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原発事故についての言論統制が強化されつつあります。

原発事故、放射能に関する言論統制が、強まってきています。
戦時中のプロパガンダを研究してきた一研究者としては、非常に危惧
されるべき状態だと思います。
 4月2日の投稿①でも紹介したように、一つだけのデータ、一つだけ
の見解だけを信じるように呼び掛けるだけでなく、それ以外の情報は流
してはならない・・・という号令が「上」から押しつけられています。
【この投稿に関連する過去の投稿】
①気象学会が会員に放射性物質予測を公表することを自粛要請
http://afriqclass.exblog.jp/12361323/
放射性物質予測、公表自粛を 気象学会要請に戸惑う会員
http://www.asahi.com/national/update/0402/TKY201104020
②今度は、IAEAの避難基準を下回ったと発表(4月3日投稿)
http://afriqclass.exblog.jp/12363200/
福島・飯舘村で避難基準下回る、IAEA
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4689937.html
③放射性物質止まる時期「数カ月後が目標」 細野補佐官(4月3日投稿)
http://www.asahi.com/politics/update/0403/TKY20110403004
http://afriqclass.exblog.jp/12363281/

 今朝の朝日新聞に、4月3日の二つの投稿(②と③)の後日談らしき
記事が掲載されていました。まず、5頁目に掲載されている「核の番人
原発に苦慮 IAEA」です。(*ネット上には記事なし)
 3日の投稿②にも書きましたが、IAEAの「変化」は不自然なものとし
て目に映りました。勿論、「根拠となるデータが増えた」という根拠が示
されているのですが、長年の研究で「これは変?」と思っていたら、今日
の朝日の記事に次の文章が。
*****************************
 「我々は避難勧告なんてできない。それはあくまでも日本政府が決め
ることだ」IAEAのフローリー事務次長はウィーンの本部で1日に開かれ
た記者会見で、顔を真っ赤にして繰り返した。福島第一原発から約40キ
ロ離れた福島県飯舘村でIAEAの避難基準を超える放射性物質が検出
されたと3月末に発表した問題で、「住民避難の必要性」を問われたから
だ。(。。。)ところがこれに対し、日本側の原子力安全・保安院は「IAEA
の算定基準が分からない」と困惑。避難対象区域外だった飯舘村の住
民を不安に陥れた。
******************************
 ということで、日本政府への「配慮」がなされたのでしょう。国連という
と、日本では「中立機関」と考えがちですが、あくまでも国家間の集合体。
加盟国政府の意見(特に、お金をたくさん出している国)に配慮する傾向
があります。国連は世界政府ではないので、当たり前といえばそれまで
ですが。
 また、同じ今朝の新聞に、3日に投稿した③に関連する細野首相補佐
官の発言への批判を紹介する記事が掲載されていました。「4日の各党
政府震災対策合同会議の実務者会合で与野党から批判や疑問が噴出」
とあります。しかし、専門家の意見でも、長期戦になることは指摘されて
います。また、原子炉の冷却に手こずり、放射性物質の流出は止まらず、
冷却のための水は漏れている状態で、すぐに何とかなると考える方が
無理があるのではないか・・・と思うのですが。
http://allthingsnuclear.org/
 このようにして、クリティカルマインドに基づく発言をすることが、集中的
なバッシングによって不可能な状態になっていき、自粛ムードに流され
・・・という「かつてのプロセス」に向っていくことになる瀬戸際にいると感じ
ます。
 現在の言論統制の根底には、「民衆は愚かだから混乱したり惑わされ
たり自分で判断できない」という上から目線があるように思います。何事
においても色々な意見があるのは当たり前で、それらが自由闊達にやり
取りされ、各々が自分で調べ、耳を傾け、考え、意見を表明し、それに基
づいて自らの判断を下す・・・という自立した個を育む必要性を強く感じま
す。今回の事故は、その機会とすべきものであって、その機会を奪うべき
ものではないはずです。


by africa_class | 2011-04-05 10:43 | 【311】原発事故と問題
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