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【参加申し込み18日締切】第3回 #ProSAVANA 事業に関する外務省との意見交換会 4月19日17時~

 日程設定に1か月かかった(決まったのは4月9日)…という第3回「ProSAVANA事業に関するNGO・外務省との意見交換会」の詳細が発表されました。例のごとく、開催日まで1週間程度しかないので、どしどし拡散&お申込みを。
 しかし、会議日程の議論で何度も何度もNGO側担当者が外務省に連絡を入れ続けなければならない現実、さらには重要なセミナーすら招待されない事態の一方で(http://afriqclass.exblog.jp/17561168)、外務省担当者は議員を訪ねてては、「NGOと丁寧に協議している」と説明・・・ということ自体が、すごく矛盾していますねえ。

 このような言動不一致、日本の官僚機構の「当たり前」なんですが、そういう行動様式こそが、援助対象国社会でも、日本社会でも、不透明に思われる背景だといつになったら気づかれるのでしょうか・・・。コレの詳細は以下投稿で検討した通り。 
■「自己崩壊する日本の外交と開発援助」
→http://afriqclass.exblog.jp/17470123
 
 なお、このブログは関係者の皆さんの「『愛読』ブログ」となっており、ここに書いたことに一つずつ反論すべく頑張ってくださっていることを、あちこちから聞かせていただいています。でも、反論があるのであれば、あっちこっちで打消しに精を出されるよりも、やはり公開の場で討論という形でやるほうが広く皆さんの主張も耳にされるので、「透明性」という意味でも、「説明責任」ということでも、大変望ましいことと考えるのですが、いかがでしょうか?
 日本社会にそういう文化を育てない限り、原発事故のようなことは起こり続けるわけで、「都合の悪いこともお日様の当たるところで正々堂々議論する」ことで互いに学ぶことができますし、「問題を隠す、なかったことにする、ズラす」という習慣を今乗り越えないと、いつ乗越えるのだろう・・・と切に思うのです。この点については、以下投稿。
■「批判的思考と対立:自分と組織を改善・刷新していく方法~TranscendやLearning Organizationより」
→http://afriqclass.exblog.jp/17323964/

 ということで、唯一オープンな議論の場がこの協議会なので、是非ご参集下さい。(申込み必要、締切18日)

====================================
NGO外務省定期協議会
ODA政策協議会NGO側事務局
ODA改革ネットワーク

第3回ProSAVANA事業に関する外務省との意見交換会
NGO側当日参加者募集

 平素ODA政策協議会へのご理解とご協力を賜り、誠に有難うございます。

 さて、4月19日(金)にProSAVANA事業(日伯モ・三角協力によるモザンビーク熱帯サバンナ農業開発)(下記注1)に関する外務省との第3回目の意見交換会を開催いたしますので、当日参加者を募集いたします。
 これは、2012年度第2回ODA政策協議会(12月14日開催)で、同事業について関心を寄せるNGOが多 かったこと、論点が多岐にわたる大きな事業にも関わらず議論する時間が限られていたこと、公開されている情報が不足していたため議論を十分に深めることができなかったことなどを受けて、引き続き継続的に外務省と議論されているものです。

引き続き皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
ご参加ご希望の方は、下記参加希望フォーマットに従いお申し込み下さい。

以下当日の案内です。
 ●第2回ProSAVANA事業に関する意見交換会●
 日時:4月19日(金) 17:00~18:30
 集合時間:16時45分 
        外務省東口玄関待合室(時間厳守)
 会場:外務本省内会議室
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/address/index.html

*注1:
http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/activities/index.html

・メールタイトル「ProSAVANA事業に関する意見交換会の申込」
・申込締切り:【4月18日(日)17時まで】≪厳守≫ 
・記載事項:㈰氏名㈪所属団体㈫連絡先(メールアドレス)
・申込先:NGO側事務局 
oda.advocacy<@>gmail.com
 *円滑な事前準備にご協力お願いします。
  締切後は参加者リストにお名前・団体名を掲載できません。
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by africa_class | 2013-04-13 01:32 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

プロサバンナ・セミナー開催、but for what?(「期待」のためモザ・伯国から30名&70万円強の会場費)

昨日は関西からトンボ帰りで東京へ。
JICA主催のプロサバンナ「国際セミナー」に参加するため。
モザンビーク・ブラジルから30名近くが来日して行われたセミナー。しかし、この来日もセミナーも、最初から最後まで不透明なまま・・・の大騒動でした。はあ~。

病み上がりであまり校正が入れられないのですが、重要なポイントなので流しておきます。なお、このたった3時間(当初予定2時間半)のセミナーで使われた会場の使用料はなんと73.5万円!!!
http://www.bellesalle.co.jp/bs_hanzomon/price/
(自分の目でみてみましょう。一般の人の給料の数か月分…。先月3人をモザンビークから1週間お招きし80万円強でしたが…。庶民の感覚ではいけないのでしょうか。)

311後の日本にこんな余裕があるんでしょうか?ウーン、意味が分かりません。いってくれれば、大学の施設でもなんでも協力したのですが…。都内は山ほど大学がある。でも、私たちがこのセミナーを公的に教えてもらったのはセミナーから10日を切った段階だからまず無理ですが・・・。

しかもそのようなお金を払う意味があったのか?セミナーの目的は次のようなものと書かれています。

セミナーの目的:「JICAは、ブラジル国際協力庁、モザンビーク農業省と共催で、日本・ブラジル・モザンビークの三角協力によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発事業(ProSAVANA-JBM)の事業の紹介及び、ブラジル・モザンビーク両国からご参加頂く政府関係機関、現地農民組織等より、当事業への期待についてお話しをいただくセミナーを開催します。」

つまり、「事業紹介」と「事業への期待についてのお話」のために、会場費に70万円…なんですね。一緒に参加した開発コンサルの友人が、「何これ?何のためやってるの?現場ではお金を切り詰めさせられているのに?しかも中身がない。宣伝と期待を話すためにわざわざこんな大規模な会議必要なの?」。

しかも、「議論」なるものもオープンではなく、質問票をProSAVANAの推進者である本郷さんが取捨選択して、モ・ブ関係者に話させただけ・・・。つまり、インプットは何もない、プロパガンダのためのセミナーだったんですね。これ、国民へのアカウンタビリティに資する点はまるでなかったイベントでしたねえ。なのに、この70万円からのお勘定も納税者持ち。この不景気の、311後の日本で、ProSAVANAは何かと景気が良い話ばかり。

そして、内容は、2週間前にモザンビークで行われたステークホルダー会議なるもので発表されたマスター・プランの詳細ですらなかったのです。勿論、目的が、「事業紹介」と「期待」だからというのもありますが、2009年に合意され4年近くが経過して、未だに「期待」の話のために、こんな大量の税金使うのでしょうか?庶民の常識をかなり逸脱した事業だということは前から思っていましたが、ますますそうですね。

でも、このセミナーと合同ミッション、それ以前から問題多発だったんです。今だから明かす舞台裏。

1. 不透明でアカウンタビリティを欠いた今回のミッション
 まず、日本のNGOがこの「ハイレベルProSAVANAミッション」なるものの来日を知ったのが3月14日。残念ながら、プロサバンナ事業の定期協議会を行ってきたJICAからでも外務省でもないモザンビーク筋から。その間、毎日のように外務省ともJICAともやり取りがあるのに、こんな議論の時間を割いている援助事業について意見交換をする市民社会側に、一切報せなし。計画と予算措置なしにこのようなお金のかかるミッションを行うわけがなく、ずっと前から計画があったはずも、2回の意見交換会でも何一つ言及してこなかったのです。
 まあ、「忙しかったのね」と優しいフォローを入れてあげたくなるところですが、この先が酷い。

 正式にODA定期協議会の枠組みから、ミッションの詳細(スケジュールと参加者)と来日するという「農民組織」の名称と面会希望、公開での討論会を依頼。しかし、何日経ってもなしのつぶて。
 何人かのNGO関係者が直接JICAに電話を繰り返し、ようやく3月22日になって、「ミッションは来る。4月2日にイベントをする。詳細は未定。農民組織名は不明。会えるかどうか不明」・・・という情報ともえいない情報が届きました。日本のNGOも大変忙しい中、ProSAVANAのフォローアップをしているというのに、これでは何の予定も立てようがありません。
 
3週間前にモザンビークに赴いたばかりの参議院ODA特別委員会の議員さんのところには、情報があるだろうということで、複数のNGOから問合せ。しかし…。何と、彼らの誰一人も、このハイレベルミッションご存知なかった!モザンビークからの来日者は、彼らがモザンビーク訪問時に会いたいと希望していた面々(農業大臣・州知事など)。国会の日程が変更になり、残念ながら帰国が早まり会えなかったことについては既にお伝えした通り。
 わざわざ先方から日本のお金で来日するというのに、何故真っ先にお知らせして面会をアレンジしないのでしょうか?国会議員の中で、ProSAVANAに関心を有しているのは、この先生方であることは間違いなく、外務省もJICAも繰り返し、ProSAVANAについて話すために議員事務所を訪れている。しかし、あえてこのハイレベルミッションについてはまったく知らせず。さすがに皆さんご立腹。
 
 3月26日、議員事務所からJICAに来日者や予定をお願いするものの、その日の夜に出てきた情報は4月2日のセミナーのものだけ。 しかも、彼らの日本への出発は29日だというのに、農民組織名も代表者名も知らせてもらえず・・・。ようやく出てきた団体名は、「農民組織」のものではなく、商工会議所のもの・・・。

 以上から明らかになったことは、JICAや外務省が、この「ハイレベルミッション」の詳細、特にスケジュールと来日する農民組織名称を、国民の代表である国会議員にも、この件で「対話」を積み重ねてきたNGOにも、知らせる気が毛頭なかったという事実。

 この時点で、すごく不透明で、アカウンタビリティに欠けている状態。
 ODAを支えているのも、来日の予算を支えているのは、国民と納税者。しかし、これらの代表者らには伝えず、ハイレベルミッションの詳細を早くから知らせてもらい、打ち合わせてもらっていたのは、「メディア」「企業関係者」でした。

 このことに、立案から現在までのProSAVANA事業の典型が見受けられます。税金で支えられた、透明性やアカウンタビリティ、情報公開が不可欠な事業であるという意識がまるで感じられません。

 援助案件にもかかわらず、「官民連携」の掛け声の下、無視され軽視され続ける納税者や市民社会、さらには国会議員の姿が象徴されているといえるでしょう。
 
2. 何故彼らはギリギリまで情報を隠したのか?
では、彼らは何故情報をギリギリまで隠したかったのか?
それは、①NGO側に都合の悪い状況を生み出されたくない、②都合の悪い情報があった。
①についてはまた今度。
②について、考えてみましょう。

 JICAや外務省が今回重視したのは、2月末のモザンビーク最大の農民組織UNACと環境団体JAによる、プロサバンナ事業への異議申し立ての打消しだったと思われます。勿論、そのためにはモザンビーク政府の代表やブラジル関係者の来日が重要ですが、より重要なのは誰か?
 
 ズバリ、「農民組織代表」です。

 彼らが、ProSAVANA事業に異議申し立てを行ったUNAC(モザンビーク全国農民連盟)をどう扱ってきたか既に紹介した通りです。2200組織の連盟で、小農の権利を守るための連合組織であり、モザンビーク最古・最大の組織であるというのに、「反対派」のレッテルを貼り、その会長になかなか会おうとせず、表敬訪問も事務官に対応させる一方、日本から派遣された議員団との面談をスッポカさせようと画策したのはご存知の通り。

(詳細→http://afriqclass.exblog.jp/17470123 「自己崩壊する日本の外交と開発援助~ #プロサバンナ を事例に(議事録・スッポカシ・農民分断問題」)
 
 JICAも外務省も、繰り返し「賛成している農民組織も沢山ある」「UNACは単なる1団体に過ぎない」と連呼し、その「賛成派農民組織代表」を来日させることが今回の狙いだったことは明白。当初、「事業対象地の、ニアサ、ナンプーラ、ザンベジア州から農民組織代表を招へい」といっていたのに・・・・。

 来日したのは1農民組織に過ぎませんでした。
 農民組織の選定はプロサバンナの対象とする各州にお任せ・・・・すると?
 
 そして、彼らは当初気づいてなかったのですが、一番避けたかった事態が生じました。
 それは・・・・なんと、ニアサ州によって「農民組織代表」として選ばれたのは、UNACのニアサ州組織代表Pessego氏だったのです!!!


3. 正当性が証明されてしまったUNACと慌てるJICA、分断の危険
 いつの時点でJICAがこの事態に気づいたのかは不明です。
 しかし、来日した「農民組織代表」は、UPCN (União Provincial de Camponeses do Niassa)つまり、UNACの加盟組織なのです。パワーポイントで使われた写真も、先日来日したUNACマフィゴ代表のものと同じだったほど。

 では、ポルトガル語のお勉強。

 União Nacional de Camponeses (UNAC 全国農民連盟)
 の各州の組織が、União Provincial de Camponeses de ----州です。
 つまり、れっきとしたUNACの組織の名称。

 そして!!!!!
 プロサバンナ批判声明を出した組織の一つなのです。以下の声明にばっちり冒頭に組織名が出てきます。
→http://farmlandgrab.org/post/view/21204

 なのに、彼の団体名は、何度聞いてもNGOは教えてもらえず、彼らが出発した先週金曜日にようやく知らされた団体名は・・・・。これにも驚き。

 UNACの一支部であることはまったく言及されないまま、「ニアサ生産者団体」、でも「組合かも?」という曖昧な日本語でJICA倉科課長からNGOに連絡が来た・・・ほどの丁寧さでした。

 しかし、今だから言いますが、私たちは勿論知っていたのです。しかし、招聘者であり主催者であるJICAから情報を得るのが筋ですし、どう理解しているのか、どう説明するのかを見ることもまた、Watch Dogとして重要な使命。議員との面談の件といい、こういう工作、本当に不要です。JICAの皆さんの説明責任の放棄や不透明さを強めるだけ。

 この程度の事実を隠さなければならないような援助事業、本当にいい加減見直しては如何でしょうか。ちなみに、このようなことはすべてモザンビーク社会にも丸見え。現地の市民社会にとって、日本の援助は、このプロサバンナ事業のせいで、既に中国とそん色のないほど不透明なものとして理解されていること、依然ご存知ないのでしょうね・・・。

 彼らが来日者を隠したかった理由はもうお分かりかと。私たちの事前接触を避け、彼が公の場で「ProSAVANA反対」を述べないために行われた数々の工作・・・について、私たちは心を痛めています。大臣から州知事まで20名近くの派遣団の中で、「反対」「異議」を唱えられるわけもなく、セミナーにいらっしゃったPessego氏は非常に硬い苦しそうな表情をされていました。

 そして、彼のパワーポイントは彼が作ったものではなく、JICAモザンビーク事務所が作成。その証拠に、彼は自分の原稿なしに話が出来ず、わざわざ席に取りに戻ったほど。そして、UNACの活動目標であるLuta pela participacao activaという「権利確保のための積極的な参加への闘い」(この方も明言していた)の訳は薄まっていました。

 さらには、休憩時間中にPessego氏と日本のNGOが話をしているそばには、JICAのプロバンナ・コーディネイターのブラジル人女性スタッフ(ジュスメイレ・モウラオン)氏がぴたーーーと付き添って、彼の発言を監視していました。さらには、彼のセミナー後の通訳は、我らが「ProSAVANAの生みの親でCerradoの生き字引の本郷さん(byJICA2009年6月)」が、手振り身振りで白熱して行っておりました。実はそのあとのNGO懇談会で、JICAブラジル人スタッフ(モウラオン氏)が行った通訳は問題だらけだったことが発覚しています。以下、英語ですみませんが・・・。

Pessego氏の話したこと:
“The invitation came from the government [of Mozambique]. I think ... because our Union disturbed our government. We, as a Union, have repeatedly been asking the provincial directorate of MINAG questions such as “for whom is ProSAVANA?” and requesting more clarification from them. We also participated in meetings on ProSAVANA and asked many questions related to the [impacts of the programme on] small farmers. Due to such intervention and doubts, as small farmers, I think, the local direcção [the MINAG’s provincial office] wanted to invite us.” (speech by the UPCN’s representative originally in Portuguese, translated by the author from the informal minutes, April 2, 2013).

JICAブラジル人スタッフ(Mourao, ProSAVANAコーディネイター)の訳:
“About our cooperation and relationship with the government, we were invited because the Union wanted to know what ProSAVANA is, and had asked questions to the government. The Provincial directorate invited the Union from the beginning and explained the design of the project [ProSAVANA]. The Union also held some meetings with the government. That is why I came here. I came to participate and to tell you, that is, the audience of Japan, our expectations as small farmers [of the programme]” (extracted from the informal minutes without any corrections, April 2, 2013).

全体がこんな調子だったのですが、その場にいらっしゃったポルトガル語も英語もとても堪能な本郷氏は何も修正せずだったのです。残念。

さらには、Pessego氏と日本のNGOとの面談は、何故かブラジルABCや農業省担当者が同行する形でしか実現しませんでした。さらに凄いのは、最後まで、Pessego氏がUNACの下部組織の代表であることは、隠されたままセミナーは終了!

 セミナーでは、結局、Pessego氏は、「プロサバンナ賛成」も「反対」も唱えませんでした。彼のギリギリの努力でした。課題として用意していた話もされませんでした。あの状況でそれを出来るモザンビーク人は多くはないでしょう。そして、彼はこの度どれほどの圧力を受け続けているのかと考えると、本当に申し訳ないです。
 
 ニアサ州知事が「州の農民組織代表を選べ」と言われて当然のごとく選んだのがUNACニアサ支部なのです。それほどまでに、UNACは「一団体」「ごく一部の偏った団体」などというものではないのです。UNACの10月11日のProSAVANA声明以降、JICA内部では、UNACが野党のものであるとか、反政府のものであるとか、国際NGOに牛耳られている団体であるとかの「噂話」がまことしやかに囁かれ、メディアや議員にも囁かれていますが、実際そうではなかったことを、この合同ミッション自身が証明してしまいました。

 だからこそ、Pessego氏の取り込みを全力でJICAもモザンビーク農業省もやってくるでしょう。 なぜ、モザンビークの「農民の組織化を支援する」というProSAVANA事業が、このように農民組織内部を分断するような状況を進んで生み出しているのでしょうか?

 まさに、日本の地方公共事業、ダム建設や原発建設と同じことを、遠いモザンビークで繰り返しているのです。最初からそうこのブログでも問題提起してきましたが、ますますその様相がはっきりし、実の所私としては胸の中に哀しい痛みを覚えています。それでなくとも沢山の課題を抱えるモザンビークの小農たちに、われわれの問題を輸出している状態だからです。

4. セミナーはなんだったのか?
そしてこのセミナーの詳細(といっても大した詳細ではないですが)を掲載したサイトが既に消去されているということでした。こういうことになるだろうと思って、保存しておいたものを抜粋し貼り付けます。

===
国際セミナー「ProSAVANA:アフリカ熱帯サバンナの持続可能な開発を目指して」

*なお、当日配られたのもウェブにあったのと同じ内容。発言した方々の所属団体も名前も分からないまま(口頭アナウンスはあったものの)、終わってしまいました。
*内容のお粗末さについては冒頭で述べた通り。面白い発見も多々あったのですが、それは後日。

1.日 時 :2013年4月2日(火)14時30分~17時00分
(その後、懇親会を予定しております。)
2.会 場 :ベルサール半蔵門 HALL A

プログラム内容
1. 開会挨拶:JICA田中明彦理事長
2. 共催者挨拶:ブラジル国際協力庁 フェルナンド・マローニ・デ・アブレウ長官
3. 基調講演:モザンビーク農業省ジョゼ・パシェッコ大臣
演題「アフリカ熱帯農業開発への取組みとProSAVANAへの期待」
ゲストコメンテーター:FAOポルトガル語圏共同体
エルデル・ムテイア代表(元モザンビーク農業大臣)
第1部
4. 講演:モザンビーク農業省/JICA/ブラジル国際協力庁共同発表
ProSAVANA事業紹介「地域住民の生活向上を目指して」
「ProSAVANAの目標・現状・課題と開発計画概要」
休憩(15分)
第2部
5. 講演:ProSAVANA事業への期待「Social Inclusionと環境保全の両立と責任ある農業投資」
講演者:モザンビーク農民組織代表者、モザンビーク北部ナカラ回廊地域州知事、モザンビークアグリビジネス企業代表者、伊藤忠商事株式会社代表者
第3部
6. 質疑応答
7. 閉会の挨拶
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by africa_class | 2013-04-03 20:06 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

自己崩壊する日本の外交と開発援助~ #プロサバンナ を事例に(議事録・スッポカシ・農民分断問題)

今日は意図せず3つもブログ投稿を書いてしまった。忙しいのに・・・。でもこれは昨日書き始めて時間がなくそのままになっていたもの。本当にあほらしい話なんで書くのも気が進まないけれど、これが日本社会・組織の現状なのでそのまま流します。 
 なお、3月30日2時~大阪梅田で講演をします。詳細は後日。
=========
今日は同僚がご家族と一緒に拙宅に遊びにくる。職場環境を良くしようと、色々な先生達と飲み会や、食事会など企画してきました。さて、先生ご一家を待っている間に、この間ツイッターで書いたことをこちらにも転載しておきます。

その前に、JVCの高橋清貴さんの記事です。コンパクトにまとまっていて読みやすい。連載だそうです。→JVC - モザンビーク・プロサバンナ事業とは何か? - JVC月刊誌Trial&Error掲載記事: http://www.ngo-jvc.net/jp/perticipate/trialerrorarticle/2013/03/20130312-prosavana.html

さて、今日の話題は、日本の援助問題の「根っこ」にある、異なった意見や批判、反論を受け付けられない体質が行き着く先についてです。「問題」を指摘されたら、①無視、②隠蔽、③反論のための工作、④論点ずらし、⑤矮小化、⑥問題を指摘した人たちへの攻撃・・・が、日本のお役所の原風景。311後もはっきりしたと思いますが、これは長年にわたって日本のODAにも見受けられた傾向です。

このブログの読者であればもうお馴染み・・・残念ながら・・・だと思います。
自体はますます、ひどい方向へ。
具体的なケースをみていきましょう。
誰か研究ネタとして掘り下げてくれるといいのですが・・・。
(一次資料満載なので)

皆が表面的になんとなく~で理解している「国際協力」「ODA」「外交」「NGOとの対話」といったものの、本質的問題、構造、カラクリに目を向けてみましょう。

1.ODA定期協議会・議事録勝手な修正
12月14日にODA定期協議会が、NGOと外務省の共催で開催されました。この定期協議会は10年以上もの歴史を誇る、日本のODAに関する協議の場です。オープンな協議で、議事録は詳細が公開され、年に数回開催されてきました。

通常は開催後1か月程度で公開されるこの議事録が、3か月も公開されませんでした。NGO・外務省双方のチェックは1か月以内に終了していたにもかかわらずです。その理由は何でしょうか?

外務省担当課が、NGO側の発話部分に勝手な「修正」を入れてきたからです。その数なんと14か所!前代未聞な事態に発展し、かなり上のレベルで問題になりました。オープンの場でやられたオープンな議論の、日本の行政手続きの透明度を上げるための議事録に対する、このような密室の一方的な介入は、10年以上続いてきたNGO・外務省対話の精神に反しています。

例えば、こんな感じ。
NGO:現地では「プロサバンナはブラジルのアグリビジネスのアフリカ進出に加担する案件なのではないか」と思われている。しかし,そのことが何も言われない。「それは誤解だ」ということも可能ではあると思うのですが,実際ブラジル・サイドの関係者,例えばニシモリさんという日系ブラジル人の議員さんが,「ブラジル人の入植をしっかりこのプロジェクトでバックアップする」と述べたり(***では,このように認識していない。ニシモリ議員は*****「モザンビーク人の育成について支援する」との姿勢であると***。

(ちなみに、このブラジルのニシモリ議員については、是非以下のブログ投稿を。同議員が、「プロサバンナ事業は、ブラジルの土地なし若者失業者が大規模農業をモザンビーク北部で展開するための事業」と議会TVで言いきっています。その全訳あり。
http://afriqclass.exblog.jp/17331007/)

なので、この修正として書かれていることもかなり無理がある内容。だって、彼は現にメディアに引用されるようなことを発言しただけでなく、議会TVで堂々とそれを嬉しそうに語っているのですから。なのに、これを「認識しない」「モザンビーク人の育成の支援」という姿勢というのは、反論にすらならないのではないかと・・・・思うのですが・・・?

残りの13か所の修正も、おかしなことばかりなのですが、こういうことが許されると外務省の中間管理職にある人が思っているところが、根が深いですね。もちろん、省内にはこの「議事録事件」に心を痛めている人もいたようですが。

結果、2か月に及ぶすったもんだの末、今週になっていつの間にか公開されていました。(既に、次の定期協議会が3月4日に開催された後になって・・・・のことでした。通常は、次の定期協議会前に公開されます。当然のことながら、前回の議論を踏まえた議論にしないと、定期協議の意味がないからです。)
→http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/oda_seikyo_12_2.html

該当部分の議事録は修正を断念したようです。(見た限りでは)
なぜ、外務省がそれほど赤入れにこだわったのか?それは、各自で議事録を読んで頂くのが一番かと。公に出るのを隠したい事実や認識が少なくとも14か所あったのですね。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/pdfs/seikyo_12_2g.pdf
該当部分はこれ→2 協議事項
モザンビークProSAVANA事業の課題】

2.モザンビーク訪問参院ODA特別委員会とUNACの面談事件
さて、次は今週あった話。参院ODA特別委員会の訪問団がタンザニアとモザンビークを訪問しました。モ国ではプロサバンナ事業の視察と同事業に反対するUNACとの面談を希望されていました。しかし、これについて、外務省・JICAは回避に躍起。

しかし、国民の代表であり、ODA委員会のメンバーによる公的な訪問。それも税金です。巨額の公金が投じられるプロサバンナ事業に関する視察や、現地最大の農民組織代表との面談は、ODAの透明性確保と改善のために重要のはず。ては、何故嫌なのか?という疑問が湧きます。

さて、しぶしぶ視察とUNACとの面談が決まり、UNACとの面談は3月13日午後に決定となりました。現地では、国際NGOのOXFAMとUNAC代表が、議員団と駐モザンビーク日本大使館で面談する予定となり、そのように日程表にも書き込まれていました。ただし、何故か農業省から誰かの同席すると、日程表には書かれていない企画も持ち上がったそうですが。この面会のため、わざわざ首都から遠く離れた北西部の州にいるUNACマフィゴ代表が多くのお金を費やして首都に移動して来ました。

しかし、国会での採決の日程が迫り、結局議員団訪問の日程変更が生じ、UNACと面会調整が必要となりました。飛行機は正午に出る以上、15時からの面談は不可能なのは明らかです。これは、議員のブログをみると3月8日(金)の時点で決定されており、その議員の予定には13日の予定はUNACとの面会だけが書かれていました。そして、議員から現地の大使館にUNACとの面会時間の再調整が依頼されました。

しかし、何故か駐モザンビーク日本大使館の担当者は、「無理」「難しい」を繰り返したそうです。が、時間はあったのです。朝食前、空港での待ち時間でいいから面談を希望された議員さんたちに対し、何も明確な返事をしないまま、ついに出発13日の朝がやってきます。

しかし、現地駐モザンビーク日本大使館もJICA事務所も、この変更についてUNACに伝えていませんでした。マフィゴ代表は、13日15時からの面会に備え首都に飛んできていました。面談がキャンセルされていたことも知らないまま、15時に大使館に行くつもりだったのです。

日本のNGOがこの事態に気づいて、13日のモザンビーク時間朝6時すぎにUNACに電話を入れてくれました。スタッフ一名hなんとかつかまったものの、代表まで朝8時にホテルに辿り着くことは難しい。そこで、11時に空港に代表が向かうことで対応となりました。

結局面談は実現しましたが、なんという非礼・・・。2200農民組織に対する対応として、あまりに礼を欠いて、不信感を招く対応。日本NGOが動いて、面談を実現させなかったら、大変な外交問題になったことでしょう。それを、「議員の予定が急に変わった」と知らんふりするつもりだったのでしょうか?

しかも、同席した日本大使とJICA事務所長は、繰り返し、「市民社会や農民組織との対話の重要性」「透明性の重要性」など主張したそうです。

繰り返される言動不一致。
言っていることが立派であれば立派であるほど、実際にやっていることとかい離すればするほど、人の信用・信頼というものは、失われていくのだということを、ご存知ないのでしょうか?

このブログでも何度も書いていますが、小手先の工作。隠蔽。そういったものすべてが、日本の外交力・ODAの実務能力の力点の置きどころなのです。透明性を上げることによりも、不透明性を隠ぺいすることに血道を上げる面々。そうやって、失われるのは、真に意味のある他者との関係です。そうやって実現したい外交や援助とは、一体なんでしょうか?任期中の自分の「名誉」「名前」「地位」だけなんでしょうね。。。

勿論、立派な方々はいらっしゃいます。でも、組織文化がこうである限り、繰り返され、増産されていく・・・これはすべて皆の税金で賄われているのです。つまり、このような手法を許している納税者・有権者の責任でもあるのです。

3.現地農民を分断する「融資」「クイックインパクト」
そして、より根が深いのはこれです。
自分たちの農民組織への相談なさを、農民主権の無視を、なかったことにしようと、現地で農民らに融資や「クイック・インパクト」なるものをバラマキ、賛成者を増やそうと躍起です。

そして、農民に「感謝させる」絵を撮って、「賛成する農民もいる」「賛成する農民組織もある」と宣伝したいとのことです。そして、さらにそのための大きな企画も準備されているということです。

背景は以下。
■七変化するプロサバンナ事業:「ブラジル・アグリビジネス」の切り離し&農民間分断工作の現在
http://afriqclass.exblog.jp/17433829/

私たちは、何のために援助ODAをやるのでしょうか?現地社会や農民を分断するためでしょうか?彼らの苦悩を和らげたい、できれば彼ら自身の力、社会が、平和で豊かで相互に助け合うものとなるように応援したいのではないのでしょうか?

自分の成功に目がくらんで、あるいは自分の失敗を隠ぺいするために、モザンビーク社会に次から次へと持ち込まれる数々の工作。その中長期的な影響なんて関係ない。どうせ5年後は担当じゃないから・・・今を乗り切れば・・・そんな人達によってやられる開発援助なんて、本当に要るのかしら。

そのような疑問をますます禁じえない展開の数々です。
しかし、普通に考えて、バレル、問題になる・・・・ようなことを、外務省とJICAの関係者は繰り返しているのですが、それぐらい現地の市民組織だけでなく、日本の国民・納税者がバカにされているということなんでしょうね・・・。5年前、彼らのためにODAを倍増することに尽力した私がバカでした。
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by africa_class | 2013-03-17 17:02 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

プロサバンナ分析in英語論文が掲載。日本の一次資料に基づく実証的分析。卒論の参考になると思います。

長い一日。なぜかアルジェリア問題での某英字紙の日本語版の取材が入り(まあ一応専門はアフリカ紛争・・・だかららしい)、ゼミの部屋を出たのが8時近く。。。お昼が休めなかった分疲労が激しい。

1.プロサバンナに関する英語論考を発表しました
そして、今朝、私の英語の論文がFood Crisis and the Global Land Grabに掲載されたとのご一報を頂きました。是非ご一読下さい。
Dr.Sayaka FUNADA CLASSEN, "Analysis of the discourse and background of the ProSAVANA programme in Mozambique – focusing on Japan’s role" (2013 Jan.)
→http://farmlandgrab.org/post/view/21574

2.土地問題の専門組織であるNo to Land Grab Japanに興味深い論考
そして、さっきお伝えした通り興味深い論考が別サイトに投稿されていました。
開発と権利のための行動センター・青西靖夫氏の記事「モザンビークにおける国際協力事業が引き起こす土地争奪~」
→http://landgrab-japan.blogspot.jp/2013/01/blog-post_29.html
(財団法人地球・人間環境フォーラム 『グローバルネット』265号2012年12月)

非常に的を得たご指摘だと思います。
冒頭の地図の説明が興味深いですね。
「神は細部に宿る」・・・・いつも肝に銘じているのですが、同じ感じを受けました。

そして最後の補足部分の資料が凄い。
JICAから2001年に刊行された南部アフリカ援助研究会の報告書です。
http://jica-ri.jica.go.jp/IFIC_and_JBICI-Studies/jica-ri/publication/archives/jica/country/2002_01.html

座長は小田先生、副座長は小倉充夫先生なのです!そして、アフリカ研究の諸先輩方の数々。モザンビーク担当者も懐かしい面々。

青西さん引用部分の全文は以上論考をみてもらうとして、「モザンビーク 本編P40- [9 ] 」にこういうことが書いてありますよという程度に抜粋。

「2-2 農地政策
土地に限ってはいまだに国有のままである。しかし土地の保有権は認められており、農村では伝統的首長が慣習的秩序に従って土地を配分することが一般的である。…従って、農地保有権(land title)の確保・安定化が当面の課題となる。1987 年に小農民保護を目的とする新しい条項が土地法に追加され、伝統的に耕作していた土地に対する小農民の権利を自動的に認めることになって、小農民は土地保有権証書を取得する権利が与えられた。しかし、その実績は上がっていない…土地の保有権申請の登録システムがきわめて貧弱であることを認めている
 この場合の論点は3 つあるだろう。①共有地の配分という慣行への親しみ、②申請書類の事務処理能力、③非識字者や社会的弱者に対する権利侵害である。第1 の共有地の配分についてはすでに述べたが、この慣行は個人分割を前提とする土地保有権になじまない。また技術的にも、境界の確定や個人への割付が利害と関連して大変難しい。あるいは、農地、放牧地、薪炭林用地などの区分も問題となりうる… 
 最大の課題は3 番目の問題である。いくら、土地法が小農民の土地アクセスに対する伝統的権利を認定すると言っても、彼ら/彼女らが必ずしもその存在を知っているとは限らないし、知っていても申請手続きを進める術を持つとは限らない。また、土地法が伝統的権威の介入を認めているので、女性などの社会的弱者が不利に扱われる危険性もないわけではない。さらに、民間資本などによる土地購入が、従前の耕作者である小農民を追い出しているケースも散見される。そこで、少なくとも農地保有権確保のための識字教育やその仕組みの広報キャンペーンが、早急に実践されるべきである。

<=当然、事業立案前にこの報告書を読んで、委員の先生方に色々ヒアリングして事業決定に至っていると思いますが、あるいは違うのでしょうか?是非そこら辺は重要なので知りたいところです。

<=以上、青西さんのものを読んだ上で、私の英語論文読む方が分かりやすいかもしれません。ニュアンスは異なっていますが、問題の根っこは大体同じかと思われます。プロサバンナ万歳の皆さんも、是非両方をご一読の上ご感想をお寄せください!

3.私の論考の手法についての補足&目次(日本語)
ちなみに、私はこの論文を研究者として書きました。私が自分にいつも課している手法は、「実証」です。これは学生にも要求していることですし、だから自分にも要求しています。

つまり、「結論先にありきではなく、あくまでも資料に語らせる」という歴史研究の手法を取りました。批判のために根拠をひっぱってきたのではありません。

第一節では、見て分かる通り、あくまでも一次資料分析、つまりJICAや日本政府、その関係者らが出している一つずつの文書や発表、報道を詳しく、丹念に読み込み、紹介しています。文字数の関係から、多くのものは短縮していますが、原典に当たることができるように明確に示しています。

まずは、このような資料分析から浮かび上がってきた特徴を、言説分析ということで整理して、言説の推移を表にまとめています。なぜなら、関係者の言動が、現場を知ってしまったこと、あるいは批判が生じたため、大幅に変わってきたというのが、このプロサバンナ事業の大きな特徴だからです。

以上の丹念な一次資料の紹介、整理の上で、第二節で行ったことが、①市民社会、②北部地域の生態・人びと、③先行事例(ブラジル、アフリカ)との比較の視点を入れての分析です。

詳細は英語の論文をご覧ください。日本語論文は出版したらまた紹介します。章立てだけ紹介しておきますね。しかし他の論文の2倍の分量…ちゃんと載せてもらえると良いのですが。しかし、ただ削れず長いのではありません!以上の通り、事業主へのリスペクトから彼らの言葉の一つ一つをなるべく正当に示し、丁寧に議論を掬い取るために、そしてその結果として浮かび上がってきたことを根拠をもって示すために、必要不可欠な手順でした。

1. はじめに~世界、アフリカ、日本の構造変化と開発・援助1
2.プロサバンナ事業にみられる言説と課題3
(1)プロサバンナの概要と背景3
(2)プロサバンナをめぐる言説の推移と時代区分5
(3)プロサバンナをめぐる各言説の特徴と背景7
 (a)「日本の対ブラジル協力(セラード開発)の成功」言説と背景7
 (b)「日伯連携による南南/三角協力」言説と背景8
 (c)「セラードの成功をアフリカへ(プロサバンナ)」言説と背景9
 (d)「世界食料安全保障をアフリカ(熱帯サバンナ)で解消」言説と背景9
 (e)「モザンビーク農業停滞」言説と背景10
 (f)「モザンビーク北部未開墾」言説と背景10
 (g)「軌道修正 開発モデル策定重視」言説と背景12
 (h)「市場原理下小農・大農共存(儲かる農業)」言説と背景12
 (i)「国際規範」言説とその背景13
 (j)「三者win-win・投資」言説と背景13
 (k)「日本・ブラジル企業商機」言説・背景14
 (l)「土地争奪・対中国競争」言説と背景15
 (m)「JICAプロジェクト型援助回帰と投資両立路線」言説と背景16
2.内発的発展論に基づく考察17
(1)モザンビーク市民社会の声からの考察17
(2)北部地域の実態、人びとの営みからの考察19
(3)ブラジル並びにアフリカの他の先行地域からの考察23
 (a)ブラジルの事例23
 (b)アフリカでの先行事例24
4.おわりに27
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by africa_class | 2013-01-29 23:58 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

2月1日アフリカ@外大!「国際連帯運動から国際協力へ」、「アフリカ留学インターン体験」

今週@外大です!

■2月1日(金)午後はアフリカ一色?!
1. 14時20分~15時50分 「反アパルトヘイト・国際連帯運動から国際協力へ~南アフリカの人々と共に」津山直子さんin東京外国語大学@209教室
2. 12時40分~14時10分 「アフリカ留学・インターン体験を語る~モザンビーク・ルリオ大学での留学、そしてカフェ・ モサンビコ・プロジェクトの初代インターンとして」(愛媛大学大学院 小元美咲さん)@222教室

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アフリカ留学・インターン経験を語る
~モザンビーク・ルリオ大学での留学、そしてカフェ・モサンビコ・プロジェクトの初代インターンとして~

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 2009年に新設され、今年度から外大の協定校にもなったモザンビーク北部にあるルリオ大学。モザンビーク大統領並びに教育大臣(後の首相)の愛媛県訪問に際して、先に協定を結んだ愛媛大学から日本人留学生第一号としてルリオ大学に留学し た小元美咲さん(現愛媛大学大学院)をお迎えし、留学やインターンの話をしてもらいます。
 小元さんの大学ではポルトガル語は教えられておらず、スペイン語は履修していたものの不十分なままに現地に行き、いきなりポルトガル語の世界に飛 び込んだ後、半年でポルトガル語をマスターし、その後日本とモザンビークを結ぶ「カフェ・モサンビコ・プロジェクト」の初代インターンとして活躍 し、去年10月に帰国されました。
 留学のこと、プロジェクトのこと、インターンのこと、生活のこと、友人たちのこと・・・映像や画像を交えながらお話ししてもらいます。

■日時:2013年2月1日(金)4限 14時20分~15時50分
■場所:東京外国語大学研究講義棟 222教室(2階)
(予約不要 参加自由)

●小元美咲さん
愛媛大学法文学研究科総合法政策専攻1年。 2011年8月から2012年9月までのモザンビーク滞在中には、愛媛大学と提携関係に あるルリオ大学の農学部に在籍。特に農村開発コースの講義や行事への参加を通 して、モザンビーク農村のおかれる状況やその中での大学・学生の役割を、肌身 を持って体験。また、フォー
マル・インフォーマルな場における学生・教員との 議論の積極的な実施や、近隣農村での暮らしを知るための簡単な調査も行った。 カフェ・モサンビコ・プロジェクトの初代インターンとしては、日本側とルリオ大 学、そしてルリオ大学とプロジェクトを実際に行うコミュニティであるマウアを つなぐ役割を担った。また、ルリオ大学内でのプロジェクトの周知と大学におけ る実践のためにも尽力。

●カフェ・モサンビコ・プロジェクト
構想10年、始動2年、設立2012年11月のプロジェクト。モザンビーク北部農村の女性たちの農業を通じた生活の質向上のため、現地(ルリオ)大学農学部がチームを作り在来種のコーヒー(モサンビコ)のアグロフォレストリー栽培の支援を行う。これを、日本のモザンビーク、アフリカ、コーヒー専門家や学生たちがサポートするプロジェクトです。日本か らの学生インターンは、必ずルリオ大学に在籍し、あくまでもあちらのチームのメンバー
として日本を繋ぎます。新しい形の国際協力をめざし、「アフ リカ人同士での支え合いをサポートする」を合言葉に、仲間を増やしているところです。詳細→http://cafemozambico.blog.fc2.com/

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2月1日(金)3限「アフリカ国際協力論」公開講座
「反アパルトヘイト・国際連帯運動から国際協力へ~南アフリカの人々と
共に」
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津山さんは、南アの反アパルトヘイト運動に長年たずさわった後、JVCの現地代表として南アフリカで地域にねざした活動を続けてこられました。今回はこうした経験を踏まえて、国際協力について語っていただきます。津山さんのライフヒストリー、なかなか聞けない話です。興味のある人は、お友達も誘ってぜひ参加してください。

【日時】2013年2月1日(金) 12:40~14:10(3限)
東京外国語大学府中キャンパス 研究講義棟209教室

■津山直子さん
慶応義塾大学(文学部社会学専攻)卒業。横浜YMCA勤務、スウェーデン留学、ANC(南ア・アフリカ民族会議)東京事務所を経て、JVC(日本国際ボランティアセンター)職員となり、94年から09年まで南アフリカ現地代表。帰国後、NGO/NPO役員、大学教員を務める。現在、動く→動かす(GCAP Japan)代表、アフリカ日本協議会理事、関西大学客員教授。06年、ニューズウィーク誌の「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれる。07年、社会的弱者の立場に立ち、地道な支援活動を続けている個人や団体を表彰する「ステファニ・レナト賞」受賞。

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by africa_class | 2013-01-28 22:04 | 【募集】インターン・ボラ

プロサバンナに関するNGO・外務省第一回協議会(1月25日金10時~12時@外務省)

下記、ODA改革ネットワークさんより案内をもらいました。
JICAの担当者らも来るそうです。
平日の午前・・・ではありますが、皆さんふるってご参加ください。
(公開、要事前申し込み)

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                            NGO外務省定期協議会
                          ODA政策協議会NGO側事務局
                             ODA改革ネットワーク

第1回ProSAVANA事業に関する外務省との意見交換会
NGO側当日参加者募集

 平素ODA政策協議会へのご理解とご協力を賜り、誠に有難うございます。

 さて、1月25日(金)にProSAVANA事業(日伯モ・三角協力によるモザンビーク熱帯サバンナ農業開発)
(注1)に関する外務省との第1回目の意見交換会を開催いたしますので、当日参加者を募集いたし
ます。
これは、2012年度第2回ODA政策協議会(12月14日開催)で、同事業について関心を寄せるNGOが多 かったこと、論点が多岐にわたる大きな事業にも関わらず議論する時間が限られていたこと、公開されている情報が不足していたため議論を十分に深めることができなかったことなどを受けて、引き続き継続的に外務省と議論することになったものです。

引き続き皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
ご参加ご希望の方は、下記参加希望フォーマットに従いお申し込み下さい。

以下当日の案内です。
 ●第1回ProSAVANA事業に関する意見交換会●
 日時:1月25日(金) 10:00〜11:30
 集合時間:9時45分 外務省東口玄関待合室(時間厳守)
 会場:外務本省内会議室
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/address/index.html

当日はProSAVANA事業に関連して以下の事項を中心に意見交換を行ないます。
1.ProSAVANA事業の概要及び進捗状況について
2.事業に関わる主な論点
(1)農民主権
(2)食糧安全保障
(3)土地収奪
*注1:http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/activities/index.html

・メールタイトル「ProSAVANA事業に関する意見交換会の申込」
・申込締切り:【1月23日(水)午前12時まで】≪厳守≫ 
・申込先:NGO側事務局  oda.advocacy<@>gmail.com
 *円滑な事前準備にご協力お願いします。
  締切後は参加者リストにお名前・団体名を掲載できません。

--------------------------------応募フォーム--------------
ProSAVANA事業に関する意見交換会に当日参加を希望します。
1.氏名 :
2.所属団体(公式名称):
3.ご担当(役職):
4.E-mail :
返信締め切り 1月23日(水)午前12時まで≪厳守≫ 
返信先:(oda.advocacy<@>gmail.com)
-------------------------------------------------------

※外務省には、外務省担当者の誘導がないと入れないため、集合時間に遅れますと、単独での入庁となり、会議に遅れる可能性があります。ご注意下さい。
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by africa_class | 2013-01-18 17:52 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

記録2「モザンビークでのJICA熱帯サバンナ農業開発プログラム 市民社会との勉強会」其の2

私の報告記録の続きです。
必ず先に、以下の投稿から読み始めてください。
http://afriqclass.exblog.jp/16942666/

報告会で使った写真をいくつか、このページに掲載しておきます。

また、報告会で話した内容のベースになる一次・二次資料一覧もこちらに付けておきます。見て分かると思いますが、軽く40を超えています。そしてそのかなりのものが、JICAの資料、つまり一時資料です。何故そうなるかというと、物事を根拠なしに批判することは、研究者としてあり得ないからです。

また、この報告の元になっているのは、近々出版する本のある一章、つまり学術書のために書いたもののある一部だけを取り出して行ったものであり、当然のことながら、すべての数字や主張に、注と根拠となる資料が示されています。JICAの一部の人が「偏った見方」と宣伝しているそうですが(他方、そうでないと思っている人たちがいるので知ってるわけですが・・・)、報告の大半の情報はJICA自身の一次資料に基づいています。ぜひ、各自で末尾に示している資料一覧と照らし合わせながら、報告記録をお読みになると良いかと思います。もちろん、人間間違えるのは当然なので、間違いがあればご指摘ください。(しかし、せっかく主催者がまとめてくれた議事録を喜んで公開されればJICAの主張もあわせて載せられ、つまりJICAからみて「偏らなかった」のに・・・ですよねえ。保身というのは得てして悪い結果をもたらすものです。<これ、若い皆さんには是非学んでほしい点。>そのことを、モザンビーク市民社会との関係においても気づいてもらえないものだろうか、と心の底から思います。21世紀も12年が経過。でも未だAccountability・Transparencyの意味が分からないご様子に、ため息。)
 いずれにせよ、年度末の出版物をお楽しみに~。(私の章以上に他がすごく充実している!特に西川潤先生の「はじめに」が凄い)

==============
(続き)
なお、坂口さんの報告への質問で「責任ある農業投資諸原則」が言及されたが、今日は時間がないので飛ばすが、広く知られているように、この原則は、早々に国連「食料主権」ラポターによって批判されている。ProSAVANAの問題と類似するので、特に次の点だけ指摘しておきたい。

「『遊休地』『未利用地』とされ、取引の対象として操作されることが多い」。「食の権利や自然の豊かさからの利便と生存の糧を奪われない権利、つまり諸原則(責任ある農業投資)が人権を無視していることに示されているように、アカウンタビリティを欠いている」。

最後に、何故このようなことがアフリカで起きているのか?
考えるヒントが、インド・ネルー大学の経済学者で、アフリカでの土地奪取の研究をしているジャヤティ・ゴシ教授によって示されている。

「インドでは到底許されない広大な土地や水資源の取得が、アフリカでは横行している。インドでできない理由は、農民や市民が黙っていないから」。

モザンビーク人は優しいから、「いいよ、いいよ」となってしまう。あるいは、情報が足りなくて乗っ取られる。

そもそも、日伯連携を出発点としたProSAVANA。同じポルトガル語を話すからといって、モザンビークに持ってこられたものの、JICAの皆さんは、モザンビークにおけるブラジル観をご存知だろうか。

もちろん、Novela(メロドラマ)など皆見てるが、ここ最近は「帝国主義者」として言われることが増えている。これは、今年9月上旬にマプトで開催された国際学術大会で、ブラジル人の同国の国際協力が「南北協力に比べ、水平的な協力だ」と発表したのに対して、モザンビーク研究者や市民が猛烈に抗議した時の写真。その時の批判は、「ブラジルの国際協力が『商業野心がない』『水平的』なんて真っ赤なウソだ。新たな帝国主義じゃないか」、「ブラジルの国際協力は、エイズ治療薬、通信、農家への土地…すべてひも付きじゃないか」、「自分の鉱山から港までの鉄道を敷くだなんて19世紀末の帝国主義そのもの」、「結局、モザンビークを食い物にしようとしてる」。

今、ナカラ回廊とも関係あるテテ州の鉱山にブラジル企業Valeが進出しているが、現地では住民暴動が起きるなど、市民レベルでもブラジル帝国主義への反感は強まっている。そのような国とわざわざ組んで、そういうところとやる援助とは何だろうと思う。また、そのようなやり方でモザンビークの支援をすることのリスクを認識されているのか疑問。

以上から、素朴な疑問として思うのは、「何故日本はまたこのようなことを繰り返しているのか?」という点。
これを皆で考えてほしい。最後に付け加えたいのは、先ほどのインドの研究者の言葉を思い出してほしいということ。「インドでできない理由は、農民や市民が黙っていないから。」これをそのまま日本に置き換えてほしい。

「モザンビークで繰り返し、このようにそこに暮らし、命を育む人びとの主権を無視した援助を日本がやるのは、日本の我々が黙っているから。政府やJICAばかりのせいじゃない。私たち日本の市民社会が不甲斐ないこと」に、気づきたいと思う。

もはや21世紀。そして去年の震災を経験した私たちは、そこに暮らす人びとの生活や命がいかに優先されるべきか知ったはずだった。同時に、それが優先されない現実も知った。もはやアフリカに教える時代ではない。この写真の若者たちのように、アフリカに教わる、あるいは共に歩む時代なのだ。アフリカの未来はアフリカの人びとのもの。必要なのは援助じゃない。連帯だけなのだ、ということを述べて終わりたい。

■報告会の最後の挨拶
先程は研究者として。今から個人としての見解を述べる。これまでモザンビーク北部に18年足を運んできた。日本にモザンビーク研究者は二人しかおらず、一人は南部、北部は私だけ。その点からいうと、モザンビーク北部について話し合う今日の講演会に、こんなに沢山の方々に興味をもって来ていただいたことについて、話が出来たことは非常に嬉しい。またJICAの坂口さんからは、慎重にやりたいということだった。是非そうしてほしい。 
 皆さんにお伝えしておきたいのは、私の言葉は私の言葉ではないという点。それは私の言葉であると同時に、18年間関わってきたモザンビーク北部、特に農民、女性たち、UNACだけでなく他の沢山の農民団体や環境団体の言葉である。これらのモザンビークの複数団体が、色々なレポートを出している。今日それを踏まえて話している。彼らはどういう根拠でこれ(レポートや声明)を作ったのか?今日もJICAさんからは誤解と言われた。実は、彼らはJICA、ブラジル、モザンビーク政府を含むすべてのステークホルダーにインタビューした上で(声明を)作っている。なので、該当しないとか、誤解というわけではない。数値的に大きいという指摘があったが、この数値も出所がないわけではなく、国際的ネットワークでブラジルの団体が、ブラジル人の議員、企業、政府、国際協力機関の人たちにもインタビューした結果である。
 これを、JICAとして、モザンビーク政府を通して黙らせるという手法ではなく、これ(指摘)が違うというためには、ブラジルをどう制御していくのかが重要であるが、この点については今日も示されなかった。そこが一番の課題。
  うちの子どもも言っているように、「プロサバンナ」と読んじゃいけない。皆が一般にイメージするサバンナではなく、あそこは森だから。サバンナといった途端、農地にしちゃえ、使っていないというイメージが湧く。森林が把握されていないといわれたが、今日データで見た通り把握されている。なのに森林地帯をサバンナとよんで、あたかも木を伐らなくても簡単に農地転用できるといってしまうことは問題。
 最後に。ソーシャル・インクルージョン、環境保全、是非やってほしい。ただ、JICAはソーシャル・インクルージョンをアリバイ的にやっている。
 例えば、来週私が関わっているモザンビークの北部の大学農学部にJIA所長がやってくる。大豆のデモストレーションをするなど聞いているが、モザンビーク人からすると、あわてて現地でアリバイをつくっているイメージ(*注:急きょドタキャンされた)。
 例えば、JICAがいきなり農民団体に慌ててコンタクトしたり。あちこちから声かかってるといわれる状態になっている。それは、ソーシャル・インクルージョンじゃない。そういうことをするのではないはず。反論、異論に耳を傾けて初めて、それはソーシャル・インクルージョンと呼べる。
 「(先程、坂口さんは、現地農民や農民組織への連絡が遅くなったのは、こちらで先に)形作って、ビジョン作ってからでないと」というが、どうして他人の将来、他人の社会、他人の農地、他人の食、他人の生命・財産の話なのに、JICAが作るのか?それはおかしい。彼らにビジョンある。彼らの生命・財産ある。ソーシャル・インクルージョンという時に、「俺たちが参加させてあげる」という論調になっているが、UNACの声明にあるように、これは主権の問題である。彼らの生命の問題。
 ソーシャル・イクルージョンに背を向けているということの典型例を紹介する。数年前の計画段階で相談に研究室に来たJICAの担当者に反対した。「JICAがモザンビーク北部農民を支援するなら、喜んでお手伝いする。しかし、何故ブラジル、何故セラードをモデルとしてやるのであれば反対する」と伝えたら、二度とJICAから相談に来なくなり、JICAで「北部農村セミナー」が5回開催されたというが、北部農村の専門家の私は呼ばれたことなく、招待すらされていない。反論に耳をふさぐなど、インクルーシブではない。後から問題になったら、こういう場(前週のセラード開発に関する報告)に慌てて来て反論しに来る。それではいけない。
 なぜこういうことが起こるのか?日本の主権の問題。日本の市民に力がないから、JICAがこんなことが出来る。それがモザンビークに輸出されている。2000年のモザンビークにおける放置農薬援助の問題も同様。市民の皆さんも、自分の問題としてもっと関心を持ってほしい。

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モザンビーク北部の典型的なWoodyサバンナ(ミオンボ林)
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ニアサ州のタバコ栽培のために切り拓かれた森。急速な森林喪失が進んでいる。
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ブラジルの国際協力について抗議するモザンビークの研究者・市民@国際会議inマプート

1.一次資料
■JICA、JETR、外務省
JICA トピックス 2009年5月25日「アフリカ熱帯サバンナの持続的農業開発を目指す(ブラジル)」(http://www.jica.go.jp/topics/2009/20090525_01.html)
JICA ストーリー インタビュー、2009年6月30日 「熱帯サバンナ開発にみる食料安全保障」(http://www.jica.go.jp/story/interview/interview_75.html)
JICA トピックス 2009年9月28日「日本とブラジルがモザンビークで農業開発協力-ブラジル・セラード農業開発の知見を生かして」(http://www.jica.go.jp/topics/2009/20090928_01.html)
JICA トピックス 2009年12月3日 「ブラジルからモザンビークへ、保健人材育成への協力―日系ブラジル人第三国長期専門家を派遣」(http://www.jica.go.jp/topics/2009/20091203_01.html)
JICAプレスリリース、2010年3月11日 「モザンビーク国向け円借款契約の調印-道路、港、産業というナカラ地域の総合的開発を目指し、まずは道路整備により地域の経済発展の基礎を築く」(http://www.jica.go.jp/press/2009/20100311_02.html)
JICA World「途上国の農業開発なしに 維持できない日本人の食生活」JICA World、2010年5月15 (
http://www.jica.go.jp/publication/j-world/1005/pdf/tokushu_04.pdf)
JICAトピックス 2010年11月24日「日本・ブラジル グローバル・パートナー宣言-JBPP10周年・三角協力25周年記念式典」 (http://www.jica.go.jp/topics/2010/20101124_02.html
JICA ウェブページ プロジェクト概要「ナカラ回廊農業開発研究・技術移転能力向上プロジェクト」実施合意2011年2月21日(http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/outline/index.html)
JICA トピックス 2012年5月14日「日本、ブラジル、モザンビークで官民合同ミッション-ナカラ回廊への農業投資促進を目指す」(http://www.jica.go.jp/topics/2012/20120514_02.html)
JICA 『平成23 年度 業務実績報告書』2012年6月①
JICA 『第2 期中期目標期間 事業報告書』2012年6月②
JICA 「第5回 モザンビーク北部農業セミナー」配布資料 2012年7月31日
JETRO レポート 2012年8月21日「【ブラジル】農業の三角協力でアフリカに参入」 http://www.jetro.go.jp/world/cs_america/reports/07001048
外務省「責任ある農業投資の促進に向けたけた我が国の取組」平成22年4月 外務省経済安全保障課 (http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/food_security/pdfs/besshi1.pdf


■その他
窪田博之(2010)「国際農林業協力の新たなるパートナー ―農業分野における南南協力の可能性―」、『国際農林業協力』2010年vol.33 no.3、2-8.
本郷豊(2010)「日・ブラジル連携対アフリカ熱帯サバンナ農業開発協力事業(ProSAVANA)─ブラジルの「農業革命」をアフリカ熱帯サバンナに移転する─」、『国際農林業協力』2010年vol.33 no.3、9-19.
本郷豊・細野昭雄(2012)『ブラジルの不毛の大地「セラード」開発の奇跡 』ダイヤモンド社.
No!toLandGrab, Japan 「JICA モザンビーク案件に関する質問書への回答」2012年1月5日 (http://landgrab-japan.blogspot.jp/2012/01/jica.html)
de Schutter, Olivier(2010) “Destroying the World’s Peasantry”, Project Syndicate, Jun. 4, 2010(http://www.project-syndicate.org/commentary/responsibly-destroying-the-world-s-peasantry)
--------------------------(2012)“Underwriting the Poor”, Project Syndicate, 06 June 2012 (http://www.project-syndicate.org/print/underwriting-the-poor)
FOEI (2012) Land, life and justice: How land grabbing in Uganda is affecting the environment, livelihoods and food sovereignty of communities, FOEI.
 Schlesinger, Sérgio/FASE (2012) Cooperação e Investimentos Internacionais do Brasil: a internacionalização do etanol e do biodiesel, FASE. ( http://www.fase.org.br/v2/pagina.php?id=3758)
WB (2009) Awakening Africa’s Sleeping Giant: Prospects for Commercial Agriculture in the Guinea Savannah Zone and Beyond, Washington DC: The World Bank.
WB/Deininger, Klaus and Byerlee, Derek, with Lindsay, Jonathan, et.al. (2010) “Rising Global Interest in Farmland: Can It Yield Sustainable and Equitable Benefits?”, Washington DC: The World Bank. (http://siteresources.worldbank.org/INTARD/Resources/ESW_Sept7_final_final.pdf )

■報道・新聞(日本・ブラジル)
ニッケイ新聞(ブラジル)2012年5月1日「日伯両国が連携し、モザンビークのサバンナ地帯を農業開発する『プロサバンナ事業』」
日本経済新聞 2012年7月28日「政府アフリカ農業支援 住商と1000億円投融資」
日本経済新聞 2012年8月18日「伊藤忠、アフリカに穀物調達網 価格変動を回避 丸紅は南米産増やす」
SankeiBiz(産経新聞)2012年8月20日「熱いブラジル 農業開発で日本と官民連携、モザンビーク投資本格化」
ロイター通信 2011年8月15日 “INTERVIEW-Mozambique offers Brazilian farmers land to plant”(http://af.reuters.com/article/commoditiesNews/idAFN1E77E05H20110815
Interview of Prof. Jayati Ghosh, “Africa Land Grab: New Century, More Colonisers”(http://www.stopafricalandgrab.com/ )
NHK World News, “The New way of Colonialism in Africa?”
The Guardian 23 April 2012 “Campaigners claim World Bank helps facilitate land grabs in Africa: Food shortages and rural deprivation exacerbated by World Bank policy, says NGO ahead of land and poverty conference”(http://www.guardian.co.uk/global-development/2012/apr/23/world-bank-land-grabs-africa )
The Guardian 27 April 2012 “New international land deals database reveals rush to buy up Africa: World's largest public database lifts lid on the extent and secretive nature of the global demand for land” (http://www.guardian.co.uk/global-development/2012/apr/27/international-land-deals-database-africa)
 “Land conflicts and resettlement,”MOZAMBIQUE News reports & clippings, 21 September 2012.
Mozambique Political Bulletin, 2009-2010.
Folha de S. Paulo, 2011.8.14, “Moçambique oferece área de três Sergipes à soja brasileira” (http://www1.folha.uol.com.br/mercado/959518-mocambique-oferece-area-de-tres-sergipes-a-soja-brasileira.shtml)
Canalmoz, 2011.9.9, “José Pacheco diz que a concessão de 6 milhões de hectares a brasileiros é uma má interpretação” (http://www.canalmoz.co.mz/hoje/20264-jose-pacheco-diz-que-a-concessao-de-6-milhoes-de-hectares-a-brasileiros-e-uma-ma-interpretacao.html)

■二次資料 その他
Funada-Classen, Sayaka (2012) The Origins of War in Mozambique, Tokyo: Ochanomizu Shobo.
Hanlon, Joseph and Smart, Teresa (2012) “Soya boom in Gúruè has produced few bigger farmers – so far”, 10 September 2012.
Juaréz, Eduardo and Pérez-Nino, Helena (2012) “Private Sector Development Case Study: tabacco contract farming in Mozambique”, presentation at the III Conferência do IESE (4 Sept. 2012: Maputo).
Manning, Carrie (2010) “Mozambique’s Slide into One-Party Rule”, Journal of Democracy, Vol.21, Issue2.
Masterson, Daniel with Funada-Classen, Sayaka (2004) The Japanese in Latin America, Illinois University Press.
M. C. Peel et al. (2007) “Updated World Koppen-Geiger Climate Classification Map”, Hydrol. Earth Syst. Sci., 11, 1633-1644. (http://www.hydrol-earth-syst-sci.net/11/1633/2007/hess-11-1633-2007.pdf)
青木公(2004)『ブラジル大豆攻防史ー国際協力20年の結実』国際協力出版会.
鶴見和子(1989)「内発的発展論の起源と今日的意義」鶴見和子・川田侃『内発的発展論』東大出版会、3-41頁.
舩田クラーセンさやか(2007)『モザンビーク解放闘争史』御茶の水書房
―――――――――――(2011) 日本国際政治学会 2011年度研究大会部会報告 (2011年11月12日) 「紛争後の国家建設と民主的統治」「戦後モザンビークにおける国家統治と民主化」
堀坂浩一郎(2012)『ブラジル 躍動の軌跡』岩波新書
村井吉敬「内発的発展の模索―東南アジアのNGO・研究者の役割と運動」鶴見和子・川田侃『内発的発展論』東大出版会、183-213頁.
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by africa_class | 2012-12-08 22:17 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

記録1「モザンビークでのJICA熱帯サバンナ農業開発プログラム 市民社会との勉強会」11月15日

最後に、うー時間ぎりぎり・・・、先月私がコメンテイターを務めた報告会(http://afriqclass.exblog.jp/16705156/)の記録。自分の手元の資料と録音データをもとに、自分の発言だけまとめたものです。
 というのも、こちらも主催者に問い合わせたら、すべての講演議事録は全回小冊子として配布されているそうですが、こちらはスピードの問題ではなく、JICAが「事前に相談を受けていない」という理由で、公開を断ったということなので(?!)、とっても残念ですが、その箇所を省いて掲載します。
 しかし、国費で行われている事業の、一般公開された講演会での事業報告の記録を、些末な手続き問題を根拠として拒否するのは、JICAが掲げる「公開性・公益性」と逆行する姿勢だと思います。しかも、これほど巨額の税金が投じられている以上、大学等の公共機関で行われた一般講演会での報告を、一人でも多くの人に観ていただきたい・・・というのが、普通じゃないのでしょうかねえ。JICA職員の給料を支えるのは、我々一人一人の納税者。公金で支えられた機関の職員が公の場で話す内容を、喜んで公開していくのでなければ、なかなか理解と共感は得られないと思います。
 こういう不透明さが、モザンビーク市民社会にも伝わってるんですよね・・・。
 しかし、議事録公開がない前提の報告会って、どんな報告会なんでしょう・・・。密室報告会?今時の一般公開報告会、議事録作成は大前提だと思うのですが。私の感覚がおかしいのでしょうか。謎です。
 一市民として、ぜひ、再考・善処をお願いしたいと思います。

■プロサバンナに関する詳細は→http://afriqclass.exblog.jp/16925888
モザンビーク農民団体によるJICAプロサバンナ批判@ブラジル雑誌

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明治学院大学国際平和研究所(PRIME) 「平和学を考える」
AJF・JVC・HFW・明治学院大学国際平和研究所(PRIME)共催
連続公開セミナー「食べものの危機を考える」2012年度 第5回
「モザンビークでのJICA熱帯サバンナ農業開発プログラム
市民社会との勉強会」
講師:JICAアフリカ部アフリカ第三課 坂口幸太氏
コメンテイター:
舩田クラーセンさやか(東京外国語大学大学院 教員)
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ブラジルのセラードがあるミナス・ジェライス州の大学に1991年に留学し、日系ブラジル人のことを研究して歴史書を書いた。そして1994年からはモザンビーク北部を行ったり来たりして博士論文を書いた。これらの本を回覧する。その経験に基づき本日はコメントする。

本コメントの構成と手法~ProSAVANAが何かを理解するために
ProSAVANAについて理解することは容易ではない。そのため、本事業の理解のためには、学術的な手法でアプローチすることが望ましい。したがって、事業主体主であるJICA、ブラジルの政府組織、日本政府、モザンビーク政府、現地の農民や市民社会が言っていることを、一次資料(各機関の報告書、広報誌、ホームページ、声明文20点)、現地での直接的な聞き取り、日本からのe-mailを使った追加聞き取り、二次文献(新聞等の報道11点と先行研究10点)の分析に基づき、実証的にディスコース(言説)の分析を行った。今日はその分析に基づき、坂口さんの報告にコメントする。

JICAの資料によると、ProSAVANAとは、ブラジルのセラードの知見を活かして、モザンビーク熱帯サバンナの農業開発の貢献を計ることとある。ただし、まだ実施されているとは言い難い状態にある。今日もそのような説明がなされた。しかし、既に国内外で宣伝や評価がなされており、JICA報告書によると、米国のクリントン国務長官が有効な南南協力の事例として高く評価している、という。また、JICAと外務省はTICAD Vの目玉としてこのプロジェクトを位置付け、広く宣伝している。

歴史的な経過を見ると、このプロジェクトは「日本・ブラジルパートナーシッププログラム(JBPP)」の枠組みで出て来ていることが明らかである。この前後には国連改革があり、日本はBRICs諸国への外交交戦を仕掛けていた。ブラジルは南米で重要な役割を果たしており、日本はブラジルとの関係強化を包括的に行なった。自民党政権を背景として、2007年に麻生太郎外務大臣(当時)のブラジル訪問の際、2008年の日伯交流年に向けて日伯戦略的パートナーシップが作られ、JBPPの再活性化という文脈で出てきたのがProSAVANA。モザンビークを対象として2009年9月に調印され、始まる。

このように歴史的経過を見てみると、ProSAVANAは日伯関係である。戦略的パートナーシップという言葉が使われている。モザンビークはその対象に過ぎず、その意味で二国間の外交プロジェクトであり、政治案件でもある。日伯協力を行ううえで、公用語が同じポルトガル語であり、「自然環境が似ている」としてモザンビークが対象となった。

以上がProSAVANAの「起源」であるが、12のJICAの一次資料に基づき、年代ごとにどのような説明がされ、言説が形成され、推移しているかを検討した結果が、この表である。2009年から2010年までの期間を「第一フェーズ」、2010年から2011年を「第二フェーズ」、2011年~2012年を「第三フェーズ」、2012年以降を「第四フェーズ」と分類した。今日の坂口さんの報告で、この第四フェーズに特徴的な言説「JICAプログラム回帰と投資両立路線」に収まるか注目したが、その理解で変更なしと考えられる。

言説の推移。
「第一フェーズ」は、
・日本の対ブラジル協力(セラード開発)成功言説
・日伯連携/南南協力言説
・ブラジル/セラードの成功をアフリカへ言説。
・世界の食料安全保障、アフリカ熱帯サバンナ言説。
・モザンビーク農業停滞言説。
「第二フェーズ」は、
・モザンビーク北部未開墾言説。
・軌道修正、開発モデル言説。
・市場原理下小農・大農共存(儲ける農業)言説
・国際規範言説
「第三フェーズ」は、
・三者WinWinWin投資言説。
・日本(調達力)商機言説。
・ブラジル(入植)商機言説。
・土地争奪・対中国競争言説。
「第四フェーズ」は、
・JICAプログラム回帰と投資両立路線

「第一フェーズ」は、現場を知らないマクロ情報に頼るもので、「モザンビークは農業国だが停滞している、だから支援が必要」と主張。「第二フェーズ」になっても、依然マクロ情報に偏るが、「特に北部は未開拓である」と強調。そして、「第三フェーズ」になると、ブラジルと日本にとってのビジネスチャンスとして威勢の良い話が蔓延。しかし、この辺りで批判的な報道がされるなど、暗雲が立ち込める。

これらはいずれも、私の言葉ではなく、JICAその他の資料の言葉を拾った結果。抜き出した言葉は表に示した。

今日まず検討したい点は、「第一フェーズ」の最初に挙げられるモザンビーク北部の生態に関する言説。JICAの「第一フェーズ」から現在まで使われている言葉をピックアップした。
•ブラジルのセラードと熱帯サバンナは類似点多い
•農学的に多くの共通点
•同じ緯度で気候が類似
•今日の坂口さんの報告でも冒頭に、「自然環境は類似点が多い」とあった。

では、実際どうなのか一緒に考えたい。
JICAの資料で繰り返し強調される、「ブラジルとモザンビーク北部は同じ緯度にある」という点。これを示した地図は繰り返しJICA資料に出てくる。この地図もJICA資料から取ってきたもの。しかし、私が分からなかったのは「同じ緯度だと類似の農業環境」という点。今日の坂口報告で、日照時間が同じということが紹介された。

日本と同じ緯度は、世界のどこか?(坂口さん、アジアとか…)。私も調べないと分からないほどだった。大きく6カ国。中国、朝鮮半島、イラン、トルコ、スペイン、米国。これらの国の名前を聞いて、同じ緯度だからといって、果たして農業的な類似点があるのかについては疑問が残る。

次に、ProSAVANAの名称にも使われる「熱帯サバンナ」とは何かを考える。
皆さんは「熱帯サバンナ」というと、何をイメージするだろうか?当初私がこれを聞いたときのイメージは、草原が広がっているイメージだった。しかし、今年モザンビーク北部を訪問中に、息子の指摘「プロサバンナっていうけど、ここでやるってどういうこと?」を受けて、「熱帯サバンナ」について調べたら、従来のイメージすることと違っていた。

熱帯サバンナは19世紀末の気象学者が作った分類で、明確な乾季と雨季があること、一定の降雨量があることが条件となっている。植生とは関係ない。先ほど写真で見せたアフリカに広がる草原、寝そべる野生動物は、「熱帯サバンナ」と関係ない。

今、JICAだけでなく、世銀がこの熱帯サバンナの開発にお金を投資しようとしている。その先行事例がProSAVANAである。なぜ熱帯サバンナに注目しているかと言うと、雨が降るからであり、農業に不可欠な水があるから。つまり、「セラード地帯=熱帯サバンナ=農業に適した豊かな地域」であり、関係者はそれを知って投資を奨励している。
「セラードは不毛な地域であったため日本が開発した」と言っていたのは一体?

では、一般的なサバンナとはなにか。
サバンナには、Woodyサバンナ(林)とGrassサバンナ(草原)の2種類がある。JICAの皆さんに聞いてみよう。モザンビークにはどちらが多い?(Woodyサバンナ)。ではモザンビーク北部には?(Woodyサバンナ)。では、会場の皆さんは?(Woodyが6割、Grassが4割。JICAの皆さんはWoody。)

答えは、国際機関が出している地図で見ていく。これは、アフリカ大陸上のWoodyサバンナ地域。赤が100%で、緑、青と減っていくが、青の部分はWoodyサバンナ。見て分かる通り、モザンビーク北部は青あるいは緑で示され、森や林が多い。そして、北部地域の中でも、今日坂口さんの発表にあったProSAVANAの対象地を検討してみると、その大部分が緑で塗られる。モザンビークで唯一緑で示される、つまり広い範囲で森林が残った部分が、ProSAVANA対象地なのである。なお、Grassサバンナの地図も確認しておくと、モザンビーク北部には一般的なサバンナを意味するGrassサバンナはほぼない。

また、先週の報告会で出てきた「セラード=不毛」というJICAの繰り返すキャッチフレーズについて、同様の地図で確認してみたが、世界の「不毛barren」地帯は、このように北アフリカ等の砂漠地帯を指し、ブラジルにもサハラ以南アフリカにもない。

まとめると、アフリカには「不毛な地」はなく、草原サバンナよりもWoodyサバンナの方が大きな面積を示す。モザンビーク北部には「不毛の地」はなく、Grassサバンナもほとんどなく、モザンビーク中で唯一Woodyサバンナが濃く残る地域である。

なお、Woodyサバンナといってもピンとこないかもしれないので、写真を。モザンビーク北部で撮った写真。林の中、一見何にもないように見えるが必ず人が住んでいて、家と家の間は林を通って行く。ここで狩りなどを行う一方、周辺を開墾して農業を営んでいる。

次に、モザンビーク北部地域の農民の暮らしと農業を見てみたい。
まず、JICAの資料でモザンビークの農業について言われている言葉をピックアップする。これらの言説は、主として「第二フェーズ」から出てきたもの。
•一定雨量と広大な農耕可能地に恵まれる
•日本耕地面積3倍1400万ha以上の適地
•多くは未開墾地
•スケールの大きな農業開発で地域経済発展
•小規模農家の技術、伝統的で粗放的/簡素
•自給・商業作物ともに低生産性

JICAの言説を分析すると、当初は「不毛の大地」セラードとの共通性が指摘されていたが、実態として大きな違いがあったことが実際に現地(モザンビーク北部)に準備調査に行った2010年に判明。そこで、両者「(モザンビーク北部は)豊かなのに、活用されていない」という言説へ変化。例えば、「低投入・低生産性の自給自足型農業を余儀なくされ、貧困に苦しんでいます」という言葉に象徴される。また、当初「未耕地が多い」と言っていた。象徴的には、「農耕可能地は3600万ヘクタールであるが、実際耕作されている面積は約16%の570万ヘクタールにすぎない」という文章。

しかし、現地に行ってみたら「未耕地」は多くなかったため、「場所によっては人口密度が多く、まとまった土地を確保するのが困難」というのが最近の言説。

先程のやり取りで、グランドマスタープランを今作っておりまだ計画段階、とのお話しがあったが、国際的にも、国内的にもプロサバンナはもう成功しているプロジェクトとしてJICAが広報している。したがって、現場がよく分からないまま立案し、計画していて良いというわけにいかない。

なぜ、モザンビーク北部なのか。
モザンビークの関係者なら誰でも知っている北部の農業的特徴がある。おそらく、JICAの皆さんは立案前、知らなかったのだろう。
・豊かな大地と森林、最後の手つかずの自然。
・不毛ではなく、「豊か」故に人口密度も高く、農業生産性は高い。いずれも全国一。

豊かさには、土壌・水の豊かさだけでなく、住民の農業への熱意も含まれる。したがって、歴史的に、プランテーション栽培失敗後、小農生産が重視され、成果をあげてきた。JICAで繰り返される「粗放的」という言葉では表しきれていない。

だから、モザンビーク関係者は驚いた。ここでそんな大規模農地開発プロジェクトをやるのか、と。また、モザンビーク北部農民は、北部全域や国全体、あるいは周辺諸国に食べものを供給する、非常に重要な役割を果たしてきた。また、アフリカ全体に言えることであるが、食べものを作るのは女性なので、農業においても、食生活においても女性が重要な役割を果たしている。この点についての言及は、JICA資料のどこをみても見つからない。

ここまで検討すると、一体JICAはアフリカの人びとのために何がやりたいんだろう、という疑問が湧いてくる。そういう時は一次資料をあたることが重要。

JICAホームページ上のビジョン・ミッションを読むと、「グローバル化により問題が起こっている。それを解消したい」、という非常に重要なミッションを挙げている。①グローバル化に伴う課題への対応、②公正な成長と貧困削減、③ガバナンスの改善、④人間の安全保障の実現である。皆さんも一度読んでほしい。

では、JICAが取り組める「グローバル化にともなう課題」とは、モザンビーク北部農民にとってどのようなものがあるのだろうか?本来、そこから事業は興されなければならないはずだが、既にみたように、ProSAVANAの出発点は日伯連携であった。

モザンビーク北部地域の現在の課題
これはモザンビーク北部に限らないが、
・外資による土地奪取
・モノカルチャー換金作物生産による森林破壊や社会関係の破壊

土地奪取については、北部では急速に大豆、植林のための土地争奪が起こり、住民との衝突も。また「村の代表」と呼ばれる人たちの「一本釣り」が起こっており、村の中の人間関係が悪化している。

換金作物生産については、JICAの先にみた言説では、「低投入・低生産性の自給自足型農業を余儀なくされ」とあるが、ProSAVANAの主たる対象地ニアサ州ではタバコの契約栽培が急速に広がり、急速な環境破壊だけでなく、社会破壊が起きている。換金作物の栽培の多くは、男性が担う。結果、女性に金が入らない。男性だけ儲ける。酒や売春にあっという間にお金が消える。女性に対する暴力、一夫三妻、女性の早婚などが起きている。つまり、男性と女性のジェンダー関係が変化した。それだけでなく、タバコ生産を拡大できず、儲けられないお年寄りのニグレクトが生じ、これらすべてがコミュニティ崩壊に繋がっている。

先程あげたモザンビーク北部の農業の重要な役割、それを支えてきた小農生産も、これが成り立つのは、コミュニティが機能していたため。しかし、現在は換金作物契約栽培により若者の男性だけが儲けていることで、コミュニティの急速な破壊が起こっている。また、先に見たモザンビーク最後の豊かな森が、「もうかる」農業のためにどんどん伐り開かれている。写真を見てほしい。

この写真を見た瞬間、セラードのことを思い出した。私がブラジルに留学したのは、アフロ音楽に憧れてのことであるが、先週JICAのセラード、ProSAVANAの立案者の本郷さんが取り上げたレヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』を読んでのことでもあった。そのセラードを、今研究者がどう表現しているか。日本のブラジル研究の第一人者でもある堀坂浩太郎氏の表現を紹介する。「地平線まで一直線に拓かれた国道、戦車のようなブルトーザーで根こそぎ灌木をなぎ倒すセラードの農地造成。」

この描写の通りのことが、アフリカ中ですでに起きつつある。外資の参入によるもの、そして換金作物の契約栽培による小農自身の「儲かる農業」によるもの。

アフリカではモザンビークは遅い方。エチオピアやスーダンなど、英語圏では既に土地の奪取、「儲かる農業」の推進は更に進んでいる。分かっているだけで、2000年以降、世界の土地奪取の25%がアフリカで起こっている(全アフリカ大陸の5%に当たる)。それに抗議してアフリカ各地で暴動も発生している。マダガスカル、ウガンダ、タンザニア、そして…モザンビークでも暴動が起こっている。

ナカラで何が起こったか。
ナカラ回廊はJICAも支援するが、ブラジルが国際空港を作っているが、その際の土地接取に対して、住民が抗議のため立ち上がっている。これが可能なのは、ナカラが反政府勢力が非常に強い地域だから。今の政府はどんどん政治学でいうところのElectoral Authoritarianism(選挙権威主義)化している。政府に批判的な人は、国家公務員になれない、就職できない、留学に行けないという問題が起こっている。

なお、先のやり取りで、UNACの抗議声明に対して坂口さんは、「モザンビーク政府にアプローチしてもらう」と述べたが、権威主義化が進むモザンビークでそんなことを依頼するなどするのは問題外。弾圧につながってしまうので、止めて欲しい。

なんでこんなこと(現地の実態と大きく乖離した援助と言説)が起こるのか。
モザンビークと日本は関係が薄い。JICA事務所も在外公館も、モザンビークに設置されたのは2000年のことだった。モザンビーク研究者は私を含め2名しかいない。他方、市民同士の関係は深いものがある。ProSAVANAも日本とブラジルとの強い関係をベースにしている。

日本とモザンビーク市民社会を結びつけたのは、2000年の大洪水で日本供与の放置された農薬がモザンビークの各地で見つかり、水に浸かり、現地で問題化したことに協力して対応したことによる。モザンビーク紛争時・後を通じて日本が最も熱心にやった援助、それが農薬援助(食料増産援助2KR)だった。洪水に際して、放置農薬問題が発覚し、モザンビーク環境団体・住民らの運動、日本でのアドボカシー活動を経て、農薬援助はストップ。
結局、日本政府は問題を認め、その適切な処理にお金を出し、このプロジェクトは現在でも続いている。この負の経験により、農薬問題以降は、日本政府は気をつけるようになっていたはずだった。なのに何故?

モザンビークの市民社会から見た日本とその援助の特徴
2002年以来、現地の市民社会と現地にいる他ドナー、国際機関などに聞き取ってきたことをまとめると、日本の援助は次のように考えられている。
・モノに偏っている
・歴史が浅い
・現場(モザンビーク、地域社会)を知らない
・ポルトガル語が話せない
・現場(コミュニティ)に来ない、来ても短時間
・継続性がない
・アカウンタビリティの欠落、透明性が低い
・市民社会を無視している
現地の声の無視。今回、またこれほどの問題を起こしている。日本の援助機関は、「失敗」の継承は出来ないのか?

さきほど、坂口さんの報告で、抗議声明を出したUNACとの関係について、「情報伝達不足」「地域に1377組と多数存在する。しっかり連携している農民団体がある。一部地域では実施されてきた」と説明された。

そもそもここで挙げられているIKURUは農民を支援、クレジットなど提供しているが、農民を代表する組織ではない。一方、UNACはモザンビーク最大の農民全国組織で、14万人が加盟し、ProSAVANA対象地を含む全州に支部を持つ。そのUNACが何故このような声明を出すのか?

また、坂口さんの説明にあるとおり、まさに「既に1000以上の農民団体がある」。では、なぜ新たに作るのか。老舗の農民団体とも意志疎通ができないのであれば、どうやって組織化を支援できるのか。

現地の農民組織、市民社会のProSAVANAが問題という論点
2012年9月の2農民連合団体、2環境団体、1市民社会ネットワークへのインタビューから。
1.主権在民の原則無視・非民主主義的プロセス、アカウンタビリティの欠落
2.土地の収奪、農民に保障された土地の権利の問題
3.農民の生産努力の無視・無知
4.森林伐採、化学肥料・農薬の多用やモノカルチャー奨励等による環境問題
5.輸出のための農業投資により、モザンビーク全体、リージョン、ローカルの人びとの食料生産を犠牲にし、食料安全保障にダメージを及ぼす問題

JICAの説明にない問題
今日も説明がなかったが、現地の人びとが一番心配している点は次のような点である。
•ブラジル側の熱意(なぜ?)と関与
•ブラジル企業・農家の入植はあるのか?ないのか?
•土地の貸与は、いつ、どのような形で起こるのか?

坂口さん、ブラジルの企業や農家は入植するのですか。しないのですか?(答えられない、との返事)では、土地の貸与はあるのですか。(答えられない、との返事)いつだったら答えられるのでしょうか。ブラジルのアグリビジネスによる土地奪取をどう抑えるのですか。抑えられるのでしょうか。(返事なし)

モザンビーク農民が一番心配するこれらに答えられないことが透明性の問題に直結し、かつそのことを言及しないままに「小農支援」と繰り返すのは、「ブラジル隠し」と言われても仕方ない状態。では、ブラジルは実際どのように動いているのか?これも、ブラジル人へのインタビュー報道に基づき紹介する。

ブラジル・日本の官民合同ミッションが本年5月にモザンビーク北部に行った。その時のインタビューでブラジルのアグリビジネス関係者らは、繰り返し「入植」について語っている。その際、北部の土地がいかに豊かかに感嘆している。不毛ではないのです。そして、麻生元外務大臣とも関係の深い日系ブラジル人の西森連邦下院議員のこの発言に注目してほしい。「我々は農業者の入植をしっかりバックアップしていきたい」。

なぜ(ブラジル・アグリビジネスはモザンビークに進出したいの)か?
これもブラジル人自身の言葉を見てみよう。ブラジルのコットン(綿花)協会の会長は、モザンビークの土地が「肥沃」なのに、土地価格はブラジルでは考えられない破格の価格。実に、1666分の1。さらに、ブラジルでは環境規制が強くて土地を入手するのが難しくなっている。モザンビークの環境規制の緩さが投資条件として魅力的な点が示されている。

つまり、ブラジル企業にとって、ProSAVANAは、「容易な大規模農地取得を有利にする事業」として認識されている。それを支えるのが、日本の税金。なぜなら、歴史的経緯を再度ふり返れば、この事業は、日本とブラジルの戦略的パートナーシップをアフリカに輸出する取り組みとして誕生した。

しかし、プロジェクトの進行については日本側のドライブ(推進力)の方が強い。ブラジルの関連機関の人はインタビューでこう答えている。「日本の側が強く押してくるんだ。それに我々は慣れていない」「たくさんの、本当に沢山のお金が関わっている。それに三つの政府の最高レベルの人たちが、このプロジェクトを政治的にサポートしている。」

つまり、ProSAVANAとは、「アフリカ小農支援案件」ではなく、そもそもが「政治案件」ということがブラジル人関係者からも指摘されている。 (続きと写真、資料一覧はhttp://afriqclass.exblog.jp/16942699/)
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by africa_class | 2012-12-08 22:12 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

モザンビーク援助についてのNGO「開発と権利のための行動センター」のまとめ

さっきの記事はポルトガル語なので、こちらをご覧ください。
一部ですが、さっきの記事の紹介があります。
 抜粋のみなので、全文は同団体の以下のURLで。特に最後の
指摘は、私がJICAに伝えてきた危惧と同様です。またJICA報告
書自体が指摘しているように、ブラジルの思惑とJICAの狙いとは
乖離していますが、これは計画段階から分かっていたことです。
ブラジルのような広大な土地を有し、大規模農業を行っていた国、
(しかもセラードはまさにそのような場所)が、「小農支援」をしよう
なんて発想を持つわけがないのです。
 なお、このブログ記事を書いている「開発と権利のための行動
センター」ですが、元々は先住民の権利運動をサポートしてきた
団体です。アフリカでここ数年急激に起きている「Land grabb
ing土地収奪」の問題をフォローしている貴重な市民団体です。
■モザンビーク:土地収奪につながるJICAプロジェクト
http://landgrab-japan.blogspot.com/2011/09/jica.html
=========================
モザンビーク:土地収奪につながるJICAプロジェクト
 現在日本政府はブラジル-モザンビーク-日本との三角協力という形で、モザンビークにおける農業開発プロジェクトの実施を計画している。[1]
 「モザンビーク国日伯モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発協力プログラム準備調査 最終報告書」(2010.3 JICA)によると、この地域での「農業開発は、農家の大多数を占める小規模農家の支援と付加価値の高い農業の展開を通じた地域農業の振興を目指して、『アグロインダストリーを起点とした地域農業開発の推進』」を提案する」としている。また「村落レベルの開発モデル構築プロジェクト」の終了時期を2014年と予定している。
 しかしながらブラジルからの投資拡大を狙うモザンビーク政府、また投資先の拡大を狙うブラジル企業の動きは、このようなプロジェクトを上回るスピードで動き、地域農民の土地が奪われる危険性が高まっている。既にブラジル側の要請とモザンビーク政府の賛同を受けて、「商業規模(commercial scale)の農業生産投資をも可能にすべく」、640万hがプロジェクトの対象に加えられている。日本からの円借款や技術協力を利用しつつ、ブラジルを中心とした投資が促進され、農民が土地が奪われていく危険がある。
 8月14日の"Folha de S. Paulo"紙の記事は、モザンビークのパチェコ農業大臣の話しとして、「ブラジルのセラードにおける開発を再現したい」、「北部4州において、6百万ヘクタールの土地を、ヘクタール当たり9ユーロで50年にわたるコンセッションで提供できる」と伝えている。更にこの記事では、ブラジルの生産者や投資家側がモザンビークへの進出に前向きであるこという。グロッソ・綿花生産者協会のアウグスティン氏は「モザンビークは、アフリカの中心にあるマット・グロッソであり、ただで土地が手に入り、環境面での条件も多くはなく、更に中国への船賃も安くすむ」と歓迎の意向を示しているという。今日、マット・グロッソでは、伐採・開墾への許可を得ることはほとんど不可能だという。[2]
 その後、農業大臣は土地のコンセッションについて記事は歪曲されていると打ち消しに躍起になっているようであるが、土地のコンセッションが農業大臣の権限の元にはないという点についての説明に留まり、将来的なコンセッションの可能性を何ら否定するものとはなっていない。[3](中略)
このような記事からわかることは、既にブラジルからアフリカに向けての農業投資の動きは活発であること、そうした中で、日本政府はブラジルからモザンビークへの農業投資促進に向けて協力しているのである。また円借款での道路建設も既に調印済みである。
 JICAの報告書、「モザンビーク国日伯モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発協力プログラム準備調査 最終報告書」(2010.3 JICA)を改めて見直すと600万ヘクタールの土地が狙われている理由が明らかになる。 報告書の8.1の結論部分に次のように記載されている。<ブラジル側(Embrapa)は、本プログラムの対象地域を・・・「中小規模農家増収支援」に加え「商業規模(commercial scale)の農業生産投資をも可能にすべく、上記2)の対象地域(640万ha)を含めることが重要であると考えている.この新たな提案は、その後モザンビーク国農業省からも支持された。」
 プロジェクトの中には、「ナカラ回廊周辺地域総合農業開発計画」を策定するというのも含まれているが、その計画策定前に、「セラードに類似し、機械化農業に適した地域」として640万ヘクタールが組み込まれたのである。こうしてこのプロジェクトは、民間投資によるモザンビークにおける大規模な機械化農業振興のためのプロジェクトとなった。このプロジェクト主催のシンポジウムで農業大臣が600万ヘクタールに言及したのは理由があるだ。
 日本側がどのように考えようと、ブラジルとモザンビークでは大規模な機械化農業による市場向け生産を目指しているのである。そしてこのプロジェクトの計画の枠内では、この動きに対して歯止めをかける仕組みはなく、「村落開発のモデル」を作っているうちに、村落が消え去る危険性すらある。開発と権利のための行動センター青西靖夫
[1]モザンビークにおけるJICAプロジェクト関連情報はこのサイト
http://landgrab-japan.blogspot.com/2011/09/blog-post.html
報告書へのリンクもこのサイトに入れてある。
[2] Moçambique oferece área de três Sergipes à soja brasileira(2011.8.14)
http://www1.folha.uol.com.br/mercado/959518-mocambique-oferece-area-de-tres-sergipes-a-soja-brasileira.shtml
José Pacheco diz que a concessão de 6 milhões de hectares a brasileiros é uma má interpretação(2011.9.9)
http://www.canalmoz.co.mz/hoje/20264-jose-pacheco-diz-que-a-concessao-de-6-milhoes-de-hectares-a-brasileiros-e-uma-ma-interpretacao.html
[3] Pacheco diz que não foi ao Brasil negociar terras
http://opais.sapo.mz/index.php/politica/63-politica/16451-pacheco-diz-que-nao-foi-ao-brasil-negociar-terras.html
及び[2]の2つめの記事
[4]Ministro José Pacheco convida produtores brasileiros a investir na produção de algodão em Moçambique (在ブラジルモザンビーク大使館のWEBサイトに転載されている記事)
http://www.mozambique.org.br/index.php?option=com_content&task=view&id=564&Itemid=9
[5]Missão Empresarial do Brasil para Angola, Moçambique e África do Sul
http://www.mozambique.org.br/index.php?option=com_content&task=view&id=586&Itemid=9
[6]Lavoura estrangeira(2011.9.15)
http://www.anba.com.br/noticia_especiais.kmf?cod=12406689
[7] Brasil amplía presencia en Africa y compra terrenos para cultivos(20106/29)
http://diario.latercera.com/2010/06/29/01/contenido/8_31094_9.shtml
Brasil invade África con sus productos(2010.6.23)
http://www.abeceb.com.ar/noticia/135175/brasil-invade-africa-con-sus-productos.html
[PR]
by africa_class | 2011-09-27 09:54 | 【情報提供】モザンビーク

モザンビークでの日本の援助プロジェクトが問題になっています

新カテゴリー「モザンビーク」を追加しよう、しようと考えていたのですが、
なかなか手が回っていませんでした。2人しかいない日本のモザンビーク
研究者として、あるいは94年からこの国に17年関わってきた者として、
あるいはモザンビークの人びとに自分や我が子を育ててもらった者として、
「モザンビーク」のカテゴリーを追加するのは当然でした。問題はタイミング
だったわけですが、残念な理由でこのカテゴリーを追加しなければならな
くなってしまいました。はあ~。本当にため息です・・・。
 モザンビーク北部の農業支援プロジェクト「モザンビーク国日伯モザンビ
ーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発協力プログラム」については、
その準備段階から非常に問題を感じ、担当者その他にはその問題性を指
摘してきました。この援助は、「ブラジルで成功した大規模土地改良プロ
ジェクト<<セラード>>をモザンビークに持ってこよう」という、ものでし
た。ブラジルのセラードの近くで留学生活を送り、モザンビーク北部の農
民たちに寄り添ってきた私には、トンデモナイ!と言わざるえない方法論
のものです。
 当然ながら、それは歓迎されなかったようで、以来この件についての集
まりには、あえて声がかからなくなりました。このような大規模プロジェクト
を喜ぶような「御用」「研究者」ばかりが集められ、プロジェクト推進という
結果先にありきで進められてきました。ブラジルのルラ大統領とモザンビ
ークのゲブーザ大統領が調印したものが、途中で止められるわけがない
のです。もはやこれは援助案件ではなく、政治・外交案件化してしまった
以上、止めたり、規模を縮小するなどということはあり得ません。がしかし、
なぜそれを日本が税金で、何のためにするのか?
 そして、残念ながら、この「研究者」たちは、モザンビークのことを全く知
らない(出張で何度か訪れただけ)、アフリカの専門家ですらない、農業
・農村開発の専門家ですらない・・・方々なのですが、政府機関にとって、
YESをいう「専門家」が、NOをいう「専門家」より重要なのは昨今の原発
問題でも明らかになったとおりで・・。
 私の問題意識はクリアです。このプロジェクトは、JICAのいうように本
当に[小農支援」になるのか?ならないのではないか?むしろ彼らの社
会を混乱させ、彼らの権利を踏みにじることになるのえはないか?という
危惧でした。
 今回、モザンビークに行って、色々な人からこの援助「「モザンビーク国
日伯モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発協力プログラム」
が大変な事態を引き起こしつつあることについて、指摘を受けました。一
日本人として、日本の納税者として、モザンビーク北部の人びととの生活
向上を一途に考えてきたものとして、情けない気持ちでいっぱいです。
 2000年以来、日本の援助をよくする活動を市民団体で行ってきました。
2000年にモザンビークで起きた大洪水を契機として、日本が長年送り
続けてきた農薬の問題が明るみに出て以来、2008年のTICAD IV
(アフリカ開発会議)まで頑張ってきたのですが、変わったものもあれば、
変わらなかったものも多く、いい加減疲れてしまい、援助問題から遠ざか
っていました。また関わるのかと思うと、ホトホト哀しい気持ちでいっぱい
です。どうして、日本の援助はこうなんだろう。役に立ってほしいという以
前に、「Do No Harm(害を及ぼすな)」ということを徹底できないのだろ
う。DO HARM & DO GOODなんていうのは、あり得ません。まずは、
害をおよばさない(No Harm)をクリアして初めて、よいこと(Good)がで
きるはずで、原発問題と構造は同じです。「最悪の事態」の想定がない。
それは、厳しい(NO)ことをいう専門家を遠ざけることによって、井の中の
蛙たちによる「「なあなあ文化」によって繰り返されてきたことなのです。
 以下、ブラジルの新聞(Folha de Sao Pauloという日本でいうとこ
ろの朝日新聞的な主要紙)に掲載された記事を貼り付けます。勿論、新
聞なのですべてが「正確」というわけではないでしょう。しかし、問題の本
質を捉えていると思います。ポルトガル語のままですみません。翻訳手
伝ってくれる人がいればWelcomeです!

http://www.fpabramo.org.br/
“Esta terra ainda vai cumprir seu ideal”
publicado em 23/08/2011
Por Beluce Bellucci

A manchete do primeiro caderno da Folha de S. Paulo de 14/08/2011 “Moçambique oferece ao Brasil área de 3 Sergipes”, para o plantio de soja, algodão e milho a agricultores brasileiros com experiência no cerrado, parece trazer uma grande novidade e oportunidade aos capitais e empreendedores brasílicos. A longa matéria no caderno de economia expõe que estas terras estão localizadas nas províncias de Nampula, Niassa, Cabo Delgado e Zambézia, situadas ao norte daquele país. No mesmo artigo, um consultor indaga, arrogante e desrespeitosamente, “Quem vai tomar conta da África? Chinês, europeu ou americano? O brasileiro que tem conhecimento do cerrado”, responde ele apressadamente. A intenção explicita de colonização nesta passagem não foi contestada pelo jornal ao longo do artigo.
 Pela matéria, fazendeiros brasileiros afoitos descobrem que em Moçambique existe “um Mato Grosso” inteiro para ser produzido, e 40 deles (não haverá um Ali?) se “apressam” a no próximo mês visitarem o país. O ministro da agricultura moçambicano revela que as terras poderão ser cedidas por 50 anos, renováveis por mais 50, ao preço módico de R$27,00 por hectare/ano.
 Cabe inicialmente perguntar: será esse negócio uma grande novidade? e trará tanta oportunidade quanto a noticia faz parecer? O desconhecimento dos brasileiros que procuram o empreendimento reflete o desconhecimento histórico que o Brasil tem da África e faz jus ao conhecimento dos que a divulgam. Não compete encontrar aqui as razões por que “tão boa oferta” somente agora chega ao Brasil nem tão pouco saber quem está por trás desse affaire. Interesses seguramente devem existir dos dois lados, o africano e o brasileiro.
 Mas a quem pode NÃO interessar esse projeto?
 A região em questão possui vegetação diversa onde vivem cerca de 12 milhões de pessoas organizadas em sociedades com histórias, línguas, culturas e formação social próprias. Estão lá os macuas, os macondes, os nyanjas, os chuabos e outros. Foi o principal palco da guerra de libertação nacional de 1964 a 1975, e nos anos 80 da guerra de desestabilização levada a cabo pela África do Sul e pela Renamo. É uma população de resistência e luta. E o que dizem do modelo desse projeto? Que impacto terá sobre essa população? O que pensam outras instituições locais? Quem efetivamente ganha e quem perde produzindo nesse modelo na região? Não falemos em aumento de PIB ou da exportação, mas em nível de vida, em ganhos palpáveis, matérias e imaterias da população.
 A experiência que os fazendeiros brasileiros dizem ter no cerrado, e o jornal repete, é de produção técnica, não de relações sociais de produção. Ela não inclui a experiência no trato com as sociedades africanas, aliás, neste quesito perdemos para todos os outros concorrentes. O brasileiro não conhece e quase não sabe andar na África, pouco se interessou pelo continente, seguramente pelo complexo de culpa da escravidão. Foi preciso uma lei, a no. 10.639 de 9/2/2003, para introduzir essa temática nas escolas brasileiras. Só recentemente expandiu suas representações diplomáticas e vem ampliando a cooperação e presença, pese a demanda, interesse e simpatia que os africanos dirigiam ao nosso país. Mas enquanto ficamos ao longo do último século com retórica e boas intenções face aos africanos, pouco fizemos e conhecemos. Em três décadas de presença na África os chineses se tornaram os maiores parceiros do continente. Antes dos fazendeiros e homens de negócios estiveram os estudiosos, os diplomatas, os estrategistas. Desenvolveram planos de longo prazo e não chamaram as regiões de Shanxi ou de Sergipe. Conheceram a história e respeitaram a soberania dos Estados e seus povos. Muito pode-se criticar sobre a presença chinesa na África, menos que seja aventureira.
 A “novidade”
 Todos afirmam que a África é hoje um continente subdesenvolvido, isto é, com carências alimentares, na habitação, na saúde, na educação, na capacidade produtiva, mas por quê? Como chegou a se subdesenvolver? Deixemos de lado o tráfico de escravos que mutilou sociedades por mais de três séculos (período que a força de trabalho africana era arrastada a produzir nas fazendas brasileiras – possivelmente em terras dos antepassados dos 40 fazendeiros) e nos aproximemos do século 20. O que fizeram os europeus, franceses, ingleses, portugueses e belgas na África? O que foi e como foi o colonialismo africano senão um fenômeno do século 20? Não foram lá essas metrópoles para civilizar e levar deus aos africanos? Não foram lá levar a civilização e ensinar-lhes como e o que produzir e consumir? E muito produziram... Mas como fizeram?
 A colonização levada a cabo pelas potências foram entregues a companhias concessionárias (majestáticas ou à charte na França), que recebiam grandes concessões de terra em troca de pagamento de taxas ao estado colonial, na obrigação de produzirem, e para tal podiam explorar e gerir as populações residentes. Umas desenvolveram a agricultura de exportação (para as metrópoles que viviam a revolução industrial), e até integraram regiões com estradas e ferrovias para escoamento. Outras dedicaram-se à exportação de trabalhadores para as minas dos países vizinhos (caso da Companhia do Niassa). Muito se produziu e se exportou. Criaram-se fortunas com o amendoim, o copra, o algodão, o sisal, o café, o tabaco, a madeira... E onde estão estas riquezas? Nos palácios, estradas e infraestruturas africanas? No sistema de educação, saúde e no nível de alimentação da população negra? O povo africano trabalhou nesse século sob a batuta colonial. Produziu muito no sistema de concessão que agora se quer renovar, e foi esse modelo o que subdesenvolveu a África, trazendo para os africanos a miséria que vivem hoje. E é esse o modelo que agora se quer repetir. Antes dele os povos estavam em melhor situação que após.
 Não são as terras fartas que chamam a atenção dos nossos fazendeiros, mas a existência de uma mão de obra que pode trabalhar a baixíssimos salários. Isso porque ela tem acesso à terra, já que boa parte da terra ainda é comunitária, e garante a própria subsistência. Enquanto esses homens trabalham nas fazendas, suas famílias produzem nas roças tradicionais. E, tendo a subsistência garantida, são impelidos ao trabalho quase gratuito, muitas vezes à força como demonstra a história, nas áreas dos fazendeiros brancos. Ao final do processo produtivo, a exportação, o PIB, os bolsos de poucos políticos e empresários nacionais envolvidos poderão crescer, mas a população continuará vivendo basicamente das suas subsistências e cada vez mais dependente de uma sociedade que a vem dominando culturalmente, através do radio e da TV, com canais globais e religiosos universais, cada vez mais produzidos aqui mesmo na tropicália. O contexto para um novo colonialismo está preparado, e a sua repetição transformará o que foi o drama colonial numa farsa liberal. Na versão colonial do século 20 as sociedades africanas encontravam-se ainda estabelecidas e foram fortemente exploradas nessa articulação com o capitalismo colonial, que a reduziram à pobreza atual. Hoje elas encontram-se fragilizadas, desconfiadas, famintas, e reeditar tal sistema com promessas e perspectivas de que irão melhorar é uma mentira criminosa.
 Convém observar que a mudança desse modelo de exploração para o modelo desenvolvimentista, industrializante, com início no pós Segunda Guerra facilitou as propostas nacionalistas que culminaram com as independências das colônias na década de 60. Mas este assunto merece outro artigo.
 O risco
 Dizem que as terras em Moçambique estão ociosas. Na verdade, estão ocupadas há séculos por populações que a cultivam com tecnologias específicas, para a sobrevivência, num sistema que exige grande reserva natural e rotação. Quando os portugueses chegaram no continente encontraram homens e mulheres saudáveis e fortes. Não eram povos subnutridos nem subdesenvolvidos, mas populações com níveis tecnológicos distintos dos colonizadores. Passados o tráfico e o colonialismo, o que restou foram populações desagregadas, famintas, subdesenvolvidas, fruto das políticas produtivistas de quem “tomou conta da região”.
 O que nós brasileiros queremos com a África? Mandar para lá fazendeiros para remontarem um sistema já conhecido historicamente e vencido socialmente, que produz e reproduz miséria para a grande maioria e lucro para poucos? Ou temos a intenção e alguma expectativa de estabelecer uma relação de cooperação que aponte para uma sociedade onde a vida das pessoas se transformem e melhorem?
 O embaixador moçambicano em Brasília diz que “interessa-nos ter brasileiros em Moçambique produzindo, porque temos grande deficit de alimentos”, e o projeto prevê que será preciso empregar 90% de mão de obra moçambicana. A oferta é para produzir algodão, soja e milho, entre outros, visando a exportação. Sendo o milho o único atualmente utilizado para alimento humano. A Embrapa prepara as sementes com investimentos do Estado brasileiro, e o presidente da Associação Mato-Grossense dos Produtores de Algodão diz que “Moçambique é um Mato Grosso no meio da África, com terra de graça, sem tanto impedimento ambiental e frete mais barato para a China”. O chefe da Secretaria de Relações Internacionais da Embrapa diz: “Nessa região, metade da área é povoada por pequenos agricultores, mas a outra metade é despovoada, como existia no oeste da Bahia e em Mato Grosso nos anos 80.” O projeto oferece também isenção para a importação de equipamentos.
 O que pretende este programa é aproveitar as terras moçambicanas, “de graça”, produzir para exportação, aproveitando-se da mão de obra barata, e a ausência de regulamentação ambiental e sindical. Entretanto, sabe-se já de início, os projetos são de capital intensivo e grande tecnologia, e vão utilizar pouca mão de obra. Os produtos não serão consumidos no país e a renda interna proveniente será a modesta soma de alguns meticais por ano, que ficará com a instituições estatais. Moçambique não é a Bahia, pois a África não é o Brasil. Mas o “Havaí é aqui” e lá.
 Como se observa, são projetos que podem ser viáveis economicamente, mas não são sustentáveis do ponto de vista ecológico e muito menos social.
 Ao se concretizar a proposta em análise, faremos com que o aprofundamento da relação com a África, tão querida quanto necessária, se dê por um empreendimento tipo colonial comandado por fazendeiros (e jagunços) e com a benção dos estados.
 Por desconhecimento da história, despreparo dos envolvidos, falta de objetivos estratégicos, estrutura e planejamento do empreendimento, incluído aí o nosso Estado (pese os avanços recentes), a aventura brasileira na África, nos moldes apresentado, tem muita chance de se dedicar a ir descobrir a roda no cerrado e cair no ridículo, perder dinheiro e criar novos personagens conradianos.
 Mas, se der certo, dará razão a uma anterior parceria entre Brasil e Moçambique, a de Chico e Rui Guerra, por demais conhecida: “Ai, esta terra ainda vai cumprir seu ideal, ainda vai tornar-se um império colonial (...), um imenso Portugal.”
 Entretanto, um outro modelo de cooperação e investimento entre Brasil e o continente africano é possível e urgente de ser pensado. Mas temos que nos preparar internamente para isso, num escopo do que queremos para o nosso povo e das relações entre países.
 É momento de governo, Estado, universidades, empresários, instituições públicas e privadas, como o Instituto Lula, opinarem sobre um novo modelo de parceria entre Brasil e a África, que envolvesse diferentes agentes brasileiros e africanos, inclusive os fazendeiros do cerrado, para encontrar outro ideal a ser cumprido.
 *Beluce Bellucci, economista, doutor em história econômica pela USP. Trabalhou mais de 12 anos em Moçambique, onde coordenou projetos agro-industriais na região de Niassa, Cabo Delgado e Nampula, após a independência em 1975, no ministério da Agricultura e no Banco de Desenvolvimento. Foi diretor do Centro de Estudos Afro-Asiáticos da Universidade Candido Mendes, Rio de Janeiro.
 Texto de 16/8/2011
[PR]
by africa_class | 2011-09-27 09:19 | 【情報提供】モザンビーク