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JICAが公式サイトでモザンビーク小農の個人攻撃。しかもフェーク反論なことを受けて、プロサバンナの闇をすべてツイッターで紹介へ。

またしてもしばらくぶりです。
このブログで紹介した、TICADに際したイベントの数々は大変盛況でメディアもたくさん取り上げてくださったようです。ヤフーの記事などはもう削除されているようですが、残っているものだけでもご紹介。

https://www.facebook.com/101625603238205/posts/2536820129718728?sfns=clhttps://www.jiji.com/jc/article?k=2019090500209&g=inthttps://www.jiji.com/jc/article?k=2019083000223&g=inthttps://iwj.co.jp/wj/open/archives/456456

特に、冒頭のTBSのニュース番組(現在はフェースブックで公開中)は、地上波で放送された後、公式ウェブ上で配信されると同時に、ニュース番組で視聴ナンバーワンを2日にわたって獲得していました。ヤフーニュースでも政治部門で1位をかっさらい、現在残っているフェースブック上でも10万回以上の視聴があるようです。

まだの方はぜひ2分程度の番組なので、以下でご覧下さい。
(いつまであるか分からないので、お早めに…)

「日本のODAに現地からNO!」
https://www.facebook.com/101625603238205/posts/2536820129718728?sfns=cl
いまみたら、Youtubeにも掲載されているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=OBiNqQW1h3U

この番組に出てくるコスタさんは、ナンプーラ州農民連合の代表。この州は、プロサバンナの事業対象3州の中でも最も多い数の郡が対象郡となり、かつ拠点がおかれるなど、プロサバンナ事業の中心地でもある一方、日本の政府やJICAだけでなく、三井物産や日本の民間銀行、JBICが回廊開発に関わるナカラ回廊地域の中心地でもあります。

ナンプーラ州農民連合は、州で最大の小農運動であるだけでなく、モザンビーク農民連合UNACに所属しています。UNAC自体が、モザンビーク最大で最古の小農運動で、1987年に与党フレリモの小農による相互扶助運動が、独立する形で結成されました。目的は、小農同士の相互扶助を促し生産や販売などで成果をあげ暮らしを向上させること、そして土地や水源・森へのアクセス等の権利を擁護することでした。UNACは、小農政策において、モザンビーク政府の唯一の政策上の対話相手であるだけでなく、国境を超える世界の小農運動・ビアカンペシーナの加盟団体でもあります。

ビアカンペシーナが草案した「小農権利宣言」が、去年末に国連総会で122国の賛成をもって採択され、国際法(ソフトロー)になったことはすでにこのブログで紹介したとおりです。ビアカンペシーナは、世界の小農や先住民族がもつ、伝統的に培ってきた知恵や技術のうち、科学的に有効性が実証された農法(アグロエコロジー)を、「農民から農民へ(Campesino to Campesino)運動」を通じて広めてきました。UNACも、アグロエコロジーを推進しており、タネの交換(ヤギ等の家畜の交換も)や相互扶助の活動を通じて、たくさんの成果を農村社会にもたらしています。

コスタさんはアグロエコロジーを採り入れた農法で篤農家としても尊敬されており、ナンプーラ州3万人近くの小農によって選挙で選ばれた代表でもあります。

2009年に調印されたプロサバンナ事業による大豆生産等への海外投資の奨励、輸出拠点となるナカラ港と内陸部を繋げるナカラ鉄道(三井物産とブラジル・ヴァーレ社が共同運営)の存在は、モザンビークでも最も多い人口が集中するこの地域の小農から土地を奪い、あっという間にアグリビジネスの大規模大豆プランテーションに変えていきました。

これは、コスタさんの過去10年の歩みとも重なります。
コスタさんは、この州で小農らが土地を奪われるままだった状態を憂い、2010年から小農同士の連帯による土地防衛を実現するため、小農の組織化に取り組み、州農民連合の誕生、そして組織の拡大を実現してきました。今でも毎日のように、「●●で土地が奪われそうだ」との情報を受けると、東西に1000キロ近くある州を横切り、小農の元へと駆けつけています。そして、地元行政府との協議を設定するなど、毎日休みなく、畑と仲間との間をかけずり回ってらっしゃいます。

皆のために労を惜しまないコスタさん。プロサバンナの反対運動の先頭に立ってきたことにより、数々の脅迫や弾圧を受けてこられました。それでも、コスタさんは諦めず、声をあげ続けてらっしゃいます。この田んぼの写真も、「Vamos Produzir(さあ生産しよう) Nao ao ProSAVANA(プロサバンナにノー!)」というコメント付きで皆に送られてきました。ここに込められたたくさんの意味については、また紹介します。

そんなコスタさんを、今度はjICAが公式サイトで名指し、個人攻撃するという事態が生じました。
こちらの広報文を見て下さい。

モザンビーク国プロサバンナ事業に関する一部報道等について

2019年9月20日
国際協力機構

https://www.jica.go.jp/information/opinion/20190920_01.html


日本のNGOは、コスタさんをはじめとする北部3州の小農リーダーらへの人権侵害は、繰り返しJICAに具体的に報告し、政府関係者の威嚇・弾圧発言などの音源まで提供し、事実検証と人権救済を要求してきました。詳しくは、過去の日本NGOと外務省・jICAとの協議記録をご覧下さい。
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps_base0001.html

また、JICAによる小農運動、事業対象州の市民社会への介入・分断活動については、具体的な証拠が内部告発者のリークによって明らかになったため、3カ国市民社会で繰り返しJICAに抗議を行い、事業中止の申し入れを行ってきました。
この点の詳細は岩波書店『世界』の連載をお読み下さい。
https://websekai.iwanami.co.jp/posts/461

中でも、コスタさんたちナンプーラ州農民連合は、JICA予算によって行われた介入・分断活動の最大の被害者です。これは末尾のスライドでご確認できるかと思います。そのことを訴えに緊急来日され、参議院議員会館で報告が予定されていたコスタさんたち(2017年11月)に対し、JICAの加藤宏理事らが、モザンビーク農業省の元副大臣と事務次官を緊急来日させ、対面反論させようとしたことについては、すでに日本のNGOの抗議声明などでご存知かと思います。
https://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/2016/12/20161221-prosavana.html

国会議員の先生方の拒否により、来日していた政府高官らの集会参加は阻まれたそうですが、農村開発部の担当課長に至っては、コスタさんと私たちが参加していた広島大学の国際開発学会の会場にまで現れて、政府高官の参加を要求してきました。コスタさんたちの動揺は激しく、広島にいる間もずっと「どこかにJICAがいるんじゃないか」といって、落ちついてご飯すら食べられない状態になりました。そこで、私は国際開発学会に来ていた加藤理事にどういうことか問いただしたところ、理事が自分が担当課長からモザンビーク小農リーダーたちが来日するのでどうしたらいいか困っているとの声を受けて、国会議員や市民の前で色々話されるが、JICAが反論するよりも事業主体の現地政府が反論すべきと考えた、と答えました。人権侵害を受け、その救済まで要請している人達に対して、そんなことをしようと思うこと自体が信じ難いと伝えたら、加藤理事は黙っていました。理事が、そもそもどういう初心を抱いてJICAに入ったのか、その初心とあまりにかけ離れた自分になっていないかと問いかけたところ、理事は自分も何とかしたいと思っているとのことでした。

現実には、その後もJICAの現地社会への介入は続き、数日後にはJICAが2400万円のコンサルタント契約を行った、コスタさんたちと長年一緒に活動をしていた地元NGOの代表らにJICAは400万円を送金し、翌月の12月には、これらのJICAのコンサルタントとなった「元市民社会関係者」を、地元の新聞のインタビューに連れて行き、「市民社会代表」としてプロサバンナ事業への賛成表明と、反対をしている人達の誹謗中傷をさせました。新聞編集部によると、JICAからこれらの「市民社会代表」が、JICAと請負契約をしていて、サラリーや謝金をもらっているとは一言も説明がなかったそうです。しかも、この新聞の取材自体が、駐モザンビークに本大使館の予算によるものだったことが、後日明らかになりました。

これについては、参議院ODA特別委員会でも取り上げられていました。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-249.html


その後、プロサバンナ事業対象地域の住民11名がJICAに正式に異議申し立てをして、マスタープランしばらくは静かな日々が小農のもとに訪れました。この時期の取材をしたアルジャジーラの記事にもそれは明確です。
https://www.aljazeera.com/indepth/features/mozambique-farmers-battle-land-nakarari-prosavana-180205085026683.html

このJICAと2400万円(半年)の契約をしたSolidariedadeというNGOとの契約は、外務省の国際協力局長(当時)が「JICAはなんてバカなことをしたんだ」というコメントとともに、解消されたそうです。また、日本のコンサルタントらも契約更新がなかったといいます。

しかし、JICAの異議申し立て審査で「ガイドライン違反なし」という結論が出ると、たちまち介入・分断が再開されました。なお、この審査がいかに不公正なものだったかは、先の『世界』の連載で詳しく紹介しています。この事実が明らかになったのも、日本の国会議員の皆さんが情報をJICAから入手されたからでした。
https://websekai.iwanami.co.jp/posts/1419

JICAの審査役というのは、事業部署からは独立していますが、実は「理事長直属の機関」として位置づけられており、考えたら、そんな審査が公平・公正に行われる訳がなく、またJICAに不利な結果出る訳がないのでした。でも、国立大学の教員らが審査をしている以上、少しはましな審査がなされると普通は思いますよね?でも違っていました。唯一、第4章の提言は、JICAやモザンビーク政府にも非があったことを認め、重要な提言をしてはいます。

しかし、JICAは「違反なし」という部分だけを誇大広告してきたばかりか、去年8月にモザンビークのマプート行政裁判所が、プロサバンナ事業に対して、「憲法と国内法で保障された国民の知る権利を侵害した人権侵害の事業」として認定し、違法判決を下したにもかかわらず、これを無視し、事業を強行し続けています。このような対応が、JICAガイドライン違反なばかりか、相手国の三権分立、特に司法権を蔑ろにするものだというモザンビーク市民社会の声も無視。「国内問題」「行政機関同士の問題」と矮小化をし続けています。

そんな最中に発表されたJICA公式サイトの反論文。
人権侵害の被害者であるコスタさんを名指し、個人攻撃しただけではありません、事実に反することを列挙して批判や自画自賛を展開するという大変問題のあるテキストが掲載されています。

しかも報道があったという7点の項目のうち、報道で触れられていたのは3点のみ。残りは触れられていないばかりか、コスタさんをはじめとするイベントの登壇者の誰も言っていないことが前提にされて、反論がされるという「フェーク反論」状態。さらには、事業対象州最大の小農運動のリーダー(3万人以上の小農をバックにしている)を「少数派」扱いし、なぜか自分たちの事業に参加中の3州の農家4800を多数派扱い。

9/4の院内集会で、池上甲一名誉教授(国際農村社会学学会会長)が、アフリカの調査を長くなっていれば分かることだけれどと前置きし、JICAをしかってましたが、「プロジェクトに参加している間は、当然賛成なんですよ」「政府と一緒に聴けば当然賛成」、本当にそうですよね。私たち研究者が、現地調査で本当のことを明らかにするために、どれほど質問方法に工夫をするか、またその結果のクロスチェックを行うかなど、「賛成ありき」のための事業をしてきた人達には分からないのでしょう。

そもそも、プロサバンナの3本目の柱PEM(パイロットプロジェクトなどを実施)は、地元小農運動が2012年10月にプロサバンナ反対の声をあげてから開始したもので、UNACやコスタさんたちの州農民連合内部の分断やまさに「賛成派農民」づくりに利用されてきました。

UNACが反対の声をあげたときに、JICAアフリカ部の本郷豊専門員・坂口幸太調査役(当時)と農村開発部の天目石慎二朗課長(当時)は、それぞれUNACは「一団体」とか「野党だから」といって、その反対の声を矮小化するのに躍起でした。しかし、UNACがフレリモから生まれた団体であり、最大の小農運動で、さらにはモザンビーク政府が小農組織の代表を日本に連れてきた際に、その方がUNACのニアサ州のリーダーであったことが分かると、今度はUNACに加盟する小農組織に融資やプロジェクトを提供することで、内部分裂をはかったのです。

長い戦争で社会分断を経験し、与野党を超えた小農同士の連帯を育んできたUNACの北部の加盟団体にとって、これは非常に辛いことでした。そして許せないことでした。

UNAC分断のために使われた融資には、わざわざ「プロサバンナ」という名前を消した書類を地元の小農支援金融機関(GAPI)に持っていかせて合意してから、JICAが現れたケースもありました。次に、野党が圧倒的に強い郡で、フレリモ与党の強力な支持者がリーダーを務める郡の小農組織への製粉機提供を通じた介入分断もありました。このケースへの対応の最中に、当時のUNACの会長であり「小農の父」として大変尊敬されてきたアウグスト・マフィゴ会長が急逝したことは、すでに紹介した通りです。当時の声明です。

緊急声明
プロサバンナにおける農民の分断と招聘計画の即時中止の要求


その後、コスタさんのお膝元でも「製粉機強要事件」がありました。いずれにせよ、日本の税金で「小農支援」といいながら、モザンビーク農村の連帯を育んできたUNACの勢力を削ぐための活動が繰り広げられてきました。地域の小農の支援を粛々としているだけと言いたいかもしれません。であれば、なぜこのような形で支援対象を持ち出してくるんでしょうか?これと同様のことを、JICAは市民社会をターゲットに行い、JICA理事長をはじめとする幹部が、繰り返し宣伝に使ってきたことについては、すでに述べた通りです。

実際、2012年10月の反対表明以降、JICAが力を入れ、税金を注入してきたのは、反対の声を弱める・矮小化する→つぶすための数々の介入やバラマキでした。これは、9/4院内集会の渡辺さんの報告が詳しいです。

動画→https://www.youtube.com/watch?v=UqO0s9QH2zY
当日通訳に誤訳が多いので、モザンビークゲストの発言については議事録をご確認下さい。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-414.html

さらには、公聴会では賛成が多数だったと自画自賛していますが、この公聴会がいかに出鱈目なものであったのか、JICA自身が認めて別プロジェクトを起した(ステークホルダー engagement project、2015年10月ー)こともお忘れな様子。なお、この公聴会は、与党フレリモが各地で大動員をかけ、参加者の7割が教師・警察・病院関係者であったことについては、JICA自体が認めているところ。そして、日本のNGOと2州の農民連合の合同調査で、場所によっては「フレリモ万歳」の歌から始まった会場があったこと、UNAC加盟の小農組織のメンバーは5人までしか入れなかったこと、与党関係の農民だけが事前会合に招かれ、プロサバンナ賛成ということが徹底されたことなどが分かりました。さらには、公聴会の議長を行政長が務め、「プロサバンナへの賛成意見しか聴かない」などと宣言した様子が録音・動画で残っています。

極めつけは、日本大使やJICA代表も出席した首都での公聴会。なんと議長は大臣。延々と農業省の関係者ばかりが登場し、冒頭には、「愛国的な発言をせよ」と脅して、人権団体の代表弁護士が、表現の自由の侵害と猛反発したにもかかわらず、反対するであろう人達の発言は封じ込めたという出来事がありました。これらの事実は地元新聞にデカデカと載ったので皆が知ることになったというのに、議員勉強会で、JICAは「よく知らない」と言い張ってました。が、後にこの事実を認めました。

しかし、時間が経過すれば「問題だったこと」も自画自賛のために、例えそれが情報操作だと分かっていても、何の注釈なしに再利用されるんですね。税金で支えられる公的機関として、本当に恥ずべきことだと思います。

このようにJICAが発表した反論の7点のいずれもが、フェークや情報操作に基づくもので、事実(ファクト)に根ざした研究を何十年やってきた者としても、経緯や事実を知っている者としても、呆れるを通り越して、さすがに頭に来ました。JICAの担当者らは、反論に書いていることが問題である事を知ってて、あえて掲載しているからです。

ただのウェブ上のテキスト・・・ではありません。
このようなフェーク・情報歪曲の被害を受けるのはコスタさんたち小農リーダーたちだからです。この一方的な反論によって、コスタさんは、「少数派」なだけでなく、「嘘つき」として記載されることになったからです。

そもそも、コスタさんらの発言(ではないことが書いてあるので問題外なのですが)が気になるのであれば、日本のNGOの連絡窓口に連絡して真意を正す、あるいは修正・訂正を要請すればいいのです。それすら怠って、突然一方的に、事実に基づかないテキストが、公的機関から公式に出されたのです。これは、コスタさんを誹謗中傷しても良いとJICAが判断したことを意味し、それ自体が人権侵害であるだけでなく、コスタさんを名指しすることで悪者にし、この先さらなる人権侵害にGOサインを出したともいえます。

つまり、コスタさんの身が大変危ない状況が、さらにこの広報文によって、JICAにより作り出されたのです。

これを受けて、日本のNGO5団体は、JICAに緊急抗議を行い、2点の申し入れをしたそうです。
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-418.html

(1)現在下記に掲載されている文章を撤回すること。
https://www.jica.go.jp/information/opinion/20190920_01.html
(2)日本のNGOとの公開討論会を開催すること。



長くなりました。
私はこれまでフォーマルにもインフォーマルにも、たくさんのことを見聞きしてきました。
たくさんのJICA文書を読み分析してきました。
その数は恐らく200を超えるし、ページ数だけでも数万ページに及びます。

私が地球上で最も尊敬するひとりであるコスタさんへのこのような暴挙を放置するわけにいきません。この間、JICAがコンサルに作らせ承認したプロサバンナの『コミュニケーション戦略書』に書かれていることを読み、その後起ったことを知り、自分自身に起きたことを踏まえてもなお、未だJICAやJICAの職員には期待がありました。

なんども良心や初心に立ち返ることを呼びかけて来たし、お願いもしてきました。
現地の司法判断まで違法と出た。

しかし、JICAはどうも学ぶことができないばかりか、組織のためならモザンビークの小農をいくら犠牲にしてもいいと考えていることが分かりました。そして、今までは少なくとも(良いという意味ではなく)、間接的に手を染めていたのに、今回は直接人権侵害に加担するに至りました。公的に。JICAが組織として。

もはやJICAは、海外「援助」機関と呼ぶに値しないと思います。
こんなことプロサバンナだけだよ、と言う人もいます。
でも、JICAのナンバー3の理事レベルが関与してるんです。
現地政府が強行だから、という人もいます。
そんな政府だって、誰もが知ってるでしょう。
1975年から同じ与党政府なんですから。
そして、そんな政府を市民社会に対峙させるべく画策しているのはJICAであったことは文書等で明らかになっています。

援助なんかもらわなくとも自立し、相互扶助の輪を広げて成果をあげている小農リーダーの頬をぶちながら、農家支援をやって喜ばれてますと胸をはるJICA農村開発部の皆さんが、一体なにをしたくてJICAに入ったのか、私には理解できません。

コスタさんと一緒に来日したボアさんがいいました。
JICAがやっていることは植民地主義者と一緒だ、と。
そして、院内集会でJICAの言い分を聴いていた料理研究家の枝元なほみさんがおっしゃったこと、あまりに的確なので引用させていただきます。

日本の農業はめちゃくちゃです。農業者もやめていこうとしているのが、日本型の農業。あるときそこに背広を着た人たちが来て、あなたたちあまりお金がなさそうだ、こうするともっと儲かると言ってやってきて、そこを違う畑に変えていこうとしている。で、いらないから帰ってくださいと言っている人たちがいるのに、居残って、「さあ参加してください」というのって、これ侵略ではないかと思った。

その土地の人が誰も受け入れないようなことをどうして押し付けていくのか。私の税金使わないでください。やめてください。私たちがお給料払っています。JICAの人にも、外務省の人にも払っているでしょう、税金で。必死です、働くの。日本の農民もどんどんやめていこうとしている。そういう農業をちゃんと見れていない人たちが、なぜ、よその国の農業、知らない土地のところにそういう農業のやり方を押し付けていくのか。おかしいです。お金使わないで、私たちの税金。そう私は今思っています。



これまで、どこか遠慮して書かない事もたくさんありました。
でも、もう遠慮しません。
すべてを、ひとりでも多くの納税者や有権者に知っていただき、JICAが本当に税金で支えられるべき組織なのかについて考えてもらい、審判を下してもらおうと思います。

それが、モザンビークの小農のそばにおれず、日本の市民社会の中にいれない、外国にいる私の役割だとよやく気づきました。この事業の関係者には、長年の仲間だった人も大勢います。コンサルにも。でも、もう遠慮している場合じゃない。ここまで悪事に手を染めるのであれば、組織自体が腐っている(腐りかけている)ということ。

私も独立行政法人の一員として働きました(国立大学)。組織が腐っているのを知っても、中の人間では変えられません。中の論理では変えられない。他方、独立行政法人は、税金で支えられ、情報公開法が適応されるように、日本の皆さんに対して透明性と説明責任が課されています。またその予算は交付金で支えられています。国会による監視対象でもあるのです。国会とは、国民の代表を送り出しているところです。つまり、皆さんに変える力が与えられているのです。

まずは知って下さい。そして考えてみてください。そしておかしいと思ったら、おかしいと声をあげましょう。コスタさんたちを守り、安心して自らの農業の発展を続けてもらうには、それしか方法は残されていません。

もはやブラジルは引いています。だからそもそも「三角協力事業」として始まったプロサバンナを続ける意味すらありません。
すでに34億円の日本の税金が浪費されています。その大半は日本のコンサルタントに支払われた金額だそうです。現地の裁判所も違法判決を出した、小農の反対はどれほど弾圧されても続いている。もうこんな援助終わりにしませんか?

詳細はツイッターをご覧下さい。
他にもいろいろ書いているけれど、お気になさらず・・・。
9月20日以降の投稿で、連ツイしています。
https://twitter.com/sayakafc

岩波の連載に続きを書いていきますが、ひとまずブログとツイッターでお知らせします。
長文になってしまいました・・・。
いつものことだけど。

JICAが公式サイトでモザンビーク小農の個人攻撃。しかもフェーク反論なことを受けて、プロサバンナの闇をすべてツイッターで紹介へ。_a0133563_08083388.jpg








# by africa_class | 2019-10-01 09:37 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【最後のイベント!】9月4日15:30-参議院議員会館「

連投失礼します。
TICAD(アフリカ開発会議)にあわせて来日したモザンビーク小農たち。
登壇最後のイベントが、9月4日15時30分から参議院議員会館で開催されます。

国境を越える世界の小農運動が実現した「小農権利宣言」。
そして、「家族農業の10年」が今年5月に開始しました。
これを受けて、日本の開発援助や投資も、「変わらなきゃ!」。
しかし、変わらない…。
そこで、モザンビークから当事者である小農運動のリーダーが来日し、
外務省・JICAと直接議論するそうです!

ぜひ、この機会をお見逃しなく。


■□■□■□■拡散・転送歓迎■□■□■□■□■□■□■□■□
院内集会(2019年9月4日15:30-18:30@参議院議員会館)
国連「小農権利宣言」「家族農業10年」を受けて考える日本の開発援助とアフリ カ小農
 ~モザンビーク、プロサバンナの事例から

【案内サイト】https://ngo-jvc.info/30oekpT
【申込】https://ssl.form-mailer.jp/fms/cc3ed7cf633390
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

世界で小農や家族農業への注目が高まっています。昨年末に国連総会で「小農と
農村で働く人びとの権利に関する国連宣言(小農宣言)」が採択され、今年5月
からは「国連家族農業の10年」が始まりました。小農・農家が主体的にその営み
を継続させられるよう、これを守り促進していくための取り組みが国際約束とな
りました。この国際的な潮流には、家族で営む小さな農業の役割の再評価と期待
が込められています。

このことは、海外で行われる日本の農業分野への援助や投資にも影響を及ぼします。
アフリカ・モザンビーク北部(ナカラ回廊地域)における日本の援助(ODA)事
業「プロサバンナ」に、現地の小農運動組織UNAC(モザンビーク全国農民連合)
が反対を表明してから7年が経ちます。

この間、モザンビークの市民社会は、同事業の「大規模農業開発」という方向性
のみならず、その不透明性や人権侵害、市民社会への介入・分断などについて反
対と要請を続けてきました。しかし、状況が変わらぬまま、現在までに30億円以
上の日本の税金が費やされています。昨年には、同事業がモザンビークの人びと
の「知る権利を侵害」、「事業にかかる情報の全面開示」との判決が現地の裁判
所で確定しました。

今回来日する小農運動リーダーが所属するUNACは、小農宣言等の成立に多大な役
割を果たした国際的小農運動ビア・カンペシーナの構成団体です。これまでUNAC
は、地球環境・地域社会、そして人びとの食を支える小農を尊重し、ボトムアッ
プで政策や協力が創造されるべきだと主張してきました。

世界的にもアフリカの小農からも、日本の開発援助や投資のあり方の転換が求め
られている今、日本の援助関係者・機関、企業、そしてNGOや市民はどう変わっ
ていくべきか。小農運動リーダーとビア・カンペシーナ国際局の元スタッフをお
迎えし、活発に議論したいと思います。ぜひ、ご参加下さい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■日時:2019年9月4日(水)15時30分ー18時30分
(*参議院議員会館ロビー左手に、持ちもの検査を通った形で、15:00-15:20の
間に集合下さい。遅れる方は申込み時の備考欄に記入下さい)

■場所:参議院議員会館 101会議室
https://bb-building.net/tokyo/deta/457.html
■言語:日本語(ポルトガル語・英語からの逐次通訳あり)
■資料代:1000円(学生500円)
■参加申込み:以下のサイトで事前申し込み後、直接参議院議員会館ロビーまで お越し下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/cc3ed7cf633390
■お問合せ:電話:03-3834-2388(渡辺)
■定員:100名
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■当日のプログラム:
【1】背景「これまでのプロサバンナ事業をめぐる経緯」:
渡辺直子(日本国際ボランティアセンター)
【2】現状報告「現地で何が起きているのか」:コスタ・エステバオン(ナン プーラ州農民連合代表)
【3】現状報告「モザンビーク社会で何が起きているのか」:ボアヴェントゥー ラ・モンジャーネ(プロサバンナにノー!キャンペーン)
【4】政府代表との公開ディスカッション:
外務省、JICA、モザンビークゲスト、池上甲一、渡辺直子
【5】現状報告「ディスカッションを踏まえた世界潮流報告」
:池上甲一(近畿大学名誉教授)
【6】オープンディスカッション

■主催:日本国際ボランティアセンター、アフリカ日本協議会、ATTAC Japan、
No! to landgrab, Japan、モザンビーク開発を考える市民の会、その他募集中
■助成:庭野平和財団、大竹財団
==============================

【最後のイベント!】9月4日15:30-参議院議員会館「_a0133563_18154631.jpg
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# by africa_class | 2019-08-30 18:20 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【TICAD(アフリカ開発会議)】モザンビークゲスト>明日TV放映・記事紹介・ネット配信番組

しばらくご無沙汰してしまいました。
畑はようやく夏野菜の収穫を迎えつつあります。
そんな中ですが、TICAD7(第7回アフリカ開発会議)が今横浜で開催されていることをご存知でしたか?今日が最終日となりました。私が関わったTICAD4(2008年)から10年以上も経っていることに、驚きます。その時、アフリカは日本では今以上に「遠いところ」で、人の交流も関心も低調で、これをなんとかしようと、TICAD市民社会フォーラムを設立し、「アフリカ2008キャンペーン」などを使って、盛り上げたのを思い出します。これについては、『アフリカ学入門』(明石書店)にまとめているので、是非ご一読下さい。

その後、日本の開発援助と投資はアフリカに流入していったのですが、各地で問題を生じさせるようになってしまいました。特に、私の故郷モザンビークは、日本の官民の最重点国となり、プロサバンナ、ナカラ経済回廊開発、天然ガスをはじめとして、地域の小農の暮らしを犠牲にする上からの開発が進められています。

しかし、2008年のTICADとの大きな違いは、それに抗う住民・小農の当事者運動が、今アフリカや世界で盛り上がりを見せていることです。前は都会にいるエリート層であるNGOや市民社会の団体とだけやり取りしていたのですが、今は小農の生の声が政策に届けられるようになりました。その最たるものが、このブログでも紹介している、「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言(国連小農宣言)」です。国境を超える小農運動がこれを実現しました。これにはモザンビークの小農運動(UNAC)も寄与しています。そのUNACに所属する小農が、今回も来日しています。
■国連小農宣言→

私がモタモタしているうちに、来日イベントの半分(TICADサイドイベント)が終ってしまいました…。すみません。8月31日は京都のキャンパスプラザで13-30-イベント、最後のイベントが9月4日15:30-@参議院議員会館にて開催されます!これについては、別の投稿で紹介します。

以下は、すでに番組や記事になっているものです。特に明日の番組は明日だけの放映ですので、ぜひぜひご覧下さい!


(以下、転載・転送歓迎!)
■□■□■□■□■□■□
TICAD(アフリカ開発会議)を受けたモザンビーク小農運動リーダー
コスタさん、元ビアカンペシーナのボアさんのイベント登壇・TV番組
・記事・ネット番組の一括紹介


*最後のイベント(9月4日15:30-)の申込み受付中!
国連「小農権利宣言」「家族農業の10年」を受けて考える
日本の開発援助とアフリカ小農:
https://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2019/09/20190904-peasant.html

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【NHKワールド(8月31日)】
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/tv/globalagenda/20190831/2047047/
Unleashing Africa's Potential
August 31, 2019
10:10 - 11:00 / 16:10 - 17:00 / 22:10 - 23:00 / 4:10 - 5:00
プロサバンナにノー!キャンペーン」の代表として来日したボアヴェントゥーラ・モンジャーネさん(元モザンビーク農民連合・ビアカンペシーナ)がシエラレオネなどと議論。
【新聞記事】
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー日本の農業支援、弊害も=モザンビーク農民が訴えーTICAD8/30(金) 6:22配信https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190830-00000006-jij-int ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーカメルーン農民、大企業の農地収奪批判=まず人権尊重を8/29(木) 13:34配信https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190829-00000059-jij-intーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー日本の農業支援、弊害も=モザンビーク農民が訴え-TICAD2019年08月30日06時20分https://www.jiji.com/jc/article?k=2019083000223&g=intーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー【インターネット録画配信】20190829UPLAN【TICADサイドイベント】(SDGsとアフリカ開発?ー私たちの暮らしから考える〜)https://www.youtube.com/watch?v=7tJ8NAFvKKY【インターネット中継予定】8/31(土)13:30-16:30京都でのイベント「今、アフリカで起きていること〜私たちの食や暮らし、税金から考える」https://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2019/08/20190831-africa-kyoto.html中継チャンネルhttps://iwj.co.jp/channels/main/*現在、チャンネルを確認中です。<本件についてのお問い合わせ先>モザンビーク開発を考える市民の会 事務局http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/office<@>mozambiquekaihatsu.net

【TICAD(アフリカ開発会議)】モザンビークゲスト>明日TV放映・記事紹介・ネット配信番組_a0133563_18101448.jpg


# by africa_class | 2019-08-30 18:11 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

【続編が公開されています】論座「イスラム国がモザンビークを攻撃」の衝撃(中)〜攻撃の背景に関する四つの分析

久しぶりの1日中雨・・・なので、たまった書き物をしているところです。
朝日新聞社の「論座」に連載している「『イスラム国がモザンビークを攻撃』の衝撃」の最後の原稿を仕上げつつあるところ。で、思い出したのが、ブログで「中」の紹介をしていないことでした!すみません。

「イスラム国がモザンビークを攻撃」の衝撃(中)

攻撃の背景に関する四つの分析

舩田クラーセンさやか 国際関係学博士、明治学院大学国際平和研究所研究員

https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019071000002.html?page=1


この「中」はむっちゃ力作なんでぜひ最後まで読んで下さい。
仲間からは「推理小説みたい」って、言っていただき、最後まで読まないと謎解き終らないのです!
が、登録がないと最後まで(しかも肝心の以下の④と⑤が)読めない設定なので(涙)、ぜひ論座の読者登録の上お読み下さい。

この「中」では、モザンビーク北部カーボ・デルガード州の天然ガス開発地で続く、武装攻撃の背景として、4つを分析枠組みとして設定し、順番に詳しく検討していきました。


①国際的な(とくに「東アフリカ地域」に広がる)ジハード運動との繋がり
②タンザニアとの「緩い」国境を行き来する「犯罪」との関係
③海外投資による収奪や格差拡大への不満を土台とした民衆蜂起
④投資流入に乗じて肥大化する国家エリートや抑圧的な軍・警察に対する政治闘争と報復

実は、この攻撃が続いている、あるいは関与が取り上げられている地域は、私の長年の調査地でもありました。そのため、この件でいろいろな発信をしているモザンビーク研究の仲間たち、先輩たちの指摘をベースとしつつも、これまでの研究蓄積を踏まえて、歴史を振り返りつつの考察を加えています。

個人的には、読みどころは以上で書いたとおり、④と⑤かなと思います。
この記事、多くの日本の皆さんに読んでほしいです。

なぜなら記事にも書いてるとおり、この天然ガス開発には日本の官民(政府と企業)が深く関わっている上に、天然ガスの売却先は東京ガスなどであり、日本の納税者・消費者ときってもきれない事業だからです。

ガス油田開発は、三井物産だけでなく、独立行政法人JOGMECが関わっており、両者はそれぞれ2400億円ぐらいの投資を行うそうです。

「遠いアフリカの危険な出来事」ですませないで、マネーの繋がりが、社会になにをもたらしているのか、ぜひ考える材料にしてほしいな、と思います。

天然ガス開発が現地に何をもたらしてるかについては、現地の環境団体Justica Ambientalが動画を発表しています。素晴らしい海の風景、そして住民の声、ぜひ耳を傾けて下さい(6分程度なので)。

Broken lives and Stolen future (破壊された暮らし、奪われた未来)
https://www.youtube.com/watch?v=LCE6tYbEAss

なお、論座の記事の中では十分触れていないのですが、以下の点は一部の攻撃については妥当な指摘だと思っています。以上の動画でも、その点が住民に言及されています。

「番外編として、前稿で紹介した、⑤開発ビジネスで利益をあげたい国家エリートによる過激派への裏支援、つまり土地収奪のための住民追い出し作戦が加わる。」

ただ、もう少し材料を集める必要があります。
ではっ!原稿の続きへ。

地図は、以上の動画から頂きました。
Anadarkoとあるのが天然ガスを開発する米国テキサスの石油企業で、三井物産らとパートナーシップを組んでいます。沿岸部のコミュニティがどれぐらいの規模で移転させられるのか可視化されています。しかもその移転先にも関連施設が建設されることになり、地元住民から悲鳴があがっています。

我々のエネルギー源のために、こんなことが進められていることについて、皆さんはどう思いますか?

【続編が公開されています】論座「イスラム国がモザンビークを攻撃」の衝撃(中)〜攻撃の背景に関する四つの分析_a0133563_19475269.png




# by africa_class | 2019-07-28 19:52 | 【記録】原稿・論文

朝日新聞社のWEB論座に寄稿しました(「イスラム国がモザンビークを攻撃」の衝撃)

なんだか夏の終わりのような天気ですね。
以前からお誘いいただいていたのですが、なかなか原稿を書く時間と余裕がなくて、4ヶ月もかかってしまいました…。が、学術界やNGOだけでなく、ビジネス界のみなさまから、日本の企業(三井物産など数社)が進出するモザンビーク北部で続く「ムスリム武装集団による襲撃事件」の実際と深層を知りたいから教えてくれという声が相次いでいました。

実は・・・モザンビーク研究は先日東京大学出版会から出した共著本『解放と暴力ーアフリカにおける植民地支配と現在』(小倉充夫、舩田クラーセンさやか)で終わりにしようと思っていました。

しかし、ついに「イスラム国」が6月6日に関与を発表したので、この件に関する基本情報と議論の整理ぐらいはしておかないといけないな・・・と思って、今回記事を書くことにしました。

参考文献は付けられないルールなので、記事には付けていませんが、元原稿のすべての行に1つから2つの注を付けています。また時間をみてそれらを紹介できればと思います。基本的に、英語とポルトガル語の新聞記事(モザンビーク政府系+独立系、ポルトガル、ドイツ、アメリカ、英国、その他国際)や専門家のインタビューや論考などを参照しています。

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「イスラム国がモザンビークを攻撃」の衝撃(上)

天然ガス輸入で日本も関係大。「遠いアフリカの国」の出来事で片付けられない

http://bit.ly/2XOwz6H


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実は、いま攻撃が続く地域、そしてムスリムの若者のリクルート先とされている地域は、私の長年の調査地です。

とくに、この地域のイスラーム化と周辺諸国との関係については、博士論文と科研調査のテーマで、2005年には・・・タンザニアのザンジバル、ダル・エス・サラームを基点に、インド洋沿岸部から内陸部にかけて、ロヴマ川を渡って、モザンビークのカーボデルガード州からニアサ州までの旅を、5歳の息子を連れて、3ヶ月かけて行いました。

毎朝起きると、息子は、「ママ今日は挨拶はなんていえばいい?」と聞くほど、激しい移動でした。

タンザニアではスワヒリ語や英語、
モザンビークではスワヒリ語、マクア語、ポルトガル語・・・

そのときの経験が、息子の起業に繋がった話は先日このブログで紹介しました。

18歳の息子が社会的起業(ソーシャルビジネス)や「昆虫食」にこだわるようになった理由、それはアフリカで…。

https://afriqclass.exblog.jp/239311158/

2005年の他にも、2003年、2004年、2006年とこのテーマを追ってきたのですが、それだけを取り出して論文を出版していなかったので、現実には博論を土台にして執筆した『モザンビーク解放闘争史ーー「統一」と「分裂」の起源を求めて』(御茶の水書房、2012年)の3,4章をみていただくしかないのが申し訳ない限りです。

この本の表紙は、実は今回「論座」の記事の冒頭で紹介したキリンバ群島の一つであるイボ島のサン・ジョアン・バティスタ砦のある部屋の扉の写真です。ここに、かつては奴隷貿易で取引されていた「奴隷」、1960年代にはポルトガル植民地警察によって勾留された政治犯が収容されていました。その中に、この地域のムスリム指導者たちが多く含まれていました。

ポルトガルの秘密警察は文化人類学を雇って、この地域のイスラーム化とそのネットワークを分析しており、その担当官だった大学教授が残した本や資料を読み解き、家まで尋ねてインタビューして、本は仕上げました。2012年に出版された英語版の方が、もう少し詳しく書いているので、関心があれば英語版をご確認下さい。

The Origins of War in Mozambique: a history of unity and divisions (Ochanomizu Shobo, 2012)
あるいは、オンライン版をAfrican Minds社から無料で公開しているので、そちらをダウンロードいただいてもいいかと思います。



朝日新聞社のWEB論座に寄稿しました(「イスラム国がモザンビークを攻撃」の衝撃)_a0133563_12295922.jpeg





# by africa_class | 2019-06-16 13:10 | 【記録】原稿・論文