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モザンビークで1992年の和平合意が白紙に?政府軍が野党拠点を襲撃。市民社会側から見たら違う様相に。

政府軍の襲撃の一報が入って以来、このことについて記事を書こうと思って1週間経過…体調がかなり悪くなかなか原稿化できず、すみません。1992年の和平合意が、実効的意味を持つようになったのは1994年以降のことだったので、丁度20年。このような事態の分析こそ、私の本来の仕事なのですが、逆にだからこそ気合を入れないと書くのがなかなか難しい。

が、そんなことも言ってられない事態に突入しつつあるので急ぎ、モザンビーク国内外の報道を訳し、考えをまとめておきます。さすが、国内の独立系新聞は市民社会の声も伝えており、政府報道や国際報道とはかなり違う様相がみえてきます。私の感覚もこれに近いものがあり、「何故ゲブーザ大統領は今、軍隊を動かしてまで、このような襲撃をやったのか?」という点こそが重要だと思います。

なお「全国が戦争に戻る」ということはまずありませんのでご心配なく。

このブログの読者なら、お気づきのように、私はここ数年、特に過去1年間、このような事態が起こることを哀しみとともに予見し、そのために既に大方の論点はあちこちに書いてきました。プロサバンナの問題も、鉱物資源の問題も、それらと土地の問題も、市民社会の抑圧や脅迫の問題も・・・・残念ながらすべて繋がっています。前述の通り、「何故今?」を問うことで、これらの繋がりははっきり目の前に立ち現れてくるでしょう。

今の政権、その周囲にいる利権者らは、市民や社会を犠牲にしても利権・権力を手中に収め続けることへの強い意志(greed)が顕著であり、かつ豊富な天然資源に目がくらみ権益がほしい外国ドナーや投資家・企業らが(日本を含む)それを支える構造により、もはや周り構わず状態になっています。ゲブーザ大統領が憲法改正で3選を果たそうとしていたのをFRELIMO内部の抗争により阻まれてからは、特に来年の大統領選挙までに、「売れるものは何でも売る」「権力の座を離れるまでに邪魔を排除しておく(返り咲く予定)」「これまでのことを暴露されたり批判されないような体制を構築しておく」・・・ことが目的化しています。

他方、第二期目から顕著になったこのようななりふり構わず国民の財産すべてを切り売りし、反対の者を弾圧する、異論に聞く耳を持たない姿勢は、民衆の多いなる反発を招き、与党内でも顰蹙をかっている状態です。多くの市民社会も、実際はFRELIMOに近い団体や個人が多いにもかかわらず、異議を唱えたり、問題提起をせざるを得ないところまで状況はきています。来月に地方都市選挙が迫り、政権への反発の根強さから、FRELIMO党内にもかなりの不安がささやかれるようになっています。プロサバンナの問題で揺れるナンプーラ州では、今月州知事が訪問したあるプロサバンナ対象郡で農民が一人も集会に現れなかった・・・ほどの事態になっています。

かといってRENAMOが勝つと考えている人は誰もおらず、FRELIMOにせよRENAMOにせよ、本当に恐れている相手はMDMです。来年の議会・大統領選挙でもかなりの議席獲得が予想されており、前回選挙妨害にあったMDMが、今回どのような妨害にあうのかあわないのか、それでもどれぐらい伸ばしてくるかが巷の関心時でした。FRELIMO・ゲブーザ派に「お灸をすえたい」と考えるFRELIMO党員たちも多く、秘密選挙が徹底されれば、これらの党員らがFRELIMOに投票しない可能性も口にされていました。

実の所、2008年にはすでにMDMへの対抗からFRELIMOの「公式野党」として手を組んでいたRENAMOですが、もはやその手法ではどうしようとないというRENAMOの判断があり、そしてその手法により2009年選挙を圧勝で終えたFRELIMOにとってもはや「公的野党」も不要になったためにRENAMOに配慮しない政治運営(特に選挙管理委員会)でポーズとしての交渉すらしない判断が下されていました。

ここら辺のことは以下を。
■舩田クラーセンさやか(2013)「モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題」『国際政治:紛争後の国家建設』(日本国際政治学会編)、174号、54-68頁。
http://afriqclass.exblog.jp/18711959/
*大学図書館・国会図書館等に入っています。

ということで、FRELIMO・ゲブーザ政権にとっても最大の敵は、「素直な民意(つまり権力者らへの反発)」なのであり、そこに呼応できる可能性が一番高いのは、独立来ずっと権力を握っているFRELIMOでなければ、元武装勢力で野党として機能しなかったRENAMOでもなく、まったく新しい民衆の政党(未来のものを含む)なのです。が、MDMは都市の若者に人気の高い政党で、田舎ではほとんど知られていません。なのでマダマダMDMが政権を取るなどということは考えづらい。それでも、あまりに政権が人気がない上に反発をくらっているので、選挙が近づくにつれ不安が募る。

自分たちの人気のなさと民衆の反発を、強権で押し通したいのが現政権の本音。民衆の反発に乗じてValeの石炭輸送ルートを襲撃したRENAMOをこのまま野放しにしておくのはそれはそれで政治的にリスクが高い。RENAMOが農村部でそういう手法に出続ければ(不満を抱えた民衆の側について行動を起こし続ければ)、それなりに人気を回復する可能性もある。あるいは、MDMやその他の政党が、政権批判でいつの間にか支持を伸ばしている状況もある。

より政権側にとって深刻なのは、今まで自分たちがコントロールしてきたはずの政府より農民組織や市民社会も公然と政権批判をするまでになった点です。2005年に、ゲブーザ大統領自ら介入して分断しつぶし、選挙に利用してきたはずのモザンビーク市民社会組織間の連携や連帯が、どうやら復活しつつある。

ということで、政権は、これらの動きを封じ込めるために、国家の暴力を行使(RENAMOに対し)することで、他の野党や市民社会やメディアへの抑止効果を生み出そうとするだろう・・・と予測してきたのですが、残念ながらこれは当たってしまいました。あちこちにそのような兆候があったのですが、これが起こるだろうと確信していたのは、解放闘争中、そして独立後の戦時中のFRELIMOの常にとってきた戦略戦術がこれだったからです。

*詳細は拙書『モザンビーク解放闘争史』かThe Origins of War in Mozambiqueに。
http://www.africanminds.co.za
正当性を主張するため「敵」を創り出す→「敵と戦い、排除する」→「反対・異議を唱える者をすべて敵と呼ぶ」→「排除できる」→「翼賛しか残らない」→「批判者は敵と呼んで未然に排除」

このコースをFRELIMOは1968年から実行し続け独立(1975年)。1977年の戦争によって、具体的に反対者は「武装盗賊」と呼ばれ排除の正当化が容易でした。和平後の1994年~2002年までは比較的自由な言論・政治空間が形成されてきました。それが、この国の天然資源に目を付けた外国直接投資が流入する速度が増すにつれ、資源争奪戦のためのドナーのガバナンス・民主化軽視が顕著になり、これに乗じてゲブーザ政権の利権ビジネス・強権化はだれも止められないほどに逆行。

日本の大型援助も天然資源に目を付けた投資も、まさにモザンビークが「資源の呪い化」を顕著にし、民主化の後退が各種指標でも明らかになり批判を浴びていたまさにその最中の2009年に開始し、加速化したのです。そして、この1、2年悪化する一方のガバナンスと、社会全体のゲブーザ政権への反感の中で、日本はあえて世界のどのドナーよりも強烈に明確に、この政権を支える宣言をし続けています。(長年この国援助や投資をしている国と違って、ゲブーザ政権二期目に突然大々的に現れた日本は「利己的な資源狙いだろう」と理解されています。)

もはや現地社会で「問題ドナー/投資国」として筆頭にあげられるのは日本である・・・・という現実に、日本の外務省やJICAは自覚的でしょうか?利権争いで中国をはじめとして他国に勝つために行われる数々の威勢のいい援助計画(プロサバンナその中に一つ)・・・一体誰のどのような利益を支えようとしているのでしょうか?

つまり、全体的な構造としては、「資源外交を有利に進めるための大規模開発援助」が、民衆を犠牲にした開発や利権構造を支え、そのことが 強権化を招き、政治問題の解決に国軍を動かすといった行為すら許してしまい、20年以上の和平に水を差している・・・ということです。

この「絵」の中で、プロサバンナ事業は、そして大統領はじめ農業大臣など現政権の要になる人、その「子分たち」に対 し、繰り返し日本政府(JICAサイド)から市民社会や農民組織の排除をさせたり、農村での推進のための宣伝の奨励を 行っている(選挙直前に与党関係者が全部の農村がまわれる予算をつけてしまった)という点で、まったく無関係ではないものとして、現地社 会ではみられています。

排除の論理で使われてきた「批判者らは政権の反対勢力でもあり、なんとか抑え込め」という指示が、JICA関係者らによってモザンビーク 政府関係者らに対して行われてきたことは、モザンビークの市民社会と政府との関係を歪め、民主主義と平和に逆行するものであったことが、 今回はっきりしました。

以下、Verdadeの記事に出てくる今回の政府軍の襲撃と、和平の後退の危機に対し、立ち上がった人達はまさに、与党に近いところにいた人達・団体、しかしプロサバンナにも抗議してきた人達です。independentな有識者として非常に高く尊敬され、決してRENAMO寄りではない点に注目が必要です。

現地社会にここまで手を突っ込んだドナーは、モザンビークの歴史においてなく、日本は、目先の「失点」を自分たちの論理で反転工作するこ とに邁進した結果として、日本の「仮想敵」である中国をはるかに超えて評判を落とし傷を深めただけでなく、現政権の暴力化に手を貸したド ナーとして認識されるであろうことは重要なポイントです。

何度もこのブログで書いているように、一握りの利権者や構造ではなく、民衆の側の権利を守ろうと異議を唱え続ける人びとに対する政府の抑圧は強まる一方です。今立ち上がって闘っている人達の勇気を讃え、この人達をこそ支えなければなりません。

以下の記事にあるように、「今必要なのは国際監視団ではない。モザンビークの市民社会はその役割を果たせることを過去20年において証明してきた」という言葉こそを、ドナーとしての日本やJICA、日本の市民社会がしっかり胸に受け止めるべきでしょう。

何より女たちが最前線に出て、国の平和と情報開示、平和な対話の空間のために闘っていることに、彼女たちの安全な活動を支えるとともに見守るための支援が必要であること、そして彼女たち・彼らの異議申し立てを邪魔したり、弾圧したり、弾圧や分断を計画したり、まったくもってすべきでないことを、強く強く指摘しておきたいと思います。

「国際協力」という名の暴力への加担を、もうやめましょう。
本当の協力は、真の対話から生み出され、民衆の側にたち、批判的な意見を寄せる人たちの声にこそ耳を傾け、そこからスタートするしかないのだと思います。

この政権は暴力や抑圧や小手先の操作で生き延びるかもしれません。
しかし、人類の歴史が示しているように、それは長くは続かないでしょう。人は騙されたようにみえて、黙らされたようにみえて、その実そうでないのです。モザンビークの人びとの150年の歴史が、それを示しています。

私たちの援助や投資がもたらしているこの事態に、しっかり目を見開いて、自分で調べ、自分で考え、議論し、何をすべきか共に考えましょう。

===
1.モザンビークからみて何が起きているのか?
●政府系新聞の報道
●独立系新聞の報道(Verdade、Canal Moz等)
2.国際報道からみて何が起きているのか?


2.モザンビークからみて何が起きているのか?
「ゴロンゴザ山脈での政府軍の行為は違法である」(2013年10月24日)
Acção das Forças de Defesa e Segurança em Gorongosa é ilegal
http://www.verdade.co.mz/destaques/democracia/41135-accao-das-forcas-de-defesa-e-seguranca-em-gorongosa-e-ilegal
モザンビーク政府軍と迅速介入部隊(Força de Intervenção Rápida)はSathunjiraのRENAMOの拠点に攻撃を仕掛け、アフォンソ・デュラカマは「逃亡」したが、これは違法行為であると、市民社会は集まり、現在の軍事政治的緊張を拒絶した

政府は、このような行為が公的秩序維持のために必要だったと正当化しているが、モザンビーク国軍や迅速介入部隊がモザンビーク共和国警察の代わりを担うのは道理に反するとした。また、国内のあの地域で政府軍が動員されるまでに至るどのような状況が生じていたのかという事実関係について疑問が呈された。「我々は戦時下あるいは緊急事態下にあるとは知らなかった」と、女性フォーラムの事務総長Graça Samoと人権リーグ代表のAlice Mabota、公衆統合センター(Centro de Integridade Pública)ディレクターのAdriano Nuvungaをはじめとする20市民社会組織は述べた。

アフォンソ・デュラカマが1年にわたって暮らしていたサトゥンジーラのRENAMO拠点の掌握について、政府は挑発に対する反撃であると述べ、RENAMOはその党首の暗殺だと述べており、市民社会としてだれに原因があるかの判断は不可能であると述べた。しかし、市民社会は、どの程度までの「挑発」されたら、政府軍がRENAMOへの攻撃という結果につながるのかの状況が明らかにさせる必要があると述べた。

「もし政府がRENAMOの武装勢力によって軍人らが攻撃されたからそれに反撃したというのであれば、それが本当かどうか証明する術を市民社会は持たない。しかし、軍人らが一体あそこで、何をしていたのか、何を目的としてあそこにいたのかについて、政府は説明する責任がある」と、LDH(人権リーグ)のAlice Mabotaは述べた。「彼らは、何故わざわざあそこに行ったのか、そこに留まっているのか、この戦闘の原因が何なのか問われる必要がある。彼らは、単に半ダースの人びとの利権を守るためにいたのであって、このような行為がもたらすその後の結果について配慮していない」と続けた。

このようなシナリオに直面した市民社会は、モザンビーク大統領に対し、共和国憲法に基づき、平和と公的秩序と安定の維持のための行為が、平和的手段によるものであるべきで、武装対立の可能性は避けられなければならないとアピールした。しかし、状況が悪化した場合は、「Conselho do Estado (国家評議会)メンバーらは、いずれ行われるかもしれない戦争の宣言に対しては、反対の意を表すべき」と述べ、国家首脳はこれらの声に耳を傾けなければならないとした。

国軍の行為を正当化するために、共和国大統領アルマンド・ゲブーザは、ソファラ州において、「正統防衛」であり、一国内に二つの軍隊があってはならず、レナモの武装勢力に対する明確なほのめかしであった、と「開かれた大統領」集会で述べた。

しかし、最後の点について、Alice Mabotaは、「国家首脳は、モザンビーク国軍の総司令官でもある。このような暴力や武器を使わずにRENAMOを非武装化できたはずだ」と強調した。彼女は、政府が現場で実際に何が起きているのかについての情報を開示しようとしていないことについて、注意をする必要があると述べた。「我々は現場におらず、噂しか耳にしない。一体何が現場で起きているのか分からない。そのため情報操作に気を付けなければならない」と述べた。

CIPのAdriano Nuvungaは、多くの人々は、サトゥンジーラへの抗議とアフォンソ・デュラカマの逃亡は随分前から計画されていたことであり、政府はそれを実行に移すタイミングを待っていただけだと考えていると述べた。「RENAMOとの対話(ダイアローグ)や交渉の行き詰まりといったものは、まったく明確ではない」。

同氏は、RENAMOの政府との間の対話のボイコットといった態度により、国際監視団が必要とは考えないという。彼にとって、「国際社会は確かに武装対立に終止符を打ったが、和平調印から21年間我々はこれを必要としなかった。モザンビーク市民社会こそが、この役割を担うことができると証明してきた。」女性フォーラムのGraça Samoは、現在の緊張が望ましい変化とは反対の方向をもたらす可能性に言及した。「投票に行くのを怖がる人達がいるのに、選挙をすべきだろうか」と問いを投げかけた。

現在のところ、政府とRENAMOの間の交渉は選挙パッケージをめぐるものであるという。CNE(選挙管理委員会)とSTAE(選挙技術管理事務局)に関するものであり、各政党がこれにどのように平等に参加できるかについてのものである。しかし、政府はそんな意志はないという。なぜなら共和国憲法はこれらの機関は議会の議席の比率によってきまると決めており、これを変えられるのは議会のみだからという。

これらの作戦で軍隊を利用したのは、憲法において違法である。何故なら、大統領はこの件について一度も国家評議会(Conselho de Estado)に相談し、その意見に耳を傾けなかったからである。

モザンビーク国軍の元将校 Paulino Macaringueが、6月に、このような状況下において軍は動く必要はないと確認していたところであった。同氏は、あそこで起こったことは犯罪行為であって、モザンビーク共和国警察の管轄範囲であり、国軍のものではないと説明していた。そして、このようなことへの介入があるとしたら、それはモザンビークっ国軍総司令官である共和国大統領にのみ許されている排他的な命令によるものである、と確認していた。

2.国際報道からみて何が起きているのか?
■Reuters ”Mozambique's Renamo chief risks isolation after ending peace pact”(2013年10月22日)
http://www.reuters.com/article/2013/10/22/us-mozambique-renamo-idUSBRE99L0X320131022
●政府軍の襲撃からRENAMO党首は逃れた。
●月曜日、RENAMOはこの襲撃により平和協定を破棄すると述べた。
●近くで警察署へのRENAMOの攻撃が確認されたが、戦争にReNAMOが戻るだけの体力を有すると考える識者はいない。現在のRENAMOの兵力は戦時のゲリラ部隊の残骸に過ぎない。
●デュラカマは、FRELIMOが独立以来政治や経済を独占しているとして、選挙へのボイコットと妨害を呼びかけていた。
●デュラカマは1年前から、この基地に立てこもるようになり、その理由を自らの身の安全が保証されないことを述べた。
●これについてモザンビーク専門家のOpen University上級講師のジョセフ・ハンロンは、「デュラカマは自ら
行き止まりに身を置き、そこから出る術を有さず」。
●米国(重要なドナー)や植民地支配者であったポルトガルは、この更新された暴力について憂慮を表した。ワシントンは、RENAMOとFRELIMOに対し、両者の隔たりを対話で解決するように求めた。
●RENAMOのスポークスパーソンのFernando Mazangaは、「和平は終わった」と述べ、1992年の和平合意を破棄した。
●しかし、彼はRENAMOが反乱を開始するのか、議会の51議席を放棄するのかについては明らかにしなかった。(FRELIMOは250議席を〆る)
●FRELIMOのスポークスパーソンEdmundo Galiza Matos Jr は、RENAMOに議会に留まるよう求めた。
●「モザンビーク国民は平和を求めている」と述べ、党としてRENAMOと選挙プロセスのリフォームを話し合う準備があると述べた。
●「戦争はせっかくこの国が実現した発展のすべてを破壊することになる」「この国には貧困が残っており、まだまだ実現すべきことも多い。政治家らは合意に至るべき」、と多くの一般市民の声を代弁して51才の政府役人は述べた。
●RENAMOによる中部での4月、6月の襲撃は既に警戒すべきレベルになっていた。彼らは11人の兵士と警察官、6人の市民を殺害し、石炭の輸出を一時停止させた。
●しかし、アルマンド・ゲブーザ大統領は、ソファラ州(*RENAMOの強い地域)に部隊を派遣し、デュラカマとその兵士らを封じ込めようとした。
●「RENAMOは、大規模な攻撃を仕掛けるだけの兵力を持たない」とIHSのRobert Besselingはいうが、少なくとも鉄道や道路をhit&runするだけの能力は持っている。
●先のハンロンは軍事的に大きな脅威はないと述べた。「RENAMOは若い兵士をリクルートしていないし、歳を取ったゲリラばかりだから」「南アよりまだモザンビークの方が安全」で、企業らはパニックに至っていないと。
●ブラジル企業Valeはいつもどおり操業を行っているという。
●以上の結果、より小さな政党であるMDM(元RENAMO分派でありベイラ市とキリマネ市の行政を担っている)に有利な状況が生まれていると述べた。議会でMDMは8議席有するが、11月の地方選挙では、FRELIMOとRENAMOの票を奪い議席を大きく伸ばすであろう、とハンロンは述べた。

<=この後、”U.S. says concerned with Mozambique violence, urges dialogue”
http://www.reuters.com/article/2013/10/22/mozambique-renamo-usa-idUSL1N0IC1L320131022

■BBC"Mozambique 20-year peace deal 'ends after base raided'(2013年10月22日)
http://www.africareview.com/News/Mozambique-s-peace-deal-is-over/-/979180/2042472/-/112q1s7/-/index.html
●モザンビークの野党RENAMOは、政府軍が同党のリーダーであるアフォンソ・デュラカマの拠点を攻撃した後、1992年の和平合意を終焉させると発表した。此の襲撃で、デュラカマは逃げた。
●先の戦争では100万人が亡くなった。
●モザンビーク経済は戦争終結後ブームである。
●RENAMOのスポークスマンFernando Mazangaによると、政府軍兵士らは重火器で攻撃をしたという。「平和は終わった。…その責任はFRELIMO政府にある。なぜなら、彼らはRENAMOの批判に耳を傾けようとしなかったから」。同氏によると、「この襲撃は、デュラカマ党首を暗殺するために行われたが、同党首は逃げることに成功した」と述べた。そして、ゲブーザ大統領を批判し、「総司令官の無責任な姿勢こそが、ローマでの和平合意を終わらせた」と述べた。
●和平合意を白紙に戻すという声明は、戦争に戻る可能性を示唆するが、これは過去においては繰り返し否定されてきた。
●防衛大臣Cristovao Chumeは、政府軍が拠点を攻撃した理由は、RENAMO兵士による国軍基地への襲撃に対する反撃だと述べた。 死傷者は不明である。
●FRELIMO政府は、戦争に国を戻そうとしているとRENAMOを繰り返し批判してきた。4月にRENAMOのメンバーは中部の警察署を攻撃し5人を殺害している。300人ほどのRENAMO関係者らが武器をもったままでいる。
●デュラカマは自分のためボディーガードとしてこれらの人達を必要としているといい、ゴロンゴザ山脈の基地に彼らをおいていた。デュラカマは、去年山脈に戻っていた。
●モザンビークは地方都市選挙と来年大統領選挙を行う。
●FRELIMOは1975年の独立以来モザンビークを統治する。

■BBC "Zimbabwe warns Mozambique's Renamo not to resume war"(2013年10月23日)
http://www.africareview.com//News/Zimbabwe-warns-Mozambique-Renamo-not-to-resume-war/-/979180/2044186/-/n9q1sd/-/index.html?relative=true
●RENAMOは、モザンビーク中部のゴロンゴザ山脈にあるデュラカマ(RENAMO党首)の拠点を政府軍が掌握した後、同党の1000人の武装勢力と51名の国会議員は、月曜日(10月21日)和平合意を破棄した。
●南部アフリカはこれに賛同せず。必要とあれば南部アフリカ共同体として軍を派遣することも検討。
●RENAMOは、Maringue(以上基地の35キロ)の警察署を襲撃した模様。
●米国政府は両者(政府とRENAMO)に対し、「この瀬戸際から戻るよう」要請。国務省スポークスパーソンのMarie Harfは、「我々は両者に、この緊張した状況をde-escalate(エスカレートさせない)ために目に見える決定的なステップを取るように励ましている」。
●仲介者によると、RENAMOは戦争に戻りたいと考えているわけではないという。

■何故か産経新聞だけが報道しています。
「野党、和平協定破棄を表明 モザンビーク」

2013.10.22
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131022/mds13102219490003-n1.htm
「モザンビークからの報道によると、内戦時の反政府勢力で現野党のモザンビー ク民族抵抗運動(RENAMO)は21日、内戦を終結させた1992 年の包 括和平協定を破棄すると一方的に表明した。政情が不安定化する恐れもある。協定破棄は、RENAMOのドラカマ党首がいた同国中部の拠点を21日、政 府軍が武力で強襲したためとしている。ドラカマ氏は脱出し、無事とい う。 政府軍報道官は、この拠点を掌握したことを認めた。(略)92年に内 戦が終わり、豊富な天然資源を抱えるモザンビークは近年、経済開発が 進んで いる。(共同)」
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# by africa_class | 2013-10-23 22:18 | 【情報提供】モザンビーク

【UNAC国際農民会議&プロサバンナ報道】フランス国際放送もついに #プロサバンナ 報道

10月15日―16日までマプートで開催されていた第二回土地問題国際農民会議(主催UNAC)の記事が沢山配信されています。以下、
1.RFI(フランス国際ラジオ放送)
2.Jornal Noticias(モザンビーク国営新聞)
3.Canal Moz(モザンビーク独立系新聞)
4.SAPO(ポルトガル語情報媒体)
5. Verdade(モザンビークの最も独立した新聞)
の記事を列挙しています。4.5.は訳す暇がなかったので各自で・・・。
(しかし、ついにVerdadeが動き始めてしまったのですね・・・これはモザンビークの文脈では大きなことです。世界的にはドイツやフランス国際ラジオ放送が報道したことの方が大きいでしょうが。)

フランスの国際ラジオ放送RFI(Radio France Internationale)もついに、プロサバンナについて報道し始めました。もはや止まらない感がありますが、翻訳がおいつかない・・・。時間が限られているので出来る範囲で流しておきます。

■なお、ドイツの国際ラジオ放送DWのプロサバンナ関連番組(実に12本…)については、要約をしたものがここに→http://afriqclass.exblog.jp/18779412

ちなみに、多分政府は「小農支援」「対話してる」といっているじゃないか・・・市民社会は嘘ばっかり・・・という関係者の声も聞こえてきそうですが、それはこの間のプロセスをご存知ではないから。

はじめてこのブログを読まれる方にとって重要な背景説明としては、今現在まで、プロサバンナ事業の関係者(特に立案、推進のJICA)は、2009年9月から3年以上前提とされ、目的とされてきた以下の点を、批判を受けて変更させた点について、何の説明も行ってきていません。

●事業の大前提:PRODECER/ブラジルセラードの成功をモザンビークに/大規模に土地が余っている/世界の食料庫になるべき/投資が不可欠
●当初の目的:余っている土地に投資を入れて農業生産性を上げて大農と小農を共存させて回廊開発を押し進めよう/日本の企業にもメリットを

あれほど世界と日本、モザンビークで行ってきた宣伝をいつの間にか引っ込めて、2013年2月末にJICA理事長が現地に向かい、「小農支援」と強調していますが、何の説明も謝罪もなかったため、「批判を浴びてのポーズ」にすぎないと考えられていました。そこに、2013年3月に完成したマスタープランにおいて最も重要なレポートが4月にリークされ、「小農支援」どころか、「小農から土地を容易に奪って外国投資家らに提供しやすくする事業」という性格が明確になったため、現地農民組織や市民社会は態度を硬化している状態なのです。

なので、「小農支援が目的といっているだろう」と政府関係者やJICAがいくら強調したところで信用されず、むしろまた「騙されるだけ。実際は気づいた時には手遅れになる」と農民らは考え反対しているものと思われます。本当に小農のために事業を転換したのであれば、元に戻って何故見直したのか、そもそもの前提が誤りだったことを認めるなど、腹を割って伝える努力をしないと到底信用されないところまで事態は至っているのだと思います。でも、実際は、「腹を割る」どころか、すでにプロサバンナ対象地では、日本とブラジルが共同で奨励したブラジルのアグリビジネスの流入は続いている状態で、大々的に動かしてしまった歯車は止められない状態に・・・・。本当にこういうことを予見しないままに「大きいことは良いことだ」だけで現地事情を知らぬままに進められた結果であり、罪深いです。

また、より深刻なのは、当初プロサバンナの中に位置づけられていた「ナカラ・ファンド(ProSAVANA-PDレポートでQIPとして記載)」なるものが切り離される形で、ProSAVANA=PDのブラジル側コンサルタントFGVによって開始されるなど、批判を免れるため、「プロサバンナから投資案件や土地関連事業を切り離す」という小手先の「仕切り直し」が続いています。しかし、それもこれもプロサバンナ事業がまいた種なのです。それは2009年の調印から現在までのJICAやプロサバンナの関連資料をみればはっきり分かることであり、日本が率先して宣伝してきた分モザンビークでも世界でも知られています。そのことへの責任について説明なきままの、切り離したらよしとする姿勢に、農民らや市民社会は不信感を募らせ怒っているのだと思います。

さらに「対話を進めている」といって、UNACや市民社会組織を「反対派勢力」と呼んで排除してきたことについては既に彼らから声明が出されている通りです。表敬訪問にわざと出席しない(外務省)、UNACが声明で異議をはっきり書いているのに「反対ではない」という総括をする(JICA)、モザンビークを訪問した議員との面会を意図的に阻む(大使館)、JICAの招聘で来日した農民組織の出身団体名(UNAC)をパワーポイントからわざと削除し、問題点の指摘スライドを削除(JICA)、政府主催の「対話」には無理にでも来させようとするのに(農業省)農民・市民社会主催の対話集会には来ない(大使館JICA)、UNACの対話への排除を問題視して会議をボイコットしているのに、「主導権争い」と説明したり「一方的に約束に現れなかった」と説明(JICA)、反対する農民や市民社会組織を「ごく一部」に見せるため「賛成派」を動員した集会を各地で開催する(JICA&農業省)…正直なところ気分が悪くなってきました。これらは全て現地関係者へのインタビューやメールインタビューで明らかになったことですが、報告書では年表を使って説明しています。

表面的で小手先のこのような行動が、いかに当事者である農民や主権者である人びとを傷つけているのか・・・反省もないままに、「言い訳や賛成派づくり」ばかりが努力されている現実に、モザンビークの人びとは心から嫌悪感を感じているのだという点に、今気づかないとしたらいつ気づかれるのでしょうか。これが私たちの税金で支える「国際協力」の姿だということが、何より哀しいです。

今まで「未だ間に合う」「遅くない」と書いてきました。今回もそう書きたかったのですが、これらの記事を訳しながらいつになく絶望しています。I still have a dream, but....
がんばろう。

~~~~~~~~~
■RFIの記事「モザンビークのUNACによる第2回国際農民会議がマプートで終了」
MOÇAMBIQUE ÁFRICA LUSÓFONA - Artigo publicado em 15 de Outubro de 2013 - Atualizado em 15 de Outubro de 2013
"UNAC reúne em Maputo segunda conferência internacional"
"Termina na quarta-feira dia 16 de Outubro a segunda Conferência Internacional Camponesa organizada em Maputo pela UNAC moçambicana."
by Leonardo Silva
http://www.portugues.rfi.fr/africa/20131015-unac-reune-em-maputo-segunda-conferencia-internacional

10月16日、モザンビークのUNACによって主催された「第二回農民国際会議」が終了した。
本国際農民会議は、モザンビークやゲストの国における農業の現状を評価する目的で10月16日水曜日まで開催された。特に、注目されたのが、土地の所有をめぐる問題、農村部における農民の社会経済状況に関する点であった。本会議は、プロサバンナとして知られる事業に対する、UNAC(全国農民連合)による批判や懸念をモザンビーク政府がなだめようとするまさにその瞬間に開催された。同事業は、モザンビーク、ブラジルと日本によって設計されたものであり、その目的は農業生産性を最適化し、同国の食料計画を自給させるために、モザンビークの中北部の3州19郡で実施されようとしている。プロサバンナの政府側コーディネイターのカリスト・ビアスは、火曜日にマプート開催された記者会見にて、「プロサバンナは土地使用権(DUAT)を尊重し確認するための「原則の一つ」をガイドすることにあると述べた。そして、「土地に関する農民主権は尊重されるだろう」と結論づけた。

UNACの代表アウグスト・マフィゴは、第二回国際農民会議に政府側よりもっと高いランクの代表が出てこなかったことを嘆き、RFIに対し、モザンビークの農民らの懸念は、国の発展のために農業をよくすることであると述べた。

<<UNAC代表への音声インタビュー>>
この会議では特に土地の問題について話し合った。我々の土地が奪われている現状について、世界から駆け付けた仲間たちと共にディスカッションした。これらの農民の声に政府が耳を傾けるべきであった。同じ現象が、我が国だけでなく他国でも起きている。モザンビークには、他国に誇れる土地法があるが、しかし土地をめぐる政府の決定には農民が関与していない。その結果、各地で土地の紛争が発生している。

農村部における社会経済状況は悪化している。(植民地支配から)解放され、土地が手に入ったというのに、改善がない。農業においては、外部からプロジェクトは現れては、土地を奪っていく。これらは農民・国民にとって脅威として考えられている。

■モザンビーク政府による記者会見記事「プロサバンナはインクルージョンのため」
Jornal Noticias | 16 Outubro 2013
http://www.jornalnoticias.co.mz/index.php/main/4693-prosavana-e-pela-inclusao
しかし、既にこの記事自体が消されています。なぜかは皆が考えてみてください。
以下、その前に保存された記事。
"ProSavana é pela inclusão”
http://farmlandgrab.org/post/view/22683-unac-reune-em-maputo-segunda-conferencia-internacional

政府(モザンビーク)は、モザンビーク・ブラジル・日本が関与する熱帯サバンナの農業開発のための三角協力プログラム(ProSavana)に市民社会を包摂していると主張した。市民社会組織のいくつか、特にUNAC
(モザンビーク全国農民連合)は、プロサバンナが、事業対象地域の小農の土地を守るべきとアドボカシー活動をしてきた。

農業省のプロサバンナのコーディネイター、カリスト・ビアスは、これが政府の懸念でもあると確認した。そして、モザンビークの生産者が自らの生産性を向上させることで、貧困削減を実現することを支援する目的を達成するためには、政府の「エグゼクティブ」としても、同事業における市民社会の包摂が重視されていると述べた。

「実際、プロサバンナの文脈において、市民社会とのパートナーシップを育むことはいつも我々の心配事であり、既にUNACの本部に二度も訪問して我々のプロサバンナに関する意図を説明している。我々は常に市民社会からの批判にオープンである。なぜなら、市民社会は、我々が気付かないことを示してくれるからである。我々は、UNACとだけでなく、他の市民社会とも同様に共に活動できるよう努力し続ける」とカリスト・ビアスは述べた。

(以下省略  *原文ご確認ください。)

■CanalMozの記事
2013年10月16日 No.1065配信 2-3頁
「第二回会議開幕、農民らはプロサバンナを再び非難」

"Na abertura da II conferência Camponeses voltam a denunciar o Prosavana"
(マプート)-昨日、マプートで第二回土地とタネに関する国際農民会議の開会が宣言された。開幕日の支配的なトーンは、農民たちのため土地を守ることについてのものであった。

農民たちは、現在物議を醸している「PROパッケージ」つまり、プロサバンナ(Prosavana)、ProSUL、ProIRRIなどを非難した。これらは、土地収奪の試みであり、農民らを(土地から)追い出すものであり、農村住民らの貧困を撲滅するものになると限らないからである。

開会式で、UNAC(全国農民連合)のアウグスト・マフィゴは、モザンビーク政府からのより高いレベルの出席者の不在について遺憾の意を表明した。マフィゴは、我々の国の開発の土台が農業であるにもかかわらず、農業に関する明確な政策がないことについて強調した。

「この闘いにおいて民衆は疲れることを知らない。団結する農民は常に勝利する。闘争をグローバル化し、希望をグローバル化する」と連呼された。

月曜日に開始した一連の会議は今日終了する。統一のモットーは「農民とその土地を守るための闘いにおいて農民らは団結する」である。同会議には、モザンビークのすべての州からの農民が参加し、農業省の役人ら、 市民社会のメンバー、アンゴラ・南ア・ジンバブエ・ブラジル・スウェーデン・スイスの農民やパートナー団体らが参加した。

■CanalMoz 「マプートで開催中の第二回国際農民会議で農民たちはプロサバンナによる差し迫った土地収奪を非難」
numero 1066 | Maputo, Quinta-Feira 17 de Outubro de 2013
Na II Conferência Internacional Camponesa, em Maputo Camponeses denunciam iminente usurpação de terra pelo ProSavana

(マプート)UNACは、第二回土地問題に関する国際農民会議において、プロサバンナ事業に関連し、非難を表明した。UNACによると、プロサバンナは「地元民衆を開発から疎外するプロセスによって土地収奪と農民の追放に至る試み」であつと述べた。この批判自体は新しいものではない。政府は2009年の調印以来1200人の声を聞いたと主張するが、農民らは、協議(consulta)のプロセスに包摂されておらず、農民らのニーズにマッチしたものではないと述べた。

ディベートでは、「プロサバンナと契約農業のリスク」というタイトルのパネルが実施され、これにはUNAC、政府、市民社会の代表らが参加し、農民に対する不安定な契約の問題が取り上げられた。農民らは、政府に対し、モザンビークに置いて推進されてきた各種の農業プログラムの社会的・人的影響について問い正した。沢山あるプログラムの中でも、例えば、「ジェトロファ栽培」や「緑の革命」が、「結局望まれた効果を生み出さなかった」とやり玉に挙がった。

プロサバンナのケースについては、もう一つの懸念も表明された。それは政府によってつくられたマスタープランに関するものであった。農民や市民社会らは、このドキュメントが、コミュニティが有する土地の使用権に関する懸念を包含するものであるべきとの点である。政府は、この点についてコミュニティレベルで協議がなされており、2014年3月にマスタープランの発表は延期されていると述べた。UNACの代表であるアウグスト・マフィゴは、農民を優先的に位置づける農業開発政策の不在の問題が、農民らが直面する主要な疑問に直結していると強調した。その上で、プロサバンナはブラジル・日本・モザンビーク政府が関与する土地の搾取事業であり、UNACとして、ブラジルで起こったネガティブな結果がモザンビークでも繰り返される差し迫ったリスクについて警鐘を鳴らした。

ブラジルで起きたリスクと苦しみが何であったかという点については、社会の激変が次のように説明された。政治的な動乱、平和への脅威、土地にはりついて暮らしてきた地元農民家族らの飢えやみじめな生活、家族農業生産システムの破壊、等である。また、土地の移転により、悪化している農村住民らの貧困が、もう一つ農民らが懸念として強調した点であった。

ナカラ回廊はこのプログラム(プロサバンナ)が展開される重要な経済地区であるが、400万ヘクタールの土地が耕作可能とされている。討論において政府代表は、これらの土地を外国投資家に提供するつもりはなく、プロサバンナは小農生産者のための事業であると述べた。

(他にも記事がありますがまた今度)
■6ヵ国の農民らがマプートに集結し土地の搾取に反対するストラテジーを検討
SAPO | 16 de Outubro de 2013 Camponeses de 6 países procuram em Maputo estratégias contra expropriação de terra
http://farmlandgrab.org/post/view/22685-camponeses-de-6-paises-procuram-em-maputo-estrategias-contra-expropriacao-de-terra

■”Camponeses vs investidores em Moçambique"「モザンビークにおける農民対投資家」
Verdade | 16 Outubro 2013
Escrito por Alfredo Manjate
http://farmlandgrab.org/post/view/22686-camponeses-vs-investidores-em-mocambique
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# by africa_class | 2013-10-18 15:17 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【紹介】今日からモザンビークで第二回土地に関する国際農民会議開催

今日の現地からの報道で、この会議を大統領と大臣(「高いランクの人」)がキャンセルしたようです。これについてかなりの反発が広がっているとのことです。それにしても。。。ですね。詳細はまた追って。でも会議は非常に活発に行われ、かなりよい議論が行われたそうで、動画が楽しみです!

この会議に関するフランス国際放送の報道、モザンビーク政府メディアの報道、独立系メディアの報道を訳して掲載しています。是非ドウゾ。(2013年10月18日)
→http://afriqclass.exblog.jp/18809250/

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既に「モザンビーク開発を考える市民の会」のブログでも掲載されていますが、ここにも一部転載しておきます。

日本国内には、「何故モザンビーク農民組織の代表としてUNAC(全国農民連合)ばかりを重視するのか?」という疑問の声があるそうです。あるいは、日本の援助関係者の中には、「プロサバンナの議論からUNACを外しても問題ない」と思っている節がありますが、モザンビーク社会の文脈では「とんでもない!」なのです。なので、日本関係者の「疑問」それ自体に、驚きを禁じ得ませんが、説明しないと伝わらないと思うので、ここに会議の詳細を転載するとともに、今度改めて丁寧に説明する機会を設けます。

なお、この間感じるのは、こういう「モザンビーク社会の文脈における当たり前」を一から十まで私一人が日本語で説明しなければならないことの問題性です。これがタンザニアだったりザンビアだったら、日本の研究者も沢山いますし、JICAにも蓄積がある。公用語が英語でほとんどのものが読める。しかし、モザンビークは残念ながら、日本での研究・援助の蓄積がまったくない上に、公用語がポルトガル語である。なので、現地社会への理解があまりにないわけですが、それなのに大規模事業をいくつも動かそうとする。しかも、問題が露呈しても、関係が薄い以上、社会の批判もあまり痛くないので、あくまでも自分たちのやり方を押し付け続ける・・・ここが問題の根源なのだと思います。

よい機会だと思うので、是非プログラムや招待状、プレスリリースを眺めていただければ~と思います。
この招待状やプレスリリース、プログラムを眺めると、UNACをただ「一部の反対勢力」として矮小化したり、排除したり、周辺化したり、圧力を掛けつづけることの無意味さを実感することでしょう。モザンビークの農業政策の今後について考える上で、彼らの分厚い主権者としての意見、政策形成への関与がいかに大切か分かるでしょう。そのような声や努力に耳を傾けることなく、政府とだけ話していればいい、あるいは「賛成する農民や組織とだけ個別に対談すればいい」・・・とならないことは、はっきりしていると思うのですが。

「メンツさえ保てれば良い」そして「賛成してくれるところとだけ進めればいい」という現在の日本の援助関係者の姿勢が、いかに現地の人々に見破られているのか、そして本当に支援したかった小農の将来に逆行することか(中長期的にみて)、これを機に真摯に考え直してみてほしいです。

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8月からモザンビーク北部、南部、中部の全11州110郡の農民代表を招いて開催されてきた「土地とタネに関する農民大会」が終わったことを受け、今日10月15日~16日まで、首都マプートにて「UNAC全国集会ー第二回土地に関する国際農民会議」が開催されます。

同会議には、ゲブーザ大統領、パシェコ大臣、農業大臣の他、全国から集まった農民、市民社会組織、その他の社会運動組織、宗教団体、各国ドナー、国連組織代表ら200名が出席するほか、アフリカ中の土地やタネの問題に取り組む農民組織代表ら、ブラジルからの小農団体代表も参加するそうです。

プロサバンナやG8 New Allince についても議論されます。(2日目)
全体日程のプログラム
→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-48.html

この会議の開催を受けて、「公開招待状」と「プレスリリース」が公表されています。「プログラム」を末尾に張り付けます。

【招待文面】UNACは1987年4月に結成され、1994年に登録された組織であり、小農民らを代表し、その社会的・継時的・文化的権利を擁護し、農民自身の組織化を促すことで政策形成過程への参加を保障し、食料主権を念頭においた発展ストラテジーを実現することを目的とする。その際、ジェンダーと若者の平等を前提とする。

かつてこの25年間において、今ほど農民の闘い、UNACの役割がモザンビークにおいて求められたことはなく、食料主権を保障する農民らの農業とその基盤になる土地を守る闘いは様々な課題に直面している。メガプロジェクト、投資などを優先する政策が、農民らの

この背景を踏まえ、UNACは第二回土地に関する国際農民会議を開催する。その目的は以下の二点である。
(1)農民男女のキャパシティを強化し形成するために、天然資源や土地はどのようにコントロールされるべきか、そしてその権利はどのように守られるべきか。
(2)モザンビークの真の農業改革はどのように行われるべきかに関する開かれた討論の深化と拡大への貢献。

なお第一回土地に関する国際農民会議は2012年11月27日ー28日までマプトで開催され、モザンビークにおける土地の問題についての疑問が明確にされた。

【UNACプレスリリース】
「モザンビークの農民らは、小農による農業と土地を守るための闘いにおいて共にある」
Camponeses de Moçambique Unidos na Luta pela Defesa da Terra e da Agricultura Camponesa

(仮抄訳)
1.農業政策の改革を求める(家族農業に焦点をあてたものにするべき)
2.家族農業支援国家計画の不可欠
3.25年間のUNACの闘い(土地と小規模農民による農業を守る)において、今ほど闘いがアクチュアルに不可欠とされたことはなく、何百万 のモザンビーク人が危機に追いやられていること、そしてこれは外国直接投資の波、メガプロジェクトによって起こされている。特に、土地の私有 化と争奪が、アグリビジネス(ProSAVANAとG8 New Alliance)、植林(Chikweti)、鉱物資源開発(Vale, Rio Tinto, Jindal)、天然ガス開発(Anadarko, Satonil, ENI)によって起こっている。土地の占領・エクスパンション・集積である。
4.政治やネイティブなタネの保全に関する農民研修をテーマとして、11州120郡で開催され、農民男女・若者たちの参加があったUNACの 北部・中部・南部の農民集会の成果が明日からの農民大会・国際会議で紹介される。
5.大 統領が開会を宣言し、農業大臣が参加する。政府関係者らとともにモザンビークの土地問題について議論を行う。
6.本会議は、官民セクター、NGOや社会運動に開かれており、この国の3つの地域の現実を踏まえた要請について検討を行う。これは、アソシ エーション、組合、家族、コミュニティが日々直面する大企業による土地やテリトリーの進出に関するものである。我々は、農民のコミュニティや 家族を存続させ、主権に根差した発展への権利を効果的に守り、抵抗するために、統合された形でアプローチを形成する必要に迫られている。
7.本会議は、女性デ―、国連家族農業国際年であることを踏まえたものとなる。

原文→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-48.html
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# by africa_class | 2013-10-15 15:37 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【一挙掲載】プロサバンナ動画(12本)&ドイツ国営放送(12本)&ドイツ市民社会声明

「モザンビーク開発を考える市民の会」のブログにも掲載されていますが(http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/)、世界中で発表されたプロサバンナやモザンビークにおけるランドグラブ(土地収奪)に関するビデオや報道、ドイツ市民社会声明などを一挙転載しておきます。

プロサバンナは、もはや「国際問題」と化していて、どこで何が報道されて、どんなイベントがあって、どんな風に議論されているか、私でも追い切れなくなっています。(特にドイツのラジオ局が12本も番組をつくっていたとは。大学経由でインタビューの申込みがあって、8月にされた時、私は北部都市にいて、スカイプで対応したのですが、その後そのことをすっかり忘れていました…。我ながらひどい英語ですね…。)

9月30日の報告会でも述べましたが(動画は以下)、そもそも国際市民社会や現地社会がブラジル市民社会とともに2012年春から問題視して動いていたところに、日本の市民社会が気付いたのは2012年秋…。日本のNGOらがODA改善の一環として動き出したのが、2012年11月ですので、「後追い」の部分があるのは否めないものの、現在プロサバンナの議論は世界的なものになり私たちでも追いつかない速度に。先日までローマで開催されていたFAO(国連食糧農業機構)の国際会議でも大変話題になっていたそうです。

元々は日本政府・JICAのイニシアティブで始めた援助。日本の市民として「遠いアフリカでの出来事」と知らないふりはできません。是非、以下の各資料や政府・JICA側の資料にあたって、自分の目で見て・耳で聴き・頭で考え、議論し、自分で出来るアクションは何か考えてみてください。

答えは一つではありませんが、やはり当事者であるモザンビーク農民や市民社会の声に耳を傾けてほしいです。勇気を振り絞って声をあげている人達の声は、普通は私たちのところまで届くことはありません。現在の技術革新によってこれが生で見れるのは素晴らしいと思います。

特に、2013年8月8日に開催された「プロサバンナの停止と再考を求める三カ国民衆会議」での政府代表と農民・市民社会とのやり取りを是非ご覧ください。言葉が分からなくても、現地の人びとの想いが伝わってくると思います。この会議に日本大使館とJICAが招待されていたのに代理出席すらなかったのは本当に残念でした。国会期間中であったにもかかわらず農業大臣は3時間以上この会議に出ています。

■政府代表の返答に対するモザンビーク農民組織、市民社会、女性組織代表らの反論(10分位~)
http://www.youtube.com/watch?v=8kXyY62TQ_0
http://www.youtube.com/watch?v=2cwAsCA5bAo
この映像をみれば、モザンビーク農民組織や市民社会組織の主権者としてプロサバンナとその「対話プロセス」をどのような問題意識でみているかはっきり分かります。彼らの言葉は、彼らの現実を踏まえたもので、すごくパワフルです。私たちが、「外部者」として出来ること・すべきでないこと・・・を考えさせられた10時間(!)でした。勿論、政府代表の返答にも注目。

ポルトガル語なのが苦しい所なのですが、9月30日報告会の冒頭で少しだけ私が通訳して紹介しています。
http://www.youtube.com/watch?v=kSNzU32enGg

■UNACとORAMが制作したプロサバンナとPRODECERに関するビデオ
これも農民組織らが小農の視点で、日本の両援助事業を問い直している動画であるという意味で画期的です。同意しなくて良いので、日本の援助関係者、ブラジル研究者らは、これを観てほしいと思います。
http://farmlandgrab.org/post/view/22661
(これもポルトガル語ですが映像だけでも物語っている部分あり)

■DWのラジオ番組農民・市民社会の声を丁寧に拾い上げているのでおススメ。
勿論、政府側の主張もジャーナリストらしく掲載しています。
翻訳エンジンにかければ英語にはなると思います。
http://www.dw.de/prosavana-desenvolvimento-da-agricultura-local-ou-monoculturas-para-a-exporta%C3%A7%C3%A3o/a-17128512

*ちなみに何故ドイツ国営放送や市民社会がモザンビークのことをこんなに熱心に報道したり、声明を出すのか・・・私の「当たり前」もしかして皆さんの「当たり前」ではないかもしれないので補足。冷戦期、東ドイツにはモザンビークから大量の「研修生」の受入れがあり、冷戦終焉とドイツ統合に伴ってモザンビークに多くが帰国したのですが、留まったモザンビーク人も多く、統一後のドイツでモザンビーク支援をする市民社会組織・宗教組織は非常に多いのです。最後の声明を出しているKKMはNGOだけでなく、会員はドイツ在住モザンビーク人。そして、ドイツに暮らすポルトガル人も非常に多く、ポルトガル語放送はかなり聴かれています。

============
【プロサバンナ・土地収奪関連動画一挙紹介】
1.モザンビークにおけるランドグラブが生じるプロセスを明確に描いたビデオ。途中の住民の「このままだと戦争になる」…の一言が重いです。(2013年10月、英語)
(1)Seeds of Discontent (director Geoff Arbourne/Transnational Institute/FIAN International)
http://farmlandgrab.org/post/view/22644-seeds-of-discontent#sthash.bXJ0mbtf.dpuf
・プロサバンナの対象地となっているニアサ州北西部で起きている植林会社によるランドグラブが地域の農民にどのような影響を及ぼしたのかを描いている、胸に響く映像。
・当初プロサバンナの対象地ではなかったのが、人口密度が低く森林が広がっているため、最終段階でブラジル側の要求によって組み込まれた。
・この会社(Chikweti)は現在大豆生産にシフトしつつあります。

(2)テテ州の鉱物資源開発によって土地を奪われた人たちの映像(2012年国連に提出、英語)
(Peter Steudtner・Justica Ambiental & Friends of the Earth Mozambique)
http://panphotos.org/PAN/blog/2013/04/stop-look-listen-3-short-films-on-forced-resettlement-in-northern-mozambique/

2.プロサバンナ・その「先祖」のPRODECER(日伯セラード農業開発協力)を小農の立場から再検討したビデオ(モザンビーク農民組織(UNAC)と農村開発NGO(ORAM)が現地を訪問して製作、2013年ポルトガル語)
"ProSavana e face oculta do Prodecer"「プロサバンナと顔を隠したPRODECER」
http://farmlandgrab.org/post/view/22661

3.プロサバンナに関するUNAC&ORAM主催「3か国民衆会議~プロサバンナの停止と再考を求めて」2013年8月8日@マプートで開催。対象地の農民代表・市民社会代表を含む200名近くの参加者が、モザンビーク首相代理・農業大臣・農業省関係者らと対話(映像:UNAC、ポルトガル語)
・開発計画省局長(首相代理)によるプレゼン
・ブラジルFASEによるプロサバンナに関する調査報告プレゼン
・会場からの質問・コメント
・政府代表による返答
・北部市民社会による声明発表
・クロージング(政府代表挨拶)
9時~19時まで続いた白熱した議論のやり取りをそのまま。
http://www.youtube.com/channel/UCoZCgmP4w-1Ttbw65YqRtGQ?feature=watch

4.日本のNGOが主催したプロサバンナに関する報告会などの動画
http://www.youtube.com/channel/UCoZCgmP4w-1Ttbw65YqRtGQ?feature=watch
(1)2013年2月27日モザンビークよりUNAC代表・JA!を招いて開催した院内集会
(2)2013年2月28日以上ゲストによる東京大学での講演会
(3)2013年5月29日横浜でのUNAC代表・ナンプーラ州市民社会プラットフォーム事務局長・GRAIN・FASEによるTICAD V直前講演会
(4)2013年9月30日モザンビーク現地調査に行った日本NGOによる緊急報告会・声明の発表@参議院議員会館

【プロサバンナに関する国際報道:ドイツ国営放送(Deutsche Well)12本】
なお要訳は記事テキストからではなく、音声からの大まかな内容のため、各自で原文をあたってください。まず、ドイツ内での報道・イベント・声明などを掲載しておきます。なおドイツ国営ラジオは多言語放送を世界に向けて行っており(記事もHPに掲載)、ポルトガル語放送は、ブラジル人・ポルトガル人記者らが配信。

■一連のプロサバンナ報道サイト"ProSavana – desenvolvimento da agricultura local ou monoculturas para a exportação?"「プロサバンナ:地域農業開発あるいは輸出のためのモノカルチャー栽培?」
http://www.dw.de/prosavana-desenvolvimento-da-agricultura-local-ou-monoculturas-para-a-exporta%C3%A7%C3%A3o/a-17128512

(1)"Iniciativa ProSavana traz empresários agrícolas estrangeiros a Moçambique"(2012年5月12日)「プロサバンナのイニシアティブがモザンビークに外国人農業企業家を連れてくる」http://www.dw.de/iniciativa-prosavana-traz-empres%C3%A1rios-agr%C3%ADcolas-estrangeiros-a-mo%C3%A7ambique/a-15928800
*日本とブラジルの企業関係者らがモザンビークを訪問していることの記事。
*ブラジル農業企業家が何を植えるか検討中と。ブラジルのノウハウを持ってきたい。
*そこに暮らす農民のことが優先されるのかの不安の声を報道。
*コミュニケーションが重要とモザンビーク研究者。

(2)"Camponeses moçambicanos desconfiam do projeto ProSavana"(12.11.2012)「モザンビークの農民たちはプロサバンナへ不信」
http://www.dw.de/camponeses-mo%C3%A7ambicanos-desconfiam-do-projeto-prosavana/a-16372527
*ブラジル企業が来ている
*モザンビーク農民組織の不信感表明。
*土地が奪われることへの不安。家族農業を営む人たちの食料はどうなるのかの不安。タネの問題。
*ブラジル関係者の反論。北部はセラードと類似していて、同じような機械が使えるはず、と。

(3)"Sociedade civil moçambicana critica programa agrícola ProSavana" (06.05.2013)「モザンビークの市民社会が農業プログラム・プロサバンナを批判」
http://www.dw.de/sociedade-civil-mo%C3%A7ambicana-critica-programa-agr%C3%ADcola-prosavana/a-16794525
*プロサバンナは1000万ヘクタール・3州を対象とする。
*現在マスタープランを策定中であるが、これは地域に暮らす400万人の生活に大きな影響を及ぼす。
*しかしマスタープラン関連文書がリークされ、市民社会に不安が広がり、声明が出されている。特に、ランドグラビングへの危惧が大きい。
*声明を出したモザンビークの市民社会へのインタビュー:
ーForum Mulherの代表は、この規模である以上、農民が自らの土地や生産への自律性を奪うことになる。…投資家はもたらすというよりもって出ることになり、そこに暮らす農民らは搾取されることになるだろう。結局、ある種の植民地化になる。
ーLIVANINGOの代表は、結局、これは企業への天国への招待計画。ブラジルと異なりモザンビークの土地は安い。集約的な農業を投資家らが持ち込んで、結局モザンビーク人は「僕(しもべ)」、農業労働者にされるだけ。

(4)"Sociedade civil de Moçambique rejeita ProSavana”(06.06.2013)「モザンビーク市民社会はプロサバンナを拒絶」http://www.dw.de/sociedade-civil-de-mo%C3%A7ambique-rejeita-prosavana/a-16865070
*プロサバンナはメガプロジェクト。19郡対象。政府はこれはナカラ回廊開発を行うことで住民の貧困を撲滅するというアイディア。
*モザンビーク市民社会がプロサバンナを拒絶する公開書簡を発表。
*ナンプーラ州市民社会プラットフォームの事務局長:家族農業や環境破壊を起こそうとしていると批判。環境社会インパクト調査すらされていない。
*Justica Ambiental:小さいプロジェクトが決まったら環境社会調査をするというが、なぜこのような断片的な対応をするのか?理解できない。
*UNACの代表:いったいどのモデルの話をしているのか知りたい。ブラジルを見本にしているが、ブラジルではいまだに土地へのアクセスがない農民らがいる。止めて、きちんと座ってちゃんと説明してほしい。
*LIVANINGOの代表:アグリビジネスがきてほしいだけ。政府は農民のことなんて考えていないのは、みな知っている。土地は余っていない。輸出用の安い食料を作りたいだけ。人びとが食べてるのか、食べてないのか心配などしていない。

(5)"Campanha contra privatização da terra lançada em Moçambique”(02.08.2013)「モザンビークで土地の私有化に対抗するキャンペーン」
http://www.dw.de/campanha-contra-privatiza%C3%A7%C3%A3o-da-terra-lan%C3%A7ada-em-mo%C3%A7ambique/a-16994086
*ADECRUは、ProSAVANAはPRODECERに基本を有すると説明。環境社会インパクト調査が不可欠な規模と影響を持つプログラムであるにもかかわらず、カテゴリーはAでなく、秘密主義に徹した、開かれていないプログラムである。
*Fingermannは批判を「神話」と呼ぶ。プロサバンナで行われたランドグラブはない。プロサバンナは徐々にモザンビークの現実に直面して、もはやPRODECERのコピーではなくなりつつある。

(6)Projeto ProSavana em Moçambique visa garantir segurança alimentar do Japão, diz especialista(30.09.2013)「モザンビークのプロサバンナ事業は日本の食料安全保障を射程に入れる」
http://www.dw.de/projeto-prosavana-em-mo%C3%A7ambique-visa-garantir-seguran%C3%A7a-alimentar-do-jap%C3%A3o-diz-especialista/a-17128177
*日本の研究者はプロサバンナが日本の食料安全保障を狙ったものだった。
*日本とブラジルの農業開発協力は初めてではなく、PRODECERがブラジルで70年代にはじまった。
*この理由は世界的な穀物価格高騰によるもの。特に大豆。
*PRODECERのコンセプトは米国の大豆輸出。日本は輸入に頼る。
*JICAブラジルは以上の主張を確認。
*PRODECERは当初多くの問題に直面したが、社会・環境麺におけるネガティブ影響は認識されず、現在では日本政府に成功物語として宣伝されている。
*そのため、アフリカと世界への貢献策としてPRODECERを見本にしたプロサバンナが計画された。

(7)Projeto brasileiro que inspirou o ProSavana teve impactos ambientais graves(30.08.2013)「ブラジルのプロジェクトはプロサバンナをインスパイアーしたが、深刻な環境影響をもたらした」
http://www.dw.de/projeto-brasileiro-que-inspirou-o-prosavana-teve-impactos-ambientais-graves/a-17054390
*セラード農業開発、PRODECERは環境問題を引き押した、と地元研究者らは主張した。
*ゴイアス大学の教授は、大規模モノカルチャー生産によって大きな影響が環境(土壌)に起こされた。外国への輸出のための農業生産は、地域住民の食料安全保障に貢献しなかった。さらに、セラードは現在多様性によって知られるようになり、国の第二の森を形成しているが、大規模に破壊された。
*ブラジルアグリビジネス国際関係事務局:ブラジル:もともと何もなかったところ。そこに農業が営まれている。20%は保全されている。化学肥料の使用は法によって守られている。問題ない。
*ウベルランディア大学教授:保全地域があろうとも、多様性の問題は解消されていない。
*水の大量使用によって水資源の枯渇が起きている。飛行機を使った農薬投与が多くの被ばくと水の汚染を起こしている。
*ブラジル農業省:それを証明する根拠はない。しかし、70-80年代は環境問題への危機感が薄かった。多様性への配慮などはなかった。今日はあのようなことはできないだろう。
*プロサバンナのためには、このような負の遺産から学ぶしかないと、農業省は主張。

(8)Antepassado brasileiro do ProSavana prejudicou pequenos agricultores, dizem estudiosos(28.09.2013)「プロサバンナのブラジルの先祖は小農たちに害をもたらしたと、研究者らは述べた」
http://www.dw.de/antepassado-brasileiro-do-prosavana-prejudicou-pequenos-agricultores-dizem-estudiosos/a-17067517
*セラードで展開したPRODECERとは、機械化された農業。巨大なラティフンディオ・モノカルチャー。小農が入る余地はなかった。同地域で、小農がこのようなラティフンディオと競争することはど不可能だった。これは日本による農業開発協力だった。そこに暮らす小農らは、お金のために土地を手放した。
*ウベルランディア大学教授:PRODECERは、地域の人々と協議などしなかった。来て、土地を占有して、そこに暮らす人びとは土地をあきらめた。お金がよかったからだ。
*アグリビジネス国際局:左翼の指摘には根拠がある。このプログラムは確かに小農支援のものではなかった。世界への穀物の供給が目的だったからだ。そうである以上、小農支援になりようがない。競争力がないからだ。目的は、大規模な土地を集積することであって、小農を支援することなどではなかった。
*彼は、プロサバンナは、PRODECERによってインスパイアーされている以上、このような失敗から学ぶべきと結んだ。
*モザンビークのプロサバンナ対象地の圧倒的多数が小農である。
*ゴイアス大学教授:そこに暮らす人たちは土地を放棄して町にいった。しかし、そこで何をして生きていけばよいかわからなかった。結局、これらの人たちは農村に戻った。しかし、農業労働者にならざるを得なかった。

(9)"Camponeses moçambicanos sentem-se excluídos do ProSavana"(2013年9月9日)「モザンビーク農民はプロサバンナから排除されていると感じている」
http://www.dw.de/camponeses-mo%C3%A7ambicanos-sentem-se-exclu%C3%ADdos-do-prosavana/a-17075860
*環境社会インパクト調査が行われていないままにマスタープランが作られていっていることへの危機感が広がっている。また、土地取引におけるクライテリアが一体何になるのかならないかがはっきりせず、農民の不安をかきたてている。これを市民社会らは、「秘密主義が増している」と述べている。
*UNAC代表:プロサバンナは、モザンビーク農民の意見に耳を傾けてこなかった。だからこそ、混乱が起きている。それは起こってはならないものである。
*UNAC事務局長:排除の論理がプロサバンナを支配している。コンセプトにおいてもモデルにおいても矛盾に満ちている。
*カーボデルガード州農民:止めるしかない。農民たちの声に耳を傾け、コンセンサスができるまで。
*結局政府は輸出用の一次産品生産の話をしているが、農民たちは食料生産を気にしているのである。
*土地はある。みなにある。農民らの組織化を奨励し、生産性をあげるのがプロサバンナ。
*プロサバンナフォーカルポイント:農民おためのプログラム。

(10)"Não existem terras livres para o ProSavana" critica Calisto Ribeiro(12.10.2013)
「カリスト・リベイロは、プロサバンナのために自由になる土地など存在しないと批判」
http://www.dw.de/n%C3%A3o-existem-terras-livres-para-o-prosavana-critica-calisto-ribeiro/a-17144711

(11)"O fenómeno de Angola está a emergir em Moçambique" alerta economista moçambicano João Mosca 02.10.2013「モザンビークでアンゴラ現象が起きていると、モザンビーク人エコノミストが警告」http://www.dw.de/o-fen%C3%B3meno-de-angola-est%C3%A1-a-emergir-em-mo%C3%A7ambique-alerta-economista-mo%C3%A7ambicano-jo%C3%A3o-mosca/a-17124861

【ドイツ市民社会声明】
以上のドイツ内での報道、そしてドイツで開催されたプロサバンナに関する国際会議(9月27日まで開催)を受けての声明だそうです。以下英文を張り付けておきます。
"Message of Solidarity with the Mozambican Civil Society in Support of Small Scale Farmers confronting the program ProSAVANA"「プロサバンナ計画に直面する小農を支援するモザンビーク市民社会への連帯メッセージ」

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# by africa_class | 2013-10-13 11:36 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【緊急声明】プロサバンナ/JICAに関するナンプーラ州市民社会プラットフォームの声明(かなりショック)

既に「モザンビーク開発を考える市民の会」のブログでも紹介されていますが、転載しておきます。正直なところ、日本の援助史上でも、前代未聞な深刻な事態だと思うのですが・・・。こんなに繰り返し、対象地や全国の市民組織や農民組織に抗議された援助案件も珍しいと思うのですが、あるいは「よくあること」なのでしょうか?

多分、日本ではモザンビークが知られておらず、誤解されているかもしれません。つまり、モザンビークの農民や市民社会にとって「抗議声明」は普通のことで、「表現の自由」が確保されている・・・と。とんでもない!独立から一貫して同じ政権・文化社会風習的に、モザンビークでこのような抗議声明が出されること、多くの市民社会組織がしかも名を連ねることは、例外中の例外です。一応、私の専門はモザンビークの政治変動なのですが、「まったく例がない」です。このような声明を出すプロセスでも、出した後も、悲鳴のような声がモザンビークから届いています。それでも、彼らは声明を出す勇気を持ち、出し続けなければならないほどの状況に追い込まれているのです。

そのことをどうか、JICAや外務省の皆さん、コンサルタントの皆さん、胸に刻み込んで下さい。軽々しく出しているとか、「また出た」という類のものでは、少なくともモザンビークの政治状況、歴史的背景においては、妥当な理解ではありません。

彼らの指摘はいずれも、胸が痛くなるものです。これほど明確なモザンビークの農民組織や市民社会の反対や抗議を無視して、このまま突破していくつもりなんでしょうか・・・。そうでないと思いたいです。ここに書かれている通り、一旦停止し、抜本的に見直す、特に家族農業支援のための国家計画を中心に据えた計画とする・・・など、是非実現してほしいです。

それは、小農支援を部分的に取り入れればいいというものではないこと・・・についても十分な理解があると良いのですが。彼らがこの声明や公開書簡に書いていることは、「小農支援をしてほしい」という以前に、「モザンビーク国家の農業政策の中に、99%を超える家族農業を営む農民たちの農業を重視すること(予算を含め)、その計画を農民自らが皆と共に作るプロセスこそを共に推進すること」を求めているのです。

援助とは、一過性のあてにならない気まぐれな外からふってくるものであって、国家政策に何がどう書き込まれるか・・・こそが長い長いこの先の農民の発展、モザンビーク農村の発展において、最も重要なことなのです。

繰り返しの来日でもわかったと思いますが、彼らは、「何もできない農民にもの・技術をあげればそれでいいパターナリスティックな援助のフレーム」そのものを、転換せよとも迫っています。なので、これらの声明の主張を、「小農技術支援をすればいい。それならやっている」と翻訳することは、主権者に対して大変失礼なことであり、傷を深めるだけです。そのことをどうにか理解してほしいと切に願っています。

なお、JICAについて書かれていることは、私たちがモザンビーク北部で繰り返し疑問を投げられたことでもありました。私たちの税金が、このような工作や分断、抑圧を促進することに使われている現実は、本当に哀しみを通り越しています。前にも書きましたが、民主化と平和に逆行する行動を支える援助は、明らかにJICAのあるべき姿とかけ離れていると思うのですが、このまま知らぬ顔で、とにかく既成事実ほしさに続けていくのでしょうか・・・。そんな活動のために、ODA予算はあると思えないのですが。。。

このような事態にあるにもかかわらず、まことしやかに日本の関係者内で囁かれる「現地市民社会や農民組織内・間の闘争」といった趣旨の理解や主張は、以上の点、あるいは以下の声明の中身を読めば妥当性を欠いていることは明らかです。

その「闘争」自体を、ProSAVANA推進者(JICAを含む)が仕掛け、煽ったことについて非難・抗議の声明である・・・ことについて、このような声明が出されても依然理解せず、反省しないとしたら、本当の本当に深刻な事態だと思います。

それにしても、このような繰り返され悪化し続ける「プロサバンナに関する構造」・・・自らの責任を引き受けることなく、依然「現地の市民社会の問題」に問題を押し続ける構造・・・・こそが、彼らの怒りと哀しみを増長していることに、もはや気づくこともできないほど、日本の援助はおかしくなってしまったのでしょうか。。。

現地の人達は鋭いまなざしで為政者ら、援助者らの一挙一動を観察しています。そして、彼らが至った結論が、以下のものである以上、これまでの行動についてやはり見直していく必要があると思うのです。彼らの声明を受け取った時に感じたことは、それでした。

まったく急ぐ理由はありません。
彼らの切実な声に耳を傾け、真摯に対応し、一旦止めて、再度やり直してほしいと切に願っています。
まずは、周りの声はどうであれ、関係者の皆さんは、一人一人、「彼らの書いた言葉」にこそじっくり耳を傾け、じっくり一人ずつ考えてみてください。

国際協力の担い手として、「誰の側に立ち、誰の声に耳を傾け、誰のために努力を注ぎたかったのか」・・・みえてくるはずです。組織が大きく、政策というのは変られない・・・絶望感があると思いますが、私はそれでも、一人一人の自覚と変化が、物事を動かす原点だと思います。

それでも、私は、キング牧師ではないですが、I have a dream....なのです。

===
プロサバンナ事業に関し、JICAから「対話のパートナー」と言われてきたナンプーラ州市民社会プラットフォーム(PPOSC)から声明が届きました。日本語訳とポルトガル語原文を以下掲載します。

日本の市民として非常に残念な結果がたくさん指摘されています。JICAをはじめとする関係者が、真摯に受け止め、これらの要請に応えてくれることを望みます。

■モザンビーク23団体による3か国政府首脳への公開書簡「プロサバンナ事業の緊急停止の要請」(2013年5月28日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
■日本の5団体による緊急声明「プロサバンナ事業の緊急中断と迅速かつ抜本的見直しを」(2013年9月30日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-44.html

<=同声明を発表した緊急報告会(9月30日)は以下のサイトでご覧いただけます。
http://www.youtube.com/watch?v=kSNzU32enGg

===============================================
ナンプーラ州市民社会プラットフォーム
公式声明【日本語訳】

ナンプーラ州市民社会プラットフォーム(PPOSC-N)は、市民社会組織(CSO)のイニシアティブ調整メカニズムとして各セクターやテーマ別のネットワークを統合する形で、2009年に設立された。その目的は、官民両セクターのパートナーとのコミュニケーションを容易にし、本州における開発のイニシアティブを達成することである。

ナカラ回廊地域での農業開発を目指したProSAVANA事業の実施は、PPOSC-Nの「天然資源・農業ネットワーク」および「ガバナンス・ネットワーク」に反響を巻き起こしてきた。PPOSC-Nは、最近の同事業にみられる実施ダイナミズム、そして州の農業セクター(行政)関係者による各種の声明といった一連の動きを踏まえ、以下の立場を明確に表明する。なお、これらの声明とは、国営放送TVM(2013年9月17日20時30分放送、2013年9月18日の早朝に再放送)のProSAVANA事業の実施戦略に関するインタビュー/討論(番組)において、農業省ナンプーラ州局長並びにProSAVANAフォーカル・ポイントによってなされた、本州の市民社会の関与についてのものであり、同討論にはUGCナンプーラ支部のコーディネーターも参加した。

a)我々は、ProSAVANA事業に(合意し)調印した国家と政府の長に宛てた「ProSAVANA事業の停止と再考を要請する公開書簡(Carta Aberta Para Deter e Reflectir o ProSAVANA)」がPPOSC-Nのアジェンダの根幹部分を成していることについて再度確認した。同書簡は、ProSAVANA事業の停止と再考、そして家族セクター農業支援へのアプローチの変更を訴えるものであり、我々は依然としてモザンビーク政府からの書簡への回答を待っている状態にある。

b)PPOSC-N、とりわけ公開書簡に署名した市民社会諸組織は、少なくとも現在まで証明されてきた限りにおいて、ProSAVANA事業が農民男女の利益を擁護する方向で、家族農業を促進するプログラムであるとは認めない。むしろ、農民らの生活を悪化させるものであると、この間みてきた。

c)PPOSC-Nは、「全国農民連合(União Nacional dos Camponeses:UNAC)」にモザンビークの農民男女を代表し代弁する正当性があることを認める。なぜなら、UNACは、農民たちの利益を守るための全国でもっとも広範な組織であり、全州に支部が存在するからである。ナンプーラ州には、各郡に農民男女によるアソシエーションのフォーラムやユニオンがあるが、UNACに加盟していてもいなくても、農民の利益を代表するという意味においてそれぞれの組織は正当性を擁している。UNACは、モザンビークにおける農業の発展に関する政策、(国家)戦略、行動に関する討論において、不可欠な組織である。

d)公開書簡に署名したナンプーラの市民社会諸組織は、農民の利益と権利を守るための闘いにおいて、UNACと各郡のフォーラムやユニオンと共にある。この観点から、これら諸組織は、個別的あるいはグローバルな利権のためになされる工作の試みを告発し、そのような工作が農民たちに対して行われることがないよう、助言し、監督し、番人となる正義を有す。

e)PPOSC-Nが、州レベルの農業セクターの代表(政府)との対話を開いた理由は、家族セクター農業の強化に向けた政府のポジションをよりよく理解するためであった。しかし、現在まで、ProSAVANA関係者あるいはナンプーラ州農業局(DPA) とPPOSC-N の間において、ProSAVANA事業を議論するための「技術審議会(Conselho Técnico)」なるものは一つたりとも設置されていない。したがって、DPA / ProSAVANAとPPOSC-Nの間では、何の調印された取り決めも存在しない。既に開催された会議の議事録が、両者によってサインされただけである。これまでPPOSC-Nは、農村と家族農業の発展のための監視に関わる側面を議論し、(関係者らとの)関係の在り方のルールを構築するために、これらの会議に参加してきた。そして、将来において議論すべきポイントについて合意しようとしたが、それは未だ起こっていない。

f)PPOSC-Nは、ProSAVANA推進者らによって進められてきた、モザンビーク市民社会に対する分断、分裂化、弱体化の試みに表される各種の工作活動と脅迫について、遺憾の意を表明する。8月28日および29日にリシンガ市(ニアサ州)で開催されたUNACの北部地域会議(Conferência Regional Norte)には、ProSAVANA推進者らも招待されたが、彼らは同会議への参加以外の目的を推進しようとした。つまり彼らは、いくつかの市民社会組織との会議を(UNAC北部地域会議と)30日にパラレルに開き、そこでProSAVANA事業を議論するためのニアサ州フォーカル・ポイントにこのグループがなることを合意するとの議事録にサインするよう、出席者らに求めた。しかしながら、先に行われた会議(UNAC北部地域会議)において、UNACのメンバーである農民男女は、何度もProSAVANA事業のアプローチに合意しないとの意思を表明し、公開書簡が求めるプロサバンナ事業の緊急停止と再考を求めたのである。

g)前述ポイントと同様の観点において、PPOSC-Nは、JICA(日本の国際協力)が、時に技術者として、時に外交官として、時に相談役として果たす不明瞭で不透明な役割の一方で、我々が目にしてきたように、ProSAVANAナショナル・チームとの関係においてリーダー的な役割を果たしていることを遺憾に思う。そして議論の重要な局面において、個別の動きとして装われ、指導力が発揮されるシニア相談役による役割についても遺憾の意を表明する。

h)PPOSC-N は現在でも、農村開発や家族農業に対する新しいアプローチに関する国のリーダーシップに焦点を当てた議論の最善の方策は対話であると信じている。しかしながら、このテーマ(ProSAVANA)に関し、農民組織や市民社会組織の分断や工作の試みが継続する限り、農民男女の憲法に基づく諸権利を意味のあるものにしていくためには、別の種類の方策を検討しなければならない状況に我々を導くであろう。

i)PPOSC-Nは、モザンビーク農業、農村生活のすべての過程において、女性が果たす重要な役割を認識する。そのため、農業政策や農村を対象としたプログラムにおいて、女性は特別に考慮されなければならない。


ナンプーラ市にて 2013年9月30日
ナンプーラ州市民社会プラットフォーム 声明文

*原文は「More」をご覧ください。

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# by africa_class | 2013-10-08 01:28 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

10月15日16時~外大で公開講座「日本・アフリカ・世界の今~NGOで働き目指す社会・世界とは?」

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以下、是非お越しください。一般の方も参加可能です。
なお今週末は日比谷公園でグローバルフェスタが開催されます。
多くのアフリカ関連NGOが出店するので、是非ご参加を。

(転載・転送歓迎)
============================
【公開講座:日本・アフリカ・世界の今】
現場で人びとと共に汗をかくこと、アドボカシーをすること
~NGOで働き目指す社会・世界とは?

■10月15日(火)5限 16時~17時半 
■東京外国語大学 研究講義棟113教室
(予約不要・他大学歓迎)   

============================
本講座では、日本国際ボランティアセンター(JVC)南アフリカ事業担当・渡辺直子氏&スーダン事業担当・今井高樹氏をお迎えし、「国際協力、ア フリカ、そして私たち」について考えます。

当日は、現場での活動の様子を見せていただく他、日本のODA(政府開発援助)の問題なども指摘していただきつつ、日本の私たちの出来ること(出 来ないこと)などについて、ざっくばらんに話していただきます。アフリカ、国際協力分野におけるボランティアやインターン、NGO等に関心がある 人も是非参加下さい。

なお、お二人ともに、政府機関や民間企業で社会人を経験した後にNGOのスタッフとして働いてらっしゃいます。将来の就職等についても相談する良い機会だと思います。

JVCについて:
http://www.ngo-jvc.net/

主催・問いあわせ先:
アフリカ政治経済ゼミ
africa.seminar<@>gmail.com
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# by africa_class | 2013-10-04 16:39 | 【紹介】アフリカ・イベント

【声明onプロサバンナ】日本の5団体「緊急停止&抜本見直し」&9月30日報告会報告

新学期が始まりました。新しい1年生に出会うのはいつも本当に楽しみ。基礎ゼミでのやり取りは、なるべくこのブログにもアップしていきますね。日本全国の大学1年生で悩んでいる人多いみたいなので。答えは与えられたりはしませんが、考える糸口になるかもしれないので。

さて、9月30日(月)の報告会には、本当に沢山の座りきれない程の皆さんがお越しになりました。来られたNGOの方より、「こんな充実した内容の報告会ははじめてだった」とおっしゃっていただきましたが、逆にいうと、それだけモザンビークの現場の状況が酷く、日本の援助の問題が根深い・・・ということでもあったのかもしれません。それはそれで哀しいことです。

同報告会は以下のサイトでご覧いただけます。
http://www.youtube.com/watch?v=kSNzU32enGg

現地調査の結果であり、報告会の肝となった「緊急声明文」の紹介をしたうえで、報告会の報道や、情報の訂正や、感想などを書きたいと思います。
(1)声明文の背景と本文紹介(賛同団体10月15日まで募集)
(2)報告会のフォローアップ
(3) コメンテイター松本悟さんのコメント全文+補足情報


なお、日本のODAの改善に長年取り組んでこられた法政大学&メコンウォッチの松本悟さんのコメントが、プロサバンナの問題を、援助の面から非常にクリアーに解説されたので、ご本人の了解を得て、かつ追加の資料を加えて最後に説明しますね。

(1)声明文について
読んでお分かりになるかと思いますが、5団体の声明文は、かなり強いものとなっています。現地調査前には声明文の話は出ていなかったので、モザンビークに行って市民社会・農民組織・農民の声に耳を傾け、政府との対話の様子を実際に目の当たりにし、JICA関係者らと共にプロサバンナの現場に行き、個別に農民組織や市民社会組織と共にプロサバンナ対象地の農村を回った結果として出されたわけです。

これら5団体は、長年にわたりアフリカ支援や援助カイゼンに取り組んできた団体やメンバーによって構成されており、声明なるものもめったに出さない団体ですし、このような公的な形で援助事業に対し「中断と抜本的見直し」を要請するのは、前代未聞である…ことは指摘しておくべきでしょう。

特に、これら5団体は、去年12月のODA政策協議会を含め、7月まで6回にわたる「対話」のため時間と労力を割き、外務省・JICA担当部局と行ってきて、そこで言われてきたことと実際のあまりにもの乖離に、愕然としたというのが正直なところだったということでした。ここら辺のことは、このブログの過去の記録をご覧ください。

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日本・ブラジル・モザンビーク政府の大規模農業開発事業「ProSAVANA-JBM」に関する緊急声明 ~事業の早急なる中断と迅速かつ抜本的な見直しの要請~
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2013年9月30日

 私たち日本の市民社会組織は日本の外務省および国際開発協力機構(JICA)に対し、日本の政府開発援助(ODA)によるモザンビークにおける大規模農業開発事業「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発プロジェクト(ProSAVANA-JBM)」(以下、プロサバンナ事業)を早急に中断し、迅速かつ抜本的に見直すことを要請する。この要請は、モザンビークの多数の農民・市民社会組織によって表明されてきた懸念の強さ、および私たち自身による本年7月から8月にかけてのモザンビーク現地調査によって明らかになった問題点に基づくものである。

【背景】
 プロサバンナ事業は、事業立案から形成・実施に至るすべてのプロセスにおいて、当事者であるモザンビーク北部の8割以上を占める農民、とりわけ農民の中でも圧倒的多数(99.99%)を占め、耕作地の95%を耕す小規模農民(以下、小農)を主権者として尊重し、彼らの参加を保証する姿勢を欠いてきた。モザンビーク最大の農民組織である全国農民連盟(UNAC。2,200の農民組織の連盟)やモザンビークの市民社会組織により繰り返し出されてきた抗議声明では、プロサバンナ事業による大規模農業開発や投資の構想・計画が地元農民らの生活と生計基盤に及ぼすネガティブな影響に対して、強い懸念が表明されている。
 特に、本年6月の第5回アフリカ開発会議(TICAD V)開催直前の5月28日に発表された日本・ブラジル・モザンビーク政府首脳に対する「ProSAVANA事業の緊急停止要請公開書簡」(以下、「公開書簡」)は、モザンビークの農民・市民社会・宗教組織23団体が起草し署名するなど、モザンビーク社会においては前例のない重みをもつ、援助事業への異議申し立てになった。なお、「公開書簡」は、来日した農民組織の代表者により安倍晋三総理にも手渡されている。
 この事実を受けて日本の市民社会組織は、外務省との間で継続的にNGO・外務省意見交換会(以下、意見交換会)を行ってきた。そこでは、事業を進めるモザンビーク政府および日本とブラジルの援助関係者とモザンビークの農民および市民社会との間で更なる対話の重要性が確認され、対話による合意形成が約束された。しかしながら、プロサバンナ事業の主要コンポーネントであるマスタープラン作成とクイック・インパクト・プロジェクト(Quick Impact Project : QIP。成果が早く見られる事業)、プロサバンナ開発イニシアティブ基金(ProSAVANA Development Initiative Fund : PDIF)の融資を受けたパイロットプロジェクトは、合意がないままに進められている。さらに、その過程における透明性やアカウンタビリティは向上せず、現地の農民と市民社会に対して十分な情報公開と対話がなされていないために、農民と市民社会組織はさらに不安を募らせている。特に、「公開書簡」への正式な回答がなされないまま、一部の農民や市民社会組織との形式的な対話による合意形成ばかりに力が注がれたため、モザンビークおよび日本、ブラジル各国政府に対する不信と懸念がさらに強まる結果となっている。
 また、プロサバンナ事業の対象地では、すでに国内外の投資やビジネスによる土地争奪が大規模に起きており、土地の希少化と紛争が急速に進んでいる。これによって立場の弱い現地農民の土地が奪われ、飢えや貧困が進んでいる地域があり、このような事態に対し声をあげる農民への抑圧も各地で起きている。 
 プロサバンナ事業をこのまま継続すれば、モザンビーク農民の生計基盤の破壊から貧困化が進み、同時にモザンビーク社会の安定に悪影響をもたらす。ひいては日本のODAに対する信頼と信用をいちじるしく落とすことにもなるだろう。  私たち日本の市民社会組織有志は、ここに改めてプロサバンナ事業を一時中断し、以下の諸点を踏まえて抜本的な見直しを行うことを提案する。

【要請項目】
1.  日本政府に対して、モザンビーク市民社会が提出した「公開書簡」に対し、すみやかに書面にて返答することを求める。その際、モザンビーク市民社会が求めるプロサバンナ事業の一時中断について、明確かつ具体的な回答を必ず含めること。
2. 2009年のプロサバンナ事業調印時より大きく悪化したモザンビークのガバナンスや政治状況(民主化の停滞や異議申し立て者への抑圧やハラスメント)、環境破壊、土地争奪による土地紛争の激化と小農の被害状況を踏まえて、全事業対象地における社会・政治・経済状況の把握を優先し、ていねいで独立した現地調査を直ちに行い、現地農民・市民社会との議論を踏まえて、プロサバンナ事業のフレームワークを抜本的に見直すべきである。
3.  日本の市民社会組織と外務省・JICAの間で行われてきた意見交換会において、現地の農民および市民社会との対話の抜本的な見直しが合意されている。しかし、対話のあり方は改善されず、プロサバンナ事業マスタープラン作成チームによる進め方が、プロサバンナ事業対象地であるナンプーラ州とニアサ州を代表する市民社会プラットフォーム、並びにモザンビーク全体で活動する農民組織や市民社会組織にさらなる不信感を生じさせる事態となっている。この事態を把握すること、とりわけ、現地の小農を代表する組織であり、本事業に関する議論に最も深く関わってきたUNACとUNACの加盟組織がプロサバンナ事業に関する各種の対話スキームから排除された経緯と理由を直ちに明らかにすることを求める。
4. 「公開書簡」の緊急停止要求を受けて実施された第4回と第5回の意見交換会の場では、外務省およびJICA側の出席者らから「プロサバンナ事業はまだ始まっていない」という発言が繰り返され、「時間をかけて対話していく」ことが約束された。その一方で、JICA本部および在モザンビーク日本大使館が知らないままにPDIFの第二次募集の説明会が6月下旬に、公募が7月15日まで行われていた。この件についての経緯と第二次募集を行った理由について説明を求める。
5. 現地農民および市民社会組織との対話においては、「自由かつ事前の合意」(Free Prior and Informed Consent)の原則に従って、プロサバンナ事業について十分な情報公開と説明責任を果たし、さらに、事業の影響の大きさと深刻さに鑑み、当事者である農民と市民社会の「意味ある参加」を確実にするために、プロサバンナ事業の中断を含めて話し合うこと。
6. 現在、UNACを中心に農民や市民社会の側から提案がなされている「家族農業支援のための国家計画」の実現への協力についての見解を明らかにすることを求める。
7. 土地の登記(DUATの取得)については、そのメリット・デメリットを含めた理解が末端の農民まで浸透しておらず、その是非についてモザンビーク国内で議論が始まったばかりである。モザンビークの土地法においては、DUATを取得しなくても、これまでの慣習に基づく住民の土地利用の権利が認められている。したがってプロサバンナ事業においてDUATの取得を前提とすることは、現在そして未来の農民などの権利を狭めることになる。まずは、主権者である農民の権利が奪われないようにするための支援を行うべきである。
以上

呼びかけ団体(50音順)
アフリカ日本協議会
オックスファム・ジャパン
日本国際ボランティアセンター
モザンビーク開発を考える市民の会
Attacジャパン

署名団体(賛同募集中):
*10月15日まで、賛同希望団体は、アフリカ日本協議会(AJF)までご連絡下さい。
info<@>ajf.gr.jp (担当:斉藤)

(2)報告会のフォローアップ
9月30日の報告会については以下に詳細。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-44.html

時事通信社とIWJからこの報告会と声明については記事が配信されています。
■同時中継(2013年9月30日)*現在はアーカイブへ
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/104474

日本語(2013年10月1日)
■「日本の支援見直し要求=モザンビーク農業開発-NGO」
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013100100648&g=soc
■「プロサバンナ」
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013100100660&g=soc
英語(2013年10月3日)
”NGOs call for review of Mozambique farm project”
http://the-japan-news.com/news/article/0000692632

なお報告会は、もうすぐYoutubeにアップされるそうですが、IWJの会員であれば上記アーカイブでご覧いただけるそうです。その他、報告会でお見せしたビデオやお見せするといったビデオもYoutubeに近日中にアップ予定です。

【報告会時の説明の訂正】
①「8月6日~1週間の調査」との紹介
=>5名全員が一緒に調査を行った期間の間違いです。
=>実際は、7月24日~8月18日の期間の現地調査です。
(発表した渡辺さん自身が12日間の調査でした)

②調査協力団体、インタビューや面談参加団体・個人数
これについては、報告書に問題のない範囲で(弾圧などを避けるため)、公開していきます。
なお、例えば、説明があった「女性団体」は、Forum Mulherのことで、戦後直後の1993年に設立。全国の女性アソシエーションや女性やジェンダー分野のCSOsや宗教団体などが加盟中。正式加盟は83団体であるものの、ネットワーク団体を含み、例えば、ニアサ州(プロサバンナ地域)の女性フォーラムの加盟団体だけで79組織あります。
http://www.forumulher.org.mz/

例えば、本調査では、この団体の代表・事務局長・スタッフの3名、ニアサ州の団体代表とスタッフ2名への聞き取り、会議での発言確認などを行っています。

また、農村部での調査では、農民組織の州レベル・郡レベル・行政ポストレベル・ロカリティレベル・コミュニティレベルの農民組織代表を対象に意見を聞いており、それぞれ州や郡やコミュニティによって何農民組織代表の話を聞いたのかについては、例えば以下の例が挙げられます。事前に、各地域の農民や農民組織から意見等を聞いておいてもらい、その上でインタビューに向かいました。

例)ザンベジア州グルエ郡
●郡レベルでの個別インタビュー:
200を超える農民組織(フェデレーション)の選挙で選ばれた代表
●行政ポストレベルでの個別インタビュー:
50近くの農民組織の選挙で選ばれた代表
●ロカリティレベルでの集団インタビュー:
33農民組織(1429農民)の代表12名(男性6名女性6名)
●個別農民へのインタビュー:
1農家(夫妻)

③小・中・大規模農家
ProSAVANA-PDでは、「暫定」として、
小は0-10ha(未満)、中は10-50ha(未満)、大は50ha以上と定義。

ただ現地にいるJICAコンサルの方の感覚でも、現地の感覚でも、
・小規模農家:0-5ha(未満)
・中規模農家:5-30ha(未満)
・大規模農家:30ha-
という分類が妥当だと言われています。

その意味で、PDIF(プロサバンナ開発イニシアティブファンド)の融資先や関連先の「農家」「企業」は、中規模農家というより、「中から大規模農業経営者」とした方が良いとおもわれます。ここら辺のことは、報告書に詳しく書き込まれています。

(3)松本さんのコメントと補足説明
松本悟さん(法政大学/メコンウォッチ)コメント:
1999年から環境社会メンでの悪影響がないように政府の政策作りに身を投じながら一緒に作ってきた。日本のODA、JICAが人びとの生活を脅かすことがあってはならない。かつてのように抗議で変えるのではなく、政策をつくり、しっかりとした政策での議論により悪いODA事業がなくなることを夢見てきた。こういう事業が出てきてしまうことに辛い思いを抱かざるを得ない。
 その経験に基づき、JICAの環境社会配慮ガイドラインの面から3点コメントしたい。

①情報公開について:
JICAには情報公開の政策ができている。環境社会配慮ガイドラインに基づく情報公開がされている。英語の情報によると、プロサバンナのマスタープラン策定プロジェクトについては、「特定プロジェクトを提案しない」と書かれている。「具体的にプロジェクトを特定しないので、どのような影響が出るか分からない。だから、カテゴリー分類はBにしている。Aは色々な影響があるだろう。Bはマイナーな影響しかないだろうという分類。何故かというと、どんなプロジェクトにするか提案する予定がないから」と書かれている 。

ところが、森下さん(OXFAM Japan)が先程指摘したように(報告で)、JICAの案件概要表が公開されており、それによると「QIPを提案する」と書いてある。つまり、ガイドラインに基づき情報公開されている文章には、「プロジェクトを具体的に提案する予定はないので、だからカテゴリーはBである」と書かれ、一方で英語でも日本語でも書かれている案件概要表には「QIPを提案する」とあり、森下さんの話では実施もするとのことだった。情報公開に基づいて書かれている二つの情報なのに全く異なる情報が書かれている。

先程、午前中の会議で、(JICAが)「そのようなことがあるのであればホームページの方を訂正します」と答えたと聞いて唖然としている。訂正する側のHPというのは、今年の9月4日現在のもの。9月4日は1か月も経っていない。確かに2年前の情報公開が改訂されていないのであれば多少分からないでもないが、丁寧に9月4日現在の情報とHPにアップしている。一か月前のものではない。それを今変えるというと、どういうことが起きるか?

【補足情報】
「Quick Impact Project案の一部のパイロット事業(KR見返り資金を活用した触媒基金による契約栽培推進事業)としての実施」(JICAナレッジサイト案件概要表<2013年9月4日>掲載より)
http://gwweb.jica.go.jp/km/ProjectView.nsf/VIEWParentSearch/CBD5ADD7676429714925794C0079D830?OpenDocument&pv=VW02040104

外務省の「開発協力適正会議 」の委員をしている。高橋さんも同様である。日本のODA のPDCAサイクルを回している。Plan Do Check Actサイクルのこと。ちゃんと計画立てましょう。実行したら、ちゃんとチェックを行い、チェックを活かして次にちゃんと変えていこうというもの。今何をしようとしているかというと、チェック段階でおかしくなったら、(元あった)「プランまで変えます」ということをいっている。とんでもないこと。もしうまくいかなかったら、「計画段階の書き方が間違っているから計画段階の書き換えを変えます」…となると、全てのPDCAサイクルは美しいサイクルとなる。誤りがあったことをチェックして認めるからPDCAサイクルが必要であり、日本政府は自公政権になっても行政事業レビューをしている。したがって、そういう仕組みがある以上、自分たちの立てた計画は透明性が必要であるにもかかわらず、JICAと長く仕事をしてきたが極めて残念と言わざるを得ない。

【補足情報】
ODA適正会議についての外務省ホームページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/kaikaku/tekisei_k/index.html
PDCAについて次に説明されている。
※PDCAサイクル:事業の形成,実施,評価,改善の4段階を繰り返すことで,事業の継続的な改善を図る手法。
また、NTTファシリティーズ 『社会環境活動報告書2005』の図が分かりやすい。らせん階段上に事業が改善されていくための手法
http://www.ntt-f.co.jp/csr/sreport/envre2005/management/02.html


②カテゴリー分類:
アセスメントの専門用語。何百もある事業を全部ものすごく丁寧に調査するのは、コストパフォーマンスが悪い。これはしっかりやりましょう、というカテゴリー分けを事前になされるのは一定の合理性がある。だからこそ、カテゴリーが重要といえる。大きな問題が起きそうなものはAでしっかりやりましょう。ないものはCでさらりとやりましょう。税金を効率的に使うことができる。したがって、カテゴリーが重要。この事業はカテゴリーB。

【補足情報】
ProSAVANAに関するカテゴリーのスクリーニング結果概要は、以下に掲載。 http://www.jica.go.jp/english/our_work/social_environmental/id/africa/mozambique_b04.html

Bとは何か、住民との対話も「必要に応じて」、情報の公開も「場合によっては」という書き方。JICAや外務省が、恣意的にあるいはJICA・外務省の判断によって、必要性を決めることができる。しかし、カテゴリーAだとやらなければいけない。どういうやり方でやるかはガイドラインにしっかり書かれており、だからアカウンタビリティもあり、透明性があり、私たちもチェックができる。

例えば、QIPについて、JICAの資料の中では、「環境社会配慮項目を議論する(洗い出す)」ことも含まれている。普通はその段階で、立ち退きがある、生計が変わる、農業のやり方が変わるということが予見されれば、住民の生活への影響が多いので、当然カテゴリーはAになる可能性がある。しかし、現在JICAに聞く範囲では、カテゴリーBのままである。

マスタープランは日本の国土面積よりも大きいところで作られるため、ざっくりしたプランを作るということで、最初の段階でプロジェクトを特定できないという可能性は否定できない。しかし、JICAのガイドラインによると、以下のように書かれている 。

「7. マスタープランは、協力事業の初期段階ではプロジェクトが明確でない場合が多いが、その場合でもプロジェクトを想定してカテゴリ分類を行う。その際に、派生的・二次的な影響や累積的影響を考慮に入れる。また、複数の代替案を検討する場合は、それら代替案のなかで最も重大な環境社会影響の可能性を持つ代替案のカテゴリ分類に拠るものとする。調査の進捗に伴いプロジェクトが明確になった以降は、必要に応じてカテゴリ分類を見直すものとする」。

【補足情報】
国際協力機構「環境社会配慮ガイドライン」2010年4月, 4頁。2-2カテゴリー分類より。http://www.jica.go.jp/environment/guideline/pdf/guideline01.pdf 

つまり、徐々にプロジェクトがみえてきたら、明らかにJICAのホームページの中で、調査プロジェクトの一環としてやられている以上、ガイドラインにのっとって、カテゴリー分類を見直し、場合によってAにし、適切に住民との協議、情報公開をすべき。外向きのカテゴリーをAにかえ、ガイドラインが定めている適切な手続きが不可欠。そうでなければ、ガイドライン改訂の議論を2年間やった意味がない。

③ゾーニング:
この事業では、ゾーニングという考え方が使われている。ゾーニングは大きな影響を及ぼす。私の専門は、世界銀行の調査研究であるが、世界銀行はゾーニングの問題で被害を受けてきた住民から何度も異議申し立てを受けてきた。世界銀行の政策違反であると指摘されてきた 。JICAや日本の外務省は、真摯にゾーニングがもっている社会環境面の影響を考えた上で、自らのガイドラインをもう一度チェックし、カテゴリーを見直し、住民との対話を政策に基づいて見直すべき。

【補足情報】
ゾーニングに対する異議申立の一例に“Democratic Republic of Congo: Transitional Support for Economic Recovery Credit Operation (TSERO) and Emergency Economic and Social Reunification Support Project (EESRSP)”がある。
世銀のインスペクションパネルは、森林のゾーニングは土地利用計画なのでカテゴリAに分類すべきだったと政策の不遵守を指摘している。
http://documents.worldbank.org/curated/en/2006/02/6605253/democratic-republic-congo-transitional-support-economic-recovery-credit-tsero-emergency-economic-social-reunification-support-project-eesrsp-inspection-panel-investigation-report-recommendation

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ブログ読者ならわかると思いますが、ここからみえてくるプロサバンナに関する根本的な問題・・・・は明らか。
らせん階段状に、Plan、Doから、Checkで見直しがされ、Actでカイゼンされ、上に上っていく・・・・という手法ではなく、Planがそもそも「PRODECERのP-D-C-Aから出発していないために」問題が埋め込まれたまま出発し、Doでそれが露呈・拡大され、ようやくCheckまで来て、現地社会からも日本社会からも声があがっているのに、それに真摯にACT(改善)に向かって対応するというよりは、Planの「書きぶり」や「公開手法」の問題に矮小化してしてしまう・・・・という現在の手法が露呈。

しかも、援助の透明性や「適正化」がこんなにいわれてもう10年以上が経って、そのための仕組みも作ったのに、どこ吹く風で、「情報自体を書き換える」といえてしまうことが、組織の体質が変わっていないことを示している・・・と感じてしまうのは私だけでしょうか。

がんばれ、JICA。
でも、がんばる方向性が間違っていないか、本当に考えてほしいところです。
もう自浄が無理なのならば、第三者に抜本的なCheck & Actを提案してもらうべき時がきていると思います。
その意味で、モザンビーク23団体から出されている公開書簡(ブラジル30団体近く、日本11団体も署名)、日本5団体の緊急声明「緊急停止と抜本的見直し」は、有効な提案だと思います。
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# by africa_class | 2013-10-04 16:10 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【近刊紹介』『国際政治~特集:紛争後の国家建設』&Fukushima, ProSAVANA…が、研究の転換点につき

長いノマッド(遊牧民)生活も一旦終了。毎月出国している状況はさすがに辛い。一か所に数か月まとめていられるのは本当にありがたい・・・と思う今日この頃。依然、アフリカに持って行ったスーツケースとヨーロッパに持って行ったスーツケースが並べられたままではあるものの・・・。

さて、忘れる前に自分の記録用にやっている最新出版物の記録を貼り付けておきます。デジタルの時代に、紙で出版されるものの有難さの一方で、いつどこで何を書いたのかだんだん記憶が定かでなくなってくるので。

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■舩田クラーセンさやか(2013)「モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題」『国際政治:紛争後の国家建設』(日本国際政治学会編)、174号、54-68頁。

■Funada-Classen, Sayaka (2013), "Fukushima, ProSAVANA and Ruth First: Examining Natalia Fingermann's 'Myths behind the ProSAVANA", 国際関係論叢 第2巻・第2号、85-114頁。

*後2つ近刊ですが、取り急ぎ。
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(と書き始めて単に新刊紹介のつもりが、読み返すと、研究者としての次の旅路の話になってしまいました。なのでタイトルも変更。いいのか、こんなこと書いて・・・と思うものの、もはや。)

しかし、本業の紛争後の平和構築・・・にじっくりと手がつけられなくなって2年半。震災・原発事故、そしてプロサバンナの・・・・ですが、実はそれでよかったと今思い始めてます。当初は、知っている人は知っている通り、2011年から現在にかけて、「モザンビークとルワンダの平和構築の比較」と「アフリカ暴力、平和とジェンダー」を切り口に、英語で本を書くつもりでした。後者は共同研究を準備していたところでした。集ってくれた仲間の皆さん、すみません・・・。そして個人の研究テーマとしては、「アフリカと1958年」という本を書こうと思っていました。

それらは依然としてとてつもなく、答えもなく、重要なテーマであるものの、「今の私」である必然性のないテーマだと感じるようになりました。これは、重要ではないということではなく、頭脳が一個で手が二本で身体が1つで、24時間しかどんなに頑張ってもない人間という生き物である時の順序としてという意味です。

10年後とか、20年後でもいいかも。あるいは来年別のことを書いてるかも。やっぱりあのテーマをやる!と。その時は笑って下さい。でも今年退職した師匠と7月にすごく長い時間話して、彼が大学卒業論文で取り上げたテーマに40年後また取り組みたくなった・・といって文献を読んでいる話を目を輝かせてしてくださった瞬間に、私もそれでいいと踏ん切りがつきました。先生、ありがとうございます。いつまでも尊敬する大きな大きな先生、小倉充夫先生です。

そんな風に思う日がこんなに早く来るとは思ってもいませんでした。いや、良く考えたら「早くない」ですね。いつも自分がいつの間にかこんな歳になったのに驚いてしまう。22歳からこのテーマで、モザンビーク、パレスチナ、ユーゴスラビアに行って、そしてこのテーマで私なりに20年近く研究してきたのだから。人生あっという間というのはその通りで・・・。

いずれにせよ、前から思って、心がけてはいたのですが、上手くいかなかった。「国際関係」や「国際政治経済」を人びとの「暮らし」のレベルとの関係で再検討し直す・・・・・これを真正面からやる時がきたと感じています。逆に、世界はそれだけ、目に見えて密接に結びついて変動する時代に入ったといえるでしょうか。もはや、どんなアフリカの村の出来事も、世界中に張り巡らされつつあるシステムから逃れることができない・・・・他方、そのようなシステムに抗う普通の人びとの動態が、「小さな小石」の意味が大きくなる瞬間がある。

巨象の足の裏にたった一つ刺さった棘だとしても、それはそれで意味があることがある。(象を例えたのは息子的にまずかったかも・・ごめん)

その綱引きのようなPower & Contestationについて、「一人一人の暮らし(特に生命)」と「グローバルなシステムと国家権力」の相互性と相克・・・をディスコース(言説)分析と構造分析を踏まえてやりつつ、一人一人の「声」を浮き彫りにできないものか・・・そんなアクロバティックなことを考え始めているのです。

まあ、もう国際関係学では理論的にはやられているし、現代史研究では、以上は当然過ぎるぐらいと当然のことなのですが、もっとそれを「土地」とか「農」とか「食」とかの切り口で、アフリカと私たちの生活を舞台に何かできないものか・・・それこそが、私の「平和構築論」になっていく予感があるのです。そこには、気候変動やエネルギー問題も含まれています。

さらに、「援助という名のコロニアリズム」という斜めの切り口も挟み込みながら・・・・。こんな風に、ブログに次の研究アイディアの構想を書くのはバカだと思うのだけれど、バカであることはどうせ周知の事実なんで、お許しを。ちなみに、関西人にとって「アホ」は許容範囲。「バカ」は超えているので、私が「バカ」という時には、相当気合のはいた「アホ」だと思ってくださってOKです。

脱線しました。いつもだけど。
これは、私が「研究界の住民」ではなく、あるいは市民社会の一員だからというだけでなく、あるいはそれぞれのアイデンティティを「生活者としての自分」を加える形で、でもそれぞれバラバラに生きてきたところを、2011年3月11日後融合させようと試行錯誤してきた結果でもあるといます。つまり、「ひと」になったのですね。

「知」は身体から切り離されるべきでなく、「社会」からも切り離されず、「過去と未来」からも切り離されない。「この場」だけからも切り離されず、「世界」から切り離されない。制約を受けながらも、有る時大きく羽ばたくこともあり、でもその羽ばたきが人びとを破壊に導くことがある。そんな超越と制約の間の限りなく主体性があるようにみえてない世界の中で、人が人として、愚かで可能性のある生き物として、どう生きるのか・・・そんなことをツラツラ考えているのです。

自分の衝動として、未熟なままで「次」に行かねばならない自分に腹が立ちます。全然、まったく、20代のころにこの錚々たるメンバーから学び始めた時からちっとも進化がなかった自分に。あの時よりもスキルがアップしたとしても(20年ですから・・・)、まったくダメじゃないか。そんな風に思う今日この頃。

でも、私はきっといつか師匠のように「やり残した気持ちがある」もののところに戻ってくると思います。なので、やり残したままにさせて下さい。

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とはいえ、手元に届いた『国際政治』を読み始めて、激しく後悔しているのは事実として。。。ちょっと、この錚々たるメンバーの中に私の原稿があってよいはずかない。

この日本政治学会の投稿募集にあわせて書いたのだけれど・・・
http://jair.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/committee/no174recruit.pdf

正直なところきりこみが全く足りなかった・・。もっとやりたい分析があったのだけれど、不十分だった。でも、実の所今農民たちと共に活動をし、調査をしながら、思っても見なかった視点で政治をみることが出来ている自分を発見している。「民主化の課題」を「主権の問題」だと前から頭で分かっていたけれど、こんなにハートにずしりと来る形で理解できたのは、活動のお蔭。とはいえ、この論文は2年前の学会報告をベースとしているので、最後以外はそれが活かせていない。まったく!!!!

(津田時代と同様、「今後の課題BOX」にぶち込ませていただき・・・)

でも、私の以外はすごくすごく面白いので、是非どうぞ。
学会ジャーナルとはいえ夕斐閣から購入できます。
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641299641

武内さんのLiterature Reviewもいつもながら冴えわたってる。
新しい同僚の篠田さんの論文も素晴らしく面白い。
前の同僚の酒井さんの論文の深みに、自分のろんぶんがかぎりなく薄っぺらい・・・ごめんなさい。次(相当先になりますが)頑張ります。

==目次==================
「序論 紛争後の国家建設」(武内進一)
「国際社会の歴史的展開の視点から見た平和構築と国家建設」(篠田英朗)
「紛争後の国家建設の死角と国際社会の課題」(西川由紀子)
「国家建設と非国家主体─ケニアのコミュニティ宣言が示唆する国家像」(古澤嘉朗)
「モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題─2009年選挙を中心に」(舩田クラーセンさやか)
「紛争と選挙,アイデンティティの相互連関─戦後イラクの国家建設過程」(酒井啓子)
「二元化するイラクの石油産業─クルディスタン地域の石油と国外アクターの役割」(吉岡明子)
「ボスニア・ヘルツェゴビナにおける所有関係と国家建設」(片柳真理)
「ローカル・オーナーシップと国際社会による関与の正当性─マケドニアにおける国家建設を事例として」(中内政貴)
「同盟と国家建設─NATOとアフガニスタン」(岩間陽子)
「反乱軍の組織と内戦後の和平期間」(大林一広)//独立論文1本
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# by africa_class | 2013-10-01 22:51 | 【記録】原稿・論文

表現の自由を憂い、エチオピア女性ジャーナリストから学ぶ「人の生は短い。だから私は真実を語る」

日本の「報道の自由度」が今年ついに22位から53位に急落したとの報道がありました。知ってましたか?今日は、その話を手掛かりに、今年「報道の自由賞」を受賞したエチオピアの女性ジャーナリスト・Reeyot Alemu、「本当のことを書き続け」て逮捕された26歳の女性について語りながら、日本における「国民の知る権利」と「表現の自由」の憂うべく現状を共に考えます。

「遠いアフリカ」のことではありません。
そのようにみえて、「日本の私たち」のことです。

彼女はArthur Schopenhauerをこう引用しました。
"life is short.(人の生は短いが)
But truth works far.(真実は遠くまで届く)
Lives long.(そして長く生き続ける)
Let us speak the truth."(だから私たちは真実を語ろう)
(The World as Will and Representation, Volume I)

■英語ですが授賞式の様子(彼女不在のまま)
http://www.youtube.com/watch?v=O1z7d6z-S_w

元NHKの大貫 康雄氏によると、日本のランク急落の背景は次の通り。
=======
http://no-border.asia/archives/8287
5月3日は「世界報道の自由の日(world press freedom day)」とユネスコ総会で定め、加盟国に報道の自由を促進し、言論の自由の保障を義務付けているが、現状は理想にほど遠い状況だ。毎年、この日に合わせて『ユネスコ・国連教育科学文化機関』が「報道の自由賞」の授賞式を行い、また国際NGO『RFS(国境なき記者団)』が世界179カ国の「報道の自由度」一覧を発表している。

日本は黄色に色分けされたが、1年前の22位から31位下げ53位に急落。(閉鎖的な)記者クラブ制度が依然改革されていないなど、名指しで警告されている。

民主主義(の質、水準)が以前に比べて悪化している国としてイタリア、ハンガリー、ギリシャ、アルゼンチンと共に日本が名指しで警告対象になった。

RFSはまた、昨年の22位から53位に降下した日本について(政府・公的機関の)透明性の欠如、福島第一原子力発電所事故と放射能災害に関する情報公開を尊重する態度はほとんどゼロに等しいと手厳しい批判をしている。さらに問題点として、最後に原子力産業報道で“検閲”(誰によるのかは言及せず)が行われていること、(閉鎖的な)記者クラブ制度が依然として改革されていないことなどを挙げ、以前は良い評価を受けていた国の急降下は警告すべき現象だとしている。

アジア・太平洋地域では、ニュージーランドが最も報道の自由が保障されている国のひとつとして8位、オーストラリアが26 位、パプア・ニューギニアが41 位、台湾が47 位、韓国50 位。
=====

これって深刻な事態では?日本のメディアはどう報道したのだろう?と思って検索にかけてみたのですが、No Boarderの大貫氏のこれしか出てこない・・・。それ自体が示しているものもある。。。批判は耳が痛いとは思いますが、今一度「何のためにメディアがあるのか?」を考えてほしいです。勿論、一番問題は日本政府・公的機関ではありますが、マスコミもまた、耳を傾けるべき指摘は沢山あると思います。

私はアフリカニストなのでアフリカのランクも確認してみると・・・。日本より上位は7か国!
ナミビア(19位)、カーボベルデ(25位)、ガーナ(30位)、ボツワナ(40位)、ニジェール(43位)、ブルキナファソ(46位)、南ア(52位)よりも下位でした。ニジェールやブルキナファソより低いとは・・・いや失礼。そりゃそうかもしれません。
http://en.rsf.org/press-freedom-index-2013,1054.html

でも、残念ながら私、この結果に驚かないかも・・・。
今とても気になっていること。
それは、日本社会が全体として「ものを言いにくい状態」が生まれつつあるという点です。特に、国家権力や権力が行う政策に絡むこと、原発事故直後とは異なり、問題を指摘する人達が声をあげづらい空気が醸し出されつつあるように思います。

多分、多くの日本の人達は、「自然の減少」、つまりいわゆる「風化」や日本得意の「忘却力」によるものと思っているでしょうが、勿論それがある一方で、そうなるように色々なアクションがとられていること・・・には、なかなか気づかないですよね。

今、日本で何が起きているのか?
例えば、異論を述べる人達、道端で声をあげる人達への意図的な逮捕や拘束、裁判や、職場での嫌がらせ等です。モザンビークだけではないのです。既に、「がれき焼却」をめぐっては、私立大学の先生が逮捕される事態までになっています。勿論、この先生は、社会の大きな声によって、釈放され大学にも復帰されていますが、このようなことは先生やその周辺の人達を怖がらせて黙らせるために行なわれた、国家権力や警察による介入だったことは明らかです。

異論に耳を貸せない人達が国家権力を握った時、日本でかつて何が起こったのか?
目で見えなくとも、「全体の空気でなんとなく異論がいいにくい状態」が、なにをもたらしたのか?
声を上げ続けた人達を「非国民」と呼んで、見捨てた社会が行き着いた先はなんだったのか?

何故戦争から70年近く経って、「いつか来た道」を遡っているような不安を感じなくてはならないのでしょうか?あるいは、70年「も」経って、お得意の「忘却力」で全て勝手に忘れたのでしょうか?

私は70年前には生まれていませんでした(多分!)。
でも「あの時代」を過ごした人達が、原発事故後これでもかというほど集会を企画したり、歩いたり、抗議活動にかけつけたりするときに、必ずおっしゃっているのが、「戦後60年以上が経て、こんなに悪い時代は今までなかった。今日本は危ない状態になりつつあります」ということ。あの穏やかでにこやかな瀬戸内寂聴さんの、その強い言葉にドキッとしませんか?
私はします。

そして、戦争の研究をしてきた者として、実際そうだと思わざるを得ないようなことが、まさにこの皆が暮らす日本で日々起きていると感じています。それは、単発に起きているというより、大きな流れにようになってきているように思われるのです。そして、若い人達をはじめ、社会はそれにまったく自覚的ではない。そのような隙間に、色々な法案や試みが進められています。一つずつ、一つずつ、「国民の知る権利」「表現の自由」「報道の自由」「結社の自由」そういったものが、公式・非公式に奪われていっています。

国家や政策の透明性やアカウンタビリティを高めるための市民らの努力が、「特定政治勢力の動き」や「個人的なクレーマ-」と同じレベルに矮小化され、周辺化され、そして忘却されるように仕向けられた結果、得をするのは一体誰でしょうか?

決して社会ではありません。大多数者はそのようなことにより、知る権利を奪われ、国や政策を良くするための積極的な機会を失い、自らの権利を奪われていく一方、ある特定個人や特定の利益集団、国家権力の周辺に群がっている既得権益者だけは生き延び、太っていくでしょう。しかし、最大の犠牲者になり得る大多数者こそが、このような自分の権利を狭めていくシステムを支え続ける傾向にある・・・のが、日本の特徴です。

なぜなら、「お上/大きなもの/権威のあるもの/主流に逆らうべきではない」と子どもの頃より教わってきたから。「既に決まりきったこと」「そうであることと思いこまされていること」を疑問に思い、自分で調べて、考え直し、新しい提案をするというプロセスよりも、「出題者の立場に立ってテストを予想し、回答を想定する」ことに幼少期から繰り返し進められてきた結果、自分の属する組織やシステムを刷新していくことが非常に難しい。その基礎がない。

日本の教育は、批判的精神を育み、調べ、自分の頭で考え、柔軟にオプションを想定し、結論を導くという作業を放棄していると前から思っていましたが、子どもが途中でドイツの学校に行くことになって比べることができるようになった今、特にそう思います。教育の最終工程にいる私たちの責任は限りなく重いと思います。そこに焦点をあわせて、受験というツールによって、教育が組み立てられる日本ですから。

「問いを持つ」・・・・学びにおいてこれほど重要なことはないにもかかわらず、日本では「疑問を持つ」ことよりも「今はとにかく持たない」ことを奨励されがちです。受験でも、日々の生活でも、仕事でも、就職でも。そうやって一人一人が疑問を持たないように生き続けた結果が、今の日本のこの状態です。

「疑問を持ってもどうしようもない」「どうせ変えられない」「面倒なだけ」「辛くなるだけ」「他人と違うことばかりやってられない」「大人にならなきゃ」・・・色々理由はあるでしょう。「今までの当たり前」「どうせ変わらないもの」にチャレンジすることは、勇気がいることでしょう。損をするように思えることも沢山あるでしょう。

でも、皆が皆それから背を向けて、「ちっぽけな自分」の「ちっぽけな利益」ばかりを後生大事に守っているつもりになり、「とりあえず自分の周りはどうでもいい」という態度を続けるのであれば、社会はもっとひどいところになるでしょう。いや、なっていたでしょう。先人たちの誰かが、損をしても、自分の得にまったくならなくとも、一生懸命他者や社会のため(本人たちがそれに気づかず、感謝せず、時にバカだと思っていたとしても)、に行動し続けてくれたから、今狭くともスペースが私たちに残されている。でも、それも「誰かがやってくれる」と胡坐をかき続けた結果、もはや風前のともしびです。

若い人として何ができるのか・・・?
まずは、やはり批判的精神を育み、問い続けること。そして知ることだと思います。知ろうとすること。「一番前」に行く勇気がなくったって大丈夫です。「前でがんばっている人達」を応援することだって、大きな力になります。

とにかく、「問い」を持つことは是非し続けてほしいと本当に思います。そして、小さな輪でもいいから、誰かとその「問い」を共有し、話してみること。そういう積み重ねが、「このままでいいんだろうか」「本当にそうなのか」「何かできないのか」・・・というサイクルになっていって、皆の最初の「問いを持つ」というささやかな試みが、何かの行動につながっていくことになると思います。

さて、またしても前置きが長くなりました。
以前ツイッターで紹介しましたが、今日は、この「世界報道自由の日」の2013年度の受賞者であるエチオピアの女性ジャーナリスト、レーヨット・アレム(Reeyot Alemu)のことを紹介したかったのです。ドイツでは時間がなくてツイッとで終わってしまったのですが、日本でほとんど知られていない女性なので、これを機に是非しってほしいと思います。

■ユネスコ「2013年度世界の報道自由賞」の紹介。
”Ethiopian journalist Reeyot Alemu wins 2013 UNESCO-Guillermo Cano World Press Freedom Prize"
http://www.unesco.org/new/en/media-services/single-view/news/ethiopian_journalist_reeyot_alemu_wins_2013_unesco_guillermo_cano_world_press_freedom_prize/#.UkcG6tKpVRm
Ethiopian journalist Reeyot Alemu wins 2013 UNESCO-Guillermo Cano World Press Freedom Prize

■2012年度「ジャーナリズムにおける勇気賞」受賞の紹介。
http://iwmf.org/honoring-courage/2012-courage-in-journalism-awards/awardees/reeyot-alemu.aspx

先の大貫さんの記事によると、「アレムさんは高校で英語を教えながら週刊紙を出版し、貧困の問題、その原因、政府の腐敗、不正、女性差別などの政治問題、社会問題に鋭い筆を奮い、政府に“テロリスト”として逮捕、投獄された。政府から反政府的言論をやめるよう圧力を受けるが拒否。刑務所は衛生状態が極端に悪く、アレムさんは体調を崩し入院。手術を施されるが翌日、回復しないうちに刑務所に戻されているという」。

酷いです。
本当に。でも、だからこそ知らねばなりません。学ばねばなりません。
彼女が何をしたのか?
そこまでの仕打ちを受けるだけのどんなことをしたのか?

「本当のことを書いた」のです。

多分、のんびり生きてきた日本の学生の皆さんには「へっ?」・・・かもしれません。
しかし、人間の歴史において、ものを書き始めてからというもの、過去においても、現在においても、
権力側にいる人達が一番怖いのは、「嘘を書く人」ではありません。
「本当のことを書く人ほど怖い」のです。

少々訂正。
勿論、民主的な手法によって人びとに力を負託されている人達にとっては、「本当のこと」は痛くもかゆくも、ましてや怖いことではありません。一方、既得権益にしがみつくことでカネや力やメンツが保ってきた人達ほど、「本当のことを書き言う人」は目障りであり、消し去りたい相手なのです。

なぜなら、彼らは知っているから。
自分の「力」に正当性がない、ということを。
自分のやり方が支持されていない、ということを。
だから「嘘で塗り固めたお城」を維持し続けなければならない。
だからこそ、「本当のこと」が、いちいち胸に刺さるのです。
だから「本当のことを語る人、書く人」を黙らせたい。

”Reeyot Alemu: Ethiopia's Jailed Truth Teller”
http://www.thedailybeast.com/witw/articles/2013/04/18/reeyot-alemu-ethiopia-s-jailed-truth-teller.html
■アルジャジーラの英語番組が一番分かりやすい
「ジャーナリズムxテロリズム」
http://www.youtube.com/watch?v=9hEkd3ZTKco
いかに、「テロリズム」という言葉が、権力に本当のことを隠すために利用されているか。


でも、彼らは恐れながら、薄々知っている。
真実はどんなに曲げても、曲げても、歪められ切れないことを。
だから、より一層怖いのです。
これらの不安が、彼らを「本当のことを言う奴を黙らせたい」衝動に導きます。

裸の王様は恥ずかしい。
だから、「裸だ」という人が目障りなのです。
裸なことを認めれば、もっと良い関係が待っているというのに・・・。
裸に気づき、服を着る努力よりも、「裸だ」という人を黙らせることにこそ血道をあげる・・・。

しかし、アレムさんがいったように、
「本当のこと」・・・というのは、どんなに上手く捻じ曲げても、必ず残っていきます。
今消えたように見えても、別の形で必ず残って、必ず表に出てきます。
だから、「本当のことを書く人」を遠ざけて、彼らの権力の「時間」を延ばすことが重要なのです。
でも、いつか彼らは退場を余儀なくされるでしょう。
どんなに権力者らが、それを求め工作しても、真実は人々の目の前に、いつか現れるからです。

そのことを歴史家として驚きをもって見つめてきました。
こんな資料残っているはずないだろう…というところに残っている。
こんな話、聞かせてはもらえないだろう…という話が語り継がれている。
そして、埋もれたこれらの声や資料を、丹念に丹念に掘り起こす人達がいる。
すべては、「過去の過ちを繰り返さないように、よりよい社会と世界のために」と、いつも、どこかで、思って、汗をかいてくれる誰かのお蔭で。

アレムさんは未だ20代だというのに、「本当のこと」を掘り起し、書き続け、このような状態でも意志を曲げず、世界にメッセージを送り続けています。
“I believe that I must contribute something to bring a better future,” Alemu said in an earlier interview with the IWMF. “Since there are a lot of injustices and oppressions in Ethiopia, I must reveal and oppose them in my articles.” Alemu said one of her “principles” is “to stand for the truth, whether it is risky or not.”
http://iwmf.org/honoring-courage/2012-courage-in-journalism-awards/awardees/reeyot-alemu.aspx

権力者は、そのことが怖いのです。
彼女を、どんなカネや力やニンジンでもっても、Corruptできないことが。
彼女を、どんなやり方でも諦めさせられないことが。

彼女は何故諦めないのでしょうか?
想像でしかないのですが、
それは、彼女が誰かにいわれてやっていることではないからだと思います。

ユネスコは彼女をこう讃えました。
“exceptional courage, resistance and commitment to freedom of expression.”
でも、彼女はこう讃えられるためにやっていないと思います。
彼女は彼女の生き方としてやっていることに、誰かが褒章をあげることは真の意味で出来ない。
と同時に、それを他者が奪うことも出来ないのです。

日本政府に「開発の優等生」として讃えられるエチオピアですが、同国に現存する「貧困と格差」に対し声を上げ続けた一人の若い女性が、「テロリスト」と呼ばれて今日も監獄に入れられたままであることを、私たちは目を瞑らず、しっかり知り、そこから学びましょう。
http://allafrica.com/stories/201309051138.html

■受賞にあわせて作られた番組
http://www.youtube.com/watch?v=Ce4fkD7drmA

彼女の監獄からのメッセージ
"Journalists are the voices of the voiceless. That's why I wrote many articles reveals the truth of the oppressed ones. I always stand firmly for my profession."

日本の皆さんに知ってほしい。
そして、今一度考えてほしい。
私たち一人一人の生き方。
共に創造しようとするよりよき未来。
いつもモザンビークの仲間たちがいうように。

More just, democratic and better society & world.
私たちは出来ると思うのです。
立ち止まり、自らの過ちに気づき、笑い、手を取り合って前に進もうとするのであれば。

今日もがんばりましょう。
人生は短い。
だけど、真実は遠くまで。
だから、今日も真実を語りましょう。
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# by africa_class | 2013-09-29 03:01 | 【考】民主主義、社会運動と民衆

卒業祝い:「ちっぽけな自分を笑い、自分を超えたもののために生きる道を閉ざさない」、という生き方

2012年度の卒業生を送り出している時期に色々あり、しっかりと送り出す言葉を書くことができないでいた。もう9月が終わろうとしているこの瞬間、なぜか出張中のオランダのホテルで一言だけでも書いておきたいと思う。

まずは、皆さんこんなに遅くなってごめんなさい。
言い訳にはなりますが、忘れていたわけではなく、ずっとずっとあの時追コンでかけた言葉以上の何かをどのようにまとめて書けばいいのだろう・・・と考えていたら、あれもこれも言いたいのに、一つだけ絞っていうとしたらなんなのだろう・・・と迷っていたら、こんなに時間が経過してしまいました。ごめんね。

ゼミ生との毎年の出会い、そして毎年の送り出し、その繰り返しをしてもうすぐ10年が経過しようとしています。気が付いたら、100人以上のゼミ生との出会いとなりました。そして、そのパートナーたちや赤ちゃんたちや、増えていくファミリーとの沢山の新しい出会いがあります。

2004年には不可能だった、卒業生が後輩の面倒をみる・・・は見事に勝手に主体的に行われるようになり、卒業生の皆さんに心から感謝しています。この場をかりて、「ありがとう」を言わせてください。

皆さんとのどの出会いも、とてもかけがえがなく、時に反省しなければならないことも多々あり、率直にそれをお詫びしたいし、同時に皆があたえてくれた沢山の幸せと笑いを、それがくれた勇気と成長を、どう説明すれば伝わるものか・・・これを書く決意をした今夜にも未だ分からないのです。

でもやっぱり、皆がくれた力に感謝したいと思います。
皆の純粋なまっすぐな、でも不安げな眼差しをみながら教壇に立つと、ああ頑張らなければ、ただ教師としてだけでなく、人として、大人として、社会の一員として、日本の現状の責任者として、世界の一部として、がんばらなければ・・・と思ってがんばれてこれました。

時に(多くの場合?)、それが空回りになったり、やり過ぎになったり、時にやはり独立精神が必要だと不十分に対応したり・・・とおそらく皆の目からみたら色々だったと思いますが、それでも、一人一人のことを一生懸命大切に想い(私なりのやり方ではありますが)、これからも思っていくことを、何よりもまずは知ってほしいと思います。

それは単に私のゼミ生だったからというわけではなく、皆は「不十分だった」「先生は納得してないだろう」などと思っているかもいれないですが、一人一人が、素晴らしい人としての成長を、それぞれのやり方でみせてくれたこと、その成長に少しでも関わらせてくれたこと、そのことへの感謝が根本にあるからです。皆は、なかなかそのことが分からないみたいだけれど、自分が親になったり、先生と呼ばれる立場になれば分かるかもしれません。迷惑をかけたと思っている人も多いけれど、本当に全然そんなことないのです。大人の当然の役割ですから。

皆が良く誤解するようなので、前もっていっておくと、
今だから(卒論を書き終え、提出し、発表し、卒業し、社会人になった)分かると思いますが、私が皆さんに「求めていたもの」は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「何もなかった」のです。

皆は、ずっと私が皆に何かを求めていると信じて頑張っていたようですが。そして、それが日本での子どもの成長の際の「当たり前」なので、自然とそう信じていたかもしれませんが。今となってはこのこと、分かると思います。

私がもし何か求めていたとしたら、それは「皆が人として自分の力と想いで何かを求め、それを自分の責任において求めること」・・・でした。それは求めていたので、以上の記述は正確ではないかもしれません。

確かに、「スキルの向上」は提案してきました。
(勉強もそうですが、生き延びるという意味での)
また、「なぜ学ぶのか」を考え、話し合い、探究する場も提供してきました。

しかし、何をどうゴールとして設定して頑張るか・・・・は皆が探るしかなかった・・・だから、皆卒論が終わるまですごく苦しかった・・・と思います。

私は皆さんの求める「皆の問いへの答え」は持ち合わせているとは1パーセントも思っていないし、そして、それを想定して語ることもできないし、すべきでない・・・と思ってやってきました。勿論、事実誤認とか理解不足、あるいは調べ不足という点は多々あったので、それらの点については大いに情報を提供し指摘してきたつもりです。また、努力せずに結論を導き出すという「行為」については、厳しかったと思います。

でも、皆が自らのテーマを探しだし、自らの問いを立て、自らの手法で、自らの答えを導き出す・・・これのサポートはしても、邪魔はしてはならないというのが私なりの先生としてのルールでした。なので、クラスルームの場で「教え過ぎない」ということを、すごく気をつけてきたつもりですが、うまくいかなかったこともあったでしょう。

勿論、「私の問い」への「私の答え」は、あります。
が、前にも書いたように、授業ではその話はほとんどしてきませんでした。時間の無駄だし、30人いるゼミ生一人一人の多様性に寄り添って話を聞きたいのに、「先生」の話をしては、「真似しなきゃ」と言うことになっても困る・・・と思っていたからです。

むしろ、私の問題意識や考え、それへの行動は、社会「貢献」活動の中で知ってもらえばいいと考えてきました。それを知りたければ、このブログを読んだり、その他企画のイベントに参加すればよいし、知る必要がなければ知らなくていいし、関わりたければ関われば良いし、関わりたくなければ関わらなくてよいし、すべては皆次第であり皆は自由。なので、授業の中ではしてきませんでした。そのような狙いがないとしても、押し付けがましくなるので。

でも、授業の中でもっと話してほしい、教えてほいい・・・という希望が1年が終わると良く出されてきました。実は、白状すると、外大以外の大学では、講演会であったりするので、そういう話をよく学生の前でさせてもらってきました。でも、自分の大学では・・・難しいですね。例外はりくえすとに応え、1年に1度だけ、専門の授業で、何故自分がこのような研究や活動をするに至ったのかの話はしますが、大抵は最後の方で泣いてしまうのでちょっと恥ずかしい。

2012年度卒業生の前でも話しましたね。かなり長い時間。結局、泣いてしまった。あの瞬間何を想像してたかというと、私が私であることができる理由、私が私として生きる手がかりを与えてくれた、モザンビーク北部の農民のママたちの優しさと強さ、哀しみ、辛さ、喜びと温かさ・・・そんなものすべてを想像してしまうと、もう涙がいつも止まらないのです。

1994年・・・戦争直後に反政府ゲリラ勢力を含む元戦場を任地として働いていた時に出会った、あのお母さんたち。布きれ一枚、穴だらけの、骨と皮の、哀しそうな怯えた目の、あのお母さんたちが、どのように日々を生き抜き、その後の戦後を生きて、今に至るのか・・・20年ほとんど毎年のように農村にお邪魔しながら、自分の自らの努力で生活を立て直した姿を目の当たりにしてのことでした。

首都から最も遠いモザンビーク北部の中でもニアサ州は最も援助が届かない州であり、さらに州都から遠くアクセスの悪い元ゲリラ地域の南東部は、文字通り、「人びとが自力で生活再建を行った地域」でした。自分の食べるものもろくに生み出せない、家も自分で建てることのできない無力な私にとって、その姿から学んだことの大きさは説明しようがありません。

「ただ今日を生き抜く」・・・ことの偉大さに、そのことを家族が実現するために与えられているお母さんたちへの責任の大きさに、私は尊敬とともに、すごいものを見せていただいた感謝を感じてきたのです。もし、このお母さんたちとの出会いがなければ、あらゆる意味で今の私はなかったでしょう。

皆さん、「ただ今日を生き抜く」ことの素晴らしさを、心に大切に持ちましょう。何もかもが嫌になる時こそ、このことを思い出してください。

ただ注意が必要です。
「私が今日を生き抜くこと」には、パーソナルなニュアンスがあるかもしれません。
でも、戦後モザンビークで考えたことは、「今日を一人一人が生き抜くこと」の集合体があって初めて家族があり、社会があるということでした。

皆が「今日」を諦めず、「自分」を諦めないことは、すなわち「生命」と「ひと」と「社会」と「世界」を諦めないことなのです。

若い時分にこのことに気づくのはとっても難しいことだと思います。一人暮らしで一人で生きているつもりになっているだろうし、自分ぐらいいなくてもと思っているかもしれません。

すこし厳しいことを書くならば、「自分ぐらい」と思っている人ほど、実は心の奥底で「自分」を強く大事にしすぎていることが多いのだということに、早く気づいてくれるといいなと思います。

逆説的ですが、根っこの部分に後生大事にもっているか隠している「自分」がかわいく、傷つけたくない人・・・が多いのです。

あるいは逆のケースもあります。「自分だけは生き延びればいい」と考えているタイプです。
実は、今このような考えが、世界に蔓延っていると感じています。表面的には、「自分なんて」とリアクション的にいっているけれども、自分(とその感情や気分や利益)がとっても大事で、本音では「自分だけ」を重視している。

経済至上主義が蔓延るポスト冷戦期の社会においては、これはますます強くなって、日本だけでなく、世界中を席巻しています。そして、社会で働き始めた皆さんであれば、それをひしひしと感じていることでしょう。

新入社員の皆さんですから、それは仕方ないことかもしれません。それぞれがまずは社会の中で生きてみる、もがいてみる、その中で考えるしかない・・・実はそう思っています。

でも同時に、もしクラスルームを超えた場所で、もはや学生ではない皆さんに何か送る言葉を贈るとすれば、それは有難迷惑かもしれないとは思うものの、冒頭の一言に尽きるのです。

「ちっぽけな自分を超えたもののために生きる道を閉ざさない」

先述のとおり、「ちっぽけにすぎない自分」にフォーカスしすぎる精神構造、時間の使い方、努力の方向性は、自分にとっても破滅的ですし、皆がそのような状態になると、家族や、組織、社会、世界にとって破壊的です。残念ながら、今日本社会のあらゆる単位において、「自分にフォーカスし過ぎる人たち」が増殖しているように思えます。

長年において日本では、習慣として、家、地域、組織、社会の私物化が当たり前の社会でした。「自分のちっぽけさ」をカバーするために、「家、地域、組織の中の地位」が重視され、それらの私物化が横行して来ました。右肩あがりの時代はよかったでしょう。

しかし、もはや時代は変わりました。日本のわれわれは、あらゆる意味で、その「成功体験」に長年あぐらをかきすぎました。日本の社会のあらゆる単位において、それを私物化している人たちやグループは、仕事と自分を切り分けることができない故に、批判を受け付けられず、家族でも、組織でも、風通しがよく改善が可能なものから遠のいていっています。

日本が「変われない」理由にこれがあります。
そのために、私物化するほどの権力を伝統的にもってこなかった女性や若者は、正面からこの「私物化集団」と闘うというよりも、「離脱」を好んできました。その方法は積極的なものもあれば、消極的、わかりづらいものもあります。その結果として、彼ら彼女らが本来もっていた「変革のエネルギー」は、使われることなく、浪費され、あるいはしぼまされてきました。

新入社員の皆さんは、心当たりがあるでしょう。皆さんに変えられることなんで、何もない・・・と感じていませんか?あるいは、時代の先行きの不透明さから、将来への不安から(持ってて当然です。ほんとうに若い人にとって大きな課題が沢山与えられているのですから)、「自分だけは守らねば」と感じているかもしれません。つまり、私物化グループに皆もいち早く参加しなければならない・・・と感じているかもしれません。

でも将来の不安の出所の根っこの部分は、特に冷戦後、より自由になった社会において、「家」も「地域」も「組織」も変われなかった結果として起きているのです。既に出来上がった「強弱」関係を守ろうとする力の強い側が、ゆらく変動の時期にかたくなに「自分たちは正しく、そのため今まで通りでなくてはいけない」と求めた結果でした。そのために使われたエネルギーと、それへの抵抗は、結局は変革を求める人びとの離脱と、それぞれの単位の腐敗と硬直化、そして崩壊につながっていきました。

多くの「家」をみてください。
「地域社会」をみてください。
多くの政府組織をみてください。
多くの会社をみてください。
そして、この日本の現状を。

今の日本の状態を見回して下さい。上から下まで。すべての単位において、崩壊や綻びでガタガタしています。それは、オリンピックのような「夢」が足りないからとか、景気が悪いから・・・という一言では片付けられません。もはや、今の時代に相応しい変革は、とっくの昔に起きていなければならなかった変革が、どのレベルでも停滞し、場合によって、古いものがただ朽ち果てるのを待つしかない、あるいは破滅的にすべてを使い倒すのを手をこまねいて見ているしかない・・・という状態にあります。

こういう状況のなかでは、一人一人が自己防衛に走り、カネに頼るしか道がないように見えてきます。
他方、そんなカネすら手にできない若い世代は、より自己防衛に走らざるを得ません。とにかく、「上に従う」「大きなものにまかれる」「敗者になってはいけない」「勝者でありつうけなければ」。

「そのためなるべく他の人より早く、上手く、効果的に準備しなければ、損をしないようにしなければ」・・・という焦りが、大学生の皆さんにこれほど漲っている時代は過去にあったのでしょうか?そんな「勝者の道に乗れない」と感じ、自暴自棄になっている人もいるでしょう。

私が皆にいえることは、あまり多くありません。私自身が、そのような社会をみなに与えてしまった張本人の大人の一人だからです。今の大学生の倍近く行きている以上、責任から逃れられません。

それでも、あえていわせてもらえるのであれば、それは、そんな時代でも、「ちっぽけな自分の為に生きる人生のままでいいのか?」ということなのです。今、フレッシュマン・ウーマンの皆さんも、いつかフレッシュではなくなります。その時にこの言葉を思い出してくれればと思います。

「既得権益を守る上の世代」と「不安の中でそれに従わざるを得ない下の世代」で、今の日本社会の風通しの悪さは成り立っています。その連合の中にいれば、台風の目の中にいる静けさを錯覚として与えてしまいますが、その外はむちゃくちゃな被害が生じ続けています。台風のように破滅的パワーをもって。自分たちは良いように思われるのですが、周りが破壊しつくされた後、自分たちだけも本当に無傷で残ることができるのか・・・それは誰にも分かりません。

そもそも、そういう生き方をしているという自覚もないかもしれません。それはそれで仕方ないでしょうし、あるいは私の認識・理解が間違っているかもしれません。

いずれにせよ、「台風の目の外の被害」、そして台風の外に穏やかな世界があるという事実・・・これを忘れないようにしましょう。渦中にいると感じれば感じるほど、「その外はどうなのか」に努力して意識と視線を飛ばすようにしてください。

難しい時には、「自分のちっぽけさ」を笑ってみましょう。
自分の愚かさを、卑下する形ではなく、大いに笑ってみましょう。
大丈夫。誰もみてないから!

そのちっぽけな自分を、次に、もっと大きなもののためにどうにか生かせないか、考えてみてください。日々の生活に追われてそれこそ無理でしょう。「日々生き抜く」といったのに、矛盾していないか・・・そう思うかもしれません。

私がいいたいのは、逆説的ではありますが、「ちっぽけな自分」の愚かさを笑い、そんな愚かな自分だからこそ他の者・ものの役に立てればいいと感じた時に、きっと皆に開ける道はあるはずだ・・・ということなのです。それが、「日々を生き抜くこと」の意味を、限りなく広げてくれるのではないか・・・と思うのです。

「今日はよい一日だった」・・・というために、他人の評価は不要です。あるいは、「ちっぽけな自分にとってどんな良いことが起きたか」を判断基準にする必要もないと思います。むしろ、「ちっぽけな自分を笑い、それを超えたもののために何かしようと生きた」のであれば、結果が伴わないとしても、とても良い一日を過ごしたということなのだと思うのです。

ひとは一人では生きていきません。
誰かに必要とされ、誰かのためにがばんばりたい生き物です。
かといって、誰かが望まないがんばりを、勝手にしてしまう生き物でもあります。
だから、「誰かのために」という時にこそ、その「誰か」の心の声に耳を傾け、立場は違えどともに生きる道を真剣に探っていかなければなりません。

それに気を付けつつ、今日も、明日も、一日を、大いに自分を笑いながら、もっと大きなもののため、気持ちよく健やかに生きる可能性について探究すること・・・、をどこか頭の片隅においていただければと思います。何か、自分が間違っている道に入って行こうとしていると感じた時に、このことを思い出していただければ。

実は、自分が考えている以上に自分も、世界ももっと可能性に満ちている、ということも。

そして、私もそすやって生きていく努力を下手なりにやっていこうと思っています。
いまさらですが、

卒業おめでとう。
皆さんの道のりに沢山の笑いと幸がありますように。
困ったときはいつでもどうぞ。
ドアはいつも開いています。

舩田
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# by africa_class | 2013-09-24 07:34 | 【大学】アフリカゼミ(3・4年)

日本の援助(プロサバンナ)と抑圧、言論の自由について考える

現地調査報告概要(ドラフト)にも少し書いたのですが、モザンビークの市民社会や農民組織からは、悲鳴のような声が日々届きます。同国で日本もブラジルと共に援助するプロサバンナ事業に異議を唱えた人達が、プロサバンナ事業関係者らにより、繰り返しの圧力を受けています。

詳細は9月30日の緊急報告会にお越し頂ければ
http://afriqclass.exblog.jp/18634252

その圧力の与え方は直接的なものから間接的なものまで、とってもアカラサマなものから微妙なものまで、多種多様です。モザンビークや日本らしい手法のものも沢山あり、両国を知る者として考えさせられる点が多々あります。

哀しいことに、現地調査「報告記録」には、そのような声が積み上がってしまっています・・・。彼らがこれ以上危険に晒されることを考え、どのように公表するのかについては躊躇がありますが、彼らは「大丈夫。今こそこの不正を世界に知らせて」というので、差しさわりのない程度に列挙しておきます。

というのも、きっと日本の援助関係者はこういうことが現地で起こっていることについて、一部の人を除いて知らないと思われるからです。カウンターパートの政府関係者とだけ話している、あるいは市民社会と表面的にしか付き合いがないと耳にすることもないでしょうから。

それこそが、せっかく去年10月にUNAC(全国農民連盟)が異議を唱えてくれた時に、「ごく一部」「反政府勢力」「農民を代表しない」「こんな立派なポルトガル語をモザンビーク人や農民は書けないから国際NGOの陰謀だ」などといわずに、真摯に耳を傾け、どうしたら良いのか話し合えばよかったのですが・・・。

まだ遅くない、と思います。日本の援助関係者が今表面的な小手先ではなく本当の意味で変われるのであれば、そして抜本的な見直しができるのであれば・・・。ヒトも組織も間違いは冒すものです。私もまた。でも、「批判や教訓を変革の糧にする」ということを肝に銘じれば、変われるはず。まずは、何が起きているのか知って下さい。

「現地社会の異議あるいは疑問がある中で、とにかくプロサバンナを推進する、既成事実化を図る」ということが、いかなる抑圧と分断を現地で引き起こしているかについて、これを機会に是非自覚してほしいと思います。

私には沢山の疑問があります。
日本の国際協力を通してやりたかったのはこういうことだったのでしょうか?農民の支援というのはこういう手法によるものなのでしょうか?異論に丁寧に耳を傾ける努力よりも、なんとか「既成事実」を積み上げるための戦略や活動にばかり努力を注ぎ続けるべきなのでしょうか?

JICAは、いつから「弱い立場の人びと」の側ではなく、抑圧の側に立つ組織になったのでしょうか?国家間の援助の限界がこういう形で出るのであれば、そして援助からtake offする国が急増している以上、今後10年・20年の存在意義は何となるのでしょうか?

JICAは、いつから、現場での人びと共にある地道な信頼醸成活動の積み重ねに最も努力する機関から、大がかりな宣伝本位の事業の体面を保つための「戦略や戦術」にばかりカネを出し奔走する機関になってしまったのでしょうか?

両方やってるよ・・・という声が聞こえてきそうですが、後者が続く限り、現地の人びとにとって前者の評価はとても難しいでしょう。その意味が分からない現場で頑張っているコンサルタントの方多いと耳にしますが、プロサバンナ事業が一方で抑圧を生み出している中で、ある一部分は頑張っているから評価してほしい・・・と思っても、社会的になかなか難しいことなのだと思います。

そもそも、私に疑問なのは、そこまでしてやりたい国際協力とは何だろう・・・という点なのです?
内発的な人びとの努力に寄り添わない援助への批判は90年代に散々行われてきました。今更私がそれをここでふり返る必要もないと思います。

でも、もはや問題は「農民の自発性や内発的発展に資するかどうか」という点をはるかに超えてしまいました。プロサバンナ事業は、それを「何が何でも問題がなかったように取り繕い、推進する」というあらゆる種類の努力によって、その行き過ぎた繰り返しの「圧力」や「活動」によって、モザンビークのもっとも善良で素晴らしい層の人達ーーカネのためではなく自らを犠牲にしてでも底辺の人達の権利と社会の正義と民主主義のために闘う人達ーーを、傷つけ、反発させてしまいました。

プロサバンナ事業は、モザンビーク社会の真の発展に貢献したければ真っ先に仲間として行動すべき人達を、「敵」や「道具」として扱おうとしてしまったのです。そして彼らはそれに気づき、深く傷つき、反発し、不信を抱き、幻滅しています。どうしてこんなことになったのでしょうか?JICAは組織として自覚の上でやっているのでしょうか?あるいは?

これまで私もメールや電話、来日した仲間たちの話でしか「抑圧の実態」を知ることができませんでした。しかし、私だけでなく、今回、一緒に現地調査に行った日本の仲間たちも、自分の目の前でそういう事態を目にしてし、とても危機感をもっています。一援助事業が、現地で人権(言論の自由)侵害を引き起こす事態に、私たちはどうしたらよいのでしょうか?

抑圧を受けた人達を守るため、差しさわりの内範囲で列挙します。時間もないので一部のみですが。

(私や調査団が目撃したもの)
・「私のやることに反対する者には最大限痛い目にあわせてやる」
・「誰がこいつら(外国市民社会)を連れてきたのだ。お前か!」
・「上司が暗殺しろといったらそれに従うお国柄(といって市民社会代表に銃口を象った指で焦点をあてる)」
・「政府のすることに反対というな」「賛成といえ」
・「異論を国外で披露するな」
・「やはりこの公開書簡は外国の陰謀者らによって書かれたんだな。善良なるモザンビークがこんなことを書くわけがないし、農民が書けるわけがない」
*このいくつかはJICA関係者が同席の場で発せられました。内部で共有はあったでしょうか?

(現地での聞き取り、現地からの情報)
・「(プロサバンナ対象地での土地紛争の話をしたら)そんな話をしたら、君たちはどうなるか分かっているのか?」
・「農民組織は排除する。何故なら奴らはプロサバンナに反対するからだ。対話の必要はない」
・組織の上司への圧力と、その上司による圧力(人事担当からの圧力も含む)
・組織に資金提供するドナーを経由した圧力
・密室での会談の要求
・一人だけとのインフォーマルな会談の要求
・市民社会との対話にもかかわらず「個人」をターゲットとしたコミュニケーションのやり取り(個人の携帯への直接的な連絡、一人だけの連絡や名指しの連絡)
・繰り返しのミーティングへの呼び出し
・以上が無理な場合のフォーマルなレターによるミーティングへの呼び出し

ちょっと時間がなくなてきたので、列挙は以上に留めます。
傷害事件とかそういうものじゃないよね・・・という意見の人に尋ねたいのは、日本の援助がそこまでに加担する前になんとかすべきではないのでしょうか?、です。今は選挙前なので、この程度に収まっているのですが、それでもドンドン加速しています。

そこまでして得たい「農民・市民社会の同意」というものを根拠にして進める農業開発援助というのは、何なのでしょうか、という点です。ぜひ、自分の立場や利益、思い入れを脇において、考えてみてください。

国内的にも国際的にも注目が高まっている中、日本政府やJICAの良識と、「ガイドライン」に基づく行動が強く求められています。結局のところ、「組織」というのは「人の集合体」にすぎません。「どうせ変わらない」ではなく、一人一人が変えようとするならば、きっと変えることができるはずです。これ以上の加害に加担せず、過ちを学びに転換すべく、がんばってください。

Transcend(転換)は可能です。詳細は→
http://afriqclass.exblog.jp/i23/

10月に、このTranscendを基本理念としたLukasaをアフリカ・アメリカの専門家や有識者を招いて、日本の仲間たちと開催します。お楽しみに。
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# by africa_class | 2013-09-21 18:02 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【ご案内】国際開発学会の「原発震災から再考する開発・発展のあり方」部会の報告会

国際開発学会の「原発震災から再考する開発・発展のあり方」部会から案内がありました。とても重要なテーマであるとともに、国際開発や国際協力を問い直すにはとても良い機会だと思います。ぜひどうぞ。

===========================
【テーマ】原発震災より開発・発展のあり方を再考する。

【内容】原発震災であらためて露わにされた、内国的・国際的に展開される不公正な開発政治に、われわれはどう向き合えば良いのでしょうか? 中野洋一氏(原発産業)と松島泰勝氏(琉球開発)のお話を伺いながら考察します。

【プログラム】
① 「原発産業のカネとヒト」
(中野洋一 氏、九州国際大学)
原発産業は日本の巨大ビジネスの一つである。9つの電力会社の年間売上高は約15兆円であり、原発産業には年間約2兆5000億円近い資金が動いている。その原発産業のカネとヒトに焦点をあて、特に「原発マネー」の流れを中心としながら分析する。

② 「新たな植民地主義としての琉球の振興開発体制」
(松島泰勝 氏、龍谷大学)
本報告では、1879年の琉球併合から今日まで続く、琉球に対する構造的差別を明らかにした上で、「復帰」以降の振興開発体制が新たな植民地主義でしかないことを明らかにする。特に米軍基地とリンクした開発政治の分析に焦点を当てる。

【発表者プロフィール】
☆ 中野洋一 氏  国際経済学、特に南北問題、途上国の貧困問題が専門。九州国際大学国際関係学部教授、博士(商学)。現在、副学長。著書は『軍拡と貧困のグローバル資本主義』法律文化社2010年、『原発依存と地球温暖化論の策略―経済学よりの批判的考察』法律文化社など、多数。

☆ 松島泰勝 氏  石垣島、南大東島、与那国島、沖縄島にて育つ。在グァム日本国総領事館、在パラオ大使館勤務を経て、現在、龍谷大学経済学部教授。NPO法人ゆいまーる琉球の自治代表。「琉球民族独立総合研究学会」共同設立者。主要著書に『琉球独立への道―植民地主義に抗う琉球ナショナリズム』法律文化社。

【日時】9月29日(日)13時半~17時
【場所】甲南大学 西宮キャンパス(阪急 西宮北口駅 至近、メールで詳細をご案内
します。)

http://www.konan-u.ac.jp/faculty/cube/access/index.html

【問い合わせ先】 k_masaki425<@>nifty.com

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# by africa_class | 2013-09-21 16:58 | 【考】21世紀の国際協力

【緊急報告会!】9月30日16時~「プロサバンナに関する現地調査報告&緊急声明文発表」@参議院議員会館

お待たせしました。緊急報告会(9月30日(月)16時~17時半)の詳細が決定しました。
締切は28日(土)正午です。座席に限りがあるので急ぎお申込み下さい。

なお、以下関連の過去記事です。
●現地調査写真
http://afriqclass.exblog.jp/18496389/
●現地調査報告概要ドラフト
http://afriqclass.exblog.jp/18496108/
●過去の投稿については以下の引き出しに。
http://afriqclass.exblog.jp/i38/


【転送・転載歓迎】
*********************************************
2013年9月30日(月)16:00~17:30
議員会館内 緊急報告会

日本ODAによるモザンビークの大規模農業開発事業
「プロサバンナ」に関する現地調査報告・緊急声明の発表

http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20130930.html
*********************************************
ザンビーク北部3州 の1400万ヘクタール(日本の耕地面積の3倍)
におよぶ「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるアフリカ熱
帯サバンナ農業開発計画(略称:プロサバンナ/ProSAVANA)」は
2009年 に合意されました。

しかし、2012年10月、 モザンビーク最大の農民組織(2200組織
加盟)である全国農民連盟(UNAC)がプロサバンナ事業への抗議
声明を世界に向けて発表して以来、多くの現地農民組織・市民団
体および国際的なNGOが、同事業への懸念を表明してきました。
これらの懸念の根幹は、同事業が現地事情や農民・市民社会の
意見をまったく反映しておらず、アグリビジネスによる大規模な土
地収奪(land-grabbing)に道を開くものだという点にありました。

これを受け、日本のNGOや研究者らは、2012年12月 のNGO・
外務省ODA政策協議会を皮切りに、2013年1月より「ProSAVA
NA事業に関するNGO-外務省・JICA意見交換会」を5回 実施し
てきました。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/kyougikai.html
(*議事要旨は下の「プロサバンナ…」のところをクリック下さい)

2013年2月には、UNACの代表、環境NGOの代表が来日し、議
員会館での学習会、記者会見でプロサバンナ事業への懸念を表
明するとともに、現地住民との対話を日本政府に訴えました。

6月に横浜で開催されたTICAD V(アフリカ開発会議)時には、前
述農民連盟に加え、対象地域(ナンプラー州)の市民社会プラット
フォームの代表が来日し、モザンビークの主要農民・市民・宗教団
体23組織による3か国首脳宛て公開書簡「プロサバンナ事業の緊
急停止」が発表されました。同「公開書簡」は、農民組織代表により
安倍晋三総理に手渡されています。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
(*プロサバンナに関する資料、声明などは以上ブログを参照)

以上の事態を受け、日本のNGOや研究者による調査団が8月に
現地を訪問し、農民や政府・援助事業関係者らに聞きとりを行うと
ともに、プロサバンナ事業に関する「(モザンビーク・ブラジル・日本)
3か国市民会議」に参加しました。

同会議にはモザンビークの農業大臣や首相代理も参加し、活発な
やり取りがなされました。また、事業対象3州でプロサバンナ関連
事業の現状、アグリビジネスの進出状況、土地収奪、現地小農の
生産努力に関する調査を実施しました。

現地調査からは、プロサバンナ事業の透明性や説明責任の問題が
大きいこと、マスタープランに関する政府と市民社会の対話が始ま
ったばかりであるのにプラン策定が最終段階にあり、かつ関連事業
が進められ地域社会に混乱を招いていること、アグリビジネスによる
土地収奪が地元農民の生存や生活を脅かしているケースが出てい
ることなどが分かりました。

本報告会では映像も交え、調査結果を報告し、声明を発表します。
ふるってご参加ください。

■日時:2013年9月30日 (月)16:00~17:30 
(質疑応答 17:00~17:30)
■場所:参議院議員会館B107  (入館証70枚まで発行)

【司 会】
津山直子(アフリカ日本協議会理事/動く→動かす代表)

【報 告者】
・ 秋本 陽子(ATTACジャパン)
・ 高橋清貴(日本国際ボランティアセンター)
・ 舩田クラーセンさやか
(東京外国語大学/モザンビーク開発を考える市民の会)
・ 森下麻衣子(オックスファム・ジャパン)
・ 渡辺直子(日本国際ボランティアセンター)

【コ メンテーター】
・ 松本悟(法政大学准教授/メコン・ウオッチ顧問)
・ 若林秀樹(アムネスティ・インターナショナル日本事務局長)

共催:(特活)アフリカ日本協議会、(特活)日本国際ボランティアセンター、
(特活)オックスファム・ジャパン
協力:モザンビーク開発を考える市民の会

■問合せ先 /申し込み先
参加希望の方は、以下を明記の上、9月28日 (土)正午までに
メールもしくはFAXにてお申し込みください。
(FAX:03-3834-6903 /EMAIL: info<@>ajf.gr.jp)
*@マークの<>を削除して送信下さい。
(1) お名前 (2) 当日連絡可能な連絡先 (3)ご所属
※ 当日は、参議院議員会館入口にて入館票をお渡しします。

(特活)アフリカ日本協議会 
電話03-3834-6902/ FAX 03-3834-6903/
Email info<@>ajf.gr.jp  担当:斉藤、津山
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20130930.html

以上
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# by africa_class | 2013-09-18 15:58 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

現地調査写真:アグリビジネス土地収用、森林大規模伐採、地元農民との生産競合、農民間交流成果

●現地調査報告概要ドラフトの文章は先ほどの投稿をご覧ください。
http://afriqclass.exblog.jp/18496108/
写真は、同ドラフトにつけていたものと、追加分です。
●また、「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム(プロサバンナ)」に関する世界的な言論空間での状況については以下の通り
http://afriqclass.exblog.jp/18492008/
●過去の投稿については以下の引き出しに。
http://afriqclass.exblog.jp/i38/

ドラフト概要では、地元農民とアグリビジネスの生産物の競合について書くことができなかったのですが、本報告にはこれを書きます。以下、その点についての写真を追加しています。いずれも、プロサバンナ対象の19郡での調査です。なお、現地が緊迫している状況なので、調査地名・企業名を伏せています。

なお、ヘクタールの単位がなかなかイメージしずらいのですが、以下のザンベジアに進出している会社が収用した3000haとは「山手線の内側の面積の半分ぐらい」だそうです(要チェックですが)。
*なおここ数年でモザンビークが外国投資によって手放した土地面積は2万ヘクタールではなく、色々な数字があるのですが「少なくとも2百万ヘクタール」で誤記しました。失礼!。フランス面積の比喩はBBCの記事からなのですが、アフリカ全体のland dealの規模でした。ごめんなさい~!

以下の通り、モザンビークがここ数年で手放した土地面積をLand Matrix最新データに基づくと、日本の全耕地面積(425万ヘクタール)に限りなく近づいています。マラウイの耕地面積(360ha)を超え、ポルトガルやオランダの耕地面積(109haと104ha)の3倍以上ですね。

・世銀の報告書(2009年:xxxii):2.7百万ヘクタール(2004年~2009年)
・GRAINの報告書(2012年:主要な取り引きの合計):1,583,149ha(2006年~11年)
http://www.grain.org/article/entries/4479-grain-releases-data-set-with-over-400-global-land-grabs
・Land Matrixの2013年度の現時点で土地使用権が確保さた69件の取引の面積合計:3,880,460ha(手計算なので、後で計算し直します。どなたかチェックされたら教えて下さい)
http://landmatrix.org/get-the-detail/by-target-country/mozambique/

Land Matrixの最新のものが、実際にDUAT(使用権)まで得ている数字なので「最低ライン」はこれで良いと思いますが、そのLand Matrixの統計にも「詳細不明」な取り引きが沢山出てきます。また、表に出てこないものもあるので、実際はこれより大きな面積が収用されていると思われます。

なお、この企業は、農地をあきらめた農民に1ヘクタールあたり500meticais (20ドル以下1800円ぐらい?)しか提供しませんでした。新しい農地も準備せず。モザンビーク小農の平均耕作地は1.4ヘクタールですので、いかにこの「補償」が少ないか分かるかと思います。企業の進出にあたっての住民との協議の際には、「十分な補償をする。補償しても農地は準備する」といっていたそうです。

なお、この500mtですが、メイズ1袋が80~100mtなので、5~6.2袋分。一家の1年間の消費分にもなりません。そして、一番下の写真に売っているお母さん、ラッカセイを売っただけ(ごく一部)ですぐに手にできたお金です。

なお、会議でも言われていたことですが、「政府の農業政策や計画、キャンペーンでうまくいったものが一つでもあれば教えてくれ」と詰め寄られ、政府代表はまったく答えられなかったことが印象に残りました。が、実は、これは農村でも繰り返し農民から述べられた点でもあります。農民たちは「政府の新しい事業に疲れて」、なので確実にローカルで売ることができる食料生産に回帰しているということでした。

また重要なのは、「土地を選ぶ目」だと繰り返し耳にしました。そうやって肥沃な土地を選んで作付してきたところにこそ、企業が入り込んでいるor入り込もうとしちれうという現状こそが、「土地を巡る争い」の根幹にあると思います。土地・水に関する多様な情報が、プロサバンナについても蓄積されていますが、これらは地元農民にではなく、投資側に提供されるものであって、地元農民は長年の経験から土地を見つけ出しているというのに、そこに上から「投資」が降ってくる・・・・という構図が出来上がりつつあります。


【写真1-1】2013年8月8日 プロサバンナに関する3か国市民社会会議の様子
パシェコ農業大臣の挨拶の後、ProSAVANAに関して説明する首相代理(国家計画局長)
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*この後、農民や市民社会から沢山の質問と疑問が提示され、結局会議は午前9時から午後8時近くまで続いた。日本とブラジルの在外公館、JICAやABCにも、プロサバンナについて発表する時間と席が設けられたが、代理も含め誰も出席せず。その「対話」姿勢について、モザンビーク社会を落胆させました。

公的な理由は「招待が遅れたから」。でも首相代理や農業大臣ですら出席していた上に、10時間に亘る会議。どれかのタイミングで代理が聴きに来ることは可能だったはず。1年前の地元研究所の学会には、3名ほどの大使館スタッフやJICA関係者が交代で聴きに来ていた。それぐらい「興味がない」ということなのでしょうか。あるいは他の理由が?でもその結果はかなり心象を悪くしてしまったのは、本当に残念。批判に喜んで耳を傾ける政府・JICAに脱皮を期待したいです。あるいはモ国政府が阻んだのでしょうか?聞いたら「違う」といっていましたが。

【写真2-1】ザンベジア州G郡 大豆プランテーション(一部メイズも生産) 
アグリビジネス企業により3000haが開墾。収穫後の様子。
(住民との間で土地問題有。地平線まで続くプランテーション。大規模に森林を伐採)
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実際にど真ん中に立ってみての感想は「大クレーターか惑星に来たみたい」・・・。ビデオも録ったので、いずれ動画でご覧下さい。といっても、これ1000ヘクタール分に「すぎ」ません。

【写真2-2】プランテーションの入口の風景。伐採を免れた森が左に見える。
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【写真2-3】写真2-2で数メートルだけ残された森の中の様子(背後にコミュニティ)
*コミュニティのすぐそばなので薪に切られた様子が確認。そのため、実際に「開墾」のために大規模伐採された森よりも木はまばら。
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【写真2-4】同じコミュニティの穀物庫&製粉所
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【写真2-5】200袋のメイズが積み上がっている。企業はすべて自家生産分を売却済みだが、コミュニティと同じものを生産しているため競合が生まれている。買い取り手を待ったままのメイズ。
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【写真3-1】ニアサ州B郡 ブラジル人による大豆プランテーション500ha
(地元住民との間で約束不履行や労働問題・森林伐採あり 奥の山の麓に元の森林の様子)
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【写真3-2】ニアサ州B郡【写真2】のすぐそばの地元農民の畑(収穫後)1.5ha 
(事例)機械も肥料も農薬も使わず。種は自家採取。子どもはなく夫婦だけで手作業。
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【写真3-3】上記の農民夫婦の今季の収穫の一部(写真はゴマ、ラッカセイ。この他、メイズ、キャッサバ、サツマイモ、野菜を栽培 *十分以上の余剰をローカル市場へ)
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【写真4-1】UPCN(ニアサ州農民連盟*UNAC下部組織)のデモストレーション畑
2006年からブラジルのMST(土地なし農民運動)の有機農業の営農者との農民交流で学んだ手法を地元農民同士で普及。写真はニアサ州農民連盟副代表。自身が農民で普及員。
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【写真4-2】UPCN=MST身近なものを活かしたたい肥作りのデモストレーション
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JICAが思い付く前に、すでにブラジルとモザンビークの農民運動同士で相互扶助は始まっていたのです。そして、これは皆が強調していたことですが、政府のエクステンションを期待しても仕方ない、と。彼らは農民のそばにいないし、農民のメンタリティやニーズも分からないし、何より自分で耕した経験のある人というわけではない。農民同士の方が確実に学べる。だからこそ、農民が普及員として機能することが何より大切・・・という言葉は非常に重要だと思いました。
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# by africa_class | 2013-09-03 19:48 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【現地調査報告概要ドラフト】プロサバンナ・同対象地域に関する調査報告&要請内容

以下の現地調査報告概要ドラフト(私の)について「参考資料」ということで、NGOから外務省・JICAの関係各位に送付されましたので、皆さんにも公開いたします。あくまでも私の「ドラフト」ということなので、その点予めよろしくお願いいたします。(引用の際は、後日発表の正式なものをお待ちください)

なお9月末に現地調査報告会を東京で開催する予定です。その際に、詳しい報告書を発表しますので、よろしくお願いいたします。

*末尾に調査結果からの現時点の「要請」内容を列挙しています。
*概要についていた注は末尾に一挙記載しています。
*写真は次のサイトに。

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ProSAVANA並びに対象地域に関するモザンビーク現地調査【報告概要・ドラフト】
*2013年9月2日付


本報告は、日本でプロサバンナに関するNGO・外務省(JICA)との意見交換会(2013年1月~現在まで5回)に出席してきた研究者・NGO関係者ら6名によって行われた、モザンビークでの現地調査(2013年7月~8月)の報告概要ドラフトである。包括的な現地調査報告については、2013年9月末の「現地調査報告会」にて発表予定である。

現地調査の結果、深刻な事態が多く明らかになったため、関係機関に役立ててもらうとともに、調査成果を社会に還元するため、報告概要ドラフトを作成し、これを広く公開する。

1.目的:
(1)全般的なモザンビーク社会の現状の把握
(2) プロサバンナ対象地域(ナカラ回廊沿い)において、農業投資(アグリビジネスの進出)が地域社会や環境にどのような影響を及ぼしているかに関する基礎調査
(3)プロサバンナに関する調査
(ア)地元社会の理解の把握(知っているか、いつ誰によってどのような形で知ったのか、何と理解しているかに関して)
(イ)プロサバンナ関連事業に関する進捗の把握
(ウ)プロサバンナに関する議論の把握
(4)プロサバンナ対象地における地元小農の生産努力と収穫に関する調査

2.期間・対象地域
期間:2013年7月24日~8月18日
対象地域:ニアサ州A郡、B郡、C郡/ ナンプーラ州D郡(PDIF視察先)、E郡、F郡/ザンベジア州G郡

3.手法
【1】3か国市民社会会議、北部での市民社会会議での参与型観察・現地新聞・プロサバンナや土地問題に関する文献等の資料収
【2】プロサバンナ対象地域の農村訪問調査(政府関係者、農民組織、農村住民へのインタビュー、農地の訪問)<*3班に分割>
【3】首都並びにプロサバンナ対象地域の都市部での各種アクターへのインタビュー(政府関係者、市民社会関係者、JICA関係者、農民組織関係者、地元ジャーナリスト・研究者)
【4】ProSAVANA Development Initiative Fundの対象案件のモニタリング(JICA関係者による案内、個別訪問)

4.現地調査結果(総論)*文献調査結果も含む。
現政権(特に第二期ゲブーザ政権 )下で推し進められてきたビジネス・投資を中心とする各種政策・事業(投資、鉱物資源開発、農業)が、社会内での顕著な経済格差や不公正を生み出し、社会のあらゆるレベルにおいて不満の高まりは顕著となっている 。流入する投資の一方で、モザンビークは、2013年度のUNDPの人間開発指数では、2011年より順位を落とし、コンゴ(民)並びにニジェールに次ぎ世界最悪となった 。特に、各種メガ投資/開発事業が、地域資源に頼って生きる農村住民の生活を犠牲する事例が後を絶たず、住民側の抵抗も激化しつつあり、地域によっては外国企業との間で暴力衝突も発生し始めている 。現政権関係者の外国投資や利権と結びついた蓄財・汚職や不正、それを批判する(可能性のある)者への弾圧・脅迫は、さらなる不満を招き、元紛争当事者の元反政府ゲリラ勢力で最大野党のRENAMOの武装化を利する状況となっている 。同国では現在、本年11月の地方都市選挙、来年の大統領・議会選挙を控え、急速に政治情勢が流動化しつつある(以上【1】、【2】、【3】)。なお、2010年に同国は、Freedom Houseによって「選挙民主政国(electoral democracy)リスト116か国」から除外され 、Polity Score Projectも権威主義体制に近い「アノクラシー(anocracy)」に分類を変更した 。

プロサバンナの対象地域であるモザンビーク北部地域では、外国企業による植林ビジネス(ニアサ州・ナンプーラ州)、そしてプロサバンナ合意後の2009年以降(特に同事業が本格化した2011年以降)、大豆生産を狙った(国際企業に留まらない)アグリビジネスの進出(全3州)――具体的には土地を求める動き(land rush)――が加速化し、各地で住民との軋轢が生じている(以上【1】、【2】、【3】) 。

これまでの進出企業の傾向として、住民との協議を軽視したり、協議での約束を履行しない傾向が強く、実質的な意味での土地収奪(land-grabbing)が散見され、コミュニティによっては住民が生産活動のみならず生存が厳しい状態に追い込まれる事態も生じている(ナンプーラ州・ザンベジア州)。これに対し、住民・農民の権利を擁護すべき地元政府は、「世界一農民志向の法律」と高く評価される土地法があるにも拘わらず、投資・企業側に立った対応を行っており、住民は泣き寝入りするしかない状態にある(以上【1】、【2】、【3】)。

全体的に、言論空間の自由度は減少しており(前頁参照)、「政府が連れてきたビジネスや政策・事業(援助を含む)」への不満や異議を表明することは日々難しくなり、身の安全を危惧せざるを得ない現実にあることも明らかになった(以上【3】【4】)。その結果、農民や住民自身が自分の権利を守るための意識向上や自衛手段の確立について、地元農民組織・市民社会組織・宗教組織の対応も後手に回っており、場合によっては政治的・社会的・資金的障害に直面している(以上【2】【3】)。

一方、一部ドナーによって、「農民の権利を守るため」と称し「DUAT土地使用権の登記」がプロサバンナ対象地に対し集中的に行われているが、これが「『現在使われていない土地』への投資誘致」を奨励する政府やドナー、組織によって強力に進められていることもあり、その真の狙いについて危惧する懐疑的な農民や農民・市民組織が多い(以上【1】、【2】、【3】)。ドナーや政府、あるいは一部のNGOの間でも、DUATについて短期的な議論がなされる傾向にあるが、企業へのリースは50年単位で可能となるため、「現在使われていない土地」への将来的な土地圧力は決して低くはない。特に、人口増加率が高いモザンビークでは、今後数十年を見据えた土地政策が不可欠であるが、この観点を含めた国民的論議も始まったばかりである(以上【1】【3】)。

現地調査で面談したモザンビーク政府関係者(主として農業省)やJICA関係者のいずれもが、北部農村地域で生じる土地争奪や紛争について十分な理解や認識を有していなかった。その一方で、同地域では、外国投資・企業や政府関係者による土地獲得競争は激しさを増すばかりで、土地は投機の対象となりつつあり、投資と住民・コミュニティとの争いだけでなく、その希少化が住民間やコミュニティ間の争いを熾烈化しつつある。なお、これらの土地獲得合戦は肥沃(森などを含む)で水源に近く比較的道路に近い土地に集中して行われており、「適地」ほどビジネスと地元農民の衝突が生じている(以上【1】、【2】、【3】)。

政府が奨励する政策や事業(企業投資を含む)への異議申し立ての難しさ、異議や疑問を呈した際の政府からの強烈な圧力の問題については、地元市民社会や研究者から繰り返し指摘があった。明確な異議でなくとも、現地調査を行っただけで弾圧を受ける事態も生じている 。そのような困難の中で、本年5月28日にモザンビーク23団体によって「プロサバンナ緊急停止を求める3か国首脳宛公開書簡 」が発表された意味の大きさについて、深刻に受け止めるべきとの主張がこれらの団体関係者から繰り返しなされた(以上【1】【3】。

当該「公開書簡」について、TICAD V時のJICAサイドイベント(2013年6月2日)において「農民は文盲だから誰か(外国人)が書いた」との「陰謀説」がモザンビーク政府関係者からなされたことについて 、起草に関わった北部の農民や市民社会組織関係者から強い抗議がなされる一方(8月7日)、23団体が団結し継続して3か国政府に返答を求めることが意志表明され、8日の会議の冒頭に農業大臣の出席の下、同書簡全文が読み上げられた(8月8日、以上【1】)。

なお、市民社会(UNAC並びにORAM)主催のプロサバンナに関する3か国民衆と政府との対話会議(”Triangular Conference of People-Mozambique, Brazil and Japan: for detain and a deep reflection on ProSAVANA”)には、招待された日本・ブラジルの大使館・JICA/ABCのいずれからも代理も含めた出席はなく(日本大使館・JICAからは招待が遅れたためとの理由が寄せられたが代理出席もなかった)、この点について主催団体等から強い落胆と不満が表明された。

同会議は、モザンビーク国首相代理の国家計画局長と農業大臣の政府関係者7名、北部3州の農民・市民社会代表20名(主要ターゲット郡を含む)、首都近辺の農民・市民社会関係者、モザンビーク研究者、他ドナー、日本・ブラジル市民社会関係者10名、国内外のジャーナリストあわせて200名近くの出席者を得て、朝9時から午後7時半までの長時間にわたって開催され、モザンビーク政府代表と市民社会・農民の間で活発な議論が行われた。ただし、政府側の表面的な説明の不十分さと(1時間を超える発表であったにもかかわらず)と「プロサバンナは始まっていない。未だコンセプト段階」の説明に、市民社会側から多くの強い疑義が申し立てられた。数時間にわたり出され続けた農民や市民社会の質問や問題提起に対し、モザンビーク政府側(局長レベルが2名)は応答しようとしたが、具体的な内容を把握していないことが明らかになり、返答に窮する場面も見受けられた。

以上諸会議や北部地域での調査、報道内容を踏まえると、全体として、モザンビーク社会においては、プロサバンナ関する議論は始まったばかりで、とても2009年の合意から4年、マスタープラン策定の最終段階(当初2013年10月にリリース予定)にあるとは言い難い状況であることが明らかになった(以上【1】【2】)。プロサバンナ対象地での調査からも、「プロサバンナを聞いたことがある人」が、農村部でほとんどいない現実、聞いたことがある人は都市や郡都の政府関係者にすぎないこと、聞いたことがあってもその中身について矛盾する内容を含む理解しかないことが判明した(以上【2】【3】)。

モザンビーク社会としても、北部地域としても、プロサバンナに関する情報への接触、具体的な中身の議論は始まったばかりであるにも拘わらず、①マスタープラン策定が最終段階にある点、②同プランの中身や策定プロセスが問題視され議論されている最中に、パイロットプロジェクト (ProSAVANA Development Initiative Fund:PDIF)やクイックインパクトプロジェクト(Quick Impact Project:QIP)という北部農村に大きな影響を及ぼす事業が進んでいる現実に、農村住民や市民社会、政府関係者の一部にも強い疑問があることが明らかになった。

また、モザンビークの国家としてのガバナンスや政治情勢の悪化問題、北部地域に流入し続けるアグリビジネスやその他の投資事業が、現地社会や住民生活や環境に及ぼす多大な影響について、プロサバンナ関係者や地元政府が把握しておらず、理解もしていないままに、マスタープラン策定やPilot Project (PDIF)が進められている点が、大きな問題として認識された。

特に、「公開書簡」で一旦停止を要請し返答を待機している段階での6月末以降に、以上PDIF(ファンド)の二次募集が進められたことについて、現地市民社会の間から強い反感とさらなる不信感が生み出されている。同様に、「仕切り直し」が約束されていたマスタープランの策定への「市民社会の参加」についても、JICA側からの連絡の在り方に対し市民社会側が反発するなど不信感が根強いことが明らかになった。他方、TICAD V前の約束と異なり、モザンビーク最大の農民組織(全国2200組織の連合組織)であり、プロサバンナ対象地のすべてに支部を置き、当初からプロサバンナに関する議論に深く関与してきたUNAC(União Nacional de Camponeses全国農民連盟)等の重要な地元組織に対し、JICAやプロサバンナ事業関係者からのフォローアップがないことについて(8月8日会議への出席がなかったことも含め)、同組織の「排除や他の市民社会組織からの分断を試みているのではないか」との不信感が蓄積しつつある。

最後に、モザンビーク北部地域の小農の活発で多様な生産努力とその成果を知る機会を持ち、一貫して日本政府やJICAによってなされてきた「モザンビーク小農=粗放で低生産性の農業=貧困」という固定化された認識の問題と、それに基づく事業デザインの限界が明確になった。事業関係者が、これら小農の権利と尊厳、生産努力を、謙虚に踏まえることが何よりも不可欠であるとの認識を強く持った。

5.現地調査結果に基づく要請
以上の現地調査・文献調査から、プロサバンナ事業と同対象地域、モザンビーク社会は、現在深刻な課題に直面していることが明らかになった。
プロサバンナ事業は、目的や対象、内容、アプローチ、手法、期間において、抜本的な見直しが不可欠である。
•特に、あらゆる面において現地小農の主権を中心においた事業への抜本的改革が不可欠である。

以上を踏まえ、
•環境社会配慮ガイドラインのカテゴリーを最上位のAに引き上げ、マスタープラン策定前に対象地の社会環境アセスメントを現地事情に詳しい独立の委員(市民社会関係者)と共に丁寧に実施すること、現地農民組織や市民社会との真摯な対話のための全面的な仕切り直しと透明性・アカウンタビリティの抜本的向上、民主的な運営(批判的な組織ほど積極的に対話の相手とすることを含む)を要請する。
•直ちに、本事業に関わり意見を表明する現地市民・農民団体や個人への脅迫や嫌がらせ、弾圧の防止と人権の保護の手法の検討を要請する。


【4.の注一覧】
・Mail & Guardian (Jan.6, 2012) “Mozambique’s ‘Mr Guebusiness’”. http://mg.co.za/article/2012-01-06-mozambiques-mr-guebusiness/
・投資ブームの一方で貧困が解消されず、人権侵害や社会的排除が社会の不安定化を招く可能性について国連人権委員会ラポターが警告。
Press Release "Magdalena Sepúlveda Mission to Mozambique 8 - 16 April 2013 Preliminary observations and recommendations" (
http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=13229&LangID=E
O País (Apr.17, 2013)”Grande parte da população continua a viver na pobreza”.
http://opais.sapo.mz/index.php/sociedade/45-sociedade/24983-grande-parte-da-populacao-continua-a-viver-na-pobreza.html http://hdr.undp.org/en/media/HDR_2013_EN_complete.pdf
・Voice of America (Aug.27, 2013) “Mozambique Villagers Exposed to Open-Pit Coal Mine”.
http://www.voanews.com/content/mozambique-villagers-exposed-to-open-pit-coal-mine/1737927.html; Human Rights Watch (May 23, 2013) “Mozambique: Mining Resettlements Disrupt Food, Water: Government and Mining Companies Should Remedy Problems, Add Protections”.
http://www.hrw.org/news/2013/05/23/mozambique-mining-resettlements-disrupt-food-water
・Reuters (2013年6月19日)“Mozambique's Renamo threatens to paralyse vital coal railway”.
http://www.reuters.com/article/2013/06/19/mozambique-renamo-idUSL5N0EV1SD20130619; (2013年6月20日)“Mozambique: Renamo Threatens to Block Road and Rail Traffic in the Center of Mozambique”. http://allafrica.com/stories/201306201160.html
・ 同団体は、2009年、同国の「政治権利」状況について、1992年の和平後初めて数値を悪化させた(1【最高値】~7【最低値】までの7段階中4と認定)。http://www.freedomhouse.org/
http://www.systemicpeace.org/polity/polity4.htm
・参考文献が多いため多数を掲載するOpen University(UK)サイトを参照。http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/land-and-biofuels http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/mozambique-reports-and-documents
・土地・環境問題に取り組むモザンビークの調査研究・アドボカシー機関Centro Terra Vivaによる地元警察と政府による調査妨害と人権侵害に関するプレスリリース。”Ilegalidade, coação e intimidação marcam o processo de implementação do projecto de exploração do gás natural pela ANADARKO e ENI, em PALMA(パルマにおけるANADARKOとEMIによる天然ガス開発プロジェクトの導入プロセスにおいて刻み込まれた違法、強制、脅迫)”(Aug. 20, 2013) http://www.ctv.org.mz/
・公開書簡原文は次のサイトhttp://farmlandgrab.org/post/view/22136 日本語訳は次のサイトに掲載http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
・ JICAサイドイベント「アフリカの成長に向けた回廊開発の歩み」(2013年6月2日)http://www.ticad.net/africa/jicaevents/img/pressrelease/EN_Corridor%20Development%20in%20Africa.pdf 大臣発言関連報道 “Japan Today “At TICAD, clumsy diplomacy mars controversial Japanese aid project in Mozambique” (June 3, 2013) 
http://www.japantoday.com/category/politics/view/at-ticad-clumsy-diplomacy-mars-controversial-japanese-aid-project-in-mozambique
(ドラフト)
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# by africa_class | 2013-09-03 18:43 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

プロサバンナ学術論文一覧(14本)。研究者と利権、「誰のために研究?」を原発事故後に考える

「プロサバンナ(日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム」については、過去の投稿を→http://afriqclass.exblog.jp/i38/

プロサバンナについて、今年に入ってからすごい量の学術文献が出版されていますので、以下一挙に掲載しておきます。普通、大学のせんせー自ら、先行研究整理(Literature Review)をブログに掲載したりしないと思いますが、論文を書いている研究者(卵)や学生だけでなく、実務者の皆さんにこそ、これらの文献を読んでほしいと思い、あえて書いてみました。

■国際協力の実務の方にこそ国際的な学術論文を
日々国際協力の実務の仕事をしていると、自分の目の前のプロジェクトやプログラムばかりが目に入ってしまい、「日本人村」や「政府関係者村」ばかりの付き合いだとどうしても、仲間同士の「自己正当化・自己弁護」の論理から逃れられないこtこと思います。今回、私はプロサバンナの事例を通して学んでいるのは、これが日本の一援助事業のマター(事象)を超えた問題を包含しているという点です。

ブラジルの「国際協力」の裏にアグリビジネスの利権があり、その背後には巨大なアメリカや多国籍企業のアグリビジネスがあり、その裏にはマネーがうごめいており、そこに米国政府が国内圧力団体と共に深くかかわり、さらにそこに国際/国連機関や多様なドナーが動いている・・・という実態です。

プロサバンナが、G8 New Alliance for Food Security and Nutritionの一事業にリストアップされていることにそれは象徴されています。同アライアンスはこのブログでのその問題について、モザンビークの市民社会や農民組織の批判を紹介してきました。
"Mozambican youth and students denounce G8's New Alliance"
http://www.grain.org/bulletin_board/entries/4689-mozambican-youth-and-students-denounce-g8-s-new-alliance

土地の収奪、タネの支配の論理が埋め込まれています。「食料安全保障と栄養」という名の下に、何故「土地取り引きの容易化」と「タネ」がはいってくるのでしょうか?そして、日本は、アメリカ政府とともに、モザンビークの担当国となっており、土地問題に手をつけることになっています。。。。
http://www.usaid.gov/unga/new-alliance
https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/208211/new-alliance-progress-report-coop-framework-mozambique.pdf

日本というちっぽけな島国の、善意をベースにした「農業開発支援」が、どのようなグローバルな網の目の中で機能し、利用しているつもりが大きな利権システムに呑み込まれ、現場の小さな努力すらもそのようなものを維持することに活用され続けてしまうのか・・・そのことが積もり積もって、支援したかったはずの最底辺の人びとのなけなしの権利すら奪ってしまうのか・・・・よく、よく、一緒に学んでほしいと切に願っています。

■グローバルなシステム:原発利権とアグリビジネスの類似性
「知らなかった・・・世界はこんなところだって」という声をよく耳にするようになりました。今まで私たちは牧歌的に生きてき過ぎました。原発事故が起こり、原発利権の闇の構造がはっきり見えたにもかかわらず、これほどまでの多くの人びとの犠牲と涙をもってしても、その利権を解体することが困難な現状に、私たちは直面しています。私はプロサバンナに関わるようになって、「アグリビジネス村の闇の世界」のカラクリがあるのだと認識するようになりました。

フードレジューム論については京都大学の久野秀二先生。
http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/~hisano/documents/agpolicy2010_2.pdf
農薬援助に関わってからいつかしっかりやりたいと思っていながら、怠けていたら、問題の方が向こうから跳びこんできた・・・それもある種の「出会い」なので、頑張ります。

原発事故後だからこそ、理解できること、譲れないことなのです。
皆さんは、平気なのでしょうか?「経済成長」「GDPアップ」という掛け声のために、生命や尊厳、日々の暮らしの場が奪われることは。それも仕方ない・・・ということなのでしょうか?この二つは二項対立的に論じられますが、私は実の所、このような対置(二者択一方式)こそが大問題なのだと最近切に思います。そうやって、民衆は騙されてきました。そのことに、民衆自身が自覚的でなければなりません。そのことはまたどこかで。

■最新かつ読まれるべきプロサバンナに関する論文とレポート
一番おススメは、出たばかりの最新の出版物で以下の2本です。詳細は末尾。
●Nogueira, Isabela & Ollinaho, Ossi (2013)
•Schlesinger, Sergio (2013)

■全先行研究の見取り図:特に多いブラジルの関与について
末尾に列挙したプロサバンナに関する入手できる限りの学術論文のほとんどすべてがProSAVANAの目的(隠されたも含め)と問題について、このブログで紹介してきた主張と同様のものとなっています。Fingermannの論文だけが例外です。これについては後述します。

特に、冒頭に紹介したイザベラの論文は、実証的な手法(3か国のプロサバンナ関係者40名にインタビュー、コミュニティレベルの民族誌的調査を行った)で、特にブラジルの関与や利権について調査した結果として、同様の結論に至っているので是非ご一読下さい。
The authors identify some sound ruptures between discourse and practice, and argue that Brazilian practices, instead of distinguishing themselves from traditional actors, are rather a precise manifestation of the recent development cooperation trend associated with the mainstream response to land grabbing claims.

■プロサバンナにおけるブラジル・アグリビジネスの野心と利権
最初にブラジルのビジネス上の野心の面からアプローチしたのが、Clements&Fernandes(2012)で、この労作の次に、Ferrando(2013)のネオリベラル経済批判をベースにした論文があり、そしてNogueiraらの実証研究がありますが、よりブラジルのビジネス利権がはっきり分かるレポートは、Schlesigner(2013)のレポートです。野心とは「土地」、そして最近は「農業生産システムの支配」です。

Schlesignerは、この直前にMato Grossoの大豆とサトウキビ生産の問題をレポートしたばかりで、その前はブラジルの国際協力の問題を暴いており、本当に多作です。いずれもProSAVANAに関わる論点について触れているので是非ご一読下さい。
・“Cooperação e Investimentos Internacionais do Brasil: a internacionalização do etanol e do biodiesel”。
・“Dois casos sérios em Mato Grosso. A soja em Lucas do Rio Verde e a cana-de-açúcar em Barra do Burges”。
これに加え、Future Agricultureコンソーシアムの研究者らが、2つのアプローチでブラジルの農業開発協力を分析しています。プロサバンナについての分析も掲載されています。あまり結論めいたところは書かれていないのですが、ブラジル関係者の野心と利権の存在については「クロ」判定です。Chivava et al.(2013)とCabral&Shankland(2013)です。

■ブラジルの野心・利権を目覚めさせ、モザンビークに連れてきた日本のプロサバンナ
以上のプロサバンナにおけるブラジル利権に関する論文6本の共通する結論が、これです。日本はどうしてこんなことを仕出かしたのか・・・これがどうも理解できないようです。(そりゃそうだ・・・・)

この点については、私の最初の論文(Funada-Classen 2013ab)が役に立っているようです。ただあれは、2009年の日本の文脈(食料安定供給への強い意欲)とRAI(責任ある国際農業投資)の議論が不十分だったので、近刊の日本語バージョンにはそれをしっかり入れています。

以上から分かることは、三角協力といえ、ブラジルの野心・利権への注目が皆さん強いということです。確かに、プロサバンナ開始後、モザンビークでは急速に彼らの流入が続いていますので、当然といえば当然ですが、「日本語が読めない」・・・ことも非日本語話者のプロサバンナに関する研究を難しくしています。他方、日本関係者はポルトガル語が読めないことが多いので、それはそれで大変なことかと・・・。「言語バリアー」こそ、プロサバンナの問題の根っこにあるとともに、研究の難しさを際立たせています。

■Fingermann(2013)に怒った世界・モザンビークの研究者・市民社会
これは既に以下の論文(Funada-Classen 2013df)に書いたので、詳しくはそれをご覧ください。以上の学術論文を読んでから、Fingermann(2013)を読めばよくわかるのですが、失礼ながらすごくレベルの低い論文です。たった2000字という制約があったとはいえ、あまりに学術論文と呼べる代物ではないものが、モザンビークの見識高い研究所のBulletinから出てしまったので、凄い騒ぎになりました。モザンビークで最も信頼され、尊敬される研究者(別の研究所のトップ)曰く、「これを論文と読んだらモザンビーク学術界が穢れる。彼女のような者をモザンビーク学術界に置くことは学問への冒涜だ」・・・というメールが回ってきました。さすがに厳しい・・・・。

■Natalia Fingermannとは誰なのか?
でもこれには訳があるのです。Fingermannは誰なのか?ということです。彼女は、ブラジル人で、ブラジル最大の投資コンサルティング会社の元投資アドバイザー、プロサバンナのマスタープラン向け報告書・・・あの悪名高い(アグリビジネス中心主義)Report No.2を策定した、ブラジルのFGV(Fundacao de Getulio Vargas)で学び、FGVの奨学金をもらっているのです。
http://br.linkedin.com/pub/natalia-fingermann/25/93b/436

プロサバンナが、市民社会の批判を受け、「小農支援」に方向転換していく過程で、当初プロサバンナの一部となっていた開発ファンドを、ブラジル・世界のアグリビジネス関係者や投資家らが切り離し、日本政府もそれが好都合なので、独立・民間イニシアティブとして「ナカラ回廊ファンド Nacala Fund」が出来たわけですが、それを一元的に担うのが、まさにこのFGVなのです。当初、プロサバンナの一部だったので、既に紹介したとおり、彼らのナカラファンドに関するプレゼンには、ばっちりJICAのロゴが出てきます。去年11月の時点では、JICAも参加可能性を口にしていたので、これは当然というもの。http://www.g15.org/Renewable_Energies/J2-06-11-2012%5CPRESENTATION_DAKAR-06-11-2012.pptx

つまり、Natalia Fingermannが何故このタイミングでこのようなレベルの、しかし、プロサバンナ万歳&プロサバンナ批判をする者は「無責任」で、批判のすべては「神話myth」だという論文を出したのか・・・の背景が分かるかと思います。

■モザンビーク政府と日本のプロサバンナ・アクターらに称賛されるFingermann論文
それを待っていたのが、以上のアクターたち。開発計画省のサイトには称賛の記事が!
http://www.mpd.gov.mz/index.php?option=com_content&view=article&id=211%3Aprosavana-nao-pretende-usurpar-terra-dos-agricultores-diz-iese&catid=50%3Anoticias&Itemid=96&lang=en

ある国家の省庁が、研究所の単なるBulletin記事をトップページで紹介する意図は何でしょうか?
そして、彼女はFGV経由でこの研究所(IESE)に送られた「研究者」です。FGVが、モザンビークの研究業界に入り込もうとしている理由はなんでしょうか?何故開発計画省は、この記事がFingermann一人に書かれたことを知っているにも拘らず、「the researchers」と複数形を使い、かつIESEのプロサバンナへの見解かのような見出し「IESEは述べた」を付けているのでしょうか?

でも驚愕の事実は、日本のプロサバンナ関係のアクターたちが、「この論文が最も中立的な論文で、読まれるべきもの」と回覧中ということです。・・・・皆さんの「中立」とは、どういう意味のものなのでしょうか?
以上から分かる通り、Fingermannは明らかに「利権関係者」です。
多分、日本では原発問題と同様で、
「政府の政策(大きいもの)に批判的な者=偏った者」で、
「政府(お上)の決めたことを同意する者=中立」あるいは、
「お上が決めたことに議論(疑問)はあるべきでなく、それを打ち消す者=中立」
という理解なのでしょうね。

その結果、2011年3月11日に何が起きたのか、を思い出してほしいです。
なお、私は「中立性neutrality」という言葉には与しません。
私が重要だと考えているのは、「公平性impartiality」です。
「永世中立国のスイス」が、ナチスドイツから逃れてきたユダヤ人たちにしたことを思い出しましょう。
権力との関係において、「真ん中を取る」ということは、人権侵害を許すことを意味することについて、人類史が教えてくれることは沢山あります。むしろ重要なのは、「公平に論じる」ということであり、そのためには権力関係の中で「声なき声」の存在(世界構造、社会構造の中ではそれが大半を占めることが多い)にこそ重きを置いて考えることだと、私は思います。

勿論、手法として、権力の側の言い分も紹介するというのは当然として。だから、私の論文では常に検討の対象として、権力の側の言い分・資料を中心に据えています。勿論、私の理解(interpretation)になりますが、同じ資料を使って皆さん自身が皆さんの検討を行って、別の結論を導き出して、論争をしていいのです。そのため、いつも資料の出所、在り処はURLまで示しています。

日本では、「何故か議論があること=問題」と捉えられるのですが、「議論がないこと=問題」ということに、いい加減気づいてほしいと思います。「権力批判なき学術」は、これほど学問のインフレーションが起きている現在において不要かもしれない・・・と最近思います。何故なら、権力のabuse(濫用)にお墨付きを与え、それを強化してしまうからです。

Fingermannの論文の中身、彼女の背後にあるもの、そしてそれを喜び歓迎する人達・・・そこからまた一つ私たちは学ぶことができました。誰の何のために、何の立場に立って研究を行うのか?論文を発表するのか?そのことこそ、私がFingermannだけでなく、これらの皆さんに考えてほしかったところです。

■私のFingermann論文の検証論文がFukushima, ProSAVANA and Ruth Firstな訳
以上、もうその訳はほとんど書きました。私は、ただFingermannを批判したかったのではなく、彼女の背後にいる人達、ブラジルの学術界、そのような論文を許してしまったモザンビークの学術界、それを自分たちのちっぽけな仕事の擁護のために称賛する人たち、世界の研究者らに、今一度考えてほしかったのです。
"Fukushima, ProSAVANA and Ruth First:Examining Natália Fingermann’s 'Myths behind ProSAVANA'", in 国際関係論叢, Vol. 2 No. 2(2013), pp.85-114.
<=近日中にダウンロードが可能になりますので、しばしお待ちを。

■モザンビーク研究者らはどこにいるのか?
Ruth Firstについて書かざるを得なかった理由は、論文を読めば分かると思います。私は、モザンビークの人びとに、「あなたたちの社会、あなたたちの未来、それについて議論しなくていいのか?」を問いたかったのです。以上の先行研究を書いたすべての人が一人を除いて非モザンビーク人です。このことが、プロサバンナが、外から上から降ってきたものであったということを象徴していますが、同時に、モザンビーク学術界の現状を物語っています。

でも、今回私の拙い論文を、お願いしてもいないのに凄い速さで必死に(3日で!)ポルトガル語に下訳したり、校正を手伝ってくれたのはモザンビークの研究者や市民社会の方々でした。そして、何より、Fingermannの論文を掲載してしまったIESE(モザンビークの研究所)が、前例を破って、3号に分けて私の論文を掲載したことからも、彼らの想いは伝わってきます。が、いつの間にか、これらの論文が、モザンビークの独立新聞(オピニオン欄に丸まる)載っていたらしい・・・。まあ、「世に出たら皆のもの」、ではありますが。

■学術論文の役割について
私は学術論文を社会活動と結びつけて考えてこなかったし、両者の間には明確に壁を作って仕事をしてきた人間です。ブログを読んできた人は分かるかも?あるいは、最近なら分からないかも?ですが。私は、戦争を平和のために学ぶ者として、そのことをかなり強く自分の指針にしてきました。
でも、原発事故が起こってそのことを後悔したのです。
何のために分けてきたのか・・・ある種自分の学術的な世界での立ち位置を気にしていたからではなかったか?過去に起きたことを実証してれば安全だったからじゃないか?何故起こりうることを予防する意識がこれほどまでに薄かったのか?社会が研究者に求めていることは、「後追い」の「先行研究批判」に始終する姿勢でよかったのか?あるいは業界や政府のために「お墨付き」を与える??

私は日々進化することにしました。(退化かもしれないけど!)
最初の論文を書いて、それを英語とポルトガル語で出して、一歩を踏み出した時、新たな出会いと新たな挑戦、そして次にやるべきことが見えてきたのです。そのことの大きさに、クラクラしましたが、私の研究成果を待っている人達がいる・・・未だ見知らぬところにいる同じ志の人達と出会えるかもしれない・・・そういう可能性に、正直なところ少し失い始めていた研究への情熱が戻ってきました。

700頁を超える博論を10年かけて書いて、英語で出版した頃から、やるべきことをやり遂げた感があって、どうしても研究に情熱が湧いてこなかったのです。ある種の傲慢さですね。でもそれぐらい打ち込んだので、仕方がなかったのかも。burn-outというか・・・。後は、戦争と平和というテーマの研究蓄積が凄すぎて、一方で何かdetailの罠の袋小路に入っているような気がしてきたからです。特に、「平和構築論」という分野は、技術論的な議論が増えてきていて、人びとの生命や社会の変化のもっと根源のような部分の議論から切り離されてきている気がして違和感を持つようになりました。このことを学問的に挑戦するだけの気力も能力もない自分に嫌気がさしていたところに、原発事故が起こり、広島原爆投下の日に生まれた自分が何故「戦争と平和」に関わる決意をしたのか、なのに「核の問題」を十分生活レベルに広げて考えてこなかったことに、凄く疑問を持つようになったのです。

プロサバンナの問題にここまでコミットすることになったのも、単にモザンビーク北部という私の関わってきた地域のことだからだけでなく、以上のような「人びとの生命と暮らしの権利と権力構造・暴力」の問題をどう考えるべきか・・・検討していた最中だったから。でも、これも生まれたばかりの我が子や家族が博士論文に協力してくれて、真理の追究へのあくなき・妥協なき闘いをやり遂げられたから(ある時点までは)に変わりありません。運動目的の学術を最初からしていたのではできなかったことでした。

■私の本は自由にダウンロード可能
そして今回、同じタイミングで、私の本を世界のどこからでもタダでダウンロードできるようにしてくれたケープタウンの出版社の存在がありました。この本が知っている人、買える人だけの本なのを惜しみ、「アフリカ社会、未来のために残したい本。誰でも必要な人の手に届く」を合言葉に、以下を準備してくれました。

Funada Clasen, Sayaka (2013) The Origins of War in Mozambique: A History of Unity and Division" (The African Minds)
http://www.africanminds.co.za/?products=the-origins-of-war-in-mozambique-a-history-of-unity-and-division
アマゾンで35ドルで買えるようにもしてくれました。(元は1万6千円)
http://www.amazon.com/Origins-Mozambique-History-Unity-Division/dp/1920489975

研究成果を広く、広く社会に還元する方法としての、フリーダウンロードの重要性に、プロサバンナに関わり出した同じ時期に強く認識したのです。自分の研究業績を減らしてでも(フリーにすると出版してくれない)。
長くなりましたが、以下一覧です。

【プロサバンナ関連学術文献一覧】
•Cabral, Lidia & Shankland, Alex (2013) “Narratives of Brazil-Africa Cooperation for Agricultural Development: New Paradigms?”. http://www.future-agricultures.org/research/cbaa/7817-china-and-brazil-in-africa-new-papers#.UdRC_TupVSQ
•Chichava, Sergio, et al.(2013) “Chinese and Brazilian Cooperation with African Agriculture: The Case of Mozambique”, Working Paper 49. http://www.future-agricultures.org/research/cbaa/7817-china-and-brazil-in-africa-new-papers#.UdRC_TupVSQ
•Clements, Elizabeth Alice & Fernandes, Bernardo Mançano (2012) “Land-grabbing, agribusiness and the peasantry in Brazil and Mozambique”, paper submitted to the International Conference on Global Land Grabbing II, Oct. 17-19, 2012.
http://www.cornell-landproject.org/download/landgrab2012papers/Clements_Fernandes.pdf
•――――――― (2013) “Estrangeirização da terra, agronegócio e campesinato no Brasil e em Moçambique”, OBSERVADOR RURAL Nº 6. http://www.omrmz.org/index.php/gallery/publicacoes/114-estrangeirizacao-da-terra-agronegocio-e-campesinato-no-brasil-e-em-mocambique
•Ferrando, Tomaso (2013) “Dr Brasilia and Mr Nacala: the apparent duality behind the Brazilian state-capital nexus”, Social Science Research Network. http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2288940
•Fingermann, Natalia N. (2013), “Os mitos por trás do ProSAVANA”, IDeIAS Boletim, No.49, IESE. http://www.iese.ac.mz/lib/publication/outras/ideias/ideias_49.pdf
•Funada-Classen, Sayaka (2013a) “Analysis of the discourse and background of the ProSAVANA programme in Mozambique – focusing on Japan’s role”. http://farmlandgrab.org/post/view/21574
•――――――――― (2013b) “Análise do Discurso e dos Antecedentes do Programa ProSAVANA em Moçambique – enfoque no papel do Japão” http://farmlandgrab.org/post/view/21802
•――――――――― (2013c) "Fukushima, ProSAVANA and Ruth First:Examining Natália Fingermann’s 'Myths behind ProSAVANA'", in 国際関係論叢, Vol. 2 No. 2(2013), pp.85-114.
http://farmlandgrab.org/post/view/22335
•――――――――― (2013d) “Fukushima, ProSAVANA e Ruth First:Análise de "Mitos por trás do ProSAVANA" de Natália Fingermann”, IDeIAS Boletim, No. 51 – No.53, IESE.
http://www.iese.ac.mz/lib/publication/outras/ideias/ideias_51.pdf
http://www.iese.ac.mz/lib/publication/outras/ideias/ideias_52.pdf
http://www.iese.ac.mz/lib/publication/outras/ideias/ideias_53.pdf
or integrated version at the following site: http://farmlandgrab.org/uploads/attachment/Fukushima,%20ProSAVANA%20and%20Ruth%20First%20(pt)%20-%20final.pdf
•―――――――――/舩田クラーセンさやか(2013e)「変貌する世界における経済成長至上主義の席巻と内発的発展―モザンビーク・プロサバンナ事業にみられる開発・援助言説の検証―」大林稔・西川潤・阪本公美子(編)『アフリカの内発的発展』昭和堂 近刊.
•Jaiantilal, Dipac (2013) “Agro-Negócio em Nampula:casos e expectativas do ProSAVANA”, OBSERVADOR RURAL Nº 7.
•Nogueira, Isabela & Ollinaho, Ossi (2013) “From Rhetoric to Practice in South-South Development Cooperation: A case study of Brazilian interventions in the Nacala corridor development program”, Working Paper, Institute of Socioeconomics, University of Geneva. http://www.unige.ch/ses/socioeco/institut/postdoc/Nogueira/NOGUEIRA_OLLINAHO_WorkingPaper_NACALA_CORRIDOR.pdf
•Schlesinger, Sergio (2013) “Cooperação e investimento do Brasil na África - O caso do ProSavana em Moçambique”, FASE, 60p. http://issuu.com/ongfase/docs/caderno_prosavana_fase?e=2143384/4368368
(英語版 ”Brazilian Cooperation and Investment in Africa – The Case of ProSAVANA in Mozambique”)
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# by africa_class | 2013-09-03 02:27 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

北部3州農民集会声明:問題事業にProSAVANA、G8 New Alliance(日米政府)、Anadarko(三井物産)

さきほどモザンビークのニアサ州に集結しているUNAC関係者から届いたメッセージです。

8月28日から29日までニアサ州リシンガ市で開催される「第一回北部小農統合集会」「第一回土地・種に関する北部地域会議」のため、北部3州(ニアサ、ナンプーラ、カーボデルガード州)40郡から100名近くの農民組織・共同組合関係者らが集まっています。

国の農業政策やプロサバンナや「G8ニューアライアンス」、企業が、ビジネスを利するばかりで、農民の権利(特に土地や種)を守っていない点について、鋭く批判しており、そのような事業名・企業名として以下が挙げられています。

・援助事業(ProSavana, Nova Aliança para a Segurança Alimentar e Nutricional)
・植林・アグリビジネス(Chikweti)
・鉱物資源開発 (Vale, Rio Tinto, Jindal África)
*新日鉄も同じ地域で炭鉱開発開始。
・天然ガス開発 (Anadarko, Statoil, ENI)
*昨日話題にしたAnadarko社と三井物産が組んで天然ガス開発を行っている。
http://www.jftc.or.jp/shoshaeye/pdf/201305/201305_30.pdf

UNACが提唱する「家族農業支援のための国家計画」についても具体的に話し合われるようです。

なお、この会議には、ニアサ州知事が、3州の農業省関係者と共に出席予定で、プロサバンナも議題にあがっています。「UNAC=1団体/反政府組織/地域農民を代表していない」と言い続ける日本の援助関係者の皆さんに、この会議に参加してもらえれば良いのですが・・・。

どなたか訳を手伝える方がいたら是非!

====================
UNACによるプレスリリース
「小規模農業と土地を守るための闘いのため、モザンビークの北部地域の農民らが集結」
Camponeses da Região Norte de Moçambique Unidos na Luta pela Defesa da Terra e da Agricultura Camponesa
====================
Cerca de 100 representantes e lideranças, entre homens, mulheres e jovens, de associações, cooperativas, uniões distritais / provinciais e comunidades de camponeses e camponesas de mais de 40 distritos de Cabo Delgado, Nampula e Niassa articulados na e pela União Nacional de Camponeses de Moçambique participam do I Encontro Unitário de Camponeses da Região Norte e da I Conferência Regional Norte sobre Terra e Sementes agendadas para os próximos dias 28 e 29 de Agosto de 2013 respectivamente, na cidade de Lichinga, província de Niassa.

Com o objectivo de contribuir para o aprofundamento e ampliação do processo de formação e organização política dos camponeses, fortalecimento do debate público e democrático sobre os desafios estruturais do desempenho do sector agrário, a urgente necessidade de uma reforma agrária baseada na facilitação e dinamização dos meios de produção e produtividade no País e de travar-se, com urgência, o fenómeno de usurpação de terras, os dois encontros de Lichinga, Encontro Unitário de Camponeses da Região Norte e Conferência Regional Norte sobre Terra e Sementes fazem parte de um processo mais amplo de fortalecimento do movimento camponês, mobilização, participação e construção colectiva de demandas de camponeses e camponesas de Moçambique a serem incorporadas no Plano Nacional de Apoio a Agricultura Camponesa.

O Plano Nacional de Apoio a Agricultura Camponesa é uma proposta de política agrária de camponeses e camponesas membros da UNAC e articulados pela UNAC, a ser submetido ao Governo de Moçambique. Este Plano visa responder as demandas das famílias camponesas relativas a produção de sementes nativas e resistentes às mudanças climáticas; serviços públicos de extensão agrária baseada na valorização do saber, cultura e experiência dos camponeses e camponesas; aproveitamento do potencial de irrigação; construção e reabilitação de infra - estruturas ligadas a criação de capacidade produtiva, definição e adoção de modelos eficazes de facilitação de crédito agrícola, garantindo deste modo, a soberania alimentar e alimentação adequada para os moçambicanos e moçambicanas.

Segundo a liderança da UNAC “ a luta camponesa em defesa da Terra e Agricultura Camponesa que garanta a soberania alimentar e alimentação adequada, travada pela UNAC nos últimos 25 anos, nunca foi tão actual e imprescindível quanto arriscada para milhões e milhões de moçambicanos. O efeito perverso da onda de Investimento Directo Estrangeiro (IDE) em moldes dos chamados megaprojectos, a mercantilização da terra, a grande corrida das corporações e programas (ProSavana, Nova Aliança para a Segurança Alimentar e Nutricional) de agronegócio (Chikweti), mineração (Vale, Rio Tinto, Jindal África) e hidrocarbonetos (Anadarko, Statoil, ENI) pela ocupação, expansão e concentração de terras e as tendências crescentes e perigosas que defendem a mudança do quadro legal de terra, incluindo a revisão constitucional para permitir a criação de um mercado geral de arrendamento, venda e privatização da terra, representam uma emergência nacional”.

A Conferência Regional Norte sobre Terra e Sementes é a primeira de um total de três Conferências Regionais, Norte, Centro e Sul sobre Terra e Sementes construídas e organizadas pela UNAC num processo preparatório e organizativo mais amplo de militância e mobilização de camponeses e camponesas para construção, produção e realização da II Conferência Internacional Camponesa sobre Terra, marcada para os próximos dias 15 e 16 de Outubro de 2013, na cidade de Maputo.

As Conferências Regionais Norte, Centro e Sul sobre Terra e Sementes são antecedidas por processos de Formação Política, Técnicas Agroecológicas e Conservação de Sementes Nativas além de Encontros Unitários Regionais de Camponeses e Camponesas. Depois dos encontros de Lichinga, está agendada para os dias 12 e 13 de Setembro de 2013, no Distrito de Marracuene, a Conferência Regional Sul sobre Terra e Sementes. Nos dias 18 e 19 de Setembro está marcada a Conferência Regional Centro sobre Terra e Sementes na Cidade de Tete. Nos três eventos regionais estão mobilizados e engajados camponeses e camponesas, líderes e membros do movimento (homens, mulheres e jovens), representando as 11 Províncias do País e mais 100 distritos.

A Conferência Regional Norte sobre Terras e Sementes constitui um espaço de articulação das Uniões e Núcleo Províncias de Camponeses de Niassa, Cabo Delgado e Nampula articuladas na e pela União Nacional de Camponeses (UNAC) durante a qual haverá uma interação com os Governos de todas as províncias do Pais e todos os actores envolvidos no processo de ocupação de terras em Moçambique. Prevê-se que a mesma seja aberta pelo Governador de Niassa, David Marizane, contando ainda com a presença dos Directores Provinciais de Agricultura de Niassa, Nampula e Cabo Delgado que farão apresentações sobre as “Prioridades e Desafios da Agricultura Familiar” em cada uma das Províncias, além das apresentações dos coordenadores do Programa ProSavana em Niassa e Nampula sobre este polémico e controverso programa e as responsabilidades dos governos provinciais

As Conferências Regionais Norte, Centro e Sul sobre Terra e Semente são divididas em dois momentos distintos: o primeiro dos quais exclusivamente reservado a participação de camponeses e camponesas das províncias de cada região e o segundo é aberto a diversas entidades públicas, privadas, governamentais e não-governamentais e movimentos sociais. As mesmas reflectem o conjunto de demandas, realidades, contextos e aspectos específicos das três regiões do Pais sobretudo tomando em consideração as associações, cooperativas, famílias e comunidades camponesas que enfrentam o avanço das grandes corporações sobre as suas terras e territórios de modo a construir uma abordagem cada vez mais integrada possível, para resistir e defender com eficiência os direitos e as prioridades de desenvolvimento soberano e sustentado das famílias e das comunidades camponesas.

Desde ontem, 26 de Agosto de 2013, cerca de 60 camponeses e camponesas de 13 distritos, entre homens, mulheres, lideranças e agentes de advocacia de Mecanhelas, Cuamba, Metarica, Maua, Nipepe, Marupa, Mecula, Majune, Sanga, Mandimba, Ngauma, Chimbonila e Lago participam do curso de formação em advocacia e políticas, que termina hoje dia 27 de Agosto.

UNAC
Camponeses Unidos Sempre Venceremos!
Lichinga, 27 de Agosto de 2013
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# by africa_class | 2013-08-28 22:19 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【抗議】三井物産による天然ガス開発地でのモザンビーク調査・アドボカシー機関への地元警察・行政の弾圧

前回、「モザンビークでみてきたナカラ回廊社会の現実(ランドグラブ)とプロサバンナ」を書いてから、より病状が悪化して続きが書けないままに、さらに深刻な情報が現地から寄せられてきました。

■「モザンビークでみてきたナカラ回廊社会の現実とプロサバンナ」
http://afriqclass.exblog.jp/18404833/

そこでは、このように書きました。
「モザンビークが、アフリカで最も諜報活動に積極的なことをJICAはどう考えているのだろうか。「知らなかったです」で通すつもりなのだろうか。。。同じ要領で、日本の援助が現地の心ある市民社会の皆さんを危険に晒す。自分たちが封じ込めたい「口」を現地政府にやらせればやらすほど、モザンビークの市民社会に圧力と恐怖を持ち込む。すでにこんなことがずっと起こっている。そして、事態は悪化している。今回、目の前で、モザンビーク市民社会関係者が脅される様子を何度も見た。」

現政権によってなされている脅迫について、関係者が具体的に事例や懸念を公的に表明することは、それ自体が危険なことなのでなかなか証拠を示すことが難しいのですが、さる8月20日に、三井物産が進出しアメリカの企業と共に開発を進める天然ガス事業について、以下の声明が出されました。

なお、モザンビーク北部での大規模天然ガス開発については、「Anadarkoの事業」としてモザンビークでは認識されていますが、実際は、三井物産の担当者が書いている通り、以下のように権益が分割されており、三井物産はAnadarkoに次いで第二位の権益獲得会社です。

「三井物産 モザンビークLNGプロジェクト― 世界のエネルギー安定供給とモザンビークの社会経済発展への貢献に向けた挑戦」(『貿易月報』)
http://www.jftc.or.jp/shoshaeye/pdf/201305/201305_30.pdf
「現在の権益参画各社は、Anadarko 社(36.5%)、当社 [Mitsui E&P Mozambique AREA1 Limited](20%)、モザンビーク国営石油公社 ENH 社(15%)、インド国営 Bharat 社(10%)、インド財閥系 Videocon 社(10%)、タイ PTTE&P 社(8.5%)の 6 社

そして、ANADARKOの関係者が、地元紙へのインタビューで、「天然ガスの大半は日本と極東向け」と答えています。
http://www.clubofmozambique.com/solutions1/sectionnews.php?secao=mining&id=29814&tipo=one

勿論、この国の政権の腐敗や、悪化する「資源の呪い現象」や、社会への悪影響などは一言も書かれていません。

前回ブログで「諜報機関」について書きましたが、皆さんは「大げさな」と思っていたかもしれません。すでに、以下のプレスリリースにも書かれているようにその動きが明るみに出ているので、「アフリカの国だから」・・・などと国家権力について牧歌的な見方をするのはまず止めていただければと思います。そのような国で、他人の携帯番号を政府関係者に伝えることの問題は理解いただけるかと思います。

Serviços de Inteligência e Segurança do Estado (SISE)
公安のような組織です。

今のモザンビークの政権が、いかにビジネスのために住民を犠牲にしても平気なのか、それに異議を唱える人びとへの抑圧や弾圧に躊躇がないのか、その実態を調べようとする調査機関ですら抑圧し始めた事態について、それでも資源ほしさに、援助産業の生き残りのために、モザンビーク政府に何もアクションを取らないどころか、加担するような行為ばかりを繰り返すことについて、責任を感じてほしいと思います。

それにしても、モザンビークが国として貧困削減に頑張っていた70年代や80年代ではなく、よりによって国の財産を切り売りし、異議申し立てを弾圧し、選挙不正を厭わない現政権の二期目になってから、いきなりモザンビークについて知りもしないままに、大規模援助や投資に踊る日本の援助・外交・企業関係者は、一体どういう感覚をされているのでしょうか?

「腐敗政権であろうと、抑圧的であろうと、自分の利益さえ確保すればそれでいい」。。。。のこの姿勢は、日本が最も批判してきた中国と変わりないものであるということを自覚の上でなのでしょうか?(とはいえ、中国のやり方は日本の80年代の援助や投資の焼き直し・・・と国際的には思われているので、「先祖がえり」と呼んだ方が良いでしょうが、あまりに情けないです)

なお、一部には私が厳しすぎると思っている読者もいらっしゃるようですが、大好きなモザンビークのことをこのように書かざるを得ない事態に突入したこと、それが目の前で刻一刻と悪化していること、それになんと自分の国である日本が「援助や協力、Win-Win」という言葉の下に加担していること・・・・これが、原因です。ブログを遡っていただければ、私が日本の援助や企業の役割にもある程度期待を持っていたことが分かるかと思います。現在進行形の急激な世界、アフリカ、モザンビーク、中国やブラジル、日本の変化の中で、私のブログも変わらざるをえなかった・・・と理解いただければ嬉しいです。

以下、土地・環境問題に取り組むモザンビークの調査研究・アドボカシー機関「Centro Terra Viva」からのプレスリリース(2013年8月20日付)です。
http://www.ctv.org.mz/

これまでモザンビーク社会が経験してこなかったような事態が起こっていることがわかります。
日本も無関係ではありません。
日本の三井物産が、このANADARKOと組んで、この天然ガス開発を行っています。
「資源(森林資源や土地を含む)の呪い」が社会のあらゆるレベルで、現政権による抑圧につながっています。

プレスリリースタイトル:
「パルマにおけるANADARKOとEMIによる天然ガス開発プロジェクトの導入プロセスにおいて刻み込まれた違法、強制、脅迫」

概要は、北部カーボデルガード州のパルマで、土地と環境の調査アドボカシーをしていた「Centro Terra Viva」のリサーチャーが、今年8月20日に地元警察・郡長・諜報部に拘束され、尋問を受けたことへの抗議プレスリリースです。

モザンビークは調査許可書が不要な国で、現地の調査機関、NGOであれば、自分の身分を証明するNGO自身のクレデンシャルがあれば自由に調査が 出来ます。礼儀として、行政機関や伝統権威や書記長などに挨拶に行きますが、モザンビークの地元組織と一緒の場合それは必要不可欠要因ではありません(外国人は目立つので、調査に行く際はこれをおススメしますが。)

本リリースによると、コ ミュニティとの合意のもと調査を行っていたこと(合意書もとっていたこと)が示されています。

以上から、モザンビークでは今までなかった事態が、始まっていることがこのリリースでも示されています。つまり、コミュニティレベルで本当のことを明らかにしようという市民社会の試みが、政治弾圧や抑圧を受ける事態に陥っていることが示されていま す。

今回プレスリリースが出たので露呈しましたが、プロサバンナ地域やプロサバンナ関連の調査でも、同じことが起きつつあり、このような国で「環境社会配慮アセスメント」がどのように可能なのか (そもそも皆無なこと自体が問題ですが)、やる場合にどのように政府の介入を防ぎ、独立性を担保するか相当議論になってくるでしょう。

なお、新日鉄が進出しているテテ州モアティゼ郡でも同じ事態が発生しています。
現場の実態を明らかにされないよう、住民だけでなくリサーチャーも弾圧し始めた国への投資・援助について、今までの前提は通用しません。警察や行政、秘密警察を使って抑圧を行う現政権への加担を意味します。この点について、ドナーとしても黙ったまま、対応を怠ると、よりひどい事態が起こっていくことでしょう。

早急なる抗議を求めます。

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COMUNICADO DE IMPRENSA

ILEGALIDADE, COAÇÃO E INTIMIDAÇÃO MARCAM O PROCESSO DE IMPLANTAÇÃO DO PROJECTO DE EXPLORAÇÃO DO GÁS NATURAL PELA ANADARKO E ENI, EM PALMA

<=続きはMoreを参照。

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# by africa_class | 2013-08-28 00:06 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

モザンビークでみてきたナカラ回廊社会の現実(ランドグラブ)とプロサバンナ

モザンビークでの濃く多忙で心に残る1か月が終わり、蒸し暑い日本にいる。
やっとマラリアが治ったと思ったら、今度は風邪をひいて、真夏だというのに鼻をズルズルいわせて、時差ボケ故にこんな時間にこれを書いている。

この1か月間、書きたいことどころか、緊急に書かなければならないことが山のように溜まり続ける一方だった。モザンビークで目にしたもの、耳にしたもの、心で感じたもの、そのすべてが、私の予想を上回るほどの、醜さであったことに、打ちのめされている。

日本から会議と調査のために駆け付けた5人の仲間たちも、言葉を失い続け、そして最後には黙り込んでしまった。「今までしてきた議論はなんだったのか」と。

どこから手をつけたらいいのか…分からない。
もはやモザンビーク社会の「闇」としっかり手を組んでしまった日本の援助に、どのように接したらいいのか・・・5人が5人とも途方に暮れている。まさかここまでとは・・・と。

そして、腐敗と不正に沈みいく社会の唯一の希望である、「正義のために闘う人達」へのありとあらゆる圧力と弾圧。それを止めるどころか、煽る構造。


■5人の現地調査の報告書が後一歩まで来ました!
詳細は近々公開される以下をご覧ください。
『ProSAVANA市民社会報告2013-現地調査に基づく報告と提言』
(調査記録は当面非公開となります)

■報告書の内容と提言をコンパクトにまとめたプレゼンテーションと緊急声明を9月30日参議院議員会館にて発表します。申込みは〆切りましたがどうしてもという方は個別にご連絡下さい。

詳細:http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
・2013年9月30日(月)16:00~17:30
・議員会館内 緊急報告会
日本ODAによるモザンビークの大規模農業開発事業
「プロサバンナ」に関する現地調査報告・緊急声明の発表

■私の調査概要ドラフトは既にこのブログにアップしています。写真と共に以下をご覧ください。

・現地調査報告【概要ドラフト】:
http://afriqclass.exblog.jp/18496108/
・現地調査報告添付写真:
http://afriqclass.exblog.jp/18496389/
・関連学術文献一覧:
http://afriqclass.exblog.jp/18492008/

では、9月30日にお会いできるのを楽しみにしています。
また、現地のビデオなども近々公開していく予定です。
報告書はPDFでダウンロードができるようしますので、準備が出来るまでお待ちください。
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# by africa_class | 2013-08-21 04:25 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【土地問題】立ち上がるモザンビーク市民社会と研究者ら:土地私有化反対キャンペーン

モザンビークに来て2週間半が経ちますが、農村にばかりいたのと、ネットの問題がありなかなか情報をアップデートできていませんが、こちらでは市民社会や研究者たちが熱烈に迎えてくれています。肌身で、皆が社会的正義に対して立ち上がりつつあるのが感じられます。

以下、先週開始したキャンペーンについて。
ツイッターのフォロアーさんが訳してくれました。宣言文については別のフォローアさんが。ありがとうございます!これから空港に走らねばならず、ではこれにて失礼。

今日からマプート。
明日はモザンビーク・日本・ブラジル市民社会会議で、8日はモザンビーク首相や大臣、日本とブラジルの大使を迎えて、市民社会がプロサバンナについて討議します。

政府の皆さんもプロサバンナについて弁明する良い機会だと思うので、是非大使やJICA所長が出てきてモザンビーク国民に語りかけてくれると良いのですが・・・。どうなることか。

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モザンビークの市民社会が土地の私有化に反対するキャンペーンを開始
( http://www.farmlandgrab.org/post/view/22375 を翻訳)

30以上の市民社会団体が力を合わせ、土地と天然資源を守ろうと立ち上がった。これらの団体の中には農民運動のグループも含まれ、土地の私有化に反対する全国的なキャンペーンを今年展開するが、プロサバンナ計画がその反対リストの筆頭に上がっている。

このキャンペーンについては、人権リーグ、フォーラム女性、全国農民連合(União Nacional de Camponeses, UNAC)、環境の正義、社会研究センターの5つの団体が、その他の諸団体を代表して、月曜の共同記者会見で公表した。

社会運動市民大学の事務所において十分な議論と考察を行なった結果、このキャンペーンを立ち上げる決定がなされた。

フォーラム女性のグラソン・サンボ氏は次のように言う。「十分な考察ののち、我々が結論に至ったのは、土地問題は社会を構成するどんな集団にとっても重要だということです。そしてプロサバンナ計画という億万長者のアグリビジネスのために行われる計画こそは、共同アジェンダで取り上げるべき問題だという共通認識に至りました」

UNAC は農民を代表する組織として、このキャンペーンに参加している。UNACは、モザンビーク共和国大統領アルマンド・ゲブーザ、ブラジル大統領ディルマ・ルセフ、日本国首相・安倍晋三に宛てて、プロサバンナ計画の実行について懸念する内容の質問状を二ヶ月前に出したが、今のところ、三者から返答はない。

UNACによれば、このキャンペーンは、市民社会が一致団結して、正義と土地の公平な使用を求めていることを、モザンビーク政府に対して訴えるものであるという。

農民たちの主な懸念はプロサバンナ計画に向けられている。農民の土地が取り上げられ移住させられることでモザンビークに土地を持たない家族や共同体が増えること、また、ナカラ回廊地域に更なる社会問題と社会環境紛争を生み出すこと、そして、農民たちの生計手段が壊され農村地帯の共同体の貧しさがさらに悪化すること、以上の理由によって、自分たちの生活は取り返しのつかない影響をこの計画から受けるに違いないと農民たちは考えている。
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# by africa_class | 2013-08-06 17:28 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

モザンビークで今起こっていることとプロサバンナの関係(第5回意見交換会議案書から)

モザンビークからおはようございます。
第5回意見交換会(7月12日)のNGO側の資料こちらのブログには載せていなかったので、転載しておきます。事態はもっと悪化してしまいました・・・。

また、NGOと外務省、そしてJICAのプロサバンナ事業に関する意見交換会も5回を迎え、かなり情報がたまってきたので、以下に整理して掲載しています。(情報の新しい順に掲載しています)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-39.html

なお、本意見交換会の枠組みは、「外務省・NGO定期協議会」の中の「小委員会:ODA政策協議会(年3回開催)」のサブグループとして位置づけられ、継続的に議論されています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/kyougikai.html

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【第5回】ProSAVANA事業に関する意見交換会(2013年7月12日 関連資料)

■ NGO側事前提出資料
*以下の「問題の所在」と「質問事項(未掲載)」を提出しています。
事前に外務省から返答が届き、それを踏まえた意見交換というプロセスです。

「第5回ProSAVANA事業に関する意見交換会に向けたNGO側からの質問書」
(2013年7月2日)
【問題の所在】
地元住民組織・市民社会からの異議申し立て、マスタープラン報告書への批判・警告
昨年10月11日、モザンビーク全国農民連盟(UNAC)他が声明を発出したことがきっかけとなり、ProSAVANA事業に関わる論議は、日本・モザンビーク・ブラジルといった関係各国内にとどまらず広く世界的なものになっています。そして、ProSAVANA事業に関わる情報もさまざまな形で表出し、集積され分析されていることは、第4回意見交換会で紹介された国際的なNGOによる共同声明(2013年4月29日付「モザンビーク北部のProSAVANA事業マスタープラン(案)は最悪の計画を露呈した~市民社会組織は大規模土地収奪に道を開く秘密計画に警告を発する」)でも明らかです。

モザンビーク23組織による3か国首脳宛「公開書簡:緊急停止要請」
さらに、モザンビークの主要農民組織・宗教組織・市民社会23団体が、事業対象地で暮らす人々を代表するモザンビークの農民組織、市民組織への適切な情報提供がなく事業内容の大幅な変更にもつながりうる合意形成の場が提示されないことから、日本の安倍首相、ブラジルのルセフ大統領、モザンビークのゲブーザ大統領宛てた「プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡」を発したことは、すでに周知の通りです。このような広範にわたる多くの数の市民団体が政府事業に異議を唱えることは、モザンビークの歴史においても始めての出来事となりました。
なお、同公開書簡は、TICAD V開会式前夜に開かれた安倍首相・林横浜市長共催の歓迎レセプションの際、TICAD Vに参加するアフリカNGO/CSO代表団の一員として来日したUNACアウグスト・マフィゴ代表から安倍首相にも手渡されました。

この事実は、TICAD Vに関わる報道等を通じ、ProSAVANA事業の緊急停止を求める声が、モザンビークの農民組織・市民団体から発せられていること、また多くの国際NGO、個人がこの声を支持していることも含め、国内外に広く知られるようになっています。

ナカラ回廊プロジェクト外延部テテでの住民・企業・警察の衝突が、元反政府ゲリラの封鎖へ
他方、本年5月29日付朝日新聞等でも報道された通り 、ProSAVANA事業対象地と隣接し、日本が援助するナカラ回廊関連プロジェクトの外延部として位置づけられるテテ州において(次頁地図参照)、同地に進出するブラジル鉱物資源開発会社Vale社と地元住民の間で土地をめぐる紛争が続いています 。会社側に改善がみられないため、地元住民による道路封鎖と警察との衝突も発生し、現地では不穏な状態が生まれています 。ついに本年6月18日、かつて現政権と16年間の武力紛争を戦った元反政府ゲリラ・現最大野党RENAMOが背後にいると見られる政府軍武器庫襲撃事件が発生し、石炭輸送が一時停止するという事態が発生するとともに、翌19日にはRENAMOの幹部がテテ州の炭坑からベイラ港までの石炭輸送を許さないと表明したと、Reutersは報じています 。

「選挙の年」:高まる現政権への不満と「選挙対策事業」と解釈されるProSAVANA事業さらに、本年11月には全国で地方都市選挙、来年は大統領・議会選挙を控え、モザンビークの政情や平和の状態は不安定化しつつあります。ProSAVANA事業は、独立来政権を担ってきたFRELIMOへの支持が他地域に比べて弱く、最も有権者数が多い地域を対象として行われ、現地社会ではゲブーザ大統領とFRELIMOが選挙を有利に進めるための事業として認識されています。JICAが費用を出し同国政府によって行われている「事業対象全19郡でのProSAVANA事業の説明会」は、「選挙運動」との理解も出てきています(説明会への参加者へのモザンビーク市民社会組織インタビューより)。つまり、ProSAVANA事業は、「大統領・政権与党事業」との政治色が強いものとして認識され、現地社会に分断をもたらしてもいます。さらに、現地では、公開書簡に署名した現地市民社会の間を分断する様々な操作や工作がなされていると聞いております。

大統領のファミリー企業、ブラジル企業の利権との関連が指摘される
先述「共同声明」では、現職大統領(アルマンド・ゲブーザ)のファミリー企業が関わるAgroMozという企業が、昨年9月、ProSAVANA対象地(ザンベジア州グルエ郡)で1万ヘクタールにもおよぶ農地を入手し、ブラジル企業らと共に輸出用大豆の大規模生産に乗り出すとされています(Hanlon & Smart, 2012 ; 「共同声明」)。なお、現政権が「反汚職法」の具現化に積極的ではない点について、他ドナーや現地新聞でも批判されています(Savana, 2013年4月26日 )。

なお、先述AgroMoz社に絡む企業が、ProSAVANA-PD(マスタープラン策定)のブラジル側唯一のコンサルであるFGVとビジネス関係にあると同時に、かつFGVはこの地域への大規模な投資を呼び込むためのNacala Fundの設置・推進者です(「共同声明」)。このFGVの二重の「パラレルな役割」は、国際的な研究チーム(Future Agriculture)にも問題視されています(Cabral & Shankland, 2013:15 )。

モザンビーク社会の不安定化に関わるProSAVANA事業
つまり、ProSAVANA事業は、急速に変わりゆくモザンビーク社会に、新たな問題を持ち込む一方、既にあった問題をより深刻化させています。これらの点は、過去の意見交換会でも、繰り返し市民社会から問題提起されてきましたが、ついにその懸念が現実のものとなりつつあります。

これ以上の問題を回避するために
モザンビークの政治的社会的状況に関する十分な情報収集や分析が行われないままに、大規模な回廊開発プロジェクト、農業開発プロジェクト、二国間投資協定 などの案件が次々に実施されており、日本企業の進出も顕著ですが、問題が発生してから対応に追われるという事態が頻繁に繰り返されています。

【質問事項】
以上の問題の所在と状況に基づき、事前準備会合での話し合いを踏まえ、第5回意見交換会について、以下の質問への具体的な事前回答を求めます。(後日掲載)

【関連資料の注】
・モザンビーク23市民社会による3か国首脳宛公開書簡「ProSAVANA事業の緊急停止要請」(2013年5月28日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
・TICAD V前後のモザンビーク市民社会抗議に関する報道一覧
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
・朝日新聞記事(2013年5月29日)「(アフリカはいま)眠れる大地、「緑の実験」 モザンビーク穀倉化計画」
・Human Rights Watch (2013) “What is a House without Food?”Mozambique’s Coal Mining Boom and Resettlements” (http://www.hrw.org/node/115535)
・Reuters (2013年5月23日) “Miners Vale, Rio Tinto accused of neglecting displaced Mozambicans” http://www.reuters.com/article/2013/05/23/us-mozambique-mining-idUSBRE94M08D20130523
・Reuters (2013年6月19日)“Mozambique's Renamo threatens to paralyse vital coal railway”
http://www.reuters.com/article/2013/06/19/mozambique-renamo-idUSL5N0EV1SD20130619; (2013年6月20日)“Mozambique: Renamo Threatens to Block Road and Rail Traffic in the Center of Mozambique” http://allafrica.com/stories/201306201160.html
・日経新聞(2013年4月4日) 「モザンビーク炭鉱の採掘権取得 新日鉄住金・ポスコなど」(現在問題になっている同じテテ州モアティゼ郡内に進出)http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0407E_U3A400C1TJ1000/
・Hanlon & Smart (2012)“Soya boom in Gurue produced few bigger farmers”(2012年9月10日) http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/
・Savana(2013年4月26日)"Governo não cumpriu com a implementação do pacote Anti-Corrupção”
・Cabral & Shankland(2013) http://www.future-agricultures.org/publications/research-and-analysis/
・ 日・モザンビーク投資協定の署名(2013年6月1日)http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page5_000168.html
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# by africa_class | 2013-07-24 14:55 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

政府軍、最大野党を攻撃か?(モザンビーク):日本の資源開発、二国間投資協定の問題

気になるニュースが毎日続いています。
11月の地方都市選挙のための選挙法、そして選挙管理委員会問題から、テテ炭鉱での住民とブラジルの鉱物資源会社(Vale *日本の新日鉄住金と同じ地区に進出)との紛争と衝突・・・・が、ついに元反政府ゲリラ(現野党)の武力行使の宣言に至り、政府軍がこれに大規模に対応する可能性が出ています。

基本的に、対象地域以外は問題ない状態ですが、11月の地方都市選挙に向けてやや注意が必要な状態です。中心部やこれらの地域から外れている限り、特に問題はないので(特に、ニアサ州やカーボデルガード州は同じ北部でも問題が少ない)、ご心配なきよう。

他方、国の政治状況は流動化しつつあるという点については、この国の政府と色々な事業を行っている人達、援助機関、JICA、外務省は念頭に置いた方が良いと思います。もはや、民衆はゲブーザ政権に対して忠実ではありませんし(そもそもそうでなかったけれども)、野党がこんなことをするだけの民衆の不満が広がっていることに目を背け続けて、投資や援助事業をするのは、あまりに外交音痴です。

私の感覚からすると、すでに「資源の呪い」状態が生じているモザンビークで、資源に投資したり、二国間投資協定をゲブーザ大統領と結んでいる場合でなかったと思いますが。

■今新日鉄住金が進出し、日本援助が支援するナカラ回廊PJの先っぽテテ州で起きていること
http://afriqclass.exblog.jp/17974287

さて、がしかし、米国政府を含め、外部の介入者らには、守るべき権益があまりにあるので、政府軍の「治安維持」を標榜する軍事行動の活発化は進んでいくでしょう。そのことが、民衆の不満を抑え込む機能をもっていくことに危惧しています。

今行うべきは、もはや民衆や国民のために機能しない腐敗政権を問題にすべきことであるのに、「治安・平和」を掲げた軍事行動で、問題が解決するという前提に外部者まで立ってしまtっては、問題は深刻かするだけでしょう。もちろん、Renamoの行動も、民衆の不満を利用して暴力行為に至っている点で、大いに非難されるべきです。

でも、政府もRenamoも、実は恐れているのはお互いではないのです。
それが分からない外交官、援助、投資関係者は、ただちにモザンビークで大規模プロジェクトなどをやっているべきではないのです。

いちいち種明かししませんが。
なぜ、両者がこのタイミングで、勇ましい掛け声を繰り返しているのか・・・モザンビーク関係者ならすぐわかること。

このタイミングで、NHKクローズアップ現代が、マダガスカルの「資源の呪い」問題を取り上げる一方で、全面的に「ナカラ回廊開発万歳!」を唱えたのは、本当に呆れたことです。アジア経済研究所の尊敬すべき先輩である平野克己さんの、コメントも一体どういう現実に基づいたものだったのでしょうか。

放送は5月末。それから1か月も経っていないわけで、あの時からこうなることは予見され、私も繰り返しNHKの取材班に情報をあげていたのですが・・・。そもそも、彼らは誰のためにあの番組をあのように作ったのでしょうか。クローズアップ現代は、NHKの中でも評価が高かっただけに、本当に残念です。

■詳細→NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)
http://afriqclass.exblog.jp/17873533

あわせて、米川正子先生の以下の記事を
■アフリカは本当に「希望の大陸」なのか?
~「資源の呪い」に振り回される現地の市民~
(米川正子 立教大学特任准教授・元UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)職員)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/87002

以下、ハンロン先生からのニュースです。

===========================
@Verdade says military
'may be preparing'

attack on Dhlakama

There are now more than 1000 heavily armed soldiers in the centre of Mozambique, who "may be preparing an offensive against the headquarters of the Renamo leader", Afonso Dhlakama, reported @Verdade last night. In particular, the military has reinforced its control of the Gorongosa airstrip, "and is ever closer to controlling the region of Santujira, where Afonso Dhlakam has been living since October."
http://www.verdade.co.mz/newsflash/37911-soldados-das-fadm-proximos-de-santujira-rio-tinto-parou-exportacao-de-carvao

COMMENT: This report is not confirmed, but @Verdade on-line and on Twitter has been accurate and early in its reporting of attacks and military incidents in the centre of the country. jh

More attacks on EN-1
but fewer convoys

There were two further attacks Monday evening on the main north-south road (EN-1) between the River Save and Muxunge, despite a heavy military presence and traffic moving along the 100 km segment of road only in military convoys, and only during daylight. The attacks occurred at 1600 and 2100; vehicles were damaged but there were no injuries. In the second attack, shooters were in three different positions along the road, reports O Pais. (http://www.opais.co.mz/index.php/politica/63-politica/25942-renamo-intensifica-ataques-a-colunas-de-viaturas-entre-muxungue-e-rio-save.html)

In effect, the military has admitted its inability to protect traffic, and has cut the number of convoys from five to two in each direction. It is also using a light plane to look for guerrillas in the bush along the road. (Noticas 27 June).

There were no reports of attacks Tuesday or Wednesday.

COMMENT: These attacks should be put in context. Germany has just arrested a man who has fired 762 shots at motorway traffic over more than five years. The police had huge difficulty finding him, and last year even offered a 100,000 Euro reward. (http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-23045280)

New army head

Graça Chongo was yesterday named head of general staff of the military (Chefe do Estado-Maior General das Forças de Defesa de Moçambique, FADM). He replaces Paulino Macaringue, whose five year term should have ended in March.

Former Renamo guerrilla Olímpio Cambona was reappointed for another five year term as deputy head of general staff.

Macaringue has probably been blamed for the military's lack of preparation for the incidents over the past months.

Rio Tinto stops shipments

Faced with falling coal prices and widespread reports that it is trying to sell its coal operations in Mozambique, Rio Tinto has stopped coal shipments, blaming the security situation. Rio Tinto has denied very widespread reports that one of its trains was derailed in Doa, Moatize, Tete following sabotage of the railway line.
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# by africa_class | 2013-06-28 03:11 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

NHK・Eテレ「原発被災者からの手紙」(24日25日20時~)(勝手な風化と当事者性の限定を乗り越えて)

今日これから急きょ、多分、ブリュッセルに行かねばならず、急ぎ皆さんへのメールをブログにもアップしておきます。

原発事故後に宇都宮大学の皆さん(阪本公美子さん、重田先生ら)と立ち上げた「福島乳幼児妊産婦ニーズ支援プロジェクト」「同ニーズ対応プロジェ クトFnnnP」の活動も2年と2か月を迎えることになりました。

この間、復興庁の水野参事官(私たちも3月4月に要望書を出しに行っています) のツイッター問題で俄かに注目を集めることになりましたが、個人の問題にされてしまっており、福島とその周辺で不安の中暮らしてらっしゃる皆さ ん、そこから避難中の皆さんの苦悩に誠意をもって対応する状況にはなっていません。

こちらの東京新聞の記事をご覧ください。
■「原発事故子ども・被災者支援法」何も進まぬ1年 政府に怒り 方針出して
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013062202000120.html
東京電力福島第一原発事故の被災者を救うはずの「子ども・被災者支援法」が無力のまま、二十一日で成立してちょうど一年を迎えた。超党派の議員提出で、衆院、参院とも全会一致で可決したのに、政府は具体化のための基本方針さえ作らない。今月には復興庁担当者のツイッターでの暴言も明らかになった。同日、東京・永田町の参院議員会館に集まった被災者や支援者は、怒りと落胆の声を上げた。 
 「成立した日は、革命が起きたかと思うほどうれしかった。これで私たちの生活が少しでも楽になる、苦しみがなくなると期待したが、変わらなかった」。福島県郡山市から札幌市へ自主避難している宍戸慈(ちか)さんは振り返った。災害救助法の住宅支援があるだけで、生活は苦しい。その支援さえ、来年三月には打ち切られるかもしれない。(後略)


政府や復興庁、官僚や原発ムラの問題もあるでしょう。
メディアの無関心や取り上げ方の問題もあるでしょう。
しかし、やはり市民の一人一人が「我が事」としての意識を持とうとしていないことが、この背景にあると思います。

そのため、時間が経つにつれて苦悩や亀裂が深まっている状態なのに、勝手な「風化」が進行しています。お母さんたち、お父さんたち、とりわけお子さんたちの苦しみの声を、どうにか届けたい。そして、「我が事」として一緒に考えてもらいたい・・・。

そう考えて、FnnnPでは、今年4月に「お手紙プロジェクト」を開始しました。
http://tegamifukushima.blog.fc2.com/
(頂いたお手紙の内公開の許可を頂いたお手紙は以上ブログにアップしています)

そして、本日20時~20時29分まで、NHKのEテレでこのお手紙をもとにした番組が放映されます。FnnnPの新潟拠点の高橋若菜先生、FnnnPのサポーターである栃木・茨城・首都圏拠点の学生の皆さん、私、SAFLANの河崎さんなども参 加しています。二夜連続です。ぜひご覧ください。

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NHKハートネットTV
第一夜 6月24日20時~20時29分
第二夜 6月25日(同上)

Our Voices「原発被災者からの手紙」
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2013-06/24.html
もう2年がたつ。それとも、まだ2年かな・・・。目に見えない放射能が降ってきたあの時か ら、生活が一変してしまった-」福島原発事故から2年。世の中の関心が薄れゆく一方で、被災者たちの置かれた厳しい状況は続いてい ます。特に、小さな子どもや乳幼児を抱えた世帯では、避難を選択する人、不安を抱えながらも現地に残らざるを得ない人、一度避難をしたも のの福島に戻った人。それぞれの人が、難しい選択を強いられてきました。こうした原発で被災された方々からの手紙を支援団体「福島乳幼児 妊産婦ニーズ対応プロジェクト」が募集しました。手紙につづられていたのは、これまで吐き出すことのできなかったつらい思いや、みずからの判断 に自信が持てず、今も揺れ続けるお母さんたちの胸の内です。1日目は、母親たちの知られざる苦悩に向き合います。

石田 衣良さん(作家)
杉山 文野さん(性同一性障害当事者)
冨永 愛さん(モデル・女優)
「福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト」のみなさん ほか

番組参加者のインタビュー
http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/300/
(石田さん、杉山さんの感想がよいと思います。私の問題提起、「当事者性」について応えてくれました)

FnnnPお手紙プロジェクトサイト
http://tegamifukushima.blog.fc2.com/

FnnnPサイト(概要・活動紹介など)
http://fukushimaneeds.blog50.fc2.com/

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ここまでくることが出来たのも、事務局スタッフ、ボランティアの皆さん、各拠点長の皆さん、拠点に集う学生やスタッフ、市民の皆さん、協力団 体の皆さん、賛同者や寄付者のみなさん、同僚や家族のお蔭です。この場を借りてお礼申し上げます。

なお、FnnnPの活動は2012年度までを予定していましたが、多くの方の応援を受けて2013年度いっぱい活動を継続しています。そのため、50万円ほどの資金が不足しております。是非ごご理解とご協力を頂けると幸いです。

■コンビニや他行などのATMからのお振込みの場合
ゆうちょ銀行 店番号019店 府中紅葉丘 当座預金 0663428福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト
■ゆうちょ銀行の口座からのお振り込みの場合
10050-78784561
フクシマニュウヨウジニンサンプニーズタイオウ
*以上の口座へのお振込みの際は、別途お振込みのご連絡いただけると幸いです。
福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト

■郵 便振替口座(郵便局にて所定用紙を使っての入金)
00100-2-663428
福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト

なお、各拠点の2013年度活動予定・連絡先は、FnnnP通信第4号に掲載しています。学 生インターンが作成した力作です。是非ご覧ください。
http://fukushimaneeds.blog50.fc2.com/blog-category-32.html


以上、いつもお願いばかりで申し訳ございません!
情報拡散だけでも大変助かりますので、是非ご協力ください。

福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト
代表 舩田クラーセンさやか
(東京外国語大学)

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# by africa_class | 2013-06-24 17:47 | 【311】子ども・福島乳幼児妊産

プロサバンナ事業形成の背景(国内要因)の加筆(国際開発学会企画セッション発表要旨)

プロサバンナ事業の形成の背景における国内要因の分析が甘かったので、いくつか新たな資料を踏まえて分析し、5月末から6月にかけての各種学会での発表に活用した議論を掲載しておきます。そのうちまたPPTを掲載しますが、今英語論文で手一杯なので、それまではこちらをご覧ください。

過去のPPTはこちら
■PPTofプロサバンナ事業に関する分析・報告一挙掲載
http://afriqclass.exblog.jp/17362546

なお本企画セッションは大変盛況のうちに終了しました。
大会参加者230名のところ、一般も含め220名が参加して資料が足りなくなるほどでした。翌日の継続ディスカッションの方も30名近くの皆さんに駆けつけていただき、活発な議論ができました。心から感謝します。

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企画セッション
原発事故から2年、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)年に問い直す開発と発展
「アフリカにおける経済成長と内発的発展~グローバル農業投資と農民主権」

●報告者 (座長:大林稔)
1.「311以後の東北農業~農民を根なし草にしようとする政策と抵抗する農民」(谷口吉光、秋田県立大学生物資源科学部)
2.“Legal and Ethical Implications of Land Grabbing"(アンドレアス・ニーフ、京都大学)
3.「農業投資と農民主権~種から考える」(西川芳昭、龍谷大学)
4.「農業開発援助と農民主権~モザンビークを中心に」(舩田クラーセンさやか、東京外国語大学)
●コメンテイター 熊代輝義(JICA農業農村開発部長)/ 西川潤(前国際開発学会会長)

【主催】TICAD市民社会フォーラム(TCSF)有志・大会実行委員会【共催】宇都宮大学国際学部附属多文化公共圏センター 【協力】JASID「原発震災から開発・発展を考える」研究部会

【要旨】「農業開発援助と農民主権~モザンビークを中心に」
東京外国語大学 舩田クラーセンさやか
キーワード:プロサバンナ事業、セラード開発、責任ある国際農業投資、熱帯サバンナ、土地収用

1. はじめに
「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム(プロサバンナ)」を事例に、グローバリゼーション下アフリカにおける農民主権の課題と日本との関係を浮彫りにする。

2. プロサバンナ事業に至るまでの背景
(1)外務省による「食料安定供給」と国際プレゼンス向上の試み
日本政府は、1973年のオイルショックと米国の大豆禁輸を受けた食料供給不安への対応として翌年に合意され、1979年来本格的に実施されたブラジル・セラード農業開発(PRODECER)から30年近く経った2008年、食料価格の高騰と穀物生産国輸出規制に直面し、自民党内に「食料戦略本部」を立ち上げる一方、外務省経済協力局内に担当をおき、「確実な食料確保」の対応策を検討し始めた(NHK 2010)。当初模索されたのが、「海外での土地収用・リースを含む農業開発」であった(外務省2009a)。外務省は農水省と共に、「食料安全保障のための海外投資促進に関する会議(海外農業投資促進会議)」を発足させ、2009年8月には、「国民への食料安定供給のため、国内農業生産増大を基本としつつ、国土条件の制約から必要な輸入はその安定化・多角化を図る」と述べ、「世界全体の農業生産の増大、農業投資の拡大が急務」で、「海外農業投資(生産、集荷、輸送、輸出)」促進に官民が一体となって取り組む必要があると表明する(外務省2009b)。

同会議で先駆事例とされたのがセラード開発であった。ただし当時と異なり、政府や日系入植者ではなく企業が前に出て、政府は後方支援をする手法が重視された。しかし、企業が消極的だっただけではなく、「土地争奪」「新植民地主義」との国際的な批判を避けるため、外務省は、①「良い投資」と「悪い投資」を分ける国際合意を作り、②「良い投資」増大を促進するとともにその手本を先陣切って示し、食料確保だけでなく国際的プレゼンス向上に努めようとした(NHK 2010; 麻生2009)。

以上を踏まえ、2009年7月G8ラクイラサミットに向けた麻生太郎総理寄稿文で、「規制的なアプローチは良い投資を抑制する可能性があり望ましくない」、「持続可能な未来の唯一可能な解決策は投資」と表明した(麻生2009)。さらに外務省は、同サミット首脳声明に、①国際農業投資の原則、②ベスト・プラクティスに関する共同提案の策定を入れ込んだ(NHK 2010; G8首脳宣言2009)。そして同年9月23日、国連総会時期のニューヨークで「責任ある国際農業投資の促進に関する高級実務者会議」を主催し、世銀提案の「責任ある国際農業投資(RAI)七原則」について31か国(主として穀物の大規模生産・輸出国)の承認を取り付けた。中身は麻生(2009)とほぼ同様で、規制を排除し、「受入国政府、現地の人々、投資家の3者の利益を調和し最大化を目指す」とした(外務省2009c)。

(2)「熱帯サバンナ」への注目とブラジル・セラード開発を「先駆事例」とする動き
一方、②の「良い投資の見本」として日本政府が提示したのが先述セラード開発事業であった(麻生2009)。その背景には、「先祖返り」という側面以外に、2つの潮流があった。まず、2005年に本格的に「国連改革」を目指した外務省のブラジルへの接近である。同省はインド・ドイツとも連携していたが、強力なパートナーとしてブラジルに注目し、移民100年を祝う2008年の「日本・ブラジル交流年」に向けて「戦略的パートナーシップ再活性化」を企図していた。2007年には、JICA理事長と伯外務大臣との間で「日伯パートナーシッププログラム」推進が合意され、麻生外務大臣の同国問時には同「再活性化」が確認された。2009年サミットにおける麻生総理とルーラ伯大統領の「アフリカ熱帯サバンナ農業開発」合意は、これを受けたものであった(舩田クラーセン2013)。

もう一つの潮流は、世銀を中心とするものであった。同行はサミット直前(6月)、商業的農業の必然性を説く一方、「ギニア・サバンナ」6億haの内4億haが農適地であるが10%しか耕作されず投資と開発が可能と発表する(WB 2009)。同じくJICAは、「アフリカには熱帯サバンナの5割が集中し広大な未利用農業適地が存在。世界は新たな食料生産・輸出基地を求める(JICA, 2009年6月30日)」との認識を示した。両者の手本とされたのが、「熱帯サバンナ農業開発の成功例・セラード開発」であった(*セラード開発は、ブラジル学術界・市民社会・農民運動によって強く批判されてきた。これも取り上げる)。  

この考え方は、「日伯協働によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発事業(JICA 2009年5月25日)」にも示されるが、NYでの「実務者会合」に向けてアフリカ側対象国の確定と合意が急がれた。そして、「良い投資の見本」「日本の協力」「アフリカ熱帯サバンナの農地転用」等の言葉の先にターゲットとされたのが、ブラジルと同じ葡語国モザンビークであった。同会合5日前という日程で、プロサバンナ事業は三政府により調印されるが、この急がれたプロセスの中で繰り返しされたのが、ブラジル・セラードとモザンビーク北部の「農学的な多くの共通点(JICA, 2009年6月30日)」「類似性」であった。

しかし、「熱帯サバンナ」とは、その一般的イメージ「草原サバンナ」ではなく、乾季雨季が明確に分かれた気候帯のことを指し、一定の雨量があるため農業に適しているが、多くの場合セラードと同様「森林サバンナ」地帯であった(Distributed Active Archive Center for Biogeochemical Dynamics)。また、事業対象地のモザンビーク北部地域は、土壌の酸性が強く人口が少ないセラードの特徴と異なり、最も肥沃で水資源に恵まれ、農業生産が盛んで人口が最多(全人口の4割)であった(舩田クラーセン2013)。モザンビークに在外公館・JICA事務所が設置されて10年も満たない2009年、地域社会や農業の十分な知見も経験も蓄積がないまま、合意後半年間準備調査を行っただけで、「モザンビーク北部1400万ヘクタール(日本耕地面積の3倍)を対象に、中小農民40万人に直接、360万人に間接の裨益」と喧伝される巨大事業が、食料価格高騰・G8サミット・国連総会を経て、始動したのである。

3.モザンビーク農民組織、市民社会からの異議申し立て
合意から数年が経過した2012年4月、日伯の官民連携ミッションのモザンビーク北部訪問前後から、現地社会や国際社会で同事業への疑義が表面化し始める。この頃、ブラジルのアフリカへの積極的な進出が顕著になり、鉱物開発企業を筆頭にアグリビジネス界も活発な動きを展開する。このゲートウェイとされたのがモザンビークであった(Schlesinger 2012)。前年に同地を訪問し、安価で環境規制の緩いモザンビーク北部の肥沃な土地に熱狂したブラジル綿花業界関係者だけでなく(Reuters 15 Aug. 2111)、前述ミッションのブラジル側団長ニシモリ議員の「プロサバンナ事業は土地不足の伯国の若者が近代農を大規模展開するための事業」との説明が(議会TV 27June2012)、モザンビークの農民組織や市民社会、国際NGO等に危機感を抱かせるようになる。これらの組織は、3か国の関係者に聞きとり調査を行い、JICAなどに説明を求めたが懸念を一層深め、2012年10月には、同国最大の農民組織UNACが、「不透明で、農民組織を排除するトップダウン事業」「農民の土地収用イニシアティブ」と、プロサバンナ事業を批判する声明を国内外に表明した(UNAC 11Oct.2012)。

UNACは、同国に経済自由化の波が押し寄せた1987年に、農民が自らの権利を代表・擁護し闘うため結成され、現在全国8.6万の農民と2200農民組織が加盟する。同連盟は、農民の土地占有権(DUATs)と慣習法的権利の両方を重視する1997年土地法の制定に多大な役割を果たした(Negrão 2003)。UNACはJICA報告書でも主要農民組織として紹介されるが(JICA 2000)、JICA担当者らは同連盟への理解がないばかりか、「一団体/一部に過ぎない」と繰り返してきた(NGO・外務省意見交換会)。

本年4月には、モザンビーク4団体を含む世界23団体・1国際ネットワークが、マスタープラン中間報告を入手し分析した結果、次を警告した。①真の目的は大規模土地収用に道を開くこと、②地元移動農法「撲滅」が喫緊課題と断定、③「定着農・近代農」に転じた農民にDUATs付与、④どこで誰が何を作るか指定するゾーニング案を有す(JA et al.29Apr.2013)。投資のため、地元農民の主権と営みを著しく侵害する計画と指摘されている。確かに同報告は、権利侵害の抑制効果がないRAIを重視し、企業の土地収用を確実にする抜け道を多数用意している(ProSAVANA Report 2)。前節で示した「農業投資が唯一の処方箋」「投資家は現地の人々と対等」「規制排除」が顕著に表れた計画といえる。

4. おわりに
2008年以降の日本政府の認識や動きが、どのような国際潮流や外交、援助事業に結びつき、ODAとして展開する中で、農民主権を阻害する可能性を広げていったかを明らかにした。討論では、これが日本社会・市民の「食」「農」「農的営み」に対する無関心さに基因している点についても論じたい。

【参考文献】●麻生太郎(2009)「食料安全保障の永続的な解決」、●NHK取材班(2010)『ランドラッシュ』新潮社、●外務省(2009a)「海外投資促進に関する指針」、●外務省(2009b)「官民連携モデルのイメージ」、●外務省(2009c)「責任ある国際農業投資の促進に関する高級実務者会合」、●JICA (2008)『南部アフリカ地域援助研究会報告書』、●G8首脳宣言(2009)、●舩田クラーセン「 変動する世界における経済成長至上主義の席巻と内発的発展」近刊、Negrão, José (2003) “A Propósito das Relações entre as ONGs do Norte e a Sociedade Civil Moçambicana”、●Schlesinger, Sérgio (2012) “Cooperação e investmentos internacionais do Brasil”. ●WB (2009) “Notes: Africa’s Sleeping giant: prospects for commercial Agriculture in the guinea Savannah Zone and Beyond”.(詳細配布)
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# by africa_class | 2013-06-21 23:53 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

今新日鉄住金が進出し、日本援助が支援するナカラ回廊PJの先っぽテテ州で起きていること

団体のブログにも掲載しておきましたが、本当の本当に心配な状態です。こういう投資や事業に、日本が関わっていく日が来ると私自身十分な自覚がありませんでした。

「我々のための食料・資源」・・・が、今新たにアフリカで何をもたらしているのか?しっかり目に焼き付けてください。あまりにモザンビークに関わっている日本の人が少ないところから生じた、このような事態に、自分の力不足を感じています。もっと沢山の人が見張る必要があります。

プロサバンナでいそがしくてこちらのニュースはほどほどだったのですが、新日鉄住金の進出先は、この間ずっと問題になっているブラジルの鉱物資源開発会社ヴァレとリオ・ティント社のすぐ境界線にある場所でした。すでに進出先となっているRevuboe鉱区のウェブサイトに詳細が掲載されています。

■新日鉄住金が進出するRevuboe鉱区のウェブ
http://www.revuboe.com/home
The Moatize Basin in Mozambique is the leading emerging coking coal province in the world. Our Revuboè Coal project in Tete province is bordered by both Rio Tinto's Benga and Zambeze projects and Vale's Moatize project.
そこでは、コミュニティとの合意によってのみ開始と書いてあります。
http://www.revuboe.com/community
Construction of the mine camp commenced only after the blessing of local traditional and government leaders and with the endorsement of the local communities.

しかし、今起きている事態は、そのような「合意」の範囲を超えていることです。これは、以下の地図を観れば一目瞭然でしょう。

■Human Rights Watchの報告書のリリース文にある地図
http://www.hrw.org/news/2013/05/23/mozambique-mining-resettlements-disrupt-food-water

テテ州の地図・・・大部分が鉱区に分割されています・・・。
a0133563_22484533.jpg

問題のモアティゼ郡(ヴァレ、リオティント、新日鉄住金の進出地)
a0133563_22543653.jpg


黄色がすでに鉱区として承認が降りている区画。
紫が現在承認プロセス中の区画。
緑がリザーブです。

そこには人びとの暮らしや、土地への権利が上からのメガプロジェクトによってなかったことにされている様がはっきり映し出されています。

この問題については過去の記事でも繰り返し投稿してきました。
実態調査を行ったHuman Rights Watchの報告書が一番包括的なのでそちらをお読みください。タイトルが象徴的です。「食事のない家とは?:モザンビークの炭鉱ブームと住民移転」(2013年5月23日発表)

■“What is a House without Food?”Mozambique’s Coal Mining Boom and Resettlements
http://www.hrw.org/node/115535
Many of the 1,429 households resettled to make way for Vale and Rio Tinto’s international coal mining operations in Tete province, Mozambique have faced serious disruptions in their access to food, water, and work, Human Rights Watch said in a report released today

これを報じた日本のメディアは唯一、朝日新聞だけでした。
■朝日新聞の記事(2013年5月29日)
「(アフリカはいま)眠れる大地、「緑の実験」 モザンビーク穀倉化計画」
←http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY20130528067

紹介したようにNHKクローズアップ現代は、隣のマダガスカルの問題を報じているものの、番組ないではまったくこのことを取り上げないまま、ナカラ回廊の開発の重要性と日本の援助の素晴らしさを強調していました。もちろん取材チームは、テテで起きている事態を知っていました。
■NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)
http://afriqclass.exblog.jp/17873533
■同放送は全部文字お越しされているので以下でご覧いただけます
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3356.html#marugotocheck

その他の整理については、モザンビーク開発を考える市民の会のブログにも掲載済みですが、こちらにも転載しておきます。

■鉱物資源の宝庫テテで何が起きているのか?
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-37.html

日本の新日鉄住金も進出しているモザンビーク北西部のテテ州で、ブラジル鉱物資源企業と住民の衝突に端を発する政情不安が続いています。ついに、元反政府ゲリラが動き始め、7人の警察が攻撃され、鉄道封鎖される可能性が出ています。政府軍も動き始めつつあります。

なお、今回問題になっているリオティントとヴァレのすぐ境界線にある鉱区が新日鉄住金の鉱区です。したがって、現在起きている事態と無関係ではありません。

これらはすべて、住民不在の急いだ大規模投資の帰結です。
ついに、軍事衝突に備えた大量の武器輸入を政府が開始しました。
平和をも不安定化させる投資。
それを後押ししている現在の日本の援助や政策も、問い直されるべきものです。
住民の犠牲の上に呼びこまれる大規模投資と援助の問題が、再びアフリカ、そして日本で問われています。

そもそも問題は、
(1)農民から広大な土地を奪ったこと、
(2)補償をちゃんとしなかったこと、
(3)政府が住民の側ではなく企業の側に立って抑圧的な行動をとっていること、
(4)投資が住民の生活向上に役立っていないこと、
(5)政権関係のごく一部だけが豊かになっていること、
への広範な不満が人々の間であることによります。

そして、このような状態を知らぬままに、回廊プロジェクトと称してこの地域に入り込もうとする日本の援助・企業の問題(ナカラ回廊プロジェクト、プロサバンナ)からも、他人事ではありません。

このような事態を繰り返し、警告したにもかかわらず、日本はTICAD Vに際し、モザンビークの現政権と二国間投資協定を締結してしまいました。
■日・モザンビーク投資協定の署名(2013年6月1日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page5_000168.html


■日経新聞(2013年4月4日)
モザンビーク炭鉱の採掘権取得 新日鉄住金・ポスコなど
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0407E_U3A400C1TJ1000/
 新日鉄住金は4日、同社や韓国ポスコなどが共同で計画しているアフリカ南部モザンビークでの炭鉱開発について、現地政府から3日付で事業化に必要となる採掘権を取得したと発表した。今後詳細な事業計画を詰めて開発に着手し、2019年には鉄鋼原料炭で年産500万トンのフル生産体制を目指す。
■産経新聞(2013年4月4日)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130404/biz13040413450009-n1.htm
推定石炭埋蔵量は約14億トンで、製鉄に使う原料炭年約500万トンの生産量が見込まれている。このうち新日鉄住金グループは、年間輸入量の6%程度に当たる年約170万トンの原料炭を確保する見通し。

■新日鉄住金の進出先のRevuboe鉱区の情報
http://www.revuboe.com/home
The Moatize Basin in Mozambique is the leading emerging coking coal province in the world. Our Revuboè Coal project in Tete province is bordered by both Rio Tinto's Benga and Zambeze projects and Vale's Moatize project.

この住民との衝突については、以下のようにまとめられます。
①2008年に同地に進出したVale社によって、5000家族が土地収用された。
②これら住民は、立ち退き・移転のプロセスや補償内容、その結果生じた生活苦について異議申し立てを2009年末から継続。
③その抗議の一環で、Vale社への補償内容見直しを求めるが拒否。再度の対話を求めて、道路封鎖。
④しかし、警察が強制排除を行い、住民が逮捕。その釈放を求めた住民が牢屋に集結。
⑤警察がついに催涙弾やゴム弾などを使って住民に発砲、負傷者が出た。
⑥警察はそれを否定。

これに関する代表のブログ記事
■続報:ブラジルVale社炭鉱の土地収用&移転への住民抗議のその後
http://afriqclass.exblog.jp/17653555/
■モザンビークで、ブラジル鉱物資源会社Valeの炭鉱道を住民が封鎖、警察が発砲3名負傷~市民社会の声明
http://afriqclass.exblog.jp/17644029/
■「ブラジル鉱業企業と地元住民の土地紛争:「死んでもここを動かない」
http://afriqclass.exblog.jp/17432081/
■「ビルマでの援助と土地収用とプロサバンナ問題」
http://afriqclass.exblog.jp/17288876/

Human Rights Watchの報告書
■Mozambique: Mining Resettlements Disrupt Food, Water:Government and Mining Companies Should Remedy Problems, Add Protections
http://www.hrw.org/news/2013/05/23/mozambique-mining-resettlements-disrupt-food-water
関連の記事
■Miners Vale, Rio Tinto accused of neglecting displaced Mozambicans(2013年5月23日)
http://www.reuters.com/article/2013/05/23/us-mozambique-mining-idUSBRE94M08D20130523


そして、ついにこれに乗じて、1977年-92年までモザンビークに戦争をもたらしたRENAMO(反政府ゲリラ)・現最大野党が、テテに焦点を合わせ始めました。

■Mozambique's Renamo threatens to paralyse vital coal railway
http://www.reuters.com/article/2013/06/19/mozambique-renamo-idUSL5N0EV1SD20130619
■Mozambique: Renamo Threatens to Block Road and Rail Traffic in the Center of Mozambique(2013年6月20日)
http://allafrica.com/stories/201306201160.html

テテは、日本の援助事業(ナカラ回廊プロジェクト)の西端にあたる地域であると同時に、プロサバンナとも関連づけられています。現地では、次のような問題提起がされています。

■UNAC全国年次総会声明文(ProSAVANAも、鉱業メガプロジェクト、大規模植林とともに批判されています)
http://afriqclass.exblog.jp/17790286/

2013年は地方都市選挙、来年は大統領選挙です。
激しい戦争を経験したこれらの地域では、かなり社会内部で不満が高まっています。

これにレナモは便乗しているだけという側面も確かにありますが、実は社会の広い範囲で現政権に対する批判や不満は広がりを見せています。「現政権を全面的に応援」しているように見える日本政府や企業にも、厳しい目が注がれるようになりつつあります。

これに対して、「反政府だ!」と揶揄する動きが、援助関係者の間であるといいます。
しかし、それはあまりに社会のことを知らないレッテル貼りであり、それほど社会について知らないままに「役立つ援助をしている」と自負するのは、大変残念なことです。

今問題提起している人や団体の多くが、与党の長年の支持者・支持基盤であることは、現地で周知の事実です。これは、長年にわたり政権与党の基盤であった医療関係者の何十日にも及ぶストライキに示されていますし、与党とともに歩んできた最大の農民組織・全国農民連盟UNACの以上の声明にも示されています。

この点についての記事
■援助関係者の間で実しやかに囁かれるウソ:現地からの声を理解しよとせず、抑圧側に立つ人達
http://afriqclass.exblog.jp/17943791

そして、ついにこのような事態に。
■Seven soldiers killed in Mozambique weapons store assault(2013年6月18日)
http://www.reuters.com/article/2013/06/18/us-mozambique-attack-idUSBRE95H0SN20130618
■Imports of military equipment
http://allafrica.com/stories/201306201160.html?page=2

日本の私たちが共に目指したいのは、誰ともどのような未来でしょうか?
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# by africa_class | 2013-06-20 23:20 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

援助関係者の間で実しやかに囁かれるウソ:現地からの声を理解しよとせず、抑圧側に立つ人達

TICAD Vも終わり、ひと段落・・・のはずではあるものの、その後国際コモンズ学会や、講演会や、国際開発学会や・・・なんやらでなかなか落ち着かない日々。先日は研究員となっている京大での大学院ゼミに出席させていただき、とっても刺激を受けました。教育にはいろいろなアプローチがあるので、勉強になります。

さて、明日はテレビの収録で東京に行きますが、気になる一言を耳にしたのでこれだけは書いておきます。
3政府宛の公開質問状を持参したモザンビーク農民組織や市民社会プラットフォーム代表の、身の危険を知っての直訴に、未だに反省することのない政府や援助関係者の酷い言葉の数々に、心底驚いています。

まず第一に、彼らがこのような抗議によって得られる個人的メリットは何一つありません。現地では、むしろ政府等による監視の目が強まり、既に様々な脅迫行為や、評判を落とすための操作が繰り広げられています。

今、モザンビークで起きていることを御存じでしょうか?
今年地方選挙、来年に大統領選挙を控える一方、鉱山地帯での住民との衝突、野党の武器を持ったままの山籠もり、医療関係者の20日に及ぶ一斉ストライキに直面して、現在基盤が揺らぎつつある現政権は、野党の強い北部での支持確立を目指したプロサバンナ事業での批判を抑え込もうと本気になりつつあります。

2005年以降「資源の呪い」の国へと邁進してきた現政権は、ついにその仕上げの段階に到達し、ごく一部の国家利権を切り売りして大儲けした人達と大多数の人びとの間で、数々の軋轢を招いています。

そんな中、モザンビーク最大の農民組織(2222組織の代表)、北部中心地であるナンプーラ州120団体の代表を始めとし、主要な農村組織や宗教組織、市民組織23団体が、なぜ「大統領プロジェクト」に対して危険を顧みず異議を唱えているのでしょうか?

■【公開書簡】モザンビーク23団体から3か国首脳への「プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡(2013年5月28日)」発表
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html

独立後のモザンビークの歴史で、このような事態は初めての出来事です。1975年から94年までの一党支配体制、複数政党制導入後でも引き続き政権を担った現フレリモ政権に対して、これほど裾野の広い社会組織が異議を申し出ているのは、他に経験がないことなのです。

そして、このような事態を招いたのは、日本政府やJICAの一部の人達の「ブラジル・セラード開発の成功!」を信じて疑わない過信と、アフリカへの野望と思いつきによる帰結なのです。本当に心が痛いです。

にもかかわらず、異議を唱えたくて唱えているのではなく、社会を守ろうと自らの身を投げて守ろうとする人びとに対して、依然として次のような言葉が援助関係者の間で実しやかに囁かれているといいます。

■神話1:「UNACは一部の農家の方々を代弁しているにすぎない」
■神話2:「UNACは、当国野党勢力との結びつきが強い団体」

事実誤認もいいところですが(このブログの読者なら既に私が繰り返し書いているので分かると思いますが)、重要な点は、自らのやり方への反省が述べられることがないままに、現地の人々の切実な命を掛けた問題提起そのものを、外部者に過ぎない援助者らが「問題」と捉える傲慢さが依然続いています。

人は誰でも、どんな入念な計画でも、どんな事業でも、過ちを冒すものです。
当事者から異議が出ることは否定されるべきではなく、むしろ事業が大規模に行われる前の問題提起は感謝されるべきもの。当事者のレッテル貼りをすることで、問題を矮小化しようというメンタリティが、日本の援助関係者の思考パターンの問題を露呈しています。

自分たちは感謝されるべき存在であり、問題は自分たちではなく、外から、あるいは一部の偏った人達からやってくる・・・・。とても「上から目線」の恥ずかしい姿勢です。「参加型開発」などといいながら、「開発に参加させてもらっているのは自分」ということへの気づきがない。

さらには、事実関係を調べもしないで、「援助業界で実しやかに囁かれている自己弁護のための神話」を繰り返し唱えて満足し、それを周りに流布する始末。。。こんなことにいちいち関わりたくないのですが、モザンビークの人びとの日常や将来の権利が奪い去られるかもしれぬ瀬戸際を作りながら、さらには人々の想いまでもがこのような形で、自己正当化のため「援助者」を名乗る人達に踏み躙られる事態に、書かずはいられません。何より、モザンビークに関わる人が少なすぎる中で、「知らないことは知らない」というべきなのに、小耳にはさんだ「噂話」や「思い込み」を調べもせずに信じ込んで言い触らすのは、あまりに悪質です。

こういう方にこそ、来日された人達の話に耳を傾け、その場で反論なり対話なり質問なりをしてくれると良いのですが、そういう努力すらされないで「自分は正しい」というのはとても残念。。。日本の援助関係者は、いつもこんな風に当事者の人達への謙虚さを持ってこなかったのでしょうか?

政府とやてれば、自分たちの言い成りになる対象とやってればいい?

さて、面倒ですが以下の点。
■神話1:「UNACは一部の農家の方々を代弁しているにすぎない」
■神話2:「UNACは、当国野党勢力との結びつきが強い団体」

■神話1:「UNACは一部の農家の方々を代弁しているにすぎない」
人類の歴史において、全員を代表する組織などもちろん存在したことはありません。あったのは、全体主義の時代です。それでも見かけ上の、恐怖に基づく支配。当然ながら、全員を代表などしていません。現在の議会制度も、政党政治も、モザンビークに限らず、この日本でも「代表性」「代弁性」について課題を有しているのは、私たちが一番理解しているべきことです。

先日公園の緑を伐採してまでの道路工事で揺れ動く東京都小平市。同市長はたった30%台の投票率の市長選挙で当選した市長。同市の有権者の2割程度にしか投票されていない。しかし、その市長が、道路工事の是非を住民投票にかけようという主張に基づいて行われた住民投票を、自分の選挙と数パーセントしか差がないほどの投票率を達成したのに、5割に満たないので民意に沿わないと開票すら拒んでいる。

「ごく一部」という言い方は、このように恣意性を持った言葉であり、権力側が使う時には注意が必要であることについては、全体主義とそれによる戦争を経験した日本の我々にとって、歴史的教訓なのではないでしょうか?

そんなレベルのことではなく、そもそも今回の公開書簡は、UNACだけのものではありません。北部地域の農民組織の主要な団体や宗教組織、地域組織の23団体が起草・署名しています。そこのことの事態の大きさを、まだ理解していないとすれば、そして「UNACが問題なのだ」と言い続けている限りは、現地の反発はますます広がるでしょう。

実際、今回これほど多くの組織がとても短い期間に署名した理由こそが、繰り返される「一部の声にすぎない」「・・・・だから問題なし」「UNACは反対しているわけではない」というかってな総括・・・等のこれまでのJICAを含むProSAVANA関係者の自己正当化に心底腹を立てた結果だったと聞いています。

その前提の上で、UNACについて語るならば、そもそもUNACは「一部の農家を代弁」ということを超えた団体です。今、法制度的に農民たちの権利をどこよりも守っている1997年土地法は、UNACの尽力で成立したものです。この土地法は、「世界で最もProgressive」という触れ込みのもので、農民の耕す権利を何より重視したものです。ただ抜け穴があり、それを現政権関係者が多用してしまったために土地紛争が起きているのです。UNACが守ろうとしているのは、一部の利益や団体の利益などではなく、全モザンビーク農民の利益であり権利であり、ProSAVANAはそれを奪う第一歩になると考えているから身体を貼っているのです。

本来ならば、援助機関や援助者は、特に「小農支援」を口にする者は、このような団体こそを尊敬し、応援すべきではないのでしょうか?

そしてこれはこのブログの読者にいうまでもないことですが、モザンビーク政府が自ら選び、今年4月に唯一「現地農民組織代表」として連れてきた団体こそが、UNACの下部団体でした。政府代表としてきてなお、いやきたからこそ、この事業の問題に気づいたといいます。

勿論、ProSAVANAへの反対を抑えるために、「賛成する団体もある」というために、現地では既に融資やなんやらを配布しています。そのバラマキを歓迎する人達もいます。日本の公共事業と同じ手法が、つまり事業への反対派切り崩し、賛成派増やしのための地域社会の分断が堂々と行われているのです。

他方、マスタープランは未だでProSAVANAは始まっていないのに批判するのはおかしい・・・などと、これまた実しやかに日本の援助関係者は述べます。しかし、メディアが訪問するというと、このような融資先などに連れて行ってJICAへの感謝を述べさせる・・・本当に恥ずかしいです。

このような分断工作や操作こそが、彼らが今回ProSAVANAの緊急停止を言わざるを得なかった理由といいます。つまり、彼らではなくProSAVANA事業者らが、自分でまいた種、もたらした混乱なのです。そのことへの自覚は、「一部にすぎない」という総括から完全に抜け落ちている・・・ここが一番問題だと思います。

自ら「賛成派」を創り出し社会を分断しながら、「反対は一部にすぎない」と総括する・・・・現地の人々からみたら本当に罪深いです。今回、現地のカソリックの司教様たちのグループが立ち上がった理由もこれですが、そのことすら理解できないのでしょうね・・・これも「誰かの入れ智恵」とかいうレッテルを張るのでしょう。

それほどまでに、現地の主要アクターらとのコミュニケーションが不可能ということの証左。
「あげる」という行為を介さない生身の本音のやり取りが出来ていないことが露呈。


■神話2:「UNACは、当国野党勢力との結びつきが強い団体」
書くのも嫌気がさしてきました。
このようなレッテル貼りの根拠、あるいはレッテル貼りをする意図はなんでしょうか?
UNACほど現政権FRELIMOの「出所」「精神的支柱」を明確に体現している組織は、もはやモザンビークに残っていないほどです。

こういうことを書くのすらばからしいのですが、なぜかというと、UNACの人達に接すれば彼らが何者かすぐわかるので、、、、でもどうも分からないようなので書いておきます。

UNACのメンバーの多くは、現政権の多くの人と同様に、植民地解放戦争を戦った人達です。代表のマフィゴさん自身がそうであり、多くのメンバーの父兄・親族の多くが、やはり解放闘争の闘士でした。つまり、フレリモ中のフレリモ=UNACなのです。

それを「野党と結びつきが強い」とは、あいた口がふさがりません。
これは、モザンビークに関わる人ならだれでも知っている事実です。

つまり、人びとの権利のために国を解放したはずのFRELIMOが人びとの権利を守るどころか売り渡しているのであれば、野党化してしまったのは現政権なのです。この逆説性に、「政府=正しい」という刷り込みがはいった日本の人びと、あるいは日本の援助関係者には、理解不可能なようで・・・。

そんなことすら知らない、分からない人にモザンビーク農村開発に関わったり、現在の事業についてこんな風に語る資格もないと思うのは私だけでしょうか?

そもそも、別に野党と結びつきが強くても別に立派な社会組織である以上、なんの問題もないと思いますが?そもそも、事実ですらないのです。

彼らが何故この問題に敏感か?
そのことは、繰り返しシンポジウムやセミナーで述べていたので、参加されたら理解したでしょう。あるいは、このような思い込みの人達には無理だったでしょうか?

彼らは、独立は「国、人間の解放だけを意味したのではなかった。土地の解放を意味した」と繰り返し述べてきました。その言葉の深い深い・・・・・・・本当に深い意図を、今私たちが汲み取ろうとしないのであれば、何のため「支援」「援助」を口にするのでしょうか?

私たちは、やはり植民地支配する側のメンタリティーから解放されていない。
支配される側の想い、何のために彼らが武器をとってまで植民地支配から逃れようとしたのか、何の解放を意図したのか、そして21世紀の今、独立から40年近く経ったのに、なぜ彼らは再び日本に来て「植民地支配からの解放の意味」を声高に述べなければならないのか・・・・・・言い訳と自己正当化を肩からおろし、脇に一旦おいて、考えてみてほしいのです。

まだ遅くありません。

皆さんのいう「支援」の根底に眠る「コロニアル思考」から、今脱さないとしたらいつ逃れるのでしょうか?彼らが身を持って問題提起しているのに、私たちは耳を塞ぎ続け、それを踏みつけ続けてよいのでしょうか?

今問われているのは、「開発モデル」の話ではありません。
このような人としての尊厳を獲得するために、その尊厳ある人がようやく手にした生きるための基本的な権利を、他者が「経済成長」「支援」「開発」を掛け声に奪ってよいのか・・・という問いです。

月並みな一言ではありますが、耳をまず傾けてください。
講演会の様子は、もうすぐYoutubeにアップします。

鋭い問いが発せられる時、
それを封じ込める側ではなく、
耳をそばだてる側にいたいと思います。

一人でも多くの援助関係者の耳に、このことが届くことを望んでいます。
なお、私だって罪深き者の一人です。
また、至らない人間でもあります。
その反省の上で日々改善を試みています。

1994年の戦後直後のモザンビークで国連関係者として持ち込んだ数々のものについて、この20年間ずっと自分に問い続け、今に至ります。その間、対話してきた何百何千というモザンビークの人達に、そのオープンな、時に厳しい、時に温かい、一言一言に心から感謝しています。

人間は学び続けることができる生き物です。
学び続けることでしか、危険を回避できない、この地球や世界に君臨する生き物です。

学びましょう。
遅くありません。

他者による挑戦、自分の真摯な解体の先に、必ず自分の生きるべき道が広がっています。
それは、今よりもずっと意味のある、豊かな双方向性のあるものでしょう。

私はモザンビークの人達にそのことを教えられ、今でも感謝し続けています。
教えるなんてとんでもなかったのです。

それに気づいた援助関係者の方々に、実はこの2週間、励まされ続けています。このブログを読み考えてくれているといいます。この場を借りて感謝いたします。

この問題については下記に入れています。詳細はそちらを
http://afriqclass.exblog.jp/i38/
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# by africa_class | 2013-06-13 22:31 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

農民に向き合えない農業支援とは(#ProSAVANAに関するJVC 渡辺直子さんの記事)

この間ずっと関わっているJVCの渡辺さんも同じような感想を書かれているので、ご本人の許可をいただき転載します。校正まえのものなので、現物はTRIAL & ERROR(JVCの月刊誌)をご覧ください。

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農民に向き合えない農業支援とは
南アフリカ事業担当 渡辺 直子
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■モザンビークから招へい
去る二月二十四日〜三月一日、日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるモザンビーク北部地域における大規模農業開発事業「プロサバンナ」に関連して、日本の市民社会の招聘で、UNAC(モザンビーク全国農民組織)の二名と同国の環境団体JA(Justica Ambiental) の一名が来日した。外務省やJICAとの面会や一般向けセミナーを通じて、彼らが語ったことをお伝えする。
現在、モザンビークでは人口の七割が農村部に暮らして自給的農業を営み、国内総生産の三割を生み出している。プロサバンナ事業の対象地域においても、家族的経営農業のもと主食のメイズや豆、葉物野菜や根菜類など様々な作物が収穫されている。「サバンナ地域」というイメージに反して雨も降ることから森林も豊富で、人びとは森林からも木の実や果実、動物などの多くの食料を得ている。
プロサバンナ事業は、こうした地域において千四百万ヘクタールという莫大な土地を開発し、輸出用大豆の栽培を目的とするものだ。当然のように小農の土地は収用され、森林も伐採されるだろう。事業を推進する側の外務省・JICAも、すでに対象地域の住民移転の可能性を認めている。そして現地の農民たちはこの事業に関する適切な情報にアクセスもできず推進プロセスに参加もできないことから、大きな不安を抱えている。

■「話を聞いてくれ、そして 参加させてくれ」
このような状況に対して、来日した三名が一貫して訴えていたのは、「事業実施に際して、まず自分たちの声を聞いてほしい」というごくシンプルで当たり前のことであった。こんな簡単なことを伝えるために、はるばる日本までやってこなければいけなかったのである。
外務省・JICA側は「地域の農民にはすでに情報提供しており、彼らは誤解している。プ
ロサバンナ事業はあくまで小農支援を目的としており、NGO側と考えていることは同じだ」と主張する。それではなぜ前述のような不安や互いの間の理解に齟齬が生じるのだろうか。
本件に関する「NGO外務省定期協議会」の議論の中で、外務省のとある担当官が「彼ら小農は〝貧しい〞。だから私たちは彼らを〝リッチ〞にしてあげたい」から支援するのだと発言しておられた。この発言のもとにある価値観の主語はあくまで「私たち」で、その視野にモザンビークの人たちが入っているとは考えづらい。こうした発言の根底には、「低投入な農業は低生産であるから自給的農業は貧しい」→「よって商品作物を栽培・販売させて収入を増やすのがいい」→「それこそがモザンビーク政府が進める『食料安全保障』にもつながる」という考え方がある。
しかし、農業とは本来「商品」ではなく「食料」をつくる営みであり、余剰を売るのが基本である。また、そもそも、「低投入=低生産」という考え方が必ずしも適切ではないことは、すでに世界中の有機農家やJVCのような活動によって実証されてきている。

■農の価値に向き合えるか
外務省のこうした考えに対して、UNAC代表アウグストさんは「私はここで何十年にも渡り土を耕してきた。この土地に何が合うのか、自分たちが何を栽培し、何を食べたいのかは我々が一番よく知っている。だからまず我々に何が必要かを聞いてほしい」と断言した。先の外務省の発言からは、モザンビークの小農自身および彼らの長年にわたる経験・知見に対する敬意が微塵も感じられない。これでは言葉が届かないのも当然だろう。
「いや、我々も農民組織とは対話している。しかしどの農民組織の声を聞くかはモザンビーク政府が決めることであって我々の責任ではない」という立場を取る外務省・JICA。対してUNACアドボカシー担当ヴィセンテさんは「あなたたちは本当にそう思っているのか?これは誰に責任や権限があるとかそういう問題ではない。人としてのモラル、人間性そして連帯の問題なのだ」と訴えた。
プロサバンナ事業が真に彼らのためのものであるというならば、現地の農民たちを取り巻く状況に真摯に目を向け、声に耳を傾け、ひいては彼らの農業における工夫や日々の営み、家族や仲間のために食料を生産する喜びや誇りをも視座に入れて事業を検討するべきではないだろうか。現地の農民たちに敬意を示し、あくまでも彼らを「主語」として支援の方法を考え、実施する。「農民主権」の視点においては、我々支援する側の人間性をも問われているのである。
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# by africa_class | 2013-06-04 19:01 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

TICAD終了、モザンビークからの仲間たちとの1週間をふり返って&皆さんにお願いしたいこと

後数時間でモザンビークの皆さんが空港を出発されます。
この間皆さんと一緒にいて感じたこと、伝えきれなかったこと、これからについて書いておきます。

日本に来る前に北部地域で農村から農村、国中で様々なレベルでプロサバンナについての共同ポジション作りに尽力したUNACやその他のNGO、そ してCSOプラットフォームの皆さんは、かなりお疲れのまま来日し、来日後は朝から晩まで国会議員、メディアインタビュー、戦略会議、対外シンポ やセミナー・・・・と目まぐるしい日々でした。

さらには、3各国政府首脳への公開書簡の最終化が同時並行し、時差もあったため、ほとんど寝ないで 1週間が進みました。

■「プロサバンナ事業の緊急停止を求める」3か国大統領・首相への公開書簡
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
(日本の団体の賛同を募集中です。私にご連絡を。)

■取材記事一覧(日本語5記事・1番組/英語4記事)
日本語:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
英語:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html


前回も感じたことですが、私は彼らのコミットメントと諦めない姿勢、我慢強さと意志の強さ、一方で忙しさの中に周りをいたわる優しさや気配りに、学 ぶことの多い毎日でした。
自分の至らなさを多々感じる日々でもありました。
でも、そんな日本の私たちを包み込むような彼らに励まされることの多かった日々でした。

モザンビークの仲間たちの全員が、小規模農業のお蔭で学校に通い、ここまでやって来た人達です。
アントニオさん(ナンプーラ市民社会プラットフォーム代表&カソリック大学講師)は、私が長年通う村のご出身で、そこから大学の先生を生み出すの は並みの事ではないことは良く分かります。

彼は、ピーナツ畑を自分で耕して学校に通うお金を生み出し、その後は両親が畑で身を粉にして働いて大学まで行くことができたとおっしゃっていまし た。
ビセンテさん(UNACアドボカシーオフィサー)も同様です。
UNAC代表のマフィゴさんはいうまでもなく。

そのことを彼らがどれほど誇りにしているのか、だからこその強さなのだということを、私は十分伝えきれていないかったかもしれません。

「貧しい、飢えている、足りない」という言葉の持つ相矛盾する性格を、もっと気を付けて使わないといけないなと感じています。

アフリカの市民社会、NGOといっても、エリート志向の人も実際多いです。
でも、地域と人びとに根差した活動を、これほどまでに当たり前に基本とする皆さんと出会い、心の底から感激しています。彼らに出会う機会がなかった方々には、是非次の機会をと思っています。

彼らの闘いは「尊厳」と「命」をめぐるものです。
そして、モザンビークという国の「民主的な統治」をめぐるものです。
何より、モザンビークだけでなく、日本も含む世界の「正義」をめぐるものです。
私たち自身も、単なる「援助事業の少しばかりの修正」といった論理に陥らないようにしたいと思います。

皆さんにお願いです。
彼らはこの間ずっとモザンビーク内で脅迫と分断工作を受けています。
それでも勇気を振り絞って、来日されました。
私たちを信頼してのことでした。

公開書簡を出したことで、よりそれが強まって、彼らがこちらに来ている間ずっと、現地の仲間たちが嫌がらせを受けています。

私たちの税金で行われる「思いつき打ち上げ花火事業」が、あまりにトップレベルを巻き込んだものであるために、あまりにトップダウンでなされてき たために、そして「l巨額のカネが絡む」ために、自分のカネのためではなく、農民と社会と将来の世代のために頑張るモザンビークの良識ある心優し い、異議を唱える農民や市民組織のみなさんに命の危険と、社会分断を及ぼしています。

事業は未だ始まったばかりとか誤解などとJICAは反論しているようですが、既にプロサバンナ事業開始後、投機目的の土地収用がプロサバンナ対象 地で急速に企業によって行われているのは事実です。その中には、大統領のファミリー組織も含まれています。また、社会内部で分断が進んでいってい ます。私たちの税金、国際協力は、このようなもののために使われるべきだったのでしょうか?

彼らが帰国前にお願いしたのは、
①現地で声をあげる人達の安全を一緒に守る方法を一緒に考え、行動に移すこと、
②この問題に引き続き関心を持ち、情報を共有し、共に闘い続けること、
③一人でも多くの人にこの問題を伝えること、
④国民の8割を超える小規模農民の農業生産こそを国の中心政策とするための「家族農業支援国家計画」作りにモザンビーク政府が取り組むよう、 JICAや日本政府、日本の市民社会、ブラジルや世界の世論が盛り上げるよう協力すること
⑤外務省・JICAとの対話ルートをオープンにし続け、補強すること、
でした。

ボールは、納税者であり、有権者である日本の我々のところにあります。
日本の市民の皆さん、JICAや外務省、コンサルタントの皆さん、皆さん一人一人の責任です。

今なら未だ間に合います。
そこに暮らす圧倒的多数の8割を超える小規模農民の皆さんの権利を守り、彼らの自らの発展のため、私たち自身が変わりませんか?

JICA、外務省、コンサル、援助関係者の責任ある行動が求められています。

しかし、JICAは今回も相変わらず「Misunderstanding」という言い訳をしています。
命がけ公開書簡に対して、「誤解」はないと思いますが?

去年10月にUNACがプロサバンナ批判声明を出してからJICAがやってきたことはなんだったのでしょうか?講演会でも、NGOの意見交換会への質問状でも、メディアのいずれの報道に対しても、
「誤解だmisunderstanding」
という言い訳をし続けてきたのですが、さすがに何度も彼らと直接会って話をするようになって、そんなことを言う立場にも現状にもない・・・と思ったのですが・・・。

今回メディアが問い合わせた際のJICAコメントのすべてがこれでした。

(自分の目でご確認を)
日本語(6記事・1番組)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
英語(4記事)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html

つまり、あまりに何も変わらず、止むえず他にもやるべきことを沢山抱えた農民や市民社会の皆さんを、日本に来て訴えざるを得ない状況を生み出しながら、問題の核心を、自分の立ち上げた事業や手法に対してではなく、モザンビークの農民組織の問題にすり替え続けているのです。

そこには、真摯な反省も改善への努力も見当たりません。当事者である、命をかけた人達への思い遣りもありません。おそらく、モザンビーク農民組織や市民社会には聞こえないだろうと思っての発言なのでしょうが、このグローバル化の時代、彼らの耳にしっかり届いています。そして、彼らのJICAへの信頼感をずたずたにしています。そして、心を傷つけています。

そもそも、「協議がない、参加できていない」という批判には、
「ステークホルダー会議に出席していた」という反論。

「説明がない」という批判には、
「事務所にいって説明した」という反論。

なのに、いざ農民組織が公に非難声明を出したら、
「コミュニケーション上の誤解」?????

これらすべてを「やられる側」はしっかり目を見開いて眺めているという感覚がまったくないのでしょう。「やられる側」の厳しい目線というのを、どうしても日本の主流の人達は敏感に感じられない。ここまではっきり意思表明をしてもなお、「誤解」「反対とはいっていない」・・・という始末。

やはり、グローバル化時代のコミュニケーションの課題は、言語能力ではなく、人としての他者との関わり、社会との関わる能力につきる・・・と外国語大学の一教員としても再確認した次第です。いつもいってきたけど。

もちろん、日本的な、「処世術、組織防衛のための当たり障りのない公式見解」というつもりなのでしょうが、そんなの今日生きるか死ぬか、明日食べるものがあるのか?という日常を暮している人達に通じるわけもないのです。グローバルな仕事をしているはずの人達が、相も変わらず日本の処世術が通じると思っている(?)ところが、もう絶望的です。彼らを税金で支える意味はなんなのでしょうか・・・。

いい加減に、「人のせい」にするのをやめてほしい。
反省の地平からしか、新たな一歩を踏み出せない。
「緊急停止」という私も驚いた一言を彼らが命をかけて勇気を振り絞って書いた意味を、心の真ん中で受け止めてほしい。

皆さんにとっては一時的な「仕事上の担当」。これさえ上手くやり過ごせば、次はなんとかなる。そんな風に思っているのかもしれないですが、この姿勢そのものが、そこに暮らしている人達の運命をどこまでも左右するカギを握っておきながら、人として無責任な姿勢だと思います。

「国際協力」などという名称を使うべきではない行為だと思います。
そんな人達に私たちの税金を託して「国際協力」をお願いした覚えはありません。
どうしてもやりたいのであれば、自分のお金や自分が社会に呼びかけてやってください。自動的に、当たり前のように、私たちのお金を使わないでください。
(と考えるの私だけでしょうか?)

さて、いささか説教じみましたが、一般の皆さんは、是非以下にご協力を。

森下さんの記事を是非広めてください! 
Huff Post International (6月2日森下麻衣子)
TICAD V:モザンビークの人々から安倍首相に手渡された驚くべき公開書簡
http://www.huffingtonpost.jp/maiko-morishita/ticad-v_b_3373974.html
*開設以来最高の閲覧数になっています!

そしてコメントする場合は、是非参照すべきニュースソースを示して下さい。
「ふーーーん」で終わらないため、他のソースを是非紹介を。
以下、ソースがある場所を提案しておきます。

①日本では語られないセラード農業開発の問題について
(ブラジル・エコノミストによる分析、5月29日のPreTICAD国際シンポで発表されたパワーポイント)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-34.html
②日本・ブラジル・モザンビーク首脳宛「プロサバンナ事業の緊急停止を求める」公開書簡
(モザンビーク主要な農民諸組織、対象地北部のコミュニティ組織、宗教組織、市民社会組織23団体による)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
③来日中のモザンビーク農民組織や市民社会のインタビューの記事・番組一覧
日本語(6記事・1番組)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
英語(4記事)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html
④プロサバンナ・マスタープランに関する
日本の専門家分析:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-24.html
現地・世界の市民社会組織による緊急共同声明:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-21.html
⑤プロサバンナ関連資料・分析・声明一覧(アーカイブズ)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-18.html
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# by africa_class | 2013-06-04 15:08 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【メディア一覧】日本語のみ

既に紹介したものもありますが、記録のために一挙掲載。
後2本ほど記事化されているものがあるそうですが、今は待機。

1. 新聞記事
■ 朝日新聞(アフリカはいま)眠れる大地、「緑の実験」 モザンビーク穀倉化計画 (2013年5月29日)
←http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201305280673.html

「貧しい農民、強制移転懸念」
「(前略)プロサバンナでは、農地として最低でも10ヘクタール以上の耕作面積が必要とされるが、モザンビークでは5ヘクタール以下の畑を持つ小農がほとんど。同国最大の農民組織UNACは、計画が進めば農民が強制的に移転させられるなどの恐れがあると指摘。さらに「農民が計画に全く関与できていない」と批判している。(略)対象地ナミーナの農家。「暮らしは決して楽じゃない。(略)政府は雇用も増えて生活も良くなるというが、違う土地に移転させられてまでは望んでいない。この年では農業以外できない。故郷を奪われるのだけはごめんだ」
「収入激減の例も」
疑心暗鬼になるのは悪い前例があるからだ。北西部テテ州のカテメ。豊富な石炭が周辺に埋蔵されていると分かり、2010年、700世帯以上の農家が40キロ離れた土地に移転を強いられた。最初は拒んでいたが移転を受け入れた農家によると、「農産物も増え収入もよくなる」と説明されたが、「実際に住むと説明とはまったく違っていた。農業に必要な水を引く川も近くにない。畑まで4時間も歩かなくてはならない」(略)収入が激減する農家が続出。去年1月には、500人以上が資源会社が使用する鉄道や道路を封鎖するなどして、逮捕者が出る騒ぎとなった。政府と住民の緊張関係は未だにくすぶる。(後略)」

 ■時事通信
「小規模農家は不安=日本の支援に注文-モザンビーク」
(2013年6月2日)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013060200097
「日本がブラジルと手を組み農業開発を進めているアフリカ南部モザンビークから農民団体の代表が来日し、第5回アフリカ開発会議(TICAD5)開催中の横浜市で2日、「小さな農家の不安は強い」と日本の支援に注文を付けた。大規模農業開発で土地が取り上げられるのを恐れている。(中略)自らも家族で畑を耕す小規模農家というモザンビーク全国農民連盟(UNAC)のマフィゴ代表は「アグリビジネス(農業の事業化)も資源開発も一緒だ。農民が大々的に土地を取り上げられることを過去の経験から知っている」と述べ、小規模農家の意見を聞くよう訴えた。」

2. テレビ番組
■ BS朝日「いま、世界は」(2013年6月2日)
トップ・ストーリーズ 「TICAD~アフリカ開発会議」
http://www.bs-asahi.co.jp/imasekaiwa/
「6月1日から横浜で開催されるTICAD(アフリカ開発会議)安倍総理大臣もマラソン会談を繰り広げるなどアフリカ支援に力を入れている。急激な経済成長を続けるアフリカは、中国やインドなどの新興国企業も続々と進出、世界市場の新たな”可能性”として注目を集めている。中国に比べ進出が遅れているアフリカ地域で、日本はどう巻き返していくのか?さらに、モザンビーク支援に見るアフリカの知られざる光と影とは?」

コメンテータ
五十嵐浩司 (前朝日新聞編集委員)
伊藤洋一 (エコノミスト)
金慶珠 (東海大学国際学科准教授)

<=後半しか見ていないのですが、
・29日PreTICAD 国際シンポジウム「いまアフリカ農村で何が起きているのか?」の様子
・モザンビーク全国農民連盟UNACのVicenteさんのインタビュー
・2日のTICAD公式サイドイベントで紹介された映像(プロサバンナ事業対象地である現地の農民たちが、「住民移転反対」「プロサバンナ以外のわれわれのやり方を守る」などのバナーを掲げてマーチをしている姿)も写っています。

<=金さんのコメントが素晴らしかったです。
「過去の韓国での独裁の経験で市民社会は苦労した。モザンビークの農民組織がうらやましい。そのようなグローバルな闘いができて」と、伊藤さんの「なぜモザンビーク農民がわざわざ日本まで来てこういうことを訴えているのか?」という問題提起をした際におっしゃってました。

最後は、コメンテイターのみなさん、「インターネットでつながる時代。地球上のどんな国でも開発独裁を応援する時代じゃないよね」という結論でした。すごく的確なまとめ。


■NHK:ク ローズアップ現代「アフリカの成長をとりこめ “チーム ジャ パン”の新戦略」
2013年5月30日19:30~19:56(再放送:6月1日 12:10~)
http://www.nhk.or.jp/gendai/

<=JICAと日本企業の「プロジェクトX」的番組。「中国に対抗するため、モザンビーク北部は日本のため何ができるか」/「中国に勝つために日本がモザンビークを使い、オールジャパンで頑張るべきこと!」的番組。

現地で生じている大豆生産のための土地を巡る紛争や農民組織らの抗議については全く報じずだったことが、本当に残念です。
【分析】「NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)」
->http://afriqclass.exblog.jp/17873533/


3. Onlineジャーナル
■TICAD V:モザンビークの人々から安倍首相に手渡された驚くべき公開書簡
(2013年6月2日)森下麻衣子
http://www.huffingtonpost.jp/maiko-morishita/ticad-v_b_3373974.html
「TICAD V(第5回アフリカ開発会議)に特段興味がなくとも、大豆食品を食べる全ての人に知ってほしい話がある。第5回を迎えるアフリカ開発会議の開幕前夜の3月31日、安倍首相主催のレセプションにおいて、モザンビークから来日した一人の男性が同国の十数万の人々より託された公開書簡を首相に手渡すという任務を全うした。その内容は、日本に対して大きな問いを突きつけるものだった。

「援助から投資へ」――6月1日から3日にかけて横浜で開催されるTICAD Vの打ち出しは、明確だ。「最後のフロンティア」と目されたアフリカの豊かな天然資源を獲得するため、オールジャパンで日本企業による対アフリカ投資を後押しし、中国や韓国に対する出遅れを挽回する。海外投資を呼び込むことでアフリカ経済を成長へと導く。これこそ理想的な「ウィン・ウィン」だと。

果たして本当にそうなのか。

公開書簡に話を戻そう。モザンビークの農民組織やNGO団体により起草された「公開書簡」を安倍首相に渡すという重任を託され来日したのは3人。(後略)」
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# by africa_class | 2013-06-03 23:41 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

Media coverage:English Article on ProSAVANA and people's protest

FYI

English articles on the ProSavana programme and people's protest.
=>http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html

1. The Japan Times(KYODO MAY 31, 2013)
"Mozambique farmers seek halt to aid project"->http://www.japantimes.co.jp/news/2013/05/31/national/mozambique-farmers-seek-halt-to-aid-project/#.UagW7tKpVSQ

"Farmers in Mozambique are calling on the governments of Japan, Brazil and Mozambique to halt a project aimed at supporting agricultural development there, saying it will result in land grabs.
Members of the National Peasants Union, known as UNAC, which represents peasants across Mozambique, and representatives of international nongovernmental organizations issued an open letter Wednesday that the ProSavana program is designed to facilitate foreign investment and will jeopardize the local production system based on family-run agriculture.”

Originaly published at the following site:
->http://english.kyodonews.jp/news/2013/05/227493.html

Previous article also postedon the Japan Times, but only depend on the information provided by JICA. The name of the biggest farmers association in Mozambique who came to Japan to share their protest with the Japanese public was not mentioned, nor interviewed even by e-mail....It's clear that the problem wasn't rooted in "misunderstanding". Please read the above or following article.

"TICAD to redefine Japan aid to Africa:Decades-long economic slump means Tokyo has to change tack" BY JUN HONGO
->http://www.japantimes.co.jp/news/2013/05/09/national/ticad-to-redefine-japan-aid-to-africa/#.UahSotKpVSQ

"In February, farmers from Mozambique visited Japan and held news conferences to express concern over Tokyo’s assistance to the region. Some claimed that they feared losing their source of income once their land is used for massive production projects to generate global exports.
“There is some misunderstanding that needs to be resolved,” Sakaguchi said, explaining that projects like ProSavana will proceed with the utmost care for local farmers."

2. Kyodo News (June 3)
"Concern mounts over agriculture development plan in Mozambique"
->http://english.kyodonews.jp/news/2013/06/228382.html

YOKOHAMA, June 3 Kyodo - While Japan advocated investment and private sector-led growth in Africa at a just-ended conference on the region's development, concern mounted among civil society groups that an agriculture project in Mozambique, which Tokyo is pushing through as one of its key projects in Africa, may end up depriving local farmers of their land.

"Small farmers are really concerned about the project," Augusto Mafigo, president of Mozambique's National Peasants' Union known as UNAC, said in an interview with Kyodo News.

The program dubbed "ProSavana," which is promoted by the Japanese, Brazilian and Mozambican governments, eyes developing a vast area of intact savanna in northern Mozambique, encompassing more than 10 million hectares of land in three provinces.
(..)

3. Japan Today (June 3)
"At TICAD, clumsy diplomacy mars controversial Japanese aid project in Mozambique"
By Dreux Richard
->http://www.japantoday.com/category/politics/view/at-ticad-clumsy-diplomacy-mars-controversial-japanese-aid-project-in-mozambique

"At TICAD, clumsy diplomacy mars controversial Japanese aid project in Mozambique"
http://www.japantoday.com/category/politics/view/at-ticad-clumsy-diplomacy-mars-controversial-japanese-aid-project-in-mozambique

"(...)ProSavana faces opposition from a coalition of Mozambican farmers’ unions and civil society groups who sent their own delegation to TICAD this weekend. They claim that Japan’s aid apparatus, which is financing and implementing much of the project, has failed to solicit adequate community input, and that the project’s details weren’t presented to its supposed beneficiaries until this March, when the coalition requested a meeting with JICA. For coalition member Antonio Muagerene, who has been reading about his home region’s forthcoming fate in newspapers for years, the notion of Japanese aid agencies treating his nation’s farmland like a jigsaw puzzle is unnerving. “These are our lives you’re talking about,” he said on Sunday."

Muagerene, a civil society organizer in one of the Mozambican provinces targeted by ProSavana, takes personally the suggestion that Mozambique’s small farms are ineffective by design. At age seven, he purchased his first school supplies with money earned from a modest peanut patch his parents had given him to cultivate. His parents later paid for his college education with their farm’s modest revenues. He points out that some of the rhetoric underlying the ProSavana sales pitch is schizophrenic: aid donors seem fond of mentioning that Mozambique’s farms aren’t productive enough to feed the nation, but the ProSavana plan would encourage the cultivation of commodity export crops, very few of which would be sold by Mozambican companies or consumed within the country.
(...)

On Sunday, I spoke with a member of Malawi’s delegation to TICAD, who asked that his name be withheld because he had not been authorized to comment on ProSavana. “Given what we’ve learned in Malawi, to even consider the implementation of this plan in its current, corporatized form is profoundly naive. It has nothing to do with food security in Mozambique and everything to do with the end of cheap land in Brazil; agriculture companies need a new source of cheap land to exploit.” he said.

Muagerene says the farmers’ coalition isn’t trying to prevent the implementation of ProSavana or discourage investment, but to create an adequate space for community input and the discussion of potential consequences. (...)"
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# by africa_class | 2013-06-03 23:39 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ