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カフェ・モサンビコ・プロジェクト誕生物語~私がこれを立ち上げた訳、「外部者」「内部者」の役割

このブログでの告知が1か月も遅れてしまいました・・・。
でも順調に「一苗サポーター」と「キックオフパーティ(12月15日(土)」参加者も増えています!
そしてついに今週末、現地でコーヒーの苗木1号たちを、ママたちの畑に移植します!

詳細は同プロジェクトの公式ブログへ
→http://cafemozambico.blog.fc2.com/
ここではプロジェクトに至った背景と想いを紹介しておきます。

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カフェ・モサンビコ・プロジェクトにようこそ!
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1.Café Mozambico Project誕生への想い

 1997年、モザンビーク北部。僻地と呼ばれるニアサ州のさらに奥地のマウア郡で出会った在来種のコーヒー。「コーヒーの原産大陸アフリカ」にあって、「コーヒー空白地」とされたモザンビークで、細々と栽培されてきたコーヒーとの出会い。皆で「モサンビコ」と名付けたこの小さなコーヒーの粒に魅了された私たち。
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*コーヒーの故郷、この山が「マウア」の象徴(2012年)
其の3年前の1994年。私は、16年におよんだ武力紛争後のモザンビーク北部にいました。ニアサ州で戦闘が最も激しい地域に派遣された私は、文字通りゼロ以下の惨状の中から立ち上がっていく人びとの姿に、ひたすら共感と感動を覚えました。
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*マラウイから帰還したばかりの家族(1994年、マンディンバ)
 何より、村に戻って一生懸命畑で働く現地の女性たちの頑張りへの共感、その一方での貧困と格差の厳然たる状態。何かできないものか・・・と思って18年も経ってしまいました。
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*生まれたばかりの赤ちゃん。お母さんは前日もこの翌日も家事に大忙し(1997年、マウア)

 マウアの人びと、そして在来コーヒーとの出会いから13年。

 2010年、コーヒーを愛する日本のエキスパート、モザンビークで学ぶ日本の大学生や大学院生とともに温めてきたプロジェクトが、カフェ・モサンビコ・プロジェクトです。

 このプロジェクトの特徴は、モザンビーク人がモザンビーク人(マウアのお母さんたち)を応援するのを、日本の仲間たちで応援する点にあります。
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*苗木を作るルリオ大学の先生(右)、学生(中央)、留学生(左)
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*地元のお母さんたちにコーヒーについて説明するルリオ大学の先生

 つまり、私たちが試みているのは、同じニアサ州にある国立地方大学(ルリオ大学)の農学部の先生や学生たちが、マウアのお母さんたちを応援するための協力を行うことです。
 そのことが持続性を生み出すだけでなく、モザンビーク社会の未来に役に立つとの考えからです。
 従来の「開発援助」は、援助がある間だけの人間関係をベースとし、「職業/産業としての援助」でした。先進国が援助をするための、現地のカウンターパートが設定され、「誰の何のための支援なのか?」が大きく問われてきました。援助予算や関係者が引き揚げた後に続かない援助の数々。放置される供与機材や物資の数々…。20年近くの間、アフリカ中で、これらのものを目の当たりにしてきました。
 これらは、ODAが日本のメーカーや商社、援助業界に還流させるための「幽霊援助」だったためです。と同時に、外部援助機関の「カウンターパート」である当該国政府や機関が、「援助があるからやる」傾向にあったためでもありました。このような上(外部ドナー)向きのアカウンタビリティは、結果的に、被援助国政府やその機関が、「誰の何のためにあるのか?」という問いに直面せず、下向き(民衆)のアカウンタビリティを心がけなくて良いという状況を生み出してきました。当該国の民主主義の定着の問題も当然あります。日本の「お上と民衆」の関係に近いものが、所謂「途上国」で再生産されてきました。これを支えたのが政府開発援助ODAです。
■日本の開発援助の過去・現在、そして今後に関する論考→http://afriqclass.exblog.jp/16081930/

 しかし、もう21世紀。そしてアフリカも急激に変わりつつあります。
 90年代以降政権交代を実現する国も多く、新しいエリート層が生まれています。経済成長著しいアフリカには外資が流入していますが、「資源の呪い」もあり、これらの新しい層が、自分の蓄財のためばかりに専念し、貧富の格差が広がっています。援助は、本来これらの層が自分の国の貧しい人びとのために役割を果たすことを促進するために使われるべきですが、そのような転換に結びついていません。相変わらず、「産業としての援助」は組織として肥大化し、日々の仕事に追われ、人間の発想も変わらず、硬直化し、「日本語で日本人がやらなければならない援助」が継続しています。

 しかし、アフリカの10年、20年、30年先を見ていくとき、そして現在の急速な経済成長や人材育成の進み具合を考えるとき、アフリカ内の人的資源、組織的資源を、アフリカ自身の課題解決と将来のために役立てるためのサポートが、今こそ不可欠なのです。何より彼らの社会、未来です。

 私は、2000年にモザンビーク洪水被害者ネットワーク(後のモザンビーク支援ネットワーク)を立ち上げ、洪水サバイバー女性世帯を応援する一方で、日本が戦時中のモザンビークに長年にわたって無償供与し続けた農薬(食糧増産援助2KR/KRII)問題に取り組みました。使用されないまま倉庫で腐敗する農薬、洪水で水に浸かり汚染をまき散らす農薬。毎年5-10億円もの無償供与。他方、米の援助は有償でした。あの時飢えて死んでいった子ども・大人、その数は10万人以上にも上るといわれています。
 この時の議論で、外部者は地元の人びとの生産の努力をどうやってサステナブルに応援できるのか?という問いが、私の中での重要な問いとなり、その後、地元のカソリック大学農学部との交流や一連の適正技術関連図書の寄贈を行ってきました。しかし、残念ながら、この大学はオランダの肝入りで作られたこともあり、外部者への依存という側面が強く、あまり発展性がないと思われました。
 そんな中、最も戦争の影響を受け、開発が遅れ、政府の関与が少ない北部地域に、地域社会の抱える課題解消に高等機関が役割を果たすためにルリオ大学(Universidade de Lúrio)が設置されました。そして、農学部は嬉しいことにニアサ州に設置されたのです。2009年の設置以来、この大学の応援をしてきました。共同調査を行ったり、先生たちへのレクや、教授会への参加、カリキュラム策定の協力、学生同士の交流などです。そして、ついに2012年12月に東京外国語大学との交流協定が発効し、第一号の派遣留学生が誕生します。中でも、農学部には1994年来関わってきたニアサ州にあるということもあり、様々な形で協力・交流し、現在に至ります。
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*ルリオ大学教員へのレクチャー(2010年)
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*コーヒーレクチャーの通訳をする日本からの留学生(2011年)
■地方大学ルリオ大学の挑戦→http://afriqclass.exblog.jp/8907379/

 このように、本プロジェクトでは、アフリカ、モザンビーク、コーヒー、女性のエンパワメント、地域社会に貢献する大学教育と人材育成をキーワードに、ルリオ大学や現地のお母さんたちのサステナブルなコーヒー栽培と生産(アグロフォレストリー&オーガニック)が軌道に乗るのまでの10年ほどお手伝いをしながら、日本のコーヒーを愛する人たちとモザンビークのお母さんたちとの間を結び、ちいさな小さな「モサンビコ」の輪を一緒に育てていきたいと思います。
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*モサンビコの苗木、かわいい・・・

2.プロジェクトの目的と概要
【目的】
(1)上位目標:マウアの女性たちの生活の安定化による地域社会の安定化
(2)中位目標:
モザンビークの高等教育機関・人材が、地域社会の課題解決に貢献する
日本の人びとをモザンビークの人びととつなげ、共感と連帯の輪を育てる
(3)下位目標:
「コーヒーの空白地」のモザンビークにコーヒー栽培を紹介する
モザンビーク、日本の若者の人材を育成する
持続可能な農業(アグロフォレストリー&オーガニック)を紹介する
【概要】
アフリカ、モザンビーク、コーヒー、女性のエンパワメント、地域社会に貢献する大学教育と人材育成をキーワードに、
貧困と格差に直面するモザンビーク北部農村・マウア女性の生計向上並びに農的営みの安定化を、在来コーヒー栽培支援を通じて応援する
マウア女性を直接支援するのは現地のルリオ大学であり、
本プロジェクトは、その側面・後方支援を行うとともに、
日本での共感の輪を広げる

3.アクター・体制
主体はモザンビークの人びと
・モザンビーク人がモザンビーク人を応援することを、応援する
・ニアサ州マウア郡の女性たちが自らの畑でコーヒーを栽培・個別に収穫する
・ルリオ大学農学部教員・学生がマウアの女性たちを技術面などで応援する
以上を実現するため、日本の当プロジェクトの日本関係者は
・ルリオ大学によるコーヒー栽培のための技術指導を行うほか、マウアでのエクステンションの部分支援を行う
・マウア女性からのコーヒー豆買取りを実施する
・マウアの女性たち、ルリオ大学の応援者たちと日本の人びととを繋ぐ

<日本からの留学生がインターンとして事業のフォローを行う>
*初代インターン:美咲from愛媛大学
*二代目インターン:いずみfrom外大

4.計画
【第一フェーズ:2010年~15年】
プロジェクト形成
地元関係者(大学・コミュニティ)の理解・協働促進
育苗から移植、手入れまでのプロセス指導
最初の収穫、加工までのプロセス指導
【第二フェーズ:2015年~18年】
モザンビーク関係者でのサイクル・継続の応援
ふり返りと改善
【第三フェーズ:2018年~20年】
買付け強化

5.第一フェーズの年度計画
2010年 関係者らとのアイディア出し、話し合い、合意形成 (済!)
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*コーヒーの木のシロアリの駆除(ルリオ大学女学生)
2011年 地元女性グループ形成、たい肥作り (済!)
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*地元ママたちとのたい肥づくり講習会(2011年)
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*家主のお母さんwith作ったたい肥と庭先の様子(2012年、初代インターンも)
2012年 苗作り①(コーヒー、アグロフォレストリーのためのマメ科の日陰樹) (済!)
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*育ちつつある苗木(2012年)
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*先生の家の庭で大切に育てられたアグロフォレストリーのためのマメ科日陰樹を600キロ先のマウアへ大学ミニバスで移動(2012年、ルリオ大学マウアチームの男子学生)
    移植①(*今週末!)
2013年 苗作り②移植②
2014年 苗作り③移植③
2015年 収穫① 加工

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一苗サポーター募集中!
~一緒に育ててみませんか~
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カフェ・モサンビコ・プロジェクトでは、モザンビークのお母さんたちのサステナブルなコーヒーづくりを通じた生活向上を応援するため、プロジェクトが支援なしで回っていくまでの5年間(初期段階2012~2017年度)を、一緒に支えてくださる『一苗サポーター』を募集しています。一緒に、この小さなプロジェクトを育ててください!
【1苗サポーター概要】
1苗サポーター(1苗5000円/年度)を100苗分募集!
サポーターは、カフェ・モサンビコ・パーティに招待される(パーティ参加費は別途)他、毎年カフェ・モサンビコ(少量ですが)を受け取れます。
1年目の2012年度サポーターは、2012年度(2013年3月31日)までですが(すみません)、プレミア・サポーターとして、「サプライズ」企画の対象者となります。

詳細:http://cafemozambico.blog.fc2.com/blog-entry-3.html

一苗サポーター第一号は、佐藤芳之さん!
プロジェクトの構想段階から相談に乗って下さいました。
■朝日新聞Globeの紹介記事
http://globe.asahi.com/breakthrough/100222/01_01.html
■テレビ東京 カンブリア宮殿
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20110519.html
■ご著書
『OUT OF AFRICA アフリカの奇跡 世界に誇れる日本人ビジネスマンの物語』
(2012、朝日新聞出版)

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キックオフパーティ!
12月15日(土)in大阪
2月2日(土)in東京
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詳細:http://cafemozambico.blog.fc2.com/blog-entry-4.html


今後の詳細は、次のカフェ・モサンビコ・プロジェクトのサイトをご覧ください!
公式ブログ: http://cafemozambico.blog.fc2.com/
by africa_class | 2012-12-05 22:18 | 【協力】カフェ・モサンビPJ
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