今年度から、シンポジウムやレセプションは極力出ないように努めて
いる。以前は、NGO活動のために、いろいろな場所に出没し、関係者
と交流しながら、政策提言を少しでも実現するよう働きかけをしなけれ
ばならなかった。いわゆる「外回り」。事前に誰と何を話すか、何を獲
得するかまで、事務局や執行部の指示をもらって動いていたが、さす
がに、最後のほうは心身ともに疲れた。
なので、今年からはどうしても・・・というもの以外には極力出ないよ
うにしている。面白そうと思って申し込んでも、シンポの当日に体調を
崩すこともままあり、やっぱり身体は素直だなあ・・・と感心。今回のシ
ンポは、今書いている論文の関係で、ぜひにと思い参加。賛歌するま
では、身体の調子が悪くなかったものの、帰ってからぐっと悪くなった
から、やっぱり「シンポ疲れ」はまだ終わっていないよう。今週は、断り
きれなかった会食がいくつも入っているのに、すでに黄色信号。

さて、外務省と国際赤十字のシンポ。緒方さんが、人間の安全保障
を語るので聞きに行ったが、久しぶりに緒方さんらしいスピーチに触れ
ることができて大満足。JICA理事長となってからは、どうしても違和感
があったスピーチが、シンポでは生き生きと快活に話してらした様子が
印象的だった。詳しくは、おそらくシンポの記録がどこかに出てくると思
うので、それをご参照のこと。
一番印象深かったのは、緒方さんが、「 20年前から紛争の形が異な
ってくる中、誰が人びとを守るかが重要になってきた。私が人間の安全
保障において重要な点は、人間の側、犠牲者の側に立とうということ。
これが人間の安全保障の基本概念」と最後におっしゃった点だった。
日本は外交方針として、人間の安全保障を柱の一つとしているが、こ
れまでの外務省やJICAの国外での活動を見て、必ずしも「人間の側」
「犠牲者の側」に立っているとは思えない現実を多々目の当たりにして
きた。それは、何も外務省やJICAによる国外活動に限ったことではなく、
実は日本国内でも同様だった。それが、政権交代前夜ぐらいから、「国
民の目から見て」という言葉が連呼されるように変化しつつある。
この動きを、国際協力の分野でも、加速化してほしい・・・切に願うもの
である。
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外務省・赤十字国際委員会(ICRC)共催
シンポジウム:紛争下における人道支援
1.人間の安全保障と人道支援
* 山影進(東京大学)
* 緒方貞子(JICA)
* 鶴岡公二(外務省)
* アラン・エシュリマン(ICRC)
<2部、3部、レセプション・・・合計6時間の大イベントでした・・・。
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