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【参加者募集】5/24院内集会「世界を変える小農と共に考える~これからの日本と食と農のあり方を問う」

イベント続きですが、こちらはとっても大切なイベントです!
募集期間がとっても短いので、拡散にご協力くださいませ。
質問などは主催者に御送り下さい。

会場が、参議院議員会館ではなく、衆議院第二会館に変更になったそうです。
ご注意下さい。

また必ず事前申し込みをお願いします(詳細は以下)。

(転送・転載歓迎!)
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5/24 院内集会「世界を変える小農と共に考える~これからの日本と食と農のあり方を問う」
詳細→http://unpesantsrights.blog.fc2.com/blog-entry-8.html
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昨年末に国連総会で「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言」が採択されました。また、今年から「国連 家族農業の10年」が始まります。

このたび、こうした世界的な流れに重要な役割を果たしてきた世界最大の小農運動「ビア・カンペシーナ」のリーダーをお招きし、世界の動向や国連宣言等の意義を紹介いただきます。

また、日本の農家から現在直面している課題を問題提起してもらいます。日本政府(農林水産省・外務省(調整中))も参加し、コメントをいただくなどしながら意見交換をします。

これらを受けて、今後の日本の食と農の未来を参加者とともに話し合えればと思います。農民や農民団体、政府だけではなく、市民、研究者、学生など、あらゆる分野、世代の方々にお集まりいただき、議論することから始めたいと思います。ぜひご参加ください。

■日時:2018年5月24日(金)17時ー19時半
*議員会館ロビーでの集合時間:16時半ー16時45分 
*入館証が必要です。直接会場に行けませんのでご注意下さい。

■場所:衆議院第二議員会館 第一会議室(東京都千代田区永田町2-1-2 )
■アクセス1.永田町[1](4分) 2.国会議事堂前[3](7分)http://bb-building.net/tokyo/deta/457.html
■言語:日本語・英語(逐語通訳付き)
■参加費(資料代):500円

■お申込み:5月23日(木)18時までに下記のサイトにご記入の上、直接会場にお越し下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/b31da8a4620264
■主催:国連小農宣言・家族農業10年連絡会 http://unpesantsrights.blog.fc2.com/

■式次第:
司会:渡辺直子(日本国際ボランティアセンター)

1)国連等での小農・家族農業への注目の意義ー国連小農権利宣言の採択を受けて
・ヘンリー・トーマス・シマルマタ(ビア・カンペシーナ/インドネシア農民組合、小農宣言チームメンバー)
・キム・ジョンヨル(ビア・カンペシーナ国際調整委員 韓国女性農民会)

2)日本政府からのコメント・農林水産省・外務省(調整中)

3)日本の小農・家族農業の現状と課題の紹介・日本の農家
・松平尚也(耕し歌ふぁーむ/小農学会/京都大学大学院)、他調整中

4)オープン・ディスカッション&質疑など

■お問い合わせ・連絡先:
国連小農宣言・家族農業10年連絡会メールアドレス:peasantsrightsj<@>gmail.com
*取材などのお問い合わせは、日本国際ボランティアセンター(http://www.ngo-jvc.net)渡辺(TEL:03-3834-2388)までお願いいたします。

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by africa_class | 2019-05-15 22:25 | 【国連】小農の権利宣言

グローバルな食と農の危機と抵抗を解説する世界最先端シリーズ本(グローバル時代の食と農)、刊行開始しました。

国連総会での「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言」採択から3日が経過しようとしている。思った以上に、多くの人が関心を持ってくれて本当に嬉しい。

この権利宣言についてブログやツイッターで紹介して数年が経つが、正直なところ、3カ国民衆会議までは、なかなか広がらなくて、どうしたらいいのかなと考えていた。

なので、こんな風に広がるとは思ってなくて、とっても嬉しく思う。
でも、未だ未だ中身も経緯も十分知られているとはいえないので、このブログで少しずつ紹介していければ。

さて、小農の権利宣言についてもう少し詳しく書こうと思って、はたと困ったことにぶち当たった。「小農(peasants)」が、どうも日本や世界の御都合主義の人達、あるいは一般的な用語に慣れている人達が「小規模農家」と訳してしまう問題である。このことは、改めて書かないといけないのだけど、もう一つ問題に行き当たった。

それは、日本の食卓や農村を巻き込む形で進んでいるグローバルなフードシステムの問題が、どうしても日本の中では十分理解されていないという限界。そして、それに抗い乗り越えようとする南の小農たちの身体をはった、しかしクリエイティブでイノベーティブな試みについては、さらに知られていなかった。

2008年のグローバルな食料危機と引き続き生じた食をめぐる暴動(これが一部政治変動に繋がる)、「グローバル・ランドグラブ」と呼ばれる土地強奪(収奪)とそれを規制しようとする国際的なアクション・・・この10年の南の村々や畑や森、NYの企業の役員室、ロンドンのニュースルーム、国連の会議場までを巻き込んで、繰り広げられてきた相克は、まったくといっていいほど日本では関心をよばなかった。

これは研究や教育の分野でも同様だった。
日本で食と農について研究してきた人達は必ずしもグローバルな展開との連動性の中で研究してきたわけではなかった。逆もまたしかり。

あるいは社会運動に関心を寄せる人がグローバルな食と農の分野もスコープに入れることは稀で、開発学関係の人たちこそ注目してもよさそうなのに、日本ではほとんどの関係者がスルー。

ましてや、援助業界の人は、「小農の運動」に胡散臭いまなざししか投げかけてこなかった。グローバルに負の影響を及ぼしているフードシステムの構造はさておき、対象の村・農民グループの「生計向上」があればそれでよし、と。あるいはそのシステムへの垂直統合を、「グローバル・フードバリューチェーンへの統合=貧困からの脱却」と信じ込んで無批判に奨励・・・。

もちろんTPPの反対運動などに関わる人達は、グローバルと国内の関係性に強く関心を寄せてきたし、理解も深めてきた(もちろん、印鑰 智哉さんは別格だけど)。

でも、残念ながら、日本では、この分野の研究や教育は著しくマイナーかつ遅れてきた。そのことが、日本の農と食をめぐる政治・政策や開発援助政策・事業を、グローバルな展開とあわせて考察する理解を不十分(あるいは皆無)にした。マネーの力は国境を超えているというのに…。そして、海外で著しい負の影響を及ぼす開発に官民が手を染め続け、そして国内にも、ついに「黒船到来」を招いてしまった。なのに、これをテーマに研究や論文を書く若手はほとんど現れない・・・というお寒い状態に日本はあった。

この状況を変えるため、近畿大の池上甲一先生、京都大学の久野秀二先生とともに、シリーズ本(グローバル時代の食と農)9巻を明石書店から刊行していくことになった。
後に、龍谷大学の西川芳昭先生と総合地球研究所の小林舞さんが参加して、ICAS日本語シリーズ監修チームができた。
*ICASはInitiatives for Critical Agrarian Studiesの略称
(原本の企画陣、オランダ・ハーグのISSに拠点)

【第1巻】
  • イアン・スクーンズ『持続可能な暮らしと農村開発〜アプローチの展開と新たな挑戦』(監訳:西川芳昭、訳者:西川小百合)、明石書店。
  • http://www.akashi.co.jp/book/b420384.html

【第2巻】
  • マーク・エデルマン/サトゥルニーノ・ボラスJr.『国境を超える農民運動〜世界を変える草の根のダイナミクス』(監訳:舩田クラーセンさやか、訳者:岡田ロマンアルカラ佳奈)、明石書店。
  • http://www.akashi.co.jp/book/b420388.html

さて。
私が担当した第二巻はまさに「小農の権利 国連宣言」が成立するまでの歴史的プロセスを学ぶのに適した本なので、次以降に詳しく紹介するにあたって、まずはこれから3年にわたって出版していくこの「グローバル時代の食と農」シリーズの誕生秘話をお伝えしておこうと思う。

これは、以上の第二巻の171頁「訳者解説」で紹介中。でも、明石書店さんの許可が出たので、一部だけ転載するので、ぜひ残りは手に取って読んでくださいませ。

******

本シリーズの誕生秘話(176頁〜178頁)

(第2巻の共著者でありシリーズの仕掛人かつ編集長のサトゥルニーノ(ジュン)・ボラス・ジュニア教授の紹介)

 食と農の分野では世界的に知らない人はいないジュン・ボラスは、日本では未だほとんど知られていない。現在、世界でもっともネット上でのダウンロード数が多い社会科学の学術誌の一つである『Journal of Peasants Studies(JPS、小農研究)』の編集長として敏腕をふるいながら、土地収奪や小農運動、食の問題について様々な国際的な研究や社会運動の世界的ネットワークづくりに従事し、国際的な交渉・学説・言論空間に多大なる影響を及ぼしてきた人物である。ICASも彼のイニシアティブであり、彼が企画・主宰する国際学術会議には毎回500人を超える世界の若い人達の応募があり、農民運動やフードムーブメントの関係者も必ず参加し、現実に根ざした最先端の議論が繰り広げられる。実は、その多くの会議を農民運動自身が共催しており、学術空間を社会に開くという意味でも新しい風をもたらしてきた。

 世界に国境を越え、分野や出自を超えた言論空間をきり拓いてきたジュンであるが、フィリピンの少数民族出身である。1980年代後半に、フィリピンの国立大学の法学部に入学したものの、社会運動に身を投じ1990年代前半まで、フィリピの農村住民とともに活動に明け暮れていた。その彼が、問題の根源が社会のなかだけではなく、フィリピン農民が置かれた世界的状況(とそれに影響を受けたフィリピン政治経済社会環境)にあるのだと気づき、1990年代半ばにオランダ・ハーグにあるISS(社会科学国際研究所)のドアをたたき、そして教授に昇り詰めたこと自体が、時代の変化を物語っている。しかし、彼はアクティビストとしての活動も継続し、ビア・カンペシーナの設立に関与したほか、現在もアムステルダムにあるトランスナショナル研究所(TNI)の研究員として市民社会でも重要な役割を果たしている。その意味で、彼自身が「越境する運動」を体現しているともいえる。

 ジュンがフィリピンで学び活動していたとき、彼が最も参考にしたのが上記のJPSであったという。しかし、インターネットにアクセスできずお金もなかった時代、編集長に手紙を書き研究誌を送ってほしいと頼んだが、その返事は届くことはなかった。そんな彼が編集長に着任したとき最初にしたことが、社会にとって重要な論文にフリーアクセスの機会を提供することであった。このICASブックシリーズはその延長線上にある。世界中のこの分野に関心を寄せる若者、農民、社会運動や市民活動に関わる人たち、そして実務者や政策立案者に気軽に手にとってもらえる「小さい本」を届けたい。しかし、その「小さな本」は「ビックなアイディア」が詰め込まれ、これまでの学説を検討し現実に根ざした分析ながらも、未来に開かれたビックなアイディアを共有し、励ましたい、そういう願いが込められている。そして、国境を越えてこれを届けるために、すでに世界各国で10を超える言語に訳されているが、この日本語版の誕生は列の最後に加わるものである。

 このシリーズ本の日本語版を出版してほしいとジュンに頼まれたのは、2014年のことだった。その際に、「どうして日本には世界に出てくる人がこの分野でほとんどいないのか?」と繰り返し問われた。筆者は、2012年末からランドグラブの問題に関わるようになり、世界各地の研究者や農民運動、アクティビストと関わるなかで、日本でもっとこの分野を学び関わる人を増やさなければならないと強く感じるようになっていた矢先のことでもあった。

しかし、長年にわたって戦争と平和、そしてアフリカ地域研究を中心に研究をしてきた身には荷が重いことであった。そんななか、アフリカ研究と活動を通じて、今回の監修チームの仲間と集えたことは、本当に幸運だった。また、日本の大学を去りドイツと日本の間を行き来するようになった私の新たな学びを支えてくれたのは、ICASに集う老若男女の「villagers(村人)」たちであった。食と農の分野の古典から最新の文献を次々に与えてくれ、議論に参加させてくれ、鍛えてくれた「村人」たちに心から感謝したい。これらの文献を、ドイツの森と畑のなかで農に従事しながら音声で聞きながら「読んだ」日々は一生の宝物である。
*******

改めて読むと(自分で書いたものの、民衆会議の準備が大詰めの最中に書いていた文章なので、あまりしっかり頭に入っていなかった…)、私の運命は、2012年8月にモザンビーク農民連合(ビア・カンペシーナ)に呼び出されてから、大きく変わったのだなと、ふと思った。

モザンビーク北部の小農(すでにこの世にいない人も含め)の導きで、大学院に戻ったり、大学で教えたり、研究者になったり、社会活動に加わったり・・・といろいろなことを経験してきた25年だったけれど、2012年の再会とプロサバンナ事業の問題が、自分の専門分野まで変えてしまうとは正直思ってもみなかった。

でも、実は違うことをやっているわけではなくて、すべては連動していたのだと、いまでは納得している。

ひとりでも多くの日本の若い人達に、この分野に一緒に取り組んでほしい。状況は厳しいけれど、厳しいからこそ、クリエイティブな手法で南の小農たちは日々闘っているし、オルタナティブを生きている。関心がある人はツイッターで連絡下さい。


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by africa_class | 2018-12-20 04:11 | 【国連】小農の権利宣言

食に目覚めた17歳の息子とシリーズ(食と農)9巻本の刊行

ずいぶんご無沙汰してしまいました・・・。
今年は畑面積を大幅に広げ、ちょっと頑張りすぎた春から夏を経て、世界のあちこちに出没しつつ、なんとか落ち着きを取り戻しつつあると思ったところで、もう年末・・・。

17歳の息子が日本に行っている間にブログでもと思ってたのだけれど、もう帰国!
しかし、子が成長するスピードの凄まじさの一方で、親の自分が一進一退を繰り広げているのは、なんとも・・・ですが、逆に日々教えられる感じで、私もいつまでもグズグズしてられないな〜と思っている今日この頃です。

それにしても、この3年ぐらいの雑誌遍歴が凄まじい。
最初は、建築雑誌だった。
次に、インテリアデザインの雑誌だった。
そして、写真の雑誌になった。
と思ったら、女性服のファッション雑誌になった。
でも、つい最近はコレにになった。

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親が親なら、子も子で、とにかく「食」に目覚めたわけです。
で、彼のセオリーでは、「狩猟採取が人間と自然、地球に最も適している暮らしのあり方だ」ということで、森と畑に出没しては採取を愉しんでいたわけですが、さすがに池のコイやフナ100匹にも、ビオトープのカエルさんたちにも、蜂の子さんにも興味はないらしい。

でも、とにかく食べ物にこだわり始めた。
そのこだわりは尋常な感じではなく、亜熱帯ですらないドイツで、亜熱帯か熱帯のものを食べたがった・・・。温暖化はまだそこまでいっていないというのに。

エンゲル係数が急カーブというか直線を描いたところで、父親のまったがかかった。

ある時、当時16歳は哀しそうにつぶやいた。

「自然が豊かなところに暮らす野生動物はいいな・・・」
「目指してるのは、パプアニューギニアとかの暮らしなんだ」
「へ?」
「人類は貧乏になった」
「はあ・・・」
「自然に委ねられなくなった」
「そうね・・・」
「でも、考えてみたら動物園のゾウはいいな」
「へ?!」
「いっぱいタダで果物がもらえるから」
「・・・・さっきまでの話と違うやん!」
「あの果物には農薬ついてんのかな・・・」
「えっと、それは・・・」
「安いもん喰わせてないかな・・・」
「えええーーーーと」
「人間はズルい。ゾウが分からないとも思って!」
「はあ・・・」

翌朝、当時16歳はスコップと鍬をもって自分のためのサツマイモ畑のためにざくざくがんばった。
ここはどこ?というほど、素晴らしいブリティッシュガーデンだった庭は、飢える楽園の野生動物になりたい若いヒト科のオスによって、やや暴力的に「サツマイモ畑」に変貌を遂げさせられていた。

買うカネがなく、納得のいく食べ物がないいなら自給だ。
それは正しい。
ハハが、そんなことは、もう13年もがんばってるやん。

で、結局、サツマイモから蔓を出させて移植したのは、この私。。。
一個やったら、全部やったつもりになるのが、この年齢の特徴でして。
後まで想定して行動してよ、、、、まあ無理か・・・。

しかし、My Foodへのクエストは続く。
学校の給食が耐えられないと言い始めたのだ。
この文句は数年前からずっとだったが、ついに給食を辞め、毎日弁当を持参すると宣言した。

「おべんとう」・・・。
日本の、しかし私のように「スボラ母」にとって、これがどれほどのプレッシャーか!
わざわざドイツくんだりにきて、もう高校も終りかけてる息子にこれを宣言されるとは想いもよらず、身構えた。

「あ、ママちなみに、オレが作るから」
「あ、、、、、そ、そう?」
「だいじょうぶ!(ニコリ)自分で食べたいもの作りたいし」
「そうよね。そうよね」

とりあえず、こういう自主性が出たときは無限に褒めるに限る。
「じゃあ、ママはお弁当箱買おうかな!」
「うん。お願いする。でも特大のものね」

との会話をした後、奴はアフリカに旅立ち、その後日本、そして私が日本に出たので、そのことをすっかり忘れていた。
で、日本からこちらに戻ってくると、本当だった。
17歳1ヶ月の息子は、毎日お弁当のために夕食まで作っていたのだった!!!!

こういうときは、やはり褒めるに限る。
もう褒めて、褒めて、そして頼るに限る。
というか、実際のところ感動して、褒める以外なかったのだ。
だって、世の親は、毎日夜ご飯に何を食べさせるかで、かなり翻弄される。
もちろん、夜に温かいものを食べない伝統的ドイツ家庭以外は・・・。

でも、うちはサッカー・写真少年が作る。
だから、彼がサッカーを終ったり、写真の作業が終らないと、食べられない。

そして、私の翌日のお昼ご飯まで作ってくれるようになった時点で、「これは本気」と理解した。

なんだ。そういうことなんだったら、早くいってよ。
とにかく二人で「食と農」の分野でがんばることを誓った。

なので(展開についていけない方すみません)、今息子は秋休みの2週間を東京で過ごしている。
毎日違うレストラン、バー、カフェ、パブ、フードトラックで、焼き鳥やらケバブやらムール貝やら、パエーリャを売っているらしい。高校2年生17歳。来年は卒業だが、卒業制作がコレだそうだ。
つまり、来年の6月の卒業制作発表会までに、「フードビジネスを興す!」プロセスが卒業制作だと。。。

息子は嫌っているが、シュタイナー学校は、その意味でよかったと思ってる。
本人も内心はそう思っているが、学校がいかんせん狭すぎた。
同じ先生とクラスメートと11歳からずーーーっと一緒というのは、さすがにキツい。

で、フードビジネスのその先は?
というのは、私は聞かない。
だって、その先の人生を生きるのも、責任を負うのも、本人だからだ。

ドイツで大学に入るのは日本どころではない難しさだ。
日本にはあらゆる大学がある。
自分の能力にあわせて行けばいい。
が、ドイツでは、大学受験資格をとるのが至難の業なのだ。
いわゆるアビトウア、バカロレアというやつだ。

で、食に目覚めた野性動物になりたい17歳は、大学はもういいといっている。
いつか行きたくなったら勉強して自分の力で行くよ、と。

なるほど。
大学で教えた私と、今大学で教えている彼の父親は、それ以上は言わなかった。
「I see.」
わかったでもなく、いいねでもなく、それはダメでもなく。
なるほど。

実際のところは複雑だ。
「大学ぐらい出てないと・・・」
の言葉が過らないわけではない。

でも、彼を見つめる。
小屋も解体して立て直せるし、家具も作れるし、器も作れる。
畑も耕せるし、料理もできるし、服も縫える。
写真も撮れるし、編集もでき、ホームページも作れる。
世界のどこでも生き延びられるだけの機転もある。
確かに、「勉強」という意味では適切な学校ではなかったかもしれない。
でも、「生きる力」という意味では、もう準備万端だ。
17歳になったばかりの若者に、そう言えるとすれば、それは素晴らしいことなのだと思う。
自分の17歳時と比べても。

彼の人生だ。
彼に任せよう。
任せられるだけの若者になれるように、そこに全力をあげたはずだったから。
彼が彼の人生を彼の手で切り拓けるように。
2歳で包丁をプレゼンとしたのは、そういう理由だった。
0歳児の彼をアフリカに連れていったのも、それが理由だった。
どんな難しい話でも、彼を子ども扱いしなかったのも、そのためだった。
彼のどんな一言も、彼のものとして、否定しないできたのも、それが理由だった。

そして、食べものが命と社会、自然に関わる重要なものだと言い続けたのは・・・
自分でその場で採った新鮮なものほど美味しいものはないと言ったのも・・・
おそらく私だ。
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(エビは池からではないが・・。)

彼は彼の世界に羽ばたく。
私達は後ろ姿を眺めながら、無事で健康であってくれれば、ただそれでいい。

人生に苦労はつきものだ。
それが当たり前。
闇雲にいわゆる「幸せ」を追い求めたり、「他人がどう思うか」を基準に考えるのではなく、自分の考えに基づいて失敗しながら送っていけばいいのだ。

なんの話だったか・・・。

そうだ。食と農だ。
で、グローバル化と食農問題。
でも、やっぱりこの話は、My Food, Our Foodから始めないといけないと思ってる。
その理由をいずれは書こうと思うのだけど、今日はこれにて失礼。

玄関のぶどうでワインを仕込まないといけない。
毎年やっているうちに、仕込んで1週間目が最高だと知ってからは、熟成ができないのだけど。
もちろん、熟成ワインは美味しい。
でも、あえて自家製ワインを作るのであれば、ボトルや店で味わえないものをと思う。
これぞヴァン・ナトゥールの極み。
世界でどこにもない、My Wine, Our Wine。

で、伝えたかったことに辿り着く迄に、またしてもこんな長旅をしてしまった。
いいたかったことは一つ。

2018年11月から、食と農に関するシリーズ本を9巻出していきます。
世界最高峰の研究者たちが執筆した一般向けのブックレット。
近畿大学の池上先生と京都大学の久野先生との企画。
明石書店からのシリーズ刊行となります。

お楽しみに!



by africa_class | 2017-11-03 05:13 | 【食・農・エネルギー】