ついにレベル7が宣言されました。遅いです。本当に遅い。しかも、レベル
5から一挙に7(最悪の評価、チェルノブイリ級)に引き上げられた点に、問
題の根深さが現れています。
状況が昨日と今日と変わったわけではありません。なのに、今発表。
このブログでも2週間近く前から、海外機関の評価がすでレベル7あるいは
それ以上だということについて紹介してきました。この「遅さ」は、単なる時
間軸の問題ではなく、政治的な「遅さ」であるとしたら大問題です。なぜな
ら、これを認めないことで、多くの人を危険にさらした状態を放置している
ことになるからです。
枝野官房長官は、「今回、新たな事態が生じたために『レベル7』にした
わけではない。これまでのデータを分析した結果、国際的な評価基準に
当てはめれば『レベル7』であることがわかったものだ。」と述べたそうで
すが、なぜここまで時間がかかるのか?大いに疑問が残ります。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110412/t10015272861000.html
昨日の避難範囲の拡大の話も、「リスク管理」あるいは「予防」という観
点からは本来逆であるべきところです。避難範囲を広くとっておいた上で、
状況が落ち着いたら狭める・・・なぜそのような基本が出来ないのか。
「防災大国日本」ではなかったのか、憤りを感じます。
取り急ぎ、末尾に産経新聞とNHKのニュースを紹介します。
また、あわせて海外機関や報道が示したレベルについての私の過去の
ブログ投稿を紹介しておきます。いずれも3月のこと・・・。そして、これを
ブログで紹介したとき、友人から「グリーンピースの情報を載せるなんて」
というコメントが即座に来ました。「彼らは目的(反原発)があるのだから」
と。しかし、結果はどうだったでしょうか?政府はレベル7を発表し、退避
範囲は40キロ近辺も含むことになりました。すべて、3月26日の時点で
グリーンピースをはじめとする多くの機関から提案されていたことでした。
http://afriqclass.exblog.jp/12338969/
[3月26日投稿]グリーンピース・ドイツはレベル7と発表、そして・・・
http://afriqclass.exblog.jp/12327294/
[3月25日投稿]ついにレベル6(スリーマイル相当)?
http://afriqclass.exblog.jp/12319908/
■迷走した事故評価、政府の対策も後手に
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110412/dst11041213050032-n1.htm
福島第1原発事故が、国際評価尺度(INES)で最も深刻なレベル7に位置付けられ、広範囲に拡散した放射性物質による人の健康や環境への影響が一層懸念される事態となった。政府による、これまでの事故評価は迷走。農作物や水産物に加え、日本の輸出産品に与える風評被害も深刻になることは確実で、政府の対策が後手に回ったことは否めない。
INESは、放射性物質(放射能)の外部への放出と、原子炉炉心の重大な損傷という主に2つの基準で評価される。先月18日にレベル5と評価した際、保安院は炉心の損傷程度を「3%以上」とし、それを評価の根拠とした。
ただ、数万テラベクレル(1テラベクレル=1兆ベクレル)の放射性物質が放出されているという予測は以前からあり、レベル5から引き上げるのは時間の問題であった。(後略)
■事故評価 最悪のレベル7へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110412/t10015249911000.html
東京電力の福島第一原子力発電所で相次いで起きている事故について、経済産業省の原子力安全・保安院は、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、国際的な基準に基づく事故の評価を、最悪の「レベル7」に引き上げることを決めました。「レベル7」は、旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価になります。(中略)
原子力施設で起きた事故は、原子力安全・保安院が、国際的な評価基準のINES=国際原子力事象評価尺度に基づいて、その深刻さを、レベル0から7までの8段階で評価することになっています。原子力安全・保安院は、福島第一原発で相次いで起きている事故について、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、INESに基づく評価を、最悪のレベル7に引き上げることを決めました。原子力安全・保安院は、福島第一原発の1号機から3号機について、先月18日、32年前にアメリカで起きたスリーマイル島原発での事故と同じレベル5になると暫定的に評価していました。
レベル7は、25年前の1986年に旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価になります。レベルが引き上げられる背景には、福島第一原発でこれまでに放出された放射性物質の量が、レベル7の基準に至ったためとみられますが、放射性のヨウ素131を、数十から数百京(けい)ベクレル放出したというチェルノブイリ原発事故に比べ、福島第一原発の放出量は少ないとされています。(後略)
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