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「我思う、故に我あり」から「君あり、故に我あり」「大気あり、水あり、土あり、故に生命あり」へ

明日の宇都宮大学での福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェ
クトの報告会http://fukushimaneeds.blog50.fc2.comの
PPT作りが大体終わり、別プロジェクトの報告書は断念し、前から
書きたかったことを書こうかと思います。今自作PPTを各拠点とス
タッフの皆さんがチェック中ですし~。(日曜夜にすまん・・)
 私が京都のヒッピーコミュニティに出入りしていた80年代半ばか
ら後半にかけて、皆が必ず読んでいた本がありました。シューマッ
ハのSmall is Beautiful。何せ高校生時代。英語なんでいまいち
わからない・・・。そのまま二十年が過ぎ、2011年3月11日。原子
力発電に警鐘を鳴らしたシューマッハのこの本が日本で再評価され
ているということです。
 今朝の東京新聞の本の紹介欄で、尾関修さんがこう紹介されて
いました。「経済学は人間を環境ぐるみで取り扱う学問であるとする
シューマッハー経済学は、環境経済学と呼ばれるようになる。」
そして、彼に共鳴したインドのサティッシュ・クマールが、提起したの
が、哲学者デカルトの「我思う、故に我あり」ではなく、インド古来の
「君あり、故に我あり」という価値観で、非暴力と同様に、仏陀やキリ
スト、ガンジーに共通の価値観だったといいます。「神あり、父あり、
母あり、故に我あり」にとどまらず、「大気あり、水あり、土あり、故に
生命あり」。
 私は子どもを持ち、大学で教える(学生と一緒に育つ)ようになっ
て、宗教を持たない私たちがどうやって人生の指針や価値を育めば
いいのだろう・・・という問いを抱くようになりました。
 ただ、そのことに正面から取り組む余裕もなく、生きてきました。
しかし、3・11が起こった時、このことにもっと深く取り組む必要が
あると確信したのですが、活動と本業の綱渡りの中でやはり後回し
にしてきた感があります。
 3・11後の様々な場面で、哲学者たちが活躍しているのを見て、
なるほど・・・と思い・・・しかし天邪鬼な私が手に取ったのが、木田
元氏の『反哲学入門』新潮文庫。
 ただ、このタイトルに早合点してはいけません。哲学をまったく
理解していない私ではありますが、これはまさに哲学の書だと思う
からです。日本社会が有難くもナゾッテきた西洋哲学を批判的に
乗り越え、日本で育まれた思想を参照しながら、人間と自然の関
係を問い直す・・・という本だからです。(多分・・・私の勝手な理解
では)
■28ページ「古代ギリシア人や古代日本人の自然観は、アニミズ
ムの洗練されたもので、そう珍しいものではありません。こうした
自然観のもとでは、自分もまた生成消滅する自然の一部にすぎ
ません。人は、自然のなかから生まれ出て、また自然にかえって
ゆく存在と考えられ・・・そのなかで、自分だけが特権的な位置に
立って自然のすべてがなんであるか、と問うたり知ったりすること
ができる、などということを考えるわけなどないでしょう」
■「超自然的原理を設定して、それを参照して自然を見るような考
え方、つまり哲学を『超自然的思考』と呼ぶならば、『自然』に包ま
れて生き、そのなかで考える思考を『自然的思考』と呼んでもよさ
そうです。私が『反哲学』と読んでいるのは、そうした『自然的思考』
のことなんです。
 私が結局のところブラジルを愛しながらも、アフリカに行き着き、
そのままになっているのも、畑の小世界で遊ぶことをこの上ない
幸せだと思うのも、お腹の中の子どもはあくまでも生命の一部で
あって、私のものではない・・・と感じ、福島の子供たちもまた社会
の子供たちと考え、現在に至るのも、おそらく、木田さんが書いて
いるようなことに起因するのかもしれません。
 ただし、現代の私たちはこのようなロマンチックな自然志向に
浸りきることはできません。私たちが征服してしまった自然は、
もはや私たちを包み込むことができないどころか、蝕まれ、危機
に瀕しています。
 「我思う、故に我あり、故に大気も、水も、土も、生命も、勝手
に我らのために自由にしていいはず」
 そんな驕りが満ちた世界、それが現在の人間とその人間が
つくる世界です。そして、確実に自分もその一部であります。
私たちが、「ただ自然に畏怖を感じ、ただ身を委ねる」時代や環
境はもはや、世界のどこにも残されていません。
 「大気あり、水あり、土あり、故に生命ありが脅かされた世界に
おいて、故に君と私はどうすればいいのか?」
 そんな問いを、君と私でともに考え、ともに悩み、ともに行動し
たいと願う毎日です。
「我思う、故に我あり」から「君あり、故に我あり」「大気あり、水あり、土あり、故に生命あり」へ_a0133563_20562672.jpg

 一昨日夜の雪の中のキャンドル。『反哲学』を読みながら。
by africa_class | 2012-02-19 20:28 | 【徒然】深大寺日記
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