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やはり人災・・・朝日新聞の記事、しかしメディアの責任は?

今日の朝日新聞に、ようやく「福島第一人災の影」という今回の
事故の検証記事が載りました。このブログで4日前に紹介した
英国フィナンシャル・タイムズの記事(3月25日付)と同様の指
摘がされています。
http://afriqclass.exblog.jp/12324409/
うーん、何故日本にある新聞なのに、こんなに遅いのだろう。
どうしても「後追い」「政府・東電公式発表に依拠」という傾向か
ら脱却できていません。勿論、東電や政府が発表するデータの
裏付けとか、解説とか、重要です。しかし、解説も、全体像や今後、
それから何故起こったのかの構造に踏み込んだものが少ないです。
そのため、外紙が読める人は、外紙を総点検して、発信しています。
例えば)http://d.hatena.ne.jp/kentao/

しかし、ウェブ上の朝日新聞にはこの記事載っていないような。
しかも、この見出し「人災の影」の「影」とは???
仕方ないので、冒頭だけ打ち込みます。
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福島第一 人災の影 (3月30日、朝日新聞朝刊)14面
解決への道筋が見えない東京電力福島第一原子力発電所の事故。
想定以上の津波による損傷が原因とされるが、東電関係者からは、
設備の安全設計の問題や非常時の想定の甘さが被害拡大につな
がったとの声があがっている。「安全神話」は足元から崩れた。検証
すべき課題は多い。
<津波対策「設計に問題」・・「むき出し」ポンプ損傷>
(...)(元東電社員の原子力技術者)が具体的に例を挙げたのは、原子
炉を冷却するための海水をくみ上げるポンプ設備。津波で、海側にあっ
た設備やその非常用電源などが損傷したため、原子炉に冷却水を送る
機能が失われた。技術者によると、ポンプ設備にカバーはつけてあるが、
「ほぼむき出しの状態」で設置されていた。(...)
 また、技術者は、第一原発のタービン建屋などにつながる配管につい
ても、「建設当時、配管を土中にじかに埋めるなど、安全上、もともと雑
な部分が多かった」と指摘。
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本当に、本当に、なんという話でしょう。前のブログでも紹介しましたが、
わざわざ海側においたポンプ。しかも、むき出し・・・・。「想定外」を繰り
返す東電幹部の、「想定」とは、ではどんな「想定」だったのか・・・。
 しかし、この記事を読みながら、別の意味で怒りを覚えてきました。
 打ち込むと、職業柄突っ込みたくなるんですが・・・「安全神話」なのを
創ってきたのは誰なのか?「検証すべき」というけれど、主語は誰なの
か。報道としての責任はないのか?この1年ほど、どの新聞にも、「原
子力はクリーンで安全なエネルギーです。温暖化防止に役立ちます」
という趣旨の一面広告がたくさん掲載されていました。広告収入が激
減する中、電力会社は「お得意様」。「神話」の創造には、メディアの役
割は不可欠であり、自らの役割も含め、検証されるべきではないので
しょうか?
 主語を曖昧にする日本語・・・だからこそ、可能になってきた責任放棄。
主語を明確にして、一人ひとりが、自らの責任を検証すべきと思います。
そこには、利用者として私たち、こんな原発政策を推進してきた政府を
選んできた有権者としての私たちも、勿論含まれます。

by africa_class | 2011-03-30 11:53 | 【311】原発事故と問題
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