学講師)は、私が長年通う村のご出身で、そこから大学の先生を生み出すの は並みの事ではないことは良く分かります。

彼は、ピーナツ畑を自分で耕して学校に通うお金を生み出し、その後は両親が畑で身を粉にして働いて大学まで行くことができたとおっしゃっていまし た。
ビセンテさん(UNACアドボカシーオフィサー)も同様です。
UNAC代表のマフィゴさんはいうまでもなく。

そのことを彼らがどれほど誇りにしているのか、だからこその強さなのだということを、私は十分伝えきれていないかったかもしれません。

「貧しい、飢えている、足りない」という言葉の持つ相矛盾する性格を、もっと気を付けて使わないといけないなと感じています。

アフリカの市民社会、NGOといっても、エリート志向の人も実際多いです。
でも、地域と人びとに根差した活動を、これほどまでに当たり前に基本とする皆さんと出会い、心の底から感激しています。彼らに出会う機会がなかった方々には、是非次の機会をと思っています。

彼らの闘いは「尊厳」と「命」をめぐるものです。
そして、モザンビークという国の「民主的な統治」をめぐるものです。
何より、モザンビークだけでなく、日本も含む世界の「正義」をめぐるものです。
私たち自身も、単なる「援助事業の少しばかりの修正」といった論理に陥らないようにしたいと思います。

皆さんにお願いです。
彼らはこの間ずっとモザンビーク内で脅迫と分断工作を受けています。
それでも勇気を振り絞って、来日されました。
私たちを信頼してのことでした。

公開書簡を出したことで、よりそれが強まって、彼らがこちらに来ている間ずっと、現地の仲間たちが嫌がらせを受けています。

私たちの税金で行われる「思いつき打ち上げ花火事業」が、あまりにトップレベルを巻き込んだものであるために、あまりにトップダウンでなされてき たために、そして「l巨額のカネが絡む」ために、自分のカネのためではなく、農民と社会と将来の世代のために頑張るモザンビークの良識ある心優し い、異議を唱える農民や市民組織のみなさんに命の危険と、社会分断を及ぼしています。

事業は未だ始まったばかりとか誤解などとJICAは反論しているようですが、既にプロサバンナ事業開始後、投機目的の土地収用がプロサバンナ対象 地で急速に企業によって行われているのは事実です。その中には、大統領のファミリー組織も含まれています。また、社会内部で分断が進んでいってい ます。私たちの税金、国際協力は、このようなもののために使われるべきだったのでしょうか?

彼らが帰国前にお願いしたのは、
①現地で声をあげる人達の安全を一緒に守る方法を一緒に考え、行動に移すこと、
②この問題に引き続き関心を持ち、情報を共有し、共に闘い続けること、
③一人でも多くの人にこの問題を伝えること、
④国民の8割を超える小規模農民の農業生産こそを国の中心政策とするための「家族農業支援国家計画」作りにモザンビーク政府が取り組むよう、 JICAや日本政府、日本の市民社会、ブラジルや世界の世論が盛り上げるよう協力すること
⑤外務省・JICAとの対話ルートをオープンにし続け、補強すること、
でした。

ボールは、納税者であり、有権者である日本の我々のところにあります。
日本の市民の皆さん、JICAや外務省、コンサルタントの皆さん、皆さん一人一人の責任です。

今なら未だ間に合います。
そこに暮らす圧倒的多数の8割を超える小規模農民の皆さんの権利を守り、彼らの自らの発展のため、私たち自身が変わりませんか?

JICA、外務省、コンサル、援助関係者の責任ある行動が求められています。

しかし、JICAは今回も相変わらず「Misunderstanding」という言い訳をしています。
命がけ公開書簡に対して、「誤解」はないと思いますが?

去年10月にUNACがプロサバンナ批判声明を出してからJICAがやってきたことはなんだったのでしょうか?講演会でも、NGOの意見交換会への質問状でも、メディアのいずれの報道に対しても、
「誤解だmisunderstanding」
という言い訳をし続けてきたのですが、さすがに何度も彼らと直接会って話をするようになって、そんなことを言う立場にも現状にもない・・・と思ったのですが・・・。

今回メディアが問い合わせた際のJICAコメントのすべてがこれでした。

(自分の目でご確認を)
日本語(6記事・1番組)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
英語(4記事)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html

つまり、あまりに何も変わらず、止むえず他にもやるべきことを沢山抱えた農民や市民社会の皆さんを、日本に来て訴えざるを得ない状況を生み出しながら、問題の核心を、自分の立ち上げた事業や手法に対してではなく、モザンビークの農民組織の問題にすり替え続けているのです。

そこには、真摯な反省も改善への努力も見当たりません。当事者である、命をかけた人達への思い遣りもありません。おそらく、モザンビーク農民組織や市民社会には聞こえないだろうと思っての発言なのでしょうが、このグローバル化の時代、彼らの耳にしっかり届いています。そして、彼らのJICAへの信頼感をずたずたにしています。そして、心を傷つけています。

そもそも、「協議がない、参加できていない」という批判には、
「ステークホルダー会議に出席していた」という反論。

「説明がない」という批判には、
「事務所にいって説明した」という反論。

なのに、いざ農民組織が公に非難声明を出したら、
「コミュニケーション上の誤解」?????

これらすべてを「やられる側」はしっかり目を見開いて眺めているという感覚がまったくないのでしょう。「やられる側」の厳しい目線というのを、どうしても日本の主流の人達は敏感に感じられない。ここまではっきり意思表明をしてもなお、「誤解」「反対とはいっていない」・・・という始末。

やはり、グローバル化時代のコミュニケーションの課題は、言語能力ではなく、人としての他者との関わり、社会との関わる能力につきる・・・と外国語大学の一教員としても再確認した次第です。いつもいってきたけど。

もちろん、日本的な、「処世術、組織防衛のための当たり障りのない公式見解」というつもりなのでしょうが、そんなの今日生きるか死ぬか、明日食べるものがあるのか?という日常を暮している人達に通じるわけもないのです。グローバルな仕事をしているはずの人達が、相も変わらず日本の処世術が通じると思っている(?)ところが、もう絶望的です。彼らを税金で支える意味はなんなのでしょうか・・・。

いい加減に、「人のせい」にするのをやめてほしい。
反省の地平からしか、新たな一歩を踏み出せない。
「緊急停止」という私も驚いた一言を彼らが命をかけて勇気を振り絞って書いた意味を、心の真ん中で受け止めてほしい。

皆さんにとっては一時的な「仕事上の担当」。これさえ上手くやり過ごせば、次はなんとかなる。そんな風に思っているのかもしれないですが、この姿勢そのものが、そこに暮らしている人達の運命をどこまでも左右するカギを握っておきながら、人として無責任な姿勢だと思います。

「国際協力」などという名称を使うべきではない行為だと思います。
そんな人達に私たちの税金を託して「国際協力」をお願いした覚えはありません。
どうしてもやりたいのであれば、自分のお金や自分が社会に呼びかけてやってください。自動的に、当たり前のように、私たちのお金を使わないでください。
(と考えるの私だけでしょうか?)

さて、いささか説教じみましたが、一般の皆さんは、是非以下にご協力を。

森下さんの記事を是非広めてください! 
Huff Post International (6月2日森下麻衣子)
TICAD V:モザンビークの人々から安倍首相に手渡された驚くべき公開書簡
http://www.huffingtonpost.jp/maiko-morishita/ticad-v_b_3373974.html
*開設以来最高の閲覧数になっています!

そしてコメントする場合は、是非参照すべきニュースソースを示して下さい。
「ふーーーん」で終わらないため、他のソースを是非紹介を。
以下、ソースがある場所を提案しておきます。

①日本では語られないセラード農業開発の問題について
(ブラジル・エコノミストによる分析、5月29日のPreTICAD国際シンポで発表されたパワーポイント)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-34.html
②日本・ブラジル・モザンビーク首脳宛「プロサバンナ事業の緊急停止を求める」公開書簡
(モザンビーク主要な農民諸組織、対象地北部のコミュニティ組織、宗教組織、市民社会組織23団体による)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
③来日中のモザンビーク農民組織や市民社会のインタビューの記事・番組一覧
日本語(6記事・1番組)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
英語(4記事)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html
④プロサバンナ・マスタープランに関する
日本の専門家分析:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-24.html
現地・世界の市民社会組織による緊急共同声明:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-21.html
⑤プロサバンナ関連資料・分析・声明一覧(アーカイブズ)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-18.html
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# by africa_class | 2013-06-04 15:08 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【メディア一覧】日本語のみ

既に紹介したものもありますが、記録のために一挙掲載。
後2本ほど記事化されているものがあるそうですが、今は待機。

1. 新聞記事
■ 朝日新聞(アフリカはいま)眠れる大地、「緑の実験」 モザンビーク穀倉化計画 (2013年5月29日)
←http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201305280673.html

「貧しい農民、強制移転懸念」
「(前略)プロサバンナでは、農地として最低でも10ヘクタール以上の耕作面積が必要とされるが、モザンビークでは5ヘクタール以下の畑を持つ小農がほとんど。同国最大の農民組織UNACは、計画が進めば農民が強制的に移転させられるなどの恐れがあると指摘。さらに「農民が計画に全く関与できていない」と批判している。(略)対象地ナミーナの農家。「暮らしは決して楽じゃない。(略)政府は雇用も増えて生活も良くなるというが、違う土地に移転させられてまでは望んでいない。この年では農業以外できない。故郷を奪われるのだけはごめんだ」
「収入激減の例も」
疑心暗鬼になるのは悪い前例があるからだ。北西部テテ州のカテメ。豊富な石炭が周辺に埋蔵されていると分かり、2010年、700世帯以上の農家が40キロ離れた土地に移転を強いられた。最初は拒んでいたが移転を受け入れた農家によると、「農産物も増え収入もよくなる」と説明されたが、「実際に住むと説明とはまったく違っていた。農業に必要な水を引く川も近くにない。畑まで4時間も歩かなくてはならない」(略)収入が激減する農家が続出。去年1月には、500人以上が資源会社が使用する鉄道や道路を封鎖するなどして、逮捕者が出る騒ぎとなった。政府と住民の緊張関係は未だにくすぶる。(後略)」

 ■時事通信
「小規模農家は不安=日本の支援に注文-モザンビーク」
(2013年6月2日)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013060200097
「日本がブラジルと手を組み農業開発を進めているアフリカ南部モザンビークから農民団体の代表が来日し、第5回アフリカ開発会議(TICAD5)開催中の横浜市で2日、「小さな農家の不安は強い」と日本の支援に注文を付けた。大規模農業開発で土地が取り上げられるのを恐れている。(中略)自らも家族で畑を耕す小規模農家というモザンビーク全国農民連盟(UNAC)のマフィゴ代表は「アグリビジネス(農業の事業化)も資源開発も一緒だ。農民が大々的に土地を取り上げられることを過去の経験から知っている」と述べ、小規模農家の意見を聞くよう訴えた。」

2. テレビ番組
■ BS朝日「いま、世界は」(2013年6月2日)
トップ・ストーリーズ 「TICAD~アフリカ開発会議」
http://www.bs-asahi.co.jp/imasekaiwa/
「6月1日から横浜で開催されるTICAD(アフリカ開発会議)安倍総理大臣もマラソン会談を繰り広げるなどアフリカ支援に力を入れている。急激な経済成長を続けるアフリカは、中国やインドなどの新興国企業も続々と進出、世界市場の新たな”可能性”として注目を集めている。中国に比べ進出が遅れているアフリカ地域で、日本はどう巻き返していくのか?さらに、モザンビーク支援に見るアフリカの知られざる光と影とは?」

コメンテータ
五十嵐浩司 (前朝日新聞編集委員)
伊藤洋一 (エコノミスト)
金慶珠 (東海大学国際学科准教授)

<=後半しか見ていないのですが、
・29日PreTICAD 国際シンポジウム「いまアフリカ農村で何が起きているのか?」の様子
・モザンビーク全国農民連盟UNACのVicenteさんのインタビュー
・2日のTICAD公式サイドイベントで紹介された映像(プロサバンナ事業対象地である現地の農民たちが、「住民移転反対」「プロサバンナ以外のわれわれのやり方を守る」などのバナーを掲げてマーチをしている姿)も写っています。

<=金さんのコメントが素晴らしかったです。
「過去の韓国での独裁の経験で市民社会は苦労した。モザンビークの農民組織がうらやましい。そのようなグローバルな闘いができて」と、伊藤さんの「なぜモザンビーク農民がわざわざ日本まで来てこういうことを訴えているのか?」という問題提起をした際におっしゃってました。

最後は、コメンテイターのみなさん、「インターネットでつながる時代。地球上のどんな国でも開発独裁を応援する時代じゃないよね」という結論でした。すごく的確なまとめ。


■NHK:ク ローズアップ現代「アフリカの成長をとりこめ “チーム ジャ パン”の新戦略」
2013年5月30日19:30~19:56(再放送:6月1日 12:10~)
http://www.nhk.or.jp/gendai/

<=JICAと日本企業の「プロジェクトX」的番組。「中国に対抗するため、モザンビーク北部は日本のため何ができるか」/「中国に勝つために日本がモザンビークを使い、オールジャパンで頑張るべきこと!」的番組。

現地で生じている大豆生産のための土地を巡る紛争や農民組織らの抗議については全く報じずだったことが、本当に残念です。
【分析】「NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)」
->http://afriqclass.exblog.jp/17873533/


3. Onlineジャーナル
■TICAD V:モザンビークの人々から安倍首相に手渡された驚くべき公開書簡
(2013年6月2日)森下麻衣子
http://www.huffingtonpost.jp/maiko-morishita/ticad-v_b_3373974.html
「TICAD V(第5回アフリカ開発会議)に特段興味がなくとも、大豆食品を食べる全ての人に知ってほしい話がある。第5回を迎えるアフリカ開発会議の開幕前夜の3月31日、安倍首相主催のレセプションにおいて、モザンビークから来日した一人の男性が同国の十数万の人々より託された公開書簡を首相に手渡すという任務を全うした。その内容は、日本に対して大きな問いを突きつけるものだった。

「援助から投資へ」――6月1日から3日にかけて横浜で開催されるTICAD Vの打ち出しは、明確だ。「最後のフロンティア」と目されたアフリカの豊かな天然資源を獲得するため、オールジャパンで日本企業による対アフリカ投資を後押しし、中国や韓国に対する出遅れを挽回する。海外投資を呼び込むことでアフリカ経済を成長へと導く。これこそ理想的な「ウィン・ウィン」だと。

果たして本当にそうなのか。

公開書簡に話を戻そう。モザンビークの農民組織やNGO団体により起草された「公開書簡」を安倍首相に渡すという重任を託され来日したのは3人。(後略)」
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# by africa_class | 2013-06-03 23:41 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

Media coverage:English Article on ProSAVANA and people's protest

FYI

English articles on the ProSavana programme and people's protest.
=>http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html

1. The Japan Times(KYODO MAY 31, 2013)
"Mozambique farmers seek halt to aid project"->http://www.japantimes.co.jp/news/2013/05/31/national/mozambique-farmers-seek-halt-to-aid-project/#.UagW7tKpVSQ

"Farmers in Mozambique are calling on the governments of Japan, Brazil and Mozambique to halt a project aimed at supporting agricultural development there, saying it will result in land grabs.
Members of the National Peasants Union, known as UNAC, which represents peasants across Mozambique, and representatives of international nongovernmental organizations issued an open letter Wednesday that the ProSavana program is designed to facilitate foreign investment and will jeopardize the local production system based on family-run agriculture.”

Originaly published at the following site:
->http://english.kyodonews.jp/news/2013/05/227493.html

Previous article also postedon the Japan Times, but only depend on the information provided by JICA. The name of the biggest farmers association in Mozambique who came to Japan to share their protest with the Japanese public was not mentioned, nor interviewed even by e-mail....It's clear that the problem wasn't rooted in "misunderstanding". Please read the above or following article.

"TICAD to redefine Japan aid to Africa:Decades-long economic slump means Tokyo has to change tack" BY JUN HONGO
->http://www.japantimes.co.jp/news/2013/05/09/national/ticad-to-redefine-japan-aid-to-africa/#.UahSotKpVSQ

"In February, farmers from Mozambique visited Japan and held news conferences to express concern over Tokyo’s assistance to the region. Some claimed that they feared losing their source of income once their land is used for massive production projects to generate global exports.
“There is some misunderstanding that needs to be resolved,” Sakaguchi said, explaining that projects like ProSavana will proceed with the utmost care for local farmers."

2. Kyodo News (June 3)
"Concern mounts over agriculture development plan in Mozambique"
->http://english.kyodonews.jp/news/2013/06/228382.html

YOKOHAMA, June 3 Kyodo - While Japan advocated investment and private sector-led growth in Africa at a just-ended conference on the region's development, concern mounted among civil society groups that an agriculture project in Mozambique, which Tokyo is pushing through as one of its key projects in Africa, may end up depriving local farmers of their land.

"Small farmers are really concerned about the project," Augusto Mafigo, president of Mozambique's National Peasants' Union known as UNAC, said in an interview with Kyodo News.

The program dubbed "ProSavana," which is promoted by the Japanese, Brazilian and Mozambican governments, eyes developing a vast area of intact savanna in northern Mozambique, encompassing more than 10 million hectares of land in three provinces.
(..)

3. Japan Today (June 3)
"At TICAD, clumsy diplomacy mars controversial Japanese aid project in Mozambique"
By Dreux Richard
->http://www.japantoday.com/category/politics/view/at-ticad-clumsy-diplomacy-mars-controversial-japanese-aid-project-in-mozambique

"At TICAD, clumsy diplomacy mars controversial Japanese aid project in Mozambique"
http://www.japantoday.com/category/politics/view/at-ticad-clumsy-diplomacy-mars-controversial-japanese-aid-project-in-mozambique

"(...)ProSavana faces opposition from a coalition of Mozambican farmers’ unions and civil society groups who sent their own delegation to TICAD this weekend. They claim that Japan’s aid apparatus, which is financing and implementing much of the project, has failed to solicit adequate community input, and that the project’s details weren’t presented to its supposed beneficiaries until this March, when the coalition requested a meeting with JICA. For coalition member Antonio Muagerene, who has been reading about his home region’s forthcoming fate in newspapers for years, the notion of Japanese aid agencies treating his nation’s farmland like a jigsaw puzzle is unnerving. “These are our lives you’re talking about,” he said on Sunday."

Muagerene, a civil society organizer in one of the Mozambican provinces targeted by ProSavana, takes personally the suggestion that Mozambique’s small farms are ineffective by design. At age seven, he purchased his first school supplies with money earned from a modest peanut patch his parents had given him to cultivate. His parents later paid for his college education with their farm’s modest revenues. He points out that some of the rhetoric underlying the ProSavana sales pitch is schizophrenic: aid donors seem fond of mentioning that Mozambique’s farms aren’t productive enough to feed the nation, but the ProSavana plan would encourage the cultivation of commodity export crops, very few of which would be sold by Mozambican companies or consumed within the country.
(...)

On Sunday, I spoke with a member of Malawi’s delegation to TICAD, who asked that his name be withheld because he had not been authorized to comment on ProSavana. “Given what we’ve learned in Malawi, to even consider the implementation of this plan in its current, corporatized form is profoundly naive. It has nothing to do with food security in Mozambique and everything to do with the end of cheap land in Brazil; agriculture companies need a new source of cheap land to exploit.” he said.

Muagerene says the farmers’ coalition isn’t trying to prevent the implementation of ProSavana or discourage investment, but to create an adequate space for community input and the discussion of potential consequences. (...)"
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# by africa_class | 2013-06-03 23:39 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

モザンビーク:世界最悪(2番目)の人間開発指数(しかも悪化)の報じられない現実(含権威主義化)

今日本は俄か「モザンビーク・ブーム」。猫も杓子もモザンビーク状態。もちろん、過去20年にわたりこの国に寄り添ってきた私としては本来は嬉しいことです。しかし、彼らがみているモザンビークは「資源の大国」「土地の余っている国」「眠れる国」「政府が頑張っている国」・・・・等々。

宣伝に踊る文字は、「貧困だけど経済成長率が年率7%の資源大国」「知られざる可能性」。

その最中で人びとが直面している課題・・・に触れる人はほとんどいない。知らないのかな?知らないで、巨額の投資とか税金を使った援助とかするもんだろうか・・・。

あるいは、調べもせず知ろうともしないで、思い込みで処方箋が描かれている。
つまり、「貧困」という言葉は踊るが、「支援や投資がないから貧困のまま」という論理。

どこの誰が、何に基づいてそんな分析したのでしょうか?
少なくとも、モザンビークについて研究してきた人でそんな分析をしている人・・・私は知らない。
むしろ、モザンビーク人研究者、あるいはモザンビークについて長年研究してきた人々の大体の理解は、モザンビークが不平等・格差を広げていっており、政治状況も悪い方向へいっているということ。或る意味で、「資源の呪い」に向かっていっていると考える人の方が多い。

ここ数年、この国で悪化するガバナンスや民主化の停滞の問題、人びとの不満、繰り返されるストライキに、小規模ながら暴力衝突、切れ目なく流入する投資の一方での、悪化する人間開発指数。しかも、それは世界最悪のニジェール、コンゴ民主共和国の次、つまり世界で下から2番目!!!

という現実については、日本政府も、JICAも、日本のメディアも報じない。
NHKクローズアップ現代の見せた絵を思い出していただければ。
「援助が足りない」「投資が足りない」・・・・だけで、それは中国と対抗して日本がやってあげればいい。

まさか、貧困と不平等を現在の投資自身が創り出しているとは、1%でも示さなくてよいようで・・・。
先月同国を訪れた国連の「極度の貧困と人権ラポター」のMagdalena Sepúvedaが、「モザンビークで貧困が悪化している」と発表したことについて、知る由もなく、とにかくモザンビークは経済成長しているから貧困改善している・・・と?

「モザンビークで悪化する貧困」(2013年4月17日マプート)
http://www.clubofmozambique.com/pt/sectionnews.php?secao=economia&id=25048&tipo=one

これは、おそらくモザンビークという国との付き合いがあまりに日浅くて表面的なことしか知らないからということもあるだろうし、「よい話」にばかりフォーカスして宣伝したがる日本政府やJICAの傾向が出ているということもあるのでしょう。

いや、貧困を「国全体の経済成長やGDP」でしかみようとしていないことからくるんでしょうか?私の立場からすると、人間開発指数も十分一面的ですが、それでもこれほど悪い結果となっています。

いや、そもそも以上の記事のように公用語がポルトガル語であるために、なかなか実際のところを知ることができないという問題もあるんでしょう。

また、モザンビークと深く付き合う日本の関係者があまりに少なすぎることもあるでしょう。日本に二人しかいないモザンビーク研究者の古い方である私の怠慢のせいでもある。一般的なことを書いてこなかったから。なので、反省すべきは私・・・自身でもある。

なので、連日寝て無すぎるのですが一応これだけはお伝えしておきたいと思います。是非、広めてください。土地紛争の問題は書いてきたので省略。

■知られざるFACT No.1 世界で三番目に悪い人間開発指数
2013年の人間開発報告書(国連開発計画UNDP)によると、モザンビークの人間開発指数は世界最下位から2番目の185番!
http://hdr.undp.org/en/media/HDR_2013_EN_complete.pdf

【最悪】ニジェール、、コンゴ民主共和国
【2番目に最悪】モザンビーク

■知られざるFACT No.2 過去5年間の投資額は急増
この間、モザンビークには、世界でももっとも急速に投資額を増やしてきた。過去5年は特に凄まじい状態。ということで、明らかに投資が足りないせいではなく、「富の分配」が不平等状態にあるから。

ごく一部にしか恩恵が届いておらず、大多数の生活が改善していない。

■知られざるFACT No.3 実は人間開発指数のランクは2011年版より悪化
メガ投資プロジェクトの流入の一方で、モザンビークは人間開発指数を悪化させています。2011年より2013年版では世界ランクを1つ下げています。(2011年版では185番だった)。
http://hdr.undp.org/en/media/HDR_2011_EN_Tables.pdf

■知られざるFACT No. 4 2010年、アラブの春に先駆けて首都で若者による大規模暴動発生
10名が死傷。

■知られざるFACT No. 5 2010年に「民主政国リスト」から外され、「選挙権威主義国」に
カタチばかりの民主主義と名指しで批判される国に・・・。

■知られざるFACT No. 6 不安定化する「安定」
今年より最大野党で元紛争当事者である元反政府武装勢力RENAMOが、元々の拠点の中部の元軍事基地に籠って、先月警察とビジネスマンを襲撃、死傷者が発生。

さすがに眠いので、後は日本国際政治学会に出した論文の冒頭を共有しておきます。次の学会ジャーナルで掲載される予定です。

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『国際政治』(日本国際政治学会出版物)

モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題
―2009年選挙を中心にー

(前略)本稿は、和平合意から21年、初の複数政党制選挙から19年を迎え、これまで紛争後の国家建設において国際的に高い評価を受けてきたモザンビークを事例として取り上げ、2009年選挙以来後退した民主化の現状とその背景を明らかにし、同国の平和構築の課題を検討するものである。本稿では、第一節で民主化・安定・開発に関する評価を示した上で、2009年以降の変化を紹介する。第二節で2009年選挙にみられる与党圧勝の実態を示すとともに、第三節ではその背景を市民社会並びに野党の取り込みとの関係で明らかにする。最後に、以上を踏まえ、これを世界的な現象の中で考察し問題提起を行う。
(略)
(2)民主化に関する評価の変化と2009年選挙
民主化と安定、開発のすべてで、国際的に肯定的な評価を得てきた戦後のモザンビークであるが、ここ数年、民主化の評価に後退傾向がみられる。フリーダムハウスは、2009年に同国の「政治的権利」を4に下げるとともに、2010年には「選挙民主政リスト」から除外した。同リストには、紛争経験のあるリベリアなど116か国が含まれているだけに、この転落は目立ったものとなっている。また、先述のポリティ・スコアもモザンビークの評価を1つ下げ、同国は「開放アノクラシー」に分類されるに至った。さらに、政権与党FRELIMO(Frente de Libertação Nacional de Moçambique:モザンビーク解放戦線)の一党支配の進行について警鐘を鳴らす論文が発表され(Manning 2010)、世界的に注目を集めた。一体、モザンビークで何が起こっているのだろうか。
(後略)

全文は近日発刊の『国際政治』をご覧ください。
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# by africa_class | 2013-06-02 00:42 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

モザンビーク農民・地域・市民・宗教23団体が3国首脳宛「プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡」

すでに共同通信から流れていますが、5月28日付で、プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡が出されています。詳細は後で書きますが、モザンビークの主要農民組織のほとんどすべて、北部地域の宗教や地域、市民社会組織の多く、23団体が署名しています。国際署名もブラジル・日本を含め42団体が賛同署名中。

このこと知っててNHKクローズアップ現代のあの番組です。当事者が来日中、しかも彼らの訴えの映像もあったのに、まあそういう番組でしかないといえばそれまでですが!以下、どうぞ。
■NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)
http://afriqclass.exblog.jp/17873533/

■共同通信 記事(2013年5月29日、横浜)
「モザンビーク人農民らは農業事業の停止を呼びかける」
http://english.kyodonews.jp/news/2013/05/227493.html
"Mozambican farmers call for halting agriculture project"
YOKOHAMA, May 29, Kyodo
■The Japan Times (2013年5月31日、再配信)
以上の記事が全文読めます。
http://www.japantimes.co.jp/news/2013/05/31/national/mozambique-farmers-seek-halt-to-aid-project/#.UagW7tKpVSQ

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モザンビーク共和国大統領 アルマンド・ゲブーザ閣下
ブラジル共和国大統領 ジルマ・ルセフ閣下
日本国総理大臣 安倍晋三閣下


プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡

アルマンド・ゲブーザ大統領
ジルマ・ルセフ大統領
安倍晋三総理大臣

モザンビーク共和国政府は、ブラジル連邦共和国政府並びに日本国政府との協力の下、2011年4月にプロサバンナ事業を開始しました。当該事業は、三か国の政府による三角協力で、モザンビーク北部のナカラ回廊の熱帯サバンナにおける農業開発を促進するためのものであるといいます。
プロサバンナ事業の導入並びに実施の計画は、貧困との闘いを優先する必然性、そして我々の国の経済的・社会的・文化的発展の促進に向けた国民的及び人間的要求に根差したものとされています。
これは、モザンビーク政府が、IDE(外国直接投資)を誘引する政策を正当化する際、あるいは鉱物資源開発・天然ガス・モノカルチャー植林・一次産品生産のためのアグリビジネスの大きな投資事業を導入する際に、選択してきた主要な言説です。
我々農民男女、ナカラ回廊沿いのコミュニティに暮らす家族、モザンビークの宗教組織並びに市民社会組織は、貧困との闘い並びに主権や持続可能な発展促進の重要性と緊急性を認識し、プロサバンナ事業に関する我々の懸念と提案を表明するべき決定的な時機にあると確信しています。
プロサバンナ事業は、モザンビークの法律の基本的要件並びに原則の一つであるべき「環境インパクトアセスメント調査」を議論し承認することなく、そして実施することもないまま、すでに「クイック・インパクト・プロジェクト」の一部(*融資)を通じて実施されています。「同アセスメント調査」では、本来、このような規模の事業の導入は、カテゴリーAと分類されるべきものです。
プロサバンナ事業の広がりと大きさは、憲法で我々に保障された情報・協議・参加へのアクセス権の行使という点において、法律を遵守しておらず、民主的で透明で幅広く深い公衆(農民男女、家族、民衆)との討論を欠いており、さらには我々の生活に直接影響を及ぼす社会・経済・環境上の諸権利に関わる事柄についてのインフォームドコンセントの不在に特徴づけられています。
我々は、2012年9月以来、モザンビーク社会の多様なセクターとともに、広範な討論と集会を実施して参りました。我々がアクセスできた複数の関連文書によると、プロサバンナ事業は、モザンビーク、ブラジル、日本政府による巨大事業で、ニアサ州・ナンプーラ州・ザンベジア州内19郡の1450万ヘクタールを対象とし、ナカラ回廊沿いの熱帯サバンナにおいて農業開発を行うためのものといいます。
この事業が対象とする郡のコミュニティレベルでのいくつもの討論、あるいはモザンビーク政府、ブラジルと日本の外交上の代表者ら、両国政府の国際協力機関(ブラジル協力庁ABC、国際協力機構JICA)との議論の後、我々は、限られた情報やアクセスできた文書の中ですら、深刻な情報の食い違いや内在的な矛盾があることに気づかされました。同様に、事業の設計上の欠陥が根拠をもって確認されるとともに、「協議、住民参加プロセス」と呼ばれるものが不正に満ちていること、現在地域にあるコミュニティが土地強奪(ランド・グラビング)や強制的な移転の脅威に晒されている実態も明らかになりました。
モザンビーク大統領閣下、ブラジル大統領閣下、日本国総理大臣閣下、国際協力は、より公正で連帯に基づく世界の形成を目的とし、人びとの利益や願望を下支えするものでなくてはなりません。しかしながら、プロサバンナ事業はこれらの原則に反しており、かつその実行者らは、この国の農業開発に直結する問いをオープンな形で議論しようという意欲をまったく、あるいはほとんど示してはおりません。
アルマンド・ゲブーザ大統領閣下、何百万人ものモザンビーク人男女とともに、閣下がその青年期の大部分を、植民地支配から人びととその土地を解放するために闘ってきたことを想い起こしたいと思います。その困難な時代から農民たちは土地にしっかり根差してモザンビーク国民のための食料を生産してきました。そして戦争の破片にまみれた国を、誰もがこの解放された大地の子であることを感じることができるように公正で連帯に基づいて独立した社会へとするために尽力してきました。
ゲブーザ大統領閣下、モザンビーク人の8割は家族農業を生業としており、食料生産の9割以上を担っています。プロサバンナ事業は、多国籍企業が入ってくる上で最良の条件を整えるための道具となっています。そしてそれは、不可避的に家族農家の自治を困難にし、小農の生産システムを壊し、土地なし家族を生み出し、食料安全保障を揺るがし、我々が国として独立したことの最大の成果を失ってしまうことにつながります。
ジルマ・ルセフ大統領閣下、モザンビークとブラジルの民衆の連帯は独立闘争の困難な時期に始まっており、それはモザンビークが経験した16年の戦争の間とその後の再建期にわたっています。他ならぬジルマ大統領閣下自身が、ブラジルの軍事独裁による抑圧の犠牲者であり、自由の価値を御存知です。現在もブラジルで作られる3分の2の食料は、ブラジル政府がプロサバンナ事業によってモザンビークに輸出しようとしている企業によってではなく、小農男女によってつくられています。
ジルマ・ルセフ大統領閣下、モザンビーク小農が支持し生産のインセンティブとする「モザンビーク食料取得計画(Programa de Aquisição de Alimentos de Moçambique)」を、ブラジル政府がないがしろにすることを正当化できるでしょうか。受け入れがたい結論ですが、プロサバンナ事業によって促進される全ての融資、物資、人的資源は、全てアグリビジネスの発展のために注がれるのではありませんか。国民同士の連帯を促進しなければならないブラジル、モザンビーク、日本の国際協力が、不透明な商業的取引き促進の道具となり、モザンビーク国民の食料生産を担っているコミュニティの土地を奪うことを正当化できるのでしょうか。
安倍晋三総理大臣閣下、日本はJICAを通じて、我々の国の農業やその他のセクターの開発に貢献してきました。しかし、我々は、現在の日本政府のモザンビークに対する農業分野の協力は承認いたしません。日本は、ナカラ港から農産物を流すことを可能とするためナカラ回廊の巨大インフラ設備に投資していますが、プロサバンナ事業に対する財政的・人的な支援についても同様に、日本は小農による農業にこそ集中的にコミットすべきであると我々は考えます。なぜなら、唯一小農農業こそが、モザンビークの人びとのため必要な量の適切な食料を生産することができ、それによって持続可能な開発が促進されると理解するからです。
モザンビーク、ブラジル、日本の国民の立派な代表者の皆さん、我々はグローバルに天然資源を収奪し、支配しようとする多国籍企業や巨大金融組織の拡張と増幅する要求によって特徴づけられた時代に生きています。それらは、我々を商品に替え、ビジネスチャンスと見なしています。
閣下殿。以上に基づき、我々モザンビークの農民男女、ナカラ回廊沿いの農村コミュニティに暮らす家族、宗教組織、市民社会組織は、次の点について緊急に非難し、拒絶いたします。
情報の操作(manipulation)、プロサバンナ事業に反対し、農業部門の持続可能な発展のための代替案を提案するコミュニティや市民社会組織に対する脅迫
ブラジルや日本や国内の企業だけでなく、他国の企業を含む、ローカル・コミュニティの土地強奪への差し迫ったプロセス
プロサバンナ事業の基礎を、家族経営農業による生産システムを破壊し、農民男女を巨大多国籍企業や国際金融機関による排他的にコントロールされた生産プロセスに統合することを企図する、輸出のためのモノカルチャー生産(とうもろこし、大豆、キャッサバ、綿花、サトウキビ等)に基づいた生産や生産性の増大に置くこと
モザンビークのために、深刻な内部矛盾を生み出したブラジル農業開発のモデルを輸入すること
以上に提示された非難に対し、我々モザンビークの農民男女、ナカラ回廊沿いコミュニティの家族、宗教組織、市民社会組織は、それぞれの国民によって付与された正当なる代表者としてのモザンビーク大統領閣下、ブラジル大統領閣下、日本総理大臣閣下の資格において、小農家族に無責任でネガティブな影響をもたらしうるプロサバンナ事業の介入に対し、緊急手段を採るよう、火急の介入をお願いし、これを求めます。無責任でネガティブな影響とは、具体的には次のようなものです。
土地の収奪や住民移転の結果として、モザンビークにおいて「土地なしコミュニティや家族」が生じること
ナカラ回廊沿いにおける社会の激変や社会環境をめぐる紛争の頻発
加えて、農村コミュニティの家族の悲惨さの拡大や深化、あるいは生存や自給のための代替案の減少
小農家族生産システムの破壊と、その結果生じる食料問題
農薬、化学肥料などの過剰あるいはコントロールされない利用による農業エコシステム、土壌、水資源の汚染
アグリビジネスによるメガプロジェクトのための広大な森林の伐採と、その結果としてのエコロジーバランスの崩壊
我々、本公開書簡に署名する農民男女、ナカラ回廊コミュニティの家族、国の宗教組織や市民社会組織は、プロサバンナ事業が設計され、我々の国のコミュニティや大地に導入されつつある手法に対し、憤りと拒絶の意を公的に表明します。
我々は、生産システムに基礎をおいた農業の発展を守るのであって、生産物を守るのではありません。家族農業による生産は、経済的な側面を超え、地理的な空間、社会的・人類学的次元を含むものであり、これらは人類の歴史において持続可能であることが明らかにされてきたものであります。
本公開書簡に署名した社会運動諸組織は、政府や国家の長としての責務において、モザンビーク、ブラジル、日本の国民の代表として、アルマンド・ゲブーザ大統領閣下、ジルマ・ルセフ大統領閣下、安倍晋三総理大臣閣下に対し、次のことを要求します。
プロサバンナ事業のためナカラ回廊熱帯サバンナで実施されている全てのプロジェクトやアクションを即時停止するため、必要な全ての処置を命ずること
モザンビーク政府は、モザンビークの全てのセクターの人びと、とりわけ農民男女、農村住民、回廊沿いコミュニティ、宗教組織、市民社会組織が、彼らの現実のニーズ、願望、優先順位、主権発展のためのアジェンダを決めることを目的とし、これらの幅広い層の人びととの公的な対話の積み重ねのための民主的でインクルーシブなメカニズムを確立することを命ずること
プロサバンナ事業のために割り当てられた人的資源や資金の全てを、持続可能な「家族農業支援国家計画」の制定と実施に再配すること。同計画は、1600万人以上もの農業を生活の糧とするモザンビーク人の食料主権を支援し保証するため、25年間にわたり、全モザンビーク共和国の農民家族らから擁護されてきました
 モザンビーク政府は、適切な食事の促進や飢えの改善の持続可能な唯一の解決法として食料主権、環境保全型農業、アグロエコロジーを優先させること
モザンビーク政府は、小農農業への支援を中心に据えた農業セクターのための政策を採択すること。具体的には、農村金融、農業エクステンションサービス、灌漑システム、在来種や気候変動に強い種の評価、農道、農作物の市場化のための支援とインセンティブのための政策へのアクセスです
以上の声明に基づき、モザンビークの農民男女、ナカラ回廊コミュニティの家族、宗教組織、市民社会組織は、三か国間の協力が、民衆の真の利益と願望に基づいたものとなること、そしてこの協力がより公正で連帯に基づく社会の創造を促すことに役立つものになることを求めます。我々は、全てのモザンビーク人男女が、子どもたちが大地を身近に感じることができ、共に集い、その主権が国民の下に発現し存在する国家の建設に従事するといった、より良く実行可能なモザンビークを夢見ます。

マプート 2013年5月28日


署名団体(モザンビーク)
1.Acção Académica para o Desenvolvimento das Comunidades Rurais (ADECRU)
2.Associação de Apoio e Assistência Jurídica as Comunidades (AAAJC) -Tete
3.Associação Nacional de Extensão Rural (AENA)
4.Associação de Cooperação para o Desenvolvimento (ACOORD)
5.AKILIZETHO-Nampula
6.Caritas Diocesana de Lichinga-Niassa
7.Conselho Cristão de Moçambique (CCM)- Niassa
8.ESTAMOS – Organização Comunitária
9.FACILIDADE-Nampula
10.Justiça Ambiental/Friends of The Earth Mozambique
11.Fórum Mulher
12.Fórum das Organizações Não Governamentais do Niassa (FONAGNI)
13.Fórum Terra-Nampula
14.Fórum das Organizações Não Governamentais de Gaza (FONG)
15.Kulima
16.Liga Moçambicana de Direitos Humanos-LDH
17.Livaningo
18.Organização para Desenvolvimento Sustentável (OLIPA-ODES)
19.Organização Rural de Ajuda Mútua (ORAM)-Delegação de Nampula
20.Organização Rural de Ajuda Mútua (ORAM)- Delegação de Lichinga-Niassa
21.Plataforma Provincial da Sociedade Civil de Nampula
22.Rede de Organizações para o Ambiente e Desenvolvimento Sustentável (ROADS) Niassa
23.União Nacional de Camponeses-UNA
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# by africa_class | 2013-05-31 11:20 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)

今NHKのクローズアップ現代の番組みていますが凄いですね。あまりに「政府広報」になっていて(分かりやすすぎる!)、驚き。明日も国際学会なので、あまり時間がないのですがあまりに酷かったので、データを示しておきますね。

と書いているうちに、番組FBで批判の投稿が次々に。なるほどな意見ばかり。この問題を語る際に、「専門家であること」は、実は邪魔なことなんだなあと至極納得。普通にちゃんと暮らしている人の感覚、今更ながら重要だと思う。だからマフィゴさんたちの訴えが分かる。「雇用されてなくても、お金がなくても、道具がなくても、土地さえあれば明日飢えることはない」・・・そのことの凄さ。東京でそんなこと言えないですよね?私たちの方が貧しいのではないのか…コンビニに並ぶ大豆食品のために、モザンビークの農民から土地を奪いたい?体制が流布したい『良い話の裏」を嗅ぎ取るセンスこそ、311後の日本の市民のリテラシーに不可欠なこと。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=262262733915250&set=a.190528451088679.49621.189455884529269&type=1

やはり、命を掛けて声を上げている人達の生の声に接することをおススメしたいと思います。
6月2日TICAD公式サイドイベント「食料をめぐる世界の動きとアフリカ~プロサバンナからみえるもの」
http://afriqclass.exblog.jp/17840090/

だって、①自分の利益になることに一生懸命な人達と、②脅迫を受けてまで抗議する人達を比べた時に、両方耳を傾けるのは大前提としても、②に何か重大で深刻な現実が隠されているというのは一目瞭然なわけですから。ぜひ、どうぞ。

そして、問題のこの番組・・・・。
プロサバンナがどう以前に、全体のトーンがそもそも凄かった。

NHK:ク ローズアップ現代「アフリカの成長をとりこめ “チーム ジャ パン”の新戦略」日時:平成25年5月30日19:30~19:56 (再放送:6月1日 12:10~)番 組: 「クローズアップ現代」http://www.nhk.or.jp/gendai/

「中国に対抗するため、モザンビーク北部は日本のため何ができるか」・・・の話ばかり。
「男たちのプロジェクトX:中国に勝つために日本がモザンビークを使い、オールジャパンで頑張るべきこと!」

といった趣向。うーん、学生で騙される子いそうな趣向ですね。

それにしてもプロサバンナ事業を推進したい日本の本音が、あまりに露骨に出ており、かつそれが私が論文で分析していたとおり(中国へのライバル心)なので、思わず膝を打ちました。(現実には、モザンビークの人びとのためには良くないことで・・外れてくれていたほうが良かったのですが。)

特に問題なのは、
「大規模大豆農場への投資」「大豆で儲けた農民」だけを映像として出している!へ???
まさにこの地域(ナカラ回廊沿い)で大豆生産をめぐって起こっている住民とアグリビジネス、住民同士の対立と問題を、全部無視している状態・・・。


彼らがこれを知らなかったわけではありません。勿論、関連記事はあげているのですが、番組が伝えたい「一面的な成功」の色で染めるには、邪魔(「不都合な事実」)だったようですね。

知らなかったわけではなく、映像がなかったわけでもなく、あえて恣意的に報じなかった。そのことがもたらす、現地農民たちへの悪影響を考えると、本当に罪深いです。

そもそも、この取材班、2月に来日したUNAC(全国農民組織)にインタビュー取材をし、さらに現地で行なわれた農民組織のプロサバンナ事業に関する抗議集会の取材もしているのに?報道とは、「政府の公式見解」と「異論を唱える人」の両方を、いずれかが少しでも見せるのが「基本のキ」。例え、批判報道であっても、公式見解を紹介するように。まさか、政府広報だけをするとは?!今この瞬間、我々の援助事業のせいで現地で大問題になっていることを、知っていて、全く問題がないように報じるとは。まあ、原発事故報道をみてると勿論、この前提が如何に日本の文脈では軽視されているのかははっきりしていますが。またしても、その証左が一つ増えてしまいました。

問題があるのはマダガスカルの資源開発のみで、モザンビークの方は「万歳」という結論が、既にオカシイ。そもそも、資源開発の問題を対比させるのであれば、「モザンビークでも生じていることであるが」ぐらいは入れてもよかったと思います。(なお、マダガスカルもまたあのクーデーターは、韓国に農地の大半をリースするという情報によって起こされたものであることを考えると、どちらか一方の事例だけを深く掘れば良い番組になったはずでしたね。マダガスカル部分はしかし、それはそれでちゃんとした番組だtったと思います)

さて、モザンビークの報道の仕方の問題。
番組の冒頭で、モザンビークのナカラ回廊プロジェクトは、内陸部の鉱物資源開発も含めて示されていたのですから。ましてや、マダガスカルと同様の問題がモザンビークの鉱物資源開発地でも生じている(住民の抗議、住民のデモ、道路封鎖、警察の弾圧による負傷者)のに、モザンビークは「バラ色一色」。。。

取材班は勿論このことを知っていました。BBC等の報道もフォローしている。なのに?謎ですね。いや、最初からこうだった・・・とおっしゃらず。クローズアップ現代は時によい番組も作っているのです。

なので、是非制作者たちにもよ~く考えてほしいところ。
さて、番組で語られなかったことの数々をデータをもって紹介しましょう。

(1)ナカラ回廊沿いに暮らす農民や農民組織が、メガ投資によって現在直面している土地強奪による土地紛争や生活の不安・質の低下の問題。

<=鉱物資源会社、アグリビジネス、大規模植林企業による土地強奪による農民との衝突・対立、農民の生計手段が成り立たなくなった、、、etc。これらは、昨日のUNACや現地市民社会代表のプレゼンで指摘されていたことですが、ちゃんと現地取材に基づく報道をしている日本メディアもあります。昨日の朝日新聞!

①昨日(30日付)の朝日新聞の記事
・(アフリカはいま)眠れる大地、「緑の実験」 モザンビーク穀倉化計画
←http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201305280673.html
*ちゃんと農民らの抗議についてもカバーされています。
*記事の見出しが…ではありますが(「眠れる大地」と付けるとそこに暮らす人びとや森が・・・)、記事の中身は非常にバランスがとれた良い記事だと思います。

「貧しい農民、強制移転懸念」
(前略)プロサバンナでは、農地として最低でも10ヘクタール以上の耕作面積が必要とされるが、モザンビークでは5ヘクタール以下の畑を持つ小農がほとんど。同国最大の農民組織UNACは、計画が進めば農民が強制的に移転させられるなどの恐れがあると指摘。さらに「農民が計画に全く関与できていない」と批判している。(略)対象地ナミーナの農家。「暮らしは決して楽じゃない。(略)政府は雇用も増えて生活も良くなるというが、違う土地に移転させられてまでは望んでいない。この年では農業以外できない。故郷を奪われるのだけはごめんだ」

「収入激減の例も」
疑心暗鬼になるのは悪い前例があるからだ。北西部テテ州のカテメ。豊富な石炭が周辺に埋蔵されていると分かり、2010年、700世帯以上の農家が40キロ離れた土地に移転を強いられた。最初は拒んでいたが移転を受け入れた農家によると、「農産物も増え収入もよくなる」と説明されたが、「実際に住むと説明とはまったく違っていた。農業に必要な水を引く川も近くにない。畑まで4時間も歩かなくてはならない」(略)収入が激減する農家が続出。去年1月には、500人以上が資源会社が使用する鉄道や道路を封鎖するなどして、逮捕者が出る騒ぎとなった。政府と住民の緊張関係は未だにくすぶる。(後略)

②ブラジル鉱山資源会社Valeと住民の衝突について
・モザンビークで、ブラジル鉱物資源会社Valeの炭鉱道を住民が封鎖、警察が発砲3名負傷
http://afriqclass.exblog.jp/17644029/
*各種報道についても載せていますが、日本語のものがないのでこれを。
・なお同じテテ州に新日鉄住金が4月4日、炭鉱の採掘権を取得し、2016年から操業開始。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130404/biz13040413450009-n1.htm

<=日本企業も既に関与し始めているのです。

(2)大豆ブームで起こっていること
なぜか大豆の大規模農場が無批判に、「よきもの」として紹介・・・されています。しかし、昨日のデブリンさんのプレゼンでも、セルジオさんのプレゼンでもはっきり示されたことなんですが、これは大変問題のある見方です。

ProSAVANA対象地Gurueの北方の森林地帯は、大豆生産のブーム地となっており、次から次へと投資が入り込んでいます。これらのすべてが、ProSAVANAの合意2009年後のものであり、ProSAVANAが大規模投資を呼びかけるプロジェクトとして打ち上げられたために、このような事態になっているわけです。その背後には、事業の中に組み込まれていたNacala Fundというものの存在が関わっています。

その中に、Devlinさんのプレゼンでも紹介されていたHoyoHoyoの事例があります。

①IPS: Mozambican farmers fear foreign land grabs
「モザンビークの農民らは外国による土地強奪に怯える」

(22 February 2013)
http://farmlandgrab.org/post/view/21682

ホヨホヨ HoyoHoyo
ザンベジアに2万ヘクタール、テテ州に8千ヘクタール、
リオマ農場(ザンベジア州・グルエ)に1万ヘクタールの土地
・戦後にリオマ農園を使っていた人びと(使用権が土地法で付与)との間で土地紛争。
・企業は補償と新しい定住地を準備することを約束。
・2012年にホヨホヨが使おうとした3500ヘクタールの内1945ヘクタールに836農民が。
・Delfina Sidonio(3人の子どもの母親)によると、「私は、私の両親から相続した土地から土地から追放された。補償としての680ドルと新しく耕せる土地と 交換に。1年前に追放されてから、約束された額の4分1しか払われず、新しい耕作地についての情報も来ていない。」
・Ruaceのエルネスト・エリアスは、「我々の生活はすべて土地にある。土地は我々に食べ物とサプライを与える・・・我々のライフスタイル を」と小農協会フォーラムのメンバーは述べた。

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去年撮った写真。
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分かりづらいですが・・・とにかく広大!ウクライナでも広大な農地を取得したチェコの富豪とポルトガル貴族の会社・・・。

②モザンビーク大統領も土地取得=ビジネス(利権)
そしてモザンビーク大統領関連企業+ポルトガルで最も裕福なAmorinグループ+ブラジルの大豆生産者によるAGROMOZ。去年9月、同じ地域にかなり広大な土地を収用したと報じられていますが、「誰も詳細は分からない」という限りなく不透明な状態です。援助事業に国家の長として同意し、進める立場にある大統領が、このようなプロサバンナ事業を見越して展開している・・・のは、明らかに汚職と関わると思うのですが?

③この地域が大豆生産のターゲットになっている理由ー現地NGOと他ドナーの息の長い援助
肥沃な土地、水資源、現地NGOと北欧政府が汲んだ息の長い支援によって、大豆生産がtake offし始めたからです。8年のトライアル&エラーがあり、これは小規模農民を対象にした支援の成功例でした。このおばさんも、その援助の結果の可能性あり。(あたかもJICAが始めたかのような印象をあちこちでばら撒いているのは大問題)。しかし、HoyoHoyoの例が典型ですが、このように小農が生産地を拡大しようとし始めた矢先に、プロサバンナ事業の調印後、この土地を狙ったランドグラブと進出が相次いで、これらの大豆生産者と土地を巡る争いが起きているのです。

なので、わざわざ「大規模大豆生産のためのアグリビジネス」を呼ぶ必要などまったくないのに、大前提として「大規模農業と小農の共存」が設定され、それに飛びつく投資が入りつつあるのが、ProSAVANA事業の問題なのです。

④この地域が何故ターゲット?ー森林破壊
水、土壌の他に、これがあります。森林!
ブラジルと同じです。大豆生産の拡大の果てに森林破壊あり。なのになぜかエコロジカルな側面ばかりが強調される(by本郷さん)。そもそも生物多様性保全や地球温暖化防止の時代に、わざわざ多様な生き物が棲む森林を伐採して、一面農地にして「窒素を固定するからエコフレンドリー」的な発言をするセンスが全く理解できません。人はそれほどまでに、生き物に対して失礼で愚かなのですね。

森林地帯・・・当初住民との紛争が想定されていなかった。そして、プロサバンナ事業のマスタープランでも、その点が「Helpful」として書かれています。つまり、森林伐採はこの事業の大前提です。始まる前から、あてこんで大規模な大豆生産が開始されているわけで。

アフリカ学会(2013年5月28日)で紹介した分析スライド
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ゾーニングの概念から。
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広大な森林があることは「役立つ」そう。アグリビジネス進出に。本音が出た。
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そして極め付けはこれ!!!
土地の使用手法の分布を示した地図ですが、フォーカスが「森林」「移動農耕の地域」の分布。観て分かる通り、あらたに加えられた地域(ナカラ回廊沿いですらない)と大豆問題が発生している奥地は森林で覆われ、ナカラ回廊沿いはことごとく農地として使われ、「移動農耕shifting farming」がなされているところ。つまり小農が移動しながら使っている地域。つまり、土地は余っておらず、移動農耕がある限り大規模な土地の収用は不可能。

そこで・・・考えられたのが、何故かいきなり「喫緊の課題として『移動農耕撲滅アクション』」がマスタープランReport 2に出てきます。そして、移動農耕撲滅に同意し、決まった範囲の土地で近代農業を行った農民は、「リーダー」としてDUAT(土地使用権)を与えられ、支援が受けられる・・・とあります。(詳しくは以下の専門家分析で)。

そしてこれもリーク資料。DUATの取得状況です。
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明らかに大半の農民が持っていない。その状態で、慣習法とDUATで守られているはずの農民が、土地を守れない状況が生まれていることが一目瞭然。

ちなみにこの地域の人口密度も出ているのでご覧いただければ、現在いかに彼らが危い状態にいるかだけでなく、人口増加率を考えると将来どのような事態に直面するのか懸念が生まれます。なのに50年リースでどんどん土地を貸している現状!
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しかし、これらの日本の税金によって集められ、税金によって執筆が行われたレポートであるのに、これがリークされ深刻な問題が指摘されると、いきなり「知らない、みてない、関係ない・・・ただのペーパー」と言い逃れしようとする日本の外務省。。。
●じゃあなぜそれに基づいてステークホルダー会議の資料が作られ、発表されるのか?
●じゃあなぜ第4回意見交換会でそれに基づいて日本の市民社会と外務省JICAが議論したのか?
もはや、この発言によりモザンビーク、ブラジル、国際NGOはあまりに唖然としてしまって、「存在するけど存在しないペーパー」。日本のNGOは「私たちの税金で作られた。。。。<<だたの紙?>>」とrunning gagになっている状態。恥ずかしい、、、のは私だけ?

しかも、コンサルの名前も観ての通りばっちり出ている。モザンビーク政府の名前も。つまり、我々の税金で作られたレポート。その存在を認めないのは…理解が不可能。まあ、公的にということなんでしょうが、あそこまで否定すると国際的信用を明らかに失う。だって目の前にそれはあり、彼らが出席した3月のステークホルダーとうり二つの内容でかつJICAもそれを認めているのですから(第3回会議)。こうやって、またしても、日本外交は「当事者を前に、非礼外交」を繰り広げてしまったのでした。

さてこの力作のレポートNo1はおそらく日本コンサルの作ったもの。No2はブラジルのコンサルが作ったもの。が、三画協力なんで連帯責任。連名だし。そもそも、以上のようにNo1で示されたモザンビーク北部の社会環境の状況は、明らかに一つの現実を示しています。

つまり、
●小農支援が本当の目的ならば、モザンビーク北部に余っている土地はない。(移動農耕、人口過密、近い将来のさらなる過密)
●小農の権利を守るための土地法はDUATの取得がほとんどない中で、使用実績と慣習法だけが根拠となるが、移動農耕が禁じられる(撲滅アクション)中で、かつ政府を率いる大統領自身が投資目的で広大な土地収用を行う現実で、守られない。
●残っているのは森林地帯だけである。それを本当に援助で奨励するのか?


(4)「善い話」の裏の根深い構造~マスタープラン案の分析から
プロサバンナ事業が、実態としてはこのような話ではないことについて、以下のリークされたマスタープラン中間報告(Report 1とReport2)を読んで行われた分析結果をご覧いただければ。

①【国際共同声明】プロサバンナ事業プランは最悪シナリオ露呈~市民社会は大規模土地収奪への秘密計画を警告
http://afriqclass.exblog.jp/17723137/

②第四回ProSAVANA事業に関するNGO・外務省意見交換会
ProSAVANA マスタープラン暫定案(Report No.2, March 2013)専門家による分析と問題提起「総合的問題  当事者不在で正当性に欠けるマスタープラン
~小農に犠牲を強いる構造とQIP(Quick Impact Project)の問題」
http://afriqclass.exblog.jp/17776607/

<=そこにアグリビジネスの野望が色濃く反映されています。詳細はリーク報告書を。
(*Report1と 2はGRAINのサイトでダウンロード可能な状態です。)
http://www.grain.org/e/4703

(3)でも紹介した森林がターゲットであることについては、このスライドでも一目瞭然。青西さんの分析から。
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# by africa_class | 2013-05-31 02:52 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

国際赤十字委員会TICADサイドイベント「人道危機への挑戦 ~紛争と災害に翻弄されるアフリカ」出ます

以下、パネリストとして出ます。よければお申込み下さい。

TICAD V公式サイドイベント
人道危機への挑戦
~紛争と災害に翻弄されるアフリカの取り組みを助ける~

http://www.jrc.or.jp/ICRC/japan/event/515.html

6月1日(土) -3日(月)、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)が開催されます。同会議の公式サイドイベントとして、ICRCはパネリストを招き、「人道危機への挑戦~紛争と災害に翻弄されるアフリカの取り組みを助ける~」をテーマに、以下の通りシンポジウムを実施します。現在アフリカが直面している紛争及び災害による人道危機に焦点を当てつつ、「平和と安定」に寄与した事例や、アフリカにおける平和の定着が持続可能な開発に付与すること、また、アフリカ諸国が自らのイニシアティブにより紛争や災害に対応していこうとする取り組みを紹介します。国際社会及び人道支援機関は、アフリカの自立をどう支援できるのか。有識者やメディア関係者とともに考えます。みなさまのご来場をお待ちしております。

TICAD V 公式サイドイベント:
「人道危機への挑戦~紛争と災害に翻弄されるアフリカの取り組みを助ける~」

日時: 6月2日(日) 15:00-16:30
会場: パシフィコ横浜・アネックスホール B会場(F201)
言語: 英語/日本語(同時通訳あり)

登壇者:
・オラビシ・ダレ アフリカ連合委員会(AUC)人道問題担当課長
・舩田クラーセンさやか 東京外国語大学准教授
・オリヴィエ・ヴォド ICRC副総裁 兼 昭憲皇太后基金合同管理委員会委員長
・ヴィンセント・ニコ ICRC駐日代表
ファシリテーター: 脇阪紀行 朝日新聞論説委員


お申込方法: 
参加申込書にご記入の上5月30日(木)まで、以下宛先までご送付ください。
icrc.symposium@gmail.com 
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# by africa_class | 2013-05-25 23:39 | 【記録】講演・研究会・原稿

【TICADサイドイベント】6月2日12時半「食料をめぐる世界の動きとアフリカ~プロサバンナからみえるもの」

モザンビーク最大の農民組織(2222組織を束ねる)とプロサバンナ対象地ナンプーラの州市民社会(120組織加盟)のプラットフォーム代表、国際NGO(カナダ)、ブラジルNGOが来日し、プロサバンナ事業の問題を語ります!

■5月29日(水)18時~20時半のPreTICAD 国際シンポジウム
「今、アフリカ農村で何が?~プロサバンナを考える」
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-22.html
①国際シンポジウム 
5月29日(水)18時~22時半@産業貿易センターB102会議室
②市民社会ラウンドテーブル
5月29日(水)13時半~16時@産業貿易センターB102会議室
※16時~17時 記者会見(40分程度)

■TICAD V公式サイドイベント 6月2日(日)12:30~14:00
食料をめぐる世界の動きとアフリカの食料安全保障
〜日本・ブラジル・モザンビークの三角協力/大規模農業開発プロジェクトプロサバンナ事業から見えるもの〜


2008年の食料価格高騰以来、アフリカをはじめ途上国における外国企業・政府による農地取得の動きが加速しています。その多くは、バイオ燃料生産や輸出用農作物を目的としたものであり、地域の人々の食料安全保障への影響について議論を呼んでいます。特にモザンビークでは世界的に見ても数多くの土地取引が報告されています。

当イベントでは、世界の食料エネルギー問題に関して研究され、数多くの著書をお持ちの柴田明夫氏(資源・食糧問題研究所)をお招きし、食料をめぐる世界の動向についてお話いただくとともに、日本ブラジル援助によりモザンビークにおいて現在進行中の大規模農業開発プロサバンナ事業計画に対する問題提起などについて、現地農民団体ならびに市民社会代表より、報告を受けます。

プロサバンナ事業を事例に世界の食料をめぐる問題、農業支援ならびに投資のあり方を考えます。

◎日時:2013年6月2日(日) 12:30-14:00
◎場所:パシフィコ横浜アネックスホール B会場
アクセス:横浜高速鉄道みなとみらい線「みなとみらい」駅より徒歩3分、
      JR/横浜市営地下鉄「桜木町」駅より徒歩12分
      http://www.pacifico.co.jp/visitor/accessmap.html
◎プログラム: (※英日同時通訳あり)

第1部 【基調講演】 柴田明夫氏 (資源・食糧問題研究所) 
「食料をめぐる世界の動きについて」 

第2部 【プロサバンナ事業に関する報告と問題提起】
「モザンビーク農民の声と現地市民社会からの報告」
アウグスト・マフィゴ(モザンビーク全国農民連盟UNAC代表)
ヴィセンテ・アドリアーノ(UNACアドボカシー・国際連携担当)
アントニオ・ムアジェレネ(モザンビーク・ナンプーラ市民社会プラットフォーム代表)

第3部 【質疑応答】

主催:(特活)オックスファム・ジャパン、(特活)ハンガー・フリー・ワールド
(特活)アフリカ日本協議会、(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)

お申し込み:件名「6月2日TICAD Vサイドイベント申込み」とし、お名前/ご所属/ご連絡先をメールにて grow(@)oxfam.jp までお送りください。

お問い合わせ:(特活)オックスファム・ジャパン 
03-3834-1556 (担当:森下)

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# by africa_class | 2013-05-25 01:36 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

G8土地取引の透明性向上イニシアティブへの国際市民社会非難声明(ProSAVANAもターゲットとのこと)



ドイツからG8による「土地のトランス パーレンシーイニシアティブ」に関する声明をが届きました。
FIAN is an international human rights organization that has been advocating the realization of the right to food for 25 years. FIAN consists of national sections and individual members in over 50 countries around the world. www.fian.org

http://www.fian.org/en/news/article/detail/fian-calls-upon-g8-to-implement-tenure-guidelines/

G8主導の「土地取引に関するトランスパレンシー増大化」イニシアティブへの市民社会の抗議だそ うです。ターゲットには、「G8 New Alliance for Food Security and Nutrition in Africa」とプロサバンナがh含まれているということです。

日本の市民社会からの共同声明への賛同も募集しているそうです。
どなたかこれの軽い訳や紹介などを、 活 動や仕事等の関連でされる方がいらしたらお教え下さい!

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International Statement
G8 should implement the CFS Tenure Guidelines rather than launch a new initiative aimed at increased transparency in land transactions
(15 May 2013)


The G8 is currently discussing an “initiative to increase transparency of land transactions and tenure”, which is to be launched at the G8 summit in June 2013.

We strongly reject and condemn the G8’s proposed transparency initiative for the following
reasons:
• Transparency – and the G8 initiative – will not stop land and resource grabbing
• The G8 has no democratic legitimacy to make decisions about land, food and nutrition
• The G8 initiative on transparency bypasses and undermines the CFS

We therefore call upon the members of the G8 to:
- Abandon all plans to establish the proposed initiative
- Comply with their commitments arising from endorsing the CFS Tenure Guidelines, inter alia

by supporting the financial Facility proposed by FAO
- Promote true accountability by regulating investors and companies based in G8 countries to disclose their involvement in land and resource grabs, and hold them legally accountable for abuses of tenure and human rights.
- Stop the implementation of the cooperation frameworks of the G8 New Alliance for Food
Security and Nutrition in Africa, as well as the negotiation of new frameworks that
undermine sustainable small-scale food production and local food systems.

The G8 is currently discussing an “initiative to increase transparency of land transactions and tenure”, which could be launched at the G8 summit in June 2013. Arguing that global pressure on land for food and fuel is growing quickly and will increase significantly over the next decade, the G8 initiative aims to promote transparency with regard to land acquisitions by national and international investors in order to support and increase what the G8 calls, in one of the drafts, “productive investments in land”. This transparency is to be achieved through the voluntary disclosure of information about land deals by the investors themselves, by civil society and by the governments of G8 and those of selected developing countries.

The transparency initiative is strongly promoted by the governments of the UK and Germany and could be launched at the G8 summit in the UK in June 2013. The promoters state that informal consultations have been carried out with several governments, international institutions, the private sector, and some international NGOs. The G8 intends to launch the initiative as a global initiative in its June 2013 meeting, although implementation will at first begin only in some pilot countries.

This initiative comes at a time when we are witnessing an unprecedented wave of land and resource grabbing for industrial agriculture, extractive industry, transportation and energy infrastructure, tourism, REDD and other carbon offset projects. While there has been increasing and overwhelming evidence in recent years on the impacts of these land deals on local communities, environments and related human rights violations, and despite the fact that several governments and international institutions have expressed concerns and the urgency to regulate land grabbing, land and resource grabs continue unabated. Every day, local communities all over the world lose access to their lands and water sources, are evicted from their homes and territories, are pulled into regional-global ‘value chains’ as precarious plantation workers or into ecologically harmful monocultures as contract growers under inequitable terms, and face food, livelihood and physical insecurity.
The lands taken by investors are often the most fertile and productive, and sustain communities and entire populations who cultivate food and other products, provide dignified employment and make significant contributions to local and national economies.

The liberalization of agricultural markets has not decreased hunger or poverty; on the contrary, the numbers of hungry people continues to increase worldwide and it is small-scale food producers (especially women) who feed over 70 % of the world’s population.

However, instead of taking concrete and effective measures to arrest these trends, the G8
governments continue to discuss initiatives that are utterly inadequate, distract from the real problems on the ground and waste time and resources when what is needed are immediate actions to effectively stop and roll-back land grabbing and secure local communities’ rights to resources.

We strongly reject and condemn the G8’s proposed transparency initiative for the
following reasons:
• Transparency – and the G8 initiative – will not stop land and resource grabbing
Making transparency the main agenda with regard to land grabbing will not stop it. Making
transparency the primary condition for approving land acquisitions risks endangering the
survival of the world’s rural populations and the remaining local food production systems. There are several cases of land grabbing, where transparency simply led to more “transparent” land grabs.

One case that should warn us is Cambodia: it is one of the countries most affected by land grabs and related human rights violations. More than 2 million hectares of land have been transferred for agro-industrial production. At the same time, the Cambodian government itself has a public website regarding these land transfers(*1), thus making the land grabs much more transparent than many other countries, but without lessening the devastating impacts on local people.
(*1 See http://www.elc.maff.gov.kh/en/profile.html.)

Transparency can even contribute to facilitate land grabbing, especially when ignoring the huge asymmetries of power that exist between investors, governments and local communities, many of who are poor rural people.

Communities affected by land grabbing can only claim their rights – including the right to refuse land deals – when they are sufficiently informed about the deals well before the signing of investment contracts and when their claims to land are legally recognized and respected. Even after contracts are signed, communities must be ensured the right to review and re-negotiate contracts, since all negative impacts are not likely to be evident during the period of initial negotiations. The CFS Guidelines on the Governance of Tenure of Land, Fisheries and Forests clearly establish the need for consultation and participation of all those who could be affected by decisions, prior to decisions being taken and of active, free, effective, meaningful and informed participation of individuals and groups in decision-making processes that affect their tenure rights (par. 3B6). Free, Prior and Informed Consent (FPIC) must include the rights of community members to withhold consent if the investment is not in their interests.

But while transparency is important, it is not an end in itself, but only a pre-condition for
accountability and used in support of the larger objective of full democratization of decisionmaking.

Only if embedded firmly within a mandatory human rights and social justice framework
can transparency serve as an anchor for securing tenurial claims and rights, and ensuring
positive development outcomes for affected communities. Transparency cannot by itself
determine the relevance or appropriateness of land deals, or assess the multiple environmental, social, cultural and economic impacts of these deals at local and national levels. Evidence to date shows that large-scale land deals are fundamentally harmful to local peoples, environments and economies. No amount of transparency is going to transform these deals into something good.

The G8 model of transparency will further enable and facilitate land grabbing by helping
investors to guard against compensation claims and land related litigation, protect their
reputations and build up a global land/real-estate market.

• The G8 has no democratic legitimacy to make decisions about land, food and nutrition
By launching the proposed initiative on transparency, the G8 seeks to establish itself as a
platform with the power to make decisions, or at least significantly influence global initiatives on land, food and nutrition. However, the G8 does not have a democratic mandate to make such decisions. The most legitimate and democratic body tasked with governance of these issues is the Committee on World Food Security (CFS), of which all G8 states are members. Further, the transparency initiative is promoted by governments of some of the most important home states of land grabbers, as the G8 themselves has acknowledged.

The proposed initiative has the same problems of legitimacy and content as the Principles for responsible agricultural investment that respects rights, livelihoods and resources (PRAI), which were clumsily presented as an appropriate response to land grabbing by the World Bank, IFAD, UNCTAD and FAO, and supported by many G8 countries. Due to well-founded objections by most governments and civil society, the PRAI were not adopted by the CFS in 2010. The new G8 initiative is attempting, yet again, to enforce the principle that money and markets decide what is best for the world – a principle that has repeatedly failed to solve any problems in the past and instead has created multiple and recurring crises.

• The G8 initiative on transparency bypasses and undermines the CFS
The CFS is the most legitimate and democratic multilateral governing body on food security and nutrition. The G8’s proposed initiative undermines the CFS by not complying with its decisions, particularly the Guidelines on the Governance of Tenure of Land, Fisheries and Forest. TheseTenure Guidelines were unanimously endorsed by the CFS in May 2012, after an inclusive consultation and drafting process that lasted more than three years.

The Guidelines are the first international instrument on the governance of natural resources anchored in human rights, and set out clear principles and recommendations about how to improve the governance of tenure with the overarching goal of the realization of the right to food, focusing specifically on vulnerable and marginalized peoples. Social movements, civil society organizations (CSOs) and academics actively engaged in the consultation and negotiation processes that led to the endorsement of the Tenure Guidelines in May 2012 and have welcomed their endorsement,while acknowledging that they fall short in some aspects that are key to the livelihoods of smallscale food producers who produce most of the food consumed in the world. Social movements and CSOs have committed to work with states and international agencies such as the FAO, to use the Tenure Guidelines in order to improve security of tenure of land, fisheries and forests for small-scale food producers. By endorsing the Tenure Guidelines, states have committed themselves to their implementation in accordance with their existing obligations under international human rights law.

To date, however, states have failed to live up to their commitments to implement the Tenure Guidelines in their full spirit. Like the G8 New Alliance for Food Security and Nutrition in Africa, the proposed initiative pays only lip service to the Tenure Guidelines, while actually misinterpreting them in a way that serves the interests of investors by facilitating land and resource grabs. Instead of supporting coherent and joint efforts to implement the Tenure Guidelines according to the objectives set out in them, the G8 is planning to establish new structures. By beginning a discussion on a transparency initiative, the G8 is re-opening a discussion that has already been completed in the process that led to the formulation of the Tenure Guidelines, rather than complying with CFS decisions and implementing the Tenure Guidelines in line with their objectives.

For these reasons, we strongly reject and condemn the proposed initiative on transparency and will oppose this and all other attempts to re-establish money and market driven governance of natural resources, food and nutrition.

We therefore call upon the members of the G8 to:
- Abandon all plans to establish the proposed initiative
- Comply with their commitments arising from endorsing the CFS Tenure Guidelines, by

o Implementing the Tenure Guidelines in line with their obligations under international
human rights law Supporting the establishment of a financial facility at the FAO, in order to ensure coherence in the implementation of the Tenure Guidelines. This facility should
function like a trust fund and be designed in accordance with the principles of the
Tenure Guidelines, and ensure participation, non-discrimination, transparency and
accountability, and avoid conflicts of interest.

o Respecting the need for open-ended national discussions in multi-actor platforms, as
stipulated in the Tenure Guidelines, with participation of the most affected people,
about how to improve governance of tenure, using the Tenure Guidelines as
reference, instead of imposing governance initiatives that lack any form of
democratic legitimacy and are driven by market interests and money.

o Supporting the monitoring mechanism that will be put in place by the CFS to monitor
the implementation of the Tenure Guidelines and governance of tenure, instead of
creating new structures.

- Promote true accountability by regulating investors and companies based in G8 countries to disclose their involvement in land and resource grabs, and hold them legally accountable for abuses of tenure and human rights. This should include, inter alia, the introduction of: a complaint mechanism to investigate human rights abuses by investors; monitoring mechanisms in their embassies to track activities of investors; and; mandatory reporting of private and state investors on activities that may affect human rights abroad. Further, to request reports of the host states of investments on the records of investors abiding by local/national legislation and norms and respecting human rights in host (i.e. recipient) countries; to make domestic law in G8 countries applicable to extra-territorial human rights abuses and recognize victims from other countries standing in national courts; and to sanction and prosecute culprits, for example by excluding them from state procurement and limiting their range of business.

- Stop the implementation of the cooperation frameworks of the G8 New Alliance for Food
Security and Nutrition in Africa, as well as the negotiation of new frameworks that
undermine sustainable small-scale food production and local food systems.
In closing we note that grassroots movements of peasants, fisherfolk, pastoralists, indigenous peoples and workers in alliance with human rights, development and research organizations have intensified their resistance to land and resource grabbing in all forms. These struggles for all humanity and the planet are growing on all continents.

15 May 2013
International Indian Treaty Council – IITC
La Via Campesina
Plateforme Sous-Régionale des Organisations Paysannes d'Afrique Centrale – PROPAC
Réseau des Organisations Paysannes et de Producteurs Agricoles de l’Afrique de l’Ouest – ROPPA
World Alliance of Mobile Indigenous Peoples – WAMIP
World Forum of Fish Harvesters and Fish Workers – WFF
World Forum of Fisher Peoples – WFFP
Associazione Italiana per l’Agricoltura Biologica – AIAB
Anywaa Survival Organisation – ASO
Arab Group for the Protection of Nature
Biofuelswatch
Centre for Sustainable Development and Environment – CENESTA
Centro Internazionale Crocevia
Coordinamento di Iniziative Popolari di Solidarietà Internazionale – CIPSI
Ecologistas en Acción
Family Farm Defenders
FIAN International
Focsiv Volontari nel Mondo
Focus on the Global South
Fondazione Italiana per la Ricerca in Agricoltura Biologica e Biodinamica – FIRAB
Food First, Institute for Food and Development Policy
Food Sovereignty Network South Asia
Friends of the Earth International
EcoNexus
GRAIN
Grassroots International
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# by africa_class | 2013-05-18 02:25 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【講演会】ブラジル・セラード開発と環境・主権問題:大規模農業開発と小農・労働者(28日17時半~上智大)

以下、ふるってご参加下さい。

==============================
講演会 / Lecture
ブラジルのセラード開発と環境・主権問題
―大規模農業開発と小農民・農業労働者の暮らし―
http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/event
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Dr. Sergio Schlesinger
セルジオ・シュレシンガー氏
(ブラジルNGO・FASE アドバイザー)

ブラジル中央部の広大なサバンナ地域であるセラード(Cerrado)は、1970 年末より大豆を中心とする大規模農業開発が行なわれてきた場所です。大豆の主要輸入国である日本は「日伯セラード農業開発計画(PRODECER)」を通じて、この開発に協力してきました。そしてセラード開発は「不毛の大地を穀倉地に変えた奇跡」として農業開発の成功事例と評価されてきました。

しかし、ブラジル市民社会や学術界では、環境破壊、土地や資源の分配、食料主権、労働といった観点から、批判的な声も少なくありません。

本講演では、ブラジルのNGO FASE(Federação de Órgãos para Assistência Social eEducacional ブラジル6 ヵ所に拠点を持つ教育や社会活動支援のための連合組織)で長期に渡りセラード開発のもたらす環境問題に関して調査を続けてこられたエコノミスト・環境活動家のセルジオ・シュレシンガーさんに、小農民・農業労働者をはじめとする地域住民の暮らしへの社会的影響というこれまでとは別の視点に基づくお話を伺います。皆様万障お繰り合わせの上ご来場ください。

○日 時: 2013 年5 月28 日(火)
○午後5 時00 分~6 時30 分
○場 所: 上智大学中央図書館8 階821 会議室
○使用言語: 英語(日本語逐次通訳あり)
○参加費無料/予約不要
○イベロアメリカ研究所/グローバル・コンサーン研究所
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# by africa_class | 2013-05-16 21:28 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

UNAC全国年次総会声明文(ProSAVANAも、鉱業メガプロジェクト、大規模植林とともに批判されています)

きほど届いたUNACの全国総会声明文(ポルトガル語)ですが、ProSAVANAのことが沢山批判されていたので、急ぎ仮訳しました。ご一読下さい。ニアサ州の農民代表を招いても、この状態・・・本当に。

特に・・・・
「過去2か月、UNACは、モザンビーク政府、日本の外務省、JICAとして知られる日本の国際協力機構の代表者 ら、ブラジルの国際協力庁(ABC)、駐モザンビーク日本大使、駐モザンビーク ブラジル大使との面談や対話を拡大し、ProSAVANA事業に関する討論を行ってきた。

草の根レベル から、郡や州レベルの集会までの多様な討論の結果、次の点で多くの矛盾があることが明らかになった。それは、入手可能な情報の不十分さ、 (事業の)設計の欠陥を示す兆候や証拠、公衆との協議と参加のあるべきプロセスにおける不正(irregularities)、農民の土地の強奪やコミュニティの強制的 な除去への差し迫った深刻な脅威である。」

は、本当に恥ずかしいです・・・。

(全文)
==================
イニャンバネ・ギウア宣言
モザンビーク全国農民連盟UNAC 年次総会2013年
2013年5月7日~9日
(仮 訳)


25年以上も農民男女の社会的・経済的・文化的な権利のために闘い、食料主権のため 闘ってきたモザンビーク農民運動であり、8万7千人を超えるメンバーを代表する全国農民連盟 (União Nacional de Camponeses:UNAC)は、モザンビークのすべての州の男性・女 性・若者、農民のリーダーらから選ばれた80名以上の派遣団や招待者の立ち会いの下、2013年5月7日から9日の間、イニャンバネ州ギウナの人道促進セン ターに集い、2013年度の年次総会を開催した。

我々は、この国並びに農民運動の基本的問題を話し合ったほか、重要な戦略的ツールである「2012年度活動・会計年次報告」と「2013年度活動年間計画並びに予算」を分析し、これ を承認した。また同様に、我々は、農民運動における焦眉の課題であり活動である、モザンビークにおける土地紛争、そして自然災害、開発並 びにメガプロジェクトのコミュニティへのインパクトという現状に直面するための戦略について、深く広い検討を行うことをアジェンダに掲げ た。

イニャンバネでの集会の間、最近モザンビーク政府によって発表された農業部門投資国家計画(Plano Nacional de Investimento do Sector Agrário: PNISA)とProSAVANA事業についての討論を継続し深めた。

UNACが入手した最新の情報によると、ProSAVANA事業は1450万ヘクタールの面積、ニアサ、ナンプーラ、ザ ンベジア州の19郡を対象にした事業である。これに関する検討 と討論により、我々UNACのメンバーである農民男女は、ProSAVANA事業に関する注意を強化し、それに対応するた めの戦略を決め、全国の農民男女のほとんど全面的な排除と不在の下で承認されようとしている農業政策への代替案を提案する。

過去2か月、UNACは、モザンビーク政府、日本の外務省、JICAとして知られる日本の国際協力機構の代表者 ら、ブラジルの国際協力庁(ABC)、駐モザンビーク日本大使、駐モザンビーク ブラジル大使との面談や対話を拡大し、ProSAVANA事業に関する討論を行ってきた。草の根レベル から、郡や州レベルの集会までの多様な討論の結果、次の点で多くの矛盾があることが明らかになった。それは、入手可能な情報の不十分さ、 (事業の)設計の欠陥を示す兆候や証拠、公衆との協議と参加のあるべきプロセスにおける不正(irregularities)、農民の土地の強奪やコミュニティの強制的 な除去への差し迫った深刻な脅威である。

PNISAに関して述べるならば、我々は、この文書が、その構想の段階から、公衆の参加する プロセスや空間、そして農民運動の中で、広く議論がなされてきたものであることを表明したい。PNISAは、モザンビーク政府のためのものであり、PEDSA(農業部門開発戦略計画Plano Estratégico para o Desenvolvimento do Sector Agrário)の運用のための重要なツールである。しか し、我々UNACの農民闘士らにとっては、PNISAは不十分であり、PEDSAの4つの柱のための戦略すべてを満足させるもので はない。我々は、イニャンバネでの年次総会で議論された「家族経営農業支援国家計画Plano Nacional de Apoio a Agricultura do Sector Familiar」の採択こそを擁護する。

また、ニアサ州やその他の州で生じているモノカルチャー植林の急速な拡大、テテ州の再定住地で生じている農民の権利の侵害、数々の土地紛 争は、我々に大きな懸念を与えている。例えば、ProSAVANA事業について述べると、同事業対象地の農民男 女らは、ナカラ回廊沿いの将来について多くの不正と不安を問題視し、非難している。

我々、モザンビークの農民男女は、憲法が保証する権利の実現のための闘いに関与するとともに、家族経営農への不可分なコミットしていくこ とを再確認した。我々は、我々の国の開発の基盤として農業を位置づける憲法の規定に完全に基づき、また方向づけられ、闘いにおいて確固た る姿勢で臨み続ける。

メガプロジェクトへの政府の変更なき行動は、農民らの生活の基盤を犠牲にし、多国籍企業といった大きな権力者らを過度に裨益することにな ろう。メガプロジェクトが貧困を削減すると誤解している人や機関があるようだが、UNACは、これらの収益は国民所得の公正な分配をも たらさないことを理解している。例えば、家族農業(日々の食料生産)などの他セクターの活性化という観点からは、これらのメガプロジェク トは農民の貧困化を深める可能性があるため、効果は正反対であろう。

我々、農民男女は、テテ州で起きたように、我々の土地から追放され、他の地域に移転させられ、再定住させられることを恐れている。我々 は、我々の土地やコミュニティの過度の占領に対して、我々自身を動員し、抵抗しなければならないと考える。民衆の強制的な除去と移転は、 自然や土地と共に我々が培ってきた関係や生活のサイクルに対する停止、破壊、暴力を意味する。


2013年のUNAC年次総会は、農民男女が、土地紛争、土地の強奪現象、鉱業の大規模投資プロジェク トの導入によって行われる強制的な移転などの増加といった、巨大な課題に直面している最中に実施された。我々は、鉱業のメガプロジェク ト、モノカルチャー植林、家族経営農業への支援政策の不在によって生じる土地の強奪といった、目の前にある、我々を貧困に追いやるだろう 課題に気づいている。


我々は、これらのプロジェクトを大いなる懐疑の目で眺める。それは、多くの理由と疑問によるが、なんといっても、企業との間で土地を巡る 紛争や係争の状態に農民が置かれ、苦しめられるという、現実の事例が既に証拠としてあるからである。これらすべての問題により、耕作や生 産、そして生産向上のための農地は減らされるであろう。そして、農民らのやる気を減退させ、士気喪失を起こさせ、彼ら自身の農業実践を強 制的に放棄させるプロセスによって自らを疎外させ、最終的に単なる安い労働力に転じられるだろう。


イニャンバネでの年次総会において、我々全国の農民男女は、メガプロジェクトが農民に有害なものとならないよう闘うため、自らの組織化能 力を強化する。我々は、モザンビークの法律によって保証される民主的で公平な協議の実施によってこれを実現しようとし続ける。


もし公衆への協議やその参加プロセスが、これまでと同様に操作され続け、効果をもたないままであるのであれば、農民男女は土地とコミュニ ティを守るための闘いを強化し続けるだろう。農民男女にとって、土地とそこに育まれる共有財産(コモンズ)は、我々並びに国民の財産であ る。まだ、我々の現在及び将来の息子や娘や、すべてのモザンビーク人男女のための遺産である。

民衆の闘いにおいて 疲れはあり得ない!我々の犠牲と共に、我々の目的は達成され、我々が意図した成果は達成されるであろう。我々は、ナショナルな解放闘争の 最も難しいモーメント以来、今日まで取り組んできたように、アグロエコロジカルで環境保全型の家族農業並びに小農農業を発展させる闘いを 固く守り続ける。手に鍬を持ち、大地に足をしっかりとつけ、より良く実行可能なモザンビークを夢見る。そこでは、農民の息子たちや娘たち が、我々の闘争によって解放された土地を身近に感じるであろう。


統一された農民は常に勝利する
イニャンバネ、2013年5月9日
UNAC(全国農民連盟)

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# by africa_class | 2013-05-15 04:29 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

プロサバンナ・マスタープラン暫定案に関する日本の専門家による分析結果

以下は、10日の外務省・NGOとの意見交換会で発表された、以下の6名のアフリカ、農村・農業開発、食料・土地問題、国際協力の専門家らによる分析です。なお、ここには一覧で載せていませんが、他数名の開発コンサルタントの方々のご協力も得ています。

マスタープラン暫定案がリークされたからできる分析でした。
(*Report 2はGRAINのサイトでダウンロード可能な状態です。)
http://www.grain.org/e/4703
(*共同声明も以上のサイトから)

是非ご一読ください。

============
第四回ProSAVANA事業に関するNGO・外務省意見交換会
ProSAVANA マスタープラン暫定案(Report No.2, March 2013)
専門家による分析と問題提起 
      


作成:2013年5月8日

総合的問題  当事者不在で正当性に欠けるマスタープラン
~小農に犠牲を強いる構造とQIP(Quick Impact Project)の問題


マスタープランとは、本来、対象地に住む住民のかかえている課題は何であるのか、住民の大部分を占める小規模農民は何を望んでいるのか、を適確に調査した上で、それを、農業政策全体を包む上位課題の中に位置づけ、問題を解決することを目的とすべきものである。従って小農民がどのような生計の状態におかれ、どのような自然と社会環境のうちにあり、生産、消費、安全保障の活動を行なっているかを調査、分析し、その上に立って解決策を策定すべきものである。

しかし今回示されたProSAVANAの暫定マスタープランは、このような目的意識とあるべき策定の方法をまったく考慮せずに恣意的な目的を設定し、現地状況をかえりみずに書かれたプランであり、正当性に欠けるといわざるを得ない。

これまで、外務省/JICAは、内外にProSAVANAはナカラ回廊の小農支援を中心としたプログラムだと説明してきた(これまでの「ProSAVANA事業に関するNGO・外務省意見交換会」、JICA理事長報告2013年2月22日http://www.jica.go.jp/press/2012/20130222_01.html)。しかしマスタープランの暫定案を見る限り、小農の発展は二の次であり、アグリビジネスの進出を促進することに目的があり、そのために小農に犠牲を強いる構造を構築しようとしていることが明確になった。

この結論は、アフリカ農業・農村開発や援助、土地問題、モザンビークに、専門家として長年にわたり関わってきた日本の我々によるマスタープラン暫定案の分析により導かれたものであるが、結果的にこれは、本年4月29日に発表された現地・国際市民社会組織23団による共同声明”Leaked ProSAVANA Master Plan confirms worst fears: Civil society groups warn secretive plan paves the way for a massive land grab(http://www.grain.org/e/4703)”と類似するものとなった。

マスタープラン暫定案の問題は明らかである。同暫定案で示された数々のプランは、モザンビーク北部地域の住民の暮らしや農業のあり方に大きな影響を及ぼす(特に現地農民の権利を侵害する可能性が高い)ことは明らかであるが、当事者である住民や農民組織、現地の市民社会に開示されず、開示に基づく具体的な中身関する協議はまったくなされてこなかった。これまで3政府が主張してきた「住民・市民社会との協議」(ステークホルダー会合、農村での「正確な情報共有(同上JICA理事長報告)」)は、形ばかりのアリバイ的なものであったといわざるを得ない。

以上の状況にもかかわらず、マスタープラン暫定案の公開とそれに基づく協議や議論を待たずして、融資やQuick Impact Projectが先行することは、現地社会に多大な混乱と紛争を生み出すとともに、問題の多いマスタープランの「免罪符」として活用される可能性があり、大いに問題である。

以上の総合的問題認識に至った、マスタープラン暫定案の問題点を、以下に具体的に列挙する。

なお、『JICA 環境社会配慮ガイドライン』に相当抵触する部分があると考えられるため、今後の議論を深めるための質問を末尾に列挙した。


1.その強力な道具立てになっているのは、ゾーニングという手法を利用して、小農の活動範囲を制限し、アグリビジネスと企業的農業の利益を優先させて、小農をこれに従属させるという計画手法で、通常の農業開発計画の作成において通念となっているゾーニングの考えを逸脱した、細部にわたるまでの強制を伴う計画執行を予定している。

2.ゾーニングは、気候、土壌性質、地形、住民の社会的特徴、地理的分布など、既存の状態を詳しく調べ、そのデータに基づいて、これを改良、発展させているための手法である。しかしProSAVANAで執行しようとしているゾーニングは、これらの既存の状態、特にそこに住む農民の大多数を占める小規模農民の状態を詳しく調べることなく、特に小農にとって必要な休閑地、薪炭採取地、牧草地など、Report 1で農用地の範囲について疑問を呈しているにもかかわらず、(例、Report 1, 2-14)むしろこれを無視して、まったく異なる考えに基づき、単純な点数配分などを使い、独断的(arbitrary)なゾーニングの特徴づけと発展方式の指定を行っている。

3.開発主体を個人農業(主に小農)、農民組織(未成立の共同組合かAssociation)およびアグリビジネスの3種類に限り、ゾーンごとにどの主体に開発を任せるとの指定をしている。全study area を6種類のゾーンに分け、そこで栽培されるべき作物と指定(目標として決定)し、どの主体がその推進の役目を担うのかを、事細かに説明している。 ゾーニングはクラスター化(同種の集合)とセットで考えられており、小農の作物選択の意志は完全に無視され、食料主権と食料安全保障の意欲に悪影響を与える構図になっている。
 ゾーンによっては、アグロインダストリーの1社のみ(Majune District, 2-17)が指定されている。
 フードシステム論で言うクラスターとは、異なった業種の集積によって単なるスケールメリットを超えた複合の利益を得ることを目的としている。ところがマスタープラン暫定案のクラスターはこうした理解とは異なり、モノカルチャー型の集積を意図している。モノカルチャー型の農業、経済はとりわけ熱帯アフリカにおいて脆弱性を増大させるという大きな問題を持っている。

4.またゾーンの中に、Special Economic Zoneを設定して、Incentiveや租税優遇措置など、アグリビジネスの進出を促す計画があり、アグリビジネス中心のゾーニングであることを明白に示している(2-23)。またゾーン計画を固定化させる作用を持つQuick Impact Projectを先行させ、実施に入っているが、それは細部が決定され、実施団体、場所、コスト計算などが明記されている(4-6~11)。

5.過去の数々の事業の失敗により広く認識されている通り、農業・農村開発において、Quick Impactは利益よりも悪影響をもたらすことが多い。短期的な効果として労働生産性の向上や生産量の増加が想定されているが、熱帯アフリカの生態系や土壌条件に照らすと、そのことはかえって中長期的な持続性を損なう、略奪的な結果をもたらす恐れが大きい。その点に関する検討はまったく見当たらない。

6.マスタープランの内容として、32のプロジェクトが明記されているが、その中には住民との紛争  が予想されるものが多く入っている上(例:土地登記DUAT事業)、他に先行させるものとしてパイオニアプロジェクトという位置づけがなされているが、最も重要な住民との話し合いの必要が明記されておらず、実行には長期間を必要とするものが多い。莫大な費用がかかるものも含まれている(3-4)。

7.Pilot Project Under ProSAVANA Development Initiative Fund (PDIF)について。すでに始まっているこのパイロットプロジェクトの現状がいくつか説明されているが、問題に直面しているところが多い。(3-13) とくにDUAT(土地占有権)の登記に関するものが多い。しかしこの土地登記を何よりも先行させるべき項目としている(3-15)。モザンビークの農民は現行の1997年土地法で慣習法上の土地アクセス権を保証されているので、登記を急ぐことはその土地アクセス権を狭めることになる。アフリカの他の国の事例に照らしてみても(タンザニアの例)、農民は土地登記にインセンティブを持っておらず(土地登記コストの生活水準から見ての高さ等)紛争を軽減させるどころか、紛争を激化させる原因となることが多い(タンザニアのモロゴロ州の例:Izumi,Ph.D.論文、Roskilde University,1998)。この点についての検討も、まったく見当たらない。

8.このプロジェクトが実行されると、必ず農民の土地収用が起ってくるが、その弊害を回避させる仕  組みはきわめて弱く、回避に役立たない可能性が高い。QIPのうち6つは最初から強制的住居移転が想定されている(4-60)。このためProSAVANA Guideline on RAIなるものの策定を始めているが、その中の1つにSupport Organization for the Investment and Value Chain Development がある。しかしこの項にもこれを守らせる強制力を与えていない。他にProSAVANA Implementing Body の設置が勧告されているが、これについても違反者への処罰の権限はあたえられず、可能な方法として、独自のモニターを行なえるとし、その場合も資料を提出させることができるとしか規定しない方針であるというアリバイ的な提案にとどまっている。従って投資主体の活動をモニタリングする仕組みが全く組み込まれていない。

9.同マスタープラン暫定案(2-28)では、「地元農民と企業の間で深刻な土地紛争が起きている」と書かれ、大規模植林や鉱山開発の問題が指摘されている(2-28)。つまり、すでに土地争奪が生じている現実であることが認められている。

10.PRAI(責任ある農業投資原則)とFAOのボランタリー・ガイドラインについての記述がおざなりである。特に、FAOボランタリー・ガイドラインは、説明されないまま、「これを参考にすれば」良いと言う程度の扱いになっており、なぜガイドラインではなく、PRAIのみをベースとした「ProSAVANA Guideline on RAI」とするのか疑問である。PRAIは専門家 や世界の農民組織、市民社会から多くの批判がある 。またPRAIは、国際農業投資で最も影響を受ける途上国各国の農民組織や食料・土地問題に詳しい専門家や国際NGOなどの参加がないまま策定され、人権法への言及がない上、投資活動の妥当性を判断する責任主体が明確でない。そもそも「投資受け入れ国政府、投資家」と「現地の人々」を並列しており、「現地の人々」の権利を優先した原則ではない。

このPRAIの問題性を踏まえて、世界のマルチステークホルダーが集まって策定したFAO ボランタリー・ガイドラインではなく、ProSAVANAのガイドラインを「on RAI」とすることは、ProSAVANAの目的がアグリビジネス本位のものと受け止められる。なお、いずれも「自主原則」となっており、現地農民や環境を守るための規制を排除しており、権利を守るためには不十分である。

11.同様に、(5-1)Existing rights to land: Independent avenues for resolving disputes and grievancesがあるが、どのような独立した苦情メカニズムが処理される予定なのか明らかでない。カンボジアでの調査の結果、地域によって苦情メカニズムが設立されず、また同国の政治状況により現地住民は苦情を申し立てることを恐れているため申し立てができないという現実があった。このような教訓を、どのようにモザンビークで踏まえるべきか明らかでない。なお、PRAI策定プロセスで外務省がまとめた資料 では、「積極的な農業投資受け入れ国」として、「モザンビーク、 スーダン、ラオス、ミャンマー、キューバ―、ウクライナ」が挙げられている。いずれの国も民主化が停滞し問題を抱えており、本意見交換会質問状へのJICA回答でも「ランドグラビングはガバナンスに問題がある国で起きている」との指摘がなされている。つまり、「積極的に農業投資を受け入れようとする国ほどガバナンスや民主化において問題があり、現地住民や農民の権利を侵害するランドグラビングが起きやすい」ことを踏まえ、本来マスタープラン暫定案は、「現地小農の権利擁護」を目的の第一に置くべきであるが、それが見当たらない。

12.モザンビーク北部地域の歴史や紛争後の政情分析がマスタープランに一切記載されていない。そもそも、ザンベジア州、ナンプーラ州、ニアサ州の対象地域は、ニアサ州の北方を除き、1977年~92年の戦争で反政府勢力(現在の最大野党RENAMO)が支配地を点在させ、最も被害を受けた地域である。戦争に加わった者も被害を受けた者も農民である。このような地域で、政権与党と組んだ農業投資を奨励するリスクや問題についての検討がなされていない。

13.小農による土地利用の現状が適切に評価されていない。外から見ると、「低利用」にみえる共同草地や放牧地、休閑地はそれがないと生存が成り立たないという意味で小農たちにとってきわめて重要である。基本的に低利用・未利用の土地はないという認識を前提にすべきである。国民の多数を占める小農を農業発展の担い手として認識していないことが最大の問題である。

14.契約農業が途上国でうまくいっている例はあまり多くない。契約農業が小農民の発展に結びつくためには、一般的に言って弱い立場に置かれる販売者側の組織化(たとえば組合に対する強い権限の付与と政府による交渉のサポート)と販売ルートの複線化が必要であるにもかかわらず、とにかく、加工業者やアグリビジネスと契約させれば小農部門が発展するというロジックになっている。

15.結局のところ、この計画は農民の食料主権・食料への権利を無視しており、彼らの望む発展の形(栽培作物の多様性の維持、食料自給とその上での現金取得の可能性の増大)とはまったく異なる発展を、強制的に押し付けるものである。逆に企業による投資には多くのインセンティブを与え、土地取得を容易にし、農民にクラスター化やバリューチェーンの特定企業導入などの恣意的な押し付けをもたらし、農民主権を剥奪するものであるといわざるを得ない。

16.環境については、Report1(3-1-7)にある通り、ProSAVANA対象地の多くが森林で覆われている。特に、新たに追加されたMajune郡は明らかに森林地帯となっている。Report2では、まさに同郡の特徴(VIゾーン農耕地13%、森林77%に分類)として「広大な森林large forest areaがあることが利点helpful(森林への配慮が必要だが土地へのアクセスは良好)(2-9)」となっており、明確に森林伐採をしたうえでの農地転地が予定されている(2-28) 。

17.Environmental Zoningが取り入れられ、「環境の脆弱性」の指標として薪の需給バランスが示されている(2-2)。薪は、人間により木が伐られ加工され運ばれ使われて初めて「薪」となる点について、つまり人為的なものであり環境指標と呼ぶべきものではないことが考慮に入れられていない。「需給バランスが適切だから環境が豊か」、「需給バランスが崩れているから環境が脆弱」のいずれの前提も、適切ではない。そもそも、自家採取されることが多い薪の需給を正確に測ることも不可能である。何より、森林や生物多様性の保護という国際潮流に反した「環境ゾーニング」である。

『JICA環境社会配慮ガイドライン』に関わる質問一覧
については、Moreをクリック下さい。

以上

分析者一覧
・吉田昌夫(AJF食料安全保障研究会、元AJF代表、元中部大学教授)
・舩田クラーセンさやか(東京外国語大学准教授、AJF会員、元TICAD市民社会フォーラム副代表)
・西川芳昭(コミュニティ・コミュニケーションサポートセンター テクニカルアドバイザー/龍谷大学経済学部教授、元TICAD 市民社会フォーラム会員)
・池上甲一(近畿大学農学部教授)
・米川正子(立教大学特任准教授、評価士)
・近藤康男(No! to Land Grab, Japan)

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# by africa_class | 2013-05-12 18:49 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

PreTICAD国際シンポ&市民社会ラウンドテーブルwithモザンビーク/ブラジル/国際NGO~#プロサバンナを考える

こちらは、6月1日~3日まで、横浜で開催される第5回アフリカ開発会議(TICAD V)に向けたPreTICAD V国際シンポジウム&市民社会ラウンドテーブルです。

主催団体5団体、協力団体1団体、賛同団体18団体と、日本の24の団体が支える企画です!

来日にあたっての招へい資金は、モザンビーク農民組織UNAC(全国農民連盟)の招へい費用だけ集まっていませんので、ご協力、ぜひよろしくお願いいたします。(38万円、5月20日まで!*14日現在23万円が集まっていますが、後15万円足りません!)
→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-20.html
*今回は、愛媛で農民交流を行います。

==================================
Pre TICAD 国際シンポジウム&市民社会ラウンドテーブル
with モザンビーク/ブラジル/国際NGO
~今アフリカ農村で何が起きているのか?    
日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発(プロサバンナ)を考える

①国際シンポジウム 
5月29日(水)18時~22時半@産業貿易センターB102会議室
②市民社会ラウンドテーブル
5月29日(水)13時半~16時@産業貿易センターB102会議室
※16時~17時 記者会見(40分程度)
==================================


本年6月1日~3日、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)が横浜で開催されます。同会議の目玉として準備されてきたのがプロサバンナ(ProSAVANA)事業です(*注1)。

同事業は、2009年に合意された、「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発」の略称で、ブラジルのセラード開発を参照事例として、モザンビーク北部3州の1000万ヘクタール(日本の耕作面積の三倍)を超える地域を対象とした大規模な農業開発計画です。

既に、大々的な宣伝がなされていますが、昨年10月来、現地の農民組織や市民社会組織は、本事業に強い懸念を表明しています。その理由は、当事者である地域農民の主権の軽視、事業全体における目的と手続きにおける不透明さ、アグリビジネスによる土地収用や遺伝子組み換えの導入への危惧などとされています。

さらに、最近明らかになったマスタープラン中間報告の中身の検討から、プロサバンナ事業が、現地に暮らす農民の権利を狭め、アグリビジネスによる容易に土地収用に道を拓くものであったことが、現地並びに国際市民社会の声明により明確になりました。

モザンビーク・国際市民社会声明
【原文・英語】 http://www.grain.org/e/4703
【和訳】mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-21.html

2007-8年の食料価格高騰以来、世界中で土地をめぐる紛争が激化しています。特に、アフリカはターゲットとなり、中でもモザンビークでは世界統計で最多の土地取引がなされています。世界的にも先駆的な土地法(1997年)が農民の手によって制定されたモザンビークでもこのような現状にあります。

このような事態を受け、TICAD Vを前に、2月に来日したモザンビークの農民組織UNACの代表らが、再度来日し、問題を訴える他、この問題に長年かかわってきた国際NGO・GRAINの調査責任者が来日します。

今アフリカで何が起きているのか、小農はどのように暮らし何を求めているのか、プロサバンナ事業はこの点においてどのような問題を抱えているのか、日本の我々はこれらの問題にどのように関わるべきなのかについて、皆さんと一緒に考えたく、TICAD V直前の5月29日(水)に、開催地横浜にて、次の二つのイベントを開催する運びとなりました。

ふるってご参加ください。

*注1:同事業の関連資料はこちらのサイトに掲載
→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-18.html

①国際シンポジウム
***************************
 5月29日(水)18時~20時半
TICAD V直前 国際シンポジウム  
      with モザンビーク/ブラジル/国際NGO  
~今アフリカ農村で何が起きているのか?    
    日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による   
  熱帯サバンナ農業開発(プロサバンナ)を考える~
***************************

【当日式次第】
<報告>
(1)「世界における【責任ある農業投資】と土地争奪問題
 ~アフリカ・熱帯サバンナ地域を中心に」 
 Devlin Kuyek (国際NGO・GRAIN、カナダ)
(2)「日本援助とブラジルの熱帯サバンナ地域(セラード)
 ~地元小農・土地なし農民からの再考)」
 Sergio Schlesinger(ブラジルNGO・FASE、ブラジル)
(3)モザンビーク農民組織からみたプロサバンナ事業の問題」
 Augusto Mafigo(代表) + Vicente Adriano  
 (UNAC全国農民組織、モザンビーク)
<コメント>
・日本政府関係者(調整中)
・国際機関関係者(調整中)
・日本市民社会(津山直子/動く→動かす(GCAP JAPAN)代表)

※当日は同時通訳(日英)が入ります。

============イベント概要========
【日時】2013年5月29日(水)18時~20時半
【会場】産業貿易センターB102会議室
http://www.sanbo-center.co.jp/rr/index.html  
住所:横浜市中区山下町2番地 Tel : 045-671-7111
<アクセス>みなとみらい線日本大通り駅(3番出口)徒歩3分
http://www.sanbo-center.co.jp/ci/access.html
【定員】100名
【参加費】500円(資料代)
【主催】(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)、(特活)アフリカ日本協議会(AJF)、
(特活)オックスファム・ジャパン、(特活)WE21ジャパン
【賛同団体】認定NPO法人 FoE Japan、アジア・アフリカと共に歩む会(TAAA)、
 アフリカ地域開発市民の会(CanDo)、NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)
ATTAC Japan、全日本農民組合連合会(一般財団法人)北海道農民連盟、アフリカ理解プロジェクト、 「環境・持続社会」研究センターJACSES、(株)オルタ・トレード・ジャパン(ATJ)、(特活)APLA(Alternative People's Linkage in Asia) No! to Land Grab, Japan、アジア農民交流センタ-(Asian Farmers' Exchange Center/AFEC)、一般財団法人地球・人間環境フォーラム、(特 活)国 際協力NGOセンター(JANIC) 、(特活)サパ=西アフリカの人達を支援する会(SUPA)、(特活)ハンガー・フリー・ワールド(HFW)、(一般財団法人)CSOネットワーク  (5月14日現在18団体、賛同団体募集中)
【協力】モザンビーク開発を考える市民の会、東京外国語大学舩田クラーセン研究室

【お申込み】
http://ngo-jvc.info/ZigHEd
※できるかぎり上記URLよりお申込ください。
※メールでお申込の際は、件名に「5月29日プロサバンナ国際シンポ参加申込」とご記載ください。
Email:prosavana529@hotmail.co.jp 

【お問い合わせ】
JVC南アフリカ事業担当 渡辺
Email:prosavana529@hotmail.co.jp 
Tel: 03-3834-2388
===========================

②市民社会ラウンドテーブル
****************************
5月29日(水)13:30~16:00
(16時より記者会見)
「プロサバンナ事業についての3か国・国際市民社会会議」
****************************


急激なグローバル化による農民への影響は、アフリカに留まりません。日本でも、アジアでも、南米でも同様です。また、日 本のODAを通じた農業投資や土地問題は、世界各地で発生してきました。これらの問題について、モザンビーク、ブラジル、 日本の3か国、そして国際市民社会は何をすべきか、を話し合います。

「農業投資」、「土地争奪」、「農民主権」、「食料 主権」などをキーワードに、議論し、今後のローカル
あるいは グローバルな行動に繋げます。

=======イベント概要==========
【日時】2013年5月29日(水)13時半~16時(*16時から記者会見)
【会場】産業貿易センターB102号室
 http://www.sanbo-center.co.jp/rr/index.html  
住所:横浜市中区山下町2番地 Tel : 045-671-7111
<アクセス>みなとみらい線日本大通り駅(3番出口)徒歩3分
http://www.sanbo-center.co.jp/ci/access.html
【収容人数】50名
【主催】(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)、(特活)アフリカ日本協議会(AJF)、
(特活)オックスファム・ジャパン、(特活)WE21ジャパンJVC、AJF、OXFAM、WE21ジャパン
【協力】モザンビーク開発を考える市民の会


【お申込み】
http://ngo-jvc.info/14MNEAc
※できるかぎり上記URLよりお申込ください。
※メールでお申込の際は、件名に「5月29日プロサバンナ市民社会ラウンドテーブル参加申込」とご記載ください。(締切、5月24日(金)正午)
Email:prosavana529@hotmail.co.jp 
※NGO関係者のみ受け付けます。一般の方はシンポジウムにご参加ください。
※シンポジウムに参加されない方で資料をご希望の場合は 500円をご負担下さい。

【お問い合わせ】
JVC南アフリカ事業担当 渡辺
Email:prosavana529@hotmail.co.jp
Tel: 03-3834-2388
URL:http://www.ngo-jvc.net 
Tel: 03-3834-2388※記者会見に参加するメディアで傍聴希望する場合はその 旨お申込み下さい。
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# by africa_class | 2013-05-03 13:36 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【国際共同声明】プロサバンナ事業プランは最悪シナリオ露呈~市民社会は大規模土地収奪への秘密計画を警告

すでに紹介されていますが、こちらのブログでも紹介しておきます。
以下に全訳をつけておきましたので、ご一読ください。

5月23日付で賛同団体が以下のように増えています。
■世界45団体+国際ネットワーク(74か国拠点)=計119団体となっています。

読めば読むほど、日本の一市民として、モザンビーク北部に20年近くかかわり、農村の皆さんに家族ともどもお世話になった者として、憤りと、哀しみと、情けなさ・・・・で一杯になります。

戦争の最中に送り続けた農薬が、在庫となってモザンビークの各地に散らばり、環境・人体汚染を引き起こしていたことを知った時と、同じような気持ちです。

○その詳細は、こちらのPPTで少し紹介しました。
→http://afriqclass.exblog.jp/17362546/
○2KRネット「食糧増産援助を問うネットワーク」
→http://www.paw.hi-ho.ne.jp/kr2-net/index.html
あれから10年・・・日本の援助は逆行していないでしょうか。哀しいです。

それと闘う現地・世界の市民社会の連帯・・・・がんばれ!

原文やマスタープラン案(中間報告)は、以下のサイトで紹介されています。
また世界から賛同署名を5月15日まで集めているそうです。
詳細は、「モザンビーク開発を考える市民の会」のページまで。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-21.html

=================================
Joint Statement (29 April 2013)
Leaked ProSAVANA Master Plan confirms worst fears
Civil society groups warn secretive plan paves the way for a massive land grab
共同声明:モザンビーク北部のProSAVANA事業マスタープラン(案)は最悪の計画を露呈した
~市民社会組織は大規模土地収奪に道を開く秘密計画に警告を発する~
http://www.grain.org/e/4703
http://farmlandgrab.org/post/view/21996

Justiça Ambiental, JA!/ FoE Mozambique (Mozambique)
Forum Mulher (Mozambique)
Livaningo (Mozambique),
GRAIN
Friends of the Earth International (FoEI), et al.
(モザンビーク4団体、アフリカ11団体、中南米4団体、東南アジア1団体、ヨーロッパ2団体、国際NGO1団体、国際NGOネットワーク<74団体加盟>、計23団体・1ネットワーク)
===================================

共同声明

モザンビーク北部のProSAVANA事業マスタープラン(案)は最悪の計画を露呈した
~市民社会組織は大規模土地収奪に道を開く秘密計画に警告を発する~

2013年4月29日

市民社会組織は、リークされた最新バージョンのプロサバンナ事業のマスタープラン案(2013年3月版)をついに見ることができた。それにより、日本・ブラジル・モザンビーク政府が、モザンビーク北部で大規模な土地収奪を可能とする道を拓こうと秘密裡に企てていることが判明した。モザンビークのいくつかの団体とその国際パートナーは、考察とともにこのマスタープランを公にする。

プロサバンナは、モザンビーク北部の農業開発を支援する日本・ブラジル・モザンビークの三角協力事業である。市民社会にリークされたマスタープラン案によると、同事業はナンプーラ州、ニアサ州、ザンベジ州の3州19郡の1000万ヘクタール以上の面積をカバーするという。この地域には400万人以上が住み、農業を営んでおり、事業関係者にナカラ回廊地域と呼ばれてきた。

プロサバンナ事業立案から現在までのすべてのプロセスが、透明性、公な協議、参加を全く欠くものとして特徴づけられる。アグリビジネス企業が、ナカラ回廊でのビジネス機会を調査するために政府代表団に含まれている一方で、影響を受ける地域に住む400万の人々は、この事業やプランの狙いに関する情報を得ていない。三つの政府は、このマスタープラン案およびこれ以前のバージョンのプランを公にすることを拒否してきた。

このマスタープラン案は、多国籍アグリビジネス企業と関係の深い外国コンサルタントのチームによって作成されているが、この中にはプロサバンナ事業対象地域で既に土地を獲得している者も含まれる 。対象地域の住民との意味ある協議はなく、同プランは住民のニーズ、歴史、知識、将来への希望を考慮していない。また、地元の農業や食料システムを尊重しないものである。

プロサバンナは、開発援助事業として提示されてきたが、入手したマスタープラン案を見ると、モザンビークの農業を企業が乗っ取るビジネス計画であることが明らかである。

マスタープランは小規模農家にとって何を意味するか?
プロサバンナ計画の推進者は、同事業について小農を支援するプログラムだと言い続けてきた。しかし、マスタープラン案では、アグリビジネスを小農がどう支援するかしか考えられていないことが分かった。それは、主として次の二つの方法で実現されようとしている。

1.伝統的移動輪作農法や土地管理の実践を潰し、農民を、商業作物、化学肥料・農薬の投入、私的土地占有権に基づく集約農業に追いやる。
マスタープラン案では、伝統的農業の有効性について何も分析していないにもかかわらず、「移動農法から定着農業(settled farming)への移行が緊急に必要」で、「マスタープランの鍵となる戦略」としている。さらに、「移動農法の実践の撲滅」アクションまでも求めている。

農民が伝統的な農業を捨てるのに抵抗することを念頭におき、いくつかの策が提案されている。集約農業の効果をみせるため「リーダー的農家」を育成し、「速効性の効果が見える化学肥料への補助金システム」を導入したり、もっとも注目すべき点としては、このような転換を行う農家に土地占有権(DUATs)を与えると書かれていることである。

これらの集約農業を促進する方策の真の目的は、土地を私有化し、外部からの投資が土地を得やすくすることにある。農民を(DUATsにより)定められた土地の境界線内に追い込むことで、投資企業が取得可能な土地を明確にし、州政府が企業向けの土地銀行(land bank)を設立することを可能にするという。また、マスタープラン案は、投資企業が土地を取得するにあたって、コミュニティとの交渉無しで済ませることを認めている。マスタープラン案にある「小・中農家土地登録」の項目では、その目的が「大規模農業、民間企業、中農による農業促進のための区画を明確にする」ことにあるとはっきり述べられている。さらに、「小農と新たな投資企業の間の協力・統合の環境をつくる」ための手段とまで書かれている。

2.農民を企業的農業と加工業者との契約農業に追いやる
マスタープラン案では、ナカラ回廊をゾーンに区分けし、それぞれのゾーン内で栽培する作物、栽培手法、栽培者(小農、中農、企業)を定めている。ゾーン区分に基づき、商品作物栽培プロジェクトがいくつか示され、ある区分には大規模企業農業のみが定められており、残りは、大農・中農の混合や、小農による契約栽培方式などである。

同プランで提案されている委託契約農業は、この地域の小農らの生活を改善しないだろう。むしろ、彼らが作付する種子から生産物の販売までのすべてを、一つの企業に依存させることになるだろう。同プランで提案された委託契約農業プロジェクトの一つでは、投資企業は年率30%の収益を得る一方で、小農は5.5ヘクタールの内5ヘクタールを契約下でのキャッサバ栽培に使うことが強制される。

企業天国
マスタープラン案は、企業が投資によって20~30%という非常に高い年間収益を獲得できるビジネスチャンスをいくつか想定している。投資企業は、日本およびブラジルの両政府と投資家が出資するという「ナカラ・ファンド(Nacala Fund、20億ドル)」を利用できる。リークされたマスタープランでは、同ファンドの詳細は記載されていないが、他の筋からの情報によると、同ファンドは投資家保護の天国であるルクセンブルクで登録され、「アフリカ・オポチュニティ・ファンド1:ナカラ(Africa Opportunity Fund 1: Nacala)」として登録されるという 。

マスタープラン案で示されるいくつかのプロジェクトの中には、投資家に広大な土地を提供するものも含まれている。例えば、ニアサ州マジュネ郡で計画されている「統合的穀物クラスター」は、縦断的に統合した1つの会社によって運営される。この会社は、6万ヘクタールに及ぶゾーン内で、9つの5,000ヘクタールの農場を経営し、主に輸出用に、トウモロコシ、大豆、ヒマワリを輪作栽培する。マスタープラン案によれば、「事業の収益性は高く、内部収益率は20.3%と見積もられ、9年で資本回収(償却)できる」という。同プランでは、こうしたプロジェクトを回廊の各地で展開し、増やしていくことを求めている。

企業は、マスタープラン案で提案されている数箇所の経済特区(SEZs)からも利益を得る。企業はこうした特区で納税および関税が免除され、さらにオフショア金融協定によって利益を得ることができる。これらの特区は、プロサバンナ事業が加工および貿易施設として計画する地域内に置かれる。しかし、これらの措置は、輸出型農企業の発展によって本来政府にもたらされるはずの収益を大幅に減じることになろう。

プロサバンナ事業の計画策定は2009年に開始されたため、海外投資家および現地の提携業者らは、事業予定地に既に膨大な面積の土地を取得しており、土地を巡って地元コミュニティとの間でたびたび争いが生じている。マスタープラン案の狙いは、この地域にさらに多くの投資を呼び込むことにあり、それは言うまでもなく土地紛争をさらに深刻化させることになる。

こうした争いの激化についてマスタープラン案が提案している主たる解決策は、「プロサバンナRAI(責任ある農業投資)ガイドライン(ProSAVANA Guidelines on RAI )」である。このガイドラインの中核は世界銀行が作成したRAIの7原則(Responsible Agricultural Investment)に基づくチェックリストであり、農民組織および市民社会組織から幅広く批判されているものである。「プロサバンナRAIガイドライン」は、ナカラ回廊へのアグリビジネス投資促進のために2013年8月までに発表される「民間投資のためのデータブック(Data Book for Private Investors)」の付属書とされる。

これらは、弱いガイドラインであり、その履行は任意である。マスタープラン案は、土地収奪からコミュニティを本当に守れるような新しい法律または規制を求めていない。同プランには、「ナカラ回廊への農業投資に関心を持つ民間企業は、企業内の行動規範や任意の自主規制に加え、これらの原則の遵守がリクエストされるだろう」と記されているだけである。

このマスタープランの結果として何が起こるか
現行のマスタープラン案を進めることによって、小農による農業は破壊されるであろう。それは、農民の種子体系、地元の知識、現地の食文化、および伝統的な土地管理の一掃を意味する。同プランは、農民を現在の土地から追い出すか、一定のわずかな土地に押し込めることになるだろう。その土地では、農民らは企業向けの契約栽培をさせられ、借金して種子、肥料および農薬の代金を支払うよう義務づけられるだろう。土地占有権を取得する小農においても、大企業や大規模農家のために即座に土地を失うという危険にさらされることになるであろう。

マスタープラン案の7クラスターのうち1つだけが、小農向けのもので、家族経営の食料生産を目指したものになっている。さらには、かつて失敗した緑の革命と同じ開発モデルが提案されているだけである。このマスタープラン案では、ナカラ回廊の小農のニーズやキャパシティが全く考慮されておらず、その活力も取り入れられてはいない。

本マスタープラン案の最大の受益者は企業である。土地および生産を支配し、生産された食料の取引を管理する。生産された食料は道路、鉄道およびナカラ港から輸出されるが、それらのインフラは、モザンビークと日本から提供された公的資金により、他の海外企業によって整備される。海外の種子、農薬および肥料会社は、企業型農業のアフリカへの大規模な拡大によって大儲けするであろう。

モザンビーク人にも、この事業によって利益を得る人もいる。例えば、ポルトガルで最も富裕な家族は、モザンビーク大統領の友人および家族が管理する国内企業ならびにブラジル最大の法人農企業1社と提携して、既にモザンビーク北部で土地を取得し、大豆を栽培するための合弁事業を立ち上げている。しかし、これらの利益とは、一般のモザンビーク人を犠牲にした上で成り立つものである。

マスタープラン案を見た我々は、プロサバンナ事業を中止させ、食料主権のために闘っているモザンビークの小農および人びとを支援するという決意を新たにする。


署名団体:
Justiça Ambiental, JA!/ FoE Mozambique (Mozambique)
Forum Mulher (Mozambique)
Livaningo (Mozambique)
LPM - Landless Peoples Mouvement (Member of Via Campesina - South Africa)
Agrarian Reform for Food Sovereignty Campaign (Member os Via Campesina - South Africa)
AFRA - Association for Rural Advancement (South Africa)
GRAIN
Friends of the Earth International (FoEI) (*The world's largest grassroots environmental federation with 74 national member groups and more than two million individual members.)
National Association of Professional Environmentalists (NAPE) / Friends of the Earth (FoE) Uganda
FoE Swaziland
Amigos da Terra Brasil / FoE Brazil
Movimiento Madre Tierra, Honduras
NOAH Friends of the Earth Denmark
GroundWork (South Africa)
Amigos de la Tierra España / Friends of the Earth Spain
Environmental Rights Action / FoE Nigeria
Sahabat Alam Malaysia/ FoE Malaysia
SOBREVIVENCIA, Friends of the Earth Paraguay
CESTA, FoE El Salvador
Earth Harmony Innovators (South Africa)
Ukuvuna (South Africa)
FoE Africa
Kasisi Agricultural Training Centre (Zambia)

( 2013年4月29日現在)
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# by africa_class | 2013-05-03 00:51 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【保存】 ProSAVANAの資料・情報・論文・サイト一覧、学会報告一覧

既に、「モザンビーク開発を考える市民の会」のサイトに公開されていますが、こちらにも転載しておきます。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-18.html

また、五月雨に掲載した学会報告の一覧もこちらに。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-19.html

============
モザンビーク北部で行われているプロサバンナ事業(「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム」)については、国内外で、大論争を巻き起こしていますが、同事業に関する情報一覧集です。内容は抜粋なので、必ず元のデータにあたって全文を検討いただければと思います。

■JICA資料
1.事業概要
http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/activities/index.html

2.『モザンビーク国 日伯モザンビー三角協力による熱帯サバンナ農業開発協力プログラム準備調査最終報告書』http://libopac.jica.go.jp/search/detail.do?rowIndex=1&method=detail&bibId=0000252732

*その他の一次史料は、下記英語論文の巻末資料集に当たって下さい。

■NGOによるプロサバンナについての抗議声明
1. UNAC(全国農民連盟)モザンビーク最大の農民組織による声明1987年に設立された小農を代表し、その権利を守るための農民組織(http://www.unac.org.mz/)。86,000名以上の個人会員、2,200の協会および共同組合、83つの郡レベルの連盟、州レベルでは7つの連盟と4つの支部を擁す。2012年10月11日に、上記プロサバンナ事業に対する声明を発表。 
【原文】http://www.unac.org.mz/index.php/7-blog/39-pronunciamento-da-unac-sobre-o-programa-prosavana
【日本語】http://farmlandgrab.org/post/view/21204
「我々農民は、透明性が低く、プロセスのすべてにおいて市民社会組織、特に農民組織を排除することに特徴づけられるモザンビークでのプロサバンナの立案と実施の手法を非難する。プロサバンナに関する包括的な分析に基づき、我々農民は以下の結論に至った。
•プロサバンナは、ナカラ回廊の農民自身のニーズ、展望、基本的な懸念を考慮しないトップ・ダウン式の政策の結果である。
•我々は、モノカルチャー(大豆、サトウキビ、綿など)の大規模農業プロジェクトのためにコミュニティの移転や農民の土地を収用しようとするイニシアチブを強く非難する。
•我々は、アグリビジネスを目的とし、モザンビーク人農民を被雇用者や農業労働者に変えるブラジル人農家の入植を非難する。
•我々は特にプロサバンナがナカラ回廊地域の広大な土地を必要としていることを懸念している。地域の実態として、そのような広大な使用可能な土地はなく、土地は地元農民が移動耕作を実践して現在使われているのである。」

2. モザンビーク環境団体 Justica Ambiental(JA)およびFriends of the Earth (FoE Mozambique)による声明モザンビーク人自身による主体的な環境保護団体として、同国内の様々な環境問題に取り組み、世界的に高く評価されてきた。特に、「ダム問題」「違法伐採問題」では、身の危険を顧みず重要な役割を果たす。違法伐採問題については、日本のテレビ番組にも協力。JICAの招聘で2007年に来日し、TICAD IVに向けた提言を行う。同団体によるプロサバンナ事業に関する声明。
【原文・ポルトガル語】http://farmlandgrab.org/post/view/21566
【日本語版】http://landgrab-japan.blogspot.jp/2013/01/justica-ambientalfoe.html
「(略)6500万人のブラジル人が食料危機に直面し、数百万人の人々が生存手段を保証す食料生産のために土地へのアクセスを求めるブラジルにおいて失敗した農業開発モデルを、ブラジルはプロサバナを通じてモザンビークに輸出しようとしている。この経験は、農民の生活森林、そして同国の生態系に及ぼしたインパクトと比較するとき、ブラジルのモデルにおける利益が無意味であることを示している。
 プロサバナ計画は、「緑」という洗練された言葉によって巧みに装飾され、モザンビーク人および国際社会に「持続可能な農業開発」計画として提示されたが、同時にもたらされるであろう社会的かつ環境的インパクトの可能性は完全に除外された。しかしながら、この規模の開発計画は、共同体の再移転が必要となることが予測されるが、当事者である共同体がその事態について僅かにあるいは何も知らないことが懸念される。本件は、農民や現地の共同体を包摂することなく極めて高い次元で立案・決定されたものである。 (略)」

3. モザンビーク&国際NGO共同声明、23団体+1ネットワーク署名、97団体賛同
Joint Statement (29 April 2013)
Leaked ProSAVANA Master Plan confirms worst fears
Civil society groups warn secretive plan paves the way for a massive land grab
「モザンビーク北部のProSAVANA事業マスタープランは、想定されうる最悪のシナリオを露呈した~市民社会組織は大規模土地収奪に道を 拓秘密計画に警告を発する」

【原文・全文】http://www.grain.org/e/4703
       http://farmlandgrab.org/post/view/21996
【和文全訳】http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-21.html

「市民社会組織は、リークされた最新バージョンのプロサバンナ事業のマスタープラン案(2013年3月版)をついに見ることができた。それにより、日本・ブラジル・モザンビーク政府が、モザンビーク北部で大規模な土地収奪を可能とする道を拓こうと秘密裡に企てていることが判明した。モザンビークのいくつかの団体とその国際パートナーは、考察とともにこのマスタープランを公にする。(略)プロサバンナは、開発援助事業として提示されてきたが、入手したマスタープラン案を見ると、モザンビークの農業を企業が乗っ取るビジネス計画であることが明らかである。(略)1.伝統的移動輪作農法や土地管理の実践を潰し、農民を、商業作物、化学肥料・農薬の投入、私的土地占有権に基づく集約農業に追いやる。マスタープラン案では、伝統的農業の有効性について何も分析していないにもかかわらず、「移動農法から定着農業(settled farming)への移行が緊急に必要」で、「マスタープランの鍵となる戦略」としている。さらに、「移動農法の実践の撲滅」アクションまでも求めている。(略)これらの集約農業を促進する方策の真の目的は、土地を私有化し、外部からの投資が土地を得やすくすることにある。農民を(DUATsにより)定められた土地の境界線内に追い込むことで、投資企業が取得可能な土地を明確にし、州政府が企業向けの土地銀行(land bank)を設立することを可能にするという。また、マスタープラン案は、投資企業が土地を取得するにあたって、コミュニティとの交渉無しで済ませることを認めている。」


■これまでの報道資料
1.朝日新聞:2013年2月2日朝刊「私の視点」「モザンビーク開発 住民軽視の進め方、見直せ」
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201302010544.html
【原文・全文】http://afriqclass.exblog.jp/17253760/
「昨年10月、モザンビーク最大の農民組織・全国農民連盟(UNAC)がこの事業に抗議の声をあげた。声明では、「ブラジル企業による土地収用の可能性」「全プロセスにおける農民の主権無視」の2点を強く懸念している。JICA側は「情報伝達不足による誤解」としているが、そもそも情報伝達の問題だろうか。外務省にも確認したが、ブラジル企業による土地収用の可能性は現時点では否定されていない。
 プロサバンナが「お手本」とするセラード開発は、日本の融資とJICAの技術協力によって行われた。JICAによると、「不毛の無人の地」を高い生産性を誇る世界最大規模の農地に変え、ブラジル農業の躍進に寄与したという。しかし、軍政下のブラジルで行われたこの開発は、地元の先住民からは異なった評価がなされてきた。森林が破壊され、先住民らは抵抗空しく土地を奪われ、生活手段を失った。一方で、豊かな南部から中規模以上のヨーロッパや日系農家が入植。先住民らは安価な農場労働力としての転出を余儀なくされた。そこで先住民はNGOを結成しJICAに面談を申し入れたが、門前払いにされたという。モザンビークの農民は、同じ事が繰り返されることを恐れているのである。(略)」

2.ブラジル大手雑誌de Fato誌2012年11月29日記事「ブラジルのアグリビジネスがアフリカを侵略」
【原文・ポ語】http://www.brasildefato.com.br/node/11330
【日本語訳】http://landgrab-japan.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html

3. ブラジル議会TV番組 2012年6月27日 日系ブラジル議員
「プロサバンナはブラジルの土地が高くて入手できない失業営農者のための土地取得と開拓が目的」 
【原文・ポ語】http://farmlandgrab.org/post/view/21652 
【全訳・日本語】http://afriqclass.exblog.jp/17331007/
「この合意はなによりもブラジルのセラードの経験をアフリカのサバンナに移植するために形成されたのです(略)この地域では(ブラジルの総合資源開発企業)ヴァーレ・ド・リオ・ドーセ(Vale do Rio Doce)なども石炭や鉄鋼といった鉱物資源の採掘を行っています。そこに今度は我々のブラジル人農業労働者を連れていくわけです。ブラジルにおいて農業を行いたくとも土地が不足している若い人たちです。(略)特にブラジル南部の土地の不足した地域で4ヘクタール、5ヘクタールといった規模で農業を営みながらも、近代的で大規模な農業を行いたいと思っている若い営農家にとっては多くの機会を提供することになるでしょう。」

3. モザンビーク情報誌MOZAMBIQUE News reports & clippings 209/210 December 2012
【英語】http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/pics/d137382.pdf
http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/pics/d137380.pdf
【日本語解説】 http://afriqclass.exblog.jp/17017188/

4. 国際NGO・GRAINによるラジオインタビュー“Interview with GRAIN on the ProSavana project”, 14 December 2012
【英語】http://www.grain.org/article/entries/4633-interview-with-grain-on-the-prosavana-project
【日本語全訳】http://afriqclass.exblog.jp/17062266/
「(略)我々が2012年春、5-6月頃、このプロジェクトを調査し始めた時に、私はブラジル側でこのプロジェクトを推進し、とりわけ資金調達や民間セクターの参入に関わる半公的機関であるGVアグロの担当者と話しました。
 彼らが率直に語ったところでは、土地は豊富にあり、このプロジェクトの事業地は誰も農業をしていない土地でやるし、モザンビークにはたくさんの土地があるのだから、このような農業地域の規模では全く社会的な負のインパクトなどないだろうということでした。モザンビーク政府でさえ、この国には3500万ヘクタールの開発可能な土地があると言っているのです。世界銀行などの開発金融機関はこの国は使われていない農業用の土地があり余るほどあると言っています(略)。」

5. 東京新聞 2013年3月3日朝刊「プロサバンナの見直しを」目黒でUNAC講演
「UNACによると、ナカラ回廊では、小規模な農民が、トウモロコシやキャッサバなどを生産している。開発によって土地の争奪や森林伐採が始まると、国民の生活やコミュニティが崩壊し、生存権や食料主権が脅かされると指摘している」

6. しんぶん赤旗 2013年2月28日「現地の人に役立つアフリカ支援を訴え」来日のモザンビーク農民組織
「日本政府は地元農民の声を聞いてください」(略)全国農民連盟UNAC代表のアウグスト・マフィゴさんは、「この事業はトップダウン式に決められた。(略)人口の半分以上が貧困にあえぐもとで小農の土地を取り上げ、輸出のための大規模農業を進めることを強く非難する」と述べました。26日に行われた外務省内での表敬訪問では、同省は、「住民移転はある」「補償がある」と土地の収用を否定しませんでした。

7. 2013年4月10日 Do Canal de Moçambique
"Moçambicanos denunciam a saga do agronegócio em usurpar suas terras"
「モザンビーク人らは、土地を奪うアグリビジネスのサガを非難」
Por Aunício da Silva
【ポルトガル語】http://www.mst.org.br/Camponeses-mocambicanos-denunciam-a-saga-do-agronegocio-em-usurpar-suas-terras

8.2013年4月3日 Instituto Humanistas Unisinos インタビュー
"ProSavana: interesses múltiplos e contraditórios. Entrevista especial com Fátima Mello" 「プロサバンナ:複数の矛盾する利益 ファティマ・メロとの特別インタビュー」http://www.ih【ポルトガル語】u.unisinos.br/entrevistas/518948-prosavana-interesses-multiplos-e-contraditorios-entrevista-especial-com-fatima-mello


■NGOによる分析
1. 開発と権利のための行動センター・青西靖夫氏の記事「モザンビークにおける国際協力事業が引き起こす土地争奪~」
【日本語】http://landgrab-japan.blogspot.jp/2013/01/blog-post_29.html
(財団法人地球・人間環境フォーラム 『グローバルネット』265号2012年12月)
「(略)■プロジェクトのさまざまな問題点 ①透明性の欠如
 このプロジェクトの不透明性は単に農民に情報が発信されないことに起因するだけではなく、プロジェクトの立案・実施プロセスに不透明な部分が内在されていることによると考えられる。 (略)準備調査報告書[2]によると、「『準備調査』は、国道13 号線沿いに、ナンプーラ州並びにニアサ州およびザンベジア州の一部を調査対象地域とした」とされている。しかしながら、この調査に参加したブラジルの農業研究機関であるEMBRAPAは、「商業規模の農業生産投資をも可能にすべく」、調査の最終段階で調査対象地域外のナカラ回廊の北西部の640万ヘクタールの土地をプロジェクト対象地に組み込んだのである。現在のモザンビーク全体の耕作面積よりも大きく、日本の農地面積より広大な土地を、誰がどのように利用しているのかも把握もしないままに、「機械化農業に適している」と記載された外交文書に国際協力機構(JICA)は調印したのである!
 このように、このプロジェクトにはブラジル政府の意向が大きな意味を持っており、日本政府やJICAの意図を超えて動く可能性を秘めていることを理解しておく必要がある。それだからこそ、モザンビーク農民だけではなく、私たち日本国民も、納税者としてこのプロジェクトに対する監視を怠ってはならないのである。(略)」

2. FASE 21/03/2013
"A Equipe da FASE Visita Moçambique
http://fase.org.br/v2/pagina.php?id=3835
①"O que quer o Brasil com o ProSAVANA?"
Por Fátima Mello, do Núcleo de Justiça Ambiental e direitos da FASE
(2013年3月21日)
【原文・ポルトガル語】http://www.fase.org.br/v2/pagina.php?id=3837
【日本語全訳】:http://afriqclass.exblog.jp/17534960/
「(略)小農コミュニティは、まさにプロサバンナ事業による投資が来るとされる地域に、集中的に存在している。ブラジル国際協力庁(ABC)は、現在この事業への批判はコミュニケーションの失敗によるものだと強調するが、モザンビークの市民団体や社会運動との対話から明らかになったのは、問題はもっと根深いところにあるということである。ブラジルは、モザンビークのサバンナに、我々自身が経験してきた歴史的紛争を輸出しようとしている。この紛争とは、輸出のためのアグリビジネスによる大規模なモノカルチャーのモデルと、小農民や家族経営農民による食料生産システムの間に起こったものである。マプートで発表されたプロサバンナ事業に関する最新の情報では、このプログラムの責任者らは、ナカラ回廊に「高価値作物」栽培に向けた民間投資を奨励するため、地域を「農業クラスター」に分けた地図を示している。(略)つまり、大規模アグリビジネスと家族経営/小規模農民といった二つのシステム間の共存とハーモニーが可能という古い仮説に基づいているのである。しかし、ブラジルではこれ(大規模アグリビジネスと小農が共存するという前提)こそが、深刻な紛争の源泉となっている。(略)」

②"Visita à Moçambique: país de lideranças fabulosas"
Por Vilmon Alves Ferreira, Educador Popular Técnico da FASE Mato Grosso
(2013年4月12日)


■「プロサバンナ事業に関するNGO・外務省意見交換会」資料
1. 第一回(2013年1月25日)NGOによる議案説明書(AJF食料安全保障研究会 吉田昌夫)
→http://afriqclass.exblog.jp/17211715/

■ 講演会記録
1. 「農業大国ブラジルの光と影:遺伝子組み換え大豆を例に」(2012年11月8日、明治学院大学)http://afriqclass.exblog.jp/16942534/
●当日パワーポイント→http://www.slideshare.net/tomonada/ss-15085242
●当日紹介ブラジル公共放送TV Brasil番組(ポルトガル語25分)→https://www.youtube.com/watch?v=1WG-VT_Je40
●以上番組の短縮バージョン&印鑰さんの日本語字幕→https://vimeo.com/53087502
「社会的影響:元々小農がたくさんいた。軍事政権下で小農の権利を守る法律などなかった。政府に逆らえなかった。飛行機で農薬を巻き、コンバインで刈り取る。広大な農地があっても職を生み出さなかった。そこで雇われるのはごく僅か。(略)セラード観のあまりに大きな違い:日本では大成功とされるセラード=「不毛の大地を大穀倉地へ/奇跡」とされる。日本でセラードについて語られるすべてのもので、「不毛の大地」という枕詞がついてくる。ブラジルではセラードは、「世界でもっとも生物多様性な豊かなサバンナ」と呼ばれている。(略)ブラジル農業モデルの輸出が成功といえるのか?:大いに疑問視した方がよい。50年後このモデルが成立しているのはあり得ない。セラードの土地は脆弱で、水がなくなっているかもしれない。今これを再考しなければならない時代に入っている。ところが今年、日本政府は大成功であるというセミナーをリオデジャネイロで開催し、さらにこれをアフリカに輸出しようとしている。アフリカには広大なサバンナ地域がある。ブラジルの「ノウハウ」が輸出できるという。本家のブラジルが止めようといっている最中に、アフリカに「日本」が輸出しようとしている。」

2. 「モザンビークでのJICA熱帯サバンナ農業開発プログラム市民社会との勉強会」(2012年11月16日)明治学院大学国際平和研究所(PRIME) 「平和学を考える」AJF・JVC・HFW・明治学院大学国際平和研究所(PRIME)共催連続公開セミナー「食べものの危機を考える」2012年度 第5回
講師:JICAアフリカ部アフリカ第三課 坂口幸太 
コメント:舩田クラーセンさやか(東京外国語大学大学院教員)
http://afriqclass.exblog.jp/16942666/
http://afriqclass.exblog.jp/16942699/

3. 「プロサバンナ事業とその問題」2013年2月23日(松山市ODA勉強会、えひめグローバルネットワーク主催)講師:舩田クラーセンさやか(東京外国語大学准教授)
http://afriqclass.exblog.jp/17362546/
*資料したパワーポイントを全部公開しています。

■学術論文
1."Land Grabbing,Agribusiness and the Peasantry in Brazil and Mozambique"
By: Elizabeth Alice Clements and Bernardo Mancano Fernandes
http://www.cornell-landproject.org/download/landgrab2012papers/Clements_Fernandes.pdf
2012年秋に開催されたコーネル大学での土地争奪国際会議での研究報告ペーパー。ブラジルのセラード開発で生じた各種の問題(小農や住民の視点から)が、モザンビーク北部で展開するプロサバンナ事業によって再現される可能性について警鐘を鳴らしている。

2. "Analysis of the discourse and background of the ProSAVANA programme in Mozambique – focusing on Japan’s role" (2013 Jan.)
Dr.Sayaka FUNADA CLASSEN
【英語版】http://farmlandgrab.org/post/view/21574
【ポルトガル語版】http://farmlandgrab.org/post/view/21802
日本の一次資料に基づき、プロサバンナ事業にかかわるディスコース(言説)の変遷を明らかにするとともに、「市民社会」「農民主権」「先行事例との比較(ブラジル、アフリカ)」の3点から内発的発展を視座としつつ、問題点を浮き彫りにした。JICA等の一次資料の一覧もついていますので、ご活用を。

3. China and Brazil in African Agriculture (CBAA) Project work stream
ESRC (UK Economic and Social Research Council)の研究プロジェクトの成果
http://www.future-agricultures.org/
①"Chinese and Brazilian Cooperation with African Agriculture: The Case of Mozambique"
by Sergio Chichava, Jimena Duran, Lidia Cabral, Alex Shankland, Lila Buckley, Tang Lixia and Zhang Yue (March 2013)
http://www.future-agricultures.org/publications/research-and-analysis/cat_view/237-nnnresearch-and-analysis/184-working-papers#.UXujP6KpVSQ

②"Narratives of Brazil-Africa Cooperation for Agricultural Development: New Paradigms?"
by Lídia Cabral and Alex Shankland
http://www.future-agricultures.org/publications/research-and-analysis/cat_view/237-nnnresearch-and-analysis/184-working-papers#.UXujP6KpVSQ
pp.15-16で、プロサバンナについて取り上げている。インタビューの結果として、ブラジルの目的が不透明であること、ブラジル・アグリビジネスの関与が強く示唆されている。また、ブラジル国内の農業政策(アグリビジネスをはじめとする大規模農業の推進か、土地なし農民を含む小農支援の重視か)の矛盾や問題が、解決していないままの「国際協力」であることが指摘されている。


■関連サイト
1. 土地争奪に関する国際ウェブサイト
【英語・各種言語】http://farmlandgrab.org
【日本語】http://landgrab-japan.blogspot.jp/
No!to Land Grab, japan

2. 舩田クラーセンさやか個人ブログの「土地収奪・プロサバンナ問題」ページ
http://afriqclass.exblog.jp/i38

3. モザンビーク関連資料立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点
http://www.arsvi.com/i/2mzm2012.htm

4. 土地問題に危惧する国際NGO・研究者が設定したデータベースThe Land Matrix
http://landportal.info/landmatrix

5.Stop Africa Land Grab (キャンペーン)
http://www.stopafricalandgrab.com/

6. Friends of the Earth (FoE)(国際環境NGO)
http://www.foejapan.org/aid/land/index.html (日本語)
http://www.foe.co.uk/news/land_grab_protest_36293.html (英語)

7. 印鑰 智哉(いんやく ともや)さんのブログ
http://blog.rederio.jp/archives/tag/prosavana
http://blog.rederio.jp/archives/tag/prodecer
http://blog.rederio.jp/archives/tag/cerrado
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# by africa_class | 2013-04-29 17:17 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

国際コモンズ学会(@富士吉田6月3日~)"Law and Land Grabbing - Mozambique"

これが最後の・・・はずです。
平和学会の報告申し込まなくてよかったです・・・。

それにしても、この分野、ドイツの研究者の注目が凄いです。
ドイツでの研究も、結局この分野での成果発表を求められた結果です。
去年9月にこのテーマで論文を書き始めた時には想像だにしていなかった・・・ことです。
このブログでも何度も研究したい学生さんを呼びかけましたが、誰もいないので自分でやるしかない・・・状態が、良かったのか悪かったのか。しかし、世界的には、こんなにニーズがあったのですね。

でも、2月の福島の報告・討論会で、水俣の先生が、「専門家がいない・・・と嘆かず、自分で専門家になるのだ。出来るから」とおしゃっていたことに背中を押されています。がんばりましょう。

話の内容は国際土地問題学会と同じですが、議論する仲間と場が違うので、かなり議論は深くなると思うので、内容はコモンズ(共有資源)のことに引き付けて検討しなければなりません・・・・が、準備が。。。

なお、この学会世界中から研究者や実務家が結集します。ブラジルの研究者からも既に連絡もらっており、是非フィールドトリップなどもあるのでご参加ください。

しかし、未だに発表の日時が分かりませんが・・・。多分、4日か5日になります。
http://iasc2013.org/en/program.html

==============================
14th global conference of the International Association for the Study of the Commons
http://iasc2013.org/jp/
国際コモンズ学会第14回世界大会(富士吉田)

==============================
 コモンズとは、もともとイギリスの共有地のこと。ただ今日では、広くさまざまな「共有資源」をさすようになっています。国際コモンズ学会は、共有資源の適切な利用・管理のありかたを理論的・実践的に探る学会です。
 共有する資源を適切に管理する方法には、これまで二つの異なる考えがありました。国家権力による解決と市場原理による解決です。誰にとっても大切な資源だから、公的機関が中央集権的に管理すべきという考えと、逆に民営化し、市場で適切な価格をつけることにより、無駄な利用をやめるようにすべきという考えです。
しかしながら、公的な管理と私的な管理はいずれも万能ではありませんでした。資源をめぐる利害の対決や不公平は、自然の荒廃と、人々の間の経済的格差、先行き不確実な社会を生んでしまいました。
 国際コモンズ学会では、国家でも市場でもない第三の解決方法があると考えています。それが、地域の人々による共的な管理です。ある特定の資源に関わる当事者が、自ら自主的にルールを定め、資源を利用してゆく方法です。国際コモンズ学会の初代会長であるエリノア・オストロム教授は、地域の人々が自主的に資源を利用・保全してきた世界中の事例にもとづく研究により、この第三の解決方法の可能性を示し、2009年にノーベル経済学賞を受賞しました。受賞論文では世界のさまざまな事例とともに、日本の北富士地域の入会制度のことが大きく取り上げられています。
 資源を大切に長く利用しようとした先祖から伝わる精神。ともすれば忘れがちなこの精神について、ノーベル賞の端緒となったここ北富士の土地で開かれる大会を通じて、より多くの人々とわかちあいたいと私たちは考えます。

■参加するパネル
"Law and Land Grabbing: Law for Commerce or Commoners?"
(Large-scale land acquisitions, resource grabbing, legal and regulatory frameworks)

●ORGANIZER and Co-CHAIR
Dr. NEEF Andreas (Kyoto University)
Dr. ALDEN WILLY Liz (Consultant, Kenya)

●Presentation
Dr. BRÜNTRUP Michael (German Development Institute:DIE)
Dr. FUNADA CLASSEN Sayaka (Tokyo University of Foreign Studies)

This panel will report from a pre-IASC-conference meeting on “Legal and Development Implications of International Land Acquisitions” to be held from 30-31 May 2013 in Kyoto. The meeting will be jointly organized by the Graduate School of Global Environmental Studies, Kyoto University, and the Law and Development Institute, University of Manchester. We will look at resource grabbing by investors in alliance with national governments and its impact on commoners and the commons from a law and development perspective. It will be argued that whilst large-scale acquisitions for industrial agriculture and extractive purposes impact upon smallholder farming and food supplies, they will over time most dramatically impact upon the lands and resources which poor rural communities around the world hold and use on a communal basis, but usually without the benefit of protective law. The medium and longer-term impacts upon the future of commons and commoner rights will be carefully considered. Another focus of the panel will be upon the reawakening of the stressed relationship between community-derived customary land law and national land legislation as a mirror of long-unresolved contradictions in modes of social transformation and growth. Another will examine the way in which the international donor community becomes entangled in processes of expropriation and resettlement as midway actor in contested growth strategies. Questions around the role of international law and guidelines will be scrutinized. More broadly, the aim of the panel is to locate the current grab as integral to expanding capitalist transformation and unlikely to recede. Focus therefore will be upon practical measures of mitigation. To examine these matters the panel will deliberately bring to bear trends in selected African and Asian countries to demonstrate the commonality of the plight of the commons and commoner rights, and the need for equally global approaches to meet the challenges.
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# by africa_class | 2013-04-27 22:19 | 【記録】講演・研究会・原稿

土地問題国際学会@京大(5月30日)"Land Acquisition by Foreign Agribusiness in Mozambique-ProSAVANA"

自分でも理解しておくために・・・掲載しておきます。
が、大丈夫なんでしょうか・・・私。
頼まれたからとはいえ・・・あと一個あります。

国際学会(2013年5月30日ー31日)@京都大学
"Legal and Development Implications of International Land Acquisitions"
http://www.lawanddevelopment2013.org/
京大Graduate School of Global Environmental Studies
http://www.ges.kyoto-u.ac.jp/cyp/index.php?ml_lang=en
マンチェスター大学Law and Development Instituteとの共催です。
http://www.lawanddevelopment.net/

■プログラム
http://www.lawanddevelopment2013.org/index.php/program
アフリカにおける土地争奪問題の専門家が基調講演するほか、世界中の土地争奪問題が議論されます。

■基調講演
"The Law and Land Grabbing - Friend or Foe?"
by Liz Alden Wily, Independent Land Tenure Specialist, Nairobi, Kenya

■全体セッションⅡでプロサバンナを取り上げます。
“Competing Frameworks and Perspectives on Land Property and Land Markets”

1. "Indigenous People in Latin America and the Right to Non-Renewable Natural Resources: The Bolivian Case"
by Lorena Ossio Bustillos, Max-Planck-Institute for Social Law and Social Policy, Germany

2. "Land Acquisition by Foreign Agribusiness in Northern Mozambique through Triangular Cooperation with Japan and Brazil: An Analysis of Shifting Discourses"
by Sayaka Funada-Classen, Tokyo University of Foreign Studies, Japan

3. "Large-Scale Land Acquisition in Sub-Saharan Africa: Evaluating the Policy-Practice Divide"
by Laura German, University of Georgia, USA

■自分の要旨だけ掲載しておきます。
"Land Acquisition by Foreign Agribusiness in Northern Mozambique through Triangular Cooperation with Japan and Brazil: An Analysis of Shifting Discourses"
by Sayaka FUNADA CLASSEN

This presentation will examine the much debated characteristics and background of the “Triangular Cooperation for Agricultural Development of the Tropical Savannah in Mozambique”, the so-called “ProSAVANA” program, signed jointly by the governments of Japan, Brazil, and Mozambique in 2009. This programme has been criticized by local farmers’ and civil society organizations due to its possibility of land-grabbing by foreign investment and for the top-down process of project planning and implementation. This presentation seeks: (1) to analyse the discourse and the arguments observed in public documents and discussions of Japanese planners and promoters of the programme; (2) to examine – based on the voices of the local civil society – the social and cultural characteristics of Northern Mozambique and preceding cases of land grabbing observed in Brazil and other African countries; (3) to highlight the characteristics and the challenges concerning the present predominant discourse of development and assistance.
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# by africa_class | 2013-04-27 21:15 | 【記録】講演・研究会・原稿

アフリカ学会@東大(5/26)「グローバル下アフリカにおける農業投資とODA~セラード開発とプロサバンナ」

続けて、日本アフリカ学会での発表要旨を掲載しておきます。
日本アフリカ学会は、2013年5月25日ー26日まで、東京大学駒場キャンパスで開催。
詳細→http://www.jaas50.com/
参加費はかかりますが(学生3000円)、沢山の発表があって本当に面白いです。

私の発表は、26日(日)午後です。
プログラム→http://www.jaas50.com/zantei.pdf

本報告は、近刊の本の一章に基づきますが、最近のブラジル・セラード開発に関する学術論文も追加で参考にします。なお、同章の中身については、英語・ポルトガル語版がダウンロード可能です。
"Analysis of the discourse and background of the ProSAVANA programme in Mozambique – focusing on Japan’s role" (2013 Jan.)
by Dr.Sayaka FUNADA CLASSEN
【英語版】http://farmlandgrab.org/post/view/21574
【ポルトガル語版】http://farmlandgrab.org/post/view/21802

=================================
グローバル下アフリカにおける農業投資と政府開発援助の一考察
~セラード開発とプロサバンナ事業の比較から

=================================
舩田クラーセンさやか(東京外国語大学 准教授)

Analysis of Agricultural Investment and ODA in Africa under Globalization
-focusing on the Cerrado development and ProSAVANA-
Sayaka, FUNADA-CLASSEN (Tokyo University of Foreign Studies)

「長い16世紀」に開始したグローバリゼーションは、冷戦終結から二十数年を経た現在、世界中の人びとの日々の生活レベルにその影響を及している。その影響の濃淡やあり方は、国や地域、集団や人びとによって大きく異なるとはいえ、「影響が及んでいる」という点についてはおおよそ同意が得られるであろう。
植民地支配や資本主義経済の流入後も、その「周縁性」によりある程度は自律的な生活を営むことが可能であったモザンビーク北部農村地域であるが、近年の加速化する外国からの投資(鉱山・農業開発)によってこの地域も大きな影響を受け、地域住民、とりわけ小農らは、様々な課題に直面している。なかでも、外国企業等による土地の争奪(land grabbing)が急速に進行し、各地で地元農民から土地が奪われる事態が発生している。

同様の事態は、世界中とりわけアフリカで急速に進んでおり、各地で農村住民の異議申し立てが観察されている。中でもモザンビークは、世界第二位の土地取引件数と面積が報告されており(LandMatrix2012)、土壌が良く水もある北部がターゲットとなっている。

そんな中、日本政府とブラジル政府は、「熱帯アフリカ農業開発の促進」を掲げ、モザンビーク北部で大規模な農業開発を行う「プロサバンナ事業」を、モザンビーク政府とともに開始した。これに対し、2012年10月11日、モザンビーク最大の農民組織・UNAC(全国農民連盟)は、プロサバンナ事業への抗議声明を発表した。

以上を踏まえ、本報告では、モザンビーク小農の異議申し立ての根底にある現在の「農業投資」がアフリカで引き起こしつつあるいくつかの課題について、同事業がモデルとするブラジルで行われた大規模農業投資事業(セラード開発)との比較によって考察する。本報告は、次の手順で行われる。

1.世界的な農業投資の加速化とアフリカにおける土地収奪問題の概要
2.モザンビークにおけるプロサバンナ事業への農民組織の異議申し立ての概要
3.ブラジル・セラード開発による先住民への影響の考察
4.以上に基づくモザンビーク北部小農へのインプリケーション

本報告がベースにするのは、1.については統計資料や国際機関の報告書、2.農民組織の声明や筆者によるインタビュー結果、3.セラード開発に関するブラジルの先行研究(特に、先住民や小規模あるいは土地なし農民への影響に関するもの)である。

結論は次のようなものである。
現在、「アフリカの食料問題の解決策」と称して大規模な農業投資や農業開発援助が必要と叫ばれている。G8サミットの”New Alliance for Food Security and Nutrition”等がその例である。そこで念頭におかれているのは、ブラジル・セラード開発に象徴される大規模開拓と機械化を前提とする農業投資である。

日本ではその「成功」ばかりが事業推進者らによって主張されてきたが、ブラジルの学術的な先行研究の知見に基づき、同事業が小規模あるいは土地なし農民にもたらした「負の遺産」を十分議論し、その教訓に基づいて現在のアフリカへの「適応」について再考されるべきと考える。
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# by africa_class | 2013-04-27 20:52 | 【記録】講演・研究会・原稿

国際開発学会(6月8日@宇大)「原発事故から2年、TICAD Vの年に問直す開発と発展~投資/援助と農民主権」

何故こういうことになったのか未だに不明なのですが、5月24日~3週間の間に、何故か4つの学会で研究報告をしなければならず(誘われたのを受けていったらそういうことに)、、、。一個ずつ紹介する余裕がある時に紹介していきます。ネタは全部似たもので・・・すみません。

まずは、国際開発学会第14回春季大会の企画セッション。
コーディネイターは、龍谷大学に移られた西川芳昭教授です。
http://kokutvkaigi.mine.utsunomiya-u.ac.jp/jasid14/schedule.html

本企画セッションは公開企画で、一般の方も無料で参加が可能です。
ただ2時間枠で4人発表なので議論の時間が十分取れないため、「続編」を翌日同じ会場にて、10時~正午まで「続編」を開催します(詳細は末尾)。ふるってご参加ください。

311後の日本で考える「開発」と「発展」・・・・是非ご一緒に。

********************
■原発事故から2年、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)年に問い直す開発と発展
「アフリカにおける経済成長と内発的発展~グローバル農業投資と農民主権」


【主催】TICAD市民社会フォーラム(TCSF)有志・大会実行委員会
【共催】宇都宮大学国際学部附属多文化公共圏センター 
【協力】JASID「原発震災から開発・発展を考える」研究部会

●報告者 (座長:大林稔)
1.「311以後の東北農業~農民を根なし草にしようとする政策と抵抗する農民」(谷口吉光、秋田県立大学地域連携研究推進センター)
2.“Legal and Ethical Implications of Land Grabbing"(アンドレアス・ニーフ、京都大学)
3.「農業投資と農民主権~種から考える」(西川芳昭、龍谷大学)
4.「農業開発援助と農民主権~モザンビークを中心に」(舩田クラーセンさやか、東京外国語大学)
■コメンテイター 
・熊代輝義(JICA農業農村開発部長)
・西川潤(前国際開発学会会長)

■企画セッションの趣旨と意義
未曾有の被害と苦悩をもたらした東日本大地震、そして原発事故発生から2年が経過した。日本に暮らす我々の間でも、従来の経済成長を目指す「開発」への疑問が深まりつつある中、本国際開発学会においても「原発震災から再考する開発・発展のあり方」部会が設置されるなど、「開発と発展」の見直しが行われつつある。

さらに、本学会の学会誌『国際開発研究』最新号(Vol.21 No.1/2 2012年11月)では、「開発/発展をめぐる社会学の位相」が特集され、佐藤寛・現学会長によっても「開発と発展」をめぐる議論に立ち戻る重要性が喚起される一方、小倉充夫による巻頭論文では援助研究に留まらない世界的政治経済構造と主体のせめぎ合いから「開発と発展」を考えるべきとの提言がなされている 。また、学会企画として出版された『開発を問い直す』においては、西川潤・前学会長が「開発=成長パラダイムの問い直し」を提起するとともに 、現佐藤会長が、近代化経験を「内発的発展」の視点から振り返ることが日本のみならず途上国にとって重要であることを示唆してきた 。

本年は、1993年から5年に一度開催されてきたアフリカ開発会議(TICAD)の第5回目が横浜市で開催される年にあたる。また、開発援助の風景を大きく変えたミレニアム開発目標MDGsのターゲット年が2015年に迫り、ポストMDGsの議論も平行して行われており、同目標の主要対象地域がアフリカとなっていることからも、TICAD VでもポストMDGsの議論が取り上げられる見込みである。

2000年代より、日本の開発援助は、アジア・南米地域から急速にアフリカ地域へとシフトしているが、アフリカは経済成長が目覚ましい一方、経済格差が広がり貧困者の割合は成長に見合った変化には至っていない現状にある。今、アフリカで何が起こっているのか、それは世界的政治経済構造とどのように関係するのか、地域に暮らす人びとは何を願いどのように生きているのか、構造と主体のせめぎあいの結果社会はどう変化しているのか、このような構造と当事者の変化を受け、開発援助はどのように関わるべきか。

以上の問いは、『国際開発研究』での議論を受けて提起されているだけでなく、冒頭にあげた東日本大震災に伴う原発事故後を生きる日本の我々にとって、アフリカを主要テーマにしつつも「開発と発展」を問い直す上で重要な問いだと考える。

そこで、TICAD Vの翌週に企画される本大会では、原発事故後の日本における開発への問い直しの地平に立ち、経済成長が目覚ましいアフリカの開発と発展を、参加者と共に根底から考える機会としたい。

時間が限られていることもあり、本企画において中心的に取り上げるのは、2007-2008年の食料価格高騰以来アフリカ地域に集中的になされているグローバルな農業投資の問題である。サハラ以南アフリカの圧倒的多数の住民が小規模な農業に従事する中で、このような投資の影響は、地域社会にあらゆる変化を及ぼしつつある。この変化について、世界的政治経済構造を踏まえた上で、内発的発展、とりわけそこに暮らし生きる農民主権の視点から、土地、種、食料について焦点を当て、問題提起・考察する。

なお、冒頭に日本で内発的発展の視点から農民の声を聞いてきた研究者の発表を置くことで、議論を「遠い他者としてのアフリカ」あるいは「我々日本の援助」の問題にとどめず、同時代の世界に生き、形は違うとしても世界的政治経済構造の変化と主体のせめぎあいの中で生きる我々自身の問題として、「開発と発展」の議論をひらいていく試みとしたい。


■「【続編】原発事故か ら2年、第5回ア フリカ開発会議(TICAD V)年に問い直す開発と発展」

*学会時間枠では議論の時間が限られているため、翌朝同じ会場にて「開発」と「発展」について議論を深める機会を設けたいと思います。詳細は 次の通りです。前日したい議論が出来なかった皆さん、別のセッションで参加できなかった皆さんも、是非ご参加ください。

○日時:6月2日(日)午前10時~正午
○場所:宇都宮大学 大学会館(前日と同会場)
○モデレーター:大林稔+西川芳昭
○前日報告・コメンテイター:西川潤、谷口 吉光、舩田クラーセンさやか
○参加自由・申込み不要。直接会場にお越しください。

【主催】TICAD市 民社会フォーラム(TCSF)有志・大会実行委員会
【共催】宇都宮大学 国際学部附属多文化公共圏センター
【協力】JASID「原 発震災から開発・発展を考える」研究部会

(注)
 小倉充夫「開発社会学の軌跡と地平」(7-9頁)「(前略)開発研究という分野は今日の途上国の、しかも「開発する」という問題に限定される傾向が深まっていったと思われる。挙句の果てに、開発に関する議論の多くが開発援助がらみになっていったのではなかろうか。このことには積極的な面もあろうが、他方で、近代以前の資本主義発展の文脈と関係なく、時に表層的に考察されることが多くなったという印象が強い。(略)いうまでもなく今日の途上国の開発も世界的な社会経済の構造や展開と不可分な関係にある。ところが、Developmentに対応する日本語には開発と発展という二語があるため、かえて開発と発展を切り離して考える傾向が生じたのではないだろうか。」
西川潤「イントロダクション 開発の問い直しはなぜ必要か?」西川潤・下村恭民・高橋基樹・野田真里編著『開発を問い直す―転換する世界と日本の国際協力』(日本評論社、2002年、1-27頁)
佐藤寛「日本の開発経験と内発的発展論」西川潤・下村恭民・高橋基樹・野田真里編著『開発を問い直す―転換する世界と日本の国際協力』(日本評論社、2002年、253-268頁)

事前に、これも是非ご覧いただければ。
■援助・開発関係者が読むべき論考:「開発社会学の軌跡と地平」(小倉充夫)「開発/発展」をめぐって
http://afriqclass.exblog.jp/17202555/
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# by africa_class | 2013-04-27 02:10 | 【記録】講演・研究会・原稿

ブラジル市民社会代表的組織FASEによる #プロサバンナ事業 批判記事~「ブラジルにもたらした災厄の再現」

このブログでも何度か紹介したブラジルの代表的な市民社会組織のFASEの皆さんが、2013年3月にモザンビークを訪問し、プロサバンナ事業に関する調査を行った結果を、いくつか紹介されています。

JICAが繰り返し、「成功!」と宣伝するブラジル・セラード開発を、ブラジル市民社会がどのように考えているか、そしてその「成功したセラード開発」の「レプリカ(日本政府が賛同するモザンビーク農業大臣談話)」である「プロサバンナ事業」についてブラジル市民社会は調査の結果どのように考えるに至ったのか、知るよい機会だと思います。

なお、モザンビークでは最近「ブラジル=新たな帝国主義」という声も聞かれ、このブログでも紹介している鉱物資源開発会社のVale社の地域社会に対する態度はまさにそのような点がみられますが、このようにモザンビークの人びとの権利のために共に闘う市民社会もあり、その確固たる連帯の姿勢にモザンビークの市民社会も心打たれていると聞いています。

象徴的には、Fatimaさんの1.の記事に書かれています。
結局、ブラジルでもモザンビークでも、小農らは、民衆の食料安全保障や主権、土地の権利を保証するためには、アグリビジネスのモデルによる権利の侵害や社会・環境的な不正義との闘いを強化しなければならないのである。モザンビークにおけるブラジルの存在が小農の権利を強める一方、世界の正義と格差を縮小することを目的としてブラジルがグローバルなアクターとして成長する能力を示すかどうかが問われている。

「ブラジル=悪」というわけでは勿論ないので(言うまでもないですが)、その点は念頭に置いていただければ。現在の日本の状況をみれば、「子どもの権利」を侵害している沢山の大人たちがいます。何もしない大人も含めて。これは世界的に非常に厳しい目で見られています。

私の中では、福島やその周辺の子どもたちの権利侵害を強要・許容する日本政府・政治家・企業・社会と、アフリカの小農の権利を侵害する政策を援助で応援する日本の援助関係者の闇と罪は、同根だと思っています。

なぜそうなるのか?
日本の子どもたちも、モザンビークの小農も、
その声はあまりに小さく、
自分の権利を侵害するものは巨大で何が起こっているか容易に掴めす、
そして、あまりに日本の権力の中心から遠いから、
利権を前に、容易に踏みじれるからです。

気づいた人、組織の中にいるあなたも、がんばりましょう。
あなたが開発援助について学び、その分野で働こうと思ったのには「理由」があったはず。

追悼:農村の貧しい人の側に立ち闘い続けた開発経済学者にして活動家José Negrão教授から学ぶ
http://afriqclass.exblog.jp/17641224

日本の子どもたちを守ることも、
モザンビークの小農の権利が奪われないよう一緒に闘うことも、
正義のためだけでなく、実は自分の権利を守ることなのです。

そしてそのさらに先に、子どもよりも小農よりもさらに声が出せない「生きとし生けるすべてのもの」、かげがえのない環境や、生命の未来がかかっているのだ・・・ということを、今一度思い出してほしいなあ、と思います。
がんばりましょう。

1.のみ訳したものを掲載しておきます。
と書いたら、すでに掲載していました・・・こちらをご覧ください。
全訳:http://afriqclass.exblog.jp/17534960/
他の記事はぼちぼち・・・・がんばります。

また、ブラジルの他の機関のウェブも紹介しておきます。

■「FASEの チームがモザンビークを訪問」
"A Equipe da FASE Visita Moçambique” 21/03/2013 
http://fase.org.br/v2/pagina.php?id=3835

1. "O que quer o Brasil com o ProSAVANA?"
Por Fátima Mello, do Núcleo de Justiça Ambiental e direitos da FASE
(2013年3月21日)
【ポルトガル語】http://www.fase.org.br/v2/pagina.php?id=3837
【日本語全訳】全訳:http://afriqclass.exblog.jp/17534960/

2. "Visita à Moçambique: país de lideranças fabulosas"
Por Vilmon Alves Ferreira, Educador Popular Técnico da FASE Mato Grosso
(2013年4月12日)

あとは、以下の記事を書いたFatima Melloさんのインタビュー記事が以下に掲載されています。
3. 「プロサバンナ:複数の矛盾する利益 ファティマ・メロとの特別インタビュー」
Instituto Humanistas Unisinos インタビュー2013年4月3日 
"ProSavana: interesses múltiplos e contraditórios. Entrevista especial com Fátima Mello"
http://www.ihu.unisinos.br/entrevistas/518948-prosavana-interesses-multiplos-e-contraditorios-entrevista-especial-com-fatima-mello

さらに、この記事がブラジルの「土地なし農民運動(Movimento dos Trabalhadores Rurais sem Terra」のサイトに掲載されていることも象徴的ですね。

4.「モザンビーク人らは、土地を奪うアグリビジネスのサガを非難」
2013年4月10日 Do Canal de Moçambique
"Moçambicanos denunciam a saga do agronegócio em usurpar suas terras"
Por Aunício da Silva
【ポルトガル語】http://www.mst.org.br/Camponeses-mocambicanos-denunciam-a-saga-do-agronegocio-em-usurpar-suas-terras
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# by africa_class | 2013-04-26 20:25 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題