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afriqclass.exblog.jp

2013年 04月 19日 ( 1 )

モザンビークで、ブラジル鉱物資源会社Valeの炭鉱道を住民が封鎖、警察が発砲3名負傷~市民社会の声明

未だポルトガル語ニュースしか流れていないようなので、急ぎ紹介しておきます。国営新聞の報道はかなり弱いですが、市民社会の情報はかなり厳しい状況なことが示されています。国際ニュースも事態を正確に捉えていないので、全訳(ほぼ)し、解説を載せました。続報が現地から入ってきましたが、空港から訳して載せます。

なお同じテテ州に新日鉄住金が4月4日、炭鉱の採掘権を取得し、2016年から操業開始。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130404/biz13040413450009-n1.htm

日本はブラジルと連携して、テテ州の炭鉱とナカラ回廊を結ぶ「ナカラ回廊プロジェクト」、同回廊沿いの農業開発を行う「プロサバンナ事業」で、ブラジルの官民と連携していますが、本当にこれでいいのでしょうか?こういう現地の状況や、現地住民の生活の破壊問題、ブラジルのアフリカ進出の野心、その背後にいるグローバル資本について自覚があるのでしょうか?

そもそも、2000年からしか在外公館を置かずJICA事務所がなく、モザンビークと関わる邦人が少なく、情報や知見の知見もないモザンビークで、こんな大規模開発を担うだけの、そしてブラジルの野望に振り回されないだけの外交能力や実務能力、情報収集能力など、あるのでしょうか?たった2人だけのモザンビーク研究者として、20年近く同国に関わる者としてとても疑問に感じます。

BBCがニュースにしてました。
■Mozambique protesters at Brazil-owned Vale coal mine
「ブラジルのVale炭鉱にモザンビーク人抗議者たち」

→http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-22191680
モザンビークの炭鉱の入り口を何百という抗議者らが、住民移転に際した補償を不服として封鎖している。一人2千ドル(20万円弱)の補償では足りないと、特にレンガ作りに関わる者が述べている。

<=が、これ国営新聞と同じような報道ですが、現地の市民組織の声明の深みがないですね・・・。要は「補償が足りない」ということが、金銭的な問題にすり替えられ、住民が降ってわいた一時金に対し「強欲」かのように思える書きぶりです。

■今回の抗議は次のものとして理解されるべきでしょう。
①2008年に同地に進出したVale社によって、5000家族が土地収用された。
②これら住民は、立ち退き・移転のプロセスや補償内容、その結果生じた生活苦について異議申し立てを2009年末から継続。
③その抗議の一環で、Vale社への補償内容見直しを求めるが拒否。再度の対話を求めて、道路封鎖。
④しかし、警察が強制排除を行い、住民が逮捕。その釈放を求めた住民が牢屋に集結。
⑤警察がついに催涙弾やゴム弾などを使って住民に発砲、負傷者が出た。
⑥警察はそれを否定。

<何が起きているのかの過去の投稿>
■「ブラジル鉱業企業と地元住民の土地紛争:「死んでもここを動かない」
http://afriqclass.exblog.jp/17432081/
■「ビルマでの援助と土地収用とプロサバンナ問題」
http://afriqclass.exblog.jp/17288876/

こういう状況の中で、日本が援助するプロサバンナ事業は、ブラジル政府と民間と共に、行われようとしているのです・・・ね。なお、日本の「ナカラ回廊プロジェクト」は、ナカラ回廊の先っぽを、このValeの炭鉱においており、「Vale鉄道」との連結を目指しています。「三角協力」・・・の恐ろしさを自覚あるのでしょうか。

<この件と日本との関わりについての過去の投稿>
■「三角/南南協力の罠3~モザンビーク住民に暴動されるブラジル企業進出と日本援助(ナカラ回廊PJ)の関わり」
http://afriqclass.exblog.jp/17274648/
■「三角/南南協力三角/南南協力の罠2~世界の議論(没政治性問題について)
http://afriqclass.exblog.jp/17274194/
■「三角/南南協力の罠1~BRICSが自らを「南」に位置づけ行動の自由を確保するメリットの指摘から学ぶ」
http://afriqclass.exblog.jp/17265850/

また、農民にとって土地が重要でない、「移転させればいい」「どこでも同じ」「アフリカ農民は土地に執着ない」「土地は沢山ある」・・・という、現在プロサバンナにみられる話は、1997年の土地法制定時にも該当しなかったし、今現在はもっとその状態にありません。そのことを、未だ理解されていないようで・・・。(勿論、地域差はありますが、モザンビーク北部では小農にとって土地は凄く重要です。ましては、肥沃な土地をわざわざ選んで住んでいる農耕民にとっては)

■国営新聞
Manifestantes paralisam minas de carvão de Moatize
http://www.jornalnoticias.co.mz/pls/notimz2/getxml/pt/contentx/1642179
Vale社の鉱山コンセッション内の500人近くの若い陶工(レンガ作り)らが、火曜日(4月16日)の夜中に、幹線道路や鉄道に、丸太や石を使ってバリケードを築き、鉱山への車や鉄道のアクセスを妨害している。(2013年4月18日)
UM grupo de cerca de 500 pessoas, na sua maioria jovens oleiros abrangidos pela concessão mineira da Vale, em Moatize, província de Tete, colocou durante a noite da passada terça-feira, troncos e pedregulhos fazendo barricadas nas entradas de saída de viaturas e na linha-férrea usada para o escoamento do carvão mineral.Maputo, Quinta-Feira, 18 de Abril de 2013:: Notícias


■現地人権活動家の報告に基づいた市民社会声明
*この場合の「家族」は住民のことです。
以下読むと分かるように、警察は「集会、マーチなかった」「治安維持だ」と自己正当化しているとともに、発砲の命令が郡長なのか司令官なのか、責任のなすりつけあいがされています。現場に人権活動家がいて初めて、このような情報は分かりますし、他方それを世界に発信してくれるNGOがいて初めて私たちは情報を知ることができます。ただ、彼らも英語にする余裕がなく、サイトを持っているわけでもなく、私の方に誰か英語にしてくれ、掲載する人がいればいいのですが・・・。

ACÇÃO ACADÉMICA PARA O DESENVOLVIMENTO DAS COMUNIDADES RURAIS
「モザンビークのVale社の炭鉱で、警察と家族(住民)らが暴力的衝突」
Violência e Confrontos entre Polícia e Famílias na Mina da Vale em Moçambique

「ADECRU」は、4月16日から続く、無防備な市民や家族らへの暴力や弾圧や逮捕を緊急非難する。これらの人々は、2009年末から、Vale社が現れて以来、同社によって行われた非人間的な住民移転に対し、抗議し、クレームを表明していたものである。彼らは、同様に、モザンビーク共和国警察PRMによる、Refo Agostinho Estanislau(レフォ・アゴスティーニョ・エスタニラウ」という名の市民の専横的な拘留に抗議する。彼は、「暴力を扇動した」との罪を着せられた。

「ADECRU」は、彼の即時釈放を求める。PRMと国家情報安全サービス(SISE)に、これらの市民や家族の逮捕を直ちに止めるよう要求する。これらの人びとは、法に基づき、彼らの基本的自由と権利の尊守のために闘っているからである。これは、憲法で保障された直接参加型の人民民主主義の原則に基づいた行為に過ぎない。

また、Carbomocという名の第9地区のPRMにみられた、これらの家族と警察の部隊との間で生じた緊張と衝突に警告を発する。これらの家族は、Vale社を利するために続けられた不正義を可能とするモザンビーク政府の行動と警察に対し、多くの犠牲を払っている。

「昨夜17時頃、警察は銃を使って、我々に発砲した。3人が少なくとも負傷した。警察は、その間、われわれの仲間たちを捕え、今も拘留されたままである」、と陶工で2日に渡って抗議行動に参加したTaibo Ismael(タイモ・イスマエル)は述べた。

ADECRUは、本日2013年4月18日、Vale社によって移転させられた家族らとPRMとの衝突を確認した。これらの家族は、集まり、警察によって昨日拘束されたレフォ・アゴスティーニョ・エスタニスラウの解放を求めて、牢屋までマーチしていた。

ADECRUがコンタクトしたこれらの家族によると、昨夜17時頃、PRMは、催涙弾やゴム弾を使って、16日から、「モアティズ炭鉱プロジェクト」へのアクセス道路を封鎖していた500人を超える人びとに発砲したという。
同プロジェクトは、Valeモザンビークによって特許が持たれ、操業されているが、操業停止に追い込まれた。(略)

モアティズ郡長Elsa Maria Fortes Xavier da Barcaは、ADECRUの問合せに対し、PRMの行動は彼女の命令によるものではないと、PRMの郡司令官が言ったことを否定した。「情報がなく、司令官に何が起こったのか確認しているところである。現時点で軍司令官だけがこの件で話ができる」と述べた。

一方、軍司令官Jaime Samuel Mapumeは、これらの家族への発砲は、次のことによるという。「公共の秩序、安全、安定に危険を及ぼした全ての者に発砲した。この市民を逮捕したのは、暴力を開始したからだ」。と同時に、同司令官は、警察の行動により、負傷者が出ていることを否定した。「誰も負傷していない。現在静かな環境にある。」

無差別の発砲とPRMによってつくられた緊張と衝突が誰の命令によるものなのかの問いに対し、同司令官は次のように述べた。「集会し、マーチした、(Vale社によって)移転された家族なんて一家族もいなかった。何が起こったかというと、拘留されている男性の15人程度の仲間たちが、彼を解放しようと牢屋に侵入しようとしたのである。警察はここ数日の状況が再発しないよう保証するようこれらのグループに求めたい。

現在、ADECRUのMoatizeに拠点を置く人権活動家によると、現在Vale炭鉱は再度機能し始めたという。また、牢屋の前に、大勢の家族らが押し掛け、Refo氏の解放まで動かないと約束している。

最後の情報によると、SISEは、第九地区を武装してパトロールしており、いつでも暴力的弾圧と衝突が可能な状態にある。ADECRUは、現場に同行し、このような雰囲気が市民との衝突と死者を出すことになりかねないと警告を発した。ADECRUは、これら1365を超える家族、Refo Agostinho Estanisaluとの連帯を表明し、即時釈放を要求する。

2013年4月18日
ADECRU, Maputo

以下原文。続きはmoreをクリック。
  A Acção Académica para o Desenvolvimento das Comunidades Rurais – ADECRU denuncia com urgência o uso excessivo da força, intimidação e perseguição às famílias e cidadãos indefesos, que desde o passado dia 16 de Abril de 2013 protestam e reivindicam seus direitos, depois de terem sido atingidos e reassentados desumanamente pela Vale em finais de 2009. Denuncia igualmente a detenção arbitrária do cidadão Refo Agostinho Estanislau, pela Polícia da República de Moçambique (PRM), afecta ao Comando Distrital da PRM de Moatize, acusado alegadamente de “incitação a violência”.
 

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by africa_class | 2013-04-19 02:17 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ