この話題の投稿、少しお休みできました。
というのも、メディアがやっと気づいてカラクリも含め大々的に報道してくれたからです。
過去のこの件の投稿は(1)~(5)まで。メインページに行けば遡りやすいです。
http://afriqclass.exblog.jp/
その(1)は以下。
http://afriqclass.exblog.jp/15768526/
1.この問題の報道 ようやくあるべき報道内容に
各種報道で一番よかったのは、
●この間の東京新聞朝刊(きちんと継続報道もされています)
●7月16日時点の「報道ステーション」
http://www.youtube.com/watch?v=C6rHB6DbwOA
「意見聴取会またも紛糾 都心では大規模反原発集会」
●7月18日時点の朝日新聞 朝刊14版
「聴取会『やらせ』批判 政府火消し、『発言禁止』」
<=いずれも、このブログで指摘してきたことのほぼ全てをカバーしています。少し休めました。
2.この間の大手メディアの報道姿勢の問題
「報道ステーション」は、官邸前抗議の様子をテレビ局として最初に大々的に放映してから、視聴率が非常によく二けた台だそうです。タブーを破ってからは、かなり報道姿勢が変わってきたようです。
そもそもこの抗議活動は去年10月22日に始まりました。
http://coalitionagainstnukes.jp/?page_id=28
4月の大飯原発再稼働が迫る中、毎週金曜日に官邸前抗議活動を続けてきたわけですが、それを報道したのは、市民メディア(IWJやOur Planet TV)、東京新聞、赤旗新聞ぐらいのものでした。数万人規模になっても、官邸に集っているテレビも新聞も、官邸の中から出てこず、官邸の中での首相や周辺の言葉だけを垂れ流し続けました。
参加者も視聴者も、メディアに報道するよう呼びかけを行い続けました。それは、原発を止めるためという以上に、このような「国家権力と馴れあう大手メディア」の実態に市民が気づき、そのような言論構造(民意操作へのメディアの加担)こそが人びとの生活に危険なものを放置してきた理由だと認識を深めた結果でした。そして、それを「変えられない」とただ嘆き従うのではなく、「オカシイ」と伝えるアクションを起こし始めた結果でもありました。
市民メディアがヘリを飛ばして空から撮影をすると決めた瞬間、慌ててヘリを飛ばしたこれらの大手メディア。つまり、メディアは、現在や過去の深い分析を行いつつ、先を見据え、今起きていることの半歩、一歩、十歩先を歩くという本来の仕事を放棄し、市民メディアこそがその役割を果たしつつあることが、露呈した形となりました。この間の大手メディアの「意図的な無関心」と「最近の変化を捉えられない」実態。
記者クラブや官邸の中に閉じ籠ったメディア、注目人物の言動を垂れ流し続ける(著名国会議員の番付記者、「石原番」や「橋下番」などを置いて)ことでよしとする姿こそ、「人びとを知ろうとせず、かい離するメディア」を象徴しているといえます。だから、現在何故テレビや新聞を視聴・購読する人が激減しているのです。単に経済危機とか若者の活字離れなどではありません。
これは、メディアが「誰のため?」というビジョンを見失ってしまったからです。「自分たちの職のためのメディア」となり下がった結果でもあります。
でも、人とは過ちから学べる生き物です。
歴史が示すように、今日の過ちから学んだ人・組織・社会は、次の時代に成果を生み出します。すべて成功する、すべて上手くいく、すべて失敗しない人も組織も社会も世界もありません。今、日本のメディアは大きな転換点を迎えています。遅きに失しているとはいえ、まだ変われます。事実、1か月前と現在では、既にメディアの論調が大きく変わってきているのがわかります。
と同時に、いつもの「簡単なストーリー=悪者づくり」のパターンに向かっているのも感じられます。一過性の「悪者たたき」で視聴者や読者を満足させ、憂さ晴らしをさせて、次の悪者探しに行って、もう忘れ去る…そのパターンが繰り返されようとしています。
結局のところ、市民がこのようなメディアの在り方も含め、監視し、提案し、一緒に変わっていかなければならないのでしょう。
3.「意見聴取会」その後の報道の問題点の補足
今朝の東京新聞で、「原発聴取会業者任せ」という記事がありました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012072002000102.html
しかし、開催回数や定員縮小を、業者が発注元(経産省資源エネルギー庁でした)の意向を無視して勝手に決めるわけがないのです。となると、この報道のベースになっている情報を流したのは誰か?おそらくエネルギー庁が、「我々ではなく下請けが勝手にやった」といっているのでしょう。下請けさんが、それに逆らうわけありませんから。それを、この報道すると、受注した博報堂が悪いんだ・・・という話にすり替えられてしまいます。
役所には、企業ではないので「お客さん」がいません(ただし、経産省エネ庁であれば隠れたお客様は沢山います。原発ムラの人たちです)。何を決めてやっても、「役人」という匿名性に守られ、個人の名前や顔は表に出ません。だから、倫理上大問題のことも、民意と離れていても、勝手なことができる。 そして、今彼らは博報堂や意見聴取会に参加した電力会社社員のせいにしてしまえばよいと思ってる。そのことこそが、大問題です。