３・１１、３・１１後の世界についての学生たちの気持ち

現実がそうだから仕方ないのですが、新学年度早々、落ち込み気味。
でも、大学に戻ってきて、若い皆さんとやり取りして、少し元気が出て
きました。３・１１が起こったことで、皆の物事の捉え方、考え方が大き
く変わったことが、よく分かります。それは末尾に紹介します。
　そして、学生たちの中からも様々な取り組みが生まれて来ています。
東北出身の学生たちで来週月曜日から金曜日まで、学内で寄付をよ
びかける運動を起こすそうです。阪神淡路大震災の経験からも、人々
を「被災者」とひとくくりにして、「支援対象」としてしまわないことの重要
性を強く感じます。これは開発援助と同じ構造で、あくまでも彼ら、彼女
らの主体性の部分を応援するべきだと思います。
　もちろん、主体性を発揮できないこと・・・はたくさんあります。現実が
厳しければ厳しければそうで、主体性を発揮しやすいような外部状況を
整えるのが、被災者ではない私たちのやるべきことだと思います。そし
て、そもそも我々だって当事者である原発事故についてはやるべきこと
山積。大人たちは、次世代にこれ以上つけを押しつけないよう、行動を
取るべし。
　なので、以前からお伝えしている福島の妊産婦・乳幼児のサポートの
プロジェクトや関西への避難のプロジェクトだけでなく、大学も始まった
となので、学生たち自身が、何ができるか考え、それをサポートする・・
そんなことに尽力したいと思います。
　被災した学生もそうでない学生も、東北出身の学生たちが集まって、
互いにサポートしあい（セルフ・ヘルプ）、さらに東北のためにできること
を考えて立案する（当事者として）・・・ことを応援できれば。
　また嬉しいことに、今回の事態を受けて、日本社会の構造そのものを
変えたい！！！というアツい想いをもった学生も出てきました。彼らの
そんな想いが実現するよう、一緒に汗をかければと思っています。
　日本の若者。「最近の若者は」と皆顔をしかめますが、どっこい。今回
我々の至らなさが目についた毎日です。そして、「自分なんてなにもでき
ない・・・悔しい」と書いた学生がたくさんいました。
　だから一言。できるよ、何か。何でもいいから、何かの一歩を踏み出そ
う。あなたが一歩を踏み出すことで、仲間は必ず現れるから。でも、誰か
が始めないと何も始まらない。誰かが始めるのを待ってても駄目なんだ
よね。20年間、色々やってきての実感です。がんばれ、外大生。
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4年生：「３月11日、家に一人でいたらいきなり揺れが来たので、怖くて
家を飛び出して、近くの工事現場のおじさんに、「しばらくここにいてもい
いですか」と半泣きでいった。真っ直ぐ立てないし、電柱が倒れていて、
関東大震災かと思った。揺れが収まって部屋に帰り、東北の地震だと知
った。岩手に家族がいるので死んだのではないかと思って大泣きした。
一度母から短いメールが来たが、その後はしばらく連絡がとれなかった。
家族全員の安否を確認するのに数日かかった。以前父が住んでいた陸
前高田のまちが消えた（・・・３・１１前は）日本の良さを海外の人に伝えた
いと思っていた。この気持ちは変わらないが、その理由に、「日本の復興
のために」というものが加わった。私にできることはほとんどなくてもどか
しいが、できることをやろうと思って、岩手の現状を東京の友人や海外の
友人にネットを通じて伝え募金をつのった。また、在日外国人のための翻
訳プロジェクトにも参加した」
2年生：「地震が起きたことで抱く感情はマイナスなものばかりだったが、
皮肉なことにプラスなものもあった。地震が起きても冷静に対応する日本
人に対して、世界中から賞賛の声が寄せられたことで、少し日本人のこ
とが好きになれたし、自分が日本人であることを誇りに思った。いまだに
余震が続いていて関東に住んでいても不安なのに、被災者の方々はど
れだけ毎日不安を抱えながら過ごしているのか、大したことができない自
分が悔しい。（・・・）毎日後悔のないように生きようという思いが強くなった」
3年生：「地震を機に自分の将来と社会との関わりについて考えさせられ
ました。今現在も原発などの不安材料が残っていますが、とにかく今自分
のできること、すべきことは何か、地震から一カ月経った今でも考えます。
今度の日本のため、自分には何ができるのか、社会においてどういった
役についていくべきか、深く考えながら大学生活を送ろうと思っています」