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【自壊する日本の外交力】モザンビーク和平後最悪の危機:死者50人(公式)、100人以上(非公式)

阪神淡路大震災から19年。
アルジェリア人質事件から1年。
色々な事を考えた一日だった。体調悪く、再び布団の中で・・・。

あまりセンセーショナルに書きたくないのですが、このこと(モザンビークで起きていること)について、日本のメディアにはまったくでないので・・・。

2000年のモザンビークを襲った大洪水の時のような気持ち。
でもあの時は報道自体が皆無だった。
でも、今回は、モザンビークについて、モザンビークから山のような記事と映像が日本から送られてきた。でも、「問題の核心」がすっぽり抜け落ちていた。

首都マプートの煌びやかなホテルの様子、フラッシュ、立派な政治家・企業家たちの姿。すべては滞りなく、未来を予感させ、美しい。。。その500キロ先のイニャンバネで何が起きようとも。1000キロ先の中部地域で、4000人が難民となって家を追われようと。

モザンビークには問題なんてないのだ。
あるのは、資源と広大な「余った」土地と、気の良いアミーゴ(友達)だけ。
みんな、日本の投資と援助を待っている。
まだまだ貧しいし、教育も必要。そういえば、保健衛生や農業もね。
中国のは搾取で、日本のはそうでないよう気を付けるから大歓迎!
インフラと鉱山開発だけど、
なんせ「人材教育」もついてくるし。
大学間協定も結んだ。
・・・・そんなストーリーが新聞紙面を沸かず。

中身についても色々書きたいけれど、今日のところは「首都の最高級ホテル・ポラナの中と外の現実の違い」にのみ焦点を。

安倍総理が行っている間にも、刻一刻と状況は悪化していましたが、共同声明で「治安強化」等が強調される始末。。。これでは、モザンビーク国内で起きている暴力と抑圧、民主化の後退にお墨付きを与えたようなもの・・・ああ、誰が助言しているのでしょうか。モザンビークにおいてさらに「日本」の名前に傷を残してしまいました。

招かれておいて、大統領が自我持参するのに「いやちがう」とは当然いえず、「はいそうですね」ということになり、声明にまでこれが書かれると、日本が今の状況を「認めた」ということになります。つまり、「紛争の当事者にそのままどうぞやってください。支持してますから」とお墨付きを与えたわけです。

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共同声明
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page3_000615.html
ゲブーザ大統領は,モザンビ-クにおける現在の政治情勢,特に2013年11月に実施された地方自治体選挙が平和裡かつ公正な方法で行われたと説明した。また同大統領は,モザンビークが地方で治安上の試練
に直面しており,同国政府が対話を通じ秩序回復に努ていることを伝達した。
安倍総理大臣は,粘り強い対話を通じて国家の安定に向けて取り組むモザンビークの努力を支持する旨表明した。
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そし、ここにお得意の「対話」という言葉が出てきます。

勿論レナモも批判されるべきですが、そもそもこのような事態に陥ったのは、政治問題、あるいは警察の出る程度の治安問題に、国軍を使って野党党首の拠点を軍事攻撃して野党議員を殺し、党首の「首を取ろうとした」こと(防衛大臣ははっきりそう述べています)。なので、今でも党首は逃亡中。

で、どうやって「対話」????当然ながら、未だにレナモ党首と「対話」は実現していません。そもそも「首取り」に軍隊で来られて、ノコノコ出て来れないのは彼がどんなに問題のある人物でも、それぐらいは理解できるかと。なのに、一方的に会談の日時と場所を指定しておいて、たくさんのメディアを呼んで、「忍耐強く待つ姿を報道させる」・・・ことで、「はい。対話終わり。来なかった方が悪い。せっかく折れて対話の席についたのに。ご招待したのに」・・・という茶番が繰り返されています。

4月からずっと「国際監視団の同席」を求めてきたレナモ側の要求を政府は一切聞かず。この判断をしているのが、現農業大臣(プロサバンナ事業の担当大臣として一躍日本関係者に有名に)で次期大統領候補(自他共に)のパシェコ大臣(レナモ交渉担当大臣)です。そして、何を隠そう、元内務大臣。

そして、国際社会が批判するこの間のゲブーザ政権の軍事対応や「対話問題」に、わざわざ日本のトップが共同声明で「支持」を出してしまった・・・。こういうの「外交力」と呼ばない。国民と諸外国にクレームを受けている為政者と握手をするのはとっても簡単。なんの知恵も工夫も要りません。だって、「交渉」ですらない。

島国だからでしょうか。あまりにわかってなさすぎる。
「初めての訪問」である以上、タイミングが重要だったのに、わざわざモザンビークが独立してもうすぐ40年も経って、あるいは和平合意後順調に進んで22年・・・の、最悪のこの瞬間に!?????!!!
いや、「初めての訪問」ぐらい、関係が薄いから、本当に社会のことが分からないのでしょう。外交の事・・・はさておくとして。

そもそも今回の危機は、ゲブーザ政権が、選挙直前に、自ら戦闘状態を創り出して、「強いリーダー」を「演出」しようとした浅はかな考えによるものでした。

しかし、事態は泥沼化。特に、中部地域では、疑心暗鬼な権力側の不当逮捕や若者の軍への強制徴用、そしてついに先日レナモ政治家の暗殺などがあり、住民のFRELIMO政府への反発は強いものになってきちます。

ほっておいても滅びかけていたレナモを、逆にこれで息を吹き返させることになるかもしれません。幸い、第三政党のMDMが中部中心部を政治的に抑えているのですが、MDMもかなり選挙妨害を受けていたので、共に彼らが手を組むとどうしようもなくまずいことになる可能性が出てきています。

その前に、大統領選挙が10月にあり、おそらく、次の狙いは「非常事態宣言」でしょう。
そうすれば、唯の政府の悪口だけでも取り締まれますから。国家反逆罪とかで。実際、すでにゲブーザの退陣要求を出した研究所所長が検察に取り調べられているところ。その退陣要求を掲載した新聞2紙も同じ目に。しかも元々フェースブックに書いたもの。そんなんで「逮捕できるの?」・・・本来できません。もちろん、人権侵害です。しかし、強権下の国家権力とはそういうものなんです。つまり、このこと一つでも、モザンビークの人権(表現の自由)はきわどいところにきています。肩書きのある著名人ですらこの状態。ましてや一般市民に対して行われる日々の抑圧など・・・。

このように現政権が、どうしようもなくバッド・ガバナンスをやっている最中に、他の外交団がこの政権との距離をおいて、なんとか平和に戻そうと尽力している最中に、モザンビークに初めて日本の首相がノコノコ握手しに出かけて行っている・・・日本外交のセンスがどうしても理解できません。「アミザージ(友好)協定」と呼んでいるらしいですが、本当にアミザージを結ぶべき「真のモザンビーク人」らとではなく、それらの人達を抑圧する政権と、それが今暴力化している最中に「友情を交わす」・・・ということの全モザンビーク的、世界的、歴史的意味を、今一度考えてほしいと思います。

あるいは、これから日本は、そういう権力者とドンドン組むんだよ、資源と市場のために(中国みたいに!)という表明だったの?!恐れ入りました。。。でも違うよね、きっと。

ちなみに、「人材育成」5年間で300人って年間60名。ポルトガル語のクラスの2つ分ぐらい。そして、これ一年間とかディプロマがもらえるぐらいのものではなく、数週間のものですよね?これまでJICAの人材育成事業(研修)に3年関わってきましたが(フランス語圏アフリカの治安・司法部門の人達の平和構築研修)、そしてかなり良い研修ができた自負がありますが、それでも毎年60名を「研修」して、その国の何かが変わる・・・というわけでは当然ありません。

本気で資源の呪いを回避し、汚職を避け、資源開発を地域社会や住民に還元するのであれば、「急いで掘るな」の一言です。国家が公正なる分配を確実にし、モニタリングの主体・仕組みを整えるプロセスを醸成していくしかないのです。

しかし、仕事でモザンビーク事情を把握している人たちは一体何をしているんでしょう。ポルトガル語読めないからこうなるのかな・・。読めても、本当に起きていることころをみようとしない、自分の都合の良いように解釈するため・・・なのか。あるいは、どうでもいいから・現地社会で起きていることなんて?

結局、ゲブーザ政権が「治安」を「維持」してくれればそれでいい・・・・のでしょうね。「臭いものに蓋」・・・そうやって「平和と安定」を語ろうとする。

だからアルジェリア事件のようなことが起こるということを、1年経っても理解がないようです。「危機管理セミナー」を企業と政府はやっているそうですが、なぜこのようなことが起こるかのルートコーズ(根本原因)・土台から理解できていない以上、近い将来の悲劇は避けられないと思います。このような外交が、めぐりめぐってますます日本人を危険に晒すのですが。

「アフリカが危ない」のではなく、「アフリカを危ないところにする外部勢力の一つ」に、日本も声高らかに参入した宣言===が、今回の訪問の一つの結果でもあったと思います。


■地元O Pais紙「モザンビークで政治軍事緊張の288日間で50人が死亡」
”Mais de 50 pessoas mortas em 288 dias de tensão político-militar no país”
Sexta, 17 Janeiro 2014 00:00
http://opais.sapo.mz/index.php/politica/63-politica/28524-mais-de-50-pessoas-mortas-em-288-dias-de-tensao-politico-militar-no-pais.html
「2013年4月4日の最初の軍事攻撃の開始以来、市民・政府軍・レナモ軍の間に50名以上の死者が出ている。ただし、この数字は公式に確認されたものであり、死者数は100人前後と考えられる。1992年の終戦以来、最悪の危機である。これは、10月の半ば、政府軍がアフォンソ・ドゥラカマ(野党党首)が拠点としちたサントゥンジーラを占領してから悪化した。以来、レナモのゲリラ兵が国の中部での攻撃を強化しており、北部と南部に拡大しようとしている。」

そして、この最中に(いやこの最中だから9、わざわざ首都で「ゲブーザ大統領を讃える市民のマーチ」の開催をFRELIMO党の書記が発表。なんか本当に、どこぞやの国に似てきました・・・・。21世紀というのに、真逆をいこうとするモザンビークの為政者たち。当然、snsや独立系新聞で、この情報は「笑いのネタ」となっています。。。。でも、権力者というのは、こういうのを大真面目でやるんですよね。特に、「太鼓持ち」のみなさん。競って権力者に好かれようとする。こうやって、民衆と権力中枢部との乖離がどんどん生まれるから、政治運営はどんどん暴力的・対立的になる。

■O Pais紙 FRELIMO党は土曜日にゲブ-ザ大統領を讃えるため2万人を期待
Frelimo espera cerca de 20 mil pessoas na homenagem a Armando Guebuza no sábado
http://opais.sapo.mz/index.php/politica/63-politica/28526-frelimo-espera-cerca-de-20-mil-pessoas-na-homenagem-a-armando-guebuza-no-sabado.html

ということで、どうだったのか?
政府系は2万人を強調しますが、独立系新聞の建物屋上からの映像をみてみましょう。
http://www.verdade.co.mz/destaques/democracia/43357
10月31日の平和マーチと比べて少ないですね。
この記事のタイトルは、「マーチはゲブーザ大統領の人気のなさを確認してしまった(Marcha de exaltação confirma impopularidade do Presidente Guebuza」

当然、FRELIMO党という40年にわたって権力の座につく政権与党によるマーチ。下部組織も農村から都市の地区まで根をはっており、その動員力は都市部でも農村部でも凄いものがありました。一声かければ集会なんて人集めは容易。逆に集会に行かないとしたら、酷い目に合うことも。その組織的動員力で、しかも基盤の南部でも、この程度の人数???というのは、確かに驚きです。

で、集められた人達の声が面白い。
「ゲブーザ大統領が今年で任期が終わりなのでお別れの会だと聞いてやってきた」という人の声多数。実際、党の書記長はそのように宣伝。しかし、「大統領がいない!どして?わざわざ来たのに!」FRELIMO党員のマーチ参加者の中の声を新聞は紹介しているのですが、「パパ・ゲブーザに、レナモとの紛争を止めろと言いに来た」「平和なしに発展なしといいに来た」が、「大統領がいない!」と。。。

太鼓持ちが大統領の支持をみせるために企画し、次期大統領候補の2名(上述パシェコ大臣など)がその忠誠と後継者ぶりを示すために現れた集会である以上、大統領自ら現れる必要ないのです。が、あまりに盛り上がらず、逆に不人気ぶりを露呈した・・というのがこの新聞の報道。

なお、北部の中心地(ナカラ回廊)のナンプーラ市では、地方都市選挙において、歴史において初めて第三政党MDMが選挙に勝利しています。つまり、FRELIMO市政は反対されたということ。日本の外交関係者らは、何故かまことしやかに、「何度も投票が行われ、投票率がすごく低い状態(20パーセント台)で行われたため野党に有利に働いた」というのですが、これは民意を否定するもの。なんか、与党が勝てば「民意が示された」と主張し、野党が勝てば「といっても一部の意思」あるいは投票率を問題にする・・・・日本と同じですね。

そもそも、ナンプーラ市でMDMが勝利したことの背景。
●歴史的にFRELIMOが弱い地域
●初回の投票用紙が与党に有利に作成されるなど政府や選管への不信感
●都市では、動員力が大きい(行政・学校・病院などの機関の職員は全員与党の党員カードを取得させられている)FRELIMOこそが有利のはず。日本の選挙でも、「組織票」がいつも低投票率の際に決定的に重要。しかし、公的に動員ができるFRELIMO候補者が落選。
●つまり、3回投票を重ねるうちに、組織的動員を回避することは容易になり、本当に政治を変えたい人だけ(真の投票者)が投票に行った。FRELIMO党員カードを持っている人ですら、FRELIMO市政を望んでいたわけではなかった。

ということですね。
日本の選挙分析でもされないような、「低投票率は野党に有利」ということを、日本の外交関係者らが平気で口にすることが、今のモザンビーク情勢の把握のおかしさ、日本・モザンビーク関係が本来望ましい方向にいかない決定的な理由でもあります。

つまり、物事の理解をすべて自分たちの「現政権とのコネクション堅持=資源・援助」という論理でしかみられない。。。。。。狭い関係者らの思い込み、思い付きの理解ばかりが、流布され、検証もされないまま、まことしやかにぐるぐる回る・・・・かつて、UNACを野党だ、一団体だと言い張ったように。

そしてこれも言われていないことですが、深刻なことに、ナカラ回廊沿いにあるプロサバンナの対象地でもあるナンプーラ州のムルプーラ郡(調査団でも調査に行ったモゴヴォラス郡のすぐ横)で機動隊による一般市民3人の殺害がありました。そして人権リーグが国に対し、調査を求めています。すべて同じ銃弾での殺害だったそうです。レナモだといって殺されたようですが、詳細は不明で、少なくとも狩りの一般市民も含まれているようです。

■Vítimas de fuzilamento em Murrupula exumadas
http://www.verdade.co.mz/nacional/43301-vitimas-de-fuzilamento-em-murrupula-exumadas

どこで衝突が起きているかは、以下の地図で確認が可能です。
http://www.verdade.co.mz/

なお、誤解をされてもいけないので。
私は、援助のすべて、人材育成のすべて、農業支援のすべて、投資のすべて、に反対なわけではありません。当然ながら。そのいずれもを、モザンビークで20年にわたって実践してきました。もちろん、とってもとってもミクロな規模で。トライアル&エラーのなかではありますが。

問題は、何故やるのか。

もうこれに尽きると思います。Win-WInって聞こえはいいけれど、本当はとても難しいこと。中国の互恵関係と日本のwin-winは同じノリなんだけど、要は我々も設けないのであれば、あなたたちと関係結びません・・・ということなんです。

民間である以上しかたない・・・そりゃそうだけれど、実は本来は「儲け」は後に来るはずなんです。win-winにも順番(優先)があるはず。そこが見えなくされているから大問題。またこrもいつか書きます。ここが、実はすごく偏っていることを見破られているから、モザンビーク市民社会は怒ってのです。

ということで、何故何のためにやるのか・・・という問いが考え抜かれ、共有され、合意されなければならないおですが、御多分に漏れず日本のあらゆる政策や行為において「何故何のため?」という一番根っこの部分は、最後に回される傾向にあります。だから、上手くいかないすべての責任もまた曖昧にされる。あるいは、問題があっても止められないまま続いてしまう、のでした。

だから、目的が明確になるのが大前提。
その上で、誰とやるのか。
とすると、何をどうやるのか。
だから、いつやるのか。
ひと様の社会で何かをやる以上、当たり前ですが・・・。
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by africa_class | 2014-01-17 23:05 | 【情報提供】モザンビーク

【緊急】安倍・ゲブーザ共同声明への批判声明プロサバンナ主要地ナンプラ州2百市民社会組織

安倍総理の訪問、モザンビーク大統領との共同声明に、かなり強い批判が、プロサバンナ事業の主要対象地(19対象郡の内10が集まる)ナンプーラ州市民社会プラットフォーム(PPOCS-N)から今日付けプレスリリースでされています。

現地ではこの訪問の最中も戦闘が続き、戦闘は中部から南部へ拡大し、イニャンバネ州の一部地域では住民がパニックに陥っており、野党政治家が一昨日に暗殺されています。

【日本語訳が届いたのでそれを貼り付けます】
■ポルトガル語原文は→
http://farmlandgrab.org/post/view/23026
■英語文は
http://farmlandgrab.org/post/view/23022-nampula-civil-society-rejects-japan-mozambique-accord-demands-response-to-open-letter-on-prosavana

同プラットフォームはナンプーラ州の200を超える市民社会組織、農民組織、コミュニティ組織、宗教組織の連合体で、これまでプロサバンナ事業関係者らが、「事業パートナー」にしたいと願い、何度も対話を要請してきたネットワークです。

今回、UNAC(全国農民組織)ナンプーラ支部もこのプレスリリース起草に関わっているようです。

現在、ナンプーラ州の農村部では、同プラットフォームの反対により、「対話」は行われておらず、これは「公開書簡」への返答がなく、この間の情報操作や分断工作が酷く(9月30日プレスリリース参照)、かつ9月に出されたコンセプトノートが酷いものだったから・・・とのことでした。しかし、これについて、外務省・JICAは、「対話は進んでいる」の一点ばりでした(第6回、第7回意見交換会)。

その事の意味を無視したまま行われた今回の共同声明への不信感が募っているようです。
いずれにせよ、以下原文(ポルトガル語)です。

かなり強烈です。真剣に怒っているようです。
ナンプーラは最も政府からの圧力が強い場所で、かつこのプラットフォームには沢山の政府系の組織が入っています。それでも、ここまで・・・書いています。
身の危険を顧みず書かれた声明であることが分かります。

●日本政府の「寛大な支援」は、我々の意見では、コロニアリズムの継続である・・・とあります。
●最後に、再度の「公開書簡」への返答と、家族農業セクターの真の強化、キャパシティビルディングのためのプログラム、効果的な支援を、要求しています。

安倍総理・ゲブーザ大統領の声明や二国間協定
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page3_000615.html

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ナンプーラ州市民社会組織プラットフォーム
日本国安倍晋三首相のモザンビーク訪問に関するプレス・リリース

ナンプーラ市民社会プラットフォームは、2009年に課題ごとの、また分野横断的な市民社会組織(CSO)の共同の取り組みのための調整機関として、さらには州の発展につながる取り組みに向けた公共セクター並びに民間セクターとの交流を推進するために設立された。

わが国は、この1月11-12日(土・日)に日本国安倍晋三首相の訪問を受け、メディアの注目を浴びた。そしてメディアが最も注目したのは、インフラストラクチャーおよび農業開発プロジェクトに向けた6億7200万USドルの借款供与の表明であった。その見返りとして、日本国首相はモザンビーク政府へ日本の民間セクターによる投資をサポートすることを求めた。2人の首脳は、ナカラ回廊におけるProSAVANA農業開発プログラムを称賛した。しかし、ProSAVANA事業に対するこの見方は、このようなプログラムの結果として、土地の権利の保障・食料主権・栄養の安全保障・地域コミュニティの文化的統合が脅かされ、環境そして将来世代に影響が及ぶことを指摘し強く警戒の声を挙げてきた、UNACに結集するナカラ回廊の農民組織、各地の市民社会組織および研究者たちの見方と衝突する、と我々は考える。

現在の商品作物のモノカルチャー(単一)栽培を基本とする新自由主義的な農業のあり方が引き起こす被害を念頭に置き、次の点を指摘する。

2013年6月、モザンビーク、ブラジル、日本の国家首脳に対し、ProSAVANA事業の停止と再考を求める公開書簡を送ったが依然返答はない。

ナンプーラ州において市民社会プラットフォームは、農業省州事務所により提供されたProSAVANA事業のコンセプト・ノート分析の結果として、このコンセプト・ノートを拒否した。また、このような特定の方向性で書かれたコンセプト・ノートではなく、農民組織との参加型の手法による協議に基づき、市民社会および専門家や研究者も交え、コンセプト・ノートのドラフトが作成し直されるべきであると勧告してきた。

この分野において経験を積み知識と見識に基づいてこのプログラム(ProSAVANA事業)に対して提言および批判を行ってきた著名なモザンビーク人研究者たちに対し、何の注意も配慮も向けられてこなかった。

我々は、日本の「寛大な支援」は、今なお続く植民地主義の表れであり、6億7200万USドルを提供し活用させることによって、モザンビークにおける国際資本の利益を擁護することをもくろみ、他方では負の影響へ注目を促す全ての試みを見えないものにしようとしていると考える。

したがって、我々は、今回の来訪にあたって結ばれた両国首脳と政府による協定も宣言も認めることはできない。改めて、「公開書簡」への回答を要求するとともに、家族農業セクターを真の意味において能力向上させ、強化し、効果的に支援するプログラムの策定と実施を求めるものである。

ナンプーラ市 2014年1月13日   
ナンプーラ州市民社会組織プラットフォーム
(翻訳、アフリカ日本協議会 斉藤龍一郎)
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by africa_class | 2014-01-13 23:24 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ

今新日鉄住金が進出し、日本援助が支援するナカラ回廊PJの先っぽテテ州で起きていること

団体のブログにも掲載しておきましたが、本当の本当に心配な状態です。こういう投資や事業に、日本が関わっていく日が来ると私自身十分な自覚がありませんでした。

「我々のための食料・資源」・・・が、今新たにアフリカで何をもたらしているのか?しっかり目に焼き付けてください。あまりにモザンビークに関わっている日本の人が少ないところから生じた、このような事態に、自分の力不足を感じています。もっと沢山の人が見張る必要があります。

プロサバンナでいそがしくてこちらのニュースはほどほどだったのですが、新日鉄住金の進出先は、この間ずっと問題になっているブラジルの鉱物資源開発会社ヴァレとリオ・ティント社のすぐ境界線にある場所でした。すでに進出先となっているRevuboe鉱区のウェブサイトに詳細が掲載されています。

■新日鉄住金が進出するRevuboe鉱区のウェブ
http://www.revuboe.com/home
The Moatize Basin in Mozambique is the leading emerging coking coal province in the world. Our Revuboè Coal project in Tete province is bordered by both Rio Tinto's Benga and Zambeze projects and Vale's Moatize project.
そこでは、コミュニティとの合意によってのみ開始と書いてあります。
http://www.revuboe.com/community
Construction of the mine camp commenced only after the blessing of local traditional and government leaders and with the endorsement of the local communities.

しかし、今起きている事態は、そのような「合意」の範囲を超えていることです。これは、以下の地図を観れば一目瞭然でしょう。

■Human Rights Watchの報告書のリリース文にある地図
http://www.hrw.org/news/2013/05/23/mozambique-mining-resettlements-disrupt-food-water

テテ州の地図・・・大部分が鉱区に分割されています・・・。
a0133563_22484533.jpg

問題のモアティゼ郡(ヴァレ、リオティント、新日鉄住金の進出地)
a0133563_22543653.jpg


黄色がすでに鉱区として承認が降りている区画。
紫が現在承認プロセス中の区画。
緑がリザーブです。

そこには人びとの暮らしや、土地への権利が上からのメガプロジェクトによってなかったことにされている様がはっきり映し出されています。

この問題については過去の記事でも繰り返し投稿してきました。
実態調査を行ったHuman Rights Watchの報告書が一番包括的なのでそちらをお読みください。タイトルが象徴的です。「食事のない家とは?:モザンビークの炭鉱ブームと住民移転」(2013年5月23日発表)

■“What is a House without Food?”Mozambique’s Coal Mining Boom and Resettlements
http://www.hrw.org/node/115535
Many of the 1,429 households resettled to make way for Vale and Rio Tinto’s international coal mining operations in Tete province, Mozambique have faced serious disruptions in their access to food, water, and work, Human Rights Watch said in a report released today

これを報じた日本のメディアは唯一、朝日新聞だけでした。
■朝日新聞の記事(2013年5月29日)
「(アフリカはいま)眠れる大地、「緑の実験」 モザンビーク穀倉化計画」
←http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY20130528067

紹介したようにNHKクローズアップ現代は、隣のマダガスカルの問題を報じているものの、番組ないではまったくこのことを取り上げないまま、ナカラ回廊の開発の重要性と日本の援助の素晴らしさを強調していました。もちろん取材チームは、テテで起きている事態を知っていました。
■NHKクロ現代が意図的に報じなかった現実(土地紛争、モ国内でも鉱山暴動、大豆問題)
http://afriqclass.exblog.jp/17873533
■同放送は全部文字お越しされているので以下でご覧いただけます
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3356.html#marugotocheck

その他の整理については、モザンビーク開発を考える市民の会のブログにも掲載済みですが、こちらにも転載しておきます。

■鉱物資源の宝庫テテで何が起きているのか?
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-37.html

日本の新日鉄住金も進出しているモザンビーク北西部のテテ州で、ブラジル鉱物資源企業と住民の衝突に端を発する政情不安が続いています。ついに、元反政府ゲリラが動き始め、7人の警察が攻撃され、鉄道封鎖される可能性が出ています。政府軍も動き始めつつあります。

なお、今回問題になっているリオティントとヴァレのすぐ境界線にある鉱区が新日鉄住金の鉱区です。したがって、現在起きている事態と無関係ではありません。

これらはすべて、住民不在の急いだ大規模投資の帰結です。
ついに、軍事衝突に備えた大量の武器輸入を政府が開始しました。
平和をも不安定化させる投資。
それを後押ししている現在の日本の援助や政策も、問い直されるべきものです。
住民の犠牲の上に呼びこまれる大規模投資と援助の問題が、再びアフリカ、そして日本で問われています。

そもそも問題は、
(1)農民から広大な土地を奪ったこと、
(2)補償をちゃんとしなかったこと、
(3)政府が住民の側ではなく企業の側に立って抑圧的な行動をとっていること、
(4)投資が住民の生活向上に役立っていないこと、
(5)政権関係のごく一部だけが豊かになっていること、
への広範な不満が人々の間であることによります。

そして、このような状態を知らぬままに、回廊プロジェクトと称してこの地域に入り込もうとする日本の援助・企業の問題(ナカラ回廊プロジェクト、プロサバンナ)からも、他人事ではありません。

このような事態を繰り返し、警告したにもかかわらず、日本はTICAD Vに際し、モザンビークの現政権と二国間投資協定を締結してしまいました。
■日・モザンビーク投資協定の署名(2013年6月1日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page5_000168.html


■日経新聞(2013年4月4日)
モザンビーク炭鉱の採掘権取得 新日鉄住金・ポスコなど
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0407E_U3A400C1TJ1000/
 新日鉄住金は4日、同社や韓国ポスコなどが共同で計画しているアフリカ南部モザンビークでの炭鉱開発について、現地政府から3日付で事業化に必要となる採掘権を取得したと発表した。今後詳細な事業計画を詰めて開発に着手し、2019年には鉄鋼原料炭で年産500万トンのフル生産体制を目指す。
■産経新聞(2013年4月4日)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130404/biz13040413450009-n1.htm
推定石炭埋蔵量は約14億トンで、製鉄に使う原料炭年約500万トンの生産量が見込まれている。このうち新日鉄住金グループは、年間輸入量の6%程度に当たる年約170万トンの原料炭を確保する見通し。

■新日鉄住金の進出先のRevuboe鉱区の情報
http://www.revuboe.com/home
The Moatize Basin in Mozambique is the leading emerging coking coal province in the world. Our Revuboè Coal project in Tete province is bordered by both Rio Tinto's Benga and Zambeze projects and Vale's Moatize project.

この住民との衝突については、以下のようにまとめられます。
①2008年に同地に進出したVale社によって、5000家族が土地収用された。
②これら住民は、立ち退き・移転のプロセスや補償内容、その結果生じた生活苦について異議申し立てを2009年末から継続。
③その抗議の一環で、Vale社への補償内容見直しを求めるが拒否。再度の対話を求めて、道路封鎖。
④しかし、警察が強制排除を行い、住民が逮捕。その釈放を求めた住民が牢屋に集結。
⑤警察がついに催涙弾やゴム弾などを使って住民に発砲、負傷者が出た。
⑥警察はそれを否定。

これに関する代表のブログ記事
■続報:ブラジルVale社炭鉱の土地収用&移転への住民抗議のその後
http://afriqclass.exblog.jp/17653555/
■モザンビークで、ブラジル鉱物資源会社Valeの炭鉱道を住民が封鎖、警察が発砲3名負傷~市民社会の声明
http://afriqclass.exblog.jp/17644029/
■「ブラジル鉱業企業と地元住民の土地紛争:「死んでもここを動かない」
http://afriqclass.exblog.jp/17432081/
■「ビルマでの援助と土地収用とプロサバンナ問題」
http://afriqclass.exblog.jp/17288876/

Human Rights Watchの報告書
■Mozambique: Mining Resettlements Disrupt Food, Water:Government and Mining Companies Should Remedy Problems, Add Protections
http://www.hrw.org/news/2013/05/23/mozambique-mining-resettlements-disrupt-food-water
関連の記事
■Miners Vale, Rio Tinto accused of neglecting displaced Mozambicans(2013年5月23日)
http://www.reuters.com/article/2013/05/23/us-mozambique-mining-idUSBRE94M08D20130523


そして、ついにこれに乗じて、1977年-92年までモザンビークに戦争をもたらしたRENAMO(反政府ゲリラ)・現最大野党が、テテに焦点を合わせ始めました。

■Mozambique's Renamo threatens to paralyse vital coal railway
http://www.reuters.com/article/2013/06/19/mozambique-renamo-idUSL5N0EV1SD20130619
■Mozambique: Renamo Threatens to Block Road and Rail Traffic in the Center of Mozambique(2013年6月20日)
http://allafrica.com/stories/201306201160.html

テテは、日本の援助事業(ナカラ回廊プロジェクト)の西端にあたる地域であると同時に、プロサバンナとも関連づけられています。現地では、次のような問題提起がされています。

■UNAC全国年次総会声明文(ProSAVANAも、鉱業メガプロジェクト、大規模植林とともに批判されています)
http://afriqclass.exblog.jp/17790286/

2013年は地方都市選挙、来年は大統領選挙です。
激しい戦争を経験したこれらの地域では、かなり社会内部で不満が高まっています。

これにレナモは便乗しているだけという側面も確かにありますが、実は社会の広い範囲で現政権に対する批判や不満は広がりを見せています。「現政権を全面的に応援」しているように見える日本政府や企業にも、厳しい目が注がれるようになりつつあります。

これに対して、「反政府だ!」と揶揄する動きが、援助関係者の間であるといいます。
しかし、それはあまりに社会のことを知らないレッテル貼りであり、それほど社会について知らないままに「役立つ援助をしている」と自負するのは、大変残念なことです。

今問題提起している人や団体の多くが、与党の長年の支持者・支持基盤であることは、現地で周知の事実です。これは、長年にわたり政権与党の基盤であった医療関係者の何十日にも及ぶストライキに示されていますし、与党とともに歩んできた最大の農民組織・全国農民連盟UNACの以上の声明にも示されています。

この点についての記事
■援助関係者の間で実しやかに囁かれるウソ:現地からの声を理解しよとせず、抑圧側に立つ人達
http://afriqclass.exblog.jp/17943791

そして、ついにこのような事態に。
■Seven soldiers killed in Mozambique weapons store assault(2013年6月18日)
http://www.reuters.com/article/2013/06/18/us-mozambique-attack-idUSBRE95H0SN20130618
■Imports of military equipment
http://allafrica.com/stories/201306201160.html?page=2

日本の私たちが共に目指したいのは、誰ともどのような未来でしょうか?
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by africa_class | 2013-06-20 23:20 | 【考】土地争奪・プロサバンナ/マトピバ