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Lifestyle&平和&アフリカ&教育&Others

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衆院選終了、そしてアフリカ・・・

やっと日本に帰ってきた。機内で新聞を開いて「みんなの党」という
ものが出来ていたと知り、びっくり仰天。しかも、自民党だった山内
さんが党を辞めて、「みんなの党」から当選しているではないか。
「みんなの党」って何?なぜ平仮名?というヤボな質問を書くには
時機を逸しているだろう。浦島太郎の気分。いずれにせよ、山内さ
んおめでとうございます。
 日本の国政選挙だというのに、私の視点はやはり「アフリカ」・・・
か「NGO(市民社会)」。もちろん国内経済や社会福祉行政の建て
直しは焦眉の課題であるが、当選議員たちが、これまで問題が多
かった日本の外交や国際協力(ODA)にどのようにアプローチする
かを見届けるのはアフリカにとっては大きな問題である。何より、
「親方日の丸」で何事も進めてきた日本政府のやり方が、アフリカ
のガバナンスにおいて悪い影響を与えてきた歴史を振り返るに、
ここでチェンジできるかはアフリカにかかわる日本の一市民として
は重要関心事である。
 そもそも、日本政府や現行諸機関がどうしてこんなに現地の人々
や市民社会を重視しないのか・・・といえば、それは彼らが日本の国
民、市民社会を重視してこなかったから、ともいえる。個人的には、
この10年間、アフリカやODA改革のために活動してきたが、それ
はある意味で日本の政治や統治のあり方、そして何より市民社会
のあり方を問うことに直結してきた。それには、ジャーナリズムのあ
り方も含まれる。なぜ、役人が公式発表する情報をただ「垂れ流し」
するのか?なぜ現場に行かないのか、なぜ現場に近い人の声に耳
を傾けないのか、なぜ政府見解とは異なる情報や意見も並列して載
せないのか・・・常に闘いであった。
<TICAD IVに向けた外務省・NGO協議会の様子>
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 最初は市民社会との対話に及び腰だった政府関係者も、国会議
員も、一進一退を繰り返しながらも、外からのプレッシャーを受け、
2007年にはようやく対話のテーブルにつき、2008年のTICAD IV
とG8サミットではそれなりの成果が出たところではあったが、万年与
党との癒着に胡坐をかいた官の世界が本当の意味で変わることは
なかった。役人一人一人の認識は変わったものの、組織として変わ
ることはできなかったのだ。したがって、政策もしかり。
<自民党NGO小委員会で発表>
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 今回の選挙では、面白いことに、アフリカ外交・国際協力における
市民社会の役割を認め、積極的にバックアップしてくれた議員さん
は、与党であろうと野党であろうと小選挙区で当選している。一番落
選の可能性が大きかった自民党でも、自民党NGO議連会長で色々
骨折りいただいた塩崎恭久元官房長官、アフリカ議連幹事として常
にアフリカ支援に人肌脱いでくれた逢沢一郎元外務副大臣なども、
際どい選挙であったようだが、当選している。市民の声に耳を傾け、
それをサポートする議員として、周知されているからだろう。利益誘
導型政治から、今度こそ脱却してもらいたいものだ。
 一方、野党からは、数十人単位の関係者が小選挙区を勝ち上が
った。一緒に活動している際も、「結局は与党にならないと本当には
変えられない・・・」と常にいっていた彼(女)たち。ある種言い訳につ
かわれていたこのセリフが試されるときが到来している。
 今回期待したいのは、「小泉郵政」選挙で落選していた議員あるい
は議員候補の皆さんである。国際協力NGOや機関の出身者も何人
か初当選している。私の国連時代の同僚だった阪口直人さんも!!
http://www.sakaguchi-naoto.com/
<モザンビーク紛争で焼けた教会>
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 阪口直人さんとは、大学時代のNGO活動で知り合い、後にモザ
ンビークのPKO活動(ONUMOZ)で同僚となった。その後、直人さ
んは当時の衆議院議員・首藤信彦議員の政策秘書となり、ODA改
革のための国会対策で大変お世話になった。温和で優しいけど「力
持ち」の直人さんが、国政の最先端の場で揉まれ、冷静で戦略的な
アドバイスができる人に変貌を遂げているのを目の当たりにしたとき、
さすがの私も驚いたことを昨日のことのように覚えている。
 NGO出身で、民主党のNGO議連・事務局長で、超党派会合で大
変お世話になった西村ちなみさんも再選されており、プレゼントした
深大寺のオレンジ・ダルマが役に立ったかな?
http://www.chinami.net/modules/wordpress/index.php?m=200805
 ピースボート事務局長だったくしぶり真理さんも激戦を制して当選。
ピースボートといえば、創設者辻元清美さんも復活当選した。辻元
さんには、ODA改革の際に質問主意書などでお世話になった。テレ
ビで見るより、ずっと落ち着いた知的な方だが、誤解されることも多か
った。
<TICAD IV市民社会セッション前に>
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 この10年ほどの国会議員とのやり取りで、色々なことを学んだ。
人間の二面性・・・には驚く日々だったが、ブレのない政治家に会う
といつも清々しい思いをしたものだった。その筆頭は間違いなく、岡
田克也さんだろう。どんなに忙しいときも、必ず時間を割いて、一方
的にただ聞くのではなく、的確な直球質問をしてくれ、考えさせてく
れた。そして、TICAD IV本番の際には、わざわざ市民社会セッショ
ンの2時間前に会場に足を運び、アフリカから来た市民社会代表と
車座になって一人一人の話に耳を傾けてくれた。「口先だけの議員」
が多い中、彼ほど真摯に話を聞き、行動してくれた人は他にいなかっ
た。他方、Sisterhoodにおいては、女性議員の皆さんのサポートは
心底ありがたかった。中でも、先の西村さん、社民党の福島瑞穂さん
(一緒にモザンビークまで、しかも自費で来てくれた)もしかりであるが、
なんといっても小宮山洋子さんほど頼もしいお姉さんはいなかった。
いつ、何時でも、自分の信じることを、信じるままに言える人。小沢
代表辞任騒動の際に、遺憾なく本領発揮。格好良かった。その日、た
またま彼女の部屋にいて、じゃんじゃか鳴る電話を気にすることなく、
「女だからできること・・・をしたまでよ」とのたまわった彼女に、心底拍
手喝采。
 とはいえ、野党だからこそ可能だったブレなさでもあった。与党にな
っても、皆さんには引き続き、「人々のための政治(日本に留まらず)」
を牽引していってほしい。アフリカ、市民社会をお忘れなく。
 しかし、残念なのは、福岡の三原議員。間違いなく、全議員の中でも
っともアフリカを愛していた彼の落選は、悲しい。以前秘書さんが、国
内にもっと目を向けてほしいと嘆いていたとおりの結果に、残念な気持
ちに。やはり、国際・アフリカへのコミットメントは、票にはならないのか
?あるいは、自民党だったから?
 アメリカ留学中に人種差別とアフリカン・アメリカンの公民権運動に
遭遇し、ルーツであるアフリカに憧れ、毎年アフリカの人が行かない
ような国々を訪れていた三原さん。いつかまた帰ってきてください。
 
 それにしても、問われるのはこれからの政策形成。政権交代が意味の
あるものになるよう見守って、ときにこれまでどおり叱咤激励していきたい。
by africa_class | 2009-08-31 22:43 | 【徒然】毎日がアフリカ
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