抵抗の音楽について何度か書いてきました。ツイットで紹介してきたのですが、少しだけ時間があるのでまとめておきます。
ミュージック・ボックスのようにいくつかの音楽を独断と偏見に基づき紹介しています。是非、一度聴いてみてください。ボブ・マーリーのRedemption Song (Song of Freedom)の詳細については、過去ログを(http://afriqclass.exblog.jp/15724514/ )。特に、歌詞の全文を読んでほしいです。
【おススメ抵抗の音楽1】
抵抗のためには自分を解放する必要が。偽りの自分では、時に肩の力を抜かねば、巨悪に立ち向かうパワーが持続せず。だから→ボブマーリー Redemption Song(Song of Freedom) →http://www.youtube.com/watch?v=6KKhHpYb0yU&feature=fvwrel … 曲を聴いた後、自己解放に効く→「私なんてダイッキライ」とシャワーで叫んでみる。皆天邪鬼なんで逆を。何か愛しくなる?
【おススメ抵抗の音楽2】
権力との闘いでイライラしてる貴女におススメ。
出だしにウットリ、でも必ず最後騙されます。
Terez Montcalm "sweet dreams"
http://www.youtube.com/watch?v=ZgCrqqv5TPs
"Everyone is looking for something. Some of them want to use you.....want to abuse you.....Pull your head moving on..........Keep your head moving on......
これも歌詞を全部読んでほしい。不条理に立ち向かうあなたへの応援歌。歌い方が絶対的にオリジナルより歌詞にぴったり。中に入り込んでる。
【おススメ抵抗の音楽3】
今日も闘い疲れた貴女男へ。
ブラジルのMaria Bethânia (カエタノベローゾの妹)。軍政批判の「Cálice(黙っておけの略語)」がタイトル。 http://letras.mus.br/maria-bethania/164682/
Chico Buarqueの歌詞が素晴らしすぎる。直接的な批判ではなく、比喩が沢山多様されながら、権力への批判と抵抗を歌っています。聴き取れない人のために歌詞が載っているサイトを紹介しておきます。De muito gorda a porca já não anda. De muito usada a faca já não corta 「太りすぎてもう歩けないブタ。使われすぎてもう切れないナイフ・・・・」(なんか日本の旧態然としている権力者たちのよう)
今となっては、MPB (Música Popular Brasileira)は日本では単なる歌謡曲だと思われているかもしれません。でも、MPB創設者たちが生きた60年代は、軍政が始まって音楽が抵抗に使われた時代。そもそも、ブラジルの特にアフロ系の音楽や文化は、「抵抗の精神」が埋め込まれていた。
私がブラジルに留学した1991年は民主化移行直後でまだ反軍政スピリットがあちこちに。サンパウロの出版社(雑誌)で出稼ぎしてた私の居候先がブラジル音楽を語らせたら止まらない元編集長宅。そこで出会ったのがM.Betanhaだった。二十歳の私の最初の印象は「辛気臭い」…が、なんか骨の髄に響いた。
当時は、語学力の問題もあったけれど、若すぎて言葉に秘められた抵抗の精神が分からなかった。ながーい権力との闘いを経て、311後の今はより理解が深まった気がする。
【おススメ抵抗の音楽4】
Chico歌はNGだけど(歌わせると少しがっかりする)、寝る前にリラックスして笑いたい人に是非。
Chico BuarqueのAcorda Amor(愛よ目覚めよ)
http://www.youtube.com/watch?v=kMmlXCcRjJc
ノリノリで愛を歌ってるフリしながら、独裁への痛烈皮肉
「私を、私を、私を、ドロボーと呼べ!」
画像を見れば納得します。
世界中の民衆の抵抗に「ズラす」という戦略がある。真正面から対抗しつつも、権力と金にしがみつき続ける既存権力を大勢で「あざ笑い倒す」。「気づいてないん、あんたらだけやで。ハズカシ~」という調子。杉並デモなんかはその典型かと。「エラい人(!)」演じてる野田さんも、下野して「ただの人」になってふりかえってみれば、1年以内にハズカシ~想いをすることでしょう。
「危機が新しいものを生み出すチャンス」としたら、「抑圧と困難は豊かな芸術の土壌を準備する」と思う。危機や困難だけを見て早合点したり、ありきたりの結論(解決)を急がない。歴史は教えるから。苦しいけど、危機・困難と死闘を繰り広げながらも、それを越した先に新しい未来と豊かさがある、と。