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森友問題、プロサバンナ問題を考える>アーレント「悪の凡庸さ」とグラス「玉ねぎ」を糸口に

森友学園問題によって明るみになった、現政権が着々と築いていた構造の問題。これを、現代アフリカ政治学から読み解く作業の続きですが、一旦休憩。今日発刊された『世界』の最新号「モザンビークで何が起きているのかーーJICA事業『プロサバンナ』への農民の異議と抵抗」に書いたこと、紙幅の関係で削らなければならなかったことを含めて、別の角度から考えてみたいと思います。

『世界』の記事は、次の小農リーダーの発言から始まります。
「JICAによる介入により、肉と骨にまで刻み込まれるような傷を毎日感じています」。
「JICAに伝えます。私たちは、もう秘密を知ってしまいました」。

(2016年11月28日、院内集会でのモザンビークの小農リーダー)。

私は、『世界』編集部から依頼をもらった時に、かつてノーベル文学賞作家ギュンター・グラスが『玉ねぎの皮をむきながら』で行ったように、この「秘密」を玉ねぎの皮を一枚ずつむくように迫っていこうと思いました。

そして、玉ねぎをむき続けて最後に残った芯の部分。
グラスにとってのそれは、「ナチスの親衛隊であった」という封印してきた過去でした。

では、モザンビーク小農が「知ってしまった秘密」という、今私たちの手元にある「玉ねぎ」の芯にあるものは何だったのか?・・・それが『世界』記事の文字数を超えてしまったところで少し書いたことであり、このブログで最後に紹介するものです。


なお、この作業で参考にするのは、ハンナ・アーレントの『全体主義の起原』とアイヒマン裁判に関する一連の論考です。キーワードを先に紹介しておきます。

「匿名による支配」
そして、「悪の凡庸さ/陳腐さ/平凡さ」
最後には、それは一人ひとりの人間としての特質の放棄ー「思考停止」ーの問題に。
(が、今農繁期でして、太陽が出ているために、誤字脱字多しのまま、見直しもないまままたしても掲載することをお許し下さい。)

さて、まずは森友学園問題から。
国会で森友学園問題が追求され始めた今年2月から3月にかけて、政府側の答弁に立たされ続けたのは、現在の財務省理財局長でした。しかし、学園に小学校建設用地買収の許可を与えたのは、前の理財局長(現国税庁長官)とされていたわけですが、現理財局長は繰り返し「前任者に確認する必要はない」「記録は破棄された」と壊れた機械のように言い続けていました。

この「前任者と資料隠し」は、なかなか面白い現象だと思って、見ていました。
(勿論、面白がっている場合ではないのですが…)

結局、当の前理財局長が国会に出てきたのは、籠池理事長の「証人喚問」後で、しかも「参考人招致」に留まり、核心に触れる発言は一切なし。この前局長は、安倍首相の「お膝元」山口県の出身で、このポスト(理財局長)で直々に首相に面談は珍しいといわれる中、何度も官邸を訪れており、大抜擢人事として現職についたのでした。

前の投稿では、これを「ネポティズム/縁故主義」として紹介しました。ガバナンスの問題に直結する大問題ではあるのですが、事態はもっと深刻だと考えられます。

この政権下では、過去の自民党政権下においても、やられてこなかった「介入」と「人事」の問題が、繰り返し指摘されています。

特に、「独立性・公平性」を重視しなければならない、国家と社会、国民に大きな影響を与える機関ーー日本銀行、NHK、最高裁裁判所ーーの人事に、政権側はあからさまな介入を行い、「お友達人事」がされてきました。そして、その効果は絶大なものでした。

なお、ナチス・ドイツにおいても、中央銀行と裁判所人事への介入、政府メディアの掌握は、民主主義・民主的統治を壊し、独裁・全体主義を生み出す上でなくてはならないステップでした。かつて、「ナチスに学びたい」といった閣僚がいましたが、しっかり手順が踏まれているようにも見えます。

1945年に敗戦によってナチス・ドイツや軍国日本の体制が崩壊してから70年が経過しました。私たちは、21世紀という新しい時代を生きるはずだったのに、少なくとも日本で起きていることは、戦前戦中の日本で起きたことやドイツで起きたことと似通ってきました。これは、一体どういうことでしょうか?

これを、皆さんと今後も一緒に考えていきたいと思っています。

今回は、その第一段階ということで、アーレントを手がかりに考えましょう。
さて、『全体主義の起原』から。
この本の第二部では、帝国主義時代における支配が、政治や法律による公的なプロセスを経てなされた決定を通じた統治(ガバンナンス)ではなく、次々に出されていく法令、そして「匿名性を帯びた役所や官僚による統治/支配」になっていったプロセスが描き出されます。

この「匿名性を帯びた役所や官僚による統治/支配」がミソです。

私は、2012年夏に、モザンビーク小農運動の要請を受けて、日本の援助「プロサバンナ事業」の問題に関わるようになって、本当に沢山のことを学ばせてもらってきました。その後、長い闘病生活に入ったために、なかなか色々できないままでしたが、いつかこのプロセスで学んでいることを、事業そのものの問題だけでなく、それを超えて、事業が問題を生み出す構造や意識を含めて考察したいと考えてきました。

テーマとしては、「開発援助にみるコロニアリズム/ポストコロニアリズム」など様々にあるのですが、いつかまとめられる日がくればと思っています。で、2014年春頃だったでしょうか、外務省とJICAから、プロサバンナの意見交換会(2013年1月より、2ヶ月に一度開催)の公開記録から個人名を削除してほしい(でなければ開催しない)・・・との要請がNGOによせられてきたときに、アーレントのこの指摘について考えるようになりました。

なぜ、外務省とJICAは、国際協力事業の話し合いの記録から、個々人の名前を削除したいのか?
そのことによって得られることは何なのか?
そのことによって失われることは何なのか?
・・・そのようなこと考え始めました。

勿論、政府の側からは、「ざっくばらんに話したい」との理由も申し添えられました。しかし、本音は、「自分の発言に責任を持ちたくない」、「自分のものだと分かる形で記録に残したくない」ということであろうと、誰もが思うでしょう。その意味で、この援助事業が問題案件である、あるいは記録に残ると問題化するような発言をする意図がある、と言っているようなものなので、それはそれは重要な論点ではあります。が、私は、この「匿名性の主張」の問題の根っこは、もっとずっと深いように感じていました。

病気の間中、なかなかまとめて書けるには至らなかったので、原稿依頼がきたときに、なんとかこの部分を含める形で書けないかな、と。残念ながら、紙幅の関係から削る必要があったので、このブログでは、少し考えたことを書いておこうと思います。

外務省やJICAの担当者が「匿名性」を求めた背景には、そこにはアーレントがアイヒマン裁判で指摘した「自分の決定ではない」、あるいは「たまたまこの担当をさせられているだけ」で、「職務を遂行しているだけ」であり、「個人の責任を負わされたらたまらない」、との意識があったと思われます。

今、安倍昭恵さんをめぐり、「公人」と「私人」の議論がありますが、多くの官僚や独立行政法人の職員は、同じように「切り離し可能なもの」として使い分けているかと思います。しかし、アーレントは「なぜ私たちはガス室にあれほど多くの人びとを送り込み続けたのか」を考えるプロセスの中で、「自分」とは何か、「人間」とは何か、「責任」とは何かを追求していきます。

そして、結論を先に述べてしまうと、「立場で切り分けられない自分という一人の人間がいる。職務であろうとなかろうと、それをやるということは、自分がやったことであり、その責任は自分にある」と考えるようになります。(後で詳しく説明します)

なお、私は、JICAでプロサバンナに関わった人たちの、「他者を助けたい」と考えた純粋な想いを否定しません。国際協力を志してJICAの一員となった多くの人達が、素晴らしい善意に溢れる人達であることを良く知っています。多くの教え子もまた、そうやってJICAの一員となっていきました。

(なお、「他者を助ける」という物言いの根っこの問題性[主権の侵害]については、別の機会に書きたいと思います。)

しかし、この政権以降のJICAは、国家・政府・政権の一翼としてシステムの中に組み込まれる形で「開発援助/国際協力」を進めており、かつて組織としても一人ひとりの職員、あるいは各部門がもっていた(もとうとしていた)、主体性・自主性・多様性・倫理観といったものを、失っていったように思います。

多くのJICAの関係者はこう言いました。
「止められるのであれば、とっくに止めている」。「政治案件です」「少しでも皆さんがおっしゃるようなものにするため、努力しています」と。

その想いを否定しているわけではありません。
しかし、そう言いながら、2012年末から現在までの4年半の間にやられていたことが何であったのか、知ってしまった今、やはり、これに関わった一人ひとりの皆さんにはしっかり考えてほしいと思いますし、それぞれの責任が問われなければならないと思っています。そして、「何があったのか」については、『世界』に詳しく書きました。

大半のことが明らかになった今、JICAの皆さんが「純粋な気持ち」を強調しながら、裏でやっていたことの矛盾を、この事業という狭い視点からではなく、歴史的経験を踏まえて、より大きな構造から捉えようとしてみたいと思います。それは、日本の開発援助、(半)行政組織、働く一人ひとりが抱えている構造的課題を、炙り出してくれる可能性を秘めている作業だと考えています。つまり、日本の国家と社会、国民一人ひとりの「今」の一端を浮かび上がらしてくれるのではないか、と。

アーレントの分析を続けます。
彼女は、この「官僚制による支配」を「誰でもない者による支配」と呼ぶようになりました。
「匿名性」の影に隠れて、しかし国家や社会、人びとに決定的な意思決定が日常的に恒常的にされ続ける統治のあり方は、一見「支配」だとは見えません。官僚など当の本人たちも、よもや自分と自分の業務が、ある種決定的な意味や結果をもたらすことに繋がる何かを直接やっているとは思わないし、ましてやそれを「支配」だとは思わないでしょう。

だからこそ、大きな方向性さえ決まってしまえば、粛々と物事が進められていく。その際には、個々人の葛藤や矛盾は呑み込まれていき、これを自らの問題として考えず、責任をとる必要もないと考える「誰でもない」「匿名者」が「職務」としてせっせと方向性の維持に献身していった結果として、大きな力をもって破壊が構造的に生み出されていきます。

これを、アーレントは、ドイツが「反ユダヤ主義」を経て「帝国主義的膨張」に向かい、「全体主義」を構築するプロセスを第一部から第二部、第三部という手順で、丁寧に描いているのですが、ここはややこしいので省きます。

ただしキーワードだけ、今後使う可能性が高いので、取り出しておきます。
対外膨張主義が真理であるという思考
+人種主義(選民意識と排除の意識)
+官僚制(意思決定の匿名性)
=すべてが必然(宿命)として捉えられる(「この道しかない」)

つまり、「必然/宿命性を帯びた方向性」を与えられた「誰でもない者」が、せっせと行う日々業務によって、全体主義体制が支えられるという主張です。そして、アーレントの思想の肝であると考えられる点としては、「人間の無意味化」という考えがあります。

つまり、多数の命を扱うような重要で破壊的な政策や事業にたずさわっているにもかかわらず、その遂行者(官僚やその他)による個別のアクションや判断、責任は、当人自身によって「無意味なもの」と捉えられているため、罪悪感や抵抗感を持つことなしに、進められるという話です。つまり、「誰でもない者」が「意味をもたない(決定しているわけではないと考えられる)作業」を通じて、自己と他者を「無意味化」していくプロセスを、「誰でもない者による支配」として示したのです。

これが、「独裁」や「専制」と、全体主義が異なる点です。
今話題の「忖度」にも繋がる点ですが、真実を霧の中にしてしまう問題があるので、これをもっと、ではそのように「忖度」に敏感に反応してしまう個々人の官僚の構造的・個別的問題はどこにあるのか・・・まで、考えているのがアーレントの特徴です。

そして、官僚の「忖度」の大前提として、社会の中で「群衆化」される個々人の存在がいる。さらには、その政策的被害にあう人びと(例えば、沖縄の反基地運動で座り込んでいた人びと)もまた「無意味化」されます。

アーレントは、「強制収容所のなかでの人間の無用化」と「世界の中で現代大衆が味わう自己の無用性」が、関連しあって展開していったのが、この全体主義の特徴だったといいます。そして、全体主義は、犠牲者側の人格だけでなくシステムの中で加害を行う側の道徳的人格も破壊する。ガス室や粛正は忘却のシステムに組み込まれ、死も記憶も行為も、無名で無意味化する。

そして生じたのは、善悪の区別の崩壊でした。

個々の人間の特性や自発性はないものとされ、人間そのものを全体的に支配すること、そのためシステムでもって人間を作り替えていこうとすることが、全体主義の特徴であり、これが独裁や専制とは異なっていた点として明示されます。(この論点は、今の日本にあてはまるのでまた今度。)

体制が制御できない個人の多様性や自発性、つまり「人間の複数性」は「悪」とされ、具体的な「NO」あるいは抵抗の声や運動は、「悪」として叩き潰されるだけでなく、生まれてくる前に抹消されるべきものとして、「余計な者」(存在してはならない者)とされていくといいます。そして、ユダヤ人、ロマの人びと、障害者、野党の人達が殺されていきました。

この本の後に、『エルサレムのアイヒマン』がNYTで連載されます。
アドルフ・アイヒマンは、ナチ親衛隊かつ「ユダヤ問題」の専門家として注目され出世し、秘密警察のユダヤ人部門の担当者を経て、占領地のユダヤ人の強制収容の移送指揮をとっていました。戦後、アルゼンチンに逃れたが、イスラエルに捕まり、1961年にエルサレムでの裁判が開始します。

アイヒマンは、繰り返し官僚用語を使って、自分の意志でやったことではない。決めたのは自分より偉い人達である。したがって、自分には責任がないと言い続け、彼個人の責任を認めようとはしませんでした。この言い訳は世界中から侮蔑され、罵倒されました。多くは、アイヒマンやその他のナチの指導者や関係者が、サディスト的狂人や怪物であると考え、極刑を与え、罰することを求めました。ただ、アーレントは違いました。それでは本当の悪が炙り出せないと考えたのです。

アイヒマンが「偉い人たちが決めたことを遂行するだけの自分には罪がない」と主張し続けたことを受けて、「必然的な義務」としてなされたとき、「悪は悪として感じられなくなる」・・・それこそが「人類最大の悪だ」と説いたのです。

彼女はさらに思考を深め、アイヒマンのような人びとが「命令に服従しただけ」と語り続けることに対して、「服従ではなく、命令を支持した」と言うべきだと主張します。そうでわければ、「人間という存在」に備わってきた、「思考する(できる)主体」としての特質、尊厳と名誉が取り戻せないーーつまり、自ら「無用化」してしまうことになり、人間性を放棄することになるーーと主張しました。

また、役人が自らを「歯車」と位置づけ、実際にそうだったとしても、結局その罪が裁かれる際には、「一人の人間」としてである現実も突きつけました。

そして、「仕方なかった」「職務を離れなかったのは悪い事態を避けるため」「留まることで、より責任を引き受けた」との主張に対して、これは「不参加・非協力の可能性の放棄」であったと断定します。

そして、ホロコーストのような「世界最悪の悪」を生み出した根底には、一人ひとりの思考停止状態(自己なる対話の不在)による、「体制への支持・協力」があったと結論づけたのです。

この厳しい追及が向けられた先は、何も「官僚」だけではありませんでした。
ただ何もしなかった、そして抵抗しなかったすべての人に向けられたのです。


以上、では私たちの「玉ねぎ」の芯に残ったものは何か?

おそらく個別には、あえてここで書く必要はないと思います。
それはなにもJICA関係者に限ることではなく、私たち国民の一人ひとりもまた、これに連なります。

そして、強調したいのは、モザンビークで起きたことは、沖縄で今起きていることと同時代性を有しているということです。

沖縄で起きたこと。
「軍属(元海兵隊隊員)」による性暴力と殺害を受けて「治安維持のため」と称して全国から沖縄に送り込まれたマスクと匿名性の影に隠れた機動隊員による反基地建設への反対運動への暴力的弾圧。
地域社会に「賛成派」を創り出すために投じられた巨額の税金。
「賛成派」を取り上げる御用番組の制作。
これらを命じる人達は遠くにいて、手を汚さない。

そして、これが可能な背景には、日本政府と沖縄の圧倒的非対称的な関係があります。
暴力的に併合された過去。
そして、本土決戦の犠牲になった沖縄。

日本の政府やJICAの「国際協力」が、構造上、決して水平的な関係ではなく、垂直的な関係で行われるように。
そして、決定的な関係の非対称性に、資金が伴うことによって生み出される権力性・暴力性に、私たちはどの程度自覚的であり得るでしょうか?

この構造の中で、何重にも客体化され、国家暴力の直接の対象となる沖縄やモザンビークで抵抗する人びと。自ら思考したからこそ、抵抗を決め、立ち上がる人びとを、全体主義はもっとも嫌います。その主体性、自主性、複数性、個別性こそが、全体主義や「誰でもない者の支配」を揺るがすからです。何より、「日々の業務が前に進まない」ことは、官僚的支配の最大の「悪」ですから。

しかし、責任をJICAだけに押し付けてもいけない。これは日本の現政権の姿を表すとともに、無関心を決め込む私たち日本の社会、国民の姿をも表しているといえます。たった1週間の滞在で見破った小農の一言があまりに重いです。

「申し訳ないが、言わせて下さい。JICAがモザンビーク国民を傷つけているとすれば、それは日本国民がそうしているのです」

小農はもう十二分に頑張りました。沖縄の人びとがそうであるように。
本当の課題は、私たちの国家と社会にあるのです。
ボールは私たちにこそあるのです。
詳しくは、『世界』を読んで下さい。
https://www.iwanami.co.jp/book/b286018.html

あるいは、NGOや市民の皆さんの渾身の情報箱を
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/prosavana-jbm.html
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
https://www.facebook.com/%E3%83%A2%E3%82%B6%E3%83%B3%E3%83%93%E3%83%BC%E3%82%AF%E5%B0%8F%E8%BE%B2%E5%BF%9C%E6%8F%B4%E5%9B%A3-1060343997409346/?hc_ref=PAGES_TIMELINE

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by africa_class | 2017-04-09 00:32 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

レクチャー&交流会3/5@大阪「いまモザンビークで何が起きているのか?〜」

1年ぶりのレクチャーを行います。
【レクチャー&交流会(3/5 in 大阪)】
「いまアフリカ・モザンビークで何が起きているのか?
~『日本のための資源・利益』が奪う小農の未来とオルタナティブの可能性」

今回は、3/5に大阪で開催されるイベントのお知らせです。
ぜひ、ふるってご参加下さい。

(転載・転送歓迎)
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レクチャー&交流会(3/5 in 大阪)
「いまアフリカ・モザンビークで何が起きているのか?
~『日本のための資源・利益』が奪う小農の未来とオルタナティブの可能性」
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-233.html
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【日時】:2917年3月5日(日曜日)17時~20時
*レクチャー:17時~18時半、交流会:18時半~20時
【場所】:Cafe TIPO8 http://www.cafetipo8.jp/
【住所】: 大阪市北区中津5ー2ー9
【アクセス】: 大阪駅から徒歩10分、阪急中津駅から徒歩10分。
(*梅田スカイビルのお向かいです)
【講師】:舩田クラーセンさやか
(明治学院大学国際平和研究所研究員/元東京外国語大学准教授)
【参加費】:2500円 (モザンビークの幻のコーヒー[ビコ]、ハーブ茶、軽食付き)
*レクチャーのみ:1500円(ハーブ茶つき)
*交流会のみ:2000円(ビコ・軽食つき)
(*「一苗サポーター」の方はレクチャー&交流会あわせて2000円です)
【定員】:30名 (ぜひ交流会と共にご参加下さい)
【申込み】:以下URLにお名前・ご連絡先(メール)をご登録下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/166a9da5492496
【主催】:カフェモサンビコ・プロジェクト
http://cafemozambico.blog.fc2.com/
【協力】:モザンビーク開発を考える市民の会
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
【お問い合わせ】:カフェモサンビコ・プロジェクト 事務局
cafemozambico<@>gmail.com
=============

私たちが大好きだったモザンビーク。
だから応援してきた。
でも、たった5年ほどでモザンビークは劇的に変わってしまいました。
そのことに日本も無関係ではありません。
私たちは、これからモザンビークとどうつき合っていいのか、戸惑いのただ中にいます。

このレクチャー&交流会では、参加者の皆さんと次のようなことを一緒に考えたいと思います。

・今モザンビークで何が起きているのか?
・それに日本はどう関わっているのか?
・現地の人口の大半を占める小規模農民たちはどう感じているのか?
・どのようなオルタナティブが可能なのか?
・私たちはどのような未来をどのような形で創っていきたいのか?
・モザンビークの人びとと一緒に何ができるのか?

ぜひ、沢山の方にご参加頂ければと思います。
レクチャーの後に交流会を行います。
「コーヒー非生産地」とされてきたモザンビークですが、在来種のコーヒー「ビコ」をご試飲頂けます。
ふるってご参加下さい。

【講師からの概要】
私たちは、食料・エネルギー源・原材料の多くを海外に依存しています。
でも、これらの資源を提供してくれる国の社会・人びと・環境にどのような影響を及ぼしているのかについて、あまり考える機会はないかもしれません。そして、これまでアジアを重点的に資源開発してきた日本が、アフリカに進出して、何をしているのかについても、あまり耳にすることはないでしょう。

アフリカには54カ国あります。
その中でも、南東部アフリカにあるモザンビークが、日本の経済開発の「最重点国」となっていることはご存知だったでしょうか?

日本は、2009年にモザンビーク北部のナカラ回廊沿い地域で、鉱山(石炭・天然ガス)・農業(プロサバンナ事業)・インフラ(鉄道・道路・港湾)開発に大々的に取り組むことを決定しました。2014年1月には安倍首相が19企業・機関を引き連れてモザンビークに行き、「ナカラ回廊開発に5年間で700億円を供与」を約束しています。

あれから3年。
日本政府は、2015年に292億円の円借款を行った他、数十億円規模の無償援助を続けています。日本企業各社は、内陸部で石炭を掘り、海上で天然ガスを採掘し、鉄道や港湾設備の新設・改修に関わっています。

しかし、モザンビークでは、2013年から武力衝突が再燃する一方、数々の暗殺・脅迫事件、ガバナンスの悪化、土地の大規模な収奪が頻発しています。日本企業が進出する炭鉱地区から1万人を超える難民がマラウイに流出している他、去年は石炭貨物列車が攻撃されています。

その最中に、モザンビーク前大統領と国防省(現大統領が当時の大臣)が関与した「隠れた&消えた巨額融資」問題が発覚し、IMFや西側各国は融資や援助を緊急停止して、政府のガバナンス改善のために力を合わせているところです。しかし、日本はどこ吹く風で大規模投資と援助を繰り返しています。

先日来日した農民組織のリーダーたちは、一連の日本が関わる「ナカラ回廊開発」に「NO!」を表明しています。なぜなら、石炭やアグリビジネス、植林・鉄道開発によって多くの土地を奪われている他、農業援助プロサバンナ事業で人権侵害や市民社会への分断介入が続いているからです。

国際開発学会での農民たちの発言に対して、日本の開発研究者が「開発に犠牲は付きものではないのか?」と問いました。それに対して、ある農民リーダーはこう問いかけました。
「日本の皆さんが決めることですが、皆さんは幸せですか?皆さんは苦しみの開発にYESなのですか?」
「私たちは、苦しみ/哀しみの開発にNO。幸せのための開発/発展のプロセスにYES」と。

この農民リーダーは、東京だけでなく原発事故に苦しむ福島と限界集落化しつつある兵庫県中山間部を訪問しています。そして、地元の農家の皆さんと語らう中で考えた結果、以上のように答えたと言います。

2011年3月11日に起きた東日本大震災は、日本の私たちに「犠牲を伴う開発」について、多くの問いを投げかけました。モザンビークで私たちの援助や投資がもたらしている現実は、他人事ではありません。と同時に、「日本の食料・エネルギー・利益をどうするのか」という疑問もあるでしょう。

それを乗り越えていくためのヒントを、モザンビーク農民の声を紹介しながら一緒に考えていきたいと思います。

【講師プロフィール】
舩田クラーセンさやか
(明治学院大学国際平和研究所 研究員)
元東京外国語大学大学院准教授。「紛争/暴力と平和」の専門家として、アフリカー特にモザンビークの歴史・政治社会・経済を研究してきた。2012年、モザンビーク農民組織の要請を受けて、日本とブラジルが同国北部(ナカラ回廊)で実施するProSAVANA(プロサバンナ)事業、ナカラ経済回廊開発、そして土地収奪の問題に取り組むようになる。現在は、グローバルな食と農・暴力をめぐる諸問題の研究に従事する一方、国際的な学術グループや市民・当事者間のネットワークづくりをサポートしている。また、エネルギーと食料の自給の実践、ハーブや薬草の研究を積み重ねつつ、「里森生活」を合い言葉に、森の薪と枝だけで調理中。主著書に、『モザンビーク解放闘争史』(御茶の水書房、日本アフリカ学会奨励賞)。共著に『The Japanese in Latin America』(Illinois UP、全米The Choice50選)、編著に『アフリカ学入門』(明石書店)など。

【参考サイト】
*「モザンビーク開発を考える市民の会」のブログ
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
*「アフリカ日本協議会(AJF)」の関連サイト
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/
*「日本国際ボランティアセンター(JVC)」の関連サイト
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/prosavana-jbm.html
*市民による「モザンビーク小農応援団」のフェースブック
(上記の来日農民の皆さんの声などが満載です)
https://www.facebook.com/%E3%83%A2%E3%82%B6%E3%83%B3%E3%83%93%E3%83%BC%E3%82%AF%E5%B0%8F%E8%BE%B2%E5%BF%9C%E6%8F%B4%E5%9B%A3-1060343997409346/?hc_ref=PAGES_TIMELINE

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国際開発学会@広島大学で発表するモザンビーク市民社会の代表の様子。
私の故郷ニアサ州の農家の息子さんです。
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by africa_class | 2017-02-16 03:12 | 【記録】講演・研究会・原稿

【カフェ&ハーブトーク】 私たちのCuras(暮らし&治癒)・食・農・エネルギーから考える日本・ アフリカ・世界の今そして未来 〜最終講義in Osaka〜」

決定しました。以下、ぜひふるってご参加下さい。
なお、Curasは、ポルトガル語のcurar(治す・癒す)から。私が「暮らす」と書いていたら、大学時代の同級生がこう当て字してくれたのだけれど、凄く良いと思って、今後これを使っていこうかと思います。現役生のポスターも届きました。最終講義後に同じ会場で行われる「カフェ・モサンビコParty」も是非よろしくお願いします。

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【カフェ&ハーブトーク】
私たちのCuras(暮らし&治癒)・食・農・エネルギーから考える
日本・ アフリカ・世界の今そして未来
〜元東京外国語大学舩田クラーセンさやか准教授の最終講義in Osaka〜」

日時:2016年3月26日(土曜日)16時半~18時
場所:Cafe Tipo 8  http://www.cafetipo8.jp/
(大阪グランフロントのすぐ前です)
大阪市北区中津5丁目2番9号
TEL: 06-6136-3184
参加費:1,500円(カフェビコブレンド、ハーブ&野草茶、お土産あり)
定員:30名 
お申込み:3月25日[金]正午までに下記メールアドレスにお申込み下さい。
(お名前・ご連絡先メールアドレス)
cafemozambico@gmail.com
主催:カフェ・モサンビコ・プロジェクト
http://cafemozambico.blog.fc2.com/

カフェ・モサンビコ・プロジェクト代表でもある舩田クラーセンさやかさん(元東京外国語大学大学院准教授:2004年〜2015年)の最終講義の関西版です。4月9日(土)に東京にて開催される「最終講義」(http://afriqclass.exblog.jp/22545316/)を関西でも開催してほしいという要望にお応えし、最終講義の中でも「食・農・エネルギー」と「日本とアフリカ、世界の関わり」の部分に焦点を当てた企画を考えてもらいました。

国際関係学の中でアフリカや世界の平和・戦争・開発の問題を考えてきた研究者が、なぜ食・農・エネルギーの問題に実践的に取り組むことになったのか。そして、いま日本で進行中の社会問題とアフリカや世界で起きている現象がどのように「地続き」であるかについて、関西風味で一般向けに面白く分かりやすくお話頂きます。

その上で、ドイツでの「里森」・ビオトープ・菜園・薪クッキングストーブ・発酵を活用した生活実践を紹介してもらい、オルタナティブとしての「日々の暮らし&治癒(Curas)」の可能性を、ドイツ直送のハーブや野草茶を頂きながら一緒に考えます。

また、モザンビーク北部の村のママたちや現地大学生たちと共に取り組む在来コーヒー(ビコ)の試飲も可能です。世界でカフェモサンビコプロジェクト&Tipo8でしか味わえない「ビコ・ブレンド」、ぜひお楽しみに!

このカフェ・モサンビコ・プロジェクトの説明については、同日同会場にて18時からパーティを開催しますので、あわせてご参加頂ければ幸いです。パーティの方は、コヒーの専門家によるプレゼンや学生による現地報告あり、音楽あり、クイズありの大人でも子どもでも楽しめる内容となっております。こちらもあわせてご参加下さい。
詳細→http://cafemozambico.blog.fc2.com/blog-entry-30.html

<カフェ・モサンビコ・プロジェクトParty>
日時:3月26日(土)18時〜20時@Cafe Tipo 8
参加費:2000円(軽食・飲み物つき)

パーティのご参加についても同じ予約メールで結構です。
*但し、「最終講義・パーティ参加」「最終講義のみ参加」「パーティのみ参加」などとご明記下さい。
cafemozambico@gmail.com

皆さまのご参加を楽しみにお待ちしております。

2016年3月10日
カフェ・モサンビコ・プロジェクト一同

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by africa_class | 2016-03-12 06:38 | 【協力】カフェ・モサンビPJ

政治利用される南スーダン紛争とアルジェリア人質事件、再考されるべきアフリカ資源国との付き合い方

メリークリスマス!
と楽しくいきたいところが、中東やアフリカで起きている殺戮や住民らの抵抗のことを考えると、なかなかそうもいきません。

1. クリスマスの世界の暴力
今朝、ローマ法王も、シリア問題、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、南スーダンで起きている事態が沈積化するように、世界の注目喚起と平和への対応を呼びかけました。
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-25514624

シリアのアレッポで政府軍が空爆を繰り返し400人の住民が犠牲になったとの情報も。
ヒューマンライツウォッチの記事。
http://www.hrw.org/news/2013/12/21/syria-dozens-government-attacks-aleppo

学校の近くが攻撃され子どもたちが犠牲になっています。
http://www.aljazeera.com/news/middleeast/2013/12/syrian-bombing-kills-children-near-school-2013122211955116895.html

クリスマスの朝だからこそ、同じような気持ちで祝えない子どもたちや家族のことを考え、少し時間を取って世界の暴力的状況について考える機会を設けてほしいと思います。

2.アフリカの紛争を政治利用する日本の為政者たち
何より、今日本のアフリカ関係者として特に考えたいのは南スーダンの状況です。

自衛隊がPKO活動のために同国に400名近く展開している(UNMISS)ことを受けて、この紛争自体が日本の国内問題と関連づけられる事態になっています。

自衛隊の停戦監視業務への参加の手法や武器輸出3原則が、「紛争地の現実にそぐわない」という主張により、拡大解釈の道を切り拓いていく可能性の問題です。

既に、銃弾の韓国軍の供与が、「こういう状態なら仕方ない」という事例づくりのために利用され始めています。これは今回日本の軍国化に警戒する韓国に対して行われたものだったために、韓国政府の以下の記事のような反論が出て、政治利用を難しくいていくでしょうが、これがもし日本の軍国化を後押ししたい他の国の軍隊への供与だったら、「日本政府と自衛隊に感謝する」という声明を出させることで、一気に日本国内の世論の誘導が行われたことでしょう。

■防衛相の同ミッション基礎概要資料
http://www.mod.go.jp/j/approach/kokusai_heiwa/s_sudan_pko/pdf/gaiyou.pdf

■南スーダン:日本が政治利用、韓国政府が批判…朝鮮日報
http://mainichi.jp/select/news/20131225k0000e030175000c.html
南スーダンで国連平和維持活動(PKO)実施中の韓国軍に対して陸上自衛隊が行った弾薬提供に関連し、韓国紙・朝鮮日報は25日、韓国政府が「日本政府がこの問題を政治利用している」として外交ルートで強い遺憾の意を伝えた、と報じた。韓国内では、日本の集団的自衛権行使容認に向けた布石ではないかと懸念する見方が出ている。・・・韓国政府関係者の話として、「国連南スーダン派遣団(UNMISS)を通じ、迂回(うかい)して実弾(弾薬)の支援を受けただけなのに、日本側が軍事的な役割を拡大する動きと結び付けようとしている」と伝えた。・・・韓国では安倍内閣の掲げる積極的平和主義への警戒感が強く、他の朝刊各紙も、韓国が積極的平和主義を「正当化」する役割をしたなどと報じた。

今、自衛隊の「撤退」「継続」が議論されています。
ここにも憲法改正につなげる政治利用の意図が見え隠れします。

冷戦が終わるまで、自衛隊の海外派遣は憲法上問題があるものとして認識されてきました。それを可能としたのが、国際平和協力法の制定でした。その際、以下の基本方針が決められ、以下の原則のもとでPKO(国連平和維持隊)への参加が可能となりました。

PKO参加5原則:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/pko/pko_sanka.html
1.紛争当事者の間で停戦合意が成立していること。
2. 当該平和維持隊が活動する地域の属する国を含む紛争当事者が当該平和維持隊の活動及び当該平和維持隊への我が国の参加に同意していること。
3. 当該平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。
4.上記の基本方針のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から参加した部隊は、撤収することが出来ること。
5. 武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること。

今回の南スーダンへの自衛隊も以上の原則に基づき派遣されたものでした。しかし、今回冒頭の1.が破たんしています。つまり、合意原則違反となっています。

しかし、憲法改正を狙う現政権は、南スーダンで生じている不幸を使って、この原則自体を反故する可能性があります。国連事務総長により6千人の増派が要請される中、「撤退は許されない」という声が大きくなることと思われます。

勿論、南スーダンの事態を放置していいという話ではまったくありません。しかし、日本政府やメディア、日本市民は、例えばこの間コンゴ民主共和国や中央アフリカで起こっている悲劇に対して、これほどまでに注目してきたでしょうか?政治的に高いレベルで話し合ってきたでしょうか?

南スーダンで生じている事態は深刻で、直ちに対応が不可欠ですが、南スーダンだけで生じているわけでも、今日いきなり始まったことではありません。なぜ、今、このように注目されているのか・・・自衛隊がそこにいるからでしょうが、「存在」だけのせいではなく、今まさに日本国内で現政権により憲法改正が狙われているからにほかなりません。

日本においては、アフリカの悲劇・紛争すらも、政治利用のネタなのです。

3. 同じことはアルジェリア人質事件でも

同様に、自衛隊機の海外派遣、特定秘密保護法においても、アルジェリア人質事件の政治利用がみられました。 海外での緊急時に自衛隊による在留邦人の陸上輸送を可能とする改正自衛隊法が成立したわけですが、これについては既にこのブログでも書いた通りです。

■アルジェリア人質事件で自衛隊法改正?「火事場ドロボー」の責任回避、「世界民衆から嫌われる日本」への道
http://afriqclass.exblog.jp/17198314/

そして、懸念した通り、政権の責任などはどこ吹く風で、どさくさに紛れた自衛隊法の改正がありました。
さらに、「米国や英国政府からこの事件に関する情報が得られなかったのは日本の機密情報の保護法が穴だらけだから・・・」などと、実しやかに主張され、「外国にいる邦人保護」などといって特定秘密保護法が成立してしまいました。

しかし、思い起こしてほしいのは、これらの政府の中で人質事件の発生を事前に察知して予防のための方策を講じていた政府など皆無であったということです。人質事件は予防されることなく発生し、起きた後も止めることは不可能でした。つまり、「邦人保護」と「機密情報の融通」は無関係だったのです。

むしろ、はっきりしたのは現地日本大使館や外務省、官邸の危機意識、情報収集能力の低さでした。これは、「諜報情報」ですらなかった。現地事情の把握、分析、理解・・・のことであり、その仕事は軍事以前に政治・社会的なものでした。

なぜなら、アルジェリアは1992年の選挙に端を発した内戦が、完全には終結したとはいえない状態のまま、リビアの内戦の影響を強く受けて反政府勢力が力を盛り返しつつあったからです。
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-14118852

もちろん、日本大使館にアラビア語話者がほとんど皆無であり、エリートが使うフランス語だけを使って情報あるいはコミュニケーションを取っていたことも大問題でした。しかし、外国メディアですら、アルジェリアの政治・軍事的リスクは明確に報道していたわけで(以上記事)、対して苦労することなくこれらの情報は入手可能でした。しかし、このようなリスクの中で、日本企業も進出し、現地大使館はあいかわらず政権関係者とばかりつきあって、それでよしとしていた。

1992年の選挙は、イスラム教系の党の勝利でした。フランスとの植民地戦争を戦った現政権(FLN)は、それを「無効」として、内戦が始まりました。つまり、アラビア語の理解がなく、フランス語あるいはフランス語話者の政権関係者を通してアルジェリア情勢を理解し続ける限り、大多数者の想いや動向に鈍感になるということなのです。

他方、アルジェリアは豊富な石油とガスによって、外資の流入を受け、利権により豊かになる政権中枢の一報での大多数者らの貧困が社会問題として浮上していました。そんな中、2011年に食料価格の高騰を受けて、治安部隊と民衆が衝突が起こりますが、これを政府は非常事態宣言が出して力でねじ伏せようとしました。「アラブの春」とリビアの政権崩壊は、この国の社会情勢をさらに不安定化させ、それに乗じた反政府勢力の侵入を容易にしたわけです。

日揮の社員が、空港からプラントまで政府軍のエスコートを受けなければならなかった事実を、もう一度考えてみましょう。そのような国に出て行って、ビジネスをするということの意味を、「自衛隊機の派遣の有無」「機密情報の共有」という狭い議論に押し留める問題を、今一度考えてほしいと思います。

本当に日本企業や邦人がターゲットになりたくないのであれば、どうすればいいのか?なぜ、世界は日本の人間にとって以前よりも危なくなっているように感じるのか・・・そのことのルートコーズ(根本原因)を考えることなしに、日本の世界との関係の仕方の問題を問い直すことなしに、いくら日本の文脈で議論しても、将来の危機を予防することにはなりません。

これは、「日本人のきき」の問題に留まらず、現地社会に暮らす圧倒的多数の武力とは関係のない、むしろそれによって犠牲になる一般市民、とりわけ女性や子どもたちの直面する危機の問題に直結しているのです。自衛隊を派遣するか否か、駐留させるか撤退させるか・・・以前に、やれることがあったはずです。

それは、「紛争を増長するような政治経済社会体制を支援しない」=Do No Harmです。


4.南スーダンの悲劇を「部族衝突」とする単純さと問題

アルジェリア危機も、南スーダンの危機も、もうずっと長い間危機状態にあるコンゴ民主共和国の危機も、豊富な天然資源との関係が深いです。

結局のところ、資源が豊かな国で、民主的な統治が実現困難となっている事態・・・と問題は直結しています。これは、単に民主主義の定着・・・といった政治学上の概念の問題ではなく、資源を外国資本に譲渡する権利を有している「現政権」による腐敗と癒着、不正・・・が、結局は不満を抱える民衆の反乱や蜂起を押さえ込むことを外資・外国政府が暗に期待し、治安維持と称する政治暴力を積み重ねていることと関わっています。

つまり、非民主的な統治という社会・政治問題を抱える資源国に対して投資を行う企業や国々自身の問題なのです。問題は、ブーメランのように跳ね返ってきているわけで、そのことを抜きにいくら「危機管理」をしようとも、不正義の放置のままでリスクが減るわけではありません。むしろ、危機は高まっていくのが、歴史が示してきたことです。

ましてや、アルジェリアもスーダンも戦争を経験してきた国でした。

南スーダンの現在の事象を「部族衝突」として、「部族が違うから殺し合うのだ」と理解を単純化することは、なぜ今回の衝突が起こっているかの真の原因から目をそらさせます。さらに、このような単純な認識が、この事態に対し、「和平に協力する」といって身を乗り出す勢力が、実の所「紛争原因を創り出している主犯」でもあることを忘れさせてしまいます。

今回の南スーダンで生じている暴力対立の原因を、アルジェリアと同じような視点で分析し直すとみえてくることは・・・・南スーダンの多民族状況と同様に非民主的な統治の問題が明確になります。

このような事態になる前に、南スーダン政府の腐敗の問題はよく知られてきたことでした。
南スーダン政府の汚職度は175カ国中173位。
http://www.transparency.org/cpi2013/results
南スーダンより悪い国々は、スーダン、アフガニスタン、北朝鮮、ソマリアだという点に深刻さが明確になるでしょうか?

私が、南北スーダンの問題と「新生国家」南スーダン政府の汚職問題に危惧するようになったのは、土地収奪(ランドグラッビング)問題に関与するようになってからのことでした。何故なら、南スーダンは、世界で最も広い面積の土地を取り引きされた国の第3位、アフリカ大陸で1位の国だったからです。その面積は、実に350万ヘクタール(日本の農地面積は456万ヘクタール)で、独立して未だ3年も経っていないのにもかかわらず・・・です。
http://www.landmatrix.org/get-the-idea/web-transnational-deals/

このことは、当然ながら、紛争後の国の民主統治上の問題を想起させます。しかし、この間、南スーダン政府の腐敗の問題、非民主的統治の問題について警鐘を鳴らす分析者の数は多くはありませんでした。特に、同政府内で進む同一エスニック集団によるドミナンスは、長い戦争から独立を果たしたばかりの南スーダンにおいて危険な行為であることは明らかでした。

2013年2月22日の以下の記事はその中でも、この問題を先取りした良い記事でした。ここでは、南スーダンで、民主主義や表現の自由が後退していること、政権を批判する人びとへの弾圧、人権侵害、暴力が指摘されており、それへの政府治安関係者の関与が言及されています。そして、南スーダンが分離独立した(北)スーダンの政府と変わらない・・・ことが指摘されています。しかし、次から次へと市民が消えているのに、人びとは恐怖のためにこのことを話さない・・とも。

■世界で最も新しい国・南スーダンで生まれる恐怖
Fear stalks South Sudan, the world's newest country
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-21548477
David De Dau, who campaigns for freedom of expression in the capital, Juba, says the optimism of just a short while ago is fading fast amid widespread government repression, continuing violence and abuses of human rights against those who criticise it.

"The whole society, the whole community is traumatised. People are living in fear.
"People are losing trust in the government they voted for."
人びとは、自らが投票した政府に対する信頼を失っている・・・と。
英国政府は、援助の停止を検討したもののこの時点ではオプションではないとしていました。

世界はこの間、何をしていたのでしょうか?
日本政府はこの間、南スーダン政府についてどのように対応してきたのでしょうか?
日本のNGOは?
研究者は?
今年、共同研究会で、南スーダンでの国際研究大会が開催されたのですが、その時このような点について議論されたのでしょうか?
残念ながら、私もまた、このような事態に疎かった・・・と認めるしかありません。

しかし何より、南スーダンに集中する石油資源目当てに、南北スーダン戦争と同国の分離独立を支援してきた米国政府の対応が、問われるべきでしょう。SPLAへの大きな影響力を持つ同国政府は何をしていたのでしょうか?

現在起きている事態について、「部族衝突」という単純化された話が繰り返されています。こうすることで得するのは、「出口のない衝突だから世界平和のために現地で軍事行動を強めなければならない」という前提のもとに潤う人達です。政権中枢への批判勢力の封じ込めの治安部隊や政府軍の暴力が放置されることで報復に次ぐ報復がおこっていった・・・ことを忘れてはならないのです。

現象として起きている「エスニックな大量殺戮」について、「」なしで論じることの問題はまさにここにあります。以下にもあるように、治安部隊によって殺戮がなされたことが指摘されていることは重要ですが、当初の日本の報道にはこのような指摘はほとんどありませんでした。

■South Sudan sees 'mass ethnic killings'
(2013年12月24日)
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-25502457
The violence follows a power struggle between President Salva Kiir, a Dinka, and his Nuer ex-deputy Riek Machar.
A reporter in the capital, Juba, quoted witnesses as saying more than 200 people, mostly ethnic Nuers, had been shot by security forces.

本来は政治問題だった問題が、こうやって放置される中、軍事問題と化していった事実を抜きにして行われる議論こそが、問題の真の解決を難しくしていきます。

ようやく以下のような報道も出てきました。
「石油収益、第三者預託を」 南スーダン政府と対立の前副大統領
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131224/mds13122412380006-n1.htm
南スーダンのマシャール前副大統領は23日、同国の石油収益は政府ではなく第三者に預けられるべきだと、ロイター通信などの電話取材に対して語った。政府と対立するマシャール氏の支持派は、油田地帯の北部ユニティ州の州都ベンティウを掌握している。 マシャール氏は、政府が拘束した自分寄りの政治家を釈放すれば、政府との交渉に応じるとの意向もあらためて表明した。(共同)

勿論、反政府勢力の武力行使も許されるものではありません。しかし、「部族衝突」という見出しをつけて、問題を矮小化することによって得られる解決の道は、中長期的にみて狭められるだけになります。

なお、ガーディアンに掲載されたAlex Vinesの記事はとても的を得たものだと思うので紹介しておきます。論旨は以上の私のものと同様です。要は、現政権が過去18か月間にどんどん権威主義化を進めてきたこと、エスニックな様相が動員されていること。エリート間の権力闘争であること。公平なる分配が可能な国家形成こそが重要なこと。
http://www.theguardian.com/commentisfree/2013/dec/26/halt-crisis-south-sudan-civil-war?CMP=twt_gu
・Kiir has become increasingly authoritarian over the past 18 months and his total ministerial reshuffle in July improved nothing.
・An elite power struggle within the tiny leadership looks to be drawing the whole country into a full civil war that is rapidly developing ethnic dimensions. There seems little that outsiders can do about this currently except contain the crisis and encourage South Sudan's political leadership to step back from the brink and re-focus on building a viable state that will benefit all their citizens.

5.アフリカの資源国政府とどう付き合うべきか
アフリカの資源国で現在起きている事態、あるいは今は武力紛争が起きていないものの、いずれ起きる可能性が高い国々が出てきていること・・・について、資源に依存して暮らす日本の私たちこそ、注目していくべきでしょう。

しかし、今年のTICAD V(アフリカ開発会議)や安倍総理のアフリカ訪問が、「資源外交」の一環に位置付けられることにあるように、日本政府は相も変わらず「現政権と仲良くすればそれでいい」外交を基本としています。これは、政治リスクが高まりつつあるモザンビークのゲブーザ政権との関係でも明白です。
詳細→
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-62.html
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-64.html

非民主的統治、そして民衆の不満や批判的市民の弾圧・・・は、次なる危機の明確なサインであることは、もはや明らかです。アラブの春以降は、もっとこのリスクは大きくなりました。腐敗政権と無批判に握手すること、資源さえ入手できればそれでいいと考える投資や援助・・・は、現地社会に悲劇をもたらす一助になるとともに、日本の国民の危険を高めるだけです。

いい加減、日本の外交がこのような現地情勢分析を、現政権を通じてではなく、圧倒的多数の民衆側からなされるよう転換するべきですし、公正なる社会の実現二向けて投資も援助も対応していくにはどうすればいいのか・・・深く検討されるべき時がきています。勿論、日本だけでできるものではありません。かといって、モザンビークの事例でみたように、日本は中国とインドと同じような民主主義にも和平にも公正なる社会の実現にも興味のないドナー&投資国として理解されていることを、猛省すべきです。

でなければ、第二のアルジェリア事件が生み出されることでしょう。

以上、南スーダンとアルジェリアの事件を踏まえ、日本の我々がどのように世界の紛争を考え、付き合っていくべきか・・・政府や報道の言葉を表面的に追うことの危険を知り、見破るヒントになれば幸いです。
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by africa_class | 2013-12-26 01:04 | 【学】戦争/紛争/暴力・平和論

【共有】ODA政策協議会(13年12月9日)NGO「ProSAVANA事業」報告資料

昨日(2013年12月9日)NGO・外務省定期協議会ODA政策協議会での報告事項「ProSAVANA事業」についてのやり取りと資料を貼り付けます。

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NGO・外務省定期協議会 ODA政策協議会
報告「ProSAVANA事業」やりとり
2013年12月9日(於:外務省)
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*議事録ではなく簡易記録ですので、議事録は後日外務省HPをご覧ください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/

■外務省:
・事業の目的、問題意識について共有が出来、双方ともに同じ方向性(小農支援)ということで確認できている。日本のNGOから、影響を受け得る地域の人びととの対話をじっくりと実施してほしいということで、それを三角協力のために当該国政府だけでなく、ブラジル政府にも働きかけた。また、この対話の仕方とペースについて、NGOから問題提起があったため、一部見直している。その結果、現地での対話は進んでいる。日本では、12月18日にはもう一回意見交換会を開催するが、テーマについても進展がある。

■JVC渡辺直子:
(1)この1年に6回の意見交換会を開催してきた。
(2)12月の経緯は、現地農民組織(UNAC)からのプロサバンナ事業への抗議声明があったため。
(3)12月14日の協議会の発表と提言は次のようなものであった。
対話の問題
事業の方向性の問題(ブラジルのセラード開発の成功を参考にする等)
内容について検討
(4)対話の重要性は理解してもらえたが、残念ながら対話のあり方は悪化していった。「対話」の強要がなされ、現地からみて対話のあり方が改善されていない。
(5)これを受けて、本年5月に23団体が署名する形で「公開書簡」が出された。ブラジル、モザンビークの大統領、日本の総理に手渡されている。
(6)これらの事態を受けて、8月には協議会に参加してきたNGOの5名が現地調査に行った。
(7)そこで分かったことは、現地では土地収奪がすでに生じているということ。人びとの権利がすでに守られていない中、現状のような「対話」のあり方が続き、事業の中身が見直さないのであれば、問題は続くのではないかと考えた。
(8)これを受けて日本のNGOとして要請文を出している。
(9)同じ時期に、(プロサバンナ)事業地であるナンプーラ市民社会から抗議声明が出されている。声明では、事業の内容についてコメントが出るとともに、対話のあり方が悪化していることについて抗議声明が出ている。
(10)こういった中で、1年間を振り返りたい。
(11)確かに前進もあった。貴島課長の言及通り、「小農のための支援である」という点で合意したという点は評価される。
また、意見交換会で明らかになったように、前段階において「対話がなかった」という点についての共通理解があった。だから対話をすべきという点についても合意された。
そして、(意見交換会で)軌道修正が必要であろうという発言も評価。
これら3点については前進だった。
(12)一方で、課題が残る。
例えば、去年12月から意見交換会が始まっているが、今年の9月に現地にコンセプト・ノートが出されている。しかし、このノートでは、最初の事業の方向性と変化がなく、投資を呼び込み農業を近代化していくというものになっており、改善されているようにみえない。したがって、現地では不安が感じられている。
(13)各種声明や要請文への回答頂いていない。これについては意見交換会で外務省から「待っているところ」という返事があった。
(14)また対話の進め方については、先程もナンプーラ、マプートの市民社会と協議を行っているという話だった。しかし、現地に一昨日までいったが、現地の市民社会等は対話のあり方に不安を覚えている。したがって、状況は改善されていると認識されていない。

補足
(1)現地では政情不安な状態。和平合意が破棄され、大半の援助国が声明を出しているにもかかわらず、日本はドナーとして唯一声明などを出していない国になっている。
(2)このような厳しい政治状況の中で、現地状況を十分把握し、現地の市民社会がいまだに不安をかかえている対話及び事業のあり方等を検討していく必要があり、引き続き意見交換会を行っていく意義は高いと考えている。これまで外務省、JICAの皆様にはお忙しい中お時間をいただき感謝している。引き続きお願い申し上げたい。

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NGO・外務省定期協議会 ODA政策協議会
報告「ProSAVANA事業」資料
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Ⅰ.2012年12月14日協議会をふり返る
Ⅱ.その後1年間に起こったこと
Ⅲ.結論
と提案

【配布参考資料一覧】
①ProSAVANA事業に関する日本内外の評価(研究・報道・市民社会)(12月8日現在)
②2012年12月14日協議会配布パワーポイント資料
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/pdfs/seikyo_12_0203.pdf
③年表:ProSAVANAにおける農民・市民社会組織との「合意形成」の課題(11月8日現在)
④モザンビーク23組織「3カ国首脳宛 ProSAVANA緊急停止要請公開書簡」(5月28日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
⑤ナンプーラ州市民社会プラットフォーム「プレスリリース(ProSAVANA抗議声明)」(9月30日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-45.html
⑥日本36組織「プロサバンナ事業の中断と抜本的見直しを求める緊急声明」(9月30日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-44.html
⑦第6回意見交換会配布資料(11月25日)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-61.html

I. 2012年12月14日協議会をふり返る
2012年12月14日の協議会で議題「ProSAVANA事業」に関し、以下の問題提起を行うとともに、議論し、提言を行った。 【配布参考資料②:当日配布パワーポイント資料 】

12月14日の問題提起のポイント(パワーポイント・議事録まとめ):
議事録→http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/pdfs/seikyo_12_2g.pdf
1.現地最大の農民組織(モザンビーク全国農民連合/UNAC)からの2012年10月11日付け「ProSAVANA批判声明」を受けた問題提起
(1)主権者である現地の農民の主権を無視して計画・立案・実施
(2)ブラジルやその他のアグリビジネスによる土地収奪の危険を高める事業
(3)説明責任と透明性が欠如(情報開示も不十分)
(4)輸出向け大規模生産でなく、小規模農業による国内向け食料供給を優先すべき
<=UNACに留まらずかなり多くの組織も同様の懸念と疑問

2. 現地事情を把握しないままに「ブラジルの成功の移植」を喧伝、傷を深める

3. アフリカ、特にモザンビークは最大の土地収奪のターゲット国
(1)三角協力のブラジル・アグリビジネスのモザンビーク進出を支援
(2)日伯官民合同ミッション(2012年4月)後のブラジル関係者の理解
ProSAVANA事業=「広大な土地確保」「入植者をバックアップ」
(Luiz Nishiimori議員・ブラジル側団長)

4. 外務省の回答文章「話を聞いている」「対話している」との主張の根拠の問題性
(1)外務省側のいう「参加」「対話」の根拠(2.(1), 2(2))は全て、根拠とならず。
①「大・中・小規模農家20世帯に調査」←400万人の住民(大半小農)
②「UNACは11月のMTGに参加し、発言」←抗議声明出た後。抗議と質問のための参加・発言を内容に触れず。
③「本年8月JICA環境社会配慮担当者がUNACを訪問し直接説明」←「参加/対話ではない」上に、UNACが要請。この直後の10月に抗議声明が発出。
(2)11月22日の首都でのマスター・プランに関する会議にはORAM以外招待されず。(招待状は2日前)(UNAC「裏切られた想い」)

5. 外務省回答にも見られる、現地農民組織・市民社会対応の問題性
(1)UNACが抗議声明を出すまで現地農民(組織)・市民社会との合意形成はまったく念頭におかれず、試みられず。
(2)問題化した後も、正当化・反論根拠を集めるための「対話」のアリバイ化に注力。合意形成を目指す姿勢ではなく、「数として参加していた」ことに焦点。
(3)「(UNACの声明に対し)モザンビーク政府にアクションを起こしてもらう」として、異論を唱える農民組織や市民社会への弾圧を招きかねない発言を行う。

6. 以上の計画・内容・進め方の問題が、現地社会に不信感・疑念・憤り
結果的に、現地市民社会は日本の援助・JICAを「不透明で疑問だらけの住民主権や民主化に後ろ向きな存在」として認識。

提言(2012年12月14日のパワーポイントから転載)
イ)今まで(現地で問題化してなお)モザンビークと北部地域の主権者である農民・農民組織・市民社会を重視せず、軽視してきたことを、まずは認めるべき。
ロ)これまで現地での調査ややり取りを欠いた状態で、「ブラジル成功の移植」と宣伝し続けてきた傲慢さを認めるべき。
ハ)以上を猛省し、反論から逃げず、農民組織や市民社会との対話を積極的に行うことを約束してほしい。
ニ)事後的な情報伝達、ただ「聴きました」というだけの意見聴取でなく、決定に関わる議論であるべき。
ホ)市民社会の関与をプロジェクトの中で制度化する。
ヘ)農民らが一番恐れるブラジル農家・企業による土地奪取を、プロサバンナで認めないことを約束してほしい。

Ⅱ.その後1年間に起こったこと(2012年12月~2013年12月)
ProSAVANA事業に関する意見交歓会(NGO=外務省・JICA)
1. 次の日程で6回の意見交換会が行われた

第1回2013年1月25日、第2回2013年3月15日
第3回2013年4月19日、第4回2013年5月9日
第5回2013年7月12日、第6回2013年11月25日

2. 意見交換会の狙い
現地農民組織・市民社会組織の要請に基づき、日本の市民社会として、外務省・JICAから情報の把握・確認、議論を行い、共通理解を深め、ProSAVANA事業の改善を図る。

3. 意見交換会の形式
各回約1時間半ずつ、NGO側から質問書を事前に提出し、外務省・JICAがそれに答える形で行った。(成果と課題はⅢ.へ)

意見交換会以外の出来事
1. 出来事と現地農民組織・市民社会からみた理解

以下のとおり、この1年間の変化(出来事)と現地社会の受け止めを表にまとめた。*なお、本事業の調印以来の変化については【配布参考資料③】を参照。

年表
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*2013年9月~現在までの、ProSAVANA事業関係者による「対話の強要」については、「第6回ProSAVANA事業意見交換会」時の配布資料【配布参考資料⑦】を参照されたい。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-61.html

2.「ProSAVANA事業意見交換会」参加日本NGO関係者の現地訪問
(1)現地の実態と農民や市民社会の生の声を知るために、意見交換会参加4団体の5名が現地を訪問(2013年7月24日~8月18日)。対象3州の全てと19郡のうち8郡を訪問し現地調査を行った。

【調査期間】
2013年7月24日~8月18日(8月10日~12日は3班に分かれて調査)
【調査対象地】
本調査では、プロサバンナ事業で策定中のマスタープランで分類されるZone I~VIまでのすべての「ゾーン」を対象として現地訪問調査が行われた。
ニアサ(Niassa)州リシンガ(Lichinga)市、マジュネ(Majune)郡、クアンバ(Cuamba)市/ ナンプーラ(Nampula)市、ナンプーラ州モゴヴォラ(Mocovola)郡、メクブリ(Mecuburi)郡、リバウエ(Ribaue)郡/ザンベジア(Zambezia)州グルエGurue郡

【調査手法】
【1】3か国市民社会会議、北部での市民社会会議での参与型観察・現地新聞・プロサバンナや土地問題に関する文献等の資料収集
【2】プロサバンナ対象地域の農村訪問調査(政府関係者、農民組織、農村住民へのインタビュー、農地の訪問)<*3班に分割>
【3】首都並びにプロサバンナ対象地域の都市部での各種アクターへのインタビュー(政府関係者、市民社会関係者、JICA関係者、農民組織関係者、地元ジャーナリスト・研究者)
【4】ProSAVANA Development Initiative Fundの対象案件のモニタリング(JICA関係者による案内、個別訪問)

(2)首都とナンプーラ市では、ProSAVANA事業に関する市民社会の会合に参加し、市民社会内部の議論に耳を傾けるとともに、意見交換を行った。
(3)農村での調査の一方、会議、行政関係者や援助関係者との面談等約150名以上の人と話した結果、ProSAVANA事業は現在においても問題が多いことが明らかになり、9月30日の帰国報告会にて、「緊急声明 ProSAVANA事業の中断と抜本的見直しの要請」を発表した 。現在、36団体が署名【配布参考資料⑥】。
*詳細は、現地調査報告書(近日中に刊行)。

3. その後発生する現地の厳しい状況
*状況の悪化については、本年12月6日緊急勉強会報告 。
(1)2009年以降顕著となっていた二期目のゲブーザ政権の腐敗と民主主義の後退、そして強権化は、幅広い民衆の不満を生じさせた。これに対し、国家の武装装置(軍隊・警察)等を用いた政権の反論者や非協力者らへの暴力や威嚇が頻発。
(2)以下のとおり、本年10月21日、政府軍は野党RENAMO(元武装ゲリラ)の拠点を攻撃し、野党議員等を殺害、党首は逃げたままで、21年継続した和平合意がRENAMOによって破棄されている。国の中部と北部(ナンプーラ州・ProSAVANA事業対象地)にて武力衝突発生。
(3)同時に、都市部で繰り返し誘拐が発生。一部に警察の関与が認められ、3人が逮捕(内1名は脱走中)。特に、ポルトガル人や国際NGO関係者の誘拐は、現政権に批判的なポルトガル系モザンビーク人や市民社会への「脅し」として受け止められている。
(4)国連、米国政府、ブラジル政府、ヨーロッパ連合、19の援助諸国は両者に対し、政治問題を平和理に解決するよう声明を発表。(日本・中国・インド政府は声明発表せず)
(5)11月20日の地方都市選挙では、各地で第三野党への警察の発砲や逮捕による介入が頻発。広範な選挙不正も。
(6)政府や政策に異論を唱えると、暴力に巻き込まれるとの理解が市民社会に広がる。

Ⅲ.結論と提案
1.モザンビーク農民組織・市民社会組織との関係
(1)2012年10月11日のUNACによる抗議声明は内容においても妥当なものだった。
(*リーク報告書で明らかになったとおり、農民らの懸念通りアグリビジネス中心の土地収奪を伴う大規模農業開発が企図され続けていた。)

(2)しかし、抗議・異論・反対について、日本援助関係者らは、
①矮小化(「誤解」「情報伝達不足」)、
②軽視(「賛成者もいる」「反対は一部だけ」「1団体の意見に過ぎない」面談回避)
したばかりではなく、去年12月の協議会後も真摯に対応しようとしなかった。

(3)むしろ、その後の対応は、現地農民組織や市民社会関係者らから、次のように認識されるなど、現地社会に深い不信感を招いた。
①「情報操作」(過去の喧伝文句<土地・セラード/PRODECER・投資>のいつの間にかの削除の一方で市民社会の異論を「誤解」とすること)
②「嘘」(団体名削除・プレゼン差替え)
③「分断工作」(前述「賛成者もいる」との既成事実化、政府に近い者・団体の一本釣り、異論者の対話からの排除)

(4)さらには「モザンビーク政府にアクションを起こしてもらう」と強調し、現在強権化と暴力を伴った政権掌握を進める現ゲブーザ政権と、農民組織や市民社会とを正面衝突させる扉を、ドナー自らが開く結果となった。(対話の強要を自ら指揮する等)

*以上の4点は、「緊急停止公開書簡」「PPOSC-N抗議声明」【参考配布資料④⑤】
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-45.html

(5)抗議後、新たに約束された「土地は奪われない」「小農支援」「住民の食料生産を優先」も、農民を安心させるどころか、以下の事実によってますます懸念を深めさせる結果となっている。
①急に発表されたマスター・プランのコンセプト・ノートの中身、
②先述リーク報告書(ProSAVANA-PD, Report 2)の内容、
③現在ProSAVANA事業のコンサルタント組織としてマスター・プランを準備するブラジルのFGVによって立ち上げられたナカラ・ファンド(200億円)の計画、
④ProSAVANAが事業として含まれるG8New Alliance For Food Security and Nutrition(日本と米国政府担当)

(6)突然コンセプト・ノートが発表され、問題が多いことからこれについて意見する必要に現地社会は迫られている。しかし、そのことを指摘するために会議を持つと、「対話している=ProSAVANA事業は上手くいっている=ProSAVANA事業に賛成」と使われてしまうジレンマに現地の市民社会や農民組織は直面している。(聞き取り調査)

(7)結局は、「アリバイ作りの一貫としての会議への参加」が狙われていると現地では考えられており、不快感が広がっている。実際に、コンセプト・ノートを作成するにあたって作られた現地調査報告も農民集会の議事録も公開されず、同ペーパーの位置づけも明確ではなく、そもそもどこから何故このノートが出てきたのかも含め不信感は消えていない。

2. 日本での対話について(特に6回の「意見交換会」について)
(1)論点は当初、①農民主権、②土地問題、③食料安全保障(食料主権)の3点で開始した。しかし、意見交換が進むにつれ、最初の「農民主権」(すなわち農民との主権者としての合意形成)が最も重要であり、また問題の本質であることが明らかになり、その後は「土地問題」や「食料主権」問題にも触れながらも、終始一貫して「農民主権/農民参加」のあり方を議論してきた。

(2)これまでの意見交換で明らかになり、また外務省とNGOの双方で確認されたことは以下の5点である。
①ProSAVANAの目的は「小農支援」であること(第1回目で確認)、
②農民組織・市民社会の参加や合意形成のための対話が不十分なだけでなく、不適切な手法が含まれてきた一方、内容がコロコロ変わったり、不明瞭でかつ隠されている点や問題も多々あるため、農民達が強い不安の中に置かれている上に(第2回)、事態は深刻である(第3回)
③従って、計画の中身の軌道修正が必要か否か検討すべきであり、また農民に対する信頼回復が必要(第4回)、
④策定中のマスター・プランに関して、改めての現地調査と現地農民組織や市民社会との合意形成、そのための時間が必要で、それを待つべき(第5回)、
⑤モザンビーク市民社会の「公開書簡」に対する回答は、三政府で協議の上回答するが、回答を急ぐべきと理解(第6回)

(3)一方、これまでの意見交換会で意見の違いが明確になったもの、あるいは合意にいたっていない点は右の通り
①モザンビーク北部の小農や農村社会が直面する課題と現状についての理解
②モザンビーク北部の小農の支援のあり方についての考え方、
②抜本的な見直しをするための手続きとしての事業を中断するか否か、
③主権者であり主たるステークホルダーである農民の参加と対話のあり方、など。

(4)「意見交換会」の手続き上の課題と現状
①提示を御願いした資料や事前質問のうち、一部(時に大半)が当日まで準備されないこともあり、また当日の資料も不十分で、残念ながら必ずしも効率的な対話にならない場合もあった。
②関連資料について、2013年1月から過去4回の意見交換会で依頼をし続けたが、7月になって初めてその一部が「何の資料だったか」分からない形で数点提供を頂いただけで、JICA主催セミナーの一覧や式次第すら現在でも非開示のままである。
③現在、コンセプト・ノート作成の土台となるProSAVAN-PD事業(マスター・プラン策定支援)の報告書を分析のため要請している。(*12月18日の意見交換会でコンセプト・ノートの分析を披露することになっているが、これでは分析できず)

3. 結論と提案
(1)意見交換会は、現地の農民・市民社会組織の懸念や要望を、その背景を含めて日本の援助関係者に伝え、理解を深めてもらう点で重要な役割を果たしてきた。論点の明確化にも役立った。

(2)特に、「小農を支援する」との合意は中でも大きなものであった。

(3)しかし、この合意は、現実には同事業関係国・者全員に徹底されているわけではなく、また日本援助関係者が関与しているマスター・プラン(コンセプト・ノート)の前提や全体の枠組み、そしてその他の関連事業(ナカラ・ファンドやG8New Allianceを含め)は、「小農の支援」と言い難いもので、むしろネガティブな影響をおよぼしかねないという現地農民・市民社会組織の懸念は解消されていない。

(4)また、ここまで見てきたように、意見交換会でようやく共通認識となった「対話の重要性」が「対話の強要」に繋がる傾向が強まってきたことは、現地事情を考えると大変憂慮すべき問題である。

(5)以上から、ProSAVANA事業の進め方、中身についての齟齬は大きく、これを引き続き埋め、改善する努力が不可欠である。また現場(モザンビーク国内)が政治的に厳しい状況になりつつある中、現地の人びとに対して行われている事業や対話の強制は止め、事業の抜本的な見直しを現地の人びとと共に考えることが緊要である。そのためにも今後も意見交換会を継続する意義は高いと考える。

以上
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by africa_class | 2013-12-10 17:12 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

RENAMO襲撃への市民社会、EU・ブラジル政府の懸念と防衛大臣による「テロリスト」声明。日本政府は?

独立系新聞の木曜日24日の記事を一挙訳しておきました。

この背景や他の報道(国内外)は以下に分析を掲載中
→http://afriqclass.exblog.jp/18838938/
この間のモザンビーク政府と農民との土地を巡る対立、日本の援助(特にプロサバンナ)・投資問題は
→http://afriqclass.exblog.jp/i38/

依然懸念されるべき状態です。特に、政府大臣が、軍事襲撃をしながら、今度は野党党首や野党を「テロリズム」と呼び、攻撃の継続を宣言し、部隊をソファラ州に移動させていることは大変問題です。現時点において、この攻撃の説明は、総司令官である大統領によってなされておらず、市民社会組織だけでなく、マプートの外交筋らも声明を発表し始めています。

プロサバンナ事業の「パートナー」であるブラジル政府すら「憂慮」を出しています。日本政府はこのままなにも言わないまま、ゲブーザ政権のこのような国家権力を使った戦闘行為に暗黙の了解を与えてしてしまうのでしょうか?資源がほしいから?

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Canal Moz
numero 1071 | Maputo, Quinta-Feira 24 de Outubro de 2013

■国防大臣(Filipe Nyussi)がアフォンソ・デュラカマ(RENAMO党首)の追跡は継続すると述べた。Filipe Nyussi diz que perseguição a Afonso Dhlakama vai continuar■
「これらの国防大臣の発言は、この国を内戦に引きずり込みかねない政治軍事的な緊張に対して、平和的解決のいかなる可能性をも捨て去る宣言である。

国防大臣は、メディアに対し、この侵略(征服)は、国内の「テロリズムの中枢」を非活性化させるために不可欠だった」と述べた。(中略)この攻撃を正当化するため、レナモ関係者らが国軍に対し待ち伏せ攻撃をしかけていたための反撃で、国の安定化のためのものだったと、国防大臣は述べた。

■国軍兵士を乗せた12の戦車が国の中部ソファラ州に向かってマプートを火曜日に出発した。
Pelo menos doze camiões, transportando soldados das Forças Armadas de Defesa de Moçambique (FADM),deixaram esta terça-feira a cidade de Maputo com destino à região central do País.

■国の戦争のシナリオに対し、市民社会諸組織がゲブーザ大統領に説明を求める
”Cenário de guerra no País Organizações da Sociedade Civil exigem explicações a Guebuza”

先週月曜日、政府軍がレナも指導者アフォンソ・デュラカマの家を襲撃し、奪取したことを受けて、モザンビークは差し迫った戦争のシナリオを生きている。状況は、社会の多様なセグメントの反応を引き出しており、これは山のようなものになるだろう。

今週の水曜日、市民社会組織が集まり、記者会見を開催し、アルマンド・ゲブーザ大統領に対し、この国で生じている事態についての説明を要求した。「何故国軍が介入したのか、その文脈(背景状況)を明確にする必要がある」と、Centro de Integridade PúblicaディレクターのAdriano Nuvungaは述べた。

また、Liga dos Direitos Humanosの代表であるAlice Mabotaも、「誰のための内部秩序であるのか。軍のためのものでないはず」と述べるとともに、「モザンビーク国家は市民の生活に損害を与える政策を行ってはならない」とし、「Conselho de Estadoに対し、戦争宣言を受け入れないこと」を要望した。

女性フォーラムのAna Sambo(Graca Samoの間違い)は、市民社会は、レナモ拠点の攻撃は公的な秩序と安定への軍事介入であるとし、この攻撃を指示した国軍総司令官としてゲブーザ大統領に対し、「共和国憲法に基づき公衆の平和と秩序を再建するための、すべての取り得る措置を行うよう」要求した。

市民社会は、同様に、前大統領であるジョアキン・シサノ(Joaquim Chissano)の仲介を要求し、すべての国の組織と宗教組織は、政府とRENAMOの間でコンセンサスが達せられるよう努力されるべきと述べた。

■EUは、軍事的緊張に憂慮を表明し、「対話とインクルージョン(包摂)」を要請した
União Europeia preocupada com tensão militar apela ao “diálogo e inclusão”

現在の内戦可能性状況への否認のメッセージが各方面から続いている。ヨーロッパ連合(EU)は、この事態を近くで見守り、ソファラで起きている事態に対し「憂慮」を表明し、「両者による平和的対話とインクルージョン」を要請した。この声明は、ヨーロッパ連合高等弁務官事務所スポークスパーソン Michael Mannによってなされた。EC(ヨーロッパコミッション)の外交安全保障大臣であるCatherine Ashtonは、「EUはモザンビークで起きている事態を近くで見守り、現地で何が起きているのかについて理解に努める」「RENAMOと国軍の間で生じた最近の衝突の報に憂慮している。(中略)市民らの安全保障上の不安に対しても同様である」と述べていると、Mannは認めた。

同スポークスパーソンは、「EUとして、平和と和解を定着させるための政治的プロセスだけが国の持続可能な発展を促進することができると改めて理解している」と述べ、すべての関係者の「平和的な対話とインクルージョン」こそが、「民主化のプロセスを強化し、政治的な違いを解決する唯一の方法である」とアピールした。

■ブラジル政府は、国(モザンビーク)の戦争の方向性に憂慮を表明
Governo brasileiro preocupado com espectro de guerra no País
ブラジル政府は、ソファラで起きている事態に憂慮を表明するとともに、本紙に公式に送られたメモにおいて、「両者の間での違いに対して解決を探ること、民主主義、安定や権利に関わる機関の強化によって行われる対話と交渉の道筋を確保すべき」と述べた。

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by africa_class | 2013-10-26 14:03 | 【情報提供】モザンビーク

【UNAC国際農民会議&プロサバンナ報道】フランス国際放送もついに #プロサバンナ 報道

10月15日―16日までマプートで開催されていた第二回土地問題国際農民会議(主催UNAC)の記事が沢山配信されています。以下、
1.RFI(フランス国際ラジオ放送)
2.Jornal Noticias(モザンビーク国営新聞)
3.Canal Moz(モザンビーク独立系新聞)
4.SAPO(ポルトガル語情報媒体)
5. Verdade(モザンビークの最も独立した新聞)
の記事を列挙しています。4.5.は訳す暇がなかったので各自で・・・。
(しかし、ついにVerdadeが動き始めてしまったのですね・・・これはモザンビークの文脈では大きなことです。世界的にはドイツやフランス国際ラジオ放送が報道したことの方が大きいでしょうが。)

フランスの国際ラジオ放送RFI(Radio France Internationale)もついに、プロサバンナについて報道し始めました。もはや止まらない感がありますが、翻訳がおいつかない・・・。時間が限られているので出来る範囲で流しておきます。

■なお、ドイツの国際ラジオ放送DWのプロサバンナ関連番組(実に12本…)については、要約をしたものがここに→http://afriqclass.exblog.jp/18779412

ちなみに、多分政府は「小農支援」「対話してる」といっているじゃないか・・・市民社会は嘘ばっかり・・・という関係者の声も聞こえてきそうですが、それはこの間のプロセスをご存知ではないから。

はじめてこのブログを読まれる方にとって重要な背景説明としては、今現在まで、プロサバンナ事業の関係者(特に立案、推進のJICA)は、2009年9月から3年以上前提とされ、目的とされてきた以下の点を、批判を受けて変更させた点について、何の説明も行ってきていません。

●事業の大前提:PRODECER/ブラジルセラードの成功をモザンビークに/大規模に土地が余っている/世界の食料庫になるべき/投資が不可欠
●当初の目的:余っている土地に投資を入れて農業生産性を上げて大農と小農を共存させて回廊開発を押し進めよう/日本の企業にもメリットを

あれほど世界と日本、モザンビークで行ってきた宣伝をいつの間にか引っ込めて、2013年2月末にJICA理事長が現地に向かい、「小農支援」と強調していますが、何の説明も謝罪もなかったため、「批判を浴びてのポーズ」にすぎないと考えられていました。そこに、2013年3月に完成したマスタープランにおいて最も重要なレポートが4月にリークされ、「小農支援」どころか、「小農から土地を容易に奪って外国投資家らに提供しやすくする事業」という性格が明確になったため、現地農民組織や市民社会は態度を硬化している状態なのです。

なので、「小農支援が目的といっているだろう」と政府関係者やJICAがいくら強調したところで信用されず、むしろまた「騙されるだけ。実際は気づいた時には手遅れになる」と農民らは考え反対しているものと思われます。本当に小農のために事業を転換したのであれば、元に戻って何故見直したのか、そもそもの前提が誤りだったことを認めるなど、腹を割って伝える努力をしないと到底信用されないところまで事態は至っているのだと思います。でも、実際は、「腹を割る」どころか、すでにプロサバンナ対象地では、日本とブラジルが共同で奨励したブラジルのアグリビジネスの流入は続いている状態で、大々的に動かしてしまった歯車は止められない状態に・・・・。本当にこういうことを予見しないままに「大きいことは良いことだ」だけで現地事情を知らぬままに進められた結果であり、罪深いです。

また、より深刻なのは、当初プロサバンナの中に位置づけられていた「ナカラ・ファンド(ProSAVANA-PDレポートでQIPとして記載)」なるものが切り離される形で、ProSAVANA=PDのブラジル側コンサルタントFGVによって開始されるなど、批判を免れるため、「プロサバンナから投資案件や土地関連事業を切り離す」という小手先の「仕切り直し」が続いています。しかし、それもこれもプロサバンナ事業がまいた種なのです。それは2009年の調印から現在までのJICAやプロサバンナの関連資料をみればはっきり分かることであり、日本が率先して宣伝してきた分モザンビークでも世界でも知られています。そのことへの責任について説明なきままの、切り離したらよしとする姿勢に、農民らや市民社会は不信感を募らせ怒っているのだと思います。

さらに「対話を進めている」といって、UNACや市民社会組織を「反対派勢力」と呼んで排除してきたことについては既に彼らから声明が出されている通りです。表敬訪問にわざと出席しない(外務省)、UNACが声明で異議をはっきり書いているのに「反対ではない」という総括をする(JICA)、モザンビークを訪問した議員との面会を意図的に阻む(大使館)、JICAの招聘で来日した農民組織の出身団体名(UNAC)をパワーポイントからわざと削除し、問題点の指摘スライドを削除(JICA)、政府主催の「対話」には無理にでも来させようとするのに(農業省)農民・市民社会主催の対話集会には来ない(大使館JICA)、UNACの対話への排除を問題視して会議をボイコットしているのに、「主導権争い」と説明したり「一方的に約束に現れなかった」と説明(JICA)、反対する農民や市民社会組織を「ごく一部」に見せるため「賛成派」を動員した集会を各地で開催する(JICA&農業省)…正直なところ気分が悪くなってきました。これらは全て現地関係者へのインタビューやメールインタビューで明らかになったことですが、報告書では年表を使って説明しています。

表面的で小手先のこのような行動が、いかに当事者である農民や主権者である人びとを傷つけているのか・・・反省もないままに、「言い訳や賛成派づくり」ばかりが努力されている現実に、モザンビークの人びとは心から嫌悪感を感じているのだという点に、今気づかないとしたらいつ気づかれるのでしょうか。これが私たちの税金で支える「国際協力」の姿だということが、何より哀しいです。

今まで「未だ間に合う」「遅くない」と書いてきました。今回もそう書きたかったのですが、これらの記事を訳しながらいつになく絶望しています。I still have a dream, but....
がんばろう。

~~~~~~~~~
■RFIの記事「モザンビークのUNACによる第2回国際農民会議がマプートで終了」
MOÇAMBIQUE ÁFRICA LUSÓFONA - Artigo publicado em 15 de Outubro de 2013 - Atualizado em 15 de Outubro de 2013
"UNAC reúne em Maputo segunda conferência internacional"
"Termina na quarta-feira dia 16 de Outubro a segunda Conferência Internacional Camponesa organizada em Maputo pela UNAC moçambicana."
by Leonardo Silva
http://www.portugues.rfi.fr/africa/20131015-unac-reune-em-maputo-segunda-conferencia-internacional

10月16日、モザンビークのUNACによって主催された「第二回農民国際会議」が終了した。
本国際農民会議は、モザンビークやゲストの国における農業の現状を評価する目的で10月16日水曜日まで開催された。特に、注目されたのが、土地の所有をめぐる問題、農村部における農民の社会経済状況に関する点であった。本会議は、プロサバンナとして知られる事業に対する、UNAC(全国農民連合)による批判や懸念をモザンビーク政府がなだめようとするまさにその瞬間に開催された。同事業は、モザンビーク、ブラジルと日本によって設計されたものであり、その目的は農業生産性を最適化し、同国の食料計画を自給させるために、モザンビークの中北部の3州19郡で実施されようとしている。プロサバンナの政府側コーディネイターのカリスト・ビアスは、火曜日にマプート開催された記者会見にて、「プロサバンナは土地使用権(DUAT)を尊重し確認するための「原則の一つ」をガイドすることにあると述べた。そして、「土地に関する農民主権は尊重されるだろう」と結論づけた。

UNACの代表アウグスト・マフィゴは、第二回国際農民会議に政府側よりもっと高いランクの代表が出てこなかったことを嘆き、RFIに対し、モザンビークの農民らの懸念は、国の発展のために農業をよくすることであると述べた。

<<UNAC代表への音声インタビュー>>
この会議では特に土地の問題について話し合った。我々の土地が奪われている現状について、世界から駆け付けた仲間たちと共にディスカッションした。これらの農民の声に政府が耳を傾けるべきであった。同じ現象が、我が国だけでなく他国でも起きている。モザンビークには、他国に誇れる土地法があるが、しかし土地をめぐる政府の決定には農民が関与していない。その結果、各地で土地の紛争が発生している。

農村部における社会経済状況は悪化している。(植民地支配から)解放され、土地が手に入ったというのに、改善がない。農業においては、外部からプロジェクトは現れては、土地を奪っていく。これらは農民・国民にとって脅威として考えられている。

■モザンビーク政府による記者会見記事「プロサバンナはインクルージョンのため」
Jornal Noticias | 16 Outubro 2013
http://www.jornalnoticias.co.mz/index.php/main/4693-prosavana-e-pela-inclusao
しかし、既にこの記事自体が消されています。なぜかは皆が考えてみてください。
以下、その前に保存された記事。
"ProSavana é pela inclusão”
http://farmlandgrab.org/post/view/22683-unac-reune-em-maputo-segunda-conferencia-internacional

政府(モザンビーク)は、モザンビーク・ブラジル・日本が関与する熱帯サバンナの農業開発のための三角協力プログラム(ProSavana)に市民社会を包摂していると主張した。市民社会組織のいくつか、特にUNAC
(モザンビーク全国農民連合)は、プロサバンナが、事業対象地域の小農の土地を守るべきとアドボカシー活動をしてきた。

農業省のプロサバンナのコーディネイター、カリスト・ビアスは、これが政府の懸念でもあると確認した。そして、モザンビークの生産者が自らの生産性を向上させることで、貧困削減を実現することを支援する目的を達成するためには、政府の「エグゼクティブ」としても、同事業における市民社会の包摂が重視されていると述べた。

「実際、プロサバンナの文脈において、市民社会とのパートナーシップを育むことはいつも我々の心配事であり、既にUNACの本部に二度も訪問して我々のプロサバンナに関する意図を説明している。我々は常に市民社会からの批判にオープンである。なぜなら、市民社会は、我々が気付かないことを示してくれるからである。我々は、UNACとだけでなく、他の市民社会とも同様に共に活動できるよう努力し続ける」とカリスト・ビアスは述べた。

(以下省略  *原文ご確認ください。)

■CanalMozの記事
2013年10月16日 No.1065配信 2-3頁
「第二回会議開幕、農民らはプロサバンナを再び非難」

"Na abertura da II conferência Camponeses voltam a denunciar o Prosavana"
(マプート)-昨日、マプートで第二回土地とタネに関する国際農民会議の開会が宣言された。開幕日の支配的なトーンは、農民たちのため土地を守ることについてのものであった。

農民たちは、現在物議を醸している「PROパッケージ」つまり、プロサバンナ(Prosavana)、ProSUL、ProIRRIなどを非難した。これらは、土地収奪の試みであり、農民らを(土地から)追い出すものであり、農村住民らの貧困を撲滅するものになると限らないからである。

開会式で、UNAC(全国農民連合)のアウグスト・マフィゴは、モザンビーク政府からのより高いレベルの出席者の不在について遺憾の意を表明した。マフィゴは、我々の国の開発の土台が農業であるにもかかわらず、農業に関する明確な政策がないことについて強調した。

「この闘いにおいて民衆は疲れることを知らない。団結する農民は常に勝利する。闘争をグローバル化し、希望をグローバル化する」と連呼された。

月曜日に開始した一連の会議は今日終了する。統一のモットーは「農民とその土地を守るための闘いにおいて農民らは団結する」である。同会議には、モザンビークのすべての州からの農民が参加し、農業省の役人ら、 市民社会のメンバー、アンゴラ・南ア・ジンバブエ・ブラジル・スウェーデン・スイスの農民やパートナー団体らが参加した。

■CanalMoz 「マプートで開催中の第二回国際農民会議で農民たちはプロサバンナによる差し迫った土地収奪を非難」
numero 1066 | Maputo, Quinta-Feira 17 de Outubro de 2013
Na II Conferência Internacional Camponesa, em Maputo Camponeses denunciam iminente usurpação de terra pelo ProSavana

(マプート)UNACは、第二回土地問題に関する国際農民会議において、プロサバンナ事業に関連し、非難を表明した。UNACによると、プロサバンナは「地元民衆を開発から疎外するプロセスによって土地収奪と農民の追放に至る試み」であつと述べた。この批判自体は新しいものではない。政府は2009年の調印以来1200人の声を聞いたと主張するが、農民らは、協議(consulta)のプロセスに包摂されておらず、農民らのニーズにマッチしたものではないと述べた。

ディベートでは、「プロサバンナと契約農業のリスク」というタイトルのパネルが実施され、これにはUNAC、政府、市民社会の代表らが参加し、農民に対する不安定な契約の問題が取り上げられた。農民らは、政府に対し、モザンビークに置いて推進されてきた各種の農業プログラムの社会的・人的影響について問い正した。沢山あるプログラムの中でも、例えば、「ジェトロファ栽培」や「緑の革命」が、「結局望まれた効果を生み出さなかった」とやり玉に挙がった。

プロサバンナのケースについては、もう一つの懸念も表明された。それは政府によってつくられたマスタープランに関するものであった。農民や市民社会らは、このドキュメントが、コミュニティが有する土地の使用権に関する懸念を包含するものであるべきとの点である。政府は、この点についてコミュニティレベルで協議がなされており、2014年3月にマスタープランの発表は延期されていると述べた。UNACの代表であるアウグスト・マフィゴは、農民を優先的に位置づける農業開発政策の不在の問題が、農民らが直面する主要な疑問に直結していると強調した。その上で、プロサバンナはブラジル・日本・モザンビーク政府が関与する土地の搾取事業であり、UNACとして、ブラジルで起こったネガティブな結果がモザンビークでも繰り返される差し迫ったリスクについて警鐘を鳴らした。

ブラジルで起きたリスクと苦しみが何であったかという点については、社会の激変が次のように説明された。政治的な動乱、平和への脅威、土地にはりついて暮らしてきた地元農民家族らの飢えやみじめな生活、家族農業生産システムの破壊、等である。また、土地の移転により、悪化している農村住民らの貧困が、もう一つ農民らが懸念として強調した点であった。

ナカラ回廊はこのプログラム(プロサバンナ)が展開される重要な経済地区であるが、400万ヘクタールの土地が耕作可能とされている。討論において政府代表は、これらの土地を外国投資家に提供するつもりはなく、プロサバンナは小農生産者のための事業であると述べた。

(他にも記事がありますがまた今度)
■6ヵ国の農民らがマプートに集結し土地の搾取に反対するストラテジーを検討
SAPO | 16 de Outubro de 2013 Camponeses de 6 países procuram em Maputo estratégias contra expropriação de terra
http://farmlandgrab.org/post/view/22685-camponeses-de-6-paises-procuram-em-maputo-estrategias-contra-expropriacao-de-terra

■”Camponeses vs investidores em Moçambique"「モザンビークにおける農民対投資家」
Verdade | 16 Outubro 2013
Escrito por Alfredo Manjate
http://farmlandgrab.org/post/view/22686-camponeses-vs-investidores-em-mocambique
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by africa_class | 2013-10-18 15:17 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【紹介】今日からモザンビークで第二回土地に関する国際農民会議開催

今日の現地からの報道で、この会議を大統領と大臣(「高いランクの人」)がキャンセルしたようです。これについてかなりの反発が広がっているとのことです。それにしても。。。ですね。詳細はまた追って。でも会議は非常に活発に行われ、かなりよい議論が行われたそうで、動画が楽しみです!

この会議に関するフランス国際放送の報道、モザンビーク政府メディアの報道、独立系メディアの報道を訳して掲載しています。是非ドウゾ。(2013年10月18日)
→http://afriqclass.exblog.jp/18809250/

===
既に「モザンビーク開発を考える市民の会」のブログでも掲載されていますが、ここにも一部転載しておきます。

日本国内には、「何故モザンビーク農民組織の代表としてUNAC(全国農民連合)ばかりを重視するのか?」という疑問の声があるそうです。あるいは、日本の援助関係者の中には、「プロサバンナの議論からUNACを外しても問題ない」と思っている節がありますが、モザンビーク社会の文脈では「とんでもない!」なのです。なので、日本関係者の「疑問」それ自体に、驚きを禁じ得ませんが、説明しないと伝わらないと思うので、ここに会議の詳細を転載するとともに、今度改めて丁寧に説明する機会を設けます。

なお、この間感じるのは、こういう「モザンビーク社会の文脈における当たり前」を一から十まで私一人が日本語で説明しなければならないことの問題性です。これがタンザニアだったりザンビアだったら、日本の研究者も沢山いますし、JICAにも蓄積がある。公用語が英語でほとんどのものが読める。しかし、モザンビークは残念ながら、日本での研究・援助の蓄積がまったくない上に、公用語がポルトガル語である。なので、現地社会への理解があまりにないわけですが、それなのに大規模事業をいくつも動かそうとする。しかも、問題が露呈しても、関係が薄い以上、社会の批判もあまり痛くないので、あくまでも自分たちのやり方を押し付け続ける・・・ここが問題の根源なのだと思います。

よい機会だと思うので、是非プログラムや招待状、プレスリリースを眺めていただければ~と思います。
この招待状やプレスリリース、プログラムを眺めると、UNACをただ「一部の反対勢力」として矮小化したり、排除したり、周辺化したり、圧力を掛けつづけることの無意味さを実感することでしょう。モザンビークの農業政策の今後について考える上で、彼らの分厚い主権者としての意見、政策形成への関与がいかに大切か分かるでしょう。そのような声や努力に耳を傾けることなく、政府とだけ話していればいい、あるいは「賛成する農民や組織とだけ個別に対談すればいい」・・・とならないことは、はっきりしていると思うのですが。

「メンツさえ保てれば良い」そして「賛成してくれるところとだけ進めればいい」という現在の日本の援助関係者の姿勢が、いかに現地の人々に見破られているのか、そして本当に支援したかった小農の将来に逆行することか(中長期的にみて)、これを機に真摯に考え直してみてほしいです。

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8月からモザンビーク北部、南部、中部の全11州110郡の農民代表を招いて開催されてきた「土地とタネに関する農民大会」が終わったことを受け、今日10月15日~16日まで、首都マプートにて「UNAC全国集会ー第二回土地に関する国際農民会議」が開催されます。

同会議には、ゲブーザ大統領、パシェコ大臣、農業大臣の他、全国から集まった農民、市民社会組織、その他の社会運動組織、宗教団体、各国ドナー、国連組織代表ら200名が出席するほか、アフリカ中の土地やタネの問題に取り組む農民組織代表ら、ブラジルからの小農団体代表も参加するそうです。

プロサバンナやG8 New Allince についても議論されます。(2日目)
全体日程のプログラム
→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-48.html

この会議の開催を受けて、「公開招待状」と「プレスリリース」が公表されています。「プログラム」を末尾に張り付けます。

【招待文面】UNACは1987年4月に結成され、1994年に登録された組織であり、小農民らを代表し、その社会的・継時的・文化的権利を擁護し、農民自身の組織化を促すことで政策形成過程への参加を保障し、食料主権を念頭においた発展ストラテジーを実現することを目的とする。その際、ジェンダーと若者の平等を前提とする。

かつてこの25年間において、今ほど農民の闘い、UNACの役割がモザンビークにおいて求められたことはなく、食料主権を保障する農民らの農業とその基盤になる土地を守る闘いは様々な課題に直面している。メガプロジェクト、投資などを優先する政策が、農民らの

この背景を踏まえ、UNACは第二回土地に関する国際農民会議を開催する。その目的は以下の二点である。
(1)農民男女のキャパシティを強化し形成するために、天然資源や土地はどのようにコントロールされるべきか、そしてその権利はどのように守られるべきか。
(2)モザンビークの真の農業改革はどのように行われるべきかに関する開かれた討論の深化と拡大への貢献。

なお第一回土地に関する国際農民会議は2012年11月27日ー28日までマプトで開催され、モザンビークにおける土地の問題についての疑問が明確にされた。

【UNACプレスリリース】
「モザンビークの農民らは、小農による農業と土地を守るための闘いにおいて共にある」
Camponeses de Moçambique Unidos na Luta pela Defesa da Terra e da Agricultura Camponesa

(仮抄訳)
1.農業政策の改革を求める(家族農業に焦点をあてたものにするべき)
2.家族農業支援国家計画の不可欠
3.25年間のUNACの闘い(土地と小規模農民による農業を守る)において、今ほど闘いがアクチュアルに不可欠とされたことはなく、何百万 のモザンビーク人が危機に追いやられていること、そしてこれは外国直接投資の波、メガプロジェクトによって起こされている。特に、土地の私有 化と争奪が、アグリビジネス(ProSAVANAとG8 New Alliance)、植林(Chikweti)、鉱物資源開発(Vale, Rio Tinto, Jindal)、天然ガス開発(Anadarko, Satonil, ENI)によって起こっている。土地の占領・エクスパンション・集積である。
4.政治やネイティブなタネの保全に関する農民研修をテーマとして、11州120郡で開催され、農民男女・若者たちの参加があったUNACの 北部・中部・南部の農民集会の成果が明日からの農民大会・国際会議で紹介される。
5.大 統領が開会を宣言し、農業大臣が参加する。政府関係者らとともにモザンビークの土地問題について議論を行う。
6.本会議は、官民セクター、NGOや社会運動に開かれており、この国の3つの地域の現実を踏まえた要請について検討を行う。これは、アソシ エーション、組合、家族、コミュニティが日々直面する大企業による土地やテリトリーの進出に関するものである。我々は、農民のコミュニティや 家族を存続させ、主権に根差した発展への権利を効果的に守り、抵抗するために、統合された形でアプローチを形成する必要に迫られている。
7.本会議は、女性デ―、国連家族農業国際年であることを踏まえたものとなる。

原文→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-48.html
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by africa_class | 2013-10-15 15:37 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【一挙掲載】プロサバンナ動画(12本)&ドイツ国営放送(12本)&ドイツ市民社会声明

「モザンビーク開発を考える市民の会」のブログにも掲載されていますが(http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/)、世界中で発表されたプロサバンナやモザンビークにおけるランドグラブ(土地収奪)に関するビデオや報道、ドイツ市民社会声明などを一挙転載しておきます。

プロサバンナは、もはや「国際問題」と化していて、どこで何が報道されて、どんなイベントがあって、どんな風に議論されているか、私でも追い切れなくなっています。(特にドイツのラジオ局が12本も番組をつくっていたとは。大学経由でインタビューの申込みがあって、8月にされた時、私は北部都市にいて、スカイプで対応したのですが、その後そのことをすっかり忘れていました…。我ながらひどい英語ですね…。)

9月30日の報告会でも述べましたが(動画は以下)、そもそも国際市民社会や現地社会がブラジル市民社会とともに2012年春から問題視して動いていたところに、日本の市民社会が気付いたのは2012年秋…。日本のNGOらがODA改善の一環として動き出したのが、2012年11月ですので、「後追い」の部分があるのは否めないものの、現在プロサバンナの議論は世界的なものになり私たちでも追いつかない速度に。先日までローマで開催されていたFAO(国連食糧農業機構)の国際会議でも大変話題になっていたそうです。

元々は日本政府・JICAのイニシアティブで始めた援助。日本の市民として「遠いアフリカでの出来事」と知らないふりはできません。是非、以下の各資料や政府・JICA側の資料にあたって、自分の目で見て・耳で聴き・頭で考え、議論し、自分で出来るアクションは何か考えてみてください。

答えは一つではありませんが、やはり当事者であるモザンビーク農民や市民社会の声に耳を傾けてほしいです。勇気を振り絞って声をあげている人達の声は、普通は私たちのところまで届くことはありません。現在の技術革新によってこれが生で見れるのは素晴らしいと思います。

特に、2013年8月8日に開催された「プロサバンナの停止と再考を求める三カ国民衆会議」での政府代表と農民・市民社会とのやり取りを是非ご覧ください。言葉が分からなくても、現地の人びとの想いが伝わってくると思います。この会議に日本大使館とJICAが招待されていたのに代理出席すらなかったのは本当に残念でした。国会期間中であったにもかかわらず農業大臣は3時間以上この会議に出ています。

■政府代表の返答に対するモザンビーク農民組織、市民社会、女性組織代表らの反論(10分位~)
http://www.youtube.com/watch?v=8kXyY62TQ_0
http://www.youtube.com/watch?v=2cwAsCA5bAo
この映像をみれば、モザンビーク農民組織や市民社会組織の主権者としてプロサバンナとその「対話プロセス」をどのような問題意識でみているかはっきり分かります。彼らの言葉は、彼らの現実を踏まえたもので、すごくパワフルです。私たちが、「外部者」として出来ること・すべきでないこと・・・を考えさせられた10時間(!)でした。勿論、政府代表の返答にも注目。

ポルトガル語なのが苦しい所なのですが、9月30日報告会の冒頭で少しだけ私が通訳して紹介しています。
http://www.youtube.com/watch?v=kSNzU32enGg

■UNACとORAMが制作したプロサバンナとPRODECERに関するビデオ
これも農民組織らが小農の視点で、日本の両援助事業を問い直している動画であるという意味で画期的です。同意しなくて良いので、日本の援助関係者、ブラジル研究者らは、これを観てほしいと思います。
http://farmlandgrab.org/post/view/22661
(これもポルトガル語ですが映像だけでも物語っている部分あり)

■DWのラジオ番組農民・市民社会の声を丁寧に拾い上げているのでおススメ。
勿論、政府側の主張もジャーナリストらしく掲載しています。
翻訳エンジンにかければ英語にはなると思います。
http://www.dw.de/prosavana-desenvolvimento-da-agricultura-local-ou-monoculturas-para-a-exporta%C3%A7%C3%A3o/a-17128512

*ちなみに何故ドイツ国営放送や市民社会がモザンビークのことをこんなに熱心に報道したり、声明を出すのか・・・私の「当たり前」もしかして皆さんの「当たり前」ではないかもしれないので補足。冷戦期、東ドイツにはモザンビークから大量の「研修生」の受入れがあり、冷戦終焉とドイツ統合に伴ってモザンビークに多くが帰国したのですが、留まったモザンビーク人も多く、統一後のドイツでモザンビーク支援をする市民社会組織・宗教組織は非常に多いのです。最後の声明を出しているKKMはNGOだけでなく、会員はドイツ在住モザンビーク人。そして、ドイツに暮らすポルトガル人も非常に多く、ポルトガル語放送はかなり聴かれています。

============
【プロサバンナ・土地収奪関連動画一挙紹介】
1.モザンビークにおけるランドグラブが生じるプロセスを明確に描いたビデオ。途中の住民の「このままだと戦争になる」…の一言が重いです。(2013年10月、英語)
(1)Seeds of Discontent (director Geoff Arbourne/Transnational Institute/FIAN International)
http://farmlandgrab.org/post/view/22644-seeds-of-discontent#sthash.bXJ0mbtf.dpuf
・プロサバンナの対象地となっているニアサ州北西部で起きている植林会社によるランドグラブが地域の農民にどのような影響を及ぼしたのかを描いている、胸に響く映像。
・当初プロサバンナの対象地ではなかったのが、人口密度が低く森林が広がっているため、最終段階でブラジル側の要求によって組み込まれた。
・この会社(Chikweti)は現在大豆生産にシフトしつつあります。

(2)テテ州の鉱物資源開発によって土地を奪われた人たちの映像(2012年国連に提出、英語)
(Peter Steudtner・Justica Ambiental & Friends of the Earth Mozambique)
http://panphotos.org/PAN/blog/2013/04/stop-look-listen-3-short-films-on-forced-resettlement-in-northern-mozambique/

2.プロサバンナ・その「先祖」のPRODECER(日伯セラード農業開発協力)を小農の立場から再検討したビデオ(モザンビーク農民組織(UNAC)と農村開発NGO(ORAM)が現地を訪問して製作、2013年ポルトガル語)
"ProSavana e face oculta do Prodecer"「プロサバンナと顔を隠したPRODECER」
http://farmlandgrab.org/post/view/22661

3.プロサバンナに関するUNAC&ORAM主催「3か国民衆会議~プロサバンナの停止と再考を求めて」2013年8月8日@マプートで開催。対象地の農民代表・市民社会代表を含む200名近くの参加者が、モザンビーク首相代理・農業大臣・農業省関係者らと対話(映像:UNAC、ポルトガル語)
・開発計画省局長(首相代理)によるプレゼン
・ブラジルFASEによるプロサバンナに関する調査報告プレゼン
・会場からの質問・コメント
・政府代表による返答
・北部市民社会による声明発表
・クロージング(政府代表挨拶)
9時~19時まで続いた白熱した議論のやり取りをそのまま。
http://www.youtube.com/channel/UCoZCgmP4w-1Ttbw65YqRtGQ?feature=watch

4.日本のNGOが主催したプロサバンナに関する報告会などの動画
http://www.youtube.com/channel/UCoZCgmP4w-1Ttbw65YqRtGQ?feature=watch
(1)2013年2月27日モザンビークよりUNAC代表・JA!を招いて開催した院内集会
(2)2013年2月28日以上ゲストによる東京大学での講演会
(3)2013年5月29日横浜でのUNAC代表・ナンプーラ州市民社会プラットフォーム事務局長・GRAIN・FASEによるTICAD V直前講演会
(4)2013年9月30日モザンビーク現地調査に行った日本NGOによる緊急報告会・声明の発表@参議院議員会館

【プロサバンナに関する国際報道:ドイツ国営放送(Deutsche Well)12本】
なお要訳は記事テキストからではなく、音声からの大まかな内容のため、各自で原文をあたってください。まず、ドイツ内での報道・イベント・声明などを掲載しておきます。なおドイツ国営ラジオは多言語放送を世界に向けて行っており(記事もHPに掲載)、ポルトガル語放送は、ブラジル人・ポルトガル人記者らが配信。

■一連のプロサバンナ報道サイト"ProSavana – desenvolvimento da agricultura local ou monoculturas para a exportação?"「プロサバンナ:地域農業開発あるいは輸出のためのモノカルチャー栽培?」
http://www.dw.de/prosavana-desenvolvimento-da-agricultura-local-ou-monoculturas-para-a-exporta%C3%A7%C3%A3o/a-17128512

(1)"Iniciativa ProSavana traz empresários agrícolas estrangeiros a Moçambique"(2012年5月12日)「プロサバンナのイニシアティブがモザンビークに外国人農業企業家を連れてくる」http://www.dw.de/iniciativa-prosavana-traz-empres%C3%A1rios-agr%C3%ADcolas-estrangeiros-a-mo%C3%A7ambique/a-15928800
*日本とブラジルの企業関係者らがモザンビークを訪問していることの記事。
*ブラジル農業企業家が何を植えるか検討中と。ブラジルのノウハウを持ってきたい。
*そこに暮らす農民のことが優先されるのかの不安の声を報道。
*コミュニケーションが重要とモザンビーク研究者。

(2)"Camponeses moçambicanos desconfiam do projeto ProSavana"(12.11.2012)「モザンビークの農民たちはプロサバンナへ不信」
http://www.dw.de/camponeses-mo%C3%A7ambicanos-desconfiam-do-projeto-prosavana/a-16372527
*ブラジル企業が来ている
*モザンビーク農民組織の不信感表明。
*土地が奪われることへの不安。家族農業を営む人たちの食料はどうなるのかの不安。タネの問題。
*ブラジル関係者の反論。北部はセラードと類似していて、同じような機械が使えるはず、と。

(3)"Sociedade civil moçambicana critica programa agrícola ProSavana" (06.05.2013)「モザンビークの市民社会が農業プログラム・プロサバンナを批判」
http://www.dw.de/sociedade-civil-mo%C3%A7ambicana-critica-programa-agr%C3%ADcola-prosavana/a-16794525
*プロサバンナは1000万ヘクタール・3州を対象とする。
*現在マスタープランを策定中であるが、これは地域に暮らす400万人の生活に大きな影響を及ぼす。
*しかしマスタープラン関連文書がリークされ、市民社会に不安が広がり、声明が出されている。特に、ランドグラビングへの危惧が大きい。
*声明を出したモザンビークの市民社会へのインタビュー:
ーForum Mulherの代表は、この規模である以上、農民が自らの土地や生産への自律性を奪うことになる。…投資家はもたらすというよりもって出ることになり、そこに暮らす農民らは搾取されることになるだろう。結局、ある種の植民地化になる。
ーLIVANINGOの代表は、結局、これは企業への天国への招待計画。ブラジルと異なりモザンビークの土地は安い。集約的な農業を投資家らが持ち込んで、結局モザンビーク人は「僕(しもべ)」、農業労働者にされるだけ。

(4)"Sociedade civil de Moçambique rejeita ProSavana”(06.06.2013)「モザンビーク市民社会はプロサバンナを拒絶」http://www.dw.de/sociedade-civil-de-mo%C3%A7ambique-rejeita-prosavana/a-16865070
*プロサバンナはメガプロジェクト。19郡対象。政府はこれはナカラ回廊開発を行うことで住民の貧困を撲滅するというアイディア。
*モザンビーク市民社会がプロサバンナを拒絶する公開書簡を発表。
*ナンプーラ州市民社会プラットフォームの事務局長:家族農業や環境破壊を起こそうとしていると批判。環境社会インパクト調査すらされていない。
*Justica Ambiental:小さいプロジェクトが決まったら環境社会調査をするというが、なぜこのような断片的な対応をするのか?理解できない。
*UNACの代表:いったいどのモデルの話をしているのか知りたい。ブラジルを見本にしているが、ブラジルではいまだに土地へのアクセスがない農民らがいる。止めて、きちんと座ってちゃんと説明してほしい。
*LIVANINGOの代表:アグリビジネスがきてほしいだけ。政府は農民のことなんて考えていないのは、みな知っている。土地は余っていない。輸出用の安い食料を作りたいだけ。人びとが食べてるのか、食べてないのか心配などしていない。

(5)"Campanha contra privatização da terra lançada em Moçambique”(02.08.2013)「モザンビークで土地の私有化に対抗するキャンペーン」
http://www.dw.de/campanha-contra-privatiza%C3%A7%C3%A3o-da-terra-lan%C3%A7ada-em-mo%C3%A7ambique/a-16994086
*ADECRUは、ProSAVANAはPRODECERに基本を有すると説明。環境社会インパクト調査が不可欠な規模と影響を持つプログラムであるにもかかわらず、カテゴリーはAでなく、秘密主義に徹した、開かれていないプログラムである。
*Fingermannは批判を「神話」と呼ぶ。プロサバンナで行われたランドグラブはない。プロサバンナは徐々にモザンビークの現実に直面して、もはやPRODECERのコピーではなくなりつつある。

(6)Projeto ProSavana em Moçambique visa garantir segurança alimentar do Japão, diz especialista(30.09.2013)「モザンビークのプロサバンナ事業は日本の食料安全保障を射程に入れる」
http://www.dw.de/projeto-prosavana-em-mo%C3%A7ambique-visa-garantir-seguran%C3%A7a-alimentar-do-jap%C3%A3o-diz-especialista/a-17128177
*日本の研究者はプロサバンナが日本の食料安全保障を狙ったものだった。
*日本とブラジルの農業開発協力は初めてではなく、PRODECERがブラジルで70年代にはじまった。
*この理由は世界的な穀物価格高騰によるもの。特に大豆。
*PRODECERのコンセプトは米国の大豆輸出。日本は輸入に頼る。
*JICAブラジルは以上の主張を確認。
*PRODECERは当初多くの問題に直面したが、社会・環境麺におけるネガティブ影響は認識されず、現在では日本政府に成功物語として宣伝されている。
*そのため、アフリカと世界への貢献策としてPRODECERを見本にしたプロサバンナが計画された。

(7)Projeto brasileiro que inspirou o ProSavana teve impactos ambientais graves(30.08.2013)「ブラジルのプロジェクトはプロサバンナをインスパイアーしたが、深刻な環境影響をもたらした」
http://www.dw.de/projeto-brasileiro-que-inspirou-o-prosavana-teve-impactos-ambientais-graves/a-17054390
*セラード農業開発、PRODECERは環境問題を引き押した、と地元研究者らは主張した。
*ゴイアス大学の教授は、大規模モノカルチャー生産によって大きな影響が環境(土壌)に起こされた。外国への輸出のための農業生産は、地域住民の食料安全保障に貢献しなかった。さらに、セラードは現在多様性によって知られるようになり、国の第二の森を形成しているが、大規模に破壊された。
*ブラジルアグリビジネス国際関係事務局:ブラジル:もともと何もなかったところ。そこに農業が営まれている。20%は保全されている。化学肥料の使用は法によって守られている。問題ない。
*ウベルランディア大学教授:保全地域があろうとも、多様性の問題は解消されていない。
*水の大量使用によって水資源の枯渇が起きている。飛行機を使った農薬投与が多くの被ばくと水の汚染を起こしている。
*ブラジル農業省:それを証明する根拠はない。しかし、70-80年代は環境問題への危機感が薄かった。多様性への配慮などはなかった。今日はあのようなことはできないだろう。
*プロサバンナのためには、このような負の遺産から学ぶしかないと、農業省は主張。

(8)Antepassado brasileiro do ProSavana prejudicou pequenos agricultores, dizem estudiosos(28.09.2013)「プロサバンナのブラジルの先祖は小農たちに害をもたらしたと、研究者らは述べた」
http://www.dw.de/antepassado-brasileiro-do-prosavana-prejudicou-pequenos-agricultores-dizem-estudiosos/a-17067517
*セラードで展開したPRODECERとは、機械化された農業。巨大なラティフンディオ・モノカルチャー。小農が入る余地はなかった。同地域で、小農がこのようなラティフンディオと競争することはど不可能だった。これは日本による農業開発協力だった。そこに暮らす小農らは、お金のために土地を手放した。
*ウベルランディア大学教授:PRODECERは、地域の人々と協議などしなかった。来て、土地を占有して、そこに暮らす人びとは土地をあきらめた。お金がよかったからだ。
*アグリビジネス国際局:左翼の指摘には根拠がある。このプログラムは確かに小農支援のものではなかった。世界への穀物の供給が目的だったからだ。そうである以上、小農支援になりようがない。競争力がないからだ。目的は、大規模な土地を集積することであって、小農を支援することなどではなかった。
*彼は、プロサバンナは、PRODECERによってインスパイアーされている以上、このような失敗から学ぶべきと結んだ。
*モザンビークのプロサバンナ対象地の圧倒的多数が小農である。
*ゴイアス大学教授:そこに暮らす人たちは土地を放棄して町にいった。しかし、そこで何をして生きていけばよいかわからなかった。結局、これらの人たちは農村に戻った。しかし、農業労働者にならざるを得なかった。

(9)"Camponeses moçambicanos sentem-se excluídos do ProSavana"(2013年9月9日)「モザンビーク農民はプロサバンナから排除されていると感じている」
http://www.dw.de/camponeses-mo%C3%A7ambicanos-sentem-se-exclu%C3%ADdos-do-prosavana/a-17075860
*環境社会インパクト調査が行われていないままにマスタープランが作られていっていることへの危機感が広がっている。また、土地取引におけるクライテリアが一体何になるのかならないかがはっきりせず、農民の不安をかきたてている。これを市民社会らは、「秘密主義が増している」と述べている。
*UNAC代表:プロサバンナは、モザンビーク農民の意見に耳を傾けてこなかった。だからこそ、混乱が起きている。それは起こってはならないものである。
*UNAC事務局長:排除の論理がプロサバンナを支配している。コンセプトにおいてもモデルにおいても矛盾に満ちている。
*カーボデルガード州農民:止めるしかない。農民たちの声に耳を傾け、コンセンサスができるまで。
*結局政府は輸出用の一次産品生産の話をしているが、農民たちは食料生産を気にしているのである。
*土地はある。みなにある。農民らの組織化を奨励し、生産性をあげるのがプロサバンナ。
*プロサバンナフォーカルポイント:農民おためのプログラム。

(10)"Não existem terras livres para o ProSavana" critica Calisto Ribeiro(12.10.2013)
「カリスト・リベイロは、プロサバンナのために自由になる土地など存在しないと批判」
http://www.dw.de/n%C3%A3o-existem-terras-livres-para-o-prosavana-critica-calisto-ribeiro/a-17144711

(11)"O fenómeno de Angola está a emergir em Moçambique" alerta economista moçambicano João Mosca 02.10.2013「モザンビークでアンゴラ現象が起きていると、モザンビーク人エコノミストが警告」http://www.dw.de/o-fen%C3%B3meno-de-angola-est%C3%A1-a-emergir-em-mo%C3%A7ambique-alerta-economista-mo%C3%A7ambicano-jo%C3%A3o-mosca/a-17124861

【ドイツ市民社会声明】
以上のドイツ内での報道、そしてドイツで開催されたプロサバンナに関する国際会議(9月27日まで開催)を受けての声明だそうです。以下英文を張り付けておきます。
"Message of Solidarity with the Mozambican Civil Society in Support of Small Scale Farmers confronting the program ProSAVANA"「プロサバンナ計画に直面する小農を支援するモザンビーク市民社会への連帯メッセージ」

(続きは、Moreをクリック)

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by africa_class | 2013-10-13 11:36 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題

【緊急報告会!】9月30日16時~「プロサバンナに関する現地調査報告&緊急声明文発表」@参議院議員会館

お待たせしました。緊急報告会(9月30日(月)16時~17時半)の詳細が決定しました。
締切は28日(土)正午です。座席に限りがあるので急ぎお申込み下さい。

なお、以下関連の過去記事です。
●現地調査写真
http://afriqclass.exblog.jp/18496389/
●現地調査報告概要ドラフト
http://afriqclass.exblog.jp/18496108/
●過去の投稿については以下の引き出しに。
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【転送・転載歓迎】
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2013年9月30日(月)16:00~17:30
議員会館内 緊急報告会

日本ODAによるモザンビークの大規模農業開発事業
「プロサバンナ」に関する現地調査報告・緊急声明の発表

http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20130930.html
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ザンビーク北部3州 の1400万ヘクタール(日本の耕地面積の3倍)
におよぶ「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるアフリカ熱
帯サバンナ農業開発計画(略称:プロサバンナ/ProSAVANA)」は
2009年 に合意されました。

しかし、2012年10月、 モザンビーク最大の農民組織(2200組織
加盟)である全国農民連盟(UNAC)がプロサバンナ事業への抗議
声明を世界に向けて発表して以来、多くの現地農民組織・市民団
体および国際的なNGOが、同事業への懸念を表明してきました。
これらの懸念の根幹は、同事業が現地事情や農民・市民社会の
意見をまったく反映しておらず、アグリビジネスによる大規模な土
地収奪(land-grabbing)に道を開くものだという点にありました。

これを受け、日本のNGOや研究者らは、2012年12月 のNGO・
外務省ODA政策協議会を皮切りに、2013年1月より「ProSAVA
NA事業に関するNGO-外務省・JICA意見交換会」を5回 実施し
てきました。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/kyougikai.html
(*議事要旨は下の「プロサバンナ…」のところをクリック下さい)

2013年2月には、UNACの代表、環境NGOの代表が来日し、議
員会館での学習会、記者会見でプロサバンナ事業への懸念を表
明するとともに、現地住民との対話を日本政府に訴えました。

6月に横浜で開催されたTICAD V(アフリカ開発会議)時には、前
述農民連盟に加え、対象地域(ナンプラー州)の市民社会プラット
フォームの代表が来日し、モザンビークの主要農民・市民・宗教団
体23組織による3か国首脳宛て公開書簡「プロサバンナ事業の緊
急停止」が発表されました。同「公開書簡」は、農民組織代表により
安倍晋三総理に手渡されています。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
(*プロサバンナに関する資料、声明などは以上ブログを参照)

以上の事態を受け、日本のNGOや研究者による調査団が8月に
現地を訪問し、農民や政府・援助事業関係者らに聞きとりを行うと
ともに、プロサバンナ事業に関する「(モザンビーク・ブラジル・日本)
3か国市民会議」に参加しました。

同会議にはモザンビークの農業大臣や首相代理も参加し、活発な
やり取りがなされました。また、事業対象3州でプロサバンナ関連
事業の現状、アグリビジネスの進出状況、土地収奪、現地小農の
生産努力に関する調査を実施しました。

現地調査からは、プロサバンナ事業の透明性や説明責任の問題が
大きいこと、マスタープランに関する政府と市民社会の対話が始ま
ったばかりであるのにプラン策定が最終段階にあり、かつ関連事業
が進められ地域社会に混乱を招いていること、アグリビジネスによる
土地収奪が地元農民の生存や生活を脅かしているケースが出てい
ることなどが分かりました。

本報告会では映像も交え、調査結果を報告し、声明を発表します。
ふるってご参加ください。

■日時:2013年9月30日 (月)16:00~17:30 
(質疑応答 17:00~17:30)
■場所:参議院議員会館B107  (入館証70枚まで発行)

【司 会】
津山直子(アフリカ日本協議会理事/動く→動かす代表)

【報 告者】
・ 秋本 陽子(ATTACジャパン)
・ 高橋清貴(日本国際ボランティアセンター)
・ 舩田クラーセンさやか
(東京外国語大学/モザンビーク開発を考える市民の会)
・ 森下麻衣子(オックスファム・ジャパン)
・ 渡辺直子(日本国際ボランティアセンター)

【コ メンテーター】
・ 松本悟(法政大学准教授/メコン・ウオッチ顧問)
・ 若林秀樹(アムネスティ・インターナショナル日本事務局長)

共催:(特活)アフリカ日本協議会、(特活)日本国際ボランティアセンター、
(特活)オックスファム・ジャパン
協力:モザンビーク開発を考える市民の会

■問合せ先 /申し込み先
参加希望の方は、以下を明記の上、9月28日 (土)正午までに
メールもしくはFAXにてお申し込みください。
(FAX:03-3834-6903 /EMAIL: info<@>ajf.gr.jp)
*@マークの<>を削除して送信下さい。
(1) お名前 (2) 当日連絡可能な連絡先 (3)ご所属
※ 当日は、参議院議員会館入口にて入館票をお渡しします。

(特活)アフリカ日本協議会 
電話03-3834-6902/ FAX 03-3834-6903/
Email info<@>ajf.gr.jp  担当:斉藤、津山
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20130930.html

以上
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by africa_class | 2013-09-18 15:58 | 【考】土地争奪・プロサバンナ問題