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日本とそれ以外の政府・報道は何故違うのか?

日本を離れて日本の新聞やテレビ(Ustreamで見れる状態)を見ていて
つくづく感じるのは、「木を見て森を見ず」ということ。今、日本の報道は、
「自衛隊が消火活動をした」「放射線レベルは大丈夫」「1,2号機に電源
が到着」「4号機の爆発の理由は不明」・・・といった東電あるいは政府発
表に基づいた記事・報道がメインの位置を占めています。
 これらの見出しをみると、「がんばっている感」があり、事態はなんとか
なるのではないか・・・という錯覚を覚えてしまいかねませんが、一番重要
な情報(森の全体像)が細かい情報の断片(木々)によって隠されてしまっ
ています。
 つまりそれは、これらの対応で、根本問題(チェルノブイリ化)は避けら
れるのか、避けられないのか。どの程度近づいているのか、近づいてい
ないのか。実際のところ、事実は明らかであり、それは「いずれの原子炉
も冷えてない」ということ。「原子炉が冷えるように努力している」という情報
、その努力のこまごまとした情報は目に飛び込むようになっているために、
何とかなるような気になりがちですが、そしてその「努力」は不可欠でしか
も命がけのもので、本当に心が痛むばかりですが、原子炉は「冷えてな
い」現実に変わりはありません。
 つまり、地震発生以来、冷やすことができない状態が続いており、最悪
の事態(チェルノブイリ化)から遠ざかっているどころか近づいているので
はないか・・・との外国政府や海外メディアの総括(森、全体像)は、冷静
に考えるともっともに思えます。
 そして、中にはスリーマイル程度だったらマシな方で、実際はチェルノ
ブイリかそれ以上になりかねない、なぜなら原子炉が隣り合って(!)何
個も危機的な状態であるからです。
 震災、津波、原発危機がはじまってもうすぐ6日ということで、時間がか
かっているため楽観的になりがちですが、実は前にも書いた通り、チェル
ノブイリだって10日間かかって最悪の事態に入りました。あとどれぐらい
の時間が残されているか、最悪の事態の結果はどの程度影響を及ぼす
のか・・・は正直言って分かりません。
 もちろん、現場ではすさまじい努力が繰り広げられています。これは続
けなければなりませんし、応援しなければなりません。しかし、もう一つの
「森」をどのように東電や政府が考えているのかまったく見えません。つま
り、もしチェルノブイリ化したときに、チェルノブイリでやった対応を取るの
か、そうだとしたらその準備はしているのか・・・ということです。
 今は冷却に全力を・・・そうですが、上の者は、いつも最悪の事態に備え
なければ、下の者の被害は甚大になります。しかし、最悪の事態を想定す
ることは、戦前と同様、今の日本でもタブーになっていることが今回明らか
になりました。これこそ、今回の危機管理の最大の過ちです。責任者とし
て、最悪を想定するのは当たり前のこと。危機管理のはじめの一歩です。
 ちなみに、チェルノブイリでは、大量のセメントを投下し続けて、カバーし
ようとしたのですが、それは既に手がつけられず、放射能が拡散してから
のことでした。そして、恐ろしいことに、今でもチェルノブイリ原発は地球の
中で活動を続けているといいます。(いずれは地球のマグマがやっつける
だろうとされています・・・)
 もし、外国政府や外国メディアは何故騒いでいるのか・・・と首をかしげて
らっしゃる方がいらしたらと思い、以上書いておきました。私がどうしてこれ
にこんなに拘っているかというと、広島原爆が私の原点だからです。原爆
投下の日に生まれたことを大切に、ライフワークとして暴力や平和、紛争
の問題に取り組んできました。
 日本にはとてもいいことわざがあります。
 「備えあれば憂いなし」・・・これを今回活かしてほしいです。 
以上に書いたいずれのことも杞憂だったと笑えることを心から祈っていま
す。
by africa_class | 2011-03-17 21:01 | 【311】原発事故と問題
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