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英外務省、東京から退避奨励

今、CNNで報道されていますが、原発の作業員の方の家族に
コンタクトが取れ、その方は59歳で後半年で退職の予定だった
ところ、自ら今回の50名の作業員として志願されたそうです。
放射線の影響は若者より年配者の方が穏やかだから・・・といっ
たと報道されています。本当に、本当に辛い話です。
 
 日本では、どの程度今の危機的な状態が伝えられているでし
ょうか?今行われていることは、「解決」につながることではなく、
「最後の努力」をしている状態だとCNNに出てくるMITの専門家
はいっています。そして、彼は、何故IAEAは、国際社会は、日本
一人にこのチャレンジに立ち向かわせているのか。なぜ今ごろ
放水キャノンが到着するのか。・・・と、今、泣きそうな顔で話して
います。専門家から見て、信じられない状態が今生み出されてい
るのに、日本の政府、メディアはきちんと末期的状態であることを、
皆さんに伝えているのでしょうか?
 ここから、原子炉が助かる見込みは・・・冷静にみてないのでは
ないでしょうか?それを日本関係者はいうのを恐れている。でも、
現実はそうでないでしょうか?勿論、命がけの作業が続いていま
す。でも、そのことと、現実で進行していることはごっちゃ混ぜにし
てはならないのではないでしょうか?「皆頑張っているのだから、
任せなければ、見守らなければ」という気持ちは素晴らしいと思い
ます。しかし、だからといって、危険がないと思いこむのは本当に
危険なことだと思います。
 私は今まで、「平和のための戦争」 をアフリカを対象に研究し
てきました。戦争は汚いです。なんでもアリです。敵に対しても、
味方に対しても。今、ワシントンで60年代の冷戦期に米国政府が
アフリカ諸国の「反帝国主義者」とレッテル貼りをした大統領や
首相(ルムンバやンクルマ)に何をしたかを延々と読んでいます。
そして、戦時中の日本も、多くの恐ろしいことに手を染めてきまし
た。
 学部の紛争・平和論の授業では、アフリカがメインのターゲット
ではありますが、その比較対象として、日中戦争時の「民衆動員」
を学生に分析してもらっています。今の日本の関係者の対応は、
あの時代に非常に類似するものとなっています。
 「精神論」をいくら積み重ねても、どんなに頑張っても、4つある
いはさらに2つの原子炉は、もう止められないところまで来ている
のではないでしょうか?少なくとも、その可能性は限りなく高いと
いう事実を踏まえ、今求められているのは、「何をすべきか」では
ないかと思います。
 まだ、放水などをして「引き延ばし」をしている間に、もっと大幅に
退避勧告を出すべきではないでしょうか?本当に時間との闘いに
なっています。この結果を、東電は確実に知っていたはずです。そ
して政府関係者も恐らくは。止まらないものに水をかけるとすれば、
それは少なくとも、稼いだ時間を、避難に使うべきではないでしょう
か。もはや危険すぎてそれすら出来ない状態・・・としたら、どうして
昨日でも、一昨日でもしなかったのか。
 今、各国政府は次のような退避勧告・奨励を出しています。
■英外務省
”在日英市民「東京などから退避検討を」”できれば国外へ。
http://www.asahi.com/international/update/0317/TKY201103170083.html
■米国政府
“米国民は80キロ圏外に”
アメリカ国内で原発事故が起きた場合のNRC=原子力規制委員会
による基準に基づくもの
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110317/t10014727991000.html
 すでに、ドイツ、フランスも英国と同様のアナウンスをしています。

もちろん、「外国人」と違うということは可能でしょう。東京は大丈夫と
いう専門家が今テレビに出ていました。どういう意味で「大丈夫」かは
さておき・・・。
 それでも、私がこのような情報を書いているのは、ただいたずらに
みなさんの危機感を煽りたいからではありません。多くの情報がある
色に染まっているとき、違う色の情報を流し、それぞれの人が検討す
る材料が不可欠だと思うからです。
 この情報もあくまでもone of them(多くの一つ)に過ぎません。
ですので、この情報だけを見て慌てる必要は勿論ないと思います。
何よりも、努力すれば色々な情報が手に入る時代です。どうぞ多様
な情報を色々な角度から検討して、それぞれで判断してください。
英語の世界で流れているのに、日本語環境で流れていないために、
逃げ遅れた・・・とならないように、とりあえず流しておきます。
 幸い、風は太平洋に向けて吹いているそうです。
by africa_class | 2011-03-17 11:57 | 【311】原発事故と問題
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