報告1：アフリカ報告会（ベナン）

今、今年アフリカにインターンやスタツアや調査で行っていた
ゼミ生の帰国報告を実施中。

■ベナンのNGOで1年間インターンをした榊原あやさん
一番印象に残ったインターン先NGOの活動は、「地方分権化
促進のためのNGO活動」。ベナンは小さい国だが、「アフリカの
民主化のお手本」とされており、「参加型民主主義」を目指そうと
している。この点について、NGOは何をしているのか、を紹介。
【具体的事例】
＊小学校建設のウォッチ（コンクリート含有率や保護者への
情報提供や建設参加について
＊NGOのセミナーの後、農村の人々が市議会を訪問するよ
うになった事例を紹介してくれました。中には、農村のおばち
ゃんの写真がありました。
【学んだこと】
＊アドボカシーNGOは、政府に対して提言しているイメージ
が多いが、下に根づこうという努力もしている。民主化のお手
本のベナンではあるが、道のりは長い。

Q&A：
Q：これらのNGOは誰が立ち上げた？
A：Social Watchは、人権や女性の権利を扱うNGOなどが
集まって立ち上げた。52団体のNGOが代表を出して、SW
として働いている。今は開発系のNGOも関わっている。ベナン
では一番のNGO連合体。
Q:それらの小さいNGOは誰が立ち上げた？
A：現地の人たちが立ち上げた。ALCRERは、SWにも加盟
しているが、個々人が立ち上げた。権力と近い関係にあった
が、腐敗を目の当たりにし、何とかしたいと思って立ち上げ
られた。高学歴のエリートが立ち上げている。
Q：今参加しているNGOの人たちはベナン社会ではどのよう
なカテゴリーの人たち？
A：ナショナルレベルでは高学歴だが、支部にいくと（地方支部、
市支部、村支部がある）、地元の人たち。宗教リーダー、農民
リーダー、女性リーダーなどがいる。読み書きがまったくでき
ないわけではないという点で、高学歴ではないものの、村の
中ではそれなりに学歴がある。
Q:「NGOエリート」について。お金が入るからやっている。
A：日本の一般的イメージは、「アツイ」人がやっている。立ち
上げの理由として多いのは卒業後職がないので立ち上げるケ
ースがある。NGOエリートを目指している人もいる。しかし、自分
たちがよければよいと思っているわけではない。いないわけでは
ないが、ピンからキリまでいる。志がある人も多い。人による。
Q：宗教団体の関わりについて
A：宗教団体は民主化に重要な役割を果たし、その後も色々な
レベルで活動している。
Q：一般市民が政治的に無関心なのが地方分権の課題なのか、
上の人が地方分権を進めないのが課題なのか？NGOはどち
らの課題を優先するのか？
A:上の変化により重きを置く。つまり、政府に対する提言活動。
一般の市民に対してはまだ弱い。今回紹介した事例もあくまでも
市や村レベルのNGOに対するもの。また、実際のメインの目的
は上への政策提言のための下という部分が大きい。
Q：NGOの立ち居地は？
A：アドボカシーNGOはやはりたまに来る都会の人。一般の人々
の中に根付いているかというとそうでない。
Q:周辺化されている人々の声を吸い上げるというより、国家に対
抗するという感じか？
A:いや、そうではない。調査などを通じて声を吸い上げる努力を
していると思う。「人々の声を届けるために存在する」といっている。
Q:しかし、一般の人々から見ると偉い人に見える？
A：見える。
Q：現地NGOはナショナルNGOと比べて暇そうか？
A：資金が取れずプロジェクトがないと暇。NGOによる。
Q:資金援助とはどこから来る？
A：国内からも国外からも来る。GLEGBENUという団体のしたHIV
エイズのキャンペーンは、ベナン国の保健省の予算でやっていた。
保健省が海外から資金をもらっている可能性はある。
Q：腐敗を防ごうとする際、日本であれば国民やメディアが騒ぐ。
ベナンでは民主化のお手本のはずなのに、なぜNGOのモニタリング
が必要なのか？モニタリングが終わった後に腐敗が新たに起こらない
ために何をすべきか？
A：当分の間NGOはモニタリングをし続けるだろう。一般の人たちが腐
敗を当たり前と思うこともある。腐敗を一番うるさくいっているのはNGO。
それをやらなくてよい段階というのは、ベナンの人々が教育を受けて、
国民全体が変わるとき。