地域資源を使った「分権型」自然エネルギー戦略で、新しい雇用と価値を生み出す提案

前の投稿でも提案したように、一元管理型の巨大発電に依存するのは、
次の点でＮＧだということがはっきりしたかと思います。
一応、菅総理も、社民党の福島党首との会談で、「自然エネルギーを
応援する仕組みを考えなくてはいけない」と述べ、原発推進を前提とし
てきた日本のエネルギー政策を転換させる議論に意欲を示した。」と
報道されていますが、本当にそうなるかどうかは、今回市民が本当の
意味で「目覚めるか」次第だと思います。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110331ddm003040129000c.html
（１）緊急の際のリスクマネージメントとして
　　＜＝停電に対して無力。電力会社に左右される。
（２）電力企業の独占化防止のため
　　＜＝今回分かったのは「親方日の丸」体質の問題。
　　　一企業への依存度が高まれば高まるほど、その企業に危機感が
　　　なくなっていく。国策・天下り会社であればなおさらのこと。
　　　類似例）ＪＡＬ
（３）電気のロスを少なくするため
　　＜＝一か所の発電所から使う場所まで送電する間に失われるエネ
　　　ルギーの量は相当なもの。
ということで、使う場で発電する、多様な資源を使って発電するなどの、
発電の「分権化」「多様化」が不可欠となっています。特に、地域資源を
活かしたこのような「分権型エネルギー」には、以上に加え、次のような
メリットがあります。
（４）仕事のない地方に雇用を生み出せる
（５）使われてこなかった資源が発見され、有効に活用される
環境面でエコなだけでなく、経済的にもメリットが大きいです。

永田町あるいは霞が関から地方の経済振興を考えたり手当するので
はなく、地方で担い手を増やし地方のことを考えるためには、このような
自然エネルギー推進の阻害要因となっている規制の緩和や政策的後押
しが必要でしょう。それは、長い目でみて、コスト安であり、多様なメリット
があります。原発受け入れによる経済効果を求めることの危険性を、我
々は知ってしまった今、もっともっとこのような政策が必要です。

では、どんなものがあるのか・・・については、既に以下の投稿で紹介
済み。ですが、もう一度おさらい。よく知られている風力と単なる太陽光
パネルを載せるだけに加え、次のようなものが。ただし、「電気を創り出
す」必要があるのは、家庭においては多くの場合「給湯」や「暖房」のた
めとされているので、そこは分けて紹介。（クーラーは、我が家にはない
ので、はなから問題外にしてしまっています・・・）
＜＜一般家庭：発電＞＞
■太陽光パネル＋蓄電池
＜＜地方で取り組むべき発電＞＞
■小型水力発電（ちょっとした段差で可能）
　特に、棚田の横に流れる小川とか、山の上流とか、ほんのちょっとの
　段差で可能ですし、クリーンです。
■地熱発電
　地震大国であるということを逆手に取ると、これが可能。特に、地方に
　は寂れてしまった温泉がいっぱいあります。これをエネルギー供給地
　として「おしゃれに」再生させること
■潮力発電
　島国なことはとってもメリット。風と太陽は、確かに「不安定」。しかし、
波はよほどのことがない限り、ずっとあります。
＜＜給湯のために＞＞
■給湯パネル
　西日本にはかつてたくさんありました。あれを復活させるべし
■木質バイオマスを使ったボイラー
　木質ペレットを使ったボイラーは、森林面積が8割近くで、花粉症に悩ま
されるほど杉の木がある日本では、非常に有効。杉の木を間伐すれば、
花粉症も改善され、トータルに考えると経済・医療効果大。
http://afriqclass.exblog.jp/12341974/
http://afriqclass.exblog.jp/12341785/

最後に、同じようなことを考えるのが、企業。今こそ、売り込みのチャンス
とばかりに、以下のような提案が出てきています。つまり、一つの経済モデ
ルしか見えないときには考えられなかったような、新しいモデルに、危機の
時にはチャンスが与えられるのです。ということは、古い経済モデルにしが
みついた経済政策は、トータルに見て実のところメリットが少なく、新しいモ
デルを推進することで生まれるメリットに投資するべきと思います。

■太陽光パネル＋蓄電池（朝日新聞4月1日版）
今回、シャープが新神戸電機製の蓄電池とセットで190セットを被災地に無償提供するそうです。他にも、大和ハウス工業が、太陽光発電パネル＋屋内のリチウムイオン蓄電システムのセットを252万円（税込）で販売。