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七変化するプロサバンナ事業:「ブラジル・アグリビジネス」の切り離し&農民間分断工作の現在

昨日土地問題と一緒に書いたのですが、重要な問題なので再掲載しつつ、根拠を示しておきます。

目まぐるしく展開しているので、まず簡単にこの間の動きと変化をまとめておきます。

●プロサバンナ事業の七変化
①国際力学の変化、国連改革のため、また移民100周年を受け、日本とブラジルは戦略的パートナーシップを象徴するプロジェクトをやろうよ。
②援助卒業国が続出の南米やアジアへの日本の援助関係者を活かせる道はアフリカのみ。
③じゃあ、「JICAがやったブラジル・セラード開発万歳!これをアフリカ中に持ってくるぞ~」という教訓から学べない安易な発想と威勢のいい掛け声が、
④そこで強調されるのが「ブラジル・セラードとモザンビーク北部の農学的類似性」(しかし調べてみたらあまりに違っていた。ほとんど人が住んでないと思っていたら、人口密集地であった。ので緯度と雨季乾季サイクルぐらいしか言えなくなったが、いぜん類似性がさりげなく強調される)、
⑤ビジネスチャンスに群がるブラジル人たち(そして援助関係者)、
⑥不安を掻きたてられたモザンビークの住民や市民組織の抵抗を受け、
⑦日本でもNGOによってついに問題化され、
⑧当初は「ブラジル・セラード開発万歳!」を死守しようとしたものの、
⑨否定できない証拠を突きつけられて、
⑩「セラード開発はモデルでない」といってみたり、
⑪モザンビーク大臣に「土地は奪われない」といわせてみたり(しかし同じ談話で⑩を覆してしまった・・)、
⑫ブラジル・アグリビジネスを切り離そうと別ミッションにしてもらったり、
⑬本当のことを話し過ぎたブラジルの人達には口止めをしてみたり、
⑭もっとひどいことに、現地の農民を分断するために、「農民融資」「クイック・インパクト・プロジェクト」なる「ニンジン」をぶら下げて、「賛成している農民もいる」を急いで演出中。

本当に、情けない。
それにとどまらず、自らのズサンな開発計画事業の汚点を埋めるために、現地社会に分断を生み出して、挽回を図るなどという・・・のは、本当に罪です。

「モザンビーク北部農民の支援」が一番の目的と今更いうのであれば、最初からそこから立ち上げれば良かったのです。ブラジル・セラード開発などを言わなくても、彼らを尊敬し、愚直に彼らの声を聴き、愚直に寄り添えばいい。今回、「いまだにこういう手法やってるんですが」と皆が驚いています。

さて、では現在JICAと外務省が慌てて強調する、プロサバンナ事業は、
(1)貧困と飢えに苦しむモザンビーク政府の要請である
(2)セラード開発をモデルとはいっていない
(3)ブラジル側の野心は日本の関与マターではない
(4)ブラジル側の関与は技術支援に留まる
という点について反論してみましょう。

1.ブラジル・セラード開発を出発点とする
プロサバンナ事業は、ブラジルのセラード開発を成功と位置付け、「日伯連携による熱帯サバンナアフリカ農業開発」としてスタートされ、モザンビークを対象国として第一段階を迎え、アフリカの色々な国に持ち込むことを想定され打ち上げられた開発援助計画です。以下、JICA自身の説明です。

「かつて「モ」国と同様に広大な未開墾の熱帯サバンナ地帯を有していたブラジルは、1970年代から我が国と農業開発協力(セラード開発)に取り組み、いまやセラードは大農業生産地帯へと発展した。その知見や農業技術を日本と連携して熱帯サバンナが分布するアフリカ諸国に移転し、そして日本とブラジルは農業開発支援を行うことを検討してきた。今般「モ」国は比較的安定した政治状況にあること、また前述の「モ」国北部熱帯サバンナに高い農業ポテンシャルがあることなどから、日本・ブラジルの三角協力による農業開発の支援対象国として「モ」国が選定された。 http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/outline/index.html (2011年2月ナカラ回廊プロジェクト)」

2.プロサバンナ事業の参照事例としての「セラードの成功」
(1)プロサバンナは必ず「セラードの成功」物語から
話されます。これまでのJICA資料の全てがそうです。その他にも例えば…。

●農業の三角協力でアフリカに参入(JETRO中米課2012年08月21日 )「アフリカで日本、ブラジル、モザンビーク3カ国による農業開発事業が始動。かつて日伯協力で実現したブラジルの農地改革の経験をモザンビークに応用しようというもの」。
●褐色のサバンナを世界の食料倉庫に(JICA2012年08月24日)「日本とブラジルには、1970年代から約20年にわたる農業開発協力事業により、不毛の大地とされたブラジルのセラードを、世界の食料倉庫へと発展させた実績があるが、この実績・経験をアフリカの熱帯サバンナ地域の農業開発に生かしているのが、プロサバンナだ。」

(2)日本政府が公式見解とするモザンビーク農業大臣の談話
には、次のようなコメントがあります。

プロサバンナは30年前にブラジルでなされた二国間(日伯)協力のレプリカ(複製)である」(2012年12月26日AIMモザンビーク情報局)

<=しかし、「ブラジル・セラード」との類似性が主張されても、ブラジル・セラードとモザンビーク北部は全く異なる特徴が。北部はモザンビーク国最大の穀倉地帯で肥沃な大地と水、人口密集地。「農学的条件」はまさに異なっているのです。それを知らないままに、緯度や気候の共通性程度で立ち上げられた事業。しかし、宣伝文句はいつもセラードから始まるため、
<=セラードでみられた森林の大規模破壊、住民からの土地接取、大規模な近代農業・・・がモザンビーク北部に持ってこられると想起されるわけです。

3.セラード開発への批判が高まってきたための「セラード開発をモデルにしていない」との主張
JICAは「セラード開発=成功」の一辺倒で押せ押せムードだったものの、このブログで紹介するように、当該地域の地元の先住民族やそこに暮らしてきた人びとは、この開発により土地を奪われ、それを取り戻すために激しい土地紛争を繰り広げ、裁判をやったものの、生活手段を奪われ、都市に流れていき貧困層を形成した・・・というブラジル内ではよく知られ問題化されていることが、日本でも知られるようになってきました。
<=この知見は、ブラジル学術界では1988年来周知の事実。
<=現地市民社会も、セラード開発問題についての知見を蓄えています。

ブラジルでセラード開発批判があることを、JICAは当初、全面否定していましたが、具体的な資料が次から次へと出てくることに直面し、ここ最近は、「セラード開発はモデルではない」と繰り返し主張するに至っています。(苦しいですね・・・)

一方、ブラジルもモザンビークサイドも、「セラード開発を持ってくるんだ=大規模農地開発」との理解を現在でも隠していません。以上の農業大臣の「レプリカ」発言について、外務省は先日の意見交換会で「技術のこと」と言い張りますが、普通に聴いてそうは聞こえないのでは?実際、JICAが繰り返しセミナー等で使う写真は、広大な農地に延々と単一作物が栽培され、大型機械が行ったり来たりしているものばかり。先日のJICAが協力(というが全面的に関わった)テレビ東京の番組でも、同様の映像や写真が。そこまで宣伝しておきながら、「セラード開発の違った部分を・・・・」というのは、苦しい言い逃れ・・・。

4.ブラジルの狙いはモザンビーク北部の肥沃な土地
そして、ブラジルサイドのプロサバンナへの関与の目的は、ずばり「土地」。大規模農業で儲けを拡大してきたアグリビジネスにとって、もはやブラジル内には安価な土地はない。アマゾンを切り拓いていくのには国際監視もある。ということで、国外に農地を増やすというのは、彼らの「儲け拡大システム構築」のために不可欠。なぜなら、農業で儲けるには「土地」「水」は不可欠だから。単位当たり収量をこれ以上は伸ばせないこともあり、外に求めていくしかない。それは、アメリカのアグリビジネスとて同じ。
 かくして、土地争奪戦が繰り広げられているのですが、それを象徴する言葉を日系ブラジル議員のルイス・ニシモリ氏が議会TVで嬉しそうに語っています。自分の目で確かめましょう。

TV CAMARA Palavraberta 2012年6月27日放送 
http://farmlandgrab.org/post/view/21652
この合意はなによりもブラジルのセラードの経験をアフリカのサバンナに移植するために形成されたのです。この地域ではヴァーレ社(*筆者注:現地農民と土地問題で衝突中)なども石炭や鉄鋼といった鉱物資源の採掘を行っています。そこに今度は我々のブラジル人農業労働者を連れていくわけです。ブラジルにおいて農業を行いたくとも土地が不足している若い人たちです。多くの農業専門家が育成されていますが、無職の状態にあります。そういった人々が挑戦できるでしょう。特にブラジル南部の土地の不足した地域で4ヘクタール、5ヘクタールといった規模で農業を営みながらも、近代的で大規模な農業を行いたいと思っている若い営農家にとっては多くの機会を提供するでしょう。」
全訳は→http://afriqclass.exblog.jp/17331007

そして、ロイターの記事などにもセラード地域の綿花企業が以下のように語っています。
2011 年8 月15 日 “INTERVIEW-Mozambique offers Brazilian farmers land to
plant”http://af.reuters.com/article/commoditiesNews/idAFN1E77E05H20110815
ブラジルでは価格が高く環境に関する規制が多いことから農地取得のリスクが高く、『モザンビークの土地の価格は無視できない』とも述べている。モザンビークでは許可を得た生産者は1 ヘクタール当たりたった21reais(1 エーカー当たり$5.30)の税金の支払いの他、農業機械の輸入において関税の免除を受ける。ブラジルでは、最も生産能力が高い土地で生産するには35,000reais/ha が必要であり、インフラ整備が整っていない北部のサバンナでも5,000reais/ha のコストが発生する。」

5. ニシモリ議員はただの1議員・・・盟友を切り離しにかかる
ブラジル人の多くは話すのが好き。ということで、JICAや日本政府に都合の悪いことばかり、都合の悪いタイミングで、本音で話してしまう。議会テレビでまでも。

これを「誤解」「意志疎通の不足」というのは、外交上あまりに苦しい。何故なら「日伯連携」が軸の事業。三角協力だし。ということで、「ただの1議員」「ブラジル政府を代表しているわけではない」と、UNACの外務省での表敬訪問の際にJICA本郷氏は慌てて付け加えた。なお、その際このビデオの存在は、彼以外のJICA出席者は知らなかった。(出席者一覧は→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-10.html)

つまり、本郷氏は知っていて同僚たちに伝えなかった・・・ということですね。
しかし、ニシモリ議員は「個人として」「ただの議員」で「政府を代表しない」わけではないことは、JICA自身が知っている通り。以下、JICA広報記事です。

JICAトピックス(2012年5月14日)
http://www.jica.go.jp/topics/news/2012/20120514_02.html
「日本、ブラジル、モザンビークで官民合同ミッション-ナカラ回廊への農業投資促進を目指す」
「官民合同ミッションに参加したのは、日本からJICAアフリカ部の乾英二部長を団長に、企業8社と農林水産省、経済産業省、外務省の19人、ブラジルからはルイス・ニシモリ連邦下院議員を団長に農業生産者や農業機械メーカーなどの17人、モザンビークからは農業省など複数の省庁・機関の18人。モザンビークの首都マプト、ナンプラ州、ニアッサ州を訪問(後略)
 今回のミッションへの参加を通じ、日本、ブラジル、モザンビークの関係者が同じ意識を持って役割分担をしながら開発に参加していくビジョンが共有された。」

お読みになると分かる通り、この合同ミッションのブラジル側の団長はニシモリ議員です。そしてプロサバンナ事業の一環で実施されたミッションであり、ご丁寧に「同じ意識を持って役割分担」と結論づけてらっしゃるのは、当のJICAではないでしょうか。

そして、このミッションからの帰国直後に、現地の日本語新聞に、ブラジル側の役割についてこう語っています。「我々は農業者の入植をしっかりバックアップしていきたい。」(ブラジル・ニッケイ新聞2012 年5 月1 日)
http://www.nikkeyshimbun.com.br/nikkey/html/show/120501-71colonia.html

その上で翌6月に、議会テレビであのように語っているわけです。
先週の第二回プロサバンナ事業についてのNGO・外務省意見交換会では、JICAからニシモリ議員とこの件で懇談したとの話が披露されましたが、これは「口封じ」。

プロサバンナ事業のブラジル側のキーパーソンが、公の場で語っていることは「嘘」でも「誤解」でもなく、「本当のこと」ではないのでしょうか?むしろ、彼を注意するのではなく、口を封じるのではなく、「ブラジルにとっての本当のこと」という現実について、事業立案者として、三角協力のパートナーとしてどう考えるのですか?ということが、一番知りたい事なのですが

大体、さんざん「セラード開発の成功をアフリカへ!」という宣伝をして、セラード開発の話ばかりやって、ブラジル側がこう受け取らないわけないですよね?下心あってそう解釈したとしても、それを誘発したのは、日本側の安易なる打ち上げ花火のせいではないか・・・それは外務省も否定していませんでしたが。

6.プロサバンナからブラジル・アグリビジネス切り離し工作
次から次へと、JICAがいっていることとは異なる現実が立ち現れるのことに直面し、JICAや日本政府は、今度はモザンビークの肥沃で安価な土地を狙うブラジルのアグリビジネス企業らを、プロサバンナ事業から切り離そうと躍起。日本の税金でブラジルの新植民地主義的な進出を助けるのか・・・という批判に対処するためです。

しかし、2009年プロサバンナ事業をぶち上げることで、一度火が点いたブラジル・アグリビジネスが止まるわけもなく、何せブラジルと比べ土地の値段は3000分の1、かつ北部のこの地域は肥沃です。そのため、三角協力のパートナーである日本が観て見ぬふりをする中、当初はプロサバンナ事業の枠内でオペレートするつもりだったブラジルの企業たちは、「プロジェクトの枠外」で土地収用を含むビジネスを開始させようとしています。

現地新聞によると、先月末も、プロサバンナ事業のブラジル側パートナーであるニシモリ議員の出身州で、同議員がモザンビーク進出の主体としてターゲットに置くと表明していれうパラナ州(ブラジル南部)から、20名のアグリビジネス企業関係者が、プロサバンナ事業対象地(ナンプーラ、ニアサ州)をわざわざ訪問しています(2013年2月22日Correio da Manhã )。

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この10か月前には、プロサバンナ事業のための合同ミッションと称して、ブラジルからニシモリ議員を団長としてやはり20名近くのアグリビジネス企業関係者が、日本の官民主体とともに現地を訪問したことについては先に述べた通り。

しかもタイミングがJICA理事長の訪問と同じだった。
モザンビークでは、「当然ながら両者(プロサバンナや日本とこれらのブラジル・アグリビジネス)は無関係ではないのに、無関係に装われているのがより不信感を招いている」と言われています。

ここら辺の問題は、モザンビーク農民組織UNACのプレゼンをご覧ください。
→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-11.html

「日本の援助スキームから切り離したから良い」ではなく、このようなブラジルのアグリビジネス進出を安易に誘因してしまった2009年の「日伯連携による熱帯アフリカ農業開発(プロサバンナ事業の原型)」合意の罪は、本当に大きいと思います

この点については、先日の「第二回プロサバンナ事業についてのNGO・外務省との意見交換会」でも、外務省も認めている通りです。

ブラジル側の野心は、ブラジル側に取材した人達からも、しっかり書き記されています。ここにも土地の入手と遺伝子組み換えの導入が肝となっていることが分かります。
27 February 2013 "Lessons from Brazil in Mozambique's Nacala Corridor"
By ELEANOR WHITEHEAD "Brazil is helping develop Mozambican agriculture by promoting large-scale farming and supporting smallholders. Can it do both at once?"
→http://www.thisisafricaonline.com/Business/Lessons-from-Brazil-in-Mozambique-s-Nacala-Corridor?ct=true
途中にプロサバンナが出てきて、其のあとにブラジルサイドの目的が「土地」「遺伝子組み換え種」の導入を切望していることが分かります。

7.原発事故後の政府対応と同じ構図
それにしても、こういう隠蔽に次ぐ隠蔽に現地の皆さん、他のドナーも、呆れています。リスクも検討せずに、安易にぶち上げておきながら、問題化したら、「画策し、隠す・ズラす・『大丈夫』と何度も宣伝する、なかったことにする、工作して賛成派を創り出す」・・・。

反対する人がいるのに、それに丁寧に対応するのではなく、賛成派を増やす工作(バラマキ)によって切り崩しと封じ込みを図り、「地元のため」と称して持ち込まれる公共事業。

日本における「迷惑施設」導入時の公共事業におけるポリティックスの常套手段です。ダムしかり、原発しかり。そういうことを、「自分たちの面子と利権・援助事業を守る」ため、国外の16年の戦争を戦ったモザンビーク北部の農村で、展開しているのです。

自分たちは上手くやっているつもりかもしれません。あれやこれやの手を打って、乗り切れればと考えているかもしれません。しかし、そういう一挙一動が、現地の人達に大きな不信感と嫌悪感を招いていることについて、どれぐらい自覚してらっしゃるのでしょうか?現地の人びとに、すべは御見通しだなんて、思ってもみないことなんでしょうね。。。

JICA関係者以外の皆さんは知らないでしょうが、UNAC来日まで、JICA内でまことしやかに囁かれていたことにそれは象徴されます。プロサバンナ事業に反対を表明したUNACについて、「反政府勢力だ(含意:だから無視していい)」、「あんな立派なポルトガル語書けるはずがない(含意:何も分かってない、ブラジル人に教えさせなければ)」、「ブラジル人が書いたのだ(含意:だから後ろに操っている奴がいる)」。そこには、明らかに人種差別と当事者軽視の視点がはっきり映し出されています。

実の所、このような「アフリカ人<ブラジル人<日本人」という見方の構図こそが、プロサバンナ事業の立案の根底に脈打つ問題なのです。


8.援助業界の皆さまへ
議員会館で、タンザニアとザンビアで7年農業指導をしたというコンサルの杉本さん(杉崎さん?あれだけ繰り返し発言の機会を要求するにも拘わらず、ご所属もフルネームもおっしゃらず匿名状態。後で、あの話方は「JICAの彼」に似てるよね・・・と評判になったほど)という方の発言やその発言の仕方にそれは如実に表れていました。是非、録画が公開されているので、各自で見てほしいのですが、モザンビークの当事者の、しかも農民2200組織の代表に選ばれ自身も農業を営んでらっしゃるマフィゴさんに対して、指を指し、大声で繰り返し批判し続ける・・・・その姿に、日本の農業コンサルの人達のアフリカ農民への姿勢の一端みたいなものを観てしまった想いで、皆心底恥ずかしい気持ちになりました。
●議員会館での学習会動画→http://youtu.be/Ywdyqa6SqmQ
●この点についての私の考え→http://afriqclass.exblog.jp/17398434

「アフリカ農民は何も知らない、教えてやる対象である」

この間みられた、当事者を前にした、JICAの方やこの農業コンサルの対応にみられる傲慢さが、このような援助スキームを生み出し、問題化した根っこにあると、モザンビークの皆さんは来日して確信してしまったのです。「ああ、だからセラード開発は地元農民を駆逐し、プロサバンナみたいなものが出てくるんだね」と。

口でいくら「農民支援」を繰り返しても、次から次へと出てくる「農民蔑視」。人種差別や偏見を伴った根深い問題なのだと、改めて感じました。

モザンビーク北部農民の暮らしに寄り添って19年。彼らの畑での生活での創意工夫が、彼らが日本の専門家などいなくてもここまで生きてきたことへの敬意が、どこにも見当たらない。そんなリスペクトのない人達が担う、日本の皆さんの税金が支える援助機関に、一体どのような存在意義があるのだろうか・・・とまで考えずにはいられなかった1週間でした。

そもそも、モザンビークが独立してから40年近く。日本はモザンビーク北部の農業生産にさしたる貢献はしてこなかったのです。何度も書きますが、JICAや日本大使館が同国に拠点を置いて十数年しか経っていないのです。日本がいなくても、ブラジルがいなくても、この地域は同国の穀倉地で国民の食料を支え、復興に重要な役割を果たしてきた。勿論、足りないところは多々あります。でも、まずは以上の事実を踏まえるべきではないのでしょうか。

勿論、JICA関係者や開発コンサルの全員が以上のよううだといいうことではありません。そうでない人を沢山知っています。尊敬されるべき現場主義の皆さんもいらっしゃいます。しかし、そうであればこそ、何故これほどまでに当事者の尊厳と主権を踏みにじる人が前面に出続けるのでしょうか?

それはJICAや開発コンサル業界全体としての問題であり、内部で改革されるべき点だと思います。皆さんがこれらの人達と一緒にされたくない、と思うのであれば、我々やモザンビークの人びとに反論しても仕方なく(勿論反論ウェルカムですが)、まずは自分たちの内部で話し合ってみてはいかがでしょうか?それこそが、健全だと思うのです。皆さんは、PCMとか改善とか、そういうことを自分が共同で運命を担わない人達に対して「先生」としてやっています。そういうことを、内部の様々な方々と「援助コミュニティ」としてされたことはあるのでしょうか?

今、わが身をふり返るチャンスでは?自分たちの業界に対してやってみてはいかがでしょうか?でなければ、今まで以上に援助の理解者を減らしていくことでしょう。(ちなみに、皆さんご存知の通り、私はTICAD IV時にアフリカ向けODAが倍増になるように尽力しました。そしてそれを実現しました。しかし、今それが如何に愚かなことだったか・・・と猛省しています。)

このような当事者不在の公共事業は、援助だけではありません。とても身近で発生しています。「復興」「復興」といって、当事者やコミュニティを置き去りにして、進められる現在の復興政策と同様です。一番寄り添うべき当事者ではなく、ビジネスチャンスを狙う企業とばかり話を進めている。プロサバンナが、官民合同ミッションなるものを、現地の農民組織と相談するずっと前に繰り返していることにこれは表れています。

援助は日本社会の鏡。
私たちの中の当事者主権への意識の薄さ、差別・偏見が、善意の裏の利権や驕りが、今問われるべき時だと思います。

勿論、私も例外ではありません。日々のモザンビークの仲間との実践の中で、反省し学び一歩ずつ前を歩いている状態です。

過ちは誰でも冒します。
変えることは可能です。
過ちを認められれば。
そして、変えるという決意があれば。

変えましょう。
自分から。
仲間から。
遅くありません。
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by africa_class | 2013-03-10 11:39 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

ブラジル鉱業企業と地元住民の土地紛争:「死んでもここを動かない」


1.ビデオでモザンビーク農民組織らを招いてのイベントが視聴可能に
学生のお蔭でモザンビークの農民組織らの報告会の様子がYouTubeで見られるようになりました。
◆2月27日@参議院議員会館学習会
「「アフリカの課題に応えるTICAD V(アフリカ開発会議)の実現に向けて~食料安全保障問題と『農業投資』が引き起こす土地紛争」
→http://youtu.be/Ywdyqa6SqmQ
◆2月28日@東京大学 オープンセミナー
「モザンビーク北部における農業と食料安全保障~モザンビーク農民組織代表をお招きして」
→前半:http://youtu.be/CE0McUHu6Rg
→後半:http://youtu.be/RRHA6q4ZuFw 

2.モザンビークで頻発する土地紛争(農民vs鉱業企業)
今回ご紹介するのは、モザンビークの国際機関で働く友人から送られてきた記事です。農業投資だけでなく、ブラジル鉱業会社による大規模土地収用に対して、地元住民が次々と抵抗を繰り広げています。

記事の最後の方にあるように、普通のモザンビーク人のフラストレーションは、「これらのブームが彼らを豊かにさせるどころか、食料価格、燃料、住宅を押し上げ、土地が奪われる恐れによって生活水準を悪化さえている」というのは、実感としてそうですね。
"The complaints of Macajo and others echo the frustration of ordinary Mozambicans who feel the boom, rather than benefiting them, is worsening their living conditions by pushing up the prices of food, fuel and housing and threatening their land."

多分、「補償をすればいいんだろ」という声が聞こえてきますが、ことはそんなに容易ではないということがモザンビークの現実です。なお、これには地域差もあります。南部のように、土地が悪く、水害も頻繁で、植民地支配の構造から、出稼ぎ労働を重視する土地柄と、小農的生活が社会としても重要な役割を果たす北部では、土地への想いは圧倒的に異なります。かといって、もちろんアジア的な土地の概念とは相当に異なりますが、肥沃な土地への執着は当然ながら強いものです。


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Mozambican tribal queen stands up to Rio Tinto over land
http://www.reuters.com/article/2013/03/07/us-mozambique-communities-idUSBRE92605T20130307
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(2013-03-07)
 For Mozambican tribal queen Zoria Macajo, the thatched-hut village of Capanga, nestled in the hills above the Zambezi river, has been her family's home for generations.
 For mining giant Rio Tinto it is a headache sitting on top of one of the world's largest untapped coal reserves, standing in the way of the company's expansion.
 Macajo, Capango's the 59-year-old leader is refusing to leave her home until her people are paid for their land, a contentious issue for Rio which has found it difficult to get its Mozambique business running at full speed.
 "Our people have rights. The company promised it would compensate us," Macajo said, sitting on a straw mat outside her house, the only concrete dwelling in the village where goats and pigs roam freely. 
(...)
Rio said it had agreed with some families a like-for-like compensation, promising houses and land in the new Mwaladzi resettlement area, some 40 km (25 miles) away from Capanga.
The company said it has paid some families affected by its operations, including the queen, and is negotiating separate payments with a farmers' association, which it says holds formal title over some 150 ha (370 acres) of land in the area.
But Macajo said she had not received any money and the association does not represent her or others in the community.
Rio's Mozambique troubles are not unique. Mining companies frequently walk a tightrope between the demands of the stock market and those of local communities, demanding a larger share of profits from the resources they sit on.
(...)
Macajo said her community was prepared to aggressively defend their village against Rio Tinto, threatening a repeat of violent protests that broke out in January last year when 700 families took to the streets over living conditions and lack of fertile farming land in a resettlement built by Brazilian miner Vale.

HIGH STAKES FOR RIO
Rio Tinto, Vale and dozens of others have flocked to the region since 2004, hoping to secure some of the 23 billion metric tons of coal estimated to lie beneath the war-scarred state, especially with supplies of quality coking coal scarce and global demand growing.
But developing mines in the former Portuguese colony has proven more difficult than initially imagined, with shoddy railways and ports, depressed coal prices and frustrated communities cooling the coal bonanza.
Vale or Rio, the stakes are high in Mozambique, where it wrote $3 billion off the value of its coal assets earlier this year, in a hit that ultimately ousted its chief executive.
(...)
Rio's write down on its Mozambican assets was largely due to difficulties in getting the coal from pit to port, but the community's resistance may place further hurdles in its plan to expand its Benga mine, one of the assets the firm inherited when it bought explorer Riversdale in 2011.

RUINS NOT HOUSES
 The complaints of Macajo and others echo the frustration of ordinary Mozambicans who feel the boom, rather than benefiting them, is worsening their living conditions by pushing up the prices of food, fuel and housing and threatening their land.
The families at Vale's Cateme resettlement have complained about leaks, cracks and floods in homes, which they say the firm has been unable to fix despite several attempts.
Cateme's location, some 10 km away from the main road and another 40 km from Tete, also makes it difficult for people - many reliant on jobs like brick making or selling vegetables - to get work.
Vale said it was still rehabilitating some of the houses, but residents like Domingo Foguete Domingos said they prefer to be paid instead so they can build sturdier houses elsewhere.
"These are ruins, not houses," the 46-year-old said while pointing to the cracks in the wall of his house.
Proper management of resettlements is a steep learning curve for the government, communities and civil society in Mozambique, who are often unaware what to ask for until it is too late.
"We have to teach people that this is not a favor, it is their right," said Julio Calengo, an activist with the Mozambican Human Rights League.
The government called the Vale fiasco a "learning exercise" and later passed a law promising to fine firms or even withdraw their operating licenses if they do not relocate communities in a way that protects their social and economic interests.
Companies now need to prove that their resettlement areas provide the necessary infrastructure to support sustainable economic activities such as farming and while the tighter policies were welcomed, critics wonder if the inadequately staffed government will manage to enforce the rules.
Rio Tinto said it had consulted widely with communities and the government and insists the process was transparent, but the queen said she had yet to be officially consulted even as workers began drilling holes around her land.
(...)
Macajo said Mwaladzi has asphalted roads, street lights and more durable houses than those built by Vale, but the lack of fertile farming land would still make it difficult for residents, mostly subsistence farmers, to feed their families.
The community said it was hoping to use the money promised from the resettlement to buy fertile plots elsewhere, while the company said it was investigating the possibility of creating a water catchment dam in the area to help irrigate the land.
(...)
"I will not leave. They can kill me, but I will not leave this land," she said.
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by africa_class | 2013-03-09 23:12 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

モザンビーク市民社会来日をふり返って~大地に生きる人達の「真っ当さ」と我々の「恥」「罪」

昨日、モザンビークから来日していた全国最大の農民組織UNAC(全国農民連盟)のお二人(アウグスト・マフィゴ代表、ヴィセンテ・アドリアーノさん)、環境団体JA(環境正義)のレネ・マショコさんが無事帰国の途についた。
 溜まったいくつかの代表を務めるNGOの事務作業や、原稿を書いているうちにこんな時間に…。しかし、5つの学会の原稿や発表要旨を頼まれており、「首が回らない」状態。そんな時だというのに、書かずにいられずモザンビークからお越しの皆さんとの濃厚な数日間を思い返しています。今、報告の詳細などは、「モザンビーク開発を考える市民の会」のブログにアップしつつあるので、そちらをご覧ください。会計報告もしています→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
(パワーポイントアップロード済み)

IWJで視聴可能。(一番時間があって通訳が被らなかった東大セミナーについては、今録画をアップロード準備中です。そちらが一番おススメですが、少しお待ちを。)
●北海道セミナー→http://www.ustream.tv/channel/iwj-hokkaido1#/recorded/29571530
●議員会館学習会→http://www.ustream.tv/recorded/29595400

数日間、マフィゴ代表の言葉を訳する光栄に恵まれ、心から感謝。大地から、生命から、闘いから生み出された思慮深い、フィロソフィかるな言葉の一つ一つが、心に沁みて、これを彼の言葉のニュアンスや力を削がずにそのままどう日本語として皆さんに感じ取ってもらうか…悩みながら訳しました。

事前に予定されていたわけではない、スライドにない言葉の数々。その場の空気を感じ取り、瞬間的に彼が紡ぎ出した、しかし長い歴史と闘争に基づいた言葉に、相応しい訳が出来たのか…不安。20年前から話を聞き続けてきた何百人ものモザンビーク北部農民一人一人の顔を思い浮かべながら、ああこのことに繋がったんだと気づきました。その帰結はこの本に。
→http://theoriginsofwarinmozambique.blogspot.jp/
The Origins of War in Mozambique

マフィゴさんの言葉を訳しながら、それに気づいた瞬間に胸に迫るものがあり、涙を堪えるのに必死でした。その内の大半はもうこの世におらず、彼らが私に託してくれた想いや言葉に、私が何をすることが出来たのだろう、と。彼らの苦悩と闘いから学び、今と未来を共に生きることを続けることでしか・・・。お話をしてくれた人々に直接返すことはできない歯がゆさ。

最終日の東大でのセミナーに参加した学生からの感想から紹介したいと思います。彼女は、アフリカのある国で1年にわたって企業でインターンしていた学部3年生です。

「UNAC代表のマフィゴさんが、『プロサバンナに関する意思決定はモザンビークだけでなく日本でもなされているから、我々は日本と対話をするために、来なくてはならなかった』とおっしゃっていたのが大変印象的でした。
 当事者の望まない「開発」を推し進める日本の援助を問い直すため、今回のような来日が実現し、セミナーという場が設けられたのだと思いますが、当の日本側は自らの援助を見つめ直すでもなく、まだまだ現地の声を軽視するような、中国などの問題を持ち出し論点をそらすような姿勢でいることを恥ずかしく、残念に思いました。
 それでも、今回来日されたお三方のような、例え政府や日本の援助機関から軽視されても訴え続ける姿勢を崩さない人もいることに、希望を感じました。お三方にとっては遠いモザンビークから来日されたにも関わらず、日本の反応は期待外れの冷たいものだったかもしれません。ですが、現地から声を発し続けるのを止めないで欲しいと思いましたし、自分も何らかの形でそれをお手伝いできれば、と思いました。今回のセミナーに参加でき、大変勉強になりました。ありがとうございました。」

そう書いた彼女が、今ブログに彼らのパワーポイントをアップする作業を担当してくれています。感想を述べて満足してしまう、日本の「典型感想文」を超え、彼女は1歩踏み出していることに、未来を感じます。それこそが、モザンビークから来た皆さんが唯一感じる「希望」の中身だから。つまり、「日本の農民、若者・市民には希望を持てるようになった」と、言残して旅立たれた…。

でも、彼らが帰ってからの24時間。雨季の農繁期。そして、農民のためにあれほどまでに忙しい彼らに、この国は一体何をしてるんだ・・・という想いばかりが募ってしまいます。日本に来日してからも、彼らは毎日朝3時まで仕事をし続けていた。本国に残してきた大量の仕事をこなす為。そして、毎日のイベントで出来た聴衆の疑問に答えようとバージョンアップされ続けたパワーポイントのための作業を毎夜…。こんな人達、モザンビーク人だから、アフリカ人だから・・・を超えて、そんなにいるわけではありません。自分のためにやってるんじゃない。ばら撒きのお金をもらうのは簡単だ。そうやってペイのいい仕事についていくのも簡単です。彼らほどの人達ならば。

でも、彼らは目の前にぶら下げられたニンジンの数々や罠を拒否し、政府ににらまれ、身の危険を感じても、なお、モザンビークの圧倒的多数を占める小農民のために、自分の団体の加盟者のためだけでなく、ばら撒きに落ちてしまった小農のためにも、小農の権利、農民主権、食料主権のために、闘い続けようと頑張っています。

私たちは、だからといって、ただ「頑張っている」と称賛すればいいのではありません。学生が書いているように、私たちの税金を使って行われている援助事業によって、必要以上の「頑張り」を余儀なくされている人達なのです。これがどんな酷いことを、北部農村社会にもたらしているのか・・・については、別途書きたいと思います。今、「批判に対応する」ことを目的として、このプロサバンナ事業「のため」、日本の公共事業と同様、コミュニティの住民、農民同士が分断が試みられています。
 
これは、「援助が役に立つかどうか」の話ではありません。「援助」という「公共事業」、それに「群がる利権者」のために行なわれる、主権者同士の分断と対立。日本の原発立地をめぐり、ダム建設をめぐり、公害をめぐり、繰り返されてきた構図が、今回遠いアフリカのモザンビークにも持ち込まれています。そのことの罪について、日本の援助関係者はどれぐらい自覚的なのでしょうか?

しかし、これを許しているのは我々日本の市民。日本社会で許し、アフリカ・モザンビークで許している。「公共」という名のもとの、「経済成長」という名のもとの、上からふってきた「事業」。自分の失敗、組織の失敗にされないために、なされる多くの言い訳に、嘘に、口実に、アリバイ作りに、実績作り・・・。それを、「現地の貧しい人びとのため、農民のため」だと、農民の前で言う・・・。そんなことのために、私たちのなけなしの税金は使われたかったのでしょうか?

(この先も、しっかり文章を書こうと思っていたのですが、原稿をやはりしなければ・・・なので後はツイッターを貼り付けておきます。また時間のある時に・・・)

自分の手で耕し、生み出し、それを食し、ふるまっている人達の決意と言葉は、本当に重い。20年モザンビークに関わって、今改めて「ただの研究者」でいることの限界を身に染みて感じる。研究だけをやるのであれば、彼らに質問票をもって質問して終わる。1年に1回?2年に1回?それで論文を書く。私のかかわりは、単なる傍観者、観察者だ。「インタビューアー」として、シンパシーを感じつつも、書いておわり。でも、それでは迫りきれない。もっと、現実は複雑で、一過的でなく、連続し、迷いに満ち、苦しみと喜びに満ち、深いのだ。

あの国の社会の根深い重層性を、それらの複数のひだの狭間で、共に悩みながら迷いながら七転び八起きしながら生きる人びとと、立場は異なれど仲間として共に走ることで学び、知り、感じ、考える。そこで見えてくるものは、「質問票」と「参与観察」を超えて、もっとずっと豊かだ。異なる、しかし共にある未来を語り合いながら、それぞれなりのやり方で現状を分析し、不正義と共に闘う中から、学術を超えた何かを掴みかけている気がする(あくまでも「かけている」・・・という仮定の話)。

彼らの姿をみて、某新聞社の方が言ってた。彼らの存在自体が「新モザンビーク像」だ、と。バラマキを拒否し、農民の権利のため命かけてる。でもこの見方も実は間違ってる。モザンビーク解放闘争、独立直後には、このようなモザンビーク人は山ほどいた。なぜ、UNACが1987年に結成されなければならなかったのか。世銀IMF・日本含む西側ドナーによる構造調整計画導入との関係…を無視しては理解不能。独立のため命を掛けた人びとの本流。

それがUNAC。なのにJICAは「元反政府ゲリラRENAMOの関連組織だと思っていた」という。モザンビーク人が聞いたら仰け反る一言。それぐらいモザンビークのことも、農民組織のことも、市民社会のことも、知らないままに「日伯連携」によって安易に始められた巨大農業開発プロジェクトが進んでいこうとしている。

しかもUNACが書いた声明や記事が、「立派すぎる。モザンビークの農民組織なんかに書けるはずがない。裏に誰かいるのだ」…とまことしやかに囁かれている。

このような「言い成りにならないアフリカ農民(組織)」=「反政府・野党」or「無教養・知らないだけ」との偏見や思い込み、あるいは言い訳?こそが、今回の問題の根っこにある。

カネのためでなく、利己心のためでなく、社会の為にここまで頑張る人たちとこそ、我々は繋がりたいのではなかったのか?しかし、利己心のために言い成りになる人達を「カウンターパート」と呼び、重宝がる日本の援助。日本の援助のカネがなくなったら、終わってしまう関係、プロジェクト。

それにしても、当事者らの言葉は、会場に来てくださった方々、特にJICAの3名の方々の胸に届いたのだろうか?JICAの本郷豊さんが手を挙げてした質問が「中国やヨーロッパも問題起こしているのに、何故その話をしないのか?」だったことに、哀しみを覚える。

それに対するUNACの皆さんの返事が至極真っ当すぎて、逆に思慮のなさを露呈させてしまった。

つまり、「勿論中国とも対話してる。彼らが嫌がるぐらい。でもモザンビークと日本は遠い。こんな遠いところまで何故わざわざ我々が来なければならなかったのか?日本と話をするためでは?」

忙しい彼らが来ざるを得ないズサン計画に基づく問題援助をぶち上げておきながら、その張本人が「中国の話をすべき」というのはあまりに…。

「日本の」援助が当事者に問題にされているその現場で、唯一選択した質問が「中国もヨーロッパも悪いことしてるのに何故話さない?」…なんだ。JICAを名乗ってした質問だから、彼だけに限られた考えというより、JICA内部でもそういう論調で話されてるということなんでしょうね。組織の文化というのはこういう時に出てくる。

いつも問題は自分ではなく、相手や外にあるんですね。
問題は外からやってくる。
悪いのは自分ではない奴らだ。君たちだ。
説明が一方的で、偏ってる。
僕たちは何も悪くない。
僕たちは一生懸命やっている。

皆さんが、一生懸命やっていることは何でしょうか?

他人の社会を激変させてしまう大事業を、
よく知りもせずに、考えもせずに打ち上げてしまった・・・。

それを当事者に批判されて、
猛省して、彼らと正面から向き合おうと、

努力されているんでしょうか?

そういう努力は、一生懸命しないのでしょうか?
自分のやりたい努力を、一生懸命。

組織を守る、
援助産業を守る、
そこに群がる利権やお仲間を守る、
自分のプライドを守る、
そういう努力なら、一生懸命?

納税者のカネを使って。

土地を奪われる哀しみを、地域を離れざるを得ない苦しみを、強制であろうとなかろうと、311後の日本は知ったのではなかったのか?地震で津波で原発事故で…土地を汚染され、逃れざるを得なかった人達が16万も超えてるのに、アフリカの話とはいえ「補償するから大丈夫」…と政府の人が平気で口にする。外務省も、JICAも、すべて他人事のように。

「移転はミニマムですから。補償しますから。」

そうなんですか?
ミニマムってなんでしょうか?
誰にとって?
そういう話なんでしょうか?
皆さんが支えたいという小農が、どうして移転しなければならないのでしょうか?
小農の生産を応援するんじゃなかったんでしょうか?

日本の公共事業ですもの。
その輸出版ですもの。

援助は日本社会の鏡であり、日本社会の中で主権者がこのような状態に置かれている現状では、「それが自然」となるのか?両方のど真ん中に関わることになった私。偶然の重なりにみえて、そうでないのかも。それほどまでにこの国の根っこの闇は深い。日本でもアフリカでも、生活の場に表れる主権侵害。

そして、もう一つの傾向。
「アフリカには教えてやらねばならぬ」という・・・傲慢さ。

明日、ゼミ生たちがマダガスカルに旅立つ。一人は大学留学。一人は企業インターン。次は、マラウイ、ルワンダへの留学、ザンビアのNGOへのインターンにゼミ生らが旅立つ。2月から既にモザンビークで留学を開始した学生も。1人を除き全員女子。この現実を、知らない日本社会。

昨日までのイベントでもアフリカ留学経験組が活躍。彼女たちからみたアフリカは、多くの日本のアフリカ関係者の「援助を通してみるアフリカ」と全く地平が異なる。国のお金でボランティアに行くJOCV的物の見方とも異なる。自分がお金を払ってまで学びに行くアフリカ。当然「先生」はアフリカ人。

アフリカのことを、アフリカの大学で、アフリカ人の先生から、アフリカの同級生たちと共に学び、自分のアフリカとの距離や関わりや未来を考える。そんな学生が、この大学に来ての9年で、ようやく二ケタ代に。思考が硬直してしまった方々を変えようとしても難しい。だから若者に未来を託したい。

アフリカ留学する日本人…の大先輩・吉田昌夫先生。ガーナ独立翌年にガーナ訪問。日本人初・アフリカの大学(マケレレ)で博士号。研究者、教授にして、ネルソン・マンデラ招致委員会の事務局長、AJF元代表。その先生の昨日の「援助関係者は教えてやろうという傲慢さを捨てるべき」の一言が重い。

温厚な先生があれほどはっきりおっしゃるのは珍しい。外務省表敬時の農民組織代表への非礼、議員会館での農業コンサルの指さし事件来ずっと怒ってらした。昨日の「中国を何故問題にしない?」発言で心底呆れられた。先生が皆を成田に送って下さったのは、これら非礼に心痛めて。先生に学ぶこと多し。

そこに暮らす人びとを中心におかず、毎日の生活を知らずして、「これもあれもない」「これもあれも要るはず」「これも知らない?」と外部から勝手に提案される「解決法」の数々。彼らの主権、努力、自己決定権を踏みにじり続けてなお、非礼を重ねる根っこに「自分の方がエライ・知ってる」との驕り?

当事者が来てなおのこれらの対応で、この間はっきりみえたのは、もはや #プロサバンナ の問題が、一事業の問題に留まらず、「開発援助という公共事業」あるいは「開発援助という権力関係」の問題であるということ。そして、その底辺には、我々に沁みついた偏見と傲慢さがへばり付いていることを。

「気づき」はいつどこでも遅くはなく、JOCVでも企業からでも何でも良いのですが、時代が変わった以上、学生たちには次を奨励。1学部時代:①国内問題に関わる、②国内NGOに参加、③「途上国」に留学orインターン、2企業で就労、3大学院で専門性→「国際協力」機関or起業。ミソは③。

何故学部時代に「途上国」に留学(農村・地方大学がベスト)、インターンかというと、現場知らずして「国際協力」を唱えたり欧米(大学)経由でこれら社会を理解することの弊害が顕著だから。また①が不可欠なのは「社会の何者」として関わるかの考えなしに「他社会」変えられると思うのは甘いから。

今震災の支援活動をした日本の国際協力NGOの多くが「社会との距離感」に悩んでる(他社会ではそこまで深刻に考えていなかった)。「自分のではない社会」での「一過性の国際協力」は危うい。見てるつもりで「見えない」ことの方が多い。当事者の主権を踏みにじっても、権力関係から問題化しない。

学部時代に、①自分の存在や社会との関係を問い直す沢山の経験を積み重ねること、②「自分が助けてあげたい」と考える人達と「助けてあげる側」としてでなく「同じ人間」として関わる機会を持つこと、③そして「助けてあげたい」という前提を問い直すこと…を是非。これしないから問題繰り返される。

勿論「だから何もしない方がいい」では全くない。皆の素晴らしい善意をフワフワしたものから、「自分の責任」にまで落とし込んでほしいと願ってる。自分存在が背負っている責任や罪を自覚し、その地平からやるべきことを1個でも2個でも共にやること→http://afriqclass.exblog.jp/i17

【モザンビーク農民組織代表のマフィゴ氏の言葉の宝物(1)】「私たちが目指している発展とは、ゆっくりとした発展です。急いでなされる開発は、必ず社会に、生態系に、人びとに無理を引き起こします。その害を引き受けるのも我々草の根の人びとです。だから自分たちが手に負えるスピードがいい。」

311後の日本にとても重要なメッセージがモザンビーク農民から。実は、別プロジェクトで東北にアフリカの人びとと訪問し、これを考える企画を提案。助成金…次第ですが、昨日の東大セミナーで西川先生が冒頭におっしゃったように、311後の日本の地平から考えるべきこと多々

「これからの正義の話をしよう」でなく「『今』の正義の話をしよう」。今日本で起きていること。この根深い、しかし表面化した闇から学ばず、何を学ぶの?若者の皆さん。今目の前に広がる荒涼とした風景。あなたはどこに?「イメージ」に担がれ「勝組になればいい」?大人はこんな社会を残していい?

言い逃れのために積み重ねられる嘘と隠蔽の数々。細部にわたる介入によるいつの間にかのすり替え。イメージ操作による民衆操作…。政府のせいだけにするの、止めよう。民衆がもっと賢く、注意深くなれば、見抜ける沢山の。結束すれば乗り越えられる試練の数々。個として立つ。連帯する。恐れない。

あんな立派な大地に生きるモザンビーク農民の皆さんに、こんな想いと苦労をかけているのは、私たち自身の社会が、私たち自身の大地に生きてきた人達のことを大切にしてこなかったから。彼らの土まみれの努力を、ちっとも感謝してこなかったから。311は起きなかったのか?立ち止まろう。変わろう。

以下は掲載 PPTを→http://afriqclass.exblog.jp/17362546
最後の1枚:「アフリカも変貌。 声なき人が声を上げ始めた。変わらないのは日本の我々。世界から取残されるとしたら争奪に参戦しなかったからでない。教訓から学ばず驕り、社会を自分ら民衆のため変えようとしなかったから」

五月雨で失礼・・・。またゆっくり修正していきます。
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by africa_class | 2013-03-02 22:51 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

PPTofプロサバンナ事業に関する分析・報告一挙掲載

 2013年4月現在、日本政府のプロサバンナ事業お関係者は「歴史修正主義」を推し進め中。(御苦労さまです・・・)
 この間、関係者らは、下記PPTや私のペーパーをよく勉強してくださり、それに反論するために(特に、同事業が日伯連携から出発している点)、一生懸命頑張ってこられたようですね。
 プロサバンナ事業が「ブラジル・セラードを訪れたモザンビーク大統領がブラジル大統領に頼み、それを日本がサポートしたもの」と、ブラジルとモザンビークの政府に言わせるためご尽力だったようですね。4月2日セミナーで、わざわざブラジルABC長官とモザンビーク大使の発言、是非ご確認を。

 都合が悪くなってくると、歴史的経緯を後付的な「公式発表」によって修正し、それを「歴史」とする。・・・どの世界でもやられてきたことですが、日本は特にこれがお得意。露骨な外交工作に本当に驚きます。

 ぜひ、皆さんには、JICA関係者による「日伯連携がスタートラインだった」ことを自ら書いている一次史料をあわせて読んでいただければ~。
→http://afriqclass.exblog.jp/17433829/
(以上は4月12日に加筆)

 さらに、2009年の動きを日本の国内要因から分析を加えたのが以下の発表要旨。あわせて読むと全容がかなり解けます。

■プロサバンナ事業形成の背景(国内要因)の加筆(国際開発学会企画セッション発表要旨)
http://afriqclass.exblog.jp/17978852/
(以上は6月21日に加筆)

**
今日松山であった「ODA勉強会」にスカイプ参加。
それを期に、去年作ったパワーポイントを改訂したのでここに貼り付けておこうと思います。モザンビークの農民組織なども来日するので、今まで書いてきたことを一つのものに整理できれば・・・と思ったので。というのも、同じ話を何度もするのに・・・疲れたこともあり~。
 そもそもは、学術論文を既に書いていて4月に出版されるのでそちらを見ると、根拠となる資料や注などや説明が丁寧に出てくるので一番良いのですが、著作権上それを貼り付けるわけにもいかないので・・・。
 しかし、出版社には本当に申し訳ないのですが、私は「知」はなるべく手軽に身近にアクセスできる方が良いと思っており・・・このような形を取ります。
 私が時間と労力を使って調べたことを、一人でも多くの皆さんにお使いいただきたい・・・それこそ、研究者であり市民である私の想いなので、そこは宜しくお願いします。
 しかし、こういうの公開すると、またしても学会とかで発表できないんだよね・・・。せっかく書いた英語論文も、既に公開済みということで、入れてくださるはずだった学術書に入れてもらえなくなったし(代わりにもう一本書く羽目に・・・)。そういう世界なんです。学術界って。そうやて「業績」を大切に宝箱に入れて、なるべく世間の目に触れないようにする!な~んてね。
 PPTまで公開する私はきっとバカでしょうが、自分の業績のためではなく、社会のために研究している者のサガですね。それにしても、税金でやはり援助事業をさせてもらっているJICAや外務省が議事録を公開するのを拒み続けているのは問題外ですねえ・・。公共という意味では、あちらの方が公開義務はあると思いますが。

 なお、PPTなので言葉足らず、説明不足であることはどうぞご容赦を~。とはいえ、60枚を超えるので・・・ちょっとずつ貼ってみます。

 そして、関係者の皆さまは是非こちらを先にお読み下さいませ。「単なる批判のための批判」だという前提では、改善は不可能です。是非~。
■批判的思考と対立:自分と組織を改善・刷新していく方法~TranscendやLearning Organizationより
http://afriqclass.exblog.jp/17323964

(そして、勿論写真はあくまでも一部を示しているに過ぎず、例えば「森林サバンナ」が何かイメージできるように貼っているもので、20年かけて北部4州を毎年2000キロは走ってるので色々掲載したいのですが、ちょとそこまでは出来ないので、あくまでも論旨に沿って数万枚から選んでいるということを予めお伝えしておきます。書くまでもないと思ったのですが・・・世の中には色々な人がいるもんなので・・・多様性は好きですが。)

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文字が切れていたので最後のスライドだけ。

「過去の失敗から学ばず、人びとのニーズから立ち上げずに、机や頭の中で勝手に練られた、このような援助事業。

日本でまさに繰り返され続けた。

3・11で私たちは学ばなかったのか?
「成功」「驕り」がこのようなことを生み出す。
「産業化」してしまった援助事業の。

もはや21世紀。
軍事政権時代のブラジル、80年代ではない。

アフリカも、また、変貌している。
声なき人達が声を上げ始めた。

もしかして、変わらないのは、
日本の我々自身なのかもしれない。

世界から取り残されるとしたら、争奪の闘いに参戦しなかったからではない。
私たち自身が、教訓から学ばず、驕り、自分の社会を、民衆のために変えようとしなかったから。」

最後の写真は気に入ったのでGRAINに頂きました。
そして道は続く・・・。
そこに暮らす人々中心の、下からの変革を諦めない。
そういう想いです。
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by africa_class | 2013-02-23 22:40 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

世銀トップの「ブッフェ・ランチ対話」withモザンビーク市民社会への抗議声明から考えるプロサバンナ問題

すごい声明がモザンビークの市民社会から届けられました。ADECRU(Academic Action for the Development of Rural Communities)という、農村出身の若者や学生・研究者によるアソシエーションだそうで、金曜日にあった世銀総裁らとの「市民社会との対話のためのブッフェ・ランチ@高級ホテル」に対しての声明です。
 本当に市民社会の声が聞きたいのであれば、何故「ホテルでブッフェランチ」なのか?世銀がモザンビーク社会にもたらした汚職、格差、コミュニティの破壊、権利の剥奪について話し合いたいと望む市民社会に、そのようなアプローチを取ることそのものが、彼らの姿勢を示しており、これを糾弾する…との指摘です。
 モザンビーク農民の権利を守りもせず、むしろ土地収用などを進める一助を行う世銀が、南アからの遺伝子組み換え食料を大量に並べたビュッフェで、市民社会と「話す」あるいは「対話した」アリバイを作るのを支える気はない・・・と述べている点は興味深いです。
 大多数の国民の生活は苦しいままなのに、天然ガスも炭鉱も、農業投資も、植林も、国民に恩恵をもたらしていないこと、より国のエリートの権力を強めていること・・・も指摘されています。これは、「資源の呪い」の指摘ですね。この「資源」には、単に石油などだけでなく、「土地・水・森林」が含まれたと考えた方がよいと思われます。

 モザンビーク市民社会がこういう強い言葉遣いをするのを見るのは本当に珍しく、次の点から、20年関わって来て、良くも悪くも「新しい時代」が到来している・・・ことが感じられます。
(1)社会内部の格差の広がりがここまで強く懸念されていて、その懸念が社会に広く共有されていること、
(2)権威主義化が進む同国で、あえてここまでの声明を出す危険をおかす覚悟の団体が出てきていること。

日本が、そのモザンビークで、ブラジルのアグリビジネスの参加と広大な土地収用を前提とした援助事業「プロサバンナ」を行っているのは、本当に問題外なんですが・・・。
■プロサバンナ事業の問題について初めての方は2月2日出た私の朝日新聞記事を
→http://afriqclass.exblog.jp/17253760/
■ブラジル日系議員によるプロサバンナ事業はブラジル人の広い土地収用の為だったの解説番組→http://afriqclass.exblog.jp/17331007

もちろん、そもそも「日伯連携によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発」というネーミングで構想されてきた「プロサバンナ」であり、2009年の世銀の「ギニアアフリカ熱帯サバンナへの農業投資促進」という政策と、これは連動しているプロジェクトなので、以上・以下の文脈に連なるものとして日本の援助「プロサバンナ事業」は現地市民社会に解釈されているのです。

「小農支援も盛り込んでいるからいい」というJICAさんの牧歌的な話は、そのように立ち上げられた事業であればよかったのですが、次の点から論外でしたね。
●設立経緯からも(日伯連携)
●枠組みからも(セラードの成功をアフリカへ&ブラジル人に土地をあげよう)
●グローバル文脈からも(アグリビジネスのアフリカ土地争奪とそれを支える世銀のスキーム)
●それへの各地での住民抗議・暴動からも、
●モザンビークの現在の急速な格差拡大への不満増大の面からも、
残念ながら安易だったというしかないですねーーー。だからやる前に反対したのに・・・。そうすれば、こんな大量の税金を反論工作のために投じる必要はなかったのですが。

我々のなけなしの税金が、こんな風にずさんで傲慢な事業立案によって、世界やアフリカ、現地で起こっている対立に参入するものになっていることに、20年にわたって同国・同地域に通ってきた一人の納税者としても市民としても悲しい思いでいっぱいです。特に、311後は。

JICAにききたいのは、こういう事業を、彼らが長年かかわってきたタンザニアの農村部でこんな風な手法で立案できたのか?ということです。

これまで一つも事業をしたことがなく、何の知識も理解もないモザンビークの北部に、いきなり140万ヘクタール、30万人の農民に「裨益する」と主張する事業を起こすもんなんでしょうか・・・。しかも、「ブラジル・セラードと似てるからセラードの経験をもってくる」。。。。といってブラジル・アグリビジネスをつれてくる。日本の納税者の支払う援助のスキーム内で。これを、すべて皆さんがよくご存知で関わっている「タンザニア」とか、あるいは「日本のどこかの地域」にあてはめた時、こんな乱暴な話はない・・・と思うのは私だけなんでしょうかねえ・・・。

■プロサバンナ事業について書いた引き出し
http://afriqclass.exblog.jp/i38

■明日来日するモザンビーク市民社会の声を聴いてみましょう(26日、27日、28日のイベント)
http://afriqclass.exblog.jp/17323412

なお、ここでも書かれていますが、「ビュフェランチを喜んで参加する市民社会組織」と「真面目に世銀批判を含め対話したい市民社会組織」の分断と操作を、世銀がこのようなやり方でやっていることへの異議申し立ては、プロサバンナ事業においてみられる「現地のクレジット(融資)を餌にした農民同士の分断」に相通じるものがあります。

外部者の我々がすべきことはそういうことでしょうか?
同国社会の不正や汚職、民主化のために闘っている権力なき人びとを、「事業の成功=自組織の評判の防衛」のために分断させることに、本当に税金を使いたいのでしょうか?
■この点については
→http://afriqclass.exblog.jp/17210917/

色々なことを考えさせられた声明文でした。
みなさんも、「もう始めちゃったのだから、少しぐらい役に立てばいいや」ではなく、その「少しぐらい」がいかに現地社会で大事なのか、一緒に考えましょう。ドナー諸国がもっている「パワー」に、あまりに無自覚にい過ぎると、私は思います。「善意」のつもりでも、権力関係がある以上、簡単に「暴力」に転じることを、いい加減学んだ方が良いと思います。JICAだけでなく、日本の市民も。

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Position of ADECRU on the Invitation of Meeting of Executive Directors of World Bank
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A group of nine Executive Directors of the World Bank-WB starts today, February 21, 2013, a working visit to Mozambique that extend until next day 24 this month. According to the invitation that the ADECRU received from this entity representation in Maputo, "During the visit the Executive Directors, which are part of the Board of Directors of World Bank also hold meetings at the highest level of Government and the Mozambican State, in the context of cooperation between Mozambican State and the World Bank Group".

In parallel, the World Bank invites civil society organizations to participate in a “buffet Lunch” meeting taking place tomorrow day 22 at hotel Indy Village with the Executive Directors of the World Bank. "This meeting" refers to the invitation of this body, “was expressly requested by the Executive Directors .... and your main aim is to listen to their own organizations their struggles, hopes, expectations in the context of the current development of the country". Interestingly, the visit of the Executive Directors of WB to Mozambique coincides with the launch and broad dissemination of alleged support for civil society organizations in the context of the new programme called Global Partnership for Social Accountability (GPSA). The program, managed by the World Bank, aims "to finance civic initiatives that promote the political participation of the citizens, to strengthen the policy and make Governments more attentive to the concerns of its citizens”.

Academic Action for the Development of Rural Communities-ADECRU, a prominent Mozambican Association of students and young people, mostly from the countryside, is recognized for his work in the struggle for democratic engagement and productive insertion of various community stakeholders on prioritizing, definition, implementation and evaluation of agenda of socio-political, economic and cultural of rural communities.

The ADECRU has been to monitor closely and with great concern the new front of attack on the sovereignty of Mozambique and attempted manipulation and use of Mozambican civil society organizations by World Bank, in favor of a hidden agenda that relies primarily on amendment of the legal framework-inherent management and legal access to land, mineral and energy resources. In another speech that advertises itself as always so disastrous and arrogant, the World Bank wants to use the participation of civil society in order to legitimize and support the imperialist overt agenda of some Western Governments, through multinational corporations, for ownership of wealth, depletion of natural resources, rights and dismantling the Mozambican people. It is proposed to have a dialogue without superfluous never discuss issues central structuring of development policy advocated by the Bank.

Thus, the ADECRU considers the invitation of World Bank for a "Lunch-buffet" of meeting with the Executive Directors of the World Bank, an insult to the intelligence not only civil society organizations but above all of the approximately 23 million Mozambique and Mozambicans. Condition and be bound by civil society organizations to present their problems, desires, dreams, challenges a lunch, is, at least, unacceptable and contravenes all forms of democratic expression and participation. Demonstrates the how the WB disrespects uncompromisingly agenda and the struggles of civil society organizations and people.

During the past two decades, the WB successive technical assistance loans granted to change the legal and regulatory frameworks in the fields of economy, agriculture, forestry, minerals, energy resources and natural, which made Mozambique one of the poorest Countries, unequal, asymmetric and corrupt in the world. 20 years later, the World Bank has been one of the main agents that enables the continuous capture of the Mozambican State and looting, political-economic elites-national military and by the big transnational companies of our important mineral wealth and hydrocarbons such as coal gas of Tete and Cabo Delgado.

Despite the public domain of such a dangerous agenda of rot, the distinguished Executive Directors of World Bank still insist on calling us to discuss the resettlement of thousands of Mozambicans by the mining, agribusiness projects, dams and not only, subject to inhumane conditions and intimidation, taking a red wine; Ask us what we speak of corruption entrenched at all levels of Government and of the commissions received by the ruling elite by virtue of concessions of vast reserves of miners, delighting a dish full of goodies and colorful vegetables, when thousands of Mozambicans live on cassava and water; Ask us that we speak of the expropriation of land from peasants by forestry projects, agribusiness and minerals in Niassa, Tete and Cabo Delgado, by multinationals, financed by himself, producers of commodities to foreign markets in detriment of food production relegating thousands of peasants to hunger and misery, in a round table full of food and transgenic fruit (genetically modified organisms) from the neighboring South Africa.

The ADECRU believes that only the strength of a single thought and the imperialist mentality and slave that are carriers and messengers dear distinguished Executive Directors of World Bank, which "expresses itself in violent and inhuman neoliberal ideology" by some powers that for several centuries they control the world, subjugating billions of people, you can move and making you act continuously along these lines.

Since then, illustrious Lords know WB Executive Directors and notify your representative, that ADECRU refuses, radically and on behalf of the dignity and sovereignty of the people, to benefit from financing of the WB and participate in supposed "Lunch-buffet" of the meeting. Reiterates also its commitment and dedication in defense and fight for the rights and interests of rural communities, in favor of building a fairer society and sovereign, strongly denouncing imperialist and colonialist agendas with institutions such as the WB.

Another yes, the ADECRU considers that the institution WB and other agents and global imperialistic instances such as: International Finance Corporation partner of Moatize mine Valley-Tete, International Monetary Fund, the World Trade Organization should therefore be broad and radically denounced and repudiated by all persons and organizations, by represent a serious threat to the genuine efforts of our young democracy and usurping the sovereignty of the people. We demand that the distinguished members of the World Bank's Executive Directors to leave aside the arrogance and haughtiness which is characteristic, and submit at least one ballot and will of the people of Mozambique and the world in the classroom of a school, University or even in an open field, with an agenda of civil society organizations, rural communities, of oppressed peoples and impoverished by your outdated and obsolete policies rather than a pseudo "Lunch-buffet".

We require that we speak of total lack of accountability and transparency of investment projects/programmes of the World Bank; speak of your role and influence and responsibility in failed policies for the agricultural sector, particularly in the cashew industry for you bankrupt with impunity; the pressure on the Government to change the law and other legal instruments of protection of the rights of rural communities.

But we do want and we demand that there be a real and genuine Global partnership, including social movements and civil society organizations and all peoples of the world by an exemplary Social and criminal Accountability of the World Bank and all their cronies.

Maputo, February 21, 2013

ADECRU
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by africa_class | 2013-02-23 10:48 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

3月5日17時~@外務省「第二回 #プロサバンナに関する外務省との意見交換会」案内・申込み詳細

皆さま、以下参加呼びかけがきました。
3月3日(日)中に締切が延長されています。急ぎお申込みを。
大学生でも参加可能です。

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NGO外務省定期協議会
ODA政策協議会NGO側事務局
ODA改革ネットワーク

第2回ProSAVANA事業に関する外務省との意見交換会
NGO側当日参加者募集
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さて、3月5日(火)にProSAVANA事業(日伯モ・三角協力によるモザンビーク熱帯サバンナ農業開発)に関する外務省との第2回目の意見交換会を開催いたしますので、当日参加者を募集いたします。

これは、2012年度第2回ODA政策協議会(12月14日開催)で、同事業について関心を寄せるNGOが多 かったこと、論点が多岐にわたる大きな事業にも関わらず議論する時間が限られていたこと、公開されている情報が不足していたため議論を十分に深めることができなかったことなどを受けて、引き続き継続的に外務省と議論されているものです。

引き続き皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
ご参加ご希望の方は、下記参加希望フォーマットに従いお申し込み下さ

 ●第2回ProSAVANA事業に関する意見交換会●
 日時:3月5日(火) 17:00~18:30
 集合時間:16時45分 外務省東口玄関待合室(時間厳守)
 会場:外務本省内会議室
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/address/index.html

*注1:http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/activities/index.html

・メールタイトル「ProSAVANA事業に関する意見交換会の申込」
・申込締切り:【3月3日(日)まで】≪厳守≫ 
・申込先:NGO側事務局  oda.advocacy<@>gmail.com
 *円滑な事前準備にご協力お願いします。
  締切後は参加者リストにお名前・団体名を掲載できません。
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by africa_class | 2013-02-22 11:26 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

ニシモリ議員が「伯国失業若者の土地のためにプロサバンナはある」とTV番組で発言(必見)

週末が始まろうという金曜日の夜、プロサバンナ事業の英語の公式資料を探していて迷子になり、プロサバンナ関連の英語資料が一気にみれるサイトを発見!と思ったら私の論文もここだった…。お恥ずかしや~。

■プロサバンナ関連の英語等の資料があるサイト
http://farmlandgrab.org/cat/show/13
■日本語が欲しい人、私のブログでの引き出しはここ
http://afriqclass.exblog.jp/i38

そして、ざっと見てて・・・・な~んだ。
モザンビーク政府情報局AIMが去年末に報道し、あちこちに流れた「パシェコ農業大臣はプロサバンナでモザンビーク農民の土地を奪わないと宣言」という記事に写ってるのは・・・・我らが「JICAの本郷さん」ではないですか!つまり、JICAさんと本郷さんが「そのように話す機会を創出」したのですね~。なるほど。外務省との定期協議会後現地に飛ばれて、やられてたのコレだったのですね~。
■http://farmlandgrab.org/post/view/21464
なんというのか・・・まあ、それが仕事なんでしょうが。お疲れ様です。

この記事「農業大臣、農民から土地奪わず」の記事にあわせて考察を書いたのですが、JICAとの面談による話となれば微妙に無駄な考察だったかも。まあご笑覧下さい。
http://afriqclass.exblog.jp/17075929/

でも、考察に書いたように、モザンビーク大臣が、
モザンビークの農業生産の9割を小農が生産している
プロサバンナはセラードの「レプリカ」である
と述べているのはJICAや外務省の主張とまるで違うので重要なポイントかと。

なぜなら、外務省とJICAは、これまでこう繰り返しているからです。
モザンビーク北部で農民は飢えて貧困で伝統的で粗放農業しか知らず生産性が低く土地を余らせてる(*その内②と同様にこの言説も否定し始めるのでしょうが・・・現実とあまりに違うので)、
②セラードとモザンビーク北部とは違い、移植するわけでない(*2010年以前は繰り返し「セラードとモザンビーク北部は同じ」と宣伝されていたのですが、ようやく違いの大きさに気づき修正中。でもその変更を未だ認めない。資料には書かれており、証拠が残っているのにねえ…ため息。)

ちょっと驚いて目が覚めてしまった私の、さらに目を覚ましたのはこのブラジルのテレビ番組でした。何気なく観て、あまりにJICAや外務省の言っていることと真逆の(いや、あえて言わないようにしてる?)ため、本当に目が覚めてしまった。

特に、これまでの定期協議会等でのやり取りを目撃した人は、腰を抜かすんじゃないかな・・・。私が以下の英語論文で書いたとおり、プロサバンナに関わるブラジル側の意図は「土地」でした。論文の結論が間違っていないことを自分の目で確認できて、いささか安堵。
■"Analysis of the discourse and background of the ProSAVANA programme in Mozambique – focusing on Japan’s role"
→http://farmlandgrab.org/post/view/21574

では、ご視聴あれ~。と書いて、実はポルトガルなので、日本語に訳してもらいました。すごく早くて完璧な訳。感謝!でも、テキストにするとかなりさらに凄い内容です。

ポイントは、調印から3年も経過しての2012年6月時点の放送、かつモザンビーク北部を訪問(ブラジルアグリビジネス関係者20名と共に)した後の番組なのに、
(1)プロサバンナはモザンビーク北部の小農支援のため等とは一言も言ってない。(外務省・JICAの主張と異なる)
(2)セラードで行った大規模な近代農業、プランテーション経営をモデルに、 アグリビジネス中心の「サバンナの開拓」と明言。(外務省・JICAは沈黙するポイント)
(3)ブラジルでは土地が不足し広い土地での営農ができず失業しているという若者が広大な農地で近代農業をするための就農対策と明言(これも外務省・JICAは「land grabbing(土地収奪)」ではないと主張)


これ・・・あまりに、現在のJICAや外務省の説明と異なることばかりなんですが・・・。
といっても、そもそも2009年からのJICAや報道資料を丹念に追えば、以上のニシモリ議員のプロサバンナ事業の目的の整理は、「異様」ではなく「妥当」に聞こえます。

つまり、当初大体こういう路線(セラードとよく似たモザンビーク北部にブラジル式大規模開拓&機械を入れた近代農業にブラジル大農<アグリビジネス>が参与)でJICAや日本政府の資料は書かれています。これらの資料に基づいて私の論文も書かれているのです(推測ではなく、歴史資料研究から)。しかし、land grabbingへの高まる批判に対応するため、急速に日本サイドの言説や主張は変わっていきました。しかし、ブラジルサイドは抑えることができなかった・・・のでしょうね。

でも、きっとこう書いたら、近々JICAの誰かがブラジルに飛んで、「ブラジルはプロサバンナで小農の土地は奪わない!」という番組や報道が作られることになるんでしょう。

しかし、そもそもこういうこと全てに(単に口裏合わせだけでなく、ブラジル若者の営農者の失業対策も含め)、日本の税金が使われるのってどうなんでしょう。311後の日本においてそんな余裕はないはずでは?東北で寒さに凍える仮設住宅の皆さんのことを思って、金曜日は情けなくなって眠れなくなりました。ほんとうに。こういう感覚って、私だけなんでしょうか。

では素晴らしい全訳ご一読ください。
一か所も修正要らずの正確な訳。
ボランティアでやってくれたのにプロフェッショナル。
こうありたいですね。
(あ、ポルトガル語の学生は番組を観ながらこの訳で確かめるとヒアリングの練習に?)

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■TV番組:プロサバンナ推進日系ブラジル人議員のモザンビーク北部訪問報告
http://farmlandgrab.org/post/view/21652

TV CAMARA Palavraberta 2012年6月27日放送
聞き手:Amneres Santiago
ゲスト:ルイス・ニシモリ(Luiz Nishimori)下院議員・社会民主党 (Partido da Social Democracia Brasileira: PSDB-PR, Paraná)パラナ州選出

聞き手:みなさん、こんにちは。みなさんはアフリカにおける農業開発の促進するためのプロジェクト、ブラジル・日本・モザンビークによる共同事業プロサバンナをご存知でしょうか。これは下院の農業委員会に支持され、2010年に調印されたものです。本日はこの話題についてお話しいただくため、社会民主党パラナ州選出のルイス・ニシモリ下院議員をお招きしました。ニシモリ議員は下院における多様な国際的な議題に精通しています。(ニシモリ氏に向かって)ようこそおいでくださいました。このお仕事について、このプロジェクトがどのように具体化されてきたのか、簡単にご説明いただけますか。

ニシモリ議員:数年前になりますが2010年にブラジル・日本・モザンビーク3カ国によって社会経済な課題、特にモザンビークにおけるアグリビジネスの発展のために国際的な合意がなされました。なぜモザンビークなのか。まずなによりモザンビークの公用語はポルトガル語です。つまりブラジル人にとっての(言語的な)障壁はありません。そして我々ブラジル人は卓越したノウ・ハウを持っています。ブラジルのセラード開発の経験と技術をアフリカのサバンナに移植することができるのです。

聞き手:セラードとサバンナの植生には類似点がありますか?カアチンガ(Caatinga) もこの地域に入りますか?

ニシモリ議員:まさにそのとおりです。セラードの土壌はアフリカのサバンナと似ています。気候も含めて似ています。あちらでは6か月間の雨季があり、同じく6ヶ月間の乾季があり、ここのセラードと同様です。ブラジリアでもそれ(雨季と乾季のサイクル)がありますね。これは大豆、綿花、トウモロコシといった穀物のプランテーション栽培を容易にします。ですから、この合意はなによりもブラジルのセラードの経験をアフリカのサバンナに移植するために形成されたのです。私はこの4月に20人ブラジル人農場経営者、アグリビジネス企業家からなる視察団を率いて、プロジェクトがどのように進行しているのか、そしてアフリカのサバンナの状態を確認するために、(モザンビークに)行ってきました。そして実際にこのプロジェクトが世界の食料を生産する大きな潜在的可能性があることを、世界の食料増産の可能性を確信いたしました。アフリカ大陸も食料が不足しています。

聞き手:なるほど。目下のところ、このプロジェクトはモザンビークで展開しています。モザンビークの中西部から北部かけて回廊(開発)がありますが、この回廊(開発)に関して、あなた方が進めているのは、農業生産、世界の食料生産のためのある種の試験場のようなものを提供するということなのでしょうか?特に日本はこのストーリーにどうかかわっているのでしょうか?さらにブラジルはこの経験から何を得るのでしょうか?

ニシモリ議員:なぜ日本政府なのかという点ですが、日本政府はブラジルのセラード開発に最も多くの投資を行った国です。その日本がアフリカのサバンナの開拓に今一度、援助を行うというものです。日本政府の関心という点では、もちろん日本企業も参入するでしょう。 

聞き手:それは技術面においてということですか?

ニシモリ議員:そのとおりです。そこから食料を購入することもあるでしょうし、また、そこから直接購入をしなくとも、日本は食料輸入国です。彼らは食料の購入を必要とします。世界的に食料の増産がなされれば、その価格は下落し、それは日本にとって利益になります。そこで日本政府は穀物生産の拠点となるナカラ回廊の650kmの道路の舗装工事とナカラ港湾のリハビリを請け負っています。ブラジル政府はナカラ港湾の近隣にナカラ国際空港を建設することで支援しています。この地域では(ブラジルの総合資源開発企業)ヴァーレ・ド・リオ・ドーセ(Vale do Rio Doce)なども石炭や鉄鋼といった鉱物資源の採掘を行っています。そこに今度は我々のブラジル人農業労働者を連れていくわけです。ブラジルにおいて農業を行いたくとも土地が不足している若い人たちです

聞き手:つまり若いブラジル人農業労働者たちのために、そこへ行って働くという機会を提供するということですか?

ニシモリ議員:そうです。熱意がある若い人々が技術的で、大規模な、そして近代的な農業を行うことを切望しています。おそらくそれはモザンビークを変革することができる、アフリカのサバンナを開拓できるわけです。これは前向きな挑戦です。(ブラジルでは)多くの農業専門家が育成されていますが、無職の状態にあります。そういった人々が挑戦できるでしょう。特にブラジル南部の土地の不足した地域で4ヘクタール、5ヘクタールといった規模で農業を営みながらも、近代的で大規模な農業を行いたいと思っている若い営農家にとっては多くの機会を提供することになるでしょう

聞き手:ニシモリ議員はこれまでにもこうした国際的な議題について積極的に取り組んでいらっしゃいました。ニシモリ議員が(ブラジルの国会にあたる)国民会議に入られてから現在に至るまでの活動を少しお話いただけますか。

ニシモリ議員:この公的な(政治)人生を歩み始めて以来、私は我々の経済環境を日本や中国といったアジアの国々との関係において認識し、大きな成果を出してきました。その経験は10年以上におよび、今年、我々は日本に経済使節団を送って39周年になります。なぜ39周年なのか。来年は40周年となります。多くの人々の記憶にあるでしょう、連邦議会の重鎮であった今は亡きアントニオ・ウエノ議員、彼がこの経済使節団を始めました。そしてアントニオ議員の生前、我々は協力して経済使節団を結成し、そしてブラジル人起業家を日本市場に引き合わせてきました。私は常にブラジル人の良きパートナーは日本人であると言い続けてきました。そしてブラジル人は日本人にとっても良きパートナーであると。なぜならば、我々の側、ブラジルには豊富な天然資源、一次産品がある。そして日本は高度な技術があることは言うまでもなく、日本には海外に投資を行う意志のある中小企業が多く存在します。そこで私は(日本の)中小企業・産業のある都市部で座談会を開き、それらの産業がこの成長著しい国ブラジルに投資する 機会を提供しているわけです。特に開発・技術の分野への投資という点でブラジルは多くの利点を提供できるでしょう。私はこの経済使節団が非常に有意義な事例であると自負しております。

聞き手:本日はご出演いただきましてありがとうございました。
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最後まで読んだみなさんは、不思議ーな気持ちでいらっしゃることでしょう。
これと真逆のことを述べた12月のNGO外務省定期協議会の議事録は、まだ公開されていません。理由は、議事録だというのに、私の発言箇所に、外務省が何故か赤字で全部否定・修正を入れていたからです。勿論、私の問題ではないので、私は対応しておらず(公的な会議の公的な議事録の他者の発言に勝手に赤を入れるとは、レベルが低すぎる・・・ので。)、より上のレベルでやり取りがされていますが、一体全体この国のガバナンスと民主主義はどうなっているんでしょうか・・・暗い気持ちになります。

何度も書きますが、批判に感謝してカイゼンに役立ててこそ、発展や前進があるのではないかなあ?批判を封じ込めたり、なかったことにしたり、抑圧や弾圧をすることは、組織や社会を腐らせるとともに、退行を進めるだけです。そのことによって、腐った社会に苦しむのは、結局のところ私たち一人一人なのです。・・・が、エリートたちは、社会に生きてないので、痛くもかゆくもないのかもしれませんね。それはそれで可哀想。

すでに世界から見放されつつある日本ですが、世界の最前線で頑張る機関こそ、他者の批判をバネにしてカイゼンできる機関であってほしいものです。組織としては無理でも、中にいる問題意識のある皆さん、特に若者の皆さん、苦しいことも沢山あると思いますが、共にがんばりましょう!

批判的思考と対立の意義について以下にまとめました。

■批判的思考と対立:自分と組織を改善・刷新していく方法~TranscendやLearning Organizationより
http://afriqclass.exblog.jp/17323964

なお、このような南南・三角協力にみられる問題については、あわせてご一読を。
■三角協力/南南協力の罠1
http://afriqclass.exblog.jp/17265850
■三角/南南協力の罠2~世界の議論(没政治性問題について)
http://afriqclass.exblog.jp/17274194/
■三角/南南協力の罠3モザンビーク住民に暴動されるブラジル企業進出と日本援助(ナカラ回廊PJ)の関わり
http://afriqclass.exblog.jp/17274648
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by africa_class | 2013-02-17 22:51 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【全イベント】モザンビーク農民組織セミナー&記者会見@北大26日、議員会館27日、東大28日(資料付)

学年度末のこの時期、国立大学教員は本当に死にそうに忙しい…。
そんな最中ではありますが、昨日モザンビークからお越しの市民社会代表3名が無事ビザ申請を行い、後は朗報を待つのみ。

そして嬉しいことに、北海道でも彼らを招いたイベントを地元の農民グループの皆さんが準備してくださいました。TPPの問題と今回のモザンビークでの農業開発援助問題は、根底の部分でリンクしているというのが彼らの問題意識です。都市住民に偏った意見交換ではなく、日本の農民の皆さんとの意見交換…すごく意味があると思います。北海道の皆さん、ありがとうございます!

そこで、このブログでは一挙かれらのイベントを整理しておきます。
(東京のイベントは申込み制で、未だ空きはあるのでお早目に)

また、今回来日される農民組織UNACの代表アウグストさんは「50歳代の農民」!
2200の農民協会・組合と8万を超える個人会員から選出された方です。一緒に来日したかった副代表は女性の方なのですが、今回ご都合があわずでした。次回お楽しみに!

「当事者の声を聴く」
こんな重要なことはないと思います。

誰でも参加可能。政府関係者の皆さんも是非参加して耳を傾けてほしいです。特に、オープンセミナーは対象地域のモザンビーク北部地域に関するもの。是非、政府関係者や援助関係者に来ていただき、聴いてほしいです。

外務省あるいはJICAのオープンセミナー@東大でのご登壇は、NGO・外務省定期協議会の枠で依頼がなされましたが、残念ながらパネリストとしてのご登壇はお断りになりました。でも、登壇はしないとしても、モザンビーク農民の声に耳を傾け、農村で何が起きているか知り、また彼らがどうしてこういう主張をしているのか学びぶことは、非常に重要です。唯個人として聴いているだけでもいいので、是非ご参加いただければと思います。勿論、あてたりしませんので(!)。

(拡散歓迎)
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緊急来日! アフリカ・モザンビークから
最大農民組織UNAC代表2名と環境NGO1名 
■【北海道:セミナー】2月26日(火)10時~12時
@北海道大学農学部3階S 31教室
■【東京:議員会館学習会&記者会見】2月27日(水)
 11時~12時半@参議院議員会館B104
■【東京:オープン・セミナー】2月28日(木)18時~20時
@東京大学(駒場)18号館ホール

===================================
今年6月横浜市で「第5回アフリカ開発会議(TICAD V)」が開かれます。同会議は、1993年の第一回開催以来、日本の対アフリカ関係の大方針を決める上で重要な役割を果たしてきました。一方、昨今は中国、韓国、インドなど、アジアの新興ドナーも「アフリカ・サミット」を開催するようになり、TICADは新たな存在意義の模索を迫られています。

近年、アフリカ開発において最も大きな注目を集める課題の一つに、「農業投資」と「土地争奪」の問題があります。2007-08年の世界的な食料価格高騰をきっかけに再び課題に転じたアフリカの食料問題。この対応策として、アフリカ農業への国際的な投資・支援の必要性が叫ばれていますが、対アフリカ「農業投資」の中には、外国への食料調達を目的に、現地農民から土地を収用するものが含まれており、生計手段を奪われた農民による大きな抗議行動が各地で発生、政情不安の引き金になっています。

日本政府も、ブラジルとの協力のもと、2009年より政府開発援助(ODA)でモザンビークに対する大規模な農業開発支援(プロサバンナ事業*注1)を進めていますが、現地の農民組織やNGOが、当事者への十分な説明がないまま計画が進められていることに強い懸念を表明しています(*注2・注3)。

急激なグローバル化と大規模ODAプロジェクトに直面するアフリカ小規模農民の組織の代表をモザンビークからお招きし、今アフリカで何が起きているのか、小農はどのように暮らし何を求めているのか、日本の我々はどのように関わるべきなのかについて、皆さんと一緒に考えたいと思います。

【北海道】北海道大学でのセミナー
「北海道の農民と共に考えるグローバル農業投資、土地争奪と日本の援助~モザンビーク最大の農民組織は何故抗議声明を出したのか?」

http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-5.html
○日時:2月26日(火)10時~12時(*質問 11時半~12時)
○場所:北海道大学農学部3階S 31教室 (札幌市北区北9条西9丁目)
http://www.agr.hokudai.ac.jp/info/access.html
○モデレーター:高橋一(酪農学園大学 教授)
報告者:
・アウグスト・マフィゴ(モザンビーク全国農民組織UNAC 代表)
・ヴィセンテ・アドリアーノ(同上UNAC アドボカシーオフィサー)
○主催:TPPを考える市民の会 
http://jikyuunet.m38.coreserver.jp/wordpress/?p=70
○協力:モザンビーク開発を考える市民の会 
○参加:申込み予約不要・直接お越しください。
○使用言語:英語&日本語での逐次通訳あり
○お問い合わせ:モザンビーク開発を考える市民の会
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
mozambiquekaihatsu<@>gmail.com
  

【東京】議員会館学習会&記者会見
「アフリカの課題に応えるTICAD V(アフリカ開発会議)の実現に向けて~食料安全保障問題と『農業投資』が引き起こす土地紛争」

http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20130227.html
○日時:2月27日(水)11時~12時 (*記者会見12時~12時半)
○場所:参議院議員会館B104 
○主催:(特活)アフリカ日本協議会(AJF)、日本国際ボランティアセンター(JVC)、(特活)オックスファム・ジャパン  
○協力:モザンビーク開発を考える市民の会
○参加申し込み:(特活)アフリカ日本協議会 
電話 03-3834-6902/e-mail info<@>ajf.gr.jp 
右記について、2月25日正午までにお知らせください。
1)お名前、2)ご連絡先、3)ご所属
○式次第:
・司会&趣旨説明「TICA Vに向けて」
 津山直子(アフリカ日本協議会理事/「動く動かす」代表)
・報告1「世界的な農業投資と国際規範」
 森下麻衣子(オックスファムジャパン アドボカシーオフィサー)
・報告2「農業投資と日本の援助~プロサバンナ事業」
 吉田昌夫(元アフリカ日本協議会代表/元中部大学教授)
・報告3「なぜモザンビーク最大の農民連盟はプロサバンナ事業に声明を出したのか?」
 アウグスト・マフィゴ(UNAC代表)
 ヴィセンテ・アドリアーノ(UNACアドボカシー&連携オフィサー)
・質疑&まとめ
○記者会見補足:モザンビーク環境NGO・JAのレネ・マショコが森林伐採問題に絡めてプロサバンナ問題を話します。


【東京】オープン・セミナー【日本アフリカ学会関東支部例会】【HSPセミナー】
「モザンビーク北部における農業と食料安全保障~モザンビーク農民組織代表をお招きして」

http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20130228.html
○日時:2月28日(木)18時~20時@東京大学(駒場)
○場所:東京大学(駒場キャンパス)18号館一階ホール
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_17_j.html
京王井の頭線駒場東大前下車徒歩4分
○共催:日本アフリカ学会関東支部(例会)、東京大学「人間の安全保障」プログラム、(特活)アフリカ日本協議会(AJF)、(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)、(特活)オックスファム・ジャパン、No to Land Grab, Japan!
○協力:モザンビーク開発を考える市民の会
○定員:100名(事前申し込み必要・先着順) 
以下の申し込みフォームに必要事項を記入してください。
https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?fromEmail=true&formkey=dDZOUHNKNk9ScXZKbWVZQjVGdGlDakE6MQ
○使用言語:日本語(ゲストは英語、会場用に日本語で逐次通訳)
○お問い合わせ先:(特活)アフリカ日本協議会
○式次第
(1)趣旨説明 座長:西川芳昭さん(コミュニティコミュニケーション・サポートセンター テクニカルアドバイザー/名古屋大学教授)
(2)報告1「モザンビーク北部における農業と食料安全保障~小農の視点から」
・アウグスト・マフィゴ(代表/全国農民連盟(UNAC)
・ヴィセンテ・アドリアーノ(アドボカシー&連携担当/UNAC)
(3)報告2「モザンビーク北部農村における森林伐採と土地、食料~環境の視点から」
・レネ・マシェコ(森林問題担当 /環境団体・Justica Ambiental)
(4)コメント(各10分):
・吉田昌夫さん((特活)アフリカ日本協議会食料安全保障研究会/元中部大学・日本福祉大学教授/日本アフリカ学会会員)
(5)質疑応答&オープンディスカッション&ラップアップ(45分)

■補足
(注1)プロサバンナ事業
JICAが2009年より実施する「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム」の通称。http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/activities/index.html
(注2)UNAC(全国農民連盟)モザンビーク最大の農民組織による声明
1987年に設立された小農を代表し、その権利を守るための農民組織(http://www.unac.org.mz/)。86,000名以上の個人会員、2,200の協会および共同組合、83つの郡レベルの連盟、州レベルでは7つの連盟と4つの支部を擁す。2012年10月11日に、上記プロサバンナ事業に対する声明を発表。 
【日本語】http://farmlandgrab.org/post/view/21204
(下記全文ご紹介)
(注3)モザンビーク環境団体 Justica Ambiental(JA)による声明
モザンビーク人自身による主体的な環境保護団体として、同国内の様々な環境問題に取り組み、世界的に高く評価されてきた。特に、「ダム問題」「違法伐採問題」では、身の危険を顧みず重要な役割を果たす。違法伐採問題については、日本のテレビ番組にも協力。JICAの招聘で2007年に来日し、TICAD IVに向けた提言を行う。同団体によるプロサバンナ事業に関する声明。(Moreに全文掲載)
http://landgrab-japan.blogspot.jp/2013/01/justica-ambientalfoe.html

■参考資料
1.朝日新聞:2013年2月2日朝刊
「私の視点」「モザンビーク開発 住民軽視の進め方、見直せ」

http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201302010544.html
2.ブラジル大手雑誌de Fato誌2012年11月29日記事
「ブラジルのアグリビジネスがアフリカを侵略」

【原文・ポルトガル語】http://www.brasildefato.com.br/node/11330
【日本語訳】http://landgrab-japan.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html
3. モザンビーク情報誌MOZAMBIQUE News reports & clippings 
209/210 December 2012
【英語】
http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/pics/d137382.pdf
http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/pics/d137380.pdf
【日本語解説】 http://afriqclass.exblog.jp/17017188/

■プロサバンナ事業に関するモザンビーク市民社会の声明2つ
1. União Nacional de Camponeses (UNAC)
「プロサバンナ事業に関する声明」
我々、モザンビークの全国農民連盟(UNAC)に加盟するナンプーラ州農民支部、ザンベジア州農民支部、ニアサ州農民連盟、カーボデルガード州農民連盟の農民は、2012年10月11日にナンプーラ市に集まり、プロサバンナ・プロジェクトに関する議論と分析を行った。
(続きはMoreで)

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by africa_class | 2013-02-16 12:46 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

オープンセミナー@東大2月28日18時~:農民組織をお迎えして~モザンビーク北部における農業と食料安全保障

こちらも詳細決定です。拡散ご協力を。
なお、本セミナーも、市民の皆さまの温かいご寄付によって、モザンビーク農民組織と市民社会代表を日本に招へいすることが実現したことを、心から感謝申し上げます。
詳細→http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/
「モザンビーク開発を考える市民の会」

前日27日水11時~12時は「議員会館学習会」です。28日夜がご都合悪い方はそちらにどうぞ(要申込み)。
「モザンビーク農民組織・市民社会代表を迎えて~アフリカの課題に応えるTICAD Vの実現に向けて~
食料安全保障問題と『農業投資』が引き起こす土地紛争」
http://afriqclass.exblog.jp/17283800/

私はいずれのイベントも通訳で参加します。

【転送歓迎】
==================================
2月28日18時~ オープン・セミナーin東京大学
【日本アフリカ学会関東支部例会】【HSPセミナー】
モザンビーク北部における農業と食料安全保障
~モザンビーク農民組織代表をお招きして

==================================
■最近日本でも、モザンビーク北部が注目される機会が増えてきました。同地域は、気候・水・土地に恵まれ、モザンビークにおける農業の中心地であり、同国の食料・輸出産品の生産地として重要な役割を果たし、戦後復興にも大きく貢献してきました。そして現在、外国企業による投資だけでなく、ドナーによる援助対象地としても急速に脚光を浴びています。
 しかし、モザンビーク北部の農業の担い手の圧倒的多数は、長年にわたり地域に暮らす小規模農民です。これらの小農の多くは、家族のため多種多様な日々の食料を生産しながら、余剰を市場に売り出すなどして生計を立てています。最近は、気候変動による小雨や洪水、グローバル化に伴う農業投資の流入など、様々な課題に直面しつつあります。
 このように注目を集めるモザンビーク北部ですが、これまで日本には、同地域での農業・農村開発支援の実績はほとんどなく、かつ研究蓄積も不十分でした。そのため、今回モザンビーク最大かつ老舗の農民組織であり、全国2,200の農民協会・組合の連合組織・UNAC(全国農民組織)の代表者らをお迎えし、モザンビー
ク北部を取り巻く環境の変化とこれら小農の農的営みについてお話しして頂きます。
 また、同国で多様な環境問題に取り組み、国内外でその活動が高く評価されるJA(Justica Ambiental)から、環境と女性/ジェンダーの視点に基づく報告も行われます。
 コメンテイターは、長年アフリカ農村地域での調査や研究に携わってきた吉田昌夫さんです。
 本オープン・セミナーは、モザンビークやアフリカ、農民主権、食料問題などに関心を寄せる研究者やNGO、実際に事業等に取り組む政府関係者や実務者、そして一般市民や学生を対象としています。お誘いあわせの上ご参加ください。
 なお、申込みが必要となっております。下記の通り25日までにお申し込みの上、ご来場ください。

■日時:2013年2月28日(木)18時~20時
■場所:東京大学駒場キャンパス 18号館一階ホール
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_17_j.html
京王井の頭線 駒場東大前下車徒歩3分
■共催:日本アフリカ学会関東支部(例会)、東京大学「人間の安全保障」プログラム、(特活)アフリカ日本協議会(AJF)、(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)、(特活)オックスファム・ジャパン、No to Land Grab, Japan!
■協力:モザンビーク開発を考える市民の会
■定員:100名(事前申し込み必要)
 以下の申し込みフォームに必要事項を記入してください。
 定員に達した段階で申し込みを締め切ります。
https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?fromEmail=true&formkey=dDZOUHNKNk9ScXZKbWVZQjVGdGlDakE6MQ
■使用言語:日本語(ゲストは英語でスピーチし、会場用に日本語で逐次通訳)
■式次第
(1)趣旨説明(5分)(座長:西川芳昭さん(コミュニティコミュニケーション・サポートセンター テクニカルアドバイザー/名古屋大学教授)
(2)報告1(30分):「モザンビーク北部における農業と食料安全保障~小農の視点から」
・アウグスト・マフィゴ(代表/全国農民連盟(UNAC)
・ヴィセンテ・アドリアーノ(アドボカシー&連携担当/全国農民連盟UNAC)
(3)報告2(20分):「モザンビーク北部農村における食料安全保障~女性/ジェンダー、環境の視点から」
・シルヴィア・ドロレス(Justica Ambiental)
(4)コメント(各10分):
・吉田昌夫さん((特活)アフリカ日本協議会食料安全保障研究会/元中部大学・日本福祉大学教授/日本アフリカ学会会員)
・日本政府関係者(調整中)
(5)質疑応答&オープンディスカッション&ラップアップ(45分)
■本件へのお問い合わせ:(特活)アフリカ日本協議会
電話 03-3834-6902/e-mail info@ajf.gr.jp

■UNAC(全国農民連盟) http://www.unac.org.mz/
1987年に設立された小農を代表し、その権利を守るためにできた農民組織です。86,000名以上の個人会員、2,200の協会および共同組合、83つの郡レベルの連盟、州レベルでは7つの連盟と4つの支部を擁しています。UNACは、2012年10月11日には、モザンビーク北部地域を対象とした「日本・ブラジル・モザンビーク三
角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム(略称プロサバンナ)」に対する声明を発表しています。【ポルトガル語】http://www.unac.org.mz/index.php
/7-blog/39-pronunciamento-da-unac-sobre-o-programa-prosavana
【日本語】http://farmlandgrab.org/post/view/21204

■Justica Ambiental(JA)
モザンビーク人自身による主体的な環境保護団体として、同国内の様々な環境問題に取り組み、世界的に高く評価されている団体です。特に、「ダム問題」「違法伐採問題」では、身の危険を顧みず重要な役割を果たしてきました。違法伐採問題については、日本のTBSのNEWS23での特集番組に協力しています。「変貌の
モザンビーク~昇龍開発」http://www.tbs.co.jp/houtama/last/071118.html
また、JAは、JICA事業「アフリカ・アジアNGOネットワーキング事業」のため2007年に来日しています→http://www.jica.go.jp/press/archives/jica/2007/071015.html
また、同団体もプロサバンナ事業について声明を発表しています。
【日本語版】http://landgrab-japan.blogspot.jp/2013/01/justica-
ambientalfoe.html

■土地問題
両団体は土地問題にも取り組んでおり、成果の一つとして以下の報告書を発表しています。
Justica Ambiental & UNAC. (2011). Lords of the land - preliminary
analysis of the phenomenon of landgrabbing in Mozambique. Maputo,
Mozambique.
→http://www.open.ac.uk/technology/mozambique/pics/d131619.pdf

■プロサバンナ事業
JICAが2009年より実施する「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム」の通称。
http://www.jica.go.jp/project/mozambique/001/activities/index.html

※ 来日するモザンビーク全国農民連盟(UNAC)の声明、モザンビーク研究者の舩田クラーセンさやかさんの朝日新聞「私の視点」はじめ、関連資料を以下のページで読むことができます。
 http://www.arsvi.com/i/2prosavana.htm
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by africa_class | 2013-02-08 16:05 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

プロサバンナに関する英語論文への世界からの反響

昨日は福島の子どもたちの問題。前日はカフェモサンビコ、そしてプロサバンナ・・・目まぐるしい皆さん、申し訳ないです。根っこはすべて同じ問題。そこに暮らす人びとの「主権」「尊厳」の問題です。
 さて、英語論文がウェブサイトに掲載されてから、世界中から反響が凄くて驚いています。
(3つ追加しました。2月13日現在 *どんどん増えてるのですがたす暇がなく・・・)

■英語論文掲載場所
"Analysis of the discourse and background of the ProSAVANA programme in Mozambique – focusing on Japan’s role"
→http://farmlandgrab.org/post/view/21574

 以前から知っている研究者やNGOの方々の反応はよく知っていたのですが、知らない人たちからのメッセージには驚いています。みんなわざわざペーパーの著者に連絡取って来るものなんですね。

■掲載後すぐに寄せられたのは、ブラジルの農業・食料問題の専門家からのメッセージでした。
"Today, I received your article and I found it extremely interesting. I was wondering, would you be interested in a free translation of your article into Portuguese? Many other people could profit from this knowledge in Mozambique and Brazil if a Portuguese version is available. I would be glad to contribute to it, although it may take a bit of time."
 ということで、翌日に直ちに半休を取って下さり、さっそく39ページ中10ページまでをポルトガル語に訳して下さいました。なんという献身・・・。
<=そして2週間で完全訳!凄い・・・涙涙。

■そして、昨夜はスペインの国際協力の専門家よりメッセージが届きました。
"I have just read your paper and did not want to wait more time for congratulating you. It is a fantastic contribution. ...It is helping a lot for understanding the current situation and as you pointed out, I hope, it will contribute to make the right and urgent needed changes for not repeating past errors done by the Japanese Assistance in Mozambique in the agricultural sector."
 あんな長いペーパー最後まで読んでくれたことに感謝。
 彼女が書いてくれているように、最後は関係者への希望のメッセージです。日本の関係者も、嫌がらず最後まで読んでくれるといいのですが・・・。

■そして、このブログでも、論文内でも紹介したブラジルの地理学者で最初にセラード開発の問題について調査し発表したVera Lucia Salazar Pessoa教授からご連絡を頂きました。なんという光栄!その後先生は、大学での教育拡充に奔走され、このテーマになかなか戻ることができなかったそうですが、教え子の多くがセラード開発問題について調査研究を行って、作品を発表しているということでいくつかの論文を送って下さいました。また手が空いたらご紹介いたします。

「あなたの論文とても気に入りました。論文を読んで、あなたがモザンビークで長年にわたって調査研究をしてきたのだということが良く分かりました。そして、何より、私の博士論文があなたの理解を深め、論文に役立ったことにとても満足しています。」

そして、先生がセラード開発に関する博論を書かれていた時のことを教えて下さいました。軍事独裁から民主化に移行していった当時(1985-88年)は問題が表出し始めていたけれど、事業としても盛上りがあり、かつ誰も学術的に取り組んだこともなく、とても勇気が必要だったこと。しかし、あえて挑戦し、この論文を仕上げたということ。でも、調査の結果セラード開発に批判的にならざるを得なかったものの、当時の時代状況として、それを書くことは限りなく難しく、止められたけれど書いたそうです。やっぱり、そうだったのですね。文章の端々に決意のようなものが見え隠れしていたのでした。

時は巡り巡って2013年2月。あれから20年以上が経過して、先生もまたセラード開発を再考する仕事をしようと決意され、以下の論文をもうすぐ発表されます。セラード地域における大豆とコーヒーとサトウキビの導入に関するものです。近々送ってくださるとのことで楽しみです。

"O Cerrado, antes dos "inhambus, das juritis, das siriemas", agora do agronegócio: as transformações no pós 1970"

先生からまたメールが。ブラジルはカーニバル突入だそうです。そして彼女と一緒に本を書いている人が、もう私の論文を読んでくれていて、先生の博論引用されていると伝えるため連絡されたそうな。世界は狭い!そのスピードが凄すぎですね。

■さらにドイツ人のコミュニティ開発(開発援助と自然資源管理)の研究者で大学の先生からメールが。
I am very impressed by the paper and I very much appreciate your critical analysis. It is rare to read a paper from a Japanese scholar that is so critical...
はい。我々日本人は批判的精神をおおっぴらにすることはタブーですから。研究界ですらそんなこと多々。でも、これまでをなぞるだけであれば何故研究する必要があるのか?人生の時間がもったいない・・・というのが私の持論であり、唯批判のために批判をするのもまた時間と労力の無駄。

要は見えないものを見ようとするのが研究の役割で、それは丹念な一次資料との格闘がなければならない・・・というのが私の持論です。で、この先生も援助と土地の問題について取り組まれているそうなので(対象はアジアらしいですが)、何かコラボすることになりました。

■そうこうしてると、ウガンダの元同僚から連絡が。南東部アフリカの農民組織の連合の事務局長を長らくやっていた彼です。以心伝心。論文でウガンダのこと引用したので、フォローアップしようと思っていたところ連絡が。彼が新しく始めたやはり地域資源を大切にしながら試みるコミュニティ開発の組織にインターンを送ってほしいという話でした。で、論文について。
「 Land gabbing is a huge challenge in my own country at the moment and it is fueled by both internal and external factors but is worsened by a corrupt public service management system that is insensitive to the rights of poor often illiterate citizens. Many poor people who have lived on their land for many years suddenly find themselves landless when their land is sold to reach corporations or even rich externally funded land dealers. companies. A few kilo meters form the village where my old parents live, a Russian company just got concession to mine iron ore and another rock that no one can tell which! In all cases many poor people who have hither to sur vived on this land. A whole region in our small country has been found to have viable oil deposits. the dynamics around land have suddenly turned to grossly disfavor poor people especially women who are the major dependents on land! 」

土地争奪があの狭いウガンダでも頻発していて、彼のご両親の村の近くでロシア企業が現れているという話でした。ウガンダの農業投資と土地争奪問題は、FOEIのレポートを。また、彼のメールにある通り、石油や鉱山などが見つかったことによる土地奪取の問題は、まさにその通り。人びとが騙されてしまう、知らされていない・・・本当にモザンビークと同じですね。

■そして、日本企業等による土地争奪問題に取り組んでいる教授からもメッセージが。
I am very excited to see it. I have found very little written in English on Japan's role in the "land grab", so it is fantastic that your research is available in English now. ...it looks terrific.
 
それにしても、英語の世界で発信することの意味をシミジミ感じてます。英語発信してこなかった自分の怠慢を感じる毎日です。
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by africa_class | 2013-02-04 23:42 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ