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続報:ブラジルVale社炭鉱の土地収用&移転への住民抗議のその後

やっと訳す時間が出来ました。
ブラジル鉱物資源会社Vale社に対するモザンビーク・テテ州モアティゼ郡の農民らの抗議に関する続報です。詳細は、先に以下の投稿と情報をご覧の上、お読みください。

しかし、国際報道も国営放送内容も、まったくあてにならないことがこれで良く分かりますね。この問題は、資源ブームで湧くモザンビークに急速な進出を目指す日本企業関係者やそれを奨励する経産省や外務省、JETROやJICA関係者にもよく注目してほしいと思います。

Vale社は例外・・・ではありません。この声明に述べられているように、モザンビーク政府・政治エリート・警察が三つ巴になって、民衆の権利や利益を顧みず、外国企業の利益を守ろうとしている姿を、モザンビークの住民らがどのような思いで眺め、闘って、苦しんでいるのか・・・よく見て下さい。そのようなことを、メディアも、政府も伝えません。ある日気づいたら、「アラブの春」「アルジェリア事件」・・・となるのです。


■モザンビークで、ブラジル鉱物資源会社Valeの炭鉱道を住民が封鎖、警察が発砲3名負傷~市民社会の声明(4月18日)
http://afriqclass.exblog.jp/17644029/

4月19日の声明は訳す余裕がないのですが、大体今回の22日声明に反映されているので、気になる方は、[More」に掲載した原文を読んでみてください。

4月19日声明
■Famílias Atingidas Forçam Diálogo com a Vale e Prometem Endurecer a Luta
「Vale社に土地収用された家族らが対話を求め、闘争は強まるだろうと主張」

4月22日声明
■農村コミュニティ開発のためのアカデミックアクションADECRU声明
ACÇÃO ACADÉMICA PARA O DESENVOLVIMENTO DAS COMUNIDADES RURAIS
「土地収用が行われた家族らは、Vale社に対し、闘いはより強まると最後通牒」

2013年4月22日、マプート

ADECRUは、カテメ地域と9月25日地区の第六ユニットの土地収用され、移転させられた1365家族とVale社代表の間で行われた「交渉プロセス」について緊急非難する。

ADECRUは、同様に、4月19日15時半~16時半までの間、モアティゼ郡行政府の建物の中で行われた最初のミーティング以来、これら1365家族の代表者らに加えられた操作工作、脅迫、抑圧の試みに対し、非難する。

これらの家族の代表によると、このミーティング中、Vale社と政府の代表がほとんどレトリックを話し、この企業の操業停止中に生じた損益について、これらの家族を叱責し、責任を押し付けた。

4月19日、プレスリリースで、ADECRUは、この交渉のためのミーティングが、意識の操作や脅迫に道を拓くことになると注意を喚起した。そして、これは実際のものとなった。Vale社は、再度、被雇用者を代表に立ててきた。つまり、誰も意思決定権を持たないばかりか、モアティズ郡のVale社諜報安全サービス長によって命令を受けている被雇用者をである。モザンビーク政府の側は、RPM(モザンビーク警察)の郡司令官が、これら家族に明らかな脅迫を行った。

「警察は、Vale社のために仕事をし、民衆やモザンビーク国家のために仕事をしているようにみえなかった。我々が抗議し、それを表明したら、牢屋に入れられ、拷問され、殺される。そうであれば、表現や抗議の自由のような法律はなかったほうが良かった。我々の権利を主張などしないために。これらの権利はある人には機能し、他の者には機能しない」と、このミーティングに参加した家族委員会のメンバーは非難した。

「我々は、2009年から止まったままの状態にある。我々の損失と苦悩の一方で、Vale社が操業開始し、生産し、輸出し、石炭を売って、驚くほど高い利益を得ている中で。我々は、家族を食べさせ、支えなければならない。我々の問題提起は生活における基本的なものである。しかし、彼らは、抗議のインパクトと損害について話しをしたく、我々の抱えている懸念については話そうとしなかった。」と、強調した。

ADECRUは、1時間しかなかったこのミーティングの最後に、家族の代表らが、4月26日(金曜日)までに、Vale社が、公衆の参加と協議のプロセスの中で行なわれた同意と約束を履行するため、この正当なるすべての問いに対し、返答するように最後通牒を行なったことを確認した。家族らは、この闘いが強いものになるであろうことを述べた。

ADECRUは、このプロセスにみられる深刻な過ちや悪徳には、Vale社がモザンビーク政府に対しどのレベルにおいても持っている影響力、介入力、そして権力が反映されていると考える。そして、公衆の利益、国家主権が、巨大な多国籍企業と共存するごく少数の政治的エリートの私的な利益に従属していることが明らかになったと考えている。

もうすぐ飛行機が出るので、訳す暇がないので原文貼り付けておきます。どなたか訳せる人がいたらメール下さい。

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# by africa_class | 2013-04-21 00:21 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

モザンビークで、ブラジル鉱物資源会社Valeの炭鉱道を住民が封鎖、警察が発砲3名負傷~市民社会の声明

未だポルトガル語ニュースしか流れていないようなので、急ぎ紹介しておきます。国営新聞の報道はかなり弱いですが、市民社会の情報はかなり厳しい状況なことが示されています。国際ニュースも事態を正確に捉えていないので、全訳(ほぼ)し、解説を載せました。続報が現地から入ってきましたが、空港から訳して載せます。

なお同じテテ州に新日鉄住金が4月4日、炭鉱の採掘権を取得し、2016年から操業開始。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130404/biz13040413450009-n1.htm

日本はブラジルと連携して、テテ州の炭鉱とナカラ回廊を結ぶ「ナカラ回廊プロジェクト」、同回廊沿いの農業開発を行う「プロサバンナ事業」で、ブラジルの官民と連携していますが、本当にこれでいいのでしょうか?こういう現地の状況や、現地住民の生活の破壊問題、ブラジルのアフリカ進出の野心、その背後にいるグローバル資本について自覚があるのでしょうか?

そもそも、2000年からしか在外公館を置かずJICA事務所がなく、モザンビークと関わる邦人が少なく、情報や知見の知見もないモザンビークで、こんな大規模開発を担うだけの、そしてブラジルの野望に振り回されないだけの外交能力や実務能力、情報収集能力など、あるのでしょうか?たった2人だけのモザンビーク研究者として、20年近く同国に関わる者としてとても疑問に感じます。

BBCがニュースにしてました。
■Mozambique protesters at Brazil-owned Vale coal mine
「ブラジルのVale炭鉱にモザンビーク人抗議者たち」

→http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-22191680
モザンビークの炭鉱の入り口を何百という抗議者らが、住民移転に際した補償を不服として封鎖している。一人2千ドル(20万円弱)の補償では足りないと、特にレンガ作りに関わる者が述べている。

<=が、これ国営新聞と同じような報道ですが、現地の市民組織の声明の深みがないですね・・・。要は「補償が足りない」ということが、金銭的な問題にすり替えられ、住民が降ってわいた一時金に対し「強欲」かのように思える書きぶりです。

■今回の抗議は次のものとして理解されるべきでしょう。
①2008年に同地に進出したVale社によって、5000家族が土地収用された。
②これら住民は、立ち退き・移転のプロセスや補償内容、その結果生じた生活苦について異議申し立てを2009年末から継続。
③その抗議の一環で、Vale社への補償内容見直しを求めるが拒否。再度の対話を求めて、道路封鎖。
④しかし、警察が強制排除を行い、住民が逮捕。その釈放を求めた住民が牢屋に集結。
⑤警察がついに催涙弾やゴム弾などを使って住民に発砲、負傷者が出た。
⑥警察はそれを否定。

<何が起きているのかの過去の投稿>
■「ブラジル鉱業企業と地元住民の土地紛争:「死んでもここを動かない」
http://afriqclass.exblog.jp/17432081/
■「ビルマでの援助と土地収用とプロサバンナ問題」
http://afriqclass.exblog.jp/17288876/

こういう状況の中で、日本が援助するプロサバンナ事業は、ブラジル政府と民間と共に、行われようとしているのです・・・ね。なお、日本の「ナカラ回廊プロジェクト」は、ナカラ回廊の先っぽを、このValeの炭鉱においており、「Vale鉄道」との連結を目指しています。「三角協力」・・・の恐ろしさを自覚あるのでしょうか。

<この件と日本との関わりについての過去の投稿>
■「三角/南南協力の罠3~モザンビーク住民に暴動されるブラジル企業進出と日本援助(ナカラ回廊PJ)の関わり」
http://afriqclass.exblog.jp/17274648/
■「三角/南南協力三角/南南協力の罠2~世界の議論(没政治性問題について)
http://afriqclass.exblog.jp/17274194/
■「三角/南南協力の罠1~BRICSが自らを「南」に位置づけ行動の自由を確保するメリットの指摘から学ぶ」
http://afriqclass.exblog.jp/17265850/

また、農民にとって土地が重要でない、「移転させればいい」「どこでも同じ」「アフリカ農民は土地に執着ない」「土地は沢山ある」・・・という、現在プロサバンナにみられる話は、1997年の土地法制定時にも該当しなかったし、今現在はもっとその状態にありません。そのことを、未だ理解されていないようで・・・。(勿論、地域差はありますが、モザンビーク北部では小農にとって土地は凄く重要です。ましては、肥沃な土地をわざわざ選んで住んでいる農耕民にとっては)

■国営新聞
Manifestantes paralisam minas de carvão de Moatize
http://www.jornalnoticias.co.mz/pls/notimz2/getxml/pt/contentx/1642179
Vale社の鉱山コンセッション内の500人近くの若い陶工(レンガ作り)らが、火曜日(4月16日)の夜中に、幹線道路や鉄道に、丸太や石を使ってバリケードを築き、鉱山への車や鉄道のアクセスを妨害している。(2013年4月18日)
UM grupo de cerca de 500 pessoas, na sua maioria jovens oleiros abrangidos pela concessão mineira da Vale, em Moatize, província de Tete, colocou durante a noite da passada terça-feira, troncos e pedregulhos fazendo barricadas nas entradas de saída de viaturas e na linha-férrea usada para o escoamento do carvão mineral.Maputo, Quinta-Feira, 18 de Abril de 2013:: Notícias


■現地人権活動家の報告に基づいた市民社会声明
*この場合の「家族」は住民のことです。
以下読むと分かるように、警察は「集会、マーチなかった」「治安維持だ」と自己正当化しているとともに、発砲の命令が郡長なのか司令官なのか、責任のなすりつけあいがされています。現場に人権活動家がいて初めて、このような情報は分かりますし、他方それを世界に発信してくれるNGOがいて初めて私たちは情報を知ることができます。ただ、彼らも英語にする余裕がなく、サイトを持っているわけでもなく、私の方に誰か英語にしてくれ、掲載する人がいればいいのですが・・・。

ACÇÃO ACADÉMICA PARA O DESENVOLVIMENTO DAS COMUNIDADES RURAIS
「モザンビークのVale社の炭鉱で、警察と家族(住民)らが暴力的衝突」
Violência e Confrontos entre Polícia e Famílias na Mina da Vale em Moçambique

「ADECRU」は、4月16日から続く、無防備な市民や家族らへの暴力や弾圧や逮捕を緊急非難する。これらの人々は、2009年末から、Vale社が現れて以来、同社によって行われた非人間的な住民移転に対し、抗議し、クレームを表明していたものである。彼らは、同様に、モザンビーク共和国警察PRMによる、Refo Agostinho Estanislau(レフォ・アゴスティーニョ・エスタニラウ」という名の市民の専横的な拘留に抗議する。彼は、「暴力を扇動した」との罪を着せられた。

「ADECRU」は、彼の即時釈放を求める。PRMと国家情報安全サービス(SISE)に、これらの市民や家族の逮捕を直ちに止めるよう要求する。これらの人びとは、法に基づき、彼らの基本的自由と権利の尊守のために闘っているからである。これは、憲法で保障された直接参加型の人民民主主義の原則に基づいた行為に過ぎない。

また、Carbomocという名の第9地区のPRMにみられた、これらの家族と警察の部隊との間で生じた緊張と衝突に警告を発する。これらの家族は、Vale社を利するために続けられた不正義を可能とするモザンビーク政府の行動と警察に対し、多くの犠牲を払っている。

「昨夜17時頃、警察は銃を使って、我々に発砲した。3人が少なくとも負傷した。警察は、その間、われわれの仲間たちを捕え、今も拘留されたままである」、と陶工で2日に渡って抗議行動に参加したTaibo Ismael(タイモ・イスマエル)は述べた。

ADECRUは、本日2013年4月18日、Vale社によって移転させられた家族らとPRMとの衝突を確認した。これらの家族は、集まり、警察によって昨日拘束されたレフォ・アゴスティーニョ・エスタニスラウの解放を求めて、牢屋までマーチしていた。

ADECRUがコンタクトしたこれらの家族によると、昨夜17時頃、PRMは、催涙弾やゴム弾を使って、16日から、「モアティズ炭鉱プロジェクト」へのアクセス道路を封鎖していた500人を超える人びとに発砲したという。
同プロジェクトは、Valeモザンビークによって特許が持たれ、操業されているが、操業停止に追い込まれた。(略)

モアティズ郡長Elsa Maria Fortes Xavier da Barcaは、ADECRUの問合せに対し、PRMの行動は彼女の命令によるものではないと、PRMの郡司令官が言ったことを否定した。「情報がなく、司令官に何が起こったのか確認しているところである。現時点で軍司令官だけがこの件で話ができる」と述べた。

一方、軍司令官Jaime Samuel Mapumeは、これらの家族への発砲は、次のことによるという。「公共の秩序、安全、安定に危険を及ぼした全ての者に発砲した。この市民を逮捕したのは、暴力を開始したからだ」。と同時に、同司令官は、警察の行動により、負傷者が出ていることを否定した。「誰も負傷していない。現在静かな環境にある。」

無差別の発砲とPRMによってつくられた緊張と衝突が誰の命令によるものなのかの問いに対し、同司令官は次のように述べた。「集会し、マーチした、(Vale社によって)移転された家族なんて一家族もいなかった。何が起こったかというと、拘留されている男性の15人程度の仲間たちが、彼を解放しようと牢屋に侵入しようとしたのである。警察はここ数日の状況が再発しないよう保証するようこれらのグループに求めたい。

現在、ADECRUのMoatizeに拠点を置く人権活動家によると、現在Vale炭鉱は再度機能し始めたという。また、牢屋の前に、大勢の家族らが押し掛け、Refo氏の解放まで動かないと約束している。

最後の情報によると、SISEは、第九地区を武装してパトロールしており、いつでも暴力的弾圧と衝突が可能な状態にある。ADECRUは、現場に同行し、このような雰囲気が市民との衝突と死者を出すことになりかねないと警告を発した。ADECRUは、これら1365を超える家族、Refo Agostinho Estanisaluとの連帯を表明し、即時釈放を要求する。

2013年4月18日
ADECRU, Maputo

以下原文。続きはmoreをクリック。
  A Acção Académica para o Desenvolvimento das Comunidades Rurais – ADECRU denuncia com urgência o uso excessivo da força, intimidação e perseguição às famílias e cidadãos indefesos, que desde o passado dia 16 de Abril de 2013 protestam e reivindicam seus direitos, depois de terem sido atingidos e reassentados desumanamente pela Vale em finais de 2009. Denuncia igualmente a detenção arbitrária do cidadão Refo Agostinho Estanislau, pela Polícia da República de Moçambique (PRM), afecta ao Comando Distrital da PRM de Moatize, acusado alegadamente de “incitação a violência”.
 

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# by africa_class | 2013-04-19 02:17 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

Why&How Negrão先生はモザンビーク土地法(1997年)成立に尽力したのか?~農民にとっての土地、学者

Negrao先生についてはこちらを先に
→http://afriqclass.exblog.jp/17641224/


ジョゼ・ネグラオン先生が、どういう想いで土地問題に関わったのか、以下のインタビューを。訳す暇がなく、すみません。アフリカ中の農民の土地の権利が危うくなっている現在において、一読の価値があると思います。一応抜粋を貼り付けておきます。

そして、先生と一緒にこの土地法制定に尽力したのは、お馴染みのUNAC(モザンビーク全国農民組織)です。

「ゾーニング」という、プロサバンナで今問題になっている概念が、当時どう議論されていたかに触れる良い機会でもあります。

なお、先日紹介したモザンビーク市民社会組織が何故、「第二の構造調整」とG8 New Alliance for Food and Nutrition for Africaと称したのか良く分かります。

■Interview with Prof José Negrão, Hero of Mozambique's Poor
Dr. José Negrão speaks with Oxfam America about the 1997 Land Law that has created opportunities for thousands of farming families in central Mozambique.
「ネグラオン博士がモザンビーク中部の何千という農家に機会を与えた1997年の土地法について語る」
http://www.mokoro.co.uk/files/13/file/lria/interview_with_professor_jose_negrao.pdf

土地法に関わったのは?
  It was around 1990, more or less, when the civil war peace agreement was being discussed. At that time the first thing we saw was the Dominglatura [the urban elite] mainly in Maputo, started realizing that the war was more or less over.

 So they started to grab land in order to do business. For example, [they did business] speculation with white Zimbabweans, with white South Africans, and God knows whoever else would come.

 So at the time of the peace agreement [it was in1992], we started foreseeing problems of scarcity of land in the countryside, not because all of the other land was being used, but because land with infrastructure was being allocated to new people, not in the field, but to ministers, foreign ministers, these kinds of people.

 Everyone [government officials and businessmen] became very afraid because of the resettlement of about five million Mozambicans who had been refugees in neighboring countries, and also internally displaced people. They were returning to their land.

 At this time, the World Bank came up with a proposition, which was when structural adjustment programs were very strong in Africa.

 The World Bank came up with the same proposition they did with every other program in the 90s, by titling every single family. The meaning of it was that they did not recognize communal rights, just individual rights, titling families and not communities. That was the bank's proposal. They assumed that this type of titling was something feasible.

 I should tell you that, at that time, just ten percent of the land in Africa was titled. Titling is really very complex, because it is a process. Just for you to have an idea, and for the readers in the US to have an idea, in my country, we have not been able- until today- to issue an identity card for every single citizen. Can you imagine the titling of land for each

 It would mean three million titles, it would be an unending process. It would be impossible, but that was the proposal of the World Bank.

 The government came with a proposal called "zoning." This means [the government would issue] a specific area for the private sector, another area for small holder, another area for state reserves like nature reserves, another area for towns, etc.
 
 I was working at the University, and wrote a paper saying this plan was not feasible and that it was a mistake. The proposal of the government was one hundred years old. It was the same proposal of the Portuguese settlers, from the end of the 19th century when they created native reserves.

 The proposal was to keep the dualistic idea that small holders would keep being small holders and that they would not become entrepreneurs, and they looked to small holders just like employees of the private investors.
 
 Why not think of the transformation of the small holder, individually or collectively? It can be done. So that was the main point, and I tried to criticize that position, of zoning by property, and not zoning by the potential of the land to be used for agriculture or cattle breeding. I believed that there was a possibility for collective titling, and not just for individual titling.
 
 The main point was that even if we agreed, technically it was totally impossible to do it. The World Bank tried to do it [private titling] in Ghana, and in ten years they spent something like 50 million dollars, and they have been able to title just 10 percent of the families.

 The point is, what is the alternative? And that's the moment when I came up with an alternative. 

 Why does the State only recognize the rights of land occupancy, the rights of the people, only when they have a written title or a piece of paper? Why doesn't the State also recognize the oral testimony of these people?

 Several civil society organizations read the paper. When they read it, I started receiving calls, and when it came to the press, several people called me, and said "we are nterested in developing these ideas." And that was the moment when it started.

 A lot of organizations followed suit, and we went to the Parliament and won. It was a lot of lobbying. More than 50,000 people in this country were conducting a land campaign.

One day I woke up, and I said "I'm afraid!"
I'm not supposed to have 50,000 people behind me. It's incredible! Even today there is always someone that recognizes me, and says, "Wow, this is the person that was involved in this thing. I was not expecting it.

The movement was much bigger than any initiative on my side, the movement was theirs.
The message was to orient to the demand. It was not supply driven, but demand driven. They said "this is what we want!"
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# by africa_class | 2013-04-18 15:23 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

追悼:農村の貧しい人の側に立ち闘い続けた開発経済学者にして活動家José Negrão教授から学ぶ

数日前に書いてそのままになっていました。
**
一つ大きな学術論文が終わりそうで少し安堵。といっても、締切が過ぎた/直前の原稿があと4つあるのですが・・・気が重く1つはもう諦めようとしています。後は断れないものばかり・・・。ああ。。。

なお、私、大学の皆さまのお蔭で4月1日からサバティカル(半年特別研修)に入らせていただきましたが、去年度末から病気療養中でして、せっかく夢にまで見た「実り多きサバティカル」が、なかなか困難に直面しています。皆さんから見ると、大変活発にやっているように見えるそうなのですが、実は病気がない時の半分ぐらいの力しか出せていない状態なのです。

それでも色々な事が出来る、あるいは出来ているように見えるのは、仲間と共にやっているから。そして、何より、支えてくれる家族、友人、近所、学生や元学生といった、社会関係資本のお蔭なのです。この場を借りて、皆さまに改めて感謝です。

いつもの調子でフルに仕事や活動をしたい私としては、歯がゆい思いが募っているのですが、「出来る時に出来ること」「頼めることは他人に頼もう」「出来ない時は出来なくていい」をモットーに、日々を過ごそうと試みています。

なので、沢山仕事が出来る時と出来ない時があって、書ける時には書いておこうという状態になるので、沢山投稿することもあれば、まったく出来ないこともあり、ご容赦下さい。

昨日、思い付きのようにツイットしたジョセ・ネグラオン(José Negrão)先生のこと、気になってここに貼り付けておこうと思います。

2005年に先生が亡くなってもう8年になるのですね。自分の中では、まだ信じられない。おそらく、それは先生が研究者でもあり、沢山のよい論文を残してくれたからだと思います。書いたものは、その時の時代感覚とともに、なのに先生ならではのいつまでも輝きを失わないシャープな切り口とともに、残っているから。

==
道半ばで亡くなったJosé Negrão先生の論稿に出会う。モザンビーク農民の権利のため立ち上がった先生の研究と市民活動の往復運動に改めて感動。凄い先生だった。
http://www.sarpn.org/documents/d0000650/P662-Relacoes.pdf

援助、開発経済学を志す人には、是非一読してほしい。
「誰の何のために何をどうやる」のか?
人の社会、生活を大きく変える「開発」なのに、そこの目線が弱いように思う。


■「開発ーモザンビーク:ジョゼ・ネグラオン、(貧困者に)関心を持った経済学者」
DEVELOPMENT-MOZAMBIQUE: Jose Negrao, An Economist Who Cared(2007年7月1日 IPS)
http://www.ipsnews.net/2007/07/development-mozambique-jose-negrao-an-economist-who-cared/
 「活動家で経済学者の故ジョゼ・ネグラオンは、南部アフリカトラストの変革主体賞を去年受賞した。彼の「子ども」であるモザンビークの「Group of 20」反貧困市民社会組織は、2007年の同賞にノミネートされている。

 ネグラオンの名前を出すと、彼の仲間や友人たちは、彼を「無欲で、モザンビークの貧困と闘うために人生の大半を捧げた人」という。(略)

 エドアルドモンドラーネ大学の開発経済学の教授であり、彼は、貧困者と社会変革のヒーローだった。彼は悲しむべきことに2005年に49歳で亡くなったが、多くの遺産を残していった。

 「彼は常に貧しい人の側に立った。多くの学者らとは反対に。彼は、貧しい人びとの声が、国家政策に反映されるように保証した」 「彼の重要な資質の一つは、 多様な意見の人びとを一つにまとめることであった。そんな人はめったにいない。」と、OXFAMのGraig Castro述べた。

 彼は、モザンビーク人の70%が暮らす農村における貧困削減への情熱で知られた。彼は、ジンバブエ、ザンビア、マラウイとの国境沿いのザンベジア州の農村に90年代滞在し、「農村の貧困者の経済行動」という博士論文をまとめた。

 「彼の論点は、貧しい人は貧しいままである。なぜなら、彼らは機会を持たないから。彼らが、経済・政治権力への機会にアクセスできれば、彼らは自ら状況を改善させることができるだろう、というものだった」と、ネグラオンがつくったモザンビーク首都にあるシンクタンク、Cruzeiro do Sul Jose Negrao Institute for Development ResearchのPomash Manhicaneの事務局長は述べた。

 彼は学生たちとともに、モザンビーク中を歩き、貧しい人たちと話し、貧困についての調査を行った。彼は、モザンビークにおける土地改革キャンペーンを主導したことで記憶されるであろう。彼は、15000人のボランティアを組織し、土地の私有化に反対するキャンペーンを実現した。

 彼は、貧しい人びと、特に女性らが、土地法の成文化に声を反映させられるように保証した。2002年には、デズモンド・ツツ司教リーダーシップ賞を受賞した。 本年1月、モザンビークの全国農民連合(UNAC: National Union of Peasants)は、ネグラオンの死を悼んだ。
==以上、記事引用終わり==

Negrão先生を知ったのはUEM(エドアルド・モンドラーネ)大学のアフリカ研究センター(CEA)で、ここは私も客員研究員を務めていたのだけれど、João Paulo Borges Coelhoとの共著原稿「モザンビーク解放闘争史」を見つけた時。

完成していた原稿。しかし発禁処分。タイプで打たれた原稿のコピーをかび臭いあのCEAの資料室で出会ったときの感動は、いい表すことはできない。私が人びとから聞いていた北部モザンビークの現実と、非常に似た現実がそこに描かれていた。

しかし、それは独立を導いたFRELIMOには、歓迎すべきものではなかった。運動というのは常に矛盾を抱えるものだ。FRELIMOが悪かったわけではない。むしろ、世界の解放運動の中でも、稀有なリーダーたちに導かれ、多くの成果を残したと思う。しかし、そこで出てきた課題や矛盾、それがどういう問題につながっていったのか・・・という歴史の教訓を学ぶには、「何が起きたのか?」の多様な姿を描くことは非常に重要である。しかし、長年の一党支配、存命の関係者が権力に就く中、そして自由化後の様々な揺れ動きの中で、「民衆の歴史」の一端は公開されることなく、研究所の片隅に封じ込められ、書いた本人たちも忘れるほど放置されていた。

彼らの描いた歴史は、地域社会の話を羅列したものではない。国際政治力学や地政学がいかに、人びとの上に覆いかぶさっていたのかを描いていた。私の『モザンビーク解放闘争史』は、ニアサ州を舞台にその作業を継続したものだった。

先生の博士論文は、以上の記事にある通り、「人びと中心の開発経済学」の名論文として、広く尊敬と感動を読んだ論文だった。

ジョセ・ネグラオン。「大きな黒い者」という名字のモザンビーク国籍白人。
アパルトヘイト下の南アに暗殺されたRuth Firstのいたエドアルド・モンドラーネ大学アフリカ研究センターCEAの研究員として、誰より農村調査を大切にした開発経済学者。国立唯一の大学にありながら、現場主義と人びとの側に立つことを徹底したCEAで、数年間客員研究員となれたことを誇りに思う。

Ruth Firstについて、彼女が遺したCEAについて、いつか書かないといけないと思う。モザンビーク市民社会、言論空間において、彼らがどれほど重要な役割を果たしてきたか?研究のための研究ではなく、人びとの声を政策に反映させるための、徹底した姿勢の。「人びとのための学問」を目指した、あのCEA。もとは、1940年代のポルトガルに集った殖民地出身者らが志向したもの。あの、アミルカル・カブラルらの。

ネグラオン先生の話。
5年後。次に先生を知ったのは、私が副代表を務めたTICAD市民社会フォーラムの市民活動であった。
その時先生は、貧困削減のための市民連合G-20を率いていた。

多くの日本のアフリカ研究者がそうかもしれないけれど、私たちはアフリカの事をアフリカの人びとに教えてもらった一学徒に過ぎない。私は、逆の方向でアフリカに出会ってしまった。国連の錦を背負って。

1994年、私は23歳だった。何も知らない。
なのに、平和や民主主義について、知っているつもりだった。
戦争をしていた人達よりも?
すぐに気づいたのに、大きな歯車の中で、私は立ち止まることができなかった。
自分の責任感が、それを止めたのだ。
「よい仕事をすること」
つまり、与えられた枠の中での「仕事」を貫徹すること。
しかし、それは、人びとの願いに耳を傾けた上での「仕事」だったのか?
本当に、人びとは何も知らなかったのか?できなかったのか?
NYで、マプートで決められるべきことだったのか?
NYやマプートに人びとは、この地の人びとのことを知っているのか?

私は自分の生真面目さと、与えられた仕事を上手くやろうとしてしまう気質の行きつく先は、この人達のことを踏みにじることになってもドンドン進んでいくことに加担すること・・・と気づいたのだった。

でも、「国際協力」の夢は捨てられなかった。
帰ってすぐに経験したのが、阪神淡路大震災だった。

モザンビークで持った疑問が、半年間活動しているうちに噴出した。
あれは、「国際協力」だけのことではなかった、と。

洪水のように押し寄せる「一方的な善意」。
構造の問題に取り組む間も、余裕も、考えも、もたないまま、目先の「支援」に走る私たちボランティア。
災害すらも「ビジネスチャンス」「利権の好機」として群がる利権者たち。
「計画」を試行するチャンスと、官僚が動く。
避難者同士のいがみ合い。
他方で、献身的な試みの数々。
子どもたちのけなげな頑張り。

自分の国・社会だから、見えてきたこれらのこと。
それは、モザンビークでも、国連でも、思い当たったことだった。

災害や戦争や貧困や飢餓の問題を、「緊急事態」としてのみ扱ってはいけない。
結局それは、中長期的にいって、そこに暮らす人びとの願っていた未来とは別の方向に誘導していくことになるから。

では、彼らはどうしたかったのか?
彼らはどう生きてきて、どこに行こうとしているのか?

神戸でも、モザンビークでも、どこでも、実のところ、そこから話や計画を立ち上げるわけではないことに、思い当たった。外部者の、「あなたのために」というセリフの底に隠された欺瞞。いや、隠されていることすら、介入者本人が気付かない、「あなたのため」というセリフは信念になり。

ジョゼ・ネグラオン先生の49年間。
それは、ビジョンに向かい、自分のすべてを、人びとのために使った人生だった。

今、先生が作ったあの土地法が、危機に瀕している。
先生の不在を嘆いてばかりいてはいけない。

先生は、私たちに道を示した。
道を続くかどうかは、私たちにかかっている。
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# by africa_class | 2013-04-18 14:37 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【拡散願】「お手紙プロジェクト」開始~子どもを守る福島のご家族の声~5月13日〆、NHKで紹介予定

昨日書いていたのは、このことでした。
http://afriqclass.exblog.jp/17617081/

どうやったら一般の人達にお母さんたちの想いを伝えることが出来るか・・・2年間考えに考え、色々な人と話し、相談し、具体的なアイディアを頂いて、構想し、準備して2か月。ようやく形になりました。

福島内外の子どもたち、お母さんたち、お父さんたち、お祖父ちゃんに、お祖母ちゃんに、地域の人びとに抱えている苦悩を書いてほしい。一人でも多くの人に耳を傾けてほしい。何年経とうと、勝手な「風化」はさせたくない、まだまだ皆知らな過ぎるから。以下、是非拡散してください。

なお、この先にはさらにサプライズがあるのです。「若い人達とどう繋ぐか」…の工夫。これも形になったら公表しますね。また、福島県以外の高線量地域のみなさんについては、FnnnPとしてではなく、個人として仲間たちと次の企画ができればと考えています。(なお、子どもたちには絵を描いて送ってもらっても良いですよ!FnnnP公式ブログではヤヤコシイので書けませんが・・・絵は活動の中で何らかの形で紹介します!)

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FnnnPは「お手紙プロジェクト」を始めます。
~子どもを守りたい福島のご家族の声~

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去る2月3日に開催した団体報告・討論会「東日本大震災・原発事故発生からもうすぐ2年、私たちは何をすべきか?http://fukushimaneeds.blog50.fc2.com/blog-category-16.html」の後、国内だけでなく、世界各国から取材申し込みや温かい応援メッセージを頂きました。

これらの報道で、改めて問題の深刻さを知り、「何かできないか」と考えて下さった方も沢山いらっしゃいました。
しかし、全体的にいって、多くの日本の皆さんは、被災者が抱え続けている問題について多くを理解せず、また「被災者支援法」については存在すら知らないという現実があります。

しかし、皆さまご承知の通り、原発事故の問題は、被災地や被災者だけの問題ではありません。私たち もまた、当事者です。そして、放射能の問題は、先の長い闘いを子どもを守りたいと願う沢山のご家族に強いています。私たちは、「復興」の掛け声の一方で、何年経っても続いていくであろう苦悩に、どうやって向き合っていくことができるでしょうか?

そこで、FnnnPでは、この問題を風化させず、ひとりでも多くの方にこの問題に関 心を持っていただけるよう働きかけることを目的に「お手紙プロジェクト」 をスタートしました。

また、この試みは、福島の子どもを守りたいと奮闘する県内・外の皆さまが、自らの「心の声」と向き 合う時間を持っていただくことも企図しています。まずは「お手紙」のプロジェクトを始動させ、次に「オーラルヒストリー」や「自分史」のプロジェクトも実現出来ないかと考えています。

いただいた皆さまの「お手紙」は、当会の活動の中で紹介させていただく他、NHKの番組として放映 される予定です。以下、詳細です。ふるってご応募下さい。また、ぜひこの情報を拡散してください。

2013年4月14日 
福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクトFnnnP
代表 舩田クラーセンさやか


詳細→http://fukushimaneeds.blog50.fc2.com/blog-entry-539.html
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原発事故で被災した皆さまからの手紙を募集します
<<締切:2013年5月13日(月)必着>>

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福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト(FnnnP)では、原発事故後、小さな子どもを抱えるご家族を中心に、福島県からの保養・避難のサポートや実態調査を行ってきました。同様に、 福島県内の子育て団体と協力し、実態調査を行い、明らかになったニーズに対応してきました。
(公式ブログ:http://fukushimaneeds.blog50.fc2.com/)

その中で、放射能に対する不安を感じていても声を上げられない、あるいは、地域や家族の中にも分断が起きている現実を目にしてきました。国策によってなされてきた原発政策、そして事故によって生じた苦悩を、個々の家族が背負わされる状態が続いています。

そうした状況を、一人でも多くの方に知っていただくため、FnnnPでは、子どもを守りたいと考え日々悩みながら生きていらっしゃる福島県在住、あるいは福島県から避難した皆さんから手紙を募集します。

「家族や地域の中での葛藤・軋轢」「放射能汚染と向き合う中での不安・精神的な落ち込み」など、これまで外に向けて話すことができなかった辛い経験。あるいは、「厳しい状況の中で救われた言葉や勇気づけられた経験」など、みなさんが今、心の中で抱えている想いを手紙に綴っていただけないでしょうか。

原発事故後、お一人お一人が経験された現実に耳を傾けることで、この問題を風化させず、自分の問題として捉えてもらえるきっかけになればと考えております。お寄せいただいた手紙は、FnnnPのウェブ上や、冊子や出版物での紹介を予定しています。

また、ご承諾をいただけた手紙についてはNHK・Eテレの番組に提供し、その一部を番組、ならびに番組HPで ご紹介させていただく可能性があります

【募集テーマ】  
「今、あなたに伝えたい」
(夫、妻、両親、子ども、友人など大切な方へ宛てた手紙、被災地以外の方に向けた手紙、また、誰に宛ててよいか分からない想いなど、宛先の無い手紙でも構いません)
・ わかって欲しい苦しい胸のうち
・ 私が救われた言葉 ・ 勇気づけられた出来事  など

※ 字数は自由です。 
(400字程度から2000字程度を目安に想いをお寄せ下さい)
※ プライバシーの関係で、匿名での手紙の応募も可能です。
※ 募集された手紙の内容やいただいた個人情報については、厳重に管理をいたします。

【宛先・問い合わせ先】       
※不明な点はメールにてお問い合わせ下さい
〆切り:5月13日(月)

① 郵便  〒 183-0004 
  東京都府中市紅葉丘3-37-2 府中紅葉丘郵便局留
  東京外国語大学 舩田研究室内 FnnnP事務局 宛

②Eメール  tegamifukushima@gmail.com
 (※1 2 いずれの場合も下記フォームに記入し・同封して下さい)

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
【記入フォーム】
①お名前 (ふりがな)              (             ) 
②現在お住まいの住所 
〒                                              
③被災前の居住地(市町村)                     
④ご連絡先  
(直接連絡を差し上げて差し支えない番号・アドレスをご記入下さい)
  Tel:                  Eメール:                    
⑤NHKの番組での紹介・NHKからの連絡の可否 
  ( 可能   /   不可 ) ※どちらかに〇
⑥FnnnPの活動の中での紹介の可否  
  ( 可能   /   不可 ) ※どちらかに〇
⑦ FnnnP事務局からの連絡の可否
  ( 可能   /   不可 ) ※どちらかに〇
⑧FnnnPの活動で公開、あるいはNHK番組でご紹介する際の匿名希望 
  ( 匿名を希望(ペンネーム)   / 記名で構わない ) 
※どちらかに〇
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# by africa_class | 2013-04-14 22:23 | 【311】子ども・福島乳幼児妊産

淡路島での大地震の日、阪神淡路から18年目、東日本から3年目に考えたこと~同情でなく共感を

昨夜、ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を読んだ。
勿論、両脇には積み上がった依頼原稿のための研究書が山積み状態の中、一昨日買ったこの一冊を取り出してしまった。そして、その選択に後悔どころか、今の私にこの本が必要だったということが良く分かる。

速読してしまう癖を抑えながら、一行一行の、一見冷静で鍛えられた文章の、底辺に横たわる絶望と苦悩、その先に輝かんとする命と希望と、一歩ずつ向き合おうと試みた。

あえて再度の1章を残して朝が訪れた時、既に私は感謝でいっぱいだった。
このことについては、また書きたいと思う。

中学生の時に手に取って、その冷静さが馴染めなかったことを、今更ながら後悔している。10才の時に読んだアンネ・フランクの日記のような調子を期待していたからだろうか?あるいは、もっと感情的な爆発を期待していたからだろうか?若さとはそういうものかもしれない。

それから平和のための戦争や虐殺や暴力の研究を続けてきて、現実社会と格闘してきて、歳をとって、ようやくもう一度この本に向き合えるようになったのだと思う。人の持つ絶望的なまでの愚かさと罪深さ。そして、それを乗り越えようとする精神の可能性。

この本を三十年が経った今、つい手に取って買ったのは、これが東北の被災地でとてもよく読まれていると聞いていたからだった。その意味を理解したいと思った。今私の中に、そのことの意味が少しずつ沈殿中ではあるけれど、ドイツに行き強制収容所に子どもと行ってから、改めて考えたいと思う。

彼は、ドイツに避難してから数か月後、突然オランダで「アンネの家」に行きたがったという。私と一緒に本を読んでいたこともあるのだけれど。行列で(日本の観光客ばかり・・・)諦めたそうなのだけれど、父親もまたアウシュビッツにも連れて行くべき時がきたと思っている。でも、さすがにルワンダに行ったとき、虐殺現場には一緒に連れてはいけなかった。またそのことは別の時に。

息子は多感な子だ。外国人の子どもとして日本で生まれ育つとどうしても、色々なことに気づかされるからもあったろう。でも、彼が、社会の不正義に身を持って心を揺さぶられるようになったのは、原発事故のせいだと思う。彼は突然目覚め、一人の力ではどうしようもない不正義を目の前に、立ち尽くしている。

私は彼の中の怒りと悲しみと共感と諦めをただ抱きしめる。横にはいられないから心の中でぎゅっと。横にいたとしても、これは彼の闘い、彼の人生だから。やはり抱きしめる以上はしてはいけないと思う。

彼の人生。
彼はどのような人として生きていくんだろう。
せめていつでも帰る場所を、温かい食事を、用意しておきたいと思う。

<<またしても、話が随分それました・・>>

そういう気分で目覚めた私の目に飛び込んできたのは「淡路島マグニチュード6.0」のニュースだった。先週末そこにいたから・・・というだけではない。この間、私が接してきた原発事故からの避難者のお母様たちの言葉の一つ一つと、ネット上の雰囲気が、18年前に感じたことを呼び起こしたからであった。

<<と、ここまで書いたのにすみません・・・。原稿どうしても明日までなのと、福島のプロジェクトが最終段階で、ツイッターで書いたことを例のごとく貼り付けておきます。とりあえず今日のところはこれでご勘弁。>>

そう。災害時に起こる「被災地」「被災地周辺」「それ以外」の認識のギャップは、①「揺れその時」→②「被害/それからの逃亡のため闘っている瞬間」→③「被害が遠方にも明らかになる時」→④「『復興、復興』が叫ばれる時」→⑤「被害が分断を生む時」→⑥「勝手に風化される時」…に顕在化。

唯一「被災地」「被災地周辺」「それ以外」のギャップが埋まる瞬間が、③「被害が遠方にも明らかになる時」。これは何と言ってもテレビの威力が大きい。被害状況、嘆く人びとの映像が、余所者の「compassion」を喚起。寄付もボランティアも集まる。でも、それは一時的で疑似的な連帯感。

特に、④「復興」の掛け声が聴こえてきたら次に待ち受けるのは、⑤「分断」と「風化」。18年前の阪神淡路、東日本大震災・原発事故もそうだった。「復興ニュース」の影の苦悩が置き去りに。勿論復興応援すべき、励ましたい気持ち分かる。でも余所者がそれを煽る時、それは彼らの為であること多し。

なぜなら、彼らは③のCompassionを満足させたいから。④「前向きな復興ストーリー」により、「もう次に行きたい」。つまり、⑥「安心して忘れたい」。その空気に直面して、⑤その流れに乗れる人と乗れない人がいる。苦悩は内に内に籠っていく。「いつまで落ち込むの?」の一言を恐れて。

1995年1月20日から神戸市中央区役所で過ごした半年間、積み上がったメディア関係者の名刺は鉛筆一本分の高さだった。彼らは「悲劇」→「頑張り」→「明るい話」を求め、そして…誰もいなくなった。その後一周忌ごとの洪水のような報道。今回も。これに抗うため、週明け一つの試みを発表する。

忘れてならないのは、CompassionとEm/impassionは違うということ。前者は憐みの感情。同情心。上から目線。後者は共感(to fill, or affect strongly, with intense feeling or passion)。「私たちも当事者だ」「主体」という意識に基づくもの。

この23年ぐらいの試みを経て、私が311後に試みているのはコレ→【「共感」をベースにした、主体的なものに根差した、アメーバー的つながりによる運動】。

一つの答えが、代表を務める「福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクトFnnnP」の活動。奇しくも、全拠点長とスタッフが女たちの、アメーバー組織。
→http://fukushimaneeds.blog50.fc2.com/

やれば出来る。共感をカタチに。
社会を変えよう。
一歩でも、二歩でも。
三歩でも、四歩でも。

五歩後退しても、
立ち止まらず、諦めず、投げ出さず。

仲間を大切に。
ビジョンを忘れず。
闘いは続く、
けれどそれが人生だ、と。
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# by africa_class | 2013-04-14 00:32 | 【311】子ども・福島乳幼児妊産

【参加申し込み18日締切】第3回 #ProSAVANA 事業に関する外務省との意見交換会 4月19日17時~

 日程設定に1か月かかった(決まったのは4月9日)…という第3回「ProSAVANA事業に関するNGO・外務省との意見交換会」の詳細が発表されました。例のごとく、開催日まで1週間程度しかないので、どしどし拡散&お申込みを。
 しかし、会議日程の議論で何度も何度もNGO側担当者が外務省に連絡を入れ続けなければならない現実、さらには重要なセミナーすら招待されない事態の一方で(http://afriqclass.exblog.jp/17561168)、外務省担当者は議員を訪ねてては、「NGOと丁寧に協議している」と説明・・・ということ自体が、すごく矛盾していますねえ。

 このような言動不一致、日本の官僚機構の「当たり前」なんですが、そういう行動様式こそが、援助対象国社会でも、日本社会でも、不透明に思われる背景だといつになったら気づかれるのでしょうか・・・。コレの詳細は以下投稿で検討した通り。 
■「自己崩壊する日本の外交と開発援助」
→http://afriqclass.exblog.jp/17470123
 
 なお、このブログは関係者の皆さんの「『愛読』ブログ」となっており、ここに書いたことに一つずつ反論すべく頑張ってくださっていることを、あちこちから聞かせていただいています。でも、反論があるのであれば、あっちこっちで打消しに精を出されるよりも、やはり公開の場で討論という形でやるほうが広く皆さんの主張も耳にされるので、「透明性」という意味でも、「説明責任」ということでも、大変望ましいことと考えるのですが、いかがでしょうか?
 日本社会にそういう文化を育てない限り、原発事故のようなことは起こり続けるわけで、「都合の悪いこともお日様の当たるところで正々堂々議論する」ことで互いに学ぶことができますし、「問題を隠す、なかったことにする、ズラす」という習慣を今乗り越えないと、いつ乗越えるのだろう・・・と切に思うのです。この点については、以下投稿。
■「批判的思考と対立:自分と組織を改善・刷新していく方法~TranscendやLearning Organizationより」
→http://afriqclass.exblog.jp/17323964/

 ということで、唯一オープンな議論の場がこの協議会なので、是非ご参集下さい。(申込み必要、締切18日)

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NGO外務省定期協議会
ODA政策協議会NGO側事務局
ODA改革ネットワーク

第3回ProSAVANA事業に関する外務省との意見交換会
NGO側当日参加者募集

 平素ODA政策協議会へのご理解とご協力を賜り、誠に有難うございます。

 さて、4月19日(金)にProSAVANA事業(日伯モ・三角協力によるモザンビーク熱帯サバンナ農業開発)(下記注1)に関する外務省との第3回目の意見交換会を開催いたしますので、当日参加者を募集いたします。
 これは、2012年度第2回ODA政策協議会(12月14日開催)で、同事業について関心を寄せるNGOが多 かったこと、論点が多岐にわたる大きな事業にも関わらず議論する時間が限られていたこと、公開されている情報が不足していたため議論を十分に深めることができなかったことなどを受けて、引き続き継続的に外務省と議論されているものです。

引き続き皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
ご参加ご希望の方は、下記参加希望フォーマットに従いお申し込み下さい。

以下当日の案内です。
 ●第2回ProSAVANA事業に関する意見交換会●
 日時:4月19日(金) 17:00~18:30
 集合時間:16時45分 
        外務省東口玄関待合室(時間厳守)
 会場:外務本省内会議室
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/address/index.html

*注1:
http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/activities/index.html

・メールタイトル「ProSAVANA事業に関する意見交換会の申込」
・申込締切り:【4月18日(日)17時まで】≪厳守≫ 
・記載事項:㈰氏名㈪所属団体㈫連絡先(メールアドレス)
・申込先:NGO側事務局 
oda.advocacy<@>gmail.com
 *円滑な事前準備にご協力お願いします。
  締切後は参加者リストにお名前・団体名を掲載できません。
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# by africa_class | 2013-04-13 01:32 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

批判される「G8食料安全保障と栄養のためのニューアライアンス」…「企業利益がハイジャック?」

ややお久しぶりです。
 ProSAVANAに関する4月2日のセミナーの、今度は中身の問題について書かなくてはならないのですが、他にやることが山ほどあってなかなか時間が取れません。書きたかったのは、驚くべき「歴史の書き換え」です。こうやって、「公的な歴史の書き換え」が、「公式表明」によって後付的になされていくのですね。戦前から繰り返されてきたことではありますが、既に21世紀、しかも「国際協力」だというのに恐ろしいことです。
■この点以下のブログの冒頭に加筆しておきました。
→http://afriqclass.exblog.jp/17362546

<<今日の話は、「食料や栄養」という言葉を使った利権の話>>
かつて、私は「食糧増産援助」という名前の農薬利権と闘っていました。
311後はっきりしたと思いますが、
「瓦礫消去」という名前の隠れ補助金・・・。
「除染」という名のゼネコン補助金・・・。
「安定電力」という名の原発利権・・・・。

そして、「小農支援」という名のアグリビジネス利権・・・。
今回は、「食料・栄養」という名のやはりアグリビジネス利権のお話。
(なお、食料安全保障のことをそんなにいうのであれば、国民の3分の1が栄養不良の「農業大国」ブラジルも問題にすべきなんですが。)

<<本題>>
 さて、以前も紹介したモザンビーク若者の市民社会組織ADECRUからの声明が届きました。日本も参加する「G8アフリカにおける食料安全保障と栄養のためのニューアライアンス」への批判声明です。日本は、米国と共にアフリカではモザンビークを担当中・・・中にProSAVANA事業もコメと並んでリストアップされています。(以下の外務省サイトに、わざわざProSAVANAだけが具体的な事業名として掲載。)

 これまた、「アフリカの人びとの飢えと栄養不足の解消・・・・素晴らしいじゃない!」のはずのG8の約束なんですが、今回のモザンビークCSOだけでなく、世界の市民社会組織からも批判が相次いでいます。

 大半の批判ポイントが、結局のところ、グローバルなアグリビジネスのアフリカへの流入に道を開くものだという点にあります。フォーカスは、タネ(遺伝子組み換えを含む)、土地、市場ですね。

 訳す暇がないのが残念ですが、是非一読を。その前に、まずはオフィシャルストーリーも確認してくださいね。

■アメリカ政府やUSAIDの情報
→http://www.state.gov/s/globalfoodsecurity/190282.htm
→http://www.usaid.gov/g8
■日本の関与
G8食料安全保障及び栄養のためのニュー・アライアンス
→http://transition.usaid.gov/g8/JapanInDepthTables.pdf
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/camp_david12/side_event2.html

■ドイツ市民社会グループ(15団体の声明)
Working Group Food and Agriculture of the Forum on Environment & Development
2013年1月
「構造調整2.0」
"Structural Adjustment 2.0 "
http://www.forumue.de/fileadmin/userupload/AG_Landwirtschaft_Ernaehrung/Message_G8-Initiative_New_Alliance_16012013_Englisch.pdf
"G8 Initiative “New Alliance for Food Security and Nutrition in Africa“ paves the way
for radical opening of markets for international seed and agrarian corporations in
African countries."
<=「G8のニューアライアンスは、国際的なタネとアグロ企業のために、アフリカ諸国の市場をラディカルに開かせる第一歩となる」

■国際NGO・GRAINの3月11日の記事
"The G8 and land grabs in Africa"
「G8とアフリカにおける土地争奪」
http://www.grain.org/article/entries/4663-the-g8-and-land-grabs-in-africa
*具体的なデータを示しながら、このニューアライアスの問題を土地争奪に絡めて説明しています。
*Grainといえばこのブログでもお馴染み。プロサバンナに関するインタビュー全訳はこちら
→http://afriqclass.exblog.jp/17062266/

■WILLIAM G MOSELEY先生も
Chair of Georgraphy at Macalester College, St Paul Minnesota.
(Pambazuka | 8 November 2012 )
"The corporate take-over of African food security"
「アフリカ人の食料安全保障を企業が乗っ取る」
→http://farmlandgrab.org/post/view/21289
"There is a new, but deceptive, foreign drive to end hunger in Africa through large-scale agribusiness. Yet helping poor households in rural Africa feed themselves in an affordable manner means introducing low-cost, sustainable enhancements to farming.
Corporate interests have hijacked African food and agricultural policy. They are behind a new green revolution for the continent that is pushing a capital-intensive approach with farms, supply chains and expanding international markets. This approach is a step backward to concepts of food security prevalent in the 1960s and 1970s. As a result, Africans will remain hungry......."
「企業利益がアフリカの食料と農業をハイジャックしている・・・・」

■モザンビーク市民社会組織ADECRUによる声明
とても興味深いのは、彼らがこの「ニューアライアンス」を、「21世紀における構造調整の最終かつ暴力的な段階」と呼んでいることです。なぜ彼らがそう考えるのか、すぐに反発するのではなく、真摯に受け止めましょう。

*なおADECRUの世銀ビュッフェ拒否声明はこちら。これも凄く重要な論点を突いていることに関心しました。「形ばかりの市民社会の参加」・・・このブログの読者には既にお馴染みの話題ですが、それを受ける側の心情が明確に吐露されていて一読の価値があります。普段は穏やかなモザンビーク人だけに。。。
→http://afriqclass.exblog.jp/17359775/

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Position of ADECRU on "The New Alliance for Food Security and Nutrition in Africa"
2013 April

The group of eight countries with economies considered the most developed of the world, known as G8, in collusion with the Government of Mozambique, giant transnational corporations and multilateral financial institutions proceed, in the next 10 and April 11, 2013 in the Mozambican capital, Maputo, the official launch of the last and violent phase of structural adjustment of the XXI Century, masked and expressed in the so-called "New Alliance for Food Security and Nutrition in Africa".

The New Alliance stems from an agreement signed by some 40 countries and financial institutions and multilateral organizations international in 2009 at the G8 summit of L'Aquila, Italy, after having been presented for the first time by the Government of the United States of America, under the leadership of President Barack Obama With this initiative, the G8 argues that want to cooperate with the African Governments to release 50 million Africans in poverty, 3.1 million of which in Mozambique between 2012 and 2022. With that agreement was also established a supposed Program for World Agriculture and Food Security of the World Bank estimated at US$ 20 billion.

Six African countries, of the 20 planned, have already joined the New Covenant: Burkina Faso, Côte d'Ivoire, Ethiopia, Ghana, Mozambique and Tanzania.

In Mozambique the operationalisation of the New Alliance will be led by the World Bank, World Food Program, Japan International Cooperation Agency (JICA), American Agency for International Development (USAID) and major transnational corporations of agribusiness such as: Cargill, Itochu, Syngenta, Monsato, Yara, African Cashew Initiative,
Competitive African Cotton Initiative, Corvuns International, AGCO, Nippon Biodiesel Fuel co.ldt , Vodafone, SAMBMiller, etc.
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# by africa_class | 2013-04-13 00:08 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

プロサバンナ・セミナー開催、but for what?(「期待」のためモザ・伯国から30名&70万円強の会場費)

昨日は関西からトンボ帰りで東京へ。
JICA主催のプロサバンナ「国際セミナー」に参加するため。
モザンビーク・ブラジルから30名近くが来日して行われたセミナー。しかし、この来日もセミナーも、最初から最後まで不透明なまま・・・の大騒動でした。はあ~。

病み上がりであまり校正が入れられないのですが、重要なポイントなので流しておきます。なお、このたった3時間(当初予定2時間半)のセミナーで使われた会場の使用料はなんと73.5万円!!!
http://www.bellesalle.co.jp/bs_hanzomon/price/
(自分の目でみてみましょう。一般の人の給料の数か月分…。先月3人をモザンビークから1週間お招きし80万円強でしたが…。庶民の感覚ではいけないのでしょうか。)

311後の日本にこんな余裕があるんでしょうか?ウーン、意味が分かりません。いってくれれば、大学の施設でもなんでも協力したのですが…。都内は山ほど大学がある。でも、私たちがこのセミナーを公的に教えてもらったのはセミナーから10日を切った段階だからまず無理ですが・・・。

しかもそのようなお金を払う意味があったのか?セミナーの目的は次のようなものと書かれています。

セミナーの目的:「JICAは、ブラジル国際協力庁、モザンビーク農業省と共催で、日本・ブラジル・モザンビークの三角協力によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発事業(ProSAVANA-JBM)の事業の紹介及び、ブラジル・モザンビーク両国からご参加頂く政府関係機関、現地農民組織等より、当事業への期待についてお話しをいただくセミナーを開催します。」

つまり、「事業紹介」と「事業への期待についてのお話」のために、会場費に70万円…なんですね。一緒に参加した開発コンサルの友人が、「何これ?何のためやってるの?現場ではお金を切り詰めさせられているのに?しかも中身がない。宣伝と期待を話すためにわざわざこんな大規模な会議必要なの?」。

しかも、「議論」なるものもオープンではなく、質問票をProSAVANAの推進者である本郷さんが取捨選択して、モ・ブ関係者に話させただけ・・・。つまり、インプットは何もない、プロパガンダのためのセミナーだったんですね。これ、国民へのアカウンタビリティに資する点はまるでなかったイベントでしたねえ。なのに、この70万円からのお勘定も納税者持ち。この不景気の、311後の日本で、ProSAVANAは何かと景気が良い話ばかり。

そして、内容は、2週間前にモザンビークで行われたステークホルダー会議なるもので発表されたマスター・プランの詳細ですらなかったのです。勿論、目的が、「事業紹介」と「期待」だからというのもありますが、2009年に合意され4年近くが経過して、未だに「期待」の話のために、こんな大量の税金使うのでしょうか?庶民の常識をかなり逸脱した事業だということは前から思っていましたが、ますますそうですね。

でも、このセミナーと合同ミッション、それ以前から問題多発だったんです。今だから明かす舞台裏。

1. 不透明でアカウンタビリティを欠いた今回のミッション
 まず、日本のNGOがこの「ハイレベルProSAVANAミッション」なるものの来日を知ったのが3月14日。残念ながら、プロサバンナ事業の定期協議会を行ってきたJICAからでも外務省でもないモザンビーク筋から。その間、毎日のように外務省ともJICAともやり取りがあるのに、こんな議論の時間を割いている援助事業について意見交換をする市民社会側に、一切報せなし。計画と予算措置なしにこのようなお金のかかるミッションを行うわけがなく、ずっと前から計画があったはずも、2回の意見交換会でも何一つ言及してこなかったのです。
 まあ、「忙しかったのね」と優しいフォローを入れてあげたくなるところですが、この先が酷い。

 正式にODA定期協議会の枠組みから、ミッションの詳細(スケジュールと参加者)と来日するという「農民組織」の名称と面会希望、公開での討論会を依頼。しかし、何日経ってもなしのつぶて。
 何人かのNGO関係者が直接JICAに電話を繰り返し、ようやく3月22日になって、「ミッションは来る。4月2日にイベントをする。詳細は未定。農民組織名は不明。会えるかどうか不明」・・・という情報ともえいない情報が届きました。日本のNGOも大変忙しい中、ProSAVANAのフォローアップをしているというのに、これでは何の予定も立てようがありません。
 
3週間前にモザンビークに赴いたばかりの参議院ODA特別委員会の議員さんのところには、情報があるだろうということで、複数のNGOから問合せ。しかし…。何と、彼らの誰一人も、このハイレベルミッションご存知なかった!モザンビークからの来日者は、彼らがモザンビーク訪問時に会いたいと希望していた面々(農業大臣・州知事など)。国会の日程が変更になり、残念ながら帰国が早まり会えなかったことについては既にお伝えした通り。
 わざわざ先方から日本のお金で来日するというのに、何故真っ先にお知らせして面会をアレンジしないのでしょうか?国会議員の中で、ProSAVANAに関心を有しているのは、この先生方であることは間違いなく、外務省もJICAも繰り返し、ProSAVANAについて話すために議員事務所を訪れている。しかし、あえてこのハイレベルミッションについてはまったく知らせず。さすがに皆さんご立腹。
 
 3月26日、議員事務所からJICAに来日者や予定をお願いするものの、その日の夜に出てきた情報は4月2日のセミナーのものだけ。 しかも、彼らの日本への出発は29日だというのに、農民組織名も代表者名も知らせてもらえず・・・。ようやく出てきた団体名は、「農民組織」のものではなく、商工会議所のもの・・・。

 以上から明らかになったことは、JICAや外務省が、この「ハイレベルミッション」の詳細、特にスケジュールと来日する農民組織名称を、国民の代表である国会議員にも、この件で「対話」を積み重ねてきたNGOにも、知らせる気が毛頭なかったという事実。

 この時点で、すごく不透明で、アカウンタビリティに欠けている状態。
 ODAを支えているのも、来日の予算を支えているのは、国民と納税者。しかし、これらの代表者らには伝えず、ハイレベルミッションの詳細を早くから知らせてもらい、打ち合わせてもらっていたのは、「メディア」「企業関係者」でした。

 このことに、立案から現在までのProSAVANA事業の典型が見受けられます。税金で支えられた、透明性やアカウンタビリティ、情報公開が不可欠な事業であるという意識がまるで感じられません。

 援助案件にもかかわらず、「官民連携」の掛け声の下、無視され軽視され続ける納税者や市民社会、さらには国会議員の姿が象徴されているといえるでしょう。
 
2. 何故彼らはギリギリまで情報を隠したのか?
では、彼らは何故情報をギリギリまで隠したかったのか?
それは、①NGO側に都合の悪い状況を生み出されたくない、②都合の悪い情報があった。
①についてはまた今度。
②について、考えてみましょう。

 JICAや外務省が今回重視したのは、2月末のモザンビーク最大の農民組織UNACと環境団体JAによる、プロサバンナ事業への異議申し立ての打消しだったと思われます。勿論、そのためにはモザンビーク政府の代表やブラジル関係者の来日が重要ですが、より重要なのは誰か?
 
 ズバリ、「農民組織代表」です。

 彼らが、ProSAVANA事業に異議申し立てを行ったUNAC(モザンビーク全国農民連盟)をどう扱ってきたか既に紹介した通りです。2200組織の連盟で、小農の権利を守るための連合組織であり、モザンビーク最古・最大の組織であるというのに、「反対派」のレッテルを貼り、その会長になかなか会おうとせず、表敬訪問も事務官に対応させる一方、日本から派遣された議員団との面談をスッポカさせようと画策したのはご存知の通り。

(詳細→http://afriqclass.exblog.jp/17470123 「自己崩壊する日本の外交と開発援助~ #プロサバンナ を事例に(議事録・スッポカシ・農民分断問題」)
 
 JICAも外務省も、繰り返し「賛成している農民組織も沢山ある」「UNACは単なる1団体に過ぎない」と連呼し、その「賛成派農民組織代表」を来日させることが今回の狙いだったことは明白。当初、「事業対象地の、ニアサ、ナンプーラ、ザンベジア州から農民組織代表を招へい」といっていたのに・・・・。

 来日したのは1農民組織に過ぎませんでした。
 農民組織の選定はプロサバンナの対象とする各州にお任せ・・・・すると?
 
 そして、彼らは当初気づいてなかったのですが、一番避けたかった事態が生じました。
 それは・・・・なんと、ニアサ州によって「農民組織代表」として選ばれたのは、UNACのニアサ州組織代表Pessego氏だったのです!!!


3. 正当性が証明されてしまったUNACと慌てるJICA、分断の危険
 いつの時点でJICAがこの事態に気づいたのかは不明です。
 しかし、来日した「農民組織代表」は、UPCN (União Provincial de Camponeses do Niassa)つまり、UNACの加盟組織なのです。パワーポイントで使われた写真も、先日来日したUNACマフィゴ代表のものと同じだったほど。

 では、ポルトガル語のお勉強。

 União Nacional de Camponeses (UNAC 全国農民連盟)
 の各州の組織が、União Provincial de Camponeses de ----州です。
 つまり、れっきとしたUNACの組織の名称。

 そして!!!!!
 プロサバンナ批判声明を出した組織の一つなのです。以下の声明にばっちり冒頭に組織名が出てきます。
→http://farmlandgrab.org/post/view/21204

 なのに、彼の団体名は、何度聞いてもNGOは教えてもらえず、彼らが出発した先週金曜日にようやく知らされた団体名は・・・・。これにも驚き。

 UNACの一支部であることはまったく言及されないまま、「ニアサ生産者団体」、でも「組合かも?」という曖昧な日本語でJICA倉科課長からNGOに連絡が来た・・・ほどの丁寧さでした。

 しかし、今だから言いますが、私たちは勿論知っていたのです。しかし、招聘者であり主催者であるJICAから情報を得るのが筋ですし、どう理解しているのか、どう説明するのかを見ることもまた、Watch Dogとして重要な使命。議員との面談の件といい、こういう工作、本当に不要です。JICAの皆さんの説明責任の放棄や不透明さを強めるだけ。

 この程度の事実を隠さなければならないような援助事業、本当にいい加減見直しては如何でしょうか。ちなみに、このようなことはすべてモザンビーク社会にも丸見え。現地の市民社会にとって、日本の援助は、このプロサバンナ事業のせいで、既に中国とそん色のないほど不透明なものとして理解されていること、依然ご存知ないのでしょうね・・・。

 彼らが来日者を隠したかった理由はもうお分かりかと。私たちの事前接触を避け、彼が公の場で「ProSAVANA反対」を述べないために行われた数々の工作・・・について、私たちは心を痛めています。大臣から州知事まで20名近くの派遣団の中で、「反対」「異議」を唱えられるわけもなく、セミナーにいらっしゃったPessego氏は非常に硬い苦しそうな表情をされていました。

 そして、彼のパワーポイントは彼が作ったものではなく、JICAモザンビーク事務所が作成。その証拠に、彼は自分の原稿なしに話が出来ず、わざわざ席に取りに戻ったほど。そして、UNACの活動目標であるLuta pela participacao activaという「権利確保のための積極的な参加への闘い」(この方も明言していた)の訳は薄まっていました。

 さらには、休憩時間中にPessego氏と日本のNGOが話をしているそばには、JICAのプロバンナ・コーディネイターのブラジル人女性スタッフ(ジュスメイレ・モウラオン)氏がぴたーーーと付き添って、彼の発言を監視していました。さらには、彼のセミナー後の通訳は、我らが「ProSAVANAの生みの親でCerradoの生き字引の本郷さん(byJICA2009年6月)」が、手振り身振りで白熱して行っておりました。実はそのあとのNGO懇談会で、JICAブラジル人スタッフ(モウラオン氏)が行った通訳は問題だらけだったことが発覚しています。以下、英語ですみませんが・・・。

Pessego氏の話したこと:
“The invitation came from the government [of Mozambique]. I think ... because our Union disturbed our government. We, as a Union, have repeatedly been asking the provincial directorate of MINAG questions such as “for whom is ProSAVANA?” and requesting more clarification from them. We also participated in meetings on ProSAVANA and asked many questions related to the [impacts of the programme on] small farmers. Due to such intervention and doubts, as small farmers, I think, the local direcção [the MINAG’s provincial office] wanted to invite us.” (speech by the UPCN’s representative originally in Portuguese, translated by the author from the informal minutes, April 2, 2013).

JICAブラジル人スタッフ(Mourao, ProSAVANAコーディネイター)の訳:
“About our cooperation and relationship with the government, we were invited because the Union wanted to know what ProSAVANA is, and had asked questions to the government. The Provincial directorate invited the Union from the beginning and explained the design of the project [ProSAVANA]. The Union also held some meetings with the government. That is why I came here. I came to participate and to tell you, that is, the audience of Japan, our expectations as small farmers [of the programme]” (extracted from the informal minutes without any corrections, April 2, 2013).

全体がこんな調子だったのですが、その場にいらっしゃったポルトガル語も英語もとても堪能な本郷氏は何も修正せずだったのです。残念。

さらには、Pessego氏と日本のNGOとの面談は、何故かブラジルABCや農業省担当者が同行する形でしか実現しませんでした。さらに凄いのは、最後まで、Pessego氏がUNACの下部組織の代表であることは、隠されたままセミナーは終了!

 セミナーでは、結局、Pessego氏は、「プロサバンナ賛成」も「反対」も唱えませんでした。彼のギリギリの努力でした。課題として用意していた話もされませんでした。あの状況でそれを出来るモザンビーク人は多くはないでしょう。そして、彼はこの度どれほどの圧力を受け続けているのかと考えると、本当に申し訳ないです。
 
 ニアサ州知事が「州の農民組織代表を選べ」と言われて当然のごとく選んだのがUNACニアサ支部なのです。それほどまでに、UNACは「一団体」「ごく一部の偏った団体」などというものではないのです。UNACの10月11日のProSAVANA声明以降、JICA内部では、UNACが野党のものであるとか、反政府のものであるとか、国際NGOに牛耳られている団体であるとかの「噂話」がまことしやかに囁かれ、メディアや議員にも囁かれていますが、実際そうではなかったことを、この合同ミッション自身が証明してしまいました。

 だからこそ、Pessego氏の取り込みを全力でJICAもモザンビーク農業省もやってくるでしょう。 なぜ、モザンビークの「農民の組織化を支援する」というProSAVANA事業が、このように農民組織内部を分断するような状況を進んで生み出しているのでしょうか?

 まさに、日本の地方公共事業、ダム建設や原発建設と同じことを、遠いモザンビークで繰り返しているのです。最初からそうこのブログでも問題提起してきましたが、ますますその様相がはっきりし、実の所私としては胸の中に哀しい痛みを覚えています。それでなくとも沢山の課題を抱えるモザンビークの小農たちに、われわれの問題を輸出している状態だからです。

4. セミナーはなんだったのか?
そしてこのセミナーの詳細(といっても大した詳細ではないですが)を掲載したサイトが既に消去されているということでした。こういうことになるだろうと思って、保存しておいたものを抜粋し貼り付けます。

===
国際セミナー「ProSAVANA:アフリカ熱帯サバンナの持続可能な開発を目指して」

*なお、当日配られたのもウェブにあったのと同じ内容。発言した方々の所属団体も名前も分からないまま(口頭アナウンスはあったものの)、終わってしまいました。
*内容のお粗末さについては冒頭で述べた通り。面白い発見も多々あったのですが、それは後日。

1.日 時 :2013年4月2日(火)14時30分~17時00分
(その後、懇親会を予定しております。)
2.会 場 :ベルサール半蔵門 HALL A

プログラム内容
1. 開会挨拶:JICA田中明彦理事長
2. 共催者挨拶:ブラジル国際協力庁 フェルナンド・マローニ・デ・アブレウ長官
3. 基調講演:モザンビーク農業省ジョゼ・パシェッコ大臣
演題「アフリカ熱帯農業開発への取組みとProSAVANAへの期待」
ゲストコメンテーター:FAOポルトガル語圏共同体
エルデル・ムテイア代表(元モザンビーク農業大臣)
第1部
4. 講演:モザンビーク農業省/JICA/ブラジル国際協力庁共同発表
ProSAVANA事業紹介「地域住民の生活向上を目指して」
「ProSAVANAの目標・現状・課題と開発計画概要」
休憩(15分)
第2部
5. 講演:ProSAVANA事業への期待「Social Inclusionと環境保全の両立と責任ある農業投資」
講演者:モザンビーク農民組織代表者、モザンビーク北部ナカラ回廊地域州知事、モザンビークアグリビジネス企業代表者、伊藤忠商事株式会社代表者
第3部
6. 質疑応答
7. 閉会の挨拶
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# by africa_class | 2013-04-03 20:06 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

ブラジル市民社会の #プロサバンナ 批判~「我々の歴史的紛争の輸出事業」

モザンビークを調査のため訪問していたブラジル市民社会組織FASE(Federação de Órgãos para Assistência Social e Educacional )の記事が届きました。

FASEはブラジル関係者なら知らない人はいない、民衆の権利を守るために闘ってきた代表的な市民社会組織で、50年以上の歴史を誇る団体です。ブラジル6か所にリージョナルオフィス、リオに本部を置く組織です。

60年代に市民の組織化を促すために誕生したものの、1964年の軍事独裁政権の成立後、弾圧を受けながらもこれとの闘いを続けて、1985年の軍政終焉と民主化に重要な役割を果たしました。

この軍事独裁政権と日本が強力に推進したのがブラジル内陸部のセラード地域の農業開発(PRODECER)でした。そのプロセスで、そこに長年にわたって暮らしていた農民が土地を奪われ、生活を破壊されていったプロセスについては既に多くの研究が出ている通りです。(このブログでも紹介しているのでご覧ください)

歴史の皮肉は、このような沢山の市民組織、農民組織、労働組合といった社会運動を背景に誕生したルーラ大統領が、貧富の格差是正のためにBolsa Familia等の現金給付政策を導入する一方で、遺伝子組み換えの流入や森林破壊を許す新自由主義的な経済活動を許したこと、そしてブラジル・アグリビジネスの利権を拡大するためにアフリカに触手を伸ばすProSAVANA事業のようなものの推進者と転じたことでしょう。

これを受けて、FASEは、現在ブラジルの海外政策にも目を向けて調査・アドボカシー活動をしています。中でも、ProSAVANAに早くから注目し、調査を続けています。
●レポートはバイオディーゼルについてですが最後の方にプロサバンナについても言及があります。
http://issuu.com/ongfase/docs/internacionalizacao-etanol-biodiesel

さて、そのFASEのモザンビーク訪問については以下の記事をご覧ください。
http://www.fase.org.br/v2/pagina.php?id=3835

そこに掲載されている記事を訳しておきました。
とても重要な点が多々書かれているので、是非ご一読を。
何より重要なのは、ブラジルで歴史的に問題になり続けている、アグリビジネスによる小農の権利の剥奪の問題が、日本・モザンビークによって行われるプロサバンナ事業が再生産することにある点への警鐘でしょう。

彼らは、3月下旬にマプトで行われたステークホルダー会合に出席し、そのことを明確に悟ったといいます。同>ステークホルダー会議では、表面上は、「小農支援」「持続可能な農業」などが繰り返し説明されたものの、実際は当初の事業デザイン時と変わらず、「『アグリビジネス』と『小農』の『共存』」というレトリックが使われており、この「共存」という仮説は、ブラジルでは存在してこなかった点について、1960年からブラジル小農や土地なし農民の側に立ち、このプロセスを間近で見て、闘ってきた市民社会団体としての立場を明確に述べています。

そして、モザンビーク北部小農の願いが、「援助で救ってあげるよ」という美味しい話の一方で、アグリビジネスの流入を「保証」していく事業が進められていく実態を、鮮やかに示した良い記事だと思います。時間がなくてしっかりとした訳ではないのが申し訳ないですが、どうぞご一読ください。

=======================
ブラジル、日本、モザンビークの政府は、モザンビーク北部のナカラ回廊と呼ばれる地域で、巨大なプログラムを始動させようとしている。同地はブラジルのセラードに類似する地形的・環境的特徴を有する。

対象地のコミュニティへの情報の欠如、あるいは、歪められ矛盾する情報が与えられるなかで、プロサバンナ事業とは、30年先を見据えた事業であり、ナンプーラ、ニアサ、ザンベジア州という、5百万人近くの小農が暮らし、この地域(ローカル及びリージョナル)の人びとの食料を生産する州の約14.5百万ヘクタールの地域を包含した事業であるという。

小農コミュニティは、まさにプロサバンナ事業による投資が来るとされる地域に、集中的に存在している。

ブラジル国際協力庁(ABC)は、現在この事業への批判はコミュニケーションの失敗によるものだと強調するが、モザンビークの市民団体や社会運動との対話から明らかになったのは、問題はもっと根深いところにあるということである。

ブラジルは、モザンビークのサバンナに、我々自身が経験してきた歴史的紛争を輸出しようとしている。この紛争とは、輸出のためのアグリビジネスによる大規模なモノカルチャーのモデルと、小農民や家族経営農民による食料生産システムの間に起こったものである。

マプートで発表されたプロサバンナ事業に関する最新の情報では、このプログラムの責任者らは、ナカラ回廊に「高価値作物」栽培に向けた民間投資を奨励するため、地域を「農業クラスター」に分けた地図を示している。

「企業的」農業による穀物生産(大豆も含まれる)。「家族経営農民」による食料の家族生存のための生産。「中・大規模商業的農業」による穀物・綿花生産。「中規模農民・家族経営農民」によるカシューやお茶生産。すべてのカテゴリーによる「食料と穀物の統合された生産」という分類である。

つまり、大規模アグリビジネスと家族経営/小規模農民といった二つのシステム間の共存とハーモニーが可能という古い仮説に基づいているのである。しかし、ブラジルではこれ(大規模アグリビジネスと小農が共存するという前提)こそが、深刻な紛争の源泉となっている。

政府は、このプログラム(プロサバンナ事業)がモザンビーク小農生産のための事業であることを保証するという。

しかし、ブラジル国際協力庁は、2011年、(*ブラジル)セラード地域にあるマトグロッソ州の40人の企業家が、ナカラ回廊にどのようなビジネスチャンスがあるのかを特定するためのミッションを支援した。

マトグロッソ綿花生産者協会(AMPA)の会長は、「モザンビークは、アフリカの中のマトグロッソである。タダ同然の土地、環境規制があまりなく、中国よりも安い労働力の最前線である」と述べている。

モザンビークでPRODECER(*日伯セラード農業開発事業)が再生産されるとの報道は沢山ある。PRODECERとは、ブラジルのセラードで日本の協力によって実施された社会的、環境的災厄であり、そこに昔から暮らしてきた人びと(伝統的住民)を追い出し、輸出のためのモノカルチャー生産の大海原を拓き、農薬の洪水で地域を浸した。

プロサバンナには3つの軸があるという。①組織と調査の強化、②マスタープラン(この研究のために選ばれた機関はGV Agroである)の策定のための基礎研究の開始、③小規模栽培者の支援のためのモデルと普及である。

UNACやORAM、ROSA、ナンプーラ市民社会組織プラットフォーム、MUGED、土地フォーラム、ニアサ州小農連盟、JAやその他の多くのネットワーク組織は、現在策定中のマスタープランや情報へのアクセス、そして小農コミュニティとの協議を要求してきたが、ブラジル当局は、マスタープランが最終化されれば、適切な手法で公開されるだろうと述べるに留まっている。

つまり、その地域に暮らす何百万という小農を代表する組織らとの実質的な協議なきままに、(*ブラジルの民間組織である)GV Agroが策定しているのが同マスタープランなのである。

マスタープランの準備が終わって初めて、これらの人びとは情報を受け取ることになるだろう。もちろん、いくつかの情報を伝達するため、マスタープランの一部に関して発表イベントは開催されている。しかし、それらのイベントは、市民組織や社会運動による要望や提案に耳を傾け、それを反映させるためのものでも、質の高い対話のためのものではない。

ナカラ回廊沿いの小農と話をすると明らかになることは、日本人とブラジル人がこれらのコミュニティを訪れ、プロサバンナが来ることを伝え歩いていることである。

これによって、彼(*日本・ブラジル人)らは、市民社会との「協議」と呼ばれることをしたと言い張るであろう。しかし、これは協議ではない。

現在までに顕著になったことは、手続き上の深刻な問題である。それは、このプログラム(*プロサバンナ事業)をめぐる決定が、政府や利害を有する企業等から、上から下へと降ろされていることにある。

モザンビークの市民組織や社会運動が述べる通り、ナカラ回廊沿いを行き来すると明確になるのは、この地域が小農コミュニティによって居住されているという事実である。これらの小農は、メイズ(国民の主食)、キャッサバ、豆、ピーナッツ等を、土地を休めながら生産するシステムを有している。そして、小農たちは、そこで生産に従事するだけでなく、祭りを行い、家族やコミュニティ関係を形成している。

この地域に5百万人の小農が暮らしている。この人びとを代表する組織や運動は、この国の大きな問題が食料の安全保障上の問題にあることを確認しており、家族経営農業や小規模農業のシステムが強化されることによって、食料生産が実現されることを望んでいる。彼らの提案は、彼らの生産を強化するための融資、適正価格による生産物の購入と市場化への支援、コミュニティによってつくられた組織や小さな組合活動への支援である。全員が、自身の小農生産システムを支援する事業があれば、参加したいと考えている。

我々は、この回廊沿いの農民らの声に耳を傾け、対話し、彼らの期待を垣間見た。これに、本来プロサバンナは応えられるはずである。

しかし、ナカラに到着した時のショックは叫びたくなるほどであった。巨大な倉庫、港湾設備、そしてOdebercht社(*ブラジル企業)によって建設中の空港等の巨大インフラ。これはこの地域の生産物を輸出するためのものである。

多くの問題は、直視されなければならない。中でも、小農らの土地への権利は最重要である。モザンビークの土地法は、小農に公有地である土地の使用権を与えている。

企業に付与されるのは使用権なのか?小農の状況はどうなるのか?

回廊の真ん中に位置するナンプーラの市民社会プラットフォームのメンバーの一人がいうように、「10ヘクタールを超える自由な土地はない」のである。

複数の組織によると、ニアサ州のプロサバンナが来るといわれている地域の大半が州内で人口がより多いところであるという。政府は住民移転がなされるだろうといっている。

農民組織は、土地法において小農の利益に反するような変化、そして遺伝子組み換え種の導入に道を拓く変化のリスクを招くタネの立法を許さないよう、注意を払っている。

彼らはまた、PRODECERの対象地であるマトグロッソ州を訪問し、農薬の集中的使用や大規模なモノカルチャー栽培モデルを知り、懸念を強めている。

このような懸念の一方で、UNACやMPA/Via Campesinaは、オルダーナティブな手法を強化し、生産的な数々の運動を試行してきた。例えば、伝統的な種に関する交流事業などである。

ルラ大統領の先導により、ブラジルの輸出政策について市民組織や社会運動と対話が実現するようになって10年になる。その結果、世界におけるブラジルのプレゼンスの方向性に関する必然的な論争が強まった。しかし、それは、我々の社会における実存する権力関係の写し鏡でもある。

プロサバンナの事例は、食料主権と食料安全保障を目指してきたブラジル農村の社会運動の成果の試金石となろう。

ブラジルの経験を踏まえ、家族経営農民・小規模農民の生産や市場化の支援といった施策が、ナカラ回廊におけるブラジルのプレゼンスに反映されるかどうかが肝要である。

結局、ブラジルでもモザンビークでも、小農らは、民衆の食料安全保障や主権、土地の権利を保証するためには、アグリビジネスのモデルによる権利の侵害や社会・環境的な不正義との闘いを強化しなければならないのである。

モザンビークにおけるブラジルの存在が小農の権利を強める一方、世界の正義と格差を縮小することを目的としてブラジルがグローバルなアクターとして成長する能力を示すかどうかが問われている。
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# by africa_class | 2013-03-30 11:14 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

6月1日Run for AFRICAが横浜・日産スタジアムに戻ってきます。

懐かしいRun for AFRICAが帰ってきました。
 前回TICADの際に、何か日本とアフリカを繋げる文化交流ものがほしいね・・・とブレストをして、ありとあらゆる案を出したって最後に残ったのが、「走ること」。当時、団体内に陸連関係者がいたこともあり、とんとん拍子に話は進み、最後は資金でスタックしたものの、某先生のご尽力で実現。ほんと~に感謝。団体としては大幅な赤字になりましたが・・・。皆が満足した企画だったので、それもよし。そういうことってあるんですよね。
 当日は、TICAD IV直前のバタバタの中、大使や議員さんたちも駆け付けてくれました。「今夜大臣たちが到着するんだよね・・・」といいながらも、市民と一緒に走ることの意味を自ら身体をはって示してくれた大使や銀の皆さんには、本当に感謝。とはいえ、私の方は「パス問題(80名の市民社会代表に3つのパスしか渡さないと外務省が発表)」が発生し、睡眠時間毎日数時間。しかし、議員や大使に走らせて、主催団体の副代表として走らないわけにいかず・・・・過労死するかと思いましたが、「アフリカゼミ・チーム」で走ったものの、すごくタイムを遅らせてしまいました。ごめん。もうダメかと思ったときの有森さんのハイタッチは本当に有難かった。
 そのRun for AFRICAが皆さんの期待に応えるために帰ってきました。
 是非皆さんどうぞ!

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【タイトル】Run for AFRICA(TICAD Vパートナー事業)
【日時】2013年6月1日(土)雨天決行
【会場】日産スタジアム(横浜市港北区 JR横浜線小机駅下車)
【コース】日産スタジアム周回1.5キロコース(トラック~外周)
【種目】リレーマラソン
※1チーム1~20名でお申込み可能です。
  チーム構成の男女比率は問いません。
※1人が何周走っても自由、マラソンの世界記録2時間3分38秒の倍、
 4時間7分16秒の間タスキでつなぎ、何キロ走れるかを体感します。
【大会スケジュール】選手受付8:00、
レーススタート10:00~14:07:16
【参加賞】あり
【参加料】1名4,000円 
※参加費の一部は、アフリカ支援活動事業に充てられます。
【申込み締切】5月13日(月) 
【大会HP】http://runforafrica.jp/
(このページから申し込みが可能です)
【運営者情報】
◇主催:一般財団法人mudef
◇共催:横浜市(申請中)、日刊スポーツ新聞社
◇特別協賛:住友化学株式会社、特定非営利活動法人Malaria No More Japan
◇後援:外務省(申請中)、独立行政法人国際協力機構、UNDP(国連開発計画)、駐日代表事務所、国連広報センター、株式会社シミズオクト、Water Aid Japan、株式会社ヤクルト本社、公益財団法人横浜市体育協会、横浜市陸上競技協会
◇運営事務局:日刊スポーツ新聞社、株式会社横浜アーチスト
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# by africa_class | 2013-03-24 11:49 | 【紹介】アフリカ・イベント

3月30日14時「日本の援助はいまアフリカで何をしているのか?プロサバンナ事業から考えるODA」@関学梅田

関西の方々にお招きいただきました。若者との討論を用意してもらいました。権利ベースアプローチの専門家である川村先生もご一緒です。是非。

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      日本の援助はいま、アフリカで何をしているのか?
モザンビーク・プロサバンナ事業から考える、ODAの過去・現在・未来
            【3/30・大阪梅田】
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【日時】2013年3月30日(土)14:00~16:30 ※13:30受付開始
【会場】関西学院大学 大阪梅田キャンパス 1407教室
   (大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー14階)
    http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/   
【会費】無 料(モザンビーク現地農民への活動支援カンパ歓迎します)
【発題】舩田クラーセンさやか(東京外国語大学教員)
【討論】川村 暁雄(関西学院大学教員、関西NGO協議会提言専門委員)
    今泉 奏(大阪大学外国語学部生、TICAD V学生プロジェクト)
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【ごあんない】
 今年6月横浜市で「第5回アフリカ開発会議(TICAD V)」が開かれます。この会議は、1993年の第一回開催以来、日本の対アフリカ関係の大方針を決める上で重要な役割を果たしてきました。一方、昨今は中国、韓国、インドなど、アジアの新興ドナーも「アフリカ・サミット」を開催するようになり、TICADは新たな存在意義の模索を迫られています。

 近年、アフリカ開発において最も大きな注目を集める課題の一つに、「農業投資」と「土地争奪」の問題があります。2007~08年の世界的な食料価格高騰をきっかけに再び課題に転じたアフリカの食料問題。この対応策として、アフリカ農業への国際的な投資・支援の必要性が叫ばれていますが、対アフリカ「農業投資」の中には、外国への食料調達を目的に、現地農民から土地を収用するものが含まれており、生計手段を奪われた農民による大きな抗議行動が各地で発生、政情不安の引き金になっています。

 日本政府もブラジルとの協力のもと、2009年より政府開発援助(ODA)でモザンビークに対する大規模な農業開発支援(プロサバンナ事業(※))を進めていますが、現地の農民組織やNGOが、当事者への十分な説明がないまま計画が進められていることに強い懸念を表明し、先日はその代表者が来日して各地で問題を訴えました。

※発題者によるプロサバンナ事業の詳細
 http://afriqclass.exblog.jp/i38/

 急激なグローバル化と、大規模ODAプロジェクトに直面するアフリカ小規模農民の現状を共有し、今アフリカで何が起きているのか、小農はどのように暮らし何を求めているのか、日本の我々はどのように関わるべきなのかについて、みなさんと一緒に考えたいと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【発題者紹介】
舩田クラーセンさやか(ふなだ・くらーせん・さやか)
 http://www.tufs.ac.jp/ts/society/africa/

 東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授。専門は、国際関係学とアフリカ地域研究。研究と社会活動の両面からアフリカに関わり、モザンビークをはじめアフリカ市民社会とのネットワーキング、アフリカに関する政策提言を行ってきた。
 東日本大震災後は、東京電力原発事故を受けて「福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト」を立ち上げ、600世帯を超える福島内外の乳幼児・妊産婦家庭のサポート活動に携わる。

※発題者より一言
「311後の現在と今後、私たちの世界との関係、私たちの社会自身を問い直し、共に語り合う場に出来ればと思います。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【主催・お問い合わせ】
「日本の援助はいま、アフリカで何をしているのか?」実行委員会
 〔メール〕oishii_mirai(@)icloud.com

【共催】モザンビーク開発を考える市民の会
【後援】(特活)関西NGO協議会
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# by africa_class | 2013-03-19 14:01 | 【記録】講演・研究会・原稿

自己崩壊する日本の外交と開発援助~ #プロサバンナ を事例に(議事録・スッポカシ・農民分断問題)

今日は意図せず3つもブログ投稿を書いてしまった。忙しいのに・・・。でもこれは昨日書き始めて時間がなくそのままになっていたもの。本当にあほらしい話なんで書くのも気が進まないけれど、これが日本社会・組織の現状なのでそのまま流します。 
 なお、3月30日2時~大阪梅田で講演をします。詳細は後日。
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今日は同僚がご家族と一緒に拙宅に遊びにくる。職場環境を良くしようと、色々な先生達と飲み会や、食事会など企画してきました。さて、先生ご一家を待っている間に、この間ツイッターで書いたことをこちらにも転載しておきます。

その前に、JVCの高橋清貴さんの記事です。コンパクトにまとまっていて読みやすい。連載だそうです。→JVC - モザンビーク・プロサバンナ事業とは何か? - JVC月刊誌Trial&Error掲載記事: http://www.ngo-jvc.net/jp/perticipate/trialerrorarticle/2013/03/20130312-prosavana.html

さて、今日の話題は、日本の援助問題の「根っこ」にある、異なった意見や批判、反論を受け付けられない体質が行き着く先についてです。「問題」を指摘されたら、①無視、②隠蔽、③反論のための工作、④論点ずらし、⑤矮小化、⑥問題を指摘した人たちへの攻撃・・・が、日本のお役所の原風景。311後もはっきりしたと思いますが、これは長年にわたって日本のODAにも見受けられた傾向です。

このブログの読者であればもうお馴染み・・・残念ながら・・・だと思います。
自体はますます、ひどい方向へ。
具体的なケースをみていきましょう。
誰か研究ネタとして掘り下げてくれるといいのですが・・・。
(一次資料満載なので)

皆が表面的になんとなく~で理解している「国際協力」「ODA」「外交」「NGOとの対話」といったものの、本質的問題、構造、カラクリに目を向けてみましょう。

1.ODA定期協議会・議事録勝手な修正
12月14日にODA定期協議会が、NGOと外務省の共催で開催されました。この定期協議会は10年以上もの歴史を誇る、日本のODAに関する協議の場です。オープンな協議で、議事録は詳細が公開され、年に数回開催されてきました。

通常は開催後1か月程度で公開されるこの議事録が、3か月も公開されませんでした。NGO・外務省双方のチェックは1か月以内に終了していたにもかかわらずです。その理由は何でしょうか?

外務省担当課が、NGO側の発話部分に勝手な「修正」を入れてきたからです。その数なんと14か所!前代未聞な事態に発展し、かなり上のレベルで問題になりました。オープンの場でやられたオープンな議論の、日本の行政手続きの透明度を上げるための議事録に対する、このような密室の一方的な介入は、10年以上続いてきたNGO・外務省対話の精神に反しています。

例えば、こんな感じ。
NGO:現地では「プロサバンナはブラジルのアグリビジネスのアフリカ進出に加担する案件なのではないか」と思われている。しかし,そのことが何も言われない。「それは誤解だ」ということも可能ではあると思うのですが,実際ブラジル・サイドの関係者,例えばニシモリさんという日系ブラジル人の議員さんが,「ブラジル人の入植をしっかりこのプロジェクトでバックアップする」と述べたり(***では,このように認識していない。ニシモリ議員は*****「モザンビーク人の育成について支援する」との姿勢であると***。

(ちなみに、このブラジルのニシモリ議員については、是非以下のブログ投稿を。同議員が、「プロサバンナ事業は、ブラジルの土地なし若者失業者が大規模農業をモザンビーク北部で展開するための事業」と議会TVで言いきっています。その全訳あり。
http://afriqclass.exblog.jp/17331007/)

なので、この修正として書かれていることもかなり無理がある内容。だって、彼は現にメディアに引用されるようなことを発言しただけでなく、議会TVで堂々とそれを嬉しそうに語っているのですから。なのに、これを「認識しない」「モザンビーク人の育成の支援」という姿勢というのは、反論にすらならないのではないかと・・・・思うのですが・・・?

残りの13か所の修正も、おかしなことばかりなのですが、こういうことが許されると外務省の中間管理職にある人が思っているところが、根が深いですね。もちろん、省内にはこの「議事録事件」に心を痛めている人もいたようですが。

結果、2か月に及ぶすったもんだの末、今週になっていつの間にか公開されていました。(既に、次の定期協議会が3月4日に開催された後になって・・・・のことでした。通常は、次の定期協議会前に公開されます。当然のことながら、前回の議論を踏まえた議論にしないと、定期協議の意味がないからです。)
→http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/oda_seikyo_12_2.html

該当部分の議事録は修正を断念したようです。(見た限りでは)
なぜ、外務省がそれほど赤入れにこだわったのか?それは、各自で議事録を読んで頂くのが一番かと。公に出るのを隠したい事実や認識が少なくとも14か所あったのですね。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/pdfs/seikyo_12_2g.pdf
該当部分はこれ→2 協議事項
モザンビークProSAVANA事業の課題】

2.モザンビーク訪問参院ODA特別委員会とUNACの面談事件
さて、次は今週あった話。参院ODA特別委員会の訪問団がタンザニアとモザンビークを訪問しました。モ国ではプロサバンナ事業の視察と同事業に反対するUNACとの面談を希望されていました。しかし、これについて、外務省・JICAは回避に躍起。

しかし、国民の代表であり、ODA委員会のメンバーによる公的な訪問。それも税金です。巨額の公金が投じられるプロサバンナ事業に関する視察や、現地最大の農民組織代表との面談は、ODAの透明性確保と改善のために重要のはず。ては、何故嫌なのか?という疑問が湧きます。

さて、しぶしぶ視察とUNACとの面談が決まり、UNACとの面談は3月13日午後に決定となりました。現地では、国際NGOのOXFAMとUNAC代表が、議員団と駐モザンビーク日本大使館で面談する予定となり、そのように日程表にも書き込まれていました。ただし、何故か農業省から誰かの同席すると、日程表には書かれていない企画も持ち上がったそうですが。この面会のため、わざわざ首都から遠く離れた北西部の州にいるUNACマフィゴ代表が多くのお金を費やして首都に移動して来ました。

しかし、国会での採決の日程が迫り、結局議員団訪問の日程変更が生じ、UNACと面会調整が必要となりました。飛行機は正午に出る以上、15時からの面談は不可能なのは明らかです。これは、議員のブログをみると3月8日(金)の時点で決定されており、その議員の予定には13日の予定はUNACとの面会だけが書かれていました。そして、議員から現地の大使館にUNACとの面会時間の再調整が依頼されました。

しかし、何故か駐モザンビーク日本大使館の担当者は、「無理」「難しい」を繰り返したそうです。が、時間はあったのです。朝食前、空港での待ち時間でいいから面談を希望された議員さんたちに対し、何も明確な返事をしないまま、ついに出発13日の朝がやってきます。

しかし、現地駐モザンビーク日本大使館もJICA事務所も、この変更についてUNACに伝えていませんでした。マフィゴ代表は、13日15時からの面会に備え首都に飛んできていました。面談がキャンセルされていたことも知らないまま、15時に大使館に行くつもりだったのです。

日本のNGOがこの事態に気づいて、13日のモザンビーク時間朝6時すぎにUNACに電話を入れてくれました。スタッフ一名hなんとかつかまったものの、代表まで朝8時にホテルに辿り着くことは難しい。そこで、11時に空港に代表が向かうことで対応となりました。

結局面談は実現しましたが、なんという非礼・・・。2200農民組織に対する対応として、あまりに礼を欠いて、不信感を招く対応。日本NGOが動いて、面談を実現させなかったら、大変な外交問題になったことでしょう。それを、「議員の予定が急に変わった」と知らんふりするつもりだったのでしょうか?

しかも、同席した日本大使とJICA事務所長は、繰り返し、「市民社会や農民組織との対話の重要性」「透明性の重要性」など主張したそうです。

繰り返される言動不一致。
言っていることが立派であれば立派であるほど、実際にやっていることとかい離すればするほど、人の信用・信頼というものは、失われていくのだということを、ご存知ないのでしょうか?

このブログでも何度も書いていますが、小手先の工作。隠蔽。そういったものすべてが、日本の外交力・ODAの実務能力の力点の置きどころなのです。透明性を上げることによりも、不透明性を隠ぺいすることに血道を上げる面々。そうやって、失われるのは、真に意味のある他者との関係です。そうやって実現したい外交や援助とは、一体なんでしょうか?任期中の自分の「名誉」「名前」「地位」だけなんでしょうね。。。

勿論、立派な方々はいらっしゃいます。でも、組織文化がこうである限り、繰り返され、増産されていく・・・これはすべて皆の税金で賄われているのです。つまり、このような手法を許している納税者・有権者の責任でもあるのです。

3.現地農民を分断する「融資」「クイックインパクト」
そして、より根が深いのはこれです。
自分たちの農民組織への相談なさを、農民主権の無視を、なかったことにしようと、現地で農民らに融資や「クイック・インパクト」なるものをバラマキ、賛成者を増やそうと躍起です。

そして、農民に「感謝させる」絵を撮って、「賛成する農民もいる」「賛成する農民組織もある」と宣伝したいとのことです。そして、さらにそのための大きな企画も準備されているということです。

背景は以下。
■七変化するプロサバンナ事業:「ブラジル・アグリビジネス」の切り離し&農民間分断工作の現在
http://afriqclass.exblog.jp/17433829/

私たちは、何のために援助ODAをやるのでしょうか?現地社会や農民を分断するためでしょうか?彼らの苦悩を和らげたい、できれば彼ら自身の力、社会が、平和で豊かで相互に助け合うものとなるように応援したいのではないのでしょうか?

自分の成功に目がくらんで、あるいは自分の失敗を隠ぺいするために、モザンビーク社会に次から次へと持ち込まれる数々の工作。その中長期的な影響なんて関係ない。どうせ5年後は担当じゃないから・・・今を乗り切れば・・・そんな人達によってやられる開発援助なんて、本当に要るのかしら。

そのような疑問をますます禁じえない展開の数々です。
しかし、普通に考えて、バレル、問題になる・・・・ようなことを、外務省とJICAの関係者は繰り返しているのですが、それぐらい現地の市民組織だけでなく、日本の国民・納税者がバカにされているということなんでしょうね・・・。5年前、彼らのためにODAを倍増することに尽力した私がバカでした。
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# by africa_class | 2013-03-17 17:02 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

今年度の卒業論文推薦文。ただその前に、「答えを求めない」「我独り、社会で生きる」意味について。

 もうすぐ大学院生たちがやってくる。今年卒業する2名のゼミ生と2名のサブゼミ生たちのお祝いで。数年前の卒業生も含め大所帯9名+アブディンの家族たち。大活躍だった銀河くんがタンザニアなのは残念。彼らが押しかけてくる前に、片付けるべき学会の報告概要の数々・・・今2学会のものが終わったので、とりあえず学生のことをしたいと思う。
 今年の学部ゼミ生たち15名の卒論も、凄かった。なんというか、彼らの「汗と涙の結晶」であることは間違いのない出来栄えで、最後の最後まで諦めずに納得のいくものを出そうとし続けた彼らの頑張りに、全員に、私は心からの拍手を送りたい。そして、一人一人表彰したいほど。
 申し訳ないことに、私は、彼らに「教えること」は多くなかった。それを期待する向きがあるのも知っているが、「教えてほしい」との想いが見えるほどに、私は「教えない」ことに徹してしまう。天邪鬼なのもあるけれど、皆に「自分の心で感じ、自分の頭で感じ、自分の手で書いてほしい」と切に願っているから。

 人生は長く、曲がりくねっていて、しかも1度きりだ。
 多くの場合、人生とは思い通りにいかないものだ。
 そして、その人生を歩んでいく皆は、独りっきりた。
 どんな素晴らしいパートナーを得ようとも、やっぱり皆は皆の人生において、皆の身体において、一人である。

 だから、働き始める直前のこの最後の機会に、徹底的に、「われ独り社会にあり」の意味を考えてほしいと思うから。皆が求めれば求めるほど、私は皆に「答え」をあげないようと心がけてきた。
 しかし、今の若者は「答え」がほしい。息苦しいから、他者に答えを求めがちだ。あの1995年の大震災とオウム事件が同時に発生したときのような空気を、あの時学生時代の最後を過ごしていた私は嗅ぎ取る。と同時に、あの時多くの若者が新しい自分、仲間、力を発見していったように、そのような兆候も感じる。だから、私は決して皆に「答え」を押し付けないようにとしてきた。
 もちろん、私はこのブログやツイッターで好き勝手に自分の考えや主張を述べている。でも、それは教室ではしない。それでいいのか分からないけれど、それはしない。皆が自分で考えることだから。でも、機会はいくらでもあげたいと思っている。
 と同時に、皆の不安に、そっと寄り添う存在でありたいと思う。どうしようもない時の「最後の防波堤」で今後も居続けたいと思う。皆の中に押しとどめられている数々の想い、自分で気づかないような・・・それに、答えを出すのではなく、耳を傾け、一緒に発見したいと思う。でも、まずは同級生、先輩たちとやろうね。その方がずっと力になる。なぜか分かる?

 なぜなら、彼らとて、彼女らとて、「誰にも相談できない・・・」と悩んでいるから。

 あなたが相談すれば、あなたが心を開けば、救われる人がいるのだということを、是非気づいてほしい。あなたが相談するから、向こうも相談できる。そうすることで双方向の深いやり取りが生まれる。それが、「新しい豊かなコミュニティ」を形成する。それを知り、自分でコミュニティを形成していける人生と、そうでない人生では雲泥の差。そして、それが無数にあちらこちらで形成され、大きな束になって社会は変わっていけるかもしれない。

 このゼミ生の多くがそれを互いのやり取りの中で、先輩の背中を見ながら学んでいるけれど、他の人達にも少しお裾分け。あ、、、本題が遠のいていきました。

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さて、今年の15名の卒論タイトルは以前お伝えした通り。いずれも渾身の策。
http://afriqclass.exblog.jp/17157727/
これにもう一人、白土久美子の「ベナンの民主化」が加わる。

去年の優秀論文の推薦文4名分
http://afriqclass.exblog.jp/14641121/
http://www.tufs.ac.jp/insidetufs/kyoumu/yushuronbun23.html
外大のホームページに論文が掲載。

彼らの卒論製作秘話
http://afriqclass.exblog.jp/14644859/
http://afriqclass.exblog.jp/14651272/

今年も力作ぞろい。3名を推薦するつもりが、今年は1名だけが「原則」という。粘りに粘ったが、ダメだった。がしかし、外大の教員の大半はゼミ生が10名以下の先生ばかり。15名を超える卒論を担当した先生はごく数名。しかも、推薦できるほどの論文をいくつも指導し、推薦文を書くという手間を惜しまず書きたい先生が何人いるのだろうか?行政的な「横一列」ではなく、10名以上の卒業論文を書いた学生がおり、その先生が自信を持って推薦できるのであれば、2名でも3名でも推薦すべきだと思う。外大に来て9年。学生の内的な力を信じ、その成長を願い、日々をすごしてきた私としては、こういう画一的な対応こそが、若者の力を伸ばさず、日本社会を停滞させる根本だと思う。とはいえ、仕方ないので、教務に出した推薦状をここに一挙掲載。(土屋亜希子論文への推薦文は、後日掲載予定。少し時間下さい)

そして、現在HPで全論文を公開すべく準備中。お楽しみに。
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平成24年度推薦卒業論文 推薦文

「北アフリカにおける持続可能な水不足対策~持続可能性三本柱による分析から 」
論文執筆者:フランス語専攻 山口絢子 

本論文は、近年、温暖化や人口増加、大規模農業開発などにより水不足が急速に進む世界の現状を踏まえ、特に水不足が深刻化する乾燥地・北アフリカ地域に焦点を当て、同地域において持続可能な水不足対策はどうあるべきかに迫った論文である。水不足対策として供給量の増大に議論を限るのではなく、持続可能性を評価の軸に据え検討が行われた点に、本論文のユニークさがある。本論文で使用された資料は、英語74点日本語4点に上り、かなりの部分が理系の資料であるにもかかわらず、本テーマについて丹念な検討がなされた。
本論文のキー概念となる持続可能性については、総合的持続可能性学を掲げるジョニー・ポープらによる「環境性」「経済性」「社会性」の三本柱が用いられ、北アフリカの地域性(特に農業手法の在り方)から、三本柱のいずれの指標を用いても排水再利用が優れたアプローチであるとの結論がまずは示された(第一章)。その上で、二章では、排水再利用を用いたチュニジアとモロッコの事例について、持続可能性の三本柱を用いた分析枠組みを用いて詳細なる比較検討がなされた。その結果として、モロッコの事例では、排水再利用が住民の健康被害をもたらしたこと、従って「社会性」という点では疑問が残ったことが明らかにされた。一方、排水の適切な処理を行うための法律の整備や組織づくりを行ったチュニジアの例により、予防策の徹底により排水再利用が「社会性」を獲得することが可能であることが示された。
しかし、本論文の結論はここで終わらない。以上の2事例の比較研究により、水不足対策研究の問題点を明らかにしているのである。それは、これらの先行研究の多くが、(1)理系的な問題関心から書かれているため、評価の軸が「環境性」「経済性」に偏る傾向がみられ、(2)「社会性」への注目が不十分であること。そして、(3)そのことが結果として、排水再利用を奨励する際に不可欠な視点や対策を軽視させる結果になったとの指摘は重要である。本論文は、これら検討と結論によって、二事例の「成功」と「失敗」の議論を超えて、より大きな文脈での水不足対策の議論に寄与することができたと考える。
なお、執筆者は、本論文が焦点とした北アフリカに近い中東カタールで2年の期間をすごし、水不足の問題の深刻さを痛感し、数多くの理系英語論文にも音を上げず、本テーマに取り組み続けた。その努力の成果としても、推薦するに相応しい論文と考え、本論文を推薦する。

「民間セクター開発におけるバリューチェーン支援の有効性~エチオピア皮革産業の事例から」
論文執筆者:フランス語専攻4年山岡優里 

本論文は、2005年のグレンイーグルス・サミットにおいても注目されたサハラ以南アフリカの民間セクター開発について、エチオピアにおける皮革産業を具体的な事例として取り上げ、その有効性について、次の二点((1)質の向上と付加価値づけに寄与したかどうか、(2)そのことが貿易拡大に繋がったか)に焦点を当て、検証したものである。
アフリカにおける民間セクター開発については、日本政府もアフリカ開発銀行とともに共同イニシアティブEPSAを立ち上げ、1億ドルもの円借款供与を行ってきた。製造業が低調なアフリカにおいて、民間セクターをより改善させていくことによる貿易拡大は雇用を広げ、所得向上の可能性を高めるのではないかという問題意識に基づき、執筆者はこのテーマを選択した。特に、民間セクター事業の改善において、バリューチェーン支援が果たす役割に注目し、その是非を同国政府による支援策(PASDEP、2004年に実施)とUSAIDによる外部支援(2006年に実施)策を比較することで結論を導き出している。
本論文の構成は次のようなものであった。まず第一章で、エチオピアにおける民間セクターの概要を整理した上で、民間セクター開発の貿易拡大への貢献について検討を加えた。その上で、民間セクター開発の議論において、バリューチェーン支援についてどのように議論されてきたのかについて取り上げる。以上は、先行研究の整理によって行われる。続く第二章では、本論の事例である皮革産業に焦点を当て、PASDEPとUSAIDによる支援策を比較し、その有効性を検証した。これらの執筆のために検討した論文は、英語論文70点、日本語文献30点を超えている。
以上の検討の結果、執筆者は、(1)の「質の向上」については、PASDEPは部分的な支援に留まったため成果が限定的で、一方のUSAIDの支援は質の向上に寄与したと結論づけている。また、「付加価値づけ」については、PASDEPには当初からこれを念頭においておらず、最終製品としての革製品作りを目指したUSAIDと大きな違いがあったことが示された。次に、(2)については、PASDEP実施後に輸出総額は伸びをみせずむしろ減少したのに対し、USAIDの支援後は28.8百万米ドルの増加がみられたという。同国皮・皮革産業組合によると、低価値の皮から高価値の革製品に生産物が移行できたことが輸出増加に結びついたと述べられている。以上二つの事例の比較検討から、本論文によって、民間セクター開発の中でもバリューチェーン支援を行うことの意義が示され、これがアフリカでも有効であることが明らかにされている。限界として、エチオピアの皮革産業支援だけを事例としていること、今後の他事例との比較なども求められること、そして効果の持続性なども指摘されるが、世界中の数多くの英語・日本語論文を検討した本論文は、推薦するに値する卒業論文と考え、ここに推薦する。
なお、執筆者は、エチオピアに2年にわたって暮らし、同国の民間セクターをどうすれば応援できるかの視点に立って現地での生活を送り、3年にわたって粘り強く研究に取り組んできた。本卒業論文は、5 年間にわたるゼミでの研究の集大成に相応しい論文となった。

2013年2月22日
推薦者 舩田クラーセンさやか

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# by africa_class | 2013-03-17 16:18 | 【大学】アフリカゼミ(3・4年)

追悼:泉かおり氏(2012年8月29日「女たちの一揆」スピーチ書き起こし)

私の日曜日の朝はこの悲報で幕あけた。

●杉原浩司(緑の党・脱原発担当) ‏@kojiskojis
【追悼・泉かおりさん】「非常時だと認識して、前倒しで行動すべき」「走りながら学ぶしかない」~岩上安身さん( @iwakamiyasumi )による泉さんへのインタビュー動画(2011年8月14日、約6分)
→http://www.ustream.tv/recorded/16604532/highlight/194403
●満田夏花 ‏@kannamitsuta
「Shut 泊」の泉かおりさんが亡くなった。原発を止めるために、自分を焼き尽くすように、あらゆる手段でたたかい続け、走り続けた。たくさんの元気をもらった。涙がとまらない。泉さんの思いを実現するために力をつくしていきたい。
●白石草 ‏@hamemen
Shut泊の泉かおりさんがお亡くなりになったという悲しいニュースが届きました。信じられない思いです。悔しさと残念さ。ご冥福をお祈りします。去年8月、泉さんが「女の一票一揆」を呼びかけた際のビデオです。ぜひご覧ください。
→http://www.youtube.com/watch?v=kbY1Q6V5fUw&feature=youtu.be


長年にわたり、FAO(国連食糧農業機関)の南部アフリカのヘッドとして活躍し続けた泉かおりさん。どこにいっても「かおり知ってる?」と聞かれ、誰だろう…と思っていたら津田塾大学の先輩だった。吉田昌夫先生のご紹介で私が副代表を務めていたTICAD市民社会フォーラムのNLに寄稿頂いた。

帰国され北海道にいらっしゃると聞いていたものの中々お会いできず、日本国際政治学会の学術大会で北海道に行ったとき津田の先生たちと初めてお会いした。すっごくシャープで、でもユーモアに溢れ、なんて魅力的な人だろうと。ある時、かおりさんからメールが飛び込んできた。一緒にやろうと。そして長い電話での会話があった。

福島からお母さんたちが座り込みに来るのに、何もしないわけにいかない、と。被害を受けた福島のお母さんたちにそこまでさせて、私たちが何もしないわけにいかないじゃないか、と。東電を使っている東京の我々として、この一言は重く、重く響いた。
→http://afriqclass.exblog.jp/13811632/  

福島から避難してきている子ども家族の支援だけじゃ、足りないのだ、と悟った瞬間だった。
→http://fukushimaneeds.blog50.fc2.com/

泉さんが代表を務めていた泊原発を止めるための活動「SHUT泊」
→http://shuttomari.blogspot.jp/

なのにかおりさん、実は癌だった。運動を新たに立ち上げた以上、最後までまっとうしたかったようで、誰にも言わず、ギリギリまで入院をためらった。皆で説得してようやく入院。あの時、もっと早く休めるように出来なかったか…と今でも後悔している。癌は早期発見・早期処置が基本である。

子どもたちをおいて逝かれた。仲間たちも。さぞ無念だったろう。講演の模様を拝見させて頂いた。(末尾に下記お越しを貼り付けました) 

命を削って活動されていたのが良く分かる。でも悲観に暮れてはいけないとも思う。かおりさんが一番それを望んでない。権力、国際、アフリカ、日本と地域を、徹底して人びとの側に身を置いて闘った人生。

世界と渡り合い、尊敬され、理知的で、機転が利いて、実行能力をもち、カネや地位に惑わされず、人びとの側に立ち続け、その間を繋げられた女性、泉かおりさんこそ、皆が目指すべき「グローバル人材」だった。

世界でも、アフリカでも、北海道でも、当事者としてよく生きた。
心からご冥福を祈ります。

気兼ねなく少しお休みください。
そして、今後も子どもたちと、仲間たちを温かく見守ってくれることを確信しています。

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選挙で脱原発!~「女たちの一票一揆ネット」発足
2012年8月29日
*原稿もみずに一気に語られました。
http://www.youtube.com/watch?v=kbY1Q6V5fUw&feature=youtu.be
「日本に長くいなかったこともあるけれど、真剣に国会中継をみたのは20ミリシーベルトに関する国会審議であった。それぐらい政治に関わってこなかった。311以来、世界がひっくりかえったと思う皆さんは私だけじゃないと思う。私は25年間外国で暮らし、原発のない国でのほほんと暮らし、311で本当に世界がひっくり返り、それから気が狂ったように走り続けてきた。

皆想いは同じだと思う。やれることはすべてやってきた。原発事故から1年半、女たちは立ち上がり、20ミリシーベルト撤退交渉。福島の女たち、全国の女たち、10月10日の女たちの座り込みが今も続いている。9月には、福島の女たちとアメリカに行き、「原発事故を起こし、収束もしないまま、子どもたちを放射能に晒しながら、安全な原発をつくる」と国連の首脳会議の場で発言した野田総理に、そんな発言をさせるものかと国連本部前に駆けつけ、スタンディングデモをやった。アメリカのワシントンの原子力規制委員会に行き、委員たちに福島の現実を伝え、子どもたちの絵をみせ、子どもたちのメッセージを伝え、女たちのハンストがあり、現在に至る。

何故、私が今ここに立っているか?請願を出し、陳情を出し、座り込みをやり、ハンストをやり、デモをやり・・・やることすべてやり尽くしてきた。そして、6月1日から福島の相談会に出かけ、たったの2日間の間に1000人の親子が駆けつけた。夏休みの間、子どもたちを少しでも遠いところに連れて行きたいというお母さん。母子心中を考えたというお母さんもいた。札幌に避難していたはずのお母さんが息子が福島に帰りたいといってとうとう福島に戻りましたといっていた。福島の状況も刻々と変わって行っている。今までの保養ではやっていけないところまできている。

そして6月7日、福島の女たちが官邸に押し掛け、総理に福島の女たちの声が届くようにと。そして、その翌日、なんと野田総理は再稼働を決めたのです。いい加減にしてください。

総理、国会議員、政治家は、私たちの負託を受けて、国民の民意を反映させるために政治をやっている人達ではないのですか。主権者は私たち。70%から80%がもう原発いらないといっているのに。しかし、今日の新聞は断層があっても原発再稼働といっている。どこまで国民をバカにしているのでしょうか。

3月11日~19日の間、アメリカは福島の上空を飛び、高線量を測った。アメリカから日本の外務省に報告が来た。それを文科省に伝えたら、なんといったか?「アメリカはこの情報を国民の伝えていいのか?」と聞いた。国民が危険に晒されているときに、アメリカの許可なしに情報を出せない日本政府とはいったいなんなのか?

福島から最初のフェリーに乗って苫小牧に行き着いた時、若い女の子は言った。すべてを捨てて逃げてきて、それでも、「反対っていっていいのだろうか」と。学校でそんなこと教わらなかったから、と。

今まで沢山の外国人、報道陣沢山来た。一言は、「日本人は何故怒らないのか?」と。でも、日本人は怒っている。福島の女たちも怒りを遮れないところまで。

私は、もうモグラたたきは沢山だと思っています。もう政治を変えるしかない・・・・そう思っている。今沢山の女たち、全国の女たちがそう思っています。私たちは候補者を探しています。国政選挙はちょっと、政治があまりにも遠い。でも、まず第一は候補者を出すことです。ダメな政治家を落とす。頑張っている政治家を応援する。政治を変えるには、私たちがまず政治を担うという自覚から始まらなければならない。

一時保養に来た福島の子どもたちの多くに呼吸器系の病気が続出している。福島の1,2,3,4号機すべて危険。活断層があっても再稼働するといっている。国政選挙いつやってくるか分からない。さて、私たち国民に準備があるのでしょうか。私たち、一人一人が考え、行動するべきと思う。

実は私は25年間外国に住んできました。北欧、アフリカ、独裁政治のジンバブエ。ノルウェーでは社会民主主義の政治の中、閣僚の半数以上は女性、7つある政党の内、5つの政党の党首は女性。松葉づえの環境大臣も、シングルマザーのエネルギー大臣も、最年少国会議員は26歳。そういうことが可能である。

そして、ジンバブエ、ムガベ大統領の独裁政治の国に7年間暮らしましたが、野党に投票したら家を焼き打ちされ、殺される人が続出した。選挙の度に死傷者がどんどん出る。私たちも、選挙ごとに10日間の準備をして逃げる準備をして暮らしていた。それでも女たちは、命がけで子どもたちのために諦めず、一票を投じるために投票所に並び続けた。反対票を投じたら食料援助ももらえない。それでも、女たちは子どもたちの未来のためにやれることをやっていた。私たちもやってきた。私たちもやれると思います。

私は、311後、日本に民主主義がなかったのだと初めて知りました。アメリカの方ばかりを見て。原発ばかりじゃない。TPP、オスプレイ。民主主義があったら、こうなことまかり通るわけがない。そして国民は、政治は遠い、政治は遠い、政治は汚いという。だからこうなったんじゃないのでしょうか?政治を変えずに原発を止めることは出来るのか?出来ないと思う。

本当に福島の相談会の様子をみて、30万人の福島の子どもたちを守るには、札幌で保養していても仕方ないと思った。国会の半分を、原発を止め、子どもたちを避難させりょうという議員で埋め尽くすかないと思った。そこから出てきた女たちの一揆です。

1年半が経って、運動の疲れが出ています。いろんなことをしたが、あまり成果が出ていないと思っているかもしれない。政治を私たちの身近なものにし。一人一人が主権を自覚し、取り戻す。主権者であることを再確認するしかない。今追い風である。

今、日本の女たちが何とかしたいと思っている。7月19日、国会包囲に20万人が集まった。私もいました。ここにいる沢山の女たちと私も。これを逃しては日本を変えられない。

今、私たちの暮らしと、子どもたちの命と未来を守るために、私たち大人の女たちが何ができるのか。政治を変えるためにどこから始めるべきか。人任せにせず、自分で智恵を絞り、他の女たちとつながり、男たちとつながり、政治家たちとつながり、今一歩を踏み出すべきだと思います。これから長く長く続く闘い。第一歩にしたいと思います。皆さん、よろしくお願いします。今日は思いっきり話していただきたい。是非、全員に一言いって帰っていただきたい。ここで得た意見をもって、帰った地元でできることをやってください。よろしくお願いします。

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# by africa_class | 2013-03-17 12:32 | 【考】民主主義、社会運動と民衆

書評会『現代アフリカと国際関係ー国際社会学の地平から』(3月28日)を開催します

やっと重要校務終了。連日缶詰です。
以下、ご案内を失念しておりました。是非お越しください。
何度かご紹介させていただいている小倉充夫先生にもお会いできる!
◆援助・開発関係者が読むべき論考:「開発社会学の軌跡と地平」(小倉充夫)「開発/発展」をめぐって
http://afriqclass.exblog.jp/17202555/

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新刊本書評会『現代アフリカと国際関係ー国際社会学の地平から』
「日本アフリカ学会関東支部例会」「アフリカ史研究会」
東京外国語大学アジアアフリカ言語研究所・共同研究
「アフリカ史叙述にかんする研究」
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■日時:2013年3月28日 14時30分~17時30分
■場所:東京外国語大学本郷サテ ライト 5階セミナー
(文京区本郷2-14-10)
■アクセス(場所が大変分かりづらいので必ずご確認の上お越しください):
東京メトロ丸ノ内線:本郷三丁目駅(M21) 2番出口下車徒歩3分
http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html
■参加:無料・申込み不要
■内容:
『現代アフリカと国際関係ー国際社会学の地平から』
(小倉充夫編:有信堂2012年)
目次:http://www.yushindo.co.jp/isbn/ISBN978-4-8420-6583-0.html
●発表者:
 小倉充夫、舩田クラーセンさやか、眞城百華、網中昭世
●コメンテーター:
・永原陽子(東京外国語大学 アジアアフリカ言語文化研究所)
・武内進一(アジア経済研究所)
■主催者:
日本アフリカ学 会関東支部 
■共催者:
アフリカ史研究会
東京外国語大学アジアアフリカ言語研究所・共同研究「ア フリカ史記述にかん
する研究」
■問合せ先:
*
(東京外大 舩田研究室)

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# by africa_class | 2013-03-13 18:34 | 【記録】講演・研究会・原稿

経済至上主義に飼い慣らされる私たちと水俣、セラード開発、原発事故、プロサバンナ問題…を超えて。

先程改訂が終わった『アフリカと内発的発展』のある章の「おわりに」を転載します。特に、最後のパラグラフを、アフリカや援助関係者以外の皆さんに読んでほしいと思っています。これは私たちの、私たちの社会の問題だと思うからです。4月に出版予定です。お楽しみに。

3月28日2時半~5時半まで、先般『国際開発研究』(国際開発学会ジャーナル)に巻頭論文を出された小倉充夫先生と共に、書評会に挑みます。先生の論文は以下の原稿を書いた後に読んだのですが、期せずして同じようなことを考えていたことに(まったくレベルは違うのですが)、驚きました。原文を読んでほしいですが、なかなか入手難しいと思うので、以下紹介ブログです。

◆援助・開発関係者が読むべき論考:「開発社会学の軌跡と地平」(小倉充夫)「開発/発展」をめぐって
http://afriqclass.exblog.jp/17202555/

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おわりに

ここまで、プロサバンナ事業にみられる言説の推移と背景分析、そして内発的発展論に視座をおき考察を行ってきた。その結果、同事業における多くの問題が、事業の成立過程や背景、つまり政治・外交・宣伝プロジェクトとして進められ、現場の人びと(小農)やそのニーズから立ち上げられたものではなかったことに起因していることが明らかになった。「広大な未使用地」「低生産性」「貧困」「食料不足」といった外部者が規定する不足ばかりが、マクロ・データや写真 に依拠して想定され、根本原因の詳細な検討も当事者との相談もないままに、先に「農業投資」「企業参入」「モデル」という処方箋が示された。そして、このようなアプローチの起源に、同事業がモデルとする軍事独裁政権下のブラジルで開始され、地元住民から土地と生活手段を奪い周縁化を余儀なくしたセラード開発事業の「負の遺産」があったことも明らかになった。

もちろん、モザンビーク北部そして人びとの日々の生活に、少なからぬ課題があることは事実である。何もせず、現状のままで良いというわけではない。しかし、「外からの解決」を前提とする前に念頭におきたいのは、モザンビーク北部が最も政権中枢から遠く、最も役人と援助機関に嫌われ、したがって最も自律的に人びとが生活を営んできた地域であるという歴史的事実である。北部の小農こそ、モザンビークの食料や海外輸出向け農産物の大部分を生み出し、国の戦後復興に貢献してきたのであるが、それはJICAによって「粗放で低生産」と否定される手法によってであった。食料危機に陥ったジンバブエやマラウイの危機を緩和したのも、このようなモザンビークの小農たちの生産する食料によってであった。しかし、このような農民の営みや努力はまったく言及されず、「新しいモデル」と「大企業の参入」が不可欠と断定されている。

長年にわたって援助関係者は、「ないもの(ニーズ)」を発見し、その処方箋を描くことによって開発事業を立案してきた。しかし、そのアプローチは1990年代後半には反省を余儀なくされ、「あるもの(livelihood)」への注目の重要性が認識されるようになった。このような転換をもたらしたのが、国内的には水俣学であり内発的発展論、国際的には1995年の社会開発フォーラムであった。しかし、冷戦後世界の市場経済化は、日本を含むあらゆる人びとの認識に影響を及ぼし、現在では経済成長至上主義を促進することだけが貧困削減と食料安全保障の処方箋だとの認識が一般化しつつある。

アフリカにおいて、農業投資という名の下に起きている急激な変化は、世界経済の一体化の最終局面としてアフリカの辺境の空間と住民の組み込みである。これは19世紀末に始まった経済至上主義の全面・極大化のプロセスが、植民地支配、反植民地主義運動による解放と独立、冷戦下での新植民地主義と独裁、ポスト冷戦期の民主化と大量援助の時代を経て、「貧困解消の処方箋」として主流化しつつある現実を示している。このような中、アフリカの民衆の内発性や主権とは何を意味するのか。このような時代を生きる農村の人びとの未来のため、開発・援助事業はどうあるべきだったのだろうか。

そもそもモザンビークに対する日本の農業支援の歴史は輝かしいものではなかった。独立後の激しい戦時中の1985年、「食糧増産援助」の名の下に農薬・化学肥料援助で幕を開け、使われない農薬の蓄積と汚染が2000年に発覚するまで続けられた。同援助は、日本のメーカーや商社のための還流型援助として悪名が高く、市民による運動の成果として、最終的に目的と対象を明確にする「貧困農民支援」に衣替えした 。その後、細々と米生産の支援がなされていたが、次に日本が大々的に打ち出したのがこのプロサバンナ事業であった。これに、モザンビークの市民社会、研究者、他ドナーは、「なぜ日本は過ちを繰り返すのか」と疑問を投げかけている(インタビュー,2011年9月;2012年7-9月)。

この点について参考になるのが、アフリカにおけるインド企業による土地収奪について研究するインド・ネルー大学ジャヤティ・ゴシ(Jayati Ghosi)教授(経済学)の次の一言である。

「インドでは到底許されない広大な土地や水資源の取得が、アフリカでは可能になっている。インドで出来ない理由は、農民や市民が黙っていないから。(略)これは国際連帯の話ではない。インド企業はアフリカで新植民地主義者のように振る舞っている。このように振る舞うことがアフリカで出来たのであれば、インドでも出来るであろう 。」

これが日本であったら、プロサバンナ事業の立案から形成までのプロセスは可能だったろうか。可能ではなかったろうと思う一方で、「(インドの)農民や市民は黙っていないだろう」と断言できない現実がある。むしろ、彼女の最後の問い「このようなことをアフリカで出来たのであれば、日本でも出来るのではないか」に、思い当たるところがある。

「右肩上がりの経済成長」がすべてを解決するとの処方箋が相も変わらず描かれ続け、自らの権利が浸食される一方であるにも拘わらず、民衆自身がそのことへの十分な自覚も対処もない日本である。あれほどまでの原発事故が起こってなお、この国の為政者そして資本や企業は、被災当事者に寄り添うことなく反省もなく、利己的な利益を守ることに必死である。それに抗うべき民衆は、経済至上主義に飼い慣らされる一方である。

我々の社会の鏡が日本の援助なのであり、援助もまた我々の社会の在り方を炙り出しているといえる。だから何度も何度も、日本でも日本外、ブラジルでも、モザンビークでも繰り返すのである。

しかし、このような世界構造と国内構造、認識枠組みの中でも、やはり希望を見出したいと思う。内発的発展の概念が、水俣で当事者自身によって育まれたように。軍事独裁下にも拘わらず、セラードの土地なし農民たちが立ち上がったように。権威主義体制に近い今のモザンビークで、市民社会が立ち上がりつつあるように。そして、放射能汚染から子どもを守ろうとする家族や市民、脱/反原発を訴えて全国各地で立ち上がった市民のように。危機の中から主権意識と連帯が育まれ、社会が変わることを。」
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# by africa_class | 2013-03-10 23:15 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

七変化するプロサバンナ事業:「ブラジル・アグリビジネス」の切り離し&農民間分断工作の現在

昨日土地問題と一緒に書いたのですが、重要な問題なので再掲載しつつ、根拠を示しておきます。

目まぐるしく展開しているので、まず簡単にこの間の動きと変化をまとめておきます。

●プロサバンナ事業の七変化
①国際力学の変化、国連改革のため、また移民100周年を受け、日本とブラジルは戦略的パートナーシップを象徴するプロジェクトをやろうよ。
②援助卒業国が続出の南米やアジアへの日本の援助関係者を活かせる道はアフリカのみ。
③じゃあ、「JICAがやったブラジル・セラード開発万歳!これをアフリカ中に持ってくるぞ~」という教訓から学べない安易な発想と威勢のいい掛け声が、
④そこで強調されるのが「ブラジル・セラードとモザンビーク北部の農学的類似性」(しかし調べてみたらあまりに違っていた。ほとんど人が住んでないと思っていたら、人口密集地であった。ので緯度と雨季乾季サイクルぐらいしか言えなくなったが、いぜん類似性がさりげなく強調される)、
⑤ビジネスチャンスに群がるブラジル人たち(そして援助関係者)、
⑥不安を掻きたてられたモザンビークの住民や市民組織の抵抗を受け、
⑦日本でもNGOによってついに問題化され、
⑧当初は「ブラジル・セラード開発万歳!」を死守しようとしたものの、
⑨否定できない証拠を突きつけられて、
⑩「セラード開発はモデルでない」といってみたり、
⑪モザンビーク大臣に「土地は奪われない」といわせてみたり(しかし同じ談話で⑩を覆してしまった・・)、
⑫ブラジル・アグリビジネスを切り離そうと別ミッションにしてもらったり、
⑬本当のことを話し過ぎたブラジルの人達には口止めをしてみたり、
⑭もっとひどいことに、現地の農民を分断するために、「農民融資」「クイック・インパクト・プロジェクト」なる「ニンジン」をぶら下げて、「賛成している農民もいる」を急いで演出中。

本当に、情けない。
それにとどまらず、自らのズサンな開発計画事業の汚点を埋めるために、現地社会に分断を生み出して、挽回を図るなどという・・・のは、本当に罪です。

「モザンビーク北部農民の支援」が一番の目的と今更いうのであれば、最初からそこから立ち上げれば良かったのです。ブラジル・セラード開発などを言わなくても、彼らを尊敬し、愚直に彼らの声を聴き、愚直に寄り添えばいい。今回、「いまだにこういう手法やってるんですが」と皆が驚いています。

さて、では現在JICAと外務省が慌てて強調する、プロサバンナ事業は、
(1)貧困と飢えに苦しむモザンビーク政府の要請である
(2)セラード開発をモデルとはいっていない
(3)ブラジル側の野心は日本の関与マターではない
(4)ブラジル側の関与は技術支援に留まる
という点について反論してみましょう。

1.ブラジル・セラード開発を出発点とする
プロサバンナ事業は、ブラジルのセラード開発を成功と位置付け、「日伯連携による熱帯サバンナアフリカ農業開発」としてスタートされ、モザンビークを対象国として第一段階を迎え、アフリカの色々な国に持ち込むことを想定され打ち上げられた開発援助計画です。以下、JICA自身の説明です。

「かつて「モ」国と同様に広大な未開墾の熱帯サバンナ地帯を有していたブラジルは、1970年代から我が国と農業開発協力(セラード開発)に取り組み、いまやセラードは大農業生産地帯へと発展した。その知見や農業技術を日本と連携して熱帯サバンナが分布するアフリカ諸国に移転し、そして日本とブラジルは農業開発支援を行うことを検討してきた。今般「モ」国は比較的安定した政治状況にあること、また前述の「モ」国北部熱帯サバンナに高い農業ポテンシャルがあることなどから、日本・ブラジルの三角協力による農業開発の支援対象国として「モ」国が選定された。 http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/outline/index.html (2011年2月ナカラ回廊プロジェクト)」

2.プロサバンナ事業の参照事例としての「セラードの成功」
(1)プロサバンナは必ず「セラードの成功」物語から
話されます。これまでのJICA資料の全てがそうです。その他にも例えば…。

●農業の三角協力でアフリカに参入(JETRO中米課2012年08月21日 )「アフリカで日本、ブラジル、モザンビーク3カ国による農業開発事業が始動。かつて日伯協力で実現したブラジルの農地改革の経験をモザンビークに応用しようというもの」。
●褐色のサバンナを世界の食料倉庫に(JICA2012年08月24日)「日本とブラジルには、1970年代から約20年にわたる農業開発協力事業により、不毛の大地とされたブラジルのセラードを、世界の食料倉庫へと発展させた実績があるが、この実績・経験をアフリカの熱帯サバンナ地域の農業開発に生かしているのが、プロサバンナだ。」

(2)日本政府が公式見解とするモザンビーク農業大臣の談話
には、次のようなコメントがあります。

プロサバンナは30年前にブラジルでなされた二国間(日伯)協力のレプリカ(複製)である」(2012年12月26日AIMモザンビーク情報局)

<=しかし、「ブラジル・セラード」との類似性が主張されても、ブラジル・セラードとモザンビーク北部は全く異なる特徴が。北部はモザンビーク国最大の穀倉地帯で肥沃な大地と水、人口密集地。「農学的条件」はまさに異なっているのです。それを知らないままに、緯度や気候の共通性程度で立ち上げられた事業。しかし、宣伝文句はいつもセラードから始まるため、
<=セラードでみられた森林の大規模破壊、住民からの土地接取、大規模な近代農業・・・がモザンビーク北部に持ってこられると想起されるわけです。

3.セラード開発への批判が高まってきたための「セラード開発をモデルにしていない」との主張
JICAは「セラード開発=成功」の一辺倒で押せ押せムードだったものの、このブログで紹介するように、当該地域の地元の先住民族やそこに暮らしてきた人びとは、この開発により土地を奪われ、それを取り戻すために激しい土地紛争を繰り広げ、裁判をやったものの、生活手段を奪われ、都市に流れていき貧困層を形成した・・・というブラジル内ではよく知られ問題化されていることが、日本でも知られるようになってきました。
<=この知見は、ブラジル学術界では1988年来周知の事実。
<=現地市民社会も、セラード開発問題についての知見を蓄えています。

ブラジルでセラード開発批判があることを、JICAは当初、全面否定していましたが、具体的な資料が次から次へと出てくることに直面し、ここ最近は、「セラード開発はモデルではない」と繰り返し主張するに至っています。(苦しいですね・・・)

一方、ブラジルもモザンビークサイドも、「セラード開発を持ってくるんだ=大規模農地開発」との理解を現在でも隠していません。以上の農業大臣の「レプリカ」発言について、外務省は先日の意見交換会で「技術のこと」と言い張りますが、普通に聴いてそうは聞こえないのでは?実際、JICAが繰り返しセミナー等で使う写真は、広大な農地に延々と単一作物が栽培され、大型機械が行ったり来たりしているものばかり。先日のJICAが協力(というが全面的に関わった)テレビ東京の番組でも、同様の映像や写真が。そこまで宣伝しておきながら、「セラード開発の違った部分を・・・・」というのは、苦しい言い逃れ・・・。

4.ブラジルの狙いはモザンビーク北部の肥沃な土地
そして、ブラジルサイドのプロサバンナへの関与の目的は、ずばり「土地」。大規模農業で儲けを拡大してきたアグリビジネスにとって、もはやブラジル内には安価な土地はない。アマゾンを切り拓いていくのには国際監視もある。ということで、国外に農地を増やすというのは、彼らの「儲け拡大システム構築」のために不可欠。なぜなら、農業で儲けるには「土地」「水」は不可欠だから。単位当たり収量をこれ以上は伸ばせないこともあり、外に求めていくしかない。それは、アメリカのアグリビジネスとて同じ。
 かくして、土地争奪戦が繰り広げられているのですが、それを象徴する言葉を日系ブラジル議員のルイス・ニシモリ氏が議会TVで嬉しそうに語っています。自分の目で確かめましょう。

TV CAMARA Palavraberta 2012年6月27日放送 
http://farmlandgrab.org/post/view/21652
この合意はなによりもブラジルのセラードの経験をアフリカのサバンナに移植するために形成されたのです。この地域ではヴァーレ社(*筆者注:現地農民と土地問題で衝突中)なども石炭や鉄鋼といった鉱物資源の採掘を行っています。そこに今度は我々のブラジル人農業労働者を連れていくわけです。ブラジルにおいて農業を行いたくとも土地が不足している若い人たちです。多くの農業専門家が育成されていますが、無職の状態にあります。そういった人々が挑戦できるでしょう。特にブラジル南部の土地の不足した地域で4ヘクタール、5ヘクタールといった規模で農業を営みながらも、近代的で大規模な農業を行いたいと思っている若い営農家にとっては多くの機会を提供するでしょう。」
全訳は→http://afriqclass.exblog.jp/17331007

そして、ロイターの記事などにもセラード地域の綿花企業が以下のように語っています。
2011 年8 月15 日 “INTERVIEW-Mozambique offers Brazilian farmers land to
plant”http://af.reuters.com/article/commoditiesNews/idAFN1E77E05H20110815
ブラジルでは価格が高く環境に関する規制が多いことから農地取得のリスクが高く、『モザンビークの土地の価格は無視できない』とも述べている。モザンビークでは許可を得た生産者は1 ヘクタール当たりたった21reais(1 エーカー当たり$5.30)の税金の支払いの他、農業機械の輸入において関税の免除を受ける。ブラジルでは、最も生産能力が高い土地で生産するには35,000reais/ha が必要であり、インフラ整備が整っていない北部のサバンナでも5,000reais/ha のコストが発生する。」

5. ニシモリ議員はただの1議員・・・盟友を切り離しにかかる
ブラジル人の多くは話すのが好き。ということで、JICAや日本政府に都合の悪いことばかり、都合の悪いタイミングで、本音で話してしまう。議会テレビでまでも。

これを「誤解」「意志疎通の不足」というのは、外交上あまりに苦しい。何故なら「日伯連携」が軸の事業。三角協力だし。ということで、「ただの1議員」「ブラジル政府を代表しているわけではない」と、UNACの外務省での表敬訪問の際にJICA本郷氏は慌てて付け加えた。なお、その際このビデオの存在は、彼以外のJICA出席者は知らなかった。(出席者一覧は→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-10.html)

つまり、本郷氏は知っていて同僚たちに伝えなかった・・・ということですね。
しかし、ニシモリ議員は「個人として」「ただの議員」で「政府を代表しない」わけではないことは、JICA自身が知っている通り。以下、JICA広報記事です。

JICAトピックス(2012年5月14日)
http://www.jica.go.jp/topics/news/2012/20120514_02.html
「日本、ブラジル、モザンビークで官民合同ミッション-ナカラ回廊への農業投資促進を目指す」
「官民合同ミッションに参加したのは、日本からJICAアフリカ部の乾英二部長を団長に、企業8社と農林水産省、経済産業省、外務省の19人、ブラジルからはルイス・ニシモリ連邦下院議員を団長に農業生産者や農業機械メーカーなどの17人、モザンビークからは農業省など複数の省庁・機関の18人。モザンビークの首都マプト、ナンプラ州、ニアッサ州を訪問(後略)
 今回のミッションへの参加を通じ、日本、ブラジル、モザンビークの関係者が同じ意識を持って役割分担をしながら開発に参加していくビジョンが共有された。」

お読みになると分かる通り、この合同ミッションのブラジル側の団長はニシモリ議員です。そしてプロサバンナ事業の一環で実施されたミッションであり、ご丁寧に「同じ意識を持って役割分担」と結論づけてらっしゃるのは、当のJICAではないでしょうか。

そして、このミッションからの帰国直後に、現地の日本語新聞に、ブラジル側の役割についてこう語っています。「我々は農業者の入植をしっかりバックアップしていきたい。」(ブラジル・ニッケイ新聞2012 年5 月1 日)
http://www.nikkeyshimbun.com.br/nikkey/html/show/120501-71colonia.html

その上で翌6月に、議会テレビであのように語っているわけです。
先週の第二回プロサバンナ事業についてのNGO・外務省意見交換会では、JICAからニシモリ議員とこの件で懇談したとの話が披露されましたが、これは「口封じ」。

プロサバンナ事業のブラジル側のキーパーソンが、公の場で語っていることは「嘘」でも「誤解」でもなく、「本当のこと」ではないのでしょうか?むしろ、彼を注意するのではなく、口を封じるのではなく、「ブラジルにとっての本当のこと」という現実について、事業立案者として、三角協力のパートナーとしてどう考えるのですか?ということが、一番知りたい事なのですが

大体、さんざん「セラード開発の成功をアフリカへ!」という宣伝をして、セラード開発の話ばかりやって、ブラジル側がこう受け取らないわけないですよね?下心あってそう解釈したとしても、それを誘発したのは、日本側の安易なる打ち上げ花火のせいではないか・・・それは外務省も否定していませんでしたが。

6.プロサバンナからブラジル・アグリビジネス切り離し工作
次から次へと、JICAがいっていることとは異なる現実が立ち現れるのことに直面し、JICAや日本政府は、今度はモザンビークの肥沃で安価な土地を狙うブラジルのアグリビジネス企業らを、プロサバンナ事業から切り離そうと躍起。日本の税金でブラジルの新植民地主義的な進出を助けるのか・・・という批判に対処するためです。

しかし、2009年プロサバンナ事業をぶち上げることで、一度火が点いたブラジル・アグリビジネスが止まるわけもなく、何せブラジルと比べ土地の値段は3000分の1、かつ北部のこの地域は肥沃です。そのため、三角協力のパートナーである日本が観て見ぬふりをする中、当初はプロサバンナ事業の枠内でオペレートするつもりだったブラジルの企業たちは、「プロジェクトの枠外」で土地収用を含むビジネスを開始させようとしています。

現地新聞によると、先月末も、プロサバンナ事業のブラジル側パートナーであるニシモリ議員の出身州で、同議員がモザンビーク進出の主体としてターゲットに置くと表明していれうパラナ州(ブラジル南部)から、20名のアグリビジネス企業関係者が、プロサバンナ事業対象地(ナンプーラ、ニアサ州)をわざわざ訪問しています(2013年2月22日Correio da Manhã )。

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この10か月前には、プロサバンナ事業のための合同ミッションと称して、ブラジルからニシモリ議員を団長としてやはり20名近くのアグリビジネス企業関係者が、日本の官民主体とともに現地を訪問したことについては先に述べた通り。

しかもタイミングがJICA理事長の訪問と同じだった。
モザンビークでは、「当然ながら両者(プロサバンナや日本とこれらのブラジル・アグリビジネス)は無関係ではないのに、無関係に装われているのがより不信感を招いている」と言われています。

ここら辺の問題は、モザンビーク農民組織UNACのプレゼンをご覧ください。
→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-11.html

「日本の援助スキームから切り離したから良い」ではなく、このようなブラジルのアグリビジネス進出を安易に誘因してしまった2009年の「日伯連携による熱帯アフリカ農業開発(プロサバンナ事業の原型)」合意の罪は、本当に大きいと思います

この点については、先日の「第二回プロサバンナ事業についてのNGO・外務省との意見交換会」でも、外務省も認めている通りです。

ブラジル側の野心は、ブラジル側に取材した人達からも、しっかり書き記されています。ここにも土地の入手と遺伝子組み換えの導入が肝となっていることが分かります。
27 February 2013 "Lessons from Brazil in Mozambique's Nacala Corridor"
By ELEANOR WHITEHEAD "Brazil is helping develop Mozambican agriculture by promoting large-scale farming and supporting smallholders. Can it do both at once?"
→http://www.thisisafricaonline.com/Business/Lessons-from-Brazil-in-Mozambique-s-Nacala-Corridor?ct=true
途中にプロサバンナが出てきて、其のあとにブラジルサイドの目的が「土地」「遺伝子組み換え種」の導入を切望していることが分かります。

7.原発事故後の政府対応と同じ構図
それにしても、こういう隠蔽に次ぐ隠蔽に現地の皆さん、他のドナーも、呆れています。リスクも検討せずに、安易にぶち上げておきながら、問題化したら、「画策し、隠す・ズラす・『大丈夫』と何度も宣伝する、なかったことにする、工作して賛成派を創り出す」・・・。

反対する人がいるのに、それに丁寧に対応するのではなく、賛成派を増やす工作(バラマキ)によって切り崩しと封じ込みを図り、「地元のため」と称して持ち込まれる公共事業。

日本における「迷惑施設」導入時の公共事業におけるポリティックスの常套手段です。ダムしかり、原発しかり。そういうことを、「自分たちの面子と利権・援助事業を守る」ため、国外の16年の戦争を戦ったモザンビーク北部の農村で、展開しているのです。

自分たちは上手くやっているつもりかもしれません。あれやこれやの手を打って、乗り切れればと考えているかもしれません。しかし、そういう一挙一動が、現地の人達に大きな不信感と嫌悪感を招いていることについて、どれぐらい自覚してらっしゃるのでしょうか?現地の人びとに、すべは御見通しだなんて、思ってもみないことなんでしょうね。。。

JICA関係者以外の皆さんは知らないでしょうが、UNAC来日まで、JICA内でまことしやかに囁かれていたことにそれは象徴されます。プロサバンナ事業に反対を表明したUNACについて、「反政府勢力だ(含意:だから無視していい)」、「あんな立派なポルトガル語書けるはずがない(含意:何も分かってない、ブラジル人に教えさせなければ)」、「ブラジル人が書いたのだ(含意:だから後ろに操っている奴がいる)」。そこには、明らかに人種差別と当事者軽視の視点がはっきり映し出されています。

実の所、このような「アフリカ人<ブラジル人<日本人」という見方の構図こそが、プロサバンナ事業の立案の根底に脈打つ問題なのです。


8.援助業界の皆さまへ
議員会館で、タンザニアとザンビアで7年農業指導をしたというコンサルの杉本さん(杉崎さん?あれだけ繰り返し発言の機会を要求するにも拘わらず、ご所属もフルネームもおっしゃらず匿名状態。後で、あの話方は「JICAの彼」に似てるよね・・・と評判になったほど)という方の発言やその発言の仕方にそれは如実に表れていました。是非、録画が公開されているので、各自で見てほしいのですが、モザンビークの当事者の、しかも農民2200組織の代表に選ばれ自身も農業を営んでらっしゃるマフィゴさんに対して、指を指し、大声で繰り返し批判し続ける・・・・その姿に、日本の農業コンサルの人達のアフリカ農民への姿勢の一端みたいなものを観てしまった想いで、皆心底恥ずかしい気持ちになりました。
●議員会館での学習会動画→http://youtu.be/Ywdyqa6SqmQ
●この点についての私の考え→http://afriqclass.exblog.jp/17398434

「アフリカ農民は何も知らない、教えてやる対象である」

この間みられた、当事者を前にした、JICAの方やこの農業コンサルの対応にみられる傲慢さが、このような援助スキームを生み出し、問題化した根っこにあると、モザンビークの皆さんは来日して確信してしまったのです。「ああ、だからセラード開発は地元農民を駆逐し、プロサバンナみたいなものが出てくるんだね」と。

口でいくら「農民支援」を繰り返しても、次から次へと出てくる「農民蔑視」。人種差別や偏見を伴った根深い問題なのだと、改めて感じました。

モザンビーク北部農民の暮らしに寄り添って19年。彼らの畑での生活での創意工夫が、彼らが日本の専門家などいなくてもここまで生きてきたことへの敬意が、どこにも見当たらない。そんなリスペクトのない人達が担う、日本の皆さんの税金が支える援助機関に、一体どのような存在意義があるのだろうか・・・とまで考えずにはいられなかった1週間でした。

そもそも、モザンビークが独立してから40年近く。日本はモザンビーク北部の農業生産にさしたる貢献はしてこなかったのです。何度も書きますが、JICAや日本大使館が同国に拠点を置いて十数年しか経っていないのです。日本がいなくても、ブラジルがいなくても、この地域は同国の穀倉地で国民の食料を支え、復興に重要な役割を果たしてきた。勿論、足りないところは多々あります。でも、まずは以上の事実を踏まえるべきではないのでしょうか。

勿論、JICA関係者や開発コンサルの全員が以上のよううだといいうことではありません。そうでない人を沢山知っています。尊敬されるべき現場主義の皆さんもいらっしゃいます。しかし、そうであればこそ、何故これほどまでに当事者の尊厳と主権を踏みにじる人が前面に出続けるのでしょうか?

それはJICAや開発コンサル業界全体としての問題であり、内部で改革されるべき点だと思います。皆さんがこれらの人達と一緒にされたくない、と思うのであれば、我々やモザンビークの人びとに反論しても仕方なく(勿論反論ウェルカムですが)、まずは自分たちの内部で話し合ってみてはいかがでしょうか?それこそが、健全だと思うのです。皆さんは、PCMとか改善とか、そういうことを自分が共同で運命を担わない人達に対して「先生」としてやっています。そういうことを、内部の様々な方々と「援助コミュニティ」としてされたことはあるのでしょうか?

今、わが身をふり返るチャンスでは?自分たちの業界に対してやってみてはいかがでしょうか?でなければ、今まで以上に援助の理解者を減らしていくことでしょう。(ちなみに、皆さんご存知の通り、私はTICAD IV時にアフリカ向けODAが倍増になるように尽力しました。そしてそれを実現しました。しかし、今それが如何に愚かなことだったか・・・と猛省しています。)

このような当事者不在の公共事業は、援助だけではありません。とても身近で発生しています。「復興」「復興」といって、当事者やコミュニティを置き去りにして、進められる現在の復興政策と同様です。一番寄り添うべき当事者ではなく、ビジネスチャンスを狙う企業とばかり話を進めている。プロサバンナが、官民合同ミッションなるものを、現地の農民組織と相談するずっと前に繰り返していることにこれは表れています。

援助は日本社会の鏡。
私たちの中の当事者主権への意識の薄さ、差別・偏見が、善意の裏の利権や驕りが、今問われるべき時だと思います。

勿論、私も例外ではありません。日々のモザンビークの仲間との実践の中で、反省し学び一歩ずつ前を歩いている状態です。

過ちは誰でも冒します。
変えることは可能です。
過ちを認められれば。
そして、変えるという決意があれば。

変えましょう。
自分から。
仲間から。
遅くありません。
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# by africa_class | 2013-03-10 11:39 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

ブラジル鉱業企業と地元住民の土地紛争:「死んでもここを動かない」


1.ビデオでモザンビーク農民組織らを招いてのイベントが視聴可能に
学生のお蔭でモザンビークの農民組織らの報告会の様子がYouTubeで見られるようになりました。
◆2月27日@参議院議員会館学習会
「「アフリカの課題に応えるTICAD V(アフリカ開発会議)の実現に向けて~食料安全保障問題と『農業投資』が引き起こす土地紛争」
→http://youtu.be/Ywdyqa6SqmQ
◆2月28日@東京大学 オープンセミナー
「モザンビーク北部における農業と食料安全保障~モザンビーク農民組織代表をお招きして」
→前半:http://youtu.be/CE0McUHu6Rg
→後半:http://youtu.be/RRHA6q4ZuFw 

2.モザンビークで頻発する土地紛争(農民vs鉱業企業)
今回ご紹介するのは、モザンビークの国際機関で働く友人から送られてきた記事です。農業投資だけでなく、ブラジル鉱業会社による大規模土地収用に対して、地元住民が次々と抵抗を繰り広げています。

記事の最後の方にあるように、普通のモザンビーク人のフラストレーションは、「これらのブームが彼らを豊かにさせるどころか、食料価格、燃料、住宅を押し上げ、土地が奪われる恐れによって生活水準を悪化さえている」というのは、実感としてそうですね。
"The complaints of Macajo and others echo the frustration of ordinary Mozambicans who feel the boom, rather than benefiting them, is worsening their living conditions by pushing up the prices of food, fuel and housing and threatening their land."

多分、「補償をすればいいんだろ」という声が聞こえてきますが、ことはそんなに容易ではないということがモザンビークの現実です。なお、これには地域差もあります。南部のように、土地が悪く、水害も頻繁で、植民地支配の構造から、出稼ぎ労働を重視する土地柄と、小農的生活が社会としても重要な役割を果たす北部では、土地への想いは圧倒的に異なります。かといって、もちろんアジア的な土地の概念とは相当に異なりますが、肥沃な土地への執着は当然ながら強いものです。


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Mozambican tribal queen stands up to Rio Tinto over land
http://www.reuters.com/article/2013/03/07/us-mozambique-communities-idUSBRE92605T20130307
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(2013-03-07)
 For Mozambican tribal queen Zoria Macajo, the thatched-hut village of Capanga, nestled in the hills above the Zambezi river, has been her family's home for generations.
 For mining giant Rio Tinto it is a headache sitting on top of one of the world's largest untapped coal reserves, standing in the way of the company's expansion.
 Macajo, Capango's the 59-year-old leader is refusing to leave her home until her people are paid for their land, a contentious issue for Rio which has found it difficult to get its Mozambique business running at full speed.
 "Our people have rights. The company promised it would compensate us," Macajo said, sitting on a straw mat outside her house, the only concrete dwelling in the village where goats and pigs roam freely. 
(...)
Rio said it had agreed with some families a like-for-like compensation, promising houses and land in the new Mwaladzi resettlement area, some 40 km (25 miles) away from Capanga.
The company said it has paid some families affected by its operations, including the queen, and is negotiating separate payments with a farmers' association, which it says holds formal title over some 150 ha (370 acres) of land in the area.
But Macajo said she had not received any money and the association does not represent her or others in the community.
Rio's Mozambique troubles are not unique. Mining companies frequently walk a tightrope between the demands of the stock market and those of local communities, demanding a larger share of profits from the resources they sit on.
(...)
Macajo said her community was prepared to aggressively defend their village against Rio Tinto, threatening a repeat of violent protests that broke out in January last year when 700 families took to the streets over living conditions and lack of fertile farming land in a resettlement built by Brazilian miner Vale.

HIGH STAKES FOR RIO
Rio Tinto, Vale and dozens of others have flocked to the region since 2004, hoping to secure some of the 23 billion metric tons of coal estimated to lie beneath the war-scarred state, especially with supplies of quality coking coal scarce and global demand growing.
But developing mines in the former Portuguese colony has proven more difficult than initially imagined, with shoddy railways and ports, depressed coal prices and frustrated communities cooling the coal bonanza.
Vale or Rio, the stakes are high in Mozambique, where it wrote $3 billion off the value of its coal assets earlier this year, in a hit that ultimately ousted its chief executive.
(...)
Rio's write down on its Mozambican assets was largely due to difficulties in getting the coal from pit to port, but the community's resistance may place further hurdles in its plan to expand its Benga mine, one of the assets the firm inherited when it bought explorer Riversdale in 2011.

RUINS NOT HOUSES
 The complaints of Macajo and others echo the frustration of ordinary Mozambicans who feel the boom, rather than benefiting them, is worsening their living conditions by pushing up the prices of food, fuel and housing and threatening their land.
The families at Vale's Cateme resettlement have complained about leaks, cracks and floods in homes, which they say the firm has been unable to fix despite several attempts.
Cateme's location, some 10 km away from the main road and another 40 km from Tete, also makes it difficult for people - many reliant on jobs like brick making or selling vegetables - to get work.
Vale said it was still rehabilitating some of the houses, but residents like Domingo Foguete Domingos said they prefer to be paid instead so they can build sturdier houses elsewhere.
"These are ruins, not houses," the 46-year-old said while pointing to the cracks in the wall of his house.
Proper management of resettlements is a steep learning curve for the government, communities and civil society in Mozambique, who are often unaware what to ask for until it is too late.
"We have to teach people that this is not a favor, it is their right," said Julio Calengo, an activist with the Mozambican Human Rights League.
The government called the Vale fiasco a "learning exercise" and later passed a law promising to fine firms or even withdraw their operating licenses if they do not relocate communities in a way that protects their social and economic interests.
Companies now need to prove that their resettlement areas provide the necessary infrastructure to support sustainable economic activities such as farming and while the tighter policies were welcomed, critics wonder if the inadequately staffed government will manage to enforce the rules.
Rio Tinto said it had consulted widely with communities and the government and insists the process was transparent, but the queen said she had yet to be officially consulted even as workers began drilling holes around her land.
(...)
Macajo said Mwaladzi has asphalted roads, street lights and more durable houses than those built by Vale, but the lack of fertile farming land would still make it difficult for residents, mostly subsistence farmers, to feed their families.
The community said it was hoping to use the money promised from the resettlement to buy fertile plots elsewhere, while the company said it was investigating the possibility of creating a water catchment dam in the area to help irrigate the land.
(...)
"I will not leave. They can kill me, but I will not leave this land," she said.
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# by africa_class | 2013-03-09 23:12 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

モザンビーク市民社会来日をふり返って~大地に生きる人達の「真っ当さ」と我々の「恥」「罪」

昨日、モザンビークから来日していた全国最大の農民組織UNAC(全国農民連盟)のお二人(アウグスト・マフィゴ代表、ヴィセンテ・アドリアーノさん)、環境団体JA(環境正義)のレネ・マショコさんが無事帰国の途についた。
 溜まったいくつかの代表を務めるNGOの事務作業や、原稿を書いているうちにこんな時間に…。しかし、5つの学会の原稿や発表要旨を頼まれており、「首が回らない」状態。そんな時だというのに、書かずにいられずモザンビークからお越しの皆さんとの濃厚な数日間を思い返しています。今、報告の詳細などは、「モザンビーク開発を考える市民の会」のブログにアップしつつあるので、そちらをご覧ください。会計報告もしています→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
(パワーポイントアップロード済み)

IWJで視聴可能。(一番時間があって通訳が被らなかった東大セミナーについては、今録画をアップロード準備中です。そちらが一番おススメですが、少しお待ちを。)
●北海道セミナー→http://www.ustream.tv/channel/iwj-hokkaido1#/recorded/29571530
●議員会館学習会→http://www.ustream.tv/recorded/29595400

数日間、マフィゴ代表の言葉を訳する光栄に恵まれ、心から感謝。大地から、生命から、闘いから生み出された思慮深い、フィロソフィかるな言葉の一つ一つが、心に沁みて、これを彼の言葉のニュアンスや力を削がずにそのままどう日本語として皆さんに感じ取ってもらうか…悩みながら訳しました。

事前に予定されていたわけではない、スライドにない言葉の数々。その場の空気を感じ取り、瞬間的に彼が紡ぎ出した、しかし長い歴史と闘争に基づいた言葉に、相応しい訳が出来たのか…不安。20年前から話を聞き続けてきた何百人ものモザンビーク北部農民一人一人の顔を思い浮かべながら、ああこのことに繋がったんだと気づきました。その帰結はこの本に。
→http://theoriginsofwarinmozambique.blogspot.jp/
The Origins of War in Mozambique

マフィゴさんの言葉を訳しながら、それに気づいた瞬間に胸に迫るものがあり、涙を堪えるのに必死でした。その内の大半はもうこの世におらず、彼らが私に託してくれた想いや言葉に、私が何をすることが出来たのだろう、と。彼らの苦悩と闘いから学び、今と未来を共に生きることを続けることでしか・・・。お話をしてくれた人々に直接返すことはできない歯がゆさ。

最終日の東大でのセミナーに参加した学生からの感想から紹介したいと思います。彼女は、アフリカのある国で1年にわたって企業でインターンしていた学部3年生です。

「UNAC代表のマフィゴさんが、『プロサバンナに関する意思決定はモザンビークだけでなく日本でもなされているから、我々は日本と対話をするために、来なくてはならなかった』とおっしゃっていたのが大変印象的でした。
 当事者の望まない「開発」を推し進める日本の援助を問い直すため、今回のような来日が実現し、セミナーという場が設けられたのだと思いますが、当の日本側は自らの援助を見つめ直すでもなく、まだまだ現地の声を軽視するような、中国などの問題を持ち出し論点をそらすような姿勢でいることを恥ずかしく、残念に思いました。
 それでも、今回来日されたお三方のような、例え政府や日本の援助機関から軽視されても訴え続ける姿勢を崩さない人もいることに、希望を感じました。お三方にとっては遠いモザンビークから来日されたにも関わらず、日本の反応は期待外れの冷たいものだったかもしれません。ですが、現地から声を発し続けるのを止めないで欲しいと思いましたし、自分も何らかの形でそれをお手伝いできれば、と思いました。今回のセミナーに参加でき、大変勉強になりました。ありがとうございました。」

そう書いた彼女が、今ブログに彼らのパワーポイントをアップする作業を担当してくれています。感想を述べて満足してしまう、日本の「典型感想文」を超え、彼女は1歩踏み出していることに、未来を感じます。それこそが、モザンビークから来た皆さんが唯一感じる「希望」の中身だから。つまり、「日本の農民、若者・市民には希望を持てるようになった」と、言残して旅立たれた…。

でも、彼らが帰ってからの24時間。雨季の農繁期。そして、農民のためにあれほどまでに忙しい彼らに、この国は一体何をしてるんだ・・・という想いばかりが募ってしまいます。日本に来日してからも、彼らは毎日朝3時まで仕事をし続けていた。本国に残してきた大量の仕事をこなす為。そして、毎日のイベントで出来た聴衆の疑問に答えようとバージョンアップされ続けたパワーポイントのための作業を毎夜…。こんな人達、モザンビーク人だから、アフリカ人だから・・・を超えて、そんなにいるわけではありません。自分のためにやってるんじゃない。ばら撒きのお金をもらうのは簡単だ。そうやってペイのいい仕事についていくのも簡単です。彼らほどの人達ならば。

でも、彼らは目の前にぶら下げられたニンジンの数々や罠を拒否し、政府ににらまれ、身の危険を感じても、なお、モザンビークの圧倒的多数を占める小農民のために、自分の団体の加盟者のためだけでなく、ばら撒きに落ちてしまった小農のためにも、小農の権利、農民主権、食料主権のために、闘い続けようと頑張っています。

私たちは、だからといって、ただ「頑張っている」と称賛すればいいのではありません。学生が書いているように、私たちの税金を使って行われている援助事業によって、必要以上の「頑張り」を余儀なくされている人達なのです。これがどんな酷いことを、北部農村社会にもたらしているのか・・・については、別途書きたいと思います。今、「批判に対応する」ことを目的として、このプロサバンナ事業「のため」、日本の公共事業と同様、コミュニティの住民、農民同士が分断が試みられています。
 
これは、「援助が役に立つかどうか」の話ではありません。「援助」という「公共事業」、それに「群がる利権者」のために行なわれる、主権者同士の分断と対立。日本の原発立地をめぐり、ダム建設をめぐり、公害をめぐり、繰り返されてきた構図が、今回遠いアフリカのモザンビークにも持ち込まれています。そのことの罪について、日本の援助関係者はどれぐらい自覚的なのでしょうか?

しかし、これを許しているのは我々日本の市民。日本社会で許し、アフリカ・モザンビークで許している。「公共」という名のもとの、「経済成長」という名のもとの、上からふってきた「事業」。自分の失敗、組織の失敗にされないために、なされる多くの言い訳に、嘘に、口実に、アリバイ作りに、実績作り・・・。それを、「現地の貧しい人びとのため、農民のため」だと、農民の前で言う・・・。そんなことのために、私たちのなけなしの税金は使われたかったのでしょうか?

(この先も、しっかり文章を書こうと思っていたのですが、原稿をやはりしなければ・・・なので後はツイッターを貼り付けておきます。また時間のある時に・・・)

自分の手で耕し、生み出し、それを食し、ふるまっている人達の決意と言葉は、本当に重い。20年モザンビークに関わって、今改めて「ただの研究者」でいることの限界を身に染みて感じる。研究だけをやるのであれば、彼らに質問票をもって質問して終わる。1年に1回?2年に1回?それで論文を書く。私のかかわりは、単なる傍観者、観察者だ。「インタビューアー」として、シンパシーを感じつつも、書いておわり。でも、それでは迫りきれない。もっと、現実は複雑で、一過的でなく、連続し、迷いに満ち、苦しみと喜びに満ち、深いのだ。

あの国の社会の根深い重層性を、それらの複数のひだの狭間で、共に悩みながら迷いながら七転び八起きしながら生きる人びとと、立場は異なれど仲間として共に走ることで学び、知り、感じ、考える。そこで見えてくるものは、「質問票」と「参与観察」を超えて、もっとずっと豊かだ。異なる、しかし共にある未来を語り合いながら、それぞれなりのやり方で現状を分析し、不正義と共に闘う中から、学術を超えた何かを掴みかけている気がする(あくまでも「かけている」・・・という仮定の話)。

彼らの姿をみて、某新聞社の方が言ってた。彼らの存在自体が「新モザンビーク像」だ、と。バラマキを拒否し、農民の権利のため命かけてる。でもこの見方も実は間違ってる。モザンビーク解放闘争、独立直後には、このようなモザンビーク人は山ほどいた。なぜ、UNACが1987年に結成されなければならなかったのか。世銀IMF・日本含む西側ドナーによる構造調整計画導入との関係…を無視しては理解不能。独立のため命を掛けた人びとの本流。

それがUNAC。なのにJICAは「元反政府ゲリラRENAMOの関連組織だと思っていた」という。モザンビーク人が聞いたら仰け反る一言。それぐらいモザンビークのことも、農民組織のことも、市民社会のことも、知らないままに「日伯連携」によって安易に始められた巨大農業開発プロジェクトが進んでいこうとしている。

しかもUNACが書いた声明や記事が、「立派すぎる。モザンビークの農民組織なんかに書けるはずがない。裏に誰かいるのだ」…とまことしやかに囁かれている。

このような「言い成りにならないアフリカ農民(組織)」=「反政府・野党」or「無教養・知らないだけ」との偏見や思い込み、あるいは言い訳?こそが、今回の問題の根っこにある。

カネのためでなく、利己心のためでなく、社会の為にここまで頑張る人たちとこそ、我々は繋がりたいのではなかったのか?しかし、利己心のために言い成りになる人達を「カウンターパート」と呼び、重宝がる日本の援助。日本の援助のカネがなくなったら、終わってしまう関係、プロジェクト。

それにしても、当事者らの言葉は、会場に来てくださった方々、特にJICAの3名の方々の胸に届いたのだろうか?JICAの本郷豊さんが手を挙げてした質問が「中国やヨーロッパも問題起こしているのに、何故その話をしないのか?」だったことに、哀しみを覚える。

それに対するUNACの皆さんの返事が至極真っ当すぎて、逆に思慮のなさを露呈させてしまった。

つまり、「勿論中国とも対話してる。彼らが嫌がるぐらい。でもモザンビークと日本は遠い。こんな遠いところまで何故わざわざ我々が来なければならなかったのか?日本と話をするためでは?」

忙しい彼らが来ざるを得ないズサン計画に基づく問題援助をぶち上げておきながら、その張本人が「中国の話をすべき」というのはあまりに…。

「日本の」援助が当事者に問題にされているその現場で、唯一選択した質問が「中国もヨーロッパも悪いことしてるのに何故話さない?」…なんだ。JICAを名乗ってした質問だから、彼だけに限られた考えというより、JICA内部でもそういう論調で話されてるということなんでしょうね。組織の文化というのはこういう時に出てくる。

いつも問題は自分ではなく、相手や外にあるんですね。
問題は外からやってくる。
悪いのは自分ではない奴らだ。君たちだ。
説明が一方的で、偏ってる。
僕たちは何も悪くない。
僕たちは一生懸命やっている。

皆さんが、一生懸命やっていることは何でしょうか?

他人の社会を激変させてしまう大事業を、
よく知りもせずに、考えもせずに打ち上げてしまった・・・。

それを当事者に批判されて、
猛省して、彼らと正面から向き合おうと、

努力されているんでしょうか?

そういう努力は、一生懸命しないのでしょうか?
自分のやりたい努力を、一生懸命。

組織を守る、
援助産業を守る、
そこに群がる利権やお仲間を守る、
自分のプライドを守る、
そういう努力なら、一生懸命?

納税者のカネを使って。

土地を奪われる哀しみを、地域を離れざるを得ない苦しみを、強制であろうとなかろうと、311後の日本は知ったのではなかったのか?地震で津波で原発事故で…土地を汚染され、逃れざるを得なかった人達が16万も超えてるのに、アフリカの話とはいえ「補償するから大丈夫」…と政府の人が平気で口にする。外務省も、JICAも、すべて他人事のように。

「移転はミニマムですから。補償しますから。」

そうなんですか?
ミニマムってなんでしょうか?
誰にとって?
そういう話なんでしょうか?
皆さんが支えたいという小農が、どうして移転しなければならないのでしょうか?
小農の生産を応援するんじゃなかったんでしょうか?

日本の公共事業ですもの。
その輸出版ですもの。

援助は日本社会の鏡であり、日本社会の中で主権者がこのような状態に置かれている現状では、「それが自然」となるのか?両方のど真ん中に関わることになった私。偶然の重なりにみえて、そうでないのかも。それほどまでにこの国の根っこの闇は深い。日本でもアフリカでも、生活の場に表れる主権侵害。

そして、もう一つの傾向。
「アフリカには教えてやらねばならぬ」という・・・傲慢さ。

明日、ゼミ生たちがマダガスカルに旅立つ。一人は大学留学。一人は企業インターン。次は、マラウイ、ルワンダへの留学、ザンビアのNGOへのインターンにゼミ生らが旅立つ。2月から既にモザンビークで留学を開始した学生も。1人を除き全員女子。この現実を、知らない日本社会。

昨日までのイベントでもアフリカ留学経験組が活躍。彼女たちからみたアフリカは、多くの日本のアフリカ関係者の「援助を通してみるアフリカ」と全く地平が異なる。国のお金でボランティアに行くJOCV的物の見方とも異なる。自分がお金を払ってまで学びに行くアフリカ。当然「先生」はアフリカ人。

アフリカのことを、アフリカの大学で、アフリカ人の先生から、アフリカの同級生たちと共に学び、自分のアフリカとの距離や関わりや未来を考える。そんな学生が、この大学に来ての9年で、ようやく二ケタ代に。思考が硬直してしまった方々を変えようとしても難しい。だから若者に未来を託したい。

アフリカ留学する日本人…の大先輩・吉田昌夫先生。ガーナ独立翌年にガーナ訪問。日本人初・アフリカの大学(マケレレ)で博士号。研究者、教授にして、ネルソン・マンデラ招致委員会の事務局長、AJF元代表。その先生の昨日の「援助関係者は教えてやろうという傲慢さを捨てるべき」の一言が重い。

温厚な先生があれほどはっきりおっしゃるのは珍しい。外務省表敬時の農民組織代表への非礼、議員会館での農業コンサルの指さし事件来ずっと怒ってらした。昨日の「中国を何故問題にしない?」発言で心底呆れられた。先生が皆を成田に送って下さったのは、これら非礼に心痛めて。先生に学ぶこと多し。

そこに暮らす人びとを中心におかず、毎日の生活を知らずして、「これもあれもない」「これもあれも要るはず」「これも知らない?」と外部から勝手に提案される「解決法」の数々。彼らの主権、努力、自己決定権を踏みにじり続けてなお、非礼を重ねる根っこに「自分の方がエライ・知ってる」との驕り?

当事者が来てなおのこれらの対応で、この間はっきりみえたのは、もはや #プロサバンナ の問題が、一事業の問題に留まらず、「開発援助という公共事業」あるいは「開発援助という権力関係」の問題であるということ。そして、その底辺には、我々に沁みついた偏見と傲慢さがへばり付いていることを。

「気づき」はいつどこでも遅くはなく、JOCVでも企業からでも何でも良いのですが、時代が変わった以上、学生たちには次を奨励。1学部時代:①国内問題に関わる、②国内NGOに参加、③「途上国」に留学orインターン、2企業で就労、3大学院で専門性→「国際協力」機関or起業。ミソは③。

何故学部時代に「途上国」に留学(農村・地方大学がベスト)、インターンかというと、現場知らずして「国際協力」を唱えたり欧米(大学)経由でこれら社会を理解することの弊害が顕著だから。また①が不可欠なのは「社会の何者」として関わるかの考えなしに「他社会」変えられると思うのは甘いから。

今震災の支援活動をした日本の国際協力NGOの多くが「社会との距離感」に悩んでる(他社会ではそこまで深刻に考えていなかった)。「自分のではない社会」での「一過性の国際協力」は危うい。見てるつもりで「見えない」ことの方が多い。当事者の主権を踏みにじっても、権力関係から問題化しない。

学部時代に、①自分の存在や社会との関係を問い直す沢山の経験を積み重ねること、②「自分が助けてあげたい」と考える人達と「助けてあげる側」としてでなく「同じ人間」として関わる機会を持つこと、③そして「助けてあげたい」という前提を問い直すこと…を是非。これしないから問題繰り返される。

勿論「だから何もしない方がいい」では全くない。皆の素晴らしい善意をフワフワしたものから、「自分の責任」にまで落とし込んでほしいと願ってる。自分存在が背負っている責任や罪を自覚し、その地平からやるべきことを1個でも2個でも共にやること→http://afriqclass.exblog.jp/i17

【モザンビーク農民組織代表のマフィゴ氏の言葉の宝物(1)】「私たちが目指している発展とは、ゆっくりとした発展です。急いでなされる開発は、必ず社会に、生態系に、人びとに無理を引き起こします。その害を引き受けるのも我々草の根の人びとです。だから自分たちが手に負えるスピードがいい。」

311後の日本にとても重要なメッセージがモザンビーク農民から。実は、別プロジェクトで東北にアフリカの人びとと訪問し、これを考える企画を提案。助成金…次第ですが、昨日の東大セミナーで西川先生が冒頭におっしゃったように、311後の日本の地平から考えるべきこと多々

「これからの正義の話をしよう」でなく「『今』の正義の話をしよう」。今日本で起きていること。この根深い、しかし表面化した闇から学ばず、何を学ぶの?若者の皆さん。今目の前に広がる荒涼とした風景。あなたはどこに?「イメージ」に担がれ「勝組になればいい」?大人はこんな社会を残していい?

言い逃れのために積み重ねられる嘘と隠蔽の数々。細部にわたる介入によるいつの間にかのすり替え。イメージ操作による民衆操作…。政府のせいだけにするの、止めよう。民衆がもっと賢く、注意深くなれば、見抜ける沢山の。結束すれば乗り越えられる試練の数々。個として立つ。連帯する。恐れない。

あんな立派な大地に生きるモザンビーク農民の皆さんに、こんな想いと苦労をかけているのは、私たち自身の社会が、私たち自身の大地に生きてきた人達のことを大切にしてこなかったから。彼らの土まみれの努力を、ちっとも感謝してこなかったから。311は起きなかったのか?立ち止まろう。変わろう。

以下は掲載 PPTを→http://afriqclass.exblog.jp/17362546
最後の1枚:「アフリカも変貌。 声なき人が声を上げ始めた。変わらないのは日本の我々。世界から取残されるとしたら争奪に参戦しなかったからでない。教訓から学ばず驕り、社会を自分ら民衆のため変えようとしなかったから」

五月雨で失礼・・・。またゆっくり修正していきます。
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# by africa_class | 2013-03-02 22:51 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

PPTofプロサバンナ事業に関する分析・報告一挙掲載

 2013年4月現在、日本政府のプロサバンナ事業お関係者は「歴史修正主義」を推し進め中。(御苦労さまです・・・)
 この間、関係者らは、下記PPTや私のペーパーをよく勉強してくださり、それに反論するために(特に、同事業が日伯連携から出発している点)、一生懸命頑張ってこられたようですね。
 プロサバンナ事業が「ブラジル・セラードを訪れたモザンビーク大統領がブラジル大統領に頼み、それを日本がサポートしたもの」と、ブラジルとモザンビークの政府に言わせるためご尽力だったようですね。4月2日セミナーで、わざわざブラジルABC長官とモザンビーク大使の発言、是非ご確認を。

 都合が悪くなってくると、歴史的経緯を後付的な「公式発表」によって修正し、それを「歴史」とする。・・・どの世界でもやられてきたことですが、日本は特にこれがお得意。露骨な外交工作に本当に驚きます。

 ぜひ、皆さんには、JICA関係者による「日伯連携がスタートラインだった」ことを自ら書いている一次史料をあわせて読んでいただければ~。
→http://afriqclass.exblog.jp/17433829/
(以上は4月12日に加筆)

 さらに、2009年の動きを日本の国内要因から分析を加えたのが以下の発表要旨。あわせて読むと全容がかなり解けます。

■プロサバンナ事業形成の背景(国内要因)の加筆(国際開発学会企画セッション発表要旨)
http://afriqclass.exblog.jp/17978852/
(以上は6月21日に加筆)

**
今日松山であった「ODA勉強会」にスカイプ参加。
それを期に、去年作ったパワーポイントを改訂したのでここに貼り付けておこうと思います。モザンビークの農民組織なども来日するので、今まで書いてきたことを一つのものに整理できれば・・・と思ったので。というのも、同じ話を何度もするのに・・・疲れたこともあり~。
 そもそもは、学術論文を既に書いていて4月に出版されるのでそちらを見ると、根拠となる資料や注などや説明が丁寧に出てくるので一番良いのですが、著作権上それを貼り付けるわけにもいかないので・・・。
 しかし、出版社には本当に申し訳ないのですが、私は「知」はなるべく手軽に身近にアクセスできる方が良いと思っており・・・このような形を取ります。
 私が時間と労力を使って調べたことを、一人でも多くの皆さんにお使いいただきたい・・・それこそ、研究者であり市民である私の想いなので、そこは宜しくお願いします。
 しかし、こういうの公開すると、またしても学会とかで発表できないんだよね・・・。せっかく書いた英語論文も、既に公開済みということで、入れてくださるはずだった学術書に入れてもらえなくなったし(代わりにもう一本書く羽目に・・・)。そういう世界なんです。学術界って。そうやて「業績」を大切に宝箱に入れて、なるべく世間の目に触れないようにする!な~んてね。
 PPTまで公開する私はきっとバカでしょうが、自分の業績のためではなく、社会のために研究している者のサガですね。それにしても、税金でやはり援助事業をさせてもらっているJICAや外務省が議事録を公開するのを拒み続けているのは問題外ですねえ・・。公共という意味では、あちらの方が公開義務はあると思いますが。

 なお、PPTなので言葉足らず、説明不足であることはどうぞご容赦を~。とはいえ、60枚を超えるので・・・ちょっとずつ貼ってみます。

 そして、関係者の皆さまは是非こちらを先にお読み下さいませ。「単なる批判のための批判」だという前提では、改善は不可能です。是非~。
■批判的思考と対立:自分と組織を改善・刷新していく方法~TranscendやLearning Organizationより
http://afriqclass.exblog.jp/17323964

(そして、勿論写真はあくまでも一部を示しているに過ぎず、例えば「森林サバンナ」が何かイメージできるように貼っているもので、20年かけて北部4州を毎年2000キロは走ってるので色々掲載したいのですが、ちょとそこまでは出来ないので、あくまでも論旨に沿って数万枚から選んでいるということを予めお伝えしておきます。書くまでもないと思ったのですが・・・世の中には色々な人がいるもんなので・・・多様性は好きですが。)

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文字が切れていたので最後のスライドだけ。

「過去の失敗から学ばず、人びとのニーズから立ち上げずに、机や頭の中で勝手に練られた、このような援助事業。

日本でまさに繰り返され続けた。

3・11で私たちは学ばなかったのか?
「成功」「驕り」がこのようなことを生み出す。
「産業化」してしまった援助事業の。

もはや21世紀。
軍事政権時代のブラジル、80年代ではない。

アフリカも、また、変貌している。
声なき人達が声を上げ始めた。

もしかして、変わらないのは、
日本の我々自身なのかもしれない。

世界から取り残されるとしたら、争奪の闘いに参戦しなかったからではない。
私たち自身が、教訓から学ばず、驕り、自分の社会を、民衆のために変えようとしなかったから。」

最後の写真は気に入ったのでGRAINに頂きました。
そして道は続く・・・。
そこに暮らす人々中心の、下からの変革を諦めない。
そういう想いです。
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# by africa_class | 2013-02-23 22:40 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

世銀トップの「ブッフェ・ランチ対話」withモザンビーク市民社会への抗議声明から考えるプロサバンナ問題

すごい声明がモザンビークの市民社会から届けられました。ADECRU(Academic Action for the Development of Rural Communities)という、農村出身の若者や学生・研究者によるアソシエーションだそうで、金曜日にあった世銀総裁らとの「市民社会との対話のためのブッフェ・ランチ@高級ホテル」に対しての声明です。
 本当に市民社会の声が聞きたいのであれば、何故「ホテルでブッフェランチ」なのか?世銀がモザンビーク社会にもたらした汚職、格差、コミュニティの破壊、権利の剥奪について話し合いたいと望む市民社会に、そのようなアプローチを取ることそのものが、彼らの姿勢を示しており、これを糾弾する…との指摘です。
 モザンビーク農民の権利を守りもせず、むしろ土地収用などを進める一助を行う世銀が、南アからの遺伝子組み換え食料を大量に並べたビュッフェで、市民社会と「話す」あるいは「対話した」アリバイを作るのを支える気はない・・・と述べている点は興味深いです。
 大多数の国民の生活は苦しいままなのに、天然ガスも炭鉱も、農業投資も、植林も、国民に恩恵をもたらしていないこと、より国のエリートの権力を強めていること・・・も指摘されています。これは、「資源の呪い」の指摘ですね。この「資源」には、単に石油などだけでなく、「土地・水・森林」が含まれたと考えた方がよいと思われます。

 モザンビーク市民社会がこういう強い言葉遣いをするのを見るのは本当に珍しく、次の点から、20年関わって来て、良くも悪くも「新しい時代」が到来している・・・ことが感じられます。
(1)社会内部の格差の広がりがここまで強く懸念されていて、その懸念が社会に広く共有されていること、
(2)権威主義化が進む同国で、あえてここまでの声明を出す危険をおかす覚悟の団体が出てきていること。

日本が、そのモザンビークで、ブラジルのアグリビジネスの参加と広大な土地収用を前提とした援助事業「プロサバンナ」を行っているのは、本当に問題外なんですが・・・。
■プロサバンナ事業の問題について初めての方は2月2日出た私の朝日新聞記事を
→http://afriqclass.exblog.jp/17253760/
■ブラジル日系議員によるプロサバンナ事業はブラジル人の広い土地収用の為だったの解説番組→http://afriqclass.exblog.jp/17331007

もちろん、そもそも「日伯連携によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発」というネーミングで構想されてきた「プロサバンナ」であり、2009年の世銀の「ギニアアフリカ熱帯サバンナへの農業投資促進」という政策と、これは連動しているプロジェクトなので、以上・以下の文脈に連なるものとして日本の援助「プロサバンナ事業」は現地市民社会に解釈されているのです。

「小農支援も盛り込んでいるからいい」というJICAさんの牧歌的な話は、そのように立ち上げられた事業であればよかったのですが、次の点から論外でしたね。
●設立経緯からも(日伯連携)
●枠組みからも(セラードの成功をアフリカへ&ブラジル人に土地をあげよう)
●グローバル文脈からも(アグリビジネスのアフリカ土地争奪とそれを支える世銀のスキーム)
●それへの各地での住民抗議・暴動からも、
●モザンビークの現在の急速な格差拡大への不満増大の面からも、
残念ながら安易だったというしかないですねーーー。だからやる前に反対したのに・・・。そうすれば、こんな大量の税金を反論工作のために投じる必要はなかったのですが。

我々のなけなしの税金が、こんな風にずさんで傲慢な事業立案によって、世界やアフリカ、現地で起こっている対立に参入するものになっていることに、20年にわたって同国・同地域に通ってきた一人の納税者としても市民としても悲しい思いでいっぱいです。特に、311後は。

JICAにききたいのは、こういう事業を、彼らが長年かかわってきたタンザニアの農村部でこんな風な手法で立案できたのか?ということです。

これまで一つも事業をしたことがなく、何の知識も理解もないモザンビークの北部に、いきなり140万ヘクタール、30万人の農民に「裨益する」と主張する事業を起こすもんなんでしょうか・・・。しかも、「ブラジル・セラードと似てるからセラードの経験をもってくる」。。。。といってブラジル・アグリビジネスをつれてくる。日本の納税者の支払う援助のスキーム内で。これを、すべて皆さんがよくご存知で関わっている「タンザニア」とか、あるいは「日本のどこかの地域」にあてはめた時、こんな乱暴な話はない・・・と思うのは私だけなんでしょうかねえ・・・。

■プロサバンナ事業について書いた引き出し
http://afriqclass.exblog.jp/i38

■明日来日するモザンビーク市民社会の声を聴いてみましょう(26日、27日、28日のイベント)
http://afriqclass.exblog.jp/17323412

なお、ここでも書かれていますが、「ビュフェランチを喜んで参加する市民社会組織」と「真面目に世銀批判を含め対話したい市民社会組織」の分断と操作を、世銀がこのようなやり方でやっていることへの異議申し立ては、プロサバンナ事業においてみられる「現地のクレジット(融資)を餌にした農民同士の分断」に相通じるものがあります。

外部者の我々がすべきことはそういうことでしょうか?
同国社会の不正や汚職、民主化のために闘っている権力なき人びとを、「事業の成功=自組織の評判の防衛」のために分断させることに、本当に税金を使いたいのでしょうか?
■この点については
→http://afriqclass.exblog.jp/17210917/

色々なことを考えさせられた声明文でした。
みなさんも、「もう始めちゃったのだから、少しぐらい役に立てばいいや」ではなく、その「少しぐらい」がいかに現地社会で大事なのか、一緒に考えましょう。ドナー諸国がもっている「パワー」に、あまりに無自覚にい過ぎると、私は思います。「善意」のつもりでも、権力関係がある以上、簡単に「暴力」に転じることを、いい加減学んだ方が良いと思います。JICAだけでなく、日本の市民も。

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Position of ADECRU on the Invitation of Meeting of Executive Directors of World Bank
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A group of nine Executive Directors of the World Bank-WB starts today, February 21, 2013, a working visit to Mozambique that extend until next day 24 this month. According to the invitation that the ADECRU received from this entity representation in Maputo, "During the visit the Executive Directors, which are part of the Board of Directors of World Bank also hold meetings at the highest level of Government and the Mozambican State, in the context of cooperation between Mozambican State and the World Bank Group".

In parallel, the World Bank invites civil society organizations to participate in a “buffet Lunch” meeting taking place tomorrow day 22 at hotel Indy Village with the Executive Directors of the World Bank. "This meeting" refers to the invitation of this body, “was expressly requested by the Executive Directors .... and your main aim is to listen to their own organizations their struggles, hopes, expectations in the context of the current development of the country". Interestingly, the visit of the Executive Directors of WB to Mozambique coincides with the launch and broad dissemination of alleged support for civil society organizations in the context of the new programme called Global Partnership for Social Accountability (GPSA). The program, managed by the World Bank, aims "to finance civic initiatives that promote the political participation of the citizens, to strengthen the policy and make Governments more attentive to the concerns of its citizens”.

Academic Action for the Development of Rural Communities-ADECRU, a prominent Mozambican Association of students and young people, mostly from the countryside, is recognized for his work in the struggle for democratic engagement and productive insertion of various community stakeholders on prioritizing, definition, implementation and evaluation of agenda of socio-political, economic and cultural of rural communities.

The ADECRU has been to monitor closely and with great concern the new front of attack on the sovereignty of Mozambique and attempted manipulation and use of Mozambican civil society organizations by World Bank, in favor of a hidden agenda that relies primarily on amendment of the legal framework-inherent management and legal access to land, mineral and energy resources. In another speech that advertises itself as always so disastrous and arrogant, the World Bank wants to use the participation of civil society in order to legitimize and support the imperialist overt agenda of some Western Governments, through multinational corporations, for ownership of wealth, depletion of natural resources, rights and dismantling the Mozambican people. It is proposed to have a dialogue without superfluous never discuss issues central structuring of development policy advocated by the Bank.

Thus, the ADECRU considers the invitation of World Bank for a "Lunch-buffet" of meeting with the Executive Directors of the World Bank, an insult to the intelligence not only civil society organizations but above all of the approximately 23 million Mozambique and Mozambicans. Condition and be bound by civil society organizations to present their problems, desires, dreams, challenges a lunch, is, at least, unacceptable and contravenes all forms of democratic expression and participation. Demonstrates the how the WB disrespects uncompromisingly agenda and the struggles of civil society organizations and people.

During the past two decades, the WB successive technical assistance loans granted to change the legal and regulatory frameworks in the fields of economy, agriculture, forestry, minerals, energy resources and natural, which made Mozambique one of the poorest Countries, unequal, asymmetric and corrupt in the world. 20 years later, the World Bank has been one of the main agents that enables the continuous capture of the Mozambican State and looting, political-economic elites-national military and by the big transnational companies of our important mineral wealth and hydrocarbons such as coal gas of Tete and Cabo Delgado.

Despite the public domain of such a dangerous agenda of rot, the distinguished Executive Directors of World Bank still insist on calling us to discuss the resettlement of thousands of Mozambicans by the mining, agribusiness projects, dams and not only, subject to inhumane conditions and intimidation, taking a red wine; Ask us what we speak of corruption entrenched at all levels of Government and of the commissions received by the ruling elite by virtue of concessions of vast reserves of miners, delighting a dish full of goodies and colorful vegetables, when thousands of Mozambicans live on cassava and water; Ask us that we speak of the expropriation of land from peasants by forestry projects, agribusiness and minerals in Niassa, Tete and Cabo Delgado, by multinationals, financed by himself, producers of commodities to foreign markets in detriment of food production relegating thousands of peasants to hunger and misery, in a round table full of food and transgenic fruit (genetically modified organisms) from the neighboring South Africa.

The ADECRU believes that only the strength of a single thought and the imperialist mentality and slave that are carriers and messengers dear distinguished Executive Directors of World Bank, which "expresses itself in violent and inhuman neoliberal ideology" by some powers that for several centuries they control the world, subjugating billions of people, you can move and making you act continuously along these lines.

Since then, illustrious Lords know WB Executive Directors and notify your representative, that ADECRU refuses, radically and on behalf of the dignity and sovereignty of the people, to benefit from financing of the WB and participate in supposed "Lunch-buffet" of the meeting. Reiterates also its commitment and dedication in defense and fight for the rights and interests of rural communities, in favor of building a fairer society and sovereign, strongly denouncing imperialist and colonialist agendas with institutions such as the WB.

Another yes, the ADECRU considers that the institution WB and other agents and global imperialistic instances such as: International Finance Corporation partner of Moatize mine Valley-Tete, International Monetary Fund, the World Trade Organization should therefore be broad and radically denounced and repudiated by all persons and organizations, by represent a serious threat to the genuine efforts of our young democracy and usurping the sovereignty of the people. We demand that the distinguished members of the World Bank's Executive Directors to leave aside the arrogance and haughtiness which is characteristic, and submit at least one ballot and will of the people of Mozambique and the world in the classroom of a school, University or even in an open field, with an agenda of civil society organizations, rural communities, of oppressed peoples and impoverished by your outdated and obsolete policies rather than a pseudo "Lunch-buffet".

We require that we speak of total lack of accountability and transparency of investment projects/programmes of the World Bank; speak of your role and influence and responsibility in failed policies for the agricultural sector, particularly in the cashew industry for you bankrupt with impunity; the pressure on the Government to change the law and other legal instruments of protection of the rights of rural communities.

But we do want and we demand that there be a real and genuine Global partnership, including social movements and civil society organizations and all peoples of the world by an exemplary Social and criminal Accountability of the World Bank and all their cronies.

Maputo, February 21, 2013

ADECRU
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# by africa_class | 2013-02-23 10:48 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

3月5日17時~@外務省「第二回 #プロサバンナに関する外務省との意見交換会」案内・申込み詳細

皆さま、以下参加呼びかけがきました。
3月3日(日)中に締切が延長されています。急ぎお申込みを。
大学生でも参加可能です。

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NGO外務省定期協議会
ODA政策協議会NGO側事務局
ODA改革ネットワーク

第2回ProSAVANA事業に関する外務省との意見交換会
NGO側当日参加者募集
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さて、3月5日(火)にProSAVANA事業(日伯モ・三角協力によるモザンビーク熱帯サバンナ農業開発)に関する外務省との第2回目の意見交換会を開催いたしますので、当日参加者を募集いたします。

これは、2012年度第2回ODA政策協議会(12月14日開催)で、同事業について関心を寄せるNGOが多 かったこと、論点が多岐にわたる大きな事業にも関わらず議論する時間が限られていたこと、公開されている情報が不足していたため議論を十分に深めることができなかったことなどを受けて、引き続き継続的に外務省と議論されているものです。

引き続き皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
ご参加ご希望の方は、下記参加希望フォーマットに従いお申し込み下さ

 ●第2回ProSAVANA事業に関する意見交換会●
 日時:3月5日(火) 17:00~18:30
 集合時間:16時45分 外務省東口玄関待合室(時間厳守)
 会場:外務本省内会議室
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/address/index.html

*注1:http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/activities/index.html

・メールタイトル「ProSAVANA事業に関する意見交換会の申込」
・申込締切り:【3月3日(日)まで】≪厳守≫ 
・申込先:NGO側事務局  oda.advocacy<@>gmail.com
 *円滑な事前準備にご協力お願いします。
  締切後は参加者リストにお名前・団体名を掲載できません。
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# by africa_class | 2013-02-22 11:26 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

ニシモリ議員が「伯国失業若者の土地のためにプロサバンナはある」とTV番組で発言(必見)

週末が始まろうという金曜日の夜、プロサバンナ事業の英語の公式資料を探していて迷子になり、プロサバンナ関連の英語資料が一気にみれるサイトを発見!と思ったら私の論文もここだった…。お恥ずかしや~。

■プロサバンナ関連の英語等の資料があるサイト
http://farmlandgrab.org/cat/show/13
■日本語が欲しい人、私のブログでの引き出しはここ
http://afriqclass.exblog.jp/i38

そして、ざっと見てて・・・・な~んだ。
モザンビーク政府情報局AIMが去年末に報道し、あちこちに流れた「パシェコ農業大臣はプロサバンナでモザンビーク農民の土地を奪わないと宣言」という記事に写ってるのは・・・・我らが「JICAの本郷さん」ではないですか!つまり、JICAさんと本郷さんが「そのように話す機会を創出」したのですね~。なるほど。外務省との定期協議会後現地に飛ばれて、やられてたのコレだったのですね~。
■http://farmlandgrab.org/post/view/21464
なんというのか・・・まあ、それが仕事なんでしょうが。お疲れ様です。

この記事「農業大臣、農民から土地奪わず」の記事にあわせて考察を書いたのですが、JICAとの面談による話となれば微妙に無駄な考察だったかも。まあご笑覧下さい。
http://afriqclass.exblog.jp/17075929/

でも、考察に書いたように、モザンビーク大臣が、
モザンビークの農業生産の9割を小農が生産している
プロサバンナはセラードの「レプリカ」である
と述べているのはJICAや外務省の主張とまるで違うので重要なポイントかと。

なぜなら、外務省とJICAは、これまでこう繰り返しているからです。
モザンビーク北部で農民は飢えて貧困で伝統的で粗放農業しか知らず生産性が低く土地を余らせてる(*その内②と同様にこの言説も否定し始めるのでしょうが・・・現実とあまりに違うので)、
②セラードとモザンビーク北部とは違い、移植するわけでない(*2010年以前は繰り返し「セラードとモザンビーク北部は同じ」と宣伝されていたのですが、ようやく違いの大きさに気づき修正中。でもその変更を未だ認めない。資料には書かれており、証拠が残っているのにねえ…ため息。)

ちょっと驚いて目が覚めてしまった私の、さらに目を覚ましたのはこのブラジルのテレビ番組でした。何気なく観て、あまりにJICAや外務省の言っていることと真逆の(いや、あえて言わないようにしてる?)ため、本当に目が覚めてしまった。

特に、これまでの定期協議会等でのやり取りを目撃した人は、腰を抜かすんじゃないかな・・・。私が以下の英語論文で書いたとおり、プロサバンナに関わるブラジル側の意図は「土地」でした。論文の結論が間違っていないことを自分の目で確認できて、いささか安堵。
■"Analysis of the discourse and background of the ProSAVANA programme in Mozambique – focusing on Japan’s role"
→http://farmlandgrab.org/post/view/21574

では、ご視聴あれ~。と書いて、実はポルトガルなので、日本語に訳してもらいました。すごく早くて完璧な訳。感謝!でも、テキストにするとかなりさらに凄い内容です。

ポイントは、調印から3年も経過しての2012年6月時点の放送、かつモザンビーク北部を訪問(ブラジルアグリビジネス関係者20名と共に)した後の番組なのに、
(1)プロサバンナはモザンビーク北部の小農支援のため等とは一言も言ってない。(外務省・JICAの主張と異なる)
(2)セラードで行った大規模な近代農業、プランテーション経営をモデルに、 アグリビジネス中心の「サバンナの開拓」と明言。(外務省・JICAは沈黙するポイント)
(3)ブラジルでは土地が不足し広い土地での営農ができず失業しているという若者が広大な農地で近代農業をするための就農対策と明言(これも外務省・JICAは「land grabbing(土地収奪)」ではないと主張)


これ・・・あまりに、現在のJICAや外務省の説明と異なることばかりなんですが・・・。
といっても、そもそも2009年からのJICAや報道資料を丹念に追えば、以上のニシモリ議員のプロサバンナ事業の目的の整理は、「異様」ではなく「妥当」に聞こえます。

つまり、当初大体こういう路線(セラードとよく似たモザンビーク北部にブラジル式大規模開拓&機械を入れた近代農業にブラジル大農<アグリビジネス>が参与)でJICAや日本政府の資料は書かれています。これらの資料に基づいて私の論文も書かれているのです(推測ではなく、歴史資料研究から)。しかし、land grabbingへの高まる批判に対応するため、急速に日本サイドの言説や主張は変わっていきました。しかし、ブラジルサイドは抑えることができなかった・・・のでしょうね。

でも、きっとこう書いたら、近々JICAの誰かがブラジルに飛んで、「ブラジルはプロサバンナで小農の土地は奪わない!」という番組や報道が作られることになるんでしょう。

しかし、そもそもこういうこと全てに(単に口裏合わせだけでなく、ブラジル若者の営農者の失業対策も含め)、日本の税金が使われるのってどうなんでしょう。311後の日本においてそんな余裕はないはずでは?東北で寒さに凍える仮設住宅の皆さんのことを思って、金曜日は情けなくなって眠れなくなりました。ほんとうに。こういう感覚って、私だけなんでしょうか。

では素晴らしい全訳ご一読ください。
一か所も修正要らずの正確な訳。
ボランティアでやってくれたのにプロフェッショナル。
こうありたいですね。
(あ、ポルトガル語の学生は番組を観ながらこの訳で確かめるとヒアリングの練習に?)

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■TV番組:プロサバンナ推進日系ブラジル人議員のモザンビーク北部訪問報告
http://farmlandgrab.org/post/view/21652

TV CAMARA Palavraberta 2012年6月27日放送
聞き手:Amneres Santiago
ゲスト:ルイス・ニシモリ(Luiz Nishimori)下院議員・社会民主党 (Partido da Social Democracia Brasileira: PSDB-PR, Paraná)パラナ州選出

聞き手:みなさん、こんにちは。みなさんはアフリカにおける農業開発の促進するためのプロジェクト、ブラジル・日本・モザンビークによる共同事業プロサバンナをご存知でしょうか。これは下院の農業委員会に支持され、2010年に調印されたものです。本日はこの話題についてお話しいただくため、社会民主党パラナ州選出のルイス・ニシモリ下院議員をお招きしました。ニシモリ議員は下院における多様な国際的な議題に精通しています。(ニシモリ氏に向かって)ようこそおいでくださいました。このお仕事について、このプロジェクトがどのように具体化されてきたのか、簡単にご説明いただけますか。

ニシモリ議員:数年前になりますが2010年にブラジル・日本・モザンビーク3カ国によって社会経済な課題、特にモザンビークにおけるアグリビジネスの発展のために国際的な合意がなされました。なぜモザンビークなのか。まずなによりモザンビークの公用語はポルトガル語です。つまりブラジル人にとっての(言語的な)障壁はありません。そして我々ブラジル人は卓越したノウ・ハウを持っています。ブラジルのセラード開発の経験と技術をアフリカのサバンナに移植することができるのです。

聞き手:セラードとサバンナの植生には類似点がありますか?カアチンガ(Caatinga) もこの地域に入りますか?

ニシモリ議員:まさにそのとおりです。セラードの土壌はアフリカのサバンナと似ています。気候も含めて似ています。あちらでは6か月間の雨季があり、同じく6ヶ月間の乾季があり、ここのセラードと同様です。ブラジリアでもそれ(雨季と乾季のサイクル)がありますね。これは大豆、綿花、トウモロコシといった穀物のプランテーション栽培を容易にします。ですから、この合意はなによりもブラジルのセラードの経験をアフリカのサバンナに移植するために形成されたのです。私はこの4月に20人ブラジル人農場経営者、アグリビジネス企業家からなる視察団を率いて、プロジェクトがどのように進行しているのか、そしてアフリカのサバンナの状態を確認するために、(モザンビークに)行ってきました。そして実際にこのプロジェクトが世界の食料を生産する大きな潜在的可能性があることを、世界の食料増産の可能性を確信いたしました。アフリカ大陸も食料が不足しています。

聞き手:なるほど。目下のところ、このプロジェクトはモザンビークで展開しています。モザンビークの中西部から北部かけて回廊(開発)がありますが、この回廊(開発)に関して、あなた方が進めているのは、農業生産、世界の食料生産のためのある種の試験場のようなものを提供するということなのでしょうか?特に日本はこのストーリーにどうかかわっているのでしょうか?さらにブラジルはこの経験から何を得るのでしょうか?

ニシモリ議員:なぜ日本政府なのかという点ですが、日本政府はブラジルのセラード開発に最も多くの投資を行った国です。その日本がアフリカのサバンナの開拓に今一度、援助を行うというものです。日本政府の関心という点では、もちろん日本企業も参入するでしょう。 

聞き手:それは技術面においてということですか?

ニシモリ議員:そのとおりです。そこから食料を購入することもあるでしょうし、また、そこから直接購入をしなくとも、日本は食料輸入国です。彼らは食料の購入を必要とします。世界的に食料の増産がなされれば、その価格は下落し、それは日本にとって利益になります。そこで日本政府は穀物生産の拠点となるナカラ回廊の650kmの道路の舗装工事とナカラ港湾のリハビリを請け負っています。ブラジル政府はナカラ港湾の近隣にナカラ国際空港を建設することで支援しています。この地域では(ブラジルの総合資源開発企業)ヴァーレ・ド・リオ・ドーセ(Vale do Rio Doce)なども石炭や鉄鋼といった鉱物資源の採掘を行っています。そこに今度は我々のブラジル人農業労働者を連れていくわけです。ブラジルにおいて農業を行いたくとも土地が不足している若い人たちです

聞き手:つまり若いブラジル人農業労働者たちのために、そこへ行って働くという機会を提供するということですか?

ニシモリ議員:そうです。熱意がある若い人々が技術的で、大規模な、そして近代的な農業を行うことを切望しています。おそらくそれはモザンビークを変革することができる、アフリカのサバンナを開拓できるわけです。これは前向きな挑戦です。(ブラジルでは)多くの農業専門家が育成されていますが、無職の状態にあります。そういった人々が挑戦できるでしょう。特にブラジル南部の土地の不足した地域で4ヘクタール、5ヘクタールといった規模で農業を営みながらも、近代的で大規模な農業を行いたいと思っている若い営農家にとっては多くの機会を提供することになるでしょう

聞き手:ニシモリ議員はこれまでにもこうした国際的な議題について積極的に取り組んでいらっしゃいました。ニシモリ議員が(ブラジルの国会にあたる)国民会議に入られてから現在に至るまでの活動を少しお話いただけますか。

ニシモリ議員:この公的な(政治)人生を歩み始めて以来、私は我々の経済環境を日本や中国といったアジアの国々との関係において認識し、大きな成果を出してきました。その経験は10年以上におよび、今年、我々は日本に経済使節団を送って39周年になります。なぜ39周年なのか。来年は40周年となります。多くの人々の記憶にあるでしょう、連邦議会の重鎮であった今は亡きアントニオ・ウエノ議員、彼がこの経済使節団を始めました。そしてアントニオ議員の生前、我々は協力して経済使節団を結成し、そしてブラジル人起業家を日本市場に引き合わせてきました。私は常にブラジル人の良きパートナーは日本人であると言い続けてきました。そしてブラジル人は日本人にとっても良きパートナーであると。なぜならば、我々の側、ブラジルには豊富な天然資源、一次産品がある。そして日本は高度な技術があることは言うまでもなく、日本には海外に投資を行う意志のある中小企業が多く存在します。そこで私は(日本の)中小企業・産業のある都市部で座談会を開き、それらの産業がこの成長著しい国ブラジルに投資する 機会を提供しているわけです。特に開発・技術の分野への投資という点でブラジルは多くの利点を提供できるでしょう。私はこの経済使節団が非常に有意義な事例であると自負しております。

聞き手:本日はご出演いただきましてありがとうございました。
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最後まで読んだみなさんは、不思議ーな気持ちでいらっしゃることでしょう。
これと真逆のことを述べた12月のNGO外務省定期協議会の議事録は、まだ公開されていません。理由は、議事録だというのに、私の発言箇所に、外務省が何故か赤字で全部否定・修正を入れていたからです。勿論、私の問題ではないので、私は対応しておらず(公的な会議の公的な議事録の他者の発言に勝手に赤を入れるとは、レベルが低すぎる・・・ので。)、より上のレベルでやり取りがされていますが、一体全体この国のガバナンスと民主主義はどうなっているんでしょうか・・・暗い気持ちになります。

何度も書きますが、批判に感謝してカイゼンに役立ててこそ、発展や前進があるのではないかなあ?批判を封じ込めたり、なかったことにしたり、抑圧や弾圧をすることは、組織や社会を腐らせるとともに、退行を進めるだけです。そのことによって、腐った社会に苦しむのは、結局のところ私たち一人一人なのです。・・・が、エリートたちは、社会に生きてないので、痛くもかゆくもないのかもしれませんね。それはそれで可哀想。

すでに世界から見放されつつある日本ですが、世界の最前線で頑張る機関こそ、他者の批判をバネにしてカイゼンできる機関であってほしいものです。組織としては無理でも、中にいる問題意識のある皆さん、特に若者の皆さん、苦しいことも沢山あると思いますが、共にがんばりましょう!

批判的思考と対立の意義について以下にまとめました。

■批判的思考と対立:自分と組織を改善・刷新していく方法~TranscendやLearning Organizationより
http://afriqclass.exblog.jp/17323964

なお、このような南南・三角協力にみられる問題については、あわせてご一読を。
■三角協力/南南協力の罠1
http://afriqclass.exblog.jp/17265850
■三角/南南協力の罠2~世界の議論(没政治性問題について)
http://afriqclass.exblog.jp/17274194/
■三角/南南協力の罠3モザンビーク住民に暴動されるブラジル企業進出と日本援助(ナカラ回廊PJ)の関わり
http://afriqclass.exblog.jp/17274648
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# by africa_class | 2013-02-17 22:51 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

批判的思考と対立:自分と組織を改善・刷新していく方法~TranscendやLearning Organizationより

アフリカ平和・紛争論のレポートを返すために学生を呼んだ。
2年生の学生が受け取り、こういった。
「すごく面白く、興味深い授業でした。」
そしてためらいがちにこう述べた。
「母に話したんです。授業のこと。そしたら感動して泣いてました。」
へ?泣いた?
「トランセンドのこと知って。対立を超えるという視点について。悩んでいることを乗り越えるヒントになった、と。」

ありがとう。
感動したのは私の方かもしれない。
想いが届いたことに。

実のところ、トランセンドやルカサを一番やりたいのは40代以上の日本の人たちなんだ。この硬直した、閉塞感のある社会の中で、人間関係や組織との関係に日々疲れ、悩んでいる人達。それは、家族かもしれない。地域社会かもしれない。PTAかもしれないし、会社かもしれない。あるいは・・・・・自分自身かもしれない。

学生たちをみていると、その先にいるお母さんとお父さんのことが身近に感じられる。自分自身が近い年であることもあるが、学生たちに如実に表れている、不安と戸惑いと自己肯定感の弱さと諦め・・・。なんというか、夢が抱きづらい世代、社会が象徴されているのである。

私自身がずっと考え、試行し、失敗し、もがき、時に乗り越えてきた。
人生が一度だけだとしたら、ただ現状追認でいいのか?また、「自分だけよければ」それでいいのか?あるいは、「今の自分」のまま一生を過ごしていいのか?「今の自分」は絶対か?

先日別の学生が私にいった。
「先生は、どうしていつも、新しくあり続けられるんですか?」
新しいモノ好きってこと?
歳を取ってるのに若づくり?
いやいや。違うらしい。常に新しい、という。
その時はちゃんと説明できなかった。
そこで、今日説明してみようと思う。

私は、ある時「進化し続ける自分」を目指そうと思った。
そのことによって、「進化し続ける組織」を応援できないか、と思った。
そのことが、最終的に、「進化し続ける社会」につながらないか、と。

しかし、問題は人というものも、組織も、社会も、失敗や対立や負の遺産からは目を逸らしたい。
目を逸らすことの方が楽だ。
人間とは楽なものが好きだ。
誰だって好き好んでしんどいことをしたくない。
それに、時間の経過とともに惰性という麻薬が身についてくる。
自分の言い訳をいっぱい砂の城のように積み上げ始める。
利害が一致する似たお仲間同士で、せっせと。
負を指摘するものは、「非国民」だ。「敵」なのだ。
私たちは心地良いのに。かき乱すなんて・・・。

何か思い当たる?
今日本を構造的にも内面的にもむしばんでいるのはこのような精神である。
イジメもしかり。バッシングしかり。

どうやってこのカラを打ち破っていくのか?
どうやってもっと良い自分、もっとよい人間関係、もっとよい組織、もっとよい社会を創造していけるのか?自分は、そこで何ができるのか?できないのか?そのためには何をすべきなのか?

自分のちっぽけな目の前の利益だけを追求する道が、結局大きな破綻に結びつく時代に私たちは生きている。人間はそこまで肥大化し、極大化しているのに、一人一人は「自分は関係ない」と思い込んでいる。

311後の日本では、これに気づいた人達と気づきたくない人達の相克である。そして後者が量的には圧倒的である。

私は、そんな自分と社会と世界に挑戦したいと思う。そのための人生を送りたいと思う。しかし…。

最近気づいたことがある。
私にとっての「当たり前」は、多くの人の「当たり前」ではないことに。
どっちがいい悪いではなく、もっと説明が必要なことに思い当たった。

トランセンドとLearning Organizationはその意味でとても良いツールだ。だから、今日時間の許す範囲で少し紹介する。

トランセンドでは、「紛争や対立を悪としない。」
紛争の種といわれているものこそ、「変革の糧」になる可能性が秘められているから。
なぜなら、人間社会において、対立がない状態はあり得ないから。
「ない」という時それは全体主義の世界である。

対立はあるのだ。
特に、権力を握っている側と抑圧されている側に対立がないとしたら、それは抑圧が弾圧に近いものだから。つまり、抑圧されている側が沈黙させられ、我慢させられている状態・・・それが「対立のない状態」なのだ。

だとすれば、重要なのは「対立がなかったこと」にすることではなく、「対立を発見すること」。そして、「発見された対立」を皆に可視化し、一緒に考えること。どうにか対立をよりよい社会へのエネルギーに変えていくこと。つまり、「対立紛争を転換する(transformation)」のである。

その際重要なのは、
1.大きなビジョンを持つこと。
2.その共感ベースを確認すること。
3.「現状status quo」を絶対と受け止めないこと。
4.常に、どんな時にも対立がある前提に立つこと。
5.対立を発見したら、その発見に感謝すること。
6.その対立の根っこには権力と抑圧があることを自覚すること。
7.対立の転換は可能だと信じてみること。
8.その対立はビジョンの実現のために転換の糧になると知ること。
9.対立は妥協や一方の勝利ではなく、超越を目指すこと。

そして、一つでも出来たら、次に
10.そのプロセスを人に語り、知ってもらうこと。
11.どんな小さな対立でも、大きな対立でも、これを試みてみること。
12.それに周りにも関わってもらうこと。

例えば、原発事故の問題を取り上げてみる。
どんな対立や問題があったのだろうか?
①都市と地方の格差・差別
②大量消費型の生活と自然環境破壊
③利権と住民の命/健康

もっとあるけれど、今問題のタネとして示されているのは何か?
「安価な電力不足」
この言葉そのもののなかに以上の真の対立や問題を見出すことは難しい。
そして事故が起こるまで、①~③に私すら気づいていなかった。本当の意味では。
事故は起こってしまった。対立は顕在化した。ではどうするか?
そのまま、以上の1.~9.を試みてみよう。

見えてきたのは何?
ここで私が「答え」を用意すべきではない。
トランセンドとルカサをやった皆さんなら、そうでない皆さんも、エクササイズとしてやってみてください。そして、その結果を教えてください。答えは一つではない。無限にある。皆のクリエイティビティを大いに発揮して、トランセンドしてみてください。そこから学ばせてください。

トランセンドは、平和学(特に積極的平和positive peace)の一環として出てきた概念。私は日々の生活の中でこの概念を、KAIZENやマネージメントの文脈で意識して実践するようになった。いつからだったのだろう。もっとも苦しい20代後半から30代前半にかけてのことだったと思う。

なお、トランセンドが理想主義だという人に。
今は書けないのだけれど<私一人の問題ではないので>、トランセンドは実際に私が家族の暴力を乗り越えるために使った手法だった。だから理想で書いているのではない。苦闘の中で手にした手法だからこそ、皆さんに紹介している。だから学生のお母さんが泣いたこと・・・が、心に身に沁みるのだ。お母さん、大丈夫。気づいたのなら、もう10歩も100歩も前に進んでる。

以前紹介したKAIZENの話の中で「失敗」を扱った。
■援助とKAIZEN:プロサバンナで何故セラード開発が問題にされるかの一考察を通して
http://afriqclass.exblog.jp/17211838/
「失敗」に感謝すること=カイゼンの肝。

これは、実は「対立」にも置き換えられると常々思ってきた。
今日は長く書けないが、日本だけでなく世界の開発援助が、「権力」「対立」がない前提で、「貧しい人びとを救うため」の政策や議論を行うことの大問題・・・に直結しているのです。常に、「大きな意味での垂直対立の目」つまり「権力関係」に注目しましょう。ほら、援助について見えてきたものがないですか?

何事にも失敗があるように、どの関係にも対立はある。ないと思ったら、それは可視化されていないだけ、あるいは隠ぺいされているのであって、それは対立の転換を難しくするという意味で、悪い状態。このことを深く心に刻みつけておいた方がいい。

夫婦関係でも、親子関係でも、友人関係でも、職場関係でも。援助関係でも。

また、プロジェクトや政策面だけでなく、今日本の政府・援助関係者が「批判」を、Welcomeするのではなく、ただ「耳を塞ぎたい騒音」として扱おうとしている点について、本当に残念。変革、カイゼンのチャンスを逃しているから。

異なる意見と真なる対話を行って初めて、カイゼンは可能となる。
ちょっと分かりづらいかもしれないので、「学習する組織Learning Organisation」の権威であるPeter M. Sengeの議論を取り上げる。MITの教授にして、サステナブルな社会変革の支援者。

カイゼンKAIZENと並び、世界のマネージメント界で高く評価され、試みられているのがピーター・センゲの『学習する組織論』。一番有名な本はこれ。

原著:Peter M. Senge, The Fifth Discipline - The Art & Practice of the Learning Organization, 1990.
日本語訳:『学習する組織――システム思考で未来を創造する 』ピーター M センゲ (著), Peter M. Senge (著), 枝廣 淳子, 小田 理一郎, 中小路 佳代子

我が家にはセンゲの本が3冊あるが、おそらくこれが決定版かな。なお、以上の本を翻訳された皆さんによるチェンジ・エージェントで詳しい紹介があり。タダだし読んでみて。
http://change-agent.jp/news/category3.html

MITの教授で世界的権威というと、堅物を創造するあなたはきっと期待を裏切られる。
ピーター・センゲへのインタビュー(3)日本の変化の担い手への助言
http://change-agent.jp/news/archives/000466.html

さて、私の理解では、
■「学習する組織」はマッチしないタイトル。
■「進化し続ける自分と組織、社会」に変更した方が広がりが出ると思う。

単なるマネージメント論の話ではない。主体としての自分が変わることが組織をも変えていくことが根っこの部分にあるから。

その「自分」はどうやったら進化し続けられるのか?
以下に凄くポイントが明確にまとめられている。
http://change-agent.jp/news/archives/000435.html

◇内省的な開放性の特徴は真に心を開くことであり、これは人の話をより深く聞くことや真の対話に向けた第一歩である。言うのはたやすいが、実行するのはそう簡単なことではない。内省の環境を構築することは、自分自身の心を開こうとする気持ち、無防備になり「さらけ出そう」という気持ちから始まる。

<=これが私がこのブログやツイッターで赤裸々にあえて自分のことを語っている理由です。

◇共有ビジョンは個人ビジョンから生まれる。だからこそエネルギーを発揮し、コミットメントを育むのだ。ビル・オブライアンが言うように、「あなたをやる気にさせる唯一のビジョンは、あなた自身のビジョンなのだ」。

<=あなたにビジョンがないのに、人にビジョンを押し付けても仕方ない。ビジョンは人から与えられるものでもない。待ってても仕方ない。

◇組織のモチベーションとなる基本的なエネルギー源は二つある。否定的ビジョンの根底にあるのは恐怖の力である。肯定的ビジョンを動かすのは大志の力である。恐怖は短期間に驚くべき変化を生み出すこともあるが、大志は学習と成長の絶えざる源泉として持続する。

<=今の日本の組織の多くがこれに陥っていますね。皆さんは、この否定ビジョンのために一生懸命働き続けるべきなのでしょうか?
<=また学生にビジョンステートメント作ってもらうときに、「~がない社会」と書かないでといっている理由はこれです。

◇聴くことは、往々にして話すことよりも難しい。何が必要かについて確固とした考えを持った意志の強いマネジャーにとっては特にそうだ。聴くという行為には、多種多様な考えを受け入れるだけの並み外れた開放性と意志が必要である。

<=授業で私が一方的に講義をしなくなった理由はこれです。まずは皆の想いや状態を知る。その上で、やるべきことをやる。その中に「私が話す」が入っていればやりますが、そうでなければやりません。皆さん自身が、考え、書き、話し、調べる。

◇対立がないのが優れたチームではない。絶えず学習しているチームの何よりも信頼できる指標の一つは、考えの対立が目に見えることだ。優れたチームでは対立が生産的になる。

<-これは今回繰り返し書いていることですね。「優れたチームでは対立が生産的になる」まさにそう。YESマンばかりをはべらせた「裸の王様の組織」は、持続性がありません。内部に反論を述べる人を置く事の意義は、すばらしく大きいです。それが、一番日本の多くの人に欠けているポイントで、その理由が「解放性の自分」「ビジョンを持つ」「反論や対立をウェルカムする」ことが出来ないという点に直結していると思います。

◇真の教師になるためには、まず学習者にならなくてはならない。教師自身の学習に対する情熱は、その専門家としての知識と同じくらい生徒たちに刺激を与える。だからこそ組織学習のツールや理念に真剣に取り組むマネジャーもまた、単なる「提唱者」や伝道者ではなく、実践者でなくてはならない。

<=最後に。何で大学の先生がこんなに色々なことをやってるの?研究して論文書いて教えてればいいじゃん、というご意見にはコレ。実践者でなければ、研究していることの中身も、書いていることの意味も、教えることも、どうやって意味のあるものにできるのか?これは逆に私の皆さんへの問いかけです。

以上ーー。
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# by africa_class | 2013-02-16 15:24 | 【促進】社会的起業/企業

【全イベント】モザンビーク農民組織セミナー&記者会見@北大26日、議員会館27日、東大28日(資料付)

学年度末のこの時期、国立大学教員は本当に死にそうに忙しい…。
そんな最中ではありますが、昨日モザンビークからお越しの市民社会代表3名が無事ビザ申請を行い、後は朗報を待つのみ。

そして嬉しいことに、北海道でも彼らを招いたイベントを地元の農民グループの皆さんが準備してくださいました。TPPの問題と今回のモザンビークでの農業開発援助問題は、根底の部分でリンクしているというのが彼らの問題意識です。都市住民に偏った意見交換ではなく、日本の農民の皆さんとの意見交換…すごく意味があると思います。北海道の皆さん、ありがとうございます!

そこで、このブログでは一挙かれらのイベントを整理しておきます。
(東京のイベントは申込み制で、未だ空きはあるのでお早目に)

また、今回来日される農民組織UNACの代表アウグストさんは「50歳代の農民」!
2200の農民協会・組合と8万を超える個人会員から選出された方です。一緒に来日したかった副代表は女性の方なのですが、今回ご都合があわずでした。次回お楽しみに!

「当事者の声を聴く」
こんな重要なことはないと思います。

誰でも参加可能。政府関係者の皆さんも是非参加して耳を傾けてほしいです。特に、オープンセミナーは対象地域のモザンビーク北部地域に関するもの。是非、政府関係者や援助関係者に来ていただき、聴いてほしいです。

外務省あるいはJICAのオープンセミナー@東大でのご登壇は、NGO・外務省定期協議会の枠で依頼がなされましたが、残念ながらパネリストとしてのご登壇はお断りになりました。でも、登壇はしないとしても、モザンビーク農民の声に耳を傾け、農村で何が起きているか知り、また彼らがどうしてこういう主張をしているのか学びぶことは、非常に重要です。唯個人として聴いているだけでもいいので、是非ご参加いただければと思います。勿論、あてたりしませんので(!)。

(拡散歓迎)
===================================
緊急来日! アフリカ・モザンビークから
最大農民組織UNAC代表2名と環境NGO1名 
■【北海道:セミナー】2月26日(火)10時~12時
@北海道大学農学部3階S 31教室
■【東京:議員会館学習会&記者会見】2月27日(水)
 11時~12時半@参議院議員会館B104
■【東京:オープン・セミナー】2月28日(木)18時~20時
@東京大学(駒場)18号館ホール

===================================
今年6月横浜市で「第5回アフリカ開発会議(TICAD V)」が開かれます。同会議は、1993年の第一回開催以来、日本の対アフリカ関係の大方針を決める上で重要な役割を果たしてきました。一方、昨今は中国、韓国、インドなど、アジアの新興ドナーも「アフリカ・サミット」を開催するようになり、TICADは新たな存在意義の模索を迫られています。

近年、アフリカ開発において最も大きな注目を集める課題の一つに、「農業投資」と「土地争奪」の問題があります。2007-08年の世界的な食料価格高騰をきっかけに再び課題に転じたアフリカの食料問題。この対応策として、アフリカ農業への国際的な投資・支援の必要性が叫ばれていますが、対アフリカ「農業投資」の中には、外国への食料調達を目的に、現地農民から土地を収用するものが含まれており、生計手段を奪われた農民による大きな抗議行動が各地で発生、政情不安の引き金になっています。

日本政府も、ブラジルとの協力のもと、2009年より政府開発援助(ODA)でモザンビークに対する大規模な農業開発支援(プロサバンナ事業*注1)を進めていますが、現地の農民組織やNGOが、当事者への十分な説明がないまま計画が進められていることに強い懸念を表明しています(*注2・注3)。

急激なグローバル化と大規模ODAプロジェクトに直面するアフリカ小規模農民の組織の代表をモザンビークからお招きし、今アフリカで何が起きているのか、小農はどのように暮らし何を求めているのか、日本の我々はどのように関わるべきなのかについて、皆さんと一緒に考えたいと思います。

【北海道】北海道大学でのセミナー
「北海道の農民と共に考えるグローバル農業投資、土地争奪と日本の援助~モザンビーク最大の農民組織は何故抗議声明を出したのか?」

http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-5.html
○日時:2月26日(火)10時~12時(*質問 11時半~12時)
○場所:北海道大学農学部3階S 31教室 (札幌市北区北9条西9丁目)
http://www.agr.hokudai.ac.jp/info/access.html
○モデレーター:高橋一(酪農学園大学 教授)
報告者:
・アウグスト・マフィゴ(モザンビーク全国農民組織UNAC 代表)
・ヴィセンテ・アドリアーノ(同上UNAC アドボカシーオフィサー)
○主催:TPPを考える市民の会 
http://jikyuunet.m38.coreserver.jp/wordpress/?p=70
○協力:モザンビーク開発を考える市民の会 
○参加:申込み予約不要・直接お越しください。
○使用言語:英語&日本語での逐次通訳あり
○お問い合わせ:モザンビーク開発を考える市民の会
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
mozambiquekaihatsu<@>gmail.com
  

【東京】議員会館学習会&記者会見
「アフリカの課題に応えるTICAD V(アフリカ開発会議)の実現に向けて~食料安全保障問題と『農業投資』が引き起こす土地紛争」

http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20130227.html
○日時:2月27日(水)11時~12時 (*記者会見12時~12時半)
○場所:参議院議員会館B104 
○主催:(特活)アフリカ日本協議会(AJF)、日本国際ボランティアセンター(JVC)、(特活)オックスファム・ジャパン  
○協力:モザンビーク開発を考える市民の会
○参加申し込み:(特活)アフリカ日本協議会 
電話 03-3834-6902/e-mail info<@>ajf.gr.jp 
右記について、2月25日正午までにお知らせください。
1)お名前、2)ご連絡先、3)ご所属
○式次第:
・司会&趣旨説明「TICA Vに向けて」
 津山直子(アフリカ日本協議会理事/「動く動かす」代表)
・報告1「世界的な農業投資と国際規範」
 森下麻衣子(オックスファムジャパン アドボカシーオフィサー)
・報告2「農業投資と日本の援助~プロサバンナ事業」
 吉田昌夫(元アフリカ日本協議会代表/元中部大学教授)
・報告3「なぜモザンビーク最大の農民連盟はプロサバンナ事業に声明を出したのか?」
 アウグスト・マフィゴ(UNAC代表)
 ヴィセンテ・アドリアーノ(UNACアドボカシー&連携オフィサー)
・質疑&まとめ
○記者会見補足:モザンビーク環境NGO・JAのレネ・マショコが森林伐採問題に絡めてプロサバンナ問題を話します。


【東京】オープン・セミナー【日本アフリカ学会関東支部例会】【HSPセミナー】
「モザンビーク北部における農業と食料安全保障~モザンビーク農民組織代表をお招きして」

http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20130228.html
○日時:2月28日(木)18時~20時@東京大学(駒場)
○場所:東京大学(駒場キャンパス)18号館一階ホール
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_17_j.html
京王井の頭線駒場東大前下車徒歩4分
○共催:日本アフリカ学会関東支部(例会)、東京大学「人間の安全保障」プログラム、(特活)アフリカ日本協議会(AJF)、(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)、(特活)オックスファム・ジャパン、No to Land Grab, Japan!
○協力:モザンビーク開発を考える市民の会
○定員:100名(事前申し込み必要・先着順) 
以下の申し込みフォームに必要事項を記入してください。
https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?fromEmail=true&formkey=dDZOUHNKNk9ScXZKbWVZQjVGdGlDakE6MQ
○使用言語:日本語(ゲストは英語、会場用に日本語で逐次通訳)
○お問い合わせ先:(特活)アフリカ日本協議会
○式次第
(1)趣旨説明 座長:西川芳昭さん(コミュニティコミュニケーション・サポートセンター テクニカルアドバイザー/名古屋大学教授)
(2)報告1「モザンビーク北部における農業と食料安全保障~小農の視点から」
・アウグスト・マフィゴ(代表/全国農民連盟(UNAC)
・ヴィセンテ・アドリアーノ(アドボカシー&連携担当/UNAC)
(3)報告2「モザンビーク北部農村における森林伐採と土地、食料~環境の視点から」
・レネ・マシェコ(森林問題担当 /環境団体・Justica Ambiental)
(4)コメント(各10分):
・吉田昌夫さん((特活)アフリカ日本協議会食料安全保障研究会/元中部大学・日本福祉大学教授/日本アフリカ学会会員)
(5)質疑応答&オープンディスカッション&ラップアップ(45分)

■補足
(注1)プロサバンナ事業
JICAが2009年より実施する「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム」の通称。http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/activities/index.html
(注2)UNAC(全国農民連盟)モザンビーク最大の農民組織による声明
1987年に設立された小農を代表し、その権利を守るための農民組織(http://www.unac.org.mz/)。86,000名以上の個人会員、2,200の協会および共同組合、83つの郡レベルの連盟、州レベルでは7つの連盟と4つの支部を擁す。2012年10月11日に、上記プロサバンナ事業に対する声明を発表。 
【日本語】http://farmlandgrab.org/post/view/21204
(下記全文ご紹介)
(注3)モザンビーク環境団体 Justica Ambiental(JA)による声明
モザンビーク人自身による主体的な環境保護団体として、同国内の様々な環境問題に取り組み、世界的に高く評価されてきた。特に、「ダム問題」「違法伐採問題」では、身の危険を顧みず重要な役割を果たす。違法伐採問題については、日本のテレビ番組にも協力。JICAの招聘で2007年に来日し、TICAD IVに向けた提言を行う。同団体によるプロサバンナ事業に関する声明。(Moreに全文掲載)
http://landgrab-japan.blogspot.jp/2013/01/justica-ambientalfoe.html

■参考資料
1.朝日新聞:2013年2月2日朝刊
「私の視点」「モザンビーク開発 住民軽視の進め方、見直せ」

http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201302010544.html
2.ブラジル大手雑誌de Fato誌2012年11月29日記事
「ブラジルのアグリビジネスがアフリカを侵略」

【原文・ポルトガル語】http://www.brasildefato.com.br/node/11330
【日本語訳】http://landgrab-japan.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html
3. モザンビーク情報誌MOZAMBIQUE News reports & clippings 
209/210 December 2012
【英語】
http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/pics/d137382.pdf
http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/pics/d137380.pdf
【日本語解説】 http://afriqclass.exblog.jp/17017188/

■プロサバンナ事業に関するモザンビーク市民社会の声明2つ
1. União Nacional de Camponeses (UNAC)
「プロサバンナ事業に関する声明」
我々、モザンビークの全国農民連盟(UNAC)に加盟するナンプーラ州農民支部、ザンベジア州農民支部、ニアサ州農民連盟、カーボデルガード州農民連盟の農民は、2012年10月11日にナンプーラ市に集まり、プロサバンナ・プロジェクトに関する議論と分析を行った。
(続きはMoreで)

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# by africa_class | 2013-02-16 12:46 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【抵抗の音楽】講義(2013年度PARC自由学校)オリエンテーション内容(6月6日木19時~21時)

最近は不思議な依頼が増えている。PARCから2013年度の【アフリカ】講座の講師を頼まれた際、いつものことなのでOKを出したが、立て続けにコレを頼まれた。誰かNGだったから回ってきたのだろうけれど、何故私?でも、考えてみればこのブログで再三取り上げているし、かつ大学の授業で繰り返し紹介してきたのは「抵抗の音楽」だった。いつかこれをきちんとした形でまとめたいと思っていた。でも、立ち止まることが出来ないスピード感覚の中で、これもまた置き去りにしてきたネタであったことは間違いない。
 不思議なことに、こんな風に「立ち止まれ」と向こうから歩いてきた。
 研究対象としてではなく、自分の身体、魂、心、興味、授業の範囲でやってきたことを、少し深める機会としたい。 なので、このブログでも、講義までの間、いくつか文献や音源などを紹介してくことにします。でも、せっかく受講してくれる人たちのために、当日は座学を超えた魔法を一緒に体感してもらう予定(内容はもちろん秘密)。もはや一方的に講義しない私のことだから、あっと驚く時間を皆さんとともに。驚きすぎてひいちゃうかもしれないけど・・・そこはご愛嬌。
 このシリーズ。まだ言えないけれど、すごい講師陣の皆さま方。私の講義はさておき、これ受講しないと凄く後悔すると思います。(参加定員30名 私の回以外は金曜夜6回)

■運営母体のPARC(アジア太平洋資料センター)
http://www.parc-jp.org/
■PARC自由学校 
http://www.parc-jp.org/freeschool/index.html

パンフレット見ると本当に分かるのですが、社会人にはタマラン講義がどっさり。卒業生がよくいってる「組織の中でのみ生きてる感じで、社会と接点がない・・・」あなたには、本当におススメ。この社会、この世界のカラクリを学び、深く思考し、仲間をみつけ、生活者としての視点を得つつ、何か一歩を踏み出す・・・のに、これほどよい「夜の学校」ないのに・・・といつも思う。

問題は、彼らの宣伝が下手で(失礼)、この素晴らしい学校とコースと仲間たちが十分知られていないこと。真面目に宣伝すればするほど、世間での広がりはなくなる。もっと大胆に、もっと多くの多種多様な人が集う場所で宣伝できないのかな・・・。ということで、皆さん、口コミ重要。誘い合って是非どうぞ。でも、一人で参加しても全然問題ない。むしろ新しい出会いを広げるには丁度いい。私の教えるコースはいつも若い女性が多い。<=これって、アピールじゃない?(居酒屋やボーリング場でないけど、女性がいるところには本来男性も集まるはずなのに。)

という話はさておき。以下詳細。
その他の情報は後日。

■「抵抗の音楽―世界に響く闘いのリズム」
■担当:「オリエンテーション: 暴力、権力、差別、腐敗、不正義に抗う世界の民衆、それを支える音楽」
■日時 6/6(木)19:00~21:00
■生命の中、生活の中、運動の中から生まれ、反響しあい、うねりとなって、また戻っていく「音楽」。民衆の抵抗の魂、リズム、エネルギー、歌に踊り、そして連帯。座学に留まらない「抵抗の音楽」の世界へ皆さまを誘います。
■著書
『アフリカ学入門―ポップカルチャーから政治経済まで―』 明石書店 2010
『モザンビーク解放闘争史―「統一」と「分裂」の起源を求めて』 御茶ノ水書房 2007
■参考資料
公式ブログの関連サイトで紹介していきます→http://afriqclass.exblog.jp/i36
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# by africa_class | 2013-02-10 12:43 | 【知る】抵抗の音楽

ビルマ援助による土地収用とプロサバンナ問題、国際土地学会(5月30―31日@京大)

プロサバンナ事業で直面した日本における土地問題への無関心さ。
■同事業に関してはこの引き出し→http://afriqclass.exblog.jp/i38/
誰か土地問題を研究してほしい…。
そう声をあげてもう半年以上。誰も連絡くれない。

日本の若者にはアピーリングなIssueではないようで。
やっぱりあれ。BoPとかWin-Winとかそういうのが好きなんだよね。
日本の開発研究者らも、何故かあまり興味のない土地問題。
でも、経済成長一辺倒路線の影で何が起きているのか・・・・明るい話題でないことは間違いない。

が、メゲズニ以下、1.事例紹介、2.私のプロサバンナ事業を通しての理解、3.国際研究動向を示しておきます。誰か名乗り出てくることを期待しつつ、待っている余裕もないので、結局私が専門家になるしかないと覚悟を決めて、既に研究を開始しました(まあ暴力と平和を民衆の立場から考えるという意味で、まったく専門外ではないものの)。が、You are always welcomeです。バトンタッチできるのであれば、したいと切に願う私でした。

それしても、世界の研究動向から大きく逸れてる日本の研究事情は、やはり政府系のところから調査や研究費をもらっているからなんでしょうか。いつか誰か教えてほしい。

1.ビルマ/ミャンマーで日本開発援助が住民立ち退き
2.繰り返される日本の援助による土地接取の何故?
3.土地収奪問題に関する国際的な議論

1.ビルマ/ミャンマーで日本開発援助が住民立ち退き
そしてそんな日本の研究業界のお寒い状況が、日本の援助による土地収用や住民立ち退きを招き始めている。今日入ったニュース。

■ミャンマー3千人に立ち退き迫る 日本が開発の経済特区
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013020801001929.html
 【バンコク共同通信2月8日】ミャンマーの最大都市ヤンゴン近郊にあり、日本が官民挙げて開発を進めるティラワ経済特区で、開発に伴い約3千人以上の住民が、同地区を管轄するヤンゴン地域当局に強制立ち退きを迫られていることが8日分かった。住民らは同日付で、テイン・セイン大統領に抗議の書簡を送付した。(中略)
 関係者によると、ヤンゴン地域当局は1月31日付で住民らに対し、14日以内に立ち退くよう通達。従わない場合は、30日間拘束するとしている。(後略)

■メコンウォッチのプレスリリース(2月8日)
ODA支援案件「ビルマ(ミャンマー)・ティラワ経済特別区開発」で強制立ち退き500世帯 強引な立ち退きと人権侵害の防止を訴え、外務省・JICAに要請書を発出

http://www.mekongwatch.org/resource/documents/pr_20130208.html
以上記事掲載以外の情報。「これら住民の多くは2012年12月下旬、口頭で初めて、一方的に、立ち退きについて知らされた。移転にあたっては、代替地も用意されておらず、住民の主な生活の糧に対する補償措置も一切検討されていない。すでに12月下旬、近隣の貯水池からの灌漑用水の供給を当局により止められ、農業ができなくなっている地域も出ている。さらに、住民らが会合や書簡の作成・提出等、さまざまな活動をしようとしているが、ビルマ軍関係者が村内での会合を監視したり、住民リーダーに情報の提出を求めるといった状況である。」

2.繰り返される日本の援助による土地接取の何故?
ああ・・・21世紀になろうとも、日本の公共事業の「輸出」が繰り返されている。日本の開発援助(ODA)、まだこんなやり方やってるんだ。
「政府同士がやるのがODA」「政府との合意が当たり前。」
「住民の説得等は受益国政府がやる。」
「そこにしゃしゃり出るのは主権侵害。」
プロサバンナ事業が最初に問題化した時、政府関係者が繰り返した言葉。
しかし、相手は軍事独裁政権。選挙をしたと言っても議席の大半は軍人が握る。

こういう政府との「合意」を盾に平気で住民の権利侵害を行う日本の政府開発援助(ODA)、いや「国際協力」って、一体何なのだろう。JICAの皆さんも、そういう援助やりたくて機構に入社したのだろうか?自分たちの生活を守るために立ち上がった住民を危険な目に晒すとは・・・。

ん?まてよ。これなんか聞いたことある・・・と思うのは、このブログの読者の皆さまでしょう。
■ブラジル企業へのモザンビーク住民の暴動
http://afriqclass.exblog.jp/17274648/
■ブラジル・セラード開発で起きた土地を巡る農民らによる土地紛争
http://afriqclass.exblog.jp/17211838/
■モザンビークの土地問題
http://afriqclass.exblog.jp/17017188/
■プロサバンナ事業についての私の講演の記録(11月15日)
http://afriqclass.exblog.jp/16942666/
http://afriqclass.exblog.jp/16942699/
以上を読めば、大体分かる。

でも、以上のビルマの件をよく理解するために、一番読んでほしいのは以下の投稿。タイトルが悪くてあまり読まれていなかったので、タイトルを変更。ずばり、「民主化とプロサバンナ問題」です。

■日本の開発援助が民主化促進と逆行する傾向について(プロサバンナを事例に)
http://afriqclass.exblog.jp/17210917/

私が言いたい事。
やっぱり、これは多くの南の国々の、特に権威主義や独裁体制下の貧困層にとって、「土地」という物理的なものを超えて、住民の「主権」と「尊厳」、「生活」と「命」の問題なのです。そして民主主義の問題でもある。これを、日本が開発援助を通して、「政府間」「経済成長を通じた貧困削減」「官民連携win-win」などと言うキャッチを使って、踏みにじり続けている・・・・問題なのです。

<=私の問いは一つだけ。それでいいんですか?そんなために私たちの税金使うんですか?

でももっと根源的に、何故日本が開発援助でこんな立場を繰り返すのか?それは、すばり。日本社会自体が、住民の「主権」「尊厳」「生活」「命」を軽んじてきたからです。その典型が、福島原発事故とその後にみられます。そここそ、私が、アフリカの問題と福島の問題の両方に、深くコミットする一因です。

3.土地収奪問題に関する国際的な議論
さて、世界ではかなり研究・調査が蓄積されつつあります。既にこのブログで紹介した情報を最初に挙げておきます。

■コーネル大学でのグローバル土地争奪問題第二回国際会議
http://afriqclass.exblog.jp/17178906/
■アフリカ土地収奪問題のデータ
http://afriqclass.exblog.jp/16415050/

そして嬉しいことに、土地問題をめぐる国際会議が今年5月30日~31日に京大で開催されます!
■ 2013 Law and Development Conference “Legal and Development Implications of International Land Acquisitions” Kyoto, Japan, 30-31 May 2013
http://www.lawanddevelopment.net/news.php

ちょっと学会のタイトルでは、何のことか分かりづらいのですが、研究発表予定をみると、大体がLand grabbingや土地収用に関わる問題を取り扱っています。開発援助の問題も取り上げられている一方、グローバル企業の関与や法制度の問題なども、幅広く発表される予定です。ケースは、カンボジア、エチオピア、ボリビア…と世界に広がっています。基調講演が、土地問題の中でも特にアフリカの専門家。素晴らしい。マンチェスター大学との共催。

コーネル大学といい、マンチェスター大学といい、英米の老舗の大学。京大がこれをホストするのはとっても良いことですが、日本で知られてなさすぎで、そして研究されてなさすぎで、日本からの発表者が主催者1人のみ・・・後は世界中からくるのに・・・というお寒い状況。開発学の人たち、こういうの本当に興味ないのかな・・・と疑問が深まるばかりな私でした。結局、何故か私が発表する羽目に。

【会議の目的】
アフリカ、南米、東南アジア、東欧でのドラマティックな大規模な土地収用が、グローバル問題として2000年代後半から認識されるようになってきた。多くの議論や分析は、「Land grabbing(土地争奪/収奪)」問題へのフォーカスは、環境や社会への影響についてのものであるが、法的また開発学的な影響についてはまだ十分研究されているとは言い難い。この会議は、国際的な大規模な土地収用を、「法と開発」的観点からフォーカスし国際・国内・ローカルレベルでの多様な法的枠組みを検討することを目的とする。研究者から実務家まで、批判的法的研究、法人類学、開発学、国際比較法、法歴史学、人権研究、資源管理、法的文化研究、政治経済学からの貢献をウェルカムする。

【基調講演者】
我が大学とも協定があるライデン大学の方です。タイトルが刺激的。これ聴き逃すとかなり後悔しそう。
Liz Alden Wily, Independent Land Tenure Specialist, Nairobi
"Law and Land Grabbing: “Communities and Commons are Dead” Or Are They? Re-examining the case through land law"
http://www.law.leiden.edu/organisation/metajuridica/vvi/staff/liz-alden-wily.html

Wily氏は、以下非常に重要な記事を書かれています。
■How African governments allow farmers to be pushed off their land(どのように、アフリカの政府は農民たちを彼らの土地から追い出しているか?)
http://www.guardian.co.uk/global-development/poverty-matters/2012/mar/02/african-governments-land-deals
「サハラ以南アフリカの90%近くの土地が現在所有者がはっきりしない。法的所有者がいない形で、これらの土地は国家のものとなり、これが外国投資家への貸与を容易にしてしまっている。」
とはじまります。凄く重要な指摘が多いので是非ご一読下さい。

土地収奪と土地法の問題については、長らくこの問題に関与してきた国際NGO・GRAINのインタビューに詳しくあるのを紹介しました。英語の勉強にもなるので原語のインタビューも是非どうぞ。
■GRAINのインタビュー全訳
http://afriqclass.exblog.jp/17062266/
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# by africa_class | 2013-02-09 18:11 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

オープンセミナー@東大2月28日18時~:農民組織をお迎えして~モザンビーク北部における農業と食料安全保障

こちらも詳細決定です。拡散ご協力を。
なお、本セミナーも、市民の皆さまの温かいご寄付によって、モザンビーク農民組織と市民社会代表を日本に招へいすることが実現したことを、心から感謝申し上げます。
詳細→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
「モザンビーク開発を考える市民の会」

前日27日水11時~12時は「議員会館学習会」です。28日夜がご都合悪い方はそちらにどうぞ(要申込み)。
「モザンビーク農民組織・市民社会代表を迎えて~アフリカの課題に応えるTICAD Vの実現に向けて~
食料安全保障問題と『農業投資』が引き起こす土地紛争」
http://afriqclass.exblog.jp/17283800/

私はいずれのイベントも通訳で参加します。

【転送歓迎】
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2月28日18時~ オープン・セミナーin東京大学
【日本アフリカ学会関東支部例会】【HSPセミナー】
モザンビーク北部における農業と食料安全保障
~モザンビーク農民組織代表をお招きして

==================================
■最近日本でも、モザンビーク北部が注目される機会が増えてきました。同地域は、気候・水・土地に恵まれ、モザンビークにおける農業の中心地であり、同国の食料・輸出産品の生産地として重要な役割を果たし、戦後復興にも大きく貢献してきました。そして現在、外国企業による投資だけでなく、ドナーによる援助対象地としても急速に脚光を浴びています。
 しかし、モザンビーク北部の農業の担い手の圧倒的多数は、長年にわたり地域に暮らす小規模農民です。これらの小農の多くは、家族のため多種多様な日々の食料を生産しながら、余剰を市場に売り出すなどして生計を立てています。最近は、気候変動による小雨や洪水、グローバル化に伴う農業投資の流入など、様々な課題に直面しつつあります。
 このように注目を集めるモザンビーク北部ですが、これまで日本には、同地域での農業・農村開発支援の実績はほとんどなく、かつ研究蓄積も不十分でした。そのため、今回モザンビーク最大かつ老舗の農民組織であり、全国2,200の農民協会・組合の連合組織・UNAC(全国農民組織)の代表者らをお迎えし、モザンビー
ク北部を取り巻く環境の変化とこれら小農の農的営みについてお話しして頂きます。
 また、同国で多様な環境問題に取り組み、国内外でその活動が高く評価されるJA(Justica Ambiental)から、環境と女性/ジェンダーの視点に基づく報告も行われます。
 コメンテイターは、長年アフリカ農村地域での調査や研究に携わってきた吉田昌夫さんです。
 本オープン・セミナーは、モザンビークやアフリカ、農民主権、食料問題などに関心を寄せる研究者やNGO、実際に事業等に取り組む政府関係者や実務者、そして一般市民や学生を対象としています。お誘いあわせの上ご参加ください。
 なお、申込みが必要となっております。下記の通り25日までにお申し込みの上、ご来場ください。

■日時:2013年2月28日(木)18時~20時
■場所:東京大学駒場キャンパス 18号館一階ホール
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_17_j.html
京王井の頭線 駒場東大前下車徒歩3分
■共催:日本アフリカ学会関東支部(例会)、東京大学「人間の安全保障」プログラム、(特活)アフリカ日本協議会(AJF)、(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)、(特活)オックスファム・ジャパン、No to Land Grab, Japan!
■協力:モザンビーク開発を考える市民の会
■定員:100名(事前申し込み必要)
 以下の申し込みフォームに必要事項を記入してください。
 定員に達した段階で申し込みを締め切ります。
https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?fromEmail=true&formkey=dDZOUHNKNk9ScXZKbWVZQjVGdGlDakE6MQ
■使用言語:日本語(ゲストは英語でスピーチし、会場用に日本語で逐次通訳)
■式次第
(1)趣旨説明(5分)(座長:西川芳昭さん(コミュニティコミュニケーション・サポートセンター テクニカルアドバイザー/名古屋大学教授)
(2)報告1(30分):「モザンビーク北部における農業と食料安全保障~小農の視点から」
・アウグスト・マフィゴ(代表/全国農民連盟(UNAC)
・ヴィセンテ・アドリアーノ(アドボカシー&連携担当/全国農民連盟UNAC)
(3)報告2(20分):「モザンビーク北部農村における食料安全保障~女性/ジェンダー、環境の視点から」
・シルヴィア・ドロレス(Justica Ambiental)
(4)コメント(各10分):
・吉田昌夫さん((特活)アフリカ日本協議会食料安全保障研究会/元中部大学・日本福祉大学教授/日本アフリカ学会会員)
・日本政府関係者(調整中)
(5)質疑応答&オープンディスカッション&ラップアップ(45分)
■本件へのお問い合わせ:(特活)アフリカ日本協議会
電話 03-3834-6902/e-mail info@ajf.gr.jp

■UNAC(全国農民連盟) http://www.unac.org.mz/
1987年に設立された小農を代表し、その権利を守るためにできた農民組織です。86,000名以上の個人会員、2,200の協会および共同組合、83つの郡レベルの連盟、州レベルでは7つの連盟と4つの支部を擁しています。UNACは、2012年10月11日には、モザンビーク北部地域を対象とした「日本・ブラジル・モザンビーク三
角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム(略称プロサバンナ)」に対する声明を発表しています。【ポルトガル語】http://www.unac.org.mz/index.php
/7-blog/39-pronunciamento-da-unac-sobre-o-programa-prosavana
【日本語】http://farmlandgrab.org/post/view/21204

■Justica Ambiental(JA)
モザンビーク人自身による主体的な環境保護団体として、同国内の様々な環境問題に取り組み、世界的に高く評価されている団体です。特に、「ダム問題」「違法伐採問題」では、身の危険を顧みず重要な役割を果たしてきました。違法伐採問題については、日本のTBSのNEWS23での特集番組に協力しています。「変貌の
モザンビーク~昇龍開発」http://www.tbs.co.jp/houtama/last/071118.html
また、JAは、JICA事業「アフリカ・アジアNGOネットワーキング事業」のため2007年に来日しています→http://www.jica.go.jp/press/archives/jica/2007/071015.html
また、同団体もプロサバンナ事業について声明を発表しています。
【日本語版】http://landgrab-japan.blogspot.jp/2013/01/justica-
ambientalfoe.html

■土地問題
両団体は土地問題にも取り組んでおり、成果の一つとして以下の報告書を発表しています。
Justica Ambiental & UNAC. (2011). Lords of the land - preliminary
analysis of the phenomenon of landgrabbing in Mozambique. Maputo,
Mozambique.
→http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/pics/d131619.pdf

■プロサバンナ事業
JICAが2009年より実施する「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム」の通称。
http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/activities/index.html

※ 来日するモザンビーク全国農民連盟(UNAC)の声明、モザンビーク研究者の舩田クラーセンさやかさんの朝日新聞「私の視点」はじめ、関連資料を以下のページで読むことができます。
 http://www.arsvi.com/i/2prosavana.htm
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# by africa_class | 2013-02-08 16:05 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

議員会館学習会2月27日11時~:モザンビーク農民組織代表を迎えて ~アフリカの課題に応えるTICAD V

詳細決定しました。拡散下さい。
(式次第を追加しました)
(事前申込み必要です。下記の通りお申込みの上ご来場下さい)
また終了後すぐ同じ会場で記者会見を開催する予定です。
なお、本件については以下の朝日新聞記事をご参照ください。
→http://afriqclass.exblog.jp/17253760
→http://afriqclass.exblog.jp/i38 (関連投稿)

なお、翌28日(木)18時~20時に東大にてオープンセミナーを開催します。あわせてご参加ください。
http://afriqclass.exblog.jp/17283809/

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議員会館学習会:モザンビーク農民組織・市民社会代表を迎えて
~アフリカの課題に応えるTICAD Vの実現に向けて~
食料安全保障問題と『農業投資』が引き起こす土地紛争

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○日時:2013年2月27日(水)11時~12時
○会場:参議院議員会館B104 (入館証70枚まで発行)
○内容:
今年6月、横浜市で「第5回アフリカ開発会議(TICAD V)」を開かれます。
本会合は、1993年の第一回開催以来、日本の対アフリカ関係の大方針を決める上で重要な役割を果たしてきました。一方、昨今は中国、韓国、インドなど、アジアの新興ドナーも「アフリカ・サミット」を開催するようになり、TICADは新たな存在意義の模索を迫られています。
 近年、アフリカ開発において最も大きな注目を集める課題の一つに、「農業投資」と「土地争奪」の問題があります。2007年の世界的な食料価格高騰をきっかけに再び増加に転じたアフリカの飢餓問題。これへの対応策として、アフリカ農業への国際的な投資・支援の必要性が叫ばれていますが、対アフリカ「農業投資」の中には、外国への食料調達を目的に、現地農民から土地を収用してしまうものが含まれており、生計手段を奪われた農民による大きな抗議行動が各地で発生、政情不安の引き金になっているケースもあります。
 そんな中日本も、ブラジルとの協力のもと、モザンビークに対する大規模な農業開発支援(プロサバンナ事業 注1)を実施中ですが、現地の農民組織やNGOが、当事者への十分な説明がないまま計画が進められていることに強い懸念を表明しています(注2・3)。
 国際社会のアフリカ開発に向けた基本姿勢が問われる中、TICADは「アフリカの人びとためのアフリカ開発」の実現に向けて、どのようなリーダーシップを示すべきなのか。
 本セミナーでは、緊急来日したモザンビークの農民団体の代表の声を聞くと共に、農業投資と土地の権利に関する国際的な規範作りの現状について報告します。

○主催:(特活)アフリカ日本協議会(AJF)、日本国際ボランティアセンター(JVC)、(特活)オックスファム・ジャパン
○協力:モザンビーク開発を考える市民の会
○お申し込み先:(特活)アフリカ日本協議会
 電話 03-3834-6902/e-mail info@ajf.gr.jp
 以下をお知らせください。
 1)お名前、2)当日連絡可能な連絡先、3)ご所属
○本件へのお問い合わせ先:(特活)アフリカ日本協議会
電話 03-3834-6902/e-mail info@ajf.gr.jp
○式次第:
・司会&趣旨説明「TICA Vに向けて」
 津山直子(アフリカ日本協議会理事/「動く動かす」代表)
・報告1:「世界的な農業投資と国際規範」
 森下麻衣子
 (オックスファムジャパン アドボカシーオフィサー)
・報告2:「農業投資と日本の援助~プロサバンナ事業」
 吉田昌夫(元アフリカ日本協議会代表/元中部大学教授)
・報告3:「なぜモザンビーク最大の農民連盟はプロサバンナ事業に声明を出したのか?」
 アウグスト・マフィゴ(UNAC代表)
 ヴィセンテ・アドリアーノ(UNACアドボカシー&連携オフィサー)
・質疑&まとめ

*記者会見補足:モザンビーク環境NGO・JAのレネ・マショコが森林伐採問題を話します。

注1)プロサバンナ事業
JICAが2009年より実施する「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム」の通称。http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/activities/index.html
(注2)UNAC(全国農民連盟)モザンビーク最大の農民組織による声明
1987年に設立された小農を代表し、その権利を守るための農民組織(http://www.unac.org.mz/)。86,000名以上の個人会員、2,200の協会および共同組合、83つの郡レベルの連盟、州レベルでは7つの連盟と4つの支部を擁す。2012年10月11日に、上記プロサバンナ事業に対する声明を発表。
【原文・ポルトガル語】 www.¬unac.¬org.¬mz/¬index.¬php/¬7-¬blog/¬39-¬pronunciamento-¬da-¬unac-¬sobre-¬o--programa-¬prosavana 【日本語】http://farmlandgrab.org/post/view/21204 (下記全文ご紹介)
(注3)モザンビーク環境団体 Justica Ambiental(JA)による声明
モザンビーク人自身による主体的な環境保護団体として、同国内の様々な環境問題に取り組み、世界的に高く評価されてきた。特に、「ダム問題」「違法伐採問題」では、身の危険を顧みず重要な役割を果たす。違法伐採問題については、日本のテレビ番組にも協力。JICAの招聘で2007年に来日し、TICAD IVに向けた提言を行う。同団体によるプロサバンナ事業に関する声明。
【日本語版】http://landgrab-japan.blogspot.jp/2013/01/justica-ambientalfoe.html

■参考資料:
1.朝日新聞:2013年2月2日朝刊「私の視点」「モザンビーク開発 住民軽視の進め方、見直せ」http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201302010544.html
2.ブラジル大手雑誌de Fato誌2012年11月29日記事「ブラジルのアグリビジネスがアフリカを侵略」
【原文・ポルトガル語】http://www.brasildefato.com.br/node/11330
【日本語訳】http://landgrab-japan.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html
3. モザンビーク情報誌MOZAMBIQUE News reports & clippings 209/210 December 2012
【英語】http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/pics/d137382.pdf
http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/pics/d137380.pdf
【日本語解説】 http://afriqclass.exblog.jp/17017188/
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# by africa_class | 2013-02-08 16:02 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題