TICAD市民社会フォーラムのメーリングリストに転載されてきた
福島県にいらっしゃる遠藤正一さんからの現地状況に関するメー
ルです。被災地の中から見たご意見です。是非皆さんにも読んで
いただきたくて、ご本人から許可をいただきました。長いですが、
是非ぜひご一読ください。
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ご無沙汰をしております。(以前、サポートセンターにっこりハウス
をやっていた遠藤 正一です)今、私は、制度のすき間を埋めるサ
ポートの専門会社をはじめました。(昔から、思いは変わっていなく
て、どうしてもこれがやりたくてはじめました)
障がいのある人、高齢者問わず、制度外で困っていることに何で
も対応するサービスです。今、障がい分野は専門ではありませんが、
福島でも海の方は壊滅的被害プラス原発でとんでもない状況だと
思います。
以下、今回の地震の報告です。
私の場合、とにかく困っているのは水とガソリンです。(今、困ってい
る方のところに行きたくても行けません)まず、しばらく電話も、インタ
ーネットも不通でした。我が家の場合、インターネットは有線のものは
ダメで、パソコンに直接取り付け(モバイル?)ものでようやくつながり
ました。携帯(au)も、メールのやりとりはできますが通話はダメです。
室内はぐちゃぐちゃです。
【地震2日目】(2011.3.12)
お客様である一人暮らしのお年寄りのお宅を訪問
片づけを手伝ったり、水汲みをしたりの1日でした。(回れたのは郡山
市内の5人のみ)ガソリンが手に入らず(1人5リットル~10リットル:
スタンドによって違う)、車で移動したくても困っています。水も困って
います。トレイは外でと思い、コンビニ行ったら、すべて使えない状況。
【全体として】(2011.3.12)
海の方は壊滅的状況です。知り合いに連絡を入れていますが、未だ
に連絡が取れません。現地の実感としては、今、発表されているのは1
/10、いや1/100ぐらいの数字かも知れません。町がまるごとなくなっ
ていて、現地の役場の建物も、人も一緒に被災されているので、把握で
きないので数字に上がっていないだけです。
何よりも原発が怖いです。
原子力安全・・・の人の発表と振り回されている住民の方との間にあまり
にも温度差があって、いてもたってもいられない気持ちです。
(現地に来て発表しろ、直接作業に携われ!と叫びたくなります)
福島の県民性(人がよく、まじめ実直)もあるのかもしれませんが、行政
の方(地元では”おかみ”という言い方があり)から、何かを言われた
り、指示があると、自分の気持ちはさておき、まずは実直に従うのです。
(原発地域の方々の避難所がすぐ近くにあり、先ほど、顔を出してきまし
た)いろいろと言いたいこと、やって欲しいことがあるだろうに、じーっと黙
って、寒い夜を迎えようとしていました。
今回の避難と被爆の関係は、もっと早めにちゃんと伝わっていれば、
被爆された方はもっと少なかったと思います。
現場はもう手がつけられない状態だと思います。東京のレスキュー隊
も退散しました。
1号機、3号機の大爆発よりも2号機の方が危機的状況という情報が流
れています。メルトダウンが現実なものになると思います。一般市民の被
爆も進んでいます。私のところは50キロ離れていますが、我が家の子供
たちのことを考えれば、一刻でも早く遠くに離れて行きたい気持ちです。
2回目の報告です。(2011.3.16)
原発が深刻です。
今となっては、逃げたくてもガソリンがなくどうしようもありません。
チェーンメールとかの情報じゃなくても、これは、素人が見ても、”ただごと
”ではありません。何で、それを早い段階から伝えられなかったのでしょう
か?報道で伝えられているかと思いますが、原発地域の方々の1回目の
避難場所として川内村(10キロ以上20キロ以内)に約5000人が移動し
ました。
元々、人口が少なく、お店もない、何もない村に5000人。それが、2回
目、3回目のときは20キロ以上へ避難。ところが、受け入れ場所が見つか
らず、そのままです。そうしている内に被爆の可能性があります。(見捨て
られた感じです)(今、行われているスクーリングは一見、本人さんのため
に被爆量を計っていますが、ある量を超えた人は受け入れない行政の基
準でもあります。)被爆をしてしまった人は、行く所がない。道路は寸断され
ていて救援物資が届かない。連絡も取れない。村民が自分のところの米と
野菜を持ち込み、みなさんでしのいでいるそうです。昔の”兵糧攻め”が現
実なものになっています。
どなたか辻元議員に連絡を取れる方はいらっしゃいませんか?
ボランティア何とか大臣になったと聞きましたが、早い段階で、対策本部を
立ち上げ、被災地に人とものを送る仕組みが必要です。(福島の場合、
原発のこともあって、ボランテァが動けないとう悲惨な状況です)
私も神戸のとき、いろいろと関わらせていただき、そのノウハウを経験しま
した。そんな人がたくさんいるはずです。
ただ、動くに動けません。(ボランテァの緊急扱いを取り決め、ガソリンを
供給してもらい、対策本部に集合させ、みんなの力を結集させる。・・・・等
の方法はいくらでも考えられると思います。⇒緊急扱いだとガソリンはO
K)この手の話は止まらなくなるので、この辺で。
一つ、動画を送ります。(これは、チェーンで回ってきたと言えば、そうで
すが、心動かされたので、みなさんにもお届けします)これを見て、なぜ
か涙が出てきました。ダメなところだけを見ているよりは、捉え方を変えれ
ば、不思議と勇気と元気が湧いてきます。
http://www.youtube.com/watch?v=IxUsgXCaVtc&sns=em
以上、よろしくお願いします。
遠藤 正一
ご用聞喜屋 「ハイッ!喜んで」