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【完訳1】国連採択された「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言」、最終決議・宣言を監訳終えました。まず前文

最後は思った以上の難産となりましたが、なんとか「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言(略称:国連小農宣言)」の最終バージョンの監訳を終えました。もう深夜なので、とりあえずできるところまで貼っておきます。


=====

小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言

(国連総会決議版、日本語訳ver.1)



2018年10月30日

https://documents-dds-ny.un.org/doc/UNDOC/GEN/G17/051/60/PDF/G1705160.pdf?OpenElement

A//c.3/73/L.30(国連総会決議)



〔宣言の構成 *最終宣言文からは各条のタイトルは削除され、数字だけになっている〕





前文

第一条 小農と農村で働く人びとの定義

第二条 加盟国の一般的義務

第三条 不平等および差別の禁止

第四条 小農女性と農村で働く女性の権利

第五条 自然資源に対する権利と発展/開発の権利

第六条 生命、自由、安全に対する権利

第七条 移動の自由

第八条 思想、言論、表現の自由

第九条 結社の自由

第十条 参加の権利

第十一条 生産、販売、流通に関わる情報に対する権利

第十二条 司法へのアクセス

第十三条 働く権利(勤労の権利/労働権)

第十四条 仕事場での安全と健康に対する権利

第十五条 食への権利と食の主権

第十六条 十分な所得と人間らしい暮らし、生産手段に対する権利

第十七条 土地とその他の自然資源に対する権利

第十八条 安全かつ汚染されていない健康に良い環境に対する権利

第十九条 種子への権利

第二十条 生物多様性に対する権利

第二十一条 水と衛生に対する権利

第二十二条 社会保障に対する権利

第二十三条 健康に対する権利

第二十四条 適切な住居に対する権利

第二十五条 教育と研修の権利

第二十六条 文化的権利と伝統的知識

第二十七条 国際連合と他の国際機関の責務

第二十八条 (追加の項目)


「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言」に関する国連総会決議




国連総会は、
2018年9月28日の決議39/12、小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言を人権理事会が採択したことを歓迎し、

1. 小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言について、本決議の附属書通りの内容で採択し、
2. 各国政府、国連機関・組織、ならびに、政府間・非政府組織が本宣言を普及し、これについての敬意と理解を全世界に促すことを求め、
3. 本宣言文をHuman Rights: A Compilation of International Instruments(「人権-国際法文集」)の次版に含めることを国連事務総長に要請する。


【付属書】

    小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言

国連総会は、
すべての人びとが生まれながらにして持つ尊厳、価値、平等かつ不可譲の人権を承認した、国連憲章に明記される原則が、世界における自由、正義、平和の基礎となることを想起し、

世界人権宣言、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約、経済的・社会的および文化的権利に関する国際規約、市民的および政治的権利に関する国際規約、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約〔女性差別撤廃条約〕、児童の権利に関する条約〔子どもの権利条約〕、すべての移住労働者およびその家族の構成員の権利の保護に関する国際条約、これに関連する国際労働機関(ILO)の条約、および、全世界的または地域レベルで採択された他の関連する国際条約に明記される原則を考慮し、

発展/開発の権利に関する宣言を再確認するとともに、発展/開発の権利が、すべての個人とすべての人びと(人民)にとって、不可譲の人権の一部を成し、これらの人びとが、人権に関わるすべての権利と基本的自由が完全に具現化される経済的、社会的、文化的、政治的な発展(のプロセス)に参加し、貢献し、それを享受することができる権利を有することを再確認し、

また、先住民族の権利に関する国連宣言を再確認し、

すべての人権は、普遍的かつ不可分、関連し合い、依拠し合い、相互に補完し合い、同じ土台の上で、等しく重視され、公平かつ公正に扱わなければならないことを確認し、一範疇の権利の促進と擁護によって、他の権利の促進と擁護を加盟国が免れてはならないこと改めて強く明言し、

小農と農村で働く人びととが結びつき、彼らが暮らしていくために依存する土地、水、自然との間の特別な関係および関わり合いを認識し、

世界のあらゆる地域の小農と農村で働く人びとによる、世界の食と農業生産の基盤を構成する過去、現在、未来の発展/開発と生物多様性の保全と向上に対する貢献、そして持続可能な開発のための2030アジェンダを含む国際的に合意された開発目標の達成のため不可欠である、適切な食と食料保障への権利の確保における貢献を認識し、

小農と農村で働く人びとが、貧困と飢え、栄養不足に著しく陥っていることを懸念し、

また、小農と農村で働く人びとが、環境破壊と気候変動がもたらす被害を受けていることを懸念し、

世界で小農の高齢化が進み、農村生活におけるインセンティブの欠如や重労働を理由に、若者がますます都市部へと移住し農業に背を向けていることを懸念し、とりわけ農村の若者に対して、農村における経済の多様化と、農場労働以外の機会の創出の必要をさらに認識しつつ、

ますます多くの小農と農村で働く人びとが、毎年強制的な追い出しあるいは立ち退きを強いられていることに警鐘を鳴らし、

さらに、いくつかの国で小農の自殺が多発していることに危機感を募らせ、

小農女性と農村女性が、家族が経済的に生きのびることができるよう、さらには農村と国の経済に対して、貨幣経済外の労働を含む重要な役割を果たしていながら、土地の所有・利用権、または、土地、生産資源、金融サービス、情報、雇用、社会的保護への平等なアクセスをしばしば拒まれ、さらには、頻繁に様々な形態や表現による暴力と差別の犠牲となっていることを強調し、

加えて、関連する人権法に従って、貧困、飢え、栄養失調の根絶、質の高い教育と健康の促進、化学物質と廃棄物汚染からの保護、児童労働の廃絶を通して、農村の子どもたちの権利を促進し擁護することの重要性を強調し、 

とりわけ、いくつかの要因により、小農および農村で働く人びと、小規模漁撈者、漁業労働者、牧畜民、林業従事者、コミュニティの声の反映、人権および土地の所有・利用権の擁護、これらの人びとが依存する自然資源の持続可能な利用の保障といった点が困難になっていることについて強調し、

土地、水、種子(たね)、その他の自然資源へのアクセスが、農村の人びとにとってますます困難になっていることを改めて認識し、生産を可能とする資源へのアクセスの改善と農村の適切な発展/開発のための投資の重要性を強調しつつ、

小農と農村で働く人びとの持続可能な農業生産の実践と促進の努力、これには多くの国と地域で「母なる地球(マザーアース)」と呼ばれる自然を護り、それと調和し、そのプロセスとサイクルを通じて適応・再生する生態系の生物学上かつ自然に備わる能力への尊重を含むが、これらの人びとによるこの努力こそが支援されるべきであることを確信し、

世界のいたるところで、小農と農村で働く人びとの多くが、仕事場で基本的人権を享受する機会を否定され、生活賃金および社会的保護に十分ではない有害で搾取的な(労働)条件をたびたび与えられていることを考慮し、

土地や自然資源の問題に取り組む人びとの人権を促進し擁護する個人、集団、機関が、様々な形態の脅しや身体的一体性への侵害(暴力)を受けるリスクが高いことを懸念し、

小農と農村で働く人びとが、暴力、虐待、搾取からの救済や保護を即座に求めることができないほど裁判所、警察官、検察官、弁護士へのアクセスが困難となっていることに注目し、 

人権の享受を損なう、食品に対する投機、フードシステムにおける寡占の進行とバランスを欠いた分配の増加、ヴァリューチェーン内の不平等な力関係を懸念し、

すべての個人とすべての人びと(人民)にとって、発展/開発の権利が不可譲の人権の一部を成すこと、そして、これらの人びとが、人権上のすべての権利と基本的自由が完全に具現化される経済的、社会的、文化的、政治的な発展(のプロセス)に参加・貢献し、それを享受する権利を有することを、いま一度確認し、

これらの人びとが、人権に関する二つの国際規約における関連条項の対象者であり、自然の恵みとそれがもたらす資源のすべてについて、十分かつ完全なる主権を行使する権利を有していることを想起し、

食の主権の概念が、多くの国と地域で、人びとが自らの食と農のシステムを決定する権利として、さらに、人権を尊重し、環境配慮の上で持続可能な方法で生産される健康かつ文化面において適切な食への権利として、定義され活用されていることを認識し、

個々人が、他者のため、また自身が帰属するコミュニティのために責任を担い、本宣言と国内法に明記された権利の促進と順守の努力義務を果たすことを理解し、

文化的多様性を尊重し、寛容、対話および協力を促進することの重要性を再確認し、

労働者の保護と適切な労働に関する国際労働機関の規約と勧告の広範なる体系の存在を想起し、

また、生物多様性に関する条約、名古屋議定書(生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会およびその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書)を想起し、

食への権利、土地に対する権利、自然資源へのアクセス、その他の小農の権利に関する国連食糧農業機構(FAO)および世界食料安全保障委員会(CFS)による広範なる取り組み、特に食料および農業のための植物遺伝資源に関する国際条約、ならびに、ナショナルな食料保障の文脈における土地、森林、漁場の権利のための責任あるガバナンスに関する任意ガイドライン、食料保障と貧困撲滅の文脈における持続可能な小規模漁業を保障するための任意ガイドライン、ナショナルな食料保障の文脈における適切な食への権利の漸進的な実現を支援するための任意ガイドラインを想起し、

農地改革と農村開発に関する世界会議、またそれによって採択された小農憲章の結果を踏まえ、農地改革と農村開発のための適切な国家戦略の策定の必要性とその国家開発戦略全体への統合が強調されたことを想起し、

本宣言および関連する国際条約は、人権擁護を強化する視点を備えた、相互に支え合うものであるべきことをいま一度確認し、

国際協調と連帯における不断の努力の向上を通じて、人権のための取り組みの着実な進展を実現するという視点を備えた国際社会が、この新たな歩みへの尽力を決意したことを受け、

小農と農村で働く人びとの人権をより一層擁護し、この問題に関する既存の国際人権規範ならび基準の一貫した解釈と適用を行う必要性を確信し、

以下を宣言する。


続きは→https://afriqclass.exblog.jp/239092220/

監訳:舩田クラーセンさやか
訳者:根岸朋子

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3カ国民衆会議(2018年11/20@聖心女子大学)でこの宣言についてプレゼンをしてくれたモザンビーク出身のボアヴェントゥーラ・モンジャーネさんのプレゼン資料(日本語版)です。
全スライドは、近々以下のサイトに掲載します。お楽しみに!
http://triangular2018.blog.fc2.com/



by africa_class | 2019-02-04 07:54 | 【国連】小農の権利宣言
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