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【完訳3】国連採択された「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言」、最終決議・宣言を監訳終えました。最後、14条から28条。

小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言
(国連総会採択版、最終版の日本語)

*前文→https://afriqclass.exblog.jp/239092212/
*第1条から第13条→https://afriqclass.exblog.jp/239092220/

第十四条 (仕事場での安全と健康に対する権利)

1. 小農と農村で働く人びとは、一時労働、季節労働、移住労働の如何にかかわらず、安全で衛生的な環境で働く権利、安全衛生の措置の適用と評価に参加する権利、安全衛生責任者を選ぶ権利および安全衛生委員会の委員を選ぶ権利、十分かつ適切な防護服と機材および仕事場における安全衛生に関する適切な情報と研修へのアクセスの権利、暴力とセクシュアル・ハラスメントを含む嫌がらせを受けない権利、危険で不健全な労働状況を報告する権利、安全衛生に関する差し迫った深刻なリスクがあると合理的に判断できる際に、労働により起こる危険を回避する権利を有する。これらの権利の行使によって、労働に関連したいかなる報復の対象にもなってはならない。

2. 小農と農村で働く人びとは、農薬や化学肥料(農業用化学物質)あるいは農業や産業由来の汚染物質を含む危険物および有害化学物質を使用しない権利、これらにさらされない権利を有する。

3. 加盟国は、小農と農村で働く人びとに、効果的で安全かつ健全な労働条件を保障するため、適切な措置をとる。特に、適切で適格な管轄機関を設置し、政策の実行と、農業、農工業、漁業における職業上の安全と健康に関する国内法と条例の施行のため、各省庁を横断的にとりまとめる方策を構築し、是正措置と適切な罰則を規定し、農村における労働現場の十分かつ適切な検査システムの構築と支援する。

4. 加盟国は、以下を保障するため、あらゆる必要措置をとる。

(a)技術、化学物質、および農業行為からもたらされる健康と安全に対するリスクを防止すること。このための方策には、これらの禁止および規制が含まれる。

(b)農業で使用する化学物質の輸入、分類、梱包、流通、ラベリング、使用に関する特定の基準、および、それらの禁止あるいは規制に関する一定の基準を管轄機関が定めることを通じて、適切な国の制度またはその他の制度を承認すること。

(c)農業で使用する化学物質の製造、輸入、調達、販売、移動、貯蔵、廃棄に関わる者は、国またはその他(の機関)による安全衛生基準に従い、公用語または国内の諸言語などの相応しい言語を用いて、十分かつ適切な情報を使用者に提供すること。また、要請に応じて、管轄機関に対しても情報を提供すること。

(d)化学廃棄物、古くなった化学物質、化学物質の容器の安全な回収、再利用、廃棄に関する適切な制度を構築し、これらの目的外使用を阻み、安全衛生および環境へのリスクの解消と最小化を図ること。

(e)農村で一般的に使用される化学物質がもたらす健康ならびに環境上の影響に関して、また、化学物質の利用に代わるその他の方法に関して、教育と公衆啓発プログラムを開発し実施すること。


第十五条 (食への権利と食の主権)

1. 小農と農村で働く人びとは、適切な食への権利と、飢えからの自由という基本的な権利を有する。この権利には、肉体、精神、知性の面で最高レベルの発展の実現を保障する、食を生産する権利、および、適切な栄養を摂取する権利が含まれる。

2. 加盟国は、文化の尊重を土台とし、将来世代の食へのアクセスを保全する持続可能かつ公正なる手法で生産・消費され、個人および/あるいは集合体としてのニーズに応え、物理的にも精神的にも充実した尊厳ある暮らしを保障する、十分かつ適切な食に、小農と農村で働く人びとが物理的にも経済的にも常にアクセスできるよう保障する。

3. 加盟国は、農村の子どもたちの栄養不良とたたかうため、適切な措置をとる。これには、プライマリー・ヘルスケアの枠組みを通じたもの、とりわけ、すぐに利用できる技術の適用、十分に栄養のある食べ物の提供、また、女性が妊娠および授乳期間に適切な栄養を確保できるようにすることが含まれる。さらに、親や子どもをはじめ、社会のすべての構成員が、十分な情報を提供され、栄養教育を受けることができ、子どもの栄養と母乳育児の利点に関する基本的知識の利用に関して支援を受けることを保障する。

4. 小農と農村で働く人びとは、自らの食と農のシステムを決定する権利を有する。この権利は、多くの国と地域で、食の主権として認められている。この権利には、食や農業に関する政策の意思決定プロセスへの参加の権利、さらに、文化の尊重を土台とし、環境に配慮しつつ持続可能な方法によって生産された、健康によい適切な食への権利が含まれる。

5. 加盟国は、小農と農村で働く人びとと連携し、自治体、全国、地域、国際レベルにおいて、適切な食への権利、食料保障、食の主権、そして本宣言に含まれる権利を促進し擁護する持続可能で公正なる食のシステムを促進し保護するための公共政策を構築する。加盟国は、自国の農業、経済、社会、文化、開発に関わる政策が、本宣言に含まれる権利の実現に合致したものになるよう仕組みを構築する。

第十六条 (十分な所得と人間らしい暮らし、生産手段に対する権利)

1. 小農と農村で働く人びとは、自身とその家族が適切な水準の生活を送る権利、その実現に必要な生産手段への容易なるアクセスの権利を有する。なお、この生産手段には、生産のための機材、技術的支援、融資、保険やその他の金融サービスが含まれる。また、これらの人びとは、自由に、個々人および/あるいは集合体としても、集団あるいはコミュニティとしても、伝統的な手法で農業、漁業、畜産、林業に携わる権利を有し、地域社会を基盤とした商いのシステムを発展させる権利を有する。

2. 加盟国は、小農と農村で働く人びとが、自治体、全国、地域の市場において、十分な所得と人間らしい暮らしが保障される価格で生産物を販売するために必要な輸送、加工、乾燥の手段や貯蔵施設に優先的にアクセスできるよう適当な措置をとる。

3. 加盟国は、自国の農村開発、農業、環境、貿易、投資に関する政策とプログラムが、(小農と農村で働く人びとの)地域社会で暮らしをたてる選択肢を守り、これを強化すること、そして持続可能な農的生産の様式への移行に対し、実効性を伴った貢献を行うため、あらゆる適切な措置をとる。加盟国は、可能な場合は常に、アグロエコロジーと有機栽培を含む、持続可能な生産を活性化し、農家から消費者への産直販売を推進する。

4. 加盟国は、自然災害や市場の失敗などの重大な混乱に対する小農と農村で働く人びとのレジリエンス(耐性・回復力)を強化するため、適切な措置をとる。

5. 加盟国は、同一価値の労働に対して、いかなる区別をすることなく、公正な賃金と平等な報酬を保障するため、適切な措置をとる。


第十七条 (土地ならびにその他の自然資源に対する権利)

1. 小農と農村に住む人びとは、本宣言第28条に則り、個人として、かつ/あるいは、集合的に、土地に対する権利を有する。この権利には、適切な生活水準を実現し、安全かつ平和に、尊厳のある暮らしを営む場を確保し、自らの文化を育むための土地へのアクセス、土地と水域、沿岸海域、漁場、牧草地、森林の持続可能な利用と管理に対する権利が含まれる。

2. 加盟国は、婚姻関係の変更、法的能力の欠如、経済的資源へのアクセスの欠如がもたらすものを含む、土地に対する権利に関連するあらゆる形態の差別を撤廃し禁止するため、適切な措置をとる。

3. 加盟国は、土地の所有・利用権を法的に認知するため、現在法律で保護されていない慣習的土地所有・利用権を含めた異なる様式や制度が存在することを認め、適切な措置をとる。加盟国は、正当なる土地所有・利用権を擁護するとともに、小農と農村で働く人びとが専横的または不正に強制退去させられること、そして権利が抹消・侵害されることがないよう、これらを保障する。加盟国は、自然の共有地および、それと結びついた共同利用や管理の制度を認め、それを保護する。

4. 小農と農村で働く人びとは、土地や常居所からの専横的および不正な立ち退きに対して保護される権利、または、日々の活動に使用し、適切な生活水準を享受するために必要な自然資源を専横的および不正に剥奪されない権利を有する。加盟国は、国際人権・人道法に従って、立ち退きからの保護を国内法に盛り込まなければならない。加盟国は専横的および不正な強制退去、農地の破壊、土地とその他の自然資源の没収と収用について、罰則措置や戦争の手段によるものも含め、禁止しなければならない。

5. 専横的または不正に土地を奪われた小農と農村で働く人びとは、個人的および/あるいは集合的に、集団あるいはコミュニティとしても、自然災害および/あるいは武力紛争による場合を含め、専横的または不正に奪われた土地に帰還する権利を有する。さらに、可能な場合は常に、自らの活動で用い、適切な生活水準の享受に必要な自然資源へのアクセスを回復する権利を有し、帰還が不可能な場合には、公正、公平かつ正当なる補償を受ける権利を有する。

6. 加盟国は、それが望ましい場合には、小農と農村で働く人びとが適切な生活条件を享受することを保障すべく、必要な土地とその他の自然資源への広範かつ公平なアクセスを促進するため、また、土地が有する社会的機能を踏まえ、土地の過剰な集積と支配を制限し、農地改革を実施すべく適切な措置をとる。公有地、漁場、森林の配分の際には、土地なし小農、若者、小規模漁撈者、他の農村労働者を優先しなければならない。

7. 加盟国は、(これらの人びとが)生産に用いる土地およびその他の自然資源について、その保全と持続可能な利用を目指した措置をとる。これには、アグロエコロジーを通じた措置が含まれ、加盟国は、生物やその他の自然が内包する能力やサイクルの回復のための条件を保障する。


第十八条 (安全かつ汚染されていない健康に良い環境に対する権利)

1. 小農と農村で働く人びとは、環境および各々の土地の生産力、ならびに、自ら利用し管理する資源を保全し護る権利を有する。

2. 加盟国は、小農と農村で働く人びとが、差別のない、安全で清潔かつ健やかな環境を享受することを保障するため、適切な措置をとる。

3. 加盟国は、気候変動とたたかうための各国際条約を順守する。小農と農村で働く人びとは、各国および自治体における気候変動の適応・緩和政策の策定と実施(プロセス)に、伝統的な実践や知識/知恵を用いることなどを含めた手法を通じて、加わる権利を有する。

4. 加盟国は、小農と農村で働く人びとの土地に、有害物、有害物質あるいは廃棄物が、貯蔵または廃棄されることがないように、実効性のある措置をとる。また、国境を越える環境破壊の結果として生じる、これらの人びとの権利への脅威に対し、加盟国は協力して対処する。

5. 加盟国は、非国家主体による、小農と農村で働く人びとへの横暴から、これらの人びとを護る。小農と農村で働く人びとの権利の擁護にあたっては、これに直接的あるいは間接的に寄与する環境法の執行が含まれる。

第十九条 (種子[たね]への権利)

1. 小農と農村で働く人びとは、本宣言第28条に従って、種子への権利を有する。その中には以下が含まれる。

a) 食や農のための植物遺伝資源に関わる伝統的な知識/知恵を保護する権利

b) 食や農のための植物遺伝資源の利用から生じる、利益の分配に公平に参加する権利

c) 食や農のための植物遺伝資源の保護と持続可能な利用に関わる事柄について、意思決定に参加する権利

d) 自家農場採種の種苗を保存、利用、交換、販売する権利

2. 小農と農村で働く人びとは、自らの種子と伝統的な知識/知恵を維持、管理、保護し、発展させる権利を有する。

3. 加盟国は、小農と農村で働く人びとの種子の権利を尊重、保護、具現化するための措置をとる。

4. 加盟国は、小農が、播種を行う上で最も適切な時期に、十分な質と量の種子を手頃な価格で利用できるようにする。

5. 加盟国は、小農が自らの種子、または、地元で入手できる自らが選択した種子に依存する権利に加え、小農が栽培を望む作物と品種を決定する権利を認める。

6. 加盟国は、(多様な)小農(による)種子システムを支持し、小農種子の利用、ならびに、農における生物多様性を促進するため、適切な措置をとる。

7. 加盟国は、農業研究や開発が、小農と農村で働く人びとのニーズを統合したものになること、さらに、これらの経験を踏まえ、これらの人びとが研究や開発の優先事項の決定および着手に主体的に参加することを保障するため、適切な措置をとる。加えて、加盟国は、小農と農村で働く人びとのニーズに応えるため、孤児作物やその種子の研究開発への投資増を確実なものとするため、適切な措置をとる。

8. 加盟国は、種子政策、植物品種保護、その他の知的財産法、認証制度、種子販売法を、小農と農村で働く人びとの権利、ニーズ、現実を尊重し、それらを踏まえたものにする。

第二十条 (生物多様性に対する権利)

1. 加盟国は、関連する国際法に従い、小農と農村で働く人びとの権利の完全なる享受の促進と擁護のため、生物多様性の消滅を防ぎ、その保全および持続可能な利用を保障すべく、適切な措置をとる。

2. 加盟国は、生物多様性の保全とその持続可能な利用に関係する、伝統的な農耕、牧畜、林業、漁業、畜産、アグロエコロジーのシステムを含む、小農と農村で働く人びとの伝統的な知識/知恵、イノベーション、実践を振興し保護すべく、適切な措置をとる。

3. 加盟国は、あらゆる遺伝子組み換え生物の開発、取引取扱い、輸送、利用、移転、流出がもたらす、小農と農村で働く人びとの権利に対する侵害のリスクを防止する。

第二十一条 (水と衛生に対する権利)

1. 小農と農村で働く人びとは、生命の権利とすべての人権、および、(法の下における)人としての尊厳の完全な享受のために不可欠な安全で清潔な飲み水と衛生に対する権利を有する。これには、良質かつ手頃な価格で、物理的にアクセス可能で、差別のない、文化的およびジェンダー上の要件からも許容できる水供給制度と処理設備に対する権利が含まれる。

2. 小農と農村で働く人びとは、個人および家庭の利用、農耕、漁業、畜産のための水への権利を有するとともに、その他の水に関わる暮らしを護り、水の保全、復元、持続可能な利用を保障する権利を有する。小農と農村で働く人びとは、水と水管理制度に公平にアクセスする権利を有し、水供給を恣意的に絶たれ、汚染されない権利を有する。

3. 加盟国は、差別なき水へのアクセスを尊重、保護、保障する。加えて、特に農村の女性と少女、そして遊牧民、プランテーション労働者、法的地位の如何を問わず、すべての移住者、非正規あるいは非公式の占拠地に暮らす人びとなどの不利な立場にある、あるいは周辺化された集団に対して、個人、家庭、生産のための利用を可能とする手頃な価格の水ならびに処理設備の改善を確保する措置をとる。これには、慣習上またコミュニティに根ざした水管理制度も含まれる。加盟国は、灌漑技術、処理済み廃水の再利用技術、集水および貯水技術を含む、適切で入手可能な技術を促進する。

4. 加盟国は、山、森林、湿地帯、河川、帯水層、湖を含む水関連の生態系を、過度の水利用、そして工場排水や無機化合物および化学物質の集積などの漸進的あるいは急速な汚染をもたらす有害物質による水質汚染から護り、回復する。

5. 加盟国は、小農と農村で働く人びとの水に対する権利の享受を、第三者が侵害することを防止しなければならない。加盟国は、水の保全、再生、持続可能な利用を促進しつつ、人びとのニーズのための水を、その他の目的の利用よりも優先する。

第二十二条 (社会保障に対する権利)
1. 小農と農村で働く人びとは、社会保険を含む、社会保障に対する権利を有する。

2. 加盟国は、各国の状況に沿って、農村におけるすべての移住労働者の社会保障に対する権利の享受を促進する、適切な対策を講ずる。

3. 加盟国は、社会保険を含め、小農と農村で働く人びとの社会保障の権利を認め、国内の状況に従って、基本的社会保障制度の実現からなる社会的保護の土台を構築し維持する。この基本的社会保障制度は、それを必要とするすべての人びとが、基本的な保健医療ならびに基本的な所得保障へのアクセスを最低限、生涯にわたって保証するものであり、これらが一体となって、各国が必要と定める物品とサービスへの実効性を伴ったアクセスが可能となる。

4. 基本的社会保障制度の実現は、法律で定めなければならない。また、公平で透明かつ実効性を伴い、金銭的に利用可能な苦情処理および不服申し立て手続きも定められなければならない。これらの制度は、国内の法的枠組みに合致しなければならない。

第二十三条 (健康に対する権利)

1. 小農と農村で働く人びとは、達成可能な最高水準の肉体および精神面での健康を享受する権利を有する。また、一切の差別を受けることなく、すべての社会福祉ならびに保健医療サービスへのアクセスの権利を有する。

2. 小農と農村で働く人びとは、治療に必要とする植物、動物、鉱物へのアクセスと保全を含む、伝統的な医療を利用し保護する権利、ならびに、健康に関わる実践を維持する権利を有する。

3. 加盟国は、非差別の基本に立ち、特に、不安定な状況にある人びとに対して、農村における保健施設・物品・サービスへのアクセス、ならびに、必須医薬品、主な感染症の予防接種、リプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)、コミュニティに影響を及ぼす重大な健康と保健衛生上の問題に関する予防・管理対策を含む情報、母子ヘルスケア、および健康の権利と人権に関する教育を含む保健員研修へのアクセスを保障する。

第二十四条 (適切な住居に対する権利)

1. 小農と農村で働く人びとは、適切な住居に対する権利を有する。これらの人びとは、平和に尊厳のある暮らしを営むための住居とコミュニティを維持する権利を有し、この点について差別を受けない権利を有する。

2. 小農と農村で働く人びとは、住居からの強制退去、ハラスメント、その他の脅威から保護される権利を有する。

3. 加盟国は、小農と農村で働く人びとの意に反して、専横的あるいは不正なる手法によって、一時的にも恒久的にも、適切な法的またはその他の保護措置への身近なアクセスを提供または実現せずに、人びとが利用・占有する住居および土地から引き離してはならない。退去が避けられない場合は、加盟国はすべての物品およびその他の損失に対して、公平かつ公正な補償を提供または保証する。

第二十五条 (教育と研修の権利)

1. 小農と農村で働く人びとは、自らが基盤とする特定のアグロエコロジカルな環境と、社会文化的かつ経済環境に叶った適切な研修に対する権利を有する。当該研修プログラムでは、生産性の向上、マーケティング、虫や病気、(市場などの)システム破綻、化学物質の影響、気候変動および気象によってもたらされる現象に善処する能力を含む、他方これらに限定しない課題を取り上げる。

2. 小農と農村で働く人びとのすべての子どもたちは、自らの文化を踏まえ、かつ人権に関わる諸条約に明記されたすべての権利に則り、教育の権利を有する。

3. 加盟国は、小農と農村で働く人びとが直面する火急の課題に対してより適切に対応するため、平等かつ参加型の農民と科学者間のパートナーシップを促進する。例えば、農民フィールド学校(FFS)、参加型の植物育種、植物および動物病院などである。

4. 加盟国は、農場レベルでの研修、市場情報、助言サービスを提供すべく、これに投資する。

第二十六条 (文化的権利と伝統的知識/知恵に対する権利)

1. 小農と農村で働く人びとは、干渉やいかなる形態の差別も受けず、自身の文化を享有し、自由に文化の発展を追求する権利を有する。加えて、これらの人びとは、生き方、生産の手段や技術、慣習や伝統など、自らの伝統的な知識/知恵と地域社会で育まれた知識を維持、表現、運用、保護、発展させる権利を有する。何人も、文化に対する権利の行使により、国際法で保障された人権を侵害してはならず、人権の範囲を制限してはならない。

2. 小農と農村で働く人びとは、個人および/あるいは集合的にも、集団あるいはコミュニティとしても、国際的な人権基準に従って、地元の慣習、言語、文化、宗教、文学、芸術を表現する権利を有する。

3. 加盟国は、小農と農村で働く人びとの伝統的な知識/知恵に対する権利を尊重し、この権利を認め保護するための措置をとり、小農と農村で働く人びとの伝統的な知識、実践、技術に対する差別を撤廃する。

第二十七条 (国際連合とその他の国際機関の責務)

1. 国連の専門機関・基金・計画、国際および地域金融機関を含むその他の政府間組織は、本宣言の完全な履行に寄与する。これには、特に、開発援助および協力を通じたものが含まれる。小農と農村で働く人びとに影響を及ぼす問題について、これらの人びとの参加を保障する手段ならびに財源について配慮する。

2. 国際連合、国連専門機関・基金・計画、国際および地域金融機関を含むその他の政府間組織は、本宣言への敬意とその完全なる適用を促進し、その効果を確認し続ける。

第二十八条 (追加)

1. 本宣言に記されるいずれの条文も、小農と農村で働く人びとと先住民族が、現在保持する、あるいは、将来獲得する可能性のある諸権利を弱め、侵害し、無効化するものと解釈してはならない。

2. 本宣言が明言する権利の行使にあたっては、いかなる種類の差別なしに、すべての人権と基本的自由が尊重される。本宣言に示された権利の行使の制限は、法に定められ、かつ、国際人権法に準拠したものに限られる。これらのいかなる制限も、非差別的なものであり、他者の人権と自由への正当なる認識と尊重を保障する目的、ならびに、民主主義社会において公正かつ最も切実な要求を満たすために必要とされる場合に限る。

以上


監訳:舩田クラーセンさやか訳者:根岸朋子

*この「小農権利国連宣言」が成立するまでのプロセスは以下の訳書をご参照下さい。『国境を越える農民運動〜世界を変える草の根のダイナミズム』(明石書店)
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by africa_class | 2019-02-04 08:05 | 【国連】小農の権利宣言
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