本学着任から9年。あれやこれやの授業で、私が試みてきたこと。それは、学生の皆さんに「知識」や「スキル」を与えることではなく、「学生ひとり一人のエンパワーメント」、そして総合的な「人間力の向上のサポートだった。思いの外、長文になってしまったが今考えていること。ぜひ最後までお付き合いください。
■私の教育マニフェスト(2010年版)
http://www.tufs.ac.jp/ts/society/africa/manifesto.html
「エンパワーメント」や「人間力」といっても、勉強しなくていいということではありません。人間力を向上させるには、よくアンテナをはり、よく学び、よく読み、よく考え、よく行動し、よく協力し、よく書き、よくふり返らなければならないからです。そして、何より自分自身の人生と生活、そして世界や日本や地域といった社会の中で、「当事者」にならなければなりません。人(先生)任せの勉強、人(親)任せの生活、人(友人)任せの行動、人(社会)任せの生き方では、人間力は培われません。
自分の人生・生活・社会の主人公(「当事者」)として自立するための、第一歩を踏み出す。
「自分が求めるもの」ではなく、「自分が求められるもの」とは何なのか。この発想の転換こそ、今必要とされていることだと思います。それを知るためには、独りコンピュータの前に座っていても、自分の感覚や考えに答えを求めても、何も見つからないでしょう。なぜなら、「他者」、そして社会との関わりがなければ、その答えは見つからないからです。是非、大学のキャンパスから一歩も二歩も足を踏み出してほしいと思います。あるいは、大学の中にもたくさんの機会があります。
なぜなら、何事においても答えは一つではないからです。どこから見るか…で、すべては変わってきます。たった一つの脳みそ、身体しかないわたしがみなさんに教えられることは、ごくわずかです。そして、わたしの見方はわたしのものであって、世代の違うみなさんがもつ視点から見たときに、必ずしも妥当ではないかもしれません。何より、ここから先はみなさんが自分の力で人生を社会の中で生きていくのであって、自分で考え、自分の見方を育む一方、別の人の考えやものの見方から学ぶという双方向のやり取りこそ重要です (続きはHPへ)。」
そして、外大生の一部は見事に変わったと思う。それは外語祭を見ればわかる。勿論、外語祭実行委員会の頑張りもあったけれど、従来の「部活」「サークル」に留まらない、学生の主体的なグループ化や活動が、しっかり示された。
ゼミ生をみていても、心の底から成長したと感じる。もはや、私など不要だと思うほど。先輩が後輩にしっかり伝統は受け継がれ、皆が自主的に、主体的に動いている。
今年後半のゼミ生が自分たちで作ったビジョンはこうだ。
■3年生のビジョン
目標:自立と助け合い
○自立とは:自ら動く/目的意識を持つ
○助け合いとは:相互扶助/頼るに足る信頼関係/互いのことに興味を持つ(自分のことに一生懸命にならない)
○その結果、自分たちがどうなるのか:立派な先輩になる/4年生に負けない
→つまり:本質を見抜く力をつける/批判力をつける
■4年生のビジョン
目標:【社会を変えるための人間力と仲間を手に入れる】
ーみな、現状の社会に何かしら違和感を覚え、変えたいと思っている。それを達成するために私たちに求められているもの、それは総合的な「人間力」と支え合える「仲間」である。
「若い人たちは変わる力を持っている」
これが、この大学に着任して9年、心の底から思うことだ。
この素晴らしい「力」を、しかし、彼ら自身が気づいていないこと多々。大人たちが、長年にわたって、「いかに出来ないか」を強調しすぎたせいだと思う。
自分や互いの「もっている力」に気づく。
そして、「その力」を開花させる。
それこそ、子どもから若者に関わる私たちの与えられた大きなミッションだと思う。
しかし、大学を見ても、世間を見ても、親たちを見ても、そんな風に若者のことを思ってる人はあまりに少ないという現実にぶち当たる。若者の力を信じないからこそ、「自分たちの世代だけの安心」を求める利己的な傾向があることは事実だ。
311前の1年間、私は都内の諸大学や各地の「市民大学」「市民講座」の講師をした。そこで、「困っている人がいたら助けるか」どうかの質問に、大人たちは軒並み「NO」というのに対し、圧倒的多数の若者が「YES」と答えた。「若者は自分勝手だ」という思い込みのある人には意外な結果かもしれない。
勿論、若者たちは現実を知らず、親のすねをかじっているから安易にYESと答えられるのだという意見もあろう。退職後の方が多い市民講座において、先行きの不安を沢山お持ちで他人のことなど・・・という方も多いだろう。しかし、市民講座の多くは裕福なエリアで開催され、参加者の多くは大企業の海外経験者であった。その人たちをして、「他の困っている人への感度」の低さに、私は現在の日本社会における世代間格差の本質が横たわっていると思う。
そんな大人たちの利己的な姿勢は、必ず下の世代に影響する。せっかく、今「他者への思いやり」を持っている若者たちも、大人たちが創り上げてきた社会が彼らを犠牲にする形で成り立っていく事実に気づいたら、どのような「共に生きる社会」が描けるだろうか?
今、若者は夢が描きづらい社会に生きている。それは大人たちがそのように繰り返し口にするだけでなく、大人たちによる「自分たちさえよければ」の政策の帰結からも明らか。
●未来を奪う教育予算の少なさ(OECD下位&平均10%に対し日本4%、大学への奨学金は給付型ではない)
●雇用形態(非正規雇用当たり前、特に若者層の二人に一人は非正規雇用か失業中)
●社会保障の在り方(現在60代と20代の社会福祉に支払った額ー将来受けられる額の差は1億円という試算も→http://blogos.com/article/51386/)
そのいずれもが、10年後、20年後、30年後、破綻することは確実な状況である。なのに、相変わらず作り続けられるコンクリートの塊(道路、ダム、公共施設、住宅)、そしてリニアモーター!トンネル事故で明らかになったことは、これ以上のコンクリートを増やすことではなく、補修・維持のために予算を振り分けていかないと、人の命すら奪われてしまうということ。でも、ゼネコンや地域票、利権のため、政治家も官僚も、このようにお金を浪費し続けたい。
せっかく「コンクリートから人へ」という素晴らしい転換を掲げた民主党の2009年の政権交代は、地元土建・自治体・官僚・御用学者によって巻き返された。その明らかな例が八場ダム。
もはや、多くの若者はそんな社会から撤退を始めている。なぜなら、今の若者たちは、既に40%が年金を払っていないからだ。さらに、不登校、ひきこもり・・・。これらの若者たちが社会のリーダーになる20年後、どんな社会が待ち受けているだろうか?それを準備しているのは、今の大人たちなのだ。
卵が先か、ニワトリが先か・・・。
つまり、若者が変わるべきか、大人たちが先に変わるべきか。
この論争の答えをずっと考えてきた。そして私の答えは311後は明快だ。旧構造の転換は重要である。そこに関わる人たちにも変わってほしい。がしかし、その壁の厚さは凄まじいもので、ともすれば消耗しきってしまう。がしかし、冒頭に書いたとおり、「若者の自らで変わる力」は柔軟で、素晴らしく、しかも未来がある。
だから、人間力を向上させつつある若い皆さんに、次の課題を呼びかけたい。
それは、
「社会の一員としての当事者性を存分に発揮する一つの手法」としての、選挙への参加である。
必ず投票に行こう。そして大人たちをびっくりさせよう。
60代以上の投票率は20代の投票率の2倍である。
人口がそれでなくとも少ない20代なのに、この投票率の低さが、若者の未来への国策の投資(予算配分)が疎かにされている原因である。また、皆さんのさらに下の世代である子ども世代への投資(子育て、教育etc)もまた無視される背景にある。そして、皆さんたちの未来に多大な不良債権を負わせることになる原発を、まだ再稼働・新設しようなどとする政策についてよく考えよう。
「原発が安価で安定している」などというプロパガンダが嘘だったことは、既にはっきりしている。日本に54基の原発は必要なかったことがはっきりした(現在2基だけ稼働、しかも2基がなくても夏は乗り切れた)。原発が必要だと言っているのは、原発政策からお金を儲けてきた人たちであることに気付こう。それは、電力会社であり、政治家であり、原発関連企業であり、高級が取れる天下り先を確保したい官僚であり、御用学者であり、多大な広告料収入を得てきた広告会社であり、マスメディアなのだ。
→http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011072201000982.html (「自民個人献金、72%が電力業界 09年、役員の90%超」)
→http://mainichi.jp/select/news/20121202mog00m010019000c.html (「民主党が「原発ゼロ」をマニフェストに盛り込み、「働き場を奪われかねない」と反発。労組内には候補者推薦の条件として原発存続を求める動きもあるなど、民主候補者に事実上の「踏み絵」を迫っている」)
→http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/423601.html (「北海道電力の現役社員の身分のまま、道議や市議を兼務している「社員議員」が9人。市議の8人は議員報酬以外に同社から給与。人件費として電気料金に反映されており、「議員活動を電力利用者に支えさせる形」」)
しかも、地震大国の日本にあって大半の原発は活断層のそばか真上に作られている。原発事業主にも、官僚にも、御用学者にも、政治家にも無視されてきた。しかも、大飯原発の調査は選挙の争点化を避けるために「活断層」と否定できないとするものの、動かされたまま調査は止まっている。調査前は、原子力規制委員会委員長は「グレーだったら黒」「グレーだったら止める」と言っていたのに、だ。
→http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012110502000158.html (「大飯原発調査 活断層見方強まる 結論は持ち越し」)
→http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012120202000096.html (「敦賀原発 敷地内断層「大変活動的」」)
次の大規模地震にまた被害が出る可能性は否定できない。東日本大震災ですら事前に予測できなかった。それが明日だとして誰に分かるだろうか?何より、原発業界はあれほどの事故を起こしたにもかかわらず、猛省もなく、相変わらずの「ずさん管理」「情報隠ぺい」体質からの脱却はない。住民の安全をこれらの業界や政府に任せておく危険性には、福島の事例ではっきりした。
→http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20121205-OYT1T00481.htm?from=tw (「もんじゅ点検不備9700件…書面化せず延期」)
そして、福島原発事故の賠償も廃炉も何も進んでいない。膨大な移染(除染ではない)処理の費用も含め10兆円を超えるという試算が既に東電から出ている。島根県が1億円を超える賠償を東電に請求したが、このように今後東電や国が想定していない賠償要求は続くであろう。なにより、生活を突然奪われた福島県16万人の避難者への生活の保障も賠償も十分に行われず、国策・企業行為の失敗のつけはすべて普通の人びとが負っている状態にある。しかも現在、原発規制委員会委員長に就任した田中俊一氏(国会の同意なし)は、自主避難者への賠償に反対した人物。被害者になってなお、賠償もされず、このような不公正と闘わねばならない人びとの苦しみを「他人事」にしないために下記映像をぜひ。
→http://mainichi.jp/select/news/20121201k0000m040048000c.html (「島根県は、東京電力福島第1原発事故で肉牛の放射性セシウム濃度検査などに費用がかかったとして、東電に総額約1億2500万円の損害賠償を請求すると発表」)
→http://www.youtube.com/watch?v=JXXRBJjH4bQ (「原子力損害賠償紛争審査会(18回)後半 ラスト3分42秒。自主避難者への賠償が決定した後、閉会間際にわざわざ能美会長からマイクを奪い、自主避難者の目の前で「賠償はすべきでない」とのメモ読み上げ。怒る福島の方々、叫ぶ女の子の姿も」)
東電の賠償・福島第一の廃炉総額は10兆円ですら足りないかもしれない。日本の原発の保険を民間でもはや引き受ける人たちはいない。原発は税金なしに維持できない高額な電力なのだ。それをはっきり示したのが、ドイツ企業のシーメンスの原発事業からの撤退。福島原発事故を受けて、ドイツ政府が脱原発を決定したのを受けて、民間単体では利益が出ないどころか、リスクを含めて商業的メリットがないと判断し、潔く撤退。それぐらい原発事業への税金の拠出は膨大である。しかし、日本ではそれらの金額を積算しないで「原発は安い」といっている人たちがいる。政府、政治家、御用学者、メディア・・・彼らは、まず信用できない。
何より、日本にも世界にも、これらの原発から出てきた廃棄物処理の安全な技術を持たず、「トイレのないマンションに暮らす」状態にある。これ以上、原発を動かせば動かすほど、この処理は困難で、高額になる。「安定的な電力」という欺瞞は、「出口」を予想せずに戦争に突入した戦前の日本と変わりない。安全に廃棄物処理ができないで、「安定的な電力」といえるとしたら、それはもはやプロパガンダで脳みそがやられているのか、あるいは分かっててあえて利己的な思惑のためにいわれているに過ぎない。そして、最終処理が何も決まっていない以上、おの汚染物質と未来永劫不安と共に暮らしていくのは、将来の世代なのだ。
以上は福島の犠牲(今だに16万人以上が避難生活)を受けて、私たちが学んだことであった。そのことを、特に東電管内にいる我々、あるいは大量電力の消費地でありながら原発という危険物を引き受けてこなかった私たちが肝に銘じるべきことの数々である。
以上は、「たかが原発」の話ではない。この国は、過去の戦争において、簡単に人びとの命を犠牲にしてきた。311後、原発の問題、脱原発の難しさ、放射能汚染を軽くみようという圧力の数々・・・をリアルに目の当たりにして、私は自分の「平和のための暴力研究」が、いかに不十分だったか思い知った。
→http://www.kahoku.co.jp/news/2012/11/20121130t61011.htm (「福島県が県民健康管理調査検討委員会の事前会合に当たる「準備会」に関する部分を削除したことが県の関連文書で分かった。文書の開示請求を受けるのを避けようと、準備会の存在を隠した可能性がある」)
日本社会の、声が小さい子ども、若者、女性、社会的弱者を犠牲にする仕組みは、ここまでも腐敗し、人の命と健康と幸福を蔑にするものだったということに目が覚める思いだった。原発も、第二次世界大戦も、若者と子どもの未来の軽視も、すべて同じ根っこに起因する。
特に、「特攻隊」と称するものに若者をあえて乗せるなどという愚策を行った。何故将来のある若者を、大人たちが始めた戦争の犠牲者にしたのか?美談で済まさず、今一度その背後にある思惑を考えてほしい。戦争を始め、推進した人たちは、自分たちは犠牲になる気などさらさらなかったのだ。自分たちはどうせ年齢で、要職により、最前線になど行かなくてもいい。そういう者たちが煽ったのだ。煽る時、特攻隊を美談にして、もっと若い者たちを動員しようとした。「若い血が流された」と皆の怒りの矛先を「敵」に集中させたが、そもそも「それほどの素晴らしい若者を率先して死なせたのは誰だったのか?」を問うてほしい。しかも、戦況が限りなく悪いことを隠してのことであった。
そして、今、同じように大人たちが、自分では戦場にも行く心配もなく、徴兵にも応じる必要のない年齢の政治家たちが、「国防軍」「徴兵制」「核武装」などと口走っている。21世紀、戦争が民衆を犠牲にすること、バカらしさを熟知したはずの今、このような事態が訪れるなどとは思ってもみなかった。
私たちが今目にしているのは、
①戦前から変わらない国家の肥大化とそれに群がる官政民財学メディアの利権構造、
②その構造が崩れる可能性に直面し(グローバル化や政権交代)、一致団結して反撃するため、形振り構わぬやり方で構造維持に力を併せている姿、
③以上の権力による一人ずつの人間の命の軽視、
④そして民衆自身の無自覚無関心、である。
311後、これとの闘いを、私は上の世代の端くれとして引き受けなくてはならないと腹をくくった。でも、下の世代である若者の皆さんには、①~④の自覚の上で、新しいものを一緒に創ってほしいと思っている。そして、若者と同様に、女性たちにも。
批判だけでは何も生まれない。
でも、批判しないと今の状況は悪化するだろう。
だから、今日も批判しながら、新しいものを創り出そう。
新しいものを創り出すときに、皆さんのような若者と女性たちのもっている力は素晴らしい。
→http://wan.or.jp/group/?p=2347(例えば、「全国おばちゃん党始動式に参加して~「福祉」「人権」「おっさん政治」をめぐり議論炸裂」)
私はそれに希望をみているし、期待してもいる。まだ先は長いけれど、今丁度よい機会が到来している。東京都知事選挙と衆議院選挙である。こんなに注目された選挙はなかなかないし、新しい動きが既に沢山出てきている。どうせ後12日。皆さんの将来はもっと長いスパンで考えるべきことであるけれど、この選挙の結果は後5年も続いてしまう。その時、皆はもう家族がいるかもしれない。5年後の自分の生活を考えて、今を大切にしよう。
若い人が今回の選挙に際して出来ることの5点、
(1)なんといっても投票に行こう!
●期日前投票を大いに活用しよう!
投票日当日に用務や仕事がある人は5日~15日まで「期日前投票」が可能。住民票がある選挙区の期日前投票所で朝8時半~夜8時まで普通に投票が可能。
●下宿中の皆さんは実家に帰ろう!
下宿中の大学生の皆さんの大半は住民票を実家の住所に置いたまま?ぜひ実家に電話して選挙管理委員会から届く投票案内を取り置きしてもらい、来週末は実家に行こう。そして、その前に家族ともよく議論しよう。勿論投票は秘密で、それぞれの決断が反映されるべき。私がいいたいのは、投票の中身ではなく、親世代というこの社会の要になっている50代以上の人たちに、若者の皆さんが挑戦する良い機会だということ。全ての若者がそうすれば、変わると思わない?50代以上の人たちは、皆多かれ少なかれ「誰かの親」であることを考えれば?
(2)候補の選挙事務所に行ってお手伝いしよう!
若者の特権は、時間と体力。どうせ12日程度。近くの(選挙区でなくてすんでいる近くでも大学の近くでもOK)候補者の選挙事務所に行って、ボランティアを申し出よう。本当に社会勉強になる。大学と下宿や実家しか知らない、あってバイトしか知らない「世間」の枠を、一気に「社会」に広げられる良い機会。こんな良い機会を活かさなくてどうする?
問題は誰の?というところ?
プロの政治家の事務所よりも、市民から今回立候補している候補者のところが色々な人も集まっていて勉強になるだろう。
身近にそういう候補者がいない場合は以下で探すのもいい。
「脱原発つうしん簿」各選挙区の全議員にアンケート実施。自分や気になる選挙区をクリックすると議員のアンケート結果が分かる。→ http://giintsushinbo.com/
(3)暇はないがカネはある場合
学生には無理でも会社等で働いている人にはこれも有効な手段。税控除が受けられるので、ぜひ市民派の立候補者たちを支援しよう。というのも、日本で選挙に出るには小選挙区だけで300万円もかかり、立候補のハードルが非常に高いから。多くの候補者が300万円を集めきれていない状態で、さらに選挙運動の費用が重くのしかかっている。1000円でも5000円でも1万円でもいいから、寄付をしてあげてほしい。
(4)でも何より選挙について、政策について話そう!
若い人をみているとあえて政治や政策マターの話題を避けてる様子が良く分かる。「政治的に見られるのが嫌」、「他人と違っているのが嫌」、「変わった人と思われたくない」、「こういう堅い話題で聞いている人がシンドくなるのが嫌」、「会話が重いのが嫌」など色々言い分はあるだろう。でもだから、皆さんの投票率は、60代の半分になってしまい、皆さんの将来を誰も考えない。
感傷面での「恥ずかしさ」や「群れる安心」を捨てて、「個」になることこそ、皆さんの人間力向上になるし、これからの激動の社会で生き延びる糧になるだろうし、何よりそのことによって社会が全体として良くなるきっかけになる。
皆さんは一人の若者であると同時に、周りの人に影響を与えられる立派な社会の一員であるし、皆さんより下の世代のリーダーでもある自覚を持とう。
(5)そのためには複数の新聞を読み比べよう!
公職選挙法が古すぎて、投票を呼び掛ける有権者への電話やビラ貼りは許されているのに、インターネット上での候補者の情報アップはFBもツイッターもブログもすべて禁止されている。となれば、マスメディアだが、民間TVは大量の宣伝費を必要としており、原発等の産業界への配慮から自民党支援。NHKも同様に「政権放送」となているため、過去の政権与党の自公、今の政権の民主への配慮が凄い。
なので新聞の出番だが、各新聞の政治へのアプローチは正反対で片方だけ読んでいると、ネガティブっキャンペーン合戦も凄いので、判断を見誤るだろう。特に、(a)ヨミウリと産経は報道の正確さを欠いており、主義主張にあわせた報道が目立つので、家でこれらを取っている人たちは、あわせて(b)朝日と毎日のいずれかをこの期間は必ず読もう。そして、(a)でも(b)でも、是非あわせて読むべきは、(c)東京新聞。原発報道でも賞を取るなど、一人一人の立場に立った報道を志しており、広告収入も少ないので権力批判を恐れない良い記事が多い。
■最後に■
権利とは誰かがくれるもんじゃない。きっとまだ「子ども」気分が抜けない皆さんは、「権利はあって当たり前」「権利なんてなくても大丈夫」・・・などと思っているだろう。あるいは、皆さんの親世代も同様にそう思っているかもしれない。
でも世界史を思い出してほしい。古今東西、世界のいずれの社会でも、人びとはこうやって権利を闘い取ってきた。そしてそれは手を緩めるとすぐに奪われてしまう権利だった。
2012年末の今。1945年のWWII後、先人たちが一生懸命守って来てくれた「平和」「自由」「民主主義」のいずれもが、危機に瀕している。今、有権者である皆さんは、これを私たちと一緒に転換するあらゆる力を備えていると思う。
以上のいずれの権利も憲法に書き込まれている。社会科の授業以外で改めて読んだことがないと思うので、是非これを機会に読んでみよう→http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html
気負わなくていい。まずは「最初の一人」になるのを恐れず、大いに選挙について政治について、政策について、周り、家族、その他と大いに話してみよう。そのために、よく調べ、よく考え、よく論じてみよう。皆さんの将来、皆さんの権利。皆さんの他の誰か・・・に期待するのではなく、「威勢のいいヒーロー」に期待するのではなく、一人一人が主人公の社会の創造に、今こそ立ち上がる時なんだと気付いてほしいと思う。
*なお以上のことはツイッターでデータや出典を明記する形で示してきたので(原発のこと、政官財学メディアの癒着、国防軍、憲法、世代間格差など)、そちらを遡っていただければ→@sayakafc
*その他、以下参考まで。
1)選挙事務所を手伝おう!キャンペーン&情報提供
http://miraisenkyo.wordpress.com/2012/11/30/support/
2)facebook「選挙事務所を手伝いに行こう!」
市民のお手伝いを募集している事務所情報を掲載・シェアするための公開グループ
http://www.facebook.com/groups/564636013553912/
3)「#投票なう」キャンペーン
期日前投票に行って「#投票なう」しよう!
http://miraisenkyo.wordpress.com/2012/11/22/now/
4)市民がやっていい選挙活動をまとめました
http://miraisenkyo.wordpress.com/2012/12/02/ok/
5)有権者に対する情報提供
脱原発つうしんぼ(結果の公開がはじまっています)http://goo.gl/ZYNCm
総選挙でグッバイ原発 http://vote4it.info/
脱原発議員総覧 http://goo.gl/hF4IC
6)選挙に関わる全国の様々な取り組みのリンク集
http://miraisenkyo.wordpress.com/2012/11/15/link/