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TICAD終了、モザンビークからの仲間たちとの1週間をふり返って&皆さんにお願いしたいこと

後数時間でモザンビークの皆さんが空港を出発されます。
この間皆さんと一緒にいて感じたこと、伝えきれなかったこと、これからについて書いておきます。

日本に来る前に北部地域で農村から農村、国中で様々なレベルでプロサバンナについての共同ポジション作りに尽力したUNACやその他のNGO、そ してCSOプラットフォームの皆さんは、かなりお疲れのまま来日し、来日後は朝から晩まで国会議員、メディアインタビュー、戦略会議、対外シンポ やセミナー・・・・と目まぐるしい日々でした。

さらには、3各国政府首脳への公開書簡の最終化が同時並行し、時差もあったため、ほとんど寝ないで 1週間が進みました。

■「プロサバンナ事業の緊急停止を求める」3か国大統領・首相への公開書簡
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
(日本の団体の賛同を募集中です。私にご連絡を。)

■取材記事一覧(日本語5記事・1番組/英語4記事)
日本語:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
英語:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html


前回も感じたことですが、私は彼らのコミットメントと諦めない姿勢、我慢強さと意志の強さ、一方で忙しさの中に周りをいたわる優しさや気配りに、学 ぶことの多い毎日でした。
自分の至らなさを多々感じる日々でもありました。
でも、そんな日本の私たちを包み込むような彼らに励まされることの多かった日々でした。

モザンビークの仲間たちの全員が、小規模農業のお蔭で学校に通い、ここまでやって来た人達です。
アントニオさん(ナンプーラ市民社会プラットフォーム代表&カソリック大学講師)は、私が長年通う村のご出身で、そこから大学の先生を生み出すの は並みの事ではないことは良く分かります。

彼は、ピーナツ畑を自分で耕して学校に通うお金を生み出し、その後は両親が畑で身を粉にして働いて大学まで行くことができたとおっしゃっていまし た。
ビセンテさん(UNACアドボカシーオフィサー)も同様です。
UNAC代表のマフィゴさんはいうまでもなく。

そのことを彼らがどれほど誇りにしているのか、だからこその強さなのだということを、私は十分伝えきれていないかったかもしれません。

「貧しい、飢えている、足りない」という言葉の持つ相矛盾する性格を、もっと気を付けて使わないといけないなと感じています。

アフリカの市民社会、NGOといっても、エリート志向の人も実際多いです。
でも、地域と人びとに根差した活動を、これほどまでに当たり前に基本とする皆さんと出会い、心の底から感激しています。彼らに出会う機会がなかった方々には、是非次の機会をと思っています。

彼らの闘いは「尊厳」と「命」をめぐるものです。
そして、モザンビークという国の「民主的な統治」をめぐるものです。
何より、モザンビークだけでなく、日本も含む世界の「正義」をめぐるものです。
私たち自身も、単なる「援助事業の少しばかりの修正」といった論理に陥らないようにしたいと思います。

皆さんにお願いです。
彼らはこの間ずっとモザンビーク内で脅迫と分断工作を受けています。
それでも勇気を振り絞って、来日されました。
私たちを信頼してのことでした。

公開書簡を出したことで、よりそれが強まって、彼らがこちらに来ている間ずっと、現地の仲間たちが嫌がらせを受けています。

私たちの税金で行われる「思いつき打ち上げ花火事業」が、あまりにトップレベルを巻き込んだものであるために、あまりにトップダウンでなされてき たために、そして「l巨額のカネが絡む」ために、自分のカネのためではなく、農民と社会と将来の世代のために頑張るモザンビークの良識ある心優し い、異議を唱える農民や市民組織のみなさんに命の危険と、社会分断を及ぼしています。

事業は未だ始まったばかりとか誤解などとJICAは反論しているようですが、既にプロサバンナ事業開始後、投機目的の土地収用がプロサバンナ対象 地で急速に企業によって行われているのは事実です。その中には、大統領のファミリー組織も含まれています。また、社会内部で分断が進んでいってい ます。私たちの税金、国際協力は、このようなもののために使われるべきだったのでしょうか?

彼らが帰国前にお願いしたのは、
①現地で声をあげる人達の安全を一緒に守る方法を一緒に考え、行動に移すこと、
②この問題に引き続き関心を持ち、情報を共有し、共に闘い続けること、
③一人でも多くの人にこの問題を伝えること、
④国民の8割を超える小規模農民の農業生産こそを国の中心政策とするための「家族農業支援国家計画」作りにモザンビーク政府が取り組むよう、 JICAや日本政府、日本の市民社会、ブラジルや世界の世論が盛り上げるよう協力すること
⑤外務省・JICAとの対話ルートをオープンにし続け、補強すること、
でした。

ボールは、納税者であり、有権者である日本の我々のところにあります。
日本の市民の皆さん、JICAや外務省、コンサルタントの皆さん、皆さん一人一人の責任です。

今なら未だ間に合います。
そこに暮らす圧倒的多数の8割を超える小規模農民の皆さんの権利を守り、彼らの自らの発展のため、私たち自身が変わりませんか?

JICA、外務省、コンサル、援助関係者の責任ある行動が求められています。

しかし、JICAは今回も相変わらず「Misunderstanding」という言い訳をしています。
命がけ公開書簡に対して、「誤解」はないと思いますが?

去年10月にUNACがプロサバンナ批判声明を出してからJICAがやってきたことはなんだったのでしょうか?講演会でも、NGOの意見交換会への質問状でも、メディアのいずれの報道に対しても、
「誤解だmisunderstanding」
という言い訳をし続けてきたのですが、さすがに何度も彼らと直接会って話をするようになって、そんなことを言う立場にも現状にもない・・・と思ったのですが・・・。

今回メディアが問い合わせた際のJICAコメントのすべてがこれでした。

(自分の目でご確認を)
日本語(6記事・1番組)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
英語(4記事)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html

つまり、あまりに何も変わらず、止むえず他にもやるべきことを沢山抱えた農民や市民社会の皆さんを、日本に来て訴えざるを得ない状況を生み出しながら、問題の核心を、自分の立ち上げた事業や手法に対してではなく、モザンビークの農民組織の問題にすり替え続けているのです。

そこには、真摯な反省も改善への努力も見当たりません。当事者である、命をかけた人達への思い遣りもありません。おそらく、モザンビーク農民組織や市民社会には聞こえないだろうと思っての発言なのでしょうが、このグローバル化の時代、彼らの耳にしっかり届いています。そして、彼らのJICAへの信頼感をずたずたにしています。そして、心を傷つけています。

そもそも、「協議がない、参加できていない」という批判には、
「ステークホルダー会議に出席していた」という反論。

「説明がない」という批判には、
「事務所にいって説明した」という反論。

なのに、いざ農民組織が公に非難声明を出したら、
「コミュニケーション上の誤解」?????

これらすべてを「やられる側」はしっかり目を見開いて眺めているという感覚がまったくないのでしょう。「やられる側」の厳しい目線というのを、どうしても日本の主流の人達は敏感に感じられない。ここまではっきり意思表明をしてもなお、「誤解」「反対とはいっていない」・・・という始末。

やはり、グローバル化時代のコミュニケーションの課題は、言語能力ではなく、人としての他者との関わり、社会との関わる能力につきる・・・と外国語大学の一教員としても再確認した次第です。いつもいってきたけど。

もちろん、日本的な、「処世術、組織防衛のための当たり障りのない公式見解」というつもりなのでしょうが、そんなの今日生きるか死ぬか、明日食べるものがあるのか?という日常を暮している人達に通じるわけもないのです。グローバルな仕事をしているはずの人達が、相も変わらず日本の処世術が通じると思っている(?)ところが、もう絶望的です。彼らを税金で支える意味はなんなのでしょうか・・・。

いい加減に、「人のせい」にするのをやめてほしい。
反省の地平からしか、新たな一歩を踏み出せない。
「緊急停止」という私も驚いた一言を彼らが命をかけて勇気を振り絞って書いた意味を、心の真ん中で受け止めてほしい。

皆さんにとっては一時的な「仕事上の担当」。これさえ上手くやり過ごせば、次はなんとかなる。そんな風に思っているのかもしれないですが、この姿勢そのものが、そこに暮らしている人達の運命をどこまでも左右するカギを握っておきながら、人として無責任な姿勢だと思います。

「国際協力」などという名称を使うべきではない行為だと思います。
そんな人達に私たちの税金を託して「国際協力」をお願いした覚えはありません。
どうしてもやりたいのであれば、自分のお金や自分が社会に呼びかけてやってください。自動的に、当たり前のように、私たちのお金を使わないでください。
(と考えるの私だけでしょうか?)

さて、いささか説教じみましたが、一般の皆さんは、是非以下にご協力を。

森下さんの記事を是非広めてください! 
Huff Post International (6月2日森下麻衣子)
TICAD V:モザンビークの人々から安倍首相に手渡された驚くべき公開書簡
http://www.huffingtonpost.jp/maiko-morishita/ticad-v_b_3373974.html
*開設以来最高の閲覧数になっています!

そしてコメントする場合は、是非参照すべきニュースソースを示して下さい。
「ふーーーん」で終わらないため、他のソースを是非紹介を。
以下、ソースがある場所を提案しておきます。

①日本では語られないセラード農業開発の問題について
(ブラジル・エコノミストによる分析、5月29日のPreTICAD国際シンポで発表されたパワーポイント)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-34.html
②日本・ブラジル・モザンビーク首脳宛「プロサバンナ事業の緊急停止を求める」公開書簡
(モザンビーク主要な農民諸組織、対象地北部のコミュニティ組織、宗教組織、市民社会組織23団体による)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
③来日中のモザンビーク農民組織や市民社会のインタビューの記事・番組一覧
日本語(6記事・1番組)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
英語(4記事)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-29.html
④プロサバンナ・マスタープランに関する
日本の専門家分析:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-24.html
現地・世界の市民社会組織による緊急共同声明:
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-21.html
⑤プロサバンナ関連資料・分析・声明一覧(アーカイブズ)
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-18.html
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by africa_class | 2013-06-04 15:08 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

モザンビーク:世界最悪(2番目)の人間開発指数(しかも悪化)の報じられない現実(含権威主義化)

今日本は俄か「モザンビーク・ブーム」。猫も杓子もモザンビーク状態。もちろん、過去20年にわたりこの国に寄り添ってきた私としては本来は嬉しいことです。しかし、彼らがみているモザンビークは「資源の大国」「土地の余っている国」「眠れる国」「政府が頑張っている国」・・・・等々。

宣伝に踊る文字は、「貧困だけど経済成長率が年率7%の資源大国」「知られざる可能性」。

その最中で人びとが直面している課題・・・に触れる人はほとんどいない。知らないのかな?知らないで、巨額の投資とか税金を使った援助とかするもんだろうか・・・。

あるいは、調べもせず知ろうともしないで、思い込みで処方箋が描かれている。
つまり、「貧困」という言葉は踊るが、「支援や投資がないから貧困のまま」という論理。

どこの誰が、何に基づいてそんな分析したのでしょうか?
少なくとも、モザンビークについて研究してきた人でそんな分析をしている人・・・私は知らない。
むしろ、モザンビーク人研究者、あるいはモザンビークについて長年研究してきた人々の大体の理解は、モザンビークが不平等・格差を広げていっており、政治状況も悪い方向へいっているということ。或る意味で、「資源の呪い」に向かっていっていると考える人の方が多い。

ここ数年、この国で悪化するガバナンスや民主化の停滞の問題、人びとの不満、繰り返されるストライキに、小規模ながら暴力衝突、切れ目なく流入する投資の一方での、悪化する人間開発指数。しかも、それは世界最悪のニジェール、コンゴ民主共和国の次、つまり世界で下から2番目!!!

という現実については、日本政府も、JICAも、日本のメディアも報じない。
NHKクローズアップ現代の見せた絵を思い出していただければ。
「援助が足りない」「投資が足りない」・・・・だけで、それは中国と対抗して日本がやってあげればいい。

まさか、貧困と不平等を現在の投資自身が創り出しているとは、1%でも示さなくてよいようで・・・。
先月同国を訪れた国連の「極度の貧困と人権ラポター」のMagdalena Sepúvedaが、「モザンビークで貧困が悪化している」と発表したことについて、知る由もなく、とにかくモザンビークは経済成長しているから貧困改善している・・・と?

「モザンビークで悪化する貧困」(2013年4月17日マプート)
http://www.clubofmozambique.com/pt/sectionnews.php?secao=economia&id=25048&tipo=one

これは、おそらくモザンビークという国との付き合いがあまりに日浅くて表面的なことしか知らないからということもあるだろうし、「よい話」にばかりフォーカスして宣伝したがる日本政府やJICAの傾向が出ているということもあるのでしょう。

いや、貧困を「国全体の経済成長やGDP」でしかみようとしていないことからくるんでしょうか?私の立場からすると、人間開発指数も十分一面的ですが、それでもこれほど悪い結果となっています。

いや、そもそも以上の記事のように公用語がポルトガル語であるために、なかなか実際のところを知ることができないという問題もあるんでしょう。

また、モザンビークと深く付き合う日本の関係者があまりに少なすぎることもあるでしょう。日本に二人しかいないモザンビーク研究者の古い方である私の怠慢のせいでもある。一般的なことを書いてこなかったから。なので、反省すべきは私・・・自身でもある。

なので、連日寝て無すぎるのですが一応これだけはお伝えしておきたいと思います。是非、広めてください。土地紛争の問題は書いてきたので省略。

■知られざるFACT No.1 世界で三番目に悪い人間開発指数
2013年の人間開発報告書(国連開発計画UNDP)によると、モザンビークの人間開発指数は世界最下位から2番目の185番!
http://hdr.undp.org/en/media/HDR_2013_EN_complete.pdf

【最悪】ニジェール、、コンゴ民主共和国
【2番目に最悪】モザンビーク

■知られざるFACT No.2 過去5年間の投資額は急増
この間、モザンビークには、世界でももっとも急速に投資額を増やしてきた。過去5年は特に凄まじい状態。ということで、明らかに投資が足りないせいではなく、「富の分配」が不平等状態にあるから。

ごく一部にしか恩恵が届いておらず、大多数の生活が改善していない。

■知られざるFACT No.3 実は人間開発指数のランクは2011年版より悪化
メガ投資プロジェクトの流入の一方で、モザンビークは人間開発指数を悪化させています。2011年より2013年版では世界ランクを1つ下げています。(2011年版では185番だった)。
http://hdr.undp.org/en/media/HDR_2011_EN_Tables.pdf

■知られざるFACT No. 4 2010年、アラブの春に先駆けて首都で若者による大規模暴動発生
10名が死傷。

■知られざるFACT No. 5 2010年に「民主政国リスト」から外され、「選挙権威主義国」に
カタチばかりの民主主義と名指しで批判される国に・・・。

■知られざるFACT No. 6 不安定化する「安定」
今年より最大野党で元紛争当事者である元反政府武装勢力RENAMOが、元々の拠点の中部の元軍事基地に籠って、先月警察とビジネスマンを襲撃、死傷者が発生。

さすがに眠いので、後は日本国際政治学会に出した論文の冒頭を共有しておきます。次の学会ジャーナルで掲載される予定です。

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『国際政治』(日本国際政治学会出版物)

モザンビークにおける民主化の後退と平和構築の課題
―2009年選挙を中心にー

(前略)本稿は、和平合意から21年、初の複数政党制選挙から19年を迎え、これまで紛争後の国家建設において国際的に高い評価を受けてきたモザンビークを事例として取り上げ、2009年選挙以来後退した民主化の現状とその背景を明らかにし、同国の平和構築の課題を検討するものである。本稿では、第一節で民主化・安定・開発に関する評価を示した上で、2009年以降の変化を紹介する。第二節で2009年選挙にみられる与党圧勝の実態を示すとともに、第三節ではその背景を市民社会並びに野党の取り込みとの関係で明らかにする。最後に、以上を踏まえ、これを世界的な現象の中で考察し問題提起を行う。
(略)
(2)民主化に関する評価の変化と2009年選挙
民主化と安定、開発のすべてで、国際的に肯定的な評価を得てきた戦後のモザンビークであるが、ここ数年、民主化の評価に後退傾向がみられる。フリーダムハウスは、2009年に同国の「政治的権利」を4に下げるとともに、2010年には「選挙民主政リスト」から除外した。同リストには、紛争経験のあるリベリアなど116か国が含まれているだけに、この転落は目立ったものとなっている。また、先述のポリティ・スコアもモザンビークの評価を1つ下げ、同国は「開放アノクラシー」に分類されるに至った。さらに、政権与党FRELIMO(Frente de Libertação Nacional de Moçambique:モザンビーク解放戦線)の一党支配の進行について警鐘を鳴らす論文が発表され(Manning 2010)、世界的に注目を集めた。一体、モザンビークで何が起こっているのだろうか。
(後略)

全文は近日発刊の『国際政治』をご覧ください。
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by africa_class | 2013-06-02 00:42 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

モザンビーク農民・地域・市民・宗教23団体が3国首脳宛「プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡」

すでに共同通信から流れていますが、5月28日付で、プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡が出されています。詳細は後で書きますが、モザンビークの主要農民組織のほとんどすべて、北部地域の宗教や地域、市民社会組織の多く、23団体が署名しています。国際署名もブラジル・日本を含め42団体が賛同署名中。

このこと知っててNHKクローズアップ現代のあの番組です。当事者が来日中、しかも彼らの訴えの映像もあったのに、まあそういう番組でしかないといえばそれまでですが!以下、どうぞ。
■NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)
http://afriqclass.exblog.jp/17873533/

■共同通信 記事(2013年5月29日、横浜)
「モザンビーク人農民らは農業事業の停止を呼びかける」
http://english.kyodonews.jp/news/2013/05/227493.html
"Mozambican farmers call for halting agriculture project"
YOKOHAMA, May 29, Kyodo
■The Japan Times (2013年5月31日、再配信)
以上の記事が全文読めます。
http://www.japantimes.co.jp/news/2013/05/31/national/mozambique-farmers-seek-halt-to-aid-project/#.UagW7tKpVSQ

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モザンビーク共和国大統領 アルマンド・ゲブーザ閣下
ブラジル共和国大統領 ジルマ・ルセフ閣下
日本国総理大臣 安倍晋三閣下


プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡

アルマンド・ゲブーザ大統領
ジルマ・ルセフ大統領
安倍晋三総理大臣

モザンビーク共和国政府は、ブラジル連邦共和国政府並びに日本国政府との協力の下、2011年4月にプロサバンナ事業を開始しました。当該事業は、三か国の政府による三角協力で、モザンビーク北部のナカラ回廊の熱帯サバンナにおける農業開発を促進するためのものであるといいます。
プロサバンナ事業の導入並びに実施の計画は、貧困との闘いを優先する必然性、そして我々の国の経済的・社会的・文化的発展の促進に向けた国民的及び人間的要求に根差したものとされています。
これは、モザンビーク政府が、IDE(外国直接投資)を誘引する政策を正当化する際、あるいは鉱物資源開発・天然ガス・モノカルチャー植林・一次産品生産のためのアグリビジネスの大きな投資事業を導入する際に、選択してきた主要な言説です。
我々農民男女、ナカラ回廊沿いのコミュニティに暮らす家族、モザンビークの宗教組織並びに市民社会組織は、貧困との闘い並びに主権や持続可能な発展促進の重要性と緊急性を認識し、プロサバンナ事業に関する我々の懸念と提案を表明するべき決定的な時機にあると確信しています。
プロサバンナ事業は、モザンビークの法律の基本的要件並びに原則の一つであるべき「環境インパクトアセスメント調査」を議論し承認することなく、そして実施することもないまま、すでに「クイック・インパクト・プロジェクト」の一部(*融資)を通じて実施されています。「同アセスメント調査」では、本来、このような規模の事業の導入は、カテゴリーAと分類されるべきものです。
プロサバンナ事業の広がりと大きさは、憲法で我々に保障された情報・協議・参加へのアクセス権の行使という点において、法律を遵守しておらず、民主的で透明で幅広く深い公衆(農民男女、家族、民衆)との討論を欠いており、さらには我々の生活に直接影響を及ぼす社会・経済・環境上の諸権利に関わる事柄についてのインフォームドコンセントの不在に特徴づけられています。
我々は、2012年9月以来、モザンビーク社会の多様なセクターとともに、広範な討論と集会を実施して参りました。我々がアクセスできた複数の関連文書によると、プロサバンナ事業は、モザンビーク、ブラジル、日本政府による巨大事業で、ニアサ州・ナンプーラ州・ザンベジア州内19郡の1450万ヘクタールを対象とし、ナカラ回廊沿いの熱帯サバンナにおいて農業開発を行うためのものといいます。
この事業が対象とする郡のコミュニティレベルでのいくつもの討論、あるいはモザンビーク政府、ブラジルと日本の外交上の代表者ら、両国政府の国際協力機関(ブラジル協力庁ABC、国際協力機構JICA)との議論の後、我々は、限られた情報やアクセスできた文書の中ですら、深刻な情報の食い違いや内在的な矛盾があることに気づかされました。同様に、事業の設計上の欠陥が根拠をもって確認されるとともに、「協議、住民参加プロセス」と呼ばれるものが不正に満ちていること、現在地域にあるコミュニティが土地強奪(ランド・グラビング)や強制的な移転の脅威に晒されている実態も明らかになりました。
モザンビーク大統領閣下、ブラジル大統領閣下、日本国総理大臣閣下、国際協力は、より公正で連帯に基づく世界の形成を目的とし、人びとの利益や願望を下支えするものでなくてはなりません。しかしながら、プロサバンナ事業はこれらの原則に反しており、かつその実行者らは、この国の農業開発に直結する問いをオープンな形で議論しようという意欲をまったく、あるいはほとんど示してはおりません。
アルマンド・ゲブーザ大統領閣下、何百万人ものモザンビーク人男女とともに、閣下がその青年期の大部分を、植民地支配から人びととその土地を解放するために闘ってきたことを想い起こしたいと思います。その困難な時代から農民たちは土地にしっかり根差してモザンビーク国民のための食料を生産してきました。そして戦争の破片にまみれた国を、誰もがこの解放された大地の子であることを感じることができるように公正で連帯に基づいて独立した社会へとするために尽力してきました。
ゲブーザ大統領閣下、モザンビーク人の8割は家族農業を生業としており、食料生産の9割以上を担っています。プロサバンナ事業は、多国籍企業が入ってくる上で最良の条件を整えるための道具となっています。そしてそれは、不可避的に家族農家の自治を困難にし、小農の生産システムを壊し、土地なし家族を生み出し、食料安全保障を揺るがし、我々が国として独立したことの最大の成果を失ってしまうことにつながります。
ジルマ・ルセフ大統領閣下、モザンビークとブラジルの民衆の連帯は独立闘争の困難な時期に始まっており、それはモザンビークが経験した16年の戦争の間とその後の再建期にわたっています。他ならぬジルマ大統領閣下自身が、ブラジルの軍事独裁による抑圧の犠牲者であり、自由の価値を御存知です。現在もブラジルで作られる3分の2の食料は、ブラジル政府がプロサバンナ事業によってモザンビークに輸出しようとしている企業によってではなく、小農男女によってつくられています。
ジルマ・ルセフ大統領閣下、モザンビーク小農が支持し生産のインセンティブとする「モザンビーク食料取得計画(Programa de Aquisição de Alimentos de Moçambique)」を、ブラジル政府がないがしろにすることを正当化できるでしょうか。受け入れがたい結論ですが、プロサバンナ事業によって促進される全ての融資、物資、人的資源は、全てアグリビジネスの発展のために注がれるのではありませんか。国民同士の連帯を促進しなければならないブラジル、モザンビーク、日本の国際協力が、不透明な商業的取引き促進の道具となり、モザンビーク国民の食料生産を担っているコミュニティの土地を奪うことを正当化できるのでしょうか。
安倍晋三総理大臣閣下、日本はJICAを通じて、我々の国の農業やその他のセクターの開発に貢献してきました。しかし、我々は、現在の日本政府のモザンビークに対する農業分野の協力は承認いたしません。日本は、ナカラ港から農産物を流すことを可能とするためナカラ回廊の巨大インフラ設備に投資していますが、プロサバンナ事業に対する財政的・人的な支援についても同様に、日本は小農による農業にこそ集中的にコミットすべきであると我々は考えます。なぜなら、唯一小農農業こそが、モザンビークの人びとのため必要な量の適切な食料を生産することができ、それによって持続可能な開発が促進されると理解するからです。
モザンビーク、ブラジル、日本の国民の立派な代表者の皆さん、我々はグローバルに天然資源を収奪し、支配しようとする多国籍企業や巨大金融組織の拡張と増幅する要求によって特徴づけられた時代に生きています。それらは、我々を商品に替え、ビジネスチャンスと見なしています。
閣下殿。以上に基づき、我々モザンビークの農民男女、ナカラ回廊沿いの農村コミュニティに暮らす家族、宗教組織、市民社会組織は、次の点について緊急に非難し、拒絶いたします。
情報の操作(manipulation)、プロサバンナ事業に反対し、農業部門の持続可能な発展のための代替案を提案するコミュニティや市民社会組織に対する脅迫
ブラジルや日本や国内の企業だけでなく、他国の企業を含む、ローカル・コミュニティの土地強奪への差し迫ったプロセス
プロサバンナ事業の基礎を、家族経営農業による生産システムを破壊し、農民男女を巨大多国籍企業や国際金融機関による排他的にコントロールされた生産プロセスに統合することを企図する、輸出のためのモノカルチャー生産(とうもろこし、大豆、キャッサバ、綿花、サトウキビ等)に基づいた生産や生産性の増大に置くこと
モザンビークのために、深刻な内部矛盾を生み出したブラジル農業開発のモデルを輸入すること
以上に提示された非難に対し、我々モザンビークの農民男女、ナカラ回廊沿いコミュニティの家族、宗教組織、市民社会組織は、それぞれの国民によって付与された正当なる代表者としてのモザンビーク大統領閣下、ブラジル大統領閣下、日本総理大臣閣下の資格において、小農家族に無責任でネガティブな影響をもたらしうるプロサバンナ事業の介入に対し、緊急手段を採るよう、火急の介入をお願いし、これを求めます。無責任でネガティブな影響とは、具体的には次のようなものです。
土地の収奪や住民移転の結果として、モザンビークにおいて「土地なしコミュニティや家族」が生じること
ナカラ回廊沿いにおける社会の激変や社会環境をめぐる紛争の頻発
加えて、農村コミュニティの家族の悲惨さの拡大や深化、あるいは生存や自給のための代替案の減少
小農家族生産システムの破壊と、その結果生じる食料問題
農薬、化学肥料などの過剰あるいはコントロールされない利用による農業エコシステム、土壌、水資源の汚染
アグリビジネスによるメガプロジェクトのための広大な森林の伐採と、その結果としてのエコロジーバランスの崩壊
我々、本公開書簡に署名する農民男女、ナカラ回廊コミュニティの家族、国の宗教組織や市民社会組織は、プロサバンナ事業が設計され、我々の国のコミュニティや大地に導入されつつある手法に対し、憤りと拒絶の意を公的に表明します。
我々は、生産システムに基礎をおいた農業の発展を守るのであって、生産物を守るのではありません。家族農業による生産は、経済的な側面を超え、地理的な空間、社会的・人類学的次元を含むものであり、これらは人類の歴史において持続可能であることが明らかにされてきたものであります。
本公開書簡に署名した社会運動諸組織は、政府や国家の長としての責務において、モザンビーク、ブラジル、日本の国民の代表として、アルマンド・ゲブーザ大統領閣下、ジルマ・ルセフ大統領閣下、安倍晋三総理大臣閣下に対し、次のことを要求します。
プロサバンナ事業のためナカラ回廊熱帯サバンナで実施されている全てのプロジェクトやアクションを即時停止するため、必要な全ての処置を命ずること
モザンビーク政府は、モザンビークの全てのセクターの人びと、とりわけ農民男女、農村住民、回廊沿いコミュニティ、宗教組織、市民社会組織が、彼らの現実のニーズ、願望、優先順位、主権発展のためのアジェンダを決めることを目的とし、これらの幅広い層の人びととの公的な対話の積み重ねのための民主的でインクルーシブなメカニズムを確立することを命ずること
プロサバンナ事業のために割り当てられた人的資源や資金の全てを、持続可能な「家族農業支援国家計画」の制定と実施に再配すること。同計画は、1600万人以上もの農業を生活の糧とするモザンビーク人の食料主権を支援し保証するため、25年間にわたり、全モザンビーク共和国の農民家族らから擁護されてきました
 モザンビーク政府は、適切な食事の促進や飢えの改善の持続可能な唯一の解決法として食料主権、環境保全型農業、アグロエコロジーを優先させること
モザンビーク政府は、小農農業への支援を中心に据えた農業セクターのための政策を採択すること。具体的には、農村金融、農業エクステンションサービス、灌漑システム、在来種や気候変動に強い種の評価、農道、農作物の市場化のための支援とインセンティブのための政策へのアクセスです
以上の声明に基づき、モザンビークの農民男女、ナカラ回廊コミュニティの家族、宗教組織、市民社会組織は、三か国間の協力が、民衆の真の利益と願望に基づいたものとなること、そしてこの協力がより公正で連帯に基づく社会の創造を促すことに役立つものになることを求めます。我々は、全てのモザンビーク人男女が、子どもたちが大地を身近に感じることができ、共に集い、その主権が国民の下に発現し存在する国家の建設に従事するといった、より良く実行可能なモザンビークを夢見ます。

マプート 2013年5月28日


署名団体(モザンビーク)
1.Acção Académica para o Desenvolvimento das Comunidades Rurais (ADECRU)
2.Associação de Apoio e Assistência Jurídica as Comunidades (AAAJC) -Tete
3.Associação Nacional de Extensão Rural (AENA)
4.Associação de Cooperação para o Desenvolvimento (ACOORD)
5.AKILIZETHO-Nampula
6.Caritas Diocesana de Lichinga-Niassa
7.Conselho Cristão de Moçambique (CCM)- Niassa
8.ESTAMOS – Organização Comunitária
9.FACILIDADE-Nampula
10.Justiça Ambiental/Friends of The Earth Mozambique
11.Fórum Mulher
12.Fórum das Organizações Não Governamentais do Niassa (FONAGNI)
13.Fórum Terra-Nampula
14.Fórum das Organizações Não Governamentais de Gaza (FONG)
15.Kulima
16.Liga Moçambicana de Direitos Humanos-LDH
17.Livaningo
18.Organização para Desenvolvimento Sustentável (OLIPA-ODES)
19.Organização Rural de Ajuda Mútua (ORAM)-Delegação de Nampula
20.Organização Rural de Ajuda Mútua (ORAM)- Delegação de Lichinga-Niassa
21.Plataforma Provincial da Sociedade Civil de Nampula
22.Rede de Organizações para o Ambiente e Desenvolvimento Sustentável (ROADS) Niassa
23.União Nacional de Camponeses-UNA
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by africa_class | 2013-05-31 11:20 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)

今NHKのクローズアップ現代の番組みていますが凄いですね。あまりに「政府広報」になっていて(分かりやすすぎる!)、驚き。明日も国際学会なので、あまり時間がないのですがあまりに酷かったので、データを示しておきますね。

と書いているうちに、番組FBで批判の投稿が次々に。なるほどな意見ばかり。この問題を語る際に、「専門家であること」は、実は邪魔なことなんだなあと至極納得。普通にちゃんと暮らしている人の感覚、今更ながら重要だと思う。だからマフィゴさんたちの訴えが分かる。「雇用されてなくても、お金がなくても、道具がなくても、土地さえあれば明日飢えることはない」・・・そのことの凄さ。東京でそんなこと言えないですよね?私たちの方が貧しいのではないのか…コンビニに並ぶ大豆食品のために、モザンビークの農民から土地を奪いたい?体制が流布したい『良い話の裏」を嗅ぎ取るセンスこそ、311後の日本の市民のリテラシーに不可欠なこと。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=262262733915250&set=a.190528451088679.49621.189455884529269&type=1

やはり、命を掛けて声を上げている人達の生の声に接することをおススメしたいと思います。
6月2日TICAD公式サイドイベント「食料をめぐる世界の動きとアフリカ~プロサバンナからみえるもの」
http://afriqclass.exblog.jp/17840090/

だって、①自分の利益になることに一生懸命な人達と、②脅迫を受けてまで抗議する人達を比べた時に、両方耳を傾けるのは大前提としても、②に何か重大で深刻な現実が隠されているというのは一目瞭然なわけですから。ぜひ、どうぞ。

そして、問題のこの番組・・・・。
プロサバンナがどう以前に、全体のトーンがそもそも凄かった。

NHK:ク ローズアップ現代「アフリカの成長をとりこめ “チーム ジャ パン”の新戦略」日時:平成25年5月30日19:30~19:56 (再放送:6月1日 12:10~)番 組: 「クローズアップ現代」http://www.nhk.or.jp/gendai/

「中国に対抗するため、モザンビーク北部は日本のため何ができるか」・・・の話ばかり。
「男たちのプロジェクトX:中国に勝つために日本がモザンビークを使い、オールジャパンで頑張るべきこと!」

といった趣向。うーん、学生で騙される子いそうな趣向ですね。

それにしてもプロサバンナ事業を推進したい日本の本音が、あまりに露骨に出ており、かつそれが私が論文で分析していたとおり(中国へのライバル心)なので、思わず膝を打ちました。(現実には、モザンビークの人びとのためには良くないことで・・外れてくれていたほうが良かったのですが。)

特に問題なのは、
「大規模大豆農場への投資」「大豆で儲けた農民」だけを映像として出している!へ???
まさにこの地域(ナカラ回廊沿い)で大豆生産をめぐって起こっている住民とアグリビジネス、住民同士の対立と問題を、全部無視している状態・・・。


彼らがこれを知らなかったわけではありません。勿論、関連記事はあげているのですが、番組が伝えたい「一面的な成功」の色で染めるには、邪魔(「不都合な事実」)だったようですね。

知らなかったわけではなく、映像がなかったわけでもなく、あえて恣意的に報じなかった。そのことがもたらす、現地農民たちへの悪影響を考えると、本当に罪深いです。

そもそも、この取材班、2月に来日したUNAC(全国農民組織)にインタビュー取材をし、さらに現地で行なわれた農民組織のプロサバンナ事業に関する抗議集会の取材もしているのに?報道とは、「政府の公式見解」と「異論を唱える人」の両方を、いずれかが少しでも見せるのが「基本のキ」。例え、批判報道であっても、公式見解を紹介するように。まさか、政府広報だけをするとは?!今この瞬間、我々の援助事業のせいで現地で大問題になっていることを、知っていて、全く問題がないように報じるとは。まあ、原発事故報道をみてると勿論、この前提が如何に日本の文脈では軽視されているのかははっきりしていますが。またしても、その証左が一つ増えてしまいました。

問題があるのはマダガスカルの資源開発のみで、モザンビークの方は「万歳」という結論が、既にオカシイ。そもそも、資源開発の問題を対比させるのであれば、「モザンビークでも生じていることであるが」ぐらいは入れてもよかったと思います。(なお、マダガスカルもまたあのクーデーターは、韓国に農地の大半をリースするという情報によって起こされたものであることを考えると、どちらか一方の事例だけを深く掘れば良い番組になったはずでしたね。マダガスカル部分はしかし、それはそれでちゃんとした番組だtったと思います)

さて、モザンビークの報道の仕方の問題。
番組の冒頭で、モザンビークのナカラ回廊プロジェクトは、内陸部の鉱物資源開発も含めて示されていたのですから。ましてや、マダガスカルと同様の問題がモザンビークの鉱物資源開発地でも生じている(住民の抗議、住民のデモ、道路封鎖、警察の弾圧による負傷者)のに、モザンビークは「バラ色一色」。。。

取材班は勿論このことを知っていました。BBC等の報道もフォローしている。なのに?謎ですね。いや、最初からこうだった・・・とおっしゃらず。クローズアップ現代は時によい番組も作っているのです。

なので、是非制作者たちにもよ~く考えてほしいところ。
さて、番組で語られなかったことの数々をデータをもって紹介しましょう。

(1)ナカラ回廊沿いに暮らす農民や農民組織が、メガ投資によって現在直面している土地強奪による土地紛争や生活の不安・質の低下の問題。

<=鉱物資源会社、アグリビジネス、大規模植林企業による土地強奪による農民との衝突・対立、農民の生計手段が成り立たなくなった、、、etc。これらは、昨日のUNACや現地市民社会代表のプレゼンで指摘されていたことですが、ちゃんと現地取材に基づく報道をしている日本メディアもあります。昨日の朝日新聞!

①昨日(30日付)の朝日新聞の記事
・(アフリカはいま)眠れる大地、「緑の実験」 モザンビーク穀倉化計画
←http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201305280673.html
*ちゃんと農民らの抗議についてもカバーされています。
*記事の見出しが…ではありますが(「眠れる大地」と付けるとそこに暮らす人びとや森が・・・)、記事の中身は非常にバランスがとれた良い記事だと思います。

「貧しい農民、強制移転懸念」
(前略)プロサバンナでは、農地として最低でも10ヘクタール以上の耕作面積が必要とされるが、モザンビークでは5ヘクタール以下の畑を持つ小農がほとんど。同国最大の農民組織UNACは、計画が進めば農民が強制的に移転させられるなどの恐れがあると指摘。さらに「農民が計画に全く関与できていない」と批判している。(略)対象地ナミーナの農家。「暮らしは決して楽じゃない。(略)政府は雇用も増えて生活も良くなるというが、違う土地に移転させられてまでは望んでいない。この年では農業以外できない。故郷を奪われるのだけはごめんだ」

「収入激減の例も」
疑心暗鬼になるのは悪い前例があるからだ。北西部テテ州のカテメ。豊富な石炭が周辺に埋蔵されていると分かり、2010年、700世帯以上の農家が40キロ離れた土地に移転を強いられた。最初は拒んでいたが移転を受け入れた農家によると、「農産物も増え収入もよくなる」と説明されたが、「実際に住むと説明とはまったく違っていた。農業に必要な水を引く川も近くにない。畑まで4時間も歩かなくてはならない」(略)収入が激減する農家が続出。去年1月には、500人以上が資源会社が使用する鉄道や道路を封鎖するなどして、逮捕者が出る騒ぎとなった。政府と住民の緊張関係は未だにくすぶる。(後略)

②ブラジル鉱山資源会社Valeと住民の衝突について
・モザンビークで、ブラジル鉱物資源会社Valeの炭鉱道を住民が封鎖、警察が発砲3名負傷
http://afriqclass.exblog.jp/17644029/
*各種報道についても載せていますが、日本語のものがないのでこれを。
・なお同じテテ州に新日鉄住金が4月4日、炭鉱の採掘権を取得し、2016年から操業開始。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130404/biz13040413450009-n1.htm

<=日本企業も既に関与し始めているのです。

(2)大豆ブームで起こっていること
なぜか大豆の大規模農場が無批判に、「よきもの」として紹介・・・されています。しかし、昨日のデブリンさんのプレゼンでも、セルジオさんのプレゼンでもはっきり示されたことなんですが、これは大変問題のある見方です。

ProSAVANA対象地Gurueの北方の森林地帯は、大豆生産のブーム地となっており、次から次へと投資が入り込んでいます。これらのすべてが、ProSAVANAの合意2009年後のものであり、ProSAVANAが大規模投資を呼びかけるプロジェクトとして打ち上げられたために、このような事態になっているわけです。その背後には、事業の中に組み込まれていたNacala Fundというものの存在が関わっています。

その中に、Devlinさんのプレゼンでも紹介されていたHoyoHoyoの事例があります。

①IPS: Mozambican farmers fear foreign land grabs
「モザンビークの農民らは外国による土地強奪に怯える」

(22 February 2013)
http://farmlandgrab.org/post/view/21682

ホヨホヨ HoyoHoyo
ザンベジアに2万ヘクタール、テテ州に8千ヘクタール、
リオマ農場(ザンベジア州・グルエ)に1万ヘクタールの土地
・戦後にリオマ農園を使っていた人びと(使用権が土地法で付与)との間で土地紛争。
・企業は補償と新しい定住地を準備することを約束。
・2012年にホヨホヨが使おうとした3500ヘクタールの内1945ヘクタールに836農民が。
・Delfina Sidonio(3人の子どもの母親)によると、「私は、私の両親から相続した土地から土地から追放された。補償としての680ドルと新しく耕せる土地と 交換に。1年前に追放されてから、約束された額の4分1しか払われず、新しい耕作地についての情報も来ていない。」
・Ruaceのエルネスト・エリアスは、「我々の生活はすべて土地にある。土地は我々に食べ物とサプライを与える・・・我々のライフスタイル を」と小農協会フォーラムのメンバーは述べた。

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去年撮った写真。
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分かりづらいですが・・・とにかく広大!ウクライナでも広大な農地を取得したチェコの富豪とポルトガル貴族の会社・・・。

②モザンビーク大統領も土地取得=ビジネス(利権)
そしてモザンビーク大統領関連企業+ポルトガルで最も裕福なAmorinグループ+ブラジルの大豆生産者によるAGROMOZ。去年9月、同じ地域にかなり広大な土地を収用したと報じられていますが、「誰も詳細は分からない」という限りなく不透明な状態です。援助事業に国家の長として同意し、進める立場にある大統領が、このようなプロサバンナ事業を見越して展開している・・・のは、明らかに汚職と関わると思うのですが?

③この地域が大豆生産のターゲットになっている理由ー現地NGOと他ドナーの息の長い援助
肥沃な土地、水資源、現地NGOと北欧政府が汲んだ息の長い支援によって、大豆生産がtake offし始めたからです。8年のトライアル&エラーがあり、これは小規模農民を対象にした支援の成功例でした。このおばさんも、その援助の結果の可能性あり。(あたかもJICAが始めたかのような印象をあちこちでばら撒いているのは大問題)。しかし、HoyoHoyoの例が典型ですが、このように小農が生産地を拡大しようとし始めた矢先に、プロサバンナ事業の調印後、この土地を狙ったランドグラブと進出が相次いで、これらの大豆生産者と土地を巡る争いが起きているのです。

なので、わざわざ「大規模大豆生産のためのアグリビジネス」を呼ぶ必要などまったくないのに、大前提として「大規模農業と小農の共存」が設定され、それに飛びつく投資が入りつつあるのが、ProSAVANA事業の問題なのです。

④この地域が何故ターゲット?ー森林破壊
水、土壌の他に、これがあります。森林!
ブラジルと同じです。大豆生産の拡大の果てに森林破壊あり。なのになぜかエコロジカルな側面ばかりが強調される(by本郷さん)。そもそも生物多様性保全や地球温暖化防止の時代に、わざわざ多様な生き物が棲む森林を伐採して、一面農地にして「窒素を固定するからエコフレンドリー」的な発言をするセンスが全く理解できません。人はそれほどまでに、生き物に対して失礼で愚かなのですね。

森林地帯・・・当初住民との紛争が想定されていなかった。そして、プロサバンナ事業のマスタープランでも、その点が「Helpful」として書かれています。つまり、森林伐採はこの事業の大前提です。始まる前から、あてこんで大規模な大豆生産が開始されているわけで。

アフリカ学会(2013年5月28日)で紹介した分析スライド
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ゾーニングの概念から。
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広大な森林があることは「役立つ」そう。アグリビジネス進出に。本音が出た。
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そして極め付けはこれ!!!
土地の使用手法の分布を示した地図ですが、フォーカスが「森林」「移動農耕の地域」の分布。観て分かる通り、あらたに加えられた地域(ナカラ回廊沿いですらない)と大豆問題が発生している奥地は森林で覆われ、ナカラ回廊沿いはことごとく農地として使われ、「移動農耕shifting farming」がなされているところ。つまり小農が移動しながら使っている地域。つまり、土地は余っておらず、移動農耕がある限り大規模な土地の収用は不可能。

そこで・・・考えられたのが、何故かいきなり「喫緊の課題として『移動農耕撲滅アクション』」がマスタープランReport 2に出てきます。そして、移動農耕撲滅に同意し、決まった範囲の土地で近代農業を行った農民は、「リーダー」としてDUAT(土地使用権)を与えられ、支援が受けられる・・・とあります。(詳しくは以下の専門家分析で)。

そしてこれもリーク資料。DUATの取得状況です。
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明らかに大半の農民が持っていない。その状態で、慣習法とDUATで守られているはずの農民が、土地を守れない状況が生まれていることが一目瞭然。

ちなみにこの地域の人口密度も出ているのでご覧いただければ、現在いかに彼らが危い状態にいるかだけでなく、人口増加率を考えると将来どのような事態に直面するのか懸念が生まれます。なのに50年リースでどんどん土地を貸している現状!
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しかし、これらの日本の税金によって集められ、税金によって執筆が行われたレポートであるのに、これがリークされ深刻な問題が指摘されると、いきなり「知らない、みてない、関係ない・・・ただのペーパー」と言い逃れしようとする日本の外務省。。。
●じゃあなぜそれに基づいてステークホルダー会議の資料が作られ、発表されるのか?
●じゃあなぜ第4回意見交換会でそれに基づいて日本の市民社会と外務省JICAが議論したのか?
もはや、この発言によりモザンビーク、ブラジル、国際NGOはあまりに唖然としてしまって、「存在するけど存在しないペーパー」。日本のNGOは「私たちの税金で作られた。。。。<<だたの紙?>>」とrunning gagになっている状態。恥ずかしい、、、のは私だけ?

しかも、コンサルの名前も観ての通りばっちり出ている。モザンビーク政府の名前も。つまり、我々の税金で作られたレポート。その存在を認めないのは…理解が不可能。まあ、公的にということなんでしょうが、あそこまで否定すると国際的信用を明らかに失う。だって目の前にそれはあり、彼らが出席した3月のステークホルダーとうり二つの内容でかつJICAもそれを認めているのですから(第3回会議)。こうやって、またしても、日本外交は「当事者を前に、非礼外交」を繰り広げてしまったのでした。

さてこの力作のレポートNo1はおそらく日本コンサルの作ったもの。No2はブラジルのコンサルが作ったもの。が、三画協力なんで連帯責任。連名だし。そもそも、以上のようにNo1で示されたモザンビーク北部の社会環境の状況は、明らかに一つの現実を示しています。

つまり、
●小農支援が本当の目的ならば、モザンビーク北部に余っている土地はない。(移動農耕、人口過密、近い将来のさらなる過密)
●小農の権利を守るための土地法はDUATの取得がほとんどない中で、使用実績と慣習法だけが根拠となるが、移動農耕が禁じられる(撲滅アクション)中で、かつ政府を率いる大統領自身が投資目的で広大な土地収用を行う現実で、守られない。
●残っているのは森林地帯だけである。それを本当に援助で奨励するのか?


(4)「善い話」の裏の根深い構造~マスタープラン案の分析から
プロサバンナ事業が、実態としてはこのような話ではないことについて、以下のリークされたマスタープラン中間報告(Report 1とReport2)を読んで行われた分析結果をご覧いただければ。

①【国際共同声明】プロサバンナ事業プランは最悪シナリオ露呈~市民社会は大規模土地収奪への秘密計画を警告
http://afriqclass.exblog.jp/17723137/

②第四回ProSAVANA事業に関するNGO・外務省意見交換会
ProSAVANA マスタープラン暫定案(Report No.2, March 2013)専門家による分析と問題提起「総合的問題  当事者不在で正当性に欠けるマスタープラン
~小農に犠牲を強いる構造とQIP(Quick Impact Project)の問題」
http://afriqclass.exblog.jp/17776607/

<=そこにアグリビジネスの野望が色濃く反映されています。詳細はリーク報告書を。
(*Report1と 2はGRAINのサイトでダウンロード可能な状態です。)
http://www.grain.org/e/4703

(3)でも紹介した森林がターゲットであることについては、このスライドでも一目瞭然。青西さんの分析から。
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by africa_class | 2013-05-31 02:52 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【TICADサイドイベント】6月2日12時半「食料をめぐる世界の動きとアフリカ~プロサバンナからみえるもの」

モザンビーク最大の農民組織(2222組織を束ねる)とプロサバンナ対象地ナンプーラの州市民社会(120組織加盟)のプラットフォーム代表、国際NGO(カナダ)、ブラジルNGOが来日し、プロサバンナ事業の問題を語ります!

■5月29日(水)18時~20時半のPreTICAD 国際シンポジウム
「今、アフリカ農村で何が?~プロサバンナを考える」
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-22.html
①国際シンポジウム 
5月29日(水)18時~22時半@産業貿易センターB102会議室
②市民社会ラウンドテーブル
5月29日(水)13時半~16時@産業貿易センターB102会議室
※16時~17時 記者会見(40分程度)

■TICAD V公式サイドイベント 6月2日(日)12:30~14:00
食料をめぐる世界の動きとアフリカの食料安全保障
〜日本・ブラジル・モザンビークの三角協力/大規模農業開発プロジェクトプロサバンナ事業から見えるもの〜


2008年の食料価格高騰以来、アフリカをはじめ途上国における外国企業・政府による農地取得の動きが加速しています。その多くは、バイオ燃料生産や輸出用農作物を目的としたものであり、地域の人々の食料安全保障への影響について議論を呼んでいます。特にモザンビークでは世界的に見ても数多くの土地取引が報告されています。

当イベントでは、世界の食料エネルギー問題に関して研究され、数多くの著書をお持ちの柴田明夫氏(資源・食糧問題研究所)をお招きし、食料をめぐる世界の動向についてお話いただくとともに、日本ブラジル援助によりモザンビークにおいて現在進行中の大規模農業開発プロサバンナ事業計画に対する問題提起などについて、現地農民団体ならびに市民社会代表より、報告を受けます。

プロサバンナ事業を事例に世界の食料をめぐる問題、農業支援ならびに投資のあり方を考えます。

◎日時:2013年6月2日(日) 12:30-14:00
◎場所:パシフィコ横浜アネックスホール B会場
アクセス:横浜高速鉄道みなとみらい線「みなとみらい」駅より徒歩3分、
      JR/横浜市営地下鉄「桜木町」駅より徒歩12分
      http://www.pacifico.co.jp/visitor/accessmap.html
◎プログラム: (※英日同時通訳あり)

第1部 【基調講演】 柴田明夫氏 (資源・食糧問題研究所) 
「食料をめぐる世界の動きについて」 

第2部 【プロサバンナ事業に関する報告と問題提起】
「モザンビーク農民の声と現地市民社会からの報告」
アウグスト・マフィゴ(モザンビーク全国農民連盟UNAC代表)
ヴィセンテ・アドリアーノ(UNACアドボカシー・国際連携担当)
アントニオ・ムアジェレネ(モザンビーク・ナンプーラ市民社会プラットフォーム代表)

第3部 【質疑応答】

主催:(特活)オックスファム・ジャパン、(特活)ハンガー・フリー・ワールド
(特活)アフリカ日本協議会、(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)

お申し込み:件名「6月2日TICAD Vサイドイベント申込み」とし、お名前/ご所属/ご連絡先をメールにて grow(@)oxfam.jp までお送りください。

お問い合わせ:(特活)オックスファム・ジャパン 
03-3834-1556 (担当:森下)

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by africa_class | 2013-05-25 01:36 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【講演会】ブラジル・セラード開発と環境・主権問題:大規模農業開発と小農・労働者(28日17時半~上智大)

以下、ふるってご参加下さい。

==============================
講演会 / Lecture
ブラジルのセラード開発と環境・主権問題
―大規模農業開発と小農民・農業労働者の暮らし―
http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/event
=============================
Dr. Sergio Schlesinger
セルジオ・シュレシンガー氏
(ブラジルNGO・FASE アドバイザー)

ブラジル中央部の広大なサバンナ地域であるセラード(Cerrado)は、1970 年末より大豆を中心とする大規模農業開発が行なわれてきた場所です。大豆の主要輸入国である日本は「日伯セラード農業開発計画(PRODECER)」を通じて、この開発に協力してきました。そしてセラード開発は「不毛の大地を穀倉地に変えた奇跡」として農業開発の成功事例と評価されてきました。

しかし、ブラジル市民社会や学術界では、環境破壊、土地や資源の分配、食料主権、労働といった観点から、批判的な声も少なくありません。

本講演では、ブラジルのNGO FASE(Federação de Órgãos para Assistência Social eEducacional ブラジル6 ヵ所に拠点を持つ教育や社会活動支援のための連合組織)で長期に渡りセラード開発のもたらす環境問題に関して調査を続けてこられたエコノミスト・環境活動家のセルジオ・シュレシンガーさんに、小農民・農業労働者をはじめとする地域住民の暮らしへの社会的影響というこれまでとは別の視点に基づくお話を伺います。皆様万障お繰り合わせの上ご来場ください。

○日 時: 2013 年5 月28 日(火)
○午後5 時00 分~6 時30 分
○場 所: 上智大学中央図書館8 階821 会議室
○使用言語: 英語(日本語逐次通訳あり)
○参加費無料/予約不要
○イベロアメリカ研究所/グローバル・コンサーン研究所
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by africa_class | 2013-05-16 21:28 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

PreTICAD国際シンポ&市民社会ラウンドテーブルwithモザンビーク/ブラジル/国際NGO~#プロサバンナを考える

こちらは、6月1日~3日まで、横浜で開催される第5回アフリカ開発会議(TICAD V)に向けたPreTICAD V国際シンポジウム&市民社会ラウンドテーブルです。

主催団体5団体、協力団体1団体、賛同団体18団体と、日本の24の団体が支える企画です!

来日にあたっての招へい資金は、モザンビーク農民組織UNAC(全国農民連盟)の招へい費用だけ集まっていませんので、ご協力、ぜひよろしくお願いいたします。(38万円、5月20日まで!*14日現在23万円が集まっていますが、後15万円足りません!)
→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-20.html
*今回は、愛媛で農民交流を行います。

==================================
Pre TICAD 国際シンポジウム&市民社会ラウンドテーブル
with モザンビーク/ブラジル/国際NGO
~今アフリカ農村で何が起きているのか?    
日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発(プロサバンナ)を考える

①国際シンポジウム 
5月29日(水)18時~22時半@産業貿易センターB102会議室
②市民社会ラウンドテーブル
5月29日(水)13時半~16時@産業貿易センターB102会議室
※16時~17時 記者会見(40分程度)
==================================


本年6月1日~3日、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)が横浜で開催されます。同会議の目玉として準備されてきたのがプロサバンナ(ProSAVANA)事業です(*注1)。

同事業は、2009年に合意された、「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発」の略称で、ブラジルのセラード開発を参照事例として、モザンビーク北部3州の1000万ヘクタール(日本の耕作面積の三倍)を超える地域を対象とした大規模な農業開発計画です。

既に、大々的な宣伝がなされていますが、昨年10月来、現地の農民組織や市民社会組織は、本事業に強い懸念を表明しています。その理由は、当事者である地域農民の主権の軽視、事業全体における目的と手続きにおける不透明さ、アグリビジネスによる土地収用や遺伝子組み換えの導入への危惧などとされています。

さらに、最近明らかになったマスタープラン中間報告の中身の検討から、プロサバンナ事業が、現地に暮らす農民の権利を狭め、アグリビジネスによる容易に土地収用に道を拓くものであったことが、現地並びに国際市民社会の声明により明確になりました。

モザンビーク・国際市民社会声明
【原文・英語】 http://www.grain.org/e/4703
【和訳】mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-21.html

2007-8年の食料価格高騰以来、世界中で土地をめぐる紛争が激化しています。特に、アフリカはターゲットとなり、中でもモザンビークでは世界統計で最多の土地取引がなされています。世界的にも先駆的な土地法(1997年)が農民の手によって制定されたモザンビークでもこのような現状にあります。

このような事態を受け、TICAD Vを前に、2月に来日したモザンビークの農民組織UNACの代表らが、再度来日し、問題を訴える他、この問題に長年かかわってきた国際NGO・GRAINの調査責任者が来日します。

今アフリカで何が起きているのか、小農はどのように暮らし何を求めているのか、プロサバンナ事業はこの点においてどのような問題を抱えているのか、日本の我々はこれらの問題にどのように関わるべきなのかについて、皆さんと一緒に考えたく、TICAD V直前の5月29日(水)に、開催地横浜にて、次の二つのイベントを開催する運びとなりました。

ふるってご参加ください。

*注1:同事業の関連資料はこちらのサイトに掲載
→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-18.html

①国際シンポジウム
***************************
 5月29日(水)18時~20時半
TICAD V直前 国際シンポジウム  
      with モザンビーク/ブラジル/国際NGO  
~今アフリカ農村で何が起きているのか?    
    日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による   
  熱帯サバンナ農業開発(プロサバンナ)を考える~
***************************

【当日式次第】
<報告>
(1)「世界における【責任ある農業投資】と土地争奪問題
 ~アフリカ・熱帯サバンナ地域を中心に」 
 Devlin Kuyek (国際NGO・GRAIN、カナダ)
(2)「日本援助とブラジルの熱帯サバンナ地域(セラード)
 ~地元小農・土地なし農民からの再考)」
 Sergio Schlesinger(ブラジルNGO・FASE、ブラジル)
(3)モザンビーク農民組織からみたプロサバンナ事業の問題」
 Augusto Mafigo(代表) + Vicente Adriano  
 (UNAC全国農民組織、モザンビーク)
<コメント>
・日本政府関係者(調整中)
・国際機関関係者(調整中)
・日本市民社会(津山直子/動く→動かす(GCAP JAPAN)代表)

※当日は同時通訳(日英)が入ります。

============イベント概要========
【日時】2013年5月29日(水)18時~20時半
【会場】産業貿易センターB102会議室
http://www.sanbo-center.co.jp/rr/index.html  
住所:横浜市中区山下町2番地 Tel : 045-671-7111
<アクセス>みなとみらい線日本大通り駅(3番出口)徒歩3分
http://www.sanbo-center.co.jp/ci/access.html
【定員】100名
【参加費】500円(資料代)
【主催】(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)、(特活)アフリカ日本協議会(AJF)、
(特活)オックスファム・ジャパン、(特活)WE21ジャパン
【賛同団体】認定NPO法人 FoE Japan、アジア・アフリカと共に歩む会(TAAA)、
 アフリカ地域開発市民の会(CanDo)、NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)
ATTAC Japan、全日本農民組合連合会(一般財団法人)北海道農民連盟、アフリカ理解プロジェクト、 「環境・持続社会」研究センターJACSES、(株)オルタ・トレード・ジャパン(ATJ)、(特活)APLA(Alternative People's Linkage in Asia) No! to Land Grab, Japan、アジア農民交流センタ-(Asian Farmers' Exchange Center/AFEC)、一般財団法人地球・人間環境フォーラム、(特 活)国 際協力NGOセンター(JANIC) 、(特活)サパ=西アフリカの人達を支援する会(SUPA)、(特活)ハンガー・フリー・ワールド(HFW)、(一般財団法人)CSOネットワーク  (5月14日現在18団体、賛同団体募集中)
【協力】モザンビーク開発を考える市民の会、東京外国語大学舩田クラーセン研究室

【お申込み】
http://ngo-jvc.info/ZigHEd
※できるかぎり上記URLよりお申込ください。
※メールでお申込の際は、件名に「5月29日プロサバンナ国際シンポ参加申込」とご記載ください。
Email:prosavana529@hotmail.co.jp 

【お問い合わせ】
JVC南アフリカ事業担当 渡辺
Email:prosavana529@hotmail.co.jp 
Tel: 03-3834-2388
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②市民社会ラウンドテーブル
****************************
5月29日(水)13:30~16:00
(16時より記者会見)
「プロサバンナ事業についての3か国・国際市民社会会議」
****************************


急激なグローバル化による農民への影響は、アフリカに留まりません。日本でも、アジアでも、南米でも同様です。また、日 本のODAを通じた農業投資や土地問題は、世界各地で発生してきました。これらの問題について、モザンビーク、ブラジル、 日本の3か国、そして国際市民社会は何をすべきか、を話し合います。

「農業投資」、「土地争奪」、「農民主権」、「食料 主権」などをキーワードに、議論し、今後のローカル
あるいは グローバルな行動に繋げます。

=======イベント概要==========
【日時】2013年5月29日(水)13時半~16時(*16時から記者会見)
【会場】産業貿易センターB102号室
 http://www.sanbo-center.co.jp/rr/index.html  
住所:横浜市中区山下町2番地 Tel : 045-671-7111
<アクセス>みなとみらい線日本大通り駅(3番出口)徒歩3分
http://www.sanbo-center.co.jp/ci/access.html
【収容人数】50名
【主催】(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)、(特活)アフリカ日本協議会(AJF)、
(特活)オックスファム・ジャパン、(特活)WE21ジャパンJVC、AJF、OXFAM、WE21ジャパン
【協力】モザンビーク開発を考える市民の会


【お申込み】
http://ngo-jvc.info/14MNEAc
※できるかぎり上記URLよりお申込ください。
※メールでお申込の際は、件名に「5月29日プロサバンナ市民社会ラウンドテーブル参加申込」とご記載ください。(締切、5月24日(金)正午)
Email:prosavana529@hotmail.co.jp 
※NGO関係者のみ受け付けます。一般の方はシンポジウムにご参加ください。
※シンポジウムに参加されない方で資料をご希望の場合は 500円をご負担下さい。

【お問い合わせ】
JVC南アフリカ事業担当 渡辺
Email:prosavana529@hotmail.co.jp
Tel: 03-3834-2388
URL:http://www.ngo-jvc.net 
Tel: 03-3834-2388※記者会見に参加するメディアで傍聴希望する場合はその 旨お申込み下さい。
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by africa_class | 2013-05-03 13:36 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【国際共同声明】プロサバンナ事業プランは最悪シナリオ露呈~市民社会は大規模土地収奪への秘密計画を警告

すでに紹介されていますが、こちらのブログでも紹介しておきます。
以下に全訳をつけておきましたので、ご一読ください。

5月23日付で賛同団体が以下のように増えています。
■世界45団体+国際ネットワーク(74か国拠点)=計119団体となっています。

読めば読むほど、日本の一市民として、モザンビーク北部に20年近くかかわり、農村の皆さんに家族ともどもお世話になった者として、憤りと、哀しみと、情けなさ・・・・で一杯になります。

戦争の最中に送り続けた農薬が、在庫となってモザンビークの各地に散らばり、環境・人体汚染を引き起こしていたことを知った時と、同じような気持ちです。

○その詳細は、こちらのPPTで少し紹介しました。
→http://afriqclass.exblog.jp/17362546/
○2KRネット「食糧増産援助を問うネットワーク」
→http://www.paw.hi-ho.ne.jp/kr2-net/index.html
あれから10年・・・日本の援助は逆行していないでしょうか。哀しいです。

それと闘う現地・世界の市民社会の連帯・・・・がんばれ!

原文やマスタープラン案(中間報告)は、以下のサイトで紹介されています。
また世界から賛同署名を5月15日まで集めているそうです。
詳細は、「モザンビーク開発を考える市民の会」のページまで。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-21.html

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Joint Statement (29 April 2013)
Leaked ProSAVANA Master Plan confirms worst fears
Civil society groups warn secretive plan paves the way for a massive land grab
共同声明:モザンビーク北部のProSAVANA事業マスタープラン(案)は最悪の計画を露呈した
~市民社会組織は大規模土地収奪に道を開く秘密計画に警告を発する~
http://www.grain.org/e/4703
http://farmlandgrab.org/post/view/21996

Justiça Ambiental, JA!/ FoE Mozambique (Mozambique)
Forum Mulher (Mozambique)
Livaningo (Mozambique),
GRAIN
Friends of the Earth International (FoEI), et al.
(モザンビーク4団体、アフリカ11団体、中南米4団体、東南アジア1団体、ヨーロッパ2団体、国際NGO1団体、国際NGOネットワーク<74団体加盟>、計23団体・1ネットワーク)
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共同声明

モザンビーク北部のProSAVANA事業マスタープラン(案)は最悪の計画を露呈した
~市民社会組織は大規模土地収奪に道を開く秘密計画に警告を発する~

2013年4月29日

市民社会組織は、リークされた最新バージョンのプロサバンナ事業のマスタープラン案(2013年3月版)をついに見ることができた。それにより、日本・ブラジル・モザンビーク政府が、モザンビーク北部で大規模な土地収奪を可能とする道を拓こうと秘密裡に企てていることが判明した。モザンビークのいくつかの団体とその国際パートナーは、考察とともにこのマスタープランを公にする。

プロサバンナは、モザンビーク北部の農業開発を支援する日本・ブラジル・モザンビークの三角協力事業である。市民社会にリークされたマスタープラン案によると、同事業はナンプーラ州、ニアサ州、ザンベジ州の3州19郡の1000万ヘクタール以上の面積をカバーするという。この地域には400万人以上が住み、農業を営んでおり、事業関係者にナカラ回廊地域と呼ばれてきた。

プロサバンナ事業立案から現在までのすべてのプロセスが、透明性、公な協議、参加を全く欠くものとして特徴づけられる。アグリビジネス企業が、ナカラ回廊でのビジネス機会を調査するために政府代表団に含まれている一方で、影響を受ける地域に住む400万の人々は、この事業やプランの狙いに関する情報を得ていない。三つの政府は、このマスタープラン案およびこれ以前のバージョンのプランを公にすることを拒否してきた。

このマスタープラン案は、多国籍アグリビジネス企業と関係の深い外国コンサルタントのチームによって作成されているが、この中にはプロサバンナ事業対象地域で既に土地を獲得している者も含まれる 。対象地域の住民との意味ある協議はなく、同プランは住民のニーズ、歴史、知識、将来への希望を考慮していない。また、地元の農業や食料システムを尊重しないものである。

プロサバンナは、開発援助事業として提示されてきたが、入手したマスタープラン案を見ると、モザンビークの農業を企業が乗っ取るビジネス計画であることが明らかである。

マスタープランは小規模農家にとって何を意味するか?
プロサバンナ計画の推進者は、同事業について小農を支援するプログラムだと言い続けてきた。しかし、マスタープラン案では、アグリビジネスを小農がどう支援するかしか考えられていないことが分かった。それは、主として次の二つの方法で実現されようとしている。

1.伝統的移動輪作農法や土地管理の実践を潰し、農民を、商業作物、化学肥料・農薬の投入、私的土地占有権に基づく集約農業に追いやる。
マスタープラン案では、伝統的農業の有効性について何も分析していないにもかかわらず、「移動農法から定着農業(settled farming)への移行が緊急に必要」で、「マスタープランの鍵となる戦略」としている。さらに、「移動農法の実践の撲滅」アクションまでも求めている。

農民が伝統的な農業を捨てるのに抵抗することを念頭におき、いくつかの策が提案されている。集約農業の効果をみせるため「リーダー的農家」を育成し、「速効性の効果が見える化学肥料への補助金システム」を導入したり、もっとも注目すべき点としては、このような転換を行う農家に土地占有権(DUATs)を与えると書かれていることである。

これらの集約農業を促進する方策の真の目的は、土地を私有化し、外部からの投資が土地を得やすくすることにある。農民を(DUATsにより)定められた土地の境界線内に追い込むことで、投資企業が取得可能な土地を明確にし、州政府が企業向けの土地銀行(land bank)を設立することを可能にするという。また、マスタープラン案は、投資企業が土地を取得するにあたって、コミュニティとの交渉無しで済ませることを認めている。マスタープラン案にある「小・中農家土地登録」の項目では、その目的が「大規模農業、民間企業、中農による農業促進のための区画を明確にする」ことにあるとはっきり述べられている。さらに、「小農と新たな投資企業の間の協力・統合の環境をつくる」ための手段とまで書かれている。

2.農民を企業的農業と加工業者との契約農業に追いやる
マスタープラン案では、ナカラ回廊をゾーンに区分けし、それぞれのゾーン内で栽培する作物、栽培手法、栽培者(小農、中農、企業)を定めている。ゾーン区分に基づき、商品作物栽培プロジェクトがいくつか示され、ある区分には大規模企業農業のみが定められており、残りは、大農・中農の混合や、小農による契約栽培方式などである。

同プランで提案されている委託契約農業は、この地域の小農らの生活を改善しないだろう。むしろ、彼らが作付する種子から生産物の販売までのすべてを、一つの企業に依存させることになるだろう。同プランで提案された委託契約農業プロジェクトの一つでは、投資企業は年率30%の収益を得る一方で、小農は5.5ヘクタールの内5ヘクタールを契約下でのキャッサバ栽培に使うことが強制される。

企業天国
マスタープラン案は、企業が投資によって20~30%という非常に高い年間収益を獲得できるビジネスチャンスをいくつか想定している。投資企業は、日本およびブラジルの両政府と投資家が出資するという「ナカラ・ファンド(Nacala Fund、20億ドル)」を利用できる。リークされたマスタープランでは、同ファンドの詳細は記載されていないが、他の筋からの情報によると、同ファンドは投資家保護の天国であるルクセンブルクで登録され、「アフリカ・オポチュニティ・ファンド1:ナカラ(Africa Opportunity Fund 1: Nacala)」として登録されるという 。

マスタープラン案で示されるいくつかのプロジェクトの中には、投資家に広大な土地を提供するものも含まれている。例えば、ニアサ州マジュネ郡で計画されている「統合的穀物クラスター」は、縦断的に統合した1つの会社によって運営される。この会社は、6万ヘクタールに及ぶゾーン内で、9つの5,000ヘクタールの農場を経営し、主に輸出用に、トウモロコシ、大豆、ヒマワリを輪作栽培する。マスタープラン案によれば、「事業の収益性は高く、内部収益率は20.3%と見積もられ、9年で資本回収(償却)できる」という。同プランでは、こうしたプロジェクトを回廊の各地で展開し、増やしていくことを求めている。

企業は、マスタープラン案で提案されている数箇所の経済特区(SEZs)からも利益を得る。企業はこうした特区で納税および関税が免除され、さらにオフショア金融協定によって利益を得ることができる。これらの特区は、プロサバンナ事業が加工および貿易施設として計画する地域内に置かれる。しかし、これらの措置は、輸出型農企業の発展によって本来政府にもたらされるはずの収益を大幅に減じることになろう。

プロサバンナ事業の計画策定は2009年に開始されたため、海外投資家および現地の提携業者らは、事業予定地に既に膨大な面積の土地を取得しており、土地を巡って地元コミュニティとの間でたびたび争いが生じている。マスタープラン案の狙いは、この地域にさらに多くの投資を呼び込むことにあり、それは言うまでもなく土地紛争をさらに深刻化させることになる。

こうした争いの激化についてマスタープラン案が提案している主たる解決策は、「プロサバンナRAI(責任ある農業投資)ガイドライン(ProSAVANA Guidelines on RAI )」である。このガイドラインの中核は世界銀行が作成したRAIの7原則(Responsible Agricultural Investment)に基づくチェックリストであり、農民組織および市民社会組織から幅広く批判されているものである。「プロサバンナRAIガイドライン」は、ナカラ回廊へのアグリビジネス投資促進のために2013年8月までに発表される「民間投資のためのデータブック(Data Book for Private Investors)」の付属書とされる。

これらは、弱いガイドラインであり、その履行は任意である。マスタープラン案は、土地収奪からコミュニティを本当に守れるような新しい法律または規制を求めていない。同プランには、「ナカラ回廊への農業投資に関心を持つ民間企業は、企業内の行動規範や任意の自主規制に加え、これらの原則の遵守がリクエストされるだろう」と記されているだけである。

このマスタープランの結果として何が起こるか
現行のマスタープラン案を進めることによって、小農による農業は破壊されるであろう。それは、農民の種子体系、地元の知識、現地の食文化、および伝統的な土地管理の一掃を意味する。同プランは、農民を現在の土地から追い出すか、一定のわずかな土地に押し込めることになるだろう。その土地では、農民らは企業向けの契約栽培をさせられ、借金して種子、肥料および農薬の代金を支払うよう義務づけられるだろう。土地占有権を取得する小農においても、大企業や大規模農家のために即座に土地を失うという危険にさらされることになるであろう。

マスタープラン案の7クラスターのうち1つだけが、小農向けのもので、家族経営の食料生産を目指したものになっている。さらには、かつて失敗した緑の革命と同じ開発モデルが提案されているだけである。このマスタープラン案では、ナカラ回廊の小農のニーズやキャパシティが全く考慮されておらず、その活力も取り入れられてはいない。

本マスタープラン案の最大の受益者は企業である。土地および生産を支配し、生産された食料の取引を管理する。生産された食料は道路、鉄道およびナカラ港から輸出されるが、それらのインフラは、モザンビークと日本から提供された公的資金により、他の海外企業によって整備される。海外の種子、農薬および肥料会社は、企業型農業のアフリカへの大規模な拡大によって大儲けするであろう。

モザンビーク人にも、この事業によって利益を得る人もいる。例えば、ポルトガルで最も富裕な家族は、モザンビーク大統領の友人および家族が管理する国内企業ならびにブラジル最大の法人農企業1社と提携して、既にモザンビーク北部で土地を取得し、大豆を栽培するための合弁事業を立ち上げている。しかし、これらの利益とは、一般のモザンビーク人を犠牲にした上で成り立つものである。

マスタープラン案を見た我々は、プロサバンナ事業を中止させ、食料主権のために闘っているモザンビークの小農および人びとを支援するという決意を新たにする。


署名団体:
Justiça Ambiental, JA!/ FoE Mozambique (Mozambique)
Forum Mulher (Mozambique)
Livaningo (Mozambique)
LPM - Landless Peoples Mouvement (Member of Via Campesina - South Africa)
Agrarian Reform for Food Sovereignty Campaign (Member os Via Campesina - South Africa)
AFRA - Association for Rural Advancement (South Africa)
GRAIN
Friends of the Earth International (FoEI) (*The world's largest grassroots environmental federation with 74 national member groups and more than two million individual members.)
National Association of Professional Environmentalists (NAPE) / Friends of the Earth (FoE) Uganda
FoE Swaziland
Amigos da Terra Brasil / FoE Brazil
Movimiento Madre Tierra, Honduras
NOAH Friends of the Earth Denmark
GroundWork (South Africa)
Amigos de la Tierra España / Friends of the Earth Spain
Environmental Rights Action / FoE Nigeria
Sahabat Alam Malaysia/ FoE Malaysia
SOBREVIVENCIA, Friends of the Earth Paraguay
CESTA, FoE El Salvador
Earth Harmony Innovators (South Africa)
Ukuvuna (South Africa)
FoE Africa
Kasisi Agricultural Training Centre (Zambia)

( 2013年4月29日現在)
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by africa_class | 2013-05-03 00:51 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

国際コモンズ学会(@富士吉田6月3日~)"Law and Land Grabbing - Mozambique"

これが最後の・・・はずです。
平和学会の報告申し込まなくてよかったです・・・。

それにしても、この分野、ドイツの研究者の注目が凄いです。
ドイツでの研究も、結局この分野での成果発表を求められた結果です。
去年9月にこのテーマで論文を書き始めた時には想像だにしていなかった・・・ことです。
このブログでも何度も研究したい学生さんを呼びかけましたが、誰もいないので自分でやるしかない・・・状態が、良かったのか悪かったのか。しかし、世界的には、こんなにニーズがあったのですね。

でも、2月の福島の報告・討論会で、水俣の先生が、「専門家がいない・・・と嘆かず、自分で専門家になるのだ。出来るから」とおしゃっていたことに背中を押されています。がんばりましょう。

話の内容は国際土地問題学会と同じですが、議論する仲間と場が違うので、かなり議論は深くなると思うので、内容はコモンズ(共有資源)のことに引き付けて検討しなければなりません・・・・が、準備が。。。

なお、この学会世界中から研究者や実務家が結集します。ブラジルの研究者からも既に連絡もらっており、是非フィールドトリップなどもあるのでご参加ください。

しかし、未だに発表の日時が分かりませんが・・・。多分、4日か5日になります。
http://iasc2013.org/en/program.html

==============================
14th global conference of the International Association for the Study of the Commons
http://iasc2013.org/jp/
国際コモンズ学会第14回世界大会(富士吉田)

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 コモンズとは、もともとイギリスの共有地のこと。ただ今日では、広くさまざまな「共有資源」をさすようになっています。国際コモンズ学会は、共有資源の適切な利用・管理のありかたを理論的・実践的に探る学会です。
 共有する資源を適切に管理する方法には、これまで二つの異なる考えがありました。国家権力による解決と市場原理による解決です。誰にとっても大切な資源だから、公的機関が中央集権的に管理すべきという考えと、逆に民営化し、市場で適切な価格をつけることにより、無駄な利用をやめるようにすべきという考えです。
しかしながら、公的な管理と私的な管理はいずれも万能ではありませんでした。資源をめぐる利害の対決や不公平は、自然の荒廃と、人々の間の経済的格差、先行き不確実な社会を生んでしまいました。
 国際コモンズ学会では、国家でも市場でもない第三の解決方法があると考えています。それが、地域の人々による共的な管理です。ある特定の資源に関わる当事者が、自ら自主的にルールを定め、資源を利用してゆく方法です。国際コモンズ学会の初代会長であるエリノア・オストロム教授は、地域の人々が自主的に資源を利用・保全してきた世界中の事例にもとづく研究により、この第三の解決方法の可能性を示し、2009年にノーベル経済学賞を受賞しました。受賞論文では世界のさまざまな事例とともに、日本の北富士地域の入会制度のことが大きく取り上げられています。
 資源を大切に長く利用しようとした先祖から伝わる精神。ともすれば忘れがちなこの精神について、ノーベル賞の端緒となったここ北富士の土地で開かれる大会を通じて、より多くの人々とわかちあいたいと私たちは考えます。

■参加するパネル
"Law and Land Grabbing: Law for Commerce or Commoners?"
(Large-scale land acquisitions, resource grabbing, legal and regulatory frameworks)

●ORGANIZER and Co-CHAIR
Dr. NEEF Andreas (Kyoto University)
Dr. ALDEN WILLY Liz (Consultant, Kenya)

●Presentation
Dr. BRÜNTRUP Michael (German Development Institute:DIE)
Dr. FUNADA CLASSEN Sayaka (Tokyo University of Foreign Studies)

This panel will report from a pre-IASC-conference meeting on “Legal and Development Implications of International Land Acquisitions” to be held from 30-31 May 2013 in Kyoto. The meeting will be jointly organized by the Graduate School of Global Environmental Studies, Kyoto University, and the Law and Development Institute, University of Manchester. We will look at resource grabbing by investors in alliance with national governments and its impact on commoners and the commons from a law and development perspective. It will be argued that whilst large-scale acquisitions for industrial agriculture and extractive purposes impact upon smallholder farming and food supplies, they will over time most dramatically impact upon the lands and resources which poor rural communities around the world hold and use on a communal basis, but usually without the benefit of protective law. The medium and longer-term impacts upon the future of commons and commoner rights will be carefully considered. Another focus of the panel will be upon the reawakening of the stressed relationship between community-derived customary land law and national land legislation as a mirror of long-unresolved contradictions in modes of social transformation and growth. Another will examine the way in which the international donor community becomes entangled in processes of expropriation and resettlement as midway actor in contested growth strategies. Questions around the role of international law and guidelines will be scrutinized. More broadly, the aim of the panel is to locate the current grab as integral to expanding capitalist transformation and unlikely to recede. Focus therefore will be upon practical measures of mitigation. To examine these matters the panel will deliberately bring to bear trends in selected African and Asian countries to demonstrate the commonality of the plight of the commons and commoner rights, and the need for equally global approaches to meet the challenges.
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by africa_class | 2013-04-27 22:19 | 【記録】講演・研究会・原稿

土地問題国際学会@京大(5月30日)"Land Acquisition by Foreign Agribusiness in Mozambique-ProSAVANA"

自分でも理解しておくために・・・掲載しておきます。
が、大丈夫なんでしょうか・・・私。
頼まれたからとはいえ・・・あと一個あります。

国際学会(2013年5月30日ー31日)@京都大学
"Legal and Development Implications of International Land Acquisitions"
http://www.lawanddevelopment2013.org/
京大Graduate School of Global Environmental Studies
http://www.ges.kyoto-u.ac.jp/cyp/index.php?ml_lang=en
マンチェスター大学Law and Development Instituteとの共催です。
http://www.lawanddevelopment.net/

■プログラム
http://www.lawanddevelopment2013.org/index.php/program
アフリカにおける土地争奪問題の専門家が基調講演するほか、世界中の土地争奪問題が議論されます。

■基調講演
"The Law and Land Grabbing - Friend or Foe?"
by Liz Alden Wily, Independent Land Tenure Specialist, Nairobi, Kenya

■全体セッションⅡでプロサバンナを取り上げます。
“Competing Frameworks and Perspectives on Land Property and Land Markets”

1. "Indigenous People in Latin America and the Right to Non-Renewable Natural Resources: The Bolivian Case"
by Lorena Ossio Bustillos, Max-Planck-Institute for Social Law and Social Policy, Germany

2. "Land Acquisition by Foreign Agribusiness in Northern Mozambique through Triangular Cooperation with Japan and Brazil: An Analysis of Shifting Discourses"
by Sayaka Funada-Classen, Tokyo University of Foreign Studies, Japan

3. "Large-Scale Land Acquisition in Sub-Saharan Africa: Evaluating the Policy-Practice Divide"
by Laura German, University of Georgia, USA

■自分の要旨だけ掲載しておきます。
"Land Acquisition by Foreign Agribusiness in Northern Mozambique through Triangular Cooperation with Japan and Brazil: An Analysis of Shifting Discourses"
by Sayaka FUNADA CLASSEN

This presentation will examine the much debated characteristics and background of the “Triangular Cooperation for Agricultural Development of the Tropical Savannah in Mozambique”, the so-called “ProSAVANA” program, signed jointly by the governments of Japan, Brazil, and Mozambique in 2009. This programme has been criticized by local farmers’ and civil society organizations due to its possibility of land-grabbing by foreign investment and for the top-down process of project planning and implementation. This presentation seeks: (1) to analyse the discourse and the arguments observed in public documents and discussions of Japanese planners and promoters of the programme; (2) to examine – based on the voices of the local civil society – the social and cultural characteristics of Northern Mozambique and preceding cases of land grabbing observed in Brazil and other African countries; (3) to highlight the characteristics and the challenges concerning the present predominant discourse of development and assistance.
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by africa_class | 2013-04-27 21:15 | 【記録】講演・研究会・原稿