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一括掲載:安倍首相談話の分析〜被抑圧者の視点を含む現代国際関係史からの考察

安倍首相談話が発表された。
タイトルはとても良い。
「終戦70年。歴史の教訓から未来への知恵を学ぶ」
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/0814kaiken.html

なのに、何だ…。
「歴史の教訓」の把握のしぶりがおかしい。
世界史の展開にそのすべての理由を求める始末…。
「主語がないからお詫びがない」と騒がれているようだが、それもそうだが、その前提となる「何故謝らなければならないようなことになったのか?」の原因分析が、まったく他人事。しかも、歴史的事実を、都合のよいところだけピックアップして、「だから日本は世界の潮流に乗ってしまって、途中で道を踏み誤ったんだけど、それも経済のブロック化で追い込まれたからだよ〜」となっている。

詳細はまたテキストにしたいが、とりあえずつぶやいたことだけ貼付けておく。

この談話の土台となった「21世紀構想懇談会 報告書」
2015年8月6日
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/21c_koso/
なるほど「20世紀=帝国主義」から始まっていてこれ自体は妥当だが、日本の帝国主義・植民地支配に関する検討が一切ない…。

この分析は今度にして、以下談話だけみたところの分析。


【安倍首相談話1】アジア・アフリカの被植民地支配者の視点から20世紀の国際関係史を振り返ってきた者として、こんな談話が世界に発信されたのが今も信じられない。誰も助言せず?日露戦争の5年後に日本がしたのは朝鮮併合。なのに「日露戦争は、植民地支配の下の…人々を勇気づけました」とだけ。

【安倍首相談話2】中国や南洋諸島も植民地支配していったプロセスは完全オミットし、突然「満州事変」「国際連盟からの脱退」が言及。背景に世界文脈を述べても良いが、首相談話として最も肝心な主語と動詞がナイ。日本が誰に何をした結果何が生じ、何を問題と認識し、談話する?

【安倍首相談話3】日本によるアジアの植民地支配の歴史を全く言及せず、「戦場になったアジア」へのお詫び、「将来も侵略/植民地支配せず」を述べているだけ。「植民地支配は他もやったからやったまで」と。「あの時殴ったけど、みんなもしたよね」とこの期に及んで、何それ?

【安倍首相談話4】「アジア・アフリカの人びとに勇気を」は「植民地支配者側ではない同じ有色人種」と受け止められたから。が、すぐに支配者側に転じたし、日本が「抑圧された有色人種の真の解放者」でなかったのは歴史事実。アパルトヘイト下南アで「名誉白人」にしてもらってた。

【安倍首相談話5】1961年以降、国連決議(経済制裁含む)が何度もなされた南アに対し貿易国No1になったのも日本。70年遡らなくともつい最近91年のこと。アフリカの解放において、日本は常に支配者側に。百年前「支配下のアフリカに勇気を与えた」なんて傲慢すぎる。

【安倍首相談話6】アフリカの解放を中国が支援の最中、日本は植民地・アパルトヘイトの支配者側に立った。歴史事実として、日本政府が「有色人種の解放」を率先したことはなく、他のアジア人の犠牲を強いても「欧米諸国」に同一化しようと。今のヘイト問題の根っこが見える談話。

【安倍首相談話7】結局、弱き者の犠牲の上で自らの「繁栄と(見せかけの)平和」を得ようという、戦前と冷戦期の日本政府の行動パターンは、底堅い連続性を持って安倍政権に継承されていることが、嫌中・韓やヘイトの煽動、安保法案、この談話からも明確に。米国は熟知の上利用。

【安倍首相談話8】彼の「ブレーン」の世界史認識も誤り。前パラで「アフリカ」を入れておいて、「第一次世界大戦を経て、民族自決の動きが広がり植民地化にブレーキがかかった」は、歴史事実ですらない。アフリカにおいてはWWI中・直後から実効統治が進み人びとの苦難が。

【安倍首相談話9】「植民地化にブレーキ」の後は、「国際連盟の不戦条約=新国際秩序」で、「日本はこの「挑戦者」となり進むべき針路を誤り戦争への道へ」とある以上、どう読んでも「日本も植民地保有帝国として列強へのクラブ参加」を否定しておらず、過ちは「戦争」のみ。大日本帝国への憧憬か。

【安倍首相談話10】「国際秩序の挑戦者となった過去を胸に刻み、自由、民主主義、人権の基本的価値を堅持し」←戦前、国内でこの3点が弾圧され、声が挙げられなくなった先に「国際秩序挑戦」があった。なのに「経済ブロック化」だけが原因指定。今まさに日本内で3点を弾圧中。

【安倍首相談話11】「戦場の陰には深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちが…」では、日本語としてもヘン。「戦場の陰」って何?「戦場」は場所に過ぎず、「女性を傷つける」主語になり得ず。「戦争の陰」のはずで、それでもあまりに曖昧だが、未だ責任が示唆。あまりに姑息だ。

分析するつもりなかったが、あまりに衝撃すぎた。誰だ、こんな助言したのは。都合のよい偏った世界史(20世紀)認識。「被害者の側に寄り添う」ようでいて、実際のテキスト全体の内容は、そうなっていない。国際的な信用を失う書きぶり。公式見解では皆、本音いわんだろうが…。


by africa_class | 2015-08-15 06:20 | 【考】21世紀の国際協力
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