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レクチャー&交流会3/5@大阪「いまモザンビークで何が起きているのか?〜」

1年ぶりのレクチャーを行います。
【レクチャー&交流会(3/5 in 大阪)】
「いまアフリカ・モザンビークで何が起きているのか?
~『日本のための資源・利益』が奪う小農の未来とオルタナティブの可能性」

今回は、3/5に大阪で開催されるイベントのお知らせです。
ぜひ、ふるってご参加下さい。

(転載・転送歓迎)
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レクチャー&交流会(3/5 in 大阪)
「いまアフリカ・モザンビークで何が起きているのか?
~『日本のための資源・利益』が奪う小農の未来とオルタナティブの可能性」
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-233.html
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【日時】:2917年3月5日(日曜日)17時~20時
*レクチャー:17時~18時半、交流会:18時半~20時
【場所】:Cafe TIPO8 http://www.cafetipo8.jp/
【住所】: 大阪市北区中津5ー2ー9
【アクセス】: 大阪駅から徒歩10分、阪急中津駅から徒歩10分。
(*梅田スカイビルのお向かいです)
【講師】:舩田クラーセンさやか
(明治学院大学国際平和研究所研究員/元東京外国語大学准教授)
【参加費】:2500円 (モザンビークの幻のコーヒー[ビコ]、ハーブ茶、軽食付き)
*レクチャーのみ:1500円(ハーブ茶つき)
*交流会のみ:2000円(ビコ・軽食つき)
(*「一苗サポーター」の方はレクチャー&交流会あわせて2000円です)
【定員】:30名 (ぜひ交流会と共にご参加下さい)
【申込み】:以下URLにお名前・ご連絡先(メール)をご登録下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/166a9da5492496
【主催】:カフェモサンビコ・プロジェクト
http://cafemozambico.blog.fc2.com/
【協力】:モザンビーク開発を考える市民の会
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
【お問い合わせ】:カフェモサンビコ・プロジェクト 事務局
cafemozambico<@>gmail.com
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私たちが大好きだったモザンビーク。
だから応援してきた。
でも、たった5年ほどでモザンビークは劇的に変わってしまいました。
そのことに日本も無関係ではありません。
私たちは、これからモザンビークとどうつき合っていいのか、戸惑いのただ中にいます。

このレクチャー&交流会では、参加者の皆さんと次のようなことを一緒に考えたいと思います。

・今モザンビークで何が起きているのか?
・それに日本はどう関わっているのか?
・現地の人口の大半を占める小規模農民たちはどう感じているのか?
・どのようなオルタナティブが可能なのか?
・私たちはどのような未来をどのような形で創っていきたいのか?
・モザンビークの人びとと一緒に何ができるのか?

ぜひ、沢山の方にご参加頂ければと思います。
レクチャーの後に交流会を行います。
「コーヒー非生産地」とされてきたモザンビークですが、在来種のコーヒー「ビコ」をご試飲頂けます。
ふるってご参加下さい。

【講師からの概要】
私たちは、食料・エネルギー源・原材料の多くを海外に依存しています。
でも、これらの資源を提供してくれる国の社会・人びと・環境にどのような影響を及ぼしているのかについて、あまり考える機会はないかもしれません。そして、これまでアジアを重点的に資源開発してきた日本が、アフリカに進出して、何をしているのかについても、あまり耳にすることはないでしょう。

アフリカには54カ国あります。
その中でも、南東部アフリカにあるモザンビークが、日本の経済開発の「最重点国」となっていることはご存知だったでしょうか?

日本は、2009年にモザンビーク北部のナカラ回廊沿い地域で、鉱山(石炭・天然ガス)・農業(プロサバンナ事業)・インフラ(鉄道・道路・港湾)開発に大々的に取り組むことを決定しました。2014年1月には安倍首相が19企業・機関を引き連れてモザンビークに行き、「ナカラ回廊開発に5年間で700億円を供与」を約束しています。

あれから3年。
日本政府は、2015年に292億円の円借款を行った他、数十億円規模の無償援助を続けています。日本企業各社は、内陸部で石炭を掘り、海上で天然ガスを採掘し、鉄道や港湾設備の新設・改修に関わっています。

しかし、モザンビークでは、2013年から武力衝突が再燃する一方、数々の暗殺・脅迫事件、ガバナンスの悪化、土地の大規模な収奪が頻発しています。日本企業が進出する炭鉱地区から1万人を超える難民がマラウイに流出している他、去年は石炭貨物列車が攻撃されています。

その最中に、モザンビーク前大統領と国防省(現大統領が当時の大臣)が関与した「隠れた&消えた巨額融資」問題が発覚し、IMFや西側各国は融資や援助を緊急停止して、政府のガバナンス改善のために力を合わせているところです。しかし、日本はどこ吹く風で大規模投資と援助を繰り返しています。

先日来日した農民組織のリーダーたちは、一連の日本が関わる「ナカラ回廊開発」に「NO!」を表明しています。なぜなら、石炭やアグリビジネス、植林・鉄道開発によって多くの土地を奪われている他、農業援助プロサバンナ事業で人権侵害や市民社会への分断介入が続いているからです。

国際開発学会での農民たちの発言に対して、日本の開発研究者が「開発に犠牲は付きものではないのか?」と問いました。それに対して、ある農民リーダーはこう問いかけました。
「日本の皆さんが決めることですが、皆さんは幸せですか?皆さんは苦しみの開発にYESなのですか?」
「私たちは、苦しみ/哀しみの開発にNO。幸せのための開発/発展のプロセスにYES」と。

この農民リーダーは、東京だけでなく原発事故に苦しむ福島と限界集落化しつつある兵庫県中山間部を訪問しています。そして、地元の農家の皆さんと語らう中で考えた結果、以上のように答えたと言います。

2011年3月11日に起きた東日本大震災は、日本の私たちに「犠牲を伴う開発」について、多くの問いを投げかけました。モザンビークで私たちの援助や投資がもたらしている現実は、他人事ではありません。と同時に、「日本の食料・エネルギー・利益をどうするのか」という疑問もあるでしょう。

それを乗り越えていくためのヒントを、モザンビーク農民の声を紹介しながら一緒に考えていきたいと思います。

【講師プロフィール】
舩田クラーセンさやか
(明治学院大学国際平和研究所 研究員)
元東京外国語大学大学院准教授。「紛争/暴力と平和」の専門家として、アフリカー特にモザンビークの歴史・政治社会・経済を研究してきた。2012年、モザンビーク農民組織の要請を受けて、日本とブラジルが同国北部(ナカラ回廊)で実施するProSAVANA(プロサバンナ)事業、ナカラ経済回廊開発、そして土地収奪の問題に取り組むようになる。現在は、グローバルな食と農・暴力をめぐる諸問題の研究に従事する一方、国際的な学術グループや市民・当事者間のネットワークづくりをサポートしている。また、エネルギーと食料の自給の実践、ハーブや薬草の研究を積み重ねつつ、「里森生活」を合い言葉に、森の薪と枝だけで調理中。主著書に、『モザンビーク解放闘争史』(御茶の水書房、日本アフリカ学会奨励賞)。共著に『The Japanese in Latin America』(Illinois UP、全米The Choice50選)、編著に『アフリカ学入門』(明石書店)など。

【参考サイト】
*「モザンビーク開発を考える市民の会」のブログ
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
*「アフリカ日本協議会(AJF)」の関連サイト
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/
*「日本国際ボランティアセンター(JVC)」の関連サイト
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/prosavana-jbm.html
*市民による「モザンビーク小農応援団」のフェースブック
(上記の来日農民の皆さんの声などが満載です)
https://www.facebook.com/%E3%83%A2%E3%82%B6%E3%83%B3%E3%83%93%E3%83%BC%E3%82%AF%E5%B0%8F%E8%BE%B2%E5%BF%9C%E6%8F%B4%E5%9B%A3-1060343997409346/?hc_ref=PAGES_TIMELINE

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国際開発学会@広島大学で発表するモザンビーク市民社会の代表の様子。
私の故郷ニアサ州の農家の息子さんです。
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by africa_class | 2017-02-16 03:12 | 【記録】講演・研究会・原稿

敗戦直前に燃やされた陸軍資料、そしてマフィゴ代表の死とプロサバンナ。12団体「緊急声明」から考える

*JICAへのNGOのインタビューで(8月末)、「農民招聘はキャンセルになった」とのことでした。どこかで誰かが頑張ったのでしょうか。その見識と努力に敬意を示したいです。ただ、もっと早く具体的に招聘にうつる前に止めていれば、マフィゴさんも急逝することなどなかったのではないか…と残念でたまりません。(2015年9月2日)

今日、本当は別のことを書きたかったのですが、残念ながら今、私たちの税金を使ってJICA・外務省がモザンビークで行っていることがもたらしている現実が酷すぎて、書かざるを得ません。おそらくそれぞれの組織内部の人も全てを知らされているわけではないと思うので、このブログで書いておきます。

マフィゴ代表の遺族とUNACへの連帯メッセージは以下のサイトで9月10日まで募集中。
https://docs.google.com/forms/d/1c--v5-ruK4VuQBCiFVq_WMKhbNISilVQro_ALLzpxlY/viewform?usp=send_form

少し書きましたが、マフィゴ代表はプロサバンナと無関係に亡くなった訳ではありませんでした。詳細は、昨日発表された、この記事の最後に貼付けさせてもらう外務大臣、JICA理事長宛に緊急声明「プロサバンナ事業における農民の分断と招聘計画の即時中止の要求」をご一読下さい。また、起草者の方にもらったメッセージを貼付けますので、それもあわせてご一読下さい。(末尾)

本当はこの話は、土曜日に以下の記事を書く時に書きたかったことでした。

「プロサバンナの衝撃的な出来のマスタープランを材料として、大学1年生の基礎ゼミをする。」

http://afriqclass.exblog.jp/21527387/
しかし、マフィゴさんを静かに悼みたかったので、今日の今日まで書けませんでした。

関係者の皆さんは、「自分のせいじゃない」と思いたいと思います。でも、本当にそうでしょうか?「組織」のせいですか?「モザンビーク政府」のせいですか?「外務省」のせいですか?「今の政治」のせいですか?「過去のレール」のせいですか?「反対する農民の自業自得」ですか?「他のドナーはもっと酷いことやっている」ですか?「自分たちは精一杯やっている」ですか?「知らなかった」のでしょうか?「関係ない」のでしょうか?本当に?

何度も書きますが、ナチスドイツがホロコーストをやれたのも、日本が戦争に突き進んだのも、一人ひとりが「組織の論理」を「やるべきこと/やってはいけないこと」の倫理よりも優先し、それが束になって推進力になり、破綻するしか止める方法がないところまで自らを導いた結果ではなかったでしょうか。私たちの国は、本当の意味では、自らの植民地支配も戦争も、真の意味での原因追求や検証・考察や総括を行わないまま、1947年に開始した冷戦構造の中の「逆コース」によって、「臭いものに蓋」をしてきました。

例えば、NHKスペシャル「原爆投下 活かされなかった極秘情報」(2011年)
http://www.nhk-ep.com/products/detail/h17419AA
是非視聴下さい。Dailymotionでやっています。
政府・軍がどのように米国の原爆開発や米軍機の接近の情報を隠蔽したり、使わなかったのか、そして敗戦が濃厚になるとどのようにして一切合財の資料を燃やし続けたのか、今のいままで黙っていた皆さんが、90近くになって口を開き始めた。その理由は、また日本が同じような道を歩もうとしているとの危機感からでした。最後の5分で、上司の命令で、彼らの過ちがすべて書かれている資料を燃やし続けたある証言者が言います。
「それが、日本なんです」…そして悲痛な表情でいうのです。
「だから繰り返します」と。

日本の援助もまた、日本政府全体の戦前・戦中・戦後の底辺にある変わらない姿勢・流れの中に位置づけられるのではないか…とある時思うようになったのですが、その疑念を何度も何度も払拭しようとしてきながら、20年経過して、「それが、日本の援助なんです」に行き着きつつあります。沢山の素晴らしい個人の皆さんとの出会いと交流を経て、その方一人ひとりの素晴らしさは脇に置いても、なお、やはり今起きていることが指し示している根本的な問題を軽視も無視もできない気持ちになっています。皆さん自身はどうなのでしょうか?

皆さんは、「人としての生き方」として、納得されているのでしょうか?皆さん方の子どもたちに恥ずかしくない生き方をされているのでしょうか?これまで行って来たことは、皆さんの名で堂々と言えることですか?あるいはお名前が出てくる資料を、胸を張って日の下にさらすことができるでしょうか?あるいは、今日もどこかで部下に黒塗りをさせるのでしょうか?自分の責任を逃れるため?組織を守るため?あるいは、自分は関わらなかったと思いたい?一体、何のためにそんなことに時間と労力を割いているのでしょうか?それも我々の税金です。

そして、それらの資料の一切合切は私たち国民のものです。
皆さんのメモですら、そうなのです。本来は。この国でなければ。

日本が過去から学び(必ずしも悪いことばかりでない)、未来の日本と世界の大人達に、その教訓を引き渡していくために、不可欠なものです。今いろいろあって出来ないとしても、いずれ歴史の検証を受けなければならないものです。それは、時代が変わり、もっと公正なる目線でそれら資料を再検証できるかもしれないし、違った視点で見る事によって隠れていた可能性が発見できるかもしれないからです。

「燃えカスであっても粉々にして、灰になるまで潰せ」
と命令を受けた方の時代、70年前と、今の日本はどれぐらい違っているでしょうか?

さて、今日頂いた、この声明の起草者の想いに耳を傾けて下さい。
そして、じっくり声明を読んで頂ければと思います。

【起草者から】
農民を分断する「農民招聘」計画の問題に対処していたUNAC(全国農民連合)のマフィゴ代表は、テテ州の自宅から問題が起こっていたザンベジ州の現地まで空路、陸路で10数時間かかるところを往復し、二度目に行って協議にあたっていた最中に体調が急に悪くなり、病院に運ばれましたが、同日8月5日に急逝されました。

「小農の父」と慕われて、全国の農民、そしてモザンビーク社会、国際的にも広く尊敬されていたマフィゴさんの突然の死に、悲しみが広がっています。

プロサバンナ事業の問題が、マフィゴさんの心身に負担をかけ無理を強いていたことを考えると、日本の私たちは、悲しみだけでなく、悔しさと、ご家族やモザンビークの人々に申し訳ない気持ちで心が痛む日々です。

マフィゴさんは2013年に二度にわたり来日し、日本政府に農民の意見を尊重した計画にするよう訴え、農民運動の精神を私たちに示してくれました。

そのような状況の中で出された緊急声明です。拡散いただき、一人でも多くの方にこの問題と要求を知っていただければと思います。


【緊急声明】
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岸田文雄外務大臣殿
田中明彦JICA理事長殿


【緊急声明】
プロサバンナ事業における
農民の分断と招聘計画の即時中止の要求


2015年8月10日

政府開発援助(ODA)「プロサバンナ事業(日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム)」を強行するために、モザンビークの農民を分断させようとする外務省・JICAの試み、および「農民招聘」計画は、モザンビークの民主主義と発展の礎を後退させる軽挙な行為です。私たちは異議を唱え、その即時中止を求めます

***

 これまで、同事業に対して、その裨益者となるべき現地のモザンビーク農民から強い反対の声が上がったことを受け、同事業の主たる援助国である日本の納税者である私たちは、外務省・JICAと協議の場を設け、農民の声を伝える努力をしてきました。しかしながら、外務省・JICAは表向きには「対話」を重視する素振りを見せながらも、その一方で反対する農民組織を分断するような工作を行っています。

 現地からの情報によると、外務省・JICAは現在、UNAC(全国農民連合)の加盟組織であるザンベジア州アルト・モロクエ郡農民連合の代表(与党関係者)を、プロサバンナ事業の一環として、農業副大臣らとともに、8月中に日本へ招聘することを計画だといいます。しかし、7月に来日したUNAC代表団の外務省・JICAとの協議、および7月24日の日本のNGOと外務省・JICAの意見交換会においても、「農民招聘」はもとより、農業副大臣の来日計画についての説明は一切ないまま、現在に至っています。

 UNACは、モザンビークを代表する広範なる市民社会組織とともに、3カ国政府に対し、プロサバンナ事業の「一時停止と抜本的な見直し」を一貫して要請してきましたが、政府側が事業強行のためにこのような声を押しつぶす行為を繰り返したことを受けて、昨年より全国プロサバンナ反対運動が立ち上がるに至っています。しかし、それに対し3カ国政府は、UNACの加盟組織(全国で2400組織が加盟)に焦点を当て、プロサバンナの関連事業により融資や資材(水ポンプ・製粉機)供与を利用した「一本釣り」活動と、それによる農民の分断を画策してきました。

 この中には、製粉機の貸与を強要されたナンプーラ州モポ郡農民連合の例があります。最終的に同農民連合は受け入れを拒否しましたが、アルト・モロクエ郡農民連合は製粉機の貸与を受け入れました。同連合の代表は与党の熱心な党員であり、日本に招聘することによって「UNAC加盟団体の中にもプロサバンナ事業に『賛成農民』がいる」と宣伝し、事業推進の糧とする意図は明白です。実際、他の農民たちの説得で来日を取り止めないよう、モザンビーク政府が身分証を預かっているほどです。

 UNACはモザンビーク農民を代表する組織として政府も認める存在であり、これまで様々な農業政策の形成プロセスや事業実施に携わってきました。1987年に設立されたUNACが、援助事業に反対の声をあげるのはこれが初めてです。反対に至る過程では、地域レベルおよび全国的な検討と協議が長い時間をかけて積み重ねられてきました。このことを無視して、分断を助長するような介入行為を援助国である日本が行ってよいのでしょうか?この外務省・JICAの試みについて、次の三つの観点から強い異議を唱えます。

 第一に、プロサバンナ事業を強行するために引き起こされる人権侵害や農民の分断が、現地の民主主義を後退させ、農民を危険にさらしていることです。モザンビークが独立を獲得したのは40年前で、その後も外国の介入によって生じた武力紛争により16年にわたり国が二分され、100万人の死者がでました。1992年の和平合意後、日本を含む国際社会は同国の平和と民主主義の定着に貢献し、当事者団体の勃興、市民社会の活発な活動に根ざした民主的なガバナンスが前進しつつありました。しかし、プロサバンナ事業が合意された2009年頃より、モザンビーク政府のガバナンスは急速に悪化し、国内外の批判にも関わらず、政府与党による人権侵害は後を絶たない状態になっています。プロサバンナ事業の強行は、現地政府を農民組織と対峙させ、非民主的ガバナンスを助長し、反対する農民への人権侵害を多発させてきました。今回の「農民招聘」はそれを追認し、農民らはより危険にさらされます。

 第二に、現地の農民の分断を図るような試みは、政治的考慮を欠き、もっとも忌むべき行為です。プロサバンナ対象地域は、武力紛争において最も激しい戦場となった地域であり、現在も与野党の勢力は拮抗し、対象19郡中7郡で野党が勝利し、与党の勝利は5郡に留まっています。そのような政治状況下で、UNACは党派を超えた農民の連帯・独立組織として、農村社会において重要な役割を果たしてきました。同事業がUNAC内外の与党関係農民を使って行っている分断行為は、農民による主体的な平和主義を壊すものであり、援助国として最低限のモラルを日本政府が欠いていることを国内外に示すことになります。また平和主義を標榜するODAをその目的から外れて使うことであり、二重の意味で私たち主権者に対する説明責任を欠いています。

 三に、「開発」の視点に立っても、こうした農民の分断工作は、稚拙極まりないものです。人口の大多数を占める小規模農民は、モザンビークの経済や社会の礎であり、将来を担う主役です。その小規模農民を縦横につなげ、主体的かつ積極的にモザンビークの農業と農民の生活の安定を図ろうとしているのがUNACです。他の援助国政府・機関もUNACをモザンビークの農民を代表する組織として尊重し、協議・協力しています。そのUNACが、プロサバンナに異議を唱えるからといって、分断し、力を削ぐような試みを行うことは、開発を阻害する「反開発」的行為に他なりません。とりわけ、「農民の組織化」が農業開発の肝として認識されている昨今にあっては、まさに時代に逆行するものです。

 今回、外務省・JICAがプロサバンナの「賛成派」としてUNAC加盟組織の代表を日本に招聘する計画は、モザンビークの非民主的ガバナンスを助長するとともに、「分断の歴史」に苦しめられてきた農民や社会に動揺を与え、混乱や紛争をもたらす恐れがあります。また同国の開発の主体となる農民やその運動を弱体化させるものです。そのような企みのために、私たちの税金によって支えられるODAを使うことは到底許されることではありません。

 以上の理由から、私たちはプロサバンナ事業がこの間行ってきた農民分断のあらゆる試みと今回の「農民招聘」に異議を唱え、これらを即時中止することを要求します。

特定非営利活動法人 アフリカ日本協議会
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター
特定非営利活動法人 オックスファム・ジャパン
モザンビーク開発を考える市民の会
No! to Landgrab, Japan
ATTAC Japan
NPO法人 AMネット
ムラマチ・ネット
ウータン・森と生活を考える会
NPO法人 地産地消を進める会
特定非営利活動法人 WE21ジャパン
農民運動全国連合会



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by africa_class | 2015-08-11 20:08 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

モザンビークで戦闘広がり避難民4千人以上、現地NGOの安倍総理訪問批判声明

モザンビークでは依然戦闘が続いています。
特に新年になってから戦闘が激しくなり、中部から南部に広がってきました。
http://www.verdade.co.mz/
地図をご覧ください。
http://www.verdade.co.mz/tema-de-fundo/35-themadefundo/43065-guerra-alastra-se-para-o-sul-de-mocambique
最新情報はこちら。
http://opais.sapo.mz/index.php/politica/63-politica/28385-homens-armados-da-renamo-controlam-troco-entre-gorongosa-e-vunduzi.html

中部地方のゴロンゴザ郡では、既に4千人の避難民が発生しています。
人びとは嘆いています。(1月9日付)
地元記事「ゴロンゴザの避難民4千人がテント等を受け取る」
”Cerca de 4 mil refugiados recebem mantimentos e tendas em Gorongosa ”
「十分すぎるぐらいに恥ずかしい事態だ。我々は政府に対し、この紛争が終結するよう要請する。犠牲になるのは我々民衆である。二人のリーダーたちがリラックスしている間に!」
http://opais.sapo.mz/index.php/sociedade/45-sociedade/28402-cerca-de-4-mil-refugiados-recebem-mantimentos-e-tendas-em-gorongosa.html
“É uma situação bastante embaraçosa. Pedimos ao governo que encontre soluções para pôr fim a este conflito. Quem sofre somos nós, o povo. Os dois líderes, estão relaxados!”, reclamou.

この最中に、和平について何も声明を出して来なかった3か国の一つ(中国・インド)の日本の首相が、モザンビークに現れます。。。。本当に誰もアドバイスしてあげていないのでしょうか・・・。

モザンビーク社会にどう思われるのか?
と書いている間に、モザンビークのNGOから安倍総理の訪問を批判する声明が届きました。


かなり批判的な内容となっています。
ポルトガル語のままですみません。
訪問を「危険な帝国主義的なもの」と冒頭に表現し、プロサバンナ事業や栄養と 食料のためのG8ニューアライアンスの批判が出てきます。

訳す暇がないので、グーグル翻訳なので英語にすれば読めると思います。
(しかし、、、、長いですね。。。。それぐらい怒ってるんでしょう。)
誰か和訳を・・・。

http://adecru.wordpress.com/2014/01/09/posicao-da-adecru-sobre-a-visita-do-primeiro-ministro-japones-a-mocambique/#more-196

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Posição da ADECRU sobre a Visita do Primeiro-Ministro Japonês à Moçambique
9 Jan
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O Primeiro-Ministro Japonês, Shinzo Abe, efectua, nos próximos dias 11 à 13 de Janeiro de 2013, uma visita de Estado à Moçambique. Com esta visita, argumenta a Presidência da República em comunicado de imprensa distribuído no dia 24 de Dezembro de 2013, pretende-se avaliar o estágio das relações políticas e diplomáticas entre os dois países além de identificar novas formas para sua consolidação. No âmbito desta visita também serão assinados instrumentos jurídicos e acordos de cooperação nas áreas de educação, energia e agricultura, refere ainda o comunicado.

A Acção Académica para o Desenvolvimento das Comunidades Rurais – ADECRU denuncia e repudia amplamente a agenda perigosa e imperial da visita do Primeiro-Ministro Japonês, Shinzo Abe, e da política externa japonesa para Moçambique e África, mascarada na máxima diplomática de “reforço e consolidação das relações políticas e de amizade entre os dois povos, supostamente, irmãos” e traduzida em programas como: o ProSavana e “Nova Aliança para a Segurança Alimentar e Nutricional em África”. Naquela que é a primeira visita expansionista de alto nível de um governante daquele País asiático à Moçambique, Shinzo Abe escalará também a Etiópia e Costa do Marfim, dois países africanos curiosamente abrangidos pela chamada “Nova Aliança em África”.

Contrariamente a versão oficial divulgada pelas autoridades moçambicanas, a visita do Primeiro-Ministro nipónico ao nosso País, que se faz acompanhar por uma delegação de mais de 50 empresários, deve ser vista dentro de um contexto mais amplo da operacionalização da última e violenta fase de ajustamento estrutural efectiva do século XXI. Por razões históricas decorrentes da derrota sofrida na segunda Guerra Mundial e, actualmente, da luta hegemónica na Ásia entre Japão e China, este País tem sido obrigado a mudar a sua política e agenda externa que durante décadas contribuiu para o desenvolvimento da agricultura e outros sectores de Moçambique, passando a servir os interesses imperiais dos Estados Unidos da América e de outras potências.

Nos últimos tempos, as autoridades nipónicas converteram-se em “agentes físicos e de avanço do imperialismo global’ no âmbito do actual processo de penetração, ocupação e dominação do continente africano que consiste na captura corporativa e subjugação colonial do continente e dos povos africanos com a nova e efectiva frente de ataque contra a sua soberania, diversidade cultural e biodiversidade, transformando a África numa plataforma mercantil aberta para entrada e trânsito livre de sementes geneticamente modificadas e das grandes corporações transnacionais da indústria extractiva e do agronegócio, proprietárias da cadeia da indústria alimentar global.

A perigosidade da política e presença externa Japonesa em Moçambique e em África, nos últimos 10 anos, expressa-se e traduz-se nas suas humilhantes subordinações e alianças coloniais com os países do G8 e respectivas agências com destaque para: o Banco Mundial, a Organização das Nações Unidas para Agricultura e Alimentação (FAO), Programa Mundial de Alimentação, Agência Japonesa de Cooperação Internacional (JICA), Agência Norte-americana para o Desenvolvimento Internacional (USAID), Fundos de Pensão Europeus e grandes corporações transnacionais do agronegócio tais como: Cargill, Itochu, Syngenta, Monsato, Yara, African Cashew Initiative, Competitive African Cotton Initiative, Corvuns International, AGCO, Nippon Biodiesel Fuel co.ldt, Vodafone, SAMBMiller, entre outras.

O Japão faz parte do grupo dos oito Países com economias colonialmente consideradas mais desenvolvidas do mundo, conhecido por G8, que também integra Estados Unidos Da América, Alemanha, Reino Unido, França, Itália, Canadá e Rússia. O G8 em conivência com o Governo de Moçambique, gigantes corporações transnacionais e instituições financeiras multilaterais supracitadas estão a desenvolver um programa de agricultura designado “Nova Aliança para a Segurança Alimentar e Nutricional em África”.

A Nova Aliança resulta de um acordo assinado por cerca de 40 estados e instituições financeiras e organizações multilaterais internacionais em 2009 na cimeira do G8 de L’Aquila, Itália, depois de ter sido apresentada pela primeira vez pelo Governo dos Estados Unidos da América, sob a liderança do Presidente Barack Obama. Com esta iniciativa, o G8 argumenta que pretende cooperar com os Governos africanos para libertar 50 milhões de africanos da pobreza, 3.1 milhões dos quais em Moçambique entre 2012 e 2022. Seis países africanos, dos 20 previstos, já aderiram a Nova Aliança: Burquina Faso, Costa do Marfim, Etiópia, Ghana, Moçambique e Tanzânia.

Em Moçambique a operacionalização da Nova Aliança é liderada pelo Banco Mundial, Programa Mundial de Alimentação, Agência Japonesa de Cooperação Internacional (JICA), Agência Norte-americana para o Desenvolvimento Internacional (USAID) e grandes corporações transnacionais do agronegócio tais como: Cargill, Itochu, Syngenta, Monsato, Yara, African Cashew Initiative, Competitive African Cotton Initiative, Corvuns International, AGCO, Nippon Biodiesel Fuel co.ldt, Vodafone, SAMBMiller, etc. A estratégia de entrada da “Nova Aliança em África” assenta-se na captura do Programa de Desenvolvimento Abrangente da Agricultura de África (CAADP), com o objectivo de dar alguma legitimidade a acção do G8. Em Moçambique, essa intervenção é sustentada pelo argumento de alinhar o apoio financeiro e técnico agrícola dos países membros do G8 com as prioridades do Plano de Investimento do CAADP do País, referido como Plano Nacional de Investimento do Sector Agrário (PNISA).

Numa parceria triangular colonial publicamente contestada pelos respectivos povos, o Japão também lidera a implementação de outro gigantesco programa de agronegócio denominado Programa ProSavana, lançado, oficialmente, em Abril de 2011 e que resulta de uma parceria trilateral dos Governos de Moçambique, Brasil e Japão com o objectivo de, supostamente, promover o desenvolvimento da agricultura nas savanas tropicais do Corredor de Nacala, no Norte do nosso País.

“O Programa ProSavana já está a ser implementado através da componente “Quick Impact Projects” sem nunca ter sido realizado, discutido publicamente e aprovado o Estudo de Avaliação de Impacto Ambiental, uma das principais e imprescindíveis exigências da legislação moçambicana para a implementação de projectos desta dimensão, normalmente classificados como de Categoria A”, conforme denunciado, em Carta Aberta, pela sociedade civil moçambicana em Maio de 2013 durante a realização da Conferência Internacional de Desenvolvimento em Tóquio (TICAD V).

No âmbito dos debates da V Assembleia-Geral Anual, havida em Dezembro último, sobre o avanço do agronegócio e os impactos da expansão das monoculturas de árvores nas províncias de Niassa, Manica, Nampula, Sofala e Zambézia, a ADECRU concluiu que as actuais políticas e programas agrárias e de desenvolvimento de Moçambique como: o ProSavana e Nova Aliança para Segurança Alimentar e Nutricional são responsáveis pela expropriação e usurpação de terras, violação de direitos humanos, a violência e criminalização de militantes e lideranças comunitárias e de movimentos e organizações sociais que as denunciam e rejeitam. Igualmente, a ADECRU responsabiliza o Governo e Estado Japoneses pela crescente pressão sobre a terra, riscos iminentes de reassentamento forçados das populações e destruição de seus meios de vida, ao acesso à água, patrimónios culturais e todos os conflitos sócio ambientais causados particularmente no Corredor de Desenvolvimento de Nacala.

“O direito a terra está indissociado da valorização das diferentes formas de viver e produzir” nas comunidades, reconhecendo a contribuição das populações e comunidades rurais que têm dado a conservação dos ecossistemas e biodiversidade; do reconhecimento dos recursos naturais como bens e patrimónios colectivos para as gerações actuais e vindouras. Defendemos e reafirmamos que os direitos à terra, água, à saúde, educação, habitação e alimentação adequadas estão directamente ligados, sendo o nosso Estado e Governo seus principais garantes.

Alertamos para a perigosidade de programas imperialistas como o Prosavana e Nova Aliança que irão destruir os sistemas de produção camponeses e o carácter pluriactivo das famílias camponesas. O Fundo Nacala e a Nova Aliança para Segurança Alimentar e Nutricional do G8 enquanto instrumentos operacionalizadores do Prosavana, representam a destruição da agricultura camponesa. O silêncio dos Governos de Moçambique, Brasil e Japão na resposta as demandas legítimas e soberanas das comunidades do Corredor de Nacala, dos camponeses e camponesas, movimentos sociais e organizações da sociedade civil de Moçambique, Brasil e Japão, para a detenção do Programa ProSavana, espelha o grau de conveniência, arrogância e alienação e captura da soberania dos povos.
(続きは本文サイトを)
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by africa_class | 2014-01-10 07:57 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

安倍総理が訪問する「アフリカの光と影ーモザンビークを中心に」

今日から安倍晋三総理が中東アフリカ諸国を訪問。
アフリカはモザンビーク、エチオピア、コートジボワール。
資源、中国けん制、国連安保理の理事国入りのための票目当てと・・・。

安倍首相、中東アフリカ歴訪へ 資源確保狙う
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140109/plc14010907520003-n1.htm?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

安倍首相がアフリカへ 国連安保理入りへ票固め
http://www.huffingtonpost.jp/2014/01/08/shinzo-abe-non-permanent-security-council-japan_n_4563105.html?ncid=edlinkusaolp00000003

いずれにせよ、「何かと引き換え」であることは間違いない。
故に、「手土産」を持参される。

人材育成施設:エチオピアに1号…首相歴訪合意へ
http://mainichi.jp/select/news/20140109k0000m010087000c.html
次は、モザンビーク向けの何かが発表されるだろう。
現地新聞の報道では、「インフラ、農業、教育」の分野の協力の文書締結といわれている。

しかし、かつて『外交』に書いたけど、日本の「見返り外交」がアフリカにおいて成功したことはなかった。その理由は単純明快。アフリカ諸国にとって、「日本とだけ仲良くする」理由は何もないから。

「『ODA見返り論』からの脱却を」『外交』「国際援助の新戦略:アフリカ」2012年3月12号
http://afriqclass.exblog.jp/14976062/

あるアフリカ大使がそっと囁いた。
「どうして日本の政府関係者って、『中国か日本かみたいな選択がそもそもあると思いこんでるんだろうね』」と。
その心は、「両方と付き合うにきまってるじゃないか」。
そして、「中国と日本が競争しあってくれるのは大いに結構。選択肢が増えるし、条件もよくなる。でもだからといって、我々の外交や政策において『どちらか一方のみを選択』なんてことは、そもそもあり得ない」、と。

かなりの本音。
でも、これでもまだ建前。
本当のところ、アフリカにおいて、日本が中国と同じレベルで競争することがいかに不可能か、両国の現状、世界情勢を勘案し、アフリカと長年付き合って来れば容易に分かること。(だから中国がいいといっているわけではない)。が、これはこれで一大テーマなのでこの点についてはまた今度。

今アフリカで起きていること、モザンビークで起きていることは、世界と連動している。この日本社会の変化とも。そのことに思いを巡らせて書いたのが、先月(2013年12月)に出たばかりの「神奈川大学評論」最新号の原稿。一部だけ紹介しておくので、是非最新号の「アフリカ特集」を手に取っていただきたい。豪華執筆者らによる沢山の面白い原稿が集まっています。

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『神奈川大学評論』第76号「特集 アフリカの光と影」
2013年12月発行
http://www.kanagawa-u.ac.jp/publication/criticalessay/
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「アフリカの開発と経済~モザンビークから」
アフリカの今と日本の私たち:天然資源と食、そして援助


舩田クラーセンさやか
(東京外国語大学大学院 准教授)

1. はじめに

「光が強いほど影が濃くなる」
自然の当然の摂理であるものの、「言い得て妙」と最近感じることが多い。

今、世界で最も脚光を浴びる地域である一方、依然多くの問題を抱えるアフリカ。なかでも、モザンビークは空前の投資ブームを迎え、来年1月には安倍晋三首相が日本の総理大臣として初めてモザンビークを訪問する。

今、アフリカで何が起きているのだろうか。本稿では、「アフリカの今」を、「光と影」の両方を踏まえ、日本との関係を軸に検討する。事例として取り上げるのは、今日本で最も注目を集めるアフリカの国・モザンビークである。

2.「成長しないアフリカ」から「世界の成長株のアフリカ」へ
(1)急速に経済成長するアフリカ

アフリカ(本稿ではサハラ以南アフリカ)が「成長しない大陸」と呼ばれて久しい。実際、統計(一人当たりGDP)をみてみると、アフリカ経済が成長しない間に、他の「途上国」地域(ラテンアメリカ、中東北アフリカ、東南アジア)が「追い抜」いて行く様子が顕著である。現在でも、講演会で聴衆に聞くと「アフリカ=貧しい」以外のイメージが出てこないことも多い。

しかし、2002年来、アフリカの実質GDP成長率は、世界水準を超え続けている(IMF, 2009)。この傾向は、2008年9月のリーマンショック以降も続いており、毎年10%近くのGDPを記録し続ける国も多い。GDPがマイナス基調か1%以下が続く「成長しなくなった日本」からは、驚くべきことであろう。アフリカといっても、サハラ以南だけでも49か国ありこれらを一括りで論じるべきではないが、傾向としていえることは、高い成長率を示す国の多くが天然資源の豊っかな国である。

(略)

(2)アフリカを必要とする日本

このように急激に重要度を増すアフリカを狙い、日本企業は「多様で豊富な資源の輸入元としてのアフリカ」と並び「最後の巨大市場としてのアフリカ」にも目を向け始めている。しかし、統計をみて明らかなように、輸出入のいずれにおいても「日本の出遅れ感」は否めない。JETROの各種の統計が示すように、2003年以降に急増するアフリカの輸入の多くがEU諸国からのものとなっており、伸びが顕著な取引は中国やアフリカ諸国同士のものとなっている(JETRO, 2010)。

特に、中国の対アフリカ輸入総額の伸びは留まるところを知らず、この傾向は外交・経済において中国をライバル視する日本の官民にとって「脅威」と捉えられている。

実際、2013年6月に横浜で開催されたTICAD V(第5回アフリカ開発会議)の表のキャッチフレーズは「躍動のアフリカと手を携えて」であったが、真の狙いとして「中国に対抗したアフリカ首脳の取り込み」があったことが報道等でも確認することができる。なかでも最も注目されたのが、モザンビークであった。

(略)

3.日本の官民の脚光を集めるモザンビーク~エネルギー・食料危機
(1)資源開発と二国間投資協定

 これを象徴する出来事がTICAD V初日の6月1日、日本・モザンビークとの間で提携された二国間投資協定(「投資の相互の自由化,促進及び保護に関する日本国政府とモザンビーク共和国政府との間の協定」」であった。

外務省がその意義を強調するように、これは「(サハラ以南アフリカ諸国)との間で初めて署名された投資協定」であり、モザンビークで「世界最大規模の天然ガス田が発見されるとともにアフリカ最大といわれる石炭資源が存在」し、同国が「我が国民間企業による開発が進んでいる資源国」だから締結したという(外務省サイト)。

実際、新日鉄住金は、ブラジル企業のヴァレ(Vale)社や多国籍企業リオ・ティント(Rio Tinto)社が操業する同国中北部テテ州で石炭の採掘権を獲得している。一方、三井物産は米国アナダルコ(Anadarko)社と組み、同国北端インド洋沖に発見された世界最大級の天然ガス田の権益を獲得している(日経新聞2012年5月16日)。

(略)

日本が、モザンビークの天然ガスに大きく注目する理由は、東日本大震災の影響も大きい。元々、日本の海外へのエネルギー源依存度は、96%(原発を除くと84%)であった。2011年の原発事故の発生は、日本にエネルギー源の多角化を求めさせ、アフリカへの関心を高めさせることとなった。

(2)日本向け農作物の生産地としての注目

 日本の官民にとってのモザンビークの魅力は「天然資源」に留まらない。石油や資源価格の高騰だけでなく、2008年に穀物価格が急上昇したことは、食料自給率(カロリーベース)が4割にすぎない日本にとって深刻な危機をもたらした。特に、100%近い量を輸入に頼るトウモロコシと大豆、そして8割を超える小麦の安定的供給は、「国民生活の安定に不可欠」として、外務省や自民党内に「対策室(本部)」が立ち上げられるほどであった(NHK, 2010)。この危機の中で、政府関係者が注目したのがブラジル、そしてモザンビークであった。

(略)

食料価格の高騰を受け、世界的にアフリカへの農業投資が注目される2009年9月、日本・ブラジル・モザンビークの三か国は、「世界の食料安定供給のため使われていない広大な未耕地を有効活用するため」、プロサバンナ事業を行うことを合意する(調印文書)。

これをJICA World(2010年)は、「ブラジルと協力してモザンビークで大豆生産を援助」と発表し、事業の主眼が大豆などの輸出作物にあることが強調されていた。紙幅の関係で詳細を紹介できないが、本事業の形成過程を検討した結果、同事業の狙いが、①国際的プレゼンス向上、②日本への大豆、③モザンビークやブラジルとの連携の強化が目的だったことを明らかにしている(舩田クラーセン, 2013)。

4. モザンビークにおける貧困と格差、狙われる土地、そして政治暴力
(1)広がる格差と社会不満

 世界でも日本でも、眩いばかりのスポットライトを集めるモザンビークである。しかし、光の下に生み出されている影は、濃く、そして光をも陰らせるようになりつつある。

TICAD Vの二か月前の2013年4月、モザンビークを国連人権委員会の「絶対的貧困報告者」のセプルヴェダが訪問した。彼女は調査を終え帰国する際の記者会見で、「2011年だけで34億米ドル(261新事業と97既存事業)の投資があり、同国は世界で最も早く成長する10か国の一か国となっている」が、貧困者の数は増えてさえおり、「モザンビークの幅広い層の人びとが、過去20年間得てきた利益が公平に分配されるべきと感じていること」を強調した(Sepúlveda, 2013)。

今年の国連開発計画(UNDP)『人間開発報告書2013』も驚くべき結果を発表している。つまり、世界(187か国)で最も人間開発上問題のある国の第二位(185位)としてモザンビークがリストアップされているのである。

2008/9年のモザンビークの貧困率は54.7%であり、2002/3年の54.1%から増えるなど貧困削減は停滞し、貧困人口も990万人から1千170万人に増加している(MDGレポート2010)。貧富の格差を示す数値として開発されたGINI係数は、民衆の不満から社会の不安につながりやすいとされる0.4を超えている(統計によっては0.45)。

さらに注目すべきは、2008年以降にみられる民主化の明確な後退である。2010年、FreedomHouseなどは同国を「選挙民主政」のリストから外し、「アノクラシー国」として掲載している。さらに、ゲブーザ大統領の二期目(2009年)以降、政権全体のガバナンスは悪化の一途を辿り、不透明な投資案件が次から次へと明らかになっているほか、住民の生活を犠牲にした資源開発、それを批判する住民や市民社会への弾圧などが社会不満を高めている。

なお、ゲブーザ大統領とその家族の国家資源を活用した蓄財ぶりは、「Mr Guebusiness」と揶揄されるほど国際的にも知られるほどとなっている(Mail&Guardian, 2012年1月6日)。

この結果、首都マプートでは、2010年9月に住民らの暴動が発生し、3日間にわたって首都機能が停止した。10人が死傷したこの暴動の原因は、直接的には食料価格高騰への貧困層の不満とされているが、根底には現政権やその周辺への強い不満があった。

その直後に起きた北アフリカ地域での「アラブの春」は日本でも有名であるが、その前にサハラ以南アフリカ各国で、広がりゆく貧富の格差や不正に対する民衆の不満が爆発的に広がっていったのである。ただし、モザンビークの場合、民衆の不満は都市部だけのものではなかった。

(2)農民の手から次々に収奪される土地

独立直後の1977年から16年間の武力紛争で百万人もの死者を出したモザンビークでは、人びとは1992年来の和平と安定を大切に生きてきた。全土が焦土と化した国を建てなおしてきたのはこのような人びとの弛まぬ努力であった。しかし、ゲブーザ政権の二期目以降の急速な海外投資の流入は、ごく一部の権力中枢の懐を多いに潤したが、大多数者を置き去りにしただけでなく、彼らの命と暮らしすらも犠牲にし始める結果となっている。

(略)

ランドグラッビングについては・・・・なかでも、モザンビークは世界5位に位置づけられ、216万ヘクタールが取引されている。なお、日本の全農地面積は456万ヘクタールで、モザンビークではその二分の一近くの土地が数年で投資家の手に渡ったことになる。世界銀行はこの現象について「ガバナンスの脆弱な国で起きている」と総括している(World Bank, 2010)。

 これらの多くの土地は、①鉱物資源開発、②バイオ燃料作物、③植林プランテーション、④大規模輸出用作物栽培のために、タダ同然の金額で外国企業に譲渡されている。このプロセスについて、モザンビークを事例として検討する。

新日鉄住金が進出する「アフリカ最大の石炭埋蔵量」を誇るテテ州、特に進出先のモアティーゼ郡には、多くの外資が進出し、地域の大半が鉱区に呑みこまれている様子が分かる(Human Rights Watch, 2013)。ヴァレ社では、2000家族の移転がなされ、これに抗議する住民らの運動は、今年6月には同社の石炭輸送路封鎖に至り、同社は操業一時停止に追い込まれた(Reuters, 2013年5月23日)。これに対し、警察が暴力的な介入を行う等予断を許さない状態が続いている。

三井物産が進出するインド洋沖の近くのカーボデルガード州パルマ市でも、住民との間で衝突が起きているが、その調査を実施しようとした研究者が警察に拘留されるなどの事態も生じている(Terra Vivaサイト)。

(略)

(3)小農らによるプロサバンナ事業への反発と強権化への抵抗
 このような流れの中で、「日本の耕地面積の3倍もの熱帯サバンナが広がるモザンビーク」への、援助と投資を組み合わせたプロサバンナ事業が華々しく打ち上げられたが、これに対し現地小農らの強い反発が表明された。

モザンビーク最大の農民組織(2,200組織の連合)であり、小農の権利を擁護するために1987年に結成されたUNACは、2012年10月11日にプロサバンナ事業に対し抗議声明を発表する(UNACサイト)。その後、この抗議にはモザンビーク社会を代表する女性・宗教・農民・開発NGOなど23団体が合流し、ついにTICAD V直前の2013年5月28日。「プロサバンナ事業の緊急停止」を求める公開書簡が、日本・ブラジル・モザンビークの首脳(首相・大統領)に宛てて発表される(Farmlandgrabサイト)。

これは、独立から38年間もの間同一政党が権力を握るモザンビークにおいて歴史的に例のない事態であり、先述の通り強権化しつつあるゲブーザ政権に対する社会の最初の明確な抗議として記されることとなった。

(略)

プロサバンナ事業は、日本では援助事業として捉えられがちであるが、モザンビーク社会では、現政権の二期目を象徴する「国民不在」「投資偏重」の「国民の権利を犠牲にしてでも私利を追求する国政」の象徴的事例として広く理解されてきた。

実際、ゲブーザ大統領のファミリー企業はブラジル企業と組み、同事業対象地(ザンベジア州グルエ郡)にて3000ヘクタールもの土地を取得し大豆生産に乗り出している。この土地を耕していた200を超える農民が得たものは、1ヘクタール当たり1600円程度の「補償金」であった(筆者の現地調査)。

このように、「農民不在の大規模農業開発事業」は、援助の問題を超え、モザンビーク政府の非民主的な政策形成、投資偏重の開発戦略の証左として現地社会では受け止められているのである。

現在、JICA等の日本政府関係者らは、「プロサバンナ事業=小農支援であり、土地収奪を行わない」と強調するが、農民らに抗議されるまで同事業と連携して立ち上げられることになっていたナカラ・ファンドは、同じ対象地(ナカラ回廊)で「30万ヘクタールの土地確保」を打ち上げ世界から投資を集めようとしている。

同事業の立案形成から現在まで主導権を握り続ける日本政府にとって、当初の想定を超える事態が次々に生じている。しかし、現地市民社会が求めるように、事業の中断も抜本的な見直しもできない理由として、日本政府関係者は非公式の声として次のように語っている。

「事業を中断したり見直すということは、他の投資案件でも中国の進出を許すことになる」。

これは、本年10月21日にモザンビーク国軍が最大野党党首の拠点を軍事攻撃し、22日に同党が和平合意を破棄するという政治・軍事的危機に対し、20を超える援助国の中で唯一日本、そして投資国の中でも中国が、ゲブーザ政権に対し声明を発表していないことに象徴されている。

一方で、モザンーク市民社会は国内各都市で大規模な平和マーチを実施し、政権への批判を強めている。

5.おわりに
以上、モザンビークの事例を通じて、「アフリカの光と影」の現在、そして日本との関係――とりわけ私たちの暮らしに不可欠な「食」「エネルギー」との関係――を明らかにしようと試みた。

「光」が全体を照らさず、ごく一部だけ輝かせ、闇を深めている様子は、アフリカだけのものではない。

ここ日本でも急速に貧富の格差が拡大し、「子どもの貧困」がOECDに加盟する先進国35カ国中9番目に高いとの結果が発表されている(UNICEF, 2012)。しかし、日本の一人当たりGDPはこれらの中で4番目に高いのである。つまり、豊かさは子どもに還元されていないことになる。

日本が今アフリカに対して行う援助や投資のアプローチの根本に、自国内での不平等の格差を「経済成長さえすれば」という論理で放置してきた昨今の現実が横たわっている。

モザンビークをはじめとする、アフリカの民衆の苦悩に日本も関わっている現実を知る一方で、彼女ら・彼らの苦闘から日本が学ぶべき時代が到来している。今鋭く問われているのは、3・11後の私たちがここ日本でどのような暮らしを紡いでいきたいのか、共にどのような世界を構築していきたいのかなのである。
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by africa_class | 2014-01-09 09:09 | 【記録】原稿・論文

来年の大統領選候補発表と批判的市民社会の政治弾圧

急ぎ、情報提供。

0. グルエの選挙結果はMDM勝利との主張と報道

Mozambique News & Clippingsの最新号によると、
1票差でFRELIMO候補となっていたグルエ市長選ですが、選挙監視委員会で再開票があり、理由なくMDM(Antonio)票40票がFRELIMO候補者(Jussub)の票とされたようです。この市ではパラレルカウントが全部の投票所で実現しており、パラレル開票でもMDMの勝利となっています。各地で不正が行われたとの報告や報道があがっており、MDMも結果について異議申し立てしていますが、現状で圧倒的多数を占める選挙管理委員会の与党側・寄り構成により、結果が覆ることはなさそうです。(レナモはこの選挙管理委員会の構成が与党に有利すぎるといって選挙をボイコットしていました)

MDM: Jussub 6626 António6679(MDM独自)
PVT: Jussub 6626 António 6678(パラレル開票)
CDE: Jussub 6695 António 6669(郡レベルの選管)
CNE: Jussub 6735 António 6629(国家レベルの選管)

1.大統領候補
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-64.html
与党FRELIMO党の大統領候補は、現在のゲブーザ政権を継承する3名の大臣・首相経験者の名前がリストアップされており、内2名が内務省大臣や防衛大臣経験者。モザンビークにおける民主主義・言論の自由の危機は悪化する可能性が高いです。

背景の詳細は、12月6日の以下の報告を。
「緊急勉強会「安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること~和平合意破棄後の援助、投資」
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-62.html

ずっと大統領候補が決まらなかったのに急にきめられたのは何故か?
政権批判が強まったこと、地方都市選挙で思いの外MDMに手こずったこと、ネルソン・マンデラ夫人のグラッサ・マシェル待望論が強まる前に(彼女が南アにいるうちに)、候補を確定してしまいたいこと・・・等理由はあるものと思われますが、現政権の路線を堅持するために、今あらゆる手が打たれています。

2.言論の自由と政治弾圧
モザンビークからの情報で、ゲブーザ大統領を批判していたカステロ・ブランコIESE研究所所長、独立系新聞のCanal de MozambiqueとMediaFaxに対し、政府からのあからさまな弾圧が始まっています。その他、モザンビーク国立大学エドゥアルド・モンドラーネ大学のアフリカ研究センターのTeresa教授への脅迫も広く知られる事態となっています。

以下、詳細記事。
Canal de Mocambiqueに、人権リーグのALice Mabotaの声明あり。
https://www.facebook.com/CanalMoz/posts/572614702807631

続報
CanalaMoz
Canal de Moçambique ouvido hoje na Procuradoria-Geral da República
numero 1107 | Maputo, Sexta-Feira 13 de Dezembro de 2013
記事を要約すると、検察が、Castelo Brancoが、「大統領が国をカオスに導いている」「状況をコントロールしていない」と公に書いたこと、これら2紙が記事を掲載したことを「犯罪」として検挙しようとしているとのことです。これについて現地の批判は高まっており、以上人権リーグは、検察が大統領府の政治アジェンダのために動いていて、本来市民のために仕事をすべきなのにするどころか、政権と与党のために政治弾圧をしていると述べていると書かれています。

3.まとめ
要は、来年の大統領選を前に、政権に批判的な意見をする知識人、市民社会、それを掲載するメディアを委縮させ、声が挙げられないようにしようという意図が明らかです。

モザンビークは残念ながら「開発独裁化」を強めています。
そしてそれを支えているのが、日本・中国・インド・・・という状態。
詳細は、12月6日の報告をご覧ください。


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MOZAMBIQUE 237
News reports & clippings

12 December 2013

tinyurl.com/mozamb
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Criminal action against
Carlos Nuno Castel-Branco

The Maputo city Attorney General's office has opened criminal proceedings against Carlos Nuno Castel-Branco, the highly respected academic and founder and research director of IESE (Instituto de Estudos Sociais e Economicos, Institute of Social and Economic Studies). He is accused of insulting the head of state, President Armando Guebuza, in an open letter published on his Facebook page and subsequently widely republished..

According to Mediafax yesterday, its editor, Fernando Mbanze, and the editor of the weekly Canal de Mocambique, Fernando Veloso, have been told to appear at the Maputo city attorney general's office on Friday morning to answer questions. Both published the open letter.
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by africa_class | 2013-12-13 10:41 | 【情報提供】モザンビーク

【共有】ODA政策協議会(13年12月9日)NGO「ProSAVANA事業」報告資料

昨日(2013年12月9日)NGO・外務省定期協議会ODA政策協議会での報告事項「ProSAVANA事業」についてのやり取りと資料を貼り付けます。

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NGO・外務省定期協議会 ODA政策協議会
報告「ProSAVANA事業」やりとり
2013年12月9日(於:外務省)
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*議事録ではなく簡易記録ですので、議事録は後日外務省HPをご覧ください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/

■外務省:
・事業の目的、問題意識について共有が出来、双方ともに同じ方向性(小農支援)ということで確認できている。日本のNGOから、影響を受け得る地域の人びととの対話をじっくりと実施してほしいということで、それを三角協力のために当該国政府だけでなく、ブラジル政府にも働きかけた。また、この対話の仕方とペースについて、NGOから問題提起があったため、一部見直している。その結果、現地での対話は進んでいる。日本では、12月18日にはもう一回意見交換会を開催するが、テーマについても進展がある。

■JVC渡辺直子:
(1)この1年に6回の意見交換会を開催してきた。
(2)12月の経緯は、現地農民組織(UNAC)からのプロサバンナ事業への抗議声明があったため。
(3)12月14日の協議会の発表と提言は次のようなものであった。
対話の問題
事業の方向性の問題(ブラジルのセラード開発の成功を参考にする等)
内容について検討
(4)対話の重要性は理解してもらえたが、残念ながら対話のあり方は悪化していった。「対話」の強要がなされ、現地からみて対話のあり方が改善されていない。
(5)これを受けて、本年5月に23団体が署名する形で「公開書簡」が出された。ブラジル、モザンビークの大統領、日本の総理に手渡されている。
(6)これらの事態を受けて、8月には協議会に参加してきたNGOの5名が現地調査に行った。
(7)そこで分かったことは、現地では土地収奪がすでに生じているということ。人びとの権利がすでに守られていない中、現状のような「対話」のあり方が続き、事業の中身が見直さないのであれば、問題は続くのではないかと考えた。
(8)これを受けて日本のNGOとして要請文を出している。
(9)同じ時期に、(プロサバンナ)事業地であるナンプーラ市民社会から抗議声明が出されている。声明では、事業の内容についてコメントが出るとともに、対話のあり方が悪化していることについて抗議声明が出ている。
(10)こういった中で、1年間を振り返りたい。
(11)確かに前進もあった。貴島課長の言及通り、「小農のための支援である」という点で合意したという点は評価される。
また、意見交換会で明らかになったように、前段階において「対話がなかった」という点についての共通理解があった。だから対話をすべきという点についても合意された。
そして、(意見交換会で)軌道修正が必要であろうという発言も評価。
これら3点については前進だった。
(12)一方で、課題が残る。
例えば、去年12月から意見交換会が始まっているが、今年の9月に現地にコンセプト・ノートが出されている。しかし、このノートでは、最初の事業の方向性と変化がなく、投資を呼び込み農業を近代化していくというものになっており、改善されているようにみえない。したがって、現地では不安が感じられている。
(13)各種声明や要請文への回答頂いていない。これについては意見交換会で外務省から「待っているところ」という返事があった。
(14)また対話の進め方については、先程もナンプーラ、マプートの市民社会と協議を行っているという話だった。しかし、現地に一昨日までいったが、現地の市民社会等は対話のあり方に不安を覚えている。したがって、状況は改善されていると認識されていない。

補足
(1)現地では政情不安な状態。和平合意が破棄され、大半の援助国が声明を出しているにもかかわらず、日本はドナーとして唯一声明などを出していない国になっている。
(2)このような厳しい政治状況の中で、現地状況を十分把握し、現地の市民社会がいまだに不安をかかえている対話及び事業のあり方等を検討していく必要があり、引き続き意見交換会を行っていく意義は高いと考えている。これまで外務省、JICAの皆様にはお忙しい中お時間をいただき感謝している。引き続きお願い申し上げたい。

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NGO・外務省定期協議会 ODA政策協議会
報告「ProSAVANA事業」資料
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Ⅰ.2012年12月14日協議会をふり返る
Ⅱ.その後1年間に起こったこと
Ⅲ.結論
と提案

【配布参考資料一覧】
①ProSAVANA事業に関する日本内外の評価(研究・報道・市民社会)(12月8日現在)
②2012年12月14日協議会配布パワーポイント資料
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/pdfs/seikyo_12_0203.pdf
③年表:ProSAVANAにおける農民・市民社会組織との「合意形成」の課題(11月8日現在)
④モザンビーク23組織「3カ国首脳宛 ProSAVANA緊急停止要請公開書簡」(5月28日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
⑤ナンプーラ州市民社会プラットフォーム「プレスリリース(ProSAVANA抗議声明)」(9月30日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-45.html
⑥日本36組織「プロサバンナ事業の中断と抜本的見直しを求める緊急声明」(9月30日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-44.html
⑦第6回意見交換会配布資料(11月25日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-61.html

I. 2012年12月14日協議会をふり返る
2012年12月14日の協議会で議題「ProSAVANA事業」に関し、以下の問題提起を行うとともに、議論し、提言を行った。 【配布参考資料②:当日配布パワーポイント資料 】

12月14日の問題提起のポイント(パワーポイント・議事録まとめ):
議事録→http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/pdfs/seikyo_12_2g.pdf
1.現地最大の農民組織(モザンビーク全国農民連合/UNAC)からの2012年10月11日付け「ProSAVANA批判声明」を受けた問題提起
(1)主権者である現地の農民の主権を無視して計画・立案・実施
(2)ブラジルやその他のアグリビジネスによる土地収奪の危険を高める事業
(3)説明責任と透明性が欠如(情報開示も不十分)
(4)輸出向け大規模生産でなく、小規模農業による国内向け食料供給を優先すべき
<=UNACに留まらずかなり多くの組織も同様の懸念と疑問

2. 現地事情を把握しないままに「ブラジルの成功の移植」を喧伝、傷を深める

3. アフリカ、特にモザンビークは最大の土地収奪のターゲット国
(1)三角協力のブラジル・アグリビジネスのモザンビーク進出を支援
(2)日伯官民合同ミッション(2012年4月)後のブラジル関係者の理解
ProSAVANA事業=「広大な土地確保」「入植者をバックアップ」
(Luiz Nishiimori議員・ブラジル側団長)

4. 外務省の回答文章「話を聞いている」「対話している」との主張の根拠の問題性
(1)外務省側のいう「参加」「対話」の根拠(2.(1), 2(2))は全て、根拠とならず。
①「大・中・小規模農家20世帯に調査」←400万人の住民(大半小農)
②「UNACは11月のMTGに参加し、発言」←抗議声明出た後。抗議と質問のための参加・発言を内容に触れず。
③「本年8月JICA環境社会配慮担当者がUNACを訪問し直接説明」←「参加/対話ではない」上に、UNACが要請。この直後の10月に抗議声明が発出。
(2)11月22日の首都でのマスター・プランに関する会議にはORAM以外招待されず。(招待状は2日前)(UNAC「裏切られた想い」)

5. 外務省回答にも見られる、現地農民組織・市民社会対応の問題性
(1)UNACが抗議声明を出すまで現地農民(組織)・市民社会との合意形成はまったく念頭におかれず、試みられず。
(2)問題化した後も、正当化・反論根拠を集めるための「対話」のアリバイ化に注力。合意形成を目指す姿勢ではなく、「数として参加していた」ことに焦点。
(3)「(UNACの声明に対し)モザンビーク政府にアクションを起こしてもらう」として、異論を唱える農民組織や市民社会への弾圧を招きかねない発言を行う。

6. 以上の計画・内容・進め方の問題が、現地社会に不信感・疑念・憤り
結果的に、現地市民社会は日本の援助・JICAを「不透明で疑問だらけの住民主権や民主化に後ろ向きな存在」として認識。

提言(2012年12月14日のパワーポイントから転載)
イ)今まで(現地で問題化してなお)モザンビークと北部地域の主権者である農民・農民組織・市民社会を重視せず、軽視してきたことを、まずは認めるべき。
ロ)これまで現地での調査ややり取りを欠いた状態で、「ブラジル成功の移植」と宣伝し続けてきた傲慢さを認めるべき。
ハ)以上を猛省し、反論から逃げず、農民組織や市民社会との対話を積極的に行うことを約束してほしい。
ニ)事後的な情報伝達、ただ「聴きました」というだけの意見聴取でなく、決定に関わる議論であるべき。
ホ)市民社会の関与をプロジェクトの中で制度化する。
ヘ)農民らが一番恐れるブラジル農家・企業による土地奪取を、プロサバンナで認めないことを約束してほしい。

Ⅱ.その後1年間に起こったこと(2012年12月~2013年12月)
ProSAVANA事業に関する意見交歓会(NGO=外務省・JICA)
1. 次の日程で6回の意見交換会が行われた

第1回2013年1月25日、第2回2013年3月15日
第3回2013年4月19日、第4回2013年5月9日
第5回2013年7月12日、第6回2013年11月25日

2. 意見交換会の狙い
現地農民組織・市民社会組織の要請に基づき、日本の市民社会として、外務省・JICAから情報の把握・確認、議論を行い、共通理解を深め、ProSAVANA事業の改善を図る。

3. 意見交換会の形式
各回約1時間半ずつ、NGO側から質問書を事前に提出し、外務省・JICAがそれに答える形で行った。(成果と課題はⅢ.へ)

意見交換会以外の出来事
1. 出来事と現地農民組織・市民社会からみた理解

以下のとおり、この1年間の変化(出来事)と現地社会の受け止めを表にまとめた。*なお、本事業の調印以来の変化については【配布参考資料③】を参照。

年表
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*2013年9月~現在までの、ProSAVANA事業関係者による「対話の強要」については、「第6回ProSAVANA事業意見交換会」時の配布資料【配布参考資料⑦】を参照されたい。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-61.html

2.「ProSAVANA事業意見交換会」参加日本NGO関係者の現地訪問
(1)現地の実態と農民や市民社会の生の声を知るために、意見交換会参加4団体の5名が現地を訪問(2013年7月24日~8月18日)。対象3州の全てと19郡のうち8郡を訪問し現地調査を行った。

【調査期間】
2013年7月24日~8月18日(8月10日~12日は3班に分かれて調査)
【調査対象地】
本調査では、プロサバンナ事業で策定中のマスタープランで分類されるZone I~VIまでのすべての「ゾーン」を対象として現地訪問調査が行われた。
ニアサ(Niassa)州リシンガ(Lichinga)市、マジュネ(Majune)郡、クアンバ(Cuamba)市/ ナンプーラ(Nampula)市、ナンプーラ州モゴヴォラ(Mocovola)郡、メクブリ(Mecuburi)郡、リバウエ(Ribaue)郡/ザンベジア(Zambezia)州グルエGurue郡

【調査手法】
【1】3か国市民社会会議、北部での市民社会会議での参与型観察・現地新聞・プロサバンナや土地問題に関する文献等の資料収集
【2】プロサバンナ対象地域の農村訪問調査(政府関係者、農民組織、農村住民へのインタビュー、農地の訪問)<*3班に分割>
【3】首都並びにプロサバンナ対象地域の都市部での各種アクターへのインタビュー(政府関係者、市民社会関係者、JICA関係者、農民組織関係者、地元ジャーナリスト・研究者)
【4】ProSAVANA Development Initiative Fundの対象案件のモニタリング(JICA関係者による案内、個別訪問)

(2)首都とナンプーラ市では、ProSAVANA事業に関する市民社会の会合に参加し、市民社会内部の議論に耳を傾けるとともに、意見交換を行った。
(3)農村での調査の一方、会議、行政関係者や援助関係者との面談等約150名以上の人と話した結果、ProSAVANA事業は現在においても問題が多いことが明らかになり、9月30日の帰国報告会にて、「緊急声明 ProSAVANA事業の中断と抜本的見直しの要請」を発表した 。現在、36団体が署名【配布参考資料⑥】。
*詳細は、現地調査報告書(近日中に刊行)。

3. その後発生する現地の厳しい状況
*状況の悪化については、本年12月6日緊急勉強会報告 。
(1)2009年以降顕著となっていた二期目のゲブーザ政権の腐敗と民主主義の後退、そして強権化は、幅広い民衆の不満を生じさせた。これに対し、国家の武装装置(軍隊・警察)等を用いた政権の反論者や非協力者らへの暴力や威嚇が頻発。
(2)以下のとおり、本年10月21日、政府軍は野党RENAMO(元武装ゲリラ)の拠点を攻撃し、野党議員等を殺害、党首は逃げたままで、21年継続した和平合意がRENAMOによって破棄されている。国の中部と北部(ナンプーラ州・ProSAVANA事業対象地)にて武力衝突発生。
(3)同時に、都市部で繰り返し誘拐が発生。一部に警察の関与が認められ、3人が逮捕(内1名は脱走中)。特に、ポルトガル人や国際NGO関係者の誘拐は、現政権に批判的なポルトガル系モザンビーク人や市民社会への「脅し」として受け止められている。
(4)国連、米国政府、ブラジル政府、ヨーロッパ連合、19の援助諸国は両者に対し、政治問題を平和理に解決するよう声明を発表。(日本・中国・インド政府は声明発表せず)
(5)11月20日の地方都市選挙では、各地で第三野党への警察の発砲や逮捕による介入が頻発。広範な選挙不正も。
(6)政府や政策に異論を唱えると、暴力に巻き込まれるとの理解が市民社会に広がる。

Ⅲ.結論と提案
1.モザンビーク農民組織・市民社会組織との関係
(1)2012年10月11日のUNACによる抗議声明は内容においても妥当なものだった。
(*リーク報告書で明らかになったとおり、農民らの懸念通りアグリビジネス中心の土地収奪を伴う大規模農業開発が企図され続けていた。)

(2)しかし、抗議・異論・反対について、日本援助関係者らは、
①矮小化(「誤解」「情報伝達不足」)、
②軽視(「賛成者もいる」「反対は一部だけ」「1団体の意見に過ぎない」面談回避)
したばかりではなく、去年12月の協議会後も真摯に対応しようとしなかった。

(3)むしろ、その後の対応は、現地農民組織や市民社会関係者らから、次のように認識されるなど、現地社会に深い不信感を招いた。
①「情報操作」(過去の喧伝文句<土地・セラード/PRODECER・投資>のいつの間にかの削除の一方で市民社会の異論を「誤解」とすること)
②「嘘」(団体名削除・プレゼン差替え)
③「分断工作」(前述「賛成者もいる」との既成事実化、政府に近い者・団体の一本釣り、異論者の対話からの排除)

(4)さらには「モザンビーク政府にアクションを起こしてもらう」と強調し、現在強権化と暴力を伴った政権掌握を進める現ゲブーザ政権と、農民組織や市民社会とを正面衝突させる扉を、ドナー自らが開く結果となった。(対話の強要を自ら指揮する等)

*以上の4点は、「緊急停止公開書簡」「PPOSC-N抗議声明」【参考配布資料④⑤】
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-45.html

(5)抗議後、新たに約束された「土地は奪われない」「小農支援」「住民の食料生産を優先」も、農民を安心させるどころか、以下の事実によってますます懸念を深めさせる結果となっている。
①急に発表されたマスター・プランのコンセプト・ノートの中身、
②先述リーク報告書(ProSAVANA-PD, Report 2)の内容、
③現在ProSAVANA事業のコンサルタント組織としてマスター・プランを準備するブラジルのFGVによって立ち上げられたナカラ・ファンド(200億円)の計画、
④ProSAVANAが事業として含まれるG8New Alliance For Food Security and Nutrition(日本と米国政府担当)

(6)突然コンセプト・ノートが発表され、問題が多いことからこれについて意見する必要に現地社会は迫られている。しかし、そのことを指摘するために会議を持つと、「対話している=ProSAVANA事業は上手くいっている=ProSAVANA事業に賛成」と使われてしまうジレンマに現地の市民社会や農民組織は直面している。(聞き取り調査)

(7)結局は、「アリバイ作りの一貫としての会議への参加」が狙われていると現地では考えられており、不快感が広がっている。実際に、コンセプト・ノートを作成するにあたって作られた現地調査報告も農民集会の議事録も公開されず、同ペーパーの位置づけも明確ではなく、そもそもどこから何故このノートが出てきたのかも含め不信感は消えていない。

2. 日本での対話について(特に6回の「意見交換会」について)
(1)論点は当初、①農民主権、②土地問題、③食料安全保障(食料主権)の3点で開始した。しかし、意見交換が進むにつれ、最初の「農民主権」(すなわち農民との主権者としての合意形成)が最も重要であり、また問題の本質であることが明らかになり、その後は「土地問題」や「食料主権」問題にも触れながらも、終始一貫して「農民主権/農民参加」のあり方を議論してきた。

(2)これまでの意見交換で明らかになり、また外務省とNGOの双方で確認されたことは以下の5点である。
①ProSAVANAの目的は「小農支援」であること(第1回目で確認)、
②農民組織・市民社会の参加や合意形成のための対話が不十分なだけでなく、不適切な手法が含まれてきた一方、内容がコロコロ変わったり、不明瞭でかつ隠されている点や問題も多々あるため、農民達が強い不安の中に置かれている上に(第2回)、事態は深刻である(第3回)
③従って、計画の中身の軌道修正が必要か否か検討すべきであり、また農民に対する信頼回復が必要(第4回)、
④策定中のマスター・プランに関して、改めての現地調査と現地農民組織や市民社会との合意形成、そのための時間が必要で、それを待つべき(第5回)、
⑤モザンビーク市民社会の「公開書簡」に対する回答は、三政府で協議の上回答するが、回答を急ぐべきと理解(第6回)

(3)一方、これまでの意見交換会で意見の違いが明確になったもの、あるいは合意にいたっていない点は右の通り
①モザンビーク北部の小農や農村社会が直面する課題と現状についての理解
②モザンビーク北部の小農の支援のあり方についての考え方、
②抜本的な見直しをするための手続きとしての事業を中断するか否か、
③主権者であり主たるステークホルダーである農民の参加と対話のあり方、など。

(4)「意見交換会」の手続き上の課題と現状
①提示を御願いした資料や事前質問のうち、一部(時に大半)が当日まで準備されないこともあり、また当日の資料も不十分で、残念ながら必ずしも効率的な対話にならない場合もあった。
②関連資料について、2013年1月から過去4回の意見交換会で依頼をし続けたが、7月になって初めてその一部が「何の資料だったか」分からない形で数点提供を頂いただけで、JICA主催セミナーの一覧や式次第すら現在でも非開示のままである。
③現在、コンセプト・ノート作成の土台となるProSAVAN-PD事業(マスター・プラン策定支援)の報告書を分析のため要請している。(*12月18日の意見交換会でコンセプト・ノートの分析を披露することになっているが、これでは分析できず)

3. 結論と提案
(1)意見交換会は、現地の農民・市民社会組織の懸念や要望を、その背景を含めて日本の援助関係者に伝え、理解を深めてもらう点で重要な役割を果たしてきた。論点の明確化にも役立った。

(2)特に、「小農を支援する」との合意は中でも大きなものであった。

(3)しかし、この合意は、現実には同事業関係国・者全員に徹底されているわけではなく、また日本援助関係者が関与しているマスター・プラン(コンセプト・ノート)の前提や全体の枠組み、そしてその他の関連事業(ナカラ・ファンドやG8New Allianceを含め)は、「小農の支援」と言い難いもので、むしろネガティブな影響をおよぼしかねないという現地農民・市民社会組織の懸念は解消されていない。

(4)また、ここまで見てきたように、意見交換会でようやく共通認識となった「対話の重要性」が「対話の強要」に繋がる傾向が強まってきたことは、現地事情を考えると大変憂慮すべき問題である。

(5)以上から、ProSAVANA事業の進め方、中身についての齟齬は大きく、これを引き続き埋め、改善する努力が不可欠である。また現場(モザンビーク国内)が政治的に厳しい状況になりつつある中、現地の人びとに対して行われている事業や対話の強制は止め、事業の抜本的な見直しを現地の人びとと共に考えることが緊要である。そのためにも今後も意見交換会を継続する意義は高いと考える。

以上
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by africa_class | 2013-12-10 17:12 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【ご報告】緊急勉強会:安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること~和平合意破棄後の援助、投資

少しご無沙汰しております。
風邪がひどく寝込んでいますが、溜まっている情報を布団の中から・・・。
また改めて書きますが、一点当日話したかったものの時間がなく話せなくて、後悔している点を。

同じ日にマンデラ元大統領の訃報を聞いて、アフリカの歴史が転換期にあることを肌身で感じました。
マンデラ大統領夫人のグラサ・マシェルさんは、初代モザンビーク大統領夫人でもあり、私の発表パワーポイントの最後に出てくるサモラ・マシェル大統領が今見直されていることについての話は、非常にアクチュアルです。

以下の勉強会では、モザンビークの話をしました。土井さんの話から、エチオピアの問題も明らかになりました。そして、現在の南ア。

自由と民主化、人びとの権利…それを目指して闘ってきたアフリカの人びとの闘いは、グローバルな経済利権や政治権力によって今、危機的な状況にあると思います。

何故、グラッサはマシェル元大統領の次にマンデラ元大統領と結婚したのか?
両者共に、黒人として初の大統領。そして解放闘争の闘士でした。
別の国の2名の大統領と結婚した初の女性であり、初代教育大臣。
グラサさんはモザンビークでFRELIMOを良くしようと努力されてきました。この間、繰り返しゲブーザ政権を批判されています。そのことを念頭におきつつ、是非視聴・ご覧ください。

(転送歓迎)
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モザンビーク開発市民の会も共催した【緊急勉強会】「安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること~和平合意破棄後の援助、投資」の報 告で す。

当 日は、国会議員3名(代理1名)、新聞・通信5社6名、テレビ2社、外務省・JICA・JOGMEG・JETRO8名、商社3社5名、コンサルタン ト2名、 NGO10名、大使館1名、一般企業1名、学生13名、大学関係者2名、その他…部屋のキャパシティを超える50名近くの方に来ていただきまし た。急な呼 びかけにもかかわらず、ありがとうございます。

パワーポイントなどは下記ブログにアップしています。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-62.html
また、IWJさんのお蔭で未だ無料で視聴が可能です。是非ご覧ください。
http://www.ustream.tv/recorded/41420190

モザンビークの「資源の呪い=アンゴラ化」「エチオピア化」現象が明確になりつつあります。

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アフリカ・モザンビーク情勢の緊急勉強会
安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること
和平合意破棄後の援助、投資のこれからを考える
2013年12月6日(金)13時~15時 
参議院議員会館 1階 102号室

1. モザンビークでの石炭開発及びエチオピアでの援助によるHRWの人権影響調査の実例報告
土井香苗:国際NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」日本代表、弁護士
2. モザンビークにおける政治暴力の現在と投資・援助
舩田クラーセンさやか:東京外国語大学教員、モザンビーク開発を考える市民の会代表

問題提起の全文はこちら→
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-59.html
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当日動画:
http://www.ustream.tv/recorded/41420190
無料視聴終了後は、IWJ会員はアーカイブから視聴可能です。
この間、すべてのモザンビーク関連の報告会を中継してくださっているIWJさんの会員になれば、過去のアーカイブもご覧いただけるので、これ を機 会に是非どうぞ。アフリカのことをこんなに丁寧に報じてくれる貴重なチャンネルであり、日本の草の根民主主義の定着に不可欠なチャンネルです。会 員になって応援しましょう!
http://iwj.co.jp/join/

・2013年2月25日 北海道でのモザンビーク全国農民連合のプロサバンナについての発表
・2013年2月27日 院内勉強会 モザンビーク全国農民連合代表と環境団体JA!のプロサバンナについての発表
・2013年9月30日 緊急報告会 日本ODAによるモザンビークの大規模農業開発事業「プロサバンナ」に関する現地調査報告・緊急声明の 発表
・2013年12月6日 緊急勉強会 安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること

【第一報告】
趣旨説明(森下麻衣子オックスファム・ジャパン)

【第二報告】
「モザンビークでの石炭開発及びエチオピアでの援助による人権影響調査の実例報告」
(土井香苗 ヒューマンライツウォッチ日本代表、弁護士)
*配布参考資料:
①「モザンビーク:鉱山開発に伴う立ち退き 食糧と水が不足」
http://www.hrw.org/node/121079
②「エチオピア 海外からの援助が弾圧を助長」
http://www.hrw.org/ja/news/2010/10/19

【第三報告】
「モザンビークにおける政治暴力の現在と投資」
(舩田クラーセンさやか 東京外国語大学教員)

*配布参考資料:
①舩田クラーセンさやか「ODA見返り論からの脱却を」『外交』2012年3月12号
②----------「アフリカの今と日本の私たちー天然資源と食、そして援助」『神奈川大学評論』2013年近刊
③高橋清貴「モザンビーク・プロサバンナ事業とは何か?」『Trial & Error』No.300 2013年3-4月
④渡辺直子「農民に向き合えない農業支援とは」『Trial & Error』No.301 2013年5-6月
⑤朝日新聞「眠れる大地【緑の実験】モザンビーク穀倉化計画」2013年5月6日
*回覧資料:
①アフリカNOW(アフリカ日本協議会機関誌)「現地調査からプロサバンナ事業を問い直す」99号2013年10月31日
②舩田クラーセンさやか『モザンビーク解放闘争史』御茶の水書房
③ーーーーーーー「モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題」 『国際政治』2013 年
④------(編)『アフリカ学入門』明石書店
⑤Sayaka Funada Classen, Origins of the War in Mozambique, Ochanomizu Shobo.
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by africa_class | 2013-12-10 16:06 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

緊急勉強会:モザンビークで今起こっていること~私たちの投資と援助(12月6日)

あっという間にもう今週!
現地事情は毎日変わっているので追うのが大変ですが、「私たちとモザンビーク」あるいは「私たちとアフリカ、世界」との関係を考えるとても重要なことなので頑張ります。30席しか一般向けに用意していないようなので、急ぎお申込みを。なお、同時中継もあります。

(転載歓迎)
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アフリカ・モザンビーク情勢の緊急勉強会
安倍総理が訪問するモザンビークで今起きていること
和平合意破棄後の援助、投資のこれからを考える

2013年12月6日(金)13時~15時 
参議院議員会館 1階 102号室
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/moz20131206.html
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1977年から16 年間にわたったモザンビークの戦争は、百万人の死者を出し、史上最悪の戦争の一つとして歴史に記され、1992年に終結しました。しかし、本年10月21日、モザンビーク政府軍が、最大野党RENAMOの拠点を急襲し、国会議員1名が死亡、党首は山中に逃れたままとなり、翌22日にRENAMOは92年の和平合意破棄を宣言しました。中部・北部の十か所以上で軍事衝突が起こり、死傷者がでています。

すでに、国連、EU連合、米国など20カ国の援助国政府、カトリック教会は、声明や談話を発表し、両者に対し武力を使わず政治的緊張を対話で解決するよう求めています。主要援助国で声明・談話を出していないのは日本政府だけです。影響は経済にも及び始め、リオ・ティント社等は、外国人スタッフの家族を国外に避難させています。

こうしたモザンビーク情勢急転の中、11月4日、安倍首相は来年1月9日~15日にモザンビー ク・ 南アフリカ・コートジボワールを訪問すると発表しました。

今年6月のTICAD V(第5回 アフリカ開発会議)の際、日本は同国と二国間投資協定を結び、日本企業が炭田開発、世界最大規模の天然ガス開発に着手する一方、北部ナカラ回廊ではODA「プロサバンナ」事業による大規模農業開発やインフラ整備が進められています。

しかし、現地では資源開発や大規模援助事業が住民合意のないまま進められることに批判が高まっており、さらに政治軍事衝突の最中に首相訪問が発表されたことに疑問の声が上がっています。平和を求める市民、数千から数万人が参加する平和マーチが5主要都市で行われ、独裁化する現政権には与党内からも退陣を
求める声が高まっています。11月20日に全国都市選挙が実施され、来年10月には大統領選挙の予定です。
 もはや日本から「遠い国」とは呼べないモザンビーク。

今何が起き、今後どうなっていくのかを共に考えます。どうぞご参加下さい。

◆報告
1. モザンビークでの石炭開発及びエチオピアでの援助によるHRWの人権影響調査の実例報告
土井香苗:国際NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」日本代表、弁護士
2. モザンビークにおける政治暴力の現在と投資・援助
舩田クラーセンさやか:東京外国語大学教員、モザンビーク開発を考える市民の会代表

◆日時:2013年12月6日(金)13時~15時 
  ※ 12時45分より議員会館 ロ ビーで入館票を配布
◆会場:参議院議員会館 1F 102号室

◆報告者プロフィール
土井香苗:
国際NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」日本代表。弁護士。
1998年東京大学法学部卒業。学生時、アフリカ・エリトリアで法制定ボランティア。2000年弁護士登録。国際法修士。2008年9月から現職。世界 中の人権侵害を止め、日本を人権大国にするため活動。著書に『"ようこそ"と言える日本へー弁護士として外国人とともに歩む』(岩波書店)、『巻き込む力』(小学館)

舩田クラーセンさやか:
東京外国語大学大学院教員、モザンビーク開発を考える市民の会代表。
1994年PKO国連モザン ビーク活動(ONUMOZ)後、アフリカの平和構築・政治経済・開発援助に関する研究・教育・市民活動に従事。国際関係学博士。主著に『モザンビーク解放闘争史』(御茶の水書房)、"Origins of the War in Mozambique"(African Minds)、「モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題」
『国際政治』。編著に『アフリカ学入門』(明石書店)。

◆共催:
(特活)アフリカ日本協議会、(特活)オックスファ ム・ジャパン
(特活)日本国際ボランティアセンター、Attac Japan、No! to land Grab
(特活)ピースビルダーズ、モザンビーク開発を考える市民の会

◆連絡先・申し込み:
(特活)アフリカ日本協議会 担当・斉藤
 メール:info<@>ajf.gr.jp  電話:03-3834-6902 FAX:03-3834-6903

 ※ 以下を12月4日(水)正午までに知らせてください
  1)名前 2)当日の緊急連絡先 3) 所 属 4)質問(あれば)

会場の関係で一般の皆さんは先着30名となっております。
ご希望の方は早めにお申し込み下さい。
また、当日はIWJで同時中継が行われます。あわせてご覧ください。
http://iwj.co.jp/
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by africa_class | 2013-12-02 10:09 | 【記録】講演・研究会・原稿

【声明onプロサバンナ】日本の5団体「緊急停止&抜本見直し」&9月30日報告会報告

新学期が始まりました。新しい1年生に出会うのはいつも本当に楽しみ。基礎ゼミでのやり取りは、なるべくこのブログにもアップしていきますね。日本全国の大学1年生で悩んでいる人多いみたいなので。答えは与えられたりはしませんが、考える糸口になるかもしれないので。

さて、9月30日(月)の報告会には、本当に沢山の座りきれない程の皆さんがお越しになりました。来られたNGOの方より、「こんな充実した内容の報告会ははじめてだった」とおっしゃっていただきましたが、逆にいうと、それだけモザンビークの現場の状況が酷く、日本の援助の問題が根深い・・・ということでもあったのかもしれません。それはそれで哀しいことです。

同報告会は以下のサイトでご覧いただけます。
http://www.youtube.com/watch?v=kSNzU32enGg

現地調査の結果であり、報告会の肝となった「緊急声明文」の紹介をしたうえで、報告会の報道や、情報の訂正や、感想などを書きたいと思います。
(1)声明文の背景と本文紹介(賛同団体10月15日まで募集)
(2)報告会のフォローアップ
(3) コメンテイター松本悟さんのコメント全文+補足情報


なお、日本のODAの改善に長年取り組んでこられた法政大学&メコンウォッチの松本悟さんのコメントが、プロサバンナの問題を、援助の面から非常にクリアーに解説されたので、ご本人の了解を得て、かつ追加の資料を加えて最後に説明しますね。

(1)声明文について
読んでお分かりになるかと思いますが、5団体の声明文は、かなり強いものとなっています。現地調査前には声明文の話は出ていなかったので、モザンビークに行って市民社会・農民組織・農民の声に耳を傾け、政府との対話の様子を実際に目の当たりにし、JICA関係者らと共にプロサバンナの現場に行き、個別に農民組織や市民社会組織と共にプロサバンナ対象地の農村を回った結果として出されたわけです。

これら5団体は、長年にわたりアフリカ支援や援助カイゼンに取り組んできた団体やメンバーによって構成されており、声明なるものもめったに出さない団体ですし、このような公的な形で援助事業に対し「中断と抜本的見直し」を要請するのは、前代未聞である…ことは指摘しておくべきでしょう。

特に、これら5団体は、去年12月のODA政策協議会を含め、7月まで6回にわたる「対話」のため時間と労力を割き、外務省・JICA担当部局と行ってきて、そこで言われてきたことと実際のあまりにもの乖離に、愕然としたというのが正直なところだったということでした。ここら辺のことは、このブログの過去の記録をご覧ください。

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日本・ブラジル・モザンビーク政府の大規模農業開発事業「ProSAVANA-JBM」に関する緊急声明 ~事業の早急なる中断と迅速かつ抜本的な見直しの要請~
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2013年9月30日

 私たち日本の市民社会組織は日本の外務省および国際開発協力機構(JICA)に対し、日本の政府開発援助(ODA)によるモザンビークにおける大規模農業開発事業「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発プロジェクト(ProSAVANA-JBM)」(以下、プロサバンナ事業)を早急に中断し、迅速かつ抜本的に見直すことを要請する。この要請は、モザンビークの多数の農民・市民社会組織によって表明されてきた懸念の強さ、および私たち自身による本年7月から8月にかけてのモザンビーク現地調査によって明らかになった問題点に基づくものである。

【背景】
 プロサバンナ事業は、事業立案から形成・実施に至るすべてのプロセスにおいて、当事者であるモザンビーク北部の8割以上を占める農民、とりわけ農民の中でも圧倒的多数(99.99%)を占め、耕作地の95%を耕す小規模農民(以下、小農)を主権者として尊重し、彼らの参加を保証する姿勢を欠いてきた。モザンビーク最大の農民組織である全国農民連盟(UNAC。2,200の農民組織の連盟)やモザンビークの市民社会組織により繰り返し出されてきた抗議声明では、プロサバンナ事業による大規模農業開発や投資の構想・計画が地元農民らの生活と生計基盤に及ぼすネガティブな影響に対して、強い懸念が表明されている。
 特に、本年6月の第5回アフリカ開発会議(TICAD V)開催直前の5月28日に発表された日本・ブラジル・モザンビーク政府首脳に対する「ProSAVANA事業の緊急停止要請公開書簡」(以下、「公開書簡」)は、モザンビークの農民・市民社会・宗教組織23団体が起草し署名するなど、モザンビーク社会においては前例のない重みをもつ、援助事業への異議申し立てになった。なお、「公開書簡」は、来日した農民組織の代表者により安倍晋三総理にも手渡されている。
 この事実を受けて日本の市民社会組織は、外務省との間で継続的にNGO・外務省意見交換会(以下、意見交換会)を行ってきた。そこでは、事業を進めるモザンビーク政府および日本とブラジルの援助関係者とモザンビークの農民および市民社会との間で更なる対話の重要性が確認され、対話による合意形成が約束された。しかしながら、プロサバンナ事業の主要コンポーネントであるマスタープラン作成とクイック・インパクト・プロジェクト(Quick Impact Project : QIP。成果が早く見られる事業)、プロサバンナ開発イニシアティブ基金(ProSAVANA Development Initiative Fund : PDIF)の融資を受けたパイロットプロジェクトは、合意がないままに進められている。さらに、その過程における透明性やアカウンタビリティは向上せず、現地の農民と市民社会に対して十分な情報公開と対話がなされていないために、農民と市民社会組織はさらに不安を募らせている。特に、「公開書簡」への正式な回答がなされないまま、一部の農民や市民社会組織との形式的な対話による合意形成ばかりに力が注がれたため、モザンビークおよび日本、ブラジル各国政府に対する不信と懸念がさらに強まる結果となっている。
 また、プロサバンナ事業の対象地では、すでに国内外の投資やビジネスによる土地争奪が大規模に起きており、土地の希少化と紛争が急速に進んでいる。これによって立場の弱い現地農民の土地が奪われ、飢えや貧困が進んでいる地域があり、このような事態に対し声をあげる農民への抑圧も各地で起きている。 
 プロサバンナ事業をこのまま継続すれば、モザンビーク農民の生計基盤の破壊から貧困化が進み、同時にモザンビーク社会の安定に悪影響をもたらす。ひいては日本のODAに対する信頼と信用をいちじるしく落とすことにもなるだろう。  私たち日本の市民社会組織有志は、ここに改めてプロサバンナ事業を一時中断し、以下の諸点を踏まえて抜本的な見直しを行うことを提案する。

【要請項目】
1.  日本政府に対して、モザンビーク市民社会が提出した「公開書簡」に対し、すみやかに書面にて返答することを求める。その際、モザンビーク市民社会が求めるプロサバンナ事業の一時中断について、明確かつ具体的な回答を必ず含めること。
2. 2009年のプロサバンナ事業調印時より大きく悪化したモザンビークのガバナンスや政治状況(民主化の停滞や異議申し立て者への抑圧やハラスメント)、環境破壊、土地争奪による土地紛争の激化と小農の被害状況を踏まえて、全事業対象地における社会・政治・経済状況の把握を優先し、ていねいで独立した現地調査を直ちに行い、現地農民・市民社会との議論を踏まえて、プロサバンナ事業のフレームワークを抜本的に見直すべきである。
3.  日本の市民社会組織と外務省・JICAの間で行われてきた意見交換会において、現地の農民および市民社会との対話の抜本的な見直しが合意されている。しかし、対話のあり方は改善されず、プロサバンナ事業マスタープラン作成チームによる進め方が、プロサバンナ事業対象地であるナンプーラ州とニアサ州を代表する市民社会プラットフォーム、並びにモザンビーク全体で活動する農民組織や市民社会組織にさらなる不信感を生じさせる事態となっている。この事態を把握すること、とりわけ、現地の小農を代表する組織であり、本事業に関する議論に最も深く関わってきたUNACとUNACの加盟組織がプロサバンナ事業に関する各種の対話スキームから排除された経緯と理由を直ちに明らかにすることを求める。
4. 「公開書簡」の緊急停止要求を受けて実施された第4回と第5回の意見交換会の場では、外務省およびJICA側の出席者らから「プロサバンナ事業はまだ始まっていない」という発言が繰り返され、「時間をかけて対話していく」ことが約束された。その一方で、JICA本部および在モザンビーク日本大使館が知らないままにPDIFの第二次募集の説明会が6月下旬に、公募が7月15日まで行われていた。この件についての経緯と第二次募集を行った理由について説明を求める。
5. 現地農民および市民社会組織との対話においては、「自由かつ事前の合意」(Free Prior and Informed Consent)の原則に従って、プロサバンナ事業について十分な情報公開と説明責任を果たし、さらに、事業の影響の大きさと深刻さに鑑み、当事者である農民と市民社会の「意味ある参加」を確実にするために、プロサバンナ事業の中断を含めて話し合うこと。
6. 現在、UNACを中心に農民や市民社会の側から提案がなされている「家族農業支援のための国家計画」の実現への協力についての見解を明らかにすることを求める。
7. 土地の登記(DUATの取得)については、そのメリット・デメリットを含めた理解が末端の農民まで浸透しておらず、その是非についてモザンビーク国内で議論が始まったばかりである。モザンビークの土地法においては、DUATを取得しなくても、これまでの慣習に基づく住民の土地利用の権利が認められている。したがってプロサバンナ事業においてDUATの取得を前提とすることは、現在そして未来の農民などの権利を狭めることになる。まずは、主権者である農民の権利が奪われないようにするための支援を行うべきである。
以上

呼びかけ団体(50音順)
アフリカ日本協議会
オックスファム・ジャパン
日本国際ボランティアセンター
モザンビーク開発を考える市民の会
Attacジャパン

署名団体(賛同募集中):
*10月15日まで、賛同希望団体は、アフリカ日本協議会(AJF)までご連絡下さい。
info<@>ajf.gr.jp (担当:斉藤)

(2)報告会のフォローアップ
9月30日の報告会については以下に詳細。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-44.html

時事通信社とIWJからこの報告会と声明については記事が配信されています。
■同時中継(2013年9月30日)*現在はアーカイブへ
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/104474

日本語(2013年10月1日)
■「日本の支援見直し要求=モザンビーク農業開発-NGO」
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013100100648&g=soc
■「プロサバンナ」
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013100100660&g=soc
英語(2013年10月3日)
”NGOs call for review of Mozambique farm project”
http://the-japan-news.com/news/article/0000692632

なお報告会は、もうすぐYoutubeにアップされるそうですが、IWJの会員であれば上記アーカイブでご覧いただけるそうです。その他、報告会でお見せしたビデオやお見せするといったビデオもYoutubeに近日中にアップ予定です。

【報告会時の説明の訂正】
①「8月6日~1週間の調査」との紹介
=>5名全員が一緒に調査を行った期間の間違いです。
=>実際は、7月24日~8月18日の期間の現地調査です。
(発表した渡辺さん自身が12日間の調査でした)

②調査協力団体、インタビューや面談参加団体・個人数
これについては、報告書に問題のない範囲で(弾圧などを避けるため)、公開していきます。
なお、例えば、説明があった「女性団体」は、Forum Mulherのことで、戦後直後の1993年に設立。全国の女性アソシエーションや女性やジェンダー分野のCSOsや宗教団体などが加盟中。正式加盟は83団体であるものの、ネットワーク団体を含み、例えば、ニアサ州(プロサバンナ地域)の女性フォーラムの加盟団体だけで79組織あります。
http://www.forumulher.org.mz/

例えば、本調査では、この団体の代表・事務局長・スタッフの3名、ニアサ州の団体代表とスタッフ2名への聞き取り、会議での発言確認などを行っています。

また、農村部での調査では、農民組織の州レベル・郡レベル・行政ポストレベル・ロカリティレベル・コミュニティレベルの農民組織代表を対象に意見を聞いており、それぞれ州や郡やコミュニティによって何農民組織代表の話を聞いたのかについては、例えば以下の例が挙げられます。事前に、各地域の農民や農民組織から意見等を聞いておいてもらい、その上でインタビューに向かいました。

例)ザンベジア州グルエ郡
●郡レベルでの個別インタビュー:
200を超える農民組織(フェデレーション)の選挙で選ばれた代表
●行政ポストレベルでの個別インタビュー:
50近くの農民組織の選挙で選ばれた代表
●ロカリティレベルでの集団インタビュー:
33農民組織(1429農民)の代表12名(男性6名女性6名)
●個別農民へのインタビュー:
1農家(夫妻)

③小・中・大規模農家
ProSAVANA-PDでは、「暫定」として、
小は0-10ha(未満)、中は10-50ha(未満)、大は50ha以上と定義。

ただ現地にいるJICAコンサルの方の感覚でも、現地の感覚でも、
・小規模農家:0-5ha(未満)
・中規模農家:5-30ha(未満)
・大規模農家:30ha-
という分類が妥当だと言われています。

その意味で、PDIF(プロサバンナ開発イニシアティブファンド)の融資先や関連先の「農家」「企業」は、中規模農家というより、「中から大規模農業経営者」とした方が良いとおもわれます。ここら辺のことは、報告書に詳しく書き込まれています。

(3)松本さんのコメントと補足説明
松本悟さん(法政大学/メコンウォッチ)コメント:
1999年から環境社会メンでの悪影響がないように政府の政策作りに身を投じながら一緒に作ってきた。日本のODA、JICAが人びとの生活を脅かすことがあってはならない。かつてのように抗議で変えるのではなく、政策をつくり、しっかりとした政策での議論により悪いODA事業がなくなることを夢見てきた。こういう事業が出てきてしまうことに辛い思いを抱かざるを得ない。
 その経験に基づき、JICAの環境社会配慮ガイドラインの面から3点コメントしたい。

①情報公開について:
JICAには情報公開の政策ができている。環境社会配慮ガイドラインに基づく情報公開がされている。英語の情報によると、プロサバンナのマスタープラン策定プロジェクトについては、「特定プロジェクトを提案しない」と書かれている。「具体的にプロジェクトを特定しないので、どのような影響が出るか分からない。だから、カテゴリー分類はBにしている。Aは色々な影響があるだろう。Bはマイナーな影響しかないだろうという分類。何故かというと、どんなプロジェクトにするか提案する予定がないから」と書かれている 。

ところが、森下さん(OXFAM Japan)が先程指摘したように(報告で)、JICAの案件概要表が公開されており、それによると「QIPを提案する」と書いてある。つまり、ガイドラインに基づき情報公開されている文章には、「プロジェクトを具体的に提案する予定はないので、だからカテゴリーはBである」と書かれ、一方で英語でも日本語でも書かれている案件概要表には「QIPを提案する」とあり、森下さんの話では実施もするとのことだった。情報公開に基づいて書かれている二つの情報なのに全く異なる情報が書かれている。

先程、午前中の会議で、(JICAが)「そのようなことがあるのであればホームページの方を訂正します」と答えたと聞いて唖然としている。訂正する側のHPというのは、今年の9月4日現在のもの。9月4日は1か月も経っていない。確かに2年前の情報公開が改訂されていないのであれば多少分からないでもないが、丁寧に9月4日現在の情報とHPにアップしている。一か月前のものではない。それを今変えるというと、どういうことが起きるか?

【補足情報】
「Quick Impact Project案の一部のパイロット事業(KR見返り資金を活用した触媒基金による契約栽培推進事業)としての実施」(JICAナレッジサイト案件概要表<2013年9月4日>掲載より)
http://gwweb.jica.go.jp/km/ProjectView.nsf/VIEWParentSearch/CBD5ADD7676429714925794C0079D830?OpenDocument&pv=VW02040104

外務省の「開発協力適正会議 」の委員をしている。高橋さんも同様である。日本のODA のPDCAサイクルを回している。Plan Do Check Actサイクルのこと。ちゃんと計画立てましょう。実行したら、ちゃんとチェックを行い、チェックを活かして次にちゃんと変えていこうというもの。今何をしようとしているかというと、チェック段階でおかしくなったら、(元あった)「プランまで変えます」ということをいっている。とんでもないこと。もしうまくいかなかったら、「計画段階の書き方が間違っているから計画段階の書き換えを変えます」…となると、全てのPDCAサイクルは美しいサイクルとなる。誤りがあったことをチェックして認めるからPDCAサイクルが必要であり、日本政府は自公政権になっても行政事業レビューをしている。したがって、そういう仕組みがある以上、自分たちの立てた計画は透明性が必要であるにもかかわらず、JICAと長く仕事をしてきたが極めて残念と言わざるを得ない。

【補足情報】
ODA適正会議についての外務省ホームページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/kaikaku/tekisei_k/index.html
PDCAについて次に説明されている。
※PDCAサイクル:事業の形成,実施,評価,改善の4段階を繰り返すことで,事業の継続的な改善を図る手法。
また、NTTファシリティーズ 『社会環境活動報告書2005』の図が分かりやすい。らせん階段上に事業が改善されていくための手法
http://www.ntt-f.co.jp/csr/sreport/envre2005/management/02.html


②カテゴリー分類:
アセスメントの専門用語。何百もある事業を全部ものすごく丁寧に調査するのは、コストパフォーマンスが悪い。これはしっかりやりましょう、というカテゴリー分けを事前になされるのは一定の合理性がある。だからこそ、カテゴリーが重要といえる。大きな問題が起きそうなものはAでしっかりやりましょう。ないものはCでさらりとやりましょう。税金を効率的に使うことができる。したがって、カテゴリーが重要。この事業はカテゴリーB。

【補足情報】
ProSAVANAに関するカテゴリーのスクリーニング結果概要は、以下に掲載。 http://www.jica.go.jp/english/our_work/social_environmental/id/africa/mozambique_b04.html

Bとは何か、住民との対話も「必要に応じて」、情報の公開も「場合によっては」という書き方。JICAや外務省が、恣意的にあるいはJICA・外務省の判断によって、必要性を決めることができる。しかし、カテゴリーAだとやらなければいけない。どういうやり方でやるかはガイドラインにしっかり書かれており、だからアカウンタビリティもあり、透明性があり、私たちもチェックができる。

例えば、QIPについて、JICAの資料の中では、「環境社会配慮項目を議論する(洗い出す)」ことも含まれている。普通はその段階で、立ち退きがある、生計が変わる、農業のやり方が変わるということが予見されれば、住民の生活への影響が多いので、当然カテゴリーはAになる可能性がある。しかし、現在JICAに聞く範囲では、カテゴリーBのままである。

マスタープランは日本の国土面積よりも大きいところで作られるため、ざっくりしたプランを作るということで、最初の段階でプロジェクトを特定できないという可能性は否定できない。しかし、JICAのガイドラインによると、以下のように書かれている 。

「7. マスタープランは、協力事業の初期段階ではプロジェクトが明確でない場合が多いが、その場合でもプロジェクトを想定してカテゴリ分類を行う。その際に、派生的・二次的な影響や累積的影響を考慮に入れる。また、複数の代替案を検討する場合は、それら代替案のなかで最も重大な環境社会影響の可能性を持つ代替案のカテゴリ分類に拠るものとする。調査の進捗に伴いプロジェクトが明確になった以降は、必要に応じてカテゴリ分類を見直すものとする」。

【補足情報】
国際協力機構「環境社会配慮ガイドライン」2010年4月, 4頁。2-2カテゴリー分類より。http://www.jica.go.jp/environment/guideline/pdf/guideline01.pdf 

つまり、徐々にプロジェクトがみえてきたら、明らかにJICAのホームページの中で、調査プロジェクトの一環としてやられている以上、ガイドラインにのっとって、カテゴリー分類を見直し、場合によってAにし、適切に住民との協議、情報公開をすべき。外向きのカテゴリーをAにかえ、ガイドラインが定めている適切な手続きが不可欠。そうでなければ、ガイドライン改訂の議論を2年間やった意味がない。

③ゾーニング:
この事業では、ゾーニングという考え方が使われている。ゾーニングは大きな影響を及ぼす。私の専門は、世界銀行の調査研究であるが、世界銀行はゾーニングの問題で被害を受けてきた住民から何度も異議申し立てを受けてきた。世界銀行の政策違反であると指摘されてきた 。JICAや日本の外務省は、真摯にゾーニングがもっている社会環境面の影響を考えた上で、自らのガイドラインをもう一度チェックし、カテゴリーを見直し、住民との対話を政策に基づいて見直すべき。

【補足情報】
ゾーニングに対する異議申立の一例に“Democratic Republic of Congo: Transitional Support for Economic Recovery Credit Operation (TSERO) and Emergency Economic and Social Reunification Support Project (EESRSP)”がある。
世銀のインスペクションパネルは、森林のゾーニングは土地利用計画なのでカテゴリAに分類すべきだったと政策の不遵守を指摘している。
http://documents.worldbank.org/curated/en/2006/02/6605253/democratic-republic-congo-transitional-support-economic-recovery-credit-tsero-emergency-economic-social-reunification-support-project-eesrsp-inspection-panel-investigation-report-recommendation

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ブログ読者ならわかると思いますが、ここからみえてくるプロサバンナに関する根本的な問題・・・・は明らか。
らせん階段状に、Plan、Doから、Checkで見直しがされ、Actでカイゼンされ、上に上っていく・・・・という手法ではなく、Planがそもそも「PRODECERのP-D-C-Aから出発していないために」問題が埋め込まれたまま出発し、Doでそれが露呈・拡大され、ようやくCheckまで来て、現地社会からも日本社会からも声があがっているのに、それに真摯にACT(改善)に向かって対応するというよりは、Planの「書きぶり」や「公開手法」の問題に矮小化してしてしまう・・・・という現在の手法が露呈。

しかも、援助の透明性や「適正化」がこんなにいわれてもう10年以上が経って、そのための仕組みも作ったのに、どこ吹く風で、「情報自体を書き換える」といえてしまうことが、組織の体質が変わっていないことを示している・・・と感じてしまうのは私だけでしょうか。

がんばれ、JICA。
でも、がんばる方向性が間違っていないか、本当に考えてほしいところです。
もう自浄が無理なのならば、第三者に抜本的なCheck & Actを提案してもらうべき時がきていると思います。
その意味で、モザンビーク23団体から出されている公開書簡(ブラジル30団体近く、日本11団体も署名)、日本5団体の緊急声明「緊急停止と抜本的見直し」は、有効な提案だと思います。
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by africa_class | 2013-10-04 16:10 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

北部3州農民集会声明:問題事業にProSAVANA、G8 New Alliance(日米政府)、Anadarko(三井物産)

さきほどモザンビークのニアサ州に集結しているUNAC関係者から届いたメッセージです。

8月28日から29日までニアサ州リシンガ市で開催される「第一回北部小農統合集会」「第一回土地・種に関する北部地域会議」のため、北部3州(ニアサ、ナンプーラ、カーボデルガード州)40郡から100名近くの農民組織・共同組合関係者らが集まっています。

国の農業政策やプロサバンナや「G8ニューアライアンス」、企業が、ビジネスを利するばかりで、農民の権利(特に土地や種)を守っていない点について、鋭く批判しており、そのような事業名・企業名として以下が挙げられています。

・援助事業(ProSavana, Nova Aliança para a Segurança Alimentar e Nutricional)
・植林・アグリビジネス(Chikweti)
・鉱物資源開発 (Vale, Rio Tinto, Jindal África)
*新日鉄も同じ地域で炭鉱開発開始。
・天然ガス開発 (Anadarko, Statoil, ENI)
*昨日話題にしたAnadarko社と三井物産が組んで天然ガス開発を行っている。
http://www.jftc.or.jp/shoshaeye/pdf/201305/201305_30.pdf

UNACが提唱する「家族農業支援のための国家計画」についても具体的に話し合われるようです。

なお、この会議には、ニアサ州知事が、3州の農業省関係者と共に出席予定で、プロサバンナも議題にあがっています。「UNAC=1団体/反政府組織/地域農民を代表していない」と言い続ける日本の援助関係者の皆さんに、この会議に参加してもらえれば良いのですが・・・。

どなたか訳を手伝える方がいたら是非!

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UNACによるプレスリリース
「小規模農業と土地を守るための闘いのため、モザンビークの北部地域の農民らが集結」
Camponeses da Região Norte de Moçambique Unidos na Luta pela Defesa da Terra e da Agricultura Camponesa
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Cerca de 100 representantes e lideranças, entre homens, mulheres e jovens, de associações, cooperativas, uniões distritais / provinciais e comunidades de camponeses e camponesas de mais de 40 distritos de Cabo Delgado, Nampula e Niassa articulados na e pela União Nacional de Camponeses de Moçambique participam do I Encontro Unitário de Camponeses da Região Norte e da I Conferência Regional Norte sobre Terra e Sementes agendadas para os próximos dias 28 e 29 de Agosto de 2013 respectivamente, na cidade de Lichinga, província de Niassa.

Com o objectivo de contribuir para o aprofundamento e ampliação do processo de formação e organização política dos camponeses, fortalecimento do debate público e democrático sobre os desafios estruturais do desempenho do sector agrário, a urgente necessidade de uma reforma agrária baseada na facilitação e dinamização dos meios de produção e produtividade no País e de travar-se, com urgência, o fenómeno de usurpação de terras, os dois encontros de Lichinga, Encontro Unitário de Camponeses da Região Norte e Conferência Regional Norte sobre Terra e Sementes fazem parte de um processo mais amplo de fortalecimento do movimento camponês, mobilização, participação e construção colectiva de demandas de camponeses e camponesas de Moçambique a serem incorporadas no Plano Nacional de Apoio a Agricultura Camponesa.

O Plano Nacional de Apoio a Agricultura Camponesa é uma proposta de política agrária de camponeses e camponesas membros da UNAC e articulados pela UNAC, a ser submetido ao Governo de Moçambique. Este Plano visa responder as demandas das famílias camponesas relativas a produção de sementes nativas e resistentes às mudanças climáticas; serviços públicos de extensão agrária baseada na valorização do saber, cultura e experiência dos camponeses e camponesas; aproveitamento do potencial de irrigação; construção e reabilitação de infra - estruturas ligadas a criação de capacidade produtiva, definição e adoção de modelos eficazes de facilitação de crédito agrícola, garantindo deste modo, a soberania alimentar e alimentação adequada para os moçambicanos e moçambicanas.

Segundo a liderança da UNAC “ a luta camponesa em defesa da Terra e Agricultura Camponesa que garanta a soberania alimentar e alimentação adequada, travada pela UNAC nos últimos 25 anos, nunca foi tão actual e imprescindível quanto arriscada para milhões e milhões de moçambicanos. O efeito perverso da onda de Investimento Directo Estrangeiro (IDE) em moldes dos chamados megaprojectos, a mercantilização da terra, a grande corrida das corporações e programas (ProSavana, Nova Aliança para a Segurança Alimentar e Nutricional) de agronegócio (Chikweti), mineração (Vale, Rio Tinto, Jindal África) e hidrocarbonetos (Anadarko, Statoil, ENI) pela ocupação, expansão e concentração de terras e as tendências crescentes e perigosas que defendem a mudança do quadro legal de terra, incluindo a revisão constitucional para permitir a criação de um mercado geral de arrendamento, venda e privatização da terra, representam uma emergência nacional”.

A Conferência Regional Norte sobre Terra e Sementes é a primeira de um total de três Conferências Regionais, Norte, Centro e Sul sobre Terra e Sementes construídas e organizadas pela UNAC num processo preparatório e organizativo mais amplo de militância e mobilização de camponeses e camponesas para construção, produção e realização da II Conferência Internacional Camponesa sobre Terra, marcada para os próximos dias 15 e 16 de Outubro de 2013, na cidade de Maputo.

As Conferências Regionais Norte, Centro e Sul sobre Terra e Sementes são antecedidas por processos de Formação Política, Técnicas Agroecológicas e Conservação de Sementes Nativas além de Encontros Unitários Regionais de Camponeses e Camponesas. Depois dos encontros de Lichinga, está agendada para os dias 12 e 13 de Setembro de 2013, no Distrito de Marracuene, a Conferência Regional Sul sobre Terra e Sementes. Nos dias 18 e 19 de Setembro está marcada a Conferência Regional Centro sobre Terra e Sementes na Cidade de Tete. Nos três eventos regionais estão mobilizados e engajados camponeses e camponesas, líderes e membros do movimento (homens, mulheres e jovens), representando as 11 Províncias do País e mais 100 distritos.

A Conferência Regional Norte sobre Terras e Sementes constitui um espaço de articulação das Uniões e Núcleo Províncias de Camponeses de Niassa, Cabo Delgado e Nampula articuladas na e pela União Nacional de Camponeses (UNAC) durante a qual haverá uma interação com os Governos de todas as províncias do Pais e todos os actores envolvidos no processo de ocupação de terras em Moçambique. Prevê-se que a mesma seja aberta pelo Governador de Niassa, David Marizane, contando ainda com a presença dos Directores Provinciais de Agricultura de Niassa, Nampula e Cabo Delgado que farão apresentações sobre as “Prioridades e Desafios da Agricultura Familiar” em cada uma das Províncias, além das apresentações dos coordenadores do Programa ProSavana em Niassa e Nampula sobre este polémico e controverso programa e as responsabilidades dos governos provinciais

As Conferências Regionais Norte, Centro e Sul sobre Terra e Semente são divididas em dois momentos distintos: o primeiro dos quais exclusivamente reservado a participação de camponeses e camponesas das províncias de cada região e o segundo é aberto a diversas entidades públicas, privadas, governamentais e não-governamentais e movimentos sociais. As mesmas reflectem o conjunto de demandas, realidades, contextos e aspectos específicos das três regiões do Pais sobretudo tomando em consideração as associações, cooperativas, famílias e comunidades camponesas que enfrentam o avanço das grandes corporações sobre as suas terras e territórios de modo a construir uma abordagem cada vez mais integrada possível, para resistir e defender com eficiência os direitos e as prioridades de desenvolvimento soberano e sustentado das famílias e das comunidades camponesas.

Desde ontem, 26 de Agosto de 2013, cerca de 60 camponeses e camponesas de 13 distritos, entre homens, mulheres, lideranças e agentes de advocacia de Mecanhelas, Cuamba, Metarica, Maua, Nipepe, Marupa, Mecula, Majune, Sanga, Mandimba, Ngauma, Chimbonila e Lago participam do curso de formação em advocacia e políticas, que termina hoje dia 27 de Agosto.

UNAC
Camponeses Unidos Sempre Venceremos!
Lichinga, 27 de Agosto de 2013
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by africa_class | 2013-08-28 22:19 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題