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【参考までに】「家族農業の10年」の国連決議文の日本語「仮訳」を貼付けます。

連投すみません…。
さて、院内集会までに、もう少し「小農権利宣言」についての分析を進めて紹介するはずだったのが、途中海外出張が入ったり、またしても風邪を引き続けたりで、どうにも時間が取れませんでした。でも、「小農権利宣言」とともにテーマとなっている「家族農業の10年」の決議文も重要なので、根岸さんとともに翻訳をしておきました。

残念ながら印刷に間に合うように納得のいく訳文を準備できなかったので、本日は配布できませんが(関係者を除き)、一応こんな決議文だよということを広く伝えておいた方が良いと思うので、以下「仮訳」状態のものを貼付けておきます。

数日以内に差し替えると思いますが、今の時点のものということでご覧下さい。

仮訳(2019年2月17日)
未だ最終確認中なので、数日以内の訳文の最終化をお待ち下さい。

***********
国連 家族農業の10年(2019年~2028年)

2017年12月20日
A/RES/72/239 (国連総会決議)


国連総会は、

食料保障と栄養改善の実現に向けた家族農業、牧畜業、小規模農業の貢献を浮き彫りにするとともに、2011年12月22日の(国連総会)決議66/222で宣言され、2014年に制定された国際家族農業年(IYFF2014)の成功を確認し、

多くの(加盟)国が、家族農業のための全国委員会の形成、小規模融資などの小規模農家が利用できる金融政策の構築を含めた、家族農業を重視する公共政策の発展を目覚ましく進展させた事実を歓迎し、栄養の改善とグローバルな食料保障、貧困の撲滅、飢餓の終焉、生物多様性の保全、環境持続可能性の実現、ならびに人の移動問題への対応を支える点において、家族農業が果たしている役割を認識し、

「家族農業に関する知識プラットフォーム」(国連食糧農業機関[FAO])の設置を踏まえ、また家族農場特有のニーズに対応するための政策の協議・立案において、知識とデータの共有が役立つことを再確認し、

牧畜業、家族農業、とりわけ農村の女性と若者を含む小規模農民を支えるための科学、技術、イノベーション(革新)、起業の重要な役割を認識し、この点において特に、イノベーション志向の発展(開発)と数多くの起業およびイノベーションを支援する重要性を強調しつつ、小規模農民による自給的な農業からイノベーティブで商業的な生産への移行に寄与する持続可能な農業の新技術を歓迎し、彼女・彼らが自らの食料保障と栄養を向上させ、販売可能な余剰を生み出し、生産物に付加価値を加えることを助け、

また、家族農業が有する、歴史・文化・自然遺産、伝統的慣習文化の促進と保護、生物多様性の喪失防止、さらに農村に暮らす人びとの生活状況改善との密接な関係性を認識し、

寒帯、温帯、熱帯を含む、異なる形態の森林がそれぞれ家族農業を支えている役割を強調し、

また食料保障と栄養のための持続可能な漁業と養殖の重要性を再確認し、

農業、食料保障、および栄養に関する課題とそれらの気候変動との関係に焦点をあてた第31回FAOヨーロッパ地域会議が、2018年5月、ロシア連邦ヴォロネジで開催されたことに留意し、

1989年5月24日の国連経済社会理事会決議1989/84で明示された、経済および社会分野における国際10年に向けたガイドラインを意識し、

包括的で民衆(人びと)を中心に据え、人びとに届く、普遍的かつイノベーティブな一連の(国連)持続可能な発展(開発)目標およびターゲットを採択した、2015年9月25日の決議70/1「私たちの世界を変革する:持続可能な発展(開発)のための2030アジェンダ」を再確認し、2030年までのアジェンダの完全なる実現に向けた不断の努力、そして(このアジェンダが)極度の貧困を含むすべての形態とレベルの貧困の撲滅を掲げていることを改めて確認するとともに、これが持続可能な発展(開発)にとって最大の全世界的挑戦であり看過できない必須条件であること、また公平かつ平等な方法により経済・社会・環境の3つの側面において持続可能な発展(開発)を実現する義務、さらにはミレニアム発展(開発)目標の達成を積み上げるとともに未達成事項の対処への努力義務を再確認し、

持続可能な発展(開発)のための2030アジェンダの根幹にあたり、同アジェンダを支援・補完し、具体的な政策や行動とともに実行目標のための手段に土台を提供する役割を果し、加えて、持続可能な発展(開発)のために、グローバルなパートナーシップと連帯の精神に則って、資金的手当と実現可能な環境をすべてのレベルで創造する困難に向けた強い政治的義務を再確認した、2015年7月27日、第3回開発資金国際会議(FfD)におけるディスアベバ行動目標についての決議69/313を再確認し、

パリ協定ならびにその早期の発効を歓迎するとともに、すべての締約国がこの協定を完全履行することを推進し、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の締約国で批准書の寄託、受諾、承認あるいは未加入の国が、可能な限り早期に、しかるべき場でその手続きを行うことを促し、

栄養に関するローマ宣言と行動のための枠組みを基盤にした、国連栄養のための行動の10年(2016-2025)の宣言を想起し、

また、極度の貧困人口の80%近くが農村地域に暮らしながら農業に従事し、農村地域の発展(開発)、持続可能な農業、とりわけ女性農民を中心とする小規模農民の支援への資源投入を行うことが、あらゆる形態と側面における貧困の終結の手がかりとなること、そしてこのような措置が農民に対する福祉の改善を向上させることを改めて認識し、

全世界で8億1千500万人の人びとが未だ飢えに苦しみ、いくつかの地域でその他の形態の栄養失調の蔓延が依然として懸念されることを認識し、金額ベースによる世界の食料の80パーセント以上を生産する家族農業の重要な役割を強調し、

普遍的で、ルールに基づき、開かれた、差別のない、かつ平等な多国間貿易システムが、途上国において農業、家族農業、農村の発展を促進し、世界の食料保障と栄養に寄与するであろうことを強調しつつ、コミュニティ・全国・地域・国際市場への、特に小規模および家族農を営む女性を含む農民のインクルーシブな参加を促進する、国内・地域・国際的な戦略の採択を強く要望し、

ジェンダー平等および女性と少女のエンパワーメントの実現が 、持続可能な発展(開発)目標とそのすべてのターゲットの前進に、極めて重要な寄与をもたらすであろうことを認識し、加えて、小規模農民および女性農民、先住民族の女性および地元コミュニティの女性を含む農村女性の重要な役割と貢献を再確認するとともに、同様に農業と農村の発展、食料保障の改善、農村における貧困撲滅に寄与する彼女らの伝統的な知識(知恵)の重要な役割と貢献を改めて認識し、このことを踏まえてさらに、食料保障と栄養に対する女性の重要な役割が確実に認知され、(この女性の重要な役割が)途上国における食料不安、栄養失調、極端な価格高騰の可能性、食料危機に対する、短期的および長期的な対応に不可欠なものとして扱われるべく、農業政策および戦略を振り返ることの重要性を強調し、

若者と障害者を含むすべての女性と男性が、完全で生産的な雇用、ならびに人間らしい働きがいのある(ディーセントな)仕事を実現する必要性を強調するとともに、農村地域において追加雇用またはその他の職業への雇用機会、ならびに収入の機会を提供すべく、家族農業のイノベーションを促進する政策とプログラムが、全体的な農村発展(開発)を促進する政策と一致して進められるべきことを確認し、

持続可能な開発目標の達成に向けて、適切で、費用対効果の高い、伝統的、イノベーティブな解決を拡大するため、経験交流と知識共有に向けた支援を実行できる環境の創造において、農民同士の協力を通じた家族農民間協働の肯定的な影響が不可欠であることを認識し、

気候変動が、人間社会と地球にとって、潜在的に不可逆性を伴った火急の脅威となっていること、また世界中で農業に深刻な影響を及ぼしていることを意識するとともに、家族農業を支えることが、負の影響への適応能力の向上、気候に対するレジリエンス(耐性力)の増進、低温室効果ガス排出型の開発といった気候変動とのたたかいを、食料生産を脅かさない手法で実現することに貢献しうるものであることを意識し、

食料保障と栄養を向上させ、小規模および女性の農民、ならびに農業協同組合と農民ネットワークを重視するための私たちの努力を強化するとともに、各国がグローバルなパートナーシップを活性化するよう後押しする必要性を自覚し、

家族農業の促進、そして知識、経験、グッドプラクティス(よいと考えられる実践例)、イノベーティブな政策、ノウハウ、リソース(資金など)のやり取りを通じた食料不安の課題への取組みにおける南南協力および三角協力の重要性を認識し、

国連家族農業の10年(2019年-2028年)を、既存の枠組みと利用可能な資金の範囲内で、宣言することを決意し、

すべての加盟国が、家族農業に関する公共政策を立案、改善、実施し、家族農業に関する経験とベストプラクティス(最善と考えられる実践例)をその他の加盟国と共有することを促し、

FAOならびに国際農業開発基金(IFAD)に対し、そのマンデート(任務)および既にある資金の範囲内で、また必要に応じた自発的な貢献(資金などの提供)を通じて、その他のしかるべき国連機関との協働により、可能な活動とプログラムを見極め構築することを含む家族農業の10年の実施を牽引することを要請し、

各国政府に加え、国際および地域機構、市民社会、民間セクター、学術界を含む関係するステークホルダー(利害関係者)が、家族農業の10年の実施について、場合によって自発的な貢献を通じて、積極的な支援を行うことを求め、

国連事務総長に対し、FAOとIFADが共同でまとめる隔年の報告書をもとに、家族農業の10年の実施について、国連総会へ報告することを求める。


第74回国連本会議

2017年12月20日



監訳:舩田クラーセンさやか
訳者:根岸朋子


【参考までに】「家族農業の10年」の国連決議文の日本語「仮訳」を貼付けます。_a0133563_21133661.jpg

by africa_class | 2019-02-18 05:48 | 【国連】小農の権利宣言
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